JP6594613B2 - コンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の製造方法に関し、特に、打設済みコンクリートに新設コンクリートを打継いでコンクリート構造物を製造する製造方法に関する。
例えば、スラブ上にコンクリート壁を設けてコンクリート構造物を構築する場合、既設コンクリートからなるスラブ上に新設コンクリートをそのまま打継いで壁を形成すると、新設された壁が既設コンクリートにより打継ぎ部で拘束されている状態でセメントの水和熱や収縮により新設コンクリートの体積が変化することから、新設した壁にひび割れが発生してしまうことがある。そこで、このようなひび割れを防止又は抑制するため、例えば水和熱の小さいセメントを使用して温度上昇を抑制したり、熱膨張係数の小さい材料を使用して収縮ひずみを補償したりすることが提案されている。また、打設済みコンクリートの打継ぎ部に凝結遅延材入りのモルタルを敷設してから新設コンクリートを打継いで応力を低減することも提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開昭61−221455号公報
凝結遅延材入りの凝結遅延モルタルを敷設してから新設コンクリートを打継いで応力を低減する方法では、新設コンクリートを打継ぐ際に打設済みコンクリートと新設コンクリートとの間の打継ぎ部に縁切り材として凝結遅延モルタルが確実に配置されている必要がある。しかしながら、実際の施工現場では、打設済みコンクリートの上に型枠が既に構築されている場合が多く、新設コンクリートの打設を比較的高い位置から行う必要がある。
このように凝結遅延モルタルに対して新設コンクリートを高い位置から打ち重ねる場合、コンクリートの打込み圧および自重により、凝結遅延モルタルが本来位置すべき打継ぎ部から逸散してしまう。その結果、打設済みコンクリートと新設コンクリートとの間の拘束応力を低減できなくなってしまい、新設コンクリートにおけるひび割れの発生を十分に抑制することが難しくなってしまう場合があった。
そこで、本発明の課題は、ひび割れの発生を十分に抑制することができるコンクリート構造物の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究を重ね、例えば特願2013−258399号の特許出願に示すように、打継ぎ部に網状部材を設置して凝結遅延モルタル等の逸散を抑制するといったことを考え出した。この網状部材を用いる発明でも凝結遅延モルタル等の逸散を十分に抑制できるが、本発明者らは更に研究を重ね、網状部材を用いずとも実際の施工現場で凝結遅延モルタル等の逸散を抑制できる方法について検討を続けた。そして、本発明者らによれば、凝結遅延モルタルの貫入抵抗値が所定の範囲内にあれば、新設コンクリートをある程度の高さから打継ぎ部に打ち込んだとしても凝結遅延モルタルが逸散しないとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
即ち、上記課題を解決するため、本発明に係る製造方法は、打設済みコンクリートに新設コンクリートを打継いでコンクリート構造物を製造する製造方法であって、打設済みコンクリートの打継ぎ部に、新設コンクリートの硬化時間よりも長い凝結時間を有する凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートを敷設する工程と、敷設した凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートの貫入抵抗値が所定の抵抗値範囲になった場合に打継ぎ部に新設コンクリートを打ち込む工程とを備え、この所定の抵抗値範囲は、貫入抵抗値が0.1N/mm以上であることを特徴としている。
このコンクリート構造物の製造方法では、敷設した凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートの貫入抵抗値が0.1N/mm以上となった段階で新設コンクリートを打ち込んでいる。本発明者らの研究によれば、凝結遅延モルタル等では、例えば材齢2〜3日程度で貫入抵抗がある程度の硬さになり、このような貫入抵抗値であれば、新設コンクリートを一般的な高さ(例えば1.5mm)から打ち込んだとしても、凝結遅延モルタル等が逸散しない。このように、本発明に係る製造方法によれば、ある程度硬化した凝結遅延モルタル等が打設済みコンクリートと新設コンクリートとの間で発生する拘束応力の低減を図ることができるので、新設コンクリートにおけるひび割れの発生を十分に抑制することが可能となる(図3参照)。しかも、凝結遅延モルタル等がかかる硬さになるには数日程度であり、実際の施工現場で実施することが十分に可能である。更に、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、網状部材等を新たに必要としないため、コストを抑えることも可能となる。
上記のコンクリート構造物の製造方法は、敷設した凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートの貫入抵抗値を測定する工程を更に備え、新設コンクリートを打ち込む工程は、測定する工程で測定した貫入抵抗値が所定の抵抗値範囲内になった場合に行われることが好ましい。この場合、凝結遅延モルタル等の硬さを確実に測定した後に新設コンクリートを打ち込むことができるので、凝結遅延モルタル等の逸散をより確実に防止することができる。
また、上記のコンクリート構造物の製造方法は、敷設予定の凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートの配合に応じた硬化速度を予め測定すると共に、当該硬化速度に基づいて敷設予定の凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートの貫入抵抗値が所定の抵抗値範囲となる打込み経過時間を予測する工程を更に備え、新設コンクリートを打ち込む工程は、予測する工程で予測した打込み経過時間後に行われるようにしてもよい。この場合、施工現場において、凝結遅延モルタル等の硬度をその都度測定しなくてもよくなるため、作業を簡素化することができる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、新設コンクリートを打ち込む工程における新設コンクリートの許容打ち込み高さが0m以上1.5m以下であってもよい。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、所定の抵抗値範囲は、貫入抵抗値が3.5N/mm未満であることが好ましい。この場合、凝結遅延モルタル等を縁切り材として確実に機能させることができる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、敷設した凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートの厚みは、15mm以上50mm以下であってもよい。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、凝結遅延モルタルのフロー値は100mm以上350mm以下であることが好ましい。凝結遅延モルタルのフロー値がこの範囲にある場合、打継ぎ部の全体に対して凝結遅延モルタルを容易に自己充填させることができ、また、凝結遅延モルタルの上に新設コンクリートが打ち重ねられた際やバイブレータをかけた際に凝結遅延モルタルが飛散する程度を抑制することができる。これにより、新設コンクリートにおけるひび割れをより一層抑制することが可能となる。
本発明によれば、ひび割れの発生を十分に抑制することができるコンクリート構造物の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る新設コンクリートの打継ぎ方法を説明するための模式断面図である。 本実施形態に係る打継ぎ方法での貫入抵抗値を測定している状態を示す写真である。 本実施形態に係る打継ぎ方法と一般的な打継ぎ方法との比較を示す模式図である。 一般的なモルタルと凝結遅延モルタルの貫入抵抗値の材齢(日)に応じた変化を示すグラフである。 図4のグラフに示す一般的なモルタルの貫入抵抗値の材齢(日)に応じた変化のうち、最初の1日の変化を拡大して示すグラフである。 図4のグラフに示す凝結遅延モルタルの貫入抵抗値の材齢(日)に応じた変化のうち、最初の5日の変化を拡大して示すグラフである。 実施例に係る新設コンクリートの打継ぎ方法を示す斜視図である。 凝結遅延モルタルの貫入抵抗値が所定値以上になった後にコンクリートを打ち込んだ状態を示し、(a)は全体を示し、(b)はその一部を拡大した状態を示す。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法について説明する。
図1は、本実施形態に係る新設コンクリートの打継ぎ方法を説明するための模式断面図である。既設コンクリート1(打設済みコンクリート)に新設コンクリート6を打ち継いでコンクリート構造物10を製造するには、まず、図1の(a)に示されるように、既設コンクリート1の上面の所定の位置に型枠2,3を設置する。その後、打継ぎ部に凝結遅延モルタル4を流し込んで敷設する。この敷設は、凝結遅延モルタル4が打継ぎ部全体に行き渡るまで行う。敷設される凝結遅延モルタル4の厚みは、例えば15mm以上50mm以下となっている。
ここで用いる凝結遅延モルタル4は、例えば、水、ポルトランドセメント、微粒分量が1質量%以下の細骨材、および凝結遅延剤を含有し、後述する新設コンクリート6の硬化時間よりも長い凝結期間(凝結時間)を有するモルタル材料であり、例えば凝結期間を硬化時間よりも5〜90日遅延させるように調製された材料である。凝結遅延モルタル4は、より好ましくは、凝結期間を新設コンクリート6の硬化時間よりも7〜28日遅延させるように調製された材料である。ここでいう「凝結」とは、モルタルに対して振動を付与しても動かない状態である始発ではなく、モルタルが固まり始めた終結を意味する。このような凝結遅延モルタル4は、例えば図4〜図6に示すように、一般のモルタルに比べ、硬くなる(貫入抵抗値が高くなる)にはより多くの材齢が必要となる。具体的には、例えば一般モルタルでは材齢1日で貫入抵抗値が25N/mmを超えるほど硬くなるのに対し、凝結遅延モルタルでは、貫入抵抗値が25N/mmを超えるほど硬くなるのに90日ほどかかる。
凝結遅延モルタル4において、ポルトランドセメントの含有量(質量)に対する水の含有量(質量)の割合(水セメント比 W/C(%))は、30〜60%であることが好ましい。また、凝結遅延モルタル4に含まれる凝結遅延剤としては、例えば、オキシカルボン酸塩が挙げられる。凝結遅延剤がオキシカルボン酸塩であるとき、細骨材の微粒分量を1質量%以下とすることにより、凝結遅延効果及び凝結期間のばらつき抑制の効果を顕著に奏することができる。
オキシカルボン酸塩としては、例えば、グルコン酸,グルコヘプトン酸,クエン酸,酒石酸等を凝結遅延剤として好適に用いることができる。これらのオキシカルボン酸塩は、所望の凝結期間に応じて適宜選択することができる。また、凝結遅延剤の配合量は、所望の凝結期間に応じて適宜調整することができ、例えば、ポルトランドセメント100質量部に対して0.2〜4.0質量部であり、より好ましくは1.0〜2.0質量部である。凝結遅延剤の配合量を上記範囲とすることで、凝結期間のばらつきを一層顕著に抑制することができる。
本実施形態に係る凝結遅延モルタル4は、増粘剤をさらに含有していてもよい。凝結遅延効果が一層顕著に得られる観点からは、本実施形態に係る凝結遅延モルタル4は、増粘剤としてポリサッカライド系増粘剤を含有することが好ましい。ポリサッカライド系増粘剤としては、例えば、ウェランガム、ダイユータンガム、キサンタンガム、ジェランガム等を好適に用いることができる。
増粘剤の配合量は、所望の流動性に応じて適宜調整することができ、例えば、ポルトランドセメント100質量部に対して0.1〜1.0質量部であり、より好ましくは0.1〜0.5質量部である。増粘剤の配合量を上記範囲とすることで、凝結期間のばらつきを一層顕著に抑制することができる。
また、凝結遅延モルタル4のフロー値は、例えば、打撃が無い状態で100〜350mmであることが好ましい。モルタルのフロー値は、JIS R 5201に準拠して測定される値である。モルタルのフロー値は、例えば水セメント比、単位水量、細骨材量、混和剤添加量を変更することで調整できる。
以上のような凝結遅延モルタル4の打継ぎ部への敷設が終了すると、凝結遅延モルタル4が自立できる程度の硬さになるまで、新設コンクリート6の打ち込みを数日待機する。この自立できる程度の硬さとして、凝結遅延モルタル4の貫入抵抗値が0.1N/mm以上であると、凝結遅延モルタル4が好適に自立する。凝結遅延モルタル4の貫入抵抗値(N/mm)を測定するには、図1の(b)に示すように、土壌硬度計5などの貫入抵抗値測定装置を、敷設後で少し硬化した凝結遅延モルタル4に押し当ててその抵抗を測定する(図2参照)。上記で説明したような凝結遅延モルタル4の場合、図6に示すように、例えば材齢3日程度で貫入抵抗値が約0.13N/mm程度まで硬くなる。なお、上述した「貫入抵抗値」は、例えば、山中式土壌硬度計(藤原製作所株式会社製)や、JIS A 1147に基づいて測定することができる。
続いて、敷設した凝結遅延モルタル4の貫入抵抗値が上述したような所定の抵抗値範囲になった場合、図1の(c)に示すように、凝結遅延モルタル4が配置されている打継ぎ部に新設コンクリート6を打ち込む。ここで用いるコンクリートは一般的なコンクリートを適宜用いることができるため詳細な説明は省略する。そして、所定量の新設コンクリート6の打ち込みが終了して硬化が進むと、図1の(d)に示すように、型枠2,3を取り外して、新設コンクリート7の養生等を実施する。所定の養生が終了すると、コンクリート構造物10が完成する。
ここで、一般的な製造方法で製造されたコンクリート構造物10aの打継ぎ部における拘束応力が、上述した製造方法によって製造されたコンクリート構造物10の打継ぎ部において低減される理由について、図3を参照して説明する。図3の(a)は、一般的な製造方法で製造されるコンクリート構造物10aの側面図及びその断面図を示し、図3の(b)は、本実施形態に係る製造方法で製造されるコンクリート構造物10の側面図及びその断面図を示す。
図3の(a)に示すように、一般的な製造方法で製造されるコンクリート構造物10aでは、既設コンクリート1aの上面に位置する打継ぎ部に新設コンクリート7aを直接打ち込むため、打設された新設コンクリート7aが内部方向へ収縮する際、打継ぎ部付近において既設コンクリート1aにより拘束応力が発生する。このため、新設コンクリートの打継ぎ部を起点として、ひび割れ8aが発生することがある。
一方、図3の(b)に示すように、本実施形態に係る製造方法で製造されるコンクリート構造物10では、既設コンクリート1と新設コンクリート7との間に凝結遅延モルタル4が配置されているため、新設コンクリート7が内部方向に収縮した際も凝結遅延モルタル4が未だ凝結しておらず、既設コンクリート1による拘束応力が新設コンクリート7へ影響することがない。これにより、コンクリート構造物10では、打継ぎ部を起点として、ひび割れが発生することが抑制される。
以上、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、敷設した凝結遅延モルタル4の貫入抵抗値が0.1N/mm以上となった段階で新設コンクリート6を打ち込んでいる。本発明者らの検討によれば、凝結遅延モルタル4では、例えば材齢が3日程度で貫入抵抗がある程度の硬さになり、このような貫入抵抗値であれば、新設コンクリート6を一般的な高さ(例えば0m以上1.5m以下)から打ち込んだとしても、凝結遅延モルタル4が逸散しない。一方、凝結遅延モルタル4の貫入抵抗値が3.5N/mm未満であれば、凝結遅延モルタル4が完全な凝結までには至っていない。このため、上述した製造方法によれば、ある程度硬化した(自立した)凝結遅延モルタル4が既設コンクリート1と新設コンクリート6との間に確実に残置し、これらコンクリート1,6間に発生する拘束応力の低減を図ることができ、これにより、新設コンクリート6におけるひび割れの発生を十分に抑制することが可能となる。
しかも、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、凝結遅延モルタル4がかかる硬さになるには通常3日程度であり、実際の施工現場で実施することが十分に可能である。更に、このコンクリート構造物の製造方法によれば、網状部材等の新たな部材を必要としないため、コストを抑えることも可能となるし、製造されるコンクリート構造物中に網状部材等を残置しなくてもよくなる。
また、本実施形態に係る製造方法は、敷設した凝結遅延モルタル4の貫入抵抗値を測定する工程を更に備えており、新設コンクリート6を打ち込む工程は、測定した貫入抵抗値が所定の抵抗値範囲内(例えば1N/mm以上3.5N/mm未満)になった場合に行われる。このため、凝結遅延モルタル4等の硬さを確実に測定した後に新設コンクリート6を打ち込むことができるので、凝結遅延モルタル等の逸散をより確実に防止することができる。
また、本実施形態に係る製造方法では、打継ぎ部に敷設される凝結遅延モルタル4のフロー値が100mm以上350mm以下である。この場合、打継ぎ部の全体に対して凝結遅延モルタル4を容易に自己充填させることができ、また、凝結遅延モルタル4の上に新設コンクリート6が打ち重ねられた際や締固めのためにバイブレータをかけた際に凝結遅延モルタル4が飛散する程度を抑制することができる。これにより、新設コンクリート7におけるひび割れをより一層抑制することが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な実施形態に適用できる。例えば、上記実施形態では、縁切り材として凝結遅延モルタルを用いた例を示したが、既設コンクリート1と新設コンクリート6との間で発生する拘束応力を低減できるようであれば、凝結遅延コンクリートを用いてもよい。また、上記実施形態では、凝結遅延モルタル4等の貫入抵抗値をその都度測定する例を示したが、敷設予定の凝結遅延モルタル4(又は凝結遅延コンクリート)の配合に応じた硬化速度を予め測定し、測定した硬化速度に基づいて敷設予定の凝結遅延モルタル4等の貫入抵抗値が所定の抵抗値範囲(例えば1N/mm以上3.5N/mm未満)となる打込み経過時間を予測し、この予測した打込み経過時間後に貫入抵抗値を測定することなく新設コンクリート6を打ち込むようにしてもよい。この場合、施工現場において、凝結遅延モルタル4等の硬さ(貫入抵抗値)をその都度測定しなくてもよくなるため、敷設作業をより簡素化することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例では、縁切り材として用いる凝結遅延モルタルが所定の貫入抵抗値の場合、逸散しないか否かについて検討した。
まず、図7に示すように、幅W1が380mm、長さLが525mm、高さH1が300mmのプラスチック容器を用意した。続いて、実施例として、プラスチック容器の底部に凝結遅延モルタルを4リットル流し込み、所定の厚み(20mm)となるようにした。
実施例で用いた凝結遅延モルタルは、水、ポルトランドセメント、細骨材、増粘剤、超遅延剤、及び、高性能AE減水剤を含有しており、具体的には、以下の表1に示す材料構成であった。
また、この凝結遅延モルタルの配合は以下の表2のとおりであり、水セメント比(質量比)W/Cが45%であった。また、細骨材とセメントの比(質量比)S/Cは、0.5%であった。また、増粘剤DGは水Wの質量に対して0.1%であり、超遅延剤TはセメントCの質量に対して1.25%であり、高性能AE減衰剤SPはセメントCの質量に対して1.0%であった。
このような配合比率のモルタル材料をハンドミキサを用いて練混ぜした。練混ぜ時間としては、ペール缶に全材料を投入して1分間練混ぜした後、掻落しを行い、再度1分間練混ぜを行い、排出した。なお、このようにして作製した凝結遅延モルタルのモルタルフロー値は、302mmであった。モルタルフロー値は、JIS R 5201に準拠して測定した。
続いて、実施例に係る凝結遅延モルタルを流し込んで3日後に凝結遅延モルタルの貫入抵抗値を測定した。測定された貫入抵抗値は、0.13N/mmであった。
凝結遅延モルタルの貫入抵抗値が0.13N/mmであり、所定の範囲(0.1N/mm以上3.5N/mm)であることが確認できた後、図7に示すように、高さH2が1.5mmのところから、新設コンクリートに相当するコンクリートをプラスチック容器の底部中央に向けて落とし込んで、コンクリートの打込みを行った。
その結果、この実施例では、図8の(a)及び(b)に示すように、モルタルの打上りが発生することもなく、モルタルがプラスチック容器の底、即ち打継ぎ部に残置することが確認された。しかも、打ち込んだコンクリートの締固めのためにバイブレータを掛けても、モルタルは動くことなくコンクリートの上面に浮き上がることはなかった。つまり、モルタルは底部に残置されたままであった。
一方、貫入抵抗値が0.05N/mmである凝結遅延モルタルにコンクリートを打ち重ねた。この場合、凝結遅延モルタルが逸散し、底部に存置することができなかった。
1…既設コンクリート(打設済みコンクリート)、4…凝結遅延モルタル、5…土壌硬度計、6,7…新設コンクリート、10…コンクリート構造物。

Claims (5)

  1. 施工現場において、打設済みコンクリートに新設コンクリートを打継いでコンクリート構造物を製造する製造方法であって、
    前記打設済みコンクリートの打継ぎ部に、前記新設コンクリートの硬化時間よりも長い凝結時間を有する凝結遅延モルタルを縁切り材として敷設する工程と、
    前記敷設した凝結遅延モルタルの貫入抵抗値が所定の抵抗値範囲になった場合に前記打継ぎ部に前記新設コンクリートを打ち込む工程と、を備え、
    前記所定の抵抗値範囲は、貫入抵抗値が0.1N/mm以上で且つ3.5N/mm未満であり、
    前記敷設した凝結遅延モルタルの厚みは、15mm以上50mm以下であることを特徴とする、コンクリート構造物の製造方法。
  2. 前記敷設した凝結遅延モルタルの貫入抵抗値を測定する工程を更に備え、
    前記新設コンクリートを打ち込む工程は、前記測定する工程で測定した前記貫入抵抗値が前記所定の抵抗値範囲内になった場合に行われることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  3. 敷設予定の前記凝結遅延モルタルの配合に応じた硬化速度を予め測定すると共に、当該硬化速度に基づいて前記敷設予定の凝結遅延モルタルの貫入抵抗値が前記所定の抵抗値範囲となる打込み経過時間を予測する工程を更に備え、
    前記新設コンクリートを打ち込む工程は、前記予測する工程で予測した前記打込み経過時間後に行われることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  4. 前記新設コンクリートを打ち込む工程において、前記新設コンクリートの許容打ち込み高さが0m以上1.5m以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  5. 前記凝結遅延モルタルのフロー値が100mm以上350mm以下であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
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