JP6928420B1 - 応急用義歯セット、応急用義歯装着キット及び義歯の装着方法 - Google Patents
応急用義歯セット、応急用義歯装着キット及び義歯の装着方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6928420B1 JP6928420B1 JP2021009299A JP2021009299A JP6928420B1 JP 6928420 B1 JP6928420 B1 JP 6928420B1 JP 2021009299 A JP2021009299 A JP 2021009299A JP 2021009299 A JP2021009299 A JP 2021009299A JP 6928420 B1 JP6928420 B1 JP 6928420B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- denture
- maxillary
- plane
- line segment
- occlusal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Dental Prosthetics (AREA)
Abstract
Description
被災者が義歯の紛失に気付くのは、気の動転が落ち着き避難所で初めて食べ物を口にする時と言われている。被災者に配給される固く冷えた非常食を歯の無い口腔内組織で摂食・嚥下する事は非常に困難であり、誤嚥などの二次被害の危険性もある。義歯を失った高齢者にとっては精神的にも苦痛となり生命維持にかかわる大きな問題である。
ここでは分かり易さのため、明細書、図面に付した参照符号を括弧書きで併せて記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上顎顎堤の左右側の翼突上顎切痕間の2点間を結ぶ寸法と、その中点から上顎顎堤における上唇小帯に相当する点までの寸法との関係を分析し、
下顎の顎堤の左右側の臼後隆起間の2点間を結ぶ寸法と、その中点から下唇小帯に相当する点までの寸法との関係を分析し、
更に、上顎の左右側の翼突上顎切痕間の2点間を結ぶ寸法に対する下顎の左右側の臼後隆起間の2点間を結ぶ寸法と、その中点から下唇小帯に相当する点までの寸法との関係を分析した。
その結果、上顎の左右側の翼突上顎切痕間の2点間を結ぶ寸法を基準とした場合に、上顎の左右側の翼突上顎切痕間の2点間を結ぶ線分の中点から上顎顎堤における上唇小帯に相当する点までの寸法と、下顎の左右側の臼後隆起間の2点間を結ぶ寸法、および下顎の左右側の臼後隆起間の2点間を結ぶ線分の中点から下唇小帯に相当する点までの寸法は、それぞれ一定の範囲内の比率である事が判った。
不特定多数の無歯顎患者に提供される上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)の応急用義歯セットであって、
仮想咬合平面をXY平面、前頭断面をYZ平面とする仮想XYZ直交座標系の空間中に上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)をそれぞれ表した場合、
上顎総義歯(UD)の唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点(UF)を座標(X=0mm、Y=0mm、Z=10mm)に配置し、
床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点(UL)と右側翼突上顎切痕に相当する点(UR)とを結ぶ線分(UL)(UR)はX軸に平行とし、且つ、Z=10mmとなるように上顎総義歯(UD)を配置したとき、
点(UF)と線分(UL)(UR)の中点(UM)とを結ぶ線分(UF)(UM)は線分(UL)(UR)と直交し、
線分(UL)(UR)の長さを1とした場合、
線分(UF)(UM)の長さは0.99〜1.21であり、
歯槽頂の正中に相当する点(UI)はX=0mmのYZ平面上にあり、上顎の歯槽頂線(UAC)は粘膜面の歯槽頂の正中に相当する点(UI)を頂点とし、左右両側の末端において点(UL)と点(UR)を通過する放物線であり、
歯槽頂線(UAC)をXY平面に投影した曲線(UAC´)は、
4次関数曲線Y = 0.000365067225374771 X4 + 0.000000000000005027 X3 + 0.006602158806514050 X2 − 0.000000000000602185 X + 10.620079242036700000を内側とし、
4次関数曲線Y = 0.000084193624284273 X4 − 0.000000000000001435 X3 + 0.007364651824203370 X2 + 0.000000000006894041 X + 0.621654266293923000を外側とする、
2つの曲線で囲まれた領域内にあり、
下顎総義歯(LD)の唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点(LF)を座標(X=0mm、Y=0mm、Z=-10mm)に配置し、
床後縁の左側臼後隆起に相当する点(LL)と床後縁の右側臼後隆起に相当する点(LR)とを結ぶ線分(LL)(LR)はX軸に平行とし、且つ、Z=0mmとなるように下顎総義歯(LD)を配置したとき、
座標(X=0mm、Y=0mm、Z=0mm)である原点(O)と線分(LL)(LR)の中点(LM)とを結ぶ線分(O)(LM)は線分(LL)(LR)と直交し、
歯槽頂の正中に相当する点(LI)はX=0mmのYZ平面上にあり、
線分(LL)(LR)の長さは0.98〜1.20であり、線分(O)(LM)の長さは1.00〜1.22であり、
下顎の歯槽頂線(LAC)は歯槽頂の正中に相当する点(LI)を頂点とし、左右両側の末端において点(LL)と点(LR)を通過する放物線であり、
歯槽頂線(LAC)をXY平面に投影した曲線(LAC´)は、
4次関数曲線Y = 0.000182687181633390 X4 ‐ 0.000000000000003459 X3 + 0.015225452311138400 X2 ‐ 0.000000000007804424 X + 11.853157192668200000を内側とし、
4次関数曲線Y = 0.000054738982573847 X4 ‐ 0.000000000000000214 X3 + 0.009466764450595130 X2 + 0.000000000006493472 X + 1.899966273448990000を外側とする、
2つの放物線で囲まれた領域内にあることを特徴とする。
咬合平面板(P)、上顎総義歯アダプター(A)、コネクター(C)、バイトアダプター(B)、歯科用エンジン(R)、歯科用研削材(M)、義歯床補填用材料(D)の4つの部材で構成され、このうち少なくとも
咬合平面板(P)は馬蹄形状の水平面(H)を備え、且つ、正中部に水平面(H)と前頭面に直交する面(V)を備え、水平面(H)の下面にコネクター(C)と接続するための凹凸形状の接続部を備え、
コネクター(C)は、上顎総義歯(UD)の仮想咬合平面と垂直な凹凸形状の接続部を両端に備え、上顎総義歯(UD)と咬合平面板(P)の水平面(H)が平行になるように、上顎総義歯アダプター(A)と接続し、
上顎総義歯アダプター(A)は、上面に上顎総義歯(UD)の人工歯部咬合面の陰型形状を備え、下面に上顎総義歯(UD)の仮想咬合平面を示す水平面(H)およびコネクター(C)と接続するための凹凸形状の接続部を正中に備え、仮想咬合平面を示す水平面(H)と、咬合平面板(P)の水平面(H)が平行になるように、上顎総義歯(UD)とコネクター(C)とを接続し、
バイトアダプター(B)は上面及び下面に凹形状を備え、凹形状は上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)の臼歯部を咬頭嵌合位で固定した状態の咬合面及び歯冠軸面の陰型が含まれることを特徴とする。
i)咬合平面板(P)、コネクター(C)、上顎総義歯アダプター(A)、上顎総義歯(UD)をそれぞれ接続して患者の口腔内に試適し、歯科用エンジン(R)、歯科用研削材(M)を用いて上顎顎堤と義歯床粘膜面の干渉部を除去し、患者の頭蓋と口腔内の上顎応急用義歯の位置関係を決定した後、上顎総義歯(UD)の粘膜面に義歯床補填用材料(D)を築盛し、咬合平面板(P)、コネクター(C)、上顎総義歯アダプター(A)が接続された上顎総義歯(UD)を口腔内に装着し、硬化させる。
ii)咬合平面板(P)、コネクター(C)、上顎総義歯アダプター(A)、上顎総義歯(UD)を口腔外に撤去した後に上顎総義歯(UD)から咬合平面板(P)、コネクター(C)、上顎総義歯アダプター(A)、を取り外し、上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)とをバイトアダプター(B)を用いて咬頭嵌合状態で固定し、患者の口腔内に試適し、歯科用エンジン(R)、歯科用研削材(M)を用いて下顎の顎堤と義歯床粘膜面の干渉部を除去する。
iii)バイトアダプター(B)により上顎総義歯(UD)と咬頭嵌合状態で固定された下顎総義歯(LD)の粘膜面に義歯床補填用材料(D)を築盛し、患者の口腔内に装着し、義歯床補填用材料(D)を硬化させ、患者の口腔内に装着する。
更に、本発明の応急的義歯装着キット、及びその装着方法により、従来の技工術式では必要な大掛かりな専用器材と、煩雑で熟練を要する技術を必要とせず、応急的義歯のセットをを適切な位置に誘導する事が可能となるため、被災により有床義歯を紛失、または破損した場合でも、即座に食物の経口摂取が可能となる。
(UF) 上顎の唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点
(UL) 床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点
(UR) 床後縁の右側翼突上顎切痕に相当する点
(UM) 線分(UL)(UR)の中点
(UI) 歯槽頂線の正中に相当する点
(UAC)上顎の歯槽頂線
(UI) 粘膜面の歯槽頂の正中に相当する点
(UAC´)上顎の歯槽頂線(UAC)をXY平面に投影した曲線
(LD) 下顎総義歯
(LF) 下顎総義歯(LD)の唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点
(LL) 床後縁の左側臼後隆起に相当する点
(LR) 床後縁の右側臼後隆起に相当する点
(O) 原点
(LAC)下顎の歯槽頂線
(LI) 下顎の歯槽頂線の正中に相当する点
(LAC´)下顎の歯槽頂線(LAC)をXY平面に投影した曲線
(P) 咬合平面板
(H) 咬合平面板の水平面
(V) 咬合平面板(P)の水平面(H)と前頭面に直交する面
(C) コネクター
(A) 上顎総義歯アダプター
(B) バイトアダプター
(D) 義歯床補填用材料
(E) 歯科用エンジン
(M) 歯科用研削材
上顎総義歯(UD)の要件を正確に規定するための配置条件として、
図1および図2に示すとおり、
上顎総義歯(UD)の唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点(UF)を座標(X=0mm、Y=0mm、Z=10mm)の位置に配置し、床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点(UL)と右側翼突上顎切痕に相当する点(UR)とを結ぶ線分(UL)(UR)はX軸に平行とし、且つ、Z=10mmとなるように上顎総義歯(UD)を配置する。
このとき、点(UF)と線分(UL)(UR)の中点(UM)とを結ぶ線分(UF)(UM)は線分(UL)(UR)と直交し、
線分(UL)(UR)の長さを1とした場合、線分(UF)(UM)の長さは0.99〜1.21であり、好ましくは1.05〜1.15である。
また、
歯槽頂の正中に相当する点(UI)はX=0mmのYZ平面上にあり、上顎の歯槽頂線(UAC)は粘膜面の歯槽頂の正中に相当する点(UI)を頂点とし、左右両側の末端において点(UL)と点(UR)を通過する放物線であり
歯槽頂線(UAC)をXY平面に投影した曲線(UAC´)は、
4次関数曲線
4次関数曲線Y = 0.000365067225374771 X4 + 0.000000000000005027 X3 + 0.006602158806514050 X2 − 0.000000000000602185 X + 10.620079242036700000を内側とし、
4次関数曲線Y = 0.000084193624284273 X4 − 0.000000000000001435 X3 + 0.007364651824203370 X2 + 0.000000000006894041 X + 0.621654266293923000を外側とする、2つの曲線で囲まれた領域内にあり、
好ましくは4次関数曲線
Y = 0.000256800114575489 X4 ‐ 0.000000000000001530 X3 + 0.007098935571168030 X2 + 0.000000000001095124 X + 8.619988640130100000を内側とし、4次関数曲線
Y = 0.000107480845712618 X4 ‐ 0.000000000000001648 X3 + 0.007450659330339000 X2 ‐ 0.000000000007983836 X + 2.620648547496890000
を外側とする、2つの曲線で囲まれた領域内である。
下顎総義歯(LD)の要件を正確に規定するための配置条件として、
図3および図4に示すとおり、下顎総義歯(LD)の唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点(LF)を座標(X=0mm、Y=0mm、Z=-10mm)位置に配置し、床後縁の左側臼後隆起に相当する点(LL)と床後縁の右側臼後隆起に相当する点(LR)とを結ぶ線分(LL)(LR)はX軸に平行とし、且つ、Z=0mmとなるように下顎総義歯(LD)を配置する。
このとき、
座標(X=0mm、Y=0mm、Z=0mm)である原点(O)と線分(LL)(LR)の中点(LM)とを結ぶ線分(OLM)は線分(LL)(LR)と直交し、歯槽頂の正中に相当する点(LI)はX=0mmのYZ平面上にあり、
前記上顎総義歯(UD)の線分(UL)(UR)の長さを1とした場合、
下顎総義歯(LD)の線分(LL)(LR)の長さは0.98〜1.20であり、線分(OLM)の長さは1.00〜1.22であり、好ましくは1.05〜1.16である。
また、下顎の歯槽頂線LACは歯槽頂の正中に相当する点(LI)を頂点とし、左右両側の末端において点(LL)と点(LR)を通過する放物線であり、歯槽頂線(LAC)をXY平面に投影した曲線(LAC´)は、
4次関数曲線Y = 0.000182687181633390 X4 ‐ 0.000000000000003459 X3 + 0.015225452311138400 X2 ‐ 0.000000000007804424 X + 11.853157192668200000を内側とし、
4次関数曲線Y = 0.000054738982573847 X4 ‐ 0.000000000000000214 X3 + 0.009466764450595130 X2 + 0.000000000006493472 X + 1.899966273448990000を外側とする、2つの放物線で囲まれた領域内にあり、
好ましくは4次関数曲線
Y = 0.000138221294545049 X4 ‐ 0.000000000000000564 X3 + 0.013362940766698100 X2 ‐ 0.000000000006100898 X + 9.865894873892510000を内側とし、4次関数曲線
Y = 0.000067371575050011 X4 ‐ 0.000000000000002066 X3 + 0.010151667250553200 X2 + 0.000000000000073719 X + 3.892832686409730000を外側とする、2つの放物線で囲まれた領域内である。
これにより、上顎、下顎共に不特定多数の無歯顎患者の口腔内で調和する上下顎の応急的義歯のセットが提供可能となるため、大掛かりな専用機材を必要とせず僅かな形態修正のみで即座に経口摂食の維持が可能となる。
ここで、応急用義歯キットは、請求項1に記載の上顎及び下顎の応急用義歯セットの他に、
咬合平面板(P)、上顎総義歯アダプター(A)、コネクター(C)、バイトアダプター(B)、義歯床補填用材料(D)、歯科用エンジン(R)、歯科用研削材(M)、の7つの部材で構成される。
咬合平面板(P)は馬蹄形状の水平面(H)を備え、且つ、正中部に水平面(H)と前頭面に直交する面(V)を備えるが、板の内側が人の頭蓋を十分覆うことが出来れば寸法は特に限定されるものではない。また、咬合平面板(P)状の水平面(H)の下面にはコネクター(C)と相互に接続するための凹凸形状の接続部を備える。
上顎総義歯アダプター(A)は、上面に上顎総義歯(UD)の人工歯部咬合面の陰型形状を備え、下面の一部または全部が平面であり、上顎総義歯(UD)の仮想咬合平面を示す。
上面に上顎総義歯(UD)の人工歯部咬合面の陰型形状を備えることで機械的に結合させることが可能となる。また、水平面(H)およびコネクター(C)と接続するための凹凸形状の接続部は上顎総義歯(UD)のの正中に備える。
コネクター(C)は、上顎総義歯(UD)の仮想咬合平面と垂直な凹凸形状の接続部を両端に備える。
ここで、コネクター(C)の接続部の凹凸形状の位置や断面形状、寸法は特に限定されるものでは無いが、例えば図で示すように咬合平面板(P)と接続する側の接続部は断面が円柱状の凸形状とし、もう一方の端部は貫通孔の凹形状とし、上顎総義歯アダプター(A)の接続部を凸としてもよい。
接続部の断面を円柱形状とすることで、咬合平面板(P)と上顎総義歯(UD)との水平的な位置関係は固定すると同時に、回転方向については口腔内の顎堤形状に合わせて微調整することが可能となる。また円柱断面の一部に平面を設けD型形状とすることで回転移動も制止することが可能であり、接続部の断面形状は必要に応じて適宜選択すればよい。
咬合平面板(P)、および上顎総義歯アダプター(A)が前記コネクター(C)の接続部に対応した凹凸形状であることにより、仮想咬合平面を示す水平面(H)と、咬合平面板(P)の水平面(H)が平行になるように、上顎総義歯(UD)とコネクター(C)とを接続することが可能となる。
バイトアダプター(B)は上面及び下面に凹形状を備え、凹形状は上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)の臼歯部を咬頭嵌合位で固定した状態の咬合面と歯冠軸面の一部を含む歯冠形状の陰型が含まれる。これにより応急用義歯セットを口腔内に装着する際に、上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)の位置関係を適切な状態で固定する事が可能となる。
ここで、咬合平面板(P)、コネクター(C)、上顎総義歯アダプター(A)、上顎総義歯(UD)をそれぞれ接続して患者の口腔内に指摘している状態を前頭面及び側頭面から示したものである。
ここで、前記のとおりコネクター(C)は咬合平面板(P)と上顎総義歯(UD)の仮想咬合平面が平行となるように上顎総義歯アダプター(A)と接続しており、頭蓋に対する咬合平面板(P)の位置関係を確認する事で、口腔内にある上顎総義歯(UD)の頭蓋に対する位置関係を把握し、決定することが出来る。試適の段階で上顎総義歯(UD)と上顎の顎堤が干渉する場合は、前記の歯科用エンジン(R)及び歯科用研削材(M)を用いて干渉する部分を取り除いておく。次に、上顎総義歯(UD)の粘膜面に義歯床補填用材料(D)を築盛し、咬合平面板(P)、コネクター(C)、上顎総義歯アダプター(A)にそれぞれ接続した状態の上顎総義歯(UD)を口腔内に挿入し、頭蓋と咬合平面板(P)の位置関係を確認しながら義歯床補填用材料(D)の硬化を待つ。
この操作により、上顎総義歯(UD)が患者の頭蓋に対して適切な位置で固定する事が可能となる。
上顎総義歯(UD)に築盛した義歯床補填用材料(D)が硬化した後、咬合平面板(P)、コネクター(C)、上顎総義歯アダプター(A)、上顎総義歯(UD)を口腔外に撤去する。
次に上顎総義歯(UD)から咬合平面板(P)、コネクター(C)、上顎総義歯アダプター(A)、を取り外し、上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)とをバイトアダプター(B)を用いて咬頭嵌合状態で固定し、患者の口腔内に試適する。試適の段階で下顎総義歯(LD)と下顎の顎堤が干渉する場合は、前記の歯科用エンジン(R)及び歯科用研削材(M)を用いて干渉する部分を取り除いておく。次に、バイトアダプター(B)により上顎総義歯(UD)と咬頭嵌合状態で固定された下顎総義歯(LD)の粘膜面に義歯床補填用材料(D)を築盛し、患者の口腔内に装着し、義歯床補填用材料(D)を硬化させ、患者の口腔内に装着する。下顎総義歯(LD)に築盛した義歯床補填用材料(D)が硬化した後、バイトアダプター(B)を口腔外に撤去し、必要に応じて上顎総義歯(UD)、下顎総義歯(LD)それぞれの義歯床補填用材料(D)との界面を形態修正し、義歯を完成させる。
バイトアダプター(B)で固定することにより、上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)の位置関係を適切な状態で固定する事が可能となる。
Claims (2)
- 不特定多数の無歯顎患者に提供される上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)の応急用義歯セットであって、
仮想咬合平面をXY平面、前頭断面をYZ平面とする仮想XYZ直交座標系の空間中に上顎総義歯(UD)と下顎総義歯(LD)をそれぞれ表した場合、
上顎総義歯(UD)の唇側床縁の正中にあたる上唇小帯に相当する点(UF)を座標(X=0mm、Y=0mm、Z=10mm)に配置し、
床後縁の左側翼突上顎切痕に相当する点(UL)と右側翼突上顎切痕に相当する点(UR)とを結ぶ線分(UL)(UR)はX軸に平行とし、且つ、Z=10mmとなるように上顎総義歯(UD)を配置したとき、
点(UF)と線分(UL)(UR)の中点(UM)とを結ぶ線分(UF)(UM)は線分(UL)(UR)と直交し、
線分(UL)(UR)の長さを1とした場合、
線分(UF)(UM)の長さは0.99〜1.21であり、
歯槽頂の正中に相当する点(UI)はX=0mmのYZ平面上にあり、上顎の歯槽頂線(UAC)は粘膜面の歯槽頂の正中に相当する点(UI)を頂点とし、左右両側の末端において点(UL)と点(UR)を通過する放物線であり、
歯槽頂線(UAC)をXY平面に投影した曲線(UAC´)は、
4次関数曲線Y = 0.000365067225374771 X4 + 0.000000000000005027 X3 + 0.006602158806514050 X2 − 0.000000000000602185 X + 10.620079242036700000を内側とし、
4次関数曲線Y = 0.000084193624284273 X4 − 0.000000000000001435 X3 + 0.007364651824203370 X2 + 0.000000000006894041 X + 0.621654266293923000を外側とする、
2つの曲線で囲まれた領域内にあり、
下顎総義歯(LD)の唇側床縁の正中にあたる下唇小帯に相当する点(LF)を座標(X=0mm、Y=0mm、Z=-10mm)に配置し、
床後縁の左側臼後隆起に相当する点(LL)と床後縁の右側臼後隆起に相当する点(LR)とを結ぶ線分(LL)(LR)はX軸に平行とし、且つ、Z=0mmとなるように下顎総義歯(LD)を配置したとき、
座標(X=0mm、Y=0mm、Z=0mm)である原点(O)と線分(LL)(LR)の中点(LM)とを結ぶ線分(O)(LM)は線分(LL)(LR)と直交し、
歯槽頂の正中に相当する点(LI)はX=0mmのYZ平面上にあり、
線分(LL)(LR)の長さは0.98〜1.20であり、線分(O)(LM)の長さは1.00〜1.22であり、
下顎の歯槽頂線(LAC)は歯槽頂の正中に相当する点(LI)を頂点とし、左右両側の末端において点(LL)と点(LR)を通過する放物線であり、
歯槽頂線(LAC)をXY平面に投影した曲線(LAC´)は、
4次関数曲線Y = 0.000182687181633390 X4 ‐ 0.000000000000003459 X3 + 0.015225452311138400 X2 ‐ 0.000000000007804424 X + 11.853157192668200000を内側とし、
4次関数曲線Y = 0.000054738982573847 X4 ‐ 0.000000000000000214 X3 + 0.009466764450595130 X2 + 0.000000000006493472 X + 1.899966273448990000を外側とする、
2つの放物線で囲まれた領域内にあることを特徴とする、応急用義歯セット。 - 咬合平面板(P)、上顎総義歯アダプター(A)、コネクター(C)、バイトアダプター(B)、歯科用エンジン(R)、歯科用研削材(M)、義歯床補填用材料(D)の7つの部材で構成され、このうち少なくとも
咬合平面板(P)は馬蹄形状の水平面(H)を備え、且つ、正中部に水平面(H)と前頭面に直交する面(V)を備え、水平面(H)の下面にコネクター(C)と接続するための凹凸形状の接続部を備え、
コネクター(C)は、前記上顎総義歯(UD)の仮想咬合平面と垂直な凹凸形状の接続部を両端に備え、前記上顎総義歯(UD)と咬合平面板(P)の水平面(H)が平行になるように、上顎総義歯アダプター(A)と接続し、
上顎総義歯アダプター(A)は、上面に前記上顎総義歯(UD)の人工歯部咬合面の陰型形状を備え、下面に前記上顎総義歯(UD)の仮想咬合平面を示す水平面(H)およびコネクター(C)と接続するための凹凸形状の接続部を正中に備え、仮想咬合平面を示す水平面(H)と、咬合平面板(P)の水平面(H)が平行になるように、前記上顎総義歯(UD)とコネクター(C)とを接続し、
バイトアダプター(B)は上面及び下面に凹形状を備え、凹形状は前記上顎総義歯(UD)と前記下顎総義歯(LD)の臼歯部を咬頭嵌合位で固定した状態の咬合面及び歯冠軸面の陰型が含まれることを特徴とする、
請求項1の応急用義歯セットを簡便に患者に提供するための応急用義歯装着キット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021009299A JP6928420B1 (ja) | 2021-01-25 | 2021-01-25 | 応急用義歯セット、応急用義歯装着キット及び義歯の装着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021009299A JP6928420B1 (ja) | 2021-01-25 | 2021-01-25 | 応急用義歯セット、応急用義歯装着キット及び義歯の装着方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6928420B1 true JP6928420B1 (ja) | 2021-09-01 |
JP2022113228A JP2022113228A (ja) | 2022-08-04 |
Family
ID=77456305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021009299A Active JP6928420B1 (ja) | 2021-01-25 | 2021-01-25 | 応急用義歯セット、応急用義歯装着キット及び義歯の装着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6928420B1 (ja) |
Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5883953A (ja) * | 1981-11-13 | 1983-05-19 | 村田 富男 | 金属板圧印義歯床用予備成形プレ−ト |
JPH10225469A (ja) * | 1997-02-13 | 1998-08-25 | Seiji Shimamura | 人工歯及びその人工歯を用いた総義歯人工歯配列方法 |
US20100075279A1 (en) * | 2008-09-25 | 2010-03-25 | Phillip Phung-I HO | Dental impression tray and method of using the same |
JP2017042394A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 株式会社トクヤマデンタル | 基準義歯床又は基準義歯、及び硬質裏装材を含む義歯作製キット、並びに義歯作製方法 |
WO2018207867A1 (ja) * | 2017-05-10 | 2018-11-15 | 株式会社トクヤマデンタル | 基準義歯用位置合せ冶具、義歯作製キット、及びこれらを用いる義歯作製方法 |
JP2018196535A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | 株式会社トクヤマデンタル | 基準義歯床、基準義歯、部分床義歯作製キット及び部分床義歯作製方法 |
JP2019063264A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 医療法人社団誠秀会 | 仮総義歯及び簡易総義歯の作製方法 |
WO2020070925A1 (ja) * | 2018-10-03 | 2020-04-09 | 株式会社ジーシー | 試適義歯、試適義歯作製プログラム、及び義歯作製方法 |
-
2021
- 2021-01-25 JP JP2021009299A patent/JP6928420B1/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5883953A (ja) * | 1981-11-13 | 1983-05-19 | 村田 富男 | 金属板圧印義歯床用予備成形プレ−ト |
JPH10225469A (ja) * | 1997-02-13 | 1998-08-25 | Seiji Shimamura | 人工歯及びその人工歯を用いた総義歯人工歯配列方法 |
US20100075279A1 (en) * | 2008-09-25 | 2010-03-25 | Phillip Phung-I HO | Dental impression tray and method of using the same |
JP2017042394A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-03-02 | 株式会社トクヤマデンタル | 基準義歯床又は基準義歯、及び硬質裏装材を含む義歯作製キット、並びに義歯作製方法 |
WO2018207867A1 (ja) * | 2017-05-10 | 2018-11-15 | 株式会社トクヤマデンタル | 基準義歯用位置合せ冶具、義歯作製キット、及びこれらを用いる義歯作製方法 |
JP2018196535A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | 株式会社トクヤマデンタル | 基準義歯床、基準義歯、部分床義歯作製キット及び部分床義歯作製方法 |
JP2019063264A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | 医療法人社団誠秀会 | 仮総義歯及び簡易総義歯の作製方法 |
WO2020070925A1 (ja) * | 2018-10-03 | 2020-04-09 | 株式会社ジーシー | 試適義歯、試適義歯作製プログラム、及び義歯作製方法 |
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
YASUI, MASANORI ET AL.: "New Morphometric Method of Dental and Alveolar Basal Arch", BULLETIN OF KANAGAWA DENTAL COLLEGE, vol. 第35巻、第2号, JPN6021019732, September 2007 (2007-09-01), pages 151 - 157, ISSN: 0004516768 * |
小林 俊三, 丸井 昌夫, 野村 順之助: "無歯顎歯槽弓の大きさ, およびその形態について", 日本補綴歯科学会雑誌, vol. 第2巻、第1号, JPN6021030281, 1 May 1958 (1958-05-01), JP, pages 49 - 54, ISSN: 0004564988 * |
水野 克弥: "歯列弓曲線, 歯槽弓曲線, 無歯顎堤弓曲線の解析結果に関する比較研究", 日本補綴歯科学会雑誌, vol. 第3巻、第1号, JPN6021030280, 1959, JP, pages 56 - 80, ISSN: 0004564989 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022113228A (ja) | 2022-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US11284976B2 (en) | Artificial teeth set including mandibular coupled artificial teeth having an arch shape and maxillary coupled artificial teeth having an arch shape | |
EP3939539B1 (en) | Partially connected full denture having an adjustable dental arch and occlusion curvature | |
EP2654608B1 (en) | Modeling the superstructure for a denture | |
US8403669B2 (en) | Artificial tooth | |
AU713845B2 (en) | Customized dental abutment | |
JP6928420B1 (ja) | 応急用義歯セット、応急用義歯装着キット及び義歯の装着方法 | |
US20060286502A1 (en) | Teeth indexing device | |
JP4495244B2 (ja) | 人工臼歯 | |
US20220096217A1 (en) | Array device, array method, and manufacturing method of array device | |
CN213552514U (zh) | 牙科种植修复的覆盖义齿桥架 | |
JP3198037U (ja) | 総義歯口腔再建装置 | |
CN116350371B (zh) | 一种吸附性义齿的咬合关系重塑方法及3d打印方法 | |
WO2021046629A1 (en) | Custom abutment system for a dental implant and a dental prosthesis | |
RU2771425C1 (ru) | Ортопедический маяк игоря мяскивкера для регистрации прикуса | |
CN211863019U (zh) | 一种微创拔除埋伏多生牙术中定位器 | |
RU216882U1 (ru) | Устройство для восстановления малых включенных дефектов зубных рядов | |
RU2280421C2 (ru) | Способ изготовления временных несъемных протезов | |
Patel et al. | Rehabilitation of long span partially edentulous arch using clasplesscast partial denture and precesion attachment-an aesthetic approach: case series | |
RU2255705C1 (ru) | Способ изготовления несъемных зубных протезов | |
Shetty et al. | Prosthetic Management of a Posterior Ridge Defect Case with Fixed Removable Type of Hybrid Prosthesis--A Case Report. | |
Alshoubaki et al. | Overview on Steps of Complete Dentures: A Review | |
Sajjanar et al. | Custom Made Ball Attachment in Maxillary Tooth Suppported Overdenture and Neutral Zone in Compromised Mandibular Edentulous Arch–A Case Report | |
Bahri et al. | A Simplified Technique to Fabricate Hollow Obturator Using Light-curing Resin with Cheek Plumpers Using Functional Impression Technique: A Clinical Report | |
US20080038695A1 (en) | Treatment prostheses for edentulous dental patients | |
JPH0731629A (ja) | 有床義歯の設計方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210125 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210407 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210407 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20210430 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210527 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210625 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210805 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210805 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6928420 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R157 | Certificate of patent or utility model (correction) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157 |