JP6584953B2 - 長時間作用型単鎖インスリン類似体 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年11月5日付で出願した係属中の米国仮出願第61/722,350号の利益を主張する。
連邦政府により支援された研究または開発に関する陳述
本発明は、助成金番号DK040949およびDK074176で国立衛生研究所により授与された協力協定の下で政府の支援により行われた。米国政府は、本発明に対して特定の権利を有する。
本発明は、薬学的特性の向上を示すポリペプチドホルモン類似体に関する。薬学的特性の向上としては、例えば、熱力学的安定性の増大、室温より高い温度での熱によるフィブリル化に対する耐性の向上、分裂促進性の低下、並びに/または薬物動態学的および薬力学的特性の変化、即ち、対応する野生型ヒトホルモンの可溶性製剤と比較してより長い作用時間またはより短い作用時間をもたらすことが挙げられる。より詳細には、本発明は、新規のクラスの短縮連結(connecting:C)ドメインをAドメインとBドメインとの間に含むポリペプチド単鎖からなるインスリン類似体に関する。6~11残基のうち、このクラスのCドメインは、ヒトIGF−IIの連結ドメインに由来するN末端酸性エレメントとC末端セグメントからなる。本発明の単鎖インスリン類似体は、AドメインまたはBドメインの他の部位に標準的または非標準的なアミノ酸置換を選択的に含むことができる。
治療薬およびワクチンを含む、非標準的タンパク質の工学的作製(engineering)は、広範な医学的および社会的利点を有する可能性がある。一般に、ヒト、その他の哺乳類、脊椎動物、無脊椎動物、または真核細胞のゲノムにコードされているような、天然に存在するタンパク質は、多様な生物学的活性を与えることが多い。タンパク質誘導体の利点は、癌細胞の成長促進等の意図せぬ好ましくない副作用に関連した相同な細胞受容体への結合の低下といった選択的活性を達成することである。社会的利点のさらに別の例は、室温以上の温度での分解に対する耐性の向上であり、輸送、流通、および使用を促進する。治療用タンパク質の例としては、インスリンが挙げられる。他の哺乳類のゲノムにコードされた野生型ヒトインスリンおよびインスリン類似体は、RNAスプライシングの代替モードまたは翻訳後グリコシル化の代替パターンにより生成される受容体のアイソフォームに関係なく、複数の臓器および様々なタイプの細胞においてインスリン受容体に結合する。また、野生型インスリンは、相同な1型インスリン様増殖因子受容体(Type 1 insulin−like growth factor receptor:IGF−1R)に、より低い親和性で結合する。
さらなる医学的利点の例は、アンフォールディングまたは分解に対するタンパク質の安定性の最適化である。そのような社会的利点は、電気や冷凍を常に利用できるわけではない発展途上地域での使用における室温以上の温度での分解に関して、標準的タンパク質に比べてより難分解性のタンパク質を工学的に作製することにより向上する。ポリペプチド単鎖からなり、非標準的アミノ酸置換を選択的に含むインスリン類似体は、熱分解への耐性または分裂促進性の低下に関して優れた特性を示す。その物理的分解がもたらす課題は、アフリカおよびアジアで切迫した真性糖尿病の流行により深刻になっている。フィブリル化は、室温より高い温度での分解の主要経路をもたらすため、フィブリル化に耐性を有する製剤の設計は、そのような課題地域におけるインスリン補充療法の安全性および有効性を向上させる可能性がある。
インスリンの投与は、真性糖尿病の治療として長く確立されている。真性糖尿病患者における従来のインスリン補充療法の主要目的は、健常なヒト被験者に特有な正常範囲の上下に血糖濃度が逸脱することを予防するための、血糖濃度の厳格な管理である。正常範囲の下への逸脱は、即座に現れるアドレナリン様または神経低糖症の症状と関連しており、重度のエピソードでは痙攣、昏睡、および死亡につながる。正常範囲の上への逸脱は、網膜症、失明、および腎不全を含む微小血管疾患の長期的リスクの上昇と関連している。
インスリンは、脊椎動物の代謝において中心的な役割を果たす小球状タンパク質である。インスリンには、21残基を含むA鎖と30残基を含むB鎖の2つの鎖が含まれる。ホルモンは、Zn2+安定化六量体として膵臓β細胞中に貯蔵されるが、血流中ではZn2+なしの単量体として機能する。インスリンは、単鎖前駆体であるプロインスリンの産物であり、プロインスリンでは、連結領域(35残基)がB鎖のC末端残基(残基B30)とA鎖のN末端残基とを結合している(図1A)。様々な証拠により、プロインスリンはインスリン様のコアと不規則な連結ペプチドからなることが示されている(図1B)。3つの特異的ジスルフィド架橋(A6−A11、A7−B7、およびA20−B19、図1Aおよび図1B)の形成は、粗面小胞体(endoplasmic reticulum:ER)におけるプロインスリンの酸化的折り畳みと共役していると考えられる。プロインスリンは、ERからゴルジ体への輸送直後、会合して、可溶性のZn2+配位六量体を形成する。細胞内タンパク質分解による消化およびインスリンへの変換が未成熟分泌顆粒で起こり、その後、形態的凝縮が起こる。成熟貯蔵顆粒内の亜鉛インスリン六量体の結晶配列は、電子顕微鏡(electron microscopy:EM)により可視化されている。インスリンの配列を図1Cに概略図形式で示す。個々の残基は、アミノ酸(典型的には、標準的な3文字コードを用いて)、鎖、および配列位置(典型的には、上付き文字として)の識別により示す。本発明は、ヒトプロインスリンの36残基野生型Cドメインの特性に代わる6〜11残基長の新規の短縮Cドメインの発明に関する。
真性糖尿病治療用のインスリンおよびインスリン類似体の製造、貯蔵、および使用における重大な懸念点であるフィブリル化は、高温、低pH、撹拌、または、尿素、グアニジン、エタノール共溶媒、若しくは疎水性表面の存在下で促進される。現行の米国薬物規制は、フィブリル化が1%以上のレベルで生じた場合、インスリンを廃棄することを求めている。フィブリル化は、高温で促進されるため、真性糖尿病患者は、最適には、使用前にインスリンを冷蔵しておかなければならない。インスリンまたはインスリン類似体のフィブリル化は、少量のインスリン又はインスリン類似体を一定間隔で患者の体内に注入する外部インスリンポンプを使用する真性糖尿病患者にとって、特に懸念点となる可能性がある。そのような使用法において、インスリン又はインスリン類似体は、ポンプ装置内で冷蔵保存されておらず、インスリンのフィブリル化は、インスリンまたはインスリン類似体を体内に注入するために用いられるカテーテルの閉塞をもたらす可能性があり、その結果、予測不能な血糖値の変動またはさらには危険な高血糖をも引き起こす可能性がある。インスリンは、25℃を超える温度において、10℃上昇する毎に分解速度が10倍以上増加するため、指針は、<30℃の温度での貯蔵、好ましくは冷蔵保存を求めている。5より低いpHで可溶性溶液として製剤化された基礎インスリン類似体(インスリングラルギンおよび亜鉛イオンのpH4.0の非緩衝溶液を含むランタス(登録商標)、サノフィ・アベンティス社(Sanofi−Aventis)等)のフィブリル化もまた、室温以上の温度における物理的分解のために基礎インスリン類似体の寿命を制限する可能性があり、そのような製剤で使用された酸性条件は、インスリンの自己会合を阻害し、亜鉛イオンの結合を弱め、インスリン類似体が亜鉛−タンパク質複合体内への封鎖により保護され得る度合いを減少させる。
インスリンは、分子内で原子が再構成しない化学結合の切断、または異なるインスリン分子間での化学結合の形成を含む、化学的分解を受けやすい。そのような化学結合の変化は、通常、タンパク質のアンフォールド状態においてもたらされるため、インスリンの熱力学的安定性を向上させるインスリン修飾もまた、化学的分解を遅延させるまたは防ぐ可能性がある。インスリンはまた、物理学的分解も受けやすい。タンパク質のフィブリル化に関する現在の理論では、フィブリル化のメカニズムは、部分的に折り畳まれた中間状態を経て進行し、これが次いで凝集してアミロイド形成の核を形成すると仮定している。本理論においては、天然状態を安定化させるアミノ酸置換が、部分的に折り畳まれた中間状態を安定化する可能性もあれば、安定化しない可能性もあり、また、天然状態と中間状態の間の自由エネルギー障壁を増加(または減少)させる可能性もあれば、しない可能性もある。したがって、本理論は、2本鎖インスリン分子内の特定のアミノ酸置換がフィブリル化のリスクを増加または減少させる傾向は、極めて予測不能であることを示している。平行に配置されたβシートを有する3つのαヘリックス(天然状態で見られるような)のほぼ完全なアンフォールディングによりB鎖の連続的な積み重なりおよびA鎖の連続的な積み重なりが形成され、鎖間およびA鎖内の天然のジスルフィド対形成は保持されることが、インスリン分子構造のモデルにより想定される。そのような平行なクロスβシートでは、A鎖のN末端とB鎖のC末端とが実質的に分離していること(>30Å)が必要であるが、末端は、通常、インスリン単量体の天然状態では近接近している(<10Å)。短縮Cドメインを有する単鎖インスリン類似体のフィブリル化に対する顕著な耐性は、当該技術分野で知られており、インスリンのプロトフィラメントにおける平行なクロスβシートの広がり構造と、天然のジスルフィド対を有する単鎖インスリン類似体であって、短縮CドメインがA鎖のN末端とB鎖のC末端との距離をプロトフィラメントにおいて好ましくない距離に制限している単鎖インスリン類似体の構造との間のトポロジーの不一致(topological incompatibility)を反映すると考えられる。
したがって、単鎖インスリン類似体は、フィブリル化耐性インスリン類似体の設計への好ましいアプローチを提供するように思われる。しかしながら、これまで、そのような類似体は、野生型ヒトインスリンと比較して1%以下となり得る低い活性を示してきた。(Lee,H.C.ら(2000)は、野生型AドメインおよびBドメインを有する57残基長または58残基長の単鎖インスリン類似体が、ヒトインスリンと比較して30〜40%の範囲の受容体結合親和性を示すと主張したが、この文献は、科学的不正行為により2009年に撤回されており、我々の管理下では、Lee,H.C.らにより開示された類似体は、1%未満の相対親和性を示す。)親和性は、インスリン受容体に対するインスリンの親和性を増加させることが当該技術分野において知られている置換である、AspB10の導入により、部分的に回復する可能性がある。我々は、過去に、CドメインリンカーであるGGGPRRを有し、AspB10を含む57残基の単鎖インスリンについて説明した。しかしながら、名称「アイソフォーム特異的インスリン類似体(Isoform−Specific Inslin Analogues)」の米国特許出願第12/989,399号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に開示されているように、Aドメインおよび/またはBドメインにおけるそのような置換とともに短縮Cドメインを使用することにより、IR−Bと比較してIR−Aへの結合率が増加するように結合率を偏らせることができる。高い受容体結合親和性を有する単鎖インスリン類似体が記載されており、当該単鎖インスリン類似体において、短縮Cドメインは、インスリン様増殖因子I(insulin−like growth factor I:IGF−I)の12残基のCドメイン(配列GYGSSSRRAPQT、配列ID番号12)であり、キメラタンパク質を生成する。しかしながら、そのようなキメラ分子は、IGF−1Rに対する相対および絶対親和性の増加を示す。そのような変性は、AspB10およびB10位におけるその他の置換に関連した変性と同様に、そのような類似体を摂取している動物またはヒトの患者における発癌リスクの上昇に関与する可能性があることにより引き起こされる、広い懸念を有する。この懸念は、基礎インスリン類似体、即ち、皮下デポー剤(depot)からの12〜24時間のインスリン吸収プロフィールおよび12〜24時間のインスリン作用プロフィールを有し、1日1回投与用に設計されたインスリン類似体に関して特に顕著である。
本発明は、医学的および社会的ニーズに動機づけられて、(i)分解耐性、(ii)in vivoにおける実質的な血糖降下効力、(iii)IGF−1Rに対するクロス結合の低下、および(iv)野生型ヒトインスリンに類似した、インスリン受容体のAアイソフォームおよびBアイソフォームに対する親和性の比、を組み合わせた、1日1回用基礎単鎖インスリン類似体を工学的に作製する。後者の目的は、ヒトの体におけるインスリンの多面的な機能および標的組織を反映した。インスリン作用の古典的パラダイムは、このホルモンの標的組織としての、脂肪細胞(脂肪細胞において、インスリンは、トリグリセリド液滴の形で燃料貯蔵を調節する)、肝臓(肝臓において、インスリンは、グルコネオゲネシスによるグルコース産生を調節し、グリコーゲンの形で燃料貯蔵を調節する)、および筋肉(筋肉において、インスリンは、GLUT4の細胞膜への移動を介した血流からのグルコースの流入を調節する)の臓器特異的機能に焦点を当ててきた。しかしながら、最近の研究により、インスリンが、脳の視床下部等の他の臓器および組織において生理学的役割を果たすことが明らかになった。脳の視床下部において、インスリン反応性神経回路は、肝代謝、食欲、満腹感、および恐らく理想的な体重のための設定値に影響する。ヒトゲノムは、インスリン受容体、細胞質チロシンキナーゼドメインを含む膜貫通タンパク質をコードする単一遺伝子を含むが、そのプレメッセンジャーRNAは、選択的スプライシングを受けて、部分分布が臓器によって異なる可能性があり、シグナリング機能が同じ細胞内で異なる可能性がある異なるAアイソフォームおよびBアイソフォームを産生する。
AアイソフォームとBアイソフォーム(IR−AおよびIR−Bと表す)とでは、インスリンに対する親和性が異なり(IR−Aの親和性は、IR−Bの親和性よりも2倍高い)、IR−A(エクソン11にコードされたαサブユニットにおいて、1つのペプチドドメインが欠損している)のみが高い親和性でIGF−IIに結合する。インスリン類似体は、IR−AおよびIR−Bそれぞれに対する親和性の比が野生型インスリンとは異なることが当該技術分野において知られているが、インスリン補充療法の安全性および有効性には、最適には、IR−AおよびIR−Bに対する親和性の比が野生型インスリンと類似しているインスリン類似体の投与を必要とする可能性がある。IR−A当たりのインスリン類似体のIR−Aへの結合が低下すると、例えば、IR−A受容体が優位である脳および白血球において、インスリンシグナリングの程度が相対的または絶対的に低下する可能性がある。同様に、IR−B当たりのインスリン類似体のIR−Bへの結合が低下すると、例えば、IR−B受容体が優位である古典的な標的臓器において、インスリンシグナリングの程度が相対的または絶対的に低下する可能性がある。そのような結合親和性の偏りはまた、標的細胞(膵臓β細胞等)の細胞機能を障害する可能性があり、当該標的細胞においては、IR−A媒介インスリンシグナリングおよびIR−B媒介インスリンシグナリングが、それぞれ適切なβ細胞生存能力および分泌機能に関与する異なる細胞機能を媒介すると考えられている。癌細胞は、IR−Aの過剰発現を示すことがあるため、(野生型ヒトインスリンと比較して)IR−Aのシグナリング能力の向上を示す類似体による患者の治療は、腫瘍を増殖させる危険性がある。癌細胞におけるインスリン類似体による分裂促進シグナリングは、(野生型ヒトインスリンと比較して)分裂促進性IGF−1R受容体に対するクロス結合の向上を示す類似体により、(野生型ヒトインスリンと比較して)IR−Aへの結合の向上を示す類似体により、または、(野生型ヒトインスリンと比較して)IGF−1R、IR−A、若しくはIR−Bにおける滞留時間が長い類似体により媒介される。B鎖またはBドメインのC末端に近い塩基性残基(B28〜B30)、C末端伸長内の塩基性残基(B31またはB32)、または単鎖インスリン類似体の等価位置にある塩基性残基(C1およびC2)は、インスリン類似体のIGF−1Rへのクロス結合を強化し、それにより分裂促進性を高めることができる。
したがって、僅かな分裂促進性およびIGF−1Rへのクロス結合性を有するにもかかわらず、野生型インスリンのグルコース低下作用の少なくとも一部を保持する単鎖インスリン類似体を発明することが望ましい。より一般的には、インスリン受容体のAアイソフォームおよびBアイソフォームに対する親和性の比、即ち、含蓄的に、野生型インスリンの複数の臓器特異的な生物学的活性の少なくとも一部を示しつつ、熱力学的安定性の向上、および室温より高い温度でのフィブリル化に対する耐性の向上を示すインスリン類似体が必要である。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第8,192,957号明細書
(特許文献2) 米国特許出願公開第2012/0252724号明細書
したがって、本発明の一態様は、皮下注射後に齧歯動物における野生型インスリンのグルコース低下作用の少なくとも一部を保持しつつ、IGF−1Rへのクロス結合の低下および長い作用時間を示す単鎖インスリン類似体を提供することである。本発明の類似体は、B10位にヒスチジンを含むため、この位置での酸性置換(アスパラギン酸またはグルタミン酸)に関連した発癌性に関する懸念を回避する。本発明のさらなる態様において、単鎖インスリン類似体のIR−AおよびIR−Bに対するin vitroでの絶対的親和性は、野生型ヒトインスリンに対して5〜100%の範囲であり、そのため、ホルモン−受容体複合体において長い滞留時間を示す可能性は低い。本発明は、野生型ヒトインスリンと類似したIR−AおよびIR−Bに対する結合親和性の比を示す単鎖インスリン類似体の有用性を検討する。
上記の特徴の組み合わせは、新規のCドメイン設計によりもたらされ、当該Cドメイン設計では、短縮連結ポリペプチド(6〜11残基長)が、N末端酸性エレメント(残基C1およびC2)、柔軟な結合またはヒンジ(C3)、およびIGF−IIのCドメインに由来するC末端セグメント(C4−C、式中、n=6、7、8、9、10、または11)を含む。N末端酸性エレメントは、インスリングラルギンのArgB31−ArgB32塩基性エレメントの電荷が逆転した32残基のB鎖を含む二本鎖インスリン類似体の研究(参照により本明細書に組み込まれる、名称「非標準的インスリン類似体(Non−Standard Insulin Analogues)」の米国特許第8,399,407号)に基づいて設計した。理論に縛られることは望まないが、2残基の酸性残基は、類似体とIGF−1Rとの結合に好ましくない静電反発力をもたらすが、インスリン受容体アイソフォームにより十分に許容されることが想定される。同様に、理論に縛られることは望まないが、本発明のCドメインにおけるIGF−II由来のC末端セグメントは、インスリン受容体アイソフォームとの好ましい相互作用を引き起こし、そのため、単なるテザー(tether)エレメントまたは空間エレメントとしてよりもむしろ補助的な受容体結合エレメントとして機能することがさらに想定される。
概して、本発明は、本発明のCドメイン、およびA8位に置換を有する修飾A鎖を含む単鎖インスリン類似体を提供する。したがって、本発明は、連結ドメイン(Cドメイン)が6〜11残基長で2つのエレメントからなる、新規のクラスの単鎖インスリン類似体に関する。N末端エレメントは、最初の2つの残基(伸長インスリンB鎖の残基B31〜B33に相当し、C1、C2、C3と表す)からなり、(i)C1およびC2は、少なくとも1つの酸性側鎖を含み、pH7.4で−1または−2の正味の形式電荷を有し、(ii)C3は、グリシン、アラニン、プロリン、またはセリンにより提供されるような、柔軟な結合またはねじれを提供する。例として、これらに限定されるものではないが、以下のジペプチドセグメントが挙げられる:EEG、AEG、EAG、EDG、DEG、DDG、ADG、ADG、EEA、AEA、EAA、EDA、DEA、DDA、ADA、ADA、EEP、AEP、EAP、EDP、DEP、DDP、ADP、ADP、EES、AES、EAS、EDS、DES、DDS、ADS、またはADS。C末端エレメントは、Cドメインが配列SRVSRRSR(配列ID番号13)を有する、ヒトインスリン様成長因子II(IGF−II)由来のペプチドセグメントを含む。残基C4−C(式中、n=6〜11)は、配列RVSRRSR、VSRRSR、SRRSR、RRSR、またはRSRを有する、IGF−IIのCドメインまたはC末端フラグメントに由来する。したがって、これらのハイブリッドCドメインは、最小で6残基(N末端エレメントの3残基とC末端エレメントの3残基)から最大で11残基(N末端エレメントの3残基とC末端エレメントの8残基)の長さに及ぶ。A鎖は、酸触媒によるアミド分解またはAsnに関連したその他の化学分解機序を回避するために、A8位に塩基性置換(リジン、アルギニン、またはヒスチジン)およびA21位に置換(Gly、Ala、またはSer)を有する。1つの実施例において、B鎖もまた、酵母における生合成過程でのLys特異的なタンパク質分解切断を回避するために、LysB29→Arg置換を含む。
別の実施例において、本発明は、EEGXという形のリンカーを有する一連の単鎖インスリン(single chain insulin:SCI)分子を提供する。EEGXにおいて、C1およびC2位のEEエレメント(ランタス(登録商標)の有効成分であるインスリングラルギンのRRエレメントとは逆の電荷を有する)は、IGF−1Rクロス結合を弱め、(ii)Gは、柔軟なヒンジをもたらし、(iii)Xは、IGF−IIのCドメイン(配列SRVSRRSR:配列ID番号13)に由来する。IGF−II由来のテザーの使用により、複数のArg残基が存在し(負のEEエレメントを補って、等電点の正味シフトをもたらす)、IR受容体結合の向上において仮説的役割を果たす。サーマリンベーサル(Thermalin−basal)と称されるSCIは、8残基の連結ペプチド(配列EEGSRRSR:配列ID番号14)を含む。この長さのCドメインは、受容体結合における誘導適合のメカニズムに対応していると考えられている。
図1Aは、A鎖およびB鎖、並びに、隣接する2塩基切断部位(黒丸)とC−ペプチド(白丸)とで示される連結領域を含む、ヒトプロインスリンの配列の概略図である。 図1Bは、インスリン様部分と不規則な連結ペプチド(破線)とからなる、プロインスリンの構造モデルである。 図1Cは、B鎖中の残基B27および残基B30の位置を示すヒトインスリンの配列の概略図である。 図2は、野生型ヒトインスリンおよび本発明の単鎖インスリン類似体(SCI−59B)の受容体結合実験の結果を示すグラフである。上段図は、インスリン受容体のアイソフォームA(IR−A)を用いた競合置換アッセイである。中段図は、インスリン受容体のアイソフォームB(IR−B)を用いた競合置換アッセイである。下段図は、1型IGF受容体(IGF−1R)を用いた競合置換アッセイである。記号:ヒトインスリン(■)およびSCI−59(▲)。これらのデータを分析することにより、表1に示すようにホルモン−受容体解離定数を推算することが可能である。 図3は、本発明の単鎖インスリン類似体(SCI−59B)の2D―NMRスペクトルを示す。pH3.5(基礎製剤と同様に)および37℃で得られるスペクトル、混合時間は200ms、磁場強度700MHzであった。 図4は、ステプトゾトシン(steptozotocin)により糖尿病に罹患させたラットにおける中用量インスリン類似体(20μg/ラット)の動物試験結果を示すグラフである。経時的(分)な血糖の低下:ヒューマログ(登録商標)(リスプロインスリン)(■)、(SCI−59B:▲)、ランタス(登録商標)(インスリングラルギン)(◆)、および希釈剤(●)。各製剤(U−100として)の1ユニットを5匹のSTZラット(N=5)に皮下注射した。エラーバーは、標準誤差を示す。 図5Aは、ステプトゾトシンにより糖尿病に罹患させ、新鮮サーマリンベーサル(T−b:▲)、加熱サーマリンベーサル(●)、新鮮ランタス(登録商標)(インスリングラルギン)(◆)、加熱ランタス(登録商標)(インスリングラルギン)(■)、または希釈剤コントロール(×)を投与したスプラーグドーリーラット(Sprague−Dawley rats)における経時的な血糖値を示すグラフである。加熱したサンプルは、37℃で穏やかに撹拌した。サーマリンベーサルは56日間加熱し、ランタス(登録商標)は12日間加熱した。 図5Bは、ステプトゾトシンにより糖尿病に罹患させ、新鮮サーマリンベーサル(T−b:▲)、加熱サーマリンベーサル(●)、新鮮ランタス(登録商標)(インスリングラルギン)(◆)、加熱ランタス(登録商標)(インスリングラルギン)(■)、希釈剤コントロール(×)を投与したスプラーグドーリーラットにおける経時的な血糖値を示すグラフである。加熱したサンプルは、45℃で穏やかに撹拌した。サーマリンベーサルは39日間加熱し、ランタス(登録商標)は6日間加熱した。
本発明は、長い作用時間、5〜100%の範囲(下限はプロインスリンに対応するように選択された)の絶対的親和性を有する野生型インスリンに類似したIR−A/IR−B受容体結合親和性比、IGF−1Rに対する識別の増加、A21位における化学的分解に対する耐性の推定される増加(Gly、Ala、またはSerによるAsnの置換による)、室温より高い温度でのフィブリル化に対する耐性の推定される増加(単鎖トポロジーによる)、および熱力学的活性の推定される増大(部分的に、塩基性側鎖であるArg、Lys、His、OrnによるThrA8の置換による)を示す単鎖インスリン類似体に関する。
本発明の少なくともいくつかの実施例の態様において、単鎖類似体の等電点は、6.8〜7.8であるため、酸性条件下(pH3.0〜4.5)の可溶性製剤は、皮下デポー剤において、pHが中性付近にシフトすることにより等電沈殿することが予想される。また、本発明の少なくともいくつかの実施例の態様において、単鎖インスリン類似体は、Tインスリン六量体、T インスリン六量体、またはRインスリン六量体として当該技術分野で知られている古典的亜鉛インスリン六量体と類似した、タンパク質六量体の亜鉛イオン依存性形態を形成する能力を保持する。
また、単鎖類似体を、非限定的な例としてであるが、ブタ、ウシ、ウマ、およびイヌのインスリン等の動物性インスリンに由来するAドメインおよびBドメインの配列から作製することもまた想定される。さらにまたは代わりに、本発明のインスリン類似体は、残基B1〜B3が欠損していてもよく、または、リジン(例えば、野生型ヒトインスリンのLysB29)を欠損している変異型B鎖と組み合わせて、ピキア・パストリス(Pichia Pastoris)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisciae)、またはその他の酵母発現種若しくは株における酵母の生合成においてLysが介在する前駆体ポリペプチドのタンパク質分解を回避してもよい。本発明の単鎖インスリンのBドメインは、熱力学的安定性および受容体結合活性を向上させることを目的とした他の置換を選択的に含んでいてもよい。ThrB27、ThrB30、またはCドメインにおける1つ以上のセリン残基を、単独でまたは組み合せて単糖付加体により修飾することもまた想定され、例としては、O−結合型N−アセチル−β−D−ガラクトピラノシド(GalNAc−Oβ−SerまたはGalNAc−Oβ−Thrと表す)、O−結合型α−D−マンノピラノシド(マンノース−Oβ−Serまたはマンノース−Oβ−Thr)、および/またはα−D−グルコピラノシド(グルコース−Oβ−Serまたはグルコース−Oβ−Thr)が挙げられる。
さらに、ヒトインスリンと動物性インスリンとの間の類似性、および過去にヒトの真性糖尿病患者で動物性インスリンを使用したことを考慮して、インスリン配列に他の若干の修飾、特に、「保存的(conservative)」とみなされる置換を導入することもまた想定される。例えば、アミノ酸のさらなる置換は、本発明から逸脱することなく、類似の側鎖を有するアミノ酸のグループ内で行ってもよい。これらは、中性疎水性アミノ酸:アラニン(AlaまたはA)、バリン(ValまたはV)、ロイシン(LeuまたはL)、イソロイシン(IleまたはI)、プロリン(ProまたはP)、トリプトファン(TrpまたはW)、フェニルアラニン(PheまたはF)、およびメチオニン(MetまたはM)を含む。同様に、中性極性アミノ酸は、グリシン(GlyまたはG)、セリン(SerまたはS)、スレオニン(ThrまたはT)、チロシン(TyrまたはY)、システイン(CysまたはC)、グルタミン(GluまたはQ)、およびアスパラギン(AsnまたはN)のグループ内で互いに置換してもよい。塩基性アミノ酸は、リジン(LysまたはK)、アルギニン(ArgまたはR)、およびヒスチジン(HisまたはH)を含むと考えられる。酸性アミノ酸は、アスパラギン酸(AspまたはD)およびグルタミン酸(GluまたはE)である。別途記述されない限り、または文脈から明らかである場合はいつでも、本明細書で言及されるアミノ酸はL−アミノ酸であるとみなされるべきである。標準的アミノ酸もまた、同じ化学的分類に属する非標準的アミノ酸により置換されてもよい。非限定的な例としてであるが、塩基性側鎖Lysは、より短い側鎖を有する塩基性アミノ酸(オルニチン、ジアミノ酪酸、またはジアミノプロピオン酸)により置き換えられてもよい。Lysはまた、中性の脂肪族同配体であるノルロイシン(Nle)により置き換えられてもよく、また同様により短い脂肪族側鎖を含む類似体(アミノ酪酸またはアミノプロピオン酸)により置換されてもよい。
ヒトプロインスリンのアミノ酸配列を、比較の目的のため、配列ID番号1として提供する。
配列ID番号1(ヒトプロインスリン)
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Lys−Thr−Arg−Arg−Glu−Ala−Glu−Asp−Leu−Gln−Val−Gly−Gln−Val−Glu−Leu−Gly−Gly−Gly−Pro−Gly−Ala−Gly−Ser−Leu−Gln−Pro−Leu−Ala−Leu−Glu−Gly−Ser−Leu−Gln−Lys−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Thr−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Asn
ヒトインスリンのA鎖のアミノ酸配列を配列ID番号2として提供する。
配列ID番号2(ヒトA鎖)
Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Thr−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Asn
ヒトインスリンのB鎖のアミノ酸配列を配列ID番号3として提供する。
配列ID番号3(ヒトB鎖)
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Lys−Thr
本発明の単鎖インスリン類似体のアミノ酸配列を、長さ57、57、58、59、60、61、および62のポリペプチドに相当する配列ID番号4〜10として提供する。
配列ID番号4
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa2−Thr−Xaa3−Glu−Gly−Arg−Ser−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa1−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Xaa4
Xaaは、His、Arg、Lys、またはOrnを示し、Xaaは、Lys、Arg、またはOrnであり、Xaaは、Ala、Gly、またはSerであり、Xaaは、Gly、Ala、またはSerである。
配列ID番号5
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa2−Thr−Glu−Xaa3−Gly−Arg−Ser−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa1−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Xaa4
Xaaは、His、Arg、Lys、またはOrnを示し、Xaaは、Lys、Arg、またはOrnであり、Xaaは、Ala、Gly、またはSerであり、Xaaは、Gly、Ala、またはSerである。
配列ID番号6
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa2−Thr−Glu−Glu−Gly−Arg−Arg−Ser−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa1−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Xaa3
Xaaは、His、Arg、Lys、またはOrnを示し、Xaaは、Lys、Arg、またはOrnであり、Xaaは、Gly、Ala、またはSerである。
配列ID番号7
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa2−Thr−Glu−Glu−Gly−Ser−Arg−Arg−Ser−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa1−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Xaa3
Xaaは、His、Arg、Lys、またはOrnを示し、Xaaは、Lys、Arg、またはOrnであり、Xaaは、Gly、Ala、またはSerである。
配列ID番号8
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa2−Thr−Glu−Glu−Gly−Val−Ser−Arg−Arg−Ser−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa1−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Xaa3
Xaaは、His、Arg、Lys、またはOrnを示し、Xaaは、Lys、Arg、またはOrnであり、Xaaは、Gly、Ala、またはSerである。
配列ID番号9
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa2−Thr−Glu−Glu−Gly−Arg−Val−Ser−Arg−Arg−Ser−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa1−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Xaa3
Xaaは、His、Arg、Lys、またはOrnを示し、Xaaは、Lys、Arg、またはOrnであり、Xaaは、Gly、Ala、またはSerである。
配列ID番号10
Phe−Val−Asn−Gln−His−Leu−Cys−Gly−Ser−His−Leu−Val−Glu−Ala−Leu−Tyr−Leu−Val−Cys−Gly−Glu−Arg−Gly−Phe−Phe−Tyr−Thr−Pro−Xaa2−Thr−Glu−Glu−Gly−Ser−Arg−Val−Ser−Arg−Arg−Ser−Arg−Gly−Ile−Val−Glu−Gln−Cys−Cys−Xaa1−Ser−Ile−Cys−Ser−Leu−Tyr−Gln−Leu−Glu−Asn−Tyr−Cys−Xaa3
Xaaは、His、Arg、Lys、またはOrnを示し、Xaaは、Lys、Arg、またはOrnであり、Xaaは、Gly、Ala、またはSerである。
以下のDNA配列は、ピキア・パストリスでの使用形態用に最適化したコドンを有する単鎖インスリン類似体SCI−59B(下記を参照)をコードする。
配列ID番号11
TTCGTCAATCAACACTTGTGTGGTTCCCACTTGGTTGAGGCATTGTACTTGGTCTGTGGTG
AGAGAGGATTCTTCTACACCCCTAGAACTGAGGAGGGTTCTAGAAGATCTAGAGGAATCG
TCGAGCAATGTTGTAGATCCATTTGTTCCTTGTACCAATTGGAGAACTACTGCGGATAA
SCI−59A(下記を参照)、並びにさらなる置換GluB13→Glnを含むSCI−59AおよびSCI−59Bの誘導体をコードする類似合成遺伝子を調製し、ピキア・パストリスでクローニングした。
本発明の2つの単鎖インスリン類似体(SCI−59AおよびSCI−59Bと表す)を、ピキア・パストリスにおける前駆体ポリペプチドの生合成により調製した。このシステムは、切断N末端伸長ペプチドを有する天然のジスルフィド架橋を含む折り畳まれたタンパク質を分泌する。切断された単鎖インスリン産物は、30残基のBドメイン、8残基のCドメイン、および21残基のAドメインの合計59残基の長さであった。Cドメイン配列は、どの場合もEEGSRRSR(配列ID番号14)であり、酸性エレメント(C1およびC2位、太字)が導入されてIGF−1Rへの結合を阻害し、柔軟な結合としてGly(C3位、斜字)が導入され、IGF−II Cドメイン由来のエレメント(本類似体のC4〜C8位、下線)が導入された。SCI−59Aは、ThrA8→His、AsnA21→Gly、およびLysB29→Argのさらなる置換を含み、一方、SCI−59Bは、ThrA8→Arg、AsnA21→Gly、およびLysB29→Argのさらなる置換を含んだ(配列ID番号7)。SCI−59Aの形式的な等電点(pI)は、Cドメイン配列(2つの追加のグルタミン酸残基により部分的に相殺された3つの追加のアルギニン残基)とA8位における滴定可能な追加のヒスチジンとの複合効果により中性の方へシフトすると予想され、B29位におけるLysからArgへの置換は、等電点にほとんど影響を及ぼさないと予想された。SCI−59Bの形式的pIは、Cドメイン配列(SCI−59Aと同様に、2つの追加のグルタミン酸残基により部分的に相殺された3つの追加のアルギニン残基)とA8位における追加のArgとの複合効果によりさらに中性の方へシフトすると予測された。
Figure 0006584953
表1は、野生型ヒトインスリンと比較したSCI−59AおよびSCI−59Bの受容体結合親和性を示す。代表的なデータを図2に示す。2つの単鎖類似体は、野生型インスリンと比較して、IGF−1Rに対してそれぞれ非常に低いクロス結合を示す。(相対活性を、125I−ヒトインスリンを用いた競合置換アッセイにより測定した、野生型ヒトインスリンに対する類似体のホルモン−受容体解離定数の比と定義する。)SCI−59Bは、5〜100%の目標範囲内で野生型インスリンと類似した比でIR−AおよびIR−Bに対する相対親和性を示す。一方、SCI−59A(A8位が異なる)のIR−AおよびIR−Bに対する親和性は、それぞれSCI−59Bの親和性よりも低い。IR−Aに対するSCI−59Aの親和性は、目標範囲内である(約10%)が、IR−Bに対するSCI−59Aの親和性は、目標範囲の最低値(実験誤差内で5%)であるため、野生型インスリンに比べて高いIR−A/IR−B結合比となる可能性がある。これらの発見により、リンカーEEGSRRSR(配列ID番号14)との関連において、A8位はHisよりもArgの方が好ましいことが示唆される。SCI−59Bの予測pIもまた、SCI−59Aよりもインスリングラルギン(同様に過剰な2つのアルギニン残基を含む)に近い値となる。
受容体結合活性のアッセイプロトコルは、以下の通りである。マイクロタイターストリッププレート(ヌンクマキシソルブ(Nunc Maxisorb))を、4℃で一晩、AU5 IgG(リン酸緩衝生理食塩水中の40mg/mlを100μl/ウェル)とともにインキュベートした。結合データは、二点逐次モデルにより解析した。データは、非特異的結合(1μMのヒトインスリン存在下で結合した膜に残存する放射能量)について補正した。すべてのアッセイにおいて、競合リガンドの非存在下で結合したトレーサーのパーセンテージは、リガンド枯渇によるアーティファクトを回避するため、15%未満であった。解離定数(K)を、Whittaker and Whittaker(2005.J.Biol.Chem.280:20932―20936)により記載された数学モデル、即ち、異種競合を前提として非線形回帰を用いたモデル(Wang,1995,FFBS Lett.360:111−114)に当てはめて決定した。
構造的および生物学的実験では、SCI−59Bのより高い受容体結合親和性およびより好ましい予想等電点を考慮して、SCI−59Bに重点を置いた。2D−NMR NOESYスペクトルにより、折り畳まれた構造を示す証拠が得られた(図3)。NOEsのパターンおよび化学シフトは、57残基単鎖インスリン類似体における過去の分析(Hua,Q.X.et al.(2008))と合致している。
動物モデルにおける類似体の生物学的活性および有効性を評価するために、オスのスプラーグドーリーラット(平均体重〜300グラム)をストレプトゾトシン(streptozotocin:STZ)処置により真性糖尿病に罹患させた。タンパク質溶液は、KP−インスリン(インスリンリスプロ、ヒューマログ(登録商標)の有効成分、イーライリリー・アンド・カンパニー社(Eli Lilly and Co.))、インスリングラルギン(ランタス(登録商標)、サノフィ・アベンティス社)、および/または本発明の単鎖インスリンを含む。コントロールは、グリセリン16mg、メタ−クレゾール1.6mg、フェノール0.65mg、およびpH7.4リン酸ナトリウム3.8mgからなる無タンパク質性リリー希釈剤(イーライリリー・アンド・カンパニー社より入手)を注射することにより得た。SCI−59Bの活性は、図4に示すように、ヒューマログ(登録商標)(有効期限内の市販バイアルから採取したU−100強度)およびランタス(登録商標)(有効期限内の市販バイアルから採取したU−100強度)の活性と比較して評価した。SCI−59Bは、pHを3.5に調整した(pH4.0ではなく)こと以外は、ランタス(登録商標)のインスリングラルギンの処方にしたがって処方した。これらの製剤のそれぞれ1ユニットを皮下注射し、その結果生じた血糖濃度の変化を臨床血糖値測定器(Hypoguard Advance Micro−Drawメータ)を用いた連続測定によりモニターした。ラットは、5匹(N=5)まとめて時間t=0に皮下注射した。血液は、時間0から360分まで10分毎に、切断した尾の先端から採取した。本発明のSCI−59Bは、ランタス(登録商標)と同様の処方条件下で、インスリングラルギンの生物学的活性の相当な割合を保ち、ランタス(登録商標)と同等またはそれを超える作用時間を有することが分かった。
ArgA8、GlyA21、ArgB29の置換を有し、リンカーEEGSRRSR(配列ID番号7)を有する59残基のSCIを合成した。このSCIは、サーマリンベーサルと称するか、または図5においてT−bという略称で示す(前述の「SCI−59B」)。熱力学的安定性を、グアニジン変性のCDモニターにより25℃、pH4.0で評価した。アンフォールディングの自由エネルギー値(ΔGu)である3.5(±0.1)kcal/モルは、2状態モデルを用いて得られた。これは、これらの条件下でのインスリングラルギンの安定性(2.7(±0.1)kcal/モル)よりも高い。この自由エネルギーの上昇(ΔΔGu 0.7(±0.2)kcal/モル)により、化学安定性の顕著な向上が予想される。
フィブリル化に対する耐性を、37℃および45℃、pH4.0でU−100製剤を穏やかに撹拌することにより、インスリングラルギンと比較して評価した。ランタスは、37℃で10日後、45℃で5日後に沈殿したのに対し、サーマリンベーサル溶液は、透明なままであり、チオフラビンT(アミロイドのプローブ)の蛍光の上昇もなかった。
有効性を、ストレプトゾトシンにより糖尿病に罹患したスプラーグドーリーラット(約300g)において試験した(図5Aおよび図5B)。U−100(0.6mM)のサーマリンベーサルまたはランタス(登録商標)を皮下注射した(1ユニット/ラット、サーマリンベーサル群(▲)はN=5、ランタス(登録商標)群(◆)はN=10)後、その結果生じた血糖濃度(AUC)の低下および回復により、サーマリンベーサルの有効性は、ランタス(登録商標)と同等またはそれ以上であることが示された。サーマリンベーサルの作用時間もまた、ランタス(登録商標)を上回った。37℃および45℃で穏やかに撹拌した場合のサーマリンベーサルまたはランタス(登録商標)の有効性の保持または消失は、ランタス(登録商標)(■)では急速にその有効性が消失したのに対し、サーマリンベーサル(●)では、このような厳しい条件下で数週間、完全な活性を維持したことを示している。
真性糖尿病患者の治療方法は、本明細書に記載した単鎖インスリン類似体の投与を含む。本発明の別の態様として、単鎖インスリン類似体を、酵母(ピキア・パストリス)で調製してもよく、または、天然フラグメントのライゲーションによる完全な化学合成により調製してもよい。非標準的修飾の場合には、製剤の合成の方が好ましいが、遺伝子コード技術または4塩基コドン技術の拡大により非標準的修飾を含む単鎖類似体のサブセットを製造することができる可能性がある。本発明のさらに別の態様において、非標準的アミノ酸置換の使用により、化学的分解または物理的分解に対する単鎖インスリン類似体の耐性を向上させることができる。さらに我々は、本発明の類似体により真性糖尿病またはメタボリック症候群の治療方法を提供することを想定している。インスリン類似体の輸送経路は、注射器またはペン型装置の使用を通じた皮下注射による。
医薬組成物は、係るインスリン類似体を含んでいてもよく、選択的に亜鉛を含んでもよい。亜鉛イオンは、インスリン類似体六量体当たり2.2〜10亜鉛原子の範囲の様々な亜鉛イオン:タンパク質の比で含まれる。製剤のpHは、3.0〜4.5の範囲である。そのような製剤において、インスリン類似体の濃度は、通常、約0.6〜5.0mMであり、バイアルまたはペンにおいて5mMまでの濃度を使用することができ、顕著なインスリン耐性を有する患者では、より高濃度の製剤(U−200以上)が特に有用である。賦形剤としては、グリセロール、グリシン、アルギニン、トリス、その他の緩衝剤および塩、並びにフェノールおよびメタ−クレゾールなどの抗菌性保存剤を挙げることができ、後者の保存剤は、インスリン六量体の安定性を向上することが知られている。そのような医薬組成物は、生理学的有効量の当該組成物を患者に投与することにより、真性糖尿病または他の病状を有する患者を治療するために使用することができる。
前述の開示に基づいて、提供した単鎖インスリン類似体が上述の目的を達成することはすでに明らかなはずである。即ち、これらのインスリン類似体は、所望の薬物動態学的および薬力学的特徴(持続作用を付与する)を保持し、野生型インスリンの生物学的活性の少なくとも一部を維持しつつ、フィブリル化への耐性の向上を示す。したがって、如何なる明白な変形形態も特許請求に係る発明の範囲内に含まれ、また、それ故に特定の構成要素の選択は、本明細書に開示、記載された本発明の精神から逸脱することなく決定できることを理解すべきである。
以下の文献は、本明細書に記載の試験およびアッセイの方法が当業者に理解されることを実証するために引用する。
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Claims (8)

  1. 配列ID番号の配列を含む単鎖インスリン類似体であって、29位のXaaはArgであり、59位のXaaはGlyであり、46位のXaaはArgまたはHisである、単鎖インスリン類似体
  2. 46位のXaaはArgである、請求項記載の単鎖インスリン類似体。
  3. 46位のXaaはHisである、請求項記載の単鎖インスリン類似体。
  4. 配列ID番号の単鎖インスリン類似体をコードする核酸であって、29位のXaaはArgであり、59位のXaaはGlyであり、46位のXaaはArgまたはHisである、核酸
  5. 前記核酸は配列ID番号11を含む、請求項記載の核酸
  6. 患者の血糖値を低下させる薬剤を製造するための、配列ID番号の配列を含む単鎖インスリン類似体の使用であって、29位のXaaはArgであり、59位のXaaはGlyであり、46位のXaaはArgまたはHisである、使用
  7. 配列ID番号7の46位のXaaはArgである、請求項記載の使用。
  8. 配列ID番号7の46位のXaaはHisである、請求項記載の使用。
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