JP6593526B2 - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2016年3月22日に出願された日本特許出願番号2016−57495号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
本開示は、冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変部を有する可変容量型圧縮機を有する冷凍サイクル装置に関するものである。
この種の圧縮機は、ハウジングと駆動軸の隙間からハウジングの外部へ冷媒や潤滑オイルが漏れ出すのを防止するリップシールやメカニカルシール等の軸封装置を備えている。また、このような圧縮機は、スラスト軸受、ラジアル軸受等の多数の摺動部材も備えている。
これらの軸封装置や摺動部材は、高温になると耐摩耗性や焼き付け性に問題が生じる。特に、冷媒として二酸化炭素を採用した場合、圧縮機の吐出冷媒温度は高温となり、それに伴い軸封装置や摺動部材の環境温度も高温となる。このため、軸封装置や摺動部材の環境温度が高温となったときに軸封装置や摺動部材を保護することが重要となっている。
そこで、圧縮機の出口と凝縮器またはガスクーラの入口を接続する配管のいずれかの部位における冷媒の圧力を検知する高圧圧力センサを備えることが、例えば、特許文献1に記載されている。そして特許文献1には、高圧圧力センサで検知された圧力が所定の閾値を超えると吐出容量を減少させて高負荷運転領域を回避することが記載されている。
特開2009−209823号公報
上記特許文献1に記載された装置は、圧縮機の冷媒の吐出圧力が所定の閾値を超えると吐出容量を減少させるように制御している。ところが、本発明者等の検討によれば、冷媒として二酸化炭素を用いた冷凍サイクルに用いられる圧縮機では、圧縮機の吐出圧力と摺動部材の温度との間の相関が低いことが分かった。これは、冷媒として二酸化炭素を用いた冷凍サイクルでは、冷媒の吐出圧力を一定に維持するような制御が行われることが多いためと考えられる。
したがって、上記特許文献1に記載された圧縮機において、冷媒として二酸化炭素を採用した場合、圧縮機の高負荷運転領域を精度良く判定することが難しい。
本開示は、冷媒の吐出圧力を用いることなく、精度良く圧縮機の高負荷運転状態を判定することを目的とする。
本開示の1つの観点によれば、車両用冷凍サイクル装置は、冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変部を有する可変容量型圧縮機と、冷媒の吐出容量を変化させる容量制御信号を可変容量型圧縮機へ出力する制御部と、可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を凝縮または冷却する熱交換器と、熱交換器から流出した冷媒を減圧膨張させる減圧部と、減圧部により減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、容量制御信号に基づいて可変容量型圧縮機の所定位置の温度を推定し、推定した温度に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する高負荷判定部と、を備えている。
これによれば、冷媒の吐出圧力を用いることなく、精度良く圧縮機の高負荷運転状態を判定することができる。
第1実施形態における車両用冷凍サイクル装置の概略構成およびその一構成部品である圧縮機の内部構成を示した概略図である。 図1の圧縮機に設けられている流量制御弁の構成を示した断面図である。 第1実施形態の車両用冷凍サイクル装置を使用する車両用空調装置の制御ブロック図である。 第1実施形態における車両用空調装置における空調制御の流れを示すフローチャートである。 クランクケース温度の推定値と実測値に比較例を示した図である。 シャフトシール温度の推定値と実測値に比較例を示した図である。 プーリベアリング温度の推定値と実測値に比較例を示した図である。 第2実施形態における車両用空調装置における空調制御の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本開示に係る複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る車両用冷凍サイクル装置60について、図1〜図4、図5A〜図5Cを用いて説明する。図1は、本実施形態における車両用冷凍サイクル装置60の概略構成およびその一構成部品である圧縮機1の内部構成を示した概略図である。
車両用空調装置に用いられる車両用冷凍サイクル装置60は、圧縮機1と、熱交換器2と、膨張弁3と、蒸発器4とを備えており、これらを環状に接続して構成されている。圧縮機1は、吸入した冷媒を高圧にして吐出する。熱交換器2は、圧縮機1から吐出した冷媒を凝縮または冷却する。膨張弁3は、熱交換器2から流出した冷媒を減圧膨張させる減圧部である。蒸発器4は、膨張弁3により減圧膨張された冷媒を蒸発気化させる。なお、熱交換器2は、凝縮器またはガスクーラを用いて構成することができる。また、本実施形態の車両用冷凍サイクル装置60では、冷媒として二酸化炭素を採用している。
圧縮機1は、冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変部を有し、冷媒の流量制御機構である流量制御弁5によって冷媒の吐出容量が制御される。なお、吐出容量可変部は、後述する斜板26、流量制御弁5等により構成される。圧縮機1のシリンダブロック6のリア側端面には、バルブプレート7を介してリアハウジング8が接合されている。その内部には吐出室9、吸入室10、吐出室9と接続されている吐出通路11、および吸入室10と接続されている吸入通路12が設けられている。吐出通路11は吐出管13によって熱交換器2と連結されており、吸入通路12は吸入管14によって蒸発器4と連結されている。
圧縮機1と熱交換器2との間で吐出管13により形成される冷媒通路には、2点間の流量差圧を得るための固定絞り部39と、差圧検出部としての流量センサ40とが設けられている。流量センサ40は固定絞り部39の上流側の高圧側冷媒と下流側の低圧側冷媒の流量差圧(すなわちPdL−PdLL)を精度よく検出することができる。この流量差圧は、高圧側冷媒における第2圧力監視点P2と低圧側冷媒における第3圧力監視点P3の流量差圧である。この流量差圧(すなわちPdL−PdLL)は、後述する第1圧力監視点P1と第2圧力監視点P2の二点間差圧△P(すなわちPdH−PdL)にほぼ等しい。
流量センサ40は、その構造の詳細は図示されていないが、高圧側通路40aと、低圧側通路40bと、可動体と、コイルスプリングと、磁石と、位置センサと、を備えて構成されている。高圧側通路40aは、高圧側冷媒が流れる第2圧力監視点P2を含む吐出通路11に固定絞り部39の上流側で連通する。低圧側通路40bは、低圧側冷媒が流れる第3圧力監視点P3を含む通路に固定絞り部39の下流側で連通する。可動体は、高圧側通路40a内で摺動するスプールからなる。コイルスプリングは、当該可動体を高圧側通路40a側に付勢する。磁石は、可動体の先端部に設けられる。位置センサは、この磁石と対向して配置されて当該可動体の変位を検出する。
流量制御弁5は、本空調装置の制御部に対応する図3のエアコンECU100によって制御される。流量制御弁5については後で詳細に説明する。
圧縮機1は、不図示のエンジンの動力を駆動軸23に伝達する電磁クラッチ38を有している。電磁クラッチ38は、プーリ380、ハブ343およびプーリベアリング382を有している。プーリ380は、不図示のエンジンから不図示のVベルトを介して与えられる回転駆動力によって回転する駆動側回転体を構成する。ハブ343は、略円盤状を成しており、圧縮機1の駆動軸23と一体で回転するとともに圧縮機1の駆動軸23の軸方向に相対移動する。ハブ343は、圧縮機1の駆動軸23に連結された受動側回転体を構成する。電磁クラッチ38は、プーリ380とハブ343とを連結あるいは切り離すことで、エンジンから圧縮機1への回転駆動力の伝達を断続するものである。
プーリベアリング382は、プーリ380とフロントハウジング15との間に介装されており、フロントハウジング15に対してプーリ380を回転可能に支持している。
電磁クラッチ38への通電はエアコンECU100によって断続され、電磁クラッチ38が通電されてプーリ380とハブ343とが連結状態になると、圧縮機1は運転状態となり、電磁クラッチ38の通電が遮断されてプーリ380とハブ343とが開離状態になると、圧縮機1は停止する。
次に、圧縮機1の内部構成を図1にしたがって説明する。圧縮機1のシリンダブロック6のフロント側端面には、フロントハウジング15が接合されている。フロントハウジング15の内部には区画されたクランク室16が形成されている。シリンダブロック6とバルブプレート7との間には、吸入弁17と一体になっている吸入弁形成板18が設けられている。バルブプレート7とリアハウジング8との間には、吐出弁19と一体になっている吐出弁形成板20と、リテーナ21を構成するリテーナ形成板22とが設けられている。シリンダブロック6、フロントハウジング15およびリアハウジング8はスルーボルトによって締付け固定されて一体になっている。
駆動軸23は、シリンダブロック6とフロントハウジング15の中心部に形成された軸孔にラジアル軸受24a、24bを介して回転可能に支持されている。駆動軸23は、不図示のVベルト、電磁クラッチ38を介してエンジンに作動可能に連結されており、エンジンからの動力供給を受けて回転する。駆動軸23は、クランク室16において回転可能なラグプレート25が一体に固定されており、カムプレートである斜板26は駆動軸23が挿通された状態で配置されている。
ラグプレート25と斜板26はヒンジ機構27によって連結されている。ヒンジ機構27は、斜板26側に向かうようにラグプレート25に突設された2つのラグプレート側突起25aと、ラグプレート25側に向かうように斜板26に突設された斜板側突起26aとによって構成されている。斜板側突起26aは、先端側が2つのラグプレート側突起25a間に入り込むように配置されている。ラグプレート25の回転力はラグプレート側突起25aおよび斜板側突起26aを介して斜板26に伝達される。
したがって斜板26は、ラグプレート25との間でヒンジ機構27による連結と、駆動軸23による支持とにより、ラグプレート25および駆動軸23と同期して回転可能であり、さらに駆動軸23の軸線方向へのスライド移動を伴いながら駆動軸23に対して傾動可能となっている。また、ラグプレート25は、フロントハウジング15に対してスラスト軸受241を介して回転自在に指示されている。
また、駆動軸23とフロントハウジング15の間には、メカニカルシール240が設けられている。このメカニカルシール240は、フロントハウジング15と駆動軸23の隙間からフロントハウジング15の外部へ冷媒が漏れ出すのを防止している。
シリンダブロック6の内部に周方向に配設されている複数のシリンダボア28の各々には、ピストン29が往復動可能に収容されている。各ピストン29の一端側とバルブプレート7との間には、ピストン29の往復運動に応じて容積変化する圧縮室30が形成されている。ピストン29の他端側は、シュー31を介して斜板26の周縁部に支持されている。
上記構成によって、エンジンの動力がVベルト、電磁クラッチ38を介して駆動軸23に伝達し、駆動軸23が回転すると、ラグプレート25およびヒンジ機構27を介して斜板26が回転し、シュー31を介してピストン29がシリンダボア28内で往復運動する。ピストン29の吸入工程時には、蒸発器4から吸入室10内に導入された冷媒ガスが吸入ポート32を通過して吸入弁17を押しのけ、さらに圧縮室30に吸入される。そしてピストン29が圧縮、吐出工程に移行すると、圧縮室30内の冷媒ガスは吐出ポート33を通って吐出弁19を押しのけ、吐出室9に吐出されることになる。
シリンダブロック6およびリアハウジング8の内部には、クランク室16と吸入室10とを連通する抽気通路34、および吐出室9とクランク室16とを連通する給気通路35が設けられている。流量制御弁5は、リアハウジング8の内部であって給気通路35の途中に設けられている。
エアコンECU100から出力される容量制御信号に応じて流量制御弁5の開度が調節されると、給気通路35を介したクランク室16への高圧の吐出冷媒ガスの導入量と抽気通路34を介したクランク室16からの冷媒ガスの導出量とのバランスが制御され、クランク室16の内圧が決定されることになる。クランク室16の内圧の変化に応じて、ピストン29を介してのクランク室16の内圧と圧縮室30の内圧との差が変化すると、斜板26の傾斜角度が変わり、圧縮機1の吐出容量が調節される。
エアコンECU100から出力される容量制御信号に応じて流量制御弁5の開度が小さくなると、クランク室16の内圧は低下する。そして、クランク室16の内圧が低下すると、斜板26の傾斜角度が増大し、圧縮機1の吐出容量が増大する。図1では、斜板26のそれ以上の傾動がラグプレート25によって規制された最大傾斜角度の状態を示している。
逆にエアコンECU100から出力される容量制御信号に応じて流量制御弁5の開度が大きくなると、クランク室16の内圧は上昇する。そして、クランク室16の内圧が上昇すると、斜板26の傾斜角度が小さくなりピストン29のストロークが減少し、圧縮機1の吐出容量が減少することになる。このように斜板26の傾斜角度を変えて圧縮機1の吐出容量を調節することにより、車室内の冷房を最適な状態にするようになっている。
次に、流量制御弁5の構成を図2にしたがって説明する。図2は流量制御弁5の構成を示した断面図である。図2に示すように、流量制御弁5は、給気通路35の開度を調節する弁体51と、弁体51に図面上方で作動可能に連結されている感圧機構部52と、弁体51に図面下方で作動可能に連結されている電磁アクチュエータ53と、をバルブハウジング54の内部に備えている。バルブハウジング54の内部には、給気通路35の一部を構成する弁孔54aが形成されており、弁体51が下方に移動することによって弁孔54aの開度が増大し、逆に上方に移動することによって弁孔54aの開度が小さくなる。
感圧機構部52は、バルブハウジング54内の上部に形成された感圧室52aと、感圧室52a内に収容された感圧部材であるベローズ52bとから構成されている。感圧室52aは、ベローズ52bによってベローズ52bの内部空間である第1圧力室55と、ベローズ52bの外部空間である第2圧力室56と、に区画されている。第1圧力室55と第1圧力監視点P1とは第1検圧通路57を介して連通している。また、第2圧力室56と第2圧力監視点P2とは第2検圧通路58を介して連通している。
第1圧力監視点P1と第2圧力監視点P2との間には、P1とP2の二点間差圧△P(すなわちPdH−PdL)を拡大する固定絞り部36が吐出通路11に形成されている。冷凍サイクルを流れる冷媒の流量が多くなるほど、単位長さ当りの圧力損失(すなわち差圧)は大きくなる。つまり、2つの圧力監視点P1、P2間の差圧(以下、二点間差圧△Pとする)を把握することによって、冷凍サイクルにおける冷媒流量を間接的に検出することができる。そして、固定絞り部36は二点間差圧△Pを拡大するようにすると、冷媒流量の検出をより明確にすることができる。
上記構成により、感圧機構部52において、第1圧力室55には圧力PdHが導かれ、第2圧力室56には圧力PdLが導かれる。ベローズ52bは、圧力PdHと圧力PdLとの差圧△Pdに基づく図面下向きの押圧力を弁体51に作用させる。
電磁アクチュエータ53は、固定鉄心53a、可動鉄心53bおよびコイル53cから構成されており、可動鉄心53bには弁体51が作動可能に連結されている。コイル53cに供給される電力量に応じた図面上向きの電磁力は固定鉄心53aと可動鉄心53bとの間に発生し、さらに可動鉄心53bを介して弁体51に伝達される。
流量制御弁5においては、次の数式1に示す力のつりあいが成り立ち、これらの力がつりあうところで弁体51の位置が決定される。この数式F1は、エアコンECU100のマイクロコンピュータ101に予め記憶されている。
A×△Pd + B×ΔPdc + Fspr = Fsol…(F1)
Fsolはコイル53cへの通電により可動鉄心53bが弁体51に作用させる図面上向きの電磁力である。A×△Pdはベローズ52bが弁体51に作用させる差圧△Pd(すなわち、図1や図2のP1における冷媒とP2における冷媒との差圧)に基づく図面下向き押圧力であり、Aは差圧△Pdが作用するベローズ52bの断面積である。B×ΔPdcは、吐出室9とクランク室16との差圧△Pdcに基づく図面下向き押圧力であり、Bは差圧ΔPdcが作用する弁体51の断面積である。Fsprはベローズ52bの所定のバネ力に基づく図面下向き付勢力である。
次に、車両用冷凍サイクル装置60を使用する車両用空調装置の制御システムについて説明する。図3は、当該車両用空調装置における制御システムのブロック図である。図3に示すように、当該車両用空調装置は、室内空調ユニットと、エアコンECU100と、コントロールパネル80と、を備えている。室内空調ユニットは、車室内のインストルメントパネル裏面とエンジンルームとの間に配置される。エアコンECU100は、室内空調ユニットの各部90〜93(すなわち各種ドア、ブロワ等)および車両用冷凍サイクル装置60の構成部品である流量制御弁5等を自動制御可能である。コントロールパネル80は、所望の運転を設定するために乗員によって操作される。
エアコンECU100は、コントロールパネル80から送信される命令信号を受信すると、所定のプログラムによる演算を行って空調運転を実行することができる。エアコンECU100は、マイクロコンピュータ101と、入力回路102と、出力回路103と、を備えている。入力回路102には、車室内前面に設けられたコントロールパネル80上の各種スイッチからの信号および各種センサ40、81〜87からのセンサ信号が入力される。出力回路103は、各種アクチュエータM1〜M4に出力信号を送るとともに流量制御弁5に容量制御信号を送る。
マイクロコンピュータ101は、ROM(すなわち読み込み専用記憶装置)、RAM(すなわち読み込み書き込み可能記憶装置)等のメモリおよびCPU(すなわち中央演算装置)等から構成されている。マイクロコンピュータ101は、コントロールパネル80等から送信された運転命令に基づいた演算に使用される各種プログラムを有している。数式1もこれらプログラムに含まれる。
コントロールパネル80には、エアコンスイッチ、吸込口切替スイッチ、温度設定スイッチ、風量切替スイッチ、吹出口切替スイッチ等が設けられている。エアコンスイッチは、圧縮機1の起動および停止を命令するためのスイッチである。吸込口切替スイッチは、吸込口モードを切り替えるためのスイッチである。温度設定スイッチは、車室内温度を設定するためのスイッチである。風量切替スイッチは、ブロワ93による車室内への送風量を切り替えるためのスイッチである。吹出口切替スイッチは、吹出口モードを切り替えるためのスイッチである。
各種センサは、内気温センサ81、外気温センサ82、日射センサ83、蒸発器後温度センサ84、水温センサ85、吐出圧センサ86、吐出温度センサ87、流量センサ40およびエンジン回転数センサ88等を含む。
内気温センサ81は、車室内の空気温度を検出するものであり、外気温センサ82は、車室外の外気温度を検出するものである。日射センサ83は、車室内に照射される日射量を検出するものであり、蒸発器後温度センサ84は、蒸発器4における熱交換コア部のフィン温度を検出するものである。水温センサ85は、室内空調ユニット内部の送風空気を加熱するヒータへの冷却水温度を検出するものであり、吐出圧センサ86は、圧縮機1から吐出される吐出側冷媒圧力Pdを検出するものである。吐出圧センサ86は、圧縮機1から吐出される吐出側冷媒圧力Pdを検出するものであり、吐出温度センサ87は、圧縮機1から吐出される吐出側冷媒温度Tdを検出するものである。流量センサ40は、圧縮機1と熱交換器2との間を接続する吐出管13により形成される冷媒通路の上流側の冷媒と下流側の冷媒の差圧を検出して吐出管13により形成される冷媒通路を流れる冷媒の流量を検出するものである。エンジン回転数センサ88は、エンジンの回転数Ncを検出するものである。これらセンサの検出信号は、エアコンECU100へ入力されるようになっている。
なお、蒸発器後温度センサ84は、蒸発器4の出口側温度を検出する蒸発器温度検出部の一例である。蒸発器後温度センサ84は、蒸発器4の熱交換コア部のフィン間に差し込んで設けられるフィン温度センサである。しかし、蒸発器温度検出部の他の例として蒸発器4の熱交換コア部を通過した直後の空気温度を検出する蒸発器後空気温度センサを用いてもよい。
マイクロコンピュータ101は、ROM、RAM等のメモリおよびCPU等から構成されており、コントロールパネル80等から送信された運転命令に基づいた演算に使用される各種プログラムを有している。マイクロコンピュータ101から出力された信号は、出力回路103によってD/A変換、増幅等された後に、各種アクチュエータM1、M2、M3、M4および流量制御弁5に駆動信号として出力される。アクチュエータM1、M2、M3、M4は、吹出口切替ドア90、内外気切替ドア91、エアミックスドア92、ブロワ93のそれぞれを駆動する。
次に、エアコンECU100による空調制御処理について図4および図5を用いて説明する。図4は、エアコンECU100による空調制御処理を示したフローチャートである。
まず、エアコンスイッチがオンされるなどして、エアコンECU100にオート空調運転命令が入力される。すると、エアコンECU100は、図4に示す空調制御処理にしたがって空調制御処理を開始する。すると、ROM,RAMなどのメモリに記憶された制御プログラムがスタートして、ステップS10でRAMに記憶されるデータなどが初期化される。
次に、エアコンECU100は、ステップS20でコントロールパネル80、内気温センサ81、外気温センサ82、日射センサ83、蒸発器後温度センサ84、水温センサ85、吐出圧センサ86、流量センサ40、吐出温度センサ87およびエンジン回転数センサ88等からの信号を読み込む。
次に、ステップS30で、これらの信号によるデータとROMに記憶されたプログラム(すなわち演算式)とによって車室内に吹き出す空気の温度の目標値である目標吹出温度TAOを算出する。具体的には、以下の数式F2を用いて目標吹出温度TAOを算出する。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×As+C…(F2)
ここで、Tsetは温度設定スイッチで設定された車室内の目標温度、Trは内気温センサ81で検出された検出信号、Tamは外気温センサ82で検出された検出信号、Asは日射センサ83で検出された検出信号を示している。なお、Kset、Kr、Kam、およびKsは、制御ゲインであり、Cは、補正用の定数である。
続いてエアコンECU100は、ステップS40において、車室内への送風を提供するブロワ93を作動するための電圧を決定する。このブロワ電圧の決定処理は、予めROMに記憶された特性図を用いて算出される。
次にエアコンECU100は、ステップS50において、ステップS30で算出された目標吹出温度TAOに対応する吸込口モードを決定する処理を実行する。エアコンECU100は、吸込口モードを予めROMに記憶された特性図を用いて決定し、例えば目標吹出温度TAOが所定の目標吹出温度よりも高いときには内気循環モードを選択し、所定の目標吹出温度以下であるときには外気導入モードを選択する。
次にエアコンECU100は、ステップS60において、予めROM、RAMなどに記憶されている吹出ロモード決定するための特性図にしたがい、ステップS30で算出された目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを決定する処理を実行する。エアコンECU100は、目標吹出温度TAOが上昇するにつれて、空調ゾーンの吹出ロモードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモードの順番に自動的に切り替えるように制御する。なお、フェイスモードとは、フェイス吹出口だけから空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口だけから空調風を吹き出しモードである。また、バレベルモードとは、フェイス吹出口およびフット吹出口から空調風を吹き出すモードである。
次にエアコンECU100は、ステップS70において、エアミックスドア92の目標開度を算出する。エアミックスドア92の開度は、ステップS30で算出された目標吹出温度TAO、蒸発器後温度センサ84によって検出された蒸発器後のフィン温度、水温センサ85によって検出された冷却水温を、ROMに記憶されたプログラム(すなわち演算式)に代入して演算することによって算出される。
次にエアコンECU100は、ステップS80において、ステップS30で決定した目標吹出温度TAOを実現するための目標蒸発器後温度TEOを算出する。具体的には、車室内の吹き出される空気の温度が目標吹出温度TAOに近付くように目標蒸発器後温度TEOを算出する。より具体的には、目標蒸発器後温度TEOと蒸発器後温度センサ84の検出値である実際の蒸発器後温度Teとが一致するように、フィードバック制御(すなわちPI制御)によって圧縮機1の目標吐出量を決定し、さらに、圧縮機1の目標吐出量を満たす制御電流Icを決定する。この制御電流Icは、電磁アクチュエータ53のコイル53cに流れる電流であって、圧縮機1の冷媒の吐出容量を制御する容量制御信号に相当する。
次にエアコンECU100は、ステップS90にて、動力断続用の電磁クラッチを接続状態する。それと共にエアコンECU100は、各ステップS30〜S80で算出または決定された各制御状態が得られるように、アクチュエータM1〜M4に制御信号を出力するとともに、圧縮機1の目標吐出量を満たす制御電流Icを流量制御弁5に出力する。
次に、エアコンECU100はステップS100で、電磁アクチュエータ53のコイル53cに流れる制御電流Ic、圧縮機1の回転数Ncおよび圧縮機1から吐出される冷媒の温度Tdの3つの条件を用いて圧縮機1が高負荷運転領域にあるか否かを判定する。
ここで、エアコンECU100のメモリには、以下の数式F3が記憶されている。エアコンECU100は、この数式F3を用いて圧縮機1の所定位置の温度Tcを推定し、圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値以上であるか否かに基づいて圧縮機1が高負荷運転領域にあるか否かをステップS100で判定する。
Tc=f(Ic、Nc、Td)…(F3)
ここで、Icは流量制御弁5の制御電流、Ncは圧縮機1の回転数、Tdは圧縮機の冷媒の吐出温度である。
流量制御弁5の制御電流Icは、圧縮機1の負荷、クランクケース内温度およびクランクケース内圧力とも相関関係を有している。すなわち、制御電流Icが大きくなると、クランクケース内圧力が低くなり、圧縮機1の負荷は大きくなり、クランクケース内温度は高くなる。なお、流量制御弁5の制御電流Icは、ステップS90で求めた電流値を用いることができる。
圧縮機1の駆動軸23の回転数Ncは、ラジアル軸受24a、24b、スラスト軸受241等の摺動部やメカニカルシールといった軸封装置の発熱と相関関係を有する。圧縮機1の駆動軸23の回転数Ncは、エンジン回転数と比例するため、エンジン回転数センサ88の出力値から特定することができる。
圧縮機1の冷媒の吐出温度Tdは、圧縮機1の負荷と相関関係を有する。すなわち、圧縮機1の冷媒の吐出温度Tdが高いほど、圧縮機1の負荷も大きくなる。また、圧縮機1の冷媒の吐出温度Tdは、冷凍サイクル内の冷媒のガス封入量と相関関係を有する。例えば、経年変化により冷凍サイクル内の冷媒のガス封入量が減少すると、圧縮機1から吐出される冷媒温度Tdは高くなる。圧縮機1の冷媒の吐出温度Tdは、吐出温度センサ87の出力値を用いて特定することができる。
エアコンECU100は、数式F3を用いて推定した圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値以上であるか否かに基づいて圧縮機1が高負荷運転領域にあるか否かを判定する。
ここで、圧縮機の所定位置の温度Tcが所定値未満の場合、ステップS20の処理に戻り上述のステップS20〜ステップS100の制御処理を繰り返す。また、数式F3を用いて推定された圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値以上になると、S100にてYESと判定され、エアコンECU100は、圧縮機1の冷媒の吐出容量を減少させるよう制御電流Icを少なくする。これにより、流量制御弁5の開度は増加し、ピストン29のストロークが減少し、圧縮機1の吐出容量が減少する。
そして、エアコンECU100は、数式F3を用いて推定した圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値未満になると、ステップS20の処理に戻り上述のステップS20〜ステップS100の制御処理を繰り返す。
ここで、数式F3を用いた圧縮機1の各部の温度の予測について説明する。図5Aは、図1中のM1で示されるクランクケース温度の推定値と実測値に比較例を示した図である。図5Bは、図1中のM2で示されるシャフトシール温度の推定値と実測値に比較例を示した図である。図5Cは、図1中のM3で示されるプーリベアリング温度の推定値と実測値に比較例を示した図である。図5A〜図5Cに示すように、数式F3を用いることで圧縮機の各部の温度を精度よく推定することが確認できた。
上記した構成によれば、車両用冷凍サイクル装置60は、可変容量型圧縮機1と、エアコンECU100と、熱交換器2と、を備えている。可変容量型圧縮機1は、冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変部を有する。エアコンECU100は、冷媒の吐出容量を変化させる容量制御信号を可変容量型圧縮機へ出力する。熱交換器2は、可変容量型圧縮機1から吐出した冷媒を冷却する。さらに、車両用冷凍サイクル装置60は、熱交換器2から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁3と、膨張弁3により減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器4と、容量制御信号に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する高負荷判定部と、を備えている。エアコンECU100が、ステップS100を実行することで、処理高負荷判定部に対応する。これによれば、冷媒の吐出圧力を用いることなく、精度良く圧縮機の高負荷運転状態を判定することができる。
また、高負荷判定部は、容量制御信号と、可変容量型圧縮機の回転数および可変容量型圧縮機より吐出される冷媒の温度の少なくとも一方と、に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する。これによれば、容量制御信号に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する場合と比較して、さらに精度良く高負荷運転状態であるか否かを判定することができる。
また、冷媒として二酸化炭素を採用している。このように、冷媒として二酸化炭素を採用したときに、特に精度良く高負荷運転状態であるか否かを判定することができる。
また、圧縮機1としては、電流駆動されるコイル53cと、該コイル53cを駆動する制御電流に応じて開度が変化する流量制御弁5を有し、該流量制御弁5の開度に応じて冷媒の吐出容量を変化させるよう構成されたものとすることができる。
また、本車両用冷凍サイクル装置60を、車両に搭載される車両用空調装置に適用することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る車両用冷凍サイクル装置60について説明する。本実施形態の車両用冷凍サイクル装置60は、上記第1実施形態の装置と同じである。本実施形態の車両用冷凍サイクル装置60は、上記第1実施形態の装置と比較してエアコンECU100の処理が異なる。
図6は、本実施形態のエアコンECU100の空調制御処理を示したフローチャートである。ステップS10〜ステップS100は、図4と同様であるので、ここではその説明を省略する。
本実施形態では、エアコンECU100は、ステップS100にて、数式F3を用いて推定した圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値以上であるか否かに基づいて圧縮機1が高負荷運転領域にあるか否かを判定する。
ここで、圧縮機の所定位置の温度が所定値未満の場合、ステップS20の処理に戻り上述のステップS20〜ステップS100の制御処理を繰り返す。また、数式F3を用いて推定された圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値以上になると、S100にてYESと判定され、エアコンECU100は、ステップS202で圧縮機1の電磁クラッチ38をオフにし、ステップS20に戻る。これにより、プーリ380とハブ343とが切り離され、エンジンから圧縮機1への回転駆動力の伝達が切断され、圧縮機1は無負荷状態となる。この後、ステップS20の処理に戻る。そして、数式F3を用いて推定された圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値以上となっている場合には、ステップS20に戻る。また、数式F3を用いて推定された圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値未満になると、ステップS20の処理に戻り上述のステップS20〜ステップS100の制御処理繰り返す。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上記実施形態における車両用冷凍サイクル装置60では、冷媒として二酸化炭素を採用したが、二酸化炭素以外の冷媒を採用した冷凍サイクル装置60に適用することもできる。
(2)上記各実施形態では、クラッチ付き可変容量型圧縮機を例に説明したが、可変容量型圧縮機であるため、例えば、所謂DLプーリ式圧縮機のようなクラッチレス可変容量型圧縮機を採用してもよい。
(3)上記各実施形態では、流量制御弁5の制御電流Ic、圧縮機1の回転数Nc、圧縮機の冷媒の吐出温度Tdを変数とする数式F3を用いて圧縮機1が高負荷運転領域にあるか否かを判定するようにした。これに対し、流量制御弁5の制御電流Ic、圧縮機1の回転数Nc、圧縮機の冷媒の吐出温度Tdの少なくとも1つを用いて圧縮機1が高負荷運転領域にあるか否かを判定するようにしてもよい。
(4)上記各実施形態では、数式F3を用いて圧縮機1の所定位置の温度Tcを推定し、圧縮機1の所定位置の温度Tcが所定値以上であるか否かに基づいて圧縮機1が高負荷運転領域にあるか否かを判定するようにした。しかし、必ずしも圧縮機1の所定位置の温度Tcを推定する必要はなく、流量制御弁5の制御電流Ic、圧縮機1の回転数Nc、圧縮機の冷媒の吐出温度Tdを変数とする関数を用いて圧縮機1が高負荷運転領域にあるか否かを判定してもよい。
(5)上記各実施形態では、流量制御弁5のコイル53cに流れる制御電流を、圧縮機1の冷媒の吐出容量を制御する容量制御信号とした。しかし、例えば、斜板角度検出センサや、クランク室内圧力など、流量制御弁5のコイル53cに流れる制御電流以外の容量を推定できる信号としてもよい。
なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、車両用冷凍サイクル装置は、冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変部を有する可変容量型圧縮機と、冷媒の吐出容量を変化させる容量制御信号を可変容量型圧縮機へ出力する制御部と、可変容量型圧縮機から吐出した冷媒を凝縮または冷却する熱交換器と、熱交換器から流出した冷媒を減圧膨張させる減圧部と、減圧部により減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、容量制御信号に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する高負荷判定部と、を備えている。
第2の観点によれば、高負荷判定部は、容量制御信号と、可変容量型圧縮機の回転数および可変容量型圧縮機より吐出される冷媒の温度の少なくとも一方と、に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する。これによれば、容量制御信号に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する場合と比較して、さらに精度良く高負荷運転状態であるか否かを判定することができる。
第3の観点によれば、高負荷判定部は、容量制御信号と、可変容量型圧縮機の回転数と、可変容量型圧縮機より吐出される冷媒の温度と、に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する。これによれば、容量制御信号に基づいて圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する場合と比較して、さらに精度良く高負荷運転状態であるか否かを判定することができる。
第4の観点によれば、冷媒として二酸化炭素を採用している。このように、冷媒として二酸化炭素を採用したときに、特に精度良く高負荷運転状態であるか否かを判定することができる。
第5の観点によれば、圧縮機は、電流駆動されるコイルと、該コイルを駆動する制御電流に応じて開度が変化する流量制御弁を有し、該流量制御弁の開度に応じて冷媒の吐出容量を変化させるよう構成されている。
第6の観点によれば、車両用冷凍サイクル装置は、車両に搭載される車両用空調装置に適用される。

Claims (8)

  1. 冷凍サイクル装置であって、
    冷媒の吐出容量を変化させる吐出容量可変部を有する可変容量型圧縮機(1)と、
    前記冷媒の吐出容量を変化させる容量制御信号を前記可変容量型圧縮機へ出力する制御部(100)と、
    前記可変容量型圧縮機から吐出した前記冷媒を凝縮または冷却する熱交換器(2)と、
    前記熱交換器から流出した前記冷媒を減圧膨張させる減圧部(3)と、
    前記減圧部により減圧膨張された前記冷媒を蒸発させる蒸発器(4)と、
    前記容量制御信号に基づいて前記可変容量型圧縮機の所定位置の温度を推定し、推定した前記温度に基づいて前記圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する高負荷判定部(S100)と、を備えた冷凍サイクル装置。
  2. 前記高負荷判定部は、前記容量制御信号と、前記可変容量型圧縮機の回転数および前記可変容量型圧縮機より吐出される前記冷媒の温度の少なくとも一方と、に基づいて前記圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記高負荷判定部は、前記容量制御信号と、前記可変容量型圧縮機の回転数と、前記可変容量型圧縮機より吐出される前記冷媒の温度と、に基づいて前記圧縮機が高負荷運転状態であるか否かを判定する請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記冷媒は二酸化炭素である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記圧縮機は、電流駆動されるコイル(53c)と、該コイルを駆動する制御電流に応じて開度が変化する流量制御弁(5)を有し、該流量制御弁の開度に応じて前記冷媒の吐出容量を変化させるよう構成されており、
    前記容量制御信号は、前記制御電流である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 車両に搭載される車両用空調装置に適用されるものである請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置
  7. 動力を前記可変容量型圧縮機の駆動軸(23)に伝達するクラッチ(38)を、前記圧縮機が高負荷運転状態であると前記高負荷判定部が判定したことに基づいて、オフする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記可変容量型圧縮機は、回転する斜板(26)を有し、
    前記斜板が回転すると、吸入室(10)内に導入された冷媒が圧縮室(30)を通って吐出室(9)に吐出され、
    前記流量制御弁は、前記吸入室と連通するクランク室(16)と前記吐出室とを連通する給気通路(35)の開度を調節する弁体(51)と、前記弁体(51)に連結されている電磁アクチュエータ(53)とを備える請求項5に記載の冷凍サイクル装置。
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