JP6595260B2 - 基準義歯床又は基準義歯、及び硬質裏装材を含む義歯作製キット、並びに義歯作製方法 - Google Patents

基準義歯床又は基準義歯、及び硬質裏装材を含む義歯作製キット、並びに義歯作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定形状を有する既製の基準義歯床又は基準義歯、及び硬質裏装材を含んで構成される新規な義歯作製キットに関する。さらには、該義歯作製キットを用いる新規な義歯作製方法に関する。
従来、義歯は主として以下の手順により作製されている。
(1)印象材を用いて患者の口腔内の印象を採得する。
(2)該印象を用いて石膏模型を作製する。
(3)咬合床を患者に装着させて咬合を採得する。
(4)咬合床に人工歯を配列し、蝋義歯を作製する。
(5)蝋義歯を患者に試適させ、咬合を調整する。
(6)蝋義歯を石膏中に埋没して鋳型を作製する。
(7)鋳型に樹脂を注入、硬化させて義歯を作製する。
このように、義歯は患者の口腔形状に合わせて1つずつ手作業で作製されているため、多くの時間を必要とし、歯科医院、歯科技工所及び患者の負担が大きい。また、この義歯の作製方法は、複数回の転写工程を有しているため形状の誤差が生じ易い。さらには、歯科医師及び歯科技工士の技量により、品質が変動し易い。
特許文献1には、金型等を用いて量産された義歯床を用いる義歯の作製方法が開示されている。特許文献2には、可塑性である光重合性組成物からなる義歯床部材に、少なくとも一本の人工歯が配列する補綴義歯前駆体を用いる義歯の作製方法が開示されている。これらの方法は、一部の工程の簡略化が図れるものの、依然として石膏模型を作製する必要があるため、十分に簡略化されているとは言い難い。また、無歯顎者の口腔形状を基に作製される義歯床は、歯槽頂の吸収が患者毎に異なっているため、義歯床の形状を予め定めて量産化することが困難である。
特許文献3には、予め作製された基準義歯床であって、歯槽部に凹部を有する基準義歯床を用いる義歯の作製方法が開示されている。しかし、特許文献3には、基準義歯床の形状が開示されていない。また、人工歯を配列する必要があり煩雑である。
従来の義歯作製方法は、歯槽頂間線法則に基づいて作製されるのが一般的であったが、前述のように本義歯作製方法は、煩雑であることが問題であった。さらに、患者の高齢化が進んだ現代においては、上記方法で作製した義歯は歯槽骨の退縮が著しい場合、正常な咬合を得ることが困難となり、交叉咬合等の問題が生じていた。そこで、近年は、有歯顎時に歯列弓が存在していたとされる筋圧中立帯に合わせて義歯形状を定めるデンチャースペース理論に基づく義歯作製方法が提唱されている。しかし、デンチャースペース理論に基づく義歯作製方法を習得するためには多くの時間を要する。また、デンチャースペース理論に基づく義歯作製方法であっても、義歯作製方法自体は従来と同様に煩雑である。そのため、デンチャースペース理論に基づく義歯であって、簡易な方法で作製できる義歯が求められている。
特開平6−63065号公報 特開1993−192353号公報 特開平4−218151号公報
本発明の課題は、多くの患者に適合可能な既製の新規な義歯床又は義歯を提供し、義歯作製工程を簡略化して義歯の作製時間を短縮することにある。そして、このような義歯床又は義歯を使用するに際して、機械的強度に優れ、長期使用が可能となる、義歯床又は義歯、及び裏装材とを含む義歯作製キットを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するため、有歯顎者及び無歯顎者の口腔形状を基に義歯床の形状を定め、該形状に基づいて義歯床を作製することに想到した。そして、この方法により作製される所定形状の義歯床は、多くの無歯顎患者に適用可能であること、さらに裏装材に硬質裏装材を用いることで、機械的強度に優れ、長期使用が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は以下に記載するとおりである。なお、本願明細書において、基準義歯床とは、既製の義歯床及び該義歯床に人工歯が少なくとも1歯予め配列されている義歯床をいい、製の義歯床に全歯列の人工歯が予め配列されている基準義歯床基準義歯ともいう。また、単に、義歯作製キットとした場合には、上顎・下顎用の両方の義歯作製キットを指すものとする。

[1]少なくとも1歯以上の人工歯が予め配列されていてもよい上顎基準義歯床であって、
床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点を点Pとし、右側翼突上顎切痕に相当する点を点Qとし、唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点を点Oとし、線分PQの中点を点Mとし、点Oと点Pとを結ぶ線分OPを4等分する各点を、点O側から点P1、点P2、点P3とし、線分OP上の点P1、点P2及び点P3からの垂直線が左側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点D1、点D2及び点D3とし、点Oと点Qとを結ぶ線分OQを4等分する各点を、点O側から点Q1、点Q2、点Q3とし、線分OQ上の点Q1、点Q2及び点Q3からの垂直線が右側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点E1、点E2及び点E3とし、線分PQの長さを1とした場合、
線分OMの長さが0.76〜0.98であり、
線分P1D1及び線分Q1E1の長さがそれぞれ0.11〜0.36であり、
線分P2D2及び線分Q2E2の長さがそれぞれ0.19〜0.45であり、
線分P3D3及び線分Q3E3の長さがそれぞれ0.16〜0.45である
上顎基準義歯床と、
硬質裏装材と、
からなる上顎義歯作製キット。


[2]少なくとも1歯以上の人工歯が予め配列されていてもよい下顎基準義歯床であって、
床後縁の左側臼後隆起に相当する点を点pとし、右側臼後隆起に相当する点を点qとし、唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点を点oとし、線分pqの中点を点mとし、点oと点pとを結ぶ線分opを4等分する各点を、点o側から点p1、点p2、点p3とし、線分op上の点p1、点p2及び点p3からの垂直線が左側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点d1、点d2及び点d3とし、点oと点qとを結ぶ線分oqを4等分する各点を、点o側から点q1、点q2、点q3とし、線分oq上の点q1、点q2及び点q3からの垂直線が右側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点e1、点e2及び点e3とし、前記点p1、点p2及び点p3からの垂直線が舌側床縁と交わる点をそれぞれ点b1、点b2及び点b3とし、前記点q1、点q2及び点q3からの垂直線が舌側床縁と交わる点をそれぞれ点c1、点c2、及び点c3とし、線分pqの長さを1とした場合、
線分omの長さが0.74〜0.94であり、
線分p1d1及び線分q1e1の長さがそれぞれ0.11〜0.32であり、
線分p2d2及び線分q2e2の長さがそれぞれ0.13〜0.34であり、
線分p3d3及び線分q3e3の長さがそれぞれ0.14〜0.33であり、
線分d1b1長さは、0.14〜0.40で、且つ線分p1d1の長さより長く、
線分e1c1の長さは、0.14〜0.40で、且つ線分q1e1の長さより長く、
線分d2b2長さは、0.19〜0.41で、且つ線分p2d2の長さより長く、
線分e2c2の長さは、0.19〜0.41で、且つ線分q2e2の長さより長く、
線分d3b3長さは、0.21〜0.42で、且つ線分p3d3の長さより長く、
線分e3c3の長さは、0.21〜0.42で、且つ線分q3e3の長さより長い、
下顎基準義歯床と、
硬質裏装材と、
からなる下顎義歯作製キット。
[1]で用いた前記上顎基準義歯床、[2]で用いた前記下顎基準義歯床及び硬質裏装材からなる義歯作製キット。

[1]で用いた前記上顎基準義歯床であってサイズが異なる複数の上顎基準義歯床及び/又は、[2]で用いた前記下顎基準義歯床であってサイズが異なる複数の下顎基準義歯床と、
硬質裏装材と、からなる義歯作製キット。

[4]に記載の義歯作製キットから、患者の口のサイズに適合する上顎基準義歯床及び/又は下顎基準義歯床を選択する工程と、
前記選択工程で選択した上顎基準義歯床及び/又は下顎基準義歯床に硬質裏装材を築盛する工程と、
を有することを特徴とする義歯作製方法。

本発明で使用する基準義歯床は、所定形状を有しているため、裏装材を築盛するだけで容易に患者の口腔形状に適合させることができる。即ち、従来の義歯作製の工程において、既製化された義歯床を用いることによって、義歯の作製時間を短縮することができる。また、本発明で使用する基準義歯は、所定形状の基準義歯床に全歯列の人工歯が予め配列されているため、裏装材を築盛するだけで容易に義歯を作製することができる。即ち、従来の義歯作製の工程において、既製化された義歯床を用いるとともに、全歯列を予め配列しておくことにより、義歯の作製時間を大幅に短縮することができる。そして、このような基準義歯床又は基準義歯と硬質裏装材とからなる本発明の義歯作製キットは、前記基準義歯床又は前記基準義歯、及び硬質裏装材を使用して義歯を形成するため、作業時間を大幅に短縮できる。また、本発明の義歯作製キットは、硬質裏装材を患者の口腔内適用時に使用するため、該口腔内の形状に適合させ易く、さらに、義歯の厚みを厚くすることができ、義歯自体の強度を高めることができる。加えて、前記基準義歯床又は前記基準義歯と硬質裏装材とを高い強度で密着させることができるため、患者の口腔内での長期使用を可能にすることができる。これにより、歯科医師、歯科技工士及び患者の負担を大幅に低減することができる。
本発明で使用する基準義歯床(基準義歯)は、従来のように、個別の患者の口腔形状の印象を採取し、作製されるものではなく、有歯顎者の口腔形状を統計的に定めてデンチャースペース理論に基づいて作製されているため、数種類の基準義歯床(基準義歯)を用意しておけば、ほぼ全ての患者に対して適合率の高い義歯を作製できる。また、歯槽頂の吸収が激しい難症例の患者にも適合できる。そして、前記基準義歯床(基準義歯)と硬質裏装材とからなる義歯作製キットを使用することにより、適合率が高く、難症例の患者にも、長期間使用できる義歯とすることができる。
図1は、本発明の義歯作製キットを患者に装着した状態を示す説明図である。 図2は、本発明で使用する上顎基準義歯床の形状を示す平面図である。 図3は、本発明で使用する上顎基準義歯床に配列される人工歯の位置を示す平面図である。 図4は、本発明で使用する上顎基準義歯の一例を示す平面図である。 図5は、本発明で使用する下顎基準義歯床の形状を示す平面図である。 図6は、本発明で使用する下顎基準義歯床に配列される人工歯の位置を示す平面図である。 図7は、本発明で使用する下顎基準義歯の一例を示す平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
(基準義歯床(基準義歯))
図1は、本発明で使用する基準義歯床を患者に装着した状態を示す説明図である。図1中、100は上顎基準義歯床で、200は下顎基準義歯床である(以下、これらを単に「基準義歯床」ともいう。)。101は人工歯であり、基準義歯床に全ての歯列が配列されると、これらの人工歯と基準義歯床とからなる基準義歯が完成される。
図1中、点Oは、唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点であり、点Pは、床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点である。上顎基準義歯床100の左側頬側床縁50は、点D1〜D3を有している(後述)。点oは、唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点である。点pは、床後縁の左側臼後隆起に相当する点である。下顎基準義歯床200の左側頬側床縁52は、点d1〜d3を有している(後述)。本発明で使用する基準義歯床は、これらの点の相対的な位置関係が所定範囲にあることを特徴としている。
(上顎基準義歯床)
図2は、本発明で使用する上顎基準義歯床100の一例を示す平面図である。図2中、点Oは、唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点である。点Pは、床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点であり、点Qは、床後縁の右側翼突上顎切痕に相当する点である。点Mは、点Pと点Qとを結ぶ線分PQの中点である。本発明で使用する基準義歯床は、線分PQの長さを、0.81〜0.93の範囲にあることが好ましく、0.86〜0.88の範囲にあることがより好ましい。この形状を有する上顎基準義歯床は、裏装材を築盛することによって、多くの無歯顎者に適合させることができる。そして、硬質裏装材を築盛することによって、密着性を高めることができ、使用時の耐久性を向上することができる。
図2中、点P1〜P3は、線分OPを4等分する点である。即ち、線分OP1、線分P1P2、線分P2P3,線分P3Pの長さは等しい。点D1〜D3は、点P1〜P3の各点それぞれからの線分OPに対する垂直線が左側頬側床縁50と交わる点である。点Q1〜Q3は、線分OQを4等分する点である。即ち、線分OQ1、線分Q1Q2,線分Q2Q3、線分Q3Qの長さは等しい。点E1〜E3は、点Q1〜Q3の各点それぞれからの線分OQに対する垂直線が右側頬側床縁51と交わる点である。
本発明で使用する上顎基準義歯床は、線分PQの長さを1としたとき、線分P1D1及び線分Q1E1の長さは、それぞれ0.11〜0.36の範囲であることが好ましく、0.16〜0.31の範囲であることがより好ましく、0.21〜0.26の範囲であることが特に好ましい。また、線分P2D2及び線分Q2E2の長さは、それぞれ0.19〜0.45の範囲であることが好ましく、0.24〜0.40の範囲であることがより好ましく、0.29〜0.35の範囲であることが特に好ましい。さらに、線分P3D3及び線分Q3E3の長さは、それぞれ0.16〜0.45の範囲であることが好ましく、0.21〜0.40の範囲であることがより好ましく、0.26〜0.35の範囲であることが特に好ましい。この形状を有する上顎基準義歯床は、さらに高い適合率で無歯顎者に適合させることができる。
本発明で使用する上顎基準義歯床には、人工歯が少なくとも1歯以上予め配列されていることが好ましい。予め人工歯が配列されている場合、該人工歯を基準として、Thompsonの分類基準による方形、帯円方形、帯円形、帯円V字形の何れかの歯列弓を形成するように他の歯列を配列することにより、人工歯の配列時間を短縮できる。本発明で使用する上顎基準義歯床は、人工歯を配列するための凹部を有していても良い。
図3は、本発明で使用する上顎基準義歯床に配列される人工歯の位置を示す説明図である。図3では、上顎基準義歯床に少なくとも上顎第一大臼歯、上顎中切歯、上顎犬歯が予め配列されているものの例示である。点S6は、線分PQの長さを1とし、線分OP上にあり、点Oから0.74の距離にある。点T6は、線分PQの長さを1とし、線分OQ上にあり、点Oから0.74の距離にある。左側上顎第一大臼歯は、点S6から左側頬側床縁50側への線分OPに対する垂直線上であって点S6から左側頬側床縁50側に0.11の距離に中心点を有する半径0.14の円内に、その中心窩を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。同様に、右側上顎第一大臼歯は、点T6から右側頬側床縁51側への線分OQに対する垂直線上であって点T6から右側頬側床縁51側に0.11の距離に中心点を有する半径0.14の円内に、その中心窩を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。
また、左右上顎中切歯は、線分PQの長さを1とし、直線OM上において点Mから唇側に0.76〜1.14の距離に、左側上顎中切歯と右側上顎中切歯との歯間部を有するように隣接して配列されていることが好ましく、0.86〜1.04の距離であることがより好ましく、0.91〜0.99の距離であることが特に好ましい。
点S3は、線分PQの長さを1とし、線分OP上にあり、点Oから0.30の距離にある。点T3は、線分PQの長さを1とし、線分OQ上にあり、点Oから0.30の距離にある。左側上顎犬歯は、点S3から左側頬側床縁50側への線分OPに対する垂直線上であって点S3から左側頬側床縁50側に0.25の距離に中心点を有する半径0.12の円内に、その尖頭を有するように配列されていることが好ましく、半径0.07の円内であることが特に好ましい。同様に、右側上顎犬歯は、点T3から右側頬側床縁51側への線分OQに対する垂直線上であって点T3から右側頬側床縁51側に0.25の距離に中心点を有する半径0.12の円内に、その尖頭を有するように配列されていることが好ましく、半径0.07の円内であることが特に好ましい。
(上顎基準義歯)
本発明で使用する上顎基準義歯は、前記上顎基準義歯床に全歯列の人工歯が予め配列されてなる。図4は、本発明で使用する上顎基準義歯床に全ての人工歯が配列されてなる上顎基準義歯の一例を示す平面図である。図4中、11は上顎中切歯であり、11aは左側上顎中切歯と右側上顎中切歯との歯間部である。12は上顎側切歯、13の上顎犬歯、14は上顎第一小臼歯、15は上顎第二小臼歯、16は上顎第一大臼歯、17は上顎第二大臼歯である。16aは上顎第一大臼歯の中心窩である。
これらの人工歯が配列される位置は特に制限されないが、前記説明した位置に配列されていることが好ましい。また、これらの歯列弓は、Thompsonの分類基準による方形、帯円方形、帯円形、帯円V字形の何れかによって形成されていることが好ましい。
以上、本発明で使用する上顎基準義歯(床)について説明したが、上記で例示していない人工歯の位置(例えば、上顎第一大臼歯、上顎中切歯、上顎犬歯以外の人工歯の位置)、人工歯の高さ等は、適宜決定してやればよい。また、前記上顎基準義歯(床)は、口蓋を被覆する部分の大きさを適宜調整することもできる。
(下顎基準義歯床)
図5は、本発明で使用する下顎基準義歯床200の一例を示す平面図である。図5中、点oは、唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点である。点pは、床後縁の左側臼後隆起に相当する点であり、点qは、床後縁の右側臼後隆起に相当する点である。点mは、点pと点qとを結ぶ線分pqの中点である。本発明で使用する下顎基準義歯床は、線分pqの長さを1としたとき、点oと点mとを結ぶ線分omの長さが0.76〜0.94の範囲にあり、0.80〜0.90の範囲にあることが好ましく、0.84〜0.86の範囲にあることがより好ましい。この形状を有する下顎基準義歯床は、裏装材を築盛することによって、多くの無歯顎者に適合させることができる。そして、硬質裏装材を築盛することによって、密着性を高めることができ、使用時の耐久性を向上することができる。
図5中、点p1〜p3は、線分opを4等分する点である。即ち、線分op1、線分p1p2、線分p2p3、線分p3pの長さは等しい。点dl〜d3は、点pl〜p3の各点それぞれからの線分opに対する垂直線が左側頬側床縁52と交わる点である。点q1〜q3は、線分oqを4等分する点である。即ち、線分oq1、線分q1q2、線分q2q3、線分q3qの長さは等しい。点el〜e3は、点ql〜q3の各点それぞれからの線分oqに対する垂直線が右側頬側床縁53と交わる点である。
本発明で使用する下顎基準義歯床は、線分pqの長さを1としたとき、線分p1d1及び線分p1e1の長さは、それぞれ0.11〜0.32の範囲であることが好ましく、0.15〜0.28の範囲であることがより好ましく、0.19〜0.24の範囲であることが特に好ましい。また、線分p2d2及び線分q2e2の長さは、それぞれ0.13〜0.34の範囲であることが好ましく、0.17〜0.30の範囲であることがより好ましく、0.21〜0.26の範囲であることが特に好ましい。さらに線分p3d3及び線分q3e3の長さは、それぞれ0.14〜0.33の範囲であることが好ましく、0.18〜0.29の範囲であることがより好ましく、0.22〜0.25の範囲であることが特に好ましい。この形状を有する下顎基準義歯床は、より高い適合率で無歯顎者に適合させることができる。
図5中、点b1〜b3は、点p1〜p3の各点それぞれからの線分opに対する垂直線が舌側床縁と交わる点である。点c1〜c3は、点q1〜q3の各点それぞれからの線分oqに対する垂直線が舌側床縁と交わる点である。
本発明で使用する下顎基準義歯床は、線分pqの長さを1としたとき、線分d1b1及び線分e1c1の長さは、それぞれ0.14〜0.40の範囲であることが好ましく、0.19〜0.35の範囲であることがより好ましく、0.24〜0.30の範囲であることが特に好ましい。また、線分d2b2及び線分e2c2の長さは、それぞれ0.19〜0.41の範囲であることが好ましく、0.24〜0.36の範囲であることがより好ましく、0.29〜0.31の範囲であることが特に好ましい。さらに、線分d3b3及び線分e3c3の長さは、それぞれ0.21〜0.42の範囲であることが好ましく、0.25〜0.38の範囲であることがより好ましく、0.30〜0.34の範囲であることが特に好ましい。この形状を有する下顎基準義歯床は、さらに高い適合率で無歯顎者に適合させることができる。
本発明で使用する下顎基準義歯床には、人工歯が少なくとも1歯以上予め配列されていることが好ましい。予め人工歯が配列されている場合、該人工歯を基準として、Thompsonの分類基準による方形、帯円方形、帯円形、帯円V字形の何れかの歯列弓を形成するように他の歯列を配列することにより、人工歯の配列時間を短縮できる。
図6は、本発明で使用する下顎基準義歯床に配列される人工歯の位置を示す説明図である。図6では、下顎基準義歯床に少なくとも下顎第一大臼歯、下顎中切歯、下顎犬歯が予め配列されたものの例示である。点s6は、線分pqの長さを1とし、線分op上にあり、点oから0.65の距離にある。点t6は、線分pqの長さを1とし、線分oq上にあり、点oから0.65の距離にある。左側下顎第一大臼歯は、点s6から左側頬側床縁52側への線分opに対する垂直線上であって点s6から左側頬側床縁52側に0.08の距離に中心点を有する半径0.12の円内に、その中心窩を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。同様に、右側下顎第一大臼歯は、点t6から右側頬側床縁53側への線分oqに対する垂直線上であって点t6から右側頬側床縁53側に0.08の距離に中心点を有する半径0.12の円内に、その中心窩を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。
また、左右下顎中切歯は、線分pqの長さを1とし、直線om上において点mから唇側に0.74〜0.94の距離に、左側下顎中切歯と右側下顎中切歯との歯間部を有するように隣接して配列されていることが好ましく、0.79〜0.89の距離であることがより好ましく、0.83〜0.85の距離であることが特に好ましい。
点s3は、線分pqの長さを1とし、線分op上にあり、点oから0.23の距離にある。点t3は、線分pqの長さを1とし、線分oq上にあり、点oから0.23の距離にある。左側下顎犬歯は、点s3から左側頬側床縁52側への線分opに対する垂直線上であって点s3から左側頬側床縁52側に0.17の距離に中心点を有する半径0.11の円内に、尖頭を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。同様に、右側下顎犬歯は、点t3から右側頬側床縁53側への線分oqに対する垂直線上であって点t3から右側頬側床縁53側に0.17の距離に中心点を有する半径0.11の円内に、その尖頭を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。
(下顎基準義歯)
本発明で使用する下顎基準義歯は、前記下顎基準義歯床に全歯列の人工歯が予め配列されてなる。図7は、本発明で使用する下顎基準義歯床に全ての人工歯が配列されてなる下顎基準義歯の一例を示す平面図である。図7中、21は下顎中切歯であり、21aは左側下顎中切歯と右側下顎中切歯との歯間部である。22は下顎側切歯、23の下顎犬歯、24は下顎第一小臼歯、25は下顎第二小臼歯、26は下顎第一大臼歯、27は下顎第二大臼歯である。26aは下顎第一大臼歯の中心窩である。
これらの人工歯が配列される位置は特に制限されないが、前記説明した位置に配列されていることが好ましい。また、これらの歯列弓は、Thompsonの分類基準による方形、帯円方形、帯円形、帯円V字形の何れかによって形成されていることが好ましい。
以上、本発明で使用する下顎基準義歯(床)について説明したが、上記で例示していない人工歯の位置(例えば、下顎第一大臼歯、下顎中切歯、下顎犬歯以外の人工歯の位置)、人工歯の高さ等は、適宜決定してやればよい。
(硬質裏装材)
本発明は、前記基準義歯(床)と硬質裏装材とからなる義歯作製キットである。本発明において、硬質裏装材とは、JIST6521(義歯床用硬質裏装材)にてヌープ硬さ7Hk以上のものを指す。該条件を満たしていれば、公知のものが何ら制限なく使用できる。中でも、ヌープ硬さ7Hk以上30Hk以下の硬質裏装材を使用することが好ましい。
一般的には、(メタ)アクリレート基(メタアクリル基、又はアクリル基)等のラジカル重合性基を有する重合性単量体を主成分とする液体と、(メタ)アクリレート基等のラジカル重合性基を有する重合性単量体からなるポリマーを主成分とし、有機過酸化物等のラジカル重合開始剤を含む固体(粉)とから構成される。
(ラジカル重合性基を有する重合性単量体;ラジカル重合性単量体)
ラジカル重合性単量体は、公知のものが特に限定されずに使用できる。
例えば、ビニル基、置換基を有するビニル基(例えば、スチリル基、塩化ビニル基、酢酸ビニル基、(メタ)アクリレート基、(メタ)アクリルアミド基)等のラジカル重合性基を有するラジカル重合性単量体が挙げられる。その中でも、(メタ)アクリレート基を有するラジカル重合性単量体が好ましい。(メタ)アクリレート系重合性単量体としては、一般に歯科用修復材料で使用可能な公知の(メタ)アクリレート系重合性単量体が何ら制限なく使用できる。
具体的に(メタ)アクリレート系重合性単量体を例示すれば、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレート、n−トリデシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メタクリロキシエチルプロピオネート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12−ステアリルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ダイマージオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと2,2,4−トリメチルヘキシル−1,6−ジイソシアネートの反応生成物)等が挙げられる。
本発明で使用する硬質裏装材においては、ラジカル重合性基を有する前記重合性単量体を単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
(ラジカル重合性基を有する重合性単量体(ラジカル重合性単量体)からなるポリマー)
ラジカル重合性単量体からなるポリマーは、前記ラジカル重合性単量体に膨潤や溶解するものが使用できる。そのため、前記ポリマーは、(メタ)アクリレート基を有する重合性単量体からなるポリマー((メタ)アクリレート系ポリマー)を使用することが好ましい。(メタ)アクリレート系ポリマーを具体的に例示すると、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート−エチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート共重合体、エチル(メタ)アクリレート−ブチル(メタ)アクリレート、架橋型ポリメチル(メタ)アクリレート、架橋型ポリエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。ただし、ラジカル重合性基を有する前記重合性単量体に膨潤や溶解するものであればよいため、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等を使用することもできる。
本発明で使用する硬質裏装材においては、前記ポリマーを単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤としては、加熱又は光照射によりラジカルを発生させるものであれば何ら制限なく使用できる。さらに第3級アミン等との接触により室温条件下でラジカルを発生しうるものであってもよい。
加熱もしくは第3級アミンとの接触によりラジカルを発生させる物質として有機過酸化物が例示される。代表的な有機過酸化物を具体的に例示すると、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等が挙げられる。
またこれら有機過酸化物と接触してラジカルを発生させるための第3級アミンとしては公知の化合物が特に制限されず使用される。好適に使用される第3 級アミン化合物を具体的に例示すると、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジプロピルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N−メチル,N−β−ヒドロキシエチルアニリン等のアニリン類、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジプロピル−p−トルイジン、N,N−ジブチル−p−トルイジン、p−トリルジエタノールアミン、p−トリルジプロパノールアミン等のトルイジン類、N,N−ジメチル−アニシジン、N,N−ジエチル−p−アニシジン、N,N−ジプロピル−p−アニシジン、N,N−ジブチル−p−アニシジン等のアニシジン類、N−フェニルモルフォリン、N−トリルモルフォリン等のモルフォリン類、ビス( N,N−ジメチルアミノフェニル)メタン、ビス(N,N−ジメチルアミノフェニル)エーテル等が挙げられる。これらのアミン化合物は、塩酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸などとの塩として使用してもよい。
また、光重合開始剤としてはα−ジケトン−還元剤、ケタール−還元剤、チオキサントン−還元剤などの公知の開始剤系が好ましく用いられる。α−ジケトンとしてはカンファーキノン、ベンジル、2,3−ペンタジオン、3,4−ヘプタジオンなどを挙げることができる。ケタールとしてはベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジル(2−メトキシエチルケタール)などを挙げることができる。チオキサントンとしてはチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどを挙げることができる。光重合開始剤の一成分としての還元剤は、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N−メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン類、ラウリルアルデヒド、ジメチルアミノベンズアルデヒド、テレフタルアルデヒドなどのアルデヒド類、2−メルカプトベンゾオキサゾール、1−デカンチオール、チオサルチル酸、チオ安息香酸などを挙げることができる。
(その他の成分)
また、本発明で使用する硬質裏装材は、強度向上のためにフィラーを含有しても良い。該フィラーは、有機フィラーであっても無機フィラーであっても良い。
本発明で用いられる有機フィラーとしては例えばポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリエステルのごとき一般的に入手可能な樹脂重合体が制限なく用いられる。
また、本発明で用いられる無機フィラーの種類は特に制限されるものではなく、一般的な樹脂組成物に添加されている補強材、充填材の中から選択することが可能である。具体的に例示すると、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硅石粉末、ガラス粉末、珪藻土、シリカ、珪酸カルシウム、タルク、アルミナ、ベントナイト、ゼオライト、カオリンクレー、マイカ、石英ガラスなどが挙げられる。
(硬質裏装材のその他特性)
本発明における硬質裏装材は、その形態に特に制限はなく、粉液型、ペースト/ペースト型、シングルペースト型などいずれでも構わない。通常の硬質裏装材は粉液型が主流であり、前記ポリマー、前記ラジカル重合開始剤、及び必要に応じて配合される有機又は無機フィラーを主成分とする粉成分と、前記ラジカル重合性単量体を主成分とする液成分とで構成される。これらは使用時に所定量の粉成分と液成分とを混合・練和して用いられる。
硬質裏装材は、ヌープ硬さ7Hk以上となるものであれば特に制限されるものではないが、液成分である前記ラジカル重合性単量体100質量部に対して、前記ラジカル重合性単量体からなるポリマーを50〜350質量部、前記ラジカル重合開始剤0.1〜20質量部、有機また無機フィラー0〜20質量部含むことが好ましい。
(義歯作製キット)
本発明の義歯作製キットは、前記上顎基準義歯床もしくは上顎基準義歯、及び/又は前記下顎基準義歯床もしくは下顎基準義歯、並びに硬質裏装材からなる(前記上顎基準義歯床もしくは上顎基準義歯、及び硬質裏装材の組み合わせ、前記下顎基準義歯床もしくは下顎基準義歯、及び硬質裏装材の組み合わせ、前記上顎基準義歯床もしくは上顎基準義歯、及び前記下顎基準義歯床もしくは下顎基準義歯、並びに硬質裏装材の組み合わせから選ばれる。)。基準義歯床を用いる場合、患者の口腔形状に適合するように硬質裏装材を築盛し、且つ人工歯を配列することにより、義歯が作製される。基準義歯を用いる場合、患者の口腔形状に適合するように硬質裏装材を築盛することにより、義歯が作製される。
本発明の義歯作製キットは、それぞれサイズが異なる複数の上顎基準義歯床又は上顎基準義歯と下顎基準義歯床又は下顎基準義歯とを予め用意しておくことが好ましい。これにより、より患者への適合率を高めることができる。なお、上顎基準義歯床又は上顎基準義歯、及び下顎基準義歯床又は下顎基準義歯のサイズは、それぞれ2〜10種類用意しておくことが好ましく、2〜5種類用意しておくことがより好ましく、3種類用意しておくことが特に好ましい。
(義歯を作製する方法、基準義歯の材質、人工歯の材質)
本発明の義歯作製キットを用いて義歯を作製する方法を以下に説明する。
先ず、患者の口腔サイズに適合する上顎基準義歯床もしくは上顎基準義歯、及び/又は下顎基準義歯床もしくは下顎基準義歯を選択する。このような基準義歯床の選択は、口腔サイズの計測を基に決定できる。口腔サイズを計測する方法は、公知の方法を用いることができるが、例えば、目視・触診による計測、印象用トレーの試適によるサイズの計測等が挙げられる。基準義歯床が選択された場合には、これらの選択された上顎基準義歯床及び下顎基準義歯床にそれぞれ人工歯が配列されて上顎基準義歯及び下顎基準義歯が作製される。さらに、上顎基準義歯及び下顎基準義歯には、それぞれ硬質裏装材を築盛されて患者の口腔形状に完全に適合される。人工歯の配列と硬質裏装材の築盛とはどちらを先に行っても良い。次いで、患者の口腔に試適された後、咬合が調整される。これにより、患者の口腔形状に適合した義歯が作製される。
本発明において、基準義歯床の材料は公知のものがなんら制限なく使用できる。具体的に例示すれば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートの単独重合体もしくはこれらの共重合体から少なくとも一つ選ばれるポリ(メタ)アクリレート系樹脂、並びにポリオレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン)、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン66(登録商標))、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリカーボネート)、ポリエーテル系樹脂(例えば、ポリアセタール、ポリサルフォン)、ポリニトリル系樹脂(例えば、ポリアクリロニトリル)、ポリビニル系樹脂(例えば、ポリ酢酸ビニル)、セルロース系樹脂(例えば、酢酸セルロース)、フッ素系樹脂(例えば、ポリクロルフルオロエチレン)、イミド系樹脂(例えば、芳香族ポリイミド)等が挙げられる。
本発明で使用する基準義歯床には、義歯床の強度を向上させるためにフィラーを含有させることもできる。該フィラーは、有機フィラーであっても無機フィラーであっても良い。また、無機フィラーに重合性単量体を予め添加し、ペースト状にした後、重合させ、粉砕して得られる粒状の有機−無機複合フィラーを用いても良い。
本発明で使用する基準義歯床は、その一部が金属で形成されていても良い。
本発明で使用する基準義歯床は、公知の方法によって成形される。例えば、射出成形や圧縮成形等が挙げられる。
本発明において人工歯としては、樹脂製やセラミック製の公知の人工歯を用いることができる。樹脂製の人工歯としては、上述のポリ(メタ)アクリレート系樹脂、並びにポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリニトリル系樹脂、ポリビニル系樹脂、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、イミド系樹脂、シリコン系樹脂等を材質とする人工歯が例示される。人工歯の固定方法としては、嵌合、接着等従来公知の方法で何等制限なく使用できる。
(適合率)
本実施例において適合率は、基準義歯床又は基準義歯を裏装後、形状の異なる20種類の無歯顎全顎模型に試適した際の適合する模型数の割合で評価した。なお、使用した硬質裏装材の量は2.7g〜6.8gの範囲であり、各無歯顎全顎模型の形状に合わせた量を使用した。ただし、実施例、比較例の比較ができるように、同じ無歯顎全顎模型を使用した場合には、同じ量の硬質裏装材を使用した。
(配列時間)
本実施例において配列時間は、参考例におけるオーダーメイドの義歯(従来法)を作製する場合に全歯列の人工歯を配列するのに要する時間を100%とし、各実施例の基準義歯床に人工歯を配列するのに要した時間の割合で評価した。
(咬合調整時間)
本実施例において咬合調整時間は、オーダーメイドの義歯(従来法)を作製する場合に咬合を調整するのに要する時間を100%とし、各実施例の基準義歯床に咬合を調整するのに要した時間の割合で評価した。
(耐久性)
耐久性は、各実施例・比較例で裏装した義歯を、繰返荷重負荷試験機(エレクトロパレス、インストロン社製)を用いて、荷重負荷(最大負荷圧:13.6kg、最小負荷圧:0kg、周波数:1.2Hz、温度:37℃(水中))をかけ、所定回数(300000回・350000回・950000回)における該義歯のひび、ちぎれ、はがれ等の破損が生じたものを×とし、生じなかったものを○として評価した。この耐久性は、20種類の無歯顎全顎模型を使用して適合した義歯の評価を行い、適合した義歯の1つ以上が破損したものを×とし、適合した義歯全てに破損しなかったものを○として評価した。
(硬質裏装材)
本実施例中で使用した硬質裏装材の略号は以下の通りである。
R1:アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート25質量部、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート25質量部の液と、ポリエチル(メタ)アクリレート100質量部、ベンゾイルパーオキサイド2質量部の粉とから成り、ヌープ硬さ10.0Hkの硬質裏装材。
R2:ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート25質量部、2−メタクリロイルオキシエチルプロピオネート25質量部の液と、ポリエチル(メタ)アクリレート100質量部とカンファーキノン2質量部の粉とから成り、ヌープ硬さ11.0Hkの硬質裏装材。
(実施例1−21、比較例1−5)
表1に記載する形状の上顎基準義歯床を作製し、適合率、配列時間、咬合調整時間、耐久性を評価した。評価結果は表1に示した。なお、左側を代表値として示しているが、右側は左側と同じ値で作製した。
(実施例22−42、比較例6−10)
表2に記載する形状の下顎基準義歯床を作製し、適合率、配列時間、咬合調整時間、耐久性を評価した。評価結果は表2に示した。なお、左側を代表値として示しているが、右側は左側と同じ値で作製した。
表中、6番とは第一大臼歯、1番とは中切歯、3番とは犬歯である。また、第一大臼歯(6番)又は犬歯(3番)の場合における「0」とは、人工歯の中心窩(第一大臼歯の場合)又は尖頭(犬歯の場合)が本願で規定する所定円内の中心となるように配列されていることを意味する。また、例えば第一大臼歯(6番)における「0.14」とは、本願で規定する所定円内の中心から中心窩までの距離を意味する。その他の数値に関しても同様の意味である。また、例えば犬歯(3番)における「0.12」とは、本願で規定する所定円内の中心から尖頭までの距離を意味する。その他の数値に関しても同様の意味である。上顎中切歯の場合、「0.95」とは、直線OM上において点Mから唇側に0.95の距離に左側上顎中切歯と右側上顎中切歯との歯間部を有するように配列されていることをいい、「1.14」及び「0.76」とは各々記載の値の距離に左側上顎中切歯と右側上顎中切歯との歯間部を有するように配列されていることをいう。下顎中切歯の場合、「0.84」とは、直線om上において点mから唇側に0.84の距離に左側下顎中切歯と右側下顎中切歯との歯間部を有するように配列されていることをいい、「0.94」及び「0.74」とは各々記載の値の距離に左側下顎中切歯と右側下顎中切歯との歯間部を有するように配列されていることをいう。
Figure 0006595260
Figure 0006595260
11・・・上顎中切歯
11a・・・左右上顎中切歯の歯間部
12・・・上顎側切歯
13・・・上顎犬歯
14・・・上顎第一小臼歯
15・・・上顎第二小臼歯
16・・・上顎第一大臼歯
16a・・・上顎第一大臼歯の中心窩
17・・・上顎第二大臼歯
21・・・下顎中切歯
21a・・・左右下顎中切歯の歯間部
22・・・下顎側切歯
23・・・下顎犬歯
24・・・下顎第一小臼歯
25・・・下顎第二小臼歯
26・・・下顎第一大臼歯
26a・・・下顎第一大臼歯の中心窩
27・・・下顎第二大臼歯
50、53・・・右側頬側床縁
51、52・・・左側頬側床縁
100・・・上顎基準義歯床
101・・・人工歯
200・・・下顎基準義歯床

Claims (5)

  1. 少なくとも1歯以上の人工歯が予め配列されていてもよい上顎基準義歯床であって、
    床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点を点Pとし、右側翼突上顎切痕に相当する点を点Qとし、唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点を点Oとし、線分PQの中点を点Mとし、点Oと点Pとを結ぶ線分OPを4等分する各点を、点O側から点P1、点P2、点P3とし、線分OP上の点P1、点P2及び点P3からの垂直線が左側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点D1、点D2及び点D3とし、点Oと点Qとを結ぶ線分OQを4等分する各点を、点O側から点Q1、点Q2、点Q3とし、線分OQ上の点Q1、点Q2及び点Q3からの垂直線が右側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点E1、点E2及び点E3とし、線分PQの長さを1とした場合、
    線分OMの長さが0.76〜0.98であり、
    線分P1D1及び線分Q1E1の長さがそれぞれ0.11〜0.36であり、
    線分P2D2及び線分Q2E2の長さがそれぞれ0.19〜0.45であり、
    線分P3D3及び線分Q3E3の長さがそれぞれ0.16〜0.45である
    上顎基準義歯床と、
    硬質裏装材と、
    からなる上顎義歯作製キット。
  2. 少なくとも1歯以上の人工歯が予め配列されていてもよい下顎基準義歯床であって、
    床後縁の左側臼後隆起に相当する点を点pとし、右側臼後隆起に相当する点を点qとし、唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点を点oとし、線分pqの中点を点mとし、点oと点pとを結ぶ線分opを4等分する各点を、点o側から点p1、点p2、点p3とし、線分op上の点p1、点p2及び点p3からの垂直線が左側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点d1、点d2及び点d3とし、点oと点qとを結ぶ線分oqを4等分する各点を、点o側から点q1、点q2、点q3とし、線分oq上の点q1、点q2及び点q3からの垂直線が右側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点e1、点e2及び点e3とし、前記点p1、点p2及び点p3からの垂直線が舌側床縁と交わる点をそれぞれ点b1、点b2及び点b3とし、前記点q1、点q2及び点q3からの垂直線が舌側床縁と交わる点をそれぞれ点c1、点c2、及び点c3とし、線分pqの長さを1とした場合、
    線分omの長さが0.74〜0.94であり、
    線分p1d1及び線分q1e1の長さがそれぞれ0.11〜0.32であり、
    線分p2d2及び線分q2e2の長さがそれぞれ0.13〜0.34であり、
    線分p3d3及び線分q3e3の長さがそれぞれ0.14〜0.33であり、
    線分d1b1長さは、0.14〜0.40で、且つ線分p1d1の長さより長く、
    線分e1c1の長さは、0.14〜0.40で、且つ線分q1e1の長さより長く、
    線分d2b2長さは、0.19〜0.41で、且つ線分p2d2の長さより長く、
    線分e2c2の長さは、0.19〜0.41で、且つ線分q2e2の長さより長く、
    線分d3b3長さは、0.21〜0.42で、且つ線分p3d3の長さより長く、
    線分e3c3の長さは、0.21〜0.42で、且つ線分q3e3の長さより長い、
    下顎基準義歯床と、
    硬質裏装材と、
    からなる下顎義歯作製キット。
  3. 請求項1で用いた前記上顎基準義歯床、請求項2で用いた前記下顎基準義歯床、及び硬質裏装材からなる義歯作製キット。
  4. 請求項1で用いた前記上顎基準義歯床であってサイズが異なる複数の上顎基準義歯床及び/又は、請求項2で用いた前記下顎基準義歯床であってサイズが異なる複数の下顎基準義歯床と、
    硬質裏装材と、からなる義歯作製キット。
  5. 請求項4に記載の義歯作製キットから、患者の口のサイズに適合する上顎基準義歯床及び/又は下顎基準義歯床を選択する工程と、
    前記選択工程で選択した上顎基準義歯床及び/又は下顎基準義歯床に硬質裏装材を築盛する工程と、
    を有することを特徴とする義歯作製方法。
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