JP6589021B1 - 球状窒化アルミニウム粉末、及び、球状窒化アルミニウム粉末の製造方法 - Google Patents

球状窒化アルミニウム粉末、及び、球状窒化アルミニウム粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より真球に近い粒子形状を有する球状窒化アルミニウム粉末を提供する。【解決手段】本発明の球状窒化アルミニウム粉末は、AlNからなる主成分、及び、希土類化合物からなる副成分を含有し、粉末の70%以上の粒子は、各粒子の平面投影形状において、角張った角部及び凹凸部を含まない外周形状を有していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、球状窒化アルミニウム粉末、及び、その製造方法に関する。
近年、優れた熱伝導性を有するセラミック材料として窒化アルミニウムが知られており、その焼結基板は、高い放熱性能を要する電子機器等に広く用いられている。また、窒化アルミニウム粉末は、その優れた熱伝導性を活かし、グリース、接着剤、塗料などの材料に混合するフィラーとして利用されている。例えば、フィラーに要求される材料特性には、充填性、混錬性及び熱伝導性がある。フィラーの充填性が高いほど、樹脂等の材料に高濃度で粉末を混ぜ込むことができる。フィラーの混錬性が高いほど、フィラーを材料に対してより高濃度で混合し易くなる。フィラーの熱伝導性が高いほど、フィラー充填材料の放熱性能が高くなる。すなわち、フィラーのこれら材料特性を改善することにより、より高い放熱性を有するフィラー充填材料を得ることができる。これに対し、フィラーの材料特性を改善する種々の取り組みが成されている。
例えば、特許文献1は、樹脂に配合する際の流動性や充填性を高める目的で球状化した球状窒化アルミニウム粉体とその製造方法を開示する。特許文献1において、直接窒化法及びアルミナ還元窒化法により合成された不定形の窒化アルミニウム粉末をフラックス中で熟成し、球状化させる。この場合、上記不定形の窒化アルミニウム粉末をアルカリ土類元素、希土類元素、アルミニウム、イットリウム、リチウムの酸化物又は窒化物、ないしは加熱中の分解により上記のものを生じる前駆体(炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、ハロゲン化物、アルコキシド等)より成るフラックスと混合する。次に、これらを窒素又はアルゴン雰囲気中、1600〜2000℃で熱処理して得られた凝集体を、粉砕した後、塩酸、硝酸等の適宜の酸性溶液中で攪拌しながらフラックス部分を溶かし、平滑な表面を持った球状窒化アルミニウムを単離することで、窒化アルミニウム粉末を得る。このようにして得られた窒化アルミニウムは、例えば、平均粒子径が0.1〜100ミクロンで、平滑な表面と球状の形態を持つ。しかしながら、フラックス法を採用すると、粒子は見かけ上は粒子表面が平滑な球形状をとり易いが、フラックスを強酸で除去する過程において、粒子表面が荒らされて各粒子の表面積が大きくなること、また、粒子の粒径分布を制御することができないことから、混練性及び充填性が大きく低下するという問題があった。
これに対し、特許文献2は、フラックス法を採用せずに充填性及び混錬性を改善すべく、1μm以下の微粒子が少ないフィラー用窒化アルミニウム粉末及びその製造方法を開示する。特許文献2において、平均粒子径が1〜3μmのアルミナと、カーボンと、アルミナに対して0.05〜0.5重量%のCaFとを混合した混合物を還元雰囲気下において1500℃以上1700℃以下で還元窒化することにより、前記アルミナよりも粒度分布がシャープになり、樹脂と混合する際には高充填性を示す窒化アルミニウム粉末を得ることができる。
特開2002−179413号公報 特開2017−114706号公報
特許文献2では、フラックス法を採用しないとともに、1μm以下の微粒子の比率を低下させることによって、充填性及び混錬性の改善を図った。しかしながら、窒化アルミニウム粉末のSEM写真によれば、ほとんどの粒子が、表面に凹凸を有していたり、外面が角張っていたりする。理論的には、粒子の形状が真球に近いほど、充填性及び混練性が高いことが分かっている。そこで、本発明の発明者らは、さらなる充填性、混錬性及び熱伝導性の改善を図るべく、フラックス法を採用せずに、より真球に近い粒子形状を有する球状窒化アルミニウム粉末を得ることを課題とした。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、より真球に近い粒子形状を有する球状窒化アルミニウム粉末及びその製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、AlNからなる主成分、及び、希土類化合物からなる副成分を含有し、粉末の70%以上の粒子は、各粒子の平面投影形状において、角張った角部及び凹凸部を含まない外周形状を有していることを特徴とする。
本発明の一形態の球状窒化アルミニウム粉末は、製造工程でフラックス法を採用しないで製造されたことにより、所定の量の希土類化合物を副成分として含有している。さらに、粉末の70%以上の粒子が、外面に角張った角部及び凹凸部を有しないことにより、従来よりも、粒子形状をより真球に近づけることができた。すなわち、本発明の球状窒化アルミニウム粉末は、フィラーとしての充填性、混錬性及び熱伝導性を改善するものである。
本発明のさらなる形態において、各粒子の平面投影形状において、粒子の外周形状は、漸次的に変化するように円弧を組み合わせたものであり、不連続点を有しないことを特徴とする。すなわち、粒子の外周形状は、その平面投影形状において、円弧部位のみを組み合わせたものであることから、直線部位を有しない。また、粒子の外周が漸次的に変化するとともに不連続点を有しないことから、粒子の外周には、円弧部位の継目においても角部や凹凸部が現れない。なお、不連続点は、例えば、角部や凹凸部の存在により接線の傾きが不連続的又は急激に変化する点をいう。
本発明のさらなる形態において、平均粒子径が2〜30μmであることを特徴とする。また、より好ましくは、平均粒子径が2.8〜7.7μmであることを特徴とする。すなわち、球状窒化アルミニウム粉末は、よりフィラーに適した平均粒子径を有している。
本発明のさらなる形態において、粒子全体の95%以上の粒子が、0.7以上の球形度を有していることを特徴とする。また、粒子全体の80%以上の粒子が、0.8以上の球形度を有していることを特徴とする。すなわち、本発明の球状窒化アルミニウム粉末は、粒子全体として、比較的多くの粒子が一定以上の球形度を有していることにより、歪な形状な粒子が少なく、且つ、粒子形状にばらつきが少ない。その結果として、フィラーとしての充填性及び混錬性が向上する。
本発明のさらなる形態において、AlN100重量%に対して酸化物換算で1〜10重量%の希土類化合物を含有し、前記希土類化合物は、Y、Yb、La、Nd、Smの酸化物又はアルミン酸化合物よりなる群の少なくとも1種から選択されることを特徴とする。すなわち、本発明の球状窒化アルミニウム粉末は、各希土類化合物の添加に従って追加された所定の特性を有し得る。
本発明の一実施形態の球状窒化アルミニウム粉末の製造方法は、
窒化アルミニウム原料粉末100重量%に対して、酸化物換算で1〜10重量%の希土類化合物からなる第1の助剤粉末と、酸化物換算で2〜8重量%のカルシウム化合物からなる第2の助剤粉末と、8〜30重量%のカーボン粉末とを混合して原料混合粉末を得る工程と、
前記原料混合粉末を非酸化雰囲気中にて所定時間、第1の温度域で熱処理し、粒子の球形化及び粒成長を促して、球形化粒子粉末を得る工程と、
前記球形化粒子粉末を酸化雰囲気中において第2の温度域で熱処理して脱炭処理する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一形態の球状窒化アルミニウム粉末の製造方法によれば、窒化アルミニウム原料粉末をカーボン粉末、希土類化合物の第1の助剤粉末及びカルシウム化合物の第2の助剤粉末とともに熱処理することにより、原料混合粉末から酸素を除去するとともに、低温域から高温域に亘って窒化アルミニウム原料粉末の球形化及び粒成長を効果的に促進することができる。その結果として、従来にはない、平面投影形状において角張った角部及び凹凸部を含まない外周形状を有する球形化粒子の粉末を得ることができる。そして、脱炭処理を経て、より真球に近い粒子形状を有する球状窒化アルミニウム粉末を得ることができる。
本発明のさらなる形態において、前記希土類化合物は、Y、Yb、La、Nd、Smの酸化物又はハロゲン化物、ないしは加熱中の分解により上記のものを生じる前駆体(炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、アルコキシド等)よりなる群の少なくとも1種から選択され、前記カルシウム化合物は、Caの酸化物又はハロゲン化物、ないしは加熱中の分解により上記のものを生じる前駆体(硫化物、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、アルコキシド等)よりなる群の少なくとも1種から選択されることを特徴とする。すなわち、本発明の製造方法で製造された球状窒化アルミニウム粉末は、各希土類化合物の添加に従って追加された所定の特性を有し得る。
本発明によれば、粉末全体の少なくとも70%の粒子において、より真球に近い粒子形状を有する球状窒化アルミニウム粉末を得られた。
本発明の一実施形態(実施例1)の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真。 本発明の一実施形態(実施例11)の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真。 従来例(特許文献2)の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真。 本発明の比較例1の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真。 本発明の比較例2の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真。 本発明の一実施形態の窒化アルミニウム焼結体のXRD分析結果を示すグラフであって、(a)が実施例1を示し、(b)が実施例11を示す。
以下、本発明の例示として一実施形態について説明する。ただし、下記の説明は、本発明を限定することを目的とするものではない。
本発明の一実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、AlN(窒化アルミニウム)からなる主成分、及び、希土類化合物からなる副成分を含有する微細粒子の集合体である。特には、球状窒化アルミニウム粉末は、AlN100重量%に対して酸化物換算で1〜10重量%の希土類化合物を含有する。原料配合の形態において、希土類化合物は、Y、Yb、La、Nd、Smの酸化物又はハロゲン化物、ないしは加熱中の分解により上記のものを生じる前駆体(炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、アルコキシド等)よりなる群の少なくとも1種から選択される。また、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、主に樹脂材料等に充填されるフィラーとして使用される。そして、球状窒化アルミニウム粉末の平均粒子径は、2〜30μmであることが好ましく、平均粒子径が2.8〜7.7μmであることがより好ましい。
図1,2は、本発明の一実施形態の球状窒化アルミニウム粉末の代表的なSEM写真である。ここで、図1は、後述する実施例1の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真を例示し、図2は、実施例11の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真を例示しているが、本発明の実施形態に係る球状窒化アルミニウム粉末は、他の実施例のSEM写真においても、同様の粒子形状、形状的特徴を有していることが確認された。他方、図3は、従来(特許文献2)の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真であり、図4,5は、後述する比較例1,2の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真である。
図1,2に示すとおり、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、大部分(少なくとも70%)の粒子において、各粒子の平面投影形状において外周に角張った角部及び凹凸部を含まない円形に近い形状を有している。また、各粒子の平面投影形状において、粒子の外周形状は、直線部位をほとんど含まず、且つ、急激又は非連続的に変化する部分も含まず、外周全体として連続する曲線を描くように円弧部位を組み合わせてなる。これら円弧部分は、極端に変化する継目を有さないように周全体として漸次的に変化する曲線を描いている。換言すると、粒子の外周形状は、角部や凹凸部の存在により接線の傾きが不連続的又は急激に変化する不連続点を有しない。さらに、図1,2によれば、粒子表面が極めて滑らかであって、その表面積が小さいことが推測される。すなわち、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末の粒子は、概して丸みを帯びた表面形状を呈する。
これに対して、図3〜5に示すように、従来の球状窒化アルミニウム粉末のSEM写真による平面投影形状では、ほとんどの粒子の外周が、直線部位、角部、及び、凹凸部を含んでいる。また、大半の粒子の外周は、不規則に直線部位及び曲線部位を組み合わせてなり、これらの継目に不連続点を含んでいる。すなわち、従来例又は比較例の球状窒化アルミニウム粉末の粒子は、概して丸みを帯びていないといえる。
図1乃至5のSEM写真によれば、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、粒子の平面投影形状において角部及び凹凸部(又は不連続点)を含まずに全体として表面に丸みを帯びている点で従来の球状窒化アルミニウム粉末に対して定性的に区別され得る。すなわち、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末中の大部分の粒子は、より曲面的な外表面を有する真球に近い球形状を有している。
また、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、0.85以上の平均球形度を有する。球形度は、粒子の平面投影形状が真円にどれだけ近似しているかを示す指標であり、真球の球形度は1である。球形度は、数式:
4πS/L
によって求められる。ここで、Sが平面投影した粒子の面積であり、Lが平面投影した粒子の周囲長である。球形度の値は、SEM写真を粒子ごとに画像解析することによって算出可能である。さらに、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末によれば、高球形度の粒子の比率として、粒子全体の95%以上の粒子が、0.7以上の球形度を有し、且つ、粒子全体の80%以上の粒子が、0.8以上の球形度を有している。すなわち、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、ほとんどの粒子が比較的高い球形度(0.7以上)を有していることから、粉末全体として粒子形状のばらつきが少ないといえる。
そして、理論的には、粒子形状が真球に近い粒子が多いほど、充填性及び混練性が高いフィラー用粉末を得ることができる。したがって、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、従来の角部や凹凸部が多い粒子からなるフィラー粉末と比べて、フィラーとして充填性及び混練性において優れた性能を発揮するものである。
本発明の一実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、以下に説明する製造方法によって得ることができる。
本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末は、母材としての窒化アルミニウム原料粉末に対して、添加剤として、希土類化合物からなる第1の助剤粉末、カルシウム化合物からなる第2の助剤粉末、及び、カーボン粉末を混合して原料混合粉末を得る原料混合工程と、原料混合粉末を非酸化雰囲気中にて所定時間、第1の温度域で熱処理し、粒子の球形化及び粒成長を促して球形化粒子粉末を得る一次熱処理(球形化及び粒成長)工程と、球形化粒子粉末を酸化雰囲気中において第2の温度域で熱処理して脱炭処理する二次熱処理(脱炭)工程とを経て製造される。
まず、混合工程において、適量の窒化アルミニウム原料粉末とともに、適量の添加剤として助剤粉末及びカーボン粉末を準備する。母材としての窒化アルミニウム原料粉末は、金属不純物が少なく、酸素含有量が低い高純度微粉末であることが好ましい。窒化アルミニウム原料粉末は、平均粒子径0.8〜3.0μmのものが採用され得る。出発原料としての窒化アルミニウム原料粉末の平均粒子径が、最終製品である球状窒化アルミニウム粉末の平均粒子径を左右する。本実施形態では、窒化アルミニウム原料粉末を0.9〜2.7μmとすることにより、球状窒化アルミニウム粉末の平均粒子径を2〜30μmに制御し得る。より好ましくは、球状窒化アルミニウム粉末の平均粒子径を2.8〜7.8μmに制御し得る。
第1の助剤粉末を構成する希土類化合物等は、Y、Yb、La、Nd、Smの酸化物又はハロゲン化物、ないしは加熱中の分解により上記のものを生じる前駆体(炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、アルコキシド等)よりなる群の少なくとも1種から選択され得る。第1の助剤粉末は、金属不純物が少ない高純度微粉末であることが好ましい。
第2の助剤粉末を構成するカルシウム化合物は、Caの酸化物又はハロゲン化物、ないしは加熱中の分解により上記のものを生じる前駆体(硫化物、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、アルコキシド等)よりなる群の少なくとも1種から選択され得るが、CaFが用いられることが好ましい。CaFを添加すると、低融点のCaF−CaO−Alを生成して、窒化反応や粒成長をより一層促進させる効果がある。カルシウム化合物の粒子径は、目的とする球状窒化アルミニウム粉末の平均粒子径よりも小さいものが望ましく、0.5〜2μmが好ましい。平均粒子径が2μmよりも大きな粉末を使用すると、粗大粒子が不均一に生成してしまう原因になり得る。
炭素粉末として、ファーネスブラックやアセチレンブラックのような炭素が主体となる微粒子を使用することができる。また、カーボンは、平均粒子径が10〜50nm、灰分が0.1%以下のものを用いることが好ましい。
原料混合工程において、好適には、窒化アルミニウム原料粉末100重量%に対して、酸化物換算で1〜10重量%の希土類化合物等と、酸化物換算で2〜8重量%のカルシウム化合物と、8〜30重量%のカーボン粉末とを配合した。ここで、酸化物換算とは、金属元素を含む化合物を、金属元素の酸化物に換算して計算した値を意味する。
準備した原料粉末を振動ミル、ボールミル、Vブレンダー等の一般的な手法によって均一に混ざるまで混合することで、原料混合粉末を得ることができる。
次に、一次熱処理(球形化及び粒成長)工程において、原料混合粉末を非酸化雰囲気中(例えば、窒素、アルゴン等)にて所定時間、第1の温度域で熱処理する。熱処理において、室温から第1の温度域まで温度上昇させた後、所定の保持時間で熱処理温度を第1の温度域に保持することで原料混合粉末を加熱した。第1の温度域は、1400〜1800℃の温度域であることが好ましい。また、第1の温度域での保持時間は、1時間以上であることが好ましい。
この一次熱処理工程において、粒子の球形化及び粒成長を促すことにより、従来よりもより真球に近い球形化粒子粉末を得ることができる。以下、一次熱処理工程における窒化アルミニウム粒子の球形化及び粒成長について考察する。一次熱処理工程において、カルシウム化合物及び希土類化合物等が併せて窒化アルミニウム粒子の球形化及び粒成長の促進に寄与する。特には、第1の温度域まで温度上昇する際、添加したカルシウム化合物が、1230℃程度の比較的低温で液相を生成し、窒化アルミニウム粒子の表面を濡らすことで、粒子の最初の球形化及び粒成長を促す。このカルシウム化合物は、非酸化雰囲気中で分解しやすく、高温(例えば、約1350℃以上)で揮発しやすいため、窒化アルミニウム粒子がより粒成長する第1の温度域などの高温域ではほとんど残っていない。第1の温度域に到達してカルシウム化合物の大部分がなくなった後、高温域では、続いて、希土類化合物等が窒化アルミニウム粒子の球形化及び粒成長を促すように働く。その結果、一次熱処理工程全体に亘って効果的な球形化及び粒成長が行われると考えられる。つまり、助剤としてカルシウム化合物とともに希土類系化合物を併用したことで、低温域と高温域の2段階で効果的な球形化及び粒成長を行うことが可能となり、窒化アルミニウム粒子を従来よりもさらに球形化することが可能である。カーボン粉末は窒化アルミニウム同士の融着を防ぐために添加している。さらに原料混合粉末中の酸素と高温で反応して酸素含有量を減少させることで、窒化アルミニウム粒子の高熱伝導率化にも寄与する。
続いて、二次熱処理(脱炭)工程では、球形化粒子粉末を酸化雰囲気中(例えば、大気)において500〜800℃の第2の温度域で数時間、熱処理することにより、炭素を燃焼させて脱炭する。これにより、球形化粒子粉末から炭素成分が除去される。脱炭後の炭素量は、理想的には炭素粉末混合前と同等(すなわち、略0)であることが望ましいが、粉末全体の0.15重量%以下であれば特性に影響を及ぼさないことが分かっている。よって、残留炭素が全体の0.15重量%となるまで、脱炭処理を実施した。温度や処理時間などの条件は、カーボン粉末の添加量などに応じて任意に定められる。なお、残留炭素の測定は、酸素気流中で試料を加熱し酸化反応させ、発生したCOやCOを赤外線検出器で検出する酸素気流中燃焼−赤外線吸収方式などの既知の方法によって可能である。
そして、得られた球状窒化アルミニウム粉末について、X線回折による結晶相同定が行われた。結晶相同定には、Cu−Kα線を用いたX線回折法が採用された。測定装置は、(株)リガク製の型式UltimaIVを用いた。図6(a),(b)は、本実施形態の製造工程によって製造された球状窒化アルミニウム粉末の代表的なX線回折パターン(後述の実施例1、11に対応)を示す。図6に例示するように、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末において、主成分のAlNと、副成分の希土類化合物(図6(a)では、Y、図6(b)では、Yb,アルミン酸イッテルビウム(Yb−Aluminate))の回折ピークが見られる。X線回析により、本実施形態の球状窒化アルミニウム粉末が得られたことを確認した。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定解釈されるものではない。
実施例1〜21、比較例1〜5に係る球状窒化アルミニウム粉末は以下の手順を実施することによって生成された。
まず、所定量の窒化アルミニウム原料粉末を準備した。該窒化アルミニウム原料粉末は、平均粒径0.9〜2.7μmのものを採用した。助剤粉末として、高純度の各種希土類化合物及び各種カルシウム化合物の粉末を準備した。カーボン粉末には、平均粒子径が10〜50nm、灰分が0.1%以下のものを用いた。窒化アルミニウム原料粉末100重量%に対して、所定の重量%の希土類化合物粉末、カルシウム化合物粉末及びカーボン粉末を配合した。原料の配合比率は、表1に示すように、各サンプルによって異なる。そして、準備した原料粉末をボールミルに投入して十分に混合することで、原料混合粉末を得た。
次に、原料混合粉末を黒鉛製のサヤに敷き詰めて加熱炉に投入し、窒素雰囲気の下、第1の温度域まで昇温させた後、所定の保持時間で熱処理を行うことにより、球形化粒子粉末を得た。熱処理温度(第1の温度域)及び保持時間は、表1に示すように、各サンプルによって異なる。
続いて、球形化粒子粉末を、大気雰囲気中で750℃で3時間、加熱して脱炭処理を行った。脱炭処理の条件は全てのサンプルで共通である。そして、各サンプルの残留炭素を測定し、炭素含有量が0.15重量%未満になったことを確認した。なお、炭素含有量の測定には、株式会社堀場製作所のEMIA−221Vによる酸素気流中燃焼−赤外線吸収法が用いられた。以上の工程を経て、各実施例及び比較例の球状窒化アルミニウム粉末を得た。
実施例1〜21及び比較例1〜5の球状窒化アルミニウム粉末の配合比率・作製条件を以下の表1に示す。
実施例1〜21及び比較例1〜5の球状窒化アルミニウム粉末に関して、以下の方法によって特性の評価がなされた。
A.各サンプルの球状窒化アルミニウム粉末に関して、X線回折による結晶相の分析を行った。分析には、Cu−Kα線を用いたX線回折法が採用された。測定装置は、(株)リガク製の型式UltimaIVを用いた。
B.各サンプルの球状窒化アルミニウム粉末に関して、平均粒子径をレーザー回折法により測定した。測定装置は、株式会社島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定装置、型式SALD−2200を用いた。
C.各サンプルの球状窒化アルミニウム粉末に関して、比表面積をBET一点法により測定した。測定装置は、Quantachrome社製のMonosorb、型式MS−21を用いた。
D.各サンプルの球状窒化アルミニウム粉末に関して、分析用のSEM写真を取得して粒子形状の分析を行った。具体的には、エポキシ樹脂(新日鉄住金化学株式会社製エポトートYH−300)、硬化剤(日立化成株式会社製HN−2200)、及び、作製した球状窒化アルミニウム粉末を混合したものをシリコン型に入れて熱硬化させて成形体を得た。次に、成形体を研磨し、その研磨面を走査電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 S−3400N)で倍率2000倍で撮影した。取得したSEM画像に対して、画像処理ソフト「ImageJ」を使用して任意の100個以上の粒子の画像解析を実行した。ここでは、平均球形度、球形度比率、平均アスペクト比、及び、SEM写真の観察結果によってサンプルを評価した。平均球形度は、上述した数式によって任意の100個以上の粒子の全ての球形度を求めた上でその平均値を求めることによって算出された。球形度比率は、解析した任意の100個以上の全粒子中、所定の値(0.85、0.8、0.7)以上の球形度を有する粒子の数の割合である。平均アスペクト比は、任意の100個以上の粒子の全てのアスペクト比を求めた上でその平均値を求めることによって算出された。各粒子のアスペクト比は、SEM写真画像から画像処理ソフト「ImageJ」を用いて粒子を楕円近似し、その楕円の短径(DS)と長径(DL)を求め、DS/DLで計算される。SEM写真の観察結果については、取得したSEM写真(例えば図1、2、4、5)において、粒子外周の角部、凹凸部の有無を目視で確認し、少なくとも70%以上の粒子が外周に角部、凹凸部を有していないサンプルを「○」と評価し、そうでないサンプルを「×」と評価した。
各実施例及び比較例の球状窒化アルミニウム粉末の特性を以下の表2,3に示した。
以下に示す表2は、各サンプルにおいて、AlN成分以外にX線回折で検出された希土類化合物等による副成分を示している。
表2によれば、実施例1〜21の球状窒化アルミニウム粉末において、何らかの形態で希土類化合物等による副成分が含有されていることが確認された。実施例によっては、希土類化合物が複数種の形態で窒化アルミニウム粉末中に検出される。他方、希土類化合物等を添加していない比較例1では、AlNの回折ピークのみが検出され、他の結晶相の回折ピークが確認されなかった。
以下に示す表3は、各サンプルにおける平均粒子径、比表面積、平均球形度、球形度比率、平均アスペクト比、及び、SEM写真の観察結果を示している。
表3によれば、実施例1〜21及び比較例1,2,4,5において、球状窒化アルミニウム粉末は、2.8〜7.7μmの平均粒子径、0.3〜1.1m/gの比表面積、及び、0.74〜0.84の平均アスペクト比を有する。これら特性において、実施例及び比較例の間で格別な差異が見られなかった。なお、比較例3においては、粒子の凝着によって各種パラメータを得ることができなかった。比較例3によれば、カーボン粉末の添加量が3重量%以下になると、粒子の凝着が起こり得ることが分かった。
また、SEM写真の画像解析の結果によれば、実施例1〜21の平均球形度が0.85〜0.88(つまり、0.85以上)であるのに対し、比較例1〜5では、0.79〜0.85である。すなわち、実施例1〜21の粒子の方が比較例1,2,4,5よりも若干球形度が高いことが見て取れる。そして、高球形度粒子の比率について着目すると、実施例1〜21と比較例1,2,4,5との間で有意な差異が見られる。具体的には、実施例1〜21では、球形度0.7以上の粒子の割合が約95%以上(95〜100%)であるのに対し、比較例1,2,4,5では、約94%以下(85〜94%)である。また、実施例1〜21では、球形度0.8以上の粒子の割合が約80%以上(80〜92%)であるのに対し、比較例1,2,4,5では、約77%以下(61〜77%)である。さらに、実施例1〜21では、球形度0.85以上の粒子の割合が52%〜78%であるのに対し、比較例1,2,4,5では、45〜60%である。すなわち、実施例1〜21の球状窒化アルミニウム粉末は、球形度0.7、0.8以上の粒子の割合が比較例と比べて有意に多いことから、粉末全体として、統計的に粒子形状のばらつきが少なく、且つ、より真球に近い粒子の集合体であるといえる。なお、球形度0.85以上であると、数字上の差異が現れにくいのは、球形度の条件が厳しいからであると考えられる。
続いて、SEM写真の観察結果について検証する。図1,2は、実施例1,11のSEM写真をそれぞれ示している。ここでは、代表的に実施例1,11のSEM写真を採用したが、他の実施例においても同様のSEM写真を確認することができた。取得したSEM写真に基づいて、実施例1〜21の粒形状を観察して評価すると、全てのサンプルについて、70%以上の粒子が外周に角部、凹凸部を有していない(評価「○」)と判定された。ここでは評価基準を70%と定めたが、実際には、ほとんどのサンプルについて約90%以上の粒子が角部又は凹凸部の両方を含まないことがSEM写真によって確認された。他方、図4,5は、比較例1,2のSEM写真をそれぞれ示している。図4,5によれば、比較例1,2では、粒子の大半が角張った歪な粒形状を有していることが分かる。比較例4に関しても、図4,5と大差ないSEM写真が得られた。よって、比較例1,2,4は、外周に角部、凹凸部を有していない粒子が70%以下である(評価「×」)と判定された。したがって、SEM写真の観察結果においても、実施例と比較例との間に有意な差異が見られた。
実施例1〜21において、カーボン添加量8〜30重量%、カルシウム化合物2〜8重量%、希土類化合物1〜10重量%と配合比率を変化させたが、サンプル間で粒形状の特性に特段の変化が見られなかった。他方、比較例3に示されているように、カーボン添加量が3重量%を下回る場合には、実施例と同様の特性を持つ粒状窒化アルミニウム粉末を製造することができないことが分かった。また、実施例1〜21において、製造工程における熱処理温度1500〜1800℃及び保持時間1〜48hと変化させたが、サンプル間で粒形状の特性に特段の変化が見られなかった。他方、比較例4,5に示されているように、熱処理温度が1850℃を超えた場合、及び、熱処理温度が1300℃を下回る場合には、実施例と同様の特性を持つ粒状窒化アルミニウム粉末を製造することができないことが分かった。
すなわち、SEM写真の解析によって、実施例1〜21の球状窒化アルミニウム粉末が、比較例よりもフィラーとしての優れた粒形状特性を有していることが定性的且つ定量的に確認された。
したがって、本実施形態(実施例1〜21)の球状窒化アルミニウム粉末は、副成分に希土類化合物等を含有するとともに、個々の粒子形状及び粉末全体の両面から、従来と比べて、より真球に近づいたものであり、フィラーとして優れた充填性、混錬性及び熱伝導性を発揮するものである。
本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限りにおいて種々の態様で実施しうるものである。すなわち、本発明は、技術的範囲を逸脱することなく、当業者によって修正又は改変されてもよい。例えば、本発明の構成に他の元素や成分が追加で添加されてもよい。

Claims (2)

  1. 窒化アルミニウム原料粉末100重量%に対して、酸化物換算で1〜10重量%の希土類化合物からなる第1の助剤粉末と、酸化物換算で2〜8重量%のカルシウム化合物からなる第2の助剤粉末と、8〜30重量%のカーボン粉末とを混合して原料混合粉末を得る工程と、
    前記原料混合粉末を非酸化雰囲気中にて所定時間、1400〜1800℃の第1の温度域で熱処理し、粒子の球形化及び粒成長を促して、球形化粒子粉末を得る工程と、
    前記球形化粒子粉末を酸化雰囲気中において500〜800℃の第2の温度域で熱処理して脱炭処理する工程と、を含むことを特徴とする球状窒化アルミニウム粉末の製造方法。
  2. 前記希土類化合物は、Y、Yb、La、Nd、Smの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、アルコキシドよりなる群の少なくとも1種から選択され、前記カルシウム化合物は、Caの酸化物、ハロゲン化物、硫化物、炭酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、水酸化物、アルコキシドよりなる群の少なくとも1種から選択されることを特徴とする請求項に記載の球状窒化アルミニウム粉末の製造方法。
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