JP5118739B2 - 可変容量圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、可変容量圧縮機に関するものである。
吸入室と吐出室とクランク室とピストンが挿入された複数のシリンダボアとが内部に区画形成されたハウジングと、ハウジング内に配設されハウジングにより回転可能に支持された駆動軸と、傾角可変に駆動軸に係合した斜板を有し駆動軸の回転を往復運動に変換してピストンに伝達する運動変換機構と、クランク室圧力を制御して吐出容量を制御する容量制御弁と、吐出室に連通する弁孔を開閉する弁体と弁体を閉弁方向へ付勢するバネとにより構成され吐出室と外部空調回路に接続する吐出口との間の吐出通路に配設された逆止弁とを備える可変容量圧縮機が特許文献1等に開示されている。
特許文献1の可変容量圧縮機においては、圧縮機の作動停止時に、逆止弁が閉じることにより外部空調回路から圧縮機への冷媒の逆流が防止される。
特開平10−205446号公報
特許文献1に開示された可変容量圧縮機には以下の問題がある。
a.逆止弁の開弁差圧は通常0.06〜0.1MPaに設定されているので、逆止弁が開弁した圧縮機の作動時に、逆止弁において0.06〜0.1MPaの圧力損失が発生し、圧縮機の性能を悪化させる。
b.弁体の上流側の受圧面に加わる圧力である一次圧と弁体の下流側の受圧面に加わる圧力である二次圧との差圧による開弁方向の付勢力とバネの閉弁方向の付勢力との大小関係に応じて弁体が移動するので、ある流量域で弁体の自励振動が発生し、騒音を引き起こす。
c.作動停止していた可変容量圧縮機が作動開始する際に、吐出容量が最小容量から速やかに増加するのが望ましい。然るに、特許文献1に開示された可変容量圧縮機が備える逆止弁は、可変容量圧縮機が作動開始すると直ぐに開弁するので、吐出容量が最小容量から速やかに増加するのを助長する機能を有していない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、圧縮機の作動時に発生する圧力損失が従来に比べて少なく、圧縮機の作動時に自励振動が発生しない逆止弁を備える可変容量圧縮機を提供することを目的とする。また本発明は、可変容量圧縮機の作動開始時に、最小吐出容量から最大吐出容量へ向けて速やかに吐出容量が増加するの助長する機能を有する逆止弁を備える可変容量圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、吸入室と吐出室とクランク室とピストンが挿入された複数のシリンダボアとが内部に区画形成されたハウジングと、ハウジング内に配設されハウジングにより回転可能に支持された駆動軸と、傾角可変に駆動軸に係合した斜板を有し駆動軸の回転を往復運動に変換してピストンに伝達する運動変換機構と、クランク室圧力を制御して吐出容量を制御する容量制御弁と、吐出室と外部空調回路に接続する吐出口との間の吐出通路に配設された逆止弁とを備える可変容量圧縮機であって、逆止弁は吐出通路を開閉する電磁弁であり、更に、可変容量圧縮機の作動停止信号を受けると電磁弁を閉じ、可変容量圧縮機の作動開始信号を受けると電磁弁を開く制御装置を備え、電磁弁は、吐出通路を閉じている時に一次圧と二次圧との差圧が所定値以上になると吐出通路を開く開放機構を備えていることを特徴とする可変容量圧縮機を提供する。
本発明に係る可変容量圧縮機が備える逆止弁は電磁弁なので、開弁差圧を必要とせず、また開弁時の弁体の不安定挙動を電磁力によって強制的に禁止できる。従って、圧縮機の作動時に、逆止弁において発生する圧力損失を微小値に抑制して圧縮機の性能悪化を防止し、また弁体の自励振動ひいては騒音発生を防止することかできる。
電磁弁が、吐出通路を閉じている時に一次圧と二次圧との差圧が所定値以上、すなわち吐出容量を最小容量から速やかに増加させることができる程度の値以上、になると吐出通路を開く開放機構を備えているので、弁体を付勢するバネ力を大きくする必要がなく、電磁コイルの小型化が図れる。また制御装置に不具合が生じ電磁力による開弁が不能になっても、逆止弁は開弁することができる。
本発明の好ましい態様においては、電磁弁は、吐出室に連通する弁孔を開閉する弁体と、弁体に連結された可動鉄心と、弁体を閉弁方向へ付勢するバネとを有し、バネは可動鉄心に形成された中空部内に収容され、中空部には二次圧が導入されている。
一次圧と二次圧とが印加される弁体とバネとの組み合わせは、一次圧と二次圧との差圧が所定値以上になる吐出通路を開く開放機構として好適である。また可動鉄心内にバネを収容することにより、電磁弁を小型化することができる。
本発明の好ましい態様においては、電磁弁よりも上流側の吐出圧領域にリリーフバルブが配設されている。
電磁弁が破損して開弁できなくなっても、リリーフバルブが存在するので、吐出室圧力は異常高圧にならず、圧縮機の安全性が確保される。
本発明においては、上記何れかの可変容量圧縮機を備えることを特徴とする、冷房運転と暖房運転を切替制御する冷凍サイクルを有する車輛用空調装置を提供する。
本発明により、暖房運転時を含めて、圧縮機の良好な始動性が確保され、迅速な空調が確保された車輛空調装置が提供される。
本発明により、圧縮機の作動時に発生する圧力損失が従来に比べて少なく、圧縮機の作動時に自励振動が発生しない逆止弁を備える可変容量圧縮機が提供される。また本発明により、可変容量圧縮機の作動開始時に、最小吐出容量から最大吐出容量へ向けて速やかに吐出容量が増加するの助長する機能を有する逆止弁を備える可変容量圧縮機が提供される。
電磁弁が、吐出通路を閉じている時に一次圧と二次圧との差圧が所定値以上、すなわち吐出容量を最小容量から速やかに増加させることができる程度の値以上、になると吐出通路を開く開放機構を備えているので、弁体を付勢するバネ力を大きくする必要がなく、電磁コイルの小型化が図れる。また制御装置に不具合が生じ電磁力による開弁が不能になっても、逆止弁は開弁することができる。
本発明の実施例に係る可変容量圧縮機を説明する。
図1に示すように、可変容量斜板式圧縮機100は、複数のシリンダボア101aを備えたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端に設けられたフロントハウジング102と、バルブプレート103を介してシリンダブロック101の他端に設けられたリアハウジング104とを備えている。
シリンダブロック101とフロントハウジング102とによって画成されるクランク室105内を横断して、駆動軸106が配設されている。駆動軸106は斜板107に挿通されている。斜板107は、駆動軸106に固定されたロータ108と連結部109を介して結合し、駆動軸106により傾角可変に支持されている。ロータ108と斜板107との間に、斜板107を最小傾角へ向けて付勢するコイルバネ110が配設されている。斜板107を挟んでコイルバネ110の反対側に、最小傾角状態にある斜板107を傾角増大方向へ付勢するコイルバネ111が配設されている。
駆動軸106の一端はフロントハウジング102のボス部102aを貫通してハウジング外まで延在しており、電磁クラッチを介することなく、図示しない動力伝達装置を介して図示しない車両エンジンに直結している。駆動軸106とボス部102aとの間に軸封装置112が配設されている。
駆動軸106は、ベアリング113、114、115、116によりラジアル方向及びスラスト方向に支持されている。
シリンダボア101a内に、ピストン117が配設され、ピストン117の一端部の窪み117a内に収容された一対のシュー118が斜板107の外周部を相対摺動可能に挟持している。駆動軸106の回転は、ロータ108と連結部109と斜板107とシュー118とが形成する運動変換機構を介してピストン117の往復動に変換される。
リアハウジング104には、吸入室119と吐出室120とが形成されている。吸入室119は、バルブプレート103に形成された連通孔103aと図示しない吸入弁とを介してシリンダボア101aに連通し、吐出室120は図示しない吐出弁とバルブプレート103に形成された連通孔103bとを介してシリンダボア101aに連通している。
吸入室119は吸入ポート104aを介して図示しない外部空調回路の蒸発器に接続している。吐出室120は、図1、2に示すように、室104b、104cと吐出ポート104dとを介して図示しない外部空調回路の凝縮器に接続している。室104bに連通するリリーフバルブ121が配設されている。
フロントハウジング102、シリンダブロック101、バルブプレート103、リアハウジング104は図示しないガスケットを介して隣接し、複数の通しボルトを用いて一体に組付けられており、協働して、吸入室119と吐出室120とクランク室105と複数のシリンダボア101aと室104a、104bとが内部に区画形成されたハウジングを形成している。
逆止弁を形成する電磁弁200が室104c内に配設されている。図3に示すように、電磁弁200は、室104cよりも上流側に配設された室104bに連通する弁孔201aと、室104cを介して吐出ポート104dに連通する出口孔201bと、弁孔201aを取り囲む弁座201cとが形成されたハウジング201と、ハウジング201の内部空間である弁室202内に配設されて弁孔201aを開閉する弁体203と、弁体203に連結固定され筒部材204に摺動可能に挿入された筒状の可動鉄心205と、筒部材204に挿入固定されて可動鉄心205に対峙する固定鉄心206と、可動鉄心205の中空部205a内に配設されて弁体203を閉弁方向へ付勢するコイルバネ207と、ハウジング201に固定されたケース208内に収容されて筒部材204を取り囲む電磁コイル209とを有している。可動鉄心の中空部205aは、弁体203に形成された連通孔203aを介して弁室202と連通している。この結果、弁体203の下流側の受圧面に二次圧が作用する。他方、弁体203の上流側の受圧面には弁孔201aを介して一次圧が作用する。電磁弁200は、ノーマルクローズタイプの電磁弁として構成されており、電磁コイル209を励磁すると、図3(a)に示すように、可動鉄心205が固定鉄心206に吸着され、弁体203が弁座201cから離れ、弁孔201aが開放されて電磁弁200は開弁し、電磁コイル209を消磁すると、図3(b)に示すように、コイルバネ207の付勢力により一体化した弁体203と可動鉄心205とが固定鉄心206から離れ、弁体203が弁座201cに当接し、弁孔201aが閉鎖されて電磁弁200は閉弁する。
図1に示すように、リアハウジング104に吐出容量制御弁300が取り付けられている。吐出容量制御弁300は、吐出室120とクランク室105との間の連通路122の開度を調整し、クランク室105への吐出冷媒ガスの導入量を制御する。クランク室105内の冷媒ガスは、ベアリング115、116と駆動軸106との間の隙間と、シリンダブロック101に形成された空間123と、バルブプレート103に形成されたオリフィス孔103cとを介して吸入室119へ流入する。
吐出容量制御弁300により、クランク室105の内圧を可変制御して、可変容量斜板式圧縮機100の吐出容量を可変制御することができる。吐出容量制御弁300は、外部信号に基づいて内蔵するソレノイドへの通電量を調整し、連通路124を介して吐出容量制御弁300の感圧室に導入される吸入室119の内圧が所定値になるように、可変容量斜板式圧縮機100の吐出容量を可変制御し、また内蔵するソレノイドへの通電をOFFすることにより連通路122を強制開放して、可変容量斜板式圧縮機100の吐出容量を最小に制御する。吐出容量制御弁300は、外部環境に応じて、吸入室圧力を最適制御することができる。
吐出容量制御弁300の構成を詳述する。
図4に示すように、吐出容量制御弁300は、バルブハウジング301に形成された感圧室302内に配設され、連通孔301aと連通路124とを介して吸入室圧力を受圧し、内部を真空にしてばねを配設した感圧手段として機能するベローズ303と、一端部がバルブハウジング301に形成された弁室312内に配設されクランク室圧力を受圧すると共に吐出室120とクランク室105との間の連通路122に配設された弁孔305aを開閉し、他端部がバルブハウジング301の支持孔301bに摺動可能に支持され、他端がベローズ303に連結する弁体304と、弁孔305aと弁座305bとが形成され、バルブハウジング301の収容孔301cに圧入固定された弁座形成体305と、弁体304に一体形成され、一端に可動鉄心306を圧入固定したソレノイドロッド304aと、ソレノイドロッド304aを内挿し、所定隙間を隔てて可動鉄心306に対向配置された固定鉄心307と、固定鉄心307と可動鉄心306の間に配設され、可動鉄心306を開弁方向に付勢するばね308と、固定鉄心307と可動鉄心306とを内挿してソレノイドケース309に固定された筒状部材310と、筒状部材310を取り囲み、ソレノイドケース309に収容された電磁コイル311とから構成されている。
バルブハウジング301に弁孔305aと直交方向に形成された連通孔301dは収容孔301cと交差すると共に吐出室120に連通している。従って、弁孔305aと連通孔301dとは収容孔301cを介して連通している。ベローズ303に連結する弁体304の他端は収容孔301cから遮断され、ひいては吐出室120から遮断されている。弁室312は連通孔301eを介してクランク室105と連通している。連通孔301d、収容孔301c、弁孔305a、弁室312、連通孔301eは、吐出室120とクランク室105との間の連通路122の一部を形成している。
弁体304に作用する力は図5の式(1)で与えられる。吐出容量制御弁300においては、図6に示すように、電磁コイル311への通電量が増加すると吸入室圧力が低下する制御特性が得られる。
閉弁時に、弁体304のテーパした弁座当接面304bは弁孔305aの開口端部周縁の直角の角部に線接触するので、弁体304の吐出室圧力受圧面積は弁孔305aの断面積に略等しくなる。
弁孔305aは弁座形成体305をバルブハウジング301に圧入した際に僅かに変形するため、弁座形成体305をバルブハウジング301に圧入固定した後、弁孔305aを仕上げ加工して孔径を所定値に仕上げている。支持孔301bも弁孔305aの仕上げ加工と同時に同一工具で同一径に仕上げ加工されている。従って、弁孔305aと支持孔301bの断面積は同一値に仕上げられている。バルブハウジング301の支持孔301bに摺動可能に支持された弁体304の他端部である感圧ロッド304cの径は支持孔301bの径よりも僅かに(例えば10〜数10ミクロン)小さく設定されているので、式(1)のSvとSrとは実質的に同一値であり、図5の式(1)は図5の式(2)となる。
図5の式(2)から分かるように、吐出容量制御弁300は、実質的に吐出室圧力の影響を受けない吸入室圧力制御特性を有している。
図1に示すように、可変容量斜板式圧縮機100は、電磁弁200と吐出容量制御弁300の作動を制御する制御装置400を備えている。
可変容量斜板式圧縮機100の作動を、図7を参照しつつ説明する。
冷房不要時には可変容量斜板式圧縮機100の制御装置400には作動停止信号が入力されており、吐出容量制御弁300の電磁コイル311は消磁され、容量制御弁300は強制開放状態となり、可変容量斜板式圧縮機100は最小吐出容量の状態になっている。電磁弁200の電磁コイル209も消磁され、電磁弁200は閉じている。車輛エンジンが作動している状態において、吸入室119からシリンダボア101aへ吸引され、最小吐出容量で圧縮された冷媒は、シリンダ101aから吐出室120に吐出するが、電磁弁200が閉じているので外部空調回路へは流れず、開放状態になっている吐出容量制御弁300を介してクランク室105へ流入し、ベアリング115、116と駆動軸106との隙間を抜け、空間123と固定オリフィス103cとを通って吸入室119へ戻る。可変容量斜板式圧縮機100から外部空調回路への冷媒の流れが遮断されているので、外部空調回路から吸入室119への冷媒の流入もない。従って、冷媒は可変容量斜板式圧縮機100内で循環している。
可変容量斜板式圧縮機100の作動停止時に逆止弁である電磁弁200が閉じることにより、外部空調回路から可変容量斜板式圧縮機100への冷媒の逆流が防止されている。従って、長時間に亙って可変容量斜板式圧縮機100が作動停止状態にあっても、外部空調回路から可変容量斜板式圧縮機100へ冷媒が逆流し、クランク室105内に液冷媒となって滞留する事態の発生が防止される。
可変容量斜板式圧縮機100を作動させるべく、制御装置400に作動開始信号が入力されると、図7(a)のフローチャートに示すように、先ず所定の制御電流が電磁コイル311に流され、容量制御弁300の電磁コイル311が励磁される。実際の吸入室圧力が図6に示す制御電流に相当する目標吸入室圧力より高いと、ベローズ303が収縮し、容量制御弁300の弁体304は弁孔305aを閉じる。吐出室120とクランク室105との間の連通路122が閉鎖され、クランク室圧力が低下して吸入室圧力と同等になり、ピストン117のガス圧縮反力による斜板107の傾角を増加させるモーメントがクランク室圧力による斜板107の傾角を減少させるモーメントより大きくなって、斜板107の傾角が徐々に増加し、吐出容量が徐々に増加する。
電磁弁200はまだ閉じており、吐出室120内の冷媒ガスは行き場がないので、吐出室圧力は急激に上昇する。吐出室圧力が急上昇すると、ピストン117のガス圧縮反力が急増し、斜板107の傾角を増加させるモーメントが急増し、ピストンストロークが急増する。
制御装置400は、可変容量斜板式圧縮機100の作動開始信号を受けた時点から所定時間t後に電磁弁200の電磁コイル209を励磁し、可動鉄心205を固定鉄心206に吸着させ、弁体203を弁座201cから強制離脱させて弁孔201aを開かせ、室104bと室104cとが形成する吐出室120と吐出ポート104dとの間の吐出通路を開放する。十分な流量の冷媒が可変容量斜板式圧縮機100から流出して外部空調回路に供給され、空調が速やかに開始される。
尚、弁体203の上流側の受圧面に印加される一次圧と、弁体203の下流側の受圧面に印加されるの二次圧との差圧が所定値以上、すなわち吐出容量を最小容量から速やかに増加させることができる程度の値以上になると、電磁コイル209を励磁しなくても、前記差圧が弁体203に印加する開弁方向の付勢力が、コイルバネ207が弁体203に印加する閉弁方向の付勢力よりも大きくなり、弁体203が弁座201cから離れて弁孔201aが開かれ、室104bと室104cとが形成する吐出室120と吐出ポート104dとの間の吐出通路は開放される。必要十分な差圧が得られた時に制御信号を待たずに開弁するのを許容することにより、コイルバネ207のバネ力を大きくする必要がなくなり、電磁コイル209の小型化が図れる。また、制御装置400に不具合が生じ、或いは電磁コイル209に不具合が生じて、電磁力による開弁が不能になっても、電磁弁200が形成する逆止弁は開弁することができる。
電磁弁200が破損して開弁できない場合には、リリーフバルブ121が作動して電磁弁200よりも上流側の吐出圧領域から冷媒ガスを圧縮機外へ放出するので、吐出室圧力は異常高圧にならず、可変容量斜板式圧縮機100の安全性が確保される。
逆止弁を形成するのは電磁弁200なので、開弁差圧を必要とせず、また開弁時の弁体203の不安定挙動を電磁力により強制的に禁止できる。従って、可変容量斜板式圧縮機100の作動時に、電磁力により可動鉄心205ひいては弁体203を固定鉄心206に吸着固定して電磁弁200を全開させ、電磁弁200において発生する圧力損失を微小値に抑制して可変容量斜板式圧縮機100の性能悪化を防止し、また弁体203の自励振動ひいては騒音発生を防止することかできる。
可変容量斜板式圧縮機100の作動開始から所定時間t遅らせて逆止弁である電磁弁200を開弁させることにより、吐出室圧力ひいてはピストン117のガス圧縮反力を急増させ、斜板傾角を急増させて、吐出容量を最小容量から速やかに増加させることができる。従って、仮に可変容量斜板式圧縮機100の作動開始時に、クランク室105に液冷媒が滞留していても、吐出室圧力ひいてはピストン117のガス圧縮反力の増加を促進させ、斜板傾角の増加を促進させて、吐出容量を最小容量から速やかに増加させることができる。
一次圧と二次圧とが印加される弁体203とコイルバネ207との組み合わせは、一次圧と二次圧との差圧が所定値以上になった時に、室104bと室104cとが形成する吐出室120と吐出ポート104dとの間の吐出通路を開く開放機構として好適である。また可動鉄心205内にコイルバネ207を収容することにより、電磁弁200を小型化することができる。
作動中の可変容量斜板式圧縮機100の制御装置400に作動停止信号が入力されると、図7(b)のフローチャートに示すように、先ず容量制御弁300の電磁コイル311が消磁され、容量制御弁300が強制開放される。大量の吐出ガスが吐出室120からクランク室105に導入され、クランク室圧力が急上昇し、クランク室圧力による斜板107の傾角を減少させるモーメントがピストン117のガス圧縮反力による斜板107の傾角を増加させるモーメントより大きくなって、斜板107の傾角が減少し、吐出容量が減少する。
制御装置400は、可変容量圧縮機100の作動停止信号を受けた時点から所定時間t後に電磁弁200の電磁コイル209を消磁し、コイルバネ207の付勢力により、弁体203を弁座201cに当接させて、室104bと室104cとが形成する吐出室120と吐出ポート104dとの間の吐出通路を閉鎖する。外部空調回路への冷媒の流れが遮断され、吸入室119への冷媒の流入が停止し、クランク室105に導入される冷媒は、吐出室120内のガスのみになるので、クランク室圧力の上昇が徐々に停止し、クランク室圧力は最小吐出容量に応じた値に維持される。
吐出容量が減少してから逆止弁である電磁弁200を閉じるので、可変容量斜板式圧縮機100のトルク変化がスムーズになり、また吐出室120内の高圧冷媒ガスをクランク室105に導入しつつ、前記冷媒ガスの一部を外部空調回路へ流出させることによりクランク室圧力の異常上昇が防止される。
参考例
上記実施例において、外部情報を検出する外部情報検出装置を配設し、外部情報検出装置の出力信号に応じて制御装置400が所定時間tを可変制御するように構成しても良い。
例えば、外気温が低い時は吐出室120の温度が低いので可変容量斜板式圧縮機100が作動開始しても吐出室圧力は急増せず、或いは圧縮機回転数が低い場合には圧縮機の吐出流量が少ないので吐出室圧力は急増せず、その結果ピストン117のガス圧縮反力は急増せず、斜板傾角は急増せず、吐出容量は最小容量から速やかに増加しない。係る場合、可変容量斜板式圧縮機100の作動開始から逆止弁である電磁弁200の開弁までの時間tを長くすることにより、速やかに吐出室圧力を増加させ、速やかにピストン117のガス圧縮反力を増加させ、速やかに斜板傾角を増加させて、吐出容量を最小容量から速やかに増加させることができる。このように、外部環境に応じて可変容量圧縮機の作動開始から逆止弁の開弁までの時間を可変制御することにより、圧縮機の制御応答性が向上し、信頼性が向上する。
上記実施例において、外部情報を検出する外部情報検出装置を配設し、外部情報検出装置の出力信号に応じて制御装置400が所定時間tを可変制御するように構成しても良い。
例えば圧縮機回転数が低い場合には、圧縮機の吐出流量が少ないので、可変容量斜板式圧縮機100の作動停止後に、吐出室120からクランク室105へ流入する冷媒ガスの流量は少なく、クランク室圧力は急増せず、斜板傾角は急減しない、係る場合、可変容量斜板式圧縮機100の作動停止から逆止弁である電磁弁2001の閉弁までの時間tを長くすることにより、クランク室105内の冷媒ガス量を速やかに増加させ、クランク室圧力を速やかに増加させ、斜板傾角を速やかに減少させることができる。
上記実施例において、可変容量圧縮機の作動開始信号を受けた時点から所定時間t後に電磁弁200の電磁コイル209を励磁するのに代えて、図8に示すように、電磁弁200よりも上流側の吐出圧領域である室104bの圧力を検出する圧力センサ125を配設し、或いは吐出室圧力を検出する圧力センサを配設して、圧力センサ125或いは吐出室圧力を検出する圧力センサの出力が所定値以上になると、制御装置400が電磁弁200を開くように構成しても良い。
電磁弁200よりも上流側の吐出圧領域の圧力を直接検知して電磁弁200を開放するので、外部条件の如何に関わらず電磁弁200の開放時期を最適化し、吐出室圧力ひいてはピストン117のガス圧縮反力を急増させ、斜板傾角を急増させて、吐出容量を最小容量から速やかに増加させることができる。
電磁弁200としてパイロット型電磁弁を使用しても良い。
可変容量斜板式圧縮機100は冷房運転と暖房運転を切替制御する冷凍サイクルを有する空調装置に好適である。暖房運転時には低外気温で可変容量圧縮機の作動を開始するので、吐出容量の増加に時間が掛かる。可変容量斜板式圧縮機100を使用すれば、短時間で吐出容量を増加させることができる。
本発明は、可変容量斜板式圧縮機のみならず、可変容量揺動板式圧縮機、モータ駆動の可変容量圧縮機、電磁クラッチを介して駆動原に接続された可変容量圧縮機、容量制御弁として機械式の内部制御弁を備えた可変容量圧縮機、クランク室と吸入室との間の連通路に容量制御弁を配設した可変容量圧縮機、冷媒として現状のR134aに代えてCO2やR152a等の新冷媒を使用した可変容量圧縮機等にも利用可能である。
本発明の第1実施例に係る可変容量斜板式圧縮機の断面図である。 本発明の第1実施例に係る可変容量斜板式圧縮機が備える電磁弁の断面図である。 本発明の第1実施例に係る可変容量斜板式圧縮機が備える電磁弁の断面図である。(a)は開弁状態を示し、(b)は閉弁状態を示す。 本発明の第1実施例に係る可変容量斜板式圧縮機が備える吐出容量制御弁の断面図である。(a)は全体図であり、(b)は(a)の弁体を除いた部分拡大図であり、(c)は閉弁状態での部分拡大図である。 本発明の第1実施例に係る可変容量斜板式圧縮機が備える吐出容量制御弁の制御特性式を示す図である。 本発明の第1実施例に係る可変容量斜板式圧縮機が備える吐出容量制御弁の制御特性を示す図である。 本発明の第1実施例に係る可変容量斜板式圧縮機の制御のフローチャートである。 本発明の参考例に係る可変容量斜板式圧縮機の部分断面図である。
100 可変容量斜板式圧縮機
105 クランク室
106 駆動軸
107 斜板
117 ピストン
119 吸入室
120 吐出室
200 電磁弁
300 容量制御弁
400 制御装置

Claims (4)

  1. 吸入室と吐出室とクランク室とピストンが挿入された複数のシリンダボアとが内部に区画形成されたハウジングと、ハウジング内に配設されハウジングにより回転可能に支持された駆動軸と、傾角可変に駆動軸に係合した斜板を有し駆動軸の回転を往復運動に変換してピストンに伝達する運動変換機構と、クランク室圧力を制御して吐出容量を制御する容量制御弁と、吐出室と外部空調回路に接続する吐出口との間の吐出通路に配設された逆止弁とを備える可変容量圧縮機であって、逆止弁は吐出通路を開閉する電磁弁であり、更に、可変容量圧縮機の作動停止信号を受けると電磁弁を閉じ、可変容量圧縮機の作動開始信号を受けると電磁弁を開く制御装置を備え、電磁弁は、吐出通路を閉じている時に一次圧と二次圧との差圧が所定値以上になると吐出通路を開く開放機構を備えていることを特徴とする可変容量圧縮機。
  2. 電磁弁は、吐出室に連通する弁孔を開閉する弁体と、弁体に連結された可動鉄心と、弁体を閉弁方向へ付勢するバネとを有し、バネは可動鉄心に形成された中空部内に収容され、中空部には二次圧が導入されていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量圧縮機。
  3. 電磁弁よりも上流側の吐出圧領域にリリーフバルブが配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の可変容量圧縮機。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の可変容量圧縮機を備えることを特徴とする、冷房運転と暖房運転を切替制御する冷凍サイクルを有する車輛用空調装置。
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