JP3205081B2 - 電子装置 - Google Patents

電子装置

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JP3205081B2
JP3205081B2 JP27332592A JP27332592A JP3205081B2 JP 3205081 B2 JP3205081 B2 JP 3205081B2 JP 27332592 A JP27332592 A JP 27332592A JP 27332592 A JP27332592 A JP 27332592A JP 3205081 B2 JP3205081 B2 JP 3205081B2
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  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子装置、さらに詳し
くは、例えば、複写機などの電子装置に接近する人が使
用者か否かを判断し、装置の動作を制御する電子装置
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、利用者の便利性を向上させるた
め、装置機器類の自動化が益々図られるようになってき
ている。特に、本発明において着目した分野は、装置機
器に当該装置機器近傍の物体を検出するセンサを設ける
ことにより、当該装置機器へ接近する使用者を検出し、
該装置機器の自動化をより充実させたい分野である。こ
の分野の技術は、例えば、人の接近を検出してドアを自
動的に開閉させる自動ドア、人の接近を検出して操作表
示部(LCD)を自動的にON/OFFさせる銀行のキ
ャッシュディスペンサなどとして実用化されている。ま
た、電子装置の一例としての、例えば、画像形成装置に
おいては、自動電源ON/OFF、自動予熱機能等に応
用されている。
【0003】自動電源ON/OFF機能とは、例えば、
複写装置などの画像形成装置において、装置の前面の物
体(人体)の有無を検出するセンサを設け、人体を検出
していないとき(非使用時)は電源をOFFにし、人体
を検出しているとき(使用時)は電源をONする機能で
ある。
【0004】自動予熱機能とは、複写装置などの画像形
成装置において、装置に前面の物体(人体)の有無を検
出するセンサを設け、人体を検出していないとき(非使
用時)は操作表示部(LCD)の表示をOFFにすると
ともに、シート上に転写された画像情報(トナー像)を
定着させる定着手段(ヒータを内蔵したローラ)の定着
温度を人体が検出されているときよりも低い温度に設定
し(予熱状態)、人体を検出しているとき(使用時)は
操作表示部の表示をONするとともに、定着温度を定着
動作可能な所定温度に設定する機能である。
【0005】而して、従来の電源ON/OFF、および
予熱の作動/解除は手動入力により実行しなければなら
なかったが、近年、上述したようにセンサを組み合わせ
て、自動で行う装置が出現してきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の装置では、以下のような問題点があった。セン
サが装置に直面する物体の存在を検出する構成となって
いるため、非使用者であっても、装置の直前を歩きさえ
すれば使用者として認識し、電源スイッチをオンし、あ
るいは予熱状態を解除してしまう。また、この問題を回
避するためにセンサの感度を弱く設定すると、使用者が
装置の直前に立って初めて使用者と認識するため、予熱
状態解除などの制御が遅れてしまい、結局、使用者がス
イッチを操作してしまうという問題が生じていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、脈動発光を行う赤外線発光手段と、装置
近傍の物体から反射する赤外線を受光する赤外線受光手
段とからなり、装置から該装置本体近傍の物体までの距
離を検出する検出手段と;検出された物体が前記装置を
使用する人か否かを、少なくとも検出された物体が前記
装置に到達する以前のタイミングで判断する認識手段
と;該認識手段の認識結果により装置の動作を制御する
制御手段とを有する電子装置において、前記検出手段が
検出した距離の経時的変化から前記物体の前記装置への
接近速度を計算し、該検出手段が検出した距離と前記接
近速度より、前記物体が前記装置へ到達すると予想され
る予想到達時間と、装置本体操作部正面を通過すると予
想される予想通過時間を計算する処理手段と;前記予想
到達時間および予想通過時間と、使用者か否かの関係を
記憶する記憶手段とを有し、前記記憶手段に記憶された
予想到達時間および予想通過時間と使用者か否かの関係
とに基づいて、接近する物体が使用者か否かを判断す
る。
【0008】
【構成】本発明は、上記課題を解決するために、以下の
構成を有する。 (1)脈動発光を行う赤外線発光手段と、装置近傍の物
体から反射する赤外線を受光する赤外線受光手段とから
なり、装置から該装置本体近傍の物体までの距離を検出
する検出手段と;検出された物体が前記装置を使用する
人か否かを、少なくとも検出された物体が前記装置に到
達する以前のタイミングで判断する認識手段と;該認識
手段の認識結果により装置の動作を制御する制御手段と
を有する電子装置において、前記検出手段が検出した距
離の経時的変化から前記物体の前記装置への接近速度を
計算し、該検出手段が検出した距離と前記接近速度よ
り、前記物体が前記装置へ到達すると予想される予想到
達時間と、装置本体操作部正面を通過すると予想される
予想通過時間を計算する処理手段と;前記予想到達時間
および予想通過時間と、使用者か否かの関係を記憶する
記憶手段とを有し、前記記憶手段に記憶された予想到達
時間および予想通過時間と使用者か否かの関係とに基づ
いて、接近する物体が使用者か否かを判断すること、或
いは、()脈動発光を行う赤外線発光手段と、装置近
傍の物体から反射する赤外線を受光する赤外線受光手段
とからなり、装置から該装置本体近傍の物体までの距離
を検出する検出手段と;検出された物体が前記装置を使
用する人か否かを、少なくとも検出された物体が前記装
置に到達する以前のタイミングで判断する認識手段と;
該認識手段の認識結果により装置の動作を制御する制御
手段とを有する電子装置において、前記検出手段が検出
した距離の経時的変化から前記物体の前記装置への接近
速度を計算し、該検出手段が検出した距離と前記接近速
度から、前記物体が前記装置へ到達すると予想される予
想到達時間と、検出エリアの所定位置を通過すると予測
される予想通過時間を計算する処理手段と;前記予想到
達時間および予想通過時間と、使用者か否かの関係を記
憶する記憶手段とを有し、前記記憶手段に記憶された予
想到達時間および予想通過時間と使用者か否かの関係に
基づいて、接近する物体が使用者か否かを判断するこ
と、更には、()前記()又は()に記載の電子
装置において、前記予想到達時間および予想通過時間
と、使用者か否かの関係を記憶する記憶手段を有し、前
記記憶手段に記憶された予想到達時間および予想通過時
間と使用者か否かの関係を参照することにより、接近す
る物体が使用者か否かを判断すること、或いは、(
前記()又は()に記載の電子装置において、前記
予想到達時間と予想通過時間にファジー理論を適用する
ことにより、接近する物体が使用者か否かを判断するこ
と、或いは、()前記()又は()に記載の電子
装置において、予想到達時間と予想通過時間をニューラ
ル・ネットワークを用いて処理することにより、接近す
る物体が使用者か否かを判断することを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明は、上記従来技術の課題を解決するため
になされたものであり、装置本体に物体が接近する接近
速度を検出する検出手段からの検出信号に基づき、検知
された物体が装置を使用する人か否かを、少なくとも検
知された物体が装置に到達する以前のタイミングで判断
し、その判断結果に基づいた装置を制御することによ
り、操作上の利便性を大幅に向上させる装置において、
静止障害物の配置に対応して、静止障害物以外の物体に
ついて装置を使用する人か否かを判断することによっ
て、判断手段の判断精度を大幅に向上させる。
【0010】装置概略 図1は、自動応答システムをOA機器に適用した場合の
構成概念を説明するためのブロック図で、該自動応答シ
ステムは、一個以上のセンサより構成されるセンサ部2
と、認識判断装置3と、サービス提供装置4とより構成
され、自動応答機能を実現するために各種OA機器1に
装着され、OA機器1の使用者による能動的なはたらき
かけによらず、適切な応答を行い、各種のサービスを提
供するものである。
【0011】センサ部2は自動応答する対象の物体(例
えば、近付いてくる人間)を認識するための各種データ
を作り出すためにOA機器1の表面または内部に実装さ
れ、得られたデータを認識判断装置3へと送る。センサ
の種類、実装位置およびその個数は、センサからのデー
タより検出したいパラメータ、検出対象とする方向(例
えば、操作パネルの向いている方向=OA機器正面方
向)や応答対象とする物体の大きさ(幅、高さ)、検出
精度(分解能、検出間隔)等により適宜決定される。
【0012】図2は、複写機またはファクシミリまたは
レーザ・ビーム・プリンタ等の電子装置の一例である
像形成装置5に複数の距離センサ6により構成されたセ
ンサ部の実装例を示す図で、(a)図は画像形成装置の
全体斜視図、(b)図は平面図である。図2の例では、
応答する対象の物体を人間(操作可能者)、測定によっ
て得るデータを画像形成装置5から被測定物体までの距
離、測定対象とする方向を装置5の正面および側面とし
ている。また、それらに加えて被測定物体の方向も得る
ために比較的鋭い指向性をもった距離センサにより複数
方向について距離の測定を行う。この種のセンサには、
たとえば発光部より赤外光を対象方向に照射し、受後部
でその反射光量を計測することにより距離を測定するも
のや、ある周波数の超音波を送波器より発信し、反射波
を受波器によって受けてその位相差によって距離を測定
するもの等がある。
【0013】図2の例では、比較的短い検出期間で高い
分解能を得るために複数のセンサを実装し、各距離セン
サを並列動作させて測定を行う。被測定物体の方向を得
るために各センサは各々少しづつ(10度間隔)発光・
発信/受光・受信の方向をずらして実装されている。ま
た、垂直方向データ(身長等)は必要としないため、発
光・発信/受光・受信の方向を水平面上にのみ展開して
実装している。センサ部の構成は、距離センサの他に例
えばCCDを用いた画像入力装置等も考えられる。この
場合は、画像入力装置から取り込まれた画像データが認
識判断装置に送られる。
【0014】認識判断装置3は、OA機器1に内蔵また
は外付けされ、センサ部2から送られてくるデータに基
づいて認識判断を行う。例えば、図2に示した例のよう
に、物体までの距離およびその方向データからは、静止
物体と応答対象とする移動物体の認識をしたり、応答対
象とする物体(人間)がOA機器を使用するかどうか
(もしくは使用が終了したかどうか)等の行動判断を行
う。また、画像入力装置から構成されるセンサ部を持
ち、画像データを使用する装置については、応答する対
象の物体(人間)の特徴を抽出し、抽出された特徴によ
り個人の特定をおこない、個人のID(例えば、名前、
番号、等)を生成し、生成された判断データを、サービ
ス提供装置へ送る。
【0015】サービス提供装置4は、OA機器1の各部
を駆動する機能を有し、各種自動応答によるサービスを
具現化する。例えば、OA機器1に近づく応答対象の物
体があり、その物体がOA機器を使用する旨の判断デー
タが送られてきた場合に、予熱モードを自動的に解除す
るとか、反対に使用終了の判断データが送られてきた場
合には、自動的に余熱モードに遷移するといったサービ
スがこれにあたる。また、個人のIDがデータとして送
られてくる構成の装置については、使用者毎に操作部の
最適化(キー・レィアウト変更、指示画面の切り替え、
等)等のより使用しやすい環境を提供する。このサービ
ス提供装置は、専用のハード・ウェアを用意しても良い
が、OA機器の中央演算装置によりソフト・ウェア的に
機能を代行することも可能である。
【0016】認識判断装置 認識判断装置概略 図3に、認識判断装置の基本構成をブロック図で示し、
各部の動作を説明する。尚、自動応答システムが実装さ
れているOA機器(電子装置)は画像形成装置とし、認
識判断装置にデータを送ってくるセンサ部の構成は、図
2に示したように指向性の強い複数の距離センサを発光
・受信/受光・受信の方向を水平面上に展開して実装し
たものとして以下の説明を行う。認識判断装置3は、セ
ンサ駆動部7、パラメータ抽出部8、認識判断部9、後
処理部10、制御部11、入出力管理部12、記憶装置
13、データ線14、制御線15、外部I/F(インタ
ーフェイス)線16より構成される。
【0017】センサ駆動部7は、距離センサ6の駆動お
よび測定された距離データの受信をおこなう。制御部1
1からのサンプリング信号に基づき、各距離センサ6を
駆動し物体までの距離を計測する。しかる後、測定結果
データをパラメータ抽出部8へと送出する。パラメータ
抽出部8では、各物体までの距離データより応答対象と
する物体の認識および各種判断に必要となる特徴量パラ
メータを測定された距離データより抽出、計算する。生
成されたパラメータおよびその付加情報は、認識判断部
9へ送られると共に、適宜記憶装置13に書き込まれ、
必要に応じて他のブロックより読みだされる。
【0018】認識判断部9は、制御部11からの要求信
号により応答対象の物体に関わる判断をおこなう。パラ
メータ抽出部8により生成されたパラメータを直接また
は記憶装置13を介して受け取り、例えば、応答対象の
物体が画像形成装置の使用者であるか否か(画像形成装
置を「使う」か「使わない」か)、画像形成装置の使用
を終了したか否か(「使用中」か「使い終った」か)、
等の判断を行う。
【0019】後処理部10は、判断結果を取りまとめて
最終的に外部に出力する形式に整える。例えば、応答対
象とする物体が複数存在する場合の処理がこのブロック
でおこなわれる。制御部11は認識判断装置全体の制御
をおこなう。入出力管理部12を介して外部(画像形成
装置)と通信をおこない、また、各ブロックに制御信号
を送ることによりコントロールする。
【0020】入出力管理部12は、外部I/F線16を
通して外部(画像形成装置)とのインターフェイスをつ
かさどる。また、外部との同期をとるためのバッファと
しても機能する。入出力される信号には、後処理部10
で生成されサービス提供装置に送られる判断データの他
に、認識判断装置と画像形成装置との間の各種リクエス
ト、タイミング信号、等の制御信号も含まれる。
【0021】記憶装置13は、各ブロックで生成された
ダーテを必要に応じて蓄えておくRAM、および、各ブ
ロックを動かすのに必要なプログラムおよびデータを蓄
えておくROMにより構成され、各ブロックによりデー
タの読み出し/書き込みがおこなわれる。データ線14
は各データの伝送に使用される。制御線15は制御信号
の伝送に使われる。外部I/F線16は、外部(画像形
成装置)とのインターフェイスのための制御信号および
データの伝送に使われる。
【0022】センサ駆動部 センサ駆動部7は、制御部11から制御線15を介して
周期T(Tは認識する応答対象とする物体の移動速度に
比べて十分に短い周期でなければいけない)で送られて
くるサンプリング信号に従って画像形成装置に実装され
ている距離センサ6を駆動する。各距離センサは同時
(並列)に駆動され、1サンプリング周期(時間間隔
T)に1回距離の測定をおこなう。測定データは、セン
サ駆動部7内でアナログ・データからデジタル・データ
へと変換され、どのセンサにより測定されたデータかを
識別できる方法(例えば、各データにセンサの識別番号
を付加する)によりパラメータ抽出部8へと送られる。
【0023】パラメータ抽出部 パラメータ抽出部8では、センサ駆動部7より送られて
きた距離データから認識に必要なパラメータを抽出す
る。尚、各距離センサは、図4に示すように、画像形成
装置(電子装置)5の中心を中心として10度間隔で
…(ただし、10番目〜19番目については、
0,1,…9のように記す)の19方向について測
定を行うように(ただし、測定を行う方向は、画像形成
装置の面および正面方向のみとし、ここでは背面につ
いては考えない)実装されており、時間間隔Tで同時に
物体までの距離の測定を繰り返すものとする。図4中の
各矢印はセンサの発光・発信/受光・受信方向を表す。
【0024】パラメータ抽出部は時間間隔Tで(測定を
行なう度に)以下の処理を行なう。 位置検出 (1)測定結果のストア いま、画像形成装置5が、図4に示すように、前方方向
および側方のうちの一方向に壁等の静止物体17がある
ような場所に設置されていたとし、距離センサによって
物体までの距離の測定が可能な最大距離をRmaxす
る。この測定可能距離とは、距離センサ自体の測定可能
距離のほかに、各測定可能方向間の隙間(測定が行なわ
れない範囲)が応答対象とする物体(人間)の大きさに
比べ十分小さくなるような範囲である。図4の例では、
19の測定方向のうち、白抜き文字で示した方向に関し
て距離センサの測定可能距離内に何らかの静止物体(こ
の場合は壁、以下障害物と記す)17がある。パラメー
タ抽出部8は一回の測定毎に記憶装置(メモリ)13に
距離データをその測定方向(距離センサ番号)と共に蓄
えておく。図4の場合について記憶装置13内に書き込
まれる距離データの例を、図5に模式的に示す。ここ
で、図5において、rは方向dについての測定結果
(物体までの距離)を表し、また、∞記号は物体が測定
されなかった(Rmax)よりも近くに物体が何もなか
った)ことを示している。パラメータ抽出部8は、時間
間隔Tで測定を行う度に、測定結果を記憶装置13内の
所定の番地に書き込む。
【0025】 (2)環境情報の更新距離センサの測定可能範囲内にあ
り、画像形成装置5に能動的に働きかけない物体(=障
害物:例えば、壁、机、椅子、等)の位置情報を環境情
報と呼ぶことにする。パラメータ抽出部8は、これらの
物体と、画像形成装置5に能動的に働きかける可能性の
ある物体(=動いている物体:例えば、人間、等。以
下、対象物体と記す)とを区別するために、記憶装置5
内の環境情報を参照する。環境惰報は、概念的には図5
に示した各方向についての距離の表のような形式をして
おり、各方向についてどの距離に障害物があるかを表し
ている。
【0026】環境情報は、画像形成装置5に対象物体が
距離センサの測定可能範囲で活動する期間よりも十分長
い期間(例えば、電源投入以降後)に各方向について測
定された最大距離をそれぞれ選択することにより作成さ
れる。上記期間内に測定された方向dについての最大距
離をrmaxとすると、環境情報は概念的に図6によ
うに示される。時間間隔Tで測定を行う毎に、各方向に
ついて測定された距離rdと環境情報rdmaxとが比
較され、もし、r>rmaxの関係が成り立てば、
環境情報をrで置き換える。このようにして、十分長
い時間が経過した後、環境情報が作られる。例えば、図
4のような環境に設置された画像形成装置で、十分に長
い時間(距離センサの測定範囲内に人間等の動く物体が
存在しない時期を経れば十分である)が経過した後の環
境情報は図7のようになる。ただし、rは図4の場合
における方向dについての障害物までの距離を表す。
【0027】(3)物体検出 環境情報の更新をおこなった後、パラメータ抽出部8は
以下の方法で物体検出を行う。例えば、時間t0におけ
る状態が図8に示すように、の方向から対象物体18
が近づいて来る場合を考える。(1)の手順で記憶装置
内に書き込まれた図8の場合についての距離データを図
9に示す。ただし、rdtは時刻tにおける方向dにつ
いての物体までの距離とする。パラメータ抽出部8はこ
の距離データと、(2)の手順により作成され記憶装置
5内に蓄えられている環境情報とを比較することにより
対象物体を検出する。具体的には、例えば、各方向につ
いて環境情報に書かれている距離と距離データとの差を
とる。図9の場合について環境情報との距離データとの
差をとった結果を図10に示す。図10によると、方向
について距離データと環境情報との差が生じており、
このこと(環境≠距離データ)によりの方向に対象物
体18が認識される。いま、画像形成装置の中心を原点
とし、0の方向を角度θ=0とするような極座標系を
考えると、図8の例での対象物体18の位置は(r
5t0,50°)で表される。物体が認識されると、そ
の位置(距離、および方向)が記憶装置13内の所定の
位置に書き込まれる。
【0028】ところで、移動物体18が画像形成装置に
近づくにつれて、複数の距離センサに同一の物体が測定
されることがあるが、この場合は以下のような方法によ
り位置を算出する。図11の例では同一の物体がおよ
びの方向でセンサに測定されており、上記手段による
と2つの位置(r,θ(=40°))および
(r,θ(=30°))が検出される。そこで、2
つ以上の位置が検出された場合には、その各々の間の距
離を計算し、その全ての距離が予め定められている値L
min(ただし、Lminは応答対象とする物体(=人
間)の大きさから決定される)よりも小さく、かつ、検
出方向がとなりあっているような各点は、一つの位置と
してまとめられる。2点の場合にはその中点の位置にま
とめられ、3点以上の場合にはその重心の位置にまとめ
られ、1つの位置を生成する。図11の例では検出され
る2点間の距離1は、
【0029】
【数1】
【0030】であり、1<Lminの時には2点は一つ
にまとめられ、新たにその中点が位置として採用され
る。また、3点以上の場合には、図12に示すように、
11<Lminかつ12<Lminかつ13<Lmin
の時に限り3点はまとめられ、3点の重心Gが対象物体
の位置として採用され記憶装置に書き込まれる。
【0031】物体追跡 (1)一物体の追跡 一度対象物体が距離センサの測定可能範囲内で認識され
ると、対象物体の追跡が行なわれる。例えば、図8の例
に示した対象物体18が時刻t1(=t0+T)に図1
3に示すように移動したとすると、前述した方法により
物体位置(r6t1,40°)が検出される。ここで、
もしその1測定間隔時間前(時間T前)の対象物体の位
置情報が記憶装置13内にストアされていた場合、移動
速度vおよび移動方向φの計算が行なわれる。図13の
例に示した対象物体18については、既に図8の例で計
算された位置情報が記憶装置13内にストアされている
ので、移動速度vおよび移動方向φの計算が行なわれ
る。
【0032】以下に図8および図13を例にとり、その
計算方法を説明する。時刻t0からt1の間の対象物体
18の移動距離を1t1、平均速度をvt1、座標原点
(画像形成装置の中心)と時刻t0における対象物体1
8の位置とを結ぶ線と、時刻t0における対象物体18
の位置と時刻t1における対象物体18の位置とを結ぶ
線とのなす角(移動方向)をφt1と定義すると、各パ
ラメータの表す量は図14に示すようになる。図14に
おいて、1t1は、
【0033】
【数2】
【0034】となる。式3,式5,式6によって計算さ
れた移動速度v、移動方向φは、先に計算された位置
(r,θ)とともに記憶装置13に書き込まれる。以上
のような操作を時間間隔tごとに繰り返すことにより、
記憶装置13内には位置情報r,θ,およびもしその1
回前に測定した位置情報があれば、移動速度v、移動方
向φが時間間隔tごと物体の軌跡情報として順次蓄えら
れていく。物体18の軌跡情報は、記憶装置13内では
リスト、またはリングバッファ等のデータ形式で蓄えら
れているが、概念的には表のようなものと考えてさしつ
かえない。図13の時間T後(=t2)の対象物体18
の移動の様子を図15に、そのさらに時間T後(=t
3)の物体の移動の様子を図16に、そして物体が時刻
t0からt3の間に図8,図13,図15,図16で示
したように移動した場合に得られる軌跡情報の概念図を
図17に、それぞれ示す。
【0035】(2)複数物体の追跡 距離センサ6の測定範囲内に複数の対象物体が存在する
場合には、記憶装置内に対象物体毎に複数の軌跡情報を
生成し追跡をおこなう。例えば、図18に示すように対
象物体Aおよび対象物体Bの2つの対象物体が存在して
いる場合を考える。記憶装置内には対象物体Aおよび対
象物体Bについて2つの軌跡情報が生成される。図18
の状態では、対象物体Aの位置として(r,θ(=
40°))、対象物体Bの位置として(r12,θ12
(=−20°))が検出され、各々の軌跡情報が書き込
まれているものとする。図18の状態から1サンプリン
グ周期(時間間隔T)後の状態を図19に示す。物体検
出により位置1(r,θ(=30°))および位置
2(r11,θ11(=−10°))の2つの位置が検
出される。可能性としては、図20に示すように、対象
物体Aが位置1に、対象物体Bが位置2それぞれ移動し
た(場合A)か、または対象物体Aが位置2に、対象物
体Bが位置1にそれぞれ移動した(場合B)という2通
りが考えられるが、以下のような方法でそれぞれの位置
をどちらの軌跡情報に書き込むかを決定する。
【0036】上記2つの場合についてそれぞれ移動方向
φおよび速度vを式5および式6により計算する。場合
Aについて計算された対象物体Aの移動方向をφA2
移動速度をvA2、対象物体Bの移動方向をφB4、移
動速度をvB4、また、場合Bについて計算された対象
物体Aの移動方向をφAb、移動速度をvAb、対象物
体Bの移動方向をφBb、移動速度をvBbとする。ま
た、1サンプリング周期(時間間隔T)前の状態(図1
8の状態における対象物体Aの移動方向をφApre
移動速度をvApre、対象物体Bの移動方向をφ
Bpreとすると、対象物体Aの移動方向の変化量δφ
、移動速度の変化量δv、対象物体Bの移動方向の
変化量δφ、移動速度の変化量をδvは、
【0037】
【数3】
【0038】と表される。ここで、対象物体iに関する
変化量eを以下の式9により定義し、さらに場合nに
ついての総変化量Enを以下の式10により定義する。
【0039】
【数4】
【0040】但し、αおよびβは、移動方向の変化量δ
φおよび移動速度の変化量δvにそれぞれ重み付け
をするための定数である。対象物体と検出位置との組み
合わせには、総変化量の最も少ない場合についての対象
物体と検出位置との組み合わせを採用するものとする。
場合Aおよび場合Bの総変化量E,Eは、
【0041】
【数5】
【0042】となり、E<Eとなることより場合A
についての対象物体と検出位置との組み合わせを採用
し、対象物体Aの軌跡情報には位置1(r,θ(=
30°))、移動方向φAa、移動速度vAaが、ま
た、対象物体Bの軌跡情報には位置2(r11,θ11
(=−10°))、移動方向φBa、移動速度vBa
それぞれ書き込まれる。
【0043】3つ以上の対象物体が距離センサの測定範
囲内に存在する場合にも同様に可能性のある全ての場合
について、対象物体と検出位置との組み合わせを作り、
各場合について総変化量Eを計算することにより軌跡惰
報に書き込むデータを決定する。総変化量Eが計算でき
ない対象物体が含まれる場合には、例えば、移動距離1
が最小になるように(1サンプリング周期(時間間隔
T)前と比べて、近い物体の検出位置同士を対応させ
て)対象物体と検出位置との対応をとるなどの処理をお
こなう。
【0044】図21の対象物体Aおよび対象物体Bの例
のように複数の対象物体が画像形成装置から見て重なり
あった(同一のセンサの測定方向上に存在する)場合、
検出される対象物体の数が一時的に減少する。このよう
な場合には、以下のようにして追跡をおこない、軌跡情
報を生成する。図21の例では、の方向に物体を検出
し、位置(r,θ(=10°))が得られる。ここ
で、1サンプリング周期(時間間隔T)前の対象物体A
および対象物体Bの位置をそれぞれ(rApre,θ
Apre)および(rBpre,θBpre)とし、ま
た、図22に示すように、検出された位置に対象物体A
および対象物体Bがそれぞれ到達したと考えたときの移
動方向および移動速度を、φ,vおよびφ,v
とすると、式5および式6より、
【0045】
【数6】
【0046】となる。また、1サンプリング周期(時間
間隔T)前の対象物体Aおよび対象物体Bの移動方向お
よび移動速度を、φApre,vApreおよびφ
Bpre,vBpreとすると、それぞれの変化量e
およびeは式10より、
【0047】
【数7】
【0048】となる。検出された位置を、変化量の少な
い方の対象物体の位置とするものとすると、図22の例
の場合には、e<eより、検出された位置は対象物
体Bの軌跡情報に書き込まれる。この場合、位置の確定
しない対象物体Aに関しては、軌跡情報の書き込みが保
留され、位置が確定した時点に、時刻を遡って軌跡情報
が書き込まれる。例えば、1サンプリング周期(時間間
隔T)後に対象物体Aの位置が(rApost,θ
Apost)に確定したとすると、2点(rApre
θApre)と(rApost,θApost)との中
点が保留されていた位置(r,θ)に割り当てられ
る。以下、同様にnサンプリング周期(時間間隔nT)
後に位置が確定した場合には、2点をn個に内分する点
がそれぞれ保留されていた位置に割り当てられ軌跡情報
に書き込まれる。
【0049】3個以上の対象物体が距離センサの測定範
囲内に存在し、対象物体が画像形成装置から見て重なり
あった(同一のセンサの測定方向上に存在する)場合に
も、同様にして各対象物体について変化量eを計算しそ
れらを比較することにより対象物体と検出位置との対応
をとる。
【0050】認識判断トリガの生成 近づいてくる対象物体17までの距離rが、ある値Lm
in以下になると、パラメータ抽出部8は対象物体17
に関する距離判断を行うため制御部11に対して認識判
断トリガを送る。複数の対象物体が測定範囲内に存在す
る場合には、対象物体のうちどれかまでの距離rがある
値Lmin以下になる毎にこの動作が動こる。認識判断
トリガは制御部11で認識判断要求信号に変換され、認
識判断部9に送られる。同様に、画像形成装置を使用し
ている対象物体が遠ざかる際に、対象物体までの距離r
が、ある値Lmin以上になると、パラメータ抽出部8
は対象物体に関する認識判断を行うために制御部11に
対して認識判断トリガを送る。複数の対象物体が測定範
囲内に存在する場合も近づく場合と同様である。図23
に判断認識トリガ生成の様子を示す。
【0051】Lminの値は、普通は認識判断装置が認
織判断結果(=例えば、対象物体が画像形成装置に作用
するか否か)をサービス提供装置に出力しなければなら
ない距離に設定される。この距離は、認識判断装置から
の出力結果によってもたらされるサービスの種類および
サービスにかかる時間、対象物体の移動速度、等によっ
て適宜決定される。Lmaxの値は、距離センサの測定
最大距離(図4のRmax)以内の距離に適宜設定され
る。認識判断トリガを出力した後、認識判断を行う必要
のある対象物体の軌跡情報に関するデータ(軌跡情報が
格納されている記憶装置内のアドレスや、軌跡データの
サイズ、対象物体が近づいてきているのか遠ざかってい
るのか、等、認識判断部で軌跡情報のアクセスの際に必
要とされるデータ)を認識判断部9へ送る。
【0052】認識判断部 認識判断部9では、制御部11からの要求により応答対
象の物体に関わる判断をおこなう。認識判断要求信号を
制御部11から受け取った後、パラメータ抽出部8より
認識判断を行う必要のある対象物体の軌跡情報に関する
データ(軌跡情報が格納されている記憶装置13内のア
ドレスや、軌跡データのサイズ、対象物体が近づいてき
ているのか遠ざかっているのか、等、軌跡情報のアクセ
スに必要とされるデータ)をパラメータ抽出部8より受
け取る。しかる後、記憶装置13内の認識判断を行う必
要のある対象物体の軌跡情報にアクセスし所定の処理を
おこなうことによって、例えば、対象物体が近づいてく
る場合には画像形成装置の使用者であるか否か(画像形
成装置を「使う」か「使わない」か)、遠ざかっていく
場合には画像形成装置の使用を終了したか否か(「使用
中」か「使い終わったか」か)、等の判断を行い、その
結果を後処理部10へ出力する。以下に認識判断の処理
のうち、対象物体が近づいてくる場合について画像形成
装置を「使う」か「使わない」かの判断をおこなうため
の処理の幾つかの例を説明する。
【0053】前処理 対象物体に関する認識判断のために、認識判断部9では
軌跡情報から幾つかのパラメータの生成を行う。距離セ
ンサの測定範囲内に基準とする距離を1つ以上幾つか設
ける。例えば、図24のように画像形成装置の中心から
距離L0,L1,L2,…,L(n−1)のn個の基準
距離(但し、L0<L1<L2<…L(n−1)の関係
が成り立つものとする)を設けるとする。ここで、画像
形成装置から最も近い距離L0の基準距離は、Lmin
(パラメータ抽出部により認識判断トリガが生成される
距離)に等しいものとする。基準距離Lmにおける軌跡
情報を、時刻tLm、距離rLm(=Lm)、方向θ
Lm、移動速度vLm、移動方向φLmとし、また、距
離L(m−1)とLmとの間の移動速度の変化量をΔv
Lm(=vLm−vm−1))、移動方向の変化量
をΔLm(=φLm−φm−1))とし、各距離に
ついてパラメータを生成する(但し、距離L0における
移動速度の変化量ΔvL0と移動方向の変化量Δφ
を除く)。各距離について生成されたパラメータを概念
的に図25に示す。生成されたパラメータは、さらに次
の段階で利用可能なように処理をされる。例えば、値範
囲によりグループ分けされそのグループ番号に変換され
たり、ある値範囲についての正規化処理等がおこなわれ
る。
【0054】認識判断処理 前処理段階で生成されたパラメータを使い認識判断をお
こなう方法のうち、ニューラル・ネットワークを使う方
法について以下に述べる。例えば、対象物体が画像形成
装置を「使う」か「使わない」かを判断するための以下
のようなニューラル・ネットワーク21を用意する。図
26に入力層22、中間層23、出力層24の3層から
構成される階層型ニューラル・ネットワークによる認識
判断用ニューラル・ネットワーク21の模式図を示す。
入力層22は入力する各パラメータに対応しており、出
力層24は各判断(この場合は「使う」および「使わな
い」)に対応している。ここで使われるニューラル・ネ
ットワークは、予め実験等により収集された特徴的なパ
ターンを教師データとして、所定の方法(例えば、バッ
クプロパゲーション)で学習しておく。つまり、各パラ
メータを入力とし、その時対象としている物体が画像形
成装置を「使う」か「使わない」かを学習させておくも
のとする。
【0055】認識判断処理の際は、制御部からの制御信
号により軌跡惰報より生成されたパラメータが認識判断
用のニューラル・ネットワークに入力され、その際のニ
ューラル・ネットワークの出力層24のうち、最も強く
発火した(最も出力値の大きい)ユニットに対応する結
果を認識判断結果として後処理部10へと出力する。同
様の仕様で、対象物体が画像形成装置を「使用中」か
「使い終わった」かを判断するためのニューラル・ネッ
トワークを用意し、認識判断結果を後処理部10へと出
力する。
【0056】後処理部 後処理部10では認識判断結果を取りまとめて最終的に
外部に出力する形式に整えた後、必要ならば制御部11
に状態変化を通知した後、入出力管理部12へ認識判断
データを送る。例えば、図27に示すように距離センサ
の測定範囲に対象物体が複数存在する場合について考え
る。(a)の例の場合には、対象物体Aがすでに画像形
成装置を使用中である所に、新たに画像形成装置を使用
しようとしている対象物体Bがやってくる。この場合、
対象物体Bが画像形成装置から距離Lminにさしかか
ったところで認識判断トリガが生成され、認識判断部9
により対象物体Bが画像形成装置を「使う」と判断され
るが、この判断はマスクされるか保留されないと、対象
物体Aが使用中にもかかわらず対象物体Bに対するサー
ビスが開始されるといった不具合が生ずる。逆に(b)
の例の場合のように、対象物体Bが画像形成装置を使用
中である状態で、前の使用者である対象物体Aが立ち去
ったとする。この場合、対象物体Aが画像形成装置から
距離Lmaxにさしかかったところで認識判断トリガが
生成され、認識判断部9により対象物体Aが画像形成装
置を「使い終わった」と判断されるが、この判断もマス
クされるか保留されないと、対象物体Bが使用中にもか
かわらずサービスが開始される(余熱モードに遷移した
りオートリセットがかかったり等)といった不具合が生
ずる。後処理部10では必要ならば制御部11を通して
外部(画像形成装置)の情報(例えば、コピー中である
か否か、等)を取り込み、複数の対象物体に関する判断
をマスクしたり保留したりすることにより状態を変化さ
せる必要が生じた場合にのみ、入出力管理部12へ認識
判断データを送る。
【0057】制御部 制御部11は認識判断装置全体の制御をおこなう。おも
な制御内容には次のようなものがある。
【0058】(1)各ブロックのタイミング処理 認識判断装置内の各ブロック(センサ駆動部7、パラメ
ータ抽出部8、認識判断部9、後処理部10、入出力管
理部12)間でのデータの受渡しのための同期処理をお
こなう。例えば、あるブロックAからあるブロックBに
対してデータが転送される場合、まず、ブロックAから
制御部11に対してデータ送信要求が出される。制御部
11はブロックBに対してブロックAからのデータ受信
要求信号を送り、ブロックBの受信準備が完了したこと
を確かめた後、ブロックAにデータ送信要求信号が送ら
れる。ブロックAでは制御部11からのデータ送信要求
信号を受け取った後、データの転送を開始する。
【0059】(2)各ブロックの要求処理 認識判断装置内の各ブロックから送られてくる要求(例
えば、パラメータ抽出部で発生する認識判断トリガ、各
ブロックで発生するエラーに対するリカバリー要求、
等)について定められた処理をおこなう。
【0060】(3)記憶装置のアクセス管理 複数のブロックが同時に記憶装置へのアクセスをおこな
わないように(読み出し/書き込みがぶつからないよう
に)、アービトレーションをおこなう。認識判断装置内
の各ブロツクは、記憶装置にアクセスする際には制御部
にアクセス権を要求し許可された場合にのみアクセスで
きる。
【0061】(4)外部とのインターフェイスの制御 外部(画像形成装置)からのクロック信号やリセット信
号を入出力管埋部12を通して受け取り、外部と認識判
断装置内の各ブロックとの同期処理をおこなう。また、
外部情報(画像形成装置の状態、例えば「稼働中である
/ない」や、操作パネルの情報、等)を取り込み、認識
判断に必要なものについては、対応する各ブロックへ転
送する。
【0062】外部からの種々の要求を入出力管理部12
を通して受け取り、その要求に答える処理をおこなう。
例えば、外部から対象物体の軌跡情報が要求されると、
記憶装置内の所定のエリアから軌跡情報を読み出し、入
出力管理部12を通して出力する等の処理がこれにあた
る。また、認識判断装置内でエラー等が発生した際の外
部への要求(例えば、操作パネルにエラーの表示をおこ
なう、等)も制御部11で生成され、入出力管理部12
を通して外部に出力される。
【0063】入出力管理部 入出力管理部12は、外部I/F線16を通じての外部
(画像形成装置)とのインターフェイスをつかさどる。
また、外部との同期をとるためのバッファとしても機能
し、各入出力データ/信号は入出力管理部12でラッチ
され同期をとられる。入出力される信号には、後処理部
10で生成されサービス提供装置に送られる対象物体に
関する判断データの他に、認識判断装置と外部との間の
各種要求、タイミング信号、等の制御信号も含まれる。
【0064】記憶装置 記憶装置13は、各ブロックで生成されたデータを必要
に応じて蓄えておくRAM、および各ブロックを動かす
のに必要なプログラムおよびデータを蓄えておくROM
により構成され、各ブロックによりデータの読み出し/
書き込みがおこなわれる。
【0065】サービス提供装置 サービス提供装置概略 サービス提供装置4は、OA機器の各部の駆動する機能
を有し、認識判断装置3で生成された各種判断結果を受
り取りそれに対応する自動応答によりサービスを具現化
する。また、必要があれば認識判断部に対して対象物体
に関するより詳しい情報を要求する。サービス提供装置
4は概念的な装置であり、その実現形態には幾つかの方
法が考えられる。特に、専用のハード・ウェアを用意す
ることを規定せず、OA機器の中央演算装置等によりソ
フト・ウェア的に機能を代行することの可能なサービス
についてはそのような方法で実現したほうがよい。
【0066】人を対象としてサービス OA機器に近づく応答対象の物体(人)があり、その物
体がOA機器を使用する旨の判断データが送られてきた
場合には、以下のようなサービスを実行する。 (1)AI(Artificial Intellig
ence)余熱機能 (2)AI自動電源スイッチング機能 (3)AI圧板自動開閉機能 (4)AI自動割り込み機能 (5)高さ可変機能
【0067】また、OA機器を使用中だった人が操作を
終了しOA機器を離れ、使用を終了した旨の判断データ
が送られてきた場合には、以下のようなサービスを実行
する (1)AI余熱機能 (2)AI自動電源スイッチング機能 (3)AI圧板自動開閉機能 (4)AI自動割り込み機能 (5)AIオートリセット機能 (6)AI原稿・コピー忘れチェック機能
【0068】個人を対象としたサービス OA機器に近づく応答対象の物体(人)があり、個人の
IDがデータとして送られてくる構成の装置について
は、以下のようなサービスを実行する。 (1)オペレーションパネルAI自動設定機能 (2)AIガイダンス機能 (3)管理機能 (4)AI自動割り込み機能 (5)AIオートリセット機能 (6)メッセージ伝言機能
【0069】次に、画像データによる使用者認識/個人
認識について説明する。 使用者認識 前述の自動応答システムでは、センサとして赤外線セン
サなどの距離センサを使用した例をあげた。次に、距離
情報ではなく、画像データを処理することによって得ら
れる、対象物体(人物)が近づく際の体や顔の向きなど
の情報を基に、その人が「使用する人」であるのか、
「単なる通過者」であるのかを認識/判断する方法につ
いて説明する。距離センサを使用した場合の構成例であ
る図1、実装例である図2、認識判断装置の基本構成で
ある図3などは、以下に述べる画像データによる認識方
式での場合も全く同様である。但し、距離センサ2は、
CCDやMOS、撮像管などを使用した何らかの画像デ
ータ入力のためのセンサである必要がある。図3のパラ
メータ抽出部8では、画像データなどから必要な情報を
画像処理などによって抽出することになる。
【0070】さて、本認識判断装置が付帯されている複
写機などの画像形成装置5を使用する為に近づいて来る
人の動作を考えてみよう。特に、障害物のない場合、通
常人は、使いたい装置に対して真っ直ぐに歩いてくると
考えてよい。つまり、使用したい装置に対して体の向き
を真っ直ぐにして近づいて来る。また、何らかの障害物
などがあったりして、真っ直ぐに近づいて来れない場合
でも、目標の装置の位置まで近づくまでに、その装置が
見える範囲に来れば、少なくとも何回かはその装置を直
視すると考えてよい。つまり、使用したい装置に対し
て、顔の向きが幾度となく真っ直ぐ向くことになる。こ
のような、人間が自然に振る舞う行動をルールとして蓄
えておき、画像処理などによりこれらの行動を抽出/判
定することにより、対象人物が「使用者」なのか単なる
「通過者」なのかを判断する。
【0071】以下、図28を参照して具体的な判断の仕
方の簡単な例について説明する。撮影した画像データに
おいて、人物が撮影されているかをまず判断しなければ
ならない(step1)。これには、例えば、誰も映っ
ていない画像データを保持しておき、撮影された画像デ
ータとの差分をとることなどにより可能となる。つま
り、現在撮影した画像データから背景部分を消去するこ
とにより、残った部分は、背景でない何らかの移動する
物体、つまり対象人物であることが分かる。
【0072】次に、対象人物の画像データにおいて、体
もしくは顔の向きを検知しなければならない(step
2)。検知と言っても、こちらを向いているか否かを判
断すればよい。非常に単純な例としては、撮影された人
物の体もしくは顔の向きがこちらを向いていれば使用者
として判断してもよい。しかし、通常唯一度だけこちら
を向いていたからといって、単純には判断しがたい。つ
まり、これだけでは十分な精度は得られない。そこで、
例えば、カウンタを設け、こちらを向いていたと観測さ
れる回数をそのカウンタによって記憶しておき、あらか
じめ設定しておいた回数分だけ観測されたときに「使用
者」であると判断しても良い。
【0073】また、向きをyes/noではなく、例え
ば、角度数等によって数値化して観測し、そのデータ列
によって判断してもよい。この場合、あらかじめ「使用
者」のデータ列パターンを記憶しておき、その記憶して
おいた表を参照することにより判断してもよいし、時間
と向きをパラメータとして適度な重みパラメータを付加
した評価関数によって判断してもよいし、「使用者」の
行動パターンを自然言語的なルール(例えば、短時間に
何回もこちらを向いたら、使用者である。等)によって
記述しておき、ファジィ推論によって判断してもよい
し、あらかじめ「使用者」の行動パターンをニューラル
ネットワークに記憶させ、観測されたデータ列を入力と
してニューラルネットワークから「使用者」であるか否
かを出力させるようにしてもよい。
【0074】また、本認識処理を実施するための構成
は、基本的には、前述のものと特に大きくは変わりはな
いが、図1における距離センサ2は、CCDなどの画像
入力センサに変わる。また、近づいて来る対象物体(対
象人物)が撮影された画像データは、図3のパラメータ
抽出部8で処理される。ここで抽出すべき特徴量(デー
タ/情報)は、先に述べた対象人物の顔又は体の向きで
ある。また、認識判断部9では、先に述べた表参照や、
評価関数、ファジィ推論、ニューラルネットワークなど
により判断処理を行うことになる。
【0075】個人認識 人物である対象物体を特定の個人であることを認識する
ことを、個人識認と呼ぶ。個人認識においては、更に大
きな2つの認識に分けられる。一つは、あらかじめ登録
されている個人を特定するという認識(既個人特定化識
別)と、もう一つは、特に個人を登録しておくのではな
く、ある時点で観測された対象人物に対し、同じ人であ
るか否かを認識(逐次同一人物判別)するものである。
前述の自動応答システムでは、センサとして対象物体の
位置を計測するために、距離センサを具備する例を示
し、その一具体例として赤外線や超音波センサなどを挙
げて説明した。ここでは、対象人物の個人認識に関する
例を示すが、この場合センサの具体例としては、CCD
などによる画像入力後、画像データを処理する例を中心
として述べる。
【0076】この場合、図1に示された認識判断装置3
において個人認識を行い、距離センサ2は画像データが
入力できるセンサとなるだけで、基本的な構成は何ら変
わらない。以下では、説明を簡単にするために一つの画
像入力センサを例として説明するが、図1、図2などで
示したのと同様に複数のセンサを設けても良い。なお、
センサとしてCCDなどの画像入力装置を用いても、前
述の自動応答システムで説明した対象物体までの位置を
観測することは、現在の画像処理技術をもってすればな
んら問題なく可能である([「ロボット」bit増刊、
pp711/724,1976年7月号],[「立体
視」日本ロボット学会誌,Vol.1,pp30/3
5,1983]など参照)。つまり、画像入力センサ
は、距離センサの一具体例に過ぎず、例えば、1台の固
定されたセンサから撮影された画像データから対象物体
の位置を求めるには、対象人物の足の位置の画像データ
座標を抽出し、実世界の座標データにマッピングすれば
よいし、センサが複数台ある場合は、三角測量の原理を
応用(両眼立体視法)すれば対象物体までの位置を観測
できる。よって、センサが前述の赤外線センサなどから
画像センサに変わったとしても、前述までの処理は同様
に可能であるばかりか、以降に説明する個人認識におい
ても有用なセンサとなる。
【0077】既個人特定化識別 画像データから、既に登録されている個人を特定化す
る、既個人特定化識別についてその処理方法を述べる。
識別技術は古くから存在し、例えば、文字認識などで実
用化されている。既個人特定化識別においても、同様の
技術/原理で行える。原理を簡単に説明すると、あらか
じめ辞書と呼ばれる特定化すべきものの特徴について記
述したものを用意し、観測された入力データの特徴を抽
出し、辞書各内容と比較して、最も特徴が合致している
ものを、特定されたものとするわけである。また、この
ような識別論的なアプローチのほかにも、表参照方式、
評価関数方式、確信度計算方式、ファジィ推論方式、ニ
ューラルネット方式なども知られている。
【0078】個人を識別するためのデータとして、あら
かじめ登録しておなかければいけない個人に関する情報
つまり特徴は、画像処理などによって得られる特徴であ
れば何でもよいが、個人を見分けるのに良いものでなけ
ればならない。例えば、身長、体重(体積)、性別、体
や顔の大きさや形、眼鏡の有無などが考えられる。身長
は画像データより頭から爪先までの画素数を実際の長さ
に変換することにより得られる。これは対象物体までの
距離がわかっているはずなので、変換は容易である。頭
および爪先を見つけだすことは、2値化やフィルター処
理などの通常の画像処理技術や知識工学をもってすれば
実現可能である。性別は、髪の毛の形状や、覆き物、化
粧の有無、などを画像処理により得ることにより判別可
能である。画像データによって個人を特定するのに有効
とされ、よく用いられているのは、顔の特徴である。例
えば、目の離れ具合、目の形、顎の輪郭、などのよう
に、各部品間の関係や個々の部品の形状などがよく使用
される。
【0079】この既個人特定化識別の個人認識により、
ユーザの操作性を向上したり、装置の管理を省力化する
ことなどを実現することが可能となる。例えば、複写機
などの画像形成装置にこの個人認識装置を付けた場合、
オペレーションパネルAI自動設定機能、AIガイダン
ス機能、AI自動割り込みなどを実現することが可能と
なる。
【0080】逐次同一人物判別 次に、前述のように、あらかじめ個人を登録しておくの
ではなく、ある時点で観測された対象人物に対し、同じ
人であるか否かの認識である、逐次同一人物判別につい
て述べる。これは、ある時点で観測された対象人物の特
徴を記憶しておき、別の時点で観測された対象人物の特
徴と一致しているかどうかを判定して、同一人物である
かどうかを判別/認識するもので、あらかじめ特定した
い個人の特徴などを含む情報を辞書として登録しておく
必要がない代わりに、例えば、観測された人の名前など
の人為的に誰かが装置に入力してやらなければ分からな
い情報は得ることはできない。逐次同一人物判別を行う
ための方法は、基本的には既個人特定化識別における方
法と大きくは違わない。個人識別では、観測/抽出され
た特徴をもとに、これをあらかじめ辞書に記述しておい
た各個人の特徴を比較するものであったが、逐次同一人
物判定では、ある以前の時点で直接観測された特徴とを
比較する点が違う。同一人物判定において、ある時点で
観測された対象人物の特徴は、辞書として記憶してお
き、後に観測された人物の特徴と比較する際に使用され
るが、直前の観測物体のみを辞書に記億しても、複数記
憶できるようにしておいても良い。
【0081】逐次同一人物判別が可能になることによ
り、例えば、装置の使用者が代わったことが分かるの
で、その時点で「使用中/使い終わった」を区別するこ
とができる。同一人物と判別される人が来た場合、それ
がある一定時間内であれば、「使用中」であると認識で
きるし、同一人物でない人がやって来れば、前の人は使
い終わったと認識できる。また、この装置が例えば複写
機であれば各パラメータを自動的にリセット(AIオー
トリセット機能)して次の使用者の誤操作を防ぐことな
どが可能となる。また、AI自動割り込み機能も個人ま
で特定できなくても、本認識により可能となる。また、
逐次同一人物判別における特徴を観測するためのセンサ
は、特にCCDに限られるわけではない。例えば、色セ
ンサや体重計、音センサなどの人物の特徴を測定できる
ものであれば何でもよい。また、先に説明したCCD等
による画像入力センサのように単独で判別可能なセンサ
もあるが、単独では判別が困難なセンサでも、複合して
用いることにより、より高い精度で判別が可能となる。
この場合の構成は、図1にある距離センサ2と並列にこ
れらのセンサを連結させれば良いだけである。
【0082】認識判断用パラメータの処理方法: あらかじめ定められた測定検出エリアの初期条件設定方
式 近づいて来る人が、本認識装置が付帯してあるシステム
(装置)を操作するために来た人なのか、単なる通り掛
かりの人なのかを判断する際において、システムが設定
されている状況によって判断を早期にもしくはより確実
にするために、周囲の状況を認識し、記憶しておくこと
が望ましい。ここで言う、「状況」というのは、例え
ば、周囲の壁などの障害物の場所のことである。例え
ば、行き止まりの廊下の一番奥にシステムが設置されて
いるような状態の場合、殆どの場合システムに近づいて
来る人は使用する人であると考えられる。ここでは、
「行き止まりの廊下の一番奥にシステムが設置されてい
る」というような状況を自動的に認識する方法について
述べる。検出したい情報は、人間にとって歩行するのに
制止/障害となる、例えば、壁などの固定された物体で
ある。これらの物体をあるタイミングで見つければ良
い。これには、例えば、本認識装置が付帯されているシ
ステムを設置するサービスマンやユーザなどが、何らか
の方法により直接システムに入力してやることも可能で
あるが、レイアウトの変更などのたびにいちいち入力/
設定し直さなければならず、面倒である。ここでは、こ
れらを自動的に認識していく方法を述べる。
【0083】前述の認識装置で記したセンサなどによ
り、測定可能な検出エリアにおいて、初期条件となる障
害物などのデータ(エリアデータ)を認識するために
は、以下の(a),(b),(c)の3つが考えられ
る。 (a)電源投入から所定時間経過後に検出される検出値
からエリアデータを記憶(規則的な受光・受信データに
基づく制止障害物データ) 電源が投入された時点から、あらかじめ定めておいた所
定時間後にセンサを起動させ、センサにより何らかの物
体が検出された場所を、固定物体(障害物)であると認
識して、記憶しておく方法である。電源が投入された直
後では、電源を投入した人がその傍におり、これを固定
物体であると認識してしまう可能性がある。そこで、電
源が投入され、しばらくした後(例えば1分後)にセン
サを起動させ、何らかを検知した場所を固定物体として
認識し、記憶する。
【0084】実施例の一つとして、前述のセンサによ
り、初期条件の設定を行う場合を説明する。図1及び図
2には、本認識装置が付帯してあるシステム(OA機器
1または画像形成装置5)とセンサ2の構成が示されて
いる。ここでは、システムに複数の各方向に対してセン
サを向けて取付けてある。このシステムがユーザにより
電源を投入された場合、例えば、本認識装置の電源がそ
のシステムの電源と共有されているなどして、電源が投
入されたタイミングが何らかの手段により容易に分かる
ので、本認識装置などにタイマーを設置しておき、さら
かじめ設定された所定の時間、例えば、1分後に各セン
サが起動し、所定の測定を行わせる。これらセンサは、
少なくとも何らかの物体が、どの方向にどの位の距離に
あるかを測定できるものであり、例えば、図4及び図5
のような場合、何らかの物体が観測された方向と距離の
組合せで示され、〜○13、○15〜○19の所に、
障害物があるものとして認識し、これを記憶しておく。
【0085】(b)電源投入から所定タイミング毎に検
出される検出値からエリアデータを所定タイミング毎に
記憶更新 電源が投入された時点から、あらかじめ定めておいた所
定時間毎にセンサを起動させ、前回に測定した際のセン
サの検知状況と今回の検知状況を比較して、固定物体が
どこにあるかを認識し、記憶更新する方法である。固定
物体は、レイアウト変更などによる状況の変化が人為的
に起こされない場合以外、センサによる検知を何度行っ
ても同じ場所に検知されるはずである。一方、たまたま
近くにいた人など、本来は障害物ではない場合には、最
初はセンサにより観測されるが、次の測定時には既にそ
こを去り、観測されないはずである。よって、例えば、
5分毎にセンサから検知状況を得て、過去の検知状況を
覚えておき、いつも同じ場所に検知されるものは、固定
物体であると認識する方法である。所定のタイミング
は、常時つまり最小限の間隔で観測をしなくてもよい。
但し、単にエリアデータを取得するのみであるならば、
常時観測する必要は特になく、ある程度の間隔をおいて
測定すればよい。例えば、常時何らかの判断をするため
にセンサを起動させているのであれば、それを流用し、
常時エリアデータを更新していけば、より確実である
が、他に特に常時観測しておく必要がなければ、ある程
度の間隔をおいて測定したほうが、省電力の効果が得ら
れる。
【0086】この方法を実現するにあたっては、過去の
検知状況は、少なくとも1回は記憶しておく必要があ
る。しかし、複数回を記憶しておいてもよく、この方が
認識精度は高まる反面コストが高くなる。過去の検知状
況を1回のみ記憶しておく場合、記憶しておいた以前の
検知状況が、例えば、θ=15度、距離=3mとθ=8
0度、距離=2mの所であったとし、所定時間後である
今回測定した検知状況では、30度、4mと80度、2
mであったなら、同じ所に検知された80度、2mの部
分には何らかの固定物体(障害物)があると認識/判断
する。そして、過去の検知状況として30度、4mと;
80度、2mを記憶しておく。
【0087】また、複数回の検知状況を記憶しておく場
合も、ほぼ同様に判断をすれば良い。例えば、5回分の
状況を記憶しておく場合、最近3回以上連続で同じ場所
に検知された所には、確実に固定物体があると判断し、
連続ではないが、今回測定分を含め6回の検知状況で4
回以上検知された場所には障害物となりえるものがある
と判断する。このようにすることにより、より正確に障
害物であるか否かがわかることになる。これにより、壁
などの本当に静止物体である物以外にも、例えば、本認
識装置が付帯されたシステムの近くに、例えば、ワープ
ロなどが設置されており、そのワープロを使用する人間
がセンサに検知される場合、つまり、本来は移動物体な
どではあるが何らかの都合により一時的にシステムにと
っての障害物となる場合などにも対処でき、正しい設置
環境つまり初期条件を得ることができる。
【0088】(c)所定条件の時に検出される検出値か
らのエリアデータを記憶(所定条件毎にエリアデータ記
憶更新) エリアデータを認識するタイミングを所定の条件が満た
されたときに限って行う方法である。所定の条件とは、
基本的に周りに人がいない状況のことである。センサ自
体は一定もしくは不定期に起動させておいてもよいが、
エリアデータを認識すべきなのかどうかを所定の条件と
照らし合せて認識を行い、記憶しておく。所定条件とし
ては、以下のような4つの場合が考えられる。
【0089】(i)非使用時 本認識装置が付帯されているシステムが稼働していな
い、つまり誰も使っていないときに測定/認識を行う。
システムが稼働していない時には、基本的に近くに人が
いないと考えられる。つまりその時点で測定すれば、何
らか検知された場所に障害物があると判断してもよい。
この場合、一回の測定で、その時に何らか検知された場
所を障害物であると認識しても良いし、何回か測定し
て、多数検知された場所を障害物であるとしてもよい。
【0090】(ii)人がいない夜間:タイマー 通常のオフィスなどでは、夜間は人がいない。よって、
この時に測定/認識を行う。夜間などの人のいない時間
にタイマーなどによりセンサを起動させ、何らかの物体
が検知されたならば、それは壁などの障害物であること
が想定される。また、タイマーのみではなく、照明の明
るさなどによって、人がいない状態であることをより確
実に判断することも可能である。例えば、具体的な時間
の設定としては、デフォルトで夜中の3時、変更したい
場合はユーザにより行えるようにしておいても良いし、
別の用途でシステムに組み込まれているON/OFFタ
イマと連動させ、OFF時、もしくはOFFされる直
前、自動的にONされた直後などに設定しても良い。こ
の場合、最低限一回の測定でよく、その時に何らか検知
された場所を障害物であると識別しても良いし、念のた
め人のいない夜間などの時間の間に、何回か測定して、
多数検知された場所を障害物であるとしてもよい。
【0091】(iii)休日:ウィークリータイマー 通常のオフィスでは、休日には人がいない。よって、こ
の時に測定/認識を行う。日曜日など、人のいない日に
カレンダー(ウィークリータイマー)などによりセンサ
を起動させ、何らかの物体が検知されたならば、それは
壁などの障害物であると想定される。具体的な時間の設
定は、デフォルトで日曜日、変更したい場合はユーザに
より行えるようにしておいても良い。この場合、最低一
回の測定でもよく、その時に何らか検知された場所を障
害物であると認識しても良いし、何回か測定して、多数
検知された場所を障害物であるとしてもよい。
【0092】(iv)初期条件設定手段ON ここでは初期条件設定のための手段をユーザに閉放する
ものであり、例えば、「初構条件設定ボタン」のような
操作ボタンを装置に付けておき、サービスマンやユーザ
/管理者などがレイアウトなど決定して、初期条件を設
定すべきであると判断したときに、明示的にこのボタン
を押してもらうことによって、初期条件を認識/設定す
る方法である。しかし、ボタンを押した直後では、押し
た人が装置の目の前にいるので、カメラなどによく使用
されているセルフタイマーのように、数秒後に設定され
るようにあらかじめ設定しておき、その間にボタンの操
作者はセンサの検知範囲外に退避してもらうようにすれ
ばよい。また、赤外線リモコンなどを使用して、離れた
場所から本手段を動作させられるようにしておいてもよ
い。
【0093】次に、マシン設置環境による「使う/使わ
ない」又は「使用中/使い終わった」の早期識認の仕方
について説明する。初期条件設定に基づくマシン設置環
境データ(エリアデータ)からマシン(装置)が隅に設
置されたと認識したならば、設定されている検出測定エ
リア内に測定対象物体(移動物体)が進入しただけで
「使う」ものと認識することができる。すなわち、マシ
ンの設置環境により、単純に人が来ればその人は必ず使
う人である場合が考えられる。例えば、行き止まりの通
路の一番奥にマシンを設置した場合、近くに来る人は使
う人であると考えてよい。
【0094】マシンの設置環境(エリアデータ)は、前
述の方法により得ることが可能であり、この時、基本的
にはマシンの前を人が物理的に通過/行き過ぎることが
できるかどうかが問題となり、エリアデータよりこれを
判断していて、物理的に人がマシンの前を通過して行っ
てしまうことが不可能な場合には、単純に距離センサな
どにより、人が近くにいるかどうかを見て、近くに来た
ならばその人は「使う人」と判断する。また、もしセン
サを多方向に向けた複数を具備しているような構成にし
た場合、障害物として判断された方角を測定するセンサ
に限っては、動作させないようにして、省電力を図れる
という効果もある。
【0095】近づく人の殆どが「使う人」であると判断
できる条件である、マシンの前を人が物理的に通過/行
き過ぎることができないような状況とは、マシンが行き
止まりの地点に設置されている場合である。マシンが行
き止まりにあるという状況は、例えば、行き止まりの通
路の奥や、2面が壁でその角に置かれているような場合
が考えられる。マシンの正面のみが通行可能であるか、
もしくは、横(右又は左)などの方向だけが通行可能で
あるような場合、このような認識/判断を行う。このよ
うなことにより、設置環境に一定の制約はあるが、特に
難しいことがなく、早期で確実に簡単に、「使う人」の
判断が可能となる。
【0096】なお、以上には、近づいて来る人に対し
「使う/使わない」を認識判断する例を述べたが、去る
人に対し「使用中/使い終わった」を認識する方法も全
く同様な考え方で実現可能であることは言うまでもな
い。
【0097】次に、測定対象物体(移動物体)の「使う
/使わない」又は「使用中/使い終わった」の認識方法
について説明する。 (A)CCDからの画像信号を処理した画像データによ
り顔又は体の向きを判断し、「使う/使わない」又は
「使用中/使い終わった」かを認識する。人間が通路や
部屋の中に置かれているシステム(装置)を使用しよう
と近づいて来る場合、通常そのシステムに向かってなる
べく真っ直ぐに到達しようとする。つまり、システムか
ら見れば使用するために来る人は、体が正面を向きなが
ら歩いてくると考えてよい。但し、歩いて来るまでの空
間の広さ/狭さによっては、体は真っ直ぐシステムを向
いてなくて近づいて来る場合も考えられるが、少なくと
もある時点で、よほど無意識でないかぎり、システムを
見る。よって、このことを検知すれば、その人が使うた
めに近づいて来る人なのか、そうでないのか想定でき
る。体の向きや、顔の向きを検出するためには、CCD
等による画像データを処理して認識すればよい。
【0098】体の向きが正面を向いているかどうかは、
例えば、肩の線を抽出し、それが水平に近ければ正面を
向いていることが分かるし、傾いていれば正面を向いて
いないことが分かる。また、横を向いている人の状態の
画像では、胸などの体の正面部分は非常に小さく映るの
で、このことによっても、正面を向いているかどうか分
かる。
【0099】顔の向きが正面を向いているかどうかは、
鼻の形や、両目/耳を結ぶ線やどの程度映っているかな
どにより判断できる。これらによって得られる向きは、
例えば、角度などの数値化されたデータとしても抽出可
能であり、あらかじめ設定しておいたしきい値と比較し
て、「向いている/向いていない」の2値を出力するこ
とも可能である。これらのデータ抽出処理は、従来より
用いられている一般的な画像処理の技術を使用すれば問
題なく実現可能である。
【0100】単純に撮影された人物の体/顔の向きが本
認識装置に直面していることが観測されたならば、直ち
にその人は「使う人」であると判断することも可能であ
る。しかし、十分な精度ではない。そこで、例えば、カ
ウンタを設け、こちらを向いていたと観測される回数を
記憶しておき、あらかじめ設定しておいた回数分だけ観
測されたときに「使用中」であると判断しても良い。よ
り精度を高めるためには、「向いている/向いていな
い」の2値ではなく、角度などで示される数値データ
(列)を取り扱う必要がある。
【0101】このパラメータの処理方式としては、以下
に述べるような方法が考えられる。 (i)表参照方式 あらかじめ「使用中」の取りうる行動パターンを観測
し、ある時間内で観測されるデータ列を見つけておき、
それを記憶しておく。例えば、3回の観測されたデータ
列で、[5,3,0]、もしくは[−2,1,−1]で
あれば、「使用者」のパターンであるというように記憶
しておく。記憶方法としては、例えば、今の例では3組
のデータで示されるので、3次元の表として (x=5,y=3,z=0)=「使用者」フラグ などのようにして記憶しておけばよい。認識判断時に
は、刻々と観測されるデータをこれら記憶しておいた表
を引いてくることにより、「使用者」フラグが立ってい
れば「使用者」であると判断すればよい。
【0102】(ii)評価関数方式 あらかじめ「使用者」の取りうる行動パターンを観測
し、データ列におけるいくつかのデータをパラメータと
して、重み関数を付加した評価関数を設定させる例え
ば、d1,d2,d3,d4として順に得られるデータ
列に対し、 k1*d1+k2*d2+k3*d3+k4*d4 のような評価関数を設定する。例えば、k1=0.5、
k2=0.6、k3=0.8、k4=1のように設定さ
れた場合、認識判断時に、d1=80、d2=80、d
3=85、d4=90が観測されたとすると、評価関数
式により246が得られる。また、d1=80、d2=
90、d3=80、d4=75と観測されたとすると評
価関数式により233が得られる。向きを表す観測デー
タが、対象人物が真横を向いているとき0、正面を向い
ているときは90が得られるようなものであった場合、
前者は徐々に正面を向いている例であり、後者は途中で
方向を変えたかもしくは横切ろうとしているかの例であ
る。ここで評価関数式によって得られた数値に対してあ
らかじめ適度に設定されたしきい値とを比較し「使う」
のか否かを判断する。例えば、しきい値を240とする
と、前者の例では「使う人」と判断され、後者の例では
「使う人ではない」と判断される。また、前記例では、
k*dというような単純な例であるが、dは観測された
角度などの向きその物でなくてもよく、例えば、d2−
d1を一つのデータとしたりすることも可能である。
【0103】(iii)ファジィ推論方式 前記(ii)評価関数方式での例にもあるように、例え
ば「徐々に正面を向いてくる」場合や、「一定して正面
を向いてくる」場合などは「使用する人」である。ま
た、「突如として方向が逸れていく」場合などは、逆に
「使用しない人」であることがわかる。このような自然
言語的なルールを多数用意し、これらの“徐々に”や
“正面”などというあいまいな言語をファジィ諭理のメ
ンバーシップ関数によって表現することによって、ファ
ジィ推論による認識判定が行えるようになる。
【0104】(iV)ニューラルネット方式 あらかじめ「使う人」のデータ列から得られる特徴を入
力として、ニューラルネットに学習させておき、認識判
断時には観測されたデータ列を入力として「使う/使わ
ない」の出力によって認識判定する。なお以上には、近
づいて来る人に対し「使う/使わない」を認識判断する
例を述べたが、去る人に対し「使用中/使い終わった」
を認識する方法も全く同様な考え方で実現可能であるこ
とは言うまでもない。
【0105】(B)CCDからの画像信号を処理した画
像データより、使用者が同一人物であるか否かにより
「使用中/使い終わった」かを認識する。CCDなどか
ら得られる画像情報(データ)を基に画像処理を行い、
使用者の各種の特徴を収集/記憶しておき、次に測定さ
れた使用者の同様にして抽出された特徴と比較して、同
一人物で或るか否かを判断し、別の人物であれば前の使
用者は既に使い終わったと判断する。
【0106】まず、同一人物であるか否かを判断する手
法としては、以下のようにすればよい。使用中である人
物の特定部分付近の画像データを撮影しこれを保持す
る。CCDのシステムへの付帯させ方にもよるが、使用
中の使用者の顔付近の画像を撮影しても良いし、全体を
撮影してもよい。また、近づいて来る前に既に撮影して
おいても良い。このようにして撮影された画像データに
対して、各種の特徴を抽出する。例えば、顔付近を撮影
するようにした場合、顔の丸さを表すような顔の縦長/
横長や、目の離れ具合、鼻と口との距離、髪の毛の大き
さ、眼鏡の有無等を特徴量として抽出する。大きさや長
さなどに関連したパラメータは、画像レベルでの正規
化、もしくはパラメータとして抽出する際のパラメータ
決定式に正規化するようにさせるなどのことは当然であ
り、技術的にも通常頻繁に用いられている。つまり、画
像を撮影する際に、その時によって、同じ人でも小さく
映ってしまう場合や大きく映ってしまう場合がある。例
えば、遠くにいるうちに撮影してしまえば小さく映る。
その時の被写体までの距離を計算してアフィン変換など
の処理を画像データに施しても良いし、画像から得られ
た、例えば、顔の幅の画素数などに対して、距離の補正
を施しても良しい、また、被写体までの距離が分からな
い場合は、顔の丸さ(顔の縦長/横長)のような距離に
は不変の特徴量を使用しても良い。
【0107】また、同一人物であるか否か判断された場
合、どのようにして「使用中/使い終わった」かを判断
するには、ある一定時刻内で同一人物であると判断され
る人が来た場合には、使用中であると認識し、同一人物
でないと判断された人物が来た場合には既に前の人は使
い終わったと認識する。
【0108】次に、測定対象物体(移動物体)の固体の
認識方法について説明する。測定対象物体の特徴デー
タ、例えば、CCDからの画像信号を処理した画像デー
タにより、身長、体重、性別、顔(大きさ、形、髪形、
眼鏡など)、服装(形、色)などを判別し、測定対象物
体(移動物体)の固体を認識する。これは、本認識装置
の付帯しているシステムを使用する人が、誰であるかを
認識しようとするもので、CCDなどによる画像入力装
置により得られた画像情報(データ)を処理して、その
人の特徴的なパラメータを抽出し、あらかじめ入力/記
憶しておいた個人別の標準特徴辞書を参照して、それら
の中のどの人かを認識/判断する。識別技術は古くから
存在し、例えば、文字認識などで実用化されている。既
個人特定化識別においても、同様の技術/原理で行え
る。
【0109】原理を簡単に説明すると、あらかじめ辞書
と呼ばれる特定化すべきものの特徴について記述したも
のを用意し、観測された入力データの特徴を抽出し、辞
書の各内容と比較して、最も特徴が合致しているもの
を、特定されたものとするわけである。また、このよう
な識別論的なアプローチのほかにも、表参照方式、評価
関数方式、確信度計算方式、ファジィ推論方式、ニュー
ラルネット方式なども知られている。
【0110】個人を識別するためのデータとして、あら
かじめ登録しておかなければいけない個人に関する情報
つまり特徴は、画像処理などによって得られる特徴であ
れば何でもよいが、個人を見分けるのに良いものでなけ
ればならない。例えば、身長、体重(体積)、性別、体
や顔の大きさや形、眼鏡の有無などが考えられる。身長
は画像データより頭から爪先までの画素数を実際の長さ
に変換することにより得られる。これは対象物体までの
距離がわかっているはずなので、変換は容易である。頭
および爪先も見つけだすことは、2値化やフィルター処
理などの通常の画像処理技術や知識工学をもってすれば
実現可能である。性別は、髪の毛の形状や、覆き物、化
粧の有無、などを画像処理により得ることにより判別可
能である。画像データによって個人を特定するのに有効
とされ、よく用いられているのは、顔の特徴である。例
えば、目の離れ具合、目の形、顎の輪郭、などのよう
に、各部品間の関係や個々の部品の形状などがよく使用
される。
【0111】測定対象物体(移動物体)が検出測定エリ
ア内に複数存在する場合の「使う/使わない」の認識を
行う際の方法について述べる。ここでは、距離データの
みで判断する場合と距離データと方向データで判断する
場合があるが、まず距離データのみで判断する場合を述
べる。ここの例では説明を簡潔にする為に、移動物体が
2つの場合を説明していく。
【0112】まず、2つの移動物体が共に装置に近付く
場合を考える。まず、2つの移動物体が同方向から近付
く場合には、認識装置から見て距離の長い方が短い方の
陰に入ってしまう為に測定は不可能である。よって、こ
の場合には距離の短い方のみのデータで認識を行うこと
とする。また、他方向から各々接近する場合には、赤外
線を脈動発光し、その赤外線の返ってくる光量を光量計
で捉えることにより、2つ以上の他方向の物体から返っ
てきた赤外線の脈動発光の1周期における量の変化は、
図29のように山が二つの複合の山になる。これをニュ
ーロ等の判断手段を用いて判断することによって、複数
の移動物体を識別することが出来るようになる。このデ
ータを使用して使用者かどうかの判断を各々行う。
【0113】次に、一方が近付き、他方が通り過ぎる場
合を考える。この場合、通り過ぎる移動物体が近付く物
体の影になったり、影にされたりする場合が考えられ
る。他の場合には前記の方法により、2つの移動物体は
識別出来るので、この時の処理方法を述べる。まず、近
付く移動物体の前を他の移動物体が横切る場合は、横切
った移動物体はそのまま判断を行い、近付く移動物体に
関しては、影に入る前のデータを元にして、影に入って
いる限りその移動を予測する。その後、影から出た時点
で再度追跡を開始する。次に、近付く移動物体の後ろを
他の移動物体が通り過ぎる場合であるが、近付く移動物
体に関してはそのまま判断を行い、横切った移動物体は
影に入る前のデータを元にして、影に入っている限りそ
の移動を予測する。その後、影から出た時点で再度追跡
を開始するが、優先的に判断を行うのは近付く移動物体
である。使用者以外の移動物体が存在する場合には、使
用者と他の移動物体が距離的に入れ替わったと判断した
時から、装置を使用するかの判断を優先的に行う対象を
現在までの使用者から、移動物体へと変更する。
【0114】次に、距離データと方向データで判断する
場合について述べる。まず、2つの移動物体が近付いて
くる場合には、同方向からの場合と異なる方向からの2
通りあるが、同方向からの場合は一方が他方の影に入っ
てしまう為、センサによる検出が不可能になるので、画
像形成装置に近い移動物体の距離と方向のデータから判
断を行う。また、途中に影から出て検出された場合に
は、新たに出現した物として判断する。次に、別々の方
向から近付く場合には、異なるセンサが各々検出する為
に、別々の移動物体として捉えることができるので、各
々の動きから装置を使用するのか否かを各々判断する。
この場合、画像形成装置に距離的に近い方を先に判断す
ることとする。
【0115】次に、一方が近付き、他方が通り過ぎる場
合を考える。この場合、通り過ぎる移動物体が近付く物
体の影になったり、影にされたりする場合が考えられ
る。他の場合には前記の方法により、2つの移動物体は
識別出来るので、この時の処理方法を述べる。まず、近
付く移動物体の前を他の移動物体が横切る場合は、横切
った移動物体はそのまま判断を行い、近付く移動物体に
関しては、影に入る前のデータを元にして、影に入って
いる限りその移動を予測する。その後、影から出た時点
で再度追跡を開始する。次に、近付く移動物体の後ろを
他の移動物体が通り過ぎる場合であるが、近付く移動物
体に関してはそのまま判断を行い、横切った移動物体は
影に入る前のデータを元にして、影に入っている限りそ
の移動を予測する。その後、影から出た時点で再度追跡
を開始するが、優先的に判断を行うのは近付く移動物体
である。ここでは、判断する場合の優先順を装置からの
距離の近い物体からとし、次に同じ距離の場合は、近付
き方の早い物からとする。以上の方法で装置を使用しよ
うとしているのかを判断する際の基本的考え方とするこ
とで、確実な判断を行っていくことができるようにな
る。
【0116】次に、本発明によるパラメータの処理方
法、すなわち、測定対象物体(移動物体)の「使う/使
わない」又は「使用中/使い終わった」の認識方法につ
いて説明する。
【0117】
【実施例1】この実施例は、脈動発光により認識手段と
測定対象物体(移動物体)までの「距離r」を検出(距
離データ)し、「距離r」を時系列で演算した「求心方
向速度Vb」から「使う/使わない」又は「使用中/使
い終わった」を認識するものである。
【0118】パラメータ処理方式としては、次の3つの
方式が考えられる。 (i)表参照方式 (ii)ファジー方式 (iii)ニューラル・ネットワーク方式
【0119】
【概略】脈動発光による距離センサにより、センサと人
までの「距離r」(距離データ)を常に検知しており、
センサからの距離r1の内側を、人認識判断領域Aと
し、領域Aに人が入り込んだとき、この人が、「使う/
使わない」かを、判断する。
【0120】
【構成・動作】図3のパラメータ抽出部8から図3の記
憶装置13に図30の画像形成装置5からの距離r、求
心速度が書き込まれる。図3の認識判断部9において、
図31における画像形成装置5からの距離r1の領域を
領域Aとし、この領域Aへの進入速度Vxにより認識判
断を行う。進入速度Vxは、検出部方向の求心速度であ
り、進入時の距離r、進入からt時間後の距離rxt
より演算により求まるパラメータで、 Vx=rxt−r/t …式19 により求められる。
【0121】以下に一例を上げて説明する。図31にお
いて、通過者Sは、図のような方向の人の動きの軌跡を
たどる。この軌跡が、領域Aに入らない場合は、使用し
ないと判断する。この軌跡が、領域Aに入った場合、ポ
イントPx1での求心速度Vxは、実速度Vに対してθ
(cosθ<1)の角度を持つため Vx=V・cosθ …式20 となる。
【0122】これに対し、使用者Tは、図のような方向
の人の動きの軌跡をたどる。使用者Tは、画像形成装置
5に向かって動くため、領域Aに入った場合、ポイント
x1での求心速度Vxは、式20のcosθは、ほぼ
1となり、 Vx=V …式21 となる。
【0123】通過者Sと使用者Tの認識判断は、判定基
準Vref.に対してどうかにより行う。画像形成装置
5が置かれた環境に応じて人が領域Aに入る速さが変わ
ったり、領域Aに入る角度が変わったりするため学習機
能を有する。
【0124】次に、判断過程をフロー図32で説明す
る。まず、ステップ1で人が領域Aに入ったかどうか判
定をする。判定結果がNOであれば、ステップ1を繰り
返し、YESであれば、ステップ2で求心速度Vxと基
準速度Vref.の比較を行い、YESであれば、通過
者と判定してステップ3へ行く。NOであれば、使用者
として判定する。ステップ3では、スイッチが押された
かどうか(使用されたかどうか)の判定を行い、NOな
らステップ4へ行く。YESならステップ5へ行き、V
ref.の値を変え、使用者として判定する。ステップ
4では領域Aを出たか判定を行い、NOなら繰り返し、
YESならステップ1に戻る。
【0125】次に、基準速度Vref.の変更過程をフ
ロー図33で説明する。まず、ステップ1でメモリーバ
ッファBufの内容を1増加させる。ステップ2でメモ
リーバッファBufの内容が10になったか判定し、Y
ESであれば、Vref.の値を1ステップ増加させ、
メモリーバッファBufの内容を0にリセットしVre
f.の変更を終了する。NOであれば、Vref.の変
更を終了する。
【0126】使用者として判定しても通過者であること
もある。この場合は基準時間T後になってもスイッチ操
作がなければ通過者判定としVref.の変更を行う。
次に、使用者として判定した後に、装置を使用しなかっ
た場合のVref.の変更過程をフロー図34で説明す
る。まず、ステップ1でメモリーバッファBufの内容
を1減少させる。ステップ2でメモリーバッファBuf
の内容が−10になったか判定し、YESであれば、V
ref.の値を1ステップ減少させ、メモリーバッファ
Bufの内容を0にリセットし、Vref.の変更を終
了する。NOであれば、Vref.の変更を終了する。
【0127】次に、ファジィ演算装置を使用した例を図
35に示す。ファジィ演算装置30は、Vref.との
差分(ΔV=Vx−Vref.)とその差分の頻度を入
力とし、Vref.変更量を出力する。
【0128】図36は、ファジィ演算処理の概念を説明
するための具体例を示す図で、ファジィ演算装置30の
一部の機能を模式的に図示したものである。例えば、図
36Aの「もし、ΔVが大で、そのときの発生頻度が大
であるとVref.変更量は大である」において、「ΔVが
大」「発生頻度が大」をメンバーシップ関数によって、
そのときの集合図を36Aの(1)(2)のように定義
する。
【0129】上記メンバーシップ関数(1)(2)とい
きい値を意味する縦の鎖線との交点により「ΔVが大」
「発生頻度が大」である集合の確度が求められる。この
確度の最小値を求め、上記「Vref.変更量は大」集
合を定義しているメンバーシップ関数(3)の値に対し
て、該最小値を越える部分を削除することにより、図3
6AによるVref.変更量の集合が求められる。同様
に、図35B,Cからも各々Vref.変更量の集合
(6),(9)が求められ、該Vref.変更量の集合
(3)(6)(9)の最大値を最終的な関数値とする関
数(10)を作成し、該関数(10)の重心を図36
A,B,Cにより決定されるVref.変更量の値とす
る。ファジィ演算装置30からのVref.変更量によ
って現在のVref.値を変更する
【0130】次に、ニューラル・ネットワークを使用し
た例を図37に示す。ニューラル・ネットワーク31は
予め実験等によって得られた状態を表すパラメータを教
師値として学習済みとする。ニューラル・ネットワーク
31は、Vref.との差分(Vx−Vref.)とそ
の差分の頻度を入力として、Vref.変更量を出力
し、このVref.変更量によって現在のVref.値
を変更する。
【0131】この実施例によると、以下の効果がある。
脈動発光による距離センサにより、センサと人までの
「距離r」(距離データ)を常に検知し、センサからの
距離r1の内側の領域に人が入り込んだときの求心速度
により、「使う/使わない」かを、判断することができ
るため無駄な動作をさせなくてすむ。また、設置環境の
バラツキに付いては、設置後の適応機能により、柔軟に
対応が出来る。設置後の適応機能においては、表参照方
式を用いることにより、ハード部の簡略化が計れる。ま
た、ファジィ演算装置を用いることにより、表参照方式
に比べより最適な適応が可能となる。また、ニューラル
ネットワークを用いることにより、さらに、最適な適応
が可能となる。
【0132】
【実施例2】この実施例は、脈動発光により認識手段と
測定対象物体(移動物体)までの「距離r」を検出(距
離データ)し、「距離r」を時系列で演算した「求心方
向速度変化量ΔVb」から「使う/使わない」又は「使
用中/使い終わった」を認識するものである。
【0133】パラメータ処理方式としては、次の3つの
方式が考えられる。 (i) 表参照方式 (ii)ファジー方式 (iii)ニューラル・ネットワーク方式
【0134】
【概略】脈動発光による距離センサにより、センサと人
までの「距離r」(距離データ)を常に検知しており、
センサからの距離r1の内側を、人認識判断領域Aと
し、領域Aに人が入り込んだときの求心速度Vと、セ
ンサからの距離r2とr1の内側を、人認識判断領域B
とし、領域Bに人が入り込んだときの求心速度Vとの
比較により、この人が、「使う/使わない」かを、判断
する。
【0135】
【構成・動作】図3のパラメータ抽出部8から図3の記
憶装置13に図30の画像形成装置5からの距離r、求
心速度が書き込まれる。図3の認識判断部9において、
図38における画像形成装置5からの距離r1の領域を
領域A、距離r1から距離r2の領域を領域Bとし、こ
の領域A及び領域Bへの進入速度Vx、Vxにより
認識判断を行う。進入速度Vxは検出部方向の求心速度
であり、進入時の距離r、進入からt時間後の距離r
xtより演算により求まるパラメータで、 Vx=rxt−r/t …式22 により求められる。以下に、一例を上げて説明する。図
38において、通過者Sは、図のような方向の人の動き
の軌跡をたどる。この軌跡が、領域Bに入らない場合
は、使用しないと判断する。この軌跡が、領域Bに入っ
た場合、ポイントPx10での求心速度Vx10は、実
速度Vに対してθ(cosθ<1)の角度を持つため Vx10=V・cosθ …式23 となる。その後、この軌跡が、領域Aに入らない場合
は、使用しないと判断する。
【0136】軌跡が、領域Aに入った場合、ポイントP
x11での求心速度Vx11は、実速度Vに対してθ
(cosθ<1)の角度を持つため、 Vx11=V・cosθ …式24 となる。
【0137】これに対し、使用者Tは、図のような方向
の人の動きの軌跡をたどる。使用者Tは、画像形成装置
5に向かって動くため、領域Bに入った場合、ポイント
x20での求心速度Vx20と、領域Aに入った場
合、ポイントPx21での求心速度Vx21は、式2
3、式24のcosθは、ほぼ1となり、 Vx20=Vx21=V …式25 となる。
【0138】通過者Sと使用者Tの認識判断は、領域B
に入った時の求心速度Vxと、領域Aに入った時の求
心速度Vxとの比較により行う。画像形成装置5が置
かれた環境に応じて人が領域A、領域Bに入る速さが変
わったり、領域A、領域Bに入る角度が変わったりする
ため学習機能を有する。
【0139】次に、判断過程をフロー図39で説明す
る。まず、ステップ1で人が領域Bに入ったかどうか判
定をする。判定結果がNOであれば、ステップ1を繰り
刷し、YESであれば、Vxを演算する。ステップ2
で人が領域Aに入ったかどうか判定をし、判定結果がN
Oであれば、ステップ3で領域Bを出たかどうか判定を
する。ステップ3の判定結果がNOであれば、ステップ
2へ行き、YESならば、ステップ1へ戻る。ステップ
2の判定結果がYESであれば、Vxを演算する。ス
テップ4で求心速度Vxと求心速度Vxの速度変化
量と基準変化量Vref.の比較を行い、YESであれ
ば、通過者判定としステップ5へ行く。NOであれば、
使用者として判定する。ステップ5では、スイッチが押
されたかどうか判定を行いNOならステップ6へ行く。
YESならVref.の値を変え使用者として判定す
る。ステップ6では領域A,Bを出たか判定を行い、N
Oならステップ5を繰り返し、YESならステップ1に
戻る。
【0140】次に、Vref.の変更過程をフロー図4
0で説明する。まず、ステップ1でメモリーバッファB
ufの内容を1増加させる。ステップ2でメモリーバッ
ファBufの内容が10になったか否かを判定し、YE
Sであれば、Vref.の値を1ステップ増加させ、メ
モリーバッファBufの内容を0にリセットしVre
f.の変更を終了する。また、NOであれば、Vre
f.の変更を終了する。
【0141】使用者として判定しても通過者であること
もある。この場合は基準時間T後になってもスイッチ操
作がなければ通過者判定としVref.の変更を行う。
次に、この場合のVref.の変更過程をフロー図41
で説明する。まず、ステップ1でメモリーバッファBu
fの内容を1減少させる。ステップ2でメモリーバッフ
ァBufの内容が−10になったか判定する。YESで
あれば、Vref.の値を1ステップ減少させ、メモリ
ーバッファBufの内容を0にリセットし、Vref.
の変更を終了する。また、NOであれば、Vref.の
変更を終了する。
【0142】次に、ファジィ演算装置を使用した例を図
42に示す。ファジィ演算装置30は、Vref.との
差分(ΔV=Vx−Vx)とその差分の頻度を入力
とし、Vref.変更量を出力する。
【0143】図43は、ファジィ演算処理の概念を説明
するための具体例を示す図で、ファジィ演算装置の一部
の機能を模式的に図示したものである。例えば、図43
Aの「もし、ΔVが大で、そのときの発生頻度が大であ
るとVref.変更量は大である」において、「ΔVが大」
「発生頻度が大」をメンバーシップ関数によって、その
ときの集合を図43Aの(1)(2)のように定義す
る。
【0144】上記メンバーシップ関数(1)(2)とい
きい値を意昧する縦の鎖線との交点により「ΔVが大」
「発生頻度が大」である集合の確度が求められる。この
確度の最小値を求め、上記「Vref.変更量は大」集
合を定義しているメンバーシップ関数(3)の値に対し
て、該最小値を越える部分を削除することにより、図4
3AによるVref.変更量の集合が求められる。同様
に、図43B,Cからも各々Vref.変更量の集合
(6),(9)が求められ、該Vref.変更量の集合
(3)(6)(9)の最大値を最終的な関数値とする関
数(10)を作成し、該関数(10)の重心を上記図4
3A,B,Cにより決定されるVref.変更量の値と
する。このファジィ演算装置からのVref.変更量に
よって現在のVref.値を変更する。
【0145】次に、ニューラル・ネットワークを使用し
た例を図44に示す。ニューラル・ネットワーク31は
予め実験等によって得られた状態を表すパラメータを教
師値として学習済みとし、Vref.との差分(Vx−
Vref.)とその差分の頻度を入力として、Vre
f.変更量を出力する。このニューラル・ネットワーク
31からのVref.変更量によって現在のVref.
値を変更する。
【0146】この実施例によると、以下の効果がある。
脈動発光による距離センサにより、センサと人までの
「距離r」(距離データ)を常に検知し、センサからの
距離r1の内側の領域に人が入り込んだときの求心速
度、及び距離r1から距離r2の領域に人が入り込んだ
ときの求心速度により、「使う/使わない」かを、判断
することができるため無駄な動作をさせなくてすむ。ま
た、設置環境のバラツキに付いては、設置後の適応機能
により、柔軟に対応が出来る。設置後の適応機能におい
ては、表参照方式を用いることにより、ハード部の簡略
化が計れる。また、ファジィ演算装置を用いることによ
り、表参照方式に比べより最適な適応が可能となる。ま
た、ニューラルネットワークを用いることにより、さら
に、最適な適応が可能となる。
【0147】
【実施例3】この実施例は、脈動発光により認識手段と
測定対象物体(移動物体)までの「距離r」を検出(距
離データ)し、「距離r」を時系列で演算し「求心方向
速度Vb」を求め、次に、「距離r、求心方向速度V
b」から装置本体への測定対象物体(移動物体)の「予
想通過時間t1」と装置本体に対する測定対象物体(移
動物体)の「予想通過時間t2」とを演算し「使う/使
わない」又は「使用中/使い終わった」を認識する。
【0148】測定対象物体(移動物体)の「予想通過時
間t2」の測定ポイントとしては、例えば、 (i)装置本体操作部正面付近 (ii)所定の測定検出エリアに対する測定対象物体進
入ポイントと対向する側の前記測定検出エリア境界線上
付近がある。
【0149】パラメータ処理方式としては、次の3つの
方式が考えられる。 (i)表参照方式 (ii)ファジー方式 (iii)ニューラル・ネットワーク方式
【0150】
【概略】脈動発光による距離センサにより、センサと人
までの「距離r」(距離データ)を常に検知しており、
センサからの距離r2での求心速度Vxから、セサか
らの距離r1に到達するであろう時間t1とセンサから
の距離r1に到達した時間t2との比較により、この人
が、「使う/使わない」かを、判断する。
【0151】
【構成・動作】図3のパラメータ抽出部8から図3の記
憶装置13に図30の画像形成装置5からの距離r、求
心速度が書き込まれる。図3の認識判断部9において、
図45における画像形成装置5からの距離r2の領域を
領域Bに入った時の進入速度Vxから演算により求め
た画像形成装置5からの距離r1の領域Aに入るのにか
かる時間t1と、距離r2から距離r1の領域に実際に
かかった時間t2により認識判断を行う。進入速度Vx
は、検出部方向の求心速度であり、進入時の距離r
進入からt時間後の距離rxtより演算により求まるパ
ラメータで、 Vx=rxt−r/t …式26 となる。
【0152】次に、一例を上げて説明する。図45にお
いて、通過者Sは、図のような方向の人の動きの軌跡を
たどる。この軌跡が、領域Bに入らない場合は、使用し
ないと判断する。この軌跡が、領域Bに入った場合、ポ
イントPx10での求心速度Vxは、実速度Vに対し
てθ(cosθ<1)の角度を持つため Vx=V・cosθ …式27 となる。式27からポイントPx10からポイントPx
12に達する時間t1は t1=(r2−r1)/Vx …式28 となる。しかしながら、実際は、ポイントPx11の方
向に実速度Vで動いているため実時間t2>t1とな
る。
【0153】これに対し、使用者Tは、図のような方向
の人の動きの軌跡をたどる。使用者Tは、画像形成装置
5に向かって動くため、領域Bに入った場合、ポイント
x20での求心速度Vx02は、式27のcosθ
は、ほぼ1となり、 Vx02=V …式29 となる。このため、ほぼ、実時間t4=演算時間t3と
なる。
【0154】通過者Sと使用者Tの認識判断は、領域B
に入った時の求心速度Vxから演算される(r2−r
1)間にかかる時間t1,t3と、r1に入るまでにか
かった実時間t2,t4との比較により行う。画像形成
装置5が置かれた環境に応じて人が領域Aに入る速さが
変わったり、領域A、領域Bに入る角度が変わったりす
るため学習機能を有する。
【0155】次に、判断過程をフロー図46で説明す
る。まず、ステップ1で人が領域Bに入ったかどうか判
定をする。判定結果がNOであれば、ステップ1を繰り
返し、YESであれば、Vx,t1を演算する。ステ
ップ2で人が領域Aに入ったかどうか判定をする。判定
結果がNOであれば、ステップ3で領域Bを出たかどう
か判定をする。ステップ3の判定結果がNOであれば、
ステップ2へ行き、YESならば、ステップ1へ戻る。
ステップ2の判定結果がYESであれば、t2を計測す
る。
【0156】ステップ4で演算時間t1と実時間t2の
時間変化量と基準変化量tref.の比較を行い、YE
Sであれば、通過者判定としステップ5へ行く。また、
NOであれば、使用者として判定する。ステップ5で
は、スイッチが押されたかどうか(使用されたかどう
か)判定を行い、NOならステップ6へ行き、YESな
らtref.の値を変え使用者として判定する。ステッ
プ6では領域A,Bを出たか判定を行い、NOならステ
ップ5を繰り返し、YESならステップ1に戻る。
【0157】次に、tref.の変更過程をフロー図4
7で説明する。まず、ステップ1でメモリーバッファB
ufの内容を1増加させる。ステップ2でメモリーバッ
ファBufの内容が10になったか判定する。YESで
あれば、tref.の値を1ステップ増加させ、メモリ
ーバッファBufの内容を0にリセットしtref.の
変更を終了する。また、NOであれば、tref.の変
更を終了する。
【0158】使用者として判定しても通過者であること
もある。この場合は基準時間T後になってもスイッチ操
作がなければ通過者判定としVref.の変更を行う。
次に、この場合のVref.の変更過程をフロー図48
で説明する。まず、ステップ1でメモリーバッファBu
fの内容を1減少させる。ステップ2でメモリーバッフ
ァBufの内容が−10になったか判定する。YESで
あれば、Vref.の値を1ステップ減少させ、メモリ
ーバッファBufの内容を0にリセットし、Vref.
の変更を終了する。また、NOであれば、Vref.の
変更を終了する。
【0159】図49は、ファジィ演算装置を使用した例
を示す図で、ファジィ演算装置30は、差分ΔV=t2
−t1と差分の頻度を入力とし、Vref.変更量を出
力する。
【0160】図50は、ファジィ演算処理の概念を説明
するための具体例を示す図で、ファジィ演算装置30の
一部の機能を模式的に図示したものである。例えば、図
50Aの「もし、ΔVが大で、そのときの発生頻度が大
であるとVref.変更量は大である」において、「ΔVが
大」「発生頻度が大」をメンバーシップ関数によって、
そのときの集合図50Aの(1)(2)のように定義す
る。上記メンバーシップ関数(1)(2)といきい値を
意味する縦の鎖線との交点により「ΔVが大」「発生頻
度が大」である集合の確度が求められる。この確度の最
小値を求め、上記「Vref.変更量は大」集合を定義して
いるメンバーシップ関数(3)の値に対して、該最小値
を越える部分を削除することにより、図50AによるV
ref.変更量の集合が求められる。
【0161】同様に、図50B,Cからも各々Vre
f.変更量の集合(6),(9)が求められ、該Vre
f.変更量の集合(3)(6)(9)の最大値を最終的
な関数値とする関数(10)を作成し、該関数(10)
の重心を上記図50A,B,Cにより決定されるVre
f.変更量の値とする。このファジィ演算装置30から
のVref.変更量によって現在のVref.値を変更
する。
【0162】次に、ニューラル・ネットワークを使用し
た例を図51に示す。ニューラル・ネットワーク31は
予め実験等によって得られた状態を表すパラメータを教
師値として学習済みとする。このニューラル・ネットワ
ーク31は、差分ΔV=t2−t1と差分の頻度を入力
として、Vref.変更量を出力する。このニューラル
・ネットワーク31からのVref.変更量によって現
在のVref.値を変更する。
【0163】この実施例によると、以下の効果がある。
脈動発光による距離センサにより、センサと人までの
「距離r」(距離データ)を常に検知し、センサからの
距離r1の内側の領域に人が入り込んだときの求心速度
により求めたr2−r1間の演算時間t1と、実時間t
2により、、「使う/使わない」かを、判断することが
できるため無駄な動作をさせなくてすむ。また、設置環
境のバラツキに付いては、設置後の適応機能により、柔
軟に対応が出来る。設置後の適応機能においては、表参
照方式を用いることにより、ハード部の簡略化が計れ
る。また、ファジィ演算装置を用いることにより、表参
照方式に比べより最適な適応が可能となる。また、ニュ
ーラルネットワークを用いることにより、さらに、最適
な適応が可能となる。
【0164】
【実施例4】この実施例は、脈動発光により認識手段と
測定対象物体(移動物体)までの「距離r」を検出(距
離データ)し、「距離r」を時系列で演算し「求心方向
速度Vb」を求め、次に、「距離r、求心方向速度V
b」から装置本体への測定対象物体(移動物体)の「予
想通過時間t1」と装置本体に対する測定対象物体(移
動物体)の「予想通過時間t2」とを演算し、「使う/
使わない」又は「使用中/使い終わった」を認識するも
のである。
【0165】測定対象物体(移動物体)の「予想通過時
間t2」の測定ポイントは、例えば (i)装置本体操作部正面付近 (ii)所定の測定検出エリアに対する測定対象物体進
入ポイントと対向する側の前記測定検出エリア境界線上
付近である。
【0166】パラメータ処理方式としては、次の3つの
方式が考えられる。(i)表参照方式 (ii)ファジー方式 (iii)ニューラル・ネットワーク方式
【0167】
【概略】脈動発光による距離センサにより、センサと人
までの「距離r」(距離データ)を常に検知しており、
センサからの距離rでの求心速度Vから、センサか
らの距離rに到達するであろう時間t1を演算し、時
間t1後のセンサからの距離rとの比較により、この
人が、「使う/使わない」かを、判断する。
【0168】
【構成・動作】図3のパラメータ抽出部8から図3の記
憶装置13に図30の画像形成装置5からの距離r、求
心速度が書き込まれる。図3の認識判断部9において、
図52における画像形成装置5からの距離r2の領域を
領域Bに入った時の進入速度Vxから演算により求め
た画像形成装置5からの距離r1の領域Aに入るのにか
かる時間t1を演算し、時間t1後の画像形成装置5と
人の距離ryから認識判断を行う。進入速度Vxは検出
部方向の求心速度であり、進入時の距離r、進入から
t時間後の距離rxtより演算により求まるパラメータ
で、 Vx=rxt−r/t …式30 より求められる。
【0169】次に、一例を上げて説明する。図52にお
いて、通過者Sは、図のような方向の人の動きの軌跡を
たどる。この軌跡が、領域Bに入らない場合は、使用し
ないと判断する。この軌跡が、領域Bに入った場合、ポ
イントPx10での求心速度Vxは、実速度Vに対し
てθ(cosθ<1)の角度を持つため Vx=V・cosθ …式31 となる。
【0170】式31からポイントPx10からポイント
Px12に達する時間t1は t1=(r2−r1)/Vx …式32 となる。
【0171】しかしながら、実際は、ポイントPx11
の方向に実速度Vで動いているため時間t1後は距離r
1にはまた達していないためty<r1となる。これに
対し、使用者Tは、図のような方向の人の動きの軌跡を
たどる。使用者Tは、画像形成装置5に向かって動くた
め、領域Bに入った場合、ポイントPx20での求心速
度Vx02は、式31のcosθは、ほぼ1となり、 Vx02=V …式33 となる。このため、時間t1後は、ほぼ、距離ry=距
離r1となる。
【0172】通過者Sと使用者Tの認識判断は、領域B
に入った時の求心速度Vxから演算される(r2−r
1)間にかかる時間t1,t3と、時間t1,t3後の
人の位置ryと距離r1との比較により行う。画像形成
装置5が置かれた環境に応じて人が領域Aに入る速さが
変わったり、領域A、領域Bに入る角度が変わったりす
るため学習機能を有する。
【0173】次に、判断過程をフロー図53で説明す
る。まず、ステップ1で人が領域Bに入ったかどうか判
定をする。判定結果がNOであれば、ステップ1を繰り
返し、YESであれば、Vx,t1を演算する。ステ
ップ2で人が領域Aに入ったかどうか判定をする。ステ
ップ2の判定結果がNOであれば、ステップ3で領域B
を出たかどうか判定をし、NOであれば、ステップ2へ
行き、YESならば、ステップ1へ戻る。また、ステッ
プ2の判定結果がYESであれば、ryを計測し、ステ
ップ4へ行く。
【0174】ステップ4では、測定距離ryと距離r1
の距離変化量と基準変化量rref.の比較を行い、Y
ESであれば、通過者判定としステップ5へ行く。ま
た、NOであれば、使用者として判定する。ステップ5
では、スイッチが押されたかどうか判定を行い、NOな
らステップ6へ行き、YESならtref.の値を変え
使用者として判定する。ステップ6では領域A,Bを出
たか判定を行い、NOならステップ5を繰り返し、YE
Sならステップ1に戻る。
【0175】次に、rref.の変更過程をフロー図5
4で説明する。まず、ステップ1でメモリーバッファB
ufの内容を1増加させる。ステップ2でメモリーバッ
フアBufの内容が10になったか判定する。YESで
あれば、rref.の値を1ステップ増加させ、メモリ
ーバッファBufの内容を0にリセットしtref.の
変更を終了する。NOであれば、tref.の変更を終
了する。
【0176】使用者として判定しても通過者であること
もある。この場合は基準時間T後になってもスイッチ操
作がなければ通過者判定としrref.の変更を行う。
次に、この場合のrref.の変更過程をフロー図55
で説明する。まず、ステップ1でメモリーバッファBu
fの内容を1減少させる。ステップ2でメモリーバッフ
ァBufの内容が−10になったか判定する。YESで
あれば、rref.の値を1ステップ減少させ、メモリ
ーバッファBufの内容を0にリセットし、rref.
の変更を終了する。NOであれば、rref.の変更を
終了する。
【0177】次に、ファジィ演算装置を使用した例を図
56に示す。ファジィ演算装置30は、差分(ΔR=r
y−r1)と差分の頻度を入力とし、Vref.変更量
を出力する。
【0178】図57は、ファジィ演算処理の概念を説明
するための具体例を示す図で、ファジィ演算装置30の
一部の機能を模式的に図示したものである。例えば、図
57Aの「もし、ΔRが大で、そのときの発生頻度が大
であるとrref.変更量は大である」において、「ΔRが
大」「発生頻度が大」をメンバーシップ関数によって、
そのときの集合図57Aの(1)(2)のように定義す
る。
【0179】上記メンバーシップ関数(1)(2)とい
きい値を意味する縦の鎖線との交点により「ΔRが大」
「発生頻度が大」である集合の確度が求められる。この
確度の最小値を求め、上記「rref.変更量は大」集
合を定義しているメンバーシップ関数(3)の値に対し
て、該最小値を越える部分を削除することにより、図5
7Aによるrref.変更量の集合が求められる。同様
に、図57B,Cからも各々rref.変更量の集合
(6),(9)が求められ、該rref.変更量の集合
(3)(6)(9)の最大値を最終的な関数値とする関
数(10)を作成し、該関数(10)の重心を上記図5
7A,B,Cにより決定されるrref.変更量の値と
する。ファジィ演算装置からのrref.変更量によっ
て現在のVref.値を変更する。
【0180】次に、ニューラル・ネットワークを使用し
た例を図58に示す。ニューラル・ネットワーク31は
予め実験等によって得られた状態を表すパラメータを教
師値として学習済みとする。このニューラル・ネットワ
ーク31は、差分(ΔR=ry−r1)とこの差分の頻
度を入力として、rref.変更量を出力する。このニ
ューラル・ネットワークからのrref.変更量によっ
て現在のrref.値を変更する。
【0181】この実施例によると、以下の効果がある。
脈動発光による距離センサにより、センサと人までの
「距離r」(距離データ)を常に検知し、センサからの
距離r1の内側の領域に人が入り込んだときの求心速度
より求め、r2−r1間の演算時間t1と、時間t1後
の人の距離により、「使う/使わない」かを、判断する
ことができるため無駄な動作をさせなくてすむ。また、
設置環境のバラツキに付いては、設置後の適応機能によ
り、柔軟に対応が出来る。設置後の適応機能において
は、表参照方式を用いることにより、ハード部の簡略化
が計れる。また、ファジィ演算装置を用いることによ
り、表参照方式に比べより最適な適応が可能となる。ま
た、ニューラルネットワークを用いることにより、さら
に、最適な適応が可能となる。
【0182】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によると、接近速度と使用者か否かの関係をあらかじめ
記憶しており、装置本体へ物体が接近する接近速度を求
め、この接近速度を記憶されている関係と接近速度から
計算された装置本体までへの予想時間とを比較すること
で、使用者か否かを判断するため、認識速度が非常に速
いという効果がある
【図面の簡単な説明】
【図1】 自動応答システムをOA機器に適用した場合
の構成概念を説明するためのブロック図である。
【図2】 画像形成装置にセンサを実装した場合の例を
示す図である。
【図3】 認識装置の基本構成を示すブロック図であ
る。
【図4】 画像形成装置と障害物との関係を示す図であ
る。
【図5】 画像形成装置と障害物との間の距離データを
模式的に示す図である。
【図6】 画像形成装置に対する環境情報の一例を示す
図である。
【図7】 図4における環境情報を示す図である。
【図8】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図9】 図8における距離データを示す図である。
【図10】 図9の場合について、環境情報と距離デー
タとの差をとった結果を示す図である。
【図11】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図12】 図11の要部詳細図である。
【図13】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図14】 図13の要部詳細図である。
【図15】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図16】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図17】 対象物体の移動軌跡情報の概念を示す図で
ある。
【図18】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図19】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図20】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図21】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図22】 環境情報の変化の状態を示す図である。
【図23】 対象物体に対する認識判断を説明するため
の図である。
【図24】 対象物体が画像形成装置に近づいてくる場
合の認識判断の例を説明するための図である。
【図25】 図24の例において、各距離について生成
されたパラメータを概念的に示す図である。
【図26】 階層型ニューラル・ネットワークの一例を
示す図である。
【図27】 距離センサの測定範囲内に複数の対象物体
が存在する場合の例を説明するための図である。
【図28】 対象人物が画像形成装置の使用者なのか、
否かの判断の仕方の一例を示す図である。
【図29】 赤外線を脈動発光させて2以上の物体を識
別する場合の例を説明するための図である。
【図30】 本発明の動作原理を説明するための図であ
る。
【図31】 本発明の第1の実施例の動作説明をするた
めの図である。
【図32】 図31の実施例の判断過程を説明するため
のフロー図である。
【図33】 Vref.の変更過程を説明するためのフロー
図である。
【図34】 使用者と判定した後に、使用しない場合の
Vref.の変更過程を説明するためのフロー図である。
【図35】 ファジィ演算装置を使用した場合の一例を
示す図である。
【図36】 ファジィ演算処理の概念を説明するための
図である。
【図37】 ニューラル・ネットワークを使用した場合
の一例を示す図である。
【図38】 未発明の第2の実施例の動作説明をするた
めの図である。
【図39】 図38の実施例の判断過程を説明するため
のフロー図である。
【図40】 Vref.の変更過程を説明するためのフロー
図である。
【図41】 使用者と判定した後に、使用しない場合の
Vref.の変更過程を説明するためのフロー図である。
【図42】 ファジィ演算装置を使用した場合の一例を
示す図である。
【図43】 ファジィ演算処理の概念を説明するための
図である。
【図44】 ニューラル・ネットワークを使用した場合
の一例を示す図である。
【図45】 本発明の第3の実施例の動作説明をするた
めの図である。
【図46】 図45の実施例の判断過程を説明するため
のフロー図である。
【図47】 Vref.の変更過程を説明するためのフロー
図である。
【図48】 使用者と判定した後に、使用しない場合の
Vref.の変更過程を説明するためのフロー図である。
【図49】 ファジィ演算装置を使用した場合の一例を
示す図である。
【図50】 ファジィ演算処理の概念を説明するための
図である。
【図51】 ニューラル・ネットワークを使用した場合
の一例を示す図である。
【図52】 本発明の第4の実施例の動作説明をするた
めの図である。
【図53】 図52の実施例の判断過程を説明するため
のフロー図である。
【図54】 Vref.の変更過程を説明するためのフロー
図である。
【図55】 使用者と判定した後に、使用しない場合の
Vref.の変更過程を説明するためのフロー図である。
【図56】 ファジィ演算装置を使用した場合の一例を
示す図である。
【図57】 ファジィ演算処理の概念を説明するための
図である。
【図58】 ニューラル・ネットワークを使用した場合
の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…OA機器、2…センサ部、3…認識判断装置、4…
サービス提供装置、5…電子装置(画像形成装置)、6
…距離センサ、7…センサ駆動部、8…パラメータ抽出
部、9…認識判断部、10…後処理部、11…制御部、
12…入出力管理部、13…記憶装置、14…データ
線、15…制御線、16…外部I/F、17…障害物、
18…対象物体、21…階層型ニューラル・ネットワー
ク、22…入力層、23…中間層、24…出力層、30
…ファジィ演算装置、31…ニューラル・ネットワー
ク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金矢 光久 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 一宮 孝司 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 浪江 健史 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平3−96969(JP,A) 特開 平4−68500(JP,A) 特開 平3−255793(JP,A) 特開 平2−239376(JP,A) 特開 平4−131641(JP,A) 特許2820271(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/48 - 7/51 G01S 17/00 - 17/95 G03G 21/00 G03G 15/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脈動発光を行う赤外線発光手段と、装置
    近傍の物体から反射する赤外線を受光する赤外線受光手
    段とからなり、装置から該装置本体近傍の物体までの距
    離を検出する検出手段と;検出された物体が前記装置を
    使用する人か否かを、少なくとも検出された物体が前記
    装置に到達する以前のタイミングで判断する認識手段
    と;該認識手段の認識結果により装置の動作を制御する
    制御手段とを有する電子装置において、前記検出手段が
    検出した距離の経時的変化から前記物体の前記装置への
    接近速度を計算し、該検出手段が検出した距離と前記接
    近速度より、前記物体が前記装置へ到達すると予想され
    る予想到達時間と、 装置本体操作部正面を通過すると予想される予想通過時
    間を計算する処理手段と;前記予想到達時間および予想
    通過時間と、使用者か否かの関係を記憶する記憶手段と
    を有し、前記記憶手段に記憶された予想到達時間および
    予想通過時間と使用者か否かの関係とに基づいて、接近
    する物体が使用者か否かを判断することを特徴とする電
    子装置。
  2. 【請求項2】 脈動発光を行う赤外線発光手段と、装置
    近傍の物体から反射する赤外線を受光する赤外線受光手
    段とからなり、装置から該装置本体近傍の物体までの距
    離を検出する検出手段と;検出された物体が前記装置を
    使用する人か否かを、少なくとも検出された物体が前記
    装置に到達する以前のタイミングで判断する認識手段
    と;該認識手段の認識結果により装置の動作を制御する
    制御手段とを有する電子装置において、前記検出手段が
    検出した距離の経時的変化から前記物体の前記装置への
    接近速度を計算し、該検出手段が検出した距離と前記接
    近速度から、前記物体が前記装置へ到達すると予想され
    る予想到達時間と、 検出エリアの所定位置を通過すると予測される予想通過
    時間を計算する処理手段と;前記予想到達時間および予
    想通過時間と、使用者か否かの関係を記憶する記憶手段
    とを有し、前記記憶手段に記憶された予想到達時間およ
    び予想通過時間と使用者か否かの関係に基づいて、接近
    する物体が使用者か否かを判断することを特徴とする電
    子装置。
  3. 【請求項3】 請求項又はに記載の電子装置におい
    て、前記予想到達時間および予想通過時間と、使用者か
    否かの関係を記憶する記憶手段を有し、前記記憶手段に
    記憶された予想到達時間および予想通過時間と使用者か
    否かの関係を参照することにより、接近する物体が使用
    者か否かを判断することを特徴とする電子装置。
  4. 【請求項4】 請求項又はに記載の電子装置におい
    て、前記予想到達時間と予想通過時間にファジー理論を
    適用することにより、接近する物体が使用者か否かを判
    断することを特徴とする電子装置。
  5. 【請求項5】 請求項又はに記載の電子装置におい
    て、予想到達時間と予想通過時間をニューラル・ネット
    ワークを用いて処理することにより、接近する物体が使
    用者か否かを判断することを特徴とする電子装置。
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