JP6585538B2 - 回転電機の製造方法 - Google Patents

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本発明の実施形態は、回転電機製造方法に関する。
図4は、従来の回転電機の固定子端部構造の軸直角方向からの断面図を示す図である。この図4を参照して、従来の固定子端部の構造を説明する。
回転電機の固定子の端部(コイルエンド部)は、ステータコイル(固定子コイル)1と、バインドリング2と、バインドリング支え3と、バインドリング支え取付けアングル4と、接続銅帯5と、ブッシングコネクタ6と、口出しブッシング7と、ステータフレーム(固定子フレーム)8と、ステータ鉄心9と、ステータ押え板10と、シールド板11と、リブ12と、ターミナルボックス21とを備える。
詳細には、ステータ鉄心9は、図示しない回転子を中心にその外周を包囲するように適宜の間隙を存して配置され、このステータ鉄心9の内周側に回転電機の軸方向に貫通する複数のスロットが等間隔を存してそれぞれ設けられ、これら各スロットにはステータコイル1が2層にしてそれぞれ収められている。
また、ステータ鉄心9の両端面側に図示しない外側間隔片を介してステータ押え板10が配置されると共に、これらはボルト締めによりステータ鉄心9のリブ12に固定されている。
さらに、ステータ鉄心9の両端面側(図4では片方の端面側を示す)より外側間隔片を介して外部に導出されたステータコイル1のコイルエンド下部構造物はバインドリング支え3により支持され、このバインドリング支え3はバインドリング支え取付けアングル4及びシールド板11を介してステータ押え板10にボルトにより固定されて組立てられる。
一方、ターミナルボックス21はコイルエンド部に対応させて設けられ、ステータフレーム8に取付けられる。ターミナルボックス21内にはステータコイル1のコイルエンド部に電気的に接続された接続銅帯5が配置され、この接続銅帯5は、ターミナルボックス21の底板21aを貫通させて取付けられた口出しブッシング7の内端(ターミナルボックス21の内側における端部)に有するブッシングコネクタ6に電気的に接続されている。
また、ターミナルボックス21を構成して、軸方向に平行な、ステータフレーム8の外周板8aにおける軸方向の最内縁には、ステータフレーム8において回転電機の径方向における内径側(ターミナルボックス21からステータコイル1をみた側)に向かって突出する部材として、ステータ押え板10における外径側(内径側の反対側)を向く端部の近傍まで突出する隔板8bが取付けられている。
特開2014−158387号公報
上記の構造では、コイルエンド部に取り付けた接続銅帯5が、ステータフレーム8における軸方向に沿った最内縁の隔板8bにおける、上記の内径側の端部よりも径方向の外径側寄りへと出張る(図4中のA線より径方向の外径側へと出張る)構造であるため、回転電機固定子端部の構成部品であるバインドリング支え3と、バインドリング2と、接続銅帯5とを、一体形状へと組立てた状態として回転電機固定子に組み込むことができない。
そのため、バインドリング支え3、バインドリング2、ステータコイル1、接続銅帯5の順番で、各々個別に回転電機固定子に組み込む必要がある。従って、回転電機固定子の組立のための工程数が多くなるため、工程の煩雑化を招き、完成までに多くの時間を費やすこととなる。
なお、上記の特許文献1では、固定子端部における構成部品を、一体形状のまま分解することで、固定子端部の分解に要する時間を短縮する方法を採用している。しかし、この文献において採用されている方法は、固定子の分解工程において工程短縮となる有効な手段であるが、分解方法であり組立方法ではなく、固定子端部の構成部品を一体形状とした状態で組立てる有効な手段とはならない。
本発明が解決しようとする課題は、回転電機の組立工程において、煩雑な工程を省略し、あるいは組立に要する時間を短縮することが可能な回転電機製造方法を提供することである。
実施形態における回転電機の製造方法は、固定子鉄心に設けられた軸方向に貫通するスロットに収納された固定子コイルと、前記固定子コイルのコイルエンド部に対応させて設けられたターミナルボックスと、一端を前記固定子コイルに電気的に接続可能な接続リングと、前記ターミナルボックスの底板を貫通させて取り付けられたブッシングと、前記ブッシングにおける前記ターミナルボックスの内端に電気的に接続されるブッシングコネクタと、一端が前記接続リングの他端に電気的に接続可能で、他端が前記ブッシングコネクタに電気的に接続される口出し銅帯とを有する回転電機の固定子の製造方法であって、前記接続リングの前記他端は、前記ターミナルボックスを構成する固定子フレームにおける軸方向に沿った最内縁の隔板における径方向の内径側端部よりも径方向の内径側寄りに設けられ、前記接続リングを前記固定子に対する所定の位置に組み込んだ状態で、前記固定子コイルの前記コイルエンド部を前記接続リングの一端に電気的に接続し、前記固定子コイルの前記コイルエンド部と前記接続リングの一端が電気的に接続された状態で、前記接続リングの他端を前記口出し銅帯の一端に電気的に接続する。
本発明によれば、回転電機の組立工程において、煩雑な工程を省略し、あるいは組立に要する時間を短縮することができる。
第1の実施形態における、回転電機の固定子端部構造の軸直角方向からの断面図。 第2の実施形態における接続リングと口出し銅帯との接続の一例を示す図。 第4の実施形態における接続リングと口出し銅帯との接続の一例を示す図。 従来の回転電機の固定子端部構造の軸直角方向からの断面図。
以下、実施形態について図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態における、回転電機の固定子端部構造の軸直角方向からの断面図である。
図1に示すように、第1の実施形態における回転電機の固定子端部は、ステータコイル1と、バインドリング2と、バインドリング支え3と、バインドリング支え取付けアングル4と、ブッシングコネクタ6と、口出しブッシング7と、ステータフレーム8と、ステータ鉄心9と、ステータ押え板10と、シールド板11と、リブ12と、口出し銅帯13と、接続リング14と、ターミナルボックス21を備える。口出し銅帯13と、接続リング14とは、図4に示した従来の接続銅帯5に替えて設けられるものである。なお、図1では、口出し銅帯13及び接続リング14の本数を省略して説明する。
詳細には、ステータ鉄心9は、図示しない回転子を中心にその外周を包囲するように適宜の間隙を存して配置され、このステータ鉄心9の内周側に軸方向に貫通する複数のスロットが等間隔を存してそれぞれ設けられ、これら各スロットにはステータコイル1が2層にしてそれぞれ収められている。
また、ステータ鉄心9の両端面側に図示しない外側間隔片を介してステータ押え板10が配置されると共に、これらはボルト締めによりリブ12に固定されている。
さらに、ステータ鉄心9の両端面側(図1では片方の端面側を示す)より外側間隔片を介して外部に導出されたステータコイル1のコイルエンド下部構造物はバインドリング支え3により支持され、このバインドリング支え3はバインドリング支え取付けアングル4及びシールド板11を介してステータ押え板10にボルトにより固定されて組立てられる。
一方、ターミナルボックス21はコイルエンド部に対応させて設けられ、ステータフレーム8に取付けられる。
本実施形態では、ステータコイル1のコイルエンド部には導電性を有する接続リング14の一端が電気的に接続されており、この接続リング14の他端は、この接続リング14の外径に内径をあわせた口出し銅帯13の一端に電気的に接続されている。この口出し銅帯13の他端は、ターミナルボックス21の底板21aを貫通させて取付けられた口出しブッシング7の内端に有するブッシングコネクタ6に電気的に接続されている。
また、ターミナルボックス21を構成するステータフレーム8の外周板8aにおける軸方向の最内縁には、ステータフレーム8において径方向における内径側(ターミナルボックス21からステータコイル1をみた側)に向かって突出する部材として、ステータ押え板10における外径側(内径側の反対側)を向く端部の近傍まで突出する隔板8bが取付けられている。
本実施形態では、コイルエンド部に取り付けた接続リング14の上記の他端、つまり接続リング14における、コイルエンド部の径方向に沿った外径側の端部(外径側への出張り)としての、口出し銅帯13との接続側の端部は、ステータフレーム8における軸方向に沿った最内縁の隔板8bにおける、上記の内径側を向く端部に対して、径方向の内径側寄りに位置し、つまり図1中のA線より外径側に出っ張らない。
本実施形態の回転電機の組立工程においては、ステータ鉄心9のスロットにステータコイル1を収納して取り付ける前に、まず、バインドリング2と、バインドリング支え3と、接続リング14とを一体形状へと組立てた状態で固定子へと組み込む。この状態、すなわち、接続リング14が固定子の所定の位置(ステータ鉄心9に対する所定の位置)に組み込まれた状態で、ステータ鉄心9の内周側に回転電機の軸方向に貫通して設けられている複数のスロットに、複数のステータコイル1をそれぞれ配置する。そして、ステータコイル1をそれぞれステータ鉄心9のスロットに配置して収納した後、ステータコイル1のコイルエンド部と接続リング14の一端を電気的に接続し、これにより、ステータコイル1から接続リング14までの電気的な接続を完了させることができる。
その後、接続リング14の他端と口出し銅帯13とを組み合わせて上記のように電気的に接続することで、従来と同じ固定子の機能を発揮することを可能とする。
以上のように、第1の実施形態では、従来の回転電機の固定子に用いた接続銅帯を、接続リングと口出し銅帯とに分割した上で、接続リングにおける口出し銅帯との接続側の端部を、ターミナルボックスを構成する固定子フレームにおける軸方向に沿った最内縁の隔板における径方向の内径側端部よりも径方向の内径側寄りとする。
そして、バインドリング支えと、バインドリングと、接続リングとを一体形状へと組立てた状態で回転電機の固定子に組み込み、その後、接続リングと口出し銅帯を電気的に接続することで、回転電機の固定子の組立工程を簡略化することが可能となる。これにより、回転電機の組立工程において煩雑な工程を省略し、特に固定子の組立に要する時間を短縮することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態における、第1の実施形態と同様の説明は省略する。
この第2の実施形態は、接続リング14と口出し銅帯13との電気的な接続の具体例を説明するものである。図2は、第2の実施形態における接続リングと口出し銅帯との接続の一例を示す図である。
図2に示した、口出し銅帯13と接続リング14との接続部分31は、ロウ付け(brazing)により電気的に結合することができる。ロウ付けとしては、例えば硬ロウの一種である銀ロウによるロウ付けが挙げられる。
これにより、口出し銅帯13と接続リング14とが電気的に接続され、従来用いていた接続銅帯と同じ機能を発揮することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、第2の実施形態と同じく、接続リング14と口出し銅帯13との電気的な接続の具体例を説明するものである。
図2に示した、口出し銅帯13と接続リング14との接続部分31は、半田付け(soldering)により電気的に結合することができる。
これにより、口出し銅帯13と接続リング14とが電気的に接続され、従来用いていた接続銅帯と同じ機能を発揮することが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態は、第2の実施形態と同じく、接続リング14と口出し銅帯13との電気的な接続の具体例を説明するものである。図は、第4の実施形態における接続リングと口出し銅帯との接続の一例を示す図である。
に示した、口出し銅帯13と接続リング14の接続部分32は、この接続部分を軸方向に貫通するボルト15およびナット16により電気的に結合することができる。
これにより、口出し銅帯13と接続リング14とが電気的に接続され、従来用いていた接続銅帯と同じ機能を発揮することが可能となる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…ステータコイル、2…バインドリング、3…バインドリング支え、4…バインドリング支え取付けアングル、5…接続銅帯、6…ブッシングコネクタ、7…ブッシング、8…ステータフレーム、8a…外周板、8b…隔板、9…ステータ鉄心、10…ステータ押え板、11…シールド板、12…リブ、13…口出し銅帯、14…接続リング、15…ボルト、16…ナット、21…ターミナルボックス、21a…底板。

Claims (2)

  1. 固定子鉄心に設けられた軸方向に貫通するスロットに収納された固定子コイルと、前記固定子コイルのコイルエンド部に対応させて設けられたターミナルボックスと、一端を前記固定子コイルに電気的に接続可能な接続リングと、前記ターミナルボックスの底板を貫通させて取り付けられたブッシングと、前記ブッシングにおける前記ターミナルボックスの内端に電気的に接続されるブッシングコネクタと、一端が前記接続リングの他端に電気的に接続可能で、他端が前記ブッシングコネクタに電気的に接続される口出し銅帯とを有する回転電機の固定子の製造方法であって、
    前記接続リングの前記他端は、前記ターミナルボックスを構成する固定子フレームにおける軸方向に沿った最内縁の隔板における径方向の内径側端部よりも径方向の内径側寄りに設けられ、
    前記接続リングを前記固定子鉄心に対する所定の位置に組み込んだ状態で、前記固定子コイルの前記コイルエンド部を前記接続リングの一端に電気的に接続し、
    前記固定子コイルの前記コイルエンド部と前記接続リングの一端が電気的に接続された状態で、前記接続リングの他端を前記口出し銅帯の一端に電気的に接続す回転電機の製造方法。
  2. 前記接続リングは、前記コイルエンド部を支持可能なバインドリングと、前記バインドリングを支持可能なバインドリング支えとともに一体形状に組み立てられて前記固定子の所定の位置に組み込まれ請求項に記載の回転電機の製造方法。
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