近年、エネルギーの効率的利用の観点から、蓄熱装置に対する需要があり、信頼性の高い太陽熱の蓄熱装置が要望されている。蓄熱装置は、日中の太陽熱を蓄積することができ、当該蓄積された熱を、夜間の暖房として利用したり、夜間の暖房を補助する用途で利用したり、或いは任意のタイミングで利用する非定常な熱利用の用途等で利用したりできる。
例えば従来型の太陽熱の蓄熱装置は、建物の外部に置かれた吸熱板と、建物の内部設けられ蓄熱材を収納した蓄熱装置と、を有する。蓄熱装置及びそれに接続された熱交換器の内部には、熱交換用の水を通すための配管等が設けられる。このため、従来型の蓄熱装置では、全体構造が複雑であり、かつ上記配管を設置するために大掛かりな工事が必要になっていた。このため、従来型の蓄熱装置では、設置に必要なコストが割高であるのに対して、得られるメリットが少なく、その結果、大きく普及するには至っていなかった。また一旦蓄熱装置を設置すると、装置の更新・変更・増設・移動等には工事が必要であり、簡単に置き換えることはできないものとなっていた。
以下、本実施形態に係る蓄熱システムを、図1〜図10を参照して詳細に説明する。実施形態の蓄熱システム11は、建物の室内において太陽光が当たる箇所である、いわゆる日向に設置される。蓄熱システム11を設置できる場所は、室内の窓の近傍でもよいし、太陽光が入射される位置であれば、室内のうち窓から遠く離れた位置でもよい。蓄熱システムは、1個の蓄熱装置12のみによって構成されてもよいし、複数の蓄熱装置12同士が接続されて一体になったものとして構成されてもよい。すなわち、蓄熱システム11を構成する要素である蓄熱装置12は、単独でも機能できるし、他の同型の蓄熱装置12と接続されて一体的に運用することもできる。本実施形態の蓄熱装置12は、他の同型の蓄熱装置12と容易に接続或いは分離することが可能であり、従来型の蓄熱装置に比して高い拡張性及び設置・移動の容易性を有する。また、蓄熱システム11が設置される場所は室内の任意の場所であり、オフィス内の窓近傍であってもよいし、植物園の温室のようなガラス張りの施設内や体育館等の屋内運動施設内等であってもよい。
図1、図2に示すように、蓄熱システム11は、複数の蓄熱装置12を有する。蓄熱装置12同士は、互いに同じ形態を有し(すなわち、同型であり)、接続部を介して互いに接続されている。蓄熱装置12同士は、例えば、一列に並べて配置することができる。蓄熱装置12同士は、直列に接続することができる。蓄熱装置12同士は、着脱自在に構成されている。
以下に、蓄熱システム11を構成する1つの蓄熱装置12について説明する。図3から図6に示すように、蓄熱装置12(第1蓄熱装置、第2蓄熱装置)は、ケース13と、ケース13内部に設けられた蓄熱部14と、ケース13内に収納された制御部15と、制御部15及び蓄熱部14に接続された制御用回路16と、制御用回路16の途中に介在されたリレー17と、隣接する他の蓄熱装置12と接続するように突出した一対の第1接続部21と、第1接続部21を受容するように窪んだ一対の第2接続部22と、ケース13と第1接続部21との間に介在されて第1接続部21を支持する支持部23と、ケース13内に収納された送風用の羽根車24(ファン)と、羽根車24を回転させるモータ25と、ケース13の外側の一部に設けられた太陽光発電電池26と、ケース13の第2面32に形成され羽根車24から送られる温風をケース13外に向けて吹き出される吹出口27と、ケース13の外側に取り付けられた表示部28と、ケース13を起立状態で自立させるための脚部33と、制御部15を駆動するための電源34と、蓄熱部14を発核させるための第2電源35と、第1接続部21と第2接続部22とが連結したことを検出する検出器36と、を有する。脚部33は、ケース13の底部44に対して着脱可能である。モータ25は、例えば第2電源35から電力供給を受ける。
図2、図3に示すように、ケース13は、平板状をなした平板部37と、平板部37の外周に位置する4面を含む外周部38と、を有する。ケース13は、第1面31側に、羽根車24に空気を送るための空気取入口を有する。平板部37は、日向側に向けられて太陽光を受ける第1面31と、人がいる側に向けられるとともに表示部28が設けられる第2面32と、を有する。
外周部38は、断面半円形に突出するように設けられた凸部41と、凸部41に対向する位置で断面半円形に窪んで設けられた凹部42と、凸部41と凹部42とから外れた位置に設けられた頂部43及び底部44と、を有する。図5に示すように、支持部23は、円柱形をなしていて、凸部41の一部を構成する。支持部23は、その中心を通る軸部45を中心にケース13の平板部37に対して回動可能である。このため、支持部23は、第1接続部21の取付け角度を任意に調整できる。ケース13の平板部37には、軸部45を両持ちで回転可能に支持する一対の腕部46が設けられる。
図3から図6に示すように、第1接続部21(接続部)は、一般的な凸形のコネクタで構成され、第2接続部22と接続される複数の信号線(端子47)を有する。第1接続部21に含まれる端子47の数は任意であり、製品仕様に応じて適宜に増減させることができる。1つの第1接続部21は、支持部23上に設けられる。もう1つの第1接続部21は、ケース13の頂部43に設けられる。
第2接続部22(接続部)は、一般的な凹形のコネクタで構成され、第1接続部21の複数の信号線(端子47)と接続される複数の信号線(端子47)を有する。第2接続部22に含まれる端子47の数は任意である。第2接続部22は、第1接続部21に対して相補的な形状をなしていて、その内側に第1接続部21を受容することができる。1つの第2接続部22は、外周部のうちの凹部42に設けられる。もう1つの第2接続部22は、ケース13の底部44に設けられる。なお、第1接続部21及び第2接続部22の配置箇所は任意であり、この例以外の配置をとることも当然にできる。このため、蓄熱装置12は、他の蓄熱装置12と横方向及び上下方向に接続できる任意の位置に第1接続部21及び第2接続部22を備えうる。
ケース13は、例えば合成樹脂材料によって平板状(薄型の箱状)に形成されるが、例えば金属材料によって形成されても良い。ケース13は、蓄熱部14(第1蓄熱部、第2蓄熱部)と熱的に接続される。ケース13(平板部、外周部)は、例えば、トレー状をなした第1部材13A(第1受熱部、第2受熱部、太陽熱吸熱板)と、トレー状をなした第2部材13Bと、を突き合わせて中空の箱状に形成される。第1部材13A及び第2部材13Bは、例えば射出成形等で形成される。ケース13は、内部に、蓄熱材64を充填するための空洞部48と、電気的な配線を通したり制御部15を収納したりするための回路収納部51と、を有する。第1部材13A(第1受熱部、第2受熱部)は、上記した第1面31を含んでおり、いわゆる太陽光吸熱板を兼ねている。第1部材13Aは、太陽光から受け取る熱量を増大させるために黒色等で形成されることが好ましい。第1部材13Aを黒色等の有色で実現した場合には、蓄熱装置12は、ブラインドの代替としてのいわゆる日除けとして機能できる。
第2部材13Bは、吹出口27を有し、ユーザ側に向けて設置される第2面32を含む。このため、第2部材13Bは、室内の壁紙の色合いと同様の白又はクリーム色であってもよい。
図6に示すように、制御用回路16は、例えば、蓄熱部14を発核させるための第1回路16Aと、隣接する他の蓄熱装置12と接続されたことを検出する第2回路16Bと、リレー17(スイッチ)を制御するための第3回路16Cと、他の蓄熱装置12の制御部15との間で情報をやりとりするための第4回路16Dと、を有する。制御部15は、例えば第2回路16Bによって隣接する他の蓄熱装置12と接続されたことを検出している。また、制御部15は、第4回路16Dを介して他の蓄熱装置12の制御部との間で信号のやりとりをするので、この第4回路16Dによって当該蓄熱装置12が他の蓄熱装置12に接続していることを認識してもよいし、それ以外の方法で当該蓄熱装置12が隣接する他の蓄熱装置12と接続されたことを検出してもよい。図6では、第3回路16Cと第4回路16Dを一本の線として模式的に表しているが、実際には第3回路16Cと第4回路16Dとを別の回路として実現することが好ましい。また、図6では、作図上の問題で、隣接する蓄熱装置12同士の間で第3回路16C及び第4回路16Dを接続する端子49を紙面上側に示しているが、実際には、当該端子49は、他の端子47と同様に第1接続部21の内部及び第2接続部22の内部に配置される。
電源34は、例えば、二次電池等で構成されてもよいし、乾電池等の一次電池等で構成されてもよい。第2電源35は、例えば、二次電池等で構成されてもよいし、乾電池等の一次電池等で構成されてもよい。或いは、電源34及び第2電源35は、1個の電源として構成されてもよい。電源34及び第2電源35は、太陽光発電電池26から充電(電力供給)を受けるようにしてもよい。電源34及び第2電源35は、アノード電極52とカソード電極53との間に印加される電圧を任意の値に設定可能な定電圧電源等を使用してもよい。
表示部28は、一般的なタッチパネル等で構成される。表示部28は、ユーザからの入力を受け付ける入力部(第1入力部、第2入力部)を兼ねている。このため、表示部28には、ユーザからの入力を受け付けるためのキーボードやテンキーを表示可能である。
検出器36は、例えば、磁性体及びホール素子を利用した磁気式の電流検出センサで構成される。当該蓄熱装置12が隣接する他の蓄熱装置12に接続されると、第2回路16Bが閉回路となり、第2回路16Bに対して例えば図6に破線の矢印で示すような電流が流れる。なお、第2回路16Bの一部には、抵抗が設けられる。検出器36は、図6に破線の矢印で示す電流を検出して、これに対応する出力電圧(信号)を制御部15に送る。出力電圧(信号)は、途中でAD変換されて制御部15に送られる。信号を受信することで、制御部15は、当該蓄熱装置12が隣接する他の蓄熱装置12に接続されたことを認識できる。
制御部15(第1制御部、第2制御部)は、例えば、CPU54と、ROM55と、RAM56と、時刻情報を保持するハードウェアクロック57と、各種のドライバと、これらを実装するとともにこれらを互いに電気的に接続するプリント配線板58と、を有するが、これ以外に例えばフラッシュメモリ等の部品を含んでいてもよい。制御部15は、ドライバを介してリレー17のオン・オフを制御することで、蓄熱部14に対する通電と通電の解除とを切り替えることができる。このため、制御部15は、リレー17を制御することで間接的に、蓄熱部14に対する過冷却状態の解除指令を出すことができる。
ROM55は、制御部15に以下の処理を行わせるプログラムを記憶している。ROM55は、例えば、ユーザが表示部28(タッチパネル)にタッチすることで表示部28から信号を受信した制御部15及び当該表示部28を待機状態からアクティブ状態にするプログラムと、ユーザがいずれかの蓄熱装置12の表示部28にタッチすることで蓄熱システム11に含まれるすべての蓄熱装置12を待機状態からアクティブ状態にするプログラムと、第2回路16B又は第4回路16Dを通じて接続状態にあると認識した蓄熱装置12のアイコン61(第2アイコン)と当該蓄熱装置12のアイコン61(第1アイコン)とを表示部28上に実際の並び順と同じ並び順で表示するプログラムと、表示部28上に表示された当該アイコン61にユーザがタッチすることでその蓄熱装置12が選択された選択状態にするプログラムと、ハードウェアクロック57から時刻情報を取得するプログラムと、選択状態にある蓄熱装置12を発核させる時刻(暖房開始時刻)の入力をユーザから受け付ける第1画面62を表示するプログラムと、選択状態にある蓄熱装置12の発核する順番の入力をユーザから受け付ける第2画面63を表示するプログラムと、第1画面62又は第2画面63への入力に基づき所定の時刻に当該蓄熱装置12又はこれに接続された周辺の蓄熱装置12を所定の時刻に発核させるプログラムと、を記憶している。ROM55には、上記以外にも必要なプログラムも適宜に記憶させることができる。
ROM55は、蓄熱装置12に固有の識別番号、例えば20001203、20001204等の番号を記憶している。制御部15は、第4回路16Dを通じて、他の蓄熱装置12の制御部15から識別番号を送る要請があったときに、ROM55から識別番号を読みだして、要請があった制御部15に対して識別番号を送る。識別番号を受領した蓄熱装置12の制御部15は、識別番号ごとにA、B、C、D等の適当な記号を割り振り、アイコン61とともに表示部28に表示する。
図6に示すように、蓄熱部14(第1蓄熱部、第2蓄熱部)は、空洞部48に充填された蓄熱材64と、アノード電極52(電極)と、カソード電極53(電極)と、を備えている。蓄熱材64には、過冷却性能を有する潜熱蓄熱材(PCM;Phase change material)が用いられている。この蓄熱材64は、液相の状態から温度が下がって融点以下になっても凝固せずに液相状態を維持する特性を有している。このような蓄熱材64は、過冷却性能を有する潜熱蓄熱材又は相変化蓄熱材と称される。
蓄熱材64には、例えば酢酸ナトリウム三水和物等の酢酸ソーダや、硫酸ナトリウム水和物等の硫酸ソーダを用いることができる。蓄熱温度が高い場合には、蓄熱材64として、酢酸ナトリウム三水和物を用いることが望ましい。酢酸ナトリウム三水和物の一般的な物性は、融点が40〜58℃、潜熱が100〜264kJ/kg、比熱が1〜4kJ/kg/Kである。
カソード電極53は、導電性を有する金属材料、例えばステンレスやチタン、銀等で形成され、蓄熱材64に負電圧を印加することができる。より具体的には、カソード電極53は、銀や銀合金等、銀を主体とする金属によって形成されている。図6に示すようにカソード電極53は、アノード電極52から分離して設けられ、一部又は全部が蓄熱材64に浸かった状態に配置されている。カソード電極53は、例えば、丸棒形状をなしている。
図6に示すようにアノード電極52は、一部又は全部が蓄熱材64に浸かった状態に配置されている。アノード電極52は、例えば、丸棒形状をなしている。アノード電極52は、導電性を有する金属材料で形成され、蓄熱材64に正電圧を印加することができる。アノード電極52の材料としては、銀や銅、銅アマルガム等が適している。より具体的には、アノード電極52は、銀や銀合金等、銀を主体とする金属によって形成され、発核の起点となる。上記両電極52、53間に電圧が印加されると、アノード電極52の表面付近で発核が起こり、ここを起点に結晶が析出する。これによって、蓄熱部14から熱を取り出すことができる。
続いて、図5、図7から図10等を参照して、本実施形態の蓄熱システム11の作用について説明する。
使用に先立ち、ユーザは、建物内(室内)で太陽光が差し込む任意の場所に蓄熱システム11を設置することができる。蓄熱システム11を構成する各蓄熱装置12は、脚部33によって自立することができる。また、ユーザは、室内のスペースや窓の位置に合わせて、隣接する蓄熱装置12同士で、設置する角度を変えて配置することもできる。図5に示すように、蓄熱装置12は、支持部23を介して第1接続部21の設置角度が自由に変更することができる。このため、例えば、図10に示すように、蓄熱システム11全体として大きな弧を描くように、隣接する蓄熱装置12同士の間で、設置される角度が異なるように配置することもできる。また、蓄熱装置12は、頂部43に第1接続部21を有し、底部44に第2接続部22を有している。このため、例えば図9に示すように、左右方向だけでなく、上下方向にも拡張して設置することもできる。このため、高い天井を有する室内や大型の窓にも対応することができる。このように蓄熱装置12を縦方向に連結する場合には、蓄熱装置12同士の連結を補助する補強材(補強金具)を適宜に使用できる。
ユーザは、設置する室内のスペースなどに応じて、一つの蓄熱装置12の単体からなる蓄熱システム11を使用したり、或いは、複数の蓄熱装置12を第1接続部21及び第2接続部22を介して接続して構成した蓄熱システム11を使用したりすることができる。
ユーザは、蓄熱システム11の使用に先立ち、蓄熱システム11を室内の日当たりの良い場所に設置する。これによって、ケース13の表面や蓄熱材64に対して太陽光が照射され、太陽光からの熱(太陽熱)を受け取ることができる。この熱によって、固体状態にある蓄熱材64を完全に溶かして液相状態にし、蓄熱材64の内部に熱を蓄積する。言い換えると、蓄熱材64は、その内部に太陽熱を蓄熱することができる。蓄熱材固体状態にある蓄熱材64を完全に溶かすためには、蓄熱材64の容積にもよるが、晴天時に蓄熱システム11に対して太陽光を例えば数時間当てて、太陽光から十分に熱を受け取る必要がある。なお、蓄熱システム11を最初に使用する状態や、それ以前にすでに放熱を行った状態では、各蓄熱装置12の蓄熱材64は固体状態になっている。太陽熱によって温められて、蓄熱材64が完全に液相になった状態で、蓄熱材64への蓄熱が完了した状態になる。蓄熱材64への蓄熱には、太陽光以外のエネルギーを何も必要としない。また、蓄熱システム11に対して太陽光を当てて蓄熱材64を溶かす際には、太陽に対して、ある1つの蓄熱装置12の第1部材13A(第1受熱面)と、これに隣接する他の蓄熱装置12の第1部材13A(第2受熱面)と、が互いに重ならない位置に蓄熱装置12同士を並べる必要があることはいうまでもない。
ユーザは、夕方や日没後の所定のタイミングで、蓄熱システム11を起動できる。或いは、ユーザは、蓄熱システム11を実際に使用する前の時間帯に、蓄熱システム11を作動させる時刻を予約することもできる。
ユーザが蓄熱システム11のいずれかの蓄熱装置12の表示部28(タッチパネル)に触れると、制御部15は、表示部28からの信号でスリープ状態からアクティブ状態になるとともに、当該タッチされた表示部28をスリープ状態からアクティブ状態にする。制御部15は、表示部28上に当該蓄熱装置12のアイコン61と、当該蓄熱装置12に接続された周辺の蓄熱装置12のアイコン61と、を表示する。このとき、表示されているアイコン61の並び順は、実際に室内に設置されている蓄熱装置12の並び順と同じになる。
ユーザは、この状態で、いずれかのアイコン61を選択して、蓄熱装置12の作動時刻(暖房開始時刻)や作動する順番を設定することができる。図7に示すように、例えばユーザが左端のアイコン61(第1アイコン、図8ではAと表示されたアイコン61)に指でタッチすると、当該蓄熱装置12のアイコン61の色が変わったり或いは当該蓄熱装置12のアイコン61が点滅したりし、このアイコン61に対応する当該蓄熱装置12が選択された状態となる。
このように一つの蓄熱装置12が選択された状態で、制御部15は、暖房を開始する順番を受け付ける第1画面62(文字列)を表示するとともに、暖房を開始する(蓄熱部14の過冷却状態を解除する)時刻を受け付ける第2画面63(文字列)を表示する。このような画面が表示された状態で、図7に示すように、例えば、ユーザが時刻、例えば、「午後6時」を入力した場合には、当該時刻に暖房を開始(蓄熱材64を発核させる)させる予約を行うことができる。一方、ユーザは、すぐにこの蓄熱装置12を使用したい場合には、表示部28に表示された「すぐに暖房を開始する」コマンド(図示省略)を選択して、直ちに蓄熱装置12の暖房を開始させる(蓄熱材64を発核させる)こともできる。
ユーザは、さらに次に作動させたい蓄熱装置12を選択し、暖房を開始する時刻を受け付ける画面(文字列)を表示させることもできる。図8に示すように、例えばユーザが左から二番目のアイコン61(第2アイコン、図7ではBと表示されたアイコン61)を選択してこのアイコン61に対応する蓄熱装置12を選択すると、上記と同様の入力画面(文字列)62、63が表示される。ここで、ユーザは、例えば、「午後6時30分」を入力した場合には、当該時刻に暖房を開始させる(蓄熱部14の過冷却状態を解除する)予約を行うことができる。以下同様に、すべての蓄熱装置12に対して暖房開始時刻を指定することもできる。或いは、蓄熱システム11に含まれる一部の蓄熱装置12についてのみ発核させ、他の蓄熱装置12については使用しないような制御をすることもできる。当該数字の入力は、表示部28に表示されたキーボード(テンキー)を介して入力できる。上記例以外に、例えば、4個以上の蓄熱装置12を接続して蓄熱システム11を構成した場合でも同様の手順で時刻を設定できる。
一方、ユーザが上記の入力画面において、図7に示す例のように、暖房を開始する順番である「1」を入力した場合には、まず、この蓄熱装置12の暖房を開始する時刻の入力を促すように、時刻入力部65の表示を点滅等させる。ここで、ユーザは、「午後6時」の時刻を入力したとする。なお、このように暖房を開始する順番を選択した場合でも、「すぐに暖房を開始する」コマンド(図示省略)を選択して、直ちに蓄熱装置12の暖房を開始させることもできる。次に、制御部15は、ユーザに対して、次に暖房を開始させる蓄熱装置12の選択を促すように、他の蓄熱装置12に対応するアイコン61を点滅等させる。ここで、ユーザは、他の蓄熱装置12に対応するアイコン61(図7では、Bと表示されたアイコン61)を選択し、図8に示す例のように、暖房を開始する順番として「2」を入力したとする。以下同様に、他の蓄熱装置12に対応するアイコン61を点滅等させてユーザに選択を促し、他のすべての蓄熱装置12の暖房を開始する順番を決定する。
これにより、制御部15は、1番目に暖房を開始した蓄熱装置12の発熱維持時間が終了する時刻に合わせて2番目の蓄熱装置12の暖房を開始させるように、自動的に時刻を設定する。以下同様に、制御部15は、2番目の蓄熱装置12の発熱維持時間が終了する時刻に合わせて3番目の暖房を開始させるように3番目の蓄熱装置12の暖房を開始する時刻を設定し、3番目の蓄熱装置12の発熱維持時間が終了する時刻に合わせて4番目の暖房を開始させるように4番目の蓄熱装置12の暖房を開始する時刻を設定する。一つの蓄熱装置12が温風を出し続けることができる発熱維持時間は、蓄熱部14の容積にもよるが、例えば20分から40分である。このため、制御部15は、1番目に暖房開始(過冷却を解除)した蓄熱装置12の発熱維持時間を経過した時刻に、2番目の蓄熱装置12の暖房を開始(過冷却を解除)させ、以下同様に、2番目の蓄熱装置12の発熱維持時間を経過した時刻に3番目の蓄熱装置12の暖房を開始(過冷却を解除)させ、3番目の蓄熱装置12の発熱維持時間を経過した時刻に4番目の蓄熱装置12の暖房を開始(過冷却を解除)させる。このような制御によって、切れ目なく蓄熱装置12を作動させて室内の暖房状態を継続させることができる。
このような暖房開始時刻の設定や暖房開始順の指定は、蓄熱システム11に含まれるすべて蓄熱装置12の表示部28から行うことができる。逆に、先に行った暖房開始時刻の予約の解除についても、蓄熱システム11に含まれるすべての蓄熱装置12の表示部28から行うことができる。このため、蓄熱システム11に含まれる1つの蓄熱装置12で行った暖房開始時刻の予約を、蓄熱システム11に含まれる他の蓄熱装置12から解除したり暖房開始時間を変更したりすることもできる。
制御部15は、暖房を開始する時刻になったときに、該当する蓄熱装置12の蓄熱部14を発核させて、暖房を開始する。次の蓄熱装置12の蓄熱部14を発核させるタイミングになったときに、制御部15は、第3回路16Cを通じて、その蓄熱装置12のリレーを作動させてその蓄熱装置12の蓄熱部14を発核させる。或いは、制御部15は、第4回路16Dを通じて対象となる蓄熱装置12の制御部15に指令を出して、その蓄熱装置12に含まれる制御部15から発核の指令を出すようにしても当然によい。
このように、蓄熱装置12を順番に作動させることで、建物に備えられたエアコン等の従来型の暖房を稼働させる時間を遅らせることができる。これによって、エアコン等を稼働させる時間を短縮することができ、結果として省エネルギー化を促進できる。なお、上記した例では、蓄熱装置12に対応するアイコン61を選択してから暖房を開始(過冷却を解除)する時刻又は暖房を開始する順番を指定するようにしているが、暖房を開始する順番の指定方法はこれに限られるものではない。例えば、制御部15は、表示部28に「暖房を開始する順番:1」のコマンドを表示させ、ユーザがこれを選択した後に、1番目に暖房開始させる蓄熱装置12に対応するアイコン61(例えば図8のA)をユーザに選択させ、さらに当該蓄熱装置12が暖房を開始する時刻をユーザに入力させるか或いはすぐに当該蓄熱装置12の暖房を開始させるコマンドを選択できるようにしてもよい。この場合、さらに制御部15は、表示部28に「暖房を開始する順番:2」のコマンドを表示させ、ユーザがこれを選択した後に、2番目に暖房開始させる蓄熱装置12に対応するアイコン61(例えば図7のB)をユーザに選択させるようにしてもよい。このとき、2番目に暖房開始する蓄熱装置12は、1番目に暖房開始した蓄熱装置12の発熱維持時間が完了した後に直ちに暖房を開始してもよいし、予め指定した時刻に暖房を開始させてもよい。3番目、4番目に暖房を開始させる蓄熱装置12は、2番目に暖房を開始する蓄熱装置12と同様の手順でユーザに選択を促すことができるとともに、同様の手順で暖房を開始できる。
他の実施形態として、蓄熱装置12は、温度計を内蔵していてもよい。蓄熱装置12は、温度計で感知した室温が所定の温度以下である場合に自動的に蓄熱部14を発核させて暖房を開始させるモードを有していても良い。このモードに設定された場合には、制御部15は、室温が所定の温度以下になった場合に、自動的に蓄熱部14を発核させる。
本実施形態によれば、以下のことがいえる。蓄熱システム11は、過冷却性能を有する蓄熱材64を備える第1蓄熱部14と、第1蓄熱部14と熱的に接続されるとともに太陽熱を受け取る第1受熱部と、第1蓄熱部14に対して過冷却状態を解除して熱を放出する指令を出す第1制御部15と、第1接続部21と、を有する第1蓄熱装置12と、過冷却性能を有する蓄熱材64を備える第2蓄熱部14と、前記第2蓄熱部と熱的に接続されるとともに太陽熱を受け取る第2受熱部と、第2接続部と、を有する第2蓄熱装置12と、を備え、前記第1接続部は、前記第2接続部に対して接続したり分離したり可能であり、第1制御部15は、第1接続部21と第2接続部22とが接続された状態で、第2蓄熱部14に対して過冷却状態を解除して熱を放出する指令を出すことが可能である。
この構成によれば、蓄熱システム11は、第1蓄熱装置12側の第1制御部15を利用して、第1蓄熱部14の過冷却状態の解除だけでなく、第2蓄熱部14の過冷却状態の解除をも行うことができる。これにより、蓄熱装置12、12同士が第1接続部21及び第2接続部22を介して単に接続されるだけでなく、一つの蓄熱装置12を用いてこれらの操作を一元的に行うことができる。このため、操作が簡単になりユーザの利便性を著しく向上できる。また、第1接続部21及び第2接続部22を介して蓄熱装置12同士を自由に着脱することができ、蓄熱システム11を構成する蓄熱装置12の数の変更が容易で、拡張性が高い蓄熱システム11を実現できる。さらに、複数の蓄熱装置12を接続することで、受熱部の面積を広げることができ、熱を回収する効率を向上することができる。
第1蓄熱装置12は、表示部28を有し、隣接配置された第1蓄熱装置12及び第2蓄熱装置12が第1接続部21及び第2接続部22を介して接続された状態で、表示部28には、第1蓄熱装置12を示す第1アイコン61と、第2蓄熱装置12を示す第2アイコン61と、が第1蓄熱装置12及び第2蓄熱装置12の実際の並び順と同じ並び順で示される。
この構成によれば、第1アイコン61及び第2アイコン61が実際の第1蓄熱装置12及び第2蓄熱装置12の並び順と同じ並び順で表示部に表示されるために、ユーザが直感的にどの蓄熱装置12を示しているアイコン61なのかを認識しやすくすることができる。これによって、ユーザにとって操作が簡単となり、ユーザの利便性を向上した蓄熱システム11を提供できる。
表示部28は、第1入力部を兼ねており、表示部28には、ユーザが第1アイコン61に触れた際に第1蓄熱部14の過冷却状態を解除するタイミングを設定する画面を表示可能で、ユーザが第2アイコン61に触れた際に第2蓄熱部14の過冷却状態を解除するタイミングを設定する画面を表示可能である。この構成によれば、ユーザによる直感的な操作が可能であり、操作が簡単で利便性を向上した蓄熱システム11を提供できる。
蓄熱システム11は、第1接続部21と第2接続部22とが接続された状態で、第1制御部15は、第1蓄熱部14及び第2蓄熱部14のいずれか一方を所定のタイミングで過冷却状態を解除し、第1蓄熱部14及び第2蓄熱部14のいずれか他方を前記所定のタイミングから所定時間経過した第2の所定のタイミングで過冷却状態を解除する。この構成によれば、第1蓄熱部14と第2蓄熱部14とを時間差で作動させることができ、発熱維持時間が限られる過冷却性能を有する蓄熱材64の短所を補って、蓄熱システム11全体としての作動時間を長時間化することができる。これによって、エアコン等の他の暖房装置を稼働させる時刻を遅らせることができる。このため、エアコン等の使用時間を短縮することができ、結果的に省エネルギー化を促進できる。
前記所定時間は、前記一方の発熱維持時間と同じである。この構成によれば、先に過冷却状態を解除した蓄熱部14の発熱維持時間が終了したタイミングで次の蓄熱部14を作動開始させることができ、切れ目ない暖房を可能にするとともに、蓄熱システム11全体としての作動時間を最も長くすることができる。
第2蓄熱装置12は、第2蓄熱部14に対して過冷却状態を解除して熱を放出する指令を出す第2制御部15と、ユーザからの入力を受け付ける第2入力部と、を備え、第2制御部15は、第1接続部21と第2接続部22とが接続された状態で、前記第2入力部に対するユーザからの入力に基づき、第1蓄熱部14に対して過冷却状態を解除して熱を放出する指令を出すことが可能である。
この構成によれば、第2蓄熱装置12側の第2制御部15からも第1蓄熱部14の過冷却解除の指令を出すことができる。これによって、例えば、ユーザが第2蓄熱装置12に近い位置にいた場合に、わざわざ第1蓄熱装置12まで移動することなく、第2蓄熱装置12の第2入力部に対する入力によって第1蓄熱装置12を作動させることができる。これによって、ユーザの利便性を向上できる。
第1蓄熱装置12及び第2蓄熱装置12は、室内に設置される。この構成によれば、室外に設置されるユニット等が存在せず、配管を通すための工事等も不要である。このため、蓄熱システム11の設置・システム構成の変更・撤去に要する労力を著しく低減することができる。これによって、費用対効果が高く、ユーザにとっても魅力的な蓄熱システム11を実現できる。
第1蓄熱装置12は、日向側に向けられて太陽光を受ける第1面31と、人がいる側に向けられるとともに表示部28が設けられる第2面32と、を有する平板状をなす。この構成によれば、蓄熱装置12を板状にすることで、蓄熱装置12を設置するためのスペースを低減することができる。これによって、蓄熱システム11を設置するためのスペースを別途に確保する必要がなくなり、例えば、オフィスの窓際の通路部分や、植物園の温室の通路部分、屋内運動施設内の通路部分等、今あるスペースを有効に活用して蓄熱システム11を手軽に設置することができる。これによって、ユーザにとっても魅力的な蓄熱システム11を実現できる。
第1蓄熱装置12は、自立用の脚部33を有する。この構成によれば、蓄熱システム11を設置するために、壁に取り付ける等の工事が不要となり、簡単に蓄熱システム11を設置したり蓄熱システム11を移動したりすることができる。これによって、費用対効果が高く、ユーザにとっても魅力的な蓄熱システム11を実現できる。
第2面32には、第1蓄熱部14から放出された熱で生成した温風を吹き出し可能な吹出口27が設けられる。この構成によれば、人がいる側に向けて吹出口27を配置することで、暖房効率を高めることができる。
第1蓄熱装置12は、第1蓄熱部14及び第1制御部15を覆う第1ケース13と、第1ケース13と第1接続部21との間に介在され、第1接続部21の取付け角度を変更可能に第1接続部21を支持する支持部23と、を有する。この構成によれば、支持部23を介した構造によって隣接する第1蓄熱装置12と第2蓄熱装置12との間で設置角度をずらして配置させることができる。これによって、例えば室内の空きスペースの状況や室内のスペースと窓との位置関係等に応じて、蓄熱システム11の形状を湾曲させる等、蓄熱システム11の形状を適宜に変更することができる。これによって、ユーザの利便性を向上することができる。
太陽熱吸熱板と、太陽熱を蓄熱するとともに過冷却性能を有する蓄熱材及びその過冷却状態を解除させる電極を備える蓄熱部と、前記電極の制御部と、を有し、前記蓄熱装置は、他の前記蓄熱装置との接続部を備え、接続された他の任意の前記蓄熱装置の蓄熱材の過冷却状態を解除させることが可能である。
この構成によれば、他の蓄熱装置と接続することが可能で、且つ接続された他の蓄熱装置の操作を一つの蓄熱装置で行うことができる。これによって、容易に拡張することができ、操作性も良好な蓄熱装置を実現できる。
続いて、図11、図12を参照して、上記実施形態の構成を一部変形した蓄熱システム11の変形例について説明する。以下では、主として上記実施形態と異なる部分について説明し、上記実施形態と共通する部分については、図示又は説明を省略する。
[第1変形例]
図11に第1変形例にかかる蓄熱システム11に含まれる1つの蓄熱装置12を示す。
蓄熱装置12は、ケース13と、ケース13の第1面31(第1部材13A)側に取り付けられた断熱部71と、を有する。断熱部71は、第1面31を覆うようにケース13に対して着脱可能に装着される。断熱部71は、透光性のある樹脂板又は透明な樹脂板(例えばアクリル板等)を複数枚接合して、トレイ形状ないしケース13側に向かって開口した箱形状をなすように形成される。このため、断熱部71がケース13の第1部材13A側に接合された状態において、断熱部71の内側には、密閉された中空部72が形成される。図6では、断熱部71を鉛直方向に延びる面で破断して、内部の中空部72を示している。中空部72内には、空気が密閉状態で存在しており、断熱部71は、この空気によって高い断熱性を発揮できる。断熱部71は、蓄熱システム11を購入したユーザに対するオプション部品として提供される。本変形例では、断熱部71を設けることによって第1面31側のみを二重構造にして断熱性を向上しているが、必要に応じてケース13全体を二重構造としてもよい。この構造によれば、ケース13の全周に断熱用の空気層が形成されるために、さらに蓄熱部14の保温性が向上する。
第1変形例の蓄熱システム11の作用について説明する。ユーザは、蓄熱システム11の使用に先立ち、蓄熱システム11を室内の日当たりの良い場所に設置する。これによって、ケース13の第1部材13Aや蓄熱材64に対して太陽光が照射され、太陽光からの熱を受け取ることができる。この熱によって、固体状態にある蓄熱材64を完全に溶かして液相状態にし、蓄熱材64の内部に熱を蓄積する。このとき、太陽光は、断熱部71をそのまま透過できるために、第1部材13A及び蓄熱部14において受け取ることができる熱量に影響はない。
一方、日没後において急激に気温が下がった場合には、蓄熱材64の表面が急冷してこの部分から意図せずに発核を生じてしまう不具合を生じる可能性がある。本変形例では、急冷を生じる可能性がある窓側の第1部材13Aに断熱部71を設けることで、第1部材13A側を保温することができる。これによって、日没後に急激に気温が下がった場合でも、意図せずに蓄熱材64に発核を生じてしまう不具合を生じることを防止できる。
本変形例によれば、第1蓄熱装置12は、第1面31を覆うように設けられる透光性の断熱部71を有する。この構成によれば、日没後に気温が急激に下がった場合でも、断熱部71の作用によって、蓄熱材64の表面の温度が急激に低下することを防止できる。これによって、意図しないときに蓄熱材64に発核を生じて、熱が放出されてしまう不具合を生じることを防止することができる。これによって、信頼性の高い蓄熱システム11を提供できる。
[第2変形例]
図12に第2変形例にかかる蓄熱システム11に含まれる1つの蓄熱装置12を示す。
蓄熱装置12は、ケース13と、ケース13に対して着脱可能に取り付けられた補助吸熱パネル73と、ケース13と補助吸熱パネル73とを連結するための連結具74と、を有する。補助吸熱パネル73は、例えば、熱伝導性の良好な銅又はアルミ等の金属材料によって方形の平板状に形成されることが好ましい。連結具74は、例えば、熱伝導性の良好な銅又はアルミ等の金属材料によって形成されることが好ましい。補助吸熱パネル73は、連結具74によってケースに対して固定されるとともに、連結具74を介してケース13と熱的に接続可能である。補助吸熱パネル73の高さは、ケース13の高さの略半分程度であることが好ましい。補助吸熱パネル73は、蓄熱システム11を購入したユーザに対するオプション部品として提供される。
本変形例では、太陽光によって補助吸熱パネル73が温められた場合に、補助吸熱パネル73で発生した熱を連結具74を介してケース13側に伝えることができる。このため、蓄熱装置12のケース13を大型化した場合と同等の効果を得ることができる。補助吸熱パネル73が使用される態様としては、以下の場合が想定される。例えば、蓄熱装置12のケース13の上部に空間が存在するが、蓄熱装置12の頂部43にさらにもう1個の蓄熱装置12を設置するには高さが足りない場合に、本変形例の補助吸熱パネル73を設置することが好適である。補助吸熱パネル73によって、熱の回収効率を向上することができる。
本変形例によれば、第1蓄熱装置12は、第1蓄熱部14及び第1制御部15を覆うケース13と、ケース13に取り付け可能で、ケース13に熱的に接続可能な補助吸熱パネル73と、を有する。この構成によれば、補助吸熱パネル73を設ける簡単な手法によって太陽光から熱を得ることができる面積を増大できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。