JP6593788B2 - シートパッドの製造方法及びシートパッド - Google Patents

シートパッドの製造方法及びシートパッド Download PDF

Info

Publication number
JP6593788B2
JP6593788B2 JP2015071349A JP2015071349A JP6593788B2 JP 6593788 B2 JP6593788 B2 JP 6593788B2 JP 2015071349 A JP2015071349 A JP 2015071349A JP 2015071349 A JP2015071349 A JP 2015071349A JP 6593788 B2 JP6593788 B2 JP 6593788B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
network structure
dimensional network
seat pad
mold
coating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015071349A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016189906A (ja
Inventor
成之 飯島
秀樹 蜷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Subaru Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Subaru Corp filed Critical Subaru Corp
Priority to JP2015071349A priority Critical patent/JP6593788B2/ja
Publication of JP2016189906A publication Critical patent/JP2016189906A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6593788B2 publication Critical patent/JP6593788B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)

Description

本発明は、シートパッドの製造方法に関し、特に、三次元網目構造体を内包する成形型内で樹脂組成物を発泡成形させてなるシートパッドの製造方法に関する。さらに、本発明は、発泡樹脂成形体とこの発泡樹脂成形体に埋設された三次元網目構造体とを有するシートパッドに関する。
自動車等の車両用のシートには、そのシートバック部やシート部にクッション材として発泡ポリウレタン等で形成したシートパッドが用いられる。
車両の構成部材に対しては、燃費向上を目的とした部材の軽量化が常に要求されており、シートパッドについても例外ではない。また、発泡ポリウレタン等の樹脂発泡体からなるシートパッドは通気性が悪く、着座者との接触面に蒸れが生じるという不具合があった。
そこで、特許文献1には、シートパッドの軽量化及び通気性向上を図る技術が提案されている。具体的には、図7(A)の断面図に示すように、発泡ポリウレタン101と繊維集積体102とからなるシートパッド100が開示されている。繊維集積体102は、例えば、複数種のポリエステル繊維を混綿及びニードリング絡合し、熱処理により相互に融着させてなる多孔質の繊維集積体であり、シートパッド100の非着座側の面100aに一部が露出するように、あるいは同図(B)に示すように、発泡ポリウレタン101に完全に内包されるかたちで設けられている。尚、繊維集積体102内の空間は、連通孔103によってシートパッド100の着座側の面100bと連通している。
特許文献1によれば、シートパッドを構成する樹脂発泡体の一部が多孔質の繊維集積体102に置き換えられることでシートパッドが軽量化される。また、シートパッド100の着座側の面100bと繊維集積体102が連通していることで、着座時には着座側の面100bの湿気が連通孔103を介して繊維集積体102内に移動可能となり、非着座時には繊維集積体102内の湿気が連通孔103を介してシートパッド100の外部に放出される。
したがって、樹脂発泡体からなるシートパッドであっても一定の通気性を備えることが可能となる。
なお、繊維集積体102と発泡ポリウレタン101の境界部には、未発泡且つ硬化前の液状のポリウレタン樹脂組成物が繊維集積体102に浸入・固化してなる樹脂含浸層104が形成されている。
特開2009−268579号公報
しかし、特許文献1のシートパッドによれば、繊維集積体を含む成形型内で液状の(未発泡の)樹脂組成物を発泡させるので、上述のとおり樹脂組成物が繊維集積体の表面部に浸入する。この表面部においては樹脂組成物の発泡が制限されるために繊維集積体が固化し、シートパッドの弾性・柔軟性が低下する。また、この表面部において樹脂組成物の発泡が制限されることで、所期の発泡を確保すべくこの表面部への浸入量を考慮して余分に樹脂組成物を添加する必要が生じる。したがって、そのぶん得られるシートパッドの重量が増加する。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、従来よりも重量を低下させ、且つ座り心地を向上しうるシートパッドの製造方法及びシートパッドを提供することにある。
上記目的を達成するための請求項1に記載の発明は、三次元網目構造体を内包する成形型内で樹脂組成物を発泡成形させてなるシートパッドの製造方法において、前記樹脂組成物に対して非透過性の被覆膜によって前記三次元網目構造体を被覆する被覆工程と、前記成形型内に、前記被覆後の三次元網目構造体を着座側の型面に対して所定間隔をおいて配置した状態で前記樹脂組成物を発泡成形させて発泡樹脂成形体を得る発泡成形工程と、前記発泡成形後に、着座側の表面から前記三次元網目構造体まで前記被覆膜を貫く貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、を有し、前記三次元網目構造体が、前記発泡樹脂成形体に埋設されていることを特徴とする。
この構成によれば、三次元網目構造体を配置した成形型内で樹脂組成物を発泡成形させる前にこの三次元網目構造体が被覆体によって被覆されているので、三次元網目構造体内に樹脂組成物が透過しない。したがって、三次元網目構造体内への樹脂組成物の透過に起因する三次元網目構造体の固化が生じず、所期のシートパッドの弾性・柔軟性を確保することができ、同時に、樹脂組成物の透過による発泡の制限がないので、樹脂組成物を余分に添加することによる重量の増加も生じない。
さらに、シートパッドには成形型内での発泡成形後に着座側の表面から三次元構造体まで被覆膜を貫く貫通孔が形成されるので、貫通孔を介して着座側の表面の通気性が確保される。
したがって、従来よりも重量を低下させることができ、且つ通気性及び所期の弾性・柔軟性を兼ね備えることで座り心地が向上したシートパッドを製造することが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシートパッドの製造方法において、前記発泡成形工程が、着座側の型面に基端が固定されるとともに先端が前記被覆膜を貫通して前記三次元網目構造体内に到達する針状体を設置する針状体設置操作を含み、前記貫通孔形成工程が、前記発泡成形後のシートパッドから前記針状体を抜き取る抜き取り操作であることを特徴とする。
この構成によれば、着座側の型面に基端が固定されるとともに先端が前記被覆膜を貫通して前記三次元網目構造体内に到達する針状体を設置し、シートパッドの発泡成形後に針状体を抜き取ることで貫通孔が形成されるので、シートパッドの発泡成形とほぼ同時に貫通孔も形成されることとなり、効率的である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のシートパッドの製造方法において、前記貫通孔が、前記三次元網目構造体から前記シートパッドの非着座側の裏面までさらに延伸して設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、貫通孔がシートパッドの着座側の表面から三次元網目構造体を介して非着座側の裏面まで連通しているので、着座側の表面で発生した湿気が三次元網目構造体内に保持可能となるだけでなく、非着座側の裏面から逃がすことも可能となる。したがって、得られたシートパッドは単に通気性が良いばかりでなく、従来の構成では達成しえなかった、着座状態において常に湿気をシートパッドの非着座側の裏面から逃がし続けることができるという作用を奏するものとなる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のシートパッドの製造方法において、前記成形型内における前記被覆後の三次元網目構造体の配置が、前記成形型内に設けられる固定部材によって固定されることを特徴とする。
この構成によれば、成形型内における三次元網目構造体の配置が固定部材によって固定されているため、樹脂組成物の発泡挙動によっても動かされずに目的の位置に確実に三次元網目構造体を留まらせることが可能となる。
請求項5に記載の発明は、発泡樹脂成形体と該発泡樹脂成形体に埋設された三次元網目構造体とを有するシートパッドにおいて、前記発泡樹脂成形体は、樹脂組成物の発泡成形により得られたものであり、前記三次元網目構造体は、着座側の表面から所定間隔をおいて配置されるとともに該三次元網目構造体の表面を覆う被覆膜によって前記発泡樹脂成形体との境界が画定されており、着座側の表面から前記三次元構造体まで前記被覆膜を貫く貫通孔が形成され、前記被覆膜は、前記樹脂組成物に対して非透過性であって、三次元網目構造体を被覆するために十分な柔軟性を有する薄膜であることを特徴とする。
この構成によれば、被覆膜によって三次元網目構造体と発泡樹脂成形体との境界が画定されていることから、両者が混在する部位がない。したがって、両者の混在に起因する三次元網目構造体の固化が生じておらず、所期のシートパッドの弾性・柔軟性を確保することができ、同時に混在することがないので、発泡樹脂成形体の三次元網目構造体内への混在分を踏まえてシートパッドの製造時に予め樹脂組成物を余分に添加することによる重量の増加も生じない。
さらに、シートパッドには着座側の表面から三次元構造体まで被覆膜を貫く貫通孔が形成されるので、貫通孔を介して着座側の表面の通気性が確保される。
したがって、従来よりも重量を低下させることができ、且つ通気性及び所期の弾性・柔軟性を兼ね備えることで座り心地が向上したシートパッドを製造することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のシートパッドにおいて、前記被覆膜が、ポリエステル繊維からなる織布や不織布、および軟質プラスチック製フィルムからなる群から選択されることを特徴とする。
本発明によれば、従来よりも重量を低下させることができ、且つ通気性及び所期の弾性・柔軟性を兼ね備えることで座り心地が向上したシートパッドを製造することが可能となる。したがって、かかるシートパッドを車両に適用した場合には、燃費が向上し、且つ長時間の着座に伴う不快感の低減した車両を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るシートパッドの構成部材及び成形型の概略分解斜視図である。 成形型への樹脂組成物の注入状態を模式的に示す、図1のII−II線断面に対応する断面図である。 製造されたシートパッド10の断面図である。 (A)シートパッドの貫通孔形成に用いる穿孔部材50及び(B)穿孔部材50を用いる貫通孔形成工程を説明する図である。 貫通孔11の変形例に係るシートパッド10を説明する断面図である。 三次元網目構造体15の位置の変形例に係るシートパッド10を説明する断面図である。 従来の、発泡ポリウレタンと繊維集積体とからなるシートパッドを示す縦断面図である。
次に、本発明の実施の形態に係るシートパッドの製造方法及びシートパッドを、車両の後部シートにおけるシート部のクッション材として使用される場合を例に図1〜図3を参照して説明する。図1は本実施の形態に係るシートパッド10の構成部材及び成形型の概略分解斜視図、図2は成形型への樹脂組成物の注入状態を模式的に示す断面図、並びに図3は製造されたシートパッド10の断面図である。
図1に示すように、シートパッド10は、三次元網目構造体15を内包する成形型20内で樹脂組成物25(図2参照)を発泡成形させることにより製造される。
成形型20は、上型21及び下型23をヒンジ26により開閉可能として構成された分割金型であり、閉状態の内部空間28(図2参照)によって成形されるべきシートパッドの形状が画定される。尚、下型23の型面24は着座側の型面であり、上型21の型面22は非着座側の型面である。
下型23の型面24には、金属製の針状体30の基端を固定するための固定穴24aが所定間隔をおいて複数設けられている。設置される針状体30の本数及び相互の間隔は、製造されるシートパッド10に必要とされる通気性に応じて任意に設定することができる。
樹脂組成物25は、シートのクッション材に使用される任意の樹脂を使用することができ、例えば、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、各種合成ゴムから選ばれた樹脂に、発泡剤、滑剤、充填材、着色剤、難燃剤、各種安定剤などから選ばれた所望の添加剤を配合した液状樹脂組成物を挙げることができる。本実施の形態においては液状の樹脂組成物を用いているが、任意にペレット状、粒状、粉末状にした樹脂組成物を用いることも可能である。
一般に、気泡の安定性や弾性特性、耐久性などの観点からポリウレタン系樹脂組成物が好ましく用いられる。ポリウレタン系樹脂組成物としては、公知の発泡性ポリウレタン系組成物を好適に使用することができる。その硬化物の硬度も、シートに使用されるシートパッドにおける従来公知の範囲内で調整可能である。
三次元網目構造体15は、繊維相互を部分的に融着し、あるいは相互に絡み合わせつつ内部に多くの空隙を持たせて構成された立体構造体である。かかる立体構造体は、通常シートパッドに用いられる軟質ポリウレタン発泡体と比較して優れた通気性を有する。三次元網目構造体15としては、例えば、硬綿(固綿)、三次元ランダムループ接合体など公知のものが挙げられる。
硬綿は、例えば、ポリエステル繊維などの合成繊維を素材とし、比較的高融点の繊維と低融点の繊維を混ぜ合せ、低融点繊維をバインダーとして成形一体化して固めたものである。また、三次元ランダムループ接合構造体は、熱可塑性弾性樹脂からなる連続繊維を曲りくねらせてランダムループを形成し、其々のループを互いに溶融状態で接着せしめて、接触部の大部分を融着させてなるものであり、例えば、東洋紡績株式会社製の「ブレスエアー」(登録商標)が挙げられる。
これらは、繊維により形成された三次元網目構造体であり、例として密度が20〜200kg/mと低密度であるため、優れた通気性を有する。三次元網目構造体15は、断面略矩形の板状に切断され、被覆膜32によって外表面全体が被覆される。
被覆膜32は、樹脂組成物25に対して非透過性であって、三次元網目構造体15を被覆するために十分な柔軟性を有する薄膜であればどのようなものであっても良いが、例えば、ポリエステル繊維からなる織布や不織布が用いられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン等の軟質プラスチック製フィルムを用いてもよい。
成形型20内には、予めシートフレーム35(固定部材)が配置される。シートフレーム35は、左右一対の平面視略ロ字状のパイプ部材36,37の上部36a,37a間に上部ワイヤ部材38,39をそれぞれ架け渡し、且つ、下部36b,37b間に下部ワイヤ部材40,41をそれぞれ架け渡してなる構成を有する。
シートフレーム35は、車両の後部シートの骨格部材であるとともに、上部ワイヤ部材38,39と下部ワイヤ部材40,41との間に三次元網目構造体15を挟持固定する固定部材である。
以下、本実施の形態に係るシートパッドの製造方法にかかる製造工程を説明する。
[被覆工程]
図1に示すように、被覆膜32を矢印150方向に移動させ、板状の三次元網目構造体15を被覆膜32により被覆する。これにより、三次元網目構造体15は、その外表面全体が被覆膜32によって被覆される(以上、被覆工程)。
[発泡成形工程]
被覆膜32により被覆した三次元網目構造体15を、シートフレーム35(固定部材)の上部ワイヤ部材38,39と下部ワイヤ部材40,41間に(図1の矢印200方向に)挿入する。これにより、三次元網目構造体15がシートフレーム35によって挟持される。
次に、図1に示すように、針状体30を下型23の固定穴24aに固定する。針状体30の本数及び相互間隔は、上述のとおり、製造されるシートパッド10に必要とされる通気性に応じて任意に設定することができる(針状体設置操作)。
その後、三次元網目構造体15を挟持したシートフレーム35を、図1の破線矢印250方向に移動させ、下型23内に配置する。尚、シートフレーム35は、パイプ部材36,37が下型23における図示左右の型面27,29の所定高さ位置に係止されることで、下型23内に配置される。したがって、図2に示すように、三次元網目構造体15は、下型23の型面24から所定距離離間した位置に固定される。この状態において、針状体30の先端は被覆膜32を貫通して三次元網目構造体15内に到達している。
次に、図2に示すように、必要量の樹脂組成物25を、注入用ホース42を介して下型23内に注入し、上型21を矢印300方向に回動させて成形型20を閉状態とし、内部空間28内で樹脂組成物25を発泡成形させる。これにより、樹脂組成物25が発泡成形し、発泡樹脂成形体45となる(以上、発泡成形工程)。
[貫通孔形成工程]
最後に、上型21を矢印350方向(図2参照)に回動させて成形型20を開状態とし、成形型20からシートパッド10を取り出す。この取り出し操作の際、針状体30は下型23の固定穴24aに固定されているので、シートパッド10の成形型20からの取り出し操作によってシートパッド10から針状体30が抜き取られる抜き取り操作が同時に行われる(抜き取り操作)。
成形されたシートパッド10は、図3に示すように、発泡樹脂成形体45とこの発泡樹脂成形体45に埋設された三次元網目構造体15とを有しており、三次元網目構造体15はシートパッド10の着座側の表面10aから所定間隔をおいて発泡樹脂成形体45の内部に配置されるとともに、三次元網目構造体15の表面を覆う被覆膜32によって発泡樹脂成形体45との境界が画定されている。また、針状体30が抜き取られることで、シートパッド10には、着座側の表面10aから三次元網目構造体15まで被覆膜32を貫く貫通孔11が形成される(以上、貫通孔形成工程)。
したがって、本実施の形態に係るシートパッドの製造方法及びシートパッド10によれば、三次元網目構造体15を配置した成形型20内で樹脂組成物25を発泡成形させる前にこの三次元網目構造体15が被覆体32によって被覆されているので、三次元網目構造体15内に樹脂組成物25が透過しない。したがって、三次元網目構造体15内への樹脂組成物25の透過(浸入)に起因する三次元網目構造体15の固化が生じず、所期のシートパッドの弾性・柔軟性を確保することができ、同時に、樹脂組成物25の浸入による発泡の制限がないので、樹脂組成物25を余分に添加することによる重量の増加も生じない。
さらに、シートパッド10には成形型20内での発泡成形後に着座側の表面10aから三次元構造体15まで被覆膜32を貫く貫通孔11が形成されるので、貫通孔11を介して着座側の表面10aの通気性が確保される。
したがって、従来よりも重量を低下させることができ、且つ通気性及び所期の弾性・柔軟性を兼ね備えることで座り心地が向上したシートパッドを製造することが可能となる。
そのうえ、成形型20内に、着座側の型面24に基端が固定されるとともに先端が被覆膜32を貫通して三次元網目構造体15内に到達する針状体30を設置し、シートパッド10の発泡成形後に針状体30を抜き取ることで貫通孔11が形成されるので、シートパッド10の発泡成形と貫通孔11の形成がほぼ同時且つ連続的になされることとなり、効率的である。
また、成形型20内における三次元網目構造体15の配置がシートフレーム35(固定部材)によって固定されているため、樹脂組成物25の発泡挙動によっても動かされずに目的の位置に確実に三次元網目構造体15を留まらせることが可能となる。
なお、本実施の形態に係るシートパッドの製造方法では、シートパッド10への貫通孔11の形成を、成形型20の着座側の型面24に予め針状体30を設置した状態でシートパッド10を発泡成形し、発泡成形後のシートパッド10から針状体30を抜き取ることにより行っているが、これに限定されるものではなく種々の変形が可能である。
以下に、貫通孔形成工程の変形例を、図4に基づいて説明する。図4において上述の図1〜図3に示した実施の形態と同様の要素には、同一の符号を付しその説明を省略する。図4(A)はシートパッドの貫通孔形成に用いる穿孔部材50を説明する図であり、同図(B)は穿孔部材50を用いる貫通孔形成工程を説明する図である。
本変形例においては、シートパッド10の貫通孔11を形成するにあたり、図4(A)に示す穿孔部材50を用いる。穿孔部材50は、シートパッド10の着座側の表面10aより広い面積を有する板部材として構成される基部50aと、該基部50aに所定間隔をおいて立設された複数の針状部52と、からなる。針状部52の長さは、シートパッド10の着座側の表面10aから内包された三次元網目構造体15に到達するまでの長さであればよい。また、針状部52相互の間隔は、シートパッド10の着座側の表面10aに要求される通気性を確保するために必要な間隔であればよい。
本変形例においては、被覆工程及び発泡体形成工程は、発泡体形成工程において針状体が成形型20の下型23の型面24に設置されない点を除き、上記実施の形態と同様に行われる。
次に、本変形例に係る貫通孔形成工程について説明する。成形型20から取り出されたシートパッド10は、図4(B)に示すように、貫通孔が形成されていない。このシートパッド10の着座側の表面10aを図示下方に向け、且つ、針状部52を図示上方に向けてシートパッド10の下方位置に穿孔部材50を配置する。そして、穿孔部材50を矢印500方向に、針状部52の先端が被覆膜32を貫通して三次元網目構造体15内に到達するまで移動させる。
その後、穿孔部材50を、矢印500方向と逆方向に、針状部52の先端がシートパッド10の着座側の表面10aから離間するまで移動させる。
これにより、貫通孔11が形成された図3に示すシートパッド10の製造が終了する(以上、貫通孔形成工程)。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上記実施の形態において製造されたシートパッド10は貫通孔11が着座側の表面10aから三次元網目構造体15までを貫通する構成となっているが、これに限られるものではない。
例えば、図5に示すように、貫通孔11が三次元網目構造体15からさらに延伸し、シートパッド10の非着座側の裏面10bまで到達する構成とすることも可能である。図5のシートパッド10によれば、着座側の表面10aで発生した湿気を三次元網目構造体15内に保持可能となるだけでなく、非着座側の裏面10bから逃がすことも可能となる。したがって、得られたシートパッド10は単に通気性が良いばかりでなく、従来の構成では達成しえなかった、着座状態において着座側の表面10aで発生する湿気を常にシートパッド10の非着座側の裏面10bから逃がし続けることができるという作用を奏するものとなる。
また、三次元網目構造体15は、発泡樹脂成形体45内に完全に埋設されている必要があるわけではなく、図6に示すように、三次元網目構造体15の一部15aがシートパッド10の非着座側の裏面10bに露出していてもよい。尚、図6のシートパッド10においては、シートフレーム35の上部ワイヤ部材は、符号38’,39’で示すように、図3に示す実施の形態よりも幅広に構成されている。
さらに、上記実施の形態においては、シートフレーム35(固定部材)により三次元網目構造体15を挟持固定しているが、固定部材はシートフレーム35に限られるものではない。例えば、上記実施の形態における針状体30を固定部材として用いてもよく、その他任意の部材を固定部材として用いることが可能である。
なお、上記実施の形態においては、車両の後部シートにおけるシート部のクッション材として使用される場合を例に本発明に係るシートパッドの製造方法及びシートパッドを説明したが、これに限られるものではない。例えば、本発明に係るシートパッドは、車両の後部シートのシートバック部のクッション材に、また、車両の前部シートにおけるクッション材に適用することができる。
10 シートパッド
11 貫通孔
15 三次元網目構造体
20 成形型
25 樹脂組成物
30 針状体
32 被覆膜
35 シートフレーム(固定部材)
45 発泡樹脂成形体

Claims (6)

  1. 三次元網目構造体を内包する成形型内で樹脂組成物を発泡成形させてなるシートパッドの製造方法において、
    前記樹脂組成物に対して非透過性の被覆膜によって前記三次元網目構造体を被覆する被覆工程と、
    前記成形型内に、前記被覆後の三次元網目構造体を着座側の型面に対して所定間隔をおいて配置した状態で前記樹脂組成物を発泡成形させて発泡樹脂成形体を得る発泡成形工程と、
    前記発泡成形後に、着座側の表面から前記三次元網目構造体まで前記被覆膜を貫く貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
    を有し、
    前記三次元網目構造体が、前記発泡樹脂成形体に埋設されていることを特徴とするシートパッドの製造方法。
  2. 前記発泡成形工程が、着座側の型面に基端が固定されるとともに先端が前記被覆膜を貫通して前記三次元網目構造体内に到達する針状体を設置する針状体設置操作を含み、
    前記貫通孔形成工程が、前記発泡成形後のシートパッドから前記針状体を抜き取る抜き取り操作であること
    を特徴とする請求項1に記載のシートパッドの製造方法。
  3. 前記貫通孔が、前記三次元網目構造体から前記シートパッドの非着座側の裏面までさらに延伸して設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシートパッドの製造方法。
  4. 前記成形型内における前記被覆後の三次元網目構造体の配置が、前記成形型内に設けられる固定部材によって固定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシートパッドの製造方法。
  5. 発泡樹脂成形体と該発泡樹脂成形体に埋設された三次元網目構造体とを有するシートパッドにおいて、
    前記発泡樹脂成形体は、樹脂組成物の発泡成形により得られたものであり、
    前記三次元網目構造体は、着座側の表面から所定間隔をおいて配置されるとともに該三次元網目構造体の表面を覆う被覆膜によって前記発泡樹脂成形体との境界が画定されており、
    着座側の表面から前記三次元構造体まで前記被覆膜を貫く貫通孔が形成され、
    前記被覆膜は、前記樹脂組成物に対して非透過性であって、三次元網目構造体を被覆するために十分な柔軟性を有する薄膜であることを特徴とするシートパッド。
  6. 前記被覆膜が、ポリエステル繊維からなる織布や不織布、および軟質プラスチック製フィルムからなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載のシートパッド。
JP2015071349A 2015-03-31 2015-03-31 シートパッドの製造方法及びシートパッド Active JP6593788B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015071349A JP6593788B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 シートパッドの製造方法及びシートパッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015071349A JP6593788B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 シートパッドの製造方法及びシートパッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016189906A JP2016189906A (ja) 2016-11-10
JP6593788B2 true JP6593788B2 (ja) 2019-10-23

Family

ID=57244913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015071349A Active JP6593788B2 (ja) 2015-03-31 2015-03-31 シートパッドの製造方法及びシートパッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6593788B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01110914A (ja) * 1987-10-26 1989-04-27 Nishikawa Kasei Kk クッション材の製造方法
JP5317526B2 (ja) * 2008-05-01 2013-10-16 クラレファスニング株式会社 複合クッション体及びその製造方法
JP6054152B2 (ja) * 2012-11-26 2016-12-27 東洋ゴム工業株式会社 シートパッドの製造方法
JP2015107744A (ja) * 2013-12-05 2015-06-11 株式会社タチエス 通気性シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016189906A (ja) 2016-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014080614A1 (ja) シートパッド
EP2845709B1 (en) Manufacturing method of integrated foam-molded product and integrated foam-molded product
JP2015205611A (ja) クッション構造、クッション構造部品及びクッション構造の製造方法
CN106998921B (zh) 座椅垫以及座椅垫的制造方法
JP2009291537A (ja) クッションパッド
JP6251110B2 (ja) シートパッド
CN102756677B (zh) 车辆座椅与生产一种装软垫的车辆座椅部件的方法
JP6188218B2 (ja) シート用パッドの製造方法
JP6054152B2 (ja) シートパッドの製造方法
JP5964198B2 (ja) シートパッドの製造方法
CN104802359A (zh) 座垫的制造方法
CN108724580A (zh) 用于制造座垫材料的方法和发泡模具
JP2019201955A (ja) シートパッド
JP5492870B2 (ja) クッション部品、特に自動車で使用されるための座席クッション部品を製造する方法及びクッション部品
JP6786359B2 (ja) 車両用シートパッド及びその製造方法
JP2018197036A (ja) 乗物用シート
JP5708297B2 (ja) 表皮付一体発泡成形品及びその製造方法
JP6593788B2 (ja) シートパッドの製造方法及びシートパッド
JP5317526B2 (ja) 複合クッション体及びその製造方法
JP6650360B2 (ja) 表皮一体発泡成形品
JP2019024534A (ja) 車両用シートパッド及びその製造方法
JPH06106627A (ja) 異硬度発泡クッション体及びその製造方法
JP2004174762A (ja) シート用パッドの製造方法
JP6650361B2 (ja) 表皮一体発泡成形品
JPWO2004034853A1 (ja) シート用クッションパッド及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190305

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190820

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6593788

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250