JP6591782B2 - ポリアリレート中空糸膜及び該製造方法並びに該中空糸膜モジュール - Google Patents
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Description
このような状況下、本発明は、高い透水量且つ高い粒子阻止率を有するポリアリレート中空糸膜、及びその製造方法を提供することを主な目的とする。さらに本発明は、当該ポリアリレート中空糸膜を利用した中空糸膜モジュールを提供することも目的とする。
項1.ポリアリレート樹脂により形成されたポリアリレート中空糸膜であって、
25℃下で純水を用いた内圧透水量が、100L/(m2・atm・h)以上であり、
0.1μmの粒子の阻止率が90%以上である、
ポリアリレート中空糸膜。
項2.温度25℃、湿度60%において、引張強度が2MPa以上である、項1に記載のポリアリレート中空糸膜。
項3.モジュールケースに、項1または2に記載のポリアリレート中空糸膜が収容されてなる、中空糸膜モジュール。
項4.ポリアリレート樹脂と溶媒を含むポリマー溶液と、内部液とを、二重管状ノズルから凝固液に吐出して製膜するポリアリレート中空糸膜の製造方法において、
前記溶媒がN−メチル−2−ピロリドン及び/またはN,N−ジメチルアセトアミドであり、
前記ポリマー溶液中のポリアリレート樹脂濃度が7〜13質量%であり、
前記ポリマー溶液を温度40〜150℃として前記凝固液に吐出するか若しくは前記凝固液の温度が40〜100℃である、
項1記載のポリアリレート中空糸膜の製造方法。
=(初期吸光度−透過液吸光度)/初期吸光度×100
カラム:Aminex HPX−87H(300mm×7.8mm)
カラム温度:60℃、移動相:0.005規定硫酸、流速:0.6ml/分
圧力:800psi、検出器:示差屈折計
所定の分子量の阻止率は以下の式によって求めた。
所定の分子量のデキストラン阻止率
=(初期濃度−透過液濃度)/初期濃度×100
本発明のポリアリレート中空糸膜は、ポリアリレート樹脂と溶媒を含むポリマー溶液と、内部液とを、二重管状ノズルから凝固液に吐出して製膜する非溶媒誘起相分離法(NIPS法)において、前記ポリマー溶液を温度40〜150℃として前記凝固液に吐出するか若しくは前記凝固液の温度を40〜100℃とすることによって、好適に製造することができる。本発明のポリアリレート中空糸膜の製造方法は、より具体的には、以下の第1工程〜第3工程を経て製造される。
第1工程:ポリアリレート樹脂を溶媒に溶解させ、ポリマー溶液を調製する。
第2工程:二重管構造の中空糸製造用二重管状ノズルを用い、外側の環状ノズルから前記ポリマー溶液を吐出すると共に、内側のノズルから内部液を吐出し、凝固浴中に導入し、一定の引き取り速度で引き取ることにより中空糸膜を形成する。
第3工程:第2工程で形成された中空糸膜から溶媒を除去する。
第1工程では、ポリアリレート樹脂を溶媒に溶解させ、ポリマー溶液を調製する。ポリアリレート樹脂を溶媒に溶解させるためには、室温下または加熱下において、溶媒にポリアリレート樹脂を溶解させる。
第2工程では、二重管構造の中空糸膜製造用二重管状ノズルを用い、外側の管状ノズルから上記のポリマー溶液(製膜原液)を吐出すると共に内側のノズルから内部液を吐出し、凝固浴中に導入し、一定の引き取り速度で引き取ることにより、中空糸膜を形成する。ポリマー溶液を前記管状ノズルから凝固液に吐出して製膜する際の温度は、40〜150℃であるか若しくは前記凝固液の温度が40〜100℃である。
第3工程では、第2工程で形成された中空糸膜から溶媒を除去する。中空糸膜から溶媒を除去する方法については、特に制限されず、ドライヤーで乾燥させて溶媒を揮散させる方法であってもよいが、抽出溶媒に浸漬して中空糸膜内部で相分離を起こしている溶媒を抽出除去する方法が好ましい。溶媒の抽出除去に使用される抽出溶媒としては、安価で沸点が低く抽出後に沸点の差などで容易に分離できるものが好ましく、例えば、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、ジエチルエーテル、ヘキサン、石油エーテル、トルエンなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、アセトン、更に好ましくは水が挙げられる。また、抽出溶媒に中空糸膜を浸漬する時間としては、特に制限されないが、例えば0.2時間〜2ヶ月間、好ましくは0.5時間〜1ヶ月間、更に好ましくは2時間〜10日間が挙げられる。ポリアリレート中空糸に残留する有機溶媒を効果的に抽出除去する為に、抽出溶媒を入れ替えたり、攪拌したりしてもよい。特に本発明のポリアリレート中空糸膜を、半導体工業、食品工業、浄水用に使用する場合には、不純物、有機溶媒等の残存が問題となる為、第3工程は時間をかけて徹底的に行うことが望ましい。
本発明のポリアリレート中空糸膜は、濾過フィルターとして好適に使用するために、被処理液流入口や透過液流出口等を備えたモジュールケースに収容され、中空糸膜モジュールとして使用される。
図1に示す装置を用いて、11cm長の中空糸膜を設置し、圧力0.05MPaで5分間透過液を回収し、内圧透水量を上述した式により算出した。
室温25℃、湿度60%の環境で、ポリアリレート中空糸膜を約10cmに切断し、中空糸膜を島津製作所製オートグラフAGS−100Gにセットし、引っ張り強度、引っ張り伸度を、試験長50mm、引張速度50mm/min、測定数n=5にて測定した。
ポリアリレート中空糸膜の内径及び外径は、ポリアリレート中空糸膜の断面を光学顕微鏡にて200倍に拡大観察して測定し、n=3の平均値として算出した。
実施例1
ポリアリレートのチップ(ユニチカ(株)製Uポリマー「U100」)100g、N,N−ジメチルアセトアミド(ナカライテスク社製)900g、を温度90℃で1.5時間攪拌し溶解させポリマー溶液(製膜原液)を調製した。次に、温度90℃のポリマー溶液を定量ポンプを介して紡糸口金(二重管構造の中空糸膜製造用二重管状ノズル)に送液し、8.2g/分で押出した。紡糸口金の孔径は外径1.5mm、内径0.6mmのものを用いた。内部液には水を6.3g/分の送液速度で流した。押出された紡糸原液は20mmのエアギャップを介して、46℃の水からなる凝固液に投入して固化させ、20m/分の巻取速度にて巻き取った。得られた中空糸膜は24時間、水に浸漬して溶媒を抽出し、その後50℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させてポリアリレート中空糸膜を得た。
凝固液の温度を25℃にした以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は628L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は2.4MPa、引張伸びは23.3%であり、0.1μm、0.05μm、0.02μmの粒子阻止率は、いずれも100%であり、分子量20万のデキストランの阻止率は98%、分子量6万のデキストランの阻止率は75%であった。
凝固液の温度を6℃にした以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は200L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は3.1MPa、引張伸びは21.9%であり、0.1μm、0.05μm、0.02μmの粒子阻止率はいずれも100%であり、分子量20万のデキストランの阻止率は99%、分子量6万のデキストランの阻止率は80%であった。
ポリアリレートのチップ(ユニチカ(株)製Uポリマー「U100」)100g、N−メチル−2−ピロリドン(ナカライテスク社製)900g、を温度70℃で1.5時間攪拌し溶解させポリマー溶液(製膜原液)を調製した。次に、ポリマー溶液の温度を50℃に下げ、定量ポンプを介して紡糸口金(二重管構造の中空糸膜製造用二重管状ノズル)に送液し、8.2g/分で押出した。紡糸口金の孔径は外径1.5mm、内径0.6mmのものを用いた。内部液には水を6.3g/分の送液速度で流した。押出された紡糸原液は20mmのエアギャップを介して、46℃の水からなる凝固液に投入して固化させ、20m/分の巻取速度にて巻き取った。得られた中空糸膜は24時間、水に浸漬して溶媒を抽出し、その後50℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させてポリアリレート中空糸膜を得た。
凝固液の温度を25℃とした以外は、実施例4と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は384L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は3.9MPa、引張伸びは26.6%であり、0.1μm、0.05μm、0.02μmの粒子阻止率は、いずれも100%であり、分子量20万のデキストランの阻止率は99%であり、分子量6万のデキストランの阻止率は82%であった。
凝固液の温度を6℃とした以外は、実施例4と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は240L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は3.5MPa、引張伸びは15.7%であり、0.1μm、0.05μm、0.02μmの粒子阻止率は、いずれも100%であり、分子量20万のデキストランの阻止率は100%であり、分子量6万のデキストランの阻止率は85%であった。
凝固液へ吐出時のポリマー溶液の温度を25℃、凝固液の温度を46℃とした以外は、実施例4と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は538L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は3.8MPa、引張伸びは22.8%であり、0.1μm、0.05μm、0.02μmの粒子阻止率はいずれも100%であり、分子量20万のデキストランの阻止率は84%であり、分子量6万のデキストランの阻止率は50%であった。
ポリマー溶液中のポリアリレート樹脂70gをN,N−ジメチルアセトアミドを930gに溶解したポリマー溶液(製膜原液)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は1280L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は2.8MPa、引張伸びは23.6%であり、0.1μm、0.05μmの粒子阻止率はいずれも100%であり、0.02μmの粒子阻止率は74%であった。
ポリマー溶液中のポリアリレート樹脂130gをN,N−ジメチルアセトアミドを870gに溶解したポリマー溶液(製膜原液)を用いた以外は、実施例1と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は158L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は6.1MPa、引張伸びは21.1%であり、0.1μm、0.05μm、0.02μmの粒子阻止率はいずれも100%であり、分子量20万のデキストランの阻止率は99%であり、分子量6万のデキストランの阻止率は91%であった。
ポリマー溶液中のポリアリレート樹脂70gをN−メチル−2−ピロリドンを930gに溶解したポリマー溶液(製膜原液)を用いた以外は、実施例4と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は1031L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は2.5MPa、引張伸びは20.8%であり、0.1μm、0.05μmの粒子阻止率はいずれも100%であり、0.02μmの粒子阻止率は65%であった。
ポリマー溶液中のポリアリレート樹脂130gをN−メチル−2−ピロリドンを870gに溶解したポリマー溶液(製膜原液)を用いた以外は、実施例4と同様にしてポリアリレート中空糸膜を作製した。得られたポリアリレート中空糸膜は、内圧透水量は131L/(m2・atm・h)であった。得られた中空糸膜の引張強度は6.1MPa、引張伸びは24.1%であり、0.1μm、0.05μm、0.02μmの粒子阻止率はいずれも100%であり、分子量20万のデキストランの阻止率は99%であり、分子量6万のデキストランの阻止率は92%であった。
ポリアリレートのチップ(ユニチカ(株)製ユニファイナー「M−2040」100g、N,N−ジメチルアセトアミド(ナカライテスク社製)900g、を温度70℃で1.5時間攪拌し溶解させポリマー溶液(製膜原液)を調製した。次に、ポリマー溶液の温度を50℃に下げ、定量ポンプを介して紡糸口金(二重管構造の中空糸膜製造用二重管状ノズル)に送液し、8.2g/分で押出した。紡糸口金の孔径は外径1.5mm、内径0.6mmのものを用いた。内部液には水を6.3g/分の送液速度で流した。押出された紡糸原液は20mmのエアギャップを介して、55℃の水からなる凝固液に投入して固化させ、20m/分の巻取速度にて巻き取った。得られた中空糸膜は24時間、水に浸漬して溶媒を抽出し、その後50℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させてポリアリレート中空糸膜を得た。
実施例1において、ポリアリレート樹脂を150g、N,N−ジメチルアセトアミドを850gとした以外は実施例1と同様にポリアリレート中空糸膜を作製した。
実施例4において、ポリアリレート樹脂を150g、N−メチル−2−ピロリドンを850gとした以外は実施例4と同様に中空糸膜を作製した。
ポリアリレートのチップ(ユニチカ(株)製Uポリマー「U100」)100g、スルホラン(東京化成社製)900g、を温度130℃で1.5時間攪拌し溶解させポリマー溶液(製膜原液)を調製した。次に、温度130℃のポリマー溶液を定量ポンプを介して紡糸口金(二重管構造の中空糸膜製造用二重管状ノズル)に送液し、8.2g/分で押出した。紡糸口金の孔径は外径1.5mm、内径0.6mmのものを用いた。内部液には水を6.3g/分の送液速度で流した。押出された紡糸原液は20mmのエアギャップを介して、46℃の水からなる凝固液に投入して固化させ、20m/分の巻取速度にて巻き取った。得られた中空糸膜は24時間、水に浸漬して溶媒を抽出し、その後50℃の熱風乾燥機で1時間乾燥させてポリアリレート中空糸膜を得た。
比較例3において、ポリアリレート樹脂を150g、スルホランを850gとした以外は比較例3と同様に中空糸膜を作製した。
実施例6において、溶解後にポリマー溶液の温度を25℃に下げた以外は実施例6と同様に中空糸膜を作製した。
ポリマー溶液の溶媒として、実施例及び比較例に記載された溶媒の他、炭酸プロピレン、オレイン酸、ラウリン酸、シクロヘキサノン、トルエン、フタル酸ジブチル、フタル酸ジエチル、安息香酸n−ブチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸3−メトキシー3−メチルブチル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、1−オクタノール、3−メトキシー3−メチルブタノールにて製膜を検討したが、いずれもポリアリレート中空膜は得られなかった。
実施例1〜12と同様の各条件において、ポリマー溶液中に親水化剤として、ポリビニルピロリドン3質量%をさらに添加して同様のポリアリレート中空糸膜の作成を検討したが、親水化剤の添加による透水量向上の顕著な効果は見られなかった。
実施例1〜12及び比較例1〜5のポリアリレート中空糸膜の製造条件及び各物性値を表1に纏めて示す。これらの結果から、例えば、製膜原液(溶媒、樹脂濃度、温度等)、凝固液(液種、温度等)として特定のものを採用することにより、25℃下で純水を用いた内圧透水量が、100L/(m2・atm・h)以上であり、0.1μmの粒子の阻止率が90%以上であるという高い透水量、且つ、高い粒子阻止率を有するポリアリレート中空糸膜が得られることが明らかとなった(実施例1〜12参照)。特に、溶媒としてN,N−ジメチルアセトアミドを用いたり、ポリマー溶液温度及び凝固液温度の組合せがより高い温度である実施例1、2、4、5、7,8、10、12においては高い粒子阻止率を維持しながら、より高い透水量が得られることが明らかとなった。一方、比較例においては、製膜原液のポリアリレート樹脂濃度が高かったり、用いた溶媒が適していなかったり、ポリマー溶液温度等が適していなかったため、高い粒子阻止率と高い透水量を両立するポリアリレート中空糸膜を得ることができなかった。
U−100:ユニチカ(株)製ポリアリレート樹脂Uポリマー「U100」
M2040:ユニチカ(株)製ポリアリレート樹脂ユーファイナー「M−2040」
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP :N−メチル−2−ピロリドン
実施例1において得られた中空糸膜を250mm長に切断し、50本を束ねて熱シーラーを用いて両端を融着封止した。モジュールケースは両端からそれぞれ35mmの部分に出入水口を備えた塩化ビニル製の外径20mm、内径17mm、長さ140mmの円筒状パイプを作製した。次にモジュールケースと同じ外内径で25mm長のPTFE製ポットに、サンユレック(株)製の2液型ポリウレタンポッティング剤をすり切り一杯入れ、上記モジュールケースの片端を上部に装着し、膜束を上からポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製ポットの底に当たるまで押し込んだ。この状態で10時間静置し、片端をポッティングした。固化後、PTFE製ポットを引っ張りながら引き抜き、モジュールケースから出ているポリウレタン樹脂を膜束ごと切断し、中空部を露出させた。他方の膜束の端部も同様にポッティングし切断することで、両端に中空部が露出した状態とした。両端に出入水口を備えたキャップをかぶせて接着し、クロスフロー型モジュールが作製できた(図4のA参照)。このクロスフロー型モジュールの有効膜長は115mm×50本であった。
実施例1において得られた中空糸膜を200mm長に切断し、50本を束ねてU字状に折り曲げ、熱シーラーを用いて端部を融着封止した。モジュールケースは塩化ビニル製の外径20mm、内径17mm、長さ60mmの円筒状パイプを作製した。次にモジュールケースと同じ外内径で25mm長のPTFE製ポットに、サンユレック(株)製の2液型ポリウレタンポッティング剤をすり切り一杯入れ、上記フィルターケースの片端を上部に装着し、U字型膜束の封止部分を上からPTFE製ポットの底に当たるまで押し込んだ。この状態で10時間静置し、ポッティングした。固化後、PTFE製ポットを引っ張りながら引き抜き、モジュールケースから出ているポリウレタン樹脂を膜束ごと切断し、中空部を露出させた。モジュールケースの両端に出入水口を備えたキャップをかぶせて接着し、デッドエンド型モジュールが作製できた(図4のB参照)。このデッドエンド型モジュールの有効膜長は80mm×50本であった。
2:中空糸膜
3:入口側圧力計
4:出口側圧力計
5:二方弁
6:注射針
7:受け皿
8:空気流入口
9:レギュレーター
10:増圧タンク
11:スピードコントローラ
12:圧力センサ
13:中空糸膜モジュール
14:ガラス容器
15:フロリナートFC−72液
16:デジタル圧力表示機
17:二方弁
18:攪拌モーター
19:加圧ガス流入口
20:コンテナ
21:定量ポンプ
22:内部液導入口
23:中空糸製造用二重管状ノズル(紡糸口金)
24:凝固浴
25:ポリアミド中空糸膜
26:定速引き取り機
27:ボビン巻き取り機
28:純水シャワー
Claims (3)
- ポリアリレート樹脂により形成されたポリアリレート中空糸膜であって、
温度25℃、相対湿度60%において、引張強度が2MPa以上10MPa以下であり、
25℃下で純水を用いた内圧透水量が、100L/(m2・atm・h)以上1500L/(m 2 ・atm・h)以下であり、
0.1μmの粒子の阻止率が90%以上である、
ポリアリレート中空糸膜。 - モジュールケースに、請求項1に記載のポリアリレート中空糸膜が収容されてなる、中空糸膜モジュール。
- ポリアリレート樹脂と溶媒を含むポリマー溶液と、内部液とを、二重管状ノズルから凝
固液に吐出して製膜するポリアリレート中空糸膜の製造方法において、
前記溶媒がN−メチル−2−ピロリドン及び/またはN,N−ジメチルアセトアミドであ
り、
前記ポリマー溶液中のポリアリレート樹脂濃度が7〜13質量%であり、
前記ポリマー溶液を温度40〜150℃として前記凝固液に吐出するか若しくは前記凝固
液の温度が40〜100℃であり、
前記ポリアリレート中空糸膜が、ポリアリレート樹脂により形成されたポリアリレート中空糸膜であって、25℃下で純水を用いた内圧透水量が、100L/(m2・atm・h)以上1500L/(m 2 ・atm・h)以下であり、0.1μmの粒子の阻止率が90%以上である、
ポリアリレート中空糸膜の製造方法。
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