JP6595259B2 - 基準義歯床又は基準義歯、及び裏装材を含む義歯作製キット、並びに義歯作製方法 - Google Patents
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Description
(1)印象材を用いて患者の口腔内の印象を採得する。
(2)該印象を用いて石膏模型を作製する。
(3)咬合床を患者に装着させて咬合を採得する。
(4)咬合床に人工歯を配列し、蝋義歯を作製する。
(5)蝋義歯を患者に試適させ、咬合を調整する。
(6)蝋義歯を石膏中に埋没して鋳型を作製する。
(7)鋳型に樹脂を注入、硬化させて義歯を作製する。
床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点を点Pとし、右側翼突上顎切痕に相当する点を点Qとし、唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点を点Oとし、線分PQの中点を点Mとし、点Oと点Pとを結ぶ線分OPを4等分する各点を、点O側から点P1、点P2、点P3とし、線分OP上の点P1、点P2及び点P3からの垂直線が左側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点D1、点D2及び点D3とし、点Oと点Qとを結ぶ線分OQを4等分する各点を、点O側から点Q1、点Q2、点Q3とし、線分OQ上の点Q1、点Q2及び点Q3からの垂直線が右側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点E1、点E2及び点E3とし、線分PQの長さを1とした場合、
線分OMの長さが0.76〜0.98であり、
線分P1D1及び線分Q1E1の長さがそれぞれ0.11〜0.36であり、
線分P2D2及び線分Q2E2の長さがそれぞれ0.19〜0.45であり、
線分P3D3及び線分Q3E3の長さがそれぞれ0.16〜0.45である
ことを特徴とする上顎基準義歯床と、
デュロメータA硬さが55以下である裏装材と、
からなる上顎義歯作製キット。
床後縁の左側臼後隆起に相当する点を点pとし、右側臼後隆起に相当する点を点qとし、唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点を点oとし、線分pqの中点を点mとし、
点oと点pとを結ぶ線分opを4等分する各点を、点o側から点p1、点p2、点p3とし、線分op上の点p1、点p2及び点p3からの垂直線が左側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点d1、点d2及び点d3とし、点oと点qとを結ぶ線分oqを4等分する各点を、点o側から点q1、点q2、点q3とし、線分oq上の点q1、点q2及び点q3からの垂直線が右側頬側床縁と交わる点を夫々点e1、点e2及び点e3とし、前記点p1、点p2及び点p3からの垂直線が舌側床縁と交わる点をそれぞれ点b1、点b2及び点b3とし、前記点q1、点q2及び点q3からの垂直線が舌側床縁と交わる点をそれぞれ点c1、点c2及び点c3とし、線分pqの長さを1とした場合、
線分omの長さが0.74〜0.94であり、
線分p1d1及び線分q1e1の長さがそれぞれ0.11〜0.32であり、
線分p2d2及び線分q2e2の長さがそれぞれ0.13〜0.34であり、
線分p3d3及び線分q3e3の長さがそれぞれ0.14〜0.33であり、
線分e1c1の長さは、0.14〜0.40で、且つ線分q1e1の長さより長く、
線分d2b2の長さは、0.19〜0.41で、且つ線分p2d2の長さより長く、
線分e2c2の長さは、0.19〜0.41で、且つ線分q2e2の長さより長く、
線分d3b3の長さは、0.21〜0.42で、且つ線分p3d3の長さより長く、
線分e3c3の長さは、0.21〜0.42で、且つ線分q3e3の長さより長い、
ことを特徴とする下顎基準義歯床と、
デュロメータA硬さが55以下である裏装材と、
からなる下顎義歯作製キット。
デュロメータA硬さが55以下である裏装材と、からなる義歯作製キット。
前記選択工程で選択した上顎基準義歯床及び/又は下顎基準義歯床に前記裏装材を築盛する工程と、
を有することを特徴とする義歯作製方法。
図1は、本発明で使用する基準義歯床を患者に装着した状態を示す説明図である。図1中、100は上顎基準義歯床で、200は下顎基準義歯床である(以下、これらを単に「基準義歯床」ともいう。)。101は人工歯であり、基準義歯床に全ての歯列が配列されると、これらの人工歯と基準義歯床とからなる基準義歯が完成される。
図2は、本発明で使用する上顎基準義歯床100の一例を示す平面図である。図2中、点Oは、唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点である。点Pは、床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点であり、点Qは、床後縁の右側翼突上顎切痕に相当する点である。点Mは、点Pと点Qとを結ぶ線分PQの中点である。本発明で使用する基準義歯床は、線分PQの長さを1としたとき、点Oと点Mとを結ぶ線分OMの長さが、0.76〜0.98の範囲にあり、0.81〜0.93の範囲にあることが好ましく、0.86〜0.88の範囲にあることがより好ましい。この形状を有する上顎基準義歯床は、デュロメータA硬さが55以下の裏装材を築盛することによって、多くの無歯顎者に適合させることができる。そして、該裏装材を築盛することによって、装着後の疼痛を低減することができ、患者の負担を低減できる。
点S6は、線分PQの長さを1とし、線分OP上にあり、点Oから0.74の距離にある。点T6は、線分PQの長さを1とし、線分OQ上にあり、点Oから0.74の距離にある。左側上顎第一大臼歯は、点S6から左側頬側床縁50側への線分OPに対する垂直線上であって点S6から左側頬側床縁50側に0.11の距離に中心点を有する半径0.14の円内に、その中心窩を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。同様に、右側上顎第一大臼歯は、点T6から右側頬側床縁51側への線分OQに対する垂直線上であって点T6から右側頬側床縁51側に0.11の距離に中心点を有する半径0.14の円内に、その中心窩を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。
本発明で使用する上顎基準義歯は、前記上顎基準義歯床に全歯列の人工歯が予め配列されてなる。図4は、本発明で使用する上顎基準義歯床に全ての人工歯が配列されてなる上顎基準義歯の一例を示す平面図である。図4中、11は上顎中切歯であり、11aは左右上顎中切歯の歯間部である。12は上顎側切歯、13は上顎犬歯、14は上顎第一小臼歯、15は上顎第二小臼歯、16は上顎第一大臼歯、17は上顎第二大臼歯である。16aは上顎第一大臼歯の中心窩である。
図5は、本発明で使用する下顎基準義歯床200の一例を示す平面図である。図5中、点oは、唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点である。点pは、床後縁の左側臼後隆起に相当する点であり、点qは、床後縁の右側臼後隆起に相当する点である。点mは、点pと点qとを結ぶ線分pqの中点である。本発明で使用する下顎基準義歯床は、線分pqの長さを1としたとき、点oと点mとを結ぶ線分omの長さが、0.76〜0.94の範囲にあり、0.80〜0.90の範囲にあることが好ましく、0.84〜0.86の範囲にあることがより好ましい。この形状を有する下顎基準義歯床は、デュロメータA硬さが55以下の裏装材を築盛することによって、多くの無歯顎者に適合させることができる。
点s6は、線分pqの長さを1とし、線分op上にあり、点oから0.65の距離にある。点t6は、線分pqの長さを1とし、線分oq上にあり、点oから0.65の距離にある。左側下顎第一大臼歯は、点s6から左側頬側床縁52側への線分opに対する垂直線上であって点s6から左側頬側床縁52側に0.08の距離に中心点を有する半径0.12の円内に、その中心窩を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。同様に、右側下顎第一大臼歯は、点t6から右側頬側床縁53側への線分oqに対する垂直線上であって点t6から右側頬側床縁53側に0.08の距離に中心点を有する半径0.12の円内に、その中心窩を有するように配列されていることが好ましく、半径0.08の円内であることが特に好ましい。
本発明で使用する下顎基準義歯は、前記下顎基準義歯床に全歯列の人工歯が予め配列されてなる。図7は、本発明で使用する下顎基準義歯床に全ての人工歯が配列されてなる下顎基準義歯の一例を示す平面図である。図7中、21は下顎中切歯であり、21aは左右下顎中切歯の歯間部である。22は下顎側切歯、23は下顎犬歯、24は下顎第一小臼歯、25は下顎第二小臼歯、26は下顎第一大臼歯、27は下顎第二大臼歯である。26aは下顎第一大臼歯の中心窩である。
本発明で使用する裏装材は、JIS T 6520(義歯床用長期弾性裏装材)によって、24時間後のデュロメータA硬さが55以下となるものであれば、公知の裏装材を使用することができ、特に材質等が制限されるものではない。中でも、患者の負担軽減等を考慮すると、デュロメータA硬さが55以下である裏装材が好ましく、さらには50以下である裏装材が好ましく、特には45以下である裏装材が好ましい。
歯科用粘膜調整材及び軟質裏装材を構成する成分の内、主成分は、ポリマー(樹脂)である。具体的なポリマー(樹脂)としては、公知のものが何ら制限なく使用でき、シリコーン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等のものが挙げられる。中でも、取り扱い易さの観点より、シリコーン系樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂のものが好ましい。
シリコーン系樹脂としては、縮合反応型か付加反応型のシリコーンゴム系ものが挙げられる。特に付加反応型のものは、アルコール等の副生成物がなく、硬化時の重合発熱がないため、より好適である。
付加型シリコーンゴム系の裏装材は、通常、末端に不飽和結合を有する有機基を分子内に2個以上有するオルガノポリシロキサン、分子内に3個以上のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、及びヒドロシリル化反応触媒物質から構成される。
(メタ)アクリレート系樹脂を主成分とする裏装材は、通常、ポリ(メタ)アクリレート系樹脂粉末からなる粉材と、可塑剤や(メタ)アクリレート系モノマーからなる液材から構成される。
ポリ(メタ)アクリレート系樹脂粉末の代表的なものを具体的に例示すれば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートの単独重合体及びこれらの共重合体等が挙げられる。裏装材の柔軟性をより向上させるためには、ガラス転移温度が0〜60℃の範囲にある(メタ)アクリレート系樹脂粉末であることが好ましい。ガラス転移温度が0〜60℃の範囲にあるポリ(メタ)アクリレート系樹脂粉末の代表的なものを具体的に例示すれば、ポリ(プロピルメタクリレート)、ポリ(n−ブチルメタクリレート)、ポリ(i−ブチルメタクリレート)、ポリ(ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)、ポリ(ヘキサデシルメタクリレート)、ポリ( オクタデシルメタクリレート)等のホモポリマー、ポリ(メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート)、ポリ(プロピルメタクリレート−n−ブチルメタクリレート)、ポリ(スチレン−n−ブチルメタクリレート)等のコポリマー等が挙げられる。これらは非架橋性ポリマーであることが好ましい。
可塑剤の代表的なものを具体的に示せば、エチルフタレート、ブチルフタレート、オクチルフタレート等のフタル酸エステルや、エチルセバケート、ブチルセバケート、オクチルセバケート等のセバシン酸エステル、及び、非水溶性の液状ポリマー等が挙げられる。この中でも、可塑剤は、溶出や義歯床への移行による劣化の観点から、非水溶性の液状ポリマーが好ましい。非水溶性の液状ポリマーとしては、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート、及びグリシジル(メタ)アクリレートから選ばれるモノマーの少なくとも1種以上を重合させたホモポリマー、又はコポリマーであって、質量平均分子量が1000〜10000であり、分子量500以下のオリゴマーの割合が10質量%以下であるポリマー(可塑剤)が挙げられる。
(メタ)アクリレート系モノマーの代表的なものを具体的に示せば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルプロピオネート、パーフルオロオクチルエチルメタクリレート等の単官能性(メタ)アクリレート系モノマー、
2,2−ビス(メタクリロイルオキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等の二官能性(メタ)アクリレート系モノマー
等が挙げられる。
本発明において、軟質裏装材とは、デュロメータA硬さが55以下であって、JIS T 6520の24時間後のデュロメータA硬さ及び28日後のデュロメータA硬さを満足するものを指す。中でも、長期間使用の観点から、好ましい24時間後のデュロメータA硬さは20〜50であり、28日後のデュロメータ硬さは20〜60である。
本発明において、歯科用粘膜調整材とは、デュロメータA硬さが55以下であって、JIS T 6519(短期弾性裏装材)の針入れ深さ及び針入深さ比を満足するものを指す。中でも、好ましいデュロメータA硬さは20以下である。2時間後の針入深さは1.8mm以下、7日後の針入深さは0.18mm以上、針入深さ比は5.0以下であることが好ましい。
本発明の義歯作製キットは、前記上顎基準義歯床又は上顎基準義歯、及び/又は前記下顎基準義歯床又は下顎基準義歯、並びにデュロメータA硬さが55以下である裏装材からなる(前記上顎基準義歯床もしくは上顎基準義歯、及びデュロメータA硬さが55以下である裏装材の組み合わせ、前記下顎基準義歯床もしくは下顎基準義歯、及びデュロメータA硬さが55以下である裏装材の組み合わせ、前記上顎基準義歯床もしくは上顎基準義歯、及び前記下顎基準義歯床もしくは下顎基準義歯、並びにデュロメータA硬さが55以下である裏装材の組み合わせから選ばれる。)。基準義歯床を用いる場合、患者の口腔形状に適合するように前記裏装材を築盛し、かつ人工歯を配列することにより、義歯が作製される。基準義歯を用いる場合、患者の口腔形状に適合するように前記裏装材を築盛することにより、義歯が作製される。
本発明の義歯作製キットを用いて義歯を作製する方法を以下に説明する。
先ず、患者の口腔サイズに適合する上顎基準義歯床又は上顎基準義歯、及び/又は下顎基準義歯床又は下顎基準義歯を選択する。このような基準義歯床の選択は、口腔サイズの計測を基に決定できる。口腔サイズを計測する方法は、公知の方法を用いることができるが、例えば、目視・触診による計測、印象用トレーの試適によるサイズの計測等が挙げられる。基準義歯床が選択された場合には、これらの選択された上顎基準義歯床及び下顎基準義歯床にそれぞれ人工歯が配列されて上顎基準義歯及び下顎基準義歯が作製される。さらに、上顎基準義歯及び下顎基準義歯には、それぞれデュロメータA硬さが55以下である裏装材を築盛されて患者の口腔形状に完全に適合される。人工歯の配列とデュロメータA硬さが55以下である裏装材の築盛とはどちらを先に行っても良い。次いで、患者の口腔に試適された後、咬合が調整される。これにより、患者の口腔形状に適合した義歯が作製される。
本実施例において適合率は、基準義歯床又は基準義歯を裏装後、形状の異なる20種類の無歯顎全顎模型に試適した際の適合する模型数の割合で評価した。なお、使用したデュロメータA硬さが55以下である裏装材の量は2.7g〜6.8gの範囲であり、各無歯顎全顎模型の形状に合わせた量を使用した。ただし、実施例、比較例の比較ができるように、同じ無歯顎全顎模型を使用した場合には、同じ量の硬質裏装材を使用した。
本実施例において配列時間は、参考例におけるオーダーメイドの義歯(従来法)を作製する場合に全歯列の人工歯を配列するのに要する時間を100%とし、各実施例の基準義歯床に人工歯を配列するのに要した時間の割合で評価した。
本実施例において咬合調整時間は、オーダーメイドの義歯(従来法)を作製する場合に咬合を調整するのに要する時間を100%とし、各実施例の基準義歯床に咬合を調整するのに要した時間の割合で評価した。
本実施例・比較例において、裏装材の柔軟性の指標であるデュロメータA硬さは、JIS−T6520(義歯床用長期弾性裏装材)に基づき、混和から24時間後の硬さを測定した。
本実施例・比較例において、咬合、咀嚼圧の衝撃を緩衝する指標(すなわち、疼痛低減の評価)は、tanδにより評価した。各実施例、比較例の裏装後の義歯について、繰返荷重負荷試験機(エレクトロパルス、インストロン社製)を用いて、最大負荷圧:13.6kg、最小負荷圧:0kg、周波数:1.2Hz、温度:37℃(水中)、サイクル:3000回の条件でtanδを測定した。この評価は、20種類の無歯顎全顎模型を使用して適合した義歯の評価を行い、その平均値を表2、3に記載した。このtanδは、衝撃を緩衝できる裏装材の量と比例の関係にあり、数値が大きいほど衝撃を緩衝することができ、結果として疼痛を低減できる。そのため、tanδはその数値が大きければ大きいほどよいが、0.01以上、より好ましくは0.03以上であれば、十分に衝撃を緩衝することができ、装着時の疼痛を低減できる。
本実施例・比較例に用いた裏装材は以下の通りである。
表1に示したオルガノポリシロキサンa 55質量部、オルガノポリシロキサンb37質量部、オルガノポリシロキサンc 2質量部、オルガノポリシロキサンd 6質量部、シリカ30質量部からなるペースト2
とからなり、使用時に混和して用いた。デュロメータA硬さ43であり、軟質裏装材に該当するものである。
表1に記載する形状の上顎基準義歯床を作製し、裏装材を裏装後、適合率、配列時間、咬合調整時間、デュロメータA硬さ、tanδを評価した。評価結果は表1に示した。なお、左側を代表値として示しているが、右側は左側と同じ値で作製した。
表2に記載する形状の下顎基準義歯床を作製し、裏装材を裏装後、適合率、配列時間、咬合調整時間、デュロメータA硬さ、tanδを評価した。評価結果は表2に示した。なお、左側を代表値として示しているが、右側は左側と同じ値で作製した。
11a・・・左右上顎中切歯の歯間部
12・・・上顎側切歯
13・・・上顎犬歯
14・・・上顎第一小臼歯
15・・・上顎第二小臼歯
16・・・上顎第一大臼歯
16a・・・上顎第一大臼歯の中心窩
17・・・上顎第二大臼歯
21・・・下顎中切歯
21a・・・左右下顎中切歯の歯間部
22・・・下顎側切歯
23・・・下顎犬歯
24・・・下顎第一小臼歯
25・・・下顎第二小臼歯
26・・・下顎第一大臼歯
26a・・・下顎第一大臼歯の中心窩
27・・・下顎第二大臼歯
50、53・・・右側頬側床縁
51、52・・・左側頬側床縁
100・・・上顎基準義歯床
101・・・人工歯
200・・・下顎基準義歯床
Claims (5)
- 少なくとも1歯以上の人工歯が予め配列されていてもよい上顎基準義歯床であって、
床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点を点Pとし、右側翼突上顎切痕に相当する点を点Qとし、唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点を点Oとし、線分PQの中点を点Mとし、点Oと点Pとを結ぶ線分OPを4等分する各点を、点O側から点P1、点P2、点P3とし、線分OP上の点P1、点P2及び点P3からの垂直線が左側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点D1、点D2及び点D3とし、点Oと点Qとを結ぶ線分OQを4等分する各点を、点O側から点Q1、点Q2、点Q3とし、線分OQ上の点Q1、点Q2及び点Q3からの垂直線が右側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点E1、点E2及び点E3とし、線分PQの長さを1とした場合、
線分OMの長さが0.76〜0.98であり、
線分P1D1及び線分Q1E1の長さがそれぞれ0.11〜0.36であり、
線分P2D2及び線分Q2E2の長さがそれぞれ0.19〜0.45であり、
線分P3D3及び線分Q3E3の長さがそれぞれ0.16〜0.45である
ことを特徴とする上顎基準義歯床と、
デュロメータA硬さが55以下である裏装材と、
からなる上顎義歯作製キット。 - 少なくとも1歯以上の人工歯が予め配列されていてもよい下顎基準義歯床であって、
床後縁の左側臼後隆起に相当する点を点pとし、右側臼後隆起に相当する点を点qとし、唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点を点oとし、線分pqの中点を点mとし、
点oと点pとを結ぶ線分opを4等分する各点を、点o側から点p1、点p2、点p3とし、線分op上の点p1、点p2及び点p3からの垂直線が左側頬側床縁と交わる点をそれぞれ点d1、点d2及び点d3とし、点oと点qとを結ぶ線分oqを4等分する各点を、点o側から点q1、点q2、点q3とし、線分oq上の点q1、点q2及び点q3からの垂直線が右側頬側床縁と交わる点を夫々点e1、点e2及び点e3とし、前記点p1、点p2及び点p3からの垂直線が舌側床縁と交わる点をそれぞれ点b1、点b2及び点b3とし、前記点q1、点q2及び点q3からの垂直線が舌側床縁と交わる点をそれぞれ点c1、点c2及び点c3とし、線分pqの長さを1とした場合、
線分omの長さが0.74〜0.94であり、
線分p1d1及び線分q1e1の長さがそれぞれ0.11〜0.32であり、
線分p2d2及び線分q2e2の長さがそれぞれ0.13〜0.34であり、
線分p3d3及び線分q3e3の長さがそれぞれ0.14〜0.33であり、
線分d1b1の長さは、0.14〜0.40で、且つ線分p1d1の長さより長く、
線分e1c1の長さは、0.14〜0.40で、且つ線分q1e1の長さより長く、
線分d2b2の長さは、0.19〜0.41で、且つ線分p2d2の長さより長く、
線分e2c2の長さは、0.19〜0.41で、且つ線分q2e2の長さより長く、
線分d3b3の長さは、0.21〜0.42で、且つ線分p3d3の長さより長く、
線分e3c3の長さは、0.21〜0.42で、且つ線分q3e3の長さより長い、
ことを特徴とする下顎基準義歯床と、
デュロメータA硬さが55以下である裏装材と、
からなる下顎義歯作製キット。 - 請求項1で用いた前記上顎基準義歯床、請求項2で用いた前記下顎基準義歯床、及びデュロメータA硬さが55以下である裏装材からなる義歯作製キット。
- 請求項1で用いた前記上顎基準義歯床であってサイズが異なる複数の上顎基準義歯床及び/又は、請求項2で用いた前記下顎基準義歯床であってサイズが異なる複数の下顎基準義歯床と、
デュロメータA硬さが55以下である裏装材と、からなる義歯作製キット。 - 請求項4に記載の義歯作製キットから、患者の口のサイズに適合する上顎基準義歯床及び/又は下顎基準義歯床を選択する工程と、
前記選択工程で選択した上顎基準義歯床及び/又は下顎基準義歯床に前記裏装材を築盛する工程と、
を有することを特徴とする義歯作製方法。
Priority Applications (10)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015167534A JP6595259B2 (ja) | 2015-08-27 | 2015-08-27 | 基準義歯床又は基準義歯、及び裏装材を含む義歯作製キット、並びに義歯作製方法 |
EA201890577A EA038190B1 (ru) | 2015-08-27 | 2016-08-26 | Стандартная зубная пластина, стандартный зубной протез, набор для изготовления зубного протеза и способ изготовления зубного протеза |
EP16839364.3A EP3342370B1 (en) | 2015-08-27 | 2016-08-26 | Reference dental plate, reference denture, denture fabrication kit and denture fabrication method |
BR112018003710A BR112018003710B8 (pt) | 2015-08-27 | 2016-08-26 | Placa dentária padrão maxilar, prótese dentária padrão maxilar, kit de fabricação de prótese dentária maxilar e método de fabricação de prótese dentária maxilar |
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