JP6586472B2 - 介助装置、介助施設、および介助方法 - Google Patents
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Description
前記介助方法は、前記規定部が設けられた前記所定の位置まで前記介助装置を移動させるとともに、前記回転補助機構を前記規定部に係合させて位置決めする位置決め工程と、前記回転補助機構が前記規定部に係合された状態を維持して、前記基台を目標角度まで回転させる角度決め工程と、を備える。
(介助ロボット1の構成)
介助ロボット1は、被介助者M(図2および図3に示す)に対して座位姿勢から立位姿勢への起立動作の支援、および立位姿勢から座位姿勢への着座動作の支援を行う。介助ロボット1が立位姿勢における被介助者Mの上半身を支持することで、一人の介助者が介助ロボット1を牽引等して、例えば介助施設における移動目標に移動させることができる。なお、「立位姿勢」とは、少なくとも被介助者Mの下半身が立っている状態を意味し、上半身が立っている状態を意味するものではない。
基台10に設けられた係合部材60は、上記のように、介助ロボット1の回転補助機構を構成する。回転補助機構は、移動装置15によって床面2に対して移動可能に且つ回転可能に構成された基台10の回転動作を補助する。本実施形態において、係合部材60は、床面2に設置されたピン部材90に回転可能に係合する。係合部材60およびピン部材90の詳細構成について図2〜図5を参照して説明する。
係合部材60(回転補助機構)による基台10の回転動作の補助について、図5〜図8を参照して説明する。ここで、介助ロボット1は、被介助者Mを対象とした種々の介助が行われる介助施設Fsにおいて、所定の移動目標の間の移動に用いられる。介助施設Fsには、複数の移動目標が設置され、且つ介助ロボット1の係合部材60に係合可能なピン部材90(規定部)が設けられている。
介助装置(介助ロボット1)は、被介助者Mの移動目標(便器85)への移動を介助する。介助装置(介助ロボット1)は、被介助者Mが搭乗可能な基台10と、基台10に設けられ、基台10を床面2に対して移動可能に支持する移動装置15と、基台10に設けられ、被介助者Mを立位姿勢に支持可能な支持装置20と、基台10に設けられ、移動目標(便器85)に対して所定の位置に設けられた規定部(ピン部材90)に係合して基台10における規定位置Prを中心とした基台10の回転を補助する回転補助機構(係合部材60)と、を備える。
このような構成によると、回転補助機構(係合部材60)が規定部(ピン部材90)に係合することにより、規定部(ピン部材90)に対する基台10の移動が規制されて、規定位置Prを通る回転軸の移動が規制される。これにより、基台10は、位置決めされた位置を維持される。よって、規定位置Prを中心とした回転が好適に補助され、介助装置(介助ロボット1)を規定の角度に調整することが容易となる。
このような構成によると、ピン部材90と係合部材60との係合によって基台10を規定部(ピン部材90)に対して係合させることができる。このような構成により回転性が高い回転補助機構(係合部材60)を構成できる。また、ピン部材90に対する係合部材60の相対移動が容易であり、接近動作および離脱動作がしやすく、介助装置(介助ロボット1)の高い移動性(走行性)を確保できる。
このような構成によると、規定部(ピン部材90)への移動が案内されるので、規定部(ピン部材90)へと接近させる動作が簡易になる。介助装置(介助ロボット1)を牽引等する介助者、または自走式における制御装置70は、介助装置(介助ロボット1)を規定部(ピン部材90)に向かって概ね移動させることで、介助装置(介助ロボット1)の移動軌跡が適正に修正されて位置決めすることが可能となる。これにより、規定部(ピン部材90)が設けられた所定の位置に基台10の規定位置Prを到達させることができる。
このような構成によると、係合部材60よりも全体の寸法が小さいピン部材90が規定部として設けられる。これにより、被介助者Mの不使用時において他者の利用の障害物となりにくくすることができる。
このような構成によると、回転動作における中心が足載置台13に位置するので、搭乗している被介助者Mの振れ回りが小さくなり、回転動作に伴う不快感を軽減できる。また、回転動作における中心が被介助者Mを含む全体の重心に近くなるため、回転性を高くすることができ、回転動作に必要な外力(または自走式における駆動力)を低減できる。
このような構成によると、一対の第三車輪15cは、規定位置Prを挟んだ対称位置に概ね位置することになり、規定位置Prを中心とした回転がスムーズになる。これにより、基台10の回転性を向上でき、回転動作に必要な外力または駆動力を低減できる。
このような構成によると、介助装置は、起立動作と着座動作とを支援する介助ロボット1である。このように、歩行が容易でない被介助者Mを対象とした介助ロボット1には、特に移乗の際の位置決めや角度決めが正確になされることが要求される。そのため、介助ロボットへの本発明の適用は特に有用である。また、昇降部30を有しない介助装置と比較して介助ロボット1は質量が大きくなる。そのため、回転角度の調整がより困難となりやすく、このような観点からも、介助ロボット1の回転性を向上できる本発明の適用は特に有用である。
このような構成によると、介助者は接地マーク13aに合わせるように介助装置(介助ロボット1)を移動させることができるので、移動操作が簡易となる。また、自走式の場合には、係合するタイミングを予測しやすくなり、係合の振動等に備えることが可能となる。
このような構成によると、移動目標(便器85)に応じて規定部(ピン部材90)が設けられている。これにより、介助者は、当該移動目標(便器85)へと被介助者Mを搭乗させた介助装置(介助ロボット1)を移動させる場合に、係合部が設けられた所定の位置において介助装置(介助ロボット1)の位置決めした後に介助装置(介助ロボット1)を所定の角度に調整することが容易となる。これにより、被介助者Mを移動目標(便器85)まで迅速に移動させることが可能となり、当該移動に伴う被介助者Mおよび介助者の負担を軽減することができる。
このような構成によると、トイレ室80は側壁83や便器85などが設置されており、また介助者が介助装置(介助ロボット1)を操作するのに十分なスペースが確保されていない場合もあることから、特に本発明の適用が有用である。また、トイレ室80は、移動不能な便器85が設置され、当該便器85の便座に被介助者Mを正確に着座させる必要があるため、介助装置(介助ロボット1)の位置および角度の調整を行う必要性が高い。これに対して、本発明を適用することにより、簡易に介助装置(介助ロボット1)を便座に対して位置決めし、且つ角度決めすることができる。
このような構成によると、回転動作に伴う被介助者Mの不快感が低減され、介助装置(介助ロボット1)を確実に規定の位置に移動させ、または角度を調整することができる。また、被介助者Mが便座に着座した状態では、なお足載置台13に被介助者Mの足が載置されている。これに対して、規定部(ピン部材90)に対する回転補助機構(係合部材60)の係合が維持されることによって、介助装置(介助ロボット1)の移動を規制して、介助装置(介助ロボット1)の安定した停止状態を維持できる。また、それぞれが中央に配置されているため、振れ回り部位が少なく、介助装置(介助ロボット1)と便器85の干渉を防止できる。また、トイレ室80において、便器85に対する中央位置は、被介助者M以外の利用者の足が使用時にない位置であり、中央配置されたピン部材が障害物とはなりにくい。
介助方法は、規定部(ピン部材90)が設けられた所定の位置まで介助装置(介助ロボット1)を移動させるとともに、回転補助機構(係合部材60)を規定部(ピン部材90)に係合させて位置決めする位置決め工程と、回転補助機構(係合部材60)が規定部(ピン部材90)に係合された状態を維持して、基台10を目標角度まで回転させる角度決め工程と、を備える。
このような構成によると、位置決め工程において、回転補助機構(係合部材60)が規定部(ピン部材90)に係合することにより、規定部(ピン部材90)に対する基台10の移動が規制されて、規定位置Prを通る回転軸が固定される。これにより、基台10は、位置決めされた規定部(ピン部材90)を維持される。よって、角度決め工程における規定位置Prを中心とした回転が好適に補助され、介助装置(介助ロボット1)を規定の位置および角度に調整することが容易となる。
(回転補助機構の構成について)
実施形態において、回転補助機構は、移動目標(トイレ室80の便器85)に対して所定の位置に設けられた規定部(ピン部材90)に係合可能な係合部材60である。これに対して、床面2に係合部材が設置され、基台10には、当該係合部材に係合可能なピン部材が設けられる構成としてもよい。但し、床面2に設置される構造体が他者の利用の障害になることを防止する観点からは、全体の寸法が小さいピン部材90が床面2側に配置される構成が好適である。
実施形態において、接地マーク13aは、基台10の規定位置Prを示すマークとして機能する。これに対して、基台10の上面には、ピン部材90と係合して回転の中心となる位置をより明確に示す中心マークや、係合部材60の案内部63の形状を示す案内マークが設けられる構成としてもよい。これにより、介助者は、中心マークや案内マークを参照して、ピン部材90に対して基台10の後部を接近させればよいかを把握することが容易となる。よって、介助ロボット1の位置決めが容易となり、移動に伴う被介助者および介助者の負担を軽減することができる。
実施形態において、介助装置は、昇降部30および保持部40を備え、被介助者Mの起立動作および着座動作を支援する介助ロボット1である。これに対して、被介助者Mを立位姿勢に支持可能な支持装置20を備え、且つ被介助者Mが搭乗可能に構成された搭乗タイプであれば、介助装置としては種々の態様を適用され得る。例えば、介助装置は、支持装置20における直動装置やアーム駆動装置の駆動によらず、介助者の操作力によって保持部40を昇降させたり揺動させたりする構成としてもよい。また、介助装置は、昇降部30等を有しない構成としてもよい。このような構成においても、実施形態と同様の効果を奏する。
10:基台
11:フレーム、 12:支柱
13:足載置台、
13a:接地マーク、 13b:前端部、 13c:後端部
14:固定カバー、 15:移動装置、 15a〜15c:車輪
20:支持装置、 21:アーム、 22:グリップ
30:昇降部
31:昇降本体、 32:揺動支持部、 32a:揺動軸心
33:昇降カバー
40:保持部、 41:胴体受部、 42:脇受部
50:下腿当て部、 51:支持部材、 52:下腿当て本体
60:係合部材(回転補助機構)
61:本体部、 62:軸受部、 63:案内部
70:制御装置
80:トイレ室
81:前壁、 82:後壁、 83:側壁、 84:出入り口
85:便器(移動目標)、 86:座面
90:ピン部材(係合部)、 91:台座、 92:ピン本体
Fs:介護施設、 Pr:規定位置、 M:被介助者
Rf:(足載置台が前後方向に位置する)範囲
Rw:(一対の車輪の間の)範囲
Claims (12)
- 被介助者の移動目標への移動を介助する介助装置であって、
前記被介助者が搭乗可能な基台と、
前記基台に設けられ、前記基台を床面に対して移動可能に支持する移動装置と、
前記基台に設けられ、前記被介助者を立位姿勢に支持可能な支持装置と、
前記基台に設けられ、前記移動目標に対して所定の位置に設けられた規定部に係合して前記基台における規定位置を中心とした前記基台の回転を補助する回転補助機構と、
を備える介助装置。 - 前記規定部は、ピン部材または当該ピン部材に回転可能に係合する係合部材の一方であり、
前記回転補助機構は、前記ピン部材または前記係合部材の他方であり、前記ピン部材に前記係合部材が係合して、前記所定の位置に一致する前記規定位置を中心とした前記基台の回転を補助する、請求項1に記載の介助装置。 - 前記係合部材には、前記規定部に向かって前記基台の前記規定位置が移動する場合に当該係合部材に対する前記ピン部材の相対移動を案内する案内部が形成される、請求項2に記載の介助装置。
- 前記規定部は、前記ピン部材であり、
前記回転補助機構は、前記ピン部材と係合可能な前記係合部材である、請求項2または3に記載の介助装置。 - 前記基台は、搭乗した前記被介助者の足を載置される足載置台を有し、
前記基台の前記規定位置は、前記足載置台の前端部と後端部との間の範囲に設定される、請求項1−4の何れか一項に記載の介助装置。 - 前記移動装置には、複数の車輪が設けられ、
前記基台の前記規定位置は、前記複数の車輪のうち前記介助装置の左右方向に対向して配置された一対の車輪の間の範囲に設定される、請求項1−5の何れか一項に記載の介助装置。 - 前記支持装置は、前記基台に対して上下方向に直動する昇降部と、前記昇降部に対して揺動可能に支持され、前記被介助者の上半身を保持する保持部と、を有し、
前記介助装置は、前記昇降部の上下動および前記保持部の揺動を制御して、前記被介助者の起立動作および着座動作を支援する制御装置をさらに備える、請求項1−6の何れか一項に記載の介助装置。 - 前記基台の上面には、前記基台の前記規定位置を示すマークが設けられる、請求項1−7の何れか一項に記載の介助装置。
- 前記移動目標が設置され、且つ請求項1−8の何れか一項に記載の前記介助装置の前記回転補助機構と係合可能な前記規定部が設けられた介助施設。
- 前記介助施設は、前記移動目標としての便器が設置されたトイレ室を備え、
前記トイレ室の出入り口は、前記便器の側方に位置する側壁に設けられている、請求項9に記載の介助施設。 - 前記基台の前記規定位置は、前記介助装置の左右方向の中央に設定され、
前記介助施設は、前記移動目標としての便器が設置されたトイレ室を備え、
前記規定部は、前記便器の左右方向の中央に設けられる、請求項9または10に記載の介助施設。 - 介助装置を用いて移動目標への被介助者の移動を介助する介助方法であって、
前記介助装置は、
前記被介助者が搭乗可能な基台と、
前記基台に設けられ、前記基台を床面に対して移動可能に支持する移動装置と、
前記基台に設けられ、前記被介助者を立位姿勢に支持可能な支持装置と、
前記基台に設けられ、前記移動目標に対して所定の位置に設けられた規定部に係合して前記基台における規定位置を中心とした前記基台の回転を補助する回転補助機構と、を備え、
前記介助方法は、
前記規定部が設けられた前記所定の位置まで前記介助装置を移動させるとともに、前記回転補助機構を前記規定部に係合させて位置決めする位置決め工程と、
前記回転補助機構が前記規定部に係合された状態を維持して、前記基台を目標角度まで回転させる角度決め工程と、
を備える介助方法。
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