JP6584695B2 - 制御装置、空調システム、空調制御方法及びプログラム - Google Patents

制御装置、空調システム、空調制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、浴室の空気温度を調整する技術に関する。
急激な温度変化によって、血圧が急激に上昇、下降したり、脈拍が早くなったりする現象(いわゆる、ヒートショック)が知られている。ヒートショックは、温度変化の大きい冬場の浴室で発生する危険性が高い。
例えば、特許文献1には、このような浴室におけるヒートショックの発生を回避することを目的とした浴室暖房装置が提案されている。この浴室暖房装置では、浴室リモコンが備える温度センサの検出温度(即ち、浴室の空気温度)と浴湯の温度との温度差が許容温度差よりも大きいときに、浴室暖房機を動作させて浴室の暖房を行う。
特開2014−214982号公報
上記のように異なる対象で検出された温度の差、あるいは、異なる場所で検出された空気温度の差のみを根拠として浴室の暖房を行う場合、長時間、ユーザが未入浴状態であっても、浴室暖房機により浴室の暖房が行われてしまうという懸念がある。そうすると、無用に電力が消費されるため、省エネルギーの観点からは好ましくない。
なお、特許文献1には、浴室の暖房を開始する前に、暖房を実行するか否かについてユーザに照会し、ユーザが許可した場合に暖房を開始する構成も開示されている。しかしながら、かかる構成では、ユーザは、暖房を開始させるために、毎回、確認の操作をする必要があるため、利便的ではない。さらに、操作をし忘れた場合では、暖房が行われないため、ヒートショックの発生の回避が十分に図れないという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、消費電力の増加を抑制しつつ、浴室の空気温度を適切に調整することができる制御装置等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る制御装置は、
住宅における浴室の空気温度と前記浴室とは異なる特定箇所の空気温度を取得する温度取得手段と、
給湯器の操作に関する操作情報を取得する操作情報取得手段と、
前記住宅における前記浴室とは異なる箇所の空気を前記浴室へ送る送風機と、前記浴室の暖房を行う暖房機とを制御する空調制御手段と、を備え、
前記空調制御手段は、前記浴室の空気温度と前記特定箇所の空気温度との温度差に基づいて決定したヒ−トショックの注意レベルと、現時刻から前記操作情報に基づいて決定した入浴予定時刻までの時間とが、第1条件を満たす場合、前記送風機を稼働させ、前記第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、前記暖房機を稼働させる。
本発明によれば、消費電力の増加を抑制しつつ、浴室の空気温度を適切に調整することが可能となる。
本発明の実施の形態1に係る空調システムの構成を示す図 実施の形態1〜3に係る制御装置のハードウェア構成を示すブロック図 実施の形態1及び2に係る制御装置が備える二次記憶装置について説明するための図 実施の形態1〜3における操作情報テーブルについて説明するための図 実施の形態1〜3における操作情報テーブルについて説明するための図 実施の形態1〜3における温度情報テーブルについて説明するための図 実施の形態1〜3における時刻パターンテーブルについて説明するための図 実施の形態1及び2における注意レベルテーブルについて説明するための図 実施の形態1及び2に係る制御装置の機能構成を示すブロック図 実施の形態1及び3における空調制御処理の手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態2に係る空調システムの構成を示す図 実施の形態2における送風機について説明するための図 実施の形態2における空調制御処理の手順を示すフローチャート 本発明の実施の形態3に係る空調システムの構成を示す図 実施の形態3に係る測定装置のハードウェア構成を示すブロック図 実施の形態3に係る制御装置が備える二次記憶装置について説明するための図 実施の形態3における生体情報テーブルについて説明するための図 実施の形態3における注意レベルテーブルについて説明するための図 実施の形態3に係る制御装置の機能構成を示すブロック図 本発明の他の実施の形態に係る空調システムの構成を示す図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1に示す本発明の実施の形態1に係る空調システム1は、家屋Hにおける浴室の空調を行うシステムであり、制御装置2と、操作端末3と、電気給湯器4と、浴室暖房機5と、空調機6を備える。
制御装置2は、家屋H内の適切な場所に設置され、家屋H内に構築された無線ネットワーク(図示せず)を介して、電気給湯器4、浴室暖房機5及び空調機6と通信可能に接続する。制御装置2は、電気給湯器4、浴室暖房機5及び空調機6から得られる情報に基づいて、浴室暖房機5を制御する。制御装置2は、本実施の形態では、一般家庭で使用される電力の管理を行う、いわゆる、HEMS(Home Energy Management System)を構成するエネルギー管理コントローラである。制御装置2の詳細については後述する。
操作端末3は、押しボタン、タッチパネル、タッチパッド等の入力デバイスと、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等の表示デバイスと、通信インタフェースを備えた、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末、壁掛け式のリモコン等のスマートデバイスである。操作端末3は、制御装置2と、Wi−Fi(登録商標)、Wi−SUN(登録商標)、有線LAN等の周知の通信規格に則った通信を行う。操作端末3は、ユーザからの操作を受け付け、受け付けた操作内容を示す情報を制御装置2に送信する。また、操作端末3は、制御装置2から送信された、ユーザに提示するための情報を受信し、受信した情報を表示する。このように、操作端末3は、ユーザとのインタフェース(いわゆる、ユーザインタフェース)としての役割を担う。
電気給湯器4は、何れも図示しないが、給湯リモコンと、電気ヒータと、タンクを備え、タンク内の水を電気ヒータにより加熱することで予め設定された温度の湯を沸かす、いわゆる電気温水器である。電気給湯器4により沸かされた湯は、浴槽に供給されたり、浴室に配設されたシャワー及び蛇口などに供給される。ユーザは、浴室あるいは台所に設置される給湯リモコンを操作して、湯はりの開始、湯はりの予約、追焚き等の指令を入力することができる。
また、給湯リモコンは、無線通信インタフェースを備え、上記の無線ネットワークを介して、制御装置2と通信可能に接続する。この無線ネットワークは、例えば、エコーネットライト(ECHONET Lite)に準じたネットワークである。給湯リモコンは、ユーザにより新たな指令が入力されると、その旨を制御装置2に通知する。具体的には、給湯リモコンは、ユーザにより入力された指令の内容、即ち、電気給湯器4に対するユーザの操作を示す情報(以降、操作情報と称する。)を制御装置2に送信する。
浴室暖房機5は、本発明の空調手段に対応する。浴室暖房機5は、浴室の天井に埋め込まれたり、浴室の壁に掛けられる等の態様で設置され、浴室の暖房を行う。浴室暖房機5は、浴室の空気温度を計測する温度センサ50と、何れも図示しないが、暖房リモコンと、電気ヒータと、ファンを備える。浴室暖房機5は、浴室の空気を吸い込み、吸い込んだ空気を電気ヒータにより加熱して浴室に送出することで、浴室の空気温度を予め設定された温度まで昇温する。
ユーザは、浴室入口に設置される暖房リモコンを操作して、暖房の開始又は停止の指令を入力したり、設定温度(即ち、目標温度)及び風力等を指定することができる。また、暖房リモコンは、無線通信インタフェースを備え、上述した無線ネットワークを介して、制御装置2と通信可能に接続する。これにより、浴室暖房機5に対して、制御装置2から、暖房の開始又は停止の指令を与えたり、設定温度(即ち、目標温度)及び風力等を指定することができる。
また、暖房リモコンは、制御装置2からの要求に応答して、浴室暖房機5の現在の動作状態を示す情報(以降、暖房機情報と称する。)を制御装置2に送信する。暖房機情報には、浴室暖房機5のID(identification)と、暖房中か否かを示すデータと、指定された設定温度を示すデータと、指定された風力を示すデータが含まれる。また、暖房リモコンは、制御装置2からの要求に応答して、浴室暖房機5のIDと、温度センサ50により計測された浴室の空気温度を示すデータが含まれる情報(以降、第1温度情報)を制御装置2に送信する。
なお、暖房リモコンは、自発的に一定時間間隔(例えば、1分間隔)で、暖房機情報を制御装置2に送信してもよいし、第1温度情報を制御装置2に送信してもよい。
また、浴室暖房機5の本体に無線通信インタフェースを備える構成にして、浴室暖房機5の本体と制御装置2とが通信するようにしてもよい。
空調機6は、図示しない室外機と、室内機と、空調リモコンを備え、室内機が設置された部屋の冷房、暖房、除湿等の空調を行う一般的な空調機である。本実施の形態では、空調機6の室内機は、家屋Hにおけるリビングの壁に掛けられる態様で設置されている。
ユーザは、空調リモコンを操作して、上記の空調の開始又は停止の指令を入力したり、設定温度(即ち、目標温度)及び風力等を指定することができる。また、空調機6は、無線通信インタフェースを備え、上述した無線ネットワークを介して、制御装置2と通信可能に接続する。この無線通信インタフェースは、室内機、室外機、空調リモコンの何れかに設けられる。なお、空調機6は、外付けの通信アダプタ(図示せず)を介して、この無線ネットワークに接続されてもよい。この場合、通信アダプタは、空調機6の室内機と標準化されたシリアル通信規格に則ったインタフェースにて電気的に接続される。
制御装置2は、通信により、空調機6に対して、冷房、暖房又は除湿の開始又は停止の指令を与えたり、設定温度及び風力等を指定することができる。また、空調機6は、制御装置2からの要求に応答して、空調機6の現在の動作状態を示す情報(以降、空調機情報と称する。)を制御装置2に送信する。空調機情報には、空調機6のIDと、冷房中、暖房中、除湿中、停止中の何れかを示すデータと、指定された設定温度を示すデータと、指定された風力を示すデータが含まれる。
また、空調機6は、制御装置2からの要求に応答して、空調機6のIDと、空調機6が備える温度センサ60により計測された空気温度を示すデータが含まれる情報(以降、第2温度情報)を制御装置2に送信する。温度センサ60は、空調機6の室内機に設けられ、当該室内機が設置された部屋、即ち、リビングの空気温度を計測する。
なお、空調機6は、自発的に一定時間間隔(例えば、1分間隔)で、空調機情報を制御装置2に送信してもよいし、第2温度情報を制御装置2に送信してもよい。
制御装置2は、図2に示すように、プロセッサ20と、通信インタフェース21と、ROM(Read Only Memory)22と、RAM(Random Access Memory)23と、二次記憶装置24を備える。これらの構成部は、バス25を介して相互に接続される。プロセッサ20は、この制御装置2を統括的に制御する。プロセッサ20によって実現される制御装置2の機能の詳細については後述する。
通信インタフェース21は、上述した無線ネットワークを介して電気給湯器4、浴室暖房機5、空調機6と無線通信するためのネットワークカードと、操作端末3と無線通信又は有線通信するためのネットワークカードを含んで構成される。
ROM22は、複数のファームウェア及びこれらのファームウェアの実行時に使用されるデータ等を記憶する。RAM23は、プロセッサ20の作業領域として使用される。
二次記憶装置24は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)等から構成される。二次記憶装置24は、図3に示すように、ヒートショック防止プログラム240と、操作情報テーブル241と、温度情報テーブル242と、時刻パターンテーブル243と、注意レベルテーブル244を記憶する。
なお、この他にも、二次記憶装置24は、この家庭で消費される電力を管理するためのプログラムと、該プログラムの実行時に使用されるデータを記憶する。
ヒートショック防止プログラム240は、プロセッサ20によって実行されるコンピュータプログラムである。ヒートショック防止プログラム240には、家屋Hの居住者であるユーザのヒートショックを防止するための処理が記述されている。
操作情報テーブル241は、電気給湯器4に対するユーザの操作と、当該操作の時刻が格納されたデータテーブルである。プロセッサ20は、給湯リモコンからの前述した操作情報を受信すると、受信した時刻と、当該操作情報で示されるユーザの操作を操作情報テーブル241に格納する。なお、プロセッサ20は、制御装置2が備える図示しない時計機能部から現在の時刻を取得する。
なお、給湯リモコンからの操作情報に、ユーザが操作した時刻が含まれている場合には、プロセッサ20は、受信した操作情報から抽出した時刻を操作情報テーブル241に格納してもよい。
図4に、操作情報テーブル241の一例を示す。図4の例では、ユーザにより、19時30分に「湯はり開始」の操作が行われたことが示されている。ここで「湯はり」とは、ユーザが入浴できるように浴槽に湯をためることをいう。電気給湯器4に対するユーザの操作には、この他、「湯はり予約」と「追焚き」がある。「湯はり予約」とは、指定した時刻(以降、予約時刻と称する。)に入浴できるように電気給湯器4に自動で湯はりを行わせる操作をいう。ユーザの操作が「湯はり予約」の場合、給湯リモコンから送信される操作情報には、予約時刻も含まれている。この場合、プロセッサ20は、操作情報テーブル241に、図5に示すように、予約時刻も格納する。また、「追焚き」とは、浴槽内の冷めた湯を再び設定温度まで沸かすことをいう。
温度情報テーブル242は、浴室暖房機5の温度センサ50により計測された最新の空気温度と、空調機6の温度センサ60により計測された最新の空気温度を保存するためのデータテーブルである。図6に、温度情報テーブル242の一例を示す。
プロセッサ20は、定期的に同一のタイミングで、浴室暖房機5及び空調機6に対して、計測した温度の送信をそれぞれ要求する。これらの要求に応答して、浴室暖房機5及び空調機6から第1温度情報及び第2温度情報を受信すると、プロセッサ20は、第1温度情報から浴室の空気温度を取得し、第2温度情報からリビングの空気温度を取得する。そして、プロセッサ20は、第1温度情報及び第2温度情報を受信した時刻と、それぞれ取得した浴室及びリビングの空気温度を温度情報テーブル242に格納する。即ち、温度情報テーブル242の内容は、定期的に更新されることになる。
本実施の形態では、プロセッサ20は、1分間隔且つ同一のタイミングで浴室暖房機5及び空調機6に対して、計測した温度の送信をそれぞれ要求する。浴室暖房機5からの第1温度情報を受信する時刻と、空調機6からの第2温度情報を受信する時刻の誤差は、理論上1秒未満となるため、受信時刻を1分単位で管理する場合には、無視できる範囲である。
なお、第1温度情報及び第2温度情報のそれぞれにおいて、空気温度を計測した時刻が含まれている場合には、プロセッサ20は、受信した第1温度情報又は第2温度情報から抽出した時刻を温度情報テーブル242に格納してもよい。
時刻パターンテーブル243は、電気給湯器4に対するユーザの操作と、入浴予定時刻との関係が定義されたパターン(以降、時刻パターンと称する。)が複数登録されたデータテーブルである。入浴予定時刻とは、ユーザが入浴を開始することが予定される、換言すると、入浴の開始が推定される時刻である。本実施の形態では、図7に示すように、時刻パターンテーブル243には、3つの時刻パターンが登録されている。
図7において、No.1の時刻パターンでは、ユーザによる「湯はり開始」の操作が行われた場合の入浴予定時刻が、当該操作時刻から20分後であることが示されている。また、No.2の時刻パターンでは、ユーザによる「湯はり予約」の操作が行われた場合の入浴予定時刻が、予約時刻であることが示されている。
また、No.3の時刻パターンでは、ユーザによる「追焚き」の操作が行われた場合の入浴予定時刻が、当該操作時刻から10分後であることが示されている。
時刻パターンテーブル243への時刻パターンの登録は、制御装置2の設置時に工事担当者によって行われる。なお、ユーザにより、操作端末3を介して、時刻パターンテーブル243の内容を適宜更新できるようにしてもよい。
注意レベルテーブル244は、ヒートショックの要因となる条件毎に、ヒートショックに対する注意度合を示すレベル(以降、注意レベルと称する。)が設定されたデータテーブルである。注意レベルテーブル244において、注意レベルが高くなる程、ヒートショックの危険性が高くなることが示される。本実施の形態では、図8に示すように、注意レベルテーブル244には、1〜3までの3段階の注意レベルが設定されている。
図8において、リビングと浴室の空気温度の差(リビングの空気温度−浴室の空気温度)が10℃以上の場合に、注意レベルが“3”となり最も高いことが示されている。そして、リビングと浴室の空気温度の差が5〜10℃の場合に、注意レベルが“2”となり、リビングと浴室の空気温度の差が5℃以下の場合に、注意レベルが“1”となり最も低いことが示されている。
続いて、制御装置2の機能構成について説明する。制御装置2は、機能的には、図9に示すように、温度取得部200と、操作情報取得部201と、空調制御部202を備える。これらの機能部は、プロセッサ20が二次記憶装置24に記憶されているヒートショック防止プログラム240を実行することで実現される。
温度取得部200は、本発明の温度取得手段に対応する。温度取得部200は、定期的に浴室暖房機5及び空調機6のそれぞれによって計測された空気温度を取得する。具体的には、温度取得部200は、1分間隔且つ同一のタイミングで浴室暖房機5及び空調機6に対して、計測した温度の送信をそれぞれ要求する。これらの要求に応答して、浴室暖房機5及び空調機6から第1温度情報及び第2温度情報を受信すると、温度取得部200は、第1温度情報から浴室の空気温度を取得し、第2温度情報からリビングの空気温度を取得する。そして、温度取得部200は、第1温度情報及び第2温度情報を受信した時刻と、それぞれ取得した浴室及びリビングの空気温度を温度情報テーブル242に格納する。
操作情報取得部201は、本発明の操作情報取得手段に対応する。操作情報取得部201は、ユーザの操作が行われた際に電気給湯器4の給湯リモコンから送られてくる前述した操作情報を受信すると、当該操作情報で示されるユーザの操作を取得し、受信した時刻と対応付けて操作情報テーブル241に格納する。なお、操作情報取得部201は、定期的(例えば、30秒毎)に電気給湯器4の給湯リモコンに対して、ユーザから新たな操作を受け付けたか否かの問合せを行ってもよい。この場合、電気給湯器4の給湯リモコンは、ユーザから新たな操作を受け付けた後、最初の上記の問合せを受信すると、当該新たな操作に係る操作情報を制御装置2に送信すればよい。
空調制御部202は、本発明の空調制御手段に対応する。空調制御部202は、現在のヒ−トショックの注意レベルと、現時刻から入浴予定時刻までの時間が、予め定めた条件を満たす場合、浴室暖房機5を稼働させて、浴室の空気温度を上昇させる。以下、空調制御部202の機能の詳細について説明する。
空調制御部202は、注意レベル決定部2020と、入浴予定時刻決定部2021と、空調要否判別部2022と、制御コマンド送信部2023を有する。
注意レベル決定部2020は、温度情報テーブル242に格納されている浴室及びリビングの最新の空気温度と、注意レベルテーブル244に基づいて、現在の注意レベルを決定する。具体的には、先ず、注意レベル決定部2020は、リビングの空気温度から浴室の空気温度を差し引くことで、リビングと浴室の空気温度の差を算出する。そして、注意レベル決定部2020は、注意レベルテーブル244を参照して、算出した空気温度の差に対応する数値を現在の注意レベルとして決定する。
入浴予定時刻決定部2021は、操作情報テーブル241と、時刻パターンテーブル243に基づいて、ユーザが入浴を開始することが予定される入浴予定時刻を決定する。先ず、入浴予定時刻決定部2021は、操作情報テーブル241からユーザの操作と、操作時刻を取得する。そして、入浴予定時刻決定部2021は、取得したユーザの操作に対応する時刻パターンを時刻パターンテーブル243から選択する。
具体的には、入浴予定時刻決定部2021は、ユーザの操作が「湯はり開始」の場合、時刻パターンテーブル243から、No.1の時刻パターンを選択し、ユーザの操作が「湯はり予約」の場合、時刻パターンテーブル243から、No.2の時刻パターンを選択し、ユーザの操作が「追焚き」の場合、時刻パターンテーブル243から、No.3の時刻パターンを選択する。
ユーザの操作が「湯はり開始」又は「追焚き」の場合、入浴予定時刻決定部2021は、選択した時刻パターンと、操作時刻から入浴予定時刻を決定する。例えば、ユーザの操作が「湯はり開始」であり、操作時刻が19時30分の場合、入浴予定時刻は、19時50分となる。また、ユーザの操作が「追焚き」であり、操作時刻が19時30分の場合、入浴予定時刻は、19時40分となる。
ユーザの操作が「湯はり予約」の場合では、選択される時刻パターンには、図7に示すように、入浴予定時刻は予約時間であることが定義されている。このため、入浴予定時刻決定部2021は、操作情報テーブル241から取得したユーザの操作に含まれる予約時間(例えば、20時)を入浴予定時刻として決定する。
空調要否判別部2022は、注意レベル決定部2020により決定された注意レベルと、入浴予定時刻決定部2021により決定された入浴予定時刻と、現時刻に基づいて、浴室の空調の要否を判別する。
より詳細には、空調要否判別部2022は、注意レベルと、現時刻から入浴予定時刻までの時間が以下の(1)〜(3)の何れかの条件を満たす場合に浴室の空調が必要であると判別する。
(1)注意レベルが“3”であり、且つ、現時刻から入浴予定時刻までの時間が15分未満である。
(2)注意レベルが“2”であり、且つ、現時刻から入浴予定時刻までの時間が10分未満である。
(3)注意レベルが“1”であり、且つ、現時刻から入浴予定時刻までの時間が5分未満である。
制御コマンド送信部2023は、空調要否判別部2022により浴室の空調が必要であると判別されると、浴室暖房機5を稼働させる、即ち、浴室暖房機5に暖房の開始を指示する。具体的には、制御コマンド送信部2023は、暖房開始を指示する制御コマンドを浴室暖房機5の暖房リモコンに送信する。これにより、浴室暖房機5は浴室の暖房を開始する。
図10は、制御装置2の空調制御部202によって実行される空調制御処理の手順を示すフローチャートである。この空調制御処理は、事前にユーザによってヒートショック防止プログラム240の起動がオンに設定されている場合に、予め定めた時間間隔(本実施の形態では、1分)で実行される。
ステップS101では、注意レベル決定部2020が、上述のようにして現在の注意レベルを決定する。
ステップS102では、入浴予定時刻決定部2021が、上述のようにして入浴予定時刻を決定する。
ステップS103では、空調要否判別部2022が、現時刻から入浴予定時刻まで15分未満であるか否かを判別する。その結果、現時刻から入浴予定時刻まで15分未満でない場合(ステップS103;NO)、空調制御部202は、本周期での空調制御処理を終了する。
一方、現時刻から入浴予定時刻まで15分未満である場合(ステップS103;YES)、空調要否判別部2022は、注意レベルの値を判別する(ステップS104)。注意レベルが“3”、即ち、ヒートショックの危険性が“高”の場合、空調要否判別部2022は、浴室の空調の必要があると判別する。制御コマンド送信部2023は、空調要否判別部2022により浴室の空調が必要であると判別されると、浴室暖房機5に暖房開始を指示する(ステップS105)。より詳細には、制御コマンド送信部2023は、暖房開始を指示する制御コマンドを浴室暖房機5の暖房リモコンに送信する。これにより、浴室暖房機5によって浴室の暖房が開始される。
注意レベルが“2”、即ち、ヒートショックの危険性が“中”の場合、空調要否判別部2022は、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満であるか否かを判別する(ステップS106)。その結果、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満でない場合(ステップS106;NO)、空調制御部202は、本周期での空調制御処理を終了する。
一方、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満である場合(ステップS106;YES)、空調要否判別部2022は、浴室の空調の必要があると判別する。これにより、制御コマンド送信部2023は、浴室暖房機5に暖房開始を指示する(ステップS105)。
注意レベルが“1”、即ち、ヒートショックの危険性が“低”の場合、空調要否判別部2022は、現時刻から入浴予定時刻まで5分未満であるか否かを判別する(ステップS107)。その結果、現時刻から入浴予定時刻まで5分未満でない場合(ステップS107;NO)、空調制御部202は、本周期での空調制御処理を終了する。
一方、現時刻から入浴予定時刻まで5分未満である場合(ステップS107;YES)、空調要否判別部2022は、浴室の空調の必要があると判別する。これにより、制御コマンド送信部2023は、浴室暖房機5に暖房開始を指示する(ステップS105)。
なお、ステップS105において、さらに、制御コマンド送信部2023は、浴室暖房機5が稼働中か否かを判別し、稼働中でない(換言すると、暖房中でない)場合に限り、浴室暖房機5に暖房開始を指示する制御コマンドを送信するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係る空調システム1では、制御装置2は、電気給湯器4に対するユーザの操作に基づいてユーザの入浴予定時刻を決定し、浴室及びリビングの空気温度の差に基づいてヒートショックに対する注意レベルを決定する。そして、制御装置2は、決定した注意レベルと、現時刻から決定した入浴予定時刻までの時間に基づいて浴室の空調の要否を判別し、空調の必要があると判別した場合に浴室暖房機5を稼働させる。
このため、無用に浴室暖房機5を稼働させることがなく、消費電力の増加を抑制することができる。また、浴室及びリビングの空気温度の差に基づいて決定したヒートショックに対する注意レベルも勘案して浴室の空調の要否を判別するため、ユーザが入浴するまでに浴室の空気温度を適切に調整することができ、ヒートショックの発生を効果的に抑制することができる。
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について説明する。なお、以下の説明において、実施の形態1と共通する構成要素等については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図11に、実施の形態2の空調システム1Aの構成を示す。空調システム1Aには、実施の形態の空調システム1の構成に、さらに、送風機7が追加されている。
送風機7は、例えば、DCファンモータ等によって駆動される遠心ファン又は多翼ファン等である。送風機7は、電気給湯器4、浴室暖房機5、空調機6と同様に、前述した無線ネットワークを介して、制御装置2と通信可能に接続する。送風機7の駆動の開始及び停止は、制御装置2からの指令に基づいて切り替えられる。
送風機7は、図12に示すように、家屋Hの天井裏に配設されたダクト8に設けられている。ダクト8の一端は、リビングの天上面に設けられた吸込口に連結されており、他端は、浴室の天上面に設けられた吹出口に連結されている。送風機7が駆動、即ち、回転を開始すると、リビングの空気が吸込口から吸い込まれ、ダクト8内を搬送され、吹出口から吹き出され、浴室内へ流入する。
リビングの空気は、空調機6により適温に暖められているため、リビングの空気を浴室へ搬送することで、浴室の空気温度を上昇させることができる。つまり、本実施の形態では、浴室暖房機5と送風機7が、本発明の空調手段に対応する。
本実施の形態において、制御装置2のハードウェア構成及び機能構成は、実施の形態1の制御装置2と同様である(図2、図9参照)。また、本実施の形態において、制御装置2が備える二次記憶装置24には、実施の形態1と同様に、ヒートショック防止プログラム240と、操作情報テーブル241と、温度情報テーブル242と、時刻パターンテーブル243と、注意レベルテーブル244が記憶される(図3参照)。
ただし、本実施の形態の空調制御部202による処理の一部が、実施の形態1における空調制御部202と異なる。本実施の形態における空調制御部202の空調要否判別部2022は、注意レベル決定部2020により決定された注意レベルと、入浴予定時刻決定部2021により決定された入浴予定時刻と、現時刻とに基づいて、浴室暖房機5による空調の要否と、送風機7による空調の要否を判別する。
本実施の形態の空調要否判別部2022は、実施の形態1と同様、注意レベルと、現時刻から入浴予定時刻までの時間とが以下の(1)〜(3)の何れかの条件を満たす場合に、浴室暖房機5による浴室の空調が必要であると判別する。
(1)注意レベルが“3”であり、且つ、現時刻から入浴予定時刻までの時間が15分未満である。
(2)注意レベルが“2”であり、且つ、現時刻から入浴予定時刻までの時間が10分未満である。
(3)注意レベルが“1”であり、且つ、現時刻から入浴予定時刻までの時間が5分未満である。
また、本実施の形態の空調要否判別部2022は、注意レベルと、現時刻から入浴予定時刻までの時間とが以下の(1)、(2)の何れかの条件を満たす場合に、送風機7による浴室の空調が必要であると判別する。
(1)注意レベルが“2”であり、且つ、現時刻から入浴予定時刻までの時間が10分以上である。
(2)注意レベルが“1”であり、且つ、現時刻から入浴予定時刻までの時間が5分以上10分未満である。
本実施の形態の制御コマンド送信部2023は、空調要否判別部2022により、浴室暖房機5による浴室の空調が必要であると判別されると、浴室暖房機5に暖房の開始を指示する。また、制御コマンド送信部2023は、空調要否判別部2022により、送風機7による浴室の空調が必要であると判別されると、送風機7を稼働させる、即ち、送風機7に送風の開始を指示する。具体的には、制御コマンド送信部2023は、送風開始を指示する制御コマンドを送風機7に送信する。これにより、送風機7は、稼働、即ち、回転を開始し、リビングの空気が浴室へ送風される。
図13は、本実施の形態に係る制御装置2の空調制御部202によって実行される空調制御処理の手順を示すフローチャートである。この空調制御処理は、実施の形態1と同様、事前にユーザによってヒートショック防止プログラム240の起動がオンに設定されている場合に、予め定めた時間間隔(本実施の形態では、1分)で実行される。
ステップS201では、注意レベル決定部2020が現在の注意レベルを決定し、ステップS202では、入浴予定時刻決定部2021が入浴予定時刻を決定する。
ステップS203では、空調要否判別部2022が、現時刻から入浴予定時刻まで15分未満であるか否かを判別する。その結果、現時刻から入浴予定時刻まで15分未満でない場合(ステップS203;NO)、空調制御部202は、本周期での空調制御処理を終了する。
一方、現時刻から入浴予定時刻まで15分未満である場合(ステップS203;YES)、空調要否判別部2022は、注意レベルの値を判別する(ステップS204)。注意レベルが“3”、即ち、ヒートショックの危険性が“高”の場合、空調要否判別部2022は、浴室暖房機5による浴室の空調の必要があると判別する。この場合、制御コマンド送信部2023は、浴室暖房機5に暖房開始を指示する(ステップS205)。これにより、浴室暖房機5によって浴室の暖房が開始される。
注意レベルが“2”、即ち、ヒートショックの危険性が“中”の場合、空調要否判別部2022は、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満であるか否かを判別する(ステップS206)。その結果、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満でない場合(ステップS206;NO)、空調要否判別部202は、送風機7による浴室の空調の必要があると判別する。この場合、制御コマンド送信部2023は、送風機7に送風開始を指示する(ステップS207)。より詳細には、制御コマンド送信部2023は、送風開始を指示する制御コマンドを送風機7に送信する。これにより、送風機7が駆動、即ち、回転を開始し、リビングの空気が浴室へ送風される。
一方、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満である場合(ステップS206;YES)、空調要否判別部2022は、浴室暖房機5による浴室の空調の必要があると判別し、制御コマンド送信部2023は、浴室暖房機5に暖房開始を指示する(ステップS205)。
注意レベルが“1”、即ち、ヒートショックの危険性が“低”の場合、空調要否判別部2022は、現時刻から入浴予定時刻まで5分未満であるか否かを判別する(ステップS208)。その結果、現時刻から入浴予定時刻まで5分未満である場合(ステップS208;YES)、空調要否判別部2022は、浴室暖房機5による浴室の空調の必要があると判別し、制御コマンド送信部2023は、浴室暖房機5に暖房開始を指示する(ステップS205)。
現時刻から入浴予定時刻まで5分未満でない、即ち、現時刻から入浴予定時刻まで5分以上である場合(ステップS208;NO)、空調要否判別部2022は、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満であるか否かを判別する(ステップS209)。その結果、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満である場合(ステップS209;YES)、空調要否判別部202は、送風機7による浴室の空調の必要があると判別する。この場合、制御コマンド送信部2023は、送風機7に送風開始を指示する(ステップS207)。
一方、現時刻から入浴予定時刻まで10分未満でない、即ち、現時刻から入浴予定時刻まで10分以上である場合(ステップS209;NO)、空調制御部202は、本周期での空調制御処理を終了する。
以上説明したように、本発明の実施の形態2に係る空調システム1Aは、リビングの空気を浴室に送風する構成を備える。通常、入浴の時間帯において、リビングの空気は、空調機6により暖房されていることが想定される。このため、浴室暖房機5を稼働させずに、浴室の空気温度を調整することが可能となり、省エネルギー効果がさらに図れる。
(実施の形態3)
続いて、本発明の実施の形態3について説明する。なお、以下の説明において、実施の形態1と共通する構成要素等については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図14に、実施の形態3の空調システム1Bの構成を示す。空調システム1Bには、実施の形態の空調システム1の構成に、さらに、測定装置9が追加されている。測定装置9は、この家屋Hのユーザ(生活者)の生体情報を測定する人体装着型(例えば、リストバンド型)の装置である。ここで生体情報とは、例えば、血圧、心拍数、体表温等、いわゆるバイタルサインと称される情報である。
測定装置9は、図15に示すように、プロセッサ90と、通信インタフェース91と、生体情報センサ92と、ROM93と、RAM94と、二次記憶装置95を備える。これらの構成部は、バス96を介して相互に接続される。プロセッサ90は、この測定装置9を統括的に制御する。また、測定装置9は、各構成部に電力を供給する一次電池、二次電池等の電池97を備える。
通信インタフェース91は、家屋H内に構築された前述の無線ネットワークを介して、制御装置2と無線通信するためのICチップを含んで構成される。生体情報センサ92は、生活者の生体情報(例えば、血圧、心拍数及び体表温等)を測定する。
ROM93は、複数のファームウェア及びこれらのファームウェアの実行時に使用されるデータ等を記憶する。RAM94は、プロセッサ90の作業領域として使用される。
二次記憶装置95は、EEPROM、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリで構成される。二次記憶装置95は、図示しないが、生体情報の測定に関するプログラムと制御装置2と通信するためのプログラム及びこれらのプログラムの実行時に使用されるデータを記憶する。
プロセッサ90は、生体情報センサ92により測定された生体情報を一定時間間隔(例えば、1分間隔)で通信インタフェース91を介して制御装置2に無線送信する。
本実施の形態において、制御装置2のハードウェア構成は、実施の形態1の制御装置2と同様である(図2参照)。ただし、本実施の形態において、制御装置2が備える二次記憶装置24に記憶される内容は、実施の形態1の二次記憶装置24と相違する。
図16に示すように、本実施の形態の二次記憶装置24は、ヒートショック防止プログラム240と、操作情報テーブル241と、温度情報テーブル242と、生体情報テーブル245と、時刻パターンテーブル243と、注意レベルテーブル244Aを記憶する。
生体情報テーブル245は、測定装置9により測定されたユーザの生体情報の履歴を保存するためのデータテーブルである。生体情報テーブル245には、予め定めた時間分(例えば、10分間分)の生体情報の履歴がサイクリックに格納されている。図17に、生体情報テーブル245の一例を示す。なお、本実施の形態での心拍数は、1分間の拍動の数を示す。
注意レベルテーブル244Aには、実施の形態1の注意レベルテーブル244(図8参照)と同様、リビングと浴室の空気温度の差に応じて、1〜3までの3段階の注意レベルが設定されている。さらに、注意レベルテーブル244Aでは、図18に示すように、注意レベルはユーザの生体情報の変化量にも対応付けられている。
図18において、血圧の6分間あたりの変化量が、±90mmHg以上の場合は、注意レベルが“3”となり、±60〜90mmHgの場合は、注意レベルが“2”となり、±30〜60mmHgの場合は、注意レベルが“1”となることが示されている。
また、心拍数の1分間あたりの変化量(より詳細には、上昇量)が、30bpm以上の場合は、注意レベルが“2”となり、20〜30bpmの場合は、注意レベルが“1”となることが示されている。さらに、体表温の1分間あたりの変化量(より詳細には、下降量)が、10℃以上の場合は、注意レベルが“2”となり、5〜10℃の場合は、注意レベルが“1”となることが示されている。
次に、本実施の形態における制御装置2の機能構成について説明する。本実施の形態の制御装置2は、図19に示すように、温度取得部200と、操作情報取得部201と、生体情報取得部203と、空調制御部202を備える。このように、本実施の形態における制御装置2の機能構成には、生体情報取得部203が追加されている。
生体情報取得部203は、本発明の生体情報取得手段に対応する。生体情報取得部203は、測定装置9から定期的(例えば、1分毎)に送られてくる前述した生体情報を受信することで取得する。生体情報取得部203は、取得した生体情報を取得した時刻(即ち、受信した時刻)と対応付けて生体情報テーブル245にサイクリックに格納する。なお、測定装置9からの生体情報に、測定時刻が含まれている場合には、生体情報取得部203は、当該測定時刻を生体情報テーブル245に格納してもよい。
空調制御部202の注意レベル決定部2020は、温度情報テーブル242に格納されている浴室及びリビングの最新の空気温度と、生体情報テーブル245に保存されてる生体情報の履歴と、注意レベルテーブル244Aに基づいて、現在の注意レベルを決定する。
具体的には、先ず、注意レベル決定部2020は、実施の形態1と同様、リビングの空気温度から浴室の空気温度を差し引くことで、リビングと浴室の空気温度の差を算出する。そして、注意レベル決定部2020は、注意レベルテーブル244Aを参照して、算出した空気温度の差に対応する数値を現在の注意レベルとして仮決定、即ち、暫定的に決定する。以下、このように、リビングと浴室の空気温度の差のみに基づいて決定した注意レベルを第1注意レベルと称する。
また、注意レベル決定部2020は、第1注意レベルの決定とは別に、生体情報の変化量に基づいた注意レベルの決定も行う。具体的には、注意レベル決定部2020は、生体情報テーブル245に保存されてる生体情報の履歴から、血圧の6分間あたりの変化量、心拍数の1分間あたりの変化量(上昇量)及び体表温の1分間あたりの変化量(下降量)を算出する。そして、注意レベル決定部2020は、注意レベルテーブル244Aを参照して、算出したそれぞれの変化量に対応する数値のうち、最も大きい値を現在の注意レベルとして仮決定する。
例えば、血圧の6分間あたりの変化量が±90mmHg以上であり、心拍数の1分間あたりの変化量が30bpm以上であり、体表温の1分間あたりの変化量が5〜10℃である場合、注意レベル決定部2020は、“3”を現在の注意レベルとして仮決定する。以下、このように、生体情報の変化量のみに基づいて決定した注意レベルを第2注意レベルと称する。
注意レベル決定部2020は、上記のように決定した第1及び第2注意レベルを比較し、大きい方を現在の注意レベルとして正式に決定する。
本実施の形態における空調制御部202の他の構成部(入浴予定時刻決定部2021、空調要否判別部2022、制御コマンド送信部2023)の機能については、実施の形態1と同様である。
以上説明したように、本発明の実施の形態3に係る空調システム1Bでは、制御装置2は、ユーザの生体情報の変化も勘案して安全レベルを決定する。このため、決定した入浴予定時刻と実際の入浴時刻との間にズレが生じた場合であっても、浴室の温度を適切に調整できるため、ヒートショック防止の一層の効果が期待できる。
本発明は、上記の各実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更は勿論可能である。
例えば、上記の各実施の形態では、制御装置2は、浴室暖房機5から浴室の空気温度を取得し、空調機6からリビングの空気温度を取得した。しかし、浴室暖房機5とは別個の温度センサ(第1温度センサという。)を浴室に設置し、空調機6とは別個の温度センサ(第2温度センサという。)をリビングに設置して、第1温度センサ及び第2温度センサのそれぞれと制御装置2を通信可能に接続してもよい。この場合、制御装置2は、第1温度センサから浴室の空気温度を取得し、空調機6からリビングの空気温度を取得する。
また、空調システム1,1A,1Bにおいて、さらに外気温を計測する温度センサを備えるようにして、各制御装置2は、外気温を勘案して注意レベルを決定してもよい。
また、本発明における特定個所は、リビングに限定されず、例えば、寝室、客間等であってもよい。
また、実施の形態2の空調システム1Aにおいて、リビング以外の箇所の空気が、送風機7によって浴室に送られる構成を採用してもよい。
また、実施の形態2の空調システム1Aにおいて、浴室暖房機5を設けず、送風機7のみによって浴室の空気温度の調整を行うようにしてもよい。この場合、上記の第1温度センサを浴室に設置すればよい。
また、操作端末3を操作することで、ユーザが強制的に、浴室暖房機5又は送風機7を稼働させて、浴室の暖房を開始させてもよい。
また、制御装置2が、ユーザからの操作を受け付けるための入力デバイスと、ユーザに情報を提示するための表示デバイスをさらに含んで構成されるようにしてもよい。
上記の各実施の形態では、制御装置2が家屋Hに設置された場合について説明したが、制御装置2と同等の機能を有する装置を家屋Hの外に設置するようにしてもよい。
この場合の例を図20に示す。この例における空調システム1Cでは、家屋Hには、制御装置2の代わりにルータ10が設置されている。一方、家屋Hの外には、ルータ10とインターネットを介して通信可能に接続されるサーバ11が設置されている。この場合、ルータ10とサーバ11とが協調して制御装置2と同等の役割を果たす。
上記の各実施の形態では、プロセッサ20によって二次記憶装置24に記憶されているヒートショック防止プログラム240が実行されることで、制御装置2の各機能部(図9、図19参照)が実現された。しかし、制御装置2の機能部の全部又は一部が、専用のハードウェアで実現されるようにしてもよい。専用のハードウェアとは、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。
上記の各実施の形態において、ヒートショック防止プログラム240は、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク(Magneto-Optical Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、HDD等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することも可能である。そして、このように配布したヒートショック防止プログラム240を特定の又は汎用のコンピュータにインストールすることによって、当該コンピュータを上記の各実施の形態における制御装置2として機能させることも可能である。
また、ヒートショック防止プログラム240をインターネット上のサーバ(例えば、図20のサーバ11)が有するディスク装置等に格納しておき、当該サーバからコンピュータにヒートショック防止プログラム240がダウンロードされるようにしてもよい。
本発明は、広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能である。また、上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
本発明は、入浴の際のヒートショックの発生を防止する技術に好適に採用され得る。
1,1A〜1C 空調システム、2 制御装置、3 操作端末、4 電気給湯器、5 浴室暖房機、6 空調機、7 送風機、8 ダクト、9 測定装置、10 ルータ、11 サーバ、20,90 プロセッサ、21,91 通信インタフェース、22,93 ROM、23,94 RAM、24,95 二次記憶装置、25,96 バス、50,60 温度センサ、92 生体情報センサ、97 電池、200 温度取得部、201 操作情報取得部、202 空調制御部、203 生体情報取得部、240 ヒートショック防止プログラム、241 操作情報テーブル、242 温度情報テーブル、243 時刻パターンテーブル、244,244A 注意レベルテーブル、245 生体情報テーブル、2020 注意レベル決定部、2021 入浴予定時刻決定部、2022 空調要否判別部、2023 制御コマンド送信部

Claims (6)

  1. 住宅における浴室の空気温度と前記浴室とは異なる特定箇所の空気温度を取得する温度取得手段と、
    給湯器の操作に関する操作情報を取得する操作情報取得手段と、
    前記住宅における前記浴室とは異なる箇所の空気を前記浴室へ送る送風機と、前記浴室の暖房を行う暖房機とを制御する空調制御手段と、を備え、
    前記空調制御手段は、前記浴室の空気温度と前記特定箇所の空気温度との温度差に基づいて決定したヒ−トショックの注意レベルと、現時刻から前記操作情報に基づいて決定した入浴予定時刻までの時間とが、第1条件を満たす場合、前記送風機を稼働させ、前記第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、前記暖房機を稼働させる、制御装置。
  2. 前記注意レベルは、第1レベル、第2レベル及び第3レベルの順に前記ヒートショックの注意度合が高くなり、
    前記第1条件は、前記注意レベルが第1レベルであり、現時刻から前記入浴予定時刻までの時間が予め定めた第1時間以上且つ予め定めた第2時間未満の場合か、又は、前記注意レベルが第2レベルであり、現時刻から前記入浴予定時刻までの時間が前記第2時間以上の場合に成立し、
    前記第2条件は、前記注意レベルが第1レベルであり、現時刻から前記入浴予定時刻までの時間が前記第1時間未満の場合か、前記注意レベルが第2レベルであり、現時刻から前記入浴予定時刻までの時間が前記第2時間未満の場合か、又は、前記注意レベルが前記第3レベルの場合に成立する、請求項1に記載の制御装置。
  3. ユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段をさらに備え、
    前記空調制御手段は、前記浴室の空気温度と前記特定箇所の空気温度との温度差と、前記生体情報の変化量に基づいて前記注意レベルを決定する、請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 給湯器と、
    前記住宅における前記浴室とは異なる箇所の空気を前記浴室へ送る送風機と、
    前記浴室の暖房を行う暖房機と、
    前記請求項1から3の何れか1項に記載の制御装置と、を備える、空調システム。
  5. 住宅における浴室の空気温度と前記浴室とは異なる特定箇所の空気温度を取得し、
    給湯器の操作に関する操作情報を取得し、
    前記浴室の空気温度と前記特定箇所の空気温度との温度差に基づいてヒ−トショックの注意レベルを決定し、
    前記操作情報に基づいて入浴予定時刻を決定し、
    前記注意レベルと、現時刻から前記入浴予定時刻までの時間が、第1条件を満たす場合、前記住宅における前記浴室とは異なる箇所の空気を前記浴室へ送る送風機を稼働させ、前記第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、前記浴室の暖房を行う暖房機を稼働させる、空調制御方法。
  6. コンピュータを、
    住宅における浴室の空気温度と前記浴室とは異なる特定箇所の空気温度を取得する温度取得手段、
    給湯器の操作に関する操作情報を取得する操作情報取得手段、
    前記浴室の空気温度と前記特定箇所の空気温度との温度差に基づいて決定したヒ−トショックの注意レベルと、現時刻から前記操作情報に基づいて決定した入浴予定時刻までの時間とが、第1条件を満たす場合、前記住宅における前記浴室とは異なる箇所の空気を前記浴室へ送る送風機を稼働させ、前記第1条件とは異なる第2条件を満たす場合、前記浴室の暖房を行う暖房機を稼働させる空調制御手段、として機能させる、プログラム。
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