JP2003192421A - 自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料 - Google Patents

自己充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合材料

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JP2003192421A
JP2003192421A JP2001389498A JP2001389498A JP2003192421A JP 2003192421 A JP2003192421 A JP 2003192421A JP 2001389498 A JP2001389498 A JP 2001389498A JP 2001389498 A JP2001389498 A JP 2001389498A JP 2003192421 A JP2003192421 A JP 2003192421A
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徹志 閑田
Noboru Sakata
昇 坂田
Kumiko Suda
久美子 須田
Makoto Kaneuji
眞 金氏
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ひずみ硬化型セメント系複合材料の充填性と
低収縮性を改善する。 【解決手段】 材令28日の硬化体の引張試験において
引張ひずみが1%以上を示すクラック分散型の繊維補強
セメント複合材料であって,下記〔M1〕の調合マトリ
ックスに,下記〔F1〕のPVA短繊維を1超え〜3vo
l.%の量で配合してなる自己充填性を有する低収縮性の
ひずみ硬化型セメント系複合材料。 〔M1〕普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトラ
ンドセメント使用で水結合材重量比:25%以上,単位
水量:250〜400Kg/m3,細骨材結合材重量比
(S/C):1.5以下(0を含む),細骨材の最大粒
径:0.8mm以下,細骨材の平均粒径:0.4mm以
下,膨張材:100Kg/m3未満,ウエランガム:0.
05〜1.0Kg/m3 〔F1〕繊維径:50μm以下,繊維長さ:5〜25m
m,繊維引張強度:1500〜2400MPa。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,PVA繊維(Poly
vinyl Alcohol 系繊維,通称ビニロン繊維と呼ばれてい
る)を配合した高靭性の繊維補強セメント複合材料(F
RC材料)の施工性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】特開2000−7395号公報には,引
張ひずみが1%以上,場合によっては2〜3%パーセン
トに達するような極めて靭性に富むFRC材料(高靭性
FRC材料)が記載されている。このものは,安価なP
VA繊維を用いており,その繊維の物性と調合マトリッ
クスの配合を適正な関係に規制した場合には,マルチク
ラックの発生によって,安定して高い引張ひずみが得ら
れると教示しており,経済的にも有利な材料である。
【0003】ここで,マルチクラックは,引張応力−ひ
ずみ関係において,初期ひび割れ点以降のひずみは,載
荷軸に垂直に発生する多数の微細クラックを意味してお
り,このマルチクラックを適切に発生させることがこの
材料の特徴である。このようなマルチクラックの発生に
より引張ひずみ1%以上を達成する高靭性FRC材料は
「ひずみ硬化型セメント系複合材料」と呼ぶこともでき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ひずみ硬化型セメント
系複合材料における問題の一つは,乾燥収縮や自己収縮
による寸法変化が大きく,これに起因する拘束ひずみに
より収縮ひび割れが発生する点があり,このために寸法
変化の少ない低収縮性を実現しながら高い引張ひずみ性
能を実現しなければならない。このことは必ずしも容易
ではない。一般的な処法で低収縮性を実現しようとする
と,フレッシュ時における粘性および降伏値を高めるこ
とになり,施工性に劣る材料すなわち充填性や流動性が
低下した材料となり,流動性を高めようとすると材料分
離が生じ易い材料となる。
【0005】したがって,本発明の課題は,特開200
0−7395号公報で提案されたようなひずみ硬化型セ
メント系複合材料の施工性を改善すること,より具体的
には当該材料の低収縮性を実現しながら,自己充填性を
有するような材料分離のない流動性を確保することによ
って,当該材料の施工性を高めることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】特開2000−7395
号公報で提案した以降においても,本発明者らは前記の
課題解決を目的として,ひずみ硬化型セメント系複合材
料の低収縮性と硬化後の引張ひずみ性能の関係について
種々の試験研究を続けてきたが,下記〔M1〕の調合マ
トリックスに,下記〔F1〕のPVA短繊維を1超え〜
3vol.%の配合量で配合すると,低収縮性と自己充填性
を同時に具備する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複
合材料が得られることを知見した。
【0007】すなわち,本発明によれば,材令28日の
硬化体の引張試験において引張ひずみが1%以上を示す
クラック分散型の繊維補強セメント複合材料であって,
下記〔M1〕の調合マトリックスに,下記〔F1〕のP
VA短繊維を1超え〜3vol.%の量で配合してなる自己
充填性を有する低収縮性のひずみ硬化型セメント系複合
材料を提供する。 〔M1〕普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトラ
ンドセメント使用で水結合材重量比:25%以上, 単位水量:250〜400Kg/m3, 細骨材結合材重量比(S/C):1.5以下(0を含
む), 細骨材の最大粒径:0.8mm以下, 細骨材の平均粒径:0.4mm以下, 膨張材:100Kg/m3未満, ウエランガム:0.05〜1.0Kg/m3 〔F1〕 繊維径:50μm以下, 繊維長さ:5〜25mm, 繊維引張強度:1500〜2400MPa。
【0008】本発明材料は,合成床版として橋梁に適用
すると,従来のものにはない優れた疲労耐力を示す。ま
た,本発明材料は鉄筋内臓の型枠,若しくは鉄筋を内臓
しない型枠として適用すると,この型枠を用いてコンク
リートを打設した場合に,コンクリートと一体化して優
れた耐震構造物を形成することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】ひずみ硬化型セメント系複合材料
において,硬化後の高い引張ひずみ性能と低い収縮性を
同時に実現するには,以下の条件が必要である。 (1) できるだけ小さな粒径の骨材,望ましくは最大粒径
0.8mm以下で平均粒径0.4mm以下の骨材を使用す
る。 (2) できるだけ少ない単位水量,望ましくは400Kg
/m3以下の単位水量に抑制し,適切な収縮低減策を用
いる。 (3) 繊維分散を確実にし材料分離を抑えるためにフレッ
シュ時の粘性を高める。このために増粘剤を添加する。
【0010】しかし,単純に前記の(1) 〜(3) の条件を
満たそうとすると,フレッシュ時の粘性および降伏値を
高めることになるので施工性を劣化させる結果となる。
すなわち,繊維分散を確実にするレベルまで増粘剤の添
加で粘度を高めると,粘り気が高く同時に降伏値も上昇
して施工性に劣る材料となる傾向が顕著となり,反対に
粘度を抑えると,繊維分散が不確実になり,硬化後の靭
性(マルチクラック発生)に悪影響を与えることなるの
で,フレッシュ時の施工性と硬化後の引張ひずみ性能を
両立させることは一般に困難である。さらに,単位水量
を400Kg/m3以下に抑えた場合であっても,通常
のモルタルやコンクリートと比較して非常に多い水量と
なるので,乾燥収縮が大きくなり,乾燥収縮ひび割れの
問題が生ずる。そしてひずみ硬化型セメント系複合材料
では粉体量が必然的に多くなることから流動性の経時的
低下が著しくなり(いわゆるスランプロスが大きく),
練り上がりから施工までに短時間しかとれなくなる。
【0011】したがって,前記の(1) 〜(3) の条件を満
たしたうえで,さらに施工性を改善しようとすると,大
きな困難に遭遇した。だが,この施工性の問題が解決さ
れないと,ひずみ硬化型セメント系複合材料の実際の適
用が制限されることがある。例えば,配筋が密であった
り,充填し難い形状の型枠中に打設しようとすると,鉄
筋の下部等に欠陥を生じるおそれがあった。
【0012】ところが,適量のウエランガムを使用した
うえで,前記〔F1〕で特定されるPVA繊維を前記
〔M1〕で特定される調合のマトリックスに対して1超
え〜3vol.%の量で配合した場合には,前記の施工性の
問題が解決されて優れた自己充填性を示すフレッシュ性
状となり,しかも,ひずみ硬化型セメント系複合材料と
しての引張ひずみ性能を満足し且つ低収縮性も満足する
ものが得られることがわかった。ウエランガムの配合量
は0.05Kg/m3未満ではその効果が発現できず,他
方1.0Kg/m3を超えて添加してもその効果が飽和
し,かえって施工性が低下するようになるので,0.0
5〜1.0Kg/m3の範囲で添加するのがよい。
【0013】本発明で特定するその他の事項について以
下さらに説明する。〔M1〕の調合において,マトリッ
クスの水結合材比が25%未満では〔F1〕の繊維にと
ってはマトリックスの弾性係数と破壊靭性が高くなって
マルチクラックが発生せず,1%以上の引張ひずみが発
生し難い。なお,水/結合材比は,詳しくは水/(セメ
ント+混和材)を意味している。本発明で使用できる混
和材としては,高炉スラグ微粉末,フライアッシュ,シ
リカフューム,石灰石微粉末等が挙げられる。
【0014】また,砂結合材比が1.5を超えるとPV
A繊維にとってはマトリックスの弾性係数と破壊靭性が
高くなってマルチクラックが発生せず,1%以上の引張
ひずみが発生し難くなる。したがって,〔F1〕の繊維
を用いる場合のマトリックスは水結合材比が25%以
上,好ましくは30%以上とし,砂結合材比は1.5以
下とする。しかし,この調合のマトリクスであっても,
〔F1〕繊維の配合量が1vol.%以下ではマルチクラッ
クが発生し難いので1vol.%より多くする必要がある。
しかし,あまり多く配合しても効果は飽和するので3vo
l.%以下とする。
【0015】また,この繊維配合量であっても,繊維の
長さが5mm未満であると,マルチクラックが発生しな
いので,5mm以上の長さのものを使用する必要があ
る。しかし,25mmより長いものを使用しても,前記
の配合量ではマルチクラックが発生しなくなる。したが
って〔F1〕の繊維の長さは5〜25mmとする必要が
あり,好ましくは6〜20mm,さらに好ましくは8〜
15mmである。
【0016】以下に,試験例を挙げて本発明をさらに説
明する。
【0017】表1に材料配合の例を示した。表1におい
て,セメントの種類として普通と記したものは普通ポル
トランドセメント(太平洋セメント株式会社製),低熱
は低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント株式会社
製)である。
【0018】膨張材は各例とも市販のカルシウムサルフ
ォアルミネット系膨張材(電気化学工業株式会社製の商
品名デンカCSA#20)を使用した。これに代えて生
石灰系のものや石灰−エトリンガイト複合系のものも使
用可能である。繊維は表1に表示の径,長さおよび引張
強度を有するPVA繊維(ビニロン繊維)を使用した。
ウエランガムは菌体番号 Alcaligenes ATTC 31961 の菌
種によって産出される微生物発酵多糖類である。各例と
も三晶株式会社から販売されている粉末状のウエランガ
ムを表示の量で添加した。HECはヒロドキシエチルセ
ルロースを表しており,住友精化株式会社製の商品名フ
ジケミHECAV-15Fを使用した。
【0019】表1の配合の各材料を練り混ぜ,テーブル
フローとポックス充填高さを測定すると共にそれらの試
験において材料分離の程度を観察してそのフレッシュ性
状を評価した。また,硬化後の特性としては,特開20
00−7395号公報に記載されたものと同様の材令2
8日の引張試験に供し,引張応力−ひずみ曲線における
最大引張応力値でのひずみ量(%)を求めマルチクラッ
クの発生の有無を調べた。それらの結果を表1に併記し
た。
【0020】なお,ボックス充填高さは,土木学会の高
流動コンクリート施工指針(1998)における土木学
会基準案の充填装置を用いた間げき通過性試験方法に定
めされたボックス型容器を用いた試験に準じ,その試験
においてボックス高さを測定した。同指針ではボックス
高さが300mmを超えるものを充填性があると定義し
ており,ここでもその定義に従って,300mmを超え
るものを自己充填性の判定の基準として採用し,超える
ものを◎,以下のものを×で表示した。またこの試験に
おいて材料分離を生じなかったものを◎印,生じたもの
を×印で表示した。また,ひずみ硬化型セメント系複合
材料としての評価は,マルチクラックが発生して引張ひ
ずみが1%以上であったものを◎印,引張ひずみが1%
未満であったものを×印で表示した。
【0021】
【表1】
【0022】表1より,実施例1〜5の配合のものは全
てひずみ硬化型セメント系複合材料としての要件を充足
しながら,そのフレッシュ性状としては自己充填性が良
好で材料分離も生じていないことがわかる。なお,表示
されていないが,これら実施例1〜5のものは1時間後
であっても自己充填性を示してスランプロスの問題も生
じないものであった。
【0023】これに対し,比較例1のものは実施例1
(普通セメント使用)のウエランガムをHECに変えた
ものであるが,引張ひずみ1%の要件は充足するが,自
己充填性の条件であるボックス高さ300mmを満足し
ていない。比較例2は実施例2(低熱セメント使用)の
ウエランガムをHECに変えたものであるが,引張ひず
み1%の要件は充足するが同じく自己充填性を満足しな
い。比較例3は,比較例1よりもHECの量を減じるこ
とにより,降伏値を小さくして充填性の向上を目指した
ものであるが,材料分離を生じて良好な結果を得なかっ
た。表示はしなかったが,HECに変えて同系の増粘剤
であるMC(メチルセルロース)を用いた試験も行った
が,HECとほぼ同様の結果となった。
【0024】次に収縮性状について,表1の実施例2の
材料の乾燥収縮率を測定した結果を図1に示した。図1
の結果から,この材料の乾燥収縮量は, 一般的なコンク
リートの乾燥収縮量レベルの8×10-4と同等のレベル
に抑えられていることがわかる。表1の各実施例では添
加しなかったが,本発明材料においては,一般的なコン
クリートの収縮低減剤例えば低級アルコール系,ポリエ
ーテル系,グリコールエーテル系,アミノアルコール
系,ポリエーテル系などの収縮低減剤を配合すると一層
小さな収縮を実現できる。
【0025】このように,本発明のひずみ硬化型セメン
ト系複合材料は,フレッシュ性状では自己充填性を有し
ながら硬化状態では高い靭性と低収縮性を有するので,
耐久性が特に要求される構造物に有利に適用できる。そ
の代表例を以下に挙げる。
【0026】図2は,橋梁の合成床版に本発明のひずみ
硬化型セメント系複合材料を適用した例を示す略断面図
である。図2において1は合成床版であり,この床版1
は本発明に従うひずみ硬化型セメント系複合材料によっ
て形成されている。この合成床版1は工場生産されたも
のであるが,現場打設で形成することも可能であり,橋
軸方向の床版下端筋2と橋軸直角方向の床版下端筋3を
内臓している。この合成床版1を型枠として使用し,さ
らに合成床版1nを橋軸方向に継ぎ足すさいには,下端
筋2のフック接続7が形成できる間隔を設けておき,こ
の間隔の位置で下端筋2および上端筋4のフック接続7
を行う。この合成床版1の上に橋軸方向の床版上端筋4
と橋軸直角方向の床版上端筋5を配筋したうえ,普通コ
ンクリート8を打設して,橋梁の上部工コンクリート構
造物が完成する。
【0027】図3は,本発明に従うひずみ硬化型セメン
ト系複合材料を用いた柱型枠の水平断面を示している。
この場合には,軸方向の主筋9および軸直角方向の剪断
補強筋10を内臓した状態で本発明のひずみ硬化型セメン
ト系複合材料12を用いて柱型枠13を製作することができ
る。この柱型枠13の内部空洞14内に通常のコンクリート
を打設することによって,耐震性能に優れた高強度のコ
ンクリート柱が形成できる。柱に限らず,梁部材等も同
様にして形成することができる。なお,主筋9および剪
断補強筋10を内臓しない場合には,内部空洞14内に配筋
を行うことになるが,この場合にも,かぶりコンクリー
トが高靭性FRCとなっていることで大変形時のはく落
が防止される高性能の柱とすることができる。
【0028】図4は,いずれも厚み180mmで,長さ
3000mm,幅2200mmの3種の合成床版につい
て,移動荷重載荷による曲げ疲労試験を行った結果を示
したものである。図中のECC試験体は,図2のものに
相当する配合のひずみ硬化型セメント系複合材料からな
るもの,RC試験体は通常のコンクリートを用いたも
の,SFRC試験体は参考のために全断面が鋼繊維補強
コンクリートを用いたものである。配筋はECC試験体
とRC試験体は同一条件で行ってある。図4の結果から
明らかなように,本発明のひずみ硬化型セメント系複合
材料を用いた合成床版は,そのセメント系複合材料部分
が全断面の1/4程度であるにも拘わらず全断面が鋼繊
維補強コンクリートであるSFRC試験体と同等以上の
疲労耐力を有していることがわかる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によるひず
み硬化型セメント系複合材料によれば次のような効果を
奏することができる。 (1) 自己充填性に優れるので密な配筋部でも密実に材料
を充填できる。また,厚みの薄い材料の流し込み充填も
できる。その結果,高靭性という本来のひずみ硬化型セ
メント系複合材料の特性を十分に発揮することができ
る。 (2) 乾燥収縮が通常のコンクリートと少なくとも同程度
であるので,収縮に起因するひび割れ発生の問題が少な
い。 (3) 優れた疲労耐力を有するのでその合成合版を橋梁等
に適用した場合に疲労寿命を著しく高めることができ
る。 (4) 過大な曲げモーメントやせん断力を受けても,ひび
割れを微細なレベル(通常0.1mm程度)に抑制でき
るので,水分や化学物質の浸透を抑制することができ,
部材の耐久性を高めることができる。 (5) 地震載荷時に曲げせん断力による大きな変形を受け
ても,曲げ圧縮による本発明材料のかぶり部分は剥落を
生じないため,急激な耐力低下が現れない。 (6) 鉄筋内臓の型枠として使用した場合には,鉄筋と本
発明材料との付着力および付着靭性が高いので,鉄筋付
着破壊を抑制し,高い部材耐力と靭性を実現できる。 (7) 鉄筋を内臓しない型枠して使用した場合には,本発
明材料の高い引張強度および曲げ強度を利用することに
よって型枠を薄肉化することができるので,型枠の大幅
な軽量化を図ることができる。 (8) 本発明材料は鋸による切断,釘打ち,ビス止め,ボ
ルト止めが可能であるので,現場加工が容易で加工効率
の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う材料の乾燥収縮率を測定した結果
を示す図である。
【図2】本発明に従う材料からなる合成床版を用いた橋
梁上部工のコンクリート構造物の略断面図である。
【図3】本発明に従う材料からなる柱状型枠の略断面図
である。
【図4】本発明に従う材料の疲労試験結果を他の材料と
比較して示した図である。
【符号の説明】
1 本発明に従う合成床版 8 打設された普通コンクリート 13 本発明に従う柱状型枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 24:38 C04B 16:06 B 16:06 E ) 111:34 111:34 (72)発明者 須田 久美子 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 金氏 眞 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 Fターム(参考) 4G012 PA02 PA24 PB03 PB12 PB39

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 材令28日の硬化体の引張試験において
    引張ひずみが1%以上を示すクラック分散型の繊維補強
    セメント複合材料であって,下記〔M1〕の調合マトリ
    ックスに,下記〔F1〕のPVA短繊維を1超え〜3vo
    l.%の量で配合してなる自己充填性を有する低収縮性の
    ひずみ硬化型セメント系複合材料。 〔M1〕普通ポルトランドセメントまたは低熱ポルトラ
    ンドセメント使用で水結合材重量比:25%以上, 単位水量:250〜400Kg/m3, 細骨材結合材重量比(S/C):1.5以下(0を含
    む), 細骨材の最大粒径:0.8mm以下, 細骨材の平均粒径:0.4mm以下, 膨張材:100Kg/m3未満, ウエランガム:0.05〜1.0Kg/m3 〔F1〕 繊維径:50μm以下, 繊維長さ:5〜25mm, 繊維引張強度:1500〜2400MPa。
  2. 【請求項2】 コンクリートの打設空間を形成するため
    の型枠であって,その型枠が請求項1に従うひずみ硬化
    型セメント系複合材料を用いて形成されていることを特
    徴とするコンクリート打設用型枠。
  3. 【請求項3】 請求項1のひずみ硬化型セメント系複合
    材料を用いて形成された橋梁の合成床版。
  4. 【請求項4】 請求項1のひずみ硬化型セメント系複合
    材料を用いて形成された柱型枠。
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