JP6595656B2 - X線診断装置 - Google Patents

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本発明の実施形態は、X線診断装置に関する。
X線診断装置を用いたX線透視は、ユーザに対して、リアルタイムに更新される被検体に関する透視画像を提供する技術である。ユーザは、透視画像を視認することにより、動いている臓器の様子や造影剤の流れ具合等を観察することができる。しかしながら、X線透視は、被検体の関心領域の周辺に対しても、関心領域と同等の線量のX線が照射されるため、被検体への不要な被ばくが問題であった。この不要な被ばくを抑えるための技術の1つとして、スポット透視がある。スポット透視は、ユーザに対して、スポット透視直前に収集された被検体に関する静止画像上に、リアルタイムに更新される被検体の関心領域に対応する透視画像を位置整合して重ねた重畳画像を提供する技術である。ユーザは、重畳画像を視認することにより、関心領域をリアルタイムに観察しながら、関心領域の周辺を確認することができる。スポット透視下において、X線が照射されている範囲は、関心領域だけである。したがって、スポット透視は、従来のX線透視に比べて、被検体への不要な被ばくを抑えることができる。しかしながら、スポット透視では、関心領域の周辺をリアルタイムに観察できない。
そのため、被検体への被ばく線量を従来の透視よりも低減しながらも、関心領域の周辺もリアルタイムに観察したいという要望がある。
特開2005−152640号公報 特開2008−229270号公報
目的は、X線診断装置において、従来のX線透視よりも患者の被ばくを低減しながらも、従来のX線透視と同等の透視画像を提供すること。
本実施形態によるX線診断装置は、X線を発生するX線発生部と、被検体を透過したX線を検出する第1検出部と第1検出部より検出素子のサイズが小さく被検体を透過したX線を検出する第2検出部とを有し、第1検出部と第2検出部とがX線の照射方向に関して重ねられているX線検出部と、X線発生部と被検体との間に配置されるX線フィルタと、第1検出部からの出力に基づいて、被検体に関する第1X線画像のデータを発生し、第2検出部からの出力に基づいて、被検体に関する第2X線画像のデータを発生する画像発生部と、第1X線画像と第2X線画像とに基づいて、被検体に関する重畳画像を発生する画像処理部と、重畳画像を表示する表示部とを備え、第1検出部と第2検出部は、被検体を通過したX線を並行して検出し、画像発生部は、第1X線画像と第2X線画像とを並行して発生し、第2検出部の検出面は、X線フィルタによりX線検出部のX線検出面上に形成される線量の異なる複数の部分範囲のうち、高線量範囲に対応する
図1は、第1実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態に係るX線診断装置のX線照射系の構成を示すブロック図である。 図3Aは、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタの第1例を示した図である。 図3Bは、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタの第2例を示した図である。 図3Cは、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタの第3例を示した図である。 図3Dは、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタの第4例を示した図である。 図4は、第1実施形態に係るX線診断装置のX線フィルタ支持部の第1例を示した図である。 図5は、第1実施形態に係るX線診断装置のX線フィルタ支持部の第2例を示した図である。 図6は、直接変換型のFPDの構成を模式的に表した図である。 図7Aは、X線検出部の一部分範囲にビニングを実行した時の画像を説明するための説明図である。 図7Bは、ビニング実行時における信号の読み出し動作を説明するための説明図である。 図8は、第1実施形態に係るX線診断装置1により発生されるX線画像の一例を示した図である。 図9は、第1実施形態に係るX線診断装置の関心領域設定部が特徴点の移動ベクトルに基づいて関心領域を変更する方法を説明するための説明図である。 図10は、第1実施形態に係るX線診断装置を用いた一連のユーザの手技の流れを説明するためのフローチャートである。 図11は、第2実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。 図12は、第2実施形態にX線診断装置における第1X線検出部及び第2X線検出部の配置例を、X線照射系とともに示した図である。 図13は、第2実施形態に係るX線診断装置の画像発生部により発生される重畳画像の一例を示した図である。 図14は、重畳画像Pに含まれる空白画像範囲を説明するための説明図である。 図15は、第2実施形態に係るX線診断装置を用いた一連のユーザの手技の流れを説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照しながら第1及び第2実施形態に係るX線診断装置を説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。第1実施形態に係るX線診断装置(以下、第1X線診断装置と呼ぶ)は、寝台10、C形アーム11、X線照射系12、高電圧発生部13、X線検出部14、X線フィルタ制御部15、X線絞り器制御部16、信号読み出し制御部17、ビニング条件設定部18、前処理部19、画像発生部20、画像処理部21、記憶部22、システム制御部23、表示部24、入力部25、関心領域設定部26、及び撮影制御部27を有する。
寝台10は、被検体が載置される天板(図示しない)を移動可能に支持する。寝台10は、寝台駆動部(図示しない)が、撮影制御部27の制御に従って駆動されることにより、天板を移動させる。
C形アーム11は、C形アーム支持機構(図示しない)により、回転自在に支持される。C形アーム支持機構は、C形アーム11を回転させるための複数の回転軸を有する。C形アーム11は、C形アーム支持機構が有するC形アーム駆動部(図示しない)が、撮影制御部27の制御に従って駆動されることにより、複数の回転軸まわりに回転される。C形アーム11は、その一端にX線照射系12を保持する。
なお、第1実施形態では、X線照射系12及びX線検出部14をC形アーム11により保持され、C形アーム支持機構により、C形アーム11が回転自在に支持される旨を記載している。しかしながら、X線照射系12とX線検出部14とが、対峙するように保持できるのであれば、他の支持機構であってもよい。例えば、C形アーム11及びC形アーム支持機構は、X線照射系12を回転自在に保持する第1保持部と、X線検出部14を回転自在に保持する第2保持部とにより代替可能である。この時、例えば、第1保持部は床置きされた機構を有し、第2保持部は、天井から吊り下げられた機構を有する。第1保持部と第2保持部とにより、X線照射系12とX線検出部14とは、対峙する向きに保持される。そして、第1保持部の回転動作と第2保持部の回転動作とが、例えば、同期するように制御されることで、X線の連続撮影が可能である。
図2は、第1実施形態に係るX線診断装置のX線照射系12の構成を示すブロック図である。図2に示すように、X線照射系12は、X線発生部121と、X線フィルタ駆動部122と、X線フィルタ支持部123と、X線フィルタ124と、絞り羽根駆動部125と、絞り羽根支持部126と、X線絞り器127とを有する。X線発生部121は、X線を発生する真空管である。X線発生部121は、高電圧発生部13からの高電圧(管電圧)の印加及び管電流の供給を受けて、焦点からX線を発生する。発生されたX線は、X線フィルタ124を透過し、X線絞り器127によりビーム形成がされる。
X線フィルタ124は、被検体のX線被曝量の低減や画質の向上等を目的に、X線フィルタ124を透過した後のX線の線質を変更するもので、X線焦点から発生されたX線の連続スペクトルに関して、診断に必要のない長波長成分を除去する。X線フィルタ124は、アルミニウム、銅、モリブデン、タングステン等の金属で構成される。X線フィルタ124は、X線照射範囲において、線量の異なる複数の部分範囲を発生するような構造を有する。
図3は、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタ124の各例を示した図である。
図3Aは、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタ124の第1例を示した図である。図3Aに示す第1例のX線フィルタ124は、減弱係数Aの金属平板Plaで形成されており、矩形状の開口部(以下、開口フィルタと呼ぶ。)を有する。図3AのX線フィルタ124を用いたとき、X線照射範囲には、線量の異なる第1範囲と第2範囲とが発生される。第1範囲は、開口部に対応する。第2範囲は、X線焦点Sから発生され、金属平板Plaを透過したX線が照射された範囲に対応する。したがって、第2範囲に比べ第1範囲が、単位面積当たりの線量が少なくなる。つまり、開口フィルタは、第1範囲以外の照射範囲の線量を低減する。第1範囲と第2範囲との間の線量の比率は透過した金属平板の減弱係数に依存する。第1X線診断装置に用いられる開口フィルタは、第1範囲と第2範囲との間の線量の比が2:1、4:1、及び9:1等になるように開口フィルタの金属平板Plaの厚さ、金属の種類が調整されている。以下、X線フィルタ124により発生された線量の異なる2つの範囲のうち、線量の低い範囲(第2範囲)を低線量範囲、線量の高い範囲(第1範囲)を高線量範囲と呼ぶ。
なお、開口部の形状は、矩形状でなくてもよい。
図3Bは、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタ124の第2例を示した図である。図3Bに示す第2例のX線フィルタ124は、図3Aで示した開口フィルタの開口の形状が円状である。開口の形状は、図3A及び図3Bに示したような矩形状や円状に限定されない。また、開口の数は1つでなくてもよい。したがって、1つのX線フィルタ124に複数の開口部があってもよい。
図3Cは、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタ124の第3例を示した図である。図3Cに示す第3例のX線フィルタ124は、図3Aで示した開口フィルタに、減弱係数Aを有する金属平板Plaで一様に形成されたX線フィルタ124(一様フィルタと呼ぶ。)を組み合わせた一対のX線フィルタ124を構成する。主に、一様フィルタが、X線焦点Sから発生されたX線の連続スペクトルに関して、診断に必要のない長波長成分を除去し、開口フィルタは、低線量範囲と高線量範囲とを発生させる。高線量範囲は、金属平板Plbを透過し、開口部を透過したX線が照射された範囲(開口部)に対応する。低線量範囲は、金属平板Pla及び金属平板Plbを透過したX線が照射された範囲に対応する。したがって、第1範囲と第2範囲との間の線量の比率は、金属平板Pla及びPlbの厚さ、形成する金属の種類に依存する。例えば、第1X線診断装置に用いられる一対のX線フィルタ124は、高線量範囲と低線量範囲との間の線量の比が2:1、4:1、及び9:1等になるようにX線フィルタ124の金属平板Pla及びPlbの厚さ、金属の種類が調整されている。これにより、一対のX線フィルタ124は、X線照射範囲において、部分的に線量を低減する。
図3Dは、第1実施形態に係るX線診断装置に用いられるX線フィルタ124の第4例を示した図である。図3Dに示すように、第4例のX線フィルタ124は、減弱係数Aを有する金属平板Plaと減弱係数Bを有する金属平板Plbとを一体成型したX線フィルタ124である。図4DのX線フィルタ124を用いたとき、X線照射範囲には、高線量範囲と低線量範囲とが発生される。高線量範囲は、減弱係数Bの金属平板Plbを透過したX線が照射された範囲に対応する。低線量範囲は、減弱係数Aの金属平板Plaを透過したX線が照射された範囲に対応する。減弱係数Bは、減弱係数Aよりも減弱係数は小さい。したがって、高線量範囲と低線量範囲との間の線量の比率は、金属平板Pla及びPlbの厚さ、形成する金属の種類に依存する。例えば、金属平板Pla及びPlbが同じ厚さで形成されたとき、高線量範囲の線量と低線量範囲の線量との比率は、金属平板Pla及びPlbを形成する減弱係数の比率に対応する。例えば、第1X線診断装置に用いられる第4例のX線フィルタ124は、高線量範囲と低線量範囲との間の線量の比が2:1、4:1、及び9:1等になるようにX線フィルタ124の金属平板Pla及びPlbの厚さ、金属の種類が調整されている。これにより、一対のX線フィルタ124は、X線照射範囲において、部分的に線量を低減する。
なお、図3A及び図3Bでは、単独の開口フィルタを、図3Cでは、開口フィルタと一様フィルタとを組み合わせた一対のX線フィルタ124を、図3Dでは、複数の金属平板で成型されたX線フィルタ124を記載している。しかしながら、X線フィルタ124は、X線焦点から発生され、X線フィルタ124を透過(通過)したX線により発生されたX線照射範囲において、部分的に線量を低減できるのであれば、その構成は前述の構成に限定されるものではない。例えば、X線フィルタ124は、複数の開口フィルタで構成されてもよいし、複数の一様フィルタで構成されてもよい。また、第1例のX線フィルタ124、第2例のX線フィルタ124、第3例のX線フィルタ124、及び第4例のX線フィルタ124が組み合わされて用いられてもよい。また、X線フィルタ124は、金属平板ではなく、例えば、ボウタイフィルタのように、金属が部分的に厚く成型されてもよい。これにより、X線照射範囲において、線量が異なる3つ以上の部分範囲が発生されてもよい。
X線フィルタ制御部15は、X線フィルタ124が複数のX線フィルタ124で構成されている場合において、複数のX線フィルタ124各々を独立して制御する。しかし、複数のX線フィルタ124のうち、1つのX線フィルタ124がX線フィルタ制御部15により制御され、他のX線フィルタ124が1つのX線フィルタ124に連動するような移動機構であってもよい。
X線フィルタ124は、X線フィルタ支持部123により移動可能に支持される。X線フィルタ支持部123は、X線フィルタ駆動部122の駆動がX線フィルタ制御部15の制御に従って駆動されることにより、支持するX線フィルタ124を移動させる。X線フィルタ駆動部122は、例えば、モータ等の駆動デバイスである。
図4は、第1実施形態に係るX線診断装置のX線フィルタ支持部123の第1例を示した図である。図4は、1枚のX線フィルタ124を支持するX線フィルタ支持部123である。図4に示すように、X線フィルタ支持部123は、第1支持部と、第2支持部と、第3支持部とを有する。第1支持部1231は、フィルタ設置部1230を支持する。フィルタ設置部1230は、例えば、アクリル及びプラスチック等のX線に影響のない材料で成型される。フィルタ設置部1230は、X線フィルタ124を固定するためのホルダーを有する。X線フィルタ124は、ホルダーから取り外し可能である。例えば、ホルダーは、X線フィルタ124を置くようなトレー構造、X線フィルタ124を挟む構造、及びX線フィルタ124を磁石で固定するような構造等が適用される。ここでは、X線フィルタ124の差し替えを前提として記載しているが、フィルタ設置部1230に取り外し不可のX線フィルタ124が固定されていてもよい。第1支持部1231は、第2支持部1232との連結面に第1スライダ(図示しない)を有する。第2支持部1232は、図4に示すように、第1支持部1231をXY方向に移動可能に支持するための、第1スライドレール1233を有する。第1スライダが第1スライドレール1233に沿って移動されることにより、X線フィルタ124が第1支持部1231とともにXY方向に移動される。第2支持部1232は、第3支持部1234との連結面に第2スライダ(図示しない)を有する。第3支持部1234は、図4に示すように、第2支持部1232をZ方向に移動可能に支持するための、第2スライドレール1235を有する。第2スライダが第2スライドレール1235に沿って移動されることにより、X線フィルタ124が第1支持部1231及び第2支持部1232とともにZ方向に移動される。上述の各スライダは、X線フィルタ駆動部122により駆動される。第3支持部1234は、X線絞り器127にして固定される。なお、第3支持部1234は、C形アーム11、または、X線発生部121に対して固定されてもよいし、X線フィルタ124は単独の装置として、X線発生部121等に固定されてもよい。なお、図4に示したX線フィルタ支持部123の構造は一例である。X線フィルタ支持部123は、X線フィルタ124が図4に示すXYZ方向に移動できるのであれば、その機構は、図4に示した移動機構に限定されない。また、図4に示したX線フィルタ支持部123の機構は、図3Cに示すような、複数のX線フィルタ124を組み合わせた場合においても適用が可能である。また、X線フィルタ支持部123に支持されるX線フィルタ124は差し替え可能であってもよい。つまり、第1X線診断装置は、X線フィルタ124を構成要素として含まなくてもよい。
X線フィルタ支持部123は、複数のX線フィルタ124を切り替え可能に支持する構造であってもよい。
図5は、第1実施形態に係るX線診断装置のX線フィルタ支持部123の第2例を示した図である。図5は、複数のX線フィルタ124を切り替え可能に支持するX線フィルタ支持部123である。図4で示した第1例のX線フィルタ支持部123との差異は、フィルタ設置部1230が複数のX線フィルタ124を設置可能な構造を有する点にある。複数のホルダーには、開口部の形状が異なる複数のX線フィルタ124、開口部の大きさの異なる複数のX線フィルタ124、及び減弱係数の異なる金属で成型された複数のX線フィルタ124等が設置されるのが好適である。これにより、ユーザは、検査の種類、被検体の被ばく可能な線量、高線量範囲と低線量範囲との間の線量の比率、及び適用するビニング条件等に応じて、適切なX線フィルタ124を手技前または手技中に選択することができる。ユーザは、フィルタ設置部1230に設置したX線フィルタ124の種類を、入力部25を介して第1X線診断装置に対して入力する。また、第1X線診断装置が、フィルタ設置部1230に設置されたX線フィルタ124の種類を、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等により自動的に認識できるような構成、システムであってもよい。
第1支持部1231は、フィルタ設置部1230を回転可能に支持する。第1支持部1231は、フィルタ設置部1230の側面に設けられた回転レール1236に沿って、フィルタ設置部1230をR軸回りに回転させるための回転スライダ(図示しない)を有する。X線フィルタ支持部123は、第1支持部1231によるフィルタ設置部1230の回転、及び図4で説明したXYZ方向への移動機構により、X線発生部121の放射窓に対応する位置Arに、使用するX線フィルタ124を移動させることができる。なお、使用するX線フィルタ124の移動制御は、第1支持部1231によるフィルタ設置部の回転により、使用するX線フィルタ124が切り替えられ、他の移動機構により、使用するX線フィルタ124の位置が調整される方法が好適である。なお、図5に示したX線フィルタ支持部123による複数のX線フィルタ124を切り替え可能に支持する構造は一例である。X線フィルタ支持部123は、複数のX線フィルタ124を選択的に切り替え可能な構造であれば他の構造であってもよい。例えば、複数のX線フィルタ124が、それぞれ独立に移動可能に支持されてもよい。このとき、使用するX線フィルタ124が、X線焦点と被検体との間に挿入され、他のX線フィルタ124はX線に影響しない位置に退避される。
X線フィルタ制御部15は、X線フィルタ駆動部122を制御する。具体的には、X線フィルタ制御部15は、入力部25を介して入力されたフィルタの移動指示に従って、X線フィルタ124を移動させるために、X線フィルタ駆動部122を駆動させる。また、X線フィルタ制御部15は、後述の撮影制御部27と連動してX線フィルタ124を移動させる。例えば、C形アーム11の移動及びSID(Source Image receptor Distance:X線焦点‐X線検出面間距離)の変化等と連動するようにX線フィルタ124を移動させる。さらに、X線フィルタ制御部15は、後述の画像処理部21により特定された特徴点の移動ベクトルに従って、X線フィルタ124を移動させる。
X線絞り器127は、X線焦点から発生され、X線フィルタ124を通過したX線が、ユーザが所望する撮影部位以外に照射されないように、X線照射範囲を限定する。X線絞り器127は、X線照射範囲を限定するための複数の絞り羽根を有する。複数の絞り羽根は、それぞれ対応する複数の絞り羽根支持部126により、移動可能に支持される。絞り羽根駆動部125は、X線絞り器制御部16の制御に従って、複数の絞り羽根各々の移動機構を駆動する。絞り羽根駆動部125は、例えば、モータ等の駆動デバイスである。X線絞り器制御部16は、複数の絞り羽根各々を独立して制御する。しかし、複数の絞り羽根のうち、1つの絞り羽根がX線絞り器制御部16により制御され、他の絞り羽根が1つの絞り羽根に連動するような移動機構であってもよい。
X線絞り器制御部16は、絞り羽根駆動部125を制御する。具体的には、X線絞り器制御部16は、入力部25を介してユーザにより設定された被検体の撮影範囲にX線が照射されるように、絞り羽根駆動部125を駆動させ、複数の絞り羽根をそれぞれ移動させる。
C形アーム11は、その他端に、X線照射系12と対向するように、X線検出部14を保持する。X線検出部14は、複数のX線検出素子を、2次元のアレイ上に配列したFPD(Flat Panel Detector:平面検出器)である。
FPDには、大きく分けて直接変換型のFPDと間接変換型のFPDとがある。直接変換型のFPDは、X線変換層に入射したX線を直接電荷に変換する方式である。間接変換型のFPDは、蛍光体で入射したX線をいったん蛍光に変換し、その後に光電変換により電荷を検出する方式である。ここでは、直接変換型のFPDについて説明する。
図6は、直接変換型のFPDの構成を模式的に表した図である。FPDは、複数のX線検出素子14a、TFT駆動回路143、及び信号読み出し回路144を有する。複数のX線検出素子14aは、列方向と行方向(ライン方向)に従って、2次元のマトリクス状に配置される。
複数のX線検出素子14a各々は画素に対応する。X線検出素子14aは、一対の画素電極、コンデンサ、及びTFTスイッチで構成される。一対の電極の間は、X線変換層と呼ばれる。X線変換層は、例えば、1000μm厚のアモルファスセレニウム膜で構成され、画素電極の間には、バイアス電圧が印加される。X線変換層に入射したX線(フォトン)は、電荷(電子・正孔対)に直接変換される。変換された電荷は、画素電極に接続されたコンデンサに蓄積される。TFTスイッチは、コンデンサに蓄積された電荷の読出しのON/OFFの切り替えスイッチとして機能する。TFTスイッチのゲート端子は、ゲートラインGを介してTFT駆動回路143に接続される。このとき、行方向に従って配置された複数のX線検出素子14aは、共通のゲートラインGによりTFT駆動回路143の出力端子に接続される。TFTスイッチのソース端子はコンデンサに接続される。ドレイン端子は、データラインDを介して、積分回路14bに接続される。このとき、列方向に従って配置された複数のX線検出素子14aは、共通のデータラインDにより信号読み出し回路144の入力端子に接続される。
TFTスイッチは、TFT駆動回路143から供給されるパルス状の制御信号に従って、ON動作をする。TFTスイッチがON動作されると、コンデンサに蓄えられた電荷が読み出され、電荷信号としてデータラインDに出力される。信号読み出し回路144のマルチプレクサ14cのスイッチがON動作すると、信号読み出し回路144は、データラインDに出力された電荷信号を読み出す。読み出された電荷信号は、積分回路14bを介して電圧信号に変換される。変換された電圧信号(アナログ信号)はA/D変換され、画像信号(デジタル信号)として前処理部19に出力される。TFT駆動回路143及び信号読み出し回路144は、信号読み出し制御部17により制御される。
信号読み出し制御部17は、撮影制御部27の制御に従って、TFT駆動回路143及び信号読み出し回路144を制御することにより、X線検出部14から画像信号を読み出す。
信号読み出し制御部17は、ビニング条件設定部18により設定されたビニング条件に従って、信号読み出し回路144を制御する。ビニングとは、複数のX線検出素子各々からの出力をまとめて読み出すことを指す。ビニング条件は、一括して読み出す素子数の条件(ビニングモード)、及びビニングの対象範囲の条件を含む。ビニング対象範囲は、低線量範囲に対応する。ビニングモードとしては、2(列)×2(ライン)の4画素を一括して読み出す対称形のビニングモード、1(列)×2(ライン)の2画素を一括して読み出す非対称形のビニングモードがある。
図7は、第1実施形態に係るX線診断装置のビニングを説明するための説明図である。 図7Aは、X線検出部14の一部分範囲にビニングを実行した時に発生される画像を説明するための説明図である。
図7Bは、ビニング実行時における信号の読み出し動作を説明するための説明図である。図7Bに示すように、ビニング対象範囲は範囲Crである。また、ビニング対象範囲に対して適用されるビニングモードは、ビニング2×2であるものとする。ビニング2×2は、列方向に2素子、ライン方向に2素子の合計4素子からの出力をまとめて1画素として読み出すことを指す。図7Bに示すように、X線検出部14は、3×3のマトリクス状に配置された複数のX線検出素子を有する。図7Aにおける画素A1、A2…、A9は、図7BにおけるX線検出素子B1、B2…、B9にそれぞれ対応している。範囲Crはビニング2×2の対象範囲であるため、画素A5,A6、A8、及びA9(まとめて画素A10と呼ぶ)は1画素として扱われる。つまり、X線検出素子が2次元のマトリクス状に配列された全体範囲のうち、ビニングの対象範囲は、他の範囲よりも低画素となる。例えば、ビニング2×2の場合、ビニング2×2の対象範囲Crに対応するX線画像の列方向及びライン方向の画素数は、ビニングを行わずに得られた他の範囲に対応するX線画像の半分(1/2)となる。したがって、ビニング2×2の対象範囲Crに対応するX線画像の総画素数は、ビニングを行わずに得られた他の範囲に対応するX線画像の1/4になる。
以下、時系列に沿って、TFT駆動回路143及び信号読み出し回路144の動作を説明する。
TFT駆動回路143は、信号読み出し制御部17の制御に従って、ゲートラインG1に制御信号を出力する。すると、ゲートラインG1に接続されたX線検出素子B1、B2及びB3のTFTスイッチが同時にONされる。X線検出素子B1、B2、及びB3からの電荷信号が、それぞれデータラインD1、D2、及びD3に出力される。信号読み出し回路144は、信号読み出し制御部17の制御に従って、データラインD1に接続されたマルチプレクサ14cのスイッチをONにし、X線検出素子B1からの電荷信号を読み出す。読み出された電荷信号は、信号読み出し回路144により電圧信号に変換される。変換された電圧信号は、A/D変換され画像信号に変換される。以上の処理で、X線検出素子B1からの電荷信号に応じた画像信号が前処理部19に出力される。X線検出素子B1から出力された画像信号は、画素A1の画素値に対応する。次に、信号読み出し回路144は、データラインD2に接続されたマルチプレクサ14cのスイッチをONにし、X線検出素子B2からの電荷信号を読み出す。次に、信号読み出し回路144は、データラインD3に接続されたマルチプレクサ14cのスイッチをONにし、X線検出素子B3からの電荷信号を読み出す。以上の処理により、1ラインに対応する複数のX線検出素子からの画像信号の読み出しが完了する。
次に、TFT駆動回路143は、信号読み出し制御部17の制御に従って、ゲートラインG2に制御信号を出力する。すると、ゲートラインG2に接続されたX線検出素子B4、B5、及びB6のTFTスイッチが同時にONされる。X線検出素子B4、B5、及びB6からの電荷信号が、それぞれデータラインD1、D2、及びD3に出力される。信号読み出し回路144は、信号読み出し制御部17の制御に従って、データラインD1に接続されたマルチプレクサ14cのスイッチをONにし、X線検出素子B1からの電荷信号を読み出す。読み出された電荷信号は、信号読み出し回路144により電圧信号に変換される。変換された電圧信号は、A/D変換され画像信号に変換される。以上の処理で、X線検出素子B4からの電荷信号に応じた画像信号が前処理部19に出力される。X線検出素子B1から出力された画像信号は、画素A4の画素値に対応する。X線検出素子B5、B6は、ビニングの対象素子である。そのため、信号読み出し回路144は、X線検出素子B5、B6から個別に電荷信号の読み出し処理を行わない。
次に、TFT駆動回路143は、信号読み出し制御部17の制御に従って、ゲートラインG3に制御信号を出力する。すると、ゲートラインG3に接続されたX線検出素子B7、B8、及びB9のTFTスイッチが同時にONされる。X線検出素子B7、B8、及びB9からの電荷信号が、それぞれデータラインD1、D2、及びD3に出力される。信号読み出し回路144は、信号読み出し制御部17の制御に従って、データラインD1に接続されたマルチプレクサ14cのスイッチをONにし、X線検出素子B7からの電荷信号を読み出す。読み出された電荷信号は、信号読み出し回路144により電圧信号に変換される。変換された電圧信号は、A/D変換され画像信号に変換される。以上の処理で、X線検出素子B7からの電荷信号に応じた画像信号が前処理部19に出力される。X線検出素子B7から出力された画像信号は、画素A7の画素値に対応する。次に、信号読み出し回路144は、データラインD2に接続されたマルチプレクサ14cのスイッチをONにし、X線検出素子B5からの電荷信号とX線検出素子B8からの電荷信号とを一括して読み出す。読み出された電荷信号は、信号読み出し回路144により電圧信号(以下、電圧信号B58と呼ぶ)に変換される。電圧信号B58は、X線検出素子B5に蓄積された電荷とX線検出素子B8に蓄積された電荷との和に対応する。信号読み出し回路144は、スイッチをONにするのと同時に、データラインD3に接続されたマルチプレクサ14cのスイッチをONにし、X線検出素子B6からの電荷信号とX線検出素子B9からの電荷信号とを一括して読み出す。読み出された電荷信号は、信号読み出し回路144により電圧信号(以下、電圧信号B69と呼ぶ)に変換される。電圧信号B69は、X線検出素子B6に蓄積された電荷とX線検出素子B9に蓄積された電荷との和に対応する。そして、電圧信号B58及び電圧信号B69を加算した電圧信号は、画像信号にA/D変換される。以上の処理により、複数のX線検出素子からの画像信号の読み出しが完了する。X線検出素子B5、B6、B8、及びB9から出力された画像信号は、画素A10の画素値に対応する。
以上のように、X線検出素子が、マトリクス状に配置された全範囲において、ビニングが設定された範囲Crでは、近傍のX線検出素子からの電荷信号を一括して読み出され、他の範囲では、X線検出素子からの電荷信号が個別に読み出される。
ビニング条件設定部18は、ビニング条件設定画面上のユーザ操作に従ってビニングモードを設定する。ビニング条件設定画面には、複数のビニングモードの項目が表示される。ビニング条件設定部18は、複数のビニングモードからユーザにより選択されたビニングモードを設定する。複数のビニングモードには、例えばビニング1×2、ビニング2×2、及びビニング3×3等が含まれる。ユーザは、X線透視中において、ビニングモードを変更することができる。ビニングモードの変更方法は、設定方法と同様である。ビニングモードが変更されると、透視画像の低解像範囲の解像度が変更される。ユーザは、選択したビニングモードに従って透視画像の低解像範囲の解像度が変化する様子を見ながら、低解像範囲として必要な解像度になるように、ビニングモードを変更することができる。
また、ビニング条件設定部18は、使用するX線フィルタ124の種類に応じたビニングモードを設定する。図3で説明したように、第1X線診断装置に用いられるX線フィルタ124は、X線照射範囲において、高線量範囲と低線量範囲とを発生させる構造を有する。ビニング条件設定部18は、使用するX線フィルタ124により発生される線量分布に基づいて、ビニング条件を設定する。線量分布は、例えば、散乱体が存在しない状態で、X線発生部121から発生されX線フィルタ124を透過(通過)したX線をX線検出部14で検出することにより特定できる。そして、例えば、高線量範囲と低線量範囲との間の線量の比が2:1になるX線フィルタ124が用いられた場合、ビニング条件設定部18は、ビニングモードとして、ビニング1×2、または、ビニング2×1を設定する。また、高線量範囲と低線量範囲との間の線量の比が4:1になるX線フィルタ124が用いられた場合、ビニング条件設定部18は、ビニングモードとして、ビニング2×2を設定する。なお、X線フィルタ124の種類に対応するビニングモードが予め対応表として、対応表のデータが記憶部22に記憶されていてもよい。これにより、ビニング条件設定部18は、使用するX線フィルタ124に応じて自動的にビニングモードを設定することができる。
前処理部19はX線検出部14から出力された画像信号に対して前処理を実行する。前処理とは、例えば、感度補正、暗電流補正等である。
画像発生部20は、前処理を実行された画像信号に基づいて、X線画像のデータを発生する。
図8は、第1X線診断装置により発生されるX線画像の一例を示した図である。X線画像Pは、解像度の異なる複数の部分範囲により構成される。解像度の高い部分範囲(以下、高解像範囲と呼ぶ。)HPは第2関心領域に対応する。また、X線フィルタ124に図3Aで説明した開口フィルタが使用されている場合は、部分範囲HPは開口部に対応する。解像度の低い部分範囲(以下、低解像範囲と呼ぶ。)LPは第1関心領域に対応する。部分範囲HPと部分範囲LPとの間の解像度の比率は、第1関心領域に対応するX線検出部14の部分範囲に適用されたビニング条件に依存する。例えば、適用されたビニング条件が、ビニング2×2であれば、図8に示すように部分範囲HPと部分範囲LPとの間の解像度の比は4:1となる。
画像処理部21は、閾値処理等により、X線画像から特徴点の位置を特定する。特徴点は、例えば、カテーテルの先端位置等である。特徴点は、透視画像上で、ユーザがカーソルを移動し、クリックすることにより入力される。また、カテーテル、ガイドワイヤ、及びコイル等の手技に用いる道具の形状が予め記憶部22に登録されており、ユーザは、これらから追跡対象を選択することにより、特徴点を入力することもできる。X線透視中、画像処理部21は、特徴点の位置を繰り返し抽出する。これにより、画像処理部21は、特徴点の移動ベクトル(移動方向及び移動速度)を特定する。
画像処理部21は、X線画像における高解像範囲と低解像範囲との間のウィンドウレベルを調整するためのウィンドウ処理を、少なくとも一方の範囲に対して実行する。具体的には、ビニングモードとしてビニング2×2が適用された場合、低線量範囲の1画素は、4つのX線検出素子からの画像信号の合計に基づいて決定される。一方、高線量範囲の1画素は、1つのX線検出素子からの画像信号に基づいて決定される。したがって、例えば、高線量範囲と低線量範囲との間の線量の比が4:1のときは、低線量範囲は、高線量範囲と同じウィンドウレベルを有する。そのため、ウィンドウ処理は不要である。しかし、高線量範囲と低線量範囲との間の線量の比が4:1ではないとき、低線量範囲と高線量範囲との間のウィンドウレベルは異なる。そのため、画像処理部21によるウィンドウ処理が高線量範囲と低線量範囲とのうち、少なくとも一方の範囲に対して実行される。
また、実際のX線フィルタ124が一様に出来ていない等のため、低線量範囲または高線量範囲の中でも線量分布が異なる場合がある。すると、X線画像において、微細な粒状模様が発生される。画像処理部21は、粒状模様を除去するために、ローパスフィルタ処理、リカーシブフィルタ処理をX線画像に対して実行する。
記憶部22は、半導体記憶素子であるFlash SSD(Solid State Disk)などの半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部22は、画像発生部20により発生されたX線画像のデータ等を記憶する。
システム制御部23は、入力部25から入力された情報を受け取り、一時的にメモリ回路に入力情報を記憶する。そして、システム制御部23は、この入力情報に基づいて第1X線診断装置の各部を制御する。
表示部24は、画像発生部20及び画像処理部21で発生されたX線画像をモニタに表示する。
入力部25は、第1X線診断装置に対して、ユーザ指示情報を入力するための、インターフェースとして機能する。例えば、入力部25は、X線透視撮影の開始と終了の契機となる透視スイッチを有する。透視スイッチは、例えばフットスイッチである。例えば、フットスイッチが押されている間にX線透視が行われる。また、入力部25は、第1X線診断装置に対して、天板及びC形アーム11の移動をユーザが自由に指示するための操作コンソールを有する。操作コンソールは、マウス、キーボード、トラックボール、タッチパネル、及びスイッチ等の入力デバイスを有する。指示情報は、X線透視条件の設定指示、関心領域の設定指示、及び関心領域の変更指示である。
X線透視条件は、管電圧、管電流、及び照射時間等の条件項目を含む。ユーザは、例えば、透視条件の設定画面上の操作により、X線透視条件を入力することができる。具体的には、透視条件の設定画面には、複数の条件項目にそれぞれ対応する複数の入力ボックスが配置される。ユーザは、例えば、管電圧に対応する入力ボックスにキーボードで数値を入力することで、管電圧値を入力することができる。なお、ユーザは、X線透視条件を他の方法で入力してもよい。例えば、ユーザは、複数のX線透視条件から選択したX線透視条件を入力することができる。このとき、記憶部22には、複数のX線透視条件のデータが、患者情報(患者の年齢、性別、体格等)や検査情報(撮影部位、担当医師、撮影方法等)の付帯情報とともに記憶されているものとする。透視条件の設定画面には、複数のX線透視条件が、それぞれ対応する付帯情報とともに表示される。ユーザは、患者情報や検査情報を参考に、複数のX線透視条件から選択したX線透視条件を入力することができる。
関心領域の入力は、第1関心領域及び第2関心領域の入力を含む。第1関心領域は、動画として見たい被検体の領域である。第2関心領域は、動画として見る第1関心領域のうち、高詳細に見たい領域である。第2関心領域は、例えば、カテーテル手技の対象領域等である。
関心領域は、例えば、関心領域設定画面上のユーザ操作に従って入力される。このとき、被検体に関する位置決め用の透視画像が関心領域設定画面に表示される。位置決め用の透視画像は、通常のX線透視よりも低い線量で撮影される。ユーザは、位置決め用の透視画像を見ながら、FOVに第1関心領域が入るように、操作コンソールで天板及びC形アーム11を移動させる。次に、透視画像上のマウス操作により、第2関心領域を入力する。具体的には、ユーザは、透視画像上で第2関心領域を囲うようにマウスを操作することにより、第2関心領域を入力することができる。第2関心領域の入力が完了すると、ユーザは、関心領域の決定ボタンを押す。関心領域の決定ボタンが押されたのを契機に、関心領域設定部26は、第1関心領域と第2関心領域とを設定する。なお、ユーザは、X線透視中において、関心領域を変更することができる。関心領域の変更方法は、関心領域の設定方法と同様である。例えば、第1関心領域を変更するために、ユーザは、操作コンソールで天板及びC形アーム11を移動させ、第2関心領域を変更するために、透視画像上で第2関心領域を指定する。
なお、X線透視では、インターベンション等の手技が行われる場合が多い。そのため、後述の関心領域設定部26が第2関心領域を設定するために、血管内を走行させるカテーテルやガイドワイヤ等の器具がユーザにより指定されてもよい。
関心領域設定部26は、第1関心領域及び第2関心領域(併せて単に関心領域と呼ぶ。)を設定する。関心領域設定部26は、入力部25を介したユーザ指示に従って、関心領域を設定する。関心領域設定部26により第2関心領域が設定されるために、ユーザにより器具が指定された場合、第2関心領域は、器具の特徴点(例えば、カテーテルの先端)を中心とした範囲に設定される。第1関心領域は、器具の特徴点を中心に、第2関心領域の周囲に設定される。第1関心領域及び第2関心領域の大きさは、ユーザ指示に従って適宜変更が可能である。また、関心領域設定部26は、画像処理部21により特定された特徴点の移動ベクトルに基づいて、関心領域を変更する。
図9は、第1実施形態に係るX線診断装置の関心領域設定部26が特徴点の移動ベクトルに基づいて関心領域を変更する方法を説明するための説明図である。
透視画像Pは、X線透視中の、ユーザがカテーテルGwを挿入している際の一透視画像である。したがって、透視画像Pには、カテーテルGwの陰影が映っている。特徴点はカテーテルGwの先端である。図9において、移動前のカテーテルGwの特徴点の位置がCh1、その時の第2関心領域がRo1とする。そして、カテーテルGwが移動したとき、画像処理部21は、移動後の特徴点の位置Ch2とともに、移動前の特徴点の位置Ch1と移動後の特徴点の位置Ch2とに基づいて、移動ベクトルwを特定する。関心領域設定部26は、移動前の第2関心領域Ro1の位置と移動ベクトルwとに基づいて、移動後の第2関心領域Ro2を再設定する。ここでは、カテーテルGwに伴う第1関心領域の設定は行われていないが、関心領域設定部26は、移動前の第1関心領域と移動ベクトルwとに基づいて、第1関心領域を再設定してもよい。
撮影制御部27は、設定されたX線撮影に関わる条件に従ってX線撮影が実行されるために、C形アーム11の移動、X線の発生、及びX線の検出が連動するように、各制御部、各駆動部、及び高電圧発生部13を制御する。
撮影制御部27は、SIDの変化にX線フィルタ124が追従するように、X線フィルタ制御部15を制御する。具体的には、X線フィルタ124に開口フィルタ用いられ、今、開口フィルタの開口が第1X線検出部141に対応しているとする。SIDが変化すると、その対応関係が崩れる。そのため、撮影制御部27は、SIDの変化量をX線フィルタ制御部15に出力する。X線フィルタ制御部15は、SIDの変化量に応じて、X線フィルタ124を昇降させたり、開口の大きさの異なるX線フィルタ124に切り替えたりするために、X線フィルタ駆動部122を制御する。また、撮影制御部27は、画像処理部21により特定された特徴点の移動ベクトルに従って、C形アーム11を移動するように、C形アーム駆動部を制御する。
以下、第1X線診断装置を用いた一連の手技について図8を参照して説明する。
図10は、第1実施形態に係るX線診断装置を用いた一連のユーザの手技の流れを説明するためのフローチャートである。なお、ここで説明する第1X線診断装置は、減弱係数の異なる複数の開口フィルタを有するものとする。
(ステップS11)関心領域を設定
位置決め用のX線透視が開始され、関心領域設定画面上のユーザ操作に従って入力された第1関心領域と第2関心領域とが関心領域設定部26により設定される。
(ステップS12)X線フィルタ124を移動
ユーザにより複数のX線フィルタ124から使用するX線フィルタ124が選択される。そして、第2関心領域に高線量範囲が対応し、第1関心領域に低線量範囲が対応するように、X線フィルタ制御部15により、X線フィルタ124が移動される。
(ステップS13)ビニング条件を設定
ビニング条件設定部18により、使用するX線フィルタ124の種類に応じたビニングモードが設定される。また、ビニング条件設定部18により、低線量範囲をビニング対象範囲に設定される。
(ステップS14)X線透視を開始
透視スイッチが押されたのを契機に、撮影制御部27により各部が制御され、X線透視が開始される。画像発生部20により発生されたX線画像(透視画像)は、低解像範囲と高解像範囲とで構成される。低解像範囲は、ビニング対象範囲である。また、高解像範囲は、ビニング対象範囲外である。例えば、ビニングモードがビニング2×2のとき、高解像範囲は、低解像範囲よりも解像度が4倍高い。
(ステップS15)透視画像を表示
画像発生部20により発生された透視画像が表示される。ユーザは、透視画像を見ながらカテーテル手技等を行う。
(ステップS16)関心領域の変更指示の有無の判定
入力部25を介して、関心領域(第1関心領域及び第2関心領域)の変更の指示が入力された場合は、処理がステップS19に移行される。関心領域の変更は、例えば、透視画像上のユーザ操作により入力される。また、第2関心領域として、カテーテルが指定されている場合、画像処理部21により特定された特徴点の移動ベクトルにより入力される。特徴点は、例えば、カテーテルの先端である。また、第2関心領域の変更は、例えば、操作コンソールがユーザにより操作され、C形アーム11が移動されることにより入力される。関心領域の変更指示がない場合は、ステップS17に処理が移行される。
(ステップS17)ビニング条件の変更指示の有無の判定
ビニング条件の変更指示が入力された場合はステップS21に処理が移行される。ビニング条件の変更指示は、例えば、入力部25を介したユーザ指示に従って入力される。また、X線フィルタ124の変更に応じてビニング条件の変更指示が入力される。ビニング条件の変更指示がない場合はステップS18に処理が移行される
(ステップS18)X線透視が終了されたかの判定
透視スイッチが離されたときは、X線透視が終了される。透視スイッチが押されている期間、ステップS15〜ステップS21の処理が繰り返し実行される。
(ステップS19)関心領域を再設定
関心領域設定部26により、関心領域の変更指示に従って関心領域が再設定される。
(ステップS20)C形アーム11及びX線フィルタ124のうち、少なくとも一方を移動
再設定された第2関心領域に高線量範囲が対応するように、また、第1関心領域に低線量範囲が対応するように、撮影制御部27によりC形アーム11が移動され、X線フィルタ制御部15によりX線フィルタ124移動される。
(ステップS21)ビニング条件を再設定
ビニング条件設定部18により、ビニング条件の変更指示に従って、ビニング条件が再設定される。
(ステップS22)信号読み出し方法を変更
再設定されたビニング条件に従って、信号読み出し制御部17により、TFT駆動回路及び信号読み出し回路144が制御され、信号の読み出し方法が変更される。
第1実施形態に係るX線診断装置によれば、以下の効果を得ることができる。
第1実施形態に係るX線診断装置において、ユーザは、入力部25を介して第1関心領域と第2関心領域とを入力することができる。例えば、ユーザは、動画として見たい領域を第1関心領域とし、第1関心領域のうち、高詳細に見たい領域を第2関心領域として入力する。X線フィルタ制御部15は、X線照射範囲において、線量の異なる2つの範囲を発生するX線フィルタ124の、高線量範囲が第2関心領域に対応し、低線量範囲が第1関心領域に対応するようにX線フィルタ124を移動させる。信号読み出し制御部17は、低線量範囲をビニング対象として、信号読み出し回路144を制御する。低線量範囲に対してビニングを実行することにより、高線量範囲に対応するX線画像の高解像範囲と低線量範囲に対応するX線画像の低解像範囲との間のウィンドウレベルを一致させることができる。また、低線量範囲では、X線検出素子に入射するX線フォトン数が少ないため、X線検出素子から出力される電荷信号が小さく、ノイズの影響を受けやすい。ビニングは、複数のX線検出素子からの出力をまとめて読み出すことができるため、そのノイズの影響を小さくすることができる。したがって、発生されるX線画像の低解像範囲におけるランダムノイズ等の影響を小さくすることができる。
つまり、第1実施形態に係るX線診断装置のX線透視において、ユーザは、高解像に第2関心領域の透視画像を見ることができる。また、ユーザは、ビニングにより、第2関心領域よりも低解像ながらも、第1関心領域の透視画像を、第2関心領域と同等の画質でみることができる。これにより、ユーザは、透視画像の高解像範囲を見て手技、治療等を行いながら、周囲に異常等が発生していないかを低解像範囲を見て確認することができる。したがって、第1実施形態に係るX線診断装置は、従来のX線透視と同等の透視画像をユーザに提供することができる。また、第1関心領域に照射される線量は、第2関心領域に照射される線量に比べて少ない。したがって、第1実施形態に係るX線診断装置は、従来のX線透視よりも患者の被ばくを低減することができる。つまり、第1実施形態に係るX線診断装置は、従来のX線透視よりも患者の被ばくを低減しながらも、従来のX線透視と同等の透視画像を提供することができる。
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係るX線診断装置の構成を示すブロック図である。第2実施形態に係るX線診断装置は、第1実施形態に係るX線診断装置と異なり、複数のX線検出部14を有する。以下、第1実施形態との差異を中心に第2実施形態を説明する。
第2実施形態に係るX線検出部14は、第1X線検出部141と第2X線検出部142(以下、第1X線検出部141及び第2X線検出部142の両方を指す表記として、単にX線検出部14を用いる)とを有する。第1X線検出部141は、第1X線検出部141に比べて、高解像度に対応するX線検出部14である。つまり、第2X線検出部142を構成する複数の第2X線検出素子の素子サイズは、第1X線検出部141を構成する複数の第1X線検出素子の素子サイズよりも小さい。例えば、第2X線検出素子の素子サイズは、20μm程度であり、第1X線検出素子の素子サイズは、150μm〜200μm程度である。
図12は、第2実施形態にX線診断装置における第1X線検出部141及び第2X線検出部142の配置例を、X線照射系12とともに示した図である。
図12に示すように、第2X線検出部142は、第1X線検出部141よりも検出面の面積が狭い。また、第2X線検出部142は、第1X線検出部141に対して固定されるように配置される。このとき、第2X線検出部142の検出面は、第1X線検出部141の検出面と同じ方向を向くように配置される。また、第2X線検出部142は、第1X線検出部141と部分的に重なるように配置される。好適には、第2X線検出部142は、第1X線検出部141の検出面の中心位置O1と第2X線検出部142の検出面の中心位置O2とが一致するように配置される。第2X線検出部142の固定方法としては、以下の方法がある。1)第1X線検出部141に対して固定される。このとき、第1X線検出部141は、X線への影響が小さいアクリル、プラスチック等で出来たスペーサー等を介して第2X線検出部142の検出面に固定される。または、第1X線検出部141は、第2X線検出部142の枠部分に固定される。2)C形アーム11に対して固定される。3)第1X線検出部141と第2X線検出部142とを内蔵するカバーに対して固定される。
以下、説明を簡単にするため、第2X線検出部142は、第1X線検出部141の検出面の中心位置O1と第2X線検出部142の検出面の中心位置O2とが一致するように配置されているものとする。
前処理部19は、第1X線検出部141及び第2X線検出部142から出力された画像信号に対して前処理を実行する。なお、前処理部19は、第1X線検出部141からの画像信号に対して前処理を実行する第1前処理部と、第2X線検出部142からの画像信号に対して前処理を実行する第2前処理部とを有する構成でもよい。
画像発生部20は、前処理を実行された画像信号に基づいて、X線画像のデータを発生する。具体的には、画像発生部20は、第1X線検出部141からの出力に基づいて、第1関心領域に対応する第1X線画像のデータを発生する。また、画像発生部20は、第2X線検出部142からの出力に基づいて、第2関心領域に対応する第2X線画像のデータを発生する。なお、画像発生部20は、第1X線検出部141からの画像信号に基づいて、第1関心領域に対応する第1X線画像のデータを発生する第1画像発生部と、第2X線検出部142からの画像信号に基づいて、第2関心領域に対応する第2X線画像のデータを発生する第2画像発生部とを有する構成でもよい。
画像処理部21は、第1X線画像のデータ、第2X線画像のデータ、及び過去画像のデータに基づいて、重畳画像のデータを発生する。なお、重畳画像のデータは、第1X線画像のデータ及び第2X線画像のデータに基づいて発生されてもよい。
図13は、第2実施形態に係るX線診断装置の画像発生部20により発生される重畳画像の一例を示した図である。
図13に示した重畳画像Pは、第1X線画像P1に対して第2X線画像P2を重ねた画像である。重畳画像Pは、部分範囲LP、部分範囲HP、及び空白画像範囲NPを有する。部分範囲LPと空白画像範囲NPとは、第1X線画像P1に対応する。部分範囲HPは、第2X線画像P2に対応する。第2X線画像P2の解像度は、第1X線画像P1の解像度よりも高い。したがって、重畳画像Pの部分範囲HPの解像度は、部分範囲LPに比べて高い。例えば、第1X線検出素子と第2X線検出素子との間の素子面積の比が4:1のとき、図13に示すように、重畳画像Pの部分範囲HPの解像度は、部分範囲LPの4倍になる。また、重畳画像Pの、部分範囲HPと部分範囲LPとの間に、第1X線画像P1の空白画像範囲NPが残される。
図14は、重畳画像Pに含まれる空白画像範囲NPを説明するための説明図である。 図14に示すように、X線焦点Sから発生されたX線により、X線照射範囲において、低解像範囲Ar1、高線量範囲Ar2、及びX線が十分に入射しない範囲(以下、不感範囲と呼ぶ。)Ar3が発生する。不感範囲Ar1の発生の要因は、第2X線検出部142は検出面を囲う外枠等を有すること、第2X線検出部142が第1X線検出部141に重ねられていることにより、X線焦点から発生されたX線が、第1X線検出部141の第1X線検出素子に十分に入射されないこと、等があげられる。したがって、第1X線画像と第2X線画像とを解剖学的位置が一致するように重ねた重畳画像Pの、第1X線画像に対応する部分範囲LPと第2X線画像に対応する部分範囲HPとの間に、空白画像範囲NPが発生する。
図13に示す重畳画像Pでは、空白画像範囲NPがあるため、ユーザは、第1関心領域の周囲を確認しにくい。そのため、画像処理部21は、第1X線画像、第2X線画像、及び代替画像に基づいて、重畳画像Pの空白画像範囲を代替画像で代替した重畳画像を発生してもよい。代替画像は、例えば、同一被検体に関する過去に撮影された過去画像である。記憶部22には、過去画像のデータが記憶されている必要がある。過去画像としては、被検体とX線照射系12とX線検出部14との間の位置関係(撮影角度、撮影位置、及びSID)が、現在の位置関係と同じ位置関係で撮影されたX線画像が好適である。このとき、画像処理部21は、空白画像範囲に合わせて、過去画像を切り出すことにより代替画像を発生する。したがって、代替画像は静止画である。なお、過去画像として、被検体とX線照射系12とX線検出部14との間の位置関係が、現在の位置関係と異なるときに撮影されたX線画像でもよい。このとき、画像処理部21は、過去画像を、拡大、縮小、及び回転等の処理を行った上で、空白画像範囲にあわせて切り出すことにより代替画像を発生する。なお、重畳画像に空白画像範囲が含まれたままにするか、空白画像範囲を代替画像で代替するかは、ユーザ指示に従って適宜変更が可能である。
記憶部22は、半導体記憶素子であるFlash SSD(Solid State Disk)などの半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部22は、画像処理部21により発生された重畳画像のデータ等を記憶する。
表示部24は、画像処理部21で発生された重畳画像をモニタに表示する。
入力部25は、第2X線診断装置に対して、ユーザ指示情報を入力するための、インターフェースとして機能する。指示情報とは、例えば、関心領域の設定指示である。
関心領域は、第1実施形態と同様に、例えば、関心領域設定画面上のユーザ操作に従って入力される。第2X線診断装置において、第2X線検出部142は、第1X線検出部141に対して固定されているため、第1X線検出部141と第2X線検出部142との間の位置関係は変化しない。したがって、第1関心領域と第2関心領域との間の位置関係は固定される。ただし、SIDの変化に応じて、第1関心領域と第2関心領域との間の大きさの関係は変化する。ユーザは、関心領域設定画面に表示された位置決め用の透視画像を見ながら、FOVの中心に第2関心領域の中心が一致するように、操作コンソールで天板及びC形アーム11を移動させる。そして、SIDを変化させることにより、第1関心領域と第2関心領域とを決めると、ユーザは、関心領域の決定ボタンを押す。関心領域の決定ボタンが押されたのを契機に、関心領域設定部26は、第1関心領域と第2関心領域とを設定する。
以下、第2X線診断装置を用いた一連の手技について図15を参照して説明する。 図15は、第2実施形態に係るX線診断装置を用いた一連のユーザの手技の流れを説明するためのフローチャートである。なお、ここで説明する第2X線診断装置は、減弱係数の異なる複数の開口フィルタを有するものとする。
(ステップS21)関心領域を設定
位置決め用のX線透視が開始され、関心領域設定画面上のユーザ操作に従って入力された第1関心領域と第2関心領域とが関心領域設定部26により設定される。
(ステップS22)X線フィルタ124を移動
ユーザにより複数のX線フィルタ124から使用するX線フィルタ124が選択される。そして、第2関心領域に高線量範囲が対応し、第1関心領域に低線量範囲が対応するように、X線フィルタ制御部15により、X線フィルタ124が移動される。
(ステップS23)X線透視を開始
透視スイッチが押されたのを契機に、撮影制御部27により各部が制御され、X線透視が開始される。画像発生部20により、第1X線画像のデータと第2X線画像のデータとが発生される。第1X線画像は、第1関心領域に対応する。第2X線画像は、第2関心領域に対応する。
(ステップS24)重畳画像を発生
画像処理部21により、第1X線画像、第2X線画像、及び代替画像に基づいて、重畳画像が発生される。重畳画像において、高解像範囲が第2X線画像に対応し、低解像範囲が第1X線画像に対応し、空白画像範囲が代替画像に対応する。なお、重畳画像は、第1X線画像及び第2X線画像に基づいて発生されてもよい。このとき、重畳画像の空白画像範囲は、空白(白または黒)となる。
(ステップS25)重畳画像を表示
画像処理部21により発生された重畳画像が動画として表示される。ユーザは、重畳画像を見ながらカテーテル手技等を行う。
(ステップS26)関心領域の変更指示の有無の判定
入力部25を介して、関心領域(第1関心領域及び第2関心領域)の変更の指示が入力された場合は、処理がステップS28に移行される。関心領域の変更指示がない場合は、ステップS27に処理が移行される。
(ステップS27)X線透視が終了されたかの判定
透視スイッチが離されたときは、X線透視が終了される。透視スイッチが押されている期間、ステップS24〜ステップS29の処理が繰り返し実行される。
(ステップS28)関心領域を再設定
関心領域設定部26により、関心領域の変更指示に従って関心領域が再設定される。
(ステップS29)C形アーム11及びX線フィルタ124のうち、少なくとも一方を移動
再設定された第2関心領域に高線量範囲(第2X線検出部142)が対応するように、また、第1関心領域に低線量範囲(第1X線検出部141)が対応するように、C形アーム11及びX線フィルタ124のうち、少なくとも一方が移動される。
第2実施形態に係るX線診断装置によれば、以下の効果を得ることができる。
第2実施形態に係るX線診断装置において、ユーザは、入力部25を介して第1関心領域と第2関心領域とを入力することができる。ユーザは、高詳細に見たい領域を第2関心領域として入力する。第1関心領域は、第1X線検出部141と第2X線検出部142との間の位置関係、X線フィルタ124の種類、及びSIDに応じて自動的に入力される。X線フィルタ制御部15は、X線照射範囲において、線量の異なる2つの範囲を発生するX線フィルタ124の、高線量範囲が第1X線検出部141に対応し、低線量範囲が第1X線検出部141に対応するようにX線フィルタ124を移動させる。画像発生部20は、第1X線検出部141からの出力に基づいて第1X線画像を発生し、第2X線検出部142からの出力に基づいて第2X線画像を発生する。画像処理部21は、第1X線画像及び第2X線画像に基づいて重畳画像を発生する。表示部24は、重畳画像は、第2関心領域に対応する高解像範囲と、第1関心領域に対応する低解像範囲と、空白画像範囲とで構成される。したがって、X線透視において、ユーザは、第2関心領域を、高解像に動画として見ることができる。また、ユーザは、第2関心領域よりも低解像で、且つ空白画像範囲が含まれるが、第1関心領域を第2関心領域と同等の画質の動画をみることができる。これにより、ユーザは、高詳細な第2関心領域に対応する動画を見て手技、治療等を行いながら、第2関心領域の周辺に異常等がないかを確認することができる。なお、重畳画像が、第1X線画像、第2X線画像、及び代替画像に基づいて画像処理部21により発生可能な場合、空白画像範囲は、空白画像範囲に対応する被検体の過去画像で代替される。これにより、ユーザは、空白画像範囲が含まれる重畳画像よりも、違和感なく重畳画像を見ることができる。なお、第1関心領域の一部分が静止画(代替画像)であっても、第2関心領域が高詳細に動画として見られるため、臨床上大きな問題はない。
したがって、第2実施形態に係るX線診断装置は、従来のX線透視と同等の透視画像をユーザに提供することができる。また、第1関心領域に照射される線量は、第2関心領域に照射される線量に比べて少ない。したがって、第2実施形態に係るX線診断装置は、従来のX線透視よりも患者の被ばくを低減することができる。つまり、第1実施形態に係るX線診断装置は、従来のX線透視よりも患者の被ばくを低減しながらも、従来のX線透視と同等の透視画像を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態及びその変形例を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や趣旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものある。
10…寝台、11…C形アーム、12…X線照射系、13…高電圧発生部、14…X線検出部、141…第1X線検出部、142…第2X線検出部、143…TFT駆動回路、144…信号読み出し回路、15…X線フィルタ制御部、16…X線絞り器制御部、17…信号読み出し制御部、18…ビニング条件設定部、19…前処理部、20…画像発生部、21…画像処理部、22…記憶部、23…システム制御部、24…表示部、25…入力部、26…関心領域設定部、27…撮影制御部、121…X線発生部、124…X線フィルタ、127…X線絞り器。

Claims (5)

  1. X線を発生するX線発生部と、
    被検体を透過したX線を検出する第1検出部と前記第1検出部より検出素子のサイズが小さく前記被検体を透過したX線を検出する第2検出部とを有し、前記第1検出部と前記第2検出部とがX線の照射方向に関して重ねられているX線検出部と、
    前記X線発生部と前記被検体との間に配置されるX線フィルタと、
    前記第1検出部からの出力に基づいて、前記被検体に関する第1X線画像のデータを発生し、前記第2検出部からの出力に基づいて、前記被検体に関する第2X線画像のデータを発生する画像発生部と、
    前記第1X線画像と前記第2X線画像とに基づいて、前記被検体に関する重畳画像を発生する画像処理部と、
    前記重畳画像を表示する表示部と
    を具備
    前記第1検出部と前記第2検出部は、前記被検体を通過したX線を並行して検出し、
    前記画像発生部は、前記第1X線画像と前記第2X線画像とを並行して発生し、
    前記第2検出部の検出面は、前記X線フィルタにより前記X線検出部のX線検出面上に形成される線量の異なる複数の部分範囲のうち、高線量範囲に対応する、X線診断装置。
  2. 前記X線フィルタにおける前記高線量範囲が前記第2検出部の検出面に対応し、前記X線フィルタにおける前記高線量範囲とは異なる線量範囲が前記第1検出部の検出面に対応するように前記X線フィルタの移動を制御するX線フィルタ制御部を更に具備する、請求項に記載のX線診断装置。
  3. 前記画像処理部は、前記第1X線画像、前記第2X線画像、及び被検体に関する過去画像に基づいて、前記被検体に関する重畳画像を発生する、請求項1または請求項2に記載のX線診断装置。
  4. 前記第1X線画像は、第1の部分範囲と前記X線が十分に入射しない空白画像範囲とを有し、
    前記第2X線画像は、前記空白画像範囲よりも小さく、前記第1の部分範囲よりも解像度の高い第2の部分範囲を有する、請求項に記載のX線診断装置。
  5. 前記画像処理部は、前記空白画像範囲を前記過去画像で代替することによって前記重畳画像を発生する、請求項に記載のX線診断装置。
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