JP6595409B2 - アンテナ装置の製造方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、フィルムアンテナと、このフィルムアンテナに接続されたケーブルとを備えたアンテナ装置に関する。
実装が容易なアンテナとして、フィルムアンテナが広く普及している。ここで、フィルムアンテナとは、誘電体フィルムと、誘電体フィルムの表面に形成されたアンテナ導体とを有するアンテナのことを指す。例えば、自動車のウインドウに貼り付けて使用するフィルムアンテナは、広く知られたところである。
フィルムアンテナを用いて立体的なアンテナを構成する場合、アンテナ導体の立体構造を維持するために、剛性の高い支持体に貼り付けたり、巻き付けたりして使用することが好ましい。フィルムアンテナが曲がったり折れたりすることによって、アンテナ導体の立体構造が変化すると、アンテナ特性が変化してしまうからである。
ところで、フィルムアンテナに対する高周波電流の入出力は、2つの接続点からなる給電部に接続されたケーブル(例えば、同軸ケーブル)を用いて行われる。フィルムアンテナとケーブルとは、通常、フィルムアンテナのアンテナ導体に設けられた2つの接続点とケーブルのホット側/コールド側導体(同軸ケーブルの内側/外側導体)とを半田付けすることにより接続されている。このため、ケーブルが強い力で引っ張られると、ゲーブルがフィルムアンテナの給電部(2つの接続点)から外れてしまうことがある。このため、フィルムアンテナとケーブルとを備えたアンテナ装置においては、ケーブルの引っ張りに対する耐久性(接続信頼性)を高めることが重要である。
ケーブルの引っ張りに対する耐久性を高めるために利用可能な技術としては、例えば、特許文献1に記載の保持部材が知られている。特許文献1に記載の保持部材は、外縁近傍の表裏に溝が形成された板状部材である。これらの溝にケーブルを嵌め込むことによって、この保持部材にケーブルを保持させれば、ケーブルの一端を引っ張ってもその力が他端に伝わり難くなる。したがって、この保持部材にフィルムアンテナに接続されたケーブルを保持させれば、ケーブルの引っ張りに対する耐久性を高めることができる。
ヨーロッパ特許第2403327号明細書(2012年1月4日公開)
しかしながら、特許文献1に記載の保持部材は、ケーブルの引っ張りに対する耐久性を高めるという機能は有しているものの、アンテナ導体の立体構造を維持するという機能は有していない。したがって、フィルムアンテナに接続されたケーブルを特許文献1に記載の保持部材により保持するだけでは、アンテナ特性を一定化することはできない。また、アンテナ導体の立体構造を維持するために、フィルムアンテナを貼り付けたり巻き付けたりする支持体を特許文献1に記載の保持部材と併用する場合、構造の複雑化や大型化などの問題を招来する。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムアンテナと、このフィルムアンテナに接続されたケーブルとを備えたアンテナ装置において、構造の複雑化や大型化を招来することになく、アンテナ特性の一定性とケーブルの引っ張りに対する耐久性とを高めたアンテナ装置を提供することにある。
本発明に係るアンテナ装置の製造方法は、フィルムアンテナの給電部にケーブルを接続する接続工程と、第1支持面と、前記第1支持面に交わる第2支持面と、前記第1支持面と対向し、前記第2支持面に交わる第3支持面とを有する支持体であって、前記ケーブルを保持するための保持手段を有するとともに、前記第3支持面に前記給電部を収容するための凹状収容部を有する支持体を用意する工程と、前記凹状収容部に前記給電部が収容されるように、前記フィルムアンテナを前記支持体に取り付けるとともに、前記第1支持面、前記第2支持面及び前記第3支持面に接触するように、前記フィルムアンテナを前記支持体に巻き付ける巻き付け工程と、前記保持手段に前記ケーブルを保持させ、前記第1支持面及び前記第2支持面に沿う方向に前記ケーブルの一部分が延在するように配線する配線工程と、前記凹状収容部に樹脂材を充填して硬化させることで、前記凹状収容部に収容された前記給電部及び当該給電部に接続されたケーブルの端部を覆う絶縁被覆部を形成する絶縁被覆部形成工程と、を含んでいる。
上記の製造方法により製造されたアンテナ装置によれば、上記フィルムアンテナが上記支持体に巻き付けられているため、上記フィルムアンテナが備えるアンテナ導体の立体構造の変化を抑えることができる。すなわち、アンテナ特性の一定性を高めることができる。また、上記の構成によれば、上記ケーブルが上記支持体に保持されているため、ケーブルの引っ張りに対する耐久性を高めることができる。
しかも、上記の製造方法により製造されたアンテナ装置によれば、単一の支持体がアンテナ特性の一定性を高める機能とケーブルの引っ張りに対する耐久性を高める機能とを担っている。したがって、構造の複雑化や大型化を招来することなく、アンテナ特性の一定性とケーブルの引っ張りに対する耐久性とを高めることができる。
本明細書において、フィルムアンテナを支持体に巻き付けるという表現は、フィルムアンテナを支持体の表面に沿うように変形させて、フィルムアンテナを支持体から離れない状態にすることを意味する。なお、上記の表現は、支持体の周りでフィルムアンテナが一周以上巻かれることのみを含意するものではない。例えば、支持体が直方体の部材である場合、フィルムアンテナを支持体の4面(例えば、上面、右側面、下面、左側面)に沿うように変形させて、フィルムアンテナを支持体から離れない状態にする態様だけでなく、フィルムアンテナを支持体の3面(例えば、上面、右側面、下面)に沿うように変形させて、フィルムアンテナを支持体から離れない状態にする態様や、フィルムアンテナを支持体の2面(例えば、上面、右側面)に沿うように変形させて、フィルムアンテナを支持体から離れない状態にする態様なども、上記の表現の意味範囲に含まれる。
また本明細書において、アンテナ装置の「上、下、左、右、前、後」は、各図面のxyz座標系に基づき、「z軸正方向を上」、「z軸負方向を下」、「y軸正方向を右」、「y軸負方向を左」、「x軸正方向を後」、「x軸負方向を前」として説明する。したがって、車体等へ搭載した状態におけるアンテナ装置の、上下、左右及び前後と必ずしも一致するものではない。
本発明の一態様に係るアンテナ装置の製造方法は、前記巻き付け工程に先立って、前記第3支持面の前記凹状収容部を取り囲む領域に接着層を形成する接着層形成工程を更に含み、前記巻き付け工程は、前記フィルムアンテナを前記支持体に巻き付けるときに、前記接着層を用いて、当該フィルムアンテナを前記支持体に接着する接着工程を更に含むことが好ましい。
上記の製造方法によれば、上記凹状収容部の輪郭を取り囲む領域において、上記支持体と上記フィルムアンテナとが上記接着層によって接着されているため、上記凹状収容部の輪郭を取り囲む上記支持体(特に上記第3支持面)と上記フィルムアンテナとの間には、隙間が生じない。そのため、上記凹状収容部の輪郭を取り囲む領域において、上記凹状収容部に充填される上記樹脂材は、上記凹状収容部の内部に留まる。したがって、上記樹脂材が上記支持体と上記フィルムアンテナとの間に流出することを容易に防止することができる。
本発明は、フィルムアンテナと、このフィルムアンテナに接続されたケーブルとを備えたアンテナ装置の製造方法であって、構造の複雑化や大型化を招来することになく、アンテナ特性の一定性とケーブルの引っ張りに対する耐久性とを高めたアンテナ装置を提供することができる。
第1の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置が備える支持体の斜視図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置が備えるフィルムアンテナの平面図である。 (a)は、第1の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。(b)は、アンテナ装置が備えているフィルムアンテナの斜視図である。 (a)〜(d)は、それぞれ、図1に示すアンテナ装置の平面図、正面図、左側面図、及び底面図である。 参考例のアンテナ装置のVSWR及び平均利得の周波数依存性を示すグラフである。 第1実施例のアンテナ装置のVSWR及び平均利得の周波数依存性を示すグラフである。 第2実施例のアンテナ装置のVSWR及び平均利得の周波数依存性を示すグラフである。 第3実施例のアンテナ装置のVSWR及び平均利得の周波数依存性を示すグラフである。 (a)は、第2の実施形態に係るアンテナ装置が備えている支持体の斜視図である。(b)は、第2の実施形態に係るアンテナ装置の斜視図である。 第2の実施形態に係るアンテナ装置の製造方法の説明図である。 (a)は、第2の実施形態に係るアンテナ装置の変形例が備えている支持体の第3支持面の平面図である。(b)は、第2の実施形態に係るアンテナ装置の変形例の拡大断面図である。
〔第1の実施形態〕
〔アンテナ装置の構成〕
本発明の第1の実施形態に係るアンテナ装置1の構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、アンテナ装置1の斜視図である。図2の(a)は、アンテナ装置1が備える支持体30の上面側斜視図であり、図2の(b)は、この支持体30の下面側斜視図である。図3は、アンテナ装置1が備えるフィルムアンテナ10の平面図である。
アンテナ装置1は、図1に示すように、フィルムアンテナ10と、同軸ケーブル20と、支持体30とを備えている。フィルムアンテナ10は、所定の立体構造を取るように、支持体30に巻き付けられている。また、フィルムアンテナ10の2つの接続点14a,14bからなる給電部14に接続された同軸ケーブル20は、所定の配線経路を通るように、支持体30に保持されている。
支持体30は、第1支持面31と、第1支持面31と交わる(本実施形態においては直交する)第2支持面32と、第1支持面31と対向し、第2支持面32と交わる(本実施形態においては直交する)第3支持面33とを有する構造物である。フィルムアンテナ10は、その表面又は裏面が第1支持面31、第2支持面32、及び第3支持面33と接触するように、支持体30に巻き付けられる。
本実施形態においては、図2に示す箱型の樹脂成形物を支持体30として用い、その上面を第1支持面31、その後側面(図示した座標系においてx軸正方向側の側面)を第2支持面32、その下面を第3支持面33とする。この樹脂成型物は、上面側から肉抜きされているため、肉抜きされずに残った隔壁の上端面(図2の(a)において斜線によるハッチングを付した部分)が第1支持面31を構成する。支持体30の第3支持面33は、第1支持面31よりも前方(図示した座標系においてx軸負方向)に突出しており、第1支持面31が形成された領域に対向する対向領域33aと第1支持面31が形成された領域に対向しない非対向領域33bとに二分される。
支持体30は、所定の配線経路を通るように同軸ケーブル20を保持することによって、同軸ケーブル20の引っ張りに対する耐久性を高めるための保持手段として、第1保持部34、第2保持部35、及び第3保持部36を備えている。
また、支持体30の第3支持面33には第1の凹部37と、この第1の凹部37と連通して第3支持面33の端部へ向かって延びる第2の凹部38とが形成されている。第1及び第2の凹部37,38は、本発明における凹状収容部に相当し、同軸ケーブル20の端部と給電部14との接続部分が収容されるとともに、そこから延びる同軸ケーブル20が挿通する。なお本実施形態において、同軸ケーブル20の端部と給電部14との接続部分は、後述する絶縁被覆部21により覆われている(図4参照)。
第1の凹部37は、第3支持面33のうち、第3支持面33と第2支持面32との境界近傍に形成された凹部であって、第3及び第2支持面の境界に沿う方向(図示した座標系においてy軸方向)に延在する長尺形状の凹部であり、第3支持面33から第1支持面31へ向かう方向(図示した座標系においてz軸正方向)へ凹んだ凹部である。
そして、第1の凹部37は、後述する絶縁被覆部21(同軸ケーブル20の端部と給電部14との接続部分を覆う樹脂成形物)を収容可能な大きさを有する。
第2の凹部38は、第2の凹部38は第1の凹部37よりも幅が小さい凹部であって、一方の端部が第1の凹部37と連通し、他方の端部が第3支持面33の端部まで延びる。また第1の凹部37と同様に、第3及び第2支持面32の境界に沿う方向(図示した座標系においてy軸方向)に延在する凹部であり、第3支持面33から第1支持面31へ向かう方向(図示した座標系においてz軸正方向)へ凹んだ凹部である。
そして、第2の凹部38は、第1の凹部37に収容された絶縁被覆部21から延びる同軸ケーブル20が挿通可能な大きさを有する。
アンテナ装置1において、フィルムアンテナ10は、同軸ケーブル20の端部と給電部14との接続部分が、第3支持面33における第2支持面32との境界近傍に設けられた第1及び第2の凹部37,38に収容されるように、支持体30に取り付けられ、さらに、第1支持面31、第2支持面32及び第3支持面33に接触するように、支持体30に巻き付けられている。このとき、フィルムアンテナ10は、その一端(口述する第1アンテナ導体12側の端辺)が、第1支持面31の第2支持面32側とは反対側の端部に配置されるとともに、その他端が、第3支持面33の第2支持面32側とは反対側の端部よりも前方に向かって延出するようにして、支持体10に巻き付けられている。
第1保持部34は、第1支持面31の第2支持面32側とは反対側の端部から前方に突出した領域に設けられている。すなわち、第3支持面33の非対向領域33bの上面側(図示した座標系においてz軸正方向側)に設けられている。この第1保持部34は、同軸ケーブル20の一部を、第1支持面31及び第2支持面32の双方に対して平行な方向(図示した座標系においてy軸方向)に延在するように保持する。第1保持部34は、フィルムアンテナ10の第1支持面31に接触する領域とフィルムアンテナ10の第3支持面33に接触する領域とに挟まれた空間領域の外部に設けられているので、フィルムアンテナ10を支持体30に巻き付けた後でも同軸ケーブル20を第1保持部34に装着することが可能である。
本実施形態においては、その壁面が第1支持面31及び第2支持面32の双方に対して垂直になるように配置された複数の(本実施形態においては4つの)隔壁34aと、この隔壁34aに形成された上方が開口した凹部34b(スリット)とを保持部34として用いる。この隔壁34aの凹部34bに同軸ケーブル20を嵌め込むことによって、上述したような同軸ケーブル20の保持が実現される。また、第1保持部34で保持した同軸ケーブル20を蛇行させ、同軸ケーブル20が第1保持部34から抜け難くするために、本実施形態においては、その壁面が隔壁34aの壁面と平行になるように配置された隔壁34cを用いている。この隔壁34cの前方の端面は、下方に向かうほど前方に迫り出すように傾斜している。このため、同軸ケーブル20を隔壁34aの凹部34bに深く嵌め込むと、同軸ケーブル20は、中央部がこの隔壁34cによって前方に押し出されることによって蛇行し、より強く隔壁34aに押し付けられる。このため、同軸ケーブル20が隔壁34aから受ける摩擦力が大きくなり、同軸ケーブル20が抜け難くなる。
第2保持部35は、支持体30の左側面(図示した座標系においてy軸負方向側の側面)に設けられている。この第2保持部35は、同軸ケーブル20の一部を、第2支持面32に対して垂直な方向(図示した座標系においてx軸方向)に延在するように保持する。そして、第2保持部材35は、第3支持面33の第2支持面32との境界近傍に形成された凹状収容部(第1及び第2の凹部37,38)に収容された絶縁被覆部21から延びる同軸ケーブル20を屈曲させて前方(第2支持面32とは反対側の端部)へ向けてガイドし、同軸ケーブル20を第1保持部材34に導くように機能する。
第2保持部35は、フィルムアンテナ10の第1支持面31に接触する領域とフィルムアンテナ10の第3支持面33に接触する領域とに挟まれた空間領域の外部に設けられているので、フィルムアンテナ10を支持体30に巻き付けた後でも同軸ケーブル20を第2保持部35に装着することが可能である。
本実施形態においては、支持体30の左側面の下端から左方に突出した直方体状の突出部35aを第2保持部35として用いる。この突出部35aには、第2支持面32側の端面からその反対側の端面に至る、下方が開口した凹部35bが形成されており、この凹部35bに同軸ケーブル20を嵌め込むことによって、上述したような同軸ケーブル20の保持が実現される。
第3保持部36は、支持体30の右側面(図示した座標系においてy軸正向側の側面)に設けられている。この第3保持部36は、同軸ケーブル20の一部を、第2支持面32に対して垂直な方向(図示した座標系においてx軸方向)に延在するように保持する。そして、第3保持部材36は、第1保持部材34から延出する同軸ケーブル20を屈曲させて前方へ向けてガイドする。第3保持部36は、フィルムアンテナ10の第1支持面31に接触する領域とフィルムアンテナ10の第3支持面33に接触する領域とに挟まれた空間領域の外部に設けられているので、フィルムアンテナ10を支持体30に巻き付けた後でも同軸ケーブル20を第3保持部36に装着することが可能である。
本実施形態においては、支持体30の右側面の下端から右方に突出した直方体状の突出部36aを第3保持部36として用いる。この突出部36aには、第2支持面32側の端面からその反対側の端面に至る、下方が開口した凹部36bが形成されており、この凹部36bに同軸ケーブル20を嵌め込むことによって、上述したような同軸ケーブル20の保持が実現される。
上述したように、本実施形態においては、支持体30の第3支持面33に、フィルムアンテナ10を巻き付けたときに、同軸ケーブル20の端部と給電部14との接続部分(絶縁被覆部21で覆われた部分)を収容するための第1及び第2凹部37,38が形成されている。そして、支持体30の第3支持面33と反対側の面(第1支持面31側)に、同軸ケーブル20を保持するための第1保持部材34が形成されている。また、支持体30は、更に2つの保持部材(第2及び第3保持部材35,36)を有する。これら第2及び第3保持部材35,36は、第1保持部材34が形成された面と反対側に開口する凹部35b,36bを備え、第1保持部34を挟み込むように配置されている。
第1支持面31(を構成する隔壁の上端面)には、L型突起31a及びI型突起31bが形成されている。L型突起31aは、第1支持面31から上方に延伸する第1柱状部と、第1柱状部の上端から前方に延伸する第2柱状部とにより構成されている。フィルムアンテナ10に形成された長方形の開口12c(図3参照)にL型突起31aを引っ掛けることによって、フィルムアンテナ10の第1支持面31に接触する部分を後方に引っ張っても(フィルムアンテナ10の第3支持面33に接触する部分を前方に引っ張っても)、フィルムアンテナ10が支持体30から離脱しなくなる。一方、I型突起31bは、第1支持面31から上方に延伸する柱状部により構成されている。フィルムアンテナ10に形成された円形の開口12d(図3参照)にI型突起31bを嵌合させることによって、支持体30に対するフィルムアンテナ10の位置決めが図られる。
また、図2の(b)に示すようにz軸正方向が紙面の下向きになるように支持体30を配置した場合、第2支持面32の右端には、L型ガイド32aが形成されている。L型ガイド32aは、第2支持面32から後方に延伸する第1板状部と、第1板状部の後端から右方に延伸する第2板状部とにより構成されている。同様に、第2支持面32の左端には、L型ガイド32bが形成されている(図2の(b)参照)。L型ガイド32bは、第2支持面32から後方に延伸する第1板状部と、第1板状部の後端から左方に延伸する第2板状部とにより構成されている。フィルムアンテナ10の右端をL型ガイド32aの第2板状部と第2支持面32との間に挟み込み、フィルムアンテナ10の左端をL型ガイド32bの第2板状部と第2支持面32との間に挟み込むことによって、フィルムアンテナ10を第2支持面32に密着させることができる。
さらに、第3支持面33には、I型突起33dが形成されている。I型突起33dは、第3支持面33から下方に延伸する柱状部により構成されている。フィルムアンテナ10に形成された円形の開口13a(図3参照)にI型突起33dを嵌合させることによって、支持体30に対するフィルムアンテナ10の位置決めが図られる。また、第3支持面33の前端には、ガイドリング33cが形成されている(図2の(a)参照)。フィルムアンテナ10をこのガイドリング33cに通すことによって、フィルムアンテナ10を第3支持面33に密着させることができる。すなわち、フィルムアンテナ10は、ガイドリング33cを貫通し、また、ガイドリング33cによって支持されている。
なお、支持体30を構成する材料の一例としては、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)とアクリロニトリル、ブタジエン、スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)とを混合したPC−ABS樹脂が挙げられるが、これに限定されるものではない。
〔フィルムアンテナ10〕
フィルムアンテナ10は、図3に示すように、誘電体フィルム11と、この誘電体フィルム11の表面にパターンとして形成された1対のアンテナ導体12,13を備えている。
第1アンテナ導体12には、同軸ケーブル20の内側導体(ホット側導体)が接続される第1接続点14aが設けられている。一方、第2アンテナ導体13には、同軸ケーブル20の外側導体(コールド側導体)が接続される第2接続点14bが設けられている。第1接続点14a及び第2接続点14bは、フィルムアンテナ10の給電部14を構成している。なお、図示を省略するが、フィルムアンテナ10の給電部14(第1及び第2接続点14a,14b)には、同軸ケーブル20の端部が接続されている。具体的には、第1接続点14aに同軸ケーブル20の内側導体を半田付けすることにより接続し、第2接続点14bに同軸ケーブル20の外側導体を半田付けすることにより接続している。
第1アンテナ導体12及び第2アンテナ導体13は、前者及び後者を放射素子とするダイポールアンテナ、又は、前者を放射素子とし後者を地板とするモノポールアンテナを構成する。
本実施形態においては、長方形の短辺を介して隣接する2つの角を四分楕円12a,12bで置き換えた釣鐘形の導体箔(例えば、銅箔)を第1アンテナ導体12として用いる。この第1アンテナ導体12の四分楕円12a,12bに挟まれた辺には凸部が設けられており、上述した第1接続点14aは、この凸部に配置される。また、本実施形態においては、長方形の導体箔(例えば、銅箔)を第2アンテナ導体13として用いる。この第2アンテナ導体13の短辺には凹部が設けられており、上述した第2接続点14bは、この凹部の近傍に配置される。第1アンテナ導体12と第2アンテナ導体13とは、前者の凸部が後者の凹部に入り込むように組み合わせられており、第1接続点14aと第2接続点14bとは、第1アンテナ導体12と第2アンテナ導体13との隙間を介して互いに対向する。
フィルムアンテナ10は、第1アンテナ導体12を横断する直線AA’、及び、第1アンテナ導体12と第2アンテナ導体13との間を横断する直線BB’を稜線としてU字型に折り曲げることによって、支持体30に巻き付けられる。この際、第1アンテナ導体12側の端辺から直線AA’までの領域10a(第1領域:第1アンテナ導体12の主要部)が支持体30の第1支持面31に接触し、直線AA’から直線BB’までの領域10b(第2領域)が支持体30の第2支持面32に接触し、直線BB’から第2アンテナ導体13を横断する直線CC’(第3領域:第2アンテナ導体13の主要部)までの領域10cが支持体30の第3支持面33に接触する。
なお、誘電体フィルム11を構成する材料の一例としては、ポリイミドが挙げられ、1対のアンテナ導体12,13を構成する材料の一例としては、銅が挙げられる。折り曲げられたフィルムアンテナ10を支持体30の第1〜第3支持面31〜33の各々にフィットさせ、フィルムアンテナ10と支持体30との間に隙間が生じることを防止するために、フィルムアンテナ10は、高い柔軟性を有することが好ましい。したがって、誘電体フィルム11及びアンテナ導体12,13の厚さは、何れも薄いことが好ましい。例えば、アンテナ導体12,13として、厚さが20μmである銅箔を採用し、(2)誘電体フィルム11として、一方の表面に接着剤が塗布されたポリイミドフィルムであって、接着剤を含めた厚さが35μmであるポリイミドフィルムを採用することができる。
また、フィルムアンテナ10は、アンテナ導体12,13の表面を覆う誘電体フィルムを更に備えていてもよい。すなわち、フィルムアンテナ10は、アンテナ導体12,13が2枚の誘電体フィルムによって挟持されている構成であってもよい。アンテナ導体12,13の両面を誘電体フィルムで覆うことによって、アンテナ導体12,13の損傷や劣化などを防止することができる。
〔絶縁被覆部21〕
次に、図4を参照して、フィルムアンテナ10の給電部14と、この給電部14に接続された同軸ケーブルの端部とを覆う絶縁被覆部21について説明する。図4の(a)は、アンテナ装置1の斜視図であり、支持体30の図示を省略している。図4の(b)は、図4の(a)に示すアンテナ装置1が備えているフィルムアンテナ10の斜視図である。
図4の(a)に示すように、同軸ケーブル20の端部と給電部14との接続部分、及びその近傍には、同軸ケーブル20の内側導体及び外側導体、並びに、給電部14を隙間なく覆っている絶縁被覆部21が形成されている。絶縁被覆部21は、樹脂成形物からなる。この構成によれば、同軸ケーブル20の内側導体及び外側導体、並びに、給電部14が暴露されることを防止することができる。したがって、絶縁被覆部21によって同軸ケーブル20と給電部との接続部分が防水され、大気中の水分などに起因して給電部14の半田が劣化することを防止し、フィルムアンテナ10の耐水性を向上させることができる。
〔同軸ケーブルの配線経路〕
アンテナ装置1における同軸ケーブル20の配線経路について、図5を参照して説明する。図5の(a)〜(d)は、それぞれ、アンテナ装置1の平面図、正面図、左側面図、及び底面図である。図5の(a)〜(d)の各図においては、同軸ケーブル20の配線経路を分かりやすくするために、フィルムアンテナ10の図示を省略している。
同軸ケーブル20が接続されたフィルムアンテナ10が支持体30に巻き付けられ、同軸ケーブル20の端部と給電部14との接続部分が、支持体30の第3支持面33に形成された第1及び第2の凹部37,38に収容される。そして、給電部14から支持体30の左側面側(図示した座標系においてy軸負方向側)に引き出された同軸ケーブル20は、図5の(c)に示すように、支持体30の前方(図示した座標系においてx軸負方向)に屈曲させられたあと、第2保持部35に嵌め込まれる。支持体30の左側面は、第1支持面31、第2支持面32、及び第3支持面33と交わるように構成されている。第2保持部35は、第1支持面31及び第3支持面33に沿うと共に第2支持面32に交わる方向に同軸ケーブル20の一部分が延在するように、同軸ケーブル20を保持する。
第2保持部35に嵌め込まれたあとの同軸ケーブル20は、図5の(b)に示すように、支持体30の上方(図示した座標系においてz軸正方向)に屈曲されるとともに、右方(図示した座標系においてy軸正方向)に屈曲させられ、その後、第1保持部34に嵌め込まれる。第1保持部34は、第1支持面31及び第2支持面32に沿う方向に同軸ケーブル20の一部分が延在するように、同軸ケーブル20を保持する。
第1保持部34に嵌め込まれたあとの同軸ケーブル20は、図5の(a)に示すように、支持体30の前方(図示した座標系においてx軸負方向)に屈曲させられている。
以上のように形成された同軸ケーブル20の配線経路において、第1保持部34は、フィルムアンテナ10の領域10aとフィルムアンテナ10の領域10cとに挟まれた空間領域の外部に設けられていることが好ましい。すなわち、支持体30を平面視した場合、図5の(a)に示すように、第1保持部34は、第1支持面31の外部に設けられていることが好ましい。また、同軸ケーブル20の配線経路において、第2保持部35は、第1支持面31の外部に設けられていることが好ましい。これらの構成によれば、支持体30に対してフィルムアンテナ10を巻き付けたあとであっても、同軸ケーブル20を第1保持部34及び第2保持部35の各々に対して、容易に嵌め込むことができる。したがって、アンテナ装置1の製造に要する手間を削減できるため、アンテナ装置1の製造コストを削減することができる。
同軸ケーブル20の配線経路において特徴的な点の1つは、図5の(b)に示すように、第1保持部34が、同軸ケーブル20において第1支持面31及び第2支持面32に沿う方向に延在する部分を、当該部分から第1支持面31までの距離D1が当該部分から第3支持面33までの距離D2と等しくなるように保持する点である。この構成によれば、同軸ケーブル20の一部が第3支持面33を横断する配線経路を採用した場合であっても、良好な放射特性を得ることができる。この場合の放射特性に関しては、第1実施例において後述する。
なお、第1保持部34は、同軸ケーブル20において第1支持面31及び第2支持面32に沿う方向に延在する部分を、距離D1が距離D2以上になるように保持するように構成されていてもよい。この構成であっても、同軸ケーブル20の一部が第3支持面33を横断する配線経路を採用した場合における、放射特性の悪化を抑制することができる。この場合の放射特性に関しては、第2実施例において後述する。
また、図2の(a)に示すように、第1保持部34の凹部34bは、支持体30の上方(図示した座標系におけるz軸正方向)に開口しており、第2保持部35の凹部35bは、支持体30の下方(図示した座標系におけるz軸負方向)に開口していることが好ましい。また第3保持部36の凹部36bも、支持体30の下方(図示した座標系におけるz軸負方向)に開口していることが好ましい。すなわち、第2及び第3保持部35,36は、第3支持面33に形成された第1及び第2の凹部37,38の開口方向と同じ方向が開口するように各凹部35b,36bが形成され、第1保持部34は、それとは反対側の方向が開口するように凹部34bが形成されていることが好ましい。
この構成によれば、上下一対の金型を用いて第1から第3保持部34,35,36を有する支持体30を容易に成形することができ、アンテナ装置1の製造コストを削減することができる。また、同軸ケーブル20を保持するための各保持部が、支持体30の上方側と下方側にそれぞれ形成されるため、同軸ケーブル20の引っ張りに対する耐久性(同軸ケーブル20と給電部14との接続部分の耐久性)を高めることができる。
また、図5の(b),(c)に示すように、第2保持部35は、第1保持部34よりも支持体30の下方(図示した座標系におけるz軸負方向側)に設けられており、第1保持部34及び第2保持部35により保持された同軸ケーブル20は、第1保持部34と第2保持部35との間で第1及び第3支持面31,33と交わる方向(Z軸方向)に延びるように構成されていることが好ましい。また、図5の(b)に示すように、第3保持部36は、第1保持部34よりも支持体30の下方(図示した座標系におけるz軸負方向側)に設けられており、第1保持部34及び第3保持部36により保持された同軸ケーブル20は、第1保持部34と第3保持部36との間で第1及び第3支持面31,33と交わる方向(Z軸方向)に延びるように構成されていることが好ましい。
すなわち、第1及び第2の凹部37,38に収容された絶縁被覆部21からy軸負方向に延びる同軸ケーブル20は、屈曲してx軸負方向の延びるように第2保持部35で保持される(図5の(d)を参照)。そして、第2保持部35に保持された同軸ケーブル20は、屈曲してz軸正方向に延びて第1保持部34に向かうとともに、屈曲してy軸正方向に延びるように第1保持部34で保持される(図5の(a)〜(c)を参照)。そして、第1保持部34で保持された同軸ケーブル20は、屈曲してz軸負方向に延びて第3保持部36に向かうとともに、屈曲してx軸負方向に延びるように第3保持部36で保持される(図5の(b)(d)を参照)。
この構成によれば、同軸ケーブル20に対してアンテナ装置1から引っ張る方向の力が働いた場合に、同軸ケーブル20の屈曲した部分には、屈曲が伸びる方向の力が働く。その結果、(1)第1保持部34に保持されている同軸ケーブル20の一部は、第1保持部34の凹部34bに、より強く押しつけられ、(2)第2保持部35に保持されている同軸ケーブル20の一部は、第2保持部35の凹部35bに、より強く押しつけられる。したがって、同軸ケーブル20に対してアンテナ装置1から引っ張る方向の力が働いた場合であっても、同軸ケーブル20が第1保持部34及び第2保持部35の各々から脱離することを防止することができる。
また、第2保持部35において、同軸ケーブル20の屈曲した部分が接触する表面は、滑らかな曲面により構成されていることが好ましい。本実施形態では、図5の(b)に示すように、第2保持部35の支持体30の前方側(図示した座標系におけるx軸負方向側)の端部に面取り加工を施すことによって、同軸ケーブル20の屈曲した部分が接触する表面を曲面としている。この構成によれば、同軸ケーブル20に対してアンテナ装置1から引っ張る方向の力が働いた場合に、第2保持部35の支持体30の前方側の端部が、同軸ケーブル20を傷つけ、やがて断線させることを防止することができる。
〔アンテナ装置の製造方法〕
本実施形態に係るアンテナ装置1は以下の工程を経て製造することができる。
本実施形態に係るアンテナ装置1の製造方法は、フィルムアンテナ10の給電部14に同軸ケーブル20を接続する接続工程と、第1支持面31と、第1支持面31に交わる第2支持面32と、第1支持面31と対向し、第2支持面32に交わる第3支持面33とを有する支持体30であって、同軸ケーブル20を保持するための第1及び第2保持部34,35(保持手段)を有するとともに、給電部14を収容するための第1及び第2の凹部37,38(凹状収容部)を第3支持面33に設けた支持体30を用意する工程とを含む。
また第1及び第2の凹部37,38(凹状収容部)に給電部14と同軸ケーブル20の接続部分が収容されるように、フィルムアンテナ10を支持体30に取り付けるとともに、第1支持面31、第2支持面32及び第3支持面33に接触するように、フィルムアンテナ10を支持体30に巻き付ける巻き付け工程と、第1及び第2保持部34,35(保持手段)に同軸ケーブル20を保持させ、第1支持面31及び第2支持面32に沿う方向に同軸ケーブルの20一部分が延在するように配線する配線工程を含む。
そして、上記各工程を経た後、給電部14と同軸ケーブル20の接続部分が収容されている第1及び第2の凹部37,38(凹状収容部)に液状の樹脂材を充填し、この樹脂材を硬化させることにより、給電部14及びこの給電部14に接続された同軸ケーブル20の端部を覆う絶縁被覆部21を形成する絶縁被覆部形成工程を含んでいる。
本実施形態では、上述した接続工程と巻き付け工程と配線工程との各工程を経た後、絶縁被覆部形成工程を経ることによって、アンテナ装置1を製造したが、これに限定されるものではない。例えば、接続工程と巻き付け工程を経た後、絶縁被覆形成工程を経、その後、配線工程を経てアンテナ装置1を製造することもできる。
〔アンテナ装置の放射特性〕
アンテナ装置の放射特性は、そのアンテナ装置の近傍の環境に影響されやすいことが知られている。本願発明の発明者らは、同軸ケーブル20が第2支持面32に沿う方向に第3支持面33を横断するように構成された第1の実施形態に係るアンテナ装置1において、アンテナ装置1の放射特性が、給電部14から延びる同軸ケーブル20の配線経路に依存して変化することを見いだした。具体的には、第1保持部材34で保持された同軸ケーブル20と、第1及び第2アンテナ導体12,13との距離(距離D1と距離D2)の大小関係に依存して、アンテナ装置1の放射特性が変化することを見いだした。
以下では、第1の実施形態に係るアンテナ装置1の第1保持部材34の凹部34bの深さを変えることにより、同軸ケーブル20と第1及び第2アンテナ導体12,13との距離(距離D1と距離D2)の大小関係を変化させ、放射特性を測定した結果を説明する。
第1保持部材34で同軸ケーブル20を保持し、D2=D1である構成を採用したアンテナ装置1(第1実施例)、D2≧D1である構成を採用したアンテナ装置1(第2実施例)、及びD2<D1である構成を採用したアンテナ装置(実施例3)を用いて、各アンテナの放射特性を測定した結果を説明する。
また、各実施例におけるアンテナの放射特性を考察するための参照対象として、給電部から引き出された同軸ケーブルがフィルムアンテナを横断しない構成を採用するアンテナ装置を参考例として用いる。参考例のアンテナ装置では、給電部から引き出された同軸ケーブルは、第2保持部35及び第1保持部34に嵌め込まれることなく、そのままアンテナ装置から遠ざけられるように配置されている。すなわち、本参考例のアンテナ装置では、同軸ケーブルの引っ張りに対する強度がない構造となっている。
なお、参考例のアンテナ装置が備えているフィルムアンテナは、第1の実施形態のアンテナ装置1が備えているフィムルアンテナ10と同一であり、フィルムアンテナ10の支持体30への巻き付け方も同一である。すなわち、同軸ケーブル20が支持体30の第1保持部24に保持されてない点のみが相違する。
まず、参考例に係るアンテナ装置について、図6を参照して説明する。図6は、参考例に係るアンテナ装置のVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)及び平均利得の周波数依存性を示すグラフである。この平均利得は、アンテナ装置によって得られたxy平面における放射利得を全360°に渡って平均することによって算出される。
図6に図示されたVSWRのプロットを参照すると、参考例のアンテナ装置は、800MHz帯において2を下回り、700MHz以下の周波数帯域において急激に大きくなるVSWRを示していることが分かる。また、図6に図示された水平面内における全偏波の平均利得のプロットを参照すると、参考例のアンテナ装置は、800MHz帯において−1dBiを上回る良好な平均利得を示していることが分かる。
〔第1実施例〕
次に、本実施形態に係るアンテナ装置1の第1実施例について、図7を参照して説明する。図7は、本変形例のアンテナ装置1のVSWR及び平均利得の周波数依存性を示すグラフである。
第1実施例のアンテナ装置1は、本実施形態のアンテナ装置1において、支持体30の高さ(図1に図示した座標系においてz軸方向の長さ)が17.0mmであり、同軸ケーブル20の半径が1.4mmであり、距離D1と距離D2とが何れも8.5mmである構成を採用することによって得られる。すなわち、本実施例のアンテナ装置1は、D2=D1である構成を採用している。なお、本実施例のアンテナ装置1が備えているフィルムアンテナ10は、800MHz帯で好ましい放射特性を得られるように設計されている。
図7に図示されたVSWRのプロットを参照すると、第1実施例のアンテナ装置1は、800MHz帯において2を下回り、700MHz以下の周波数帯域において急激に大きくなるVSWRを示していることが分かる。また、図7に図示された水平面内における全偏波の平均利得のプロットを参照すると、第1実施例のアンテナ装置1は、800MHz帯において−1dBiを上回る良好な平均利得を示していることが分かる。
以上のように、本実施例のアンテナ装置1によれば、同軸ケーブル20がフィルムアンテナ10を横断する構成を採用しているにも関わらず、同軸ケーブルがフィルムアンテナを横断しないままアンテナ装置から遠ざけられる構成を採用している参考例のアンテナ装置に遜色ない放射特性を示すことが分かった。
〔第2実施例〕
次に、実施例のアンテナ装置1の第2実施例について、図8を参照して説明する。図8は、本変形例のアンテナ装置1のVSWR及び平均利得の周波数依存性を示すグラフである。
本実施例のアンテナ装置1は、本実施形態のアンテナ装置1において、距離D1として15.6mmを採用し、距離D2として1.4mmを採用することによって得られる。すなわち、第2実施例のアンテナ装置1は、距離D1が距離D2以上となる構成を採用している。第2実施例のアンテナ装置1と第1実施例のアンテナ装置1とは、距離D1及び距離D2の数値以外は、同一である。
図8に図示されたVSWRのプロットを参照すると、第2実施例のアンテナ装置1は、800MHz帯において2程度であり、700MHz以下の周波数帯域において急激に大きくなるVSWRを示していることが分かる。また、図8に図示された水平面内における全偏波の平均利得のプロットを参照すると、第2実施例のアンテナ装置1は、800MHz帯において−1dBiを上回る良好な平均利得を示していることが分かる。
以上のように、第2実施例のアンテナ装置1によれば、同軸ケーブル20がフィルムアンテナ10を横断する構成を採用しているにも関わらず、同軸ケーブルがフィルムアンテナを横断しない構成を採用している参考例のアンテナ装置に遜色ない放射特性を示すことが分かった。
〔第3実施例〕
次に、アンテナ装置1の第3実施例であるアンテナ装置について、図9を参照して説明する。図9は、第3実施例のアンテナ装置のVSWR及び平均利得の周波数依存性を示すグラフである。
第3実施例のアンテナ装置は、本実施形態のアンテナ装置において、距離D1として1.4mmを採用し、距離D2として15.6mmを採用することによって得られる。すなわち、第3実施例のアンテナ装置1は、距離D1が距離D2より小さい構成を採用している。第3実施例のアンテナ装置と第1及び第2実施例のアンテナ装置1とは、距離D1及び距離D2の数値以外は、同一である。
図9に図示されたVSWRのプロットを参照すると、第3実施例のアンテナ装置1は、800MHz帯において2程度であるものの、700MHz以下の周波数帯域において大きくならないVSWRを示していることが分かる。また、図9に図示された水平面内における全偏波の平均利得は、800MHz帯において−1dBiを大きく下回っている。
以上のように、第3実施例のアンテナ装置によれば、同軸ケーブルがフィルムアンテナを横断する構成であって、距離D2が距離D1より小さい構成を採用した場合、VSWRが参考例のアンテナ装置と比較して異なる形状になり、平均利得が大きく低下することが分かった。
第1から第3実施例の結果から、同軸ケーブル20が第1保持部34に保持される構成を採用する(同軸ケーブル20がフィルムアンテナ10を横断する)場合、距離D2が距離D1以上となる構成を採用することが好ましいことが分かった。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置1Aの構成について、図10及び図11を参照して説明する。図10の(a)は、アンテナ装置1Aが備えている支持体30Aの斜視図である。図10の(b)は、アンテナ装置1Aの斜視図である。図11は、アンテナ装置1Aの製造方法のフローチャートである。
〔アンテナ装置の構成〕
本実施形態に係るアンテナ装置1Aは、第1の実施形態に係るアンテナ装置1における支持体30と絶縁被覆部21とを、それぞれ支持体30Aと絶縁被覆部21Aとに置き換えることにより得られる。そこで、本実施形態においては、支持体30A及び絶縁被覆部21Aを中心に説明する。なお、アンテナ装置1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
図10の(a)に示すように、支持体30Aは、第1の凹部37A、第2の凹部38A、及びL字溝部39Aを、第3支持面33に備えている。第1及び第2の凹部37A,38Aは、第1の実施形態における第1及び第2の凹部37、38にそれぞれ対応する構成である。L字溝部39Aは第1の凹部37Aと連通して、第3支持面33の端部へ延びる溝であって、後述する絶縁被覆部21Aの成形時に、第1の凹部37Aの内部に存在する空気を外部へ逃がす通気孔として機能する。
なお、支持体30Aは、第1の実施形態に係るアンテナ装置1における支持体30と同様に、第1支持面31と、第1支持面31と交わる第2支持面32と、第1支持面31と対向し、第2支持面32と交わる第3支持面33とを有する構造物であって、これら第1から第3支持面31〜33に接触するようにフィルムアンテナ10が巻き付けられる。また、支持体30Aは、フィルムアンテナ10に接続された同軸ケーブル20を保持するための第1保持部34、第2保持部35及び第3保持部36を備えており、第1の実施形態に係るアンテナ装置1における支持体30と同様に、フィルムアンテナ10に接続された同軸ケーブル20が配線される。
〔アンテナ装置1Aの製造方法〕
本実施形態に係るアンテナ装置1Aの製造方法は、フィルムアンテナ10の給電部14に同軸ケーブル20を接続する接続工程と、第1支持面31と、第1支持面31に交わる第2支持面32と、第1支持面31と対向し、第2支持面32に交わる第3支持面33とを有する支持体30であって、同軸ケーブル20を保持するための第1及び第2保持部34,35(保持手段)を有するとともに、給電部14を収容するための第1及び第2の凹部37A,38A(凹状収容部)を第3支持面33に設けた支持体30Aを用意する工程とを含む。
また第1及び第2の凹部37A,38A(凹状収容部)に給電部14が収容されるように、フィルムアンテナ10を支持体30Aに取り付けるとともに、第1支持面31、第2支持面32及び第3支持面33に接触するように、フィルムアンテナ10を支持体30に巻き付ける巻き付け工程と、第1及び第2保持部34,35(保持手段)に同軸ケーブル20を保持させ、第1支持面31及び第2支持面32に沿う方向に同軸ケーブルの20一部分が延在するように配線する配線工程を含む。
そして、給電部14が収容されている第1及び第2の凹部37A,38A(凹状収容部)に液状の樹脂材を充填し、この樹脂材を硬化させることにより、給電部14及びこの給電部14に接続された同軸ケーブル20の端部を覆う絶縁被覆部21Aを形成する絶縁被覆部形成工程を含んでいる。本実施形態では、第1の凹部37Aに連通するL字溝部39Aを設けたことにより、第1及び第2の凹部37A,38A(凹状収容部)内の空気が外部に排出され、液状の樹脂材をスムーズに流入さることができる。このため、液状の樹脂材を流入させる際に気泡等の発生が抑制され、給電部14と同軸ケーブル20の端部との接続部部分を覆う絶縁被覆部21Aを形成することができる。
図11を参照して、アンテナ装置1Aの製造方法について詳細に説明する。
本実施形態では、上述した接続工程と巻き付け工程と配線工程との各工程を経た後(ステップS100)、絶縁被覆部形成工程(ステップS102、S104、S106、S108)を経ることによって、アンテナ装置1Aを製造する。
絶縁被覆部形成工程は、図11に示すように、フィルムアンテナ10が巻き付けられた支持体30Aを、治具100を構成する一対の固定板の間にセットする治具セット工程(ステップS102)と、フィルムアンテナ10が巻き付けられた支持体30Aを一対の固定板で挟み込んで加圧する加圧工程(ステップS104)と、支持体30Aの第2の凹部38Aの端部から液状の樹脂材を注入し、第1の凹部37A内に液状の樹脂材を充填する充填工程(ステップS106)と、第1の凹部37A内に充填した液状の樹脂材を硬化させて絶縁被覆部21Aを形成した後、治具100からアンテナ装置1Aを取り出す取出工程(ステップS108)とを含む。
治具セット工程(ステップS102)では、治具100を構成する一対の固定板の間に、フィルムアンテナ10が巻き付けられた支持体30Aをセットする。このとき、支持体30Aの第1及び第3支持面31,33に各固定板を対向させるとともに、支持体30Aの第2保持部35が上方に位置する向きに支持体30Aを配置する。これによって、第3支持面33に設けられた第1及び第2の凹部37A,38Aが垂直方向に沿って並んで配置され、第1の凹部37Aに連通する第2の凹部38Aの端部が支持体30Aの上端に配置される。
加圧工程(ステップS104)では、フィルムアンテナ10が巻き付けられた支持体30Aに対して、第1支持面31と第3支持面33に向けて一対の固定板をそれぞれ加圧する。これによって支持体30Aに対してフィルムアンテナ10がより均一な圧力で押さえつけられ、第1及び第3支持面31,33に対してフィルムアンテナ10がそれぞれ密着する。このため、次の工程(ステップS106)で、第3支持面33に設けられた第1の凹部37Aに液状の樹脂材を充填したとき、この樹脂材が第1の凹部37Aの外部に漏れることを防止することができる。
充填工程(ステップS106)では、第2の凹部38Aの端部(上端)から液状の樹脂材を注入し、第1の凹部37Aに液状の樹脂材を充填する。
このとき、第2の凹部38Aには同軸ケーブル20が挿通しているため、第2の凹部38Aと同軸ケーブル20との隙間から液状の樹脂材を注入する。そこで、この隙間からの樹脂材の注入を容易にするため、例えは、先細形状のニードルを用いて液状の樹脂材を注入してもよい。また、例えば、充填に要する時間を短縮するために、圧力を印加しながら液状の樹脂材を注入してもよい。
なお、第1の凹部37Aに連通するL字溝部39Aによって、第1の凹部37A内部に存在する空気を外部へ逃がすことができる。そのため、第2の凹部38Aの上端から注入した液状の樹脂材を第1の凹部37Aの内部に流入させることができ、第1の凹部37Aに液状の樹脂材を充填することができる。
取出工程(ステップS108)では、第1の凹部37A内に充填した液状の樹脂材を硬化させることによって、この第1の凹部37Aに収容されている給電部14及びこの給電部14に接続された同軸ケーブル20の端部とを覆う絶縁被覆部21Aを形成する。絶縁被覆部21を形成した後、支持体30Aを挟み込んでいる一対の固定板を取り外し、治具100からアンテナ装置1Aを取り出す。
なお、治具100からアンテナ装置1Aを取り出すタイミング(換言すれば、支持体30Aを挟み込む方向に加えていた圧力を解放し一対の固定板を取り外すタイミング)は、使用する樹脂の硬化時間や粘度、気温などに応じて適宜設定することができる。
絶縁被覆部21Aを構成する樹脂材として、2液混合型のウレタン系樹脂(例えば、WEVO−CHEMIE GMBH社のWEVOPUR PD 4)を使用することができるが、これに限定されない。
なお、WEVO−CHEMIE GMBH社のWEVOPUR PD 4を使用して形成した絶縁被覆部21Aは、第1の凹部37Aに常温で充填した液状の樹脂材を常温で硬化させることで形成される。そのため、例えば、湿気硬化型ウレタン系ホットメルトである、Henkel社のTECHNOMELT PUR 9515を使用して射出成形で形成した第1の実施形態に係るアンテナ装置1の絶縁被覆部21と比較して、フィルムアンテナ10にかかる応力が小さいといった利点がある。また、WEVO−CHEMIE GMBH社のWEVOPUR PD 4を使用して形成した絶縁被覆部21Aは硬度が小さいため、絶縁被覆部21Aとフィルムアンテナ10の熱膨張係数の相違による剥離を防止することができるといった利点がある。
なお、本実施形態の製造方法において、絶縁被覆部形成工程を実施する前に、接続工程と巻き付け工程と配線工程との各工程を実施するものとして説明した。しかし、配線工程は、絶縁被覆部形成工程を実施した後であっても実施可能である。
〔変形例〕
アンテナ装置は、様々な温度変化にさらされ、様々な熱履歴が加えられることが想定される。アンテナ装置1Aの支持体30A、フィルムアンテナ10、及び絶縁被覆部21Aの各々は、それぞれ異なる材料により構成されている。そのため、アンテナ装置が熱履歴を受けた場合に、アンテナ装置1Aの支持体30A、フィルムアンテナ10、及び絶縁被覆部21Aを構成するそれぞれの材料の熱膨張係数が異なることに起因して、支持体30Aと絶縁被覆部21Aとの界面(第1界面)、及び、絶縁被覆部21Aとフィルムアンテナ10との界面(第2界面)には応力が働く。
熱履歴が繰り返しアンテナ装置1Aに加えられると、最終的には、第1界面及び第2界面の何れかが剥離する。第1界面及び第2界面の何れの界面が剥離するかは、第1界面及び第2界面の各々に働く応力と、第1界面における支持体30Aと絶縁被覆部21Aとの接着力と、第2界面における絶縁被覆部21Aとフィルムアンテナ10Aとの接着力とのバランスにより決まる。第1界面に働く応力が支持体30Aと絶縁被覆部21Aとの接着力を上回った場合、第1界面が剥離するし、第2界面に働く応力が絶縁被覆部21Aとフィルムアンテナ10Aとの接着力を上回った場合、第2界面が剥離する。
絶縁被覆部21Aは、同軸ケーブル20の内側導体及び外側導体、並びに、給電部14が暴露されることを防止し、結果としてフィルムアンテナ10の耐水性を向上させることを目的とする部材である。したがって、第2界面において絶縁被覆部21Aとフィルムアンテナ10とが剥離した場合、フィルムアンテナ10の耐水性が劣化するという問題を生じる。逆に、第1界面において支持体30Aと絶縁被覆部21Aとが剥離する場合、同軸ケーブル20の内側導体及び外側導体、並びに、給電部14は、絶縁被覆部により覆われているままなので、フィルムアンテナ10の耐水性が劣化することはない。
アンテナ装置1Aの変形例であるアンテナ装置1Bは、第2界面における絶縁被覆部21Aとフィルムアンテナ10との剥離を防止することによって、フィルムアンテナの耐水性が劣化することを防止することを更なる目的としたアンテナ装置である。
本変形例のアンテナ装置1Bについて、図12を参照して説明する。図12の(a)は、アンテナ装置1Bが備えている支持体30Bの第3支持面33の平面図である。より詳しくは、第3支持面33を、図示した座標系におけるz軸負方向側から矢視した場合に得られる平面図である。図12の(b)は、アンテナ装置1Bの拡大断面図である。より詳しくは、図12の(a)に図示したAA’線に沿った断面における、絶縁被覆部21Bの拡大断面図である。
アンテナ装置1Bは、アンテナ装置1Aが備えている支持体30Aを支持体30Bに置換することによって得られる。なお、支持体30Bが備えている第1の凹部37B、第2の凹部38B、及びJ字溝部(溝部)39Bの各々は、支持体30Aが備えている第1の凹部37A、第2の凹部38A、及びL字溝部39Aの各々に対応している。なお、支持体30Aと同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
支持体30Bは、支持体30Aに対して以下の変更を施したものである。なお、第1の凹部37Bに連通しており、第1の凹部37Bの内部に存在する空気を外部へ逃がす通気孔として機能するJ字溝部39Bは、第1の凹部37B及び第2の凹部38Bと共に凹状収容部を形成している。
(変更点1)第1の凹部37Bの断面形状及びJ字溝部39Bの断面形状を、長方形から図12の(b)に図示する形状に変更する。
(変更点2)第3支持面33の凹状収容部を取り囲む領域に接着層が形成されている。
(変更点3)溝部であるJ字溝部39Bの形状を、L字型からJ字型に変更する(図12の(a)参照)。
〔変更点1〕
第1の凹部37Bの断面形状及びJ字溝部39Bの断面形状について、図12の(b)を参照して説明する。第1の凹部37Bの断面形状及びJ字溝部39Bの断面形状は同様であるので、ここでは、第1の凹部37Bの断面形状について説明する。図12の(b)に示すように、第1の凹部37Bの断面形状は、第3支持面33に形成された開口部からの深さ(図示した座標系におけるz軸方向に対する距離)が深くなればなるほど、その幅(図示した座標系におけるx軸方向に対する距離)が狭くなるように構成されている。換言すれば、第1の凹部37Bの幅は、開口部からの深さが最も深い底部において最も狭く、開口部において最も広く、底部から開口部に近づくにしたがって広くなるように構成されている。
なお、第1の凹部37Bの幅は、底部から開口部に近づくにしたがって狭くなる部分を含まなければよく、図12の(b)に示すように、開口部からの深さに対してその幅が変化しない部分を含んでいてもよい。
第1の凹部37Bの幅が、底部から開口部に近づくにしたがって広くなるように構成されていることによって、第1の凹部37Bに充填され硬化した、絶縁被覆部21Bを形成する樹脂材が、支持体30Bから剥離しやすくなる。したがって、アンテナ装置1Bが様々な温度変化にさらされた場合に、支持体30Bと絶縁被覆部21Bとの界面である第1界面において、絶縁被覆部21Bが支持体30Bから剥離しやすくなる。その結果、絶縁被覆部21Bとフィルムアンテナ10との界面である第2界面において絶縁被覆部21Bがフィルムアンテナ10から剥離することを防止することができる。したがって、アンテナ装置1Bは、アンテナ装置1Aと比較して、フィルムアンテナ10の耐水性が劣化することを防止することができる。
〔変更点2〕
図12の(a)に示すように、凹状収容部である第1の凹部37B、第2の凹部38B、及びJ字溝部39Bを取り囲む領域には、接着層である両面テープ33c形成されている。なお、接着層としては、両面テープの代わりに接着剤を用いてもよい。図12の(b)に示すように、フィルムアンテナ10は、両面テープ33cを用いて支持体30Bの第3支持面に対して接着されている。したがって、充填工程(ステップS106、図11参照)において第1の凹部37A内に充填された液状の樹脂材が、支持体30Bとフィルムアンテナ10との間に流出することを容易に防止することができる。
支持体30Aを備えているアンテナ装置1Aを製造する場合、図11に図示するステップS106のように、治具100を用いて支持体30Aを挟持した状態で樹脂材を第1の凹部37A内に充填していた。しかし、支持体30Bを備えているアンテナ装置1Bを製造する場合、治具100を用いて支持体30Bを挟持していない状態であっても第1の凹部37Bに樹脂材を充填することができる。すなわち、加圧工程S104を省略することができる。
〔変更点3〕
第1の凹部37Bの内部と支持体30Bとの外部を連通する溝部の形状は、L字溝部39AのようなL字型に限定されるものではなく、例えば、J字溝部39BのようなJ字型であってもよいし、それ以外の形状であってもよい。
なお、第1の凹部37Bの表面は、できるだけ滑らかに形成されていることが好ましい。第1の凹部37Bの表面に凹凸が形成されている場合、第1の凹部37Bに充填された樹脂材がその凹凸に隅々にまで入り込み、支持体30Bと絶縁被覆部21Bとの間に生じる接着力が高まること(アンカー効果)が考えられる。第1の凹部37Bの表面をできるだけ滑らかに形成しておくことによって、アンカー効果を抑制し、支持体30Bと絶縁被覆部21Bとの間に生じる接着力を抑制することができる。
また、より確実に絶縁被覆部21Bがフィルムアンテナ10から剥離することを防止するために、樹脂材を充填される前の第1の凹部37Bの表面に離型材を塗布しておいてもよい。この構成によれば、樹脂材により形成された絶縁被覆部21Bが第1の凹部37Bの表面から剥離しやすくなる。
〔アンテナ装置1Bの製造方法〕
アンテナ装置1Bの製造方法は、アンテナ装置1Aの製造方法と比較して以下の点が異なる。なお、アンテナ装置1Aの製造方法と同様の工程に関しては、同じステップ番号を付し、その説明を省略する。
(製造方法の変更点1)巻き付け工程に先立って、すなわち、支持体30Bを用意する工程と巻き付け工程との間において、第3支持面33の凹状収容部(第1の凹部37B、第2の凹部38B、及びJ字溝部39B)を取り囲む領域に接着層(両面テープ33c)を形成する接着層形成工程を更に含む。
(製造方法の変更点2)巻き付け工程は、フィルムアンテナ10を支持体30Bに巻き付けるときに、接着層(両面テープ33c)を用いて、フィルムアンテナ10を支持体30Bに接着する接着工程を更に含む。
なお、アンテナ装置1Bの製造方法においては、加圧工程S104を省略することができる。すなわち、樹脂材を第1の凹部37Bに充填するために、治具100を使用しなくてもよい。したがって、アンテナ装置1Bは、アンテナ装置1Aに比べて少ない工数で製造することが可能である。
〔付記事項〕
上記の製造方法で製造されたアンテナ装置は、フィルムアンテナと、前記フィルムアンテナの給電部に接続されたケーブルと、前記フィルムアンテナの少なくとも一部分が巻き付けられた支持体と、を備え、前記支持体は、前記ケーブルを保持するための保持手段を有している、ことを特徴とする。
上記の構成によれば、上記フィルムアンテナが上記支持体に巻き付けられているため、上記フィルムアンテナが備えるアンテナ導体の立体構造の変化を抑えることができる。すなわち、アンテナ特性の一定性を高めることができる。また、上記の構成によれば、上記ケーブルが上記支持体に保持されているため、ケーブルの引っ張りに対する耐久性を高めることができる。
しかも、上記の構成によれば、単一の支持体がアンテナ特性の一定性を高める機能とケーブルの引っ張りに対する耐久性を高める機能とを担っている。したがって、構造の複雑化や大型化を招来することなく、アンテナ特性の一定性とケーブルの引っ張りに対する耐久性とを高めることができる。
上記アンテナ装置において、前記支持体は、第1支持面と、前記第1支持面に交わる第2支持面と、前記第1支持面と対向し、前記第2支持面と交わる第3支持面とを有しており、前記フィルムアンテナは、前記第1支持面、前記第2支持面、及び、前記第3支持面に接触するように、前記支持体に巻き付けられており、前記保持手段は、前記第1支持面及び前記第2支持面に沿う方向に前記ケーブルの一部分が延在するように、前記ケーブルを保持する第1保持部を有している、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記フィルムアンテナが上記3つの支持面に接触するように上記支持体に巻き付けられている。したがって、上記フィルムアンテナが備えるアンテナ導体の立体構造の変化をより一層抑えることができる。また、ケーブルにおいて前記第1支持面及び前記第2支持面に沿う方向に延在する部分の配線経路は、アンテナ特性に大きな影響を及ぼす。これに対して、上記の構成によれば、当該部分を第1保持部により保持しているので、アンテナ特性を更に一定化させることができる。
また上記アンテナ装置において、前記第1保持部は、前記フィルムアンテナの前記第1支持面に接触した部分と前記フィルムアンテナの前記第3支持面に接触した部分とに挟まれた領域の外部に設けられている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記フィルムアンテナを上記支持体に巻き付けた後でも、上記ケーブルを上記第1保持部に固定する作業を実施することができる。
また上記アンテナ装置において、前記フィルムアンテナは、上記ケーブルのホット側導体に接続された第1アンテナ導体と、上記ケーブルのコールド側導体に接続された第2アンテナ導体とを有しており、前記フィルムアンテナは、前記第1アンテナ導体の主要部が前記第1及び第2支持面に沿うように、かつ、前記第2アンテナ導体の主要部が前記第3支持面に沿うように、前記支持体に巻き付けられていることが好ましい。
そして、上記構成において、前記第1保持部は、前記ケーブルにおいて前記第1支持面及び前記第2支持面に沿う方向に延在する部分を、当該部分から前記第1支持面までの距離が当該部分から前記第3支持面までの距離と等しくなるように保持する、ことが好ましい。または、上記構成において、前記第1保持部は、前記ケーブルにおいて前記第1支持面及び前記第2支持面に沿う方向に延在する部分を、当該部分から前記第1支持面までの距離が当該部分から前記第3支持面までの距離以上になるように保持する、ことが好ましい。
これらの構成によれば、より良好なアンテナ特性が得られる。
また上記アンテナ装置において、前記保持手段は、前記第1支持面に沿うと共に前記第2支持面に交わる方向に前記ケーブルの一部分が延在するように、前記ケーブルを保持する第2保持部を更に有している、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ケーブルの引っ張りに対する耐久性を更に高めることができる。
また上記アンテナ装置において、前記第2保持部は、前記フィルムアンテナの前記第1支持面に接触した部分と前記フィルムアンテナの前記第3支持面に接触した部分とに挟まれた領域の外部に設けられている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記フィルムアンテナを上記支持体に巻き付けた後でも、上記ケーブルを上記第1保持部に固定する作業を実施することができる。
また上記アンテナ装置において、前記第2保持部は、前記第3支持面に形成された凹状収容部の開口方向と同じ方向に開口した凹部を有しており、前記第1保持部は、それとは反対側の方向に開口した凹部を有している、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ケーブルの引っ張りに対する耐久性を高めることができる。
本発明の一態様に係るアンテナ装置において、前記第1及び第2保持部で保持された前記ケーブルが、前記第1保持部と前記第2保持部との間で前記第1及び第3支持面に交わる方向に延びるように構成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、ケーブルの引っ張りに対する耐久性を高めることができる。
上記アンテナ装置において、前記第2保持部において前記ケーブルの屈曲した部分が接触する表面は、滑らかな曲面により構成されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記ケーブルの断線が生じる可能性を低減することができる。
上記アンテナ装置において、前記フィルムアンテナは、前記支持体の前記第1、第2及び第3支持面に接触するようにU字型に折り曲げられており、前記支持体における、前記第3支持面の前記第2支持面側と反対側の端部には、ガイドリングが形成されており、前記フィルムアンテナは、前記ガイドリングを貫通し、前記ガイドリングにより支持されている、ことが好ましい。
上記の構成によれば、上記フィルムアンテナを上記支持体に密着させることができる。したがって、アンテナ導体の立体構造の変化をより一層抑えることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 アンテナ装置
10 フィルムアンテナ
20 同軸ケーブル(ケーブル)
30 支持体
31 第1支持面
31a L型突起
31b I型突起
32 第2支持面
32a,32b L型ガイド
33 第3支持面
33a 対向領域
33b 非対向領域
33c ガイドリング
34 第1保持部(保持手段)
34a 隔壁
34b 凹部
34c 隔壁
35 第2保持部(保持手段)
35a 突出部
35b 凹部
37,37A,37B 第1の凹部
38,38A,38B 第2の凹部
39A L字溝部(溝部)
39B J字溝部(溝部)

Claims (2)

  1. フィルムアンテナの給電部にケーブルを接続する接続工程と、
    第1支持面と、前記第1支持面に交わる第2支持面と、前記第1支持面と対向し、前記第2支持面に交わる第3支持面とを有する支持体であって、前記ケーブルを保持するための保持手段を有するとともに、前記第3支持面に前記給電部を収容するための凹状収容部を有する支持体を用意する工程と、
    前記凹状収容部に前記給電部が収容されるように、前記フィルムアンテナを前記支持体に取り付けるとともに、前記第1支持面、前記第2支持面及び前記第3支持面に接触するように、前記フィルムアンテナを前記支持体に巻き付ける巻き付け工程と、
    前記保持手段に前記ケーブルを保持させ、前記第1支持面及び前記第2支持面に沿う方向に前記ケーブルの一部分が延在するように配線する配線工程と、
    前記凹状収容部に樹脂材を充填して硬化させることで、前記凹状収容部に収容された前記給電部及び当該給電部に接続されたケーブルの端部を覆う絶縁被覆部を形成する絶縁被覆部形成工程と、
    を含むことを特徴とするアンテナ装置の製造方法。
  2. 前記巻き付け工程に先立って、前記第3支持面の前記凹状収容部を取り囲む領域に接着層を形成する接着層形成工程を更に含み、
    前記巻き付け工程は、前記フィルムアンテナを前記支持体に巻き付けるときに、前記接着層を用いて、当該フィルムアンテナを前記支持体に接着する接着工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置の製造方法。
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