JP6588216B2 - コンクリート構造物の打継ぎ目構造 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物の打継ぎ目構造に係り、コンクリート構造物を分割して施工する際に先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの間に形成される打継ぎ目構造に関する。
コンクリート構造物を分割して施工する場合に生じる新旧コンクリートの打継ぎ目(先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの間の打継ぎ目)は、その構造物の弱点となる虞がある。
そこで、新旧コンクリートを強固に結合するため、硬化した旧コンクリートの表面を斫って目荒らした打継面に新コンクリートを打設する手法が知られている。
また、旧コンクリート打設用の打継型枠の内面に突起体付きのシート材を貼設してコンクリートを打設し、打継型枠及びシート材を取り除いた面に凹部が形成されるようにしておき、その凹部が形成されている旧コンクリートの打継面に新コンクリートを打設することで、新旧コンクリートが相互に噛み合う構造とする手法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平7−158273号公報
上記従来技術の打継ぎ目構造は、何の対策も取られていない打継ぎ目に比べて強化されてはいるものの、例えばコンクリート構造物に振動などによる負荷が長期に亘って作用した場合に、打継ぎ目にひび割れが発生してしまうことがあるので、より一層の強化が望まれている。
本発明の目的は、打継ぎ目の強度を向上させたコンクリート構造物の打継ぎ目構造を提供することである。
上記目的を達成するため、この発明は、
コンクリート構造物を分割して施工する際に、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの間に形成される打継ぎ目構造であって、
前後に並んでいる前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの接合部位に、前記コンクリート構造物を上下に貫く樹脂材料からなる柱状体が、前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの界面に沿って所定の間隔をあけて複数設けられているとともに、
前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートに跨り、前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの界面に沿って延在するように前記コンクリート構造物の下面に形成されている溝に、樹脂材料からなる下縁体が前記複数の柱状体の下端部と交差して設けられているようにした。
ここで「所定の間隔」は、等間隔でも非等間隔でもよい。
かかる構成のコンクリート構造物の打継ぎ目構造は、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの接合部位に形成された複数の柱状体を備えており、それら柱状体を介して先打ちコンクリートと後打ちコンクリートが噛み合った構造をとることができるので、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートを強固に結合することができる。
特に、この打継ぎ目構造は、樹脂材料からなる柱状体を備えているので、コンクリート構造物に負荷がかかった場合に、その柱状体が弾性変形することによる緩衝作用によって打継ぎ目部分の変形を緩和することができ、打継ぎ目が損傷し難くなっている。
つまり、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの接合部位に形成されている、樹脂材料からなる複数の柱状体を備えている打継ぎ目構造であれば、コンクリート構造物の打継ぎ目の強度を向上させることができる。
また、この下縁体が設けられた打継ぎ目構造であれば、コンクリート構造物に重量物が載るような負荷がかかり、その重みなどによってコンクリート構造物が下に撓むような場合に、樹脂材料からなる下縁体が弾性変形することによる緩衝作用によって打継ぎ目部分の変形を緩和することができ、打継ぎ目が損傷し難くなっている。
上記目的を達成するため、この発明は、
コンクリート構造物を分割して施工する際に、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの間に形成される打継ぎ目構造であって、
前後に並んでいる前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの接合部位に、前記コンクリート構造物を上下に貫く樹脂材料からなる柱状体が、前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの界面に沿って所定の間隔をあけて複数設けられているとともに、
前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートに跨り、前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの界面に沿って延在するように前記コンクリート構造物の上面に形成されている溝に、樹脂材料からなる上縁体が前記複数の柱状体の上端部と交差して設けられているようにした。
ここで「所定の間隔」は、等間隔でも非等間隔でもよい。
かかる構成のコンクリート構造物の打継ぎ目構造は、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの接合部位に形成された複数の柱状体を備えており、それら柱状体を介して先打ちコンクリートと後打ちコンクリートが噛み合った構造をとることができるので、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートを強固に結合することができる。
特に、この打継ぎ目構造は、樹脂材料からなる柱状体を備えているので、コンクリート構造物に負荷がかかった場合に、その柱状体が弾性変形することによる緩衝作用によって打継ぎ目部分の変形を緩和することができ、打継ぎ目が損傷し難くなっている。
つまり、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの接合部位に形成されている、樹脂材料からなる複数の柱状体を備えている打継ぎ目構造であれば、コンクリート構造物の打継ぎ目の強度を向上させることができる。
また、この上縁体が設けられた打継ぎ目構造であれば、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの打継ぎ目に雨水が浸入し難くなっているので、打継ぎ目から浸入する雨水により鉄筋が錆びるなど劣化するのを低減することができ、打継ぎ目が損傷し難くなっている。
また、樹脂材料からなる上縁体が弾性変形することによる緩衝作用によって打継ぎ目部分の変形を緩和することができ、打継ぎ目が損傷し難くなっている。
また、望ましくは、
前記柱状体の少なくとも1つが、前記コンクリート構造物の側面に露出する位置に設けられているようにした。
柱状体が、コンクリート構造物の側面に露出する位置に設けられていれば、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの打継ぎ目に雨水が浸入し難くなっているので、打継ぎ目から浸入する雨水により鉄筋が錆びるなど劣化するのを低減することができ、打継ぎ目が損傷し難くなる。
本発明によれば、コンクリート構造物の打継ぎ目の強度を向上させることができる。
本実施形態のコンクリート構造物の打継ぎ目構造を示す斜視図である。 打継ぎ目構造の施工手順に関する説明図である。 他の実施形態のコンクリート構造物の打継ぎ目構造を示す斜視図である。 他の実施形態のコンクリート構造物の打継ぎ目構造を示す斜視図である。 コンクリート構造物の載荷試験に関する説明図である。 コンクリート構造物の載荷試験結果を示す説明図であり、本実施形態の打継ぎ目構造の試験結果(a)と、従来の打継ぎ目構造の試験結果(b)である。
以下、図面を参照して、本発明に係るコンクリート構造物の打継ぎ目構造の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は、コンクリート構造物100の打継ぎ目構造1を示す斜視図であり、コンクリート構造物100を分割して施工する際に先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の間に形成された打継ぎ目構造1を示している。
本実施形態のコンクリート構造物100の打継ぎ目構造1は、例えば、図1に示すように、前後に並んでいる先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の接合部位であって、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20に跨る位置で、コンクリート構造物100を上下に貫いて設けられた複数(図中、5つ)の柱状体30を備えている。
柱状体30は、樹脂材料からなる部材であって、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂によって形成されている。
複数の柱状体30は、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の界面に沿ってコンクリート構造物100の幅方向(左右方向)に所定の間隔をあけて配設されている。
これら複数の柱状体30のうち、コンクリート構造物100の左右両側に配設されている柱状体30は、コンクリート構造物100の側面に露出しており、半円筒形状を呈している。また、コンクリート構造物100の側面に露出していない柱状体30は、円筒形状を呈している。例えば、柱状体30は直径が10mmの円筒形状(或いは半円筒形状)を有しており、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の界面に沿って500mm間隔で配設されている。
なお、後述するように、コンクリート構造物100の側面に露出し、半円筒形状を呈している柱状体30は、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20に跨り、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の界面に沿って延在するようにコンクリート構造物100の側面に形成された溝に設けられている。
また、円筒形状を呈している柱状体30は、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の界面において、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20に跨ってコンクリート構造物100に形成された円筒状の貫通孔内に設けられている。
次に、本実施形態のコンクリート構造物100の打継ぎ目構造1の施工手順について説明する。
まず、先打ちコンクリート10を形成するための型枠における打継面を形成する面側に、柱状体形成用の円柱状型枠3(図2参照)と平板状の型枠とを交互に配し、その型枠内にコンクリートを打設する。型枠内には先打ちコンクリート用の鉄筋が所定箇所に配置されている。なお、平板状の型枠の内面には、打継面に凹凸を形成するために遅延剤が塗布されている。
次いで、先打ちコンクリート10が硬化した後、柱状体形成用の円柱状型枠3を残して先打ちコンクリート用の型枠を取り外し、後打ちコンクリート20を形成するための型枠を設置して、その型枠内にコンクリートを打設する。型枠内には後打ちコンクリート用の鉄筋が所定箇所に配置されている。
次いで、後打ちコンクリート20が硬化した後、後打ちコンクリート用の型枠を取り外す。また、図2に示すように、柱状体形成用の円柱状型枠3を取り外す。この円柱状型枠3を取り外した箇所には、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の領域に跨って形成された円筒状の穴と半円筒状の溝が設けられている。
この円筒状の穴と半円筒状の溝に樹脂材料をそれぞれ充填して固化させた柱状体30を形成すると、図1に示した打継ぎ目構造1が得られる。
なお、円柱状型枠3の周面には、打継面に凹凸を形成するために遅延剤を塗布しておくことが好ましい。打継面に凹凸が形成されていれば、柱状体30が打継面に定着し易くなるので、柱状体30が先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20により強く結合するようになる。
また、打継ぎ目構造1を構築したコンクリート構造物100の上面には防水剤を塗布するなどして防水工を施すことが好ましい。コンクリート構造物100の上面に防水工を施しておけば、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の打継ぎ目に雨水が浸入し難くなり、鉄筋が錆びるなど劣化するのを低減することができる。
このように、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の接合部位に形成された複数の柱状体30を備えている打継ぎ目構造1であれば、複数の柱状体30を介して先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20が噛み合った構造をとることができるので、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20を強固に結合することができる。
特に、この打継ぎ目構造1は、樹脂材料からなる柱状体30を備えているので、コンクリート構造物100に負荷がかかった場合に、その柱状体30が弾性変形することによる緩衝作用によって打継ぎ目部分の変形を緩和することができ、打継ぎ目が損傷し難い構造になっている。
つまり、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の接合部位であって、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の領域に跨って形成されている、樹脂材料からなる柱状体30を備えている打継ぎ目構造1であれば、コンクリート構造物100の打継ぎ目の強度を向上させることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態では、円柱状型枠3を用いて設けた円筒状の穴と半円筒状の溝に樹脂材料を充填して柱状体30を形成したが、例えば、円柱状型枠3の代わりに、その内部に樹脂材料が封入されている円柱状カプセルを用いてもよい。
その円柱状カプセルは、円柱状型枠3と略同じ形状を有しており、円柱状型枠3と同様に用いてコンクリートの打設を行う。そして、後打ちコンクリート20が硬化した後に、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20に挟まれている円柱状カプセルを割って、その円柱状カプセルに封入されていた樹脂材料を穴や溝に満たして固化させれば、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の接合部位に柱状体30を形成することができる。
なお、2液反応性の樹脂材料である場合、各樹脂をそれぞれ袋に封入したものを円柱状カプセル内にセットしておき、円柱状カプセルを割って袋を破いた後、必要に応じて樹脂材料を撹拌混合して、柱状体30を形成するようになっている。
また、例えば、図3に示すように、上述した柱状体30に加え、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20に跨り、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の界面に沿って延在するようにコンクリート構造物100の下面に形成されている溝に、樹脂材料からなる下縁体40が設けられた打継ぎ目構造1であっても、上述した打継ぎ目構造1と同様の作用効果を奏することができる。
下縁体40は、柱状体30と同様に樹脂材料からなる部材であって、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂によって形成されている。この下縁体40も、柱状体30と同様に、下縁体形成用の円柱状型枠3を用いて設けた半円筒状の溝に樹脂材料を充填して固化させることで形成することができる。
特に、この下縁体40を備えた打継ぎ目構造1であれば、コンクリート構造物100に重量物が載るような負荷がかかり、その重みなどによってコンクリート構造物100が下に撓むような場合に、樹脂材料からなる下縁体40が弾性変形することによる緩衝作用によって打継ぎ目部分の変形を緩和することができ、打継ぎ目が損傷し難い構造になっている。
また、例えば、図4に示すように、上述した柱状体30と下縁体40に加え、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20に跨り、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の界面に沿って延在するようにコンクリート構造物100の上面に形成されている溝に、樹脂材料からなる上縁体50が設けられた打継ぎ目構造1であっても、上述した打継ぎ目構造1と同様の作用効果を奏することができる。
上縁体50は、柱状体30と同様に樹脂材料からなる部材であって、例えば、エポキシ樹脂やアクリル樹脂によって形成されている。この上縁体50も、柱状体30と同様に、上縁体形成用の円柱状型枠3を用いて設けた半円筒状の溝に樹脂材料を充填して固化させることで形成することができる。
特に、この上縁体50を備えた打継ぎ目構造1であれば、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の打継ぎ目に雨水が浸入し難くなっているので、打継ぎ目から浸入する雨水により鉄筋が錆びるなど劣化するのを低減することができ、打継ぎ目が損傷し難い構造になっている。ここでは特に、コンクリート構造物100における打継ぎ目の全周を、コンクリート構造物100の側面に露出している半円筒形状の柱状体30と、下縁体40と、上縁体50とによって塞いでいるので、雨水がより一層浸入し難くなっている。
また、樹脂材料からなる上縁体50が弾性変形することによる緩衝作用によって打継ぎ目部分の変形を緩和することができ、打継ぎ目が損傷し難い構造になっている。
次に、本実施形態の打継ぎ目構造1と従来の打継ぎ目構造1aを比較するために行ったコンクリート構造物の載荷試験について説明する。
ここでの載荷試験に用いたコンクリート構造物の試験体は、図5に示すように、幅500mm×高さ250mm×長さ2000mmのサイズを有するものであって、先打ちコンクリート10に相当する部分の長さが1500mmで、後打ちコンクリート20に相当する部分の長さが500mmであるように打継ぎ目構造1(1a)を形成したものである。
本実施形態の打継ぎ目構造1を有する試験体は、コンクリート構造物の両側面に露出する位置に設けられた半円筒形状の柱状体30と、下縁体40を介して先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20を接合したものである。この2つの柱状体30はコンクリート構造物の幅方向に500mm間隔に設けられている。なお、先打ちコンクリート10の打設面には、型枠の内面に遅延剤を塗布したことによる凹凸を形成している。
また、従来の打継ぎ目構造1aを有する試験体は、打設面にチッピングを施した先打ちコンクリート10に後打ちコンクリート20を接合したものである。
これら試験体に対し、図5に示すように、載荷点間500mm、支点間1500mmでの2点集中繰り返し載荷を行った。なお2点載荷条件は、2Pmin=30kN、2Pmax=170kNとした。この2Pmaxは、試験体のせん断耐力(Vc)算定値の約80%である。
その載荷試験結果を図6に示す。
図6(a)に示すように、本実施形態の打継ぎ目構造1を有する試験体は、2500万回の載荷を行った段階では、打継ぎ目にひび割れが発生するものの、そのひび割れはコンクリート構造物の高さ(厚さ)の3分の2程度のものであった。なお、2500万回の載荷の段階でこの試験体には、載荷点と支点とを結ぶような斜め方向のひび割れは発生しなかった。
一方、図6(b)に示すように、従来の打継ぎ目構造1aを有する試験体は、2500万回の載荷を行った段階で、既に発生していた打継ぎ目の全域に亘るひび割れに加え、さらに載荷点と支点を結ぶ斜め方向のひび割れが発生してしまい、崩壊した。
このような結果から、本実施形態の打継ぎ目構造1は、従来の打継ぎ目構造1aよりもコンクリート構造物100の打継ぎ目の強度を向上させたことがわかる。
以上のように、本実施形態のコンクリート構造物100の打継ぎ目構造1は、先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20の接合部位であるコンクリート構造物100の打継ぎ目の強度を向上させることができる。
なお、上記実施の形態においては、先打ちコンクリート用の型枠における平板状の型枠の内面には打継面に凹凸を形成するために遅延剤が塗布されているとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、硬化した先打ちコンクリート10の打設面にチッピングを施してコンクリート面を斫って目荒らしするなど、従来の打継目処理を合わせて行うようにしてもよい。
また、上記実施の形態においては、後打ちコンクリート20が硬化した後に柱状体形成用の円柱状型枠3を取り外すとしたが、所定の薬剤(溶剤)によって溶ける材料(例えば発泡スチロールなど)で円柱状型枠3を形成しておき、後打ちコンクリート20が硬化した後に円柱状型枠3を溶かして消失させるようにしてもよい。
この場合、円柱状型枠3の表面に凹凸を付けておけば、円柱状型枠3が消失して露出する打継面に凹凸が形成されるようになる。
また、以上の実施の形態においては、柱状体30を介して先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20とが噛み合う打継ぎ目構造1(図1参照)、柱状体30と下縁体40を介して先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20とが噛み合う打継ぎ目構造1(図3参照)、柱状体30と下縁体40と上縁体50を介して先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20とが噛み合う打継ぎ目構造1(図4参照)、を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、柱状体30と上縁体50を介して先打ちコンクリート10と後打ちコンクリート20とが噛み合う打継ぎ目構造1であってもよい。
また、複数の柱状体30が、円筒形状を呈している柱状体30のみであっても、コンクリート構造物100の両側面に露出している半円筒形状の柱状体30のみであってもよい。
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
100 コンクリート構造物
1 打継ぎ目構造
10 先打ちコンクリート
20 後打ちコンクリート
30 柱状体
40 下縁体
50 上縁体

Claims (3)

  1. コンクリート構造物を分割して施工する際に、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの間に形成される打継ぎ目構造であって、
    前後に並んでいる前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの接合部位に、前記コンクリート構造物を上下に貫く樹脂材料からなる柱状体が、前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの界面に沿って所定の間隔をあけて複数設けられているとともに、
    前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートに跨り、前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの界面に沿って延在するように前記コンクリート構造物の下面に形成されている溝に、樹脂材料からなる下縁体が前記複数の柱状体の下端部と交差して設けられていることを特徴とするコンクリート構造物の打継ぎ目構造。
  2. コンクリート構造物を分割して施工する際に、先打ちコンクリートと後打ちコンクリートの間に形成される打継ぎ目構造であって、
    前後に並んでいる前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの接合部位に、前記コンクリート構造物を上下に貫く樹脂材料からなる柱状体が、前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの界面に沿って所定の間隔をあけて複数設けられているとともに、
    前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートに跨り、前記先打ちコンクリートと前記後打ちコンクリートの界面に沿って延在するように前記コンクリート構造物の上面に形成されている溝に、樹脂材料からなる上縁体が前記複数の柱状体の上端部と交差して設けられていることを特徴とするコンクリート構造物の打継ぎ目構造。
  3. 前記柱状体の少なくとも1つが、前記コンクリート構造物の側面に露出する位置に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の打継ぎ目構造。
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