JP5075682B2 - 可変容量圧縮機の容量制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクルに適用される可変容量圧縮機の容量制御システムに関する。
例えば車両用空調システムに用いられる往復動型の可変容量圧縮機は、ハウジングを備え、ハウジングの内部には吐出室(吐出圧力領域)、吸入室(吸入圧力領域)、クランク室及びシリンダボアが区画形成される。クランク室内を延びる駆動軸には斜板が傾動可能に連結され、斜板を含む変換機構は、駆動軸の回転をシリンダボア内に配置されたピストンの往復運動に変換する。ピストンの往復運動は、吸入室からシリンダボア内への作動流体の吸入、吸入した作動流体の圧縮及び圧縮された作動流体の吐出室への吐出工程を実行する。
ピストンのストローク長、即ち圧縮機の吐出容量は、クランク室の圧力(制御圧力)を変化させることにより可変となり、吐出容量を制御するために、吐出室とクランク室とを連通する給気通路には容量制御弁が配置され、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路には絞りが配置される。
容量制御弁は制御装置によって制御され、例えば特許文献1に記載された容量制御弁を用いた場合、容量制御弁に内蔵された感圧部材で吸入室の圧力(吸入圧力)を感知して吐出容量をフィードバック制御する。感圧部材は例えばベローズにより構成され、吸入圧力が低下すると吐出容量を減少すべく伸張し、給気通路の開度を増大させる。
特開平11−107929号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたフィードバック制御を行うには、容量制御弁が、吸入圧力を感知するための感圧部材を有していなければならない。具体的には、感圧部材は、容積が可変な閉空間を形成するベローズやダイアフラム等を有し、この空間内が真空又は大気圧となっている。このような感圧部材を使用した場合、容量制御弁の構造が複雑化してしまう。
また、感圧部材を内蔵した容量制御弁を用いて吸入圧力を制御対象とした場合、空調システムの冷凍サイクルに加わる熱負荷が大きく、且つ、圧縮機の回転数が低いときには、十分に吐出容量を減少させられないことがあり、実際の吸入圧力が制御範囲を超えて吐出容量が全く制御不能となることもある。吐出容量が制御不能となると、圧縮機の動作を停止しなければならず、車室の空調状態が損なわれる。
例えば、可変容量圧縮機の駆動は、車両のエンジンにとって大きな負荷となっている。このため、例えば車両の加速時や登坂時等においては、吐出容量を一時的に減少させて圧縮機の駆動負荷を低減することが行われている。すなわち、ある程度の空調能力を確保しながら、エンジンの動力を走行動力に極力振り向けることが行われている。このような場合に熱負荷が大きいと、吸入圧力が制御不能となって圧縮機の作動を停止しなければならなくなり、車室の空調状態の犠牲が大きくなる。
例えば、冷凍サイクルの高圧領域には冷媒の圧力(高圧圧力)を検知する高圧圧力センサが装着され、圧縮機及び冷凍サイクルの危険運転領域を回避すべく、高圧圧力センサで検知された圧力が所定の閾値を超えると吐出容量を減少させるように制御することが行われている。このように高圧圧力が閾値を超えている場合、吸入圧力が制御範囲の上限を超えていることがあり、圧縮機の作動を停止しなければならず、車室の空調状態の犠牲が大きくなる。
また例えば、冷凍サイクルの高圧領域での冷媒の温度や圧縮機の温度が設定温度を超えると、圧縮機の作動を停止しなければならず、車室の空調状態の犠牲が大きくなる。
このような問題は、感圧部材としてのベローズを内蔵した容量制御弁を用いた場合、吸入圧力の制御範囲の上限が低いことに起因している。具体的には、特許文献1の図2は、冷媒がR134aのときの吸入室の圧力とソレノイドに供給される電流との関係を示し、吸入圧力の制御範囲の上限は、0.3〜0.4MPaGの範囲にある。熱負荷が大きい場合でも吐出容量制御を可能とするためには、この上限を高くして吸入圧力の制御範囲を大幅に拡大する必要がある。
吸入圧力の制御範囲を拡大する手段としては、ソレノイドユニットにより発生する電磁力を大きくすればよいが、制御範囲を大幅に拡大するにはソレノイドユニットの大型化は避けられず、設計的に合理的な手段とはいえない。
制御範囲を拡大する別の手段として、ベローズを小型化し、吸入圧力を感知するベローズの感圧面積(有効面積)を小さくすることも考えられる。しかしながら、真空又は大気圧となっているベローズの内部には、コイルばねとともに、ベローズの伸縮量を規制するストッパーを設ける必要があるため、ベローズの小型化には限界がある。
また、吸入圧力を感知するために、ベローズに代えてダイアフラムを使用したとしても、ダイアフラムの感圧面積を小さくすると、その寿命を確保すべくダイアフラムの変位量、即ち弁ストロークも小さくしなければならない。このため、ダイアフラムの小型化にも限界がある。
本発明は上述した事情に基づいてなされたもので、その目的の一つは、吸入圧力を制御対象としながら制御範囲が大幅に拡大された、簡素な構造の可変容量圧縮機の容量制御システムを提供することにある。
また、本発明の目的の一つは、吸入圧力の制御範囲が拡大されても、冷凍サイクル及び可変容量圧縮機の危険運転領域を回避しつつ空調性能が確保される、簡素な構造の可変容量圧縮機の容量制御システムを提供することにある。
上記の目的を達成するべく、本発明によれば、冷凍サイクルを構成すべく冷媒が循環する循環路に放熱器、膨張器及び蒸発器とともに介挿され、制御圧力の変化に基づいて容量が変化する可変容量圧縮機の容量制御システムにおいて、前記可変容量圧縮機の吐出圧力領域の圧力が作用するとともに、前記可変容量圧縮機の吸入圧力領域の圧力及びソレノイドユニットの電磁力が前記吐出圧力領域の圧力とは対抗する方向にて作用する弁体を有し、前記弁体の作動により前記制御圧力を変化させる容量制御弁と、前記冷凍サイクルの高圧領域の圧力を含め少なくとも2つの外部情報を検知するための外部情報検知手段と、前記外部情報検知手段によって検知された外部情報毎に、当該外部情報に基づいて前記吸入圧力領域の圧力の目標である目標吸入圧力の候補値を演算し、演算された複数の候補値の中から最も高い値を前記目標吸入圧力に設定する目標吸入圧力設定手段と、前記外部情報検知手段によって検知された前記高圧領域の圧力及び前記目標吸入圧力設定手段によって設定された目標吸入圧力に基づいて、前記ソレノイドユニットのコイルに供給される電流を調整する電流調整手段とを備えることを特徴とする可変容量圧縮機の容量制御システムが提供される(請求項1)。
好ましくは、前記冷凍サイクルは空調システムに使用され、前記複数の候補値のうち一の候補値は、所定の空調状態を得られるように設定され、前記複数の候補値うち他の候補値は、前記冷凍サイクル及び前記可変容量圧縮機の危険運転領域を回避するよう設定される(請求項2)。
好ましくは、前記高圧領域の圧力の目標となる目標高圧圧力を設定する目標高圧圧力設定手段を備え、前記他の候補値は、前記外部情報検知手段で検知された前記高圧領域の圧力が前記目標高圧圧力設定手段で設定された目標高圧圧力に近づくように設定される(請求項3)。
好ましくは、前記冷凍サイクルの高圧領域の温度及び前記可変容量圧縮機の温度のうち一方を検知する第1温度検知手段と、前記第1温度検知手段によって検知される温度の目標となる第1目標温度を設定する第1目標温度設定手段とを備え、前記他の候補値は、前記第1温度検知手段で検知された温度が前記第1目標温度設定手段で設定された目標温度に近づくように設定される(請求項4)。
好ましくは、前記可変容量圧縮機の駆動トルクの目標となる目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、前記可変容量圧縮機の駆動トルクを検知するトルク検知手段とを備え、前記他の候補値は、前記トルク検知手段で検知された前記可変容量圧縮機の駆動トルクが前記目標トルク設定手段で設定された目標トルクに近づくように設定される(請求項5)。
好ましくは、前記外部情報検知手段として、前記冷凍サイクルの熱負荷情報を検知する熱負荷検知手段及び前記可変容量圧縮機の回転数を検知する回転数検知手段のうち少なくとも一方を備え、前記目標高圧圧力設定手段で設定される目標高圧圧力、前記第1目標温度設定手段で設定される第1目標温度、又は、前記目標トルク設定手段で設定される目標トルクは、前記熱負荷検知手段で検知された熱負荷情報及び前記回転数検知手段で検知された回転数のうち少なくとも一方を考慮して設定される(請求項6)。
好ましくは、前記外部情報検知手段として、前記冷凍サイクルの蒸発器を通過した空気の温度の目標として第2目標温度を設定する第2目標温度設定手段と、前記蒸発器を通過した空気の温度を検知する第2温度検知手段とを備え、前記一の候補値は、前記第2温度検知手段で検知された温度が前記第2目標温度設定手段で設定された第2目標温度に近づくように設定される(請求項7)。
好ましくは、前記目標吸入圧力は予め設定されている下限値以上に設定される(請求項8)。
好ましくは、前記冷凍サイクルに使用される冷媒は二酸化炭素である(請求項9)。
本発明の請求項1の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、容量制御弁の弁体に対し、吐出圧力領域の圧力(吐出圧力)とは対抗する方向にて、吸入圧力領域の圧力(吸入圧力)及びソレノイドユニットの電磁力が作用する。そして、外部情報検知手段によって検知された高圧領域の圧力及び目標吸入圧力設定手段によって設定された目標吸入圧力に基づいてソレノイドユニットのコイルに供給される電流が調整される。このため、この容量制御システムでは、吸入圧力を制御対象としても、従来に比べて制御範囲が大幅に拡大される。
また、複数の候補値のうち最も高い値が目標吸入圧力に設定されるため、より安全側での冷凍サイクル及び圧縮機の運転が実現され、冷凍サイクル及び圧縮機の信頼性が確保される。
請求項2の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、冷凍サイクル及び可変容量圧縮機の危険運転領域を回避しつつ空調性能が確保される。
請求項3の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、高圧領域の圧力の過大な上昇を抑制しながら空調性能が確保される。
請求項4の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、高圧領域の温度または可変容量圧縮横の温度の過大な上昇を抑制しながら空調性能が確保される。
請求項5の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、可変容量圧縮機の駆動トルクの過大な上昇を抑制しながら空調性能が確保される。
請求項6の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、熱負荷情報や回転数に応じて危険運転領域をきめ細かく設定できるため、空調能力が向上するのみならず、冷凍システム及び圧縮機の信頼性が更に向上する。
請求項7の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、空調制御精度が向上する。
請求項8の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、吐出容量が不必要に増大することが抑制される。特に冷媒不足等によって吸入圧力が異常に低下することが抑制される。
請求項9の可変容量圧縮機の容量制御システムでは、冷媒である二酸化炭素が冷凍サイクルの高圧領域において超臨界状態であるため高圧圧力が上昇し易いけれども、高圧圧力の過大な上昇が抑制される。
図1は、車両用空調システムの冷凍サイクル10を示し、冷凍サイクル10は、作動流体としての冷媒が循環する循環路12を備える。循環路12には、冷媒の流動方向でみて、圧縮機100、放熱器(凝縮器)14、膨張器(膨張弁)16及び蒸発器18が順次介挿され、圧縮機100が作動すると、循環路12を冷媒が循環する。すなわち、圧縮機100は、冷媒の吸入工程、吸入した冷媒の圧縮工程及び圧縮した冷媒の吐出工程からなる一連のプロセスを行う。
蒸発器18は、車両用空調システムの空気回路の一部も構成しており、蒸発器18を通過する空気流は、蒸発器18内の冷媒によって気化熱を奪われることにより、冷却される。
第1実施形態の容量制御システムAが適用される圧縮機100は可変容量圧縮機であり、例えば斜板式のクラッチレス圧縮機である。圧縮機100はシリンダーブロック101を備え、シリンダーブロック101には、複数のシリンダボア101aが形成されている。シリンダーブロック101の一端にはフロントハウジング102が連結され、シリンダーブロック101の他端には、バルブプレート103を介してリアハウジング(シリンダヘッド)104が連結されている。
シリンダーブロック101及びフロントハウジング102はクランク室105を規定し、クランク室105内を縦断して駆動軸106が延びている。駆動軸106は、クランク室105内に配置された環状の斜板107を貫通し、斜板107は、駆動軸106に固定されたロータ108と連結部109を介してヒンジ結合されている。従って、斜板107は、駆動軸106に沿って移動しながら傾動可能である。
ロータ108と斜板107との間を延びる駆動軸106の部分には、斜板107を最小傾角に向けて付勢するコイルばね110が装着され、斜板107を挟んで反対側の部分、即ち斜板107とシリンダーブロック101との間を延びる駆動軸106の部分には、斜板107を最大傾角に向けて付勢するコイルばね111が装着されている。
駆動軸106は、フロントハウジング102の外側に突出したボス部102a内を貫通し、駆動軸106の外端には、動力伝達装置としてのプーリ112に連結されている。プーリ112は、ボール軸受113を介してボス部102aによって回転自在に支持され、外部駆動源としてのエンジン114との間にベルト115が架け回される。
ボス部102aの内側には軸封装置116が配置され、フロントハウジング102の内部と外部とを遮断している。駆動軸106はラジアル方向及びスラスト方向にベアリング117,118,119,120によって回転自在に支持され、エンジン114からの動力がプーリ112に伝達され、プーリ112の回転と同期して回転可能である。
シリンダボア101a内にはピストン130が配置され、ピストン130には、クランク室105内に突出したテール部が一体に形成されている。テール部に形成された凹所130a内には一対のシュー132が配置され、シュー132は斜板107の外周部に対し挟み込むように摺接している。従って、シュー132を介して、ピストン130と斜板107とは互いに連動し、駆動軸106の回転によりピストン130がシリンダボア101a内を往復動する。
リアハウジング104には、吸入室(吸入圧力領域)140及び吐出室(吐出圧力領域)142が区画形成され、吸入室140は、バルブプレート103に設けられた吸入孔103aを介してシリンダボア101aと連通可能である。吐出室142は、バルブプレート103に設けられた吐出孔103bを介してシリンダボア101aと連通している。なお、吸入孔103a及び吐出孔103bは、図示しない吸入弁及び吐出弁によってそれぞれ開閉される。
シリンダーブロック101の外側にはマフラ150が設けられ、マフラケーシング152は、シリンダーブロック101に一体に形成されたマフラベース101bに図示しないシール部材を介して接合されている。マフラケーシング152及びマフラベース101bはマフラ空間154を規定し、マフラ空間154は、リアハウジング104、バルブプレート103及びマフラベース101bを貫通する吐出通路156を介して吐出室142と連通している。
マフラケーシング152には吐出ポート152aが形成され、マフラ空間154には、吐出通路156と吐出ポート152aとの間を遮るように逆止弁200が配置されている。具体的には、逆止弁200は、吐出通路156側の圧力とマフラ空間154側の圧力との圧力差に応じて開閉し、圧力差が所定値より小さい場合閉作動し、圧力差が所定値より大きい場合開作動する。
したがって吐出室142は、吐出通路156、マフラ空間154及び吐出ポート152aを介して循環路12の往路部分と連通可能であり、マフラ空間154は逆止弁200によって断続される。一方、吸入室140は、リアハウジング104に形成された吸入ポート104aを介して循環路12の復路部分と連通している。
リアハウジング104には、容量制御弁(電磁制御弁)300が収容され、容量制御弁300は給気通路160に介挿されている。給気通路160は、吐出室142とクランク室105との間を連通するようにリアハウジング104からバルブプレート103を経てシリンダーブロック101にまで亘っている。
一方、吸入室140は、クランク室105と抽気通路162を介して連通している。抽気通路162は、駆動軸106とベアリング119,120との隙間、空間164及びバルブプレート103に形成された固定オリフィス103cからなる。
また、吸入室140は、リアハウジング104に形成された感圧通路166を通じて、給気通路160とは独立して容量制御弁300に接続されている。
より詳しくは、図2に示したように、容量制御弁300は、弁ユニットと弁ユニットを開閉作動させるソレノイドユニットとからなる。弁ユニットは、円筒状の弁ハウジング301を有し、弁ハウジング301の一端には入口ポート(弁孔301a)が形成されている。弁孔301aは、給気通路160の上流側部分を介して吐出室142と連通し、且つ、弁ハウジング301の内部に区画された弁室303に開口している。
弁室303内には、円柱状の弁体304が収容されている。弁体304は、弁室303内を弁ハウジング301の軸線方向に移動可能であり、弁ハウジング301の端面に当接することで弁孔301aを閉塞可能である。すなわち、弁ハウジング301の端面は弁座として機能する。
また、弁ハウジング301の外周面には出口ポート301bが形成され、出口ポート301bは、給気通路160の下流側部分を介してクランク室105と連通する。出口ポート301bも弁室303に開口しており、弁孔301a、弁室303及び出口ポート301bを通じて、吐出室142とクランク室105とは連通可能である。
ソレノイドユニットは円筒状のソレノイドハウジング310を有し、ソレノイドハウジング310は弁ハウジング301の他端に同軸的に連結されている。ソレノイドハウジング310の開口端は、エンドキャップ312によって閉塞され、ソレノイドハウジング310内には、樹脂部材314によって囲まれた円筒形状のコイル316が収容されている。
またソレノイドハウジング310内には、同心上に円筒状の固定コア318が収容され、固定コア318は、弁ハウジング301からエンドキャップ312に向けてコイル316の中央まで延びている。固定コア318のエンドキャップ312側は筒状部材320によって囲まれ、筒状部材320は、エンドキャップ312側に閉塞端を有する。
固定コア318は、中央に挿通孔318aを有し、挿通孔318aの一端は弁室303に開口している。また、固定コア318と筒状部材320の閉塞端との間には、円筒状の可動コア322を収容する可動コア収容空間324が規定され、挿通孔318aの他端は、可動コア収容空間324に開口している。
挿通孔318aには、ソレノイドロッド326が摺動可能に挿通され、ソレノイドロッド326の一端に弁体304が一体且つ同軸的に連結されている。ソレノイドロッド326の他端は可動コア収容空間324内に突出し、ソレノイドロッド326の他端部は、可動コア322に形成された貫通孔に嵌合され、ソレノイドロッド326と可動コア322とは一体化されている。また、可動コア322の段差面と固定コア318の端面との間には、開放ばね328が配置され、可動コア322と固定コア318との間には所定の隙間が確保されている。
可動コア322、固定コア318、ソレノイドハウジング310及びエンドキャップ312は磁性材料で形成され、磁気回路を構成する。筒状部材320は非磁性材料のステンレス系材料で形成されている。
ソレノイドハウジング310には感圧ポート310aが形成され、感圧ポート310aには、感圧通路166を介して吸入室140が接続されている。固定コア318の外周面には、軸線方向に延びる感圧溝318bが形成され、感圧ポート310aと感圧溝318bとは互いに連通している。
従って、感圧ポート310a及び感圧溝318bを通じて、吸入室140と可動コア収容空間324とが連通し、ソレノイドロッド326を介して、弁体304の背面側には、閉弁方向に吸入室140の圧力(以下、吸入圧力Psと呼ぶ)が作用する。弁体304とソレノイドロッド326の一体構成物は、感圧部材として機能する。
容量制御弁300にあっては、好ましくは、弁体304が弁孔301aを閉じた時に吐出室142の圧力(以下、吐出圧力Pdと呼ぶ)が作用する弁体304の受圧面積(シール面積Svと呼ぶ)と、吸入圧力Psが作用する弁体304の面積、即ちソレノイドロッド326の断面積とが同等に形成される。この場合、弁体304には、開閉方向にクランク室105の圧力(以下、クランク圧力Pcと呼ぶ)は作用しない。
コイル316には、圧縮機100の外部に設けられた制御装置400が接続され、制御装置400から制御電流Iが供給されると、コイル316は電磁力F(I)を発生する。コイル316の電磁力F(I)は、可動コア322を固定コア318に向けて吸引し、弁体304に対して閉弁方向に作用する。
図3は、制御装置400を含む容量制御システムAの概略構成を示したブロック図である。
容量制御システムAは、蒸発器18の目標冷却状態を設定する手段として、蒸発器目標温度設定手段401を有し、蒸発器目標温度設定手段401は、乗員により設定される車室内温度設定を含む種々の外部情報に基づいて、蒸発器目標出口空気温度Tesを設定する。蒸発器目標出口空気温度Tesは、圧縮機100の吐出容量制御の目標であり、蒸発器18の出口での空気流の温度(蒸発器出口空気温度)Teの目標値である。
また、容量制御システムAは、外部情報検知手段の1つとして、蒸発器18の冷却状態を検知する蒸発器温度センサ402を有し、蒸発器温度センサ402は蒸発器出口空気温度Teを検知する。蒸発器温度センサ402は、空気回路における蒸発器18の出口に設置される(図1参照)。
更に、容量制御システムAは、外部情報検知手段の1つとして、高圧圧力センサ403を有する。高圧圧力センサ403は、冷凍サイクル10の高圧領域のいずれかの部位における冷媒の圧力(高圧圧力Ph)を検知する。高圧圧力センサ403は、例えば凝縮器14の入口側に装着され、当該部位における高圧圧力Phを検知する(図1参照)。
なお冷凍サイクル10の高圧領域とは、吐出室142から膨張器16の入口までの領域をさし、高圧領域には吐出領域が含まれる。吐出領域とは、吐出室142から放熱器14の入口までの領域をさす。これに対し、冷凍サイクル10の低圧領域とは、蒸発器18の出口から吸入室140に亘る領域をさす。また、高圧領域及び吐出領域には、圧縮工程にあるシリンダボア101aも含まれ、低圧領域には、吸入工程にあるシリンダボア101aも含まれる。
容量制御システムAは、目標高圧圧力設定手段404を有し、目標高圧圧力設定手段404は、高圧圧力Phの目標である目標高圧圧力Phsを設定する。目標高圧圧力Phsは、冷凍サイクル10における高圧圧力Phの異常な上昇を防止するよう設定される。
また、容量制御システムAは、エンジン回転数センサ405を有し、エンジン回転数センサ405はエンジン114の回転数(エンジン回転数)を検知する。エンジン回転数に所定のプーリ比を掛ければ、圧縮機100の回転数(圧縮機回転数)が得られる。
なお図示しないけれども、エンジン回転数センサ405によって検知されるエンジン回転数は、エンジン114を制御するエンジン用ECU(電子制御ユニット)を経由して入力される。
なお、蒸発器目標温度設定手段401及び目標高圧圧力設定手段404は、例えば、空調システム全体の動作を制御するエアコン用ECUの一部により構成することができる。
制御装置400は、例えばECU(電子制御ユニット)によって構成され、目標吸入圧力設定手段410を有する。目標吸入圧力設定手段410は、第1目標吸入圧力設定手段411、第2目標吸入圧力設定手段412、目標吸入圧力比較判定手段413及び目標吸入圧力制限手段414を有する。
第1目標吸入圧力設定手段411は、目標高圧圧力設定手段404で設定された目標高圧圧力Phsと高圧圧力センサ403で検知された高圧圧力Phとの偏差ΔPhを演算する。そして、第1目標吸入圧力設定手段411は、後述の高圧圧力制御モードのための目標として、第1目標吸入圧力Pss1を演算する。高圧圧力制御モードは、偏差ΔPhが小さくなるように吐出容量を制御するものである。なお、第1目標吸入圧力Pss1の初期値は、例えば後述の式(3)によって演算することができる。
第2目標吸入圧力設定手段412は、蒸発器目標温度設定手段401で設定された蒸発器目標出口空気温度Tesと蒸発器温度センサ402で検知された蒸発器温度Teとの偏差ΔTeを演算する。そして、第2目標吸入圧力設定手段412は、後述の空調制御モードの目標として、第2目標吸入圧力Pss2を演算する。空調制御モードは、偏差ΔTeが小さくなるように吐出容量を制御するものである。なお、第2目標吸入圧力Pss2の初期値は、例えば後述の式(3)によって演算することができる。
目標吸入圧力比較判定手段413は、第1目標吸入圧力Pss1と第2目標吸入圧力Pss2とを比較し、これらのうち高い方の値を目標吸入圧力Pssとして選択する。
目標吸入圧力制限手段414は、エンジン回転数Neに所定のプーリ比を掛けて圧縮機回転数Ncを演算し、圧縮機回転数Ncに基づいて、目標吸入圧力Pssの下限値PssLを設定する。
そして、目標吸入圧力制限手段414は、選択された目標吸入圧力Pssが下限値PssLを下回った場合は、下限値PssLを最終的な目標吸入圧力Pssに設定し、選択された目標吸入圧力Pssが下限値PssL以上である場合は、選択された目標吸入圧力Pssを最終的な目標吸入圧力Pssとして設定する。
なお、目標吸入圧力制限手段414は、圧縮機回転数Ncに応じて下限値PssLを設定してもよい。図4に示した好ましい例の場合、圧縮機回転数Ncが所定の回転数Nc1未満であるときには、下限値PssLは所定の下限値PssL1に設定され、圧縮機回転数Ncが所定の回転数Nc2を超えているときには、下限値PssLが下限値PssL1よりも高い下限値PssL2に設定される。圧縮機回転数Ncが回転数Nc1以上回転数Nc2以下の範囲にある場合、圧縮機回転数Ncが増加しているときには下限値PssLは下限値PssL1に設定され、圧縮機回転数Ncが減少しているときには下限値PssLは下限値PssL2に設定される。
また、再び図3を参照すると、制御装置400は、制御信号演算手段420を有し、制御信号演算手段420は、目標吸入圧力制限手段414で設定された目標吸入圧力Pssと、吐出圧力Pdとから所定の演算式により、容量制御弁300のコイル316への制御電流Iを演算する。
なお、吐出圧力Pdは、高圧圧力センサ403の設置位置と吐出室142との間での圧力損失ΔPを考慮して、次式により演算される。
Pd=f(Ph)=Ph+ΔP
更に、制御装置400は、ソレノイド駆動手段430を有する。ソレノイド駆動手段430は、制御信号演算手段420で演算された制御電流Iで容量制御弁300のコイル316を駆動する。制御電流Iは所定の駆動周波数(例えば400〜500Hz)のPWM(パルス幅変調)により、デューティ比を変更することにより調整される。ソレノイド駆動手段430は、コイル316に流れる電流を検出して、これが制御信号演算手段420で演算した通電量となるようにフィードバック制御している。
つまり、制御信号演算手段420及びソレノイド駆動手段430は、高圧圧力センサ403を介して検知された吐出圧力Pd及び目標吸入圧力設定手段410によって設定された目標吸入圧力Pssに基づいて、容量制御弁300のソレノイド316に供給される制御電流I若しくは当該制御電流Iに関連するパラメータを調整する電流調整手段を構成している。
具体的には、図5に示したように、ソレノイド駆動手段430は、スイッチング素子431を有し、スイッチング素子431は、電源450とアースとの間を延びる電源ラインに、容量制御弁300のコイル316と直列に介挿されている。スイッチング素子431は、電源ラインを電気的に断続可能であり、スイッチング素子431の動作によって、所定の駆動周波数のPWMにてコイル316に制御電流Iが供給される。
なお、フライホイール回路を形成すべく、コイル316と並列にダイオード432が接続される。
スイッチング素子431には、制御信号発生手段434から所定の駆動信号が入力され、この信号に対応して、PWMにおけるデューティ比が変更される。
また、電源ラインには、電流センサ436が介挿され、電流センサ436は、コイル316を流れる制御電流Iを検知する。
電流センサ436は、制御電流比較判定手段438に検知した制御電流Iを入力し、制御電流比較判定手段438は、制御信号演算手段420から吐出容量制御信号として入力された制御電流Iと、電流センサ436によって検知された制御電流Iとを比較する。そして、制御電流比較判定手段438は、比較結果に基づいて、検知された制御電流Iが入力された制御電流Iに近付くように、制御信号発生手段434が発生する駆動信号を変更する。
なお、ソレノイド駆動手段430がデューティ比で制御電流Iを調整する場合、制御信号演算手段420は、制御電流Iと関連を有するパラメータとしてデューティ比を演算してもよく、この場合、制御信号演算手段420によって生成される吐出容量制御信号は、ソレノイド駆動手段430に所定のデューティ比で制御電流Iを供給させるための信号である。
つまり、吐出容量制御信号は、制御電流Iに対応する信号であってもよいし、制御電流Iと関連のあるデューティ比等のパラメータに対応する信号であってもよい。
以下、上述した容量制御システムAの動作(使用方法)を説明する。
図6は制御装置400が実行するメインルーチンを示したフローチャートである。メインルーチンは、例えば車両のエンジンキーがオン状態になると起動され、オフ状態になると停止される。
メインルーチンでは、まず初期条件が設定される(S100)。具体的には、フラグF1がゼロに設定され、制御電流Iが初期値Iに設定される。制御電流の初期値Iは、圧縮機100の吐出容量が最小になるように設定され、例えば0であってもよい。
次に、車両用空調システムのエアコンスイッチ(A/C)がオンであるか否かが判定される(S102)。即ち、乗員が、車室の冷房又は除湿を要求しているか否かが判定される。エアコンスイッチがオンの場合(Yesの場合)、高圧圧力センサ403により検知された高圧圧力Phが読み込まれる(S104)。
それから、フラグF1が1であるか否か比較判定される(S106)。フラグF1の初期値は0であるため、S106の判定結果はNoとなり、高圧圧力Phが起動限界値Ph1よりも小さいか否か比較判定される(S108)。
S108において、高圧圧力Phが起動限界値Ph1以上の場合、制御電流Iとして、初期値Iがコイル316に出力される(S110)。換言すれば、この場合、車両用空調システムはオフの状態に維持される。
S108において高圧圧力Phが起動限界値Ph1未満の場合、第1目標吸入圧力演算ルーチンS112及び第2目標吸入圧力演算ルーチンS114が実行される。第1目標吸入圧力演算ルーチンS112では第1目標吸入圧力Pss1が演算され、第2目標吸入圧力演算ルーチンS114では第2目標吸入圧力Pss2が演算される。
なお、図6では、第1目標吸入圧力演算ルーチンS112の方が第2目標吸入圧力演算ルーチンS114よりも先に実行されるが、第2目標吸入圧力演算ルーチンS114の方が先でもよく、あるいは、第1目標吸入圧力演算ルーチンS112及び第2目標吸入圧力演算ルーチンS114が並行に実行されてもよい。
第2目標吸入圧力演算ルーチンS114の方が先の場合、後述する第1目標吸入圧力演算ルーチンS112のステップS200、S202、S204は、第2目標吸入圧力演算ルーチンS114のステップS300の前に行われる。第1目標吸入圧力演算ルーチンS112及び第2目標吸入圧力演算ルーチンS114が並行に実行される場合、第1目標吸入圧力演算ルーチンS112及び第2目標吸入圧力演算ルーチンS114のそれぞれで、ステップS200、S202、S204が行われる。
それから第1目標吸入圧力Pss1が第2目標吸入圧力Pss2以上であるか否か比較判定され(S116)、第1目標吸入圧力Pss1が第2目標吸入圧力Pss2以上である場合、第1目標吸入圧力Pss1が目標吸入圧力Pssとして暫定的に設定される(S118)。一方、S116において、第1目標吸入圧力Pss1が第2目標吸入圧力Pss2未満である場合、第2目標吸入圧力Pss2が目標吸入圧力Pssとして暫定的に設定される(S120)。
一方、エンジン回転数Neから演算された圧縮機回転数Ncに基づいて下限値PssLが設定され(S122)、暫定的に設定された目標吸入圧力Pssは下限値PssL以上であるか否か比較判定される(S124)。暫定的な目標吸入圧力Pssが下限値PssL未満の場合、下限値PssLが目標吸入圧力Pssに最終的に設定され(S126)、暫定的な目標吸入圧力Pssが下限値PssL以上の場合、暫定的な目標吸入圧力Pssがそのまま最終的な目標吸入圧力Pssになる。
そして、最終的な目標吸入圧力Pssと、高圧圧力Phから演算された吐出圧力Pdとから、制御電流Iが演算される(S128)。S128では、例えば後述の式(3)に基づいて制御電流Iが演算される。
S128で演算された制御電流Iは、予め設定された下限値Imin以上であるか否か比較判定される(S130)。S130の判定の結果、演算された制御電流Iが下限値Iminよりも小さい場合(Noの場合)、下限値Iminが、制御電流値Iとして読み込まれて(S132)、その制御電流Iがコイル316に出力される(S110)。
一方、S130の判定の結果、演算された制御電流Iが下限値Imin以上であれば(Yesの場合)、予め設定された下限値Iminより大きい上限値Imaxと演算された制御電流Iが比較判定される(S134)。S134の判定の結果、制御電流値Iが上限値Imaxを超えていれば(Noの場合)、上限値Imaxが制御電流Iとして読み込まれ(S136)、制御電流Iがコイル316に出力される(S110)。
従って、S128で演算された制御電流Iは、Imin≦I≦Imaxで示される範囲にあれば、そのままコイル316に出力される(S110)。
S110の後、再びS102が実行される。第1目標吸入圧力演算ルーチンS112及び第2目標吸入圧力演算ルーチンS114は、フラグF1を1に設定するステップを含み、2回目のS106では判定結果がYesになる。従って、高圧圧力Phは作動限界値Ph2未満であるか否か比較判定される(S138)。
S138の判定結果がYesの場合、1回目と同様にS112が実行される。一方、S138の判定結果がNoの場合、すなわち、高圧圧力Phが作動限界値Ph2以上である場合、フラグF1が1であるか否か比較判定される(S140)。S140の判定結果がYesの場合、フラグF1が1に設定されるとともに(S142)、制御電流Iが初期値Iに設定されてから(S144)、S110で出力される。
つまり、圧縮機100の異常等何らかの不具合によって高圧圧力Phが作動限界値Ph2以上となった場合、吐出容量が最小にされる。
図7は、第1目標吸入圧力演算ルーチンS112の詳細を示すフローチャートである。
第1目標吸入圧力演算ルーチンS112では、まずフラグF1がゼロであるか否か比較判定される(S200)。初期条件ではF1=0であるので、S200の判定結果はNoとなり、第1目標吸入圧力Pss1の初期値Pss0が演算される(S202)。初期値Pss0は、例えば式(3)に基づいて演算される。
ただしこの場合、式(3)中の吐出圧力Pdには、高圧圧力Phが代入される。また、制御電流Iには、容量制御弁300が確実に起動する最低電流Iminが代入される。
なお、まだF1=0であるときには、A/CスイッチがONにされた直後であり、メインルーチンのS104で読み込まれた高圧圧力Phは、冷凍サイクル10内の冷媒圧力がバランスしている状態のときの値(バランス圧力)であるか、またはバランス圧力に近い値となっている。
この後、フラグF1が1に設定され(S204)、目標高圧圧力Phsが読み込まれる(S206)。そして、読み込まれた目標高圧圧力Phsと高圧圧力Phとの偏差ΔPhが演算され(S208)、現在の第1目標吸入圧力Pss1及び偏差ΔPhを例えばPI制御のための所定の演算式に代入して新たな第1目標吸入圧力Pss1が演算される(S210)。
S210の演算式は、偏差ΔPhが小さくなるように第1目標吸入圧力Pss1を設定するものであればよい。この演算式は、左辺に現在の第1目標吸入圧力Pss1を含んでいるが、初回は、現在の第1目標吸入圧力Pss1として初期値Pss0が代入される。また、S210の演算式中の偏差ΔPhの添字nは、偏差ΔPhが今回のS208で演算されたものであることを示す。同様に添字n−1は、偏差ΔPhが前回のS208で演算されたものであることを示す。
S210の後、フローはメインルーチンに戻るが、2回目の第1目標吸入圧力ルーチンS112では、S200の判定結果がNoとなり、S202及びS204がスキップされる。
図8は、第2目標吸入圧力演算ルーチンS114の詳細を示すフローチャートである。
第2目標吸入圧力演算ルーチンS114では、まず、蒸発器目標温度設定手段401によって目標となる蒸発器目標出口空気温度Tesが設定されるとともに(S300)、蒸発器温度センサ402によって蒸発器出口空気温度Teが読み込まれる(S302)。それから、蒸発器目標出口空気温度Tesと蒸発器出口空気温度Teとの偏差ΔTが演算され(S304)、現在の第2目標吸入圧力Pss2及び偏差ΔTを例えばPI制御のための所定の演算式に代入して新たな第2目標吸入圧力Pss2が演算される(S306)。
S306演算式は、偏差ΔTが小さくなるように第2目標吸入圧力Pss2を設定するものであればよい。この演算式は、左辺に現在の第2目標吸入圧力Pss2を含んでいるが、初回は、現在の第2目標吸入圧力Pss2として初期値Pss0が代入される。また、S306の演算式中の偏差ΔTの添字nは、偏差ΔTが今回のS304で演算されたものであることを示す。同様に添字n−1は、偏差ΔTが前回のS304で演算されたものであることを示す。
上述した第1実施形態の可変容量圧縮機100の容量制御システムAによれば、空調制御モードによって、蒸発器出口空気温度Teが蒸発器目標出口空気温度Tesに近付くように吐出容量が制御されるため、車室内の快適性が確保される。
特に、高圧圧力センサ403により検知された高圧圧力Ph若しくは吐出圧力Pdと、目標圧力設定手段410で設定された目標吸入圧力Pssとの差に基づいてコイル316に供給される制御電流Iが調整されることで、吸入圧力Psが目標吸入圧力Pssに近付くように、吐出容量が確実に制御される。
また、この容量制御システムAでは、蒸発器温度センサ402が蒸発器出口空気温度Teを直接検知することにより、蒸発器出口空気温度Teが蒸発器目標出口空気温度Tesに近付くように吐出容量が的確に制御される。
更に、この容量制御システムAは、吸入圧力Psを制御対象としている。このため、冷媒不足により吸入圧力Psが低下したときには、吸入圧力Psが目標吸入圧力Pssを維持するよう、吐出容量が減少させられ、最終的には最小容量に移行する。この結果として、容量制御弁300が従来のベローズ等により構成される感圧部材を有しない簡素な構造であっても、冷媒不足時に吐出容量が最大容量になることが回避され、圧縮機100が保護される。
その上、上述した容量制御システムAは、吸入圧力Psを制御対象としながら、吸入圧力Psの制御範囲が広い。これは以下の理由による。
容量制御弁300において、弁体304に作用する力は、吐出圧力Pdと、吸入圧力Psと、コイル316の電磁力F(I)と、開放ばね328の付勢力fsであり、吐出圧力Pd及び開放ばね328の付勢力fsは開弁方向、それ以外の吸入圧力Ps及びコイル316の電磁力F(I)は、開弁方向とは対抗する閉弁方向に作用する。
この関係は、次の式(1)で示され、式(1)を変形すると式(2)となる。これらの式(1)、(2)から、吐出圧力Pdと、電磁力F(I)即ち制御電流Iが決まれば、吸入圧力Psが決まることがわかる。
ここで、電磁力F(I)が制御電流Iにほぼ比例するようにソレノイドユニットを設計すれば、F(I)=A・I(ただし、Aは定数である。)として、式(2)が式(3)となる。
Figure 0005075682
このような関係に基づけば、図9に示したように、目標吸入圧力Pssを予め決定し、変動する吐出圧力Pdの情報がわかれば、発生させるべき電磁力F(I)つまり制御電流Iの値を演算できる。そして、コイル316への通電量をこの演算された制御電流Iに基づいて調整すれば、吸入圧力Psが目標吸入圧力Pssに近付くように弁体304が動作し、クランク圧力Pcが調整される。すなわち、吸入圧力Psが目標吸入圧力Pssに近付くように吐出容量が制御される。
このように吸入圧力Psを目標吸入圧力Pssに近付けるような制御では、図9を参照すれば、吐出圧力Pdの高低に応じて、吸入圧力Psの制御範囲を高低スライド可能である。すなわち、任意の吐出圧力Pd1のときの吸入圧力Psの制御範囲は、吐出圧力Pd1よりも低い吐出圧力Pd2のときの吸入圧力Psの制御範囲よりも高圧側にスライドさせられる。
また式(3)から、シール面積Svを小さく設定すれば、小さな電磁力F(I)で、任意の吐出圧力Pdにおける目標吸入圧力Pssの制御範囲を拡大可能であることがわかる。上記目標吸入圧力Pssの制御範囲のスライドと、この制御範囲の拡大との相乗効果を発揮させれば、目標吸入圧力Pssの制御範囲が大幅に拡大される。
なお、コイル316への通電量を増加させると、吸入圧力Psを低下させることができる。一方、コイル316への通電量をゼロとすれば、開放ばね328の付勢力fsにより弁体304が離間して弁孔301aが強制開放される。これにより吐出室142からクランク室105に冷媒が導入され、吐出容量は最小に維持される。
このように上述した容量制御システムAでは吸入圧力Psの制御範囲が広いため、車両用空調システムの運転状況に対応して吸入圧力Psが広い範囲に亘って変化したとしても、吐出容量が確実に制御される。例えば、熱負荷が高い場合であっても、目標吸入圧力Pss及び吐出圧力Pdに基づいて適当な制御電流Iが演算され、吐出容量制御が確実に制御される。
また、上述した容量制御システムAによれば、容量制御弁300の吐出圧力Pdのシール面積(受圧面積)Svを小さくできるため、吐出圧力Pdが高くなっても、コイル316の大型化を招くことなく、吸入圧力Psの制御範囲を広くすることができる。
この一方で、容量制御システムAでは、第1目標吸入圧力Pss1と第2目標吸入圧力Pss2とが比較判定され、高い方が目標吸入圧力Pssとして設定される(S116,S118,S120)。換言すれば、第1目標吸入圧力Pss1及び第2目標吸入圧力Pss2は、異なる外部情報に基づいてそれぞれ演算された目標吸入圧力Pssの候補値であり、候補値のうち最も高い値が目標吸入圧力Pssに設定される。これにより、吸入圧力Psの制御範囲が拡大されていても、高圧圧力Phが目標高圧圧力Phsを超えて過大に上昇することなく、吐出容量が制御される。
そして、熱負荷が高く且つ圧縮機100の回転数が低い場合等、吸入圧力Psを制御対象とした空調制御モードでは容量制御不能であった運転領域では、吸入圧力Psを制御対象とした高圧圧力制御モードを行うことで、緊急避難的な制御として吐出容量を最小に設定する必要がなくなる。また、かかる運転領域では高圧圧力Phが上昇し易いけれども、高圧圧力制御モードを行うことで、高圧圧力Phが目標高圧圧力Phsを超えて過大に上昇することなく、車室の空調状態が適当に保たれる。
具体的には、第1目標吸入圧力Pss1が第2目標吸入圧力Pss2以上の場合、第1第1目標吸入圧力Pss1が目標吸入圧力Pssとして設定される。この場合、偏差ΔPhが縮小するように、即ち高圧圧力Phが目標高圧圧力Phsに近付くように、圧縮機100の吐出容量が制御される(以下、この制御を高圧圧力制御モードともいう)。
一方、第1目標吸入圧力Pss1が第2目標吸入圧力Pss2未満の場合、第2目標吸入圧力Pss2が目標吸入圧力Pssとして設定される。この場合、偏差ΔTが縮小するように、即ち蒸発器出口空気温度Tesが目標蒸発器出口空気温度Tsetに近付くように、圧縮機100の吐出容量が制御される(以下、この制御を空調制御モードともいう)。
空調制御モードが行われている場合には、第2目標吸入圧力Pss2は第1目標吸入圧力Pss1よりも高く、第2目標吸入圧力Pss2に基づいて設定される吐出容量は、第1目標吸入圧力Pss1に基づいたとしたら設定されるであろう吐出容量よりも小さい。これは、目標吸入圧力Pssが高い方が吐出容量が小さくなることから当然である。
このため、空調制御モードが行われている間、高圧圧力Phが目標高圧圧力Phsに到達することはなく、高圧圧力Phを直接制御する必要がない。
これに対し、高圧圧力制御モードが行われている場合には、第1目標吸入圧力Pss1は第2目標吸入圧力Pss2以上であり、第1目標吸入圧力Pss1に基づいて設定される吐出容量は、第2目標吸入圧力Pss2に基づいたとしたら設定されるであろう吐出容量よりも小さい。これも、目標吸入圧力Pssが高い方が吐出容量が小さくなることから当然である。
このため、第1目標吸入圧力Pss1が第2目標吸入圧力Pss2よりも高いときに、第2目標吸入圧力Pss2に基づいて吐出容量を設定した場合、高圧圧力Phが目標高圧圧力Phsを超える虞がある。このため、第1目標吸入圧力Pss1が第2目標吸入圧力Pss2以上であるときには、目標高圧圧力Phsを超えないように、高圧圧力Phが直接制御される。
なお、第1目標吸入圧力Pss1と第2目標吸入圧力Pss2とが等しい場合、いずれを選択してもよいが、本実施形態では、便宜的に、第1目標吸入圧力Pss1が目標吸入圧力Pssに設定される。
また、上述した容量制御システムAでは、目標吸入圧力Pssが下限値PssLを下回った場合は、下限値PssLが最終的な目標吸入圧力Pssに設定される。下限値PssLは、吸入圧力Psが不必要に低下することを防止するために設けられ、目標吸入圧力Pssを下限値PssL以上に保つことで、特に、冷媒不足等によって吐出容量が増大し、吸入圧力Psが異常に低下させられることが抑制される。
更に、上述した容量制御システムAでは、図4に示されるように、下限値PssLが、圧縮機回転数Ncに応じて設定されることで、圧縮機100が保護される。より詳しくは、圧縮機回転数Ncが回転数Nc2よりも高い場合、若しくは、一度回転数Nc2より高くなった後回転数Nc1以上回転数Nc2以下にある場合、下限値PssLが下限値PssL2に設定され、吐出容量が低く設定される。これにより、高回転領域での圧縮機100の負荷の上昇が抑制され、圧縮機100が保護される。
本発明は、上述した一実施形態に限定されることはなく種々の変形が可能である。
例えば、図10に示すように、高圧圧力制御モードにおける目標高圧圧力Phsを、圧縮機回転数Ncに応じて変化させるようにしても良い。圧縮機回転数Ncの高い領域では目標高圧圧力Phsを低下させて圧縮機100の負荷を低減すれば、圧縮機100の信頼性が向上する。また、図4と図10からわかるように、下限値PssL及び目標高圧圧力Phsは、回転数Nc1及び回転数Nc2で同期して変更されるが、下限値PssL及び目標高圧圧力Phsの変更は同期していなくてもよい。
更に、圧縮機回転数Nc以外に、熱負荷情報に応じて目標高圧圧力Phsを変化させても良い。熱負荷情報としては、外気温度、外気湿度、高圧領域の圧力、高圧領域の温度、低圧領域の圧力、低圧領域の温度、高圧領域と低圧領域との圧力差、日射量、エアコン各種設定(エアコンON/OFF設定、蒸発器ブロワ電圧、内外気切換ドア位置、車内温度設定、吹き出しロ位置、エアミックスドア位置)、車内温度、車内湿度、蒸発器入口空気温度、蒸発器入口空気湿度、蒸発器の冷却状態を表す温度、蒸発器の冷却状態を表す圧力等から選択された1つ以上を用いることができる。
上述した第1実施形態では、高圧圧力制御モードは、冷凍サイクル10及び圧縮機100を保護する制御であったが、保護制御は、高圧圧力制御モードに限定されない。保護制御モードは、冷凍サイクル10及び可変容量圧縮機100の危険運転領域を回避するものであれば良く、例えば以下のような制御が考えられる。
(1)冷凍サイクル10の高圧領域の温度または可変容量圧縮機100の温度(例えばハウジング温度等)を検知して、検知した温度が所定の目標温度に近づくように目標吸入圧力Pssの候補値を設定する。この候補値が目標吸入圧力Pssに選択されれば、冷凍サイクル10の高圧領域の温度または可変容量圧縮機100の温度が異常に上昇することを抑制しつつ、吐出容量制御が実行される。
なお、この場合、外部情報検知手段は、冷凍サイクル10の高圧領域の温度または可変容量圧縮機100の温度を検知する温度センサを含む。
(2)可変容量圧縮機100の駆動トルクを検知し、検知した駆動トルクが目標トルクに近づくように目標吸入圧力Pssの候補値を設定する。この候補値が目標吸入圧力Pssに設定されれば、可変容量圧縮機100の駆動トルクが異常に増大することを抑制しつつ、吐出容量制御が実行される。
なお、この場合、外部情報検知手段は、駆動トルクの検知手段を含む。駆動トルクを検知することには、駆動トルクを直接検知することのみならず、演算により間接的に検知することも含まれる。
上記した第1実施形態は、高圧圧力制御モードと空調制御モードの2つの制御モードを実行するものであるが、容量制御システムは、3つ以上の制御モードを実行してもよい。例えば、第3の制御モードとして、冷凍サイクル10の高圧領域の温度または可変容量圧縮機100の温度(例えばハウジング温度等)を検知し、検知した温度が目標温度に近づくように目標吸入圧力Pssの候補値を設定する制御モードを付加しても良い。このようにすれば高圧圧力Ph及び冷凍サイクル10の高圧領域の温度または可変容量圧縮機100の温度が異常に上昇することを抑制しつつ、吐出容量制御が実行される。
上記した第1実施形態において、第1目標圧力設定ルーチンS112のステップS210で用いられる演算式は、偏差ΔPhが小さくなるように第1目標吸入圧力Pss1を演算するものであればよい。同じく、第2目標圧力設定ルーチンS114のステップS306で用いられる演算式は、偏差ΔTが小さくなるように第2目標吸入圧力Pss2を演算するものであればよい。
上述した第1実施形態では、圧縮機100が高回転数領域で運転されていても、高圧圧力Phが目標高圧圧力Phsを過大に超えることが抑制されるけれども、万一のフェールセーフとして、高回転数領域等に吐出容量を最小とする緊急避難的な制御モードを付加してもよい。
上述した第1実施形態のソレノイド駆動手段430では、コイル316に流れる制御電流Iを検出したけれども、ソレノイド駆動手段430では制御電流Iを検出しなくてもよい。その場合、例えば、制御信号演算手段420で直接デューティ比を演算し、当該デューティ比に基づいてソレノイド駆動手段430を駆動すればよい。
上述した第1実施形態の制御装置400は、エアコン用ECU内またはエアコン用ECUとは別体の圧縮機用ECU内に設けてもよく、または、エンジン用ECU内に一体に設けてもよい。
上述した第1実施形態では、エンジン回転数を検知して圧縮機回転数Ncを演算したが、直接圧縮機回転数Ncを検知してもよい。また、車速とギアシフト位置から間接的に圧縮機回転数Ncを演算しても良い。
上述した第1実施形態では、容量制御弁300の弁体304に対し、吐出圧力Pd及び吸入圧力Psが作用していたが、これらの他にクランク圧力Pcを作用させる構造としても良い。また、容量制御弁に、その内部を仕切る小型のベローズを使用してもよい。この場合、例えば、ベローズの一端に外側から弁体を連結し、ベローズに吐出圧力Pdを作用させ、この一方で、ベローズの内側に吸入圧力を作用させ、ベローズの一端に内側からソレノイドロッドを連結する構造としても良い。
上述した第1実施形態では、抽気通路162の流量を規制してクランク圧力Pcを昇圧するために、抽気通路162に固定オリフィス103cを配置したが、固定オリフィス103cに代えて、流量可変の絞りを用いてもよく、また、弁を配置して弁開度を調整してもよい。
上述した第1実施形態では、圧縮機100はクラッチレス圧縮機であったが、電磁クラッチを装着した可変容量圧縮機であってもよい。また、圧縮機100は斜板式の往復動圧縮機であったけれども、揺動板式の往復動圧縮機であってもよく、更には、制御圧力室の圧力(制御圧力)を変更して容量を可変であれば、可変容量のベーン式圧縮機やスクロール式圧縮機であってもよく、電動モータを内蔵した密閉型圧縮機であってもよい。
なお、往復動圧縮機においては、クランク室105が制御圧力室であり、クランク圧力Pcが制御圧力である。
上述した第1実施形態では、冷媒はR134aや二酸化炭素に限定されず、空調システムは、その他の新冷媒を使用してもよい。なお、容量制御弁300において、シール面積Svを小さくすることにより、冷媒として二酸化炭素を用いても、目標吸入圧力Pssの制御範囲を広くすることができる。
最後に、本発明の可変容量圧縮機の容量制御システムは、車両用空調システム以外の室内用空調システム等、空調システム全般に適用可能である。
車両用空調システムの冷凍サイクルの概略構成を可変容量縮機の縦断面とともに示す図である。 図1の可変容量圧縮機における容量制御弁の接続状態を説明するための図である。 第1実施形態の可変容量圧縮機の容量制御システムの概略構成を示すブロック図である。 圧縮機回転数と目標吸入圧力の下限値との関係を示すグラフである。 図3中のソレノイド駆動手段の詳細を説明するためのブロックズである。 図3の容量制御システムが実行するメインルーチンを示す制御フローチャートである。 図6のメインルーチンに含まれる第1目標吸入圧力演算ルーチンの制御フローチャートである。 図6のメインルーチンに含まれる第2目標吸入圧力演算ルーチンの制御フローチャートである。 制御電流と目標吸入圧力と吐出圧力の関係を示すグラフである。 変形例における圧縮機回転数と目標高圧圧力の上限値との関係を示すグラフである。
符号の説明
316 コイル
402 蒸発器温度センサ(外部情報検知手段)
403 高圧圧力センサ(外部情報検知手段)
410 目標吸入圧力設定手段
420 制御信号演算手段(電流調整手段)
430 ソレノイド駆動手段(電流調整手段)

Claims (9)

  1. 冷凍サイクルを構成すべく冷媒が循環する循環路に放熱器、膨張器及び蒸発器とともに介挿され、制御圧力の変化に基づいて容量が変化する可変容量圧縮機の容量制御システムにおいて、
    前記可変容量圧縮機の吐出圧力領域の圧力が作用するとともに、前記可変容量圧縮機の吸入圧力領域の圧力及びソレノイドユニットの電磁力が前記吐出圧力領域の圧力とは対抗する方向にて作用する弁体を有し、前記弁体の作動により前記制御圧力を変化させる容量制御弁と、
    前記冷凍サイクルの高圧領域の圧力を含め少なくとも2つの外部情報を検知するための外部情報検知手段と、
    前記外部情報検知手段によって検知された外部情報毎に、当該外部情報に基づいて前記吸入圧力領域の圧力の目標である目標吸入圧力の候補値を演算し、演算された複数の候補値の中から最も高い値を前記目標吸入圧力に設定する目標吸入圧力設定手段と、
    前記外部情報検知手段によって検知された前記高圧領域の圧力及び前記目標吸入圧力設定手段によって設定された目標吸入圧力に基づいて、前記ソレノイドユニットのコイルに供給される電流を調整する電流調整手段と
    を備えることを特徴とする可変容量圧縮機の容量制御システム。
  2. 前記冷凍サイクルは空調システムに使用され、
    前記複数の候補値のうち一の候補値は、所定の空調状態を得られるように設定され、
    前記複数の候補値うち他の候補値は、前記冷凍サイクル及び前記可変容量圧縮機の危険運転領域を回避するよう設定される
    ことを特徴とする請求項1に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
  3. 前記高圧領域の圧力の目標となる目標高圧圧力を設定する目標高圧圧力設定手段を備え、
    前記他の候補値は、前記外部情報検知手段で検知された前記高圧領域の圧力が前記目標高圧圧力設定手段で設定された目標高圧圧力に近づくように設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
  4. 前記冷凍サイクルの高圧領域の温度及び前記可変容量圧縮機の温度のうち一方を検知する第1温度検知手段と、
    前記第1温度検知手段によって検知される温度の目標となる第1目標温度を設定する第1目標温度設定手段とを備え、
    前記他の候補値は、前記第1温度検知手段で検知された温度が前記第1目標温度設定手段で設定された目標温度に近づくように設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
  5. 前記可変容量圧縮機の駆動トルクの目標となる目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
    前記可変容量圧縮機の駆動トルクを検知するトルク検知手段とを備え、
    前記他の候補値は、前記トルク検知手段で検知された前記可変容量圧縮機の駆動トルクが前記目標トルク設定手段で設定された目標トルクに近づくように設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
  6. 前記外部情報検知手段として、前記冷凍サイクルの熱負荷情報を検知する熱負荷検知手段及び前記可変容量圧縮機の回転数を検知する回転数検知手段のうち少なくとも一方を備え、
    前記目標高圧圧力設定手段で設定される目標高圧圧力、前記第1目標温度設定手段で設定される第1目標温度、又は、前記目標トルク設定手段で設定される目標トルクは、前記熱負荷検知手段で検知された熱負荷情報及び前記回転数検知手段で検知された回転数のうち少なくとも一方を考慮して設定される
    ことを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
  7. 前記外部情報検知手段として、前記冷凍サイクルの蒸発器を通過した空気の温度の目標として第2目標温度を設定する第2目標温度設定手段と、前記蒸発器を通過した空気の温度を検知する第2温度検知手段とを備え、
    前記一の候補値は、前記第2温度検知手段で検知された温度が前記第2目標温度設定手段で設定された第2目標温度に近づくように設定される
    ことを特徴とする請求項2乃至6の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
  8. 前記目標吸入圧力は予め設定されている下限値以上に設定されることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
  9. 前記冷凍サイクルに使用される冷媒は二酸化炭素であることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の可変容量圧縮機の容量制御システム。
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