JP6589673B2 - 画像形成装置、プログラム及び画像形成システム - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置、プログラム及び画像形成システムに関する。
排紙トレイに出力された印刷物が他人に持ち去られたり、覗き見されたりすることによる情報漏洩を防止するためのセキュリティ印刷機能を有する画像形成装置がある。この画像形成装置では、印刷ジョブに係る印刷の実行を許可する出力許可ユーザーを予め印刷ジョブに設定しておき、画像形成装置に付属する認証装置が出力許可ユーザーを認証した場合に、画像形成装置が印刷ジョブに係る印刷を開始することでセキュリティ性を高めている。このように出力許可ユーザーが画像形成装置にセキュリティ印刷を行わせる印刷ジョブを「セキュリティジョブ」と呼ぶ。
従来、セキュリティジョブによる印刷に際してセキュリティ性を確保するために、出力許可ユーザーが画像形成装置の前で認証動作を行っていた。この認証動作として、例えば、出力許可ユーザーが保持するIC(Integrated Circuit)カードの個人識別情報を、画像形成装置に付属するカードリーダーに読込ませる方法が用いられていた。このように画像形成装置の前で出力許可ユーザーを認証するため、画像形成装置は、出力許可ユーザーが画像形成装置の前に居る状態で、セキュリティジョブに基づく印刷が行うことが可能となる。出力許可ユーザーはセキュリティ性の高い印刷物をすぐに取り出すことができるため、印刷物が出力許可ユーザー以外の他ユーザーの手に渡るといった問題が防止される。
しかし、出力許可ユーザーは、セキュリティジョブに基づく印刷が完了するまで画像形成装置の前で待たなければならない。他ユーザーが画像形成装置の近くにいると、排紙トレイに印刷物が排紙された瞬間に、セキュリティ性を損なってしまうからである。また、画像形成装置は、認証装置が出力許可ユーザーを認証した時点からセキュリティジョブに基づく印刷を開始するので、印刷完了までに要する印刷時間が長くなり、出力許可ユーザーが画像形成装置の前で印刷完了を待つための待ち時間も長くなる。
出力許可ユーザーの待ち時間を短縮するために、例えば、画像形成装置から一定距離まで近づいた出力許可ユーザーが無線等を利用して画像形成装置に遠隔ログインする方法がある。出力許可ユーザーが画像形成装置から離れた場所にいても、画像形成装置は、遠隔ログインにより、出力許可ユーザーが発行したセキュリティジョブに基づく印刷を自動的に開始する。そして、出力許可ユーザーが画像形成装置に到達した時点でセキュリティジョブの印刷がある程度完了しているため、出力許可ユーザーの待ち時間が短くなる。このように出力許可ユーザーが遠隔ログインするための技術として、以下の特許文献1及び2に開示された技術が知られている。
特許文献1には、ユーザーが複合機の規定距離内に近づいたときに、ユーザーが持つ識別情報送信装置との相対距離及び相対距離変動の算出結果に基づいて情報処理装置の動作を制御する技術が開示されている。
特許文献2には、人の典型的な歩行速度と、複合機の画像形成準備に必要なウォーミングアップ時間とから、情報サーバがウォーミングアップ開始距離を決定する技術が開示されている。
特開2011−41132号公報 特開2010−135993号公報
ところで、従来は出力許可ユーザーが印刷開始を意図しないまま画像形成装置に近づいた場合であっても、画像形成装置に遠隔ログインすることにより、自動的にセキュリティジョブに基づく印刷が開始される。しかし、出力許可ユーザーが画像形成装置から遠ざかってしまうと、出力許可ユーザーは、セキュリティジョブに基づく印刷が行われたことに気付かない。ユーザーが気付かないままセキュリティジョブに基づく印刷が行われたとき、画像形成装置の近傍に別ユーザーがいる場合、別ユーザーが印刷物を視認できるため、セキュリティ印刷のセキュリティ性が低下してしまう。
また、特許文献1及び2に開示された技術を用いても、画像形成装置に出力許可ユーザーが意図せず近づいた場合には、画像形成装置からセキュリティジョブに基づく印刷が行われるので、やはりセキュリティ印刷のセキュリティ性が低下してしまう。また、特許文献1及び2に開示された技術では、起動する距離の閾値を一定にしか設定することができなかった。このため、画像形成装置に向かった出力許可ユーザーが印刷物を取得するまでの待ち時間が発生することがあった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、出力許可ユーザーが意図しない画像形成装置から印刷が開始されないようにしつつ、出力許可ユーザーが意図して画像形成装置に向かった場合には印刷物を取得するまでの待ち時間を低減することを目的とする。
本発明に係る画像形成装置は、ユーザーが操作する通信端末から発行される印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、
印刷ジョブに基づいて画像を用紙に形成する画像形成処理を行う画像形成部と、
検知可能領域に存在するユーザーを検知するユーザー検知部と、
ユーザー検知部によって検知されたユーザーが、印刷ジョブを発行した出力許可ユーザーであるか、出力許可ユーザー以外の他ユーザーであるかを判定するユーザー判定部と、
ユーザー判定部によって判定された出力許可ユーザーを認証する認証部と、
認証部によって認証された出力許可ユーザーの位置をサンプリングして、出力許可ユーザーの移動軌跡を算出する移動軌跡算出部と、
検知可能領域に存在する出力許可ユーザーの移動軌跡及び印刷ジョブに基づいて、画像形成処理が開始される可能性を示す処理開始可能性を算出する処理開始可能性算出部と、
処理開始可能性が、画像形成部に行わせる画像形成処理の可否を判定するために用いられる閾値以上である場合に、画像形成部が画像形成処理を開始することが可能となる処理開始領域に存在する出力許可ユーザーが発行した印刷ジョブに基づく画像形成処理を画像形成部に開始させる制御を行う画像形成制御部と、を備える。
また、本発明に係る画像形成システムは、画像形成装置と、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報を送信する端末装置と、を備え、画像形成装置のユーザー検知部は、端末装置から送信されるユーザー識別情報の送信電波を受信して、検知可能領域内に存在するユーザーを検知する。
本発明によれば、出力許可ユーザーが意図せずに起動開始領域に進入した場合には、画像形成装置による画像形成処理が行われない。一方、出力許可ユーザーが意図して画像形成装置に近づいた場合には、画像形成装置による画像形成処理が行われる。この画像形成処理は、出力許可ユーザーが画像形成装置に到達した時点で完了するため、出力許可ユーザーは待ち時間なく印刷物を取得することができる。このため、セキュリティ印刷のセキュリティ性を高めることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態例の説明により明らかにされる。
本発明の一実施の形態例に係る画像形成システムの構成例を示す概要図である。 本発明の一実施の形態例に係る検知可能領域のユーザー検知距離、起動開始領域の起動開始距離、ユーザー距離の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例に係る出力許可ユーザーが意図せず起動開始領域に進入した例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例に係る出力許可ユーザーが意図せず起動開始領域に進入した例と、意図して起動開始領域に進入した例とを示す説明図である。 本発明の一実施の形態例に係る画像形成装置のハードウェア構成図である。 本発明の一実施の形態例に係る画像形成装置本体の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態例に係るジョブ枚数距離変換テーブルの構成図である。 本発明の一実施の形態例に係るジョブ種距離変換テーブルの構成図である。 本発明の一実施の形態例に係るユーザー距離と電波強度の関係を示す特性図である。 本発明の一実施の形態例に係る閾値変動要因テーブルの構成図である。 本発明の一実施の形態例に係る出力許可ユーザーの移動軌跡を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例に係る距離依存可能性と角度依存可能性の概念を示す説明図である。 本発明の一実施の形態例に係る距離依存可能性の変化を示すグラフである。 本発明の一実施の形態例に係る角度依存可能性の変化を示すグラフである。 本発明の一実施の形態例に係る印刷開始可能性と閾値との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態例に係る閾値変動後の印刷開始可能性と閾値との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態例に係る画像形成装置の処理例を示すフローチャートである。 図17のステップS2の起動開始距離設定処理の例を示すフローチャートである。 図17のステップS3の閾値変動処理の例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[一実施の形態例]
<画像形成システム1の概略構成例>
図1は、一実施の形態例に係る画像形成システム1の構成例を示す概要図である。
図2は、検知可能領域A1のユーザー検知距離D1、起動開始領域A2の起動開始距離D2、ユーザー距離Lの例を示す説明図である。
画像形成システム1は、画像形成装置2、PC(Personal Computer)端末P1、P2、出力許可ユーザーU1が保持する端末装置4を備える。画像形成装置2とPC端末P1、P2とは、無線又は有線からなるLAN(Local Area Network)等のネットワークNを通じて接続されている。
PC端末P1(通信端末の一例)は、セキュリティジョブJ1を発行する出力許可ユーザーU1によって操作される。セキュリティジョブJ1とは、セキュリティ印刷機能の利用が設定された印刷ジョブである。セキュリティジョブJ1は、出力許可ユーザーU1のログイン認証が行われなければ画像形成装置2で実行されない。このため、セキュリティジョブJ1は、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に遠隔ログインした後、画像形成装置2によって印刷処理が開始される。以下の説明で、セキュリティジョブJ1を発行した出力許可ユーザーU1を、セキュリティジョブJ1のオーナーと呼ぶ。セキュリティジョブJ1には、オーナーIDが含まれており、このオーナーIDは出力許可ユーザーU1のユーザーID(ユーザー識別情報の一例)と一致する。また、印刷処理とは、画像形成装置本体3による画像形成処理、後処理装置FNによる後処理を含むが、画像形成処理だけであっても印刷処理と呼ぶ。
PC端末P2(通信端末の一例)は、通常ジョブJ2を発行する他ユーザーU2によって操作される。通常ジョブJ2は、他ユーザーU2のログイン認証が行われなくても画像形成装置2で実行される。このため、通常ジョブJ2は、PC端末P2によって発行されるとすぐに、画像形成装置2により印刷処理が行われる。通常ジョブJ2を発行した他ユーザーU2を通常ジョブJ2のオーナーと呼ぶ。通常ジョブJ2にもオーナーIDが含まれており、このオーナーIDは他ユーザーU2のユーザーIDと一致する。
以下の説明でセキュリティジョブJ1と通常ジョブJ2を区別しない場合には、「印刷ジョブ」と呼ぶ。
画像形成装置2は、用紙に画像を形成する画像形成装置本体3と、画像形成装置本体3から排出される画像が形成された用紙(「印刷物」とも呼ぶ。)に所定の後処理を行う後処理装置FN(後処理部の一例)とを備える。画像形成装置本体3と後処理装置FNの詳細な構成例及び処理例は後述する。そして、画像形成装置本体3によって画像が形成され、後処理装置FNによって後処理が行われた用紙は排紙トレイ14に排紙される。出力許可ユーザーU1、他ユーザーU2は、排紙トレイ14に排紙された用紙を取得することが可能である。なお、画像形成装置2に後処理装置FNが設けられない場合、排紙トレイ14は画像形成装置本体3に取り付けられる。
端末装置4は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイス、携帯電話機等の各ユーザーが所持して使用する携帯型端末機器である。端末装置4は、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)等を用いた近距離無線通信の通信接続により、画像形成装置本体3の無線通信部35(後述する図6を参照)との間で相互に通信を行う。例えば、端末装置4は、ユーザーを識別するためのユーザーID等を、無線通信部35に無線送信し、無線通信部35は、端末装置4からユーザー識別情報を無線受信する。
画像形成装置2には、画像形成装置2を中心とした略半球形の検知可能領域A1と、起動開始領域A2が設定されている。ただし、図中では、検知可能領域A1と起動開始領域A2が二次元表示されている。ここでは、画像形成装置2の排紙トレイ14から出力許可ユーザーU1(端末装置4)までの距離をユーザー距離Lとして表す。なお、ユーザー距離Lは、排紙トレイ14に限らず、画像形成装置2の任意の位置から出力許可ユーザーU1(端末装置4)までの距離としてもよい。
検知可能領域A1は、画像形成装置2を中心として、図2に示すユーザー検知距離D1を半径とする略円形の領域である。ユーザー検知距離D1は、出力許可ユーザーU1又は他ユーザーU2が画像形成装置2に接近したことを画像形成装置本体3のユーザー検知部17(後述する図6を参照)が検知することが可能となる距離である。出力許可ユーザーU1又は他ユーザーU2が検知可能領域A1内に居るか否かは、出力許可ユーザーU1又は他ユーザーU2のユーザー距離Lがユーザー検知距離D1未満であるか否かにより判定される。
起動開始領域A2は、画像形成装置2(例えば、排紙トレイ14)を中心として、起動開始距離D2(処理開始距離の一例)を半径とする略円形の領域を示す。処理開始距離の一例として用いられる起動開始距離D2は、ログイン認証された出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に接近した場合に、排紙トレイ14に排紙される印刷物のセキュリティが確保されるならば、印刷ジョブに係る印刷の開始が許可される距離である。出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に対して起動開始距離D2まで近づき、起動開始領域A2に進入したときに、節電モードである画像形成装置2が起動を開始する。出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2内に居るか否かは、出力許可ユーザーU1のユーザー距離Lが起動開始距離D2未満であるか否かにより判定される。
出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2内に進入すると、画像形成装置2に対する出力許可ユーザーU1の遠隔ログインが行われ、画像形成装置2が起動を開始する。その後、画像形成装置2がセキュリティジョブJ1に基づく印刷処理を開始する。
画像形成装置2は、印刷ジョブで印刷されるページ数、部数や画像形成装置2の印刷速度等に応じて起動開始距離D2を変更する。出力許可ユーザーU1がユーザー検知距離D1に到達した時点で設定される起動開始距離D2は、ユーザー検知距離D1と異なる値となる。
ここで、セキュリティジョブJ1を発行した出力許可ユーザーU1が意図せずに起動開始領域A2に進入した場合について説明する。
図3は、出力許可ユーザーU1が意図せず起動開始領域A2に進入した例を示す説明図である。
出力許可ユーザーU1は、セキュリティジョブJ1を発行した後、端末装置4を所持したまま移動しているとする。出力許可ユーザーU1の移動は、図中に移動軌跡R1として示される。ここで、出力許可ユーザーU1は、画像形成装置2に近づいて印刷物を取得する意図がないまま、画像形成装置2には近づいた場合を想定する。しかし、検知可能領域A1と起動開始領域A2は、画像形成装置2を中心として設定される領域であり、出力許可ユーザーU1が各領域を視認することはできない。このため、出力許可ユーザーU1が意図せず検知可能領域A1に進入すると、画像形成装置2に遠隔ログインしてしまう。さらに、出力許可ユーザーU1が意図せず起動開始領域A2に進入すると画像形成装置2がセキュリティジョブJ1の印刷処理を開始してしまう。このため、移動軌跡R1に示すように、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に進入した後、画像形成装置2に近づくことなく起動開始領域A2から出たとしても画像形成装置2が印刷処理を開始し、排紙トレイ14に印刷物が排紙されてしまう。この場合、セキュリティ印刷のセキュリティ性が低下する。
このため、画像形成装置2は、セキュリティジョブJ1を発行した出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に近づいているか否かを判断し、かつ、セキュリティジョブJ1の印刷開始可能性Pが所定の閾値以上であるか否かを判断できるようにする。印刷開始可能性Pとは、出力許可ユーザーU1が意図して画像形成装置2に近づいているか否かを判断するために用いられる値である。出力許可ユーザーU1が意図して画像形成装置2に近づいている場合には、印刷開始可能性Pが高くなり、出力許可ユーザーU1が意図せずに画像形成装置2に近づいている場合には、印刷開始可能性Pが低くなる。セキュリティジョブJ1の印刷開始可能性Pを算出する処理は後述する。
図4は、出力許可ユーザーU1が意図せず起動開始領域A2に進入した例と、意図して起動開始領域A2に進入した例とを示す説明図である。
ここでは、出力許可ユーザーU1が意図して画像形成装置2に近づくときの移動軌跡R2について説明する。そして、画像形成装置2は、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入した時点から出力許可ユーザーU1の位置をサンプリングすることで、移動軌跡R1、R2を求めることが可能である。そして、画像形成装置2は、移動軌跡R1、R2より、印刷開始可能性Pを算出できる機能を有しており、印刷開始可能性Pが一定の閾値に達したときにセキュリティジョブJ1の印刷処理を開始する。この結果、画像形成装置2は、出力許可ユーザーU1が移動軌跡R1で移動する場合にはセキュリティジョブJ1の印刷処理を開始せず、出力許可ユーザーU1が移動軌跡R2で移動する場合にはセキュリティジョブJ1の印刷処理を開始することが可能となる。
なお、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に向かって真っ直ぐに移動した場合の移動軌跡R3についても図4に示す。この場合においても、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に進入した時点から、画像形成装置2がセキュリティジョブJ1の印刷処理を開始する。移動軌跡R3に対応する内容は、後述する図15及び図16にて説明する。
次に画像形成装置2の具体的な構成例について説明する。
<画像形成装置のハードウェア構成例>
次に、画像形成装置2のハードウェア構成例について説明する。
図5は、画像形成装置2のハードウェア構成図である。
画像形成装置2は、画像形成装置本体3、後処理装置FNを備える。
画像形成装置本体3は、静電気を用いて画像の形成を行う電子写真方式を採用しており、例えばY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の4色のトナー画像を重ね合わせたカラー画像を形成する処理が可能である。この画像形成装置本体3は、自動原稿給送装置(ADF)5と、操作パネル6と、給紙部7と、画像形成部10と、中間転写ベルト11(像担持体)と、2次転写部12と、定着部13とを有する。
自動原稿給送装置5は、原稿の読み取りに際して、原稿を自動給送する。そして、自動原稿給送装置5に設けられたスキャナ45(後述する図6を参照)は、画像形成装置本体3の上部プラテンガラスに置かれた原稿や、自動原稿給送装置5で自動搬送される原稿の画像を読み取ることができる。
操作パネル6は、例えば画像形成処理等のジョブの開始を指示する操作部41(後述する図6を参照)としての機能を備えている。操作パネル6には、LCD(Liquid Crystal Display)が設置されている。LCDはタッチパネルで構成されており、出力許可ユーザーU1又は他ユーザーU2による操作、及び各種情報の表示が可能になっている。LCDは、後述する図6に示す操作部41と表示部42を兼用している。
給紙部7は、用紙のサイズや種類に応じて複数の用紙収納部を備える。給紙部7では、画像形成装置本体3からの指示に基づいて該当する用紙収納部が選択されると、用紙収納部から用紙が取り出され、搬送路Cに用紙が送られる。
画像形成部10は、Y,M,C,Kの各色のトナー画像を形成するために、4つの画像形成ユニット8Y,8M,8C,8Kを備えている。画像形成部10は、画像形成部10の画像形成ユニット8Y,8M,8C,8Kの動作を制御して、Y,M,C,Kのトナー画像を形成する。また、画像形成装置本体3は、搬送路Cに用紙を搬送するための複数のローラ(搬送ローラ)を備えている。これらのローラは、通常、ローラ対により構成される。
画像形成装置本体3は、画像形成モードにおいて、画像形成ユニット8Y,8M,8C,8Kが有する感光体を帯電させると共に、電荷を消去して露光し、感光体に静電潜像を形成する。そして、Y,M,C,Kの感光体の静電潜像に対し現像部を用いてトナーを付着させ、各色のトナー画像を形成する。次に、Y,M,C,Kの感光体に形成されたトナー画像を、矢印方向へ回転する中間転写ベルト11の表面に順次、1次転写する。
次に、2次転写部12(2次転写ローラ)により、中間転写ベルト11上に1次転写された各色のトナー画像を、給紙部7から供給されてローラにより搬送される用紙に2次転写する。中間転写ベルト11上の各色のトナー画像が用紙に2次転写されることにより、カラー画像が形成される。画像形成装置本体3は、カラーのトナー画像が形成された用紙を、定着部13へ搬送する。
定着部13は、カラーのトナー画像が形成された用紙に定着処理を行う装置である。定着部13は、搬送された用紙を加圧及び加熱して、転写されたトナー画像を用紙に定着させる。定着部13は、例えば、定着部材である定着上ローラ及び定着下ローラ(不図示)で構成されている。定着上ローラ及び定着下ローラは、互いに圧接した状態で配置されており、定着上ローラと定着下ローラとの圧接部として定着ニップ部が形成される。
定着上ローラの内部には、不図示の加熱部が設けられている。この加熱部からの輻射熱により定着上ローラの外周部にあるローラ部が温められる。用紙は、2次転写部12によりトナー画像が転写された面(定着対象面)が定着上ローラと向き合うように定着ニップ部に搬送される。定着ニップ部を通過する用紙には、定着上ローラと定着下ローラとによる加圧と、定着上ローラのローラ部の熱による加熱が行われる。定着部13により定着処理が行われた用紙は、後処理装置FNに排出される。
後処理装置FNは、例えば、紙折り装置FN1、断裁装置FN2、ステープル装置FN3及び製本装置FN4を備える。
紙折り装置FN1は、画像形成装置本体3から搬送される用紙に対し、必要に応じて紙折り処理を行い、次の断裁装置FN2に排出する。具体的には、紙折り装置FN1は、印刷ジョブに紙折り処理の実行が設定されている場合、紙折り処理を行った後、断裁装置FN2に排出する。一方、紙折り装置FN1は、印刷ジョブに紙折り処理の実行が設定されていない場合、紙折り処理を行わず、そのまま断裁装置FN2に排出する。
断裁装置FN2は、紙折り装置FN1から搬送される用紙に対し、必要に応じて断裁処理を行い、次のステープル装置FN3に排出する。具体的には、断裁装置FN2は、印刷ジョブに断裁処理の実行が設定されている場合、断裁処理を行った後、ステープル装置FN3に排出する。一方、断裁装置FN2は、印刷ジョブに断裁処理の実行が設定されていない場合、断裁処理を行わず、そのままステープル装置FN3に排出する。
ステープル装置FN3は、断裁装置FN2から搬送される用紙に対し、必要に応じてステープル処理を行い、次の製本装置FN4に排出する。具体的には、ステープル装置FN3は、印刷ジョブにステープル処理の実行が設定されている場合、ステープル処理を行った後、製本装置FN4に排出する。一方、ステープル装置FN3は、印刷ジョブにステープル処理の実行が設定されていない場合、ステープル処理を行わず、そのまま製本装置FN4に排出する。
製本装置FN4は、ステープル装置FN3から搬送される用紙に対し、必要に応じて製本処理を行い、排紙トレイ14に排紙する。具体的には、製本装置FN4は、印刷ジョブに製本処理の実行が設定されている場合、製本処理を行った後、排紙トレイ14に排紙する。一方、製本装置FN4は、印刷ジョブに製本処理の実行が設定されていない場合、製本処理を行わず、そのまま排紙トレイ14に排紙する。
なお、本実施の形態例において、カラー画像を形成する画像形成装置2を例示したが、モノクロ画像を形成する画像形成装置を用いてもよい。
<画像形成装置本体の概略構成例>
次に、画像形成装置本体3の概略構成例を説明する。
図6は、画像形成装置本体3の概略構成を示すブロック図である。
画像形成装置本体3は、コピー機能、スキャン機能、印刷機能等を備えた、いわゆる複合機(MFP:Multi Function Printer)である。コピー機能とは、原稿を光学的に読み取ってその複製画像を用紙に印刷する機能である。スキャン機能とは、読み取った原稿の画像データをファイルにして保存したり、ネットワークNを通じて画像データをPC端末P1,P2に送信したりする機能である。印刷機能とは、ネットワークN等を通じて外部から受信した印刷ジョブに基づいて用紙に文書や画像を印刷して出力する機能である。
画像形成装置本体3は、PC端末P1,P2から投入された印刷ジョブを記憶する。この画像形成装置本体3は、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に進入したときに、該印刷ジョブの印刷を自動的に開始するため、排紙トレイ14に排紙された印刷物のセキュリティ性を確保することができる。
画像形成装置本体3は、画像形成装置本体3の動作を統括的に制御する制御部15を備える。制御部15は、CPU(Central Processing Unit)によって各種の処理を実行する。制御部15には、バスを介してROM(Read Only Memory)30、RAM(Random Access Memory)31、不揮発メモリ32、ハードディスク装置33、ネットワークコントローラ34、無線通信部35、操作パネル6、印刷インタフェース43、読み取りインタフェース44等が接続されている。印刷インタフェース43には、画像形成部10が接続されている。読み取りインタフェース44には、スキャナ45が接続されている。
制御部15は、OS(Operating System)プログラムをベースとし、その上で、ミドルウェアやアプリケーションプログラム等のプログラムを実行する。制御部15によって実行される各部の処理は後述する。
ROM30には各種のプログラムが格納されており、これらのプログラムに従って制御部15が処理を実行することで画像形成装置本体3の各機能が実現される。また、ROM30には、後述する図7に示すジョブ枚数距離変換テーブルTa1と、図8に示すジョブ種距離変換テーブルTa2と、図9に示す特性図に対応する電波強度距離変換テーブルTa3と、図10に示す閾値変動要因テーブルTa4とが格納される。また、ROM30には、出力許可ユーザーU1及び他ユーザーU2が、画像形成装置2にログインするためのユーザーID、パスワード等が格納される。
RAM31は制御部15がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。また、RAM31には、ジョブ取得部16が取得した印刷ジョブが一時的に格納される。
不揮発メモリ32には各種の設定が保存される。
ハードディスク装置33には、ネットワークコントローラ34が受信した印刷ジョブ等が保存される。
ネットワークコントローラ34は、ジョブ取得部16の制御により、ネットワークNを通じて、PC端末P1,P2から印刷ジョブを受信する。
無線通信部35は、上述したようにBluetooth、WiFi等を用いた近距離無線通信の通信接続により、端末装置4との間で相互に通信を行う。そして、無線通信部35は、端末装置4がユーザーIDを送信する電波の電波強度(受信信号強度)を測定可能である。無線通信部35が測定した端末装置4の電波強度は、制御部15内のユーザー検知部17に送られる。
操作パネル6は、操作部41と表示部42を備える。
操作部41は、スタートボタン等の各種操作スイッチ、表示部42の表示面上に設けられたタッチパネル等で構成される。タッチパネルは、タッチペンや指等で押下された座標位置を検出する。また、フリック操作、ドラッグ操作、スクロールバーに対する操作等を検出する。
表示部42は、液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、各種の操作画面、設定画面等を表示する機能を果たす。
なお、操作部41をマウスやタブレット等で構成し、表示部42とは別体で構成することも可能である。
印刷インタフェース43には、画像形成部10が接続される。
画像形成部10は、画像形成制御部22の制御により、ジョブ取得部16が取得した印刷ジョブに基づいて画像を用紙に形成する画像形成処理を行う。
読み取りインタフェース44には、原稿を光学的に読み取って画像データを取得する機能を果たすスキャナ45が接続されている。スキャナ45は、例えば、ラインイメージセンサと、移動ユニットと、光学経路と、変換部等を備えて構成される。ラインイメージセンサは、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取る。移動ユニットは、ライン単位の読取位置を原稿の長さ方向に順次移動させる。光学経路は、原稿からの反射光をラインイメージセンサに導いて結像させるレンズやミラー等からなる。変換部は、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する。
ここで、制御部15が備える各部の構成例について説明する。
ジョブ取得部16は、ネットワークコントローラ34を制御して、PC端末P1,P2から送信された印刷ジョブを、ネットワークコントローラ34を通じて取得する。
ユーザー検知部17は、無線通信部35が端末装置4と近距離無線通信を行うことにより、検知可能領域A1内に存在するユーザーが保持する端末装置4を検知する。そして、ユーザー検知部17は、無線通信部35によって測定された端末装置4が送信する電波の受信信号強度に基づいて、ROM30に格納されている電波強度距離変換テーブルTa3を参照してユーザー距離L(図2を参照)を算出する。
なお、ユーザー検知部17は、画像形成装置2に対するユーザーの方位や緯度経度等の絶対位置を検出するようにしてもよい。
ユーザー判定部18は、ユーザー検知部17によって検知された検知可能領域A1内のユーザーが、セキュリティジョブJ1を発行した出力許可ユーザーU1であるか、他ユーザーU2であるかを、無線通信部35が端末装置4から受信したユーザー情報に基づいて判定する。
ログイン処理部19(認証部の一例)は、ユーザー判定部18によって判定された出力許可ユーザーU1をログイン認証する。このとき、ログイン処理部19は、検知可能領域A1内に進入した出力許可ユーザーU1のユーザーIDに基づいて、出力許可ユーザーU1を遠隔ログインによりログイン認証することが可能である。
なお、ログイン処理部19は、操作パネル6から入力されたユーザーID及びパスワードと、ROM30に格納されているユーザーID及びパスワードとを照合し、出力許可ユーザーU1のログイン認証を行う。また、ログイン処理部19は、ユーザー情報が登録されているRFID(Radio Frequency IDentification)を含むICカード等からユーザー情報を受信することでログイン認証することが可能である。また、ログイン処理部19は、他ユーザーU2が保持する端末装置4から無線通信部35が受信したユーザー情報に基づいてユーザー判定部18が検知可能領域A1内のユーザーを他ユーザーU2であると判定した場合には、この他ユーザーU2のログイン認証を行うことも可能である。
移動軌跡算出部20は、ログイン処理部19によって認証された出力許可ユーザーU1の位置をサンプリングし、出力許可ユーザーU1の移動軌跡を算出する。出力許可ユーザーU1の移動軌跡の算出は、例えば、ユーザー検知部17が算出したユーザー距離Lと、ユーザー検知部17が検知した画像形成装置2に対する出力許可ユーザーU1の方向に基づいて行われる。移動軌跡の算出処理は、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に存在している間行われる。なお、移動軌跡算出部20は、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に存在する時間が所定時間以上である場合に出力許可ユーザーU1の移動軌跡を算出する処理を終了する。出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に存在する時間には、計時部27が計時した時間が用いられる。
印刷開始可能性算出部21(処理開始可能性算出部の一例)は、検知可能領域A1に存在する出力許可ユーザーU1の移動軌跡及びセキュリティジョブJ1に基づいて、セキュリティジョブJ1の画像形成処理を開始する印刷開始可能性P(処理開始可能性の一例)を算出する。印刷開始可能性Pの算出は、移動軌跡算出部20により算出された検知可能領域A1内における出力許可ユーザーU1の移動軌跡に基づいて行われる。出力許可ユーザーU1が意図的に画像形成装置2に近づいた場合は印刷開始可能性Pが高く、出力許可ユーザーU1が意図せずに画像形成装置2に近づいた場合は印刷開始可能性Pが低くなる。
画像形成制御部22は、ジョブ取得部16が取得した印刷ジョブに基づき、印刷インタフェース43を通じて、画像形成部10を起動し、画像形成部10に画像形成を行わせるための制御を行う。画像形成制御部22は、ユーザー検知部17から受け取るユーザー距離Lと、起動開始距離算出部24によって算出された起動開始距離D2とを比較すると共に、印刷開始可能性Pと閾値とを比較する。閾値は、画像形成制御部22が画像形成部10に行わせる画像形成処理の可否を判定するために用いられる。
例えば、画像形成制御部22は、ログイン処理部19によって認証され、起動開始距離D2で規定される起動開始領域A2に存在する出力許可ユーザーU1の印刷開始可能性Pが閾値以上である場合に、出力許可ユーザーU1が発行したセキュリティジョブJ1に基づく画像形成処理を画像形成部10に開始させる制御を行う。また、画像形成制御部22は、他ユーザーU2が通常ジョブJ2を発行した場合には、ログイン処理部19による認証なしで通常ジョブJ2の実行を画像形成部10に行わせることも可能である。ここで、画像形成制御部22は、画像形成部10に画像形成処理を行わせる前に、画像形成部10を起動してウォームアップを開始する。例えば、画像形成部10が節電モードであるときは、定着部13のローラ部の温度が低下している。このため、画像形成制御部22が事前に画像形成部10を起動することで、定着部13のローラ部を温め、用紙に対する画像形成処理が行えるようにする。
後処理制御部23は、ジョブ種判別部25が判別した印刷ジョブに設定されるジョブ種に基づいて、後処理装置FNを起動し、印刷物に対する所定の後処理を後処理装置FNに行わせる。ジョブ種とは、画像が形成された用紙(印刷物)に行われるジョブの種類(例えば、後処理)が印刷ジョブに設定されたものである。
起動開始距離算出部24(処理開始距離算出部の一例)は、画像形成装置2が起動して画像形成処理を開始する起動開始距離D2を算出する。起動開始距離D2は、後処理装置FNで行われる後処理に基づいて起動開始距離算出部24により算出される値であり、ジョブ種判別部25により判別されたジョブ種に基づいて算出される。起動開始距離算出部24が起動開始距離D2を算出する際には、ROM30に格納されているジョブ枚数距離変換テーブルTa1又はジョブ種距離変換テーブルTa2が参照される。起動開始距離算出部24が算出した起動開始距離D2は、RAM31に保存される。後述する図18の処理に示されるように、起動開始距離D2は、ジョブ枚数距離変換テーブルTa1(後述する図7を参照)と、ジョブ種距離変換テーブルTa2(後述する図8を参照)に基づいて算出される。
ジョブ種判別部25は、ジョブ取得部16が取得した印刷ジョブに設定されるジョブ種を判別する。ジョブ種には、例えば、画像が形成された用紙に行われる後処理の種類(紙折り、断裁、ステープル、製本)が含まれる。
閾値変動部26は、ジョブ取得部16が取得した印刷ジョブ(特に、セキュリティジョブJ1)に設定される要因及び要素に基づいて、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に近づく可能性を判定するための閾値を変動させる処理を行う。要因とは、閾値を変動させる事象であり、要素とは、要因を詳細化したものである。後述する図19の処理に示されるように、閾値は、閾値変動部26が閾値変動要因テーブルTa4(後述する図10を参照)から読出した閾値変動係数に基づいて変動される。例えば、閾値が低く変動すると、印刷開始可能性Pは以前よりも低くなった閾値を超えやすくなる。このため、画像形成制御部22は、閾値が変動する前に画像形成部10に画像形成処理を開始させるタイミングよりも早いタイミングで、画像形成部10に画像形成処理を開始させることが可能となる。
計時部27は、移動軌跡算出部20が出力許可ユーザーU1の位置をサンプリングし、移動軌跡を算出する処理を開始してから経過した時間を計時する。計時部27が計時した時間は、移動軌跡算出部20に参照される。
図7は、ジョブ枚数距離変換テーブルTa1の構成図である。
ジョブ枚数距離変換テーブルTa1は、印刷ジョブに設定された用紙の枚数(ジョブ枚数)と、画像形成装置2が起動を開始する起動開始距離D2との関係を対応付けて管理するためのテーブルである。ジョブ枚数とは、画像形成装置2により画像が形成される用紙の枚数であり、用紙の片面だけに画像が形成される場合には1枚であり、用紙の両面に画像が形成される場合には2枚である。ジョブ枚数距離変換テーブルTa1は、ジョブに設定された用紙の枚数を示すジョブ枚数、画像形成装置2の起動を開始する距離を示す起動開始距離のフィールドを有する。
そして、起動開始距離算出部24は、印刷ジョブに含まれるジョブ枚数に基づいてジョブ枚数距離変換テーブルTa1から取得した起動開始距離を起動開始距離D2とする。例えば、起動開始距離算出部24は、印刷ジョブのジョブ枚数が「1枚」であった場合、起動開始距離D2を「0.5m」に決定する。また、起動開始距離算出部24は、印刷ジョブのジョブ枚数が「2枚」であった場合、起動開始距離D2を「1m」に決定する。ジョブ枚数が多いほど起動開始距離D2を長く設定するのは、ジョブ枚数が多いほど画像形成処理の開始から終了までの時間が長くなるからである。
なお、本実施の形態例では、印刷開始可能性Pと閾値を判定することから、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に入った時点では画像形成処理が開始されない。このため、起動開始距離算出部24は、ジョブ枚数距離変換テーブルTa1に格納されるジョブ枚数毎の起動開始距離D2に、例えば1mを加算してもよい。例えば、起動開始距離算出部24は、印刷ジョブのジョブ枚数が「1枚」であった場合、起動開始距離D2を「1.5m」と決定することができる。
図8は、ジョブ種距離変換テーブルTa2の構成図である。
図8Aに示すジョブ種距離変換テーブルTa2は、印刷ジョブに設定されたジョブ種と、画像形成装置2が起動を開始する起動開始距離との関係を対応付けて管理するためのテーブルであり、後処理ごとに規定される起動開始距離を格納している。ジョブ種距離変換テーブルTa2は、後処理装置FNの後処理を識別可能に管理するための番号である管理番号、後処理装置FNで実行される後処理の種類を示すジョブ種、画像形成装置2の起動を開始する距離を示す起動開始距離の各フィールドを有する。ジョブ種距離変換テーブルTa2は、起動開始距離算出部24がセキュリティ性を損なわないために用いるべき最短の起動開始距離D2を起動開始距離算出部24が算出するために用いられる。
そして、起動開始距離算出部24は、印刷ジョブに含まれるジョブ種に基づいてジョブ種距離変換テーブルTa2から取得した起動開始距離の合算値を起動開始距離D2と決定する。例えば、起動開始距離算出部24は、セキュリティジョブJ1に複数のジョブ種が含まれている場合は、ジョブ種ごとにジョブ種距離変換テーブルTa2から取得した起動開始距離の合算値を起動開始距離D2と決定する。なお、本実施の形態例を基本モードとした場合、起動開始距離算出部24は、複雑な折り加工処理や製本処理が施される他のモードを考慮し、算出した起動開始距離D2を長くすることで、ユーザーの待ち時間をさらに削減することが可能となる。
例えば、ジョブ種距離変換テーブルTa2の一番上のレコードには、管理番号「FN1」に該当する紙折り装置FN1が、ジョブ種「紙折り」処理を実行し、起動開始距離が「2m」である旨が示されている。また、二番目のレコードには、管理番号「FN2」に該当する断裁装置FN2が、ジョブ種「断裁」処理を実行し、起動開始距離が「1m」である旨が示されている。また、三番目のレコードには、管理番号「FN3」に該当するステープル装置FN3が、ジョブ種「ステープル」処理を実行し、起動開始距離が「0.5m」である旨が示されている。また、四番目のレコードには、管理番号「FN4」に該当する製本装置FN4が、ジョブ種「製本」処理を実行し、起動開始距離が「3m」である旨が示されている。
図8B〜図8Dは、ジョブ種の組合せ例を示している。
図8Bに示すように4つのジョブ種を組み合わせて後処理装置FNにより後処理が行われる場合には、この後処理は「紙折り」、「断裁」、「ステープル」及び「製本」処理を組み合わせたものとなる。
図8Cに示すように3つのジョブ種を組み合わせて後処理装置FNにより後処理が行われる場合には、この後処理は「紙折り」、「断裁」、「ステープル」及び「製本」処理の4つの後処理から選択された3つの後処理を組み合わせたものとなる。
図8Dに示すように2つのジョブ種を組み合わせて後処理装置FNにより後処理が行われる場合には、この後処理は「紙折り」、「断裁」、「ステープル」及び「製本」処理の4つの後処理から選択された2つの後処理を組み合わせたものとなる。
そして、起動開始距離算出部24は、ジョブ種距離変換テーブルTa2を参照して、図8B〜図8Dにて組み合わせた後処理を行う際の起動開始距離を合算した合算距離を起動開始距離D2として算出する。
なお、後処理装置FNによる後処理が1つしかない場合には、起動開始距離算出部24は、図8Aに示した起動開始距離をそのまま起動開始距離D2として用いる。また、後処理装置FNによる後処理が行われない場合には、起動開始距離算出部24は、後述する図18のステップS24に示す処理に基づいて起動開始距離D2を算出する。また、起動開始距離算出部24は、図7に示したジョブ枚数距離変換テーブルTa1の起動開始距離と、ジョブ種距離変換テーブルTa2の起動開始距離とを合算した合算距離を起動開始距離D2として算出してもよい。
また、上述したジョブ枚数に基づいて起動開始距離D2を決定する場合と同様に、起動開始距離算出部24は、ジョブ種距離変換テーブルTa2に格納されるジョブ種毎の起動開始距離D2に、例えば1mを加算してもよい。例えば、起動開始距離算出部24は、図8Bに示された合算距離「6.5m」に、「1m」を加算することで、起動開始距離D2を「7.5m」と決定することができる。
図9は、ユーザー距離Lと電波強度の関係を示す特性図である。
図9に示す特性図により、無線通信部35が端末装置4から受信する電波の電波強度は、ユーザー距離Lが長ければ低く、ユーザー距離Lが短くなるにつれて高くなることが示される。図9に示すユーザー距離Lと電波強度との関係は、電波強度距離変換テーブルTa3としてROM30に格納されている。
無線通信部35は、検知可能領域A1に入った出力許可ユーザーU1が保持する端末装置4から電波を受信すると、この電波の電波強度を測定し、ユーザー検知部17に電波強度を出力する。ユーザー検知部17は、ROM30に格納されている電波強度距離変換テーブルTa3を参照して、無線通信部35から入力した電波強度をユーザー距離Lに変換する。これによりユーザー検知部17は、画像形成装置2(自装置)から出力許可ユーザーU1までのユーザー距離Lを求めることができる。
なお、ユーザー検知部17は、他ユーザーU2までのユーザー距離を求めたり、人感センサ等により画像形成装置2の近くにいる他ユーザーU2を検知したりすることも可能である。
図10は、閾値変動要因テーブルTa4の構成図である。
ROM30は、閾値変動要因テーブルTa4を備える。
閾値変動要因テーブルTa4は、セキュリティジョブJ1に設定される要因及び要素に基づいて閾値を変動するための閾値変動係数を格納する。閾値は、セキュリティジョブJ1の特徴や出力許可ユーザーU1のユーザーID等に基づく閾値変動係数により可変である。そして、画像形成制御部22は、閾値変動要因テーブルTa4から取得した閾値変動係数に基づいて変動させた閾値により、画像形成部10に行わせる画像形成処理の可否を判定する。このため、閾値が閾値変動係数により小さい値となると、変動前の閾値に比べて、印刷開始可能性Pが低くても画像形成制御部22がセキュリティジョブJ1に基づく印刷処理を画像形成部10に開始させることとなる。
閾値変動要因テーブルTa4は、要因、要素、閾値変動係数の各フィールドを有する。
要因フィールドには、閾値が変動する要因が格納される。要因は、セキュリティジョブJ1に設定されている。要因としては、例えば、セキュリティジョブJ1のセキュリティ度、出力許可ユーザーU1がいる場所、セキュリティジョブJ1が発行された時間帯、出力許可ユーザーU1のスケジュール、出力許可ユーザーU1の役職、セキュリティジョブJ1の内容がある。
要素フィールドには、要因を構成する要素が格納される。要素についても、セキュリティジョブJ1に設定されている。要素は、例えば、要因がセキュリティ度である場合に、セキュリティジョブJ1のセキュリティ度が高いか、低いかを示すパラメーターである。
閾値変動係数フィールドには、要素毎に紐付けられた閾値変動係数が格納される。異なる要素で閾値変動係数が異なる値を取るが、同じ値を取る場合もある(例えば、要因が内容である時の人事資料、財務資料、技術資料)。
閾値変動要因テーブルTa4には、以下のように閾値変動係数が格納される。閾値変動要因テーブルTa4には、「0%」又は負の値(例えば、「−10%」)が含まれているが、正の値(例えば、「+10%」)が含まれていてもよい。
例えば、セキュリティ度が高いセキュリティジョブJ1であれば、閾値が低く変動し、セキュリティ度が低いセキュリティジョブJ1であれば、閾値が維持される。
例えば、出力許可ユーザーU1がいるオフィスが出張先であれば、普段のオフィスにいる場合と比べて、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に近づく目的はセキュリティ印刷を行うためであると考えられるため、閾値が低く変動する。
例えば、朝であれば仕事の始めに、出力許可ユーザーU1がセキュリティ印刷を行う可能性が高いと考えられるため、閾値が低く変動する。
例えば、出力許可ユーザーU1のスケジュールより、現在時刻が会議前だと分かれば、出力許可ユーザーU1がセキュリティ印刷を行う可能性が高いと考えられるため、閾値が低く変動する。
例えば、出力許可ユーザーU1のユーザーIDが管理職を示す場合、出力許可ユーザーU1がセキュリティ印刷を行う可能性も高まるため、閾値が低く変動する。
例えば、出力許可ユーザーU1のユーザーIDが人事や財務関係の書類を閲覧可能な権限を有している場合、出力許可ユーザーU1がセキュリティ印刷を行う可能性が高いと考えられるため、閾値が低く変動する。
なお、セキュリティジョブJ1には、複数の要因が含まれる場合がある。例えば、出力許可ユーザーU1の役職が一般職であるが、人事資料を取り扱う業務に就いている場合、「0%」と「−30%」である閾値変動係数がセキュリティジョブJ1に含まれる。この場合、画像形成制御部22は、最も低い値の閾値変動係数を閾値の変動に用いるようにする。なお、画像形成制御部22は、複数の閾値変動係数を加算した値により、閾値を変動させてもよい。
図11は、出力許可ユーザーU1の移動軌跡を示す説明図である。
上述した図4に示したように、検知可能領域A1に進入した出力許可ユーザーU1は、意図せずに起動開始領域A2に進入する場合と、意図して起動開始領域A2に進入し、画像形成装置2に到着する場合がある。
ここで、移動軌跡算出部20は、ユーザー検知部17が検知した出力許可ユーザーU1の位置を所定時間毎にサンプリングする。例えば、出力許可ユーザーU1が意図せずに起動開始領域A2に進入した場合、移動軌跡算出部20によって、位置M1、M2、M3、…、Mmのように出力許可ユーザーU1の位置がサンプリングされる。位置M1〜Mmを繋げると移動軌跡R1として表される(mは自然数)。移動軌跡R1は、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に到達することなく起動開始領域A2から退出することを示すため、出力許可ユーザーU1はセキュリティジョブJ1に基づく印刷処理を開始する意図がないと考えられる。
一方、出力許可ユーザーU1が意図して起動開始領域A2に進入した場合、移動軌跡算出部20によって、位置N1、N2、N3、…、Nnのように出力許可ユーザーU1の位置がサンプリングされる。位置N1〜Nnを繋げると移動軌跡R2として表される(nは自然数)。移動軌跡R2は、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に到達することを示すため、出力許可ユーザーU1はセキュリティ印刷を行って、印刷物を取得する意図があると考えられる。
次に、印刷開始可能性算出部21が印刷開始可能性Pを算出する例について説明する。
まず、移動軌跡算出部20は、移動軌跡算出部20がサンプリングして算出した出力許可ユーザーU1の位置毎に、自装置に対する出力許可ユーザーU1の距離及び角度を算出する。そして、印刷開始可能性算出部21は、出力許可ユーザーU1の距離及び角度に基づいて印刷開始可能性Pを算出する。
例えば、印刷開始可能性Pは、以下のようにして算出される。
まず、画像形成装置2と出力許可ユーザーU1との距離に基づく印刷開始可能性である距離依存可能性をP[%]と定義する。
次に、出力許可ユーザーU1と画像形成装置2との間の角度に基づく印刷開始可能性である角度依存可能性をPθ[%]と定義する。ここで、角度依存可能性Pθは、ユーザー距離Lに応じて変化する。
そして、印刷開始可能性Pを次式(1)のように定義する。
P=P+Pθ…(1)
式(1)より、印刷開始可能性Pは、距離依存可能性Pと角度依存可能性Pθの関数であることが示される。なお、距離依存可能性Pと角度依存可能性Pθは共に0〜50%の範囲で変化する。そして、印刷開始可能性Pは、距離依存可能性Pと角度依存可能性Pθを加算した値であるため、0〜100%の範囲で変化する。
ここで、距離依存可能性Pと角度依存可能性Pθについて、図12を参照して説明する。
図12は、距離依存可能性Pと角度依存可能性Pθの概念を示す説明図である。
例えば、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入した位置Q0を原点とした時に、原点Q0から画像形成装置2までのユーザー距離Lと、角度θが変化量として定まる。
ここで、角度θは、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入した時点において、出力許可ユーザーU1と画像形成装置2を結ぶ破線を基準線とした時に、この基準線と、出力許可ユーザーU1の進行方向を示すベクトルとがなす角度を示す。例えば、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入した時点における原点Q0と画像形成装置2とが結ぶ基準線の長さは、図2に示したユーザー検知距離D1に等しく、例えば、10mである。そして、原点Q0における角度θは、0度の初期値をとる。出力許可ユーザーU1の進行方向は、図12に示した角度θにより示されるものとする。
出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入した後は、移動軌跡算出部20により所定時間毎に出力許可ユーザーU1の位置が算出される。ユーザー検知部17は、例えば、画像形成装置2の周囲に少なくとも3個配置された不図示の無線装置(アクセスポイント等)が計測する電波強度の変化を計測したり、画像形成装置2の床面に配置された複数の感圧センサが発した圧力信号等を取得したり、画像形成装置2に設けられたカメラが撮像した画像を取得したりして、出力許可ユーザーU1の位置を検知することが可能である。そして、移動軌跡算出部20は、ユーザー検知部17が検知した出力許可ユーザーU1の位置に基づいて、出力許可ユーザーU1の位置を算出することが可能である。
例えば、移動軌跡算出部20が出力許可ユーザーU1の位置を算出するタイミングが1秒毎であるとする。このとき、出力許可ユーザーU1は、検知可能領域A1に進入して1秒後に位置Q1におり、2秒後に位置Q2におり、3秒後に位置Q3におり、4秒後に位置Q4にいるものとする。出力許可ユーザーU1が位置Q1にいたときには、基準線に対する角度がθ1となる。同様に、出力許可ユーザーU1が位置Q2、Q3、Q4にいたときには、基準線に対する角度がそれぞれθ2、θ3、θ4となる。また、出力許可ユーザーU1は、時間の経過に伴って画像形成装置2に近づいているため、ユーザー距離Lは10mより漸減する。
図13は、距離依存可能性Pの変化を示すグラフである。
距離依存可能性Pは、ユーザー距離Lを横軸とし、距離依存可能性Pを縦軸とするグラフによって表される。ユーザー距離Lが10m以上であれば、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入しておらず、距離依存可能性Pが0%となる。出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入した時点より、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に進入した時点、さらに出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に近づいた時点の方が、出力許可ユーザーU1が意図して画像形成装置2に向かっている可能性が高いと考えられる。このため、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に近づくにつれて、ユーザー距離Lが短くなり、距離依存可能性Pが高くなる。出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に到達したときに、ユーザー距離Lが0mとなり、距離依存可能性Pが50%となる。このように距離依存可能性Pのグラフは線形に変化する。
図14は、角度依存可能性Pθの変化を示すグラフである。
画像形成装置2から遠い地点で出力許可ユーザーU1が画像形成装置2を進行方向として移動している時よりも、画像形成装置2に近い地点で出力許可ユーザーU1が画像形成装置2を進行方向として移動している時の方が、出力許可ユーザーU1が意図して画像形成装置2に向かっている可能性が高いと考えられる。また、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2から離れた場所にいれば、角度θの値によらず、出力許可ユーザーU1が意図して画像形成装置2に近づく可能性が低いと考えられる。一方、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に近づき、さらに角度θが0度に近づけば、出力許可ユーザーU1が意図して画像形成装置2に近づく可能性が高いと考えられる。
このため、ユーザー距離Lが10m以上であれば、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入しておらず、角度依存可能性Pθが0%となる。そして、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に近づくにつれて、ユーザー距離Lが短くなり、角度依存可能性Pθが高くなる。出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に到達したときに、ユーザー距離Lが0mとなり、角度依存可能性Pθが50%となる。このように角度依存可能性Pθのグラフは、ユーザー距離Lに基づいて非線形に変化する。
図15は、印刷開始可能性Pと閾値との関係を示すグラフである。このグラフでは、横軸に出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に進入した時点から計時部27が計時した時間、縦軸に印刷開始可能性Pが示されている。移動軌跡算出部20は、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に到達した時点(原点Q0)から出力許可ユーザーU1の移動軌跡の算出を開始し、印刷開始可能性算出部21が印刷開始可能性Pの算出を開始する。
例えば、図11の移動軌跡R1に示したように検知可能領域A1に進入した出力許可ユーザーU1が、起動開始領域A2に到達する前に、画像形成装置2から遠ざかった場合、破線W1に示されるように印刷開始可能性Pは閾値未満である。この場合、計時部27によって計時された時間が所定時間t1以上となり、タイムアウトが発生すると、画像形成装置2はセキュリティジョブJ1に基づく印刷処理を開始しない。そして、タイムアウトが発生した時点V1以降、移動軌跡算出部20は、出力許可ユーザーU1の移動軌跡を算出する処理を終了する。
一方、図4の移動軌跡R3に示したように検知可能領域A1に進入した出力許可ユーザーU1が、画像形成装置2に真っ直ぐ移動した場合、実線W2に示されるように印刷開始可能性Pは直ちに閾値以上となりやすい。しかし、印刷開始可能性Pが閾値以上になっても、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達していなければ画像形成装置2が印刷処理を開始しない。このため、画像形成装置2は、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達するまで待つ。その後、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達した時点V2で、画像形成装置2がセキュリティジョブJ1に基づく印刷処理を開始する。画像形成装置2が印刷処理を開始するタイミングは、時間t2である。このように画像形成装置2は、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達する前における処理開始可能性Pが閾値以上である場合に、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達した時点で、印刷処理を開始する。そして、印刷処理を開始した時点V2以降、移動軌跡算出部20は、出力許可ユーザーU1の移動軌跡を算出する処理を終了する。
また、図11の移動軌跡R2に示したように検知可能領域A1に進入した出力許可ユーザーU1が、起動開始領域A2に到達し、さらに画像形成装置2に向かった場合、一点鎖線W3に示されるように印刷開始可能性Pが変化する。印刷開始可能性Pが閾値未満である時点V31では、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2から遠ざかる可能性があるため、画像形成装置2が印刷処理を開始しない。その後、印刷開始可能性Pが閾値以上となった時点V32で、画像形成装置2がセキュリティジョブJ1に基づく印刷処理を開始する。画像形成装置2が印刷処理を開始するタイミングは、時間t3である。そして、印刷処理を開始した時点V3以降、移動軌跡算出部20は、出力許可ユーザーU1の移動軌跡を算出する処理を終了する。
図16は、閾値変動後の印刷開始可能性Pと閾値との関係を示すグラフである。このグラフでは、閾値が変動したことにより、印刷処理を開始するタイミングも変動することが示される。
閾値変動部26は、セキュリティジョブJ1に設定された要因及び要素に基づいて、予め規定された閾値を、後述する閾値変動処理(図17のステップS3を参照)により新閾値に変動させたとする。本実施の形態例では、新閾値が変動前の閾値よりも低い値となる。この場合、破線W1に示したように印刷開始可能性Pが新閾値未満であれば、画像形成装置2による印刷処理が開始されない。なお、実線W2に示したように、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達する前に印刷開始可能性Pが新閾値以上となったとしても、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達するまでは画像形成装置2による印刷処理が開始されない。
一方、一点鎖線W3に示したように、起動開始領域A2内に出力許可ユーザーU1がいる場合には、印刷開始可能性Pが新閾値以上となった時点V33で、画像形成装置2がセキュリティジョブJ1に基づく印刷処理を開始する。時点V33で示される時間t11は、図15に示した時点V32の時間t3よりも早い。このように印刷開始時間が繰り上がると、印刷終了までの時間が短くなる。このため、画像形成装置2に到達した出力許可ユーザーU1の印刷待ち時間を減らすことが可能となる。
次に、画像形成装置2の処理例について、図17〜図19を参照して説明する。
図17は、画像形成装置2の処理例を示すフローチャートである。
図18は、図17のステップS2の起動開始距離設定処理の例を示すフローチャートである。
ここでは、出力許可ユーザーU1がPC端末P1を操作して、1つのセキュリティジョブJ1を画像形成装置本体3に送信した場合を例示して説明する。なお、この処理は、節電モード中であっても行われる。
まず、ジョブ取得部16は、PC端末P1からセキュリティジョブJ1を取得すると、セキュリティジョブJ1からジョブ情報、及び当該セキュリティジョブJ1のオーナーのオーナーIDを取得する(S1)。セキュリティジョブJ1のジョブ情報には、当該セキュリティジョブJ1のジョブ種を示す情報、セキュリティジョブJ1に設定された用紙の枚数(ジョブ枚数)を示す情報、セキュリティジョブJ1に設定された画像の種類(画像種)を示す情報、閾値変動の要素及び要因等が含まれている。
次に、起動開始距離算出部24は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1のジョブ種と、ジョブ種距離変換テーブルTa2(図8を参照)とを参照して、起動開始距離設定処理を行う(S2)。起動開始距離設定処理では、画像形成装置2(画像形成装置本体3及び後処理装置FN)の起動開始距離D2が設定される。
ここで、図18を参照して、起動開始距離D2の設定処理について説明する。
まず、起動開始距離算出部24は、図17のステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1に後処理加工が設定されているか否かを判定する(S21)。ここでは、起動開始距離算出部24は、セキュリティジョブJ1のジョブ種を参照し、当該セキュリティジョブJ1に紙折り処理、断裁処理、ステープル処理及び製本処理の少なくとも1つが設定されている場合に、後処理加工が設定されていると判定する。起動開始距離算出部24は、セキュリティジョブJ1に後処理加工が設定されていないと判定した場合(S21のNO)、1枚目の用紙(ファーストプリント)が排紙される時間に基づいて起動開始距離D2を決定し(S24)、図17のステップS3へと移行する。
一方、ステップS21において、起動開始距離算出部24は、後処理加工が設定されていると判定した場合(S21のYES)、次のステップS22へと移行する。セキュリティジョブJ1に後処理加工が設定されていれば、起動開始距離算出部24は、ジョブ種距離変換テーブルTa2を参照した上で、起動開始距離D2を算出することができる。
このため、起動開始距離算出部24は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1のジョブ種とジョブ種距離変換テーブルTa2(図8を参照)とを参照して(S22)、起動開始距離D2を決定し(S23)、図17のステップS3へと移行する。例えば、起動開始距離算出部24は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1のジョブ種が「紙折り」であった場合、起動開始距離D2を「2m」に決定する。また、起動開始距離算出部24は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1のジョブ種が「断裁」であった場合、起動開始距離D2を「1m」に決定する。
起動開始距離算出部24は、ステップS2の起動開始距離設定処理により決定した起動開始距離D2を、セキュリティジョブJ1の管理番号及びセキュリティジョブJ1のオーナーIDと対応付けてテーブル形式でRAM31に記憶する。
なお、起動開始距離算出部24は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1に2つ以上のジョブ種が設定されている場合、ジョブ種ごとに設定された起動開始距離D2を全て加算することにより起動開始距離D2を決定する。例えば、起動開始距離算出部24は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1のジョブ種が「紙折り」及び「断裁」であった場合、起動開始距離D2を「2m+1m=3m」に決定する。
このように後処理装置FNにて後処理加工される印刷物は、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に到達するまで人の目に触れないため、セキュリティ性を確保できる。本実施の形態例ではこの点に着目し、後処理にかかる時間を起動開始距離D2に変換し、出力許可ユーザーU1が起動開始距離D2で規定される起動開始領域A2に到達すると画像形成装置2が起動し、印刷処理を開始するようにしている。このように起動開始距離算出部24が起動開始距離D2を設定することで、セキュリティ性を保ちつつ、ユーザー利便性を向上することが可能となる。
再び図17の説明に戻る。
ステップS2の処理後、閾値変動部26は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1に含まれる要素及び要因と、閾値変動要因テーブルTa4(図10を参照)とを参照して、閾値変動処理を行う(S3)。
ここで、図19を参照して、閾値変動処理について説明する。
まず、閾値変動部26は、RAM31に記憶されたセキュリティジョブJ1から閾値変動要因を抽出する(S31)。さらに、閾値変動部26は、閾値変動要因から要素を抽出する。次に、閾値変動部26は、閾値変動要因テーブルTa4を参照し、抽出した閾値変動要因の要素は、閾値変動係数を持つか否か、すなわち閾値変動係数が「0」か「0」以外であるかを判定する(S32)。
閾値変動係数が「0」以外であれば(S32のYES)、要素が閾値変動係数を持つため、閾値変動部26は、閾値変動係数に基づいて新閾値を設定し(S33)、新閾値をRAM31に保存する。閾値変動係数が「0」であれば(S32のNO)、要素が閾値変動係数を持たないため、閾値を変動させることなくステップS34に移る。
次に、閾値変動部26は、セキュリティジョブJ1から全ての変動要因を抽出したか否かを判定する(S34)。セキュリティジョブJ1から全ての変動要因を抽出していない場合、(S34のNO)、閾値変動部26は、ステップS31に移り、変動要因を抽出する処理を繰り返す。セキュリティジョブJ1から全ての変動要因を抽出した場合(S34のYES)、閾値変動部26は、本処理を終了する。
再び図17の説明に戻る。
ステップS3の処理後、ユーザー検知部17は、検知可能領域A1内に存在する端末装置4から送信される電波を利用して、接近者(ユーザー)の検知を開始する(S4)。検知可能領域A1とは、無線通信部35が、端末装置4から送信される電波を受信可能な領域のことであり、例えば、10mである。
次に、ユーザー検知部17は、検知可能領域A1内へのユーザーの進入を検知する(S5)。ユーザー検知部17は、端末装置4から送信される電波を受信することで、当該端末装置4を所持するユーザーを検知することができる。
次に、ユーザー判定部18は、無線通信部35が受信した電波から取り出したユーザー情報に基づいて、検知可能領域A1内に存在する端末装置4から送信されたユーザーIDを取得する(S6)。そして、ユーザー判定部18は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1のオーナーのオーナーIDと、ステップS6で取得されたユーザーIDとに基づいて、接近者がセキュリティジョブJ1のオーナーであるか否かを判定する(S7)。具体的には、ユーザー判定部18は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1のオーナーのオーナーIDと、ステップS6で取得されたユーザーIDとが一致する場合に、セキュリティジョブJ1のオーナーであると判定する。
ユーザー判定部18により接近者がセキュリティジョブJ1のオーナーでないと判定された場合(S7のNO)、ステップS6へと移行して、再び検知可能領域A1内に存在する端末装置4から送信されたユーザーIDを取得する。一方、ユーザー判定部18により、接近者がセキュリティジョブJ1のオーナーであると判定された場合(S7のYES)、ログイン処理部19が出力許可ユーザーU1のログイン認証を行う(S8)。
出力許可ユーザーU1のログイン処理が行われた後、移動軌跡算出部20は、検知可能領域A1内に存在する端末装置4に基づいて、出力許可ユーザーU1の位置をサンプリングし、出力許可ユーザーU1の移動軌跡を算出する(S9)。そして、印刷開始可能性算出部21は、出力許可ユーザーU1の位置に基づいて、印刷開始可能性Pを算出する(S10)。
次に、ユーザー検知部17は、RAM31から起動開始距離D2を読み出し、ステップS7でセキュリティジョブJ1のオーナーであると判定された出力許可ユーザーU1が、ステップS2で設定された起動開始距離D2で示される起動開始領域A2に到達したか否かを判定する(S11)。この場合においても、ユーザー検知部17は、セキュリティジョブJ1のオーナーであると判定された出力許可ユーザーU1が所持する端末装置4から送信された電波の強度を、無線通信部35を通じて取得する。そして、ユーザー検知部17は、電波強度距離変換テーブルTa3を参照して、取得した電波強度に対するユーザー距離Lを算出することで、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達したか否かを判定する。
ユーザー検知部17は、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達したと判定した場合(S11のYES)、結合子Aで示されるステップS12へと移行する。一方、ユーザー検知部17は、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に到達していないと判定した場合(S11のNO)、ステップS9に戻って、再び出力許可ユーザーU1の位置をサンプリングし、出力許可ユーザーU1の移動軌跡を算出する。
ステップS11のYES判定の後、画像形成制御部22は、印刷開始可能性Pが、閾値以上であるか否かを判定する(S12)。印刷開始可能性Pが閾値以上であると判定した場合(S12のYES)、画像形成制御部22は、ステップS1で取得されたセキュリティジョブJ1を実行し、画像形成部10により当該セキュリティジョブJ1に基づく画像形成処理を開始する(S13)。セキュリティジョブJ1に後処理設定がされている場合には、後処理制御部23が当該セキュリティジョブJ1に基づく後処理装置FNの後処理を開始する。その後、画像形成制御部22は、本処理を終了する。なお、画像形成制御部22は、画像形成装置2が節電モードであった場合には、節電モードを解除して画像形成装置2を起動した後、ステップS13の画像形成処理を行う。
一方、画像形成制御部22により印刷開始可能性Pが閾値未満であると判定された場合(S12のNO)、移動軌跡算出部20は、出力許可ユーザーU1の位置をサンプリングし、出力許可ユーザーU1の移動軌跡を算出する処理を継続する(S14)。そして、印刷開始可能性算出部21は、出力許可ユーザーU1の位置に基づいて、印刷開始可能性Pを算出する処理を継続する(S15)。
次に、移動軌跡算出部20は、計時部27によって計時された時間に基づき、出力許可ユーザーU1が検知可能領域A1に存在する時間が所定時間以上となるタイムアウトが発生したか否かを判定する(S16)。移動軌跡算出部20は、タイムアウトが発生していないと判定すると(S16のNO)、ステップS12に戻る。一方、移動軌跡算出部20は、タイムアウトが発生したと判定すると(S16のYES)、サンプリング処理を終了し(S17)、本処理を終了する。
なお、移動軌跡算出部20は、ステップS11のNO判定の場合においても、出力許可ユーザーU1が、所定時間以上が経過しても起動開始領域A2に到達しなければ、タイムアウトが発生したと判定し、サンプリング処理を終了し、本処理を終了する。
以上説明した一実施の形態例に係る画像形成装置2では、出力許可ユーザーU1の位置から算出される移動軌跡により印刷開始可能性Pを算出することができる。そして、印刷開始可能性Pが閾値以上にならなければ、画像形成装置2が印刷処理を開始しない。つまり、出力許可ユーザーU1が意図せずに検知可能領域A1と起動開始領域A2に進入したとしても、出力許可ユーザーU1の移動軌跡が画像形成装置2に向かうものでなければ、印刷処理が開始されない。このため、出力許可ユーザーU1が知らない間に、セキュリティジョブJ1に基づいて印刷された印刷物が画像形成装置2から排紙されず、第三者に印刷物が読み取られるリスクを低減することができる。
一方、出力許可ユーザーU1が意図して画像形成装置2に向かった場合には、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に到着するタイミングで印刷物が排紙されるように、画像形成装置2がセキュリティジョブJ1に基づく印刷処理を開始する。このため、出力許可ユーザーU1が画像形成装置2に到着したときに印刷物を取得することが可能であり、出力許可ユーザーU1の待ち時間を低減することができる。
なお、出力許可ユーザーU1が起動開始領域A2に進入したものの、印刷開始可能性Pが一定の閾値に達していなかった際には、出力許可ユーザーU1に印刷完了待ち時間が発生してしまう。そこで、セキュリティジョブJ1に設定される要因及び要素に基づいて定まる閾値変動係数により、予め規定された閾値を新閾値に変動させることができる。このため、低い印刷開始可能性Pであっても、印刷開始可能性Pが新閾値を超えるタイミングが早くなり、画像形成装置2が印刷処理を早く開始することができる。つまり、印刷開始時間を前倒しすることで、意図的に画像形成装置2に近づく出力許可ユーザーU1の待ち時間を低減することができる。
なお、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態例の構成の一部を他の実施の形態例の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態例の構成に他の実施の形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…画像形成システム、2…画像形成装置、3…画像形成装置本体、4…端末装置、10…画像形成部、14…排紙トレイ、15…制御部、16…ジョブ取得部、17…ユーザー検知部、18…ユーザー判定部、19…ログイン処理部、20…移動軌跡算出部、21…印刷開始可能性算出部、22…画像形成制御部、23…後処理制御部、24…起動開始距離算出部、25…ジョブ種判別部、26…閾値変動部、27…計時部、FN…後処理装置

Claims (10)

  1. ユーザーが操作する通信端末から発行される印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、
    前記印刷ジョブに基づいて画像を用紙に形成する画像形成処理を行う画像形成部と、
    検知可能領域に存在する前記ユーザーを検知するユーザー検知部と、
    前記ユーザー検知部によって検知された前記ユーザーが、前記印刷ジョブを発行した出力許可ユーザーであるか、前記出力許可ユーザー以外の他ユーザーであるかを判定するユーザー判定部と、
    前記ユーザー判定部によって判定された前記出力許可ユーザーを認証する認証部と、
    前記認証部によって認証された前記出力許可ユーザーの位置をサンプリングして、前記出力許可ユーザーの移動軌跡を算出する移動軌跡算出部と、
    前記検知可能領域に存在する前記出力許可ユーザーの前記移動軌跡及び前記印刷ジョブに基づいて、前記画像形成処理が開始される可能性を示す処理開始可能性を算出する処理開始可能性算出部と、
    前記処理開始可能性が、前記画像形成部に行わせる画像形成処理の可否を判定するために用いられる閾値以上である場合に、前記画像形成部が画像形成処理を開始することが可能となる処理開始領域に存在する前記出力許可ユーザーが発行した前記印刷ジョブに基づく画像形成処理を前記画像形成部に開始させる制御を行う画像形成制御部と、を備える
    画像形成装置。
  2. 前記移動軌跡算出部は、前記出力許可ユーザーの位置に基づいて、自装置に対する前記出力許可ユーザーの距離及び角度を算出し、
    前記処理開始可能性算出部は、前記距離及び前記角度に基づいて前記処理開始可能性を算出する
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. さらに、前記閾値を変動するための閾値変動係数を格納する閾値変動要因テーブルと、
    前記ジョブ取得部が取得した前記印刷ジョブに設定される要因及び要素に基づいて前記閾値変動要因テーブルから読出した前記閾値変動係数により前記閾値を変動させる閾値変動部と、を備え、
    前記画像形成制御部は、変動された前記閾値により、前記画像形成部に行わせる画像形成処理の可否を判定する
    請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記移動軌跡算出部は、前記出力許可ユーザーが前記検知可能領域に存在する時間が所定時間以上である場合に、前記出力許可ユーザーの前記移動軌跡の算出を終了する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. 前記移動軌跡算出部は、前記出力許可ユーザーが前記検知可能領域に到達した時点で前記出力許可ユーザーの前記移動軌跡の算出を開始し、
    前記画像形成制御部は、前記出力許可ユーザーが前記処理開始領域に到達する前における前記処理開始可能性が、前記閾値以上である場合に、前記出力許可ユーザーが前記処理開始領域に到達した時点で、前記出力許可ユーザーが発行した前記印刷ジョブに基づく画像形成処理を前記画像形成部に行わせる
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 前記画像が形成された前記用紙に後処理を行う後処理部と、
    前記後処理部を経て前記用紙が排紙されるまでの時間に基づいて、前記処理開始領域を規定する処理開始距離を算出する処理開始距離算出部と、
    前記印刷ジョブに設定され、前記用紙に行われる前記後処理を示すジョブ種を判別するジョブ種判別部と、を備え、
    前記処理開始距離算出部は、前記ジョブ種判別部により判別された前記ジョブ種に基づいて前記処理開始距離を算出する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. さらに、前記後処理ごとに前記処理開始距離を格納するジョブ種距離変換テーブルを備え、
    前記処理開始距離算出部は、前記印刷ジョブに設定される前記ジョブ種に基づいて前記ジョブ種距離変換テーブルから取得した前記処理開始距離の合算値を前記処理開始距離とする
    請求項6に記載の画像形成装置。
  8. さらに、前記印刷ジョブに設定される画像形成枚数ごとに規定される前記処理開始距離を格納するジョブ枚数距離変換テーブルを備え、
    前記処理開始距離算出部は、前記印刷ジョブに設定される前記ジョブ枚数に基づいて前記ジョブ枚数距離変換テーブルから前記処理開始距離を取得する
    請求項6又は7に記載の画像形成装置。
  9. ユーザーが操作する通信端末から発行される印刷ジョブを取得する手順と、
    検知可能領域に存在する前記ユーザーを検知する手順と、
    検知された前記ユーザーが、前記印刷ジョブを発行した出力許可ユーザーであるか、前記出力許可ユーザー以外の他ユーザーであるかを判定する手順と、
    判定された前記出力許可ユーザーを認証する手順と、
    認証された前記出力許可ユーザーの位置をサンプリングして、前記出力許可ユーザーの移動軌跡を算出する手順と、
    前記検知可能領域に存在する前記出力許可ユーザーの前記移動軌跡及び前記印刷ジョブに基づいて、前記印刷ジョブに基づいて画像形成部が画像を用紙に形成する画像形成処理が開始される可能性を示す処理開始可能性を算出する手順と、
    前記処理開始可能性が、前記画像形成部に行わせる画像形成処理の可否を判定するために用いられる閾値以上である場合に、前記画像形成部が画像形成処理を開始することが可能となる処理開始領域に存在する前記出力許可ユーザーが発行した前記印刷ジョブに基づく画像形成処理を前記画像形成部に開始させる制御を行う手順とを
    コンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 画像を用紙に形成する画像形成装置と、ユーザーを識別するためのユーザー識別情報を送信する端末装置と、を備える画像形成システムであって、
    前記画像形成装置は、
    前記ユーザーが操作する通信端末から発行される印刷ジョブを取得するジョブ取得部と、
    前記印刷ジョブに基づいて画像を用紙に形成する画像形成処理を行う画像形成部と、
    前記端末装置から送信される前記ユーザー識別情報の送信電波を受信して、検知可能領域に存在する前記ユーザーを検知するユーザー検知部と、
    前記ユーザー検知部によって検知された前記ユーザーが、前記印刷ジョブを発行した出力許可ユーザーであるか、前記出力許可ユーザー以外の他ユーザーであるかを判定するユーザー判定部と、
    前記ユーザー判定部によって判定された前記出力許可ユーザーを認証する認証部と、
    前記認証部によって認証された前記出力許可ユーザーの位置をサンプリングして、前記出力許可ユーザーの移動軌跡を算出する移動軌跡算出部と、
    前記検知可能領域に存在する前記出力許可ユーザーの前記移動軌跡及び前記印刷ジョブに基づいて、前記画像形成処理が開始される可能性を示す処理開始可能性を算出する処理開始可能性算出部と、
    前記処理開始可能性が、前記画像形成部に行わせる画像形成処理の可否を判定するために用いられる閾値以上である場合に、前記画像形成部が画像形成処理を開始することが可能となる処理開始領域に存在する前記出力許可ユーザーが発行した前記印刷ジョブに基づく画像形成処理を前記画像形成部に開始させる制御を行う画像形成制御部と、を備える
    画像形成システム。
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