JP6593190B2 - 被圧延材の異周速圧延方法 - Google Patents
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Description
L lub =α×η×H m ・・・(1)
ここで、αは1〜50の係数、ηは圧延形状比、H m はロールバイト内の被圧延材の平均板厚である。
まず、本発明の被圧延材の異周速圧延方法の概念について説明する。本発明者らは、上記課題を解決するために、圧延中の被圧延材の反りの挙動、特に被圧延材の先端が圧延機に噛み込んだ直後からのロールバイト内とその近傍での材料変形挙動について、実験用圧延機を用いた実験による観察、およびこれを再現するFEMモデルを用いた解析を行い、詳細に検討した。実験用圧延機は、上下一対の作業ロールのうち鉛直方向上側に配置された上側作業ロールを非駆動とする、いわゆる片駆動圧延機能と、各作業ロールのロール周速度を個別に設定し制御する異周速圧延機能(上記特許文献3の技術の適用を含む。)とを備えるものである。実験および解析に際しては、被圧延材の先端部の形状や表面性状、降伏応力の板厚方向分布、パスライン高さ(すなわち、下作業ロールの上死点位置と入側テーブルまたは出側テーブルとの高低差)等について、実機での外乱量を想定した種々条件を設定して行った。その結果、本発明者らは、以下の知見を得た。
[2−1.圧延機の構成]
まず、図1に基づいて、本発明の第1の実施形態に係る被圧延材を圧延する圧延機の構成について説明する。なお、図1は、本発明の第1の実施形態に係る圧延機を示す概略構成図である。
Rv=(VU−VL)/Vave ・・・(3)
VL=(1−Rv/2)Vave ・・・(5)
次に、図2に基づいて、本実施形態に係る圧延機による被圧延材Sの異周速圧延方法について説明する。図2は、図1に示した本実施形態に係る圧延機による被圧延材Sの異周速圧延方法を示すフローチャートである。図2では、演算部14による圧延形状比の演算値の算出から処理を開始し、異周速圧延の終了までの制御を示している。
まず、演算部14により、当該圧延パスの圧延条件に基づいて圧延形状比ηが算出される。圧延形状比ηは、作業ロール2、3と被圧延材Sとの間の投影接触弧長とロールバイト内の平均板厚の比であり、例えば下記式(6)を用いて計算される。
Hm=(H+2h)/3 ・・・(8)
また、上作業ロール2と下作業ロール3との周速度差が異周速度設定値として設定される。異周速度設定値は、異周速度設定値入力部12から入力され、周速度制御装置13及び潤滑剤供給制御装置15に出力される。異周速度設定値は、例えば特許文献3に開示された技術を用いて算出された値であってもよい。
次いで、潤滑剤供給制御装置15は、異周速度設定値に基づいて、潤滑剤を供給する被圧延材Sの面を決定する。潤滑剤供給制御装置15は、異周速度設定値から上記式(4)、式(5)を用いて上作業ロール2及び下作業ロール3の周速度をそれぞれ求め、被圧延材Sの上面または下面のうち低速ロール側の板面を特定する。潤滑剤供給制御装置15は、特定した低速ロール側の板面を、潤滑剤を供給する潤滑剤供給面として決定し、当該潤滑剤供給面に対して潤滑剤を供給可能な潤滑剤供給装置9、10を選択する。
さらに、潤滑剤供給制御装置15は、潤滑剤を供給する板先端からの距離、すなわち潤滑剤供給長さの演算値Llubを、上記式(1)を用いて算出する。式(1)で算出される値は、接触弧長のα倍の距離に相当する。係数αは、1〜50の範囲で適切な値が選択される。すなわち、潤滑剤供給長さの演算値Llubは、αが1であれば接触弧長と等しい値となり、接触弧長の50倍の長さまでの範囲で設定される。ここで、圧延形状比が1より小さい場合には、潤滑剤供給長さの演算値Llubはロールバイト内平均板厚Hm以上となるように係数αを選択することが望ましい。あるいは、潤滑剤供給長さの演算値Llubが、投影接触弧長ldの1倍以上10倍以下であり、かつ、ロールバイト内平均板厚Hmの1倍以上10倍以下となるように、係数αを決定してもよい。
ステップS13にて潤滑剤供給長さの演算値Llubが算出されると、周速度制御装置13は、異周速度設定値に基づき上作業ロールの周速度VU及び下作業ロールの周速度VLを算出し、算出した上作業ロールの周速度VU及び下作業ロールの周速度VLとなるように、上駆動用電動機5及び下駆動用電動機6を制御し、異周速圧延を開始する。
異周速圧延が開始されると、潤滑剤供給制御装置15は、距離測定器11の測定結果に基づいて、ステップS12で選択された潤滑剤を供給する潤滑剤供給装置9もしくは潤滑剤供給装置10の設置位置に被圧延材Sの先端が到達したことを検知する。そして、被圧延材Sの先端が選択された潤滑剤供給装置9もしくは潤滑剤供給装置10の設置位置に到達したことが検知されると、潤滑剤の供給が開始される。
潤滑剤の供給を開始すると、潤滑剤供給制御装置15は、距離測定器11による被圧延材Sの先端からの測定値Llub measを監視する。そして、測定値Llub measがステップS13にて設定された距離Llubになるまで、選択された潤滑剤供給面に対して潤滑剤を供給する。なお、ステップS10で算出された圧延形状比ηが1以上4以下の場合に本実施形態に係る圧延方法を適用すると、より大きな効果を奏することができる。
そして、潤滑剤供給制御装置15は、距離測定器11による測定値Llub measが距離Llubを超えたことを検知すると、潤滑剤の供給を停止する。以降は潤滑剤の供給を行わず、異周速板圧延を被圧延材Sの尾端が通過するまで継続して実行する。
次に、図3及び図4に基づいて、本発明の第2の実施形態に係る圧延機およびこれによる被圧延材Sの異周速圧延方法について説明する。
まず、図3に基づいて、本実施形態に係る圧延機の構成を説明する。図3は、本実施形態に係る圧延機の構成を示す概略構成図である。なお、以下の説明では、図3において、図1に示した第1の実施形態に係る圧延機と同様の装置および部材については、その説明を省略する。
次に、図4に基づいて、本実施形態に係る圧延機による被圧延材Sの異周速(片駆動)圧延方法について説明する。図4は、図3に示した本実施形態に係る圧延機による被圧延材Sの異周速(片駆動)圧延方法を示すフローチャートである。
まず、演算部14により、当該圧延パスの圧延条件に基づいて圧延形状比ηが算出される。圧延形状比ηは作業ロールと板間の投影接触弧長とロールバイト内の平均板厚の比であり、上記式(6)を用いて計算すればよい。演算部14は、式(6)にて算出した圧延形状比の演算値を潤滑剤供給制御装置15へ出力する。
次いで、下作業ロール周速度目標値入力部16から入力された下作業ロール3の周速度の目標値である下作業ロール周速度目標値が下作業ロール周速度制御装置17に出力される。
一方、潤滑剤供給制御装置15は、潤滑剤を供給する板先端からの距離、すなわち潤滑剤供給長さの演算値Llubを、上記式(1)を用いて算出する。潤滑剤供給長さの演算値Llubについては、予め設定した値を用いてもよいし、圧延形状比および板厚を用いた他の計算式によって演算された値としてもよい。
ステップS22にて潤滑剤供給長さの演算値Llubが算出されると、下作業ロール周速度制御装置17は、ステップS21にて入力された下作業ロール周速度目標値に従って下駆動用電動機6を制御し、異周速(片駆動)圧延を開始する。
異周速(片駆動)が開始されると、潤滑剤供給制御装置15は、距離測定器11の測定結果に基づいて潤滑剤供給装置9の設置位置に被圧延材Sの先端が到達したことを検知する。そして、被圧延材Sの先端が選択された潤滑剤供給装置9の設置位置に到達したことが検知されると、潤滑剤の供給が開始される。
潤滑剤の供給を開始すると、潤滑剤供給制御装置15は、距離測定器11による被圧延材Sの先端からの測定値Llub measを監視する。そして、測定値Llub measがステップS22にて設定された距離Llubになるまで、潤滑剤供給面である被圧延材Sの上面に対して潤滑剤を供給する。なお、ステップS20で算出された圧延形状比ηが1以上4以下の場合に本実施形態に係る圧延方法を適用すると、より大きな効果を奏することができる。
そして、潤滑剤供給制御装置15は、距離測定器11による測定値Llub measが距離Llubを超えたことを検知すると、潤滑剤の供給を停止する。以降は潤滑剤の供給を行わず、異周速(片駆動)圧延を被圧延材Sの尾端が通過するまで継続して実行する。
実施例1では、上作業ロールを非駆動とした片駆動圧延機を用いた熱間圧延での圧延反り状況について検証した。実施例1では、被圧延材自重による反り形状変化が顕著でない圧延条件下での(すなわち、板厚が厚く(50〜150mm)、かつ被圧延材の全長と板厚との比が比較的小さい(全長/板厚=約50〜100)被圧延材の)、圧延後の全長に亘る反り形状(平均反り曲率と反り方向)を比較した。
実施例2では、異周速圧延が可能な厚板圧延工程の、主に仕上げ圧延工程での圧延反り起因の通板トラブル発生率を比較した。実施例2では、圧延形状比が最小でも1以上の圧延パスを比較の対象とした。従来技術として上記特許文献3に開示された技術を適用し、比較例dとした。一方、本発明を適用する場合は、上記特許文献3に開示された技術で算出された上作業ロールと下作業ロールとの周速度差に基づき、低速ロール側の板表面の先端部分(約1.5m)に潤滑剤供給装置であるスプレーノズルにて潤滑剤を供給し、圧延した。
2 上作業ロール
3 下作業ロール
4 下補強ロール
5 上駆動用電動機
6 下駆動用電動機
8 潤滑剤タンク
9 潤滑剤供給装置(上面側)
10 潤滑剤供給装置(下面側)
11 距離測定器
12 異周速度設定値入力部
13 周速度制御装置
14 演算部
15 潤滑剤供給制御装置
16 下作業ロール周速度目標値入力部
17 下作業ロール周速度制御装置
S 被圧延材
Claims (4)
- 上下一対の作業ロールを有する圧延機を用いて、一方の前記作業ロールの表面の周方向速度が他方の前記作業ロールの表面の周方向速度に対して相対的に低速となる状態で被圧延材を圧延する、被圧延材の異周速圧延方法であって、
前記被圧延材の先端噛み込み直後の非定常部から定常部に至る迄を、前記被圧延材の先端部分として、
前記被圧延材の前記先端部分の圧延時のみ、前記作業ロールのうち、前記周方向速度が相対的に低速となる低速側作業ロールに当接する前記被圧延材の表面に対して潤滑剤を供給し、
前記被圧延材の前記先端部分の圧延後は、前記被圧延材の表面に対する前記潤滑剤の供給を停止する、被圧延材の異周速圧延方法。 - 上下一対の作業ロールを有する圧延機を用いて、一方の前記作業ロールの表面の周方向速度が他方の前記作業ロールの表面の周方向速度に対して相対的に低速となる状態で被圧延材を圧延する、被圧延材の異周速圧延方法であって、
前記被圧延材の先端部分の圧延時のみ、前記作業ロールのうち、前記周方向速度が相対的に低速となる低速側作業ロールに当接する前記被圧延材の表面に対して潤滑剤を供給し、
前記被圧延材の前記先端部分の圧延後は、前記被圧延材の表面に対する前記潤滑剤の供給を停止し、
前記潤滑剤が供給される前記被圧延材の先端部分の潤滑剤供給長さL lub は、圧延形状比と前記被圧延材の板厚とに基づいて決定され、下記式(1)で表される、被圧延材の異周速圧延方法。
L lub =α×η×H m ・・・(1)
ここで、αは1〜50の係数、ηは圧延形状比、H m はロールバイト内の被圧延材の平均板厚である。 - 前記低速側作業ロールは非駆動である、請求項1または2に記載の被圧延材の異周速圧延方法。
- 圧延形状比が1以上かつ4以下となる圧延条件の場合に実施される、請求項2または3に記載の被圧延材の異周速圧延方法。
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