JP6175362B2 - コンクリート構造物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の製造方法に関し、特に、打設済みコンクリートに新設コンクリートを打継いでコンクリート構造物を製造する製造方法に関する。
例えば、スラブ上にコンクリート壁を設けてコンクリート構造物を構築する場合、既設コンクリートからなるスラブ上に新設コンクリートをそのまま打継いで壁を形成すると、新設された壁が既設コンクリートにより打継ぎ部で拘束されている状態でセメントの水和熱や収縮により新設コンクリートの体積が変化することから、新設した壁にひび割れが発生してしまうことがある。そこで、このようなひび割れを防止又は抑制するため、例えば水和熱の小さいセメントを使用して温度上昇を抑制したり、熱膨張係数の小さい材料を使用して収縮ひずみを補償したりすることが提案されている。また、打設済みコンクリートの打継ぎ部に凝結遅延材入りのモルタルを敷設してから新設コンクリートを打継いで応力を低減することも提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開昭61−221455号公報
凝結遅延材入りの凝結遅延モルタルを敷設してから新設コンクリートを打継いで応力を低減する方法では、新設コンクリートを打継ぐ際に打設済みコンクリートと新設コンクリートとの間の打継ぎ部に縁切り材として凝結遅延モルタルが確実に配置されている必要がある。しかしながら、実際の施工現場では、打設済みコンクリートの上に型枠が既に構築されている場合が多く、新設コンクリートの打設を比較的高い位置から行う必要がある。
このように凝結遅延モルタルに対して新設コンクリートを高い位置から打ち重ねる場合、コンクリートの打込み圧および自重により、凝結遅延モルタルが本来位置すべき打継ぎ部から逸散してしまう。その結果、打設済みコンクリートと新設コンクリートとの間の拘束応力を低減できなくなってしまい、新設コンクリートにおけるひび割れの発生を十分に抑制することが難しくなってしまう場合があった。
そこで、本発明の課題は、ひび割れの発生を十分に抑制することができるコンクリート構造物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、その一側面として、打設済みコンクリートに新設コンクリートを打継いでコンクリート構造物を製造する製造方法に関する。このコンクリート構造物の製造方法は、打設済みコンクリートの打継ぎ部に網状部材を設置する工程と、新設コンクリートの硬化時間よりも長い凝結時間を有する凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートを打継ぎ部に敷設する工程と、網状部材が設置されて凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートが敷設された打継ぎ部に新設コンクリートを打ち込む工程と、を備えている。
このコンクリート構造物の製造方法では、網状部材が設置されて凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートが敷設された打継ぎ部に新設コンクリートを打ち込んでいる。この場合、凝結遅延モルタル等が網状部材内に入り込むため、新設コンクリートの打込み圧および自重による凝結遅延モルタル等の打継ぎ部からの逸散が抑制され、網状部材内に入り込んだ凝結遅延モルタル等が、打設済みコンクリートと新設コンクリートとの間で発生する拘束応力の低減を確実に図ることができる。このため、このコンクリート構造物の製造方法によれば、凝結遅延モルタル等を打継ぎ部に確実に位置させておくことができるため、新設コンクリートにおけるひび割れの発生を十分に抑制することが可能となる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、網状部材は、その空隙率が80%以上97%以下であることが好ましい。この場合、網状部材内に凝結遅延モルタル等が十分に入り込むため、凝結遅延モルタル等を打継ぎ部により確実に保持しておくことができ、新設コンクリートにおけるひび割れの発生をより一層抑制することが可能となる。なお、網状部材の空隙率が80%よりも小さいと、網状部材内に凝結遅延モルタル等を短時間で十分に入り込ませることが難しくなり、一方、網状部材の空隙率が97%よりも大きいと、空隙率が高くなりすぎてしまい、凝結遅延モルタル等の逸散の抑制効果が低減してしまう。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、網状部材は、その厚みが15mm以上50mm以下であることが好ましい。この場合、網状部材内に凝結遅延モルタル等が十分に入り込むと共に、新設コンクリートの打込み圧および自重に対抗することができるため、凝結遅延モルタル等を打継ぎ部により確実に保持しておくことができ、より一層、ひび割れを抑制することができる。なお、網状部材の厚みが15mmよりも薄いと、網状部材内に十分な量の凝結遅延モルタル等を保持しておくことが難しくなり凝結遅延モルタル等の逸散の抑制効果が低減してしまう。一方、網状部材の厚みが50mmよりも厚いと、打継ぎ部の厚みを必要以上に厚くすることになってしまう。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、網状部材は、打継ぎ部の略全面を覆うように設置されることが好ましい。この場合、打継ぎ部の全体においてひび割れの発生を抑制することができる。なお、ここで「略全面」としているのは、打継ぎ部の全体を完全に覆った場合、打継ぎ部の側面から網状部材がはみ出してしまいコンクリート構造物の外観を損なってしまう恐れがあるため、打継ぎを行った際に打継ぎ部の側面から網状部材の端部がはみ出さない程度に打継ぎ部の全面を覆うといった趣旨である。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、打継ぎ部に網状部材を設置した後に凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートを打継ぎ部に敷設することが好ましい。この場合、凝結遅延モルタル等を敷設する際にこのモルタル等を高い位置から打継ぎ部に落とし込んだとしても、打継ぎ部に既に設置された網状部材が緩衝材として機能することから、当該モルタル等の飛散を抑制することができる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、打継ぎ部に敷設される凝結遅延モルタルのフロー値が100mm以上350mm以下であることが好ましい。凝結遅延モルタルのフロー値がこの範囲にある場合、打継ぎ部の全体に対して凝結遅延モルタルを容易に自己充填させることができ、また、凝結遅延モルタルの上に新設コンクリートが打ち重ねられた際やバイブを掛けた際に凝結遅延モルタルが飛散する程度を抑制することができる。これにより、新設コンクリートにおけるひび割れをより一層抑制することが可能となる。
本発明によれば、ひび割れの発生を十分に抑制することができるコンクリート構造物の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る新設コンクリートの打継ぎ方法を説明するための模式断面図である。 本実施形態に係る打継ぎ方法に用いられる網状成形品の一例を示す斜視図である。 本実施形態に係る打継ぎ方法と一般的な打継ぎ方法との比較を示す模式図である。 実施例に係る新設コンクリートの打継ぎ方法を示す斜視図である。 凝結遅延モルタルを敷設した場合の状態を示す写真であり、(a)(b)は、網状成形品上に凝結遅延モルタルを敷設した場合(実施例)を示し、(c)(d)は、網状成形品を用いずに凝結遅延モルタルを敷設した場合(比較例)を示す。 敷設された凝結遅延モルタル上に所定の高さから新設コンクリートを打ち込む(落とし込む)状態を示す写真である。 網状成形品を用いなかった場合(比較例)を示す写真であり、(a)は新設コンクリートを打ち込んだ際の状態を示し、(b)はその後に締固めした状況を示す。 網状成形品を用いた場合(実施例)を示す写真である。 図8に示す写真を一部拡大したものである。 コンクリートの打上り高さとモルタルの打上り高さとの関係を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法について説明する。
図1は、本実施形態に係る新設コンクリートの打継ぎ方法を説明するための模式断面図である。既設コンクリート1(打設済みコンクリート)に新設コンクリート6を打ち継いでコンクリート構造物10を製造するには、まず、図1の(a)に示されるように、既設コンクリート1の上面の所定の位置に型枠2,3を設置する。その後、型枠2,3で画定される打継ぎ部に網状成形品4を配置する。この際、網状成形品4は、打継ぎ部の略全面を覆うように設置される。
網状成形品4は、図2に示すように、例えばポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂から形成された所定の空隙率(例えば95%)を有する網状部材である。網状成形品4の材料としては、ポリプロピレンに限定されるわけではなく、他の材料を用いてもよく、網状成形品4として、例えばポリエチレン又はスチール等から形成された網状部材を用いてもよい。また、網状成形品4は、その空隙率が例えば80%〜97%の間であることが好ましく、空隙率が90%〜97%の間であることがより一層好ましい。また、網状成形品4は、その厚みが15mm〜50mmの間であることが好ましい。
このような構成を備えた網状成形品4を打継ぎ部に設置した後、図1の(b)に示すように、網状成形品4が配置された打継ぎ部に凝結遅延モルタル5を流し込んで敷設する。この敷設は、凝結遅延モルタル5が網状成形品4が配置された打継ぎ部全体に行き渡るまで行う。
ここで用いられる凝結遅延モルタル5は、例えば、水、ポルトランドセメント、微粒分量が1質量%以下の細骨材、および凝結遅延剤を含有し、後述する新設コンクリート6の硬化時間よりも長い凝結期間(凝結時間)を有するモルタル材料であり、例えば凝結期間を硬化時間よりも5〜90日遅延させるように調製された材料である。凝結遅延モルタル5は、より好ましくは、凝結期間を新設コンクリート6の硬化時間よりも7〜28日遅延させるように調製された材料である。ここでいう「凝結」とは、モルタルに対して振動を付与しても動かない状態である始発ではなく、モルタルが固まり始めた終結を意味する。
凝結遅延モルタル5において、ポルトランドセメントの含有量(質量)に対する水の含有量(質量)の割合(水セメント比 W/C(%))は、30〜60%であることが好ましい。また、凝結遅延モルタル5に含まれる凝結遅延剤としては、例えば、オキシカルボン酸塩が挙げられる。凝結遅延剤がオキシカルボン酸塩であるとき、細骨材の微粒分量を1質量%以下とすることにより、凝結遅延効果及び凝結期間のばらつき抑制の効果を顕著に奏することができる。
オキシカルボン酸塩としては、例えば、グルコン酸,グルコヘプトン酸,クエン酸,酒石酸等を凝結遅延剤として好適に用いることができる。これらのオキシカルボン酸塩は、所望の凝結期間に応じて適宜選択することができる。また、凝結遅延剤の配合量は、所望の凝結期間に応じて適宜調整することができ、例えば、ポルトランドセメント100質量部に対して0.2〜4.0質量部であり、より好ましくは1.0〜2.0質量部である。凝結遅延剤の配合量を上記範囲とすることで、凝結期間のばらつきを一層顕著に抑制することができる。
本実施形態に係る凝結遅延モルタル5は、増粘剤をさらに含有していてもよい。凝結遅延効果が一層顕著に得られる観点からは、本実施形態に係る凝結遅延モルタル5は、増粘剤としてポリサッカライド系増粘剤を含有することが好ましい。ポリサッカライド系増粘剤としては、例えば、ウェランガム、ダイユータンガム、キサンタンガム,ジェランガム等を好適に用いることができる。
増粘剤の配合量は、所望の流動性に応じて適宜調整することができ、例えば、ポルトランドセメント100質量部に対して0.1〜1.0質量部であり、より好ましくは0.1〜0.5質量部である。増粘剤の配合量を上記範囲とすることで、凝結期間のばらつきを一層顕著に抑制することができる。
また、凝結遅延モルタル5のフロー値は、例えば、打撃が無い状態で100〜350mmであることが好ましい。モルタルのフロー値は、JIS R 5201に準拠して測定される値である。モルタルのフロー値は、例えば水セメント比、単位水量、細骨材量、混和剤添加量を変更することで調整できる。
以上のような凝結遅延モルタル5の敷設が終了すると、図1の(c)に示すように、直ちに、凝結遅延モルタル5が空隙に充填された網状成形品4が配置された打継ぎ部に新設コンクリート6を打ち込む。ここで用いるコンクリートは一般的なコンクリートを適宜用いることができるため詳細な説明は省略する。そして、所定量の新設コンクリート6の打ち込みが終了して硬化が進むと、図1の(d)に示すように、型枠2,3を取り外して、新設コンクリート7の養生等を実施する。所定の養生が終了すると、コンクリート構造物10が完成する。
ここで、一般的な製造方法で製造されたコンクリート構造物10aの打継ぎ部における拘束応力が、上述した製造方法によって製造されたコンクリート構造物10の打継ぎ部において低減される理由について、図3を参照して説明する。図3の(a)は、一般的な製造方法で製造されるコンクリート構造物10aの側面図及びその断面図を示し、図3の(b)は、本実施形態に係る製造方法で製造されるコンクリート構造物10の側面図及びその断面図を示す。
図3の(a)に示すように、一般的な製造方法で製造されるコンクリート構造物10aでは、既設コンクリート1aの上面に位置する打継ぎ部に新設コンクリート7aを直接打ち込むため、打設された新設コンクリート7aが内部方向へ収縮する際、打継ぎ部付近において既設コンクリート1aにより拘束応力が発生する。このため、新設コンクリートの打継ぎ部を起点として、ひび割れ8aが発生することがある。
一方、図3の(b)に示すように、本実施形態に係る製造方法で製造されるコンクリート構造物10では、既設コンクリート1と新設コンクリート7との間に凝結遅延モルタル5が網状成形品4によって配置されているため、新設コンクリート7が内部方向に収縮した際も凝結遅延モルタル5が未だ凝結しておらず、既設コンクリート1による拘束応力が新設コンクリート7へ影響することがない。これにより、コンクリート構造物10では、打継ぎ部を起点として、ひび割れが発生することが抑制される。
以上、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法によれば、凝結遅延モルタル5が網状成形品4内に入り込むため、新設コンクリート6の打込み圧および自重による凝結遅延モルタル5の打継ぎ部からの逸散が抑制され、網状成形品4内に入り込んだ凝結遅延モルタル5が、既設コンクリート1と新設コンクリート6との間で発生する拘束応力の低減を確実に図ることができる。その結果、このコンクリート構造物の製造方法によれば、凝結遅延モルタル5が打継ぎ部に確実に位置しており、新設コンクリート7におけるひび割れの発生を十分に抑制することが可能となる。
また、本実施形態に係る製造方法では、網状成形品4は、その空隙率が80%以上97%以下である。この場合、網状成形品4内に凝結遅延モルタル5が十分に入り込むため、凝結遅延モルタル5を打継ぎ部により確実に保持しておくことができ、新設コンクリート7におけるひび割れの発生をより一層抑制することが可能となる。なお、網状成形品4の空隙率が80%よりも小さいと、網状成形品4内に凝結遅延モルタル5を短時間で十分に入り込ませることが難しくなり、一方、網状成形品4の空隙率が97%よりも大きいと、空隙率が高くなりすぎてしまい、凝結遅延モルタル5の逸散の抑制効果が低減してしまう。
また、本実施形態に係る製造方法では、網状成形品4は、その厚みが15mm以上50mm以下である。この場合、網状成形品4内に凝結遅延モルタル5が十分に入り込むと共に、新設コンクリート6の打込み圧および自重に対抗することができるため、凝結遅延モルタル5を打継ぎ部により確実に保持しておくことができ、より一層、ひび割れを抑制することができる。なお、網状成形品4の厚みが15mmよりも薄いと、網状成形品4内に十分な量の凝結遅延モルタル5を保持しておくことが難しくなり凝結遅延モルタル5の逸散の抑制効果が低減してしまう。一方、網状成形品4の厚みが50mmよりも厚いと、打継ぎ部の厚みを必要以上に厚くすることになってしまう。
また、本実施形態に係る製造方法では、網状成形品4は、打継ぎ部の60%から略全面を覆うように設置されている。この場合、打継ぎ部の全体においてひび割れの発生を抑制することができる。なお、ここで「略全面」としているのは、打継ぎ部の全体を完全に覆った場合、打継ぎ部の側面から網状成形品4がはみ出してしまいコンクリート構造物10の外観を損なってしまう恐れがあるため、打継ぎを行った際に打継ぎ部の側面から網状成形品4の端部がはみ出さない程度に打継ぎ部の全面を覆うといった趣旨である。
また、本実施形態に係る製造方法では、打継ぎ部に網状成形品4を設置した後に凝結遅延モルタル5を打継ぎ部に敷設している。この場合、凝結遅延モルタル5を敷設する際にこのモルタル等を高い位置から打継ぎ部に落とし込んだとしても、打継ぎ部に既に設置された網状成形品4が緩衝材として機能することから、当該モルタル等の飛散を抑制することができる。なお、逆に、凝結遅延モルタル5を打継ぎ部に敷設した後に、その打継ぎ部に網状成形品4を設置して、網状成形品4の空隙部に凝結遅延モルタル5が入り込むようにしてもよい。
また、本実施形態に係る製造方法では、打継ぎ部に敷設される凝結遅延モルタル5のフロー値が100mm以上350mm以下である。この場合、打継ぎ部の全体に対して凝結遅延モルタル5を容易に自己充填させることができ、また、凝結遅延モルタル5の上に新設コンクリート6が打ち重ねられた際や締固めのためにバイブレータを掛けた際に凝結遅延モルタル5が飛散する程度を抑制することができる。これにより、新設コンクリート7におけるひび割れをより一層抑制することが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な実施形態に適用できる。例えば、上記実施形態では、縁切り材として凝結遅延モルタルを用いた例を示したが、既設コンクリート1と新設コンクリート6との間で発生する拘束応力を低減できるようであれば、凝結遅延コンクリートを用いてもよい。また、上記実施形態では、既に硬化している既設コンクリート1の上に網状成形品4を設置する場合を説明したが、コンクリート1を打設した直後、即ち未だ硬化していない段階でコンクリート1の上に網状成形品4を設置してもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例では、網状成形品を用いた場合(実施例1)と網状成形品を用いない場合(比較例1)とで凝結遅延モルタルが所定の位置(上記実施形態における打継ぎ部)に残置されるか否かについて検討した。
まず、図4に示すように、幅Wが380mm、長さLが525mm、高さH1が300mmのプラスチック容器を用意した。実施例1として、空隙率が95%、厚さが1.5mmのポリプロピレン製の網状成形品(商品名:ヘチマロン、新光ナイロン株式会社製)を用意し、プラスチック容器の底に配置した。この網状成形品の大きさは、プラスチック容器の底面積と略同一とした。続いて、実施例1として、プラスチック容器の底部に配置された網状成形品に対して、図5の(a)、(b)に示すように、凝結遅延モルタルを4リットル流し込み、網状成形品の上面がほぼ覆われるようにした。
一方、比較例1として、実施例1と同様のプラスチック容器を用意し、網状成形品を配置することなく、プラスチック容器の底部に対して、図5の(c)、(d)に示すように、凝結遅延モルタルを4リットル流し込んだ。
実施例1及び比較例1で用いた凝結遅延モルタルは、水、ポルトランドセメント、細骨材、増粘剤、超遅延剤、及び、高性能AE減水剤を含有しており、具体的には、以下の表1に示す材料構成であった。
また、この凝結遅延モルタルの配合は以下の表2のとおりであり、水セメント比(質量比)W/Cが45%であった。また、細骨材とセメントの比(質量比)S/Cは、0.5%であった。また、増粘剤DGは水Wの質量に対して0.1%であり、超遅延剤TはセメントCの質量に対して1.25%であり、高性能AE減衰剤SPはセメントCの質量に対して1.0%であった。
このような配合比率のモルタル材料をハンドミキサを用いて練混ぜした。練混ぜ時間としては、ペール缶に全材料を投入して1分間練混ぜした後、掻落しを行い、再度1分間練混ぜを行い、排出した。なお、このようにして作製した凝結遅延モルタルのモルタルフロー値は、302mmであった。モルタルフロー値は、JIS R 5201に準拠して測定した。
続いて、実施例1及び比較例1の何れの場合において、凝結遅延モルタルを流し込んだ後、直ちに、図4及び図6に示すように、高さH2が1.5mmのところから、新設コンクリートに相当するコンクリートをプラスチック容器の底部中央に向けて落とし込んで、コンクリートの打込みを行った。以下の表3に実施例1と比較例1とをまとめた表を示す。
その結果、比較例1では、図7の(a)に示すように、モルタルの打上りが発生してしまった。また、打ち込んだコンクリートの締固めのためにバイブレータを掛けたところ、図7の(b)に示すように、モルタルがコンクリートの上面に浮き上がってしまい、最終的にはすべてのモルタルがコンクリートの上面に浮き上がってしまった。なお、図7の(b)の点線よりも右側はコンクリートであり、点線よりも左側は打ち上がったモルタルを示している。
一方、網状成形品を用いた実施例1では、図8及び図9に示すように、モルタルの打上りが発生することもなく、モルタルがプラスチック容器の底、即ち打継ぎ部に残置することが確認された。しかも、打ち込んだコンクリートの締固めのためにバイブレータを掛けても、モルタルは動くことなくコンクリートの上面に浮き上がることはなかった。つまり、モルタルは底部に残置されたままであった。
図10に、上述したように、比較例1(網状成形品なし)と実施例1(網状成形品あり)との場合で、コンクリートの打上り高さに対応して、モルタルの打上り高さがどのように変化したかをまとめた。図10に示すように、比較例1では、コンクリートの打上り高さに応じてモルタルの打上り高さも上昇してしまった一方、実施例1では、コンクリートの打上り高さにかかわらず、モルタルが容器の底部(打継ぎ部)に残置されていた。
1…既設コンクリート(打設済みコンクリート)、4…網状成形品(網状部材)、5…凝結遅延モルタル、6,7…新設コンクリート、10…コンクリート構造物。

Claims (7)

  1. 打設済みコンクリートに新設コンクリートを打継いでコンクリート構造物を製造する製造方法であって、
    前記打設済みコンクリートの打継ぎ部に当該打継ぎ部に対向するように網状部材を設置する工程と、
    前記新設コンクリートの硬化時間よりも長い凝結時間を有する凝結遅延モルタル又は凝結遅延コンクリートを前記打継ぎ部に敷設する工程と、
    前記網状部材が設置されて前記凝結遅延モルタル又は前記凝結遅延コンクリートが敷設された前記打継ぎ部に前記新設コンクリートを打ち込む工程と、
    を備えることを特徴とする、コンクリート構造物の製造方法。
  2. 前記網状部材は、その空隙率が80%以上97%以下であることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  3. 前記網状部材は、その厚みが15mm以上50mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  4. 前記網状部材は、前記打継ぎ部の60%から略全面を覆うように設置されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  5. 前記打継ぎ部に前記網状部材を設置した後に前記凝結遅延モルタル又は前記凝結遅延コンクリートを前記打継ぎ部に敷設することを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  6. 前記打継ぎ部に敷設される前記凝結遅延モルタルのフロー値が100mm以上350mm以下であることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  7. 前記凝結遅延モルタル又は前記凝結遅延コンクリートが前記網状部材内に入り込んだ後に前記新設コンクリートの打ち込みを行うことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
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