JP6433834B2 - 空調装置および空調機器の制御方法 - Google Patents
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しかしながら、ヒートショックの危険性は、居住者の年齢や性別、身体の状態、または着衣の状態などによって異なる。このため、部屋間の温度差を一律に一定の基準以下にする場合、ヒートショックの危険性が少ない状態であっても空調機器が運転される状況が生じる。このため、空調機器のエネルギー消費量の観点で改良の余地がある場合があった。
まず、図1から図6を参照して、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の空調システム1の全体を示す。図1に示すように、空調システム1は、空調機器11と、各種情報を検出するセンサ群12と、センサ群12の検出結果に基づいて空調機器11の運転を制御するHEMS(Home Energy Management System)13とを含む。
空調機器11は、住宅のような建物Hに設けられる。図1は、空調機器11が設けられる建物Hの一例を簡略化して示す。建物Hは、複数の空間S1,S2を有する。複数の空間S1,S2は、第1空間S1と、第2空間S2とを含む。第1空間S1と第2空間S2との間は、壁Wによって仕切られている。壁Wには、第1空間S1と第2空間S2とを繋ぐ出入口Eと、この出入口Eを開閉するドアDとが設けられる。対象者は、出入口Eを通ることで、第1空間S1と第2空間S2との間を移動することができる。第1空間S1および第2空間S2の各々は、リビングやダイニング、キッチン、寝室、廊下、風呂場、脱衣所などが適宜該当する。
図1に示すように、センサ群12は、人感センサ21、室温センサ22、外気温センサ23、カメラ24、およびサーモグラフィカメラ25を含む。なお、これらはあくまで例示である。センサ群12は、上述したセンサまたはカメラのいくつかを有しなくてもよい。
同様に、サーモグラフィカメラ25は、複数の空間S1,S2の各々に設けられる。サーモグラフィカメラ25は、各空間S1,S2内の温度映像を撮影する。サーモグラフィカメラ25は、撮影した温度映像をHEMS13に送る。
なお、カメラ24およびサーモグラフィカメラ25は、リビングやダイニングのような、対象者が比較的長く滞在する空間だけに設けられてもよい。
HEMS13は、センサ群12から各種の検出結果および映像を取得する。HEMS13は、センサ群12から取得する情報に基づき、空調機器11の機器運転設定(運転計画)を決定する。HEMS13は、決定した機器運転設定を空調機器11に通知する。空調機器11は、HEMS13から通知される機器運転設定に基づき、複数の空間S1,S2の空調を行う。
映像解析装置31は、映像解析部41と、温度映像解析部42とを有する。
映像解析部41は、カメラ24が撮影した映像を受け取る。映像解析部41は、カメラ24が撮影した映像を画像処理することで、対象者を検出する。例えば、映像解析部41は、カメラ24が撮影した映像に基づき、各空間S1,S2に対する対象者の出入りおよび滞在時間を検出する。また、映像解析部41は、カメラ24が撮影した映像に基づき、対象者の年齢や性別、活動量(運動量)、着衣量などを検出する。
また、温度映像解析部42は、サーモグラフィカメラ25が撮影した温度映像に基づき、対象者の身体の温度を検出する。温度映像解析部42は、各空間S1,S2に対する対象者の出入りおよび滞在時間に関する情報、並びに、検出した対象者の身体の温度に関する情報を、空調装置32に送る。
以上のように、映像解析装置31は、対象者の行動を検出する「検出部(行動検出部)」の一例であるとともに、対象者の身体の状態を検出する「検出部(身体状態検出部)」の一例でもある。
本実施形態の空調装置32は、対象者のヒートショックを防止するために、対象者の行動パターンを予測し、空調機器11の所定時間単位(例えば日単位)の機器運転設定を決定し、決定した機器運転設定を空調機器11に通知するものである。
設定部52は、予測部51が予測する行動パターンに沿う複数の空間S1,S2の温度差の目標値を設定する。すなわち、設定部52は、ヒートショックの危険性を少なくするために、対象者の移動前と移動後の空間S1,S2の温度差の目標値を設定する。ただし、ヒートショックの危険性は、対象者の年齢や性別、身体の状態、着衣の状態などによって異なる。そこで、本実施形態の設定部52は、対象者の年齢や性別、身体の状態、および着衣の状態に関する情報をパラメータとして、前記温度差の目標値を個別に設定する。
運転計画部53は、予測部51が予測した対象者の行動パターンを、予測部51から受け取る。また、運転計画部53は、設定部52が設定した複数の空間S1,S2の温度差の目標値を、設定部52から受け取る。さらに、運転計画部53は、複数の空間S1,S2の熱負荷に関する情報を受け取る。「複数の空間S1,S2の熱負荷に関する情報」は、例えば、予測部51が予測した複数の空間S1,S2の熱負荷のパターンである。
具体的には、運転計画部53は、ヒートショックの危険性を避けるとともに、そのために必要な空調機器11のエネルギー消費量を小さくする(例えば最小化する)ように空調機器11の機器運転設定を決定する。なお、空調機器11の機器運転設定は、空調機器11の制御値(目標温度)、空調機器11の動作モード、および空調機器11の動作タイミング(動作開始タイミングおよび動作終了タイミングなど)を含む。なお、「機器運転設定」との用語は、「機器設定」または「運転計画」などと言い換えられてもよい。
図6は、本実施形態のHEMS13の制御フローの一例を示す。図6に示すように、まず、センサ群12が各種の情報および映像を取得する(ステップS11)。センサ群12が取得した情報および映像は、映像解析装置31および空調装置32に送られる。
すなわち、ヒートショックの危険性は、対象者の年齢や性別、身体の状態、または着衣の状態によって異なる。例えば、対象者の年齢が若い場合、ヒートショックの危険性が小さい。また、対象者の活動量が多い場合は、対象者の身体の血管がすでに拡張しているため、ヒートショックの危険性は小さくなる。同様に、対象者の体温が通常時よりも高い場合、ヒートショックの危険性は小さくなる。また、対象者の着衣量が多い場合も、ヒートショックの危険性は小さくなる。
次に、図7を参照して、第2の実施形態を説明する。
本実施形態は、複数の行動パターンのなかから対象者が行動パターンを選択する点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
情報出力部61は、表示部Pに情報を出力可能である。例えば、情報出力部61は、予測部51が予測した複数の行動パターンを表示部Pに出力可能である。表示部Pは、情報出力部61から出力された情報に基づき、予測部51が予測した複数の行動パターンを表示する。
次に、図8および図9を参照して、第3の実施形態を説明する。
本実施形態は、対象者の実際の行動や身体の状態、および着衣の状態を検出して空調機器11の運転計画を補正する点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
また、設定部52は、予測部51が予測した対象者の着衣量の予測値と対象者の着衣量の実測値との違いに基づき、前記温度差の目標値を補正する。そして、設定部52は、補正した前記温度差の目標値を、運転計画部53に送る。
例えば、運転計画部53は、予測部51が予測した前記行動パターンに比べて、対象者の実際の行動が早い場合、運転計画を前倒しする補正を行う。一方で、運転計画部53は、予測部51が予測した前記行動パターンに比べて、対象者の実際の行動が遅い場合、運転計画を遅らせる補正を行う。
また、運転計画部53は、複数の空間S1,S2の温度差の実測値と予測部51が予測する熱負荷のパターンとの違い(ずれ)に基づき、空調機器11の機器運転設定を補正する。
次に、図10および図11を参照して、第4の実施形態を説明する。
本実施形態は、ヒートショックの危険性が無くなるまでの時間を表示する点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第2の実施形態の構成と同様である。そのため、第1および第2の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
図10は、情報出力部61からの出力に基づいて表示部Pに表示される情報の一例を示す。本実施形態では、情報出力部61は、複数の空間S1,S2の温度差が目標値よりも大きい場合に、複数の空間S1,S2の温度差が前記目標値以下になるまでの残り時間を、表示部Pに出力する。例えば、図10中の符号Tで示す時間が、ヒートショックの危険性が無くなるまでの残り時間に相当する。また、情報出力部61は、ヒートショックの危険性が無くなるまでの間、移動を控えることを促す案内を表示部Pに出力してもよい。
次に、図12を参照して、第5の実施形態を説明する。
本実施形態は、対象者の体感温度を考慮して空調機器11を制御する点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
本実施形態では、運転計画部53は、対象者の移動のタイミングに合わせて、移動前の空間の空調ユニットと、移動後の空間の空調ユニットとを切り替える運転計画を作成する。
次に、図13を参照して、第6の実施形態を説明する。
本実施形態は、第1空間S1および第2空間S2の特定部分の空気を入れ替えるように空調機器11を運転する点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
本実施形態では、運転計画部53は、対象者の移動前の空間と移動後の空間の温度の高低により、空調機器11の運転モードを切り替える運転計画を作成する。
第1送風部G1は、第1空間S1の下部の空気を第2空間S2の下部に送る第1動作モードと、第2空間S2の下部の空気を第1空間S1の下部に送る第2動作モードとで動作可能である。
同様に、第2送風部G2は、第1空間S1の上部の空気を第2空間S2の上部に送る第1動作モードと、第2空間S2の上部の空気を第1空間S1の上部に送る第2動作モードとで動作可能である。
また例えば、図14に示すように、各実施形態において、カメラ24、サーモグラフィカメラ25、および映像解析装置31は、設けられなくてもよい。
例えば、空間S1,S2を移動する対象者は、1人に限定されない。対象者は、複数人でもよい。また、建物Hに含まれる空間は、2つに限らず、3つ以上でもよい。
また、上述の第1から第6の実施形態では、空調機器11と、HEMS13とが別々に設けられる例を取り上げて説明した。これに代えて、HEMS13または空調装置32は、空調機器11に設けられてもよい。
例えば、映像解析装置31および空調装置32の各々の少なくとも一部は、プログラムを格納可能なメモリと、前記メモリを含む制御回路とによって形成されてもよい。
Claims (15)
- 対象者の行動パターンを予測する予測部と、
前記予測部が予測する前記行動パターンの移動経路に沿う複数の空間の温度差の目標値を、前記対象者の身体および着衣の少なくとも一方に関する情報に基づいて設定可能な設定部と、
前記予測部が予測する前記行動パターンと、前記複数の空間の熱負荷に関する情報と、前記設定部が設定する前記温度差の目標値とに基づき、前記複数の空間の温度差を調整可能な空調機器の運転設定を決定する運転計画部と、
を備え、
前記運転計画部は、前記対象者の行動を検出する検出部から前記対象者の行動の実測値を受け取るとともに、前記対象者の行動の実測値と前記予測部が予測する前記行動パターンとの違いに基づき、前記空調機器の運転設定を補正する空調装置。 - 対象者の行動パターンを予測する予測部と、
前記予測部が予測する前記行動パターンの移動経路に沿う複数の空間の温度差の目標値を、前記対象者の身体および着衣の少なくとも一方に関する情報に基づいて設定可能な設定部と、
前記予測部が予測する前記行動パターンと、前記複数の空間の熱負荷に関する情報と、前記設定部が設定する前記温度差の目標値とに基づき、前記複数の空間の温度差を調整可能な空調機器の運転設定を決定する運転計画部と、
を備え、
前記複数の空間は、第1空間と、第2空間とを含み、
前記運転計画部は、前記対象者が前記第1空間から前記第1空間よりも低温の前記第2空間に移動することを前記予測部が予測する場合に、前記対象者が前記第1空間から前記第2空間に移動する前のタイミングで、前記第1空間の風速を強くするように前記空調機器の運転設定を決定する空調装置。 - 対象者の行動パターンを予測する予測部と、
前記予測部が予測する前記行動パターンの移動経路に沿う複数の空間の温度差の目標値を、前記対象者の身体および着衣の少なくとも一方に関する情報に基づいて設定可能な設定部と、
前記予測部が予測する前記行動パターンと、前記複数の空間の熱負荷に関する情報と、前記設定部が設定する前記温度差の目標値とに基づき、前記複数の空間の温度差を調整可能な空調機器の運転設定を決定する運転計画部と、
を備え、
前記複数の空間は、第1空間と、第2空間とを含み、
前記運転計画部は、前記対象者が前記第1空間から前記第1空間よりも高温の前記第2空間に移動することを前記予測部が予測する場合に、前記対象者が前記第1空間から前記第2空間に移動するタイミングで、前記第2空間の風速を強くするように前記空調機器の運転設定を決定する空調装置。 - 前記設定部は、前記温度差の目標値を、前記対象者の身体に関する情報に基づいて設定可能である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の空調装置。 - 前記設定部は、前記対象者の身体に関する情報として、前記対象者の身体の状態変化に関する情報に基づき、前記温度差の目標値を設定可能である、
請求項4に記載の空調装置。 - 前記予測部が予測する前記行動パターンは、前記対象者の身体の状態変化の予測を含み、
前記設定部は、前記対象者の身体の状態変化に関する情報として、前記予測部が予測する前記対象者の身体の状態変化の予測に基づき、前記温度差の目標値を設定可能である、
請求項5に記載の空調装置。 - 前記予測部は、前記対象者の活動量に関する情報に基づき、前記対象者の身体の状態変化を予測する、
請求項6に記載の空調装置。 - 前記対象者が視認可能な表示部に情報を出力可能な情報出力部と、
入力受付部と、をさらに備え、
前記予測部は、前記対象者の複数の行動パターンを予測可能であり、
前記情報出力部は、前記予測部が予測する前記複数の行動パターンを前記表示部に出力可能であり、
前記入力受付部は、前記複数の行動パターンのなかから一つの行動パターンを選択する入力を受け付け可能であり、
前記運転計画部は、前記入力受付部が入力を受け付けた行動パターンに基づき、前記空調機器の運転設定を決定する、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の空調装置。 - 前記設定部は、前記対象者の身体の状態を検出する検出部から前記対象者の身体の状態の実測値を受け取るとともに、前記対象者の身体の状態の実測値に基づき、前記温度差の目標値を補正し、
前記運転計画部は、前記設定部が補正した前記温度差の目標値に基づき、前記空調機器の運転設定を補正する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の空調装置。 - 前記複数の空間の温度差が前記目標値よりも大きい場合に、前記複数の空間の温度差が前記目標値以下になるまでの時間を、前記対象者が視認可能な表示部に出力可能な情報出力部、をさらに備えた、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の空調装置。 - 前記複数の空間は、第1空間と、第2空間とを含み、
前記運転計画部は、前記対象者が前記第1空間から前記第1空間よりも低温の前記第2空間に移動することを前記予測部が予測する場合に、前記第1空間の下部の空気を前記第2空間の下部に送るとともに、前記第2空間の上部の空気を前記第1空間の上部に送るように前記空調機器の運転設定を決定する、
請求項1、請求項4〜請求項10のいずれか一項に記載の空調装置。 - 前記複数の空間は、第1空間と、第2空間とを含み、
前記運転計画部は、前記対象者が前記第1空間から前記第1空間よりも高温の前記第2空間に移動することを前記予測部が予測する場合に、前記第1空間の上部の空気を前記第2空間の上部に送るとともに、前記第2空間の下部の空気を前記第1空間の下部に送るように前記空調機器の運転設定を決定する、
請求項1、請求項4〜請求項10のいずれか一項に記載の空調装置。 - 対象者の行動パターンを予測し、
前記行動パターンの移動経路に沿う複数の空間の温度差の目標値を、前記対象者の身体および着衣の少なくとも一方に関する情報に基づいて設定し、
予測した前記行動パターンと、前記複数の空間の熱負荷に関する情報と、設定した前記温度差の目標値とに基づき、前記複数の空間の温度差を調整可能な空調機器の運転設定を決定し、
前記対象者の行動を検出する検出部から前記対象者の行動の実測値を受け取るとともに、前記対象者の行動の実測値と予測した前記行動パターンとの違いに基づき、前記空調機器の運転設定を補正する
空調機器の制御方法。 - 対象者の行動パターンを予測し、
前記行動パターンの移動経路に沿う複数の空間の温度差の目標値を、前記対象者の身体および着衣の少なくとも一方に関する情報に基づいて設定し、
予測した前記行動パターンと、前記複数の空間の熱負荷に関する情報と、設定した前記温度差の目標値とに基づき、前記複数の空間の温度差を調整可能な空調機器の運転設定を決定し、
前記複数の空間は、第1空間と、第2空間とを含み、
前記対象者が前記第1空間から前記第1空間よりも低温の前記第2空間に移動することと予測した場合に、前記対象者が前記第1空間から前記第2空間に移動する前のタイミングで、前記第1空間の風速を強くするように前記空調機器の運転設定を決定する
空調機器の制御方法。 - 対象者の行動パターンを予測し、
前記行動パターンの移動経路に沿う複数の空間の温度差の目標値を、前記対象者の身体および着衣の少なくとも一方に関する情報に基づいて設定し、
予測した前記行動パターンと、前記複数の空間の熱負荷に関する情報と、設定した前記温度差の目標値とに基づき、前記複数の空間の温度差を調整可能な空調機器の運転設定を決定し、
前記複数の空間は、第1空間と、第2空間とを含み、
前記対象者が前記第1空間から前記第1空間よりも高温の前記第2空間に移動することと予測した場合に、前記対象者が前記第1空間から前記第2空間に移動するタイミングで、前記第2空間の風速を強くするように前記空調機器の運転設定を決定する
空調機器の制御方法。
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