JP6509638B2 - コンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、コンクリート製の構造物を建造するにあたって、コンクリートを打設した際にコンクリート表面に発生するひび割れの抑制技術に関し、具体的には厚みの薄いコンクリート構造物の打設に用いるコンクリートに添加剤を適切に用いることで、ひび割れの発生を抑制する技術に関する。
コンクリートを用いた構造物を建造するにあたり、材料となるコンクリートを打設した際に、打設したコンクリートが乾燥するにしたがって表面にひび割れが生じることが知られている。これは、打設したコンクリート全体が水和反応を起すことで内部発熱して膨張すると共に、コンクリート表面から水分が抜けることで、コンクリート表面が収縮する為に生じる。このようなコンクリート表面のひび割れが多いと、コンクリート構造物の強度を低下させ寿命を縮めるなどの問題が生じる場合がある。
自動車や鉄道などが通過するための橋梁を製作する場合、橋梁には床版部分の上に壁高欄が形成される。そしてその構造上、壁高欄のコンクリート表面にひび割れが生じ易い。これは、橋梁を製作するにあたって、床版にコンクリートを打設し、その後に壁高欄のコンクリートを打設するという手順となる為である。この為、壁高欄のコンクリートが乾燥収縮する際に、先に乾燥して硬化した床版に拘束されて、壁高欄の収縮量に高さ方向で差ができ、このことがコンクリート表面のひび割れ発生の一因となっている。また、壁高欄下面が床版の拘束を受けた状態で、コンクリート打設後の水和熱による膨張及び冷却による収縮のために発生する温度応力も、コンクリート表面のひび割れの一因となっている。
特許文献1には、壁状構造物の施工方法に関する技術が開示されている。橋梁を製造するにあたり、床版上に壁基部となるプレキャスト埋没型枠を設置すると共に、プレキャスト埋没型枠に凝結遅延剤を添加したコンクリートを打ち込むことにより壁基部を施工する。そして、壁基部の上に凝結遅延剤が添加されていないコンクリートを打ち込むことにより壁本体部を施工し、壁部を構築することで、コンクリート表面に生じるひび割れの発生を抑制している。
特開2013−019120号公報
特許文献1は、遅延剤を添加したコンクリートを打設する施工方法であるため、遅延剤の一種である超遅延剤を添加したコンクリートにも適用が可能である。ここで、超遅延剤はコンクリートの重量に対して定量添加する事となっている。しかしながら、橋梁に形成される壁高欄は、コンクリート構造物の厚みが薄く形成される。この様なケースに対応するため、出願人はコンクリート構造物の厚みに合わせて添加剤を少量とした実験を行った。しかし、超遅延剤の添加量を少量とした場合、コンクリート構造物を形成するコンクリートに所定の性能が得られず、フレッシュ性状が不安定となっている事が判明した。
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、コンクリートを打設し形成する壁高欄の温度応力によるひび割れの発生を抑制可能な橋梁施工方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明のコンクリート構造物の製造方法は、以下のような特徴を有する。
(1)コンクリートを打設して形成するコンクリート構造物の製造方法において、前記コンクリートの凝結を遅延させる凝結遅延剤と、前記コンクリートの流動性を高める流動化剤を、前記コンクリートの材料に少量添加することで、前記コンクリートの凝結が遅延する時間をコントロールすること、を特徴とする。
上述の(1)に記載の態様により、形成するコンクリート構造物の厚みが薄く、凝結遅延剤の添加量を減らしたいという要望がある場合、流動化剤をコンクリートに添加することで、コンクリートの凝結が遅延する時間をコントロールすることができる。これは、凝結遅延剤の添加量によってコンクリートの凝結が遅延する時間をコントロールするに際して、課題に示すように凝結遅延剤の一種である超遅延剤の一定レベル以下の少量添加では、コンクリートのフレッシュ性状が安定しない事が分かった。この為、流動化剤をコンクリートに適量添加することで、フレッシュ性状を安定させることができる。この結果、適切にコンクリート構造物の表面に生じる亀裂の発生を抑制する事が可能となる。
(2)コンクリートを打設して形成する、床版上に高欄部を設けたコンクリート構造物の製造方法において、前記床版と前記高欄部の間に地覆部を設け、前記地覆部に用いる前記コンクリートに、凝結遅延剤及び流動化剤を含有させることにより、前記地覆部の凝結時間が前記高欄部の凝結時間より長いこと、を特徴とする。
上記(2)記載の態様により、地覆部に凝結遅延剤の一種である超遅延剤と流動化剤とを添加したコンクリートを用いることで、薄く作られる地覆部の表面に生じる亀裂の発生を抑制する事が可能となる。橋梁の壁高欄にコンクリートを打設して形成するにあたり、先に形成された床版の上に地覆部が形成され、地覆部の上に高欄部が形成される。この際に、先に形成され乾燥した床版に影響されて、地覆部は拘束される。この為に地覆部の表面に亀裂が生じるケースがあるが、適切な量の超遅延剤と流動化剤を添加することで、この亀裂の発生を抑制する事が可能となる。
(3)(1)又は(2)に記載のコンクリート構造物の製造方法において、前記凝結遅延剤は、超遅延剤と呼ばれる主成分としてオキシカルボン酸塩を含むものであり、前記流動化剤は、主成分としてポリカルボン酸塩を含むものであること、が好ましい。
(4)(2)に記載のコンクリート構造物の製造方法において、前記コンクリートに添加するのは、前記コンクリートが凝結を始めるまでを2〜5日遅延可能な配合の前記凝結遅延剤と前記流動化剤であること、が好ましい。加えて、超遅延剤や流動化剤などには相性問題があり、同じ発売元の製品を用いることが好ましい。これによって、安定した性能が期待できる。
(5)(4)に記載のコンクリート構造物の製造方法において、前記コンクリートに添加するのは、前記凝結遅延剤を単位セメント量に対して0.4〜0.55%、前記流動化剤を単位セメント量に対して0.1〜0.5%、であること、が好ましい。これによって、安定した性能が期待できる。
本実施形態の、橋梁の断面図である。 本実施形態の、型枠を用いた壁高欄の打設を行う様子を示した断面図である。 本実施形態の、添加剤の違いを比較する実験結果を示すグラフである。
まず、本発明の実施形態であるコンクリート構造物についての説明を行う。なお、本実施例ではコンクリート構造物として橋梁100の壁高欄20にコンクリートを打設する方法について図面を用いて説明を行う。
図1に、本実施形態の、橋梁の断面図を示す。なお、図1は断面図としているが配筋などは説明の都合上省略している。橋梁100は、床版10と壁高欄20が、主桁50によって支えられる構造となっている。本実施形態では、主桁50の上に予め床版10が形成されている状態で、壁高欄20が形成されるものとして説明を行う。壁高欄20は、地覆部21と高欄部22を有し、床版10の上に形成された地覆部21の上部に、高欄部22が形成される。なお、地覆部21と高欄部22との間には境界部23が形成される。
次に、壁高欄20の打設手順について簡単に説明する。図2に、型枠を用いて壁高欄にコンクリート打設を行う様子を断面図に示す。床版10の上に保持された第1型枠105と第2型枠106内部には、図示しない鉄筋が設けられている。床版10のコンクリート打設が終わり十分に養生した後、第1型枠105と第2型枠106を床版10上に設置する。すると図2に示すように第1型枠105と第2型枠106との間に、空間30が出来上がる。このうち、第1空間30Aは地覆部21を形成し、第2空間30Bは高欄部22を形成するための空間となっている。
そして、第1型枠105と第2型枠106の間に形成された空間にコンクリートCを打設し、壁高欄20を形成する。この際に用いるコンクリートCは、先ず第1空間30Aにオキシカルボン酸塩系を主成分とした超遅延剤と、ポリカルボン酸系化合物を主成分とした流動化剤が予め添加されたコンクリートC1である。このコンクリートC1は、AE減水剤の代わりに遅延剤の一種である水和熱抑制型超遅延剤(以下単に「超遅延剤D」と表記する)と流動化剤を添加してJISコンクリートと同等の機能を保持させたものである。これは単にAE減水剤を含むJISコンクリートに超遅延剤Dを混ぜた場合、コンクリートC1のフレッシュ性状が安定しないなどの問題が生ずるからである。
ここで、本実施形態において超遅延剤Dとは、添加することによってセメント水和反応を遅延させることによってコンクリートCの硬化を遅らせる薬剤のことを指す。なお、一般に言う超遅延剤は、オキシカルボン酸及びその他の塩、糖類を主成分としたものが使用されるが、本実施形態においては超遅延剤Dの成分は特に限定しない。又、本実施形態において流動化剤とは、コンクリートの流動性を高めるための添加剤を示し、JIS A 6204で示される流動化剤のみを示すものではなく、コンクリート用化学混和剤の内コンクリートの流動性を高めるもの全てを示す。その主成分としては、リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸、ナフタレンスルホン酸塩、アミノスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩などが挙げられるが、特にポリカルボン酸塩を主成分としたものが少量の添加でコンクリートCの流動性を高めるのに効果的であり、併用する超遅延剤Dの効果に悪影響を与えない意味でも有効である。
壁高欄20を形成する手順としては、第1空間30AにコンクリートC1を打設した後、30分から1時間程度の間を空けて第2空間30BにコンクリートCを打設する。この際に用いるコンクリートCは、石灰系或いはCSA系などの膨張材を添加したコンクリートC2である。こうして床版10の上に地覆部21及び高欄部22を形成するコンクリートCを打設した後、コンクリートCを養生し、適切な温度や湿度を管理しながら、壁高欄20を形成する。なお、壁高欄20に膨張材を添加しないコンクリートCを打設しても良い。
本実施形態では、コンクリートC1に用いている添加剤の配合比に関して調査を行い、新たな知見を得た。地覆部21の形成に用いるコンクリートC1の基本配合及びコンクリートC1に用いる混和剤は以下の通りである。
Figure 0006509638
○現地材料: 高炉セメントB種、細骨材、粗骨材
○混和剤 : フローリックFBP(流動化剤)、超遅延剤
表1中、「W/C(%)」は、水セメント比を示している。「C」はセメント、「W」は水、「S」は細骨材、「G」は粗骨材、「Ad」は超遅延剤DとフローリックFBP(商品名、以下単に「流動化剤F」と表記する)の添加量の合計を示している。この配合を用いたコンクリートC1を用いて壁高欄20の打設を行う。超遅延剤Dは0.55%添加し、流動化剤Fは0.3%添加している。
また、細骨材「S」は細骨材1「S1」と細骨材2「S2」を用いた。粗骨材「G」は粗骨材1「G1」と粗骨材2「G2」を用いた。表2にその内容を示す。
Figure 0006509638
ここで、「表乾密度」とは、表乾状態(骨材の内部の隙間は水で満たされているが、表面に水が付着していない状態)における材料の密度を示している。「吸水率」とは、表乾状態における骨材中の全水量を、絶乾状態の骨材の質量で割った値を示している。「f.m.」は粗粒率のことを示している。「Gmax」は材料の最大寸法を示し、ここでは粗骨材の大きさを示している。
本実施形態のコンクリート構造物である橋梁100は上記構成であるので、以下に示すような作用及び効果を奏する。
まず、本実施形態のコンクリート構造物の製造方法を用いることで、適度な凝結が遅延する時間を得られる点が効果として挙げられる。また、ひび割れの発生を抑制する効果がある。これは、コンクリートCを打設して形成するコンクリート構造物である橋梁100の製造方法において、コンクリートの凝結を遅延させる超遅延剤Dと、コンクリートの流動性を高める流動化剤Fを、コンクリートC1に少量添加することで、凝結が遅延する時間をコントロールするものである。
また、コンクリートC1が、橋梁の壁高欄20の地覆部21に用いられること、が好ましい。地覆部21には、超遅延剤Dと流動化剤Fとを適量添加したコンクリートC1を用いている。この結果、コンクリートC1の凝結が遅延する時間をコントロールすることが可能となる。
地覆部21は、床版10のコンクリートが凝結してから床版10の上に形成される。そして地覆部21の上に、高欄部22が形成される。上述した様に地覆部21と高欄部22はそれ程間を置かずにコンクリートが打設されることになる。このため、地覆部21と高欄部22は、コンクリート打設後の水和熱による膨張後、地覆部21の底部が床版10に拘束された状態で収縮する事になる。従来は、地覆部21を形成するのに打設したコンクリートが凝結する際に、地覆部21の上部に形成される高欄部22のコンクリートの表面にひび割れが発生するケースがあったが、本実施形態では、地覆部21には超遅延剤D及び流動化剤Fが添加されているため、高欄部22よりも地覆部21の凝結が遅くなり、結果的に高欄部22が凝結する際には地覆部21で拘束されない。つまり、高欄部22の表面ひび割れの発生を防ぐことができる。なお、高欄部22には膨張材が添加されているため、コンクリートC2にケミカルプレストレスが導入され、長期にわたり高欄部22の乾燥収縮ひび割れを抑制できる。
地覆部21の厚みは25cm〜35cm程度であり、コンクリートの凝結を遅延させる時間は3日程度が好ましい。そして、地覆部21の凝結を遅延させる時間は短すぎても長すぎても壁高欄20の形成に悪影響を及ぼす虞がある。この為に適切な量の超遅延剤Dが地覆部21を打設するコンクリートC1に添加される必要がある。出願人は、コンクリートC1に添加する必要のある超遅延剤Dの添加率は0.5%程度であると試算した。ただし、厚さ25cm〜35cm程度のコンクリート構造物に対して超遅延剤Dの添加率0.5%程度として予備実験を行った結果、単に超遅延剤Dを添加するだけではコンクリートC1のフレッシュ性状が安定せず、流動性が損なわれてしまう問題があることを出願人は確認した。
出願人の実験によれば、超遅延剤Dの添加率を1%未満にするとコンクリートC1の流動性が損なわれ、スランプの値が低くなる傾向が強く出ることが確認している。これは、コンクリートC1に対して添加する超遅延剤Dの添加率が低いと、減水性と流動性が発揮され難くなる為だと推測される。そこで、AE減水剤などを加えてその効果を確認したが、結果は、流動性の確保には至ったものの、コンクリートが凝結するまでの時間が大幅に伸びてしまい良好なコンクリートの凝結を遅延する時間を実現することができなかった。この為、混和剤として流動化剤Fと超遅延剤Dを用いてコンクリートが凝結するまで時間のコントロールを試みた。
表3に実験を行った配合とその結果について示す。
Figure 0006509638
表3中、「AE助剤 C×%」はAE助剤の添加率を示している。樹脂酸塩系陰イオン界面活性剤を主成分としたAE助剤を用いた。「SL(cm)」はスランプの値を示し、「Air(%)」は空気量、「CT(℃)」はコンクリート温度を示している。又、「M(日)」は簡易断熱養生試験によるコンクリートが凝結を開始した時間の結果を示している。配合の欄には添加剤とその添加率を示している。実験1では比較のために前述のベース配合のものを、実験3では超遅延剤Dを0.55%添加、実験3では超遅延剤Dを0.55%添加後に流動化剤Fを0.3%添加、実験4では超遅延剤Dを0.45%添加後に流動化剤Fを0.3%添加した試料を用いている。
図3に、表3の実験結果をグラフに示す。横軸に経過日数(日)を、縦軸にコンクリート内部の温度(℃)を示している。ベースとなる「1」の結果は太実線で、超遅延剤Dを0.55%添加した「2」の結果は破線で、超遅延剤Dを0.55%添加し流動化剤Fを0.3%添加した「3」の結果は二点鎖線で、超遅延剤Dを0.45%添加し流動化剤Fを0.3%添加した「4」の結果を細線で示している。図3で示すように、「1」ではコンクリートの内部温度が半日程度でピークを迎えるのに対し、「2」は2.5日程度、「3」は3日程度、「4」は1.6日程度となっている。
地覆部21のコンクリート打設にあたって、凝結を遅延する時間は3日程度が好ましく、「3」の結果が最も望ましいことが分かる。「3」と「4」の結果を比較して分かるように、超遅延剤Dの添加は少量違っても大きな変化が認められる。本実験に用いた超遅延剤Dは、1%以上の添加率であれば十分な減水性能及び流動性が得られるが、少量添加ではその効果を十分発揮できなかった。そこで、別途、流動化剤Fを加えてスランプ性能を確保することとした。
その結果、地覆部21の凝結を遅延する時間を3日に設定することができ、結果的に壁高欄20の形成において、地覆部21の適切な凝結を遅延させる時間を得ることが可能となる。すなわち、壁高欄20の品質の向上を図ることができる。この際に、超遅延剤Dと流動化剤Fは、何れもフローリック社のものを用いている。これは同じ会社の製品を用いることで、相性問題を解決する目的で選定されており、この組み合わせで良好な結果が得られることを確認している。また、表2で示した細骨材1「S1」と細骨材2「S2」、粗骨材1「G1」と粗骨材2「G2」、を組み合わせて実験しているが、細骨材「S」や粗骨材「G」の違いによる大きな変化は認められなかった。
また、試算の結果、この条件下では凝結遅延剤である超遅延剤Dを単位セメント量に対して0.4〜0.55%、流動化剤Fを単位セメント量に対して0.1〜0.5%程度が望ましいことを確認した。実験の結果もこの範囲内にある為、概ねコンクリートの凝結を3日程度遅延可能であると考えられる。この3日という時間は、地覆部21の厚みが25cm〜35cm程度である場合に、高欄部22が硬化しはじめ、地覆部21が高欄部22の硬化の際に悪影響を及ぼさない程度の状況となるまでの時間である。すなわち、地覆部21の厚み等に応じて遅延する時間を2日にしたり、4日や5日にしたりしても良い。
これは前述した通り、地覆部21の硬化が早すぎると、高欄部22の硬化の際にその下部を拘束し乾燥収縮ひび割れを誘発するリスクを生じ、遅すぎると地覆部21の品質に悪影響を及ぼしたり作業工程の遅れに繋がったりといった悪影響が想定されるからである。また、コンクリートが凝結を開始するまでの時間は、環境温度などによっても左右されるため、この辺りのことを考慮したうえで超遅延剤Dや流動化剤Fの添加量を決定することが望ましい。
以上、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、本実施形態ではコンクリート構造物として橋梁100を用いて説明しているが、他のコンクリート構造物に適用することを妨げない。課題で示したようにコンクリート構造物の厚みが薄く、遅延剤の添加量が少ないようなケースには本発明の適用は有用である。又、超遅延剤Dと流動化剤Fはフローリック社の製品を採用しているが、他社の同等の性能を発揮する混和剤を用いることを妨げない。
10 床版
20 壁高欄
21 地覆部
22 高欄部
23 境界部
50 主桁
100 橋梁
105 第1型枠
106 第2型枠
C コンクリート

Claims (4)

  1. コンクリートを打設して形成する、床版上に高欄部を設けたコンクリート構造物の製造方法において、
    前記床版と前記高欄部の間に地覆部を設け、
    前記地覆部に用いる前記コンクリートに、凝結遅延剤及び流動化剤を含有させることにより、前記地覆部の凝結時間が前記高欄部の凝結時間より長いこと、
    を特徴とするコンクリート構造物の製造方法。
  2. 請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法において、
    前記凝結遅延剤は、超遅延剤と呼ばれる主成分としてオキシカルボン酸塩を含むものであり、前記流動化剤は、主成分としてポリカルボン酸塩を含むものであること、
    を特徴とするコンクリート構造物の製造方法。
  3. 請求項に記載のコンクリート構造物の製造方法において、
    前記コンクリートに添加するのは、前記コンクリートが凝結を始めるまでの時間を2〜5日遅延可能な配合の前記凝結遅延剤と前記流動化剤であること、
    を特徴とするコンクリート構造物の製造方法。
  4. 請求項に記載のコンクリート構造物の製造方法において、
    前記コンクリートに添加するのは、
    前記凝結遅延剤を単位セメント量に対して0.4〜0.55%、
    前記流動化剤を単位セメント量に対して0.1〜0.5%、であること、
    を特徴とするコンクリート構造物の製造方法。
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