JP6705628B2 - 形質細胞様樹状細胞誘導剤 - Google Patents

形質細胞様樹状細胞誘導剤 Download PDF

Info

Publication number
JP6705628B2
JP6705628B2 JP2015153961A JP2015153961A JP6705628B2 JP 6705628 B2 JP6705628 B2 JP 6705628B2 JP 2015153961 A JP2015153961 A JP 2015153961A JP 2015153961 A JP2015153961 A JP 2015153961A JP 6705628 B2 JP6705628 B2 JP 6705628B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
plasmacytoid dendritic
dendritic cells
lactobacillus helveticus
cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015153961A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017031109A (ja
Inventor
哲弘 小川
哲弘 小川
知広 細谷
知広 細谷
史彦 酒井
史彦 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Megmilk Snow Brand Co Ltd
Original Assignee
Megmilk Snow Brand Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Megmilk Snow Brand Co Ltd filed Critical Megmilk Snow Brand Co Ltd
Priority to JP2015153961A priority Critical patent/JP6705628B2/ja
Priority to PCT/JP2016/071814 priority patent/WO2017022560A1/ja
Publication of JP2017031109A publication Critical patent/JP2017031109A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6705628B2 publication Critical patent/JP6705628B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L33/00Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof
    • A23L33/10Modifying nutritive qualities of foods; Dietetic products; Preparation or treatment thereof using additives
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • A61K35/741Probiotics
    • A61K35/744Lactic acid bacteria, e.g. enterococci, pediococci, lactococci, streptococci or leuconostocs
    • A61K35/747Lactobacilli, e.g. L. acidophilus or L. brevis

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nutrition Science (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Fodder In General (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Description

本発明は、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)に属する乳酸菌を有効成分とする、形質細胞様樹状細胞増加剤、飲食品、栄養組成物および飼料に関する。
免疫は、多くの動物に備わった生体防御機構であり、外部より侵入する細菌やウイルスなどの病原体や生体内で生じた腫瘍細胞を排除する役割を担う。免疫系には、自然免疫系と獲得免疫系の2つのシステムが存在し、生体防御機能を担っている。自然免疫系は,先天的に備わった免疫系であり、獲得免疫系は,後天的に外来異物の刺激に応じて形成される免疫系である。細菌やウイルスなどの異物が体内に進入すると、まず自然免疫系を担うマクロファージ、NK細胞、樹状細胞が異物の除去に向けて働く。引き続いて樹状細胞は、異物の情報をT細胞やB細胞に伝達することで、異物を特異的に攻撃するCD8+T細胞や抗体産生を誘導して獲得免疫系を活性化させる。
このように樹状細胞は、自身が自然免疫系を担当する細胞であり、かつ獲得免疫系にも関与する細胞であることから、免疫全体の司令塔として機能している。樹状細胞には様々な種類が存在するが、大きく分けて古典的樹状細胞(conventional dendritic cell:cDC)と形質細胞様樹状細胞(plasmacytoiddendritic cell:pDC)に分類される。古典的樹状細胞は強い抗原提示能を有することから、獲得免疫系の誘導に重要な役割を果たす。一方、形質細胞様樹状細胞は抗原提示能は弱いものの、異物の排除に向かう免疫賦活系だけではなく、過剰な免疫応答を抑制する免疫制御系をも調節することから、免疫系の恒常性を保つための要となっている細胞である。
異物排除における形質細胞様樹状細胞の特徴として、ウイルス感染時に大量のI型およびIII型インターフェロン(IFN)を産生することがあげられる。I型およびIII型IFNは、ウイルスの増殖を阻止するために生体が本来保有している抗ウイルス因子の産生を誘導するサイトカインであり、ウイルス感染が組織全体へ拡大するのを防ぐ役割がある。この反応では、ウイルス由来のRNAまたはDNAが細胞のTLR7またはTLR9と結合することでI型IFNの産生が強く刺激される。したがって、これまでにも抗ウイルス剤としてTLR7またはTLR9を刺激するようなI型IFN誘導剤が広く研究されてきた。特許文献1に記載されるインターフェロン産生誘導剤は乳酸菌を有効成分とするものであるが、当該特許文献では形質細胞様樹状細胞を活性化してIFN産生を誘導するものであり、本発明が示す形質細胞様樹状細胞数を増加させるものとは本質的に異なるものである。また、当該特許文献で形質細胞様樹状細胞を活性化させる乳酸菌として示されているのはラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)のみであり、ラクトバチルス(Lactobacillus)属の乳酸菌にはその活性化作用は無いことが示されている。また、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)については一切検討されてこなかった。
一方、免疫制御系における形質細胞様樹状細胞の特徴は、IL−10産生型T細胞や制御性T細胞を誘導することであり、炎症性疾患の抑制に大きく寄与している。一般的に免疫賦活剤で生体防御機能を高めると、生態防御機能が行き過ぎたことによる炎症の惹起が懸念される。逆に抗炎症剤などを使用すると、行き過ぎた生体防御機能の低下による感染リスクの上昇が懸念されてきた。しかし、形質細胞様樹状細胞は、免疫賦活剤と抗炎症剤の機能を併せ持ち、ウイルス感染からの重要な防御機能でありながら、同時に免疫制御系に働きかける機能を有しており、まさしく免疫機能の恒常性維持に関わる要の細胞である。したがって、生体内で形質細胞様樹状細胞の数が低下すると、ウイルス感染リスクが高まるばかりでなく炎症性疾患のリスクも高まることから、生体内での形質細胞様樹状細胞の数を増やすような薬剤または食品成分が期待されてきた。
再公表2012−91081号公報
特許文献1に記載されるインターフェロン産生誘導材は、ウイルス感染に一定の効果を有する。しかし、全身性エリスマトーデスのように血清中のI型IFN高値が憎悪因子となる疾病も存在することから、特許文献1のようなインターフェロン産生誘導剤を用いると、必要以上に形質細胞様樹状細胞を刺激して過剰なI型IFNの産生を促してしまい好ましくない。ウイルス感染時には形質細胞様樹状細胞から相当量のI型IFNが産生されることから、平時には形質細胞様樹状細胞を活性化させるよりも、ウイルス感染時に対応できるだけの細胞数を保つことが重要と考えられる。そこで、本発明は、形質細胞様樹状細胞を増加させることで、感染症の予防と炎症疾患の予防の両者の効果をもたらすことができる形質細胞様樹状細胞の増加を誘導する医薬品や栄養組成物、飲食品および飼料を提供することを課題とする。
本発明者らは、生体内で形質細胞様樹状細胞を増加させる因子を鋭意探索した結果、乳酸菌のLactobacillus helvetivcusを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は以下の構成を有する
(1)ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)に属する乳酸菌又はその培養物を有効成分とする形質細胞様樹状細胞誘導剤。
(2)前記ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)に属する乳酸菌がラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)SBT2171株(FERM BP−5445)であることを特徴とする、(1)に記載の形質細胞様樹状細胞誘導剤。
(3)(1)又は(2)に記載の剤を有効成分として含む免疫賦活剤。
(4)(1)又は(2)に記載の剤を有効成分として含むウイルス感染予防または治療剤。
(5)(1)又は(2)に記載の剤を有効成分として含む免疫寛容誘導剤。
(6)(1)又は(2)に記載の剤を有効成分として含む抗炎症剤。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の剤を添加した栄養組成物、飲食品又は飼料。
Lactobacillus helvetiusを摂取する事で、生体内で形質細胞様樹状細胞の増加が誘導され、ウイルスなどに対する感染予防効果とともに、過剰な免疫応答を予防、改善することができる。また、該乳酸菌を含有するチーズまたは乳酸菌飲料を食することで、形質細胞様樹状細胞を増加させることも可能となる
マウスにラクトバチルス・ヘルベティカス SBT2171株の菌体を経口投与し、腸間膜リンパ節における形質細胞様樹状細胞数を比較した図である。 マウスにラクトバチルス・ヘルベティカス SBT2171株の菌体培養物を経口投与し、腸間膜リンパ節における形質細胞様樹状細胞数を比較した図である。
本発明における乳酸菌としては、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)に属する乳酸菌を用いることができる。特に、ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)SBT2171株(FERM BP−5445として寄託)、SBT−2161株(NITE BP−01707として寄託)、SBT2195株(FERM P−11538として寄託)、SBT2196株(FERM P−11676として寄託)、SBT0064株(FERM P−21079として寄託)、SBT0402株(FERM P−21559として寄託)等が好ましいが、これらに限定されるものではない。
ラクトバチルス・ヘルベティカスは、乳酸菌培養の常法に従って培養することができる。培養培地には、乳培地又は乳成分を含む培地、これを含まない半合成培地など種々の培地を用いることができる。このような培地としては、還元脱脂乳培地などを例示することができる。
得られた培養物から遠心分離などの集菌手段によって分離された菌体をそのまま本発明の有効成分として用いることができる。濃縮、乾燥、凍結乾燥などした菌体を用いることもできるし、加熱乾燥などにより死菌体にしてもよい。
菌体として純粋に分離されたものだけでなく、培養物、懸濁物、その他の菌体含有物や、菌体を酵素や物理的手段を用いて処理した細胞質や細胞壁画分も用いることができる。
培養物などの形態としては、合成培地であるMRS培地(DIFCO社製)、還元脱脂乳培地など一般的に乳酸菌の培養に用いられる培地を用いた培養物だけでなく、チーズ、発酵乳、乳製品乳酸菌飲料などの乳製品などを例示することができるが特に限定されるものではない。
さらに、得られた培養物から遠心分離、濾過操作などの方法を用いて、乳タンパク質沈殿や菌体成分を除去することによって調製した培養上清なども用いることができる。固形分が少ない上清であるため、飲食品などへの適用範囲が広くなる。例えば、還元脱脂乳培養物を5,000rpm、10分間遠心分離することにより培養上清を調製することができる。
本発明における形質細胞様樹状細胞誘導作用とは、形質細胞様樹状細胞の増加を誘導する作用をいう。形質細胞様樹状細胞数を増加させることで当該細胞が有する免疫賦活剤と抗炎症剤の機能を発揮させることができるからである。
製剤化に際しては製剤上許可されている賦型剤、安定剤、矯味剤などを適宜混合して濃縮、凍結乾燥するほか、加熱乾燥して死菌体にしてもよい。これらの乾燥物、濃縮物、ペースト状物も含有される。また、ラクトバチルス・ヘルベティカスの形質細胞様樹状細胞誘導作用を妨げない範囲で、賦型剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、懸濁剤、コーティング剤、その他の任意の薬剤を混合して製剤化することもできる。剤形としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、粉剤、シロップ剤などが可能であり、これらを経口的に投与することが望ましい。
本発明の形質細胞様樹状細胞誘導剤はどのような飲食品に配合しても良く、飲食品の製造工程中に原料に添加しても良い。飲食品の例としては、チーズ、発酵乳、乳製品乳酸菌飲料、乳酸菌飲料、バター、マーガリンなどの乳製品、乳飲料、果汁飲料、清涼飲料などの飲料、ゼリー、キャンディー、プリン、マヨネーズなどの卵加工品、バターケーキなどの菓子・パン類、さらには、各種粉乳の他、乳幼児食品、栄養組成物などを挙げることができるが特に限定されるものではない。
本発明の形質細胞様樹状細胞誘導剤は、これを有効成分とする免疫賦活剤、ウイルス感染予防または治療剤、免疫寛容誘導剤、または抗炎症剤として利用することができる。
さらに、本発明の形質細胞様樹状細胞誘導剤を飼料に配合することができる。前記飲食品と同様にどのような飼料に配合しても良く、飼料の製造工程中に原料に添加しても良い。
ラクトバチルス・ヘルベティカスの菌体又は培養物を配合して、形質細胞様樹状細胞誘導剤あるいは、形質細胞様樹状細胞誘導用飲食品、栄養組成物、飼料などの素材又はそれら素材の加工品に配合させて使用する場合、ラクトバチルス・ヘルベティカスの配合割合は特に限定されず、製造の容易性や好ましい一日投与量にあわせて適宜調節すればよい。投与対象者の症状、年齢などを考慮してそれぞれ個別に決定されるが、通常成人の場合、ラクトバチルス・ヘルベティカスの培養物などを10〜200g、あるいはその菌体自体を0.1〜5,000mg摂取できるように配合量などを調整すればよい。このようにして摂取することにより所望の効果を発揮することができる。
以下に、実施例及び試験例を示し、本発明についてより詳細に説明するが、これらは単に例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[試験例1]マウスへのラクトバチルス・ヘルベティカス生菌体の経口投与試験
1.試験方法
20匹のBalb/cマウス(7週齢、雄)を対照群(control群)とLH2171群の2群(n=10)に分け、対照群には標準食(AIN93G)を、LH2171群には標準食(AIN93G)にラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)SBT2171株の凍結乾燥粉末を1%添加した食餌を自由に摂取させた。摂取開始から5週間後に解剖し、腸間膜リンパ節を摘出し細胞懸濁液を調製した。細胞を蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)解析するために、APC標識抗マウスCD11c抗体、PE標識抗マウスPDCA−1抗体、FITC標識抗マウスMHC抗体、PB標識抗マウスB220抗体で細胞表面を染色した。FACSで検出されたPDCA−1+,CD11cint,B220+,MHC+である細胞群を形質細胞様樹状細胞としてカウントし、全細胞数に対する割合を測定し図1に示した。
2.試験結果
図1より、ラクトバチルス・ヘルベティカスを添加した食餌を摂取した群(LH2171群)の方が、添加しない食餌を摂取した群(control群)よりも腸間膜リンパ節における形質細胞様樹状細胞の割合が高いことが分かった。すなわち、ラクトバチルス・ヘルベティカス菌体の摂取によって、形質細胞様樹状細胞が増加することが示された。
[実施例1]ラクトバチルス・ヘルベティカスの培養物の製造
原料乳を加熱殺菌(75℃、15秒間)した後、30℃まで冷却し、0.01%塩化カルシウムを添加した。さらに、市販乳酸菌スターター(LDスターター、クリスチャン・ハンセン社)0.7%及びラクトバチルス・ヘルベティカスSBT2171株(FERM BP−5445)1%を添加し、さらにレンネット0.003%を添加して、乳を凝固させた。このようにして得られた凝乳をカッティングし、pHが6.2〜6.1となるまで撹拌してホエーを排出して、カード粒を得た。そして、このカード粒を型詰めして圧搾し、さらに加塩して、10℃で熟成させ、ゴーダチーズタイプの硬質ナチュラルチーズを調製した。この硬質ナチュラルチーズ(6ヶ月熟成)をミンチ器(GM‐DX、日本キャリア社製)を用いてミンチし、凍結乾燥を行った。その後、コーヒーミルにより微細化し、ラクトバチルス・ヘルベティカスの培養物であるチーズ粉を得た。
[試験例2]マウスへのラクトバチルス・ヘルベティカス培養物の経口投与試験
1.試験方法
実施例1で得られたラクトバチルス・ヘルベティカスSBT2171の培養物を用いて経口投与試験を行った。試験方法は試験例1に準じて行った。解剖後の腸間膜リンパ節における形質細胞様樹状細胞の全細胞数に対する割合を測定し、その結果を図2に示した。
2.試験結果
図2より、ラクトバチルス・ヘルベティカスSBT2171の培養物を添加した食餌を摂取した群(LH2171群)の方が、添加しない食餌を摂取した群(control群)よりも腸間膜リンパ節における形質細胞様樹状細胞の割合が高いことが分かった。すなわち、ラクトバチルス・ヘルベティカス培養物の摂取によって、形質細胞様樹状細胞が増加することが示された。
[実施例2] 形質細胞様樹状細胞誘導剤(顆粒)の製造
ラクトバチルス・ヘルベティカスSBT2171株を食用可能な合成培地(0.5%酵母エキス、0.1%トリプチケースペプトン添加)に5重量%接種し、38℃で15時間培養後、遠心分離で菌体を回収した。回収した菌体を凍結乾燥し、前記菌体の凍結乾燥粉末を得た。この凍結乾燥粉末1gを乳糖5gと混合し、顆粒状に成形して本発明の形質細胞様樹状細胞誘導剤を得た。
[実施例3] 形質細胞様樹状細胞誘導剤(顆粒)の製造
ラクトバチルス・ヘルベティカスJCM−1120株を食用可能な合成培地(0.5%酵母エキス、0.1%トリプチケースペプトン添加)に5重量%接種し、38℃で15時間培養後、遠心分離で菌体を回収した。回収した菌体を凍結乾燥し、前記菌体の凍結乾燥粉末を得た。この凍結乾燥粉末1gを乳糖5gと混合し、顆粒状に成形して本発明の形質細胞様樹状細胞誘導剤を得た。
[実施例4]形質細胞様樹状細胞誘導剤(散剤)の製造
第13改正日本薬局方解説書製剤総則「散剤」の規定に準拠し、上記実施例2で得られたラクトバチルス・ヘルベティカスSBT2171株の凍結乾燥粉末10gに乳糖(日局)400g、バレイショデンプン(日局)600gを加えて均一に混合し、本発明の形質細胞様樹状細胞誘導剤を製造した。
[実施例5]形質細胞様樹状細胞誘導剤(散剤)の製造
第13改正日本薬局方解説書製剤総則「散剤」の規定に準拠し、上記実施例3で得られたラクトバチルス・ヘルベティカスJCM−1120株の凍結乾燥粉末10gに乳糖(日局)400g、バレイショデンプン(日局)600gを加えて均一に混合し、本発明の形質細胞様樹状細胞誘導剤を製造した。
[実施例6]スティック状栄養健康食品の製造
ビタミンC40gまたはビタミンCとクエン酸の等量混合物40g、グラニュー糖100g、コーンスターチと乳糖の等量混合物60gに、上記実施例2で得られたラクトバチルス・ヘルベティカスSBT2171株の凍結乾燥粉末40gを加えて混合した。混合物を袋に詰め、本発明のスティック状栄養健康食品を150袋製造した。
[実施例7]飼料の製造
大豆粕12kg、脱脂粉乳14kg、大豆油4kg、コーン油2kg、パーム油23.2kg、トウモロコシ澱粉14kg、小麦粉9kg、ふすま2kg、ビタミン混合物5kg、セルロース2.8kg、ミネラル混合物2kgを配合し、120℃、4分間殺菌して、実施例2で得られたラクトバチルス・ヘルベティカスSBT2171株10kgを配合して、飼料を製造した。
ラクトバチルス・ヘルベティカスの菌体、該乳酸菌を含有するチーズまたは乳酸菌飲料を摂取する事で、形質細胞様樹状細胞を増加させ、ウイルスなどに対する感染予防効果とともに、過剰な免疫応答を予防、改善することができ、免疫疾患に有効な医薬品となる。
[寄託生物材料への言及]
(1)ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)SBT2171
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成6年6月22日(1994年6月22日)(原寄託日)
平成8年3月6日(1996年3月6日)(原寄託によりブタペスト条約に基づく寄託への移管日)
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM BP−5445

Claims (3)

  1. ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)SBT2171(FERM BP−5445)の菌体又はその培養物を有効成分とする形質細胞様樹状細胞増加剤。
  2. 請求項1に記載の剤を添加した形質細胞様樹状細胞増加用の栄養組成物、飲食品又は飼料。
  3. ラクトバチルス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)SBT2171(FERM BP−5445)の菌体又はその培養物をヒト又は動物に接種させることにより形質細胞様樹状細胞を増加する方法(ただし医療行為を除く)。
JP2015153961A 2015-08-04 2015-08-04 形質細胞様樹状細胞誘導剤 Active JP6705628B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015153961A JP6705628B2 (ja) 2015-08-04 2015-08-04 形質細胞様樹状細胞誘導剤
PCT/JP2016/071814 WO2017022560A1 (ja) 2015-08-04 2016-07-26 形質細胞様樹状細胞増加剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015153961A JP6705628B2 (ja) 2015-08-04 2015-08-04 形質細胞様樹状細胞誘導剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017031109A JP2017031109A (ja) 2017-02-09
JP6705628B2 true JP6705628B2 (ja) 2020-06-03

Family

ID=57943888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015153961A Active JP6705628B2 (ja) 2015-08-04 2015-08-04 形質細胞様樹状細胞誘導剤

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6705628B2 (ja)
WO (1) WO2017022560A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024172046A1 (ja) * 2023-02-13 2024-08-22 江崎グリコ株式会社 乳酸菌及び免疫賦活剤

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7224114B2 (ja) * 2018-06-04 2023-02-17 雪印メグミルク株式会社 ラクトバチルス属の乳酸菌を有効成分とするsrcap発現抑制用組成物
JP7160652B2 (ja) * 2018-11-29 2022-10-25 雪印メグミルク株式会社 歯周病予防用組成物

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4851765B2 (ja) * 2005-09-30 2012-01-11 雪印メグミルク株式会社 免疫機能調節剤
JP5571941B2 (ja) * 2009-12-14 2014-08-13 雪印メグミルク株式会社 制御性t細胞増加剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024172046A1 (ja) * 2023-02-13 2024-08-22 江崎グリコ株式会社 乳酸菌及び免疫賦活剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017031109A (ja) 2017-02-09
WO2017022560A1 (ja) 2017-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2008222007B2 (en) Agent for reducing visceral fat
JP6524468B2 (ja) 乳酸菌が産生するエキソポリサッカライド
CN111935995A (zh) 营养组合物以及使用了该营养组合物的饮食品组合物和配方奶粉
WO2020246585A1 (ja) 栄養組成物
WO2012133827A1 (ja) 新規乳酸菌、並びに新規乳酸菌を含有する医薬、飲食品、及び飼料
KR101492650B1 (ko) 혈중 아디포넥틴 농도 증가 촉진 및/또는 감소 억제제 및 내장 지방 축적 억제제
JP6773368B2 (ja) 免疫発達促進剤
JP5019961B2 (ja) インターロイキン10産生促進剤
JP6705628B2 (ja) 形質細胞様樹状細胞誘導剤
JP6821643B2 (ja) 免疫疾患予防剤
WO2019182160A1 (ja) 母乳成分増強用組成物
JP5229977B2 (ja) 血中アディポネクチン濃度増加促進及び/又は減少抑制剤
JP2015070855A (ja) 発酵乳および抗ウイルス剤の製造方法
JP6491422B2 (ja) 免疫疾患予防剤
JP5571941B2 (ja) 制御性t細胞増加剤
JP5209294B2 (ja) インターロイキン12産生促進剤
WO2020067422A1 (ja) T細胞を活性化するための組成物
JP6767157B2 (ja) インターフェロンλ誘導剤
JP6739155B2 (ja) 抗体産生調節剤
JP4851765B2 (ja) 免疫機能調節剤
JP2018118915A (ja) 非アルコール性肝障害抑制剤
JP6016326B2 (ja) 乳酸菌のスクリーニング方法
JPWO2020116511A1 (ja) ノロウイルス感染抑制用組成物
JP7333732B2 (ja) 筋肉量及び/又は筋力の維持、或いは筋肉量及び/又は筋力の低下抑制用組成物、並びに、該組成物を用いた医薬品組成物及び飲食品組成物
TW202335676A (zh) 腸管免疫賦活劑及IgA產生促進劑

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150804

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190703

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191018

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20191211

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200219

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20200228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200414

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6705628

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250