JP6586917B2 - 吸収性物品 - Google Patents

吸収性物品 Download PDF

Info

Publication number
JP6586917B2
JP6586917B2 JP2016080058A JP2016080058A JP6586917B2 JP 6586917 B2 JP6586917 B2 JP 6586917B2 JP 2016080058 A JP2016080058 A JP 2016080058A JP 2016080058 A JP2016080058 A JP 2016080058A JP 6586917 B2 JP6586917 B2 JP 6586917B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
absorber
wearer
tape
elastic member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016080058A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017189342A (ja
Inventor
遥絵 清水
遥絵 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Oji Holdings Corp
Original Assignee
Oji Holdings Corp
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Holdings Corp, Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Holdings Corp
Priority to JP2016080058A priority Critical patent/JP6586917B2/ja
Publication of JP2017189342A publication Critical patent/JP2017189342A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6586917B2 publication Critical patent/JP6586917B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)

Description

本発明は、着用者に着用された状態において、着用者から排出された便を保持する吸収性物品に関するものである。
従来、斜め格子状の凹部が表面に配された吸収体が存在する(特許文献1)。この吸収体は、体型によくフィットするように各吸収部の形状が変化しやすく、各吸収部の肌面に対する密着性が高められるため、歩行している時や座っている時などでも体型適合性に優れる。
また、表面シートに、前後方向に沿って複数の弾性部材及び複数の切り込み部を設けた吸収性物品が存在する(特許文献2)。各切り込み部は、左右方向に間隔をあけ、かつ前後方向に沿って略直線状に設けられた2つのスリットを備えている。表面シートに前後方向の張力が付与されている場合には、表面シートは平坦な状態に保持される。一方、張力が解除されると、弾性部材の収縮力により表面シートは部分的に前後方向に収縮され、2つのスリットの間の部分が、肌面側に立ち上がる。その結果、3次元的な凹凸構造が形成される。この凸部により、軟便に含まれる流動性の高い液体成分の前後方向への流れが阻止される。
特開2012−143535号公報 特開2009−45334号公報
特許文献1の技術においては、着用者が軟便を排泄した後、格子状の凹部に沿って軟便が移動しやすい。その結果、着用者と吸収性物品との間において、軟便が広がりやすいため、広がった軟便が腹まわりや脚まわりにおける隙間から漏れるおそれがあり、また、吸収性物品を交換する際に、作業者の負担が大きいという問題が存在する。また、特許文献2の技術においても、表面シート上に形成される凸部による軟便の移動を抑制する効果は、十分ではなく、改善の余地を残していた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、着用者に着用されて着用者から排出された便を保持する吸収性物品が提供される。この吸収性物品は:液体を吸収する吸収体と;着用時に前記吸収体に対して着用者側となる側において前記吸収体に接合されており、液体を透過することができるシートと;伸縮性を有し、伸長された状態で配され、前記シートに接合されている弾性部材と、を備える。前記シートは、前記吸収体が液体を吸収していない状態において、前記吸収体に拘束されており、前記吸収体が液体を吸収した状態において、前記吸収体への拘束を解除されるように、前記吸収体に接合されている。
このような態様においては、軟便が排泄される前の状態においては、シートは吸収体に拘束されている。このため、シートと吸収体とが、一体的に着用者の身体の外形形状に沿うことができ、吸収性物品の着用感が良好である。一方、軟便が排泄された後には、吸収体のうち、シートを透過した軟便中の水分を吸収した部位において、吸収体からシートが離れる。そして、シートのうち吸収体から離れた部位は、伸長状態にあった弾性部材が収縮することによって、縮小され、吸収体と着用者との間において波状の凹凸を形成する。その結果、シートのうち着用者側から見て凹部となっている部位において、軟便が保持される。よって、軟便が排泄された部位において、軟便の移動を抑制することができる。
(2)上記形態の吸収性物品において、伸長された状態で並んで配され、それぞれ前記シートに接合されている一対の前記弾性部材を備える、態様とすることができる。このような態様においては、伸長状態にあった一対の弾性部材の収縮によって、シートのうち吸収体から離れた部位が、吸収体と着用者との間において波状の凹凸を形成する。その結果、一対の弾性部材の間であって、シートの波状の形状のうち着用者から見て凹部となっている部位において、軟便が保持される。
(3)上記形態の吸収性物品において、前記シートが、前記弾性部材の伸長方向に離れた二つの部位において、液体との接触の有無によらず前記吸収体に拘束されるように、前記吸収体に固定されている、態様とすることができる。このような態様とすれば、吸収体が広範囲にわたって液体と接触した場合にも、シートと吸収体とは、弾性部材の伸長方向に離れた二つの部位において、拘束されている。このため、それらの二つの部位の間において、吸収体から離れたシートが、弾性部材の収縮によって吸収体から離間し、波状の凹凸を形成する。その結果、当該部位において、軟便の移動を抑制することができる。
(4)上記形態の吸収性物品において、前記シートが、着用者の前後方向について着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲を超える範囲において、前記吸収体に接合されている、態様とすることができる。このような態様においては、吸収性物品が適切に着用されることにより、軟便が排泄された後に、軟便の水分を吸収した部位の吸収体から離れたシートが、少なくとも大小便が及ぶことが想定される範囲外の両側の部位において、吸収体に拘束された状態で、弾性部材の収縮によって吸収体から離間し、波状の凹凸を形成する。その結果、軟便の水分を吸収した部位の吸収体から離れたシートにおいて、軟便の移動を抑制することができる。
(5)上記形態の吸収性物品において、前記弾性部材が、前記シートが前記吸収体に接合されている部位とは異なる部位において、前記シートに接合されている、態様とすることができる。このような態様とすれば、シートと吸収体との間の接合と、シートと弾性部材との間の接合とを、それぞれの機能を損なうことなく、実現することができる。
(6)上記形態の吸収性物品において、前記弾性部材が、伸長方向に沿って、断続的に前記シートに接合されている、態様とすることができる。このような態様とすれば、弾性部材のうち、シートに拘束されている部分と、シートに拘束されていない部分との寸法を適切に設定することにより、弾性部材が収縮した際の波状の形状を好ましい形状に設定することができる。よって、そのように構成された吸収性物品により、好適に軟便の移動を抑制することができる。
(7)上記形態の吸収性物品において、前記シートが、前記吸収体に圧着により接合されている、態様とすることができる。このような態様とすれば、吸収体が液体を吸収していない状態において、吸収体に拘束されており、吸収体が液体を吸収した状態において、吸収体への拘束を解除されるように、シートを吸収体に接合する手段とは別の接合手段を用いることなく、吸収性物品を構成することができる。なお、前記吸収体は、液体を吸収することができる吸収性樹脂を含んでいることが好ましい。そして、前記シートの前記吸収体への圧着は、前記吸収性樹脂が液体を吸収していない状態において、前記シートが前記吸収体に拘束されており、前記吸収性樹脂が液体を吸収した状態において、前記シートの前記吸収体への拘束を解除されるように、行われていることが好ましい。
(8)上記形態の吸収性物品において、前記吸収体、前記シートおよび前記弾性部材が、着用者の両太腿の間から少なくとも背の一部に位置するように構成される、態様とすることができる。このような態様とすれば、着用者から排出された軟便を、排出された部位の近傍において、適切に保持することができる。
本発明は、吸収性物品の種々の形態で実現することが可能である。たとえば、おむつ、より具体的にはテープ型やパンツ型のおむつ、生理用品、尿取りライナー、軽失禁パッド等の様々な形態で実現することができる。
第1実施形態の吸収体を備えたテープ型紙おむつ10を示す平面図である。 図1のA−A断面における第1実施形態のテープ型紙おむつ10の構造を模式的に示す断面図である。 図1のB−B断面における第1実施形態のテープ型紙おむつ10の構造を模式的に示す断面図である。 図3に示したテープ型紙おむつ10において、吸収体3が液体を吸収した状態を模式的に示す断面図である。 第1実施形態のテープ型紙おむつ10の中央部10Mを示す図である。 図5に示したテープ型紙おむつ10において、吸収体3が液体を吸収した状態を示す図である。 比較例のテープ型紙おむつの中央部10Mに相当する部位を示す図である。 第2実施形態の吸収体を備えたテープ型紙おむつ10bを示す平面図である。
A.第1実施形態:
図1は、第1実施形態の吸収体を備えたテープ型紙おむつ10を示す平面図である。テープ型紙おむつ10は、表面シート1と、カバーシート2と、表面シート1とカバーシート2の間に配される吸収体3および防水シート4と、固定テープ52と、フロントパッチ54と、ウェスト伸縮材56と、を基本構成として備える。
表面シート1は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者側となる側に配されるシートである。表面シート1は、着用者の尿や体液を透過させることができる素材で構成される。
表面シート1を構成する材料としては、たとえば、織布、不織布、多孔性フィルム、網目を有するネット状シートを採用することができる。ただし、表面シート1は、不織布であることが好ましい。不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布を用いることができる。
カバーシート2は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、外側(着用者側とは逆の側)となる側に配されるシートである。カバーシート2は、テープ型紙おむつ10の強度を高め、テープ型紙おむつ10の手触りをよくする機能を奏する。カバーシート2は、平面視した際に表面シート1と略一致する形状を有している。図1においては、カバーシート2は、表面シート1で隠されているため、裏面側に位置するカバーシート2の符号「2」を、破線の引き出し線で示す。
カバーシート2を構成する材料としては、織布、および不織布を採用することができる。不織布としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂からなる乾式不織布、湿式不織布を用いることが好ましい。
吸収体3は、着用者の尿や体液を吸収し、保持する部材である。吸収体3は、略長方形の平面形状を有する板状(シート状)の部材である。吸収体3の長手方向の長さは、着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲SRの長さと一致しており、本実施形態において50cmである。なお、着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲SRは、着用者の個人差や着用の際の位置ズレ等を考慮の上、十分な余裕を持って設定されている。
吸収体3は、表面シート1とカバーシート2の間に配される。吸収体3は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲SRに吸収体3が位置するように、表面シート1とカバーシート2の間において配されている。より具体的には、吸収体3は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の両太腿の間から背中の一部(下部)にかけて吸収体3が位置するように、表面シート1とカバーシート2の間において配されている。
図1において、吸収体3は、表面シート1に覆われているため、吸収体3の外形を破線の長方形で示す。吸収部32は、液体を吸収することができる繊維と、液体を吸収し保持することができる樹脂と、で構成される。吸収体3の構成および材料については、後にさらに説明する。
図1ならびに後に説明する図2および図8において、空間において互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を示す。X軸は、略長方形の平面形状を有する吸収体3の長手方向と一致する軸である。Y軸は、吸収体3の短手方向と一致する軸である。Z軸は、板状の部材である吸収体3の厚み方向と一致する軸である。本願明細書において「平面視した際」の形状を記述する場合、「平面視」はZ軸方向に沿って行われるものとする。
表面シート1と吸収体3とは、一部の線状の部位122において互いに熱圧着されている。表面シート1は、吸収体3が液体を吸収していない状態において、吸収体3に拘束されており、吸収体3が液体を吸収した状態において、吸収体3への拘束を解除されるように、吸収体3に接合されている。その結果、表面シート1と吸収体3とは、使用前の状態においては、一体である。
このような態様とすることにより、工場内におけるテープ型紙おむつ10の生産過程において、また、テープ型紙おむつ10の完成後の搬送過程において、テープ型紙おむつ10およびその中間品を取り扱う際の取り扱いが容易となる。なお、本明細書において、表面シート1と吸収体3とが熱圧着されている線状の部位122を「圧着部122」とも呼ぶ。
圧着部122は、表面シート1の他の部位に比べてへこんでおり、溝状に形成されている。そして、溝状の圧着部122は、テープ型紙おむつ10を平面視した際に、X軸およびY軸とそれぞれ45度をなす格子状に配される。このような構成とすることにより、テープ型紙おむつ10と着用者の間において、互いに連通する圧着部122を通って空気が流通し、各部の温度および湿度が均一化される。その結果、着用者は、快適にテープ型紙おむつ10を着用できる。
表面シート1の圧着部122は、テープ型紙おむつ10において、表面シート1と吸収体3とが重なる部位全体に及ぶ。なお、図1においては、ひれ部62,62によって、圧着部122の一部が隠されている。ひれ部62,62については、後にさらに説明する。
防水シート4は、着用者から排出された尿および体液や、吸収体3が吸収し保持している尿および体液が、テープ型紙おむつ10外に漏出する事態を防止するための部材である。防水シート4は、略長方形の平面形状を有する。防水シート4は、吸収体3とカバーシート2の間に配される。防水シート4は、平面視した際に、その外輪郭が吸収体3の外輪郭を囲む大きさおよび配置で、構成され、吸収体3とカバーシート2の間に配される。図1において、防水シート4は、表面シート1に覆われているため、防水シート4の外形を破線の長方形で示す。防水シート4は、着用者の尿や体液を透過させない材料によって構成される。
防水シート4の材料としては、ポリエチレン等の合成樹脂フィルム、不織布と合成樹脂フィルムとの複合シート(例えばスパンボンド等の不織布に通気性の合成樹脂フィルムが挟まれたシート)からなる液不透過性フィルムを採用することができる。なお、防水シート4の材料としては、液体水を透過せず水蒸気を透過することができる、いわゆる透湿性を有する液不透過性フィルムを用いることが好ましい。透湿性のある液不透過性フィルムとしては、0.1〜0.5μmの微細な孔を有する微多孔性ポリエチレンフィルムを採用することができる。
テープ型紙おむつ10は、前部10F、中央部10Mおよび後部10Bを備える。前部10Fは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の腹側に位置する部位である。後部10Bは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の背側に位置する部位である。中央部10Mは、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の股下(両太腿の間)に位置する部位である。
中央部10Mは、テープ型紙おむつ10が平面に沿って展開されている状態(図1参照)において、X軸方向について、前部10Fと後部10Bの間に位置する部位である。テープ型紙おむつ10が平面に沿って展開されている状態において、前部10Fは、中央部10Mに対して、X軸方向の+側に位置する。テープ型紙おむつ10が平面に沿って展開されている状態において、後部10Bは、中央部10Mに対して、X軸方向の−側に位置する。
前述のように、表面シート1とカバーシート2とは、Z軸方向に沿って平面視した際に、略一致する形状を有している。表面シート1とカバーシート2は、中央部10Mに比べて、前部10Fおよび後部10Bにおいて、Y軸方向に大きい形状で設けられている。表面シート1とカバーシート2を含むテープ型紙おむつ10は、X軸方向に平行な中心軸CL1を中心として、Y軸方向に略線対称な構成を有する。
表面シート1とカバーシート2の後部10BのY軸方向の両側には、固定テープ52が設けられている。固定テープ52は、フロントパッチ54とともに、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、テープ型紙おむつ10を着用者に留めるための構成である。一対の固定テープ52は、表面シート1とカバーシート2の後部10BのY軸方向の両側の端から、それぞれY軸方向+側および−側に突出している。各固定テープ52の基部は、表面シート1とカバーシート2の間に配されて、固定されている。
カバーシート2上の二つの固定テープ52の間の位置には、ウェスト伸縮材56が設けられている。ウェスト伸縮材56はY軸方向について伸縮性を有する。ウェスト伸縮材56は、テープ型紙おむつ10のうちウェスト伸縮材56が設けられている位置の近傍の構成(たとえば、表面シート1とカバーシート2)を、Y軸方向に弾性的に伸縮させることができる。
カバーシート2の前部10FのY軸方向の略中央部分には、フロントパッチ54が設けられている。フロントパッチ54は、固定テープ52とともに、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、テープ型紙おむつ10を着用者に留めるための構成である。固定テープ52とフロントパッチ54とは、たとえば、面ファスナーとして構成することができる。
テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際には、表面シート1が着用者側に向き、前部10Fが着用者の腹側に位置し、後部10Bが着用者の背側に位置するように、テープ型紙おむつ10が湾曲される。その状態で、背側に位置する二つの固定テープ52の先端部分が、それぞれ腹側に位置するフロントパッチ54に貼られることにより、テープ型紙おむつ10の上端部が着用者の胴囲を囲む形状となる。その際、二つの固定テープ52が図1のY軸方向の両側に引かれ、ウェスト伸縮材56が伸ばされている状態で、二つの固定テープ52が腹側に位置するフロントパッチ54に貼られる。その結果、ウェスト伸縮材56の収縮力によって、着用者の胴囲を囲むテープ型紙おむつ10が着用者の胴囲を緩やかに締め付けて、テープ型紙おむつ10の脱落を防止する。
図2は、図1のA−A断面における第1実施形態のテープ型紙おむつ10の構造を模式的に示す断面図である。図2において、テープ型紙おむつ10の中心CL2を一点鎖線で示す。なお、図2は、テープ型紙おむつ10の各構成の寸法を正確に反映するものではない。図2においては、技術の理解を容易にするため、テープ型紙おむつ10の各構成を互いに離間して示している。しかし、実際には、図2に示す各構成は、少なくともZ軸方向について、互いに接触して積層されている。
吸収体3は、吸収部32と、吸収部32を覆うコアラップシート33と、を備える。吸収部32は、略長方形の平面形状を有する板状(シート状)の部材である。吸収部32は、液体を吸収することができる繊維(本明細書において「吸収性繊維」とも表記する)と、液体を吸収し保持することができる樹脂(本明細書において「吸収性樹脂」とも表記する)と、で構成される。
吸収性繊維は、いわゆるフラッフパルプ(綿状パルプ)として構成することができる。吸収性繊維としては、パルプ繊維、レーヨン繊維、またはコットン繊維のようなセルロース系繊維の短繊維(繊維長5mm以下のもの)や、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリエチレンテレフタレート等の合成繊維に親水化処理を施した短繊維(繊維長5mm以下のもの)を採用することができる。吸収部32を構成する際には、これらの繊維を単独で用いることもでき、複数種類の繊維を組み合わせて用いることもできる。
吸収部32においては、粒状の吸収性樹脂が、吸収性繊維の隙間に埋没されて保持されている。吸収性樹脂としては、水を吸収し保持することのできる架橋構造を持つ親水性ポリマー、いわゆる「高吸収性ポリマー」(SAP:Super Absorbent Polymer)を採用することができる。
吸収部32が保持する吸収性樹脂としては、デンプン系、セルロース系、または合成ポリマー系の樹脂を採用することができる。より具体的には、吸収性樹脂として、デンプン−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、デンプン−アクリル酸エチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−メタクリル酸メチルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物、デンプン−アクリルアミドグラフト共重合体のケン化物、ポリアクリル酸(塩)、アクリル酸で架橋されたポリエチレンオキシド、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物、ポリビニルアルコール−無水マレイン酸反応物の架橋物等を採用することができる。本実施形態においては、自重の20倍以上の水分を吸収し得る高い吸収性能を有する、ポリアクリル酸ナトリウムを採用する。
コアラップシート33は、吸収部32を覆っている。コアラップシート33は、吸収部32の表面シート1側に配されて吸収部32の表面シート1側の一部を覆う第1のシート331と、吸収部32の他の部位を覆う第2のシート332と、から構成される。第1のシート331および第2のシート332の素材としては、たとえば、ティッシュペーパ等の紙を採用することができる。ティッシュペーパとしては、坪量が10〜30g/m2のものを採用することができる。また、コアラップシート33は、不織布とすることもできる。不織布としては、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、スパンレース不織布、エアースルー不織布を用いることができる。
表面シート1は、センターシート12と、サイドシート14,14とを備える。センターシート12は、カバーシート2とともに、Z軸方向の両側から吸収体3および防水シート4を挟んで、これらのXY面状における位置を固定している。技術の理解を容易にするため図2には表していないが、表面シート1のセンターシート12と吸収体3とが、圧着部122において熱圧着されている(図1参照)。
サイドシート14,14は、センターシート12に対して、Y軸方向の両側に配される。サイドシート14は、Y軸方向についてテープ型紙おむつ10の中心CL2とは逆の側の部位を、センターシート12に固定されている。より具体的には、サイドシート14の端部は、センターシート12のY軸方向の端部に固定されている。
サイドシート14とセンターシート12とが接合されている部位においては、サイドシート14とセンターシート12の間に、3本の弾性部材66,66,66が、X軸方向に沿って配されている(図1も参照)。弾性部材66の素材としては、糸ゴム、伸縮性不織布、伸縮性樹脂フィルムなどを採用することができる。テープ型紙おむつ10が着用者に着用され、センターシート12、吸収体3、防水シート4およびカバーシート2が湾曲した状態においては、弾性部材66が収縮して、着用者の太腿の付け根を囲むレグギャザーが形成される。レグギャザーは、着用者とテープ型紙おむつ10の間から尿や便が漏出する事態を防止する。
サイドシート14のY軸方向について中心CL2の側の部位は、センターシート12側に折り返されて、互いに固定されている。サイドシート14の折り返された部位は、センターシート12に固定されていない。当該部位は、ひれ部62を構成する。ひれ部62の先端近傍には、2本の弾性部材64,64がサイドシート14挟まれて固定されている。弾性部材64の素材としては、糸ゴム、伸縮性不織布、伸縮性樹脂フィルムなどを採用することができる。弾性部材64,64は、X軸方向に沿って配されている(図1参照)。
ひれ部62は、テープ型紙おむつ10が平面に沿って展開されている状態において、センターシート12上に重ねられている(図1の62および図2の実線の62参照)。このとき、弾性部材64は伸長した状態にある。一方、テープ型紙おむつ10が着用者に着用され、センターシート12、吸収体3、防水シート4およびカバーシート2が湾曲した状態においては、弾性部材64,64が収縮して、センターシート12よりも湾曲の内側を通ることから、センターシート12に対して、ひれ部62が立ち上がる(図2の破線で示す62参照)。その結果、立体ギャザーが形成される。立体ギャザーは、レグギャザーとともに、着用者とテープ型紙おむつ10の間から尿や便が漏出する事態を防止する。
センターシート12の吸収体3側(Z軸方向−側)の面には、一対の弾性部材68,68が、伸長された状態で接合されている。弾性部材68の素材としては、糸ゴム、伸縮性不織布、伸縮性樹脂フィルムなどを採用することができる。本実施形態においては、弾性部材68は、ポリウレタン製の弾性繊維とする。
弾性部材68,68は、吸収体3のY軸方向の両端近傍の位置に、X軸方向に沿って配されている(図1も参照)。このような構成とすることにより、着用者から軟便が排出された際に、軟便を保持する弾性部材68,68の間のセンターシート12の領域を、広く確保することができる。着用者から軟便が排出された際の軟便の保持の効果については、後に説明する。
センターシート12と弾性部材68,68とは、センターシート12が着用者の尿や体液で濡れた状態にあっても、互いの拘束を維持するように接合されている。そして、センターシート12と弾性部材68,68とは、X軸方向に沿って断続的に接合されている。
また、センターシート12と弾性部材68,68は、弾性部材68,68の伸長方向(X軸方向)に互いに離れた部位3F1,3F2において、吸収体3に固定されている(図1参照)。より具体的には、センターシート12と弾性部材68,68は、吸収体3のX軸方向の両端近傍の部位3F1,3F2において、吸収体3に固定されている。なお、本明細書において「吸収体3の端近傍」とは、吸収体3の端から吸収体3の全長の1/5以下の範囲を意味する。センターシート12と弾性部材68,68は、センターシート12や弾性部材68,68や吸収体3が着用者の尿や体液で濡れた状態にあっても、拘束が維持されるように、X軸方向の両端近傍の部位3F1,3F2において、吸収体3に固定されている。
吸収体3の一方の面に、表面シート1を積層し、他方の面に防水シート4およびカバーシート2を取りつけることで、テープ型紙おむつ10を生成することができる(図1および図2参照)。なお、固定テープ52と、フロントパッチ54と、ウェスト伸縮材56とは、あらかじめ、カバーシート2に取りつけられる。
図3は、図1のB−B断面における第1実施形態のテープ型紙おむつ10の構造を模式的に示す断面図である。図3は、テープ型紙おむつ10のB−B断面のうち、吸収体3が設けられている範囲の一部の断面を示す。図3は、圧着部122の数やテープ型紙おむつ10の各構成の寸法を正確に反映するものではない。図3に示すテープ型紙おむつ10は、吸収体3が液体を吸収していない状態におけるテープ型紙おむつ10である。
図3に示すように、吸収体3が液体を吸収していない状態においては、複数の圧着部122において、センターシート12(表面シート1)と弾性部材68は、吸収体3(第1のシート331、吸収部32、および第2のシート332)に圧着され、拘束されている。その結果、センターシート12と、弾性部材68と、吸収体3と、カバーシート2とは、一体として湾曲している。このため、テープ型紙おむつ10は、着用者の身体UBに沿って一体的に変形し、着用者の身体UBに接することができる。その結果、テープ型紙おむつ10は、装着感が良好である。
図4は、図3に示したテープ型紙おむつ10において、吸収体3が液体を吸収した状態を模式的に示す断面図である。図4も、テープ型紙おむつ10の各構成の寸法を正確に反映するものではない。
吸収体3が液体を吸収した状態においては、吸収部32の吸収性樹脂と吸収性繊維が液体を吸収して吸収部32が膨張する。その結果、凹状の圧着部122(図3参照)が消失し、センターシート12(表面シート1)は、吸収体3への拘束を解除される。
すると、弾性部材68が収縮して、吸収体3よりも湾曲の内側を通ることから、吸収体3に対して、弾性部材68と、弾性部材68に固定されているセンターシート12とが、離れる。弾性部材68が収縮するのに対して、センターシート12は弾性部材68に比べて収縮しないことから、センターシート12は、着用者の身体UBと、吸収体3および弾性部材68との間で、波状の凹凸を形成することになる(図4の12参照)。
センターシート12と弾性部材68とは、X軸方向に沿って断続的に接合されている。このため、センターシート12のうち、弾性部材68に接合されている部位は、弾性部材68に拘束されており、弾性部材68に接合されていない部位は、弾性部材68から離れる。その結果、少なくともY軸方向(図4の奥行き方向に対応)についての弾性部材68の近傍においては、センターシート12と弾性部材68との接合部位の長さおよび間隔に応じて、センターシート12は、波状に屈曲する。言い換えれば、センターシート12と弾性部材68との接合部位の長さおよび間隔を適切に設定することにより、少なくともY軸方向についての弾性部材68の近傍におけるセンターシート12の波状の形状(より具体的には、波長または周波数)を、制御することができる。
一方、弾性部材68をセンターシート12に接合する際の弾性部材68の伸長の程度(たとえば、自然長からの伸長距離や伸長率)を適切に設定することにより、少なくともY軸方向についての弾性部材68の近傍におけるセンターシート12の屈曲の形状(より具体的には、振幅、すなわち波の大きさ)を、制御することができる。
なお、図3および図4においては、弾性部材68を含む図1のB−B断面における断面図を使用して、本実施形態の作用を説明した。しかし、一対の弾性部材68の間の部位においても、同様に、弾性部材68の収縮に伴い、センターシート12は、着用者の身体UBと吸収体3との間で、波状に屈曲する。
一方、吸収体3が尿や軟便の水分を吸収した後も、Y軸方向の両端におけるセンターシート12、サイドシート14およびカバーシート2の固定は維持される(図2の左右端部参照)。このため、センターシート12と吸収体3との間の空間Vacは、着用者の前後方向(図4において上下方向)の両端において閉じているだけでなく、着用者の左右方向(図4において奥行き方向、図1および図2においてY軸方向)の両端においても、閉じている。図1を参照して説明すると、センターシート12と吸収体3との間の空間Vacは、おおまかには、Y軸方向の中心軸CL1に近いほどZ軸方向の厚みが大きく、Y軸方向の両端に近いほどZ軸方向の厚みが小さい。
図5は、第1実施形態のテープ型紙おむつ10の中央部10M(図1参照)を示す図である。図5に示すテープ型紙おむつ10は、吸収体3が液体を吸収していない状態におけるテープ型紙おむつ10である。図5より、圧着部122において、格子状に、センターシート12が吸収体3に圧着されていることが分かる。
図6は、図5に示したテープ型紙おむつ10において、吸収体3が液体を吸収した状態を示す図である。図6より、格子状の圧着部122が消滅して、センターシート12が波状の形状をなし、凹部CPが形成されていることが分かる(図4も参照)。
以上で説明した構成を採用することにより、着用者が軟便を排泄した際には、センターシート12の凹凸のうち着用者側から見て凹部となっている部位CPにおいて、軟便が保持される(図4および図6参照)。よって、軟便が、排出された部位から前後方向(図4および図6における上下方向に相当)の他の部位に移動するのを抑制することができる。その結果、排出された軟便がテープ型紙おむつ10内において広がりにくく、おむつを交換する際の作業者の負担が小さい。なお、左右方向(図1におけるY軸方向)からの軟便の漏出は、ひれ部62および弾性部材64によって形成される立体ギャザー、ならびに弾性部材66によって形成されるレグギャザーによって、防止される。
また、本実施形態においては、センターシート12において、一対の弾性部材68,68が、吸収体3のY軸方向の両端近傍の位置に、X軸方向に沿って配されている(図1および図2参照)。そして、センターシート12と吸収体3との間の空間Vacは、Y軸方向の中心軸CL1に近いほど厚みが大きい。このため、センターシート12の屈曲によって形成される凹部CPの深さは、中心軸CL1に近いほど大きくなる傾向にある(図5参照)。このため、本実施形態においては、着用者の左右方向の中央近傍で、効果的に着用者の軟便を保持することができる。
また、着用者から排出された尿や体液を吸収した後の吸収体3が、表面シート1を介して着用者に密着していると、着用者の肌にかぶれが生じる場合がある。しかし、本実施形態によれば、吸収体3が吸収した後は、表面シート1のセンターシート12が吸収体3から離れる(図4参照)。その結果、湿った吸収体3と着用者の肌を離すことができ、着用者の肌にかぶれが生じる事態を防止することができる。
さらに、着用者から複数回にわたって尿が排出された場合、2回目、3回目の尿の排出の際には、1回目の尿の排出に比べて、吸収体3における尿の吸収速度が低くなることがある。そのような場合には、液体の状態で吸収体3表面に尿が一定時間残存するため、立体ギャザーおよびレグギャザー(図2の62,64,66参照)を透過して、尿が漏れ出す可能性がある。しかし、本実施形態においては、吸収体3に吸収されていない尿は、センターシート12と吸収体3との間の閉じた空間Vacにいったん保持される。そして、徐々に吸収体3に吸収される。このため、テープ型紙おむつ10から尿が漏れ出す可能性を低減することができる。
また、乾燥時にセンターシート12を拘束し、液体吸収時にセンターシート12を解放する吸収体3は、テープ型紙おむつ10が着用者に着用される際に、着用者の両太腿の間から背中の一部(下部)にかけて吸収体3が位置するように、表面シート1とカバーシート2の間において配されている(図1参照)。このため、排便が行われた際に吸収体3から解放され波状の凹凸形状をなすセンターシート12は、当該部位において適切に着用者から排出された軟便を受け止め、他の部位への移動を抑制することができる。
本実施形態においては、圧着部122は、溝状に設けられている。さらには、溝状に形成される圧着部122は、互いが連通するように交差して設けられている。このため、着用者から尿が排出された直後(センターシート12が吸収体3から離れる前。図3参照)は、尿は、テープ型紙おむつ10と着用者の間において、溝状の圧着部122を通って広範囲に拡散され、吸収体3に吸収される。このため、吸収体3全体を有効に活用して尿を吸収させることができる。そして、その後、センターシート12の広い範囲が、吸収体3から離間されて凹凸を形成することができる(図4参照)。その結果、センターシート12の広い範囲に形成された凹部CPによって、好適に便を保持することができる。
図7は、比較例のテープ型紙おむつの中央部10M(図1参照)に相当する部位を示す図である。比較例のテープ型紙おむつにおいては、表面シートは、吸収体が液体を吸収した状態においても、格子状の圧着部122における吸収体3への拘束を解除されない。比較例のテープ型紙おむつの他の点は、本実施形態のテープ型紙おむつ10と同じである。図7に示す比較例のテープ型紙おむつは、吸収体が液体を吸収した後の状態におけるテープ型紙おむつである。
図7より、吸収体が液体を吸収した後においても、格子状に、センターシートが吸収体に圧着されていることが分かる。このような態様においては、格子溝状の圧着部122に沿って軟便が移動しやすく、テープ型紙おむつと着用者の間において軟便が広がりやすい。その結果、着用者の背側(展開図を示す図1においてX軸方向−方向の端)および腹側(図1においてX軸方向+方向の端)から軟便が漏れやすい。
なお、本実施形態におけるテープ型紙おむつ10が、「課題を解決するための手段」における「吸収性物品」に相当する。表面シート1が「シート」に相当する。
B.第2実施形態:
第2実施形態のテープ型紙おむつ10bにおいては、X軸方向について、吸収体3b、防水シート4b、および弾性部材68bが設けられている範囲が第1実施形態のテープ型紙おむつ10とは異なる。また、圧着部122bが設けられている範囲が第1実施形態のテープ型紙おむつ10とは異なる。さらに、センターシート12bと弾性部材68b,68bとが吸収体3bに接合されている態様が、第1実施形態のテープ型紙おむつ10とは異なる。第2実施形態のテープ型紙おむつ10bの他の点については、第1実施形態のテープ型紙おむつ10と同じである。
図8は、第2実施形態の吸収体を備えたテープ型紙おむつ10bを示す平面図である。なお、第2実施形態のテープ型紙おむつ10bを説明する際には、第1実施形態の構成と共通する構成については、共通する数字の符号を使用する。第1実施形態の構成と同一ではないが対応する構成については、第1実施形態の当該構成と同一の数字の符号に、それぞれ区別のために小文字のアルファベット「b」を付したものを使用する。
第1実施形態においては、吸収体3、防水シート4、および弾性部材68,68は、着用者の前後方向について、着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲SRに、設けられている(図1参照)。そして、表面シート1のセンターシート12と弾性部材68,68は、X軸方向の両端近傍の部位3F1,3F2において、着用者の尿や体液で濡れた状態にあっても、拘束を維持するように、吸収体3に固定されている(図1参照)。
第2実施形態のテープ型紙おむつ10bにおいては、表面シート1bのセンターシート12bと弾性部材68b,68bは、センターシート12bや弾性部材68b,68bや吸収体3bが着用者の尿や体液で濡れた状態にあっても拘束を維持するようには、吸収体3bに固定されていない。しかし、第2実施形態においては、吸収体3b、防水シート4b、および弾性部材68b,68bは、着用者の前後方向(図8においてX軸方向)について、着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲SRを超えて設けられている。そして、表面シート1bのセンターシート12bと弾性部材68b,68bは、着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲SRを超えて、吸収体3bに圧着されている。
このような態様においては、センターシート12bと弾性部材68b,68bを、濡れた状態にあっても拘束を維持するように、吸収体3bに固定する必要がない。このため、第1実施形態のテープ型紙おむつ10に比べて生産工程を減らすことができる。また、そのような固定のための接着剤などの材料を用意する必要がない。このため、テープ型紙おむつ10bの生産コストを低減することができる。
センターシート12bと弾性部材68b,68bは、吸収体3bが液体を吸収していない状態において、吸収体3bに拘束されており、吸収体3bが液体を吸収した状態において、吸収体3bへの拘束を解除されるように、吸収体3bに接合されている。しかし、表面シート1bのセンターシート12bと弾性部材68b,68bは、大小便が及ぶことが想定される範囲SRを超えて吸収体3bに圧着されている。このため、着用者が大小便を排出した後も、X軸方向について範囲SR外に位置する両側の部位において、センターシート12bと弾性部材68b,68bの接合は維持される。
このため、着用者が軟便や小便を排出した後は、第1実施形態と同様、X軸方向の両端が固定され、中間部位においてセンターシート12bと弾性部材68b,68bは、吸収体3bから離間する(図4参照)。よって、着用者が軟便を排出した後は、センターシート12bが波状に折り畳まれ、凹部CPにおいて、軟便を保持することができる。
第2実施形態においては、表面シート1bのセンターシート12bのうち、弾性部材68b,68bが配されている部位とは異なる一部の範囲にのみ、圧着部122bが配されている。より具体的には、圧着部122bは、テープ型紙おむつ10の中心軸CL1を含み、弾性部材68b,68bが設けられている部位に及ばない幅の範囲PRに設けられている。
このような態様とすることにより、センターシート12bと吸収体3bとの熱圧着などの接合処理によって、センターシート12bと弾性部材68b,68bの接合が阻害されることがない。このため、弾性部材68b,68bがセンターシート12bから離れてしまう可能性を低減することができる。また、センターシート12bと吸収体3bとの圧着によって、弾性部材68b,68bが変質してしまうことがない。このため、吸収体3bから離間する前または離間した後において、圧着部122bと重なっていた部位で弾性部材68b,68bが切れてしまう可能性を、低減することができる。
第1実施形態のテープ型紙おむつ10においては、表面シート1のセンターシート12と弾性部材68,68とは、X軸方向に沿って断続的に接合されている。しかし、第2実施形態のテープ型紙おむつ10bにおいては、表面シート1bのセンターシート12bと弾性部材68b,68bとは、X軸方向に沿って連続的に接合されている。
このような態様としても、センターシート12bが吸収体3bから離間した状態で弾性部材68b,68bが収縮すると、センターシート12bには、各弾性部材68b,68bを中心に放射状に皺がよる。その結果、一対の弾性部材68b,68bの間の部位においては、センターシート12bは、波状に折れ曲がり、凹部CPが形成されることとなる(図4参照)。その結果、第1実施形態と同様、凹部CPにおいて、軟便を保持することができる。
なお、本実施形態における範囲SRが、課題を解決するための手段における「着用者の前後方向について着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲」に相当する。
C.変形例:
この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記第1実施形態においては、吸収体3の長手方向の長さは、50cmである。しかし、吸収体の長手方向の長さは、想定される着用者に応じて、30cm、35cm、40cm、45cmなど、任意の長さに設定することができる。たとえば、3歳児用のおむつにおいては、吸収体の長手方向の長さは、成人用のおむつの吸収体の長さ(50cm)より小さく設定することができ、1歳児用のおむつにおいては、吸収体の長手方向の長さは、さらに小さく設定することができ、0歳児用のおむつにおいては、吸収体の長手方向の長さは、よりいっそう小さく設定することができる。
C2.変形例2:
上記実施形態においては、吸収体3は、略長方形の平面形状を備える(図1参照)。しかし、吸収性物品は、長円形や6角形、8角形など任意の平面形状を備えることができる。ただし、吸収性物品は、ある方向の寸法がその方向と垂直な方向の寸法とは異なる形状、すなわち長手方向と短手方向とを備える形状であり、長手方向が着用者の前後方向と一致する態様で使用される構成とすることが好ましい。
C3.変形例3:
上記実施形態においては、吸収体3の吸収部32は、吸収性繊維と吸収性樹脂とで構成される。しかし、吸収体は、吸収性樹脂を含まず、吸収性繊維のみで構成することもできる。そのような態様においては、吸収体とシートとの接合は、たとえば、水溶性の接着剤を使用して実現することができる。吸収体とシートとの接合の変形例については、後にさらに説明する。
C4.変形例4:
上記実施形態においては、センターシート12は、吸収体3に接して設けられている。しかし、おむつは、シートと吸収体との間に他の構成を有する態様とすることもできる。
C5.変形例5:
上記実施形態においては、弾性部材68,68は、センターシート12の吸収体3側(Z軸方向−側)の面に配されている。しかし、弾性部材は、シートの吸収体側とは逆の側に配されることもできる。また、弾性部材は、シートを縫うように(すなわち、シートの表裏に交互に表れるように)配されることもできる。さらに、弾性部材は、シートの中に編みこまれることもできる。すなわち、弾性部材は、シートおよび吸収体に対して2点以上を固定され、シートを収縮させつつ収縮できるように、配されていればよい。
C6.変形例6:
上記実施形態においては、一対の弾性部材68,68は、X軸方向に沿って互いに平行に配されている(図1および図8参照)。しかし、複数の弾性部材は、互いに並行に配されていてもよいし、互いに交差するように配されていてもよい。また、複数の弾性部材は、一端同士の間隔が他端同士の間隔よりも大きいように、並んで配されていてもよい。また、弾性部材は、2本に限らず、1本や、3本以上、設けることができる。さらに、弾性部材は、直線状に限らず、直線が屈曲した形状や、曲線状に配することもできる。
C7.変形例7:
上記実施形態においては、表面シート1と吸収体3とは、互いに熱圧着されている。しかし、シートと吸収体とは、熱圧着以外の方法で接合されることもできる。たとえば、シートと吸収体とは、水溶性の接着剤を使用して接合することができる。そのような態様としても、吸収体が液体を吸収していない状態において、吸収体に拘束されており、吸収体が液体を吸収した状態において、吸収体への拘束を解除されるように、シートを吸収体に接合することができる。また、加熱を伴わない局部的な押圧によって、上記のような接合が実現できる場合には、そのような加熱を伴わない押圧によって、シートと吸収体とを接合してもよい。
C8.変形例8:
上記実施形態においては、圧着部122は、テープ型紙おむつ10を平面視した際に、X軸およびY軸とそれぞれ45度をなす格子状に配される(図1参照)。しかし、シートと吸収体とが接合される部位は、任意の角度で交差する格子状のほか、複数の平行線状、放射状、同心円状、それらの組み合わせなど、他の態様とすることもできる。
C9.変形例9:
上記第1実施形態においては、センターシート12と弾性部材68,68は、部位3F1,3F2において、センターシート12や弾性部材68,68や吸収体3が着用者の尿や体液で濡れた状態にあっても、拘束が維持されるように、吸収体3に固定されている(図1参照)。一方、第2実施形態においては、第2実施形態においては、表面シート1bのセンターシート12bと弾性部材68b,68bは、センターシート12bや弾性部材68b,68bが着用者の尿や体液で濡れた状態にあっても拘束を維持するようには、吸収体3に固定されていない。
しかし、シートと弾性部材は、シートや弾性部材や吸収体が液体で濡れた状態にあっても拘束が維持されるように、1箇所において吸収体に固定され、他の箇所においてそのように固定されていない態様とすることもできる。そのような態様においては、シート、弾性部材および吸収体の上記のように固定されていない方の端は、着用者の前後方向について、着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲外に設けられていることが好ましい。
C10.変形例10:
上記第1実施形態においては、センターシート12と弾性部材68,68は、吸収体3のX軸方向の両端近傍の部位3F1,3F2において、吸収体3に固定されている(図1参照)。しかし、シートと弾性部材は、他の部位において、吸収体に固定されることもできる。たとえば、吸収体3の端から吸収体3の全長の25%以下の範囲において、吸収体に固定されることもでき、吸収体3の端から吸収体3の全長の10%以下の範囲において、吸収体に固定されることもできる。
また、シートと弾性部材は、X軸方向について互いに離れている3箇所や4箇所の部位など、3箇所以上の部位において、吸収体に固定されることもできる。ただし、弾性部材の伸長方向について離れた二つの部位において、シートと弾性部材は、吸収体に固定されることが好ましい。
C11.変形例11:
上記実施形態においては、表面シート1は、3個のシート、すなわち、センターシート12と、サイドシート14,14とを備える。しかし、吸収体に接合されるシートは、1枚のシートから構成されてもよく、2個、4個、5個などの複数のシートで構成されてもよい。
C12.変形例12:
上記実施形態においては、カバーシート2は、平面視した際に表面シート1と略一致する形状を有している。しかし、カバーシートと表面シートの形状および寸法が異なる態様とすることもできる。たとえば、カバーシートの外輪郭中に表面シート全体が配されるように、紙おむつを形成することが好ましい。このような態様とすることにより、紙おむつ全体のテープ型紙おむつ全体の強度を維持しつつ、表面シートをその機能を損なわない範囲で小さく生成することができる。
C13.変形例13:
上記実施形態においては、ウェスト伸縮材56は、2枚のシート部材と、2枚のシート部材の間に保持されている複数の弾性部材と、を含む。しかし、ウェスト伸縮材は、他の態様で構成することもできる。たとえば、ウェスト伸縮材としては、伸縮性を有する面形状のウレタンフォームも採用することもできる。すなわち、ウェスト伸縮材は、Y軸方向について伸縮性を有し、ウェスト伸縮材が設けられている位置の近傍の構成を、Y軸方向に弾性的に伸縮させることができるものであればよい。
C14.変形例14:
上記実施形態においては、テープ型紙おむつを例に本発明を説明している。しかし、本発明のおむつは、パンツ型おむつや、尿取りライナー、軽失禁パッドなど、他の適用例に適用されることもできる。
上記実施形態および変形例で説明した各構成は、様々な組み合わせで実現することができ、また、その一部を省略して実現することもできる。
1,1b…表面シート
2…カバーシート
3,3b…吸収体
3F1,3F2…カバーシートと弾性部材68が吸収体に固定されている部位
4,4b…防水シート
10,10b…テープ型紙おむつ
10B…テープ型紙おむつの後部
10F…テープ型紙おむつの前部
10M…テープ型紙おむつの中央部
12,12b…センターシート
14…サイドシート
32…吸収部
33…コアラップシート
52…固定テープ
54…フロントパッチ
56…ウェスト伸縮材
62…ひれ部
64…弾性部材
66…弾性部材
68,68b…弾性部材
122,122b…圧着部
331…第1のシート
332…第2のシート
CL1…テープ型紙おむつの中心軸
CL2…テープ型紙おむつのY軸方向の中心
CP…凹部
PR…圧着部122bが設けられている範囲
SR…大小便が及ぶことが想定される範囲
UB…着用者の身体
Vac…シートと吸収体の間の空間

Claims (7)

  1. 着用者に着用されて着用者から排出された便を保持する吸収性物品であって、
    液体を吸収する吸収体と、
    着用時に前記吸収体に対して着用者側となる側において前記吸収体に接合されており、液体を透過することができるシートと、
    伸縮性を有し、伸長された状態で配され、前記シートに接合されている弾性部材と、を備え、
    前記シートは、前記吸収体が液体を吸収していない状態において、前記伸長された状態の前記弾性部材が接合されており、かつ、前記吸収体に拘束されており、前記吸収体が液体を吸収した状態において、前記吸収体への拘束を解除されるように、前記吸収体に接合されており、
    前記弾性部材は、前記シートが前記吸収体に接合されている部位とは異なる部位において、前記シートに接合されている、吸収性物品。
  2. 請求項1記載の吸収性物品であって、
    伸長された状態で並んで配され、それぞれ前記シートに接合されている一対の前記弾性部材を備える、吸収性物品。
  3. 請求項1または2に記載の吸収性物品であって、
    前記シートは、前記弾性部材の伸長方向に離れた二つの部位において、液体との接触の有無によらず前記吸収体に拘束されるように、前記吸収体に固定されている、吸収性物品。
  4. 請求項1または2に記載の吸収性物品であって、
    前記シートは、着用者の前後方向について着用者の大小便が及ぶことが想定される範囲を超える範囲において、前記吸収体に接合されている、吸収性物品。
  5. 請求項1からのいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記弾性部材は、伸長方向に沿って、断続的に前記シートに接合されている、吸収性物品。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記シートは、前記吸収体に圧着により接合されている、吸収性物品。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の吸収性物品であって、
    前記吸収体、前記シートおよび前記弾性部材が、着用者の両太腿の間から少なくとも背の一部に位置するように構成される、吸収性物品。
JP2016080058A 2016-04-13 2016-04-13 吸収性物品 Active JP6586917B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016080058A JP6586917B2 (ja) 2016-04-13 2016-04-13 吸収性物品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016080058A JP6586917B2 (ja) 2016-04-13 2016-04-13 吸収性物品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017189342A JP2017189342A (ja) 2017-10-19
JP6586917B2 true JP6586917B2 (ja) 2019-10-09

Family

ID=60085551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016080058A Active JP6586917B2 (ja) 2016-04-13 2016-04-13 吸収性物品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6586917B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2580205Y2 (ja) * 1993-11-26 1998-09-03 ユニ・チャーム株式会社 使い捨てトレーニングパンツ
JP3343191B2 (ja) * 1996-07-02 2002-11-11 ユニ・チャーム株式会社 使い捨てトレーニングパンツ
JP3467429B2 (ja) * 1999-06-09 2003-11-17 ユニ・チャーム株式会社 体液吸収性物品の透液性表面シート
JP4950808B2 (ja) * 2007-08-22 2012-06-13 株式会社リブドゥコーポレーション 吸収性物品及び表面ライナー
JP2011255116A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Kao Corp 吸収性物品
JP6151969B2 (ja) * 2013-05-23 2017-06-21 ピジョン株式会社 おむつ用補助シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017189342A (ja) 2017-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4926742B2 (ja) 吸収性物品
JP2009521252A (ja) オムツまたは失禁ガードなどの吸収用品のための側方面材
JP2008194160A (ja) 吸収性物品
JP2009061157A (ja) 止着式使い捨ておむつ
JP2014087383A (ja) 使い捨ておむつ
JP6112981B2 (ja) 吸収性物品
JP2006230920A (ja) トランクス型おむつ
AU2017410901B2 (en) System having an absorbent article with separate fastener
WO2021090556A1 (ja) 吸収性物品
JP6228794B2 (ja) テープ式使い捨て紙おむつ
JP2011072657A (ja) 使い捨ておむつ
JP2009017985A (ja) 吸収性物品
JP2020108751A (ja) テープ型おむつ
JP2014147424A (ja) 吸収性物品
JP3212021U (ja) 使い捨ておむつ
JP2012161557A (ja) 使い捨ておむつ
JP6586917B2 (ja) 吸収性物品
JP2012200479A (ja) 紙おむつ
JP2017217257A (ja) 吸収性物品
JP4515193B2 (ja) 吸収性物品
JP2018015360A (ja) テープ式使い捨ておむつ
JP7104823B1 (ja) 止着テープおよび止着テープを備えた使い捨ておむつ
JP6986583B2 (ja) 使い捨ておむつ
JP6520809B2 (ja) 吸収性物品
JP6809943B2 (ja) 使い捨ておむつの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160413

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190813

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6586917

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250