以下に、実施形態に係るエレベータシステムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれ、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施形態のエレベータシステムは、例えば、高層ビルに設置可能なシステムである。このシステムは、例えば、低層階用のエレベータ群と高層階用のエレベータ群とを備え、利用階に応じて各エレベータの乗りかごの運行管理(群管理)を行う、いわゆる「エレベータバンク」を構成するエレベータシステムである。
図1は、実施形態のエレベータシステム10のエレベータバンク12の構成の一例を示す模式図である。実施形態のエレベータシステム10は、一部の共通停止階を除き異なる階床に停止可能な乗りかごを含む複数のエレベータバンクを備える。図1の場合、一例として二つのエレベータバンク12Aおよびエレベータバンク12Bでエレベータシステム10を構成している。エレベータバンク12Aは、例えば低層階用の六台のエレベータ14(1A号機〜6A号機)が、乗り場スペース16Aを挟んで三台ずつ(例えば、1A号機〜3A号機と4A号機〜6A号機)が配置されている。同様に、エレベータバンク12Bは、例えば高層階用の六台のエレベータ14(1B号機〜6B号機)が、乗り場スペース16Bを挟んで三台ずつ(例えば、1B号機〜3B号機と4B号機〜6B号機)が配置されている。
乗り場スペース16Aへのエントランススペース18Aには、エレベータシステム10に含まれるエレベータ14の乗りかごを呼ぶとともに行先階を登録するために行先階登録装置20(一例として二台の行先階登録装置20Aaおよび行先階登録装置20Ab)が配置されている。同様に、乗り場スペース16Bへのエントランススペース18Bには、エレベータシステム10に含まれるエレベータ14の乗りかごを呼ぶとともに行先階を登録するために行先階登録装置20(一例として二台の行先階登録装置20Baおよび行先階登録装置20Bb)が配置されている。
行先階登録装置20は、図2に模式的に示されるように、例えば、入力装置20aと表示装置20bとで構成されている。
入力装置20aは、エレベータシステム10の利用者が行先階を登録するための入力部であり、例えば、テンキー入力装置で構成されている。入力装置20aは、これに限定されず、例えば、タッチパネル型の入力装置やセキュリティゲート型の入力装置と共用されるタイプでもよい。セキュリティゲート型の入力装置の場合、身分証明証や通行証の提示により登録済みの階床(例えば、自身のオフィス等の階床)の行先階が入力されるようにしてもよい。この他、入力装置として、生体認証システムや音声入力システム等を用いてもよい。
表示装置20bは、例えば、LED(light emitting diode)で構成される表示部であってもよいし、LCD(liquid crystal display)や、OELD(organic electroluminescent display)等で構成される表示部であってもよい。後述するが本実施形態において、利用者は、いずれの行先階登録装置20Aa,20Ab,20Ba,20Bbから行先階の登録を行っても、移動に最適なエレベータ14(1A号機〜6B号機のいずれか)が選択され、呼び登録されるように構成されている。そして、入力装置20aによる入力操作に基づき、いずれのエレベータ14が選定されたかを示す案内情報が、登録操作を行った行先階登録装置20の表示装置20bに表示されるように構成されている。図2の場合、行先登録の結果、エレベータ14のうち2A号機が呼び登録されたことが表示されている例である。なお、表示装置20bに加え、または代えて、音声出力装置(例えば、スピーカ等)を用いて選定されたエレベータ14の案内情報が音声で提示されるようにしてもよい。
図3は、実施形態のエレベータシステム10のエレベータバンクの共通停止階22の位置および、各エレベータバンク12A,12Bの停止階の一例を示す模式図である。図3は、例えば、地上30階建ての建物に本実施形態のエレベータバンク12Aおよびエレベータバンク12Bを含むエレベータシステム10を適用した例である。エレベータバンク12Aは、1階(1F)〜20階(20F)までを停止階し、エレベータバンク12Bは、1階および20階〜30階(30F)を停止階としている。したがって、図3のエレベータシステム10の場合、共通停止階22は、1階と20階となる。このように、エレベータバンク12Aおよびエレベータバンク12Bを用いることにより、エレベータバンク12Aに関しては、21階以上に昇降路を設ける必要がなく、また、エレベータバンク12Bに関しては、2階から19階までは、乗り場を設ける必要がなくなる。その結果、複数台のエレベータ14を運行する場合の敷設コストの低減を行うことができる。また、昇降路や乗り場が不要になった一部のスペースを別用途のスペースとして利用可能となり、建物のスペースの有効活用に寄与できる。なお、エレベータシステム10の構成は一例であり、例えば、エレベータバンクが3群以上で構成されていてもよいし、共通停止階が3階床以上存在してもよい。例えば、1階、3階、10階、20階等が共通停止階であってもよい。
図4は、実施形態のエレベータシステム10のシステム構成の一例を示す模式図である。エレベータバンク12には、当該エレベータバンク12属する各エレベータ14を個別に制御する複数の制御装置24を統括管理する群管理制御装置26が設けられている。例えば、エレベータバンク12Aには、群管理制御装置26Aが設けられている。群管理制御装置26Aは、エレベータバンク12Aに属する複数のエレベータ14(1A号機〜6A号機:図1参照)をそれぞれ独立して昇降制御させる複数の制御装置24Aと、通信ライン28を介して接続されて、相互にデータ(運行情報等)の送受信が可能である。また、群管理制御装置26Aには、エレベータバンク12Aの各停止階(例えば1F〜20F)に配置された行先階登録装置20Aa,20Abが、通信ライン30を介して接続されて、相互にデータ(運行情報等)の送受信が可能である。
同様に、エレベータバンク12Bには、群管理制御装置26Bが設けられている。群管理制御装置26Bは、エレベータバンク12Bに属する複数のエレベータ14(1B号機〜6B号機:図1参照)をそれぞれ独立して昇降制御させる複数の制御装置24Bと、通信ライン28を介して接続されて、相互にデータ(運行情報等)の送受信が可能である。また、群管理制御装置26Bには、エレベータバンク12Bの各停止階(例えば1Fおよび20F〜30F)に配置された行先階登録装置20Ba,20Bbが、通信ライン30を介して接続されて、相互にデータ(運行情報等)の送受信が可能である。
制御装置24(24A,24B)は、行先階登録装置20(Aa,Ab,Ba,Bb等)によって行先階の登録操作が行われ、群管理制御装置26(26A,26B等)によって、運行するエレベータ14が決定された場合に、そのエレベータ14(割当乗りかご)の行先階や移動方向(昇降方向)や移動速度等を決定し、割当乗りかごを運行する。
群管理制御装置26Aと群管理制御装置26Bとは、通信ライン32によって相互接続され、互いが保持しているデータ(運行情報等)の送受信が可能で、互いが算出したデータの参照および利用が可能である。なお、通信ライン28,30,32は、有線でも無線でもよい。
図5は、実施形態のエレベータシステム10の群管理制御装置26を中心とする機能構成図の一例を示す図である。なお、エレベータバンク12Aに含まれる群管理制御装置26Aとエレベータバンク12Bに含まれる群管理制御装置26Bとは、実質的に同じ構成である。したがって、以下の説明では、主として群管理制御装置26Aについて説明し、群管理制御装置26Bの詳細な説明は省略する。
群管理制御装置26A(群管理制御装置26)は、PC(Personal Computer)などの一般的な情報処理装置と同様のコンピュータ資源で構成しうる。群管理制御装置26Aは、制御部34、記憶部36、自他バンク判定部38、評価値計算部40、自他バンク情報送受信部42、割当乗りかご選定部44等を備えうる。
制御部34には、行先階登録装置20(20Aa,20Ab)が接続されている。制御部34は、行先階登録装置20で入力された行先階に関する行先階データ(登録データ)を受信すると、当該行先階データを自他バンク判定部38、評価値計算部40、自他バンク情報送受信部42、割当乗りかご選定部44に提供する。また、割当乗りかご選定部44が最終的に選定した割当乗りかごに関する結果データを取得した場合、取得した結果データを行先階の登録が行われた行先階登録装置20に送信して、行先階登録装置20の表示装置20bに選定した割当乗りかごに関する情報データを表示させる。つまり、制御部34は、「表示制御部」としても機能する。
記憶部36は、エレベータシステム10を運用するための各種仕様データや設定データ等を記憶している。記憶部36は、例えば、エレベータシステム10に属するエレベータバンク12の数および各エレベータバンク12の識別データ、各エレベータバンク12のエレベータ14の共通停止階22を含む停止可能階データ等を記憶している。また、記憶部36は、各エレベータバンク12に属するエレベータ14の接続台数、各エレベータ14の仕様等を記憶している。この他、自他バンク判定部38、評価値計算部40、自他バンク情報送受信部42、割当乗りかご選定部44等で実行される各種処理の際に参照する基準データ等を記憶している。基準データの詳細は後述する。したがって、制御部34、自他バンク判定部38、評価値計算部40、自他バンク情報送受信部42、割当乗りかご選定部44は、記憶部36の記憶する各種データを適宜参照することができる。
自他バンク判定部38は、制御部34から送信される行先階データを参照して、登録された行先階がエレベータバンク12Aに含まれるエレベータ14で応答可能か、またはエレベータバンク12Bで応答可能かの判定を行う。なお、本実施形態において、エレベータバンク12Aを基準にして、当該エレベータバンク12Aを「自バンク」と称する場合がある。また、エレベータバンク12Aを基準にして、エレベータバンク12A(自バンク)以外のエレベータバンク12Bを「他バンク」と称する場合がある。したがって、エレベータバンク12Bが基準となる場合は、エレベータバンク12Bを「自バンク」と称し、エレベータバンク12Bを基準にして、エレベータバンク12Aを「他バンク」と称することになる。
例えば、自他バンク判定部38は、登録された行先階に応答可能か否かを判定するために、記憶部36が保持する複数の基準(例えば停止可能階データ)として、例えば、第一基準〜第四基準を参照する。第一基準は、例えば、「登録された行先階データは、エレベータバンク12Aに属するエレベータ14(1A号機〜6A号機)のみで応答可能」である。また、第二基準は、例えば、「登録された行先階データは、エレベータバンク12Bに属するエレベータ14(1B号機〜6B号機)のみで応答可能」である。また、第三基準は、例えば、「登録された行先階データは、エレベータバンク12Aに属するエレベータ14(1A号機〜6A号機)で応答可能で、かつエレベータバンク12Bに属するエレベータ14(1B号機〜6B号機)で応答可能」である。また、第四基準は、例えば、「登録された行先階データは、エレベータバンク12Aに属するエレベータ14(1A号機〜6A号機)およびエレベータバンク12Bに属するエレベータ14(1B号機〜6B号機)で応答不可能」である。自他バンク判定部38は、各基準に基づく判定情報(判定結果)を評価値計算部40および自他バンク情報送受信部42に送信する。なお、エレベータシステム10のバンク構成が、エレベータバンク12Aとエレベータバンク12Bの場合、第四基準は、省略してもよい。
自他バンク判定部38は、上述した基準に基づき、図6に示すような行先呼びに応答可能なエレベータバンク(「サービスバンク」ともいう)の判定情報(テーブル情報46)を作成し、評価値計算部40、自他バンク情報送受信部42、割当乗りかご選定部44に送信する。図6の場合、複数の行先階登録が行われた場合を示すテーブル情報46の例であり、行先呼び(行先階)が20F(共通停止階22)の場合、エレベータバンク12A(図中、バンクA)およびエレベータバンク12B(図中、バンクB)のいずれでも対応可能であることを示している。また、行先呼び(行先階)が25F(非共通停止階)の場合、エレベータバンク12Aでは対応不可で、エレベータバンク12Bのみが対応可能であることを示している。
評価値計算部40は、自他バンク判定部38から送信されたテーブル情報46に基づき、登録された行先階(例えば、共通停止階22)がエレベータバンク12A(自バンク)に属するエレベータ14(1A号機〜6A号機)で対応可能であると判定した場合(第一基準または第三基準を満たす場合)、エレベータバンク12Aに属するエレベータ14の乗りかご毎の利用適否を評価する評価値を算出する。群管理制御装置26Aの評価値計算部40の場合、登録された行先階が例えば共通停止階22の場合(第三基準を満たす場合)、エレベータバンク12A(自バンク)に含まれるエレベータ14の乗りかごを利用する場合の利用適否を評価する自バンク評価値を算出する。
評価値計算部40は、割当評価部40aと相対評価算出部40bを備える。割当評価部40aは、評価値の一つとして、自バンクの各エレベータ14の乗りかごの運行状態に基づく第一評価値(以下、割当評価値という)を算出する。また、相対評価算出部40bは、評価値の一つとして、登録が行われた行先階登録装置20と自バンクで利用するエレベータ14の乗りかごが到着するかご乗り口(例えば、かご扉の正面位置)までの距離に基づく第二評価値(以下、相対評価値という)を算出する。
割当評価部40aは、例えば、エレベータ14の号機番号(X=1〜6)とエレベータバンク12のバンク番号(Y=0,1)を変数とする割当評価値F1(X,Y)をエレベータ14毎(実施形態では1A号機〜6A号機毎)に算出する。なお、「割当評価値F1(X,Y)」は、エレベータ14(1A号機〜6A号機)の状態を表す指標に相当する指標であり、エレベータバンク12Aに対するX号機の評価値である。割当評価部40aは、エレベータ14の乗りかごの現在位置及び移動方向(昇降方向)、これから発生すると予測される乗場呼び、かご呼び、予測される行先階、行先階登録装置20により登録が行われた乗場呼び発生階(例えば、1F)への予想到着時間等の種々の管理指標に基づいて、割当評価値F1(X,Y)を算出する。本実施形態の場合、エレベータバンク12Aとエレベータバンク12Bを制御対象例としているので、エレベータバンク12A(自バンク)の場合、例えば、Y=0、エレベータバンク12B(他バンク)の場合、例えば、Y=1とすると、エレベータバンク12Aにおいて割当評価部40aが割当評価値F1(X,Y)を算出する際、Yは、固定的な変数「0」が用いられる。したがって、群管理制御装置26Aの割当評価部40aは、割当評価値F1(1,0)〜F1(6,0)を算出する。なお、群管理制御装置26Aの割当評価部40aは、エレベータバンク12B側の群管理制御装置26Bから要求があった場合も同様に、エレベータバンク12B用の割当評価値F1(1,0)〜F1(6,0)を算出することができる。
また、相対評価算出部40bは、例えば、記憶部36に保持された図7に示すような相対評価表48を参照し、エレベータ14の号機番号(X=1〜6)とエレベータバンク12のバンク番号(Y=0,1)を変数とする相対評価値F2(X,Y)をエレベータ14毎(実施形態では1A号機〜6A号機毎)に算出する。本実施形態の場合、例えば、エレベータバンク12Aのエレベータ14(1A号機〜6A号機)のうち、行先階登録を行った行先階登録装置20から近いエレベータ14ほど相対評価値F2(X,Y)の値が高くなる(最も近い場合、例えば「6」になる)ように相対評価表48が設定されている。また、行先階登録を行った行先階登録装置20から遠いエレベータ14ほど相対評価値F2(X,Y)の値が小さくなる(最も遠い場合、例えば「1」になる)ように相対評価表48が設定されている。したがって、各エレベータ14の相対評価値F2(X,Y)は、行先階登録装置20の設置された位置に応じて変化することになる。つまり、行先階登録を行った行先階登録装置20からの距離(移動時間)の大小が、登録された行先階に効率的に行くためのエレベータ14の選定基準の一つとして考慮されることなる。したがって、群管理制御装置26Aの相対評価算出部40bは、相対評価値F2(1,0)〜F2(6,0)を算出する。
なお、群管理制御装置26Aの相対評価算出部40bは、群管理制御装置26Bから要求があった場合、エレベータバンク12B側の行先階登録装置20からエレベータバンク12Aのエレベータ14(1A号機〜6A号機)の各乗り場に関する相対評価値F2(X,Y)を算出する。この場合、エレベータバンク12B側の行先階登録装置20からエレベータバンク12Aのエレベータ14(1A号機〜6A号機)の各乗り場までの相対距離は、エレベータバンク12A側の行先階登録装置20からの相対距離より長くなる。したがって、群管理制御装置26Aの相対評価算出部40bは、図7に示す値より大きな値(例えば、2倍)に設定された、別途準備されたエレベータバンク12Bの行先階登録装置20(例えば20Ba)とエレベータバンク12Aのエレベータ14(1A号機〜6A号機)との相対距離に関する相対評価表48を参照して、相対評価値F2(1,0)〜F2(6,0)を算出する。
評価値計算部40は、割当評価部40aにより割当評価値F1(X,Y)が算出され、相対評価算出部40bにより相対評価値F2(X,Y)が算出されると、エレベータバンク12Aに含まれるエレベータ14の台数分の総合評価値E(X,Y)を算出する。総合評価値E(X,Y)は、割当評価値F1と相対評価値F2との合算値とすることができる。この場合、総合評価値E(X,Y)に対する割当評価値F1と相対評価値F2との影響力を調節するために、以下の式(1)に示すように、所定の重み係数αを考慮してもよい。
E(X,Y)=(1−α)F1(X,Y)+(α)F2(X,Y)・・・(式1)
この場合、重み係数αは、0〜1の値とすることができる。例えば、割当評価値F1(X,Y)と相対評価値F2(X,Y)を均等に評価したい場合、重み係数α=0.5とする。また、相対評価値F2(X,Y)を優先してエレベータ14(乗りかご)の選定を行いたい場合は、重み係数αは、0.5〜1の間に設定する。この場合、群管理制御装置26Aの評価値計算部40で算出された割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y)を「自バンク評価値」という場合がある。
ここで、自他バンク情報送受信部42は、自他バンク判定部38から送信されたテーブル情報46に基づき、登録された行先階(例えば、共通停止階22)がエレベータバンク12B(他バンク)に属するエレベータ14(1B号機〜6B号機)で対応可能であると判定したとする。つまり、上述の第二基準または第三基準を満たす場合である。この場合、自他バンク情報送受信部42は、エレベータバンク12A側の行先階登録装置20で登録された行先階データをエレベータバンク12B側の群管理制御装置26Bに通信ライン32を介して送信する。その結果、群管理制御装置26Bでは、送信された行先階データの行先階(例えば、共通停止階22)にエレベータバンク12B側のエレベータ14(1B号機〜6B号機)で対応した場合の割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y)が、群管理制御装置26Aで説明した場合と同様に算出される。この場合、群管理制御装置26Bの評価値計算部40が相対評価値F2(X,Y)を算出する際は、エレベータバンク12Aの行先階登録装置20(例えば20Aa)とエレベータバンク12Bのエレベータ14(1B号機〜6B号機)までの相対距離に関する相対評価表48を参照する。群管理制御装置26Bの評価値計算部40で算出された割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y)を「他バンク評価値」という場合がある。そして、その算出結果が、群管理制御装置26Bの自他バンク情報送受信部42によって、群管理制御装置26A側に通信ライン32を介して送り返される。この場合、群管理制御装置26A側の自他バンク情報送受信部42は、行先階データを送信してから群管理制御装置26Bで算出された各評価値(割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y))が受信されるまでの時間(他バンク応答時間)を計測する。
そして、自他バンク情報送受信部42は、計測した他バンク応答時間を割当乗りかご選定部44に送信する。したがって、自他バンク情報送受信部42は、共通停止階22が登録された場合に、自バンク(エレベータバンク12A)以外の他バンク(エレベータバンク12B)に含まれる乗りかごを利用する場合の利用適否を評価する他バンク評価値を取得する「評価値取得部」として機能する。なお、群管理制御装置26Aの評価値計算部40は、通信ライン32を介して、エレベータバンク12B側の各種データを取得してもよい。この場合、群管理制御装置26A側の評価値計算部40は、エレベータバンク12B側のエレベータ14(1B号機〜6B号機)で行先階に対応した場合の割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y)を算出(取得)してもよい。
群管理制御装置26Aの割当乗りかご選定部44は、群管理制御装置26Aの評価値計算部40で算出した「自バンク評価値」と群管理制御装置26Bの評価値計算部40で算出されて通信ライン32を介して取得した「他バンク評価値」とに基づき、乗りかごの選定を行う。つまり、エレベータバンク12Aとエレベータバンク12Bに含まれるエレベータ14の乗りかごの中から、行先階登録装置20で登録された行先階に利用者を運ぶために最適な乗りかご(割当乗りかご)を選定する。
割当乗りかご選定部44は、取得した各総合評価値E(X、Y)をエレベータバンク12毎に比較して、同一のエレベータバンク12の中で評価の最も高い総合評価値E(X、Y)を選択する。また、必要に応じて、それぞれのエレベータバンク12において、最も高い総合評価値E(X、Y)の割当評価値F1(X,Y)と相対評価値F2(X,Y)の比較を行う。それぞれのエレベータバンク12において選択された総合評価値E(X、Y)が異なる値の場合、評価の高い総合評価値E(X、Y)のエレベータバンク12のエレベータ14の中から割当乗りかごを選定する。また、各総合評価値E(X、Y)が同値の場合で、各割当評価値F1(X,Y)が同値かつ相対評価値F2(X,Y)同値の場合、エレベータバンク12毎に設定された優先順値に従い、優先度の高いエレベータバンク12から割当乗りかごを選定する。また、それぞれのエレベータバンク12の総合評価値E(X、Y)が同値の場合で、各割当評価値F1(X,Y)と相対評価値F2(X,Y)の少なくとも一方が異なる値の場合、割当評価値F1(X,Y)と相対評価値F2(X,Y)とに設定された優先順値に従い割当乗りかごを選定する。
割当乗りかご選定部44によって、割当乗りかごが選定された場合、割当乗りかご選定部44は、制御部34に選定結果を送信する。そして制御部34は、選定された割当乗りかごが含まれるエレベータバンク12の案内情報(例えば、エレベータ14の号機番号やそのエレベータ14が含まれるエレベータバンク12の名称(場所)等を行先階の登録が行われた行先階登録装置20の表示装置20bに表示させる。
このように構成されるエレベータシステム10の運用方法の一例を図8A〜図8Cのフローチャートに基づいて説明する。なお、図8Aは、主フローチャートであり、図8Bは、図8Aのフローチャートにおける他バンクでの処理を説明するフローチャートであり、図8Cは、図8Aのフローチャートにおける割当乗りかごの選定処理の詳細を説明するフローチャートである。図8A〜図8Cに示すフローチャートでは、エレベータシステム10の利用者が図1において、エレベータバンク12Aの行先階登録装置20(20Aa)で、行先階として20F(共通停止階22)を登録した場合の処理動作の例を説明する。また、この場合、エレベータバンク12Aを「自バンク」として説明し、エレベータバンク12Bを「他バンク」として説明する。
エレベータバンク12A(自バンク)の群管理制御装置26Aの制御部34は、エレベータバンク12A側の行先階登録装置20(例えば20Aa)から行先階の登録(行先呼び、行先階登録ステップの処理)を受信したか否かの確認を行う(S100のNo)。そして、行先呼びを受信した場合(S100のYes)、制御部34は、受信した行先呼び(行先階データ)を自他バンク判定部38、評価値計算部40、自他バンク情報送受信部42、割当乗りかご選定部44に送信する。
自他バンク判定部38は、行先呼び(例えば、20Fの登録)を受信すると、行先呼びがエレベータバンク12Aおよびエレベータバンク12Bの停止階(サービス階)か否かを記憶部36が保持する停止可能階データを参照して判定する(S102)。自他バンク判定部38は、行先呼びが、エレベータバンク12A(自バンク)の停止階(サービス階)であると判定した場合(S102のYes)、評価値計算部40は、S104〜S112において、エレベータバンク12Aに含まれるエレベータ14の号機台数(X)分(1A号機〜6A号機)の評価値を算出するループ処理を実行する(算出ステップ)。なお、自他バンク判定部38は、S104〜S112のループ処理を実行するのに先立ち、図6に示すテーブル情報46を作成する。そして、自他バンク判定部38は、テーブル情報46を評価値計算部40、自他バンク情報送受信部42、割当乗りかご選定部44へ送信する。
S104〜S112のループ処理において、上述したように、割当評価部40aは、割当評価値F1(X,Y)を算出し(S106)、相対評価算出部40bは、相対評価値F2(X,Y)を算出する(S108)。そして評価値計算部40は、算出した割当評価値F1(X,Y)と相対評価値F2(X,Y)に基づき、総合評価値E(X,Y)を算出する(S110)。このループ処理は、エレベータバンク12Aに含まれる各エレベータ14(1A号機〜6A号機)について実行される。
エレベータバンク12A(自バンク)において、ループ処理が完了したら、自他バンク情報送受信部42は、登録されている行先呼び(行先階)が、エレベータバンク12B(他バンク)のエレベータ14の停止階(サービス階)か否か判定する(S114)。自他バンク情報送受信部42は、この判定を自他バンク判定部38から提供されたテーブル情報46に基づき実行する。そして、行先呼び(行先階)が、エレベータバンク12B(他バンク)のサービス階に含まれる場合(S114のYes)、自他バンク情報送受信部42は、行先呼び(行先階)に関する行先階データをエレベータバンク12B(他バンク)へ送信する(S116)。また、自他バンク情報送受信部42は、行先階データを送信してからの他バンク応答時間(T)の計測を開始する(S118)。
なお、S102の処置において、自他バンク判定部38が行先呼びは、エレベータバンク12Aの停止階(サービス階)ではないと判定した場合(S102のNo)、自他バンク情報送受信部42は、エレベータバンク12A側での処理を行うことなく、行先呼び(行先階)に関する行先階データをエレベータバンク12B(他バンク)へ送信する(S120)。
図8Bに示すフローチャートは、エレベータバンク12Aの群管理制御装置26Aの自他バンク情報送受信部42から送信された行先呼び(行先階)に関する行先階データを受信した場合のエレベータバンク12Bの群管理制御装置26Bにおける処理である。群管理制御装置26Bの自他バンク情報送受信部42は、通信ライン32を介して、他バンク(ここでは、エレベータバンク12A)の行先呼びに関する行先階データを受信したか否か確認し(S122のNo)、受信を確認した場合(S122のYes)、各評価値を算出するためのループ処理を実行する。つまり、群管理制御装置26Bの評価値計算部40は、S124〜S132において、エレベータバンク12Bに含まれるエレベータ14の号機台数(X)分(1B号機〜6B号機)のループ処理を実行する。この場合、S126の処理は、群管理制御装置26Bの割当評価部40aで実行さされ、算出される割当評価値F1(X,Y)は、エレベータバンク12Bに含まれるエレベータ14の運行状態を評価する評価値である。また、S128の処理は、群管理制御装置26Bの相対評価算出部40bで実行され、算出される相対評価値F2(X,Y)は、エレベータバンク12Aの行先階登録装置20とエレベータバンク12Bのエレベータ14のかご乗り口までの相対距離を評価する評価値である。そして、S130の処理は、群管理制御装置26Bの評価値計算部40で実行され、算出される総合評価値E(X,Y)は、S126で算出された割当評価値F1(X,Y)およびS128で算出された相対評価値F2(X,Y)の合算値である。
エレベータバンク12Bにおいて、ループ処理が完了したら、群管理制御装置26Bの自他バンク情報送受信部42は、算出した割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y)を行先呼びに関する行先階データの送信元である群管理制御装置26Aの自他バンク情報送受信部42に送信する(S134)。
図8Aに戻り、群管理制御装置26Aの割当乗りかご選定部44は、他バンク応答時間(T)が一定時間(所定期間)経過したか否か判定する(S136)。ここで、「一定時間」とは、例えば、行先階登録装置20に設定された応答時間とすることができる。また、他の例では、例えば、総合評価値E(X,Y)の算出に必要な時間の理論値の例えば2倍とすることができる。一定時間が経過した場合(S136のYes)、エレベータバンク12B(他バンク)からの評価値が得られたか否かに拘わらず、図8Cの処理に移行する。このような処理を行うことにより、仮に群管理制御装置26Bにおける処理が遅延していた場合でも、行先階登録装置20を操作した利用者に応答遅れによるストレスを与え難くすることができる。
S136において、一定時間の経過前は(S136のNo)、群管理制御装置26Aの割当乗りかご選定部44は、エレベータバンク12B(他バンク)からの総合評価値E(X,Y)等の取得を待つ(S138のNo)。そして、一定時間の経過前に全ての総合評価値E(X,Y)等の取得(ここではエレベータバンク12B側の評価値)が完了した場合(S138のYes)、図8Cの処理に移行する。つまり、自バンクおよび他バンクで算出された各評価値を用いて、割当乗りかごの選定を行う。したがって、一定時間内であれば、自バンクおよび他バンクの評価値を考慮した処理が実行できる(取得ステップ)。
続いて、図8Cを参照する。群管理制御装置26Aの割当乗りかご選定部44は、取得したエレベータバンク12毎の複数のエレベータ14の総合評価値E(X,Y)の中からに最適な総合評価値E(X,Y)を算出し、されに、算出したエレベータバンク12毎の最適な総合評価値E(X,Y)を比較する(S140)。比較の結果、エレベータバンク12毎の最適な総合評価値E(X,Y)が同値ではない場合(S142)、群管理制御装置26Aの割当乗りかご選定部44は、エレベータバンク12毎の最適な総合評価値E(X,Y)のうち評価値が高いエレベータバンク12の総合評価値E(X,Y)に基づき割当乗りかごの選定を実行する(S144)。
S142において、比較の結果、エレベータバンク12毎の最適な総合評価値E(X,Y)が同値の場合(S142のYes)、エレベータバンク12毎の最適な総合評価値E(X,Y)における割当評価値F1(X,Y)と相対評価値F2(X,Y)との比較を行う(S146)。
S146の比較の結果、エレベータバンク12毎の最適な総合評価値E(X,Y)における割当評価値F1(X,Y)が同値であり、かつ相対評価値F2(X,Y)が同値である場合(S148のYes)、S150に移行する。つまり、群管理制御装置26Aの割当乗りかご選定部44は、予め設定されたエレベータバンク12の優先順位に基づいて割当乗りかごの選定を実行する(S150)。エレベータバンク12の優先順位は、エレベータシステム10の構造やエレベータシステム10の管理者等の要望によって予め決めることができる。例えば、建物の入口から近い方のエレベータバンク12の優先順位を高めるように設定することができる。なお、この優先順位は、適宜変更可能である。
S148において、エレベータバンク12毎の割当評価値F1(X,Y)が同値かつ相対評価値F2(X,Y)が同値、ではない場合(S148No)、予め定められた割当評価値F1(X,Y)と相対評価値F2(X,Y)との優先順位に基づいて割当乗りかごの選定を実行するこができる。例えば、割当評価値F1(X,Y)を相対評価値F2(X,Y)より優先評価することが定められている場合(S152のYes)、割当評価値F1(X,Y)が高い方のエレベータバンク12から割当乗りかごの選定が行われる(S154)。一方、例えば、相対評価値F2(X,Y)を割当評価値F1(X,Y)より優先評価することが定められている場合(S152のNo)、相対評価値F2(X,Y)が高い方のエレベータバンク12から割当乗りかごの選定を行う(S156)。
なお、図8AのS114において、登録された行先階が他バンク(エレベータバンク12B)のサービス階ではない場合(S114のNo)、つまり、行先階は、エレベータバンク12Aに属するエレベータ14でしか行けない場合、S104〜S112のループ処理で算出した自バンクの総合評価値E(X,Y)に基づき割当乗りかごの選定を行う(S158)。
以上のように、各評価値に基づき、登録された行先階に応答する割当乗りかごの選定が完了したら、選定された割当乗りかごが含まれるエレベータバンク12の案内情報を行先階の登録が行われたエレベータバンク12の表示装置20bに表示させて(S160)、一連の処理を完了する(表示ステップ)。
このように、複数のエレベータバンク12が存在するエレベータシステム10において、共通停止階22を行先階として登録した場合、各エレベータバンク12のエレベータ14の運行状況や行先階の登録を行った行先階登録装置20から実際に搭乗するエレベータ14までの距離等を考慮した上で、最も効率的に共通停止階22へ利用者を運ぶことができる割当乗りかごの提示ができる。その結果、エレベータシステム10の運用の効率化および利用者の満足度の向上が図れる。
なお、エレベータシステム10の各エレベータバンク12の構成は一例であり、本実施形態の割当乗りかごの選定方法を例えば、図9に示すようなエレベータシステム100に適用してもよく、同様の効果を得ることができる。
図9に示すエレベータシステム100は、いわゆるセキュリティゲート型のエントランスのゲート50を備えるシステムである。図9の場合、一例として、エレベータバンク12A〜12Dが設けられた4バンクから構成されるシステムである。エレベータシステム100の場合、各エレベータバンク12A〜12Dから独立したバンク割当制御部52が設けられている。また、ゲート50には、例えば、タッチセンサタイプの登録可能な行先階登録装置20が設けられている。
エレベータ利用者は、ゲート50を通過する際に行先階登録装置20に例えば身分証明証や通行証をタッチすることにより、ゲート50の開放と身分証等に登録済みの行先階が入力される。別の例では、通行許可時に上述の実施形態と同様にテンキー入力等により希望の行先階を登録できるようにしてもよい。
バンク割当制御部52は、各エレベータバンク12A〜12Dを統括管理する制御装置であり、行先階登録装置20で登録された行先階データを同時に各エレベータバンク12A〜12Dに送信する。エレベータバンク12A〜12Dは、それぞれ図5で説明した群管理制御装置26と同様な群管理制御装置を備える。そして、各エレベータバンク12A〜12Dの群管理制御装置は、バンク割当制御部52から送信された行先階データに基づき、自バンクにおける割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y)を算出し、バンク割当制御部52に送信(返信)する。バンク割当制御部52は、各エレベータバンク12A〜12Dから送信された割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y)を比較し、行先階登録装置20で登録された行先階に応答する割当乗りかごを決定する。そして、最終的に行先階の登録が行われた行先階登録装置20の表示装置20bに、選定された割当乗りかごが属するエレベータバンクの案内情報(バンク番号やエレベータ番号等)を表示させる。なお、この場合、バンク割当制御部52は、割当乗りかご選定部として機能することになる。
この構成によれば、ゲート50の行先階登録装置20で登録された行先階データは、同時に各エレベータバンク12A〜12Dに送信されるので、各エレベータバンク12A〜12Dにおける評価値の算出を迅速に行うことができる。そして、バンク割当制御部52が各エレベータバンク12A〜12Dからの評価値を総合的に管理するので、効率的に割当乗りかごの選定を行うことができる。また、各エレベータバンク12A〜12Dの群管理制御装置の処理負荷が軽減可能となり、各群管理制御装置のコスト低減に寄与することができる。
また、変形例においては、バンク割当制御部52が、各エレベータバンク12における割当評価値F1(X,Y)、相対評価値F2(X,Y)、総合評価値E(X,Y)を算出する機能を備えるようにしてもよい。この場合、各エレベータバンク12は、バンク割当制御部52に対して各エレベータバンク12に属するエレベータの運行状況等の情報を提供することになる。この場合、各エレベータバンク12における処理装置の構成を簡略化することができる。また、バンク割当制御部52がいずれか一つのエレベータバンク12に設けられて機能するようにしてもよい。例えば、エレベータバンク12Aにエレベータバンク12B〜12Dのエレベータの運行状況が送信され、エレベータバンク12Aで評価処理および選定処理が行われてもよい。この場合、例えばエレベータバンク12B〜12Dの群管理制御装置の処理負荷が軽減可能となり、各群管理制御装置のコスト低減に寄与することができる。
また、エレベータシステム100の変形例として、バンク割当制御部52を省略して、ゲート50に最も近いエレベータバンク12(例えば、エレベータバンク12A)を自バンクとして、他のエレベータバンク12B〜12Dを他バンクとする。そして、図5で説明したものと同様な処理を行ってもよい。つまり、エレベータバンク12Aの群管理制御装置がバンク割当制御部52の機能を実行するようにしてもよい。この場合もゲート50の行先階登録装置20で登録された行先階データは、同時に各エレベータバンク12A〜12Dに送信されるので、最終的な割当乗りかごの選定速度を向上させることができる。
また、別の変形例では、同様に、ゲート50の行先階登録装置20で登録された行先階データは、同時に各エレベータバンク12A〜12Dに送信される。そして、各エレベータバンク12A〜12Dで評価値に基づく、自バンクにおける最適な割当乗りかごを選定し、行先階登録装置20に送信する。行先階登録装置20は、最も早く返信してきたエレベータバンク12が選定した割当乗りかごを、エレベータシステム100において最終決定された最適な割当乗りかごとしてもよい。
この場合、各エレベータバンク12A〜12D間での評価値の実施的な比較が省略されるので、処理負荷の軽減と処理時間の短縮に寄与することができる。
なお、上述した実施形態では、各エレベータバンク12には複数台のエレベータ14が含まれる場合を示したが、別の実施形態では、各エレベータバンク12は、エレベータ14が1台の場合でもよく、上述した実施形態と同様に、効率的に利用者に割当乗りかごを提供するこができる効果を得ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。