JP6584469B2 - マグネットクランププレートを備えた型締装置 - Google Patents

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Description

本発明は、射出成形機に設けられている型締装置に関するものであり、固定盤、可動盤等の型盤にマグネットクランププレートが設けられ、磁力によって金型をクランプできるようになっている型締装置に関するものである。
射出成形機に設けられている型締装置は、金型が着脱されると共に取付けられた金型を型締めする型盤を備えている。すなわち固定盤と、この固定盤に対して型開閉される可動盤である。型盤は、鋳造品からなる型盤本体と、鋼板からなる型盤プレートとから構成され、これらが固着されている。例えば、図6の(ア)には、固定盤51を側方から見た様子が示されているが、固定盤51は厚みのある固定盤本体52と、この固定盤本体52の取付面に固定されている固定盤プレート53とから構成されている。固定盤本体52は、その取付面から見た様子が図6の(イ)に、そしてZ1−Z1断面で切断した断面図が図6の(ウ)に示されているが、少しでも軽量にするために、型盤としての剛性に影響を与えない程度に比較的広範囲に渡って肉抜きされ空洞部が広がっている。図6の(イ)においてハッチングされている箇所は、肉抜きされずに残された箇所であり、固定盤プレート53が取付けられて密着するリブ55になっている。これらのリブ55には、複数個のボルト穴56、56、…が空けられている。固定盤プレート53は、鋼板からなり固定盤プレート53を固定盤本体52に取付けるためのボルト穴57、57、…が空けられ、さらに金型を取付けるための小径のボルト穴58、58、…が複数個空けられている。このような固定盤プレート53が、固定盤本体52に対してボルトにより一体的に固定され、固定盤51が構成されている。金型を固定盤51に取付けるときは、適切な小径のボルト穴58、58を選択して所定のクランプにより金型を固定盤51に固定する。つまり機械的に締め付けて固定する。
特開2017−121797号公報
金型を型盤に取付ける方法として、機械的に締め付けて固定する方法の他に、磁力によって金型を型盤に密着させて固定する方法も周知である。例えば特許文献1において記載されているような、いわゆるマグネットクランププレートを使用する。マグネットクランププレート60は、図7の(ア)に示されているように、所定の板厚からなり固定盤プレート53に固定されるようになっている。マグネットクランププレート60には、図7の(イ)に示されているように、その裏面側から所定深さのコア穴61、61、…が複数個空けられており、図には示されていないが、それぞれのコア穴61、61、…にマグネットコアが入れられている。マグネットコアは磁極が固定の固定の永久磁石と、磁極を反転することができる永電磁磁石と、永電磁磁石の磁極を変化させるためのコイルとからなる。永電磁磁石の磁極が所定の状態になっている場合には、永久磁石からの磁力線と永電磁磁石からの磁力線とから合成される磁力線はマグネットクランププレート60の表面から外部に漏れることはない。つまり金型をマグネットクランププレート60の取付面に接触させても磁力は働かない。しかしながらコイルに短時間電流を供給すると永電磁磁石の磁極が反転する。そうすると永久磁石からの磁力線と永電磁磁石からの磁力線とから合成される磁力線は、マグネットクランププレート60の表面から外部に漏れる。この外部に漏れた磁力線によって金型に強力な磁力が作用し、マグネットクランププレート60に固定することができる。それぞれのマグネットコアには電流を供給する必要があり、マグネットクランププレート60には電線を配線するための配線通し溝62、63、…が形成されている。まず、複数個のコア穴61、61、…全体を大きく囲むように、配線通し溝62が形成され、図7の(イ)において4個のコア穴61、61、…に配線通し溝62が接続されている。他のコア穴61、61、…については隣り合う2個のコア穴61、61、…間に、それぞれ配線通し溝63、63、…が形成されている。これらの配線通し溝63、63、…は、互いに近接し合う任意の2個のコア穴61、61、…間において、その最短部分に形成されている。このように配線通し溝63、63、…は近接する任意の2個のコア穴61、61、…間の最短部分に形成されているので、マグネットクランププレート60において接続される全体の電線が短くて済み、配線はシンプルになっている。なお、コア穴61、61、…と配線通し溝63、63、…を拡大して示す図が図7の(ウ)に、そしてZ2−Z2断面で切断した様子が図7の(エ)に示されているが、配線通し溝63は、マグネットクランププレート60の背面側において所定の深さの溝として形成されている。
マグネットクランププレート60が取付けられている型盤においては、金型の着脱が容易になるので、射出成形機の保守に要する時間を節約でき、従って製造コストを抑制できるので優れている。しかしながら、解決すべき問題も見受けられる。マグネットクランププレート60は、型盤に取付けるようになっている。そうすると型盤は見かけ上、マグネットクランププレート60の板厚だけ厚くなる。そうするとマグネットクランププレート60にクランプされている金型に対して、射出成形機の射出装置の射出ノズルを当接させるには、標準長さの射出ノズルでは長さが足りない。マグネットクランププレート60の板厚の分だけ長い、特注品の射出ノズルが必要になる。またマグネットクランププレート60は固定盤51だけでなく可動盤にも取付ける必要があるが、そうするとこのような型締装置においては、エジェクタロッドも延長する必要があるし、さらにはマグネットクランププレート60の板厚の2倍の長さだけデーライトが短くなってしまう。成形品によっては成形品取り出しに支障がでるので、特注によりデーライトを延長しなければならない場合もある。つまり、マグネットクランププレート60を取付けると射出成形機のコストが大きくなってしまう。
本発明は、上記したような問題点を解決した、マグネットクランプを備えた型締装置を提供することを目的としており、具体的には、標準品の射出ノズル、標準品のエジェクタロッドを利用することができると共にデーライトの延長等の特注が不要な、マグネットクランプを備えた型締装置を提供することを目的としている。
ところで、仮にではあるが、型盤において型盤プレートを取り外して、型盤本体に直接マグネットクランププレート60を取付ける場合を考える。つまり固定盤51であれば固定盤プレート53を外して固定盤本体52にマグネットクランププレート60を取付けることになる。このようにすると型盤を薄くすることができそうである。しかしながら、マグネットクランププレート60と固定盤プレート53の板厚が等しいとは限らないので、マグネットクランププレート60と固定盤本体52とからなる固定盤が、標準的な固定盤と同じ厚さになる保証はない。さらには強度について不安もある。マグネットクランププレート60は、標準的な使用方法では平面状の固定盤プレート53に取付けるようになっているので、全体が固定盤プレート53に密着する。従って、型締時には均等に応力が作用するので強度上の問題はない。しかしながら、固定盤51から固定盤プレート53を取り外し、固定盤本体52に直接マグネットクランププレート60を取付けるようにすると、図8の(ア)に示されているように、マグネットクランププレート60は、リブ55の部分しか固定盤本体52とは密着しない。マグネットクランププレート60の裏面側には、コア穴61、62、…や配線通し溝62、63、…が形成されているので、これらの形状によって型締時に応力集中が発生して強度に問題が出る可能性もある。複数の配線通し溝63、63’、…には、リブ55に当接していない配線通し溝63、63、…もあれば、当接している配線通し溝63’、63’、…もある。図8の(イ)には、リブ55に当接している配線通し溝63’が示されているが、このような箇所において型締時に強度が十分であるか疑問がある。
そこで本発明は、標準品の射出ノズル、標準品のエジェクタロッドを利用することができると共にデーライトの延長等の特注が不要であるだけでなく、十分な強度を有する、マグネットクランププレートを備えた型締装置を提供することも目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、型盤を、鋳造製の型盤本体と、永久磁石と永電磁磁石とコイルとからなるマグネットコアが複数個埋め込まれたマグネットクランププレートとから構成する。マグネットクランププレートは型盤本体に直接固定する。ところで型盤本体は所定のリブを残して肉抜きされて空洞になっており、マグネットクランププレートはリブにおいて型盤本体に当接している。またマグネットクランププレートはマグネットコアを収納する所定深さの有底のコア穴が裏面側に複数個空けられていると共に、マグネットコアに接続する電線を収納する複数本の配線通し溝が裏面側に形成されてそれぞれのコア穴に接続されている。本発明においては、複数本の配線通し溝のうち、コア穴の直径の1/4以下の長さの配線通し溝は、リブと当接しない位置に設けるように構成する。
かくして、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、金型が取付けられる型盤を備えた型締装置であって、前記型盤は、鋳造製の型盤本体と、永久磁石と永電磁磁石とコイルとからなるマグネットコアが複数個埋め込まれたマグネットクランププレートとから構成され、前記型盤本体は所定のリブを残して肉抜きされて空洞になっており、前記マグネットクランププレートは前記リブにおいて前記型盤本体に当接しており、前記マグネットクランププレートは前記マグネットコアを収納する所定深さの有底のコア穴が裏面側に複数個空けられていると共に、前記マグネットコアに接続する電線を収納する複数本の配線通し溝が裏面側に形成されてそれぞれの前記コア穴に接続されており、前記複数本の前記配線通し溝のうち、前記コア穴の直径の1/4以下の長さの配線通し溝は、前記リブとの当接を避ける位置に形成されていることを特徴とする、マグネットクランププレートを備えた型締装置として構成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の型締装置において、前記型盤は、前記型盤本体と鋼板製の型盤プレートとからなる所定の型盤から前記型盤プレートが取り外されて前記マグネットクランププレートが固定されたものであり、前記マグネットクランププレートの板厚は前記型盤プレートの板厚と等しくなるように選定されていることを特徴とする、マグネットクランププレートを備えた型締装置として構成される。
以上のように、本発明は、金型が取付けられる型盤を備えた型締装置であって、型盤は、鋳造製の型盤本体と、永久磁石と永電磁磁石とコイルとからなるマグネットコアが複数個埋め込まれたマグネットクランププレートとから構成されている。マグネットクランププレートはマグネットコアによって金型をクランプ/アンクランプすることができるので、金型の交換作業が容易であり、保守コストが小さくなる。そして、型盤本体は所定のリブを残して肉抜きされて空洞になっており、マグネットクランププレートはリブにおいて型盤本体に当接している。そして、マグネットクランププレートはマグネットコアを収納する所定深さの有底のコア穴が裏面側に複数個空けられていると共に、マグネットコアに接続する電線を収納する複数本の配線通し溝が裏面側に形成されてそれぞれのコア穴に接続されており、複数本の配線通し溝のうち、コア穴の直径の1/4以下の長さの配線通し溝は、リブとの当接を避ける位置に形成されている。配線通し溝には、比較的長い溝もあれば、近接した2個のコア穴を接続するような短い溝もある。配線通し溝が型盤本体のリブに当接していると、型締力によって配線通し溝において応力集中が生じるが、比較的長い配線通し溝であれば問題はない。しかしながら比較的短い配線通し溝では応力集中の度合いが大きくなり疲労破壊が発生する虞がある。この発明ではコア穴の直径の1/4以下の短い配線通し溝は型盤本体のリブと当接しないようになっているので、応力集中による疲労破壊が発生することがない。つまり型盤の強度が高い。他の発明によると、型盤は、型盤本体と鋼板製の型盤プレートとからなる所定の型盤から型盤プレートが取り外されてマグネットクランププレートが固定されたものであり、マグネットクランププレートの板厚は型盤プレートの板厚と等しくなるように選定されている。つまりこの発明の型盤の厚さは、従来の標準の型盤と同じ厚さになる。そうすると、クランプの方式が従来の方式と異なるだけで、他は従来の型締装置を扱うのと同様に扱うことができる。
本発明の実施の形態に係る型締装置を備えた本実施の形態に係る射出成形機の正面図である。 本発明の実施の形態に係る型締装置の固定盤を示す図で、その(ア)は固定盤を側方から見た側面図、その(イ)は固定盤を構成している固定盤本体の正面図、その(ウ)は固定盤を構成している固定盤マグネットクランププレートを示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る型締装置の固定盤を示す図で、固定盤本体に形成されているリブと、固定盤マグネットクランププレートに形成されているコア穴や配線通し溝との位置関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る型締装置の固定盤マグネットクランププレートに形成されている2個のコア穴と、それらを接続する配線通し溝を示す図である。 本発明の実施の形態に係る型締装置の可動盤を示す図で、可動盤本体に形成されているリブと、可動盤マグネットクランププレートに形成されているコア穴や配線通し溝との位置関係を示す図である。 従来の型締装置の型盤を示す図で、その(ア)は固定盤の側面図、その(イ)は固定盤を構成している固定盤本体の正面図、その(ウ)は(イ)においてZ1−Z1断面で切断した固定盤本体の断面図、そしてその(エ)は固定盤を構成している固定盤プレートの正面図である。 従来の型締装置の固定盤と従来のマグネットクランププレートとを示す図で、その(ア)はマグネットクランププレートが取付けられた固定盤の側面図、その(イ)はマグネットクランププレートの正面図、その(ウ)はマグネットクランププレートの一部を拡大して示す拡大正面図、その(エ)は(ウ)においてZ2−Z2断面で切断したマグネットクランププレートの断面図である。 固定盤本体に、従来のマグネットクランププレートを直接固定した場合を示す図であり、その(ア)は固定盤本体に形成されているリブと、従来のマグネットクランププレートに形成されているコア穴や配線通し溝との位置関係を示す図で、その(イ)は固定盤本体に形成されているリブと、マグネットクランププレートに形成されている配線通し溝とが当接している様子を示す、固定盤本体とマグネットクランププレートの一部断面図である。
以下、本実施の形態について説明する。本実施の形態に係る射出成形機1は、図1に示されているように、本実施の形態に係る型締装置2と、射出装置3とから概略構成されている。型締装置2は、ベッドBに固定されている固定盤5と、この固定盤5と離間してベッドB上でスライド可能に設けられている型締ハウジング6と、固定盤5と型締ハウジング6とを連結する複数本のタイバー8、8、…と、固定盤5と型締ハウジング6の間においてベッドB上をスライド可能に設けられている可動盤9と、型締ハウジング6と可動盤9の間に設けられているトグル機構10とから構成されている。固定盤5と可動盤9、すなわちこれらの型盤は、本実施の形態に係る型締装置2において特徴的な部材であり、後で詳しく説明する。トグル機構10はボールネジ機構11と、このボールネジ機構11を駆動する駆動機構12とによって駆動され、トグル機構10の伸縮によって型締装置2が型開閉されるようになっている。固定盤5には固定側金型14が、可動盤9には可動側金型15が取付けられている。
射出装置3は、従来周知のように加熱シリンダ17と、この加熱シリンダ17内に回転方向と軸方向とに駆動可能に設けられている図示されないスクリュとから概略構成されている。加熱シリンダ17にはその先端に射出ノズル18が設けられ、固定側金型14のスプルに当接している。加熱シリンダ17にはヒータが設けられているが、図には示されていない。
本実施の形態に係る型盤を説明する。まず、型盤のうち固定盤5を説明するが、固定盤5は図2の(ア)に示されているように、型盤本体すなわち固定盤本体20と、マグネットクランププレートすなわち固定盤マグネットクランププレート21とから構成されている。固定盤本体20は鋳造により製造されており、比較的厚さは大きい。しかしながら剛性に影響を与えない範囲で肉抜きされ軽量化されている。固定盤本体20の正面側が図2の(イ)に示されているが、ハッチングで示されている範囲は肉抜きされずに平面状に残ったリブ23、23、…であり、固定盤マグネットクランププレート21は、これらのリブ23、23、…において固定盤本体20と当接するようになっている。つまりリブ23、23、…はマグネットクランププレート21を支持すると共に取付ける取付面になっている。固定盤本体20には中央部に射出ノズル18が挿入されるくり抜き24が空けられ、そして固定盤マグネットクランププレート21を固定するためのボルト穴25、25、…が複数個空けられている。
固定盤マグネットクランププレート21は、図2の(ウ)に示されているように形成されており、一般用鋼材からなる。本実施の形態に係る型締装置2において、この固定盤マグネットクランププレート21には、ボルト穴27、27、…が空けられており、複数本のボルトによって固定盤本体20に直接固着される。ところで従来の固定盤においては鋼板からなる所定板厚の固定盤プレートが固定盤本体20に取付けられているが、本実施の形態においては固定盤5は、固定盤本体20から固定盤プレートが取り外され、固定盤マグネットクランププレート21が固着されている。この固定盤マグネットクランププレート21は、従来の固定盤プレートと同じ板厚に選定されているので、本実施の形態において固定盤5の厚さは標準的な厚さになっている。固定盤マグネットクランププレート21には、その裏面から所定深さの有底のコア穴29、29、…が複数個空けられている。これらのコア穴29、29、…のそれぞれの中に、永久磁石と永電磁磁石とコイルとからなるマグネットコアが入れられている。なお図2の(ウ)においてマグネットコアは描かれていない。固定盤マグネットクランププレート21の背面には所定深さの複数本の配線通し溝30、31、31、…が形成されている。比較的長い配線通し溝30は複数のコア穴29、29、…を取り囲んで形成され、この配線通し溝30から分岐した配線通し溝31、31、…がコア穴29、29、…に接続され、そしてコア穴29、29、…同士も短い配線通し溝31、31、…によって接続されている。これらの配線通し溝30、31、…に電線が配線され、それぞれのマグネットコアに電流が供給されるようになっている。マグネットコアを構成している永電磁磁石の磁極が所定の方向になっている場合には、永久磁石からの磁力線と永電磁磁石からの磁力線とから合成される磁力線は固定盤マグネットクランププレート21の表面から外部に漏れることはない。つまり固定側金型14を固定盤マグネットクランププレート21の金型取付面に接触させても磁力は働かない。しかしながらコイルに短時間電流を供給すると永電磁磁石の磁極が反転する。そうすると永久磁石からの磁力線と永電磁磁石からの磁力線とから合成される磁力線は、固定盤マグネットクランププレート21の表面から外部に漏れる。この外部に漏れた磁力線によって固定側金型14に強力な磁力が作用し、固定盤マグネットクランププレート21にクランプすることができる。
本実施の形態に係る型締装置2は、型盤本体に対してマグネットクランププレートが直接固定されているが、型締時に作用する応力集中によって劣化しないように、配線通し溝30、31、31、…のうち短い配線通し溝31、31、…についてその配置が考慮されている。具体的には型盤本体のリブに当接しない位置に配置されている。図3には、点線で描かれた固定盤本体20と、実線で描かれた固定盤マグネットクランププレート21とが重なった状態で示されており、固定盤マグネットクランププレート21のコア穴29、29、…や、配線通し溝30、31、…と、固定盤本体20のリブ23、23との重なり状態が示されている。図から明らかなように、短い配線通し溝31、31、…は、リブ23、23、…と当接していない。つまり短い配線通し溝31、31、…は固定盤本体20の空洞部分に配置されている。これによって短い配線通し溝31、31、…の近傍における応力集中を防止して固定盤マグネットクランププレート21の劣化を防止している。なお、長さが長い配線通し溝30や、所定の長さの配線通し溝31’、31’については、リブ23、23に当接しているものもある。所定長さ以上の配線通し溝30、31’、31’については、リブ23、23に当接していても型締時における応力集中の度合いは比較的小さいので問題にならないからである。図4には、隣接する2個のコア穴29、29と、これらのコア穴29、29を接続する1本の配線通し溝31が示されているが、配線通し溝31の長さLが、コア穴29、29の直径Dの1/4以下の長さであれば、配線通し溝31がリブ23、23と当接しないように配線通し溝31を迂回させている。つまり配線通し溝31、31をリブ23、23から迂回させるか否かの基準の長さは、コア穴29、29の直径Dの1/4になる。
本実施の形態に係る型締装置2の他の型盤、つまり可動盤9についても、固定盤5と同様に型盤本体とマグネットクランププレートとから構成されている。すなわち、鋳造製の可動盤本体35と、可動盤マグネットクランププレート36であり、図5において、可動盤本体35が点線で、可動盤マグネットクランププレート36が実線で、それぞれ重なった状態で示されている。可動盤本体35は、固定盤本体20と同様に肉抜きされており、それによってリブ37、37、…が形成されている。可動盤マグネットクランププレート36は、これらのリブ37、37に当接している。可動盤マグネットクランププレート36には、裏面つまり可動盤本体35への取付面において複数個の有底のコア穴39、39、…が空けられており、図には示されていないが、それぞれのコア穴39、39、…にはマグネットコアが入れられている。可動盤マグネットクランププレート36の裏面には所定の深さの配線通し溝40、41、…が形成され、電流を供給する電線がそれぞれのマグネットコアに接続されている。本実施の形態において可動盤マグネットクランププレート36も、コア穴39、39、…の直径Dの1/4以下の長さの配線通し溝41、41、…については、可動盤本体35のリブ37、37と当接しないよう配置されている。
本実施の形態に係る型締装置2が、十分な強度を備えていることを確認するため、シミュレーション計算を行った。
(1)シミュレーション計算の方法
以下のような型盤A〜Cを想定し、それぞれに対して取付け可能な最大サイズの金型を取付けたものとし、仮想的な型締力を作用させて応力を計算した。なお、シミュレーション計算は有限要素法を採用し、型盤A〜Cを10mmの仮想的なメッシュに分割して計算した。金型と型盤A〜Cとの接触面に作用する摩擦係数は0.4とした。
型盤A:本発明の実施の形態に係る型盤。
本実施の形態に係る固定盤5と可動盤9とから構成した。すなわち、鋳造品の固定盤本体20と固定盤マグネットクランププレート21とからなる固定盤5と、可動盤本体35と可動盤マグネットクランププレート36とからなる可動盤9とから構成した。
型盤B:従来の型盤。
従来の固定盤と可動盤とから構成した。すなわち、型盤Aの固定盤5と可動盤9から固定盤マグネットクランププレート21と可動盤マグネットクランププレート36とを取り外し、それぞれ鋼板製の固定盤プレートと可動盤プレートとを設けるようにした
型盤C:従来のマグネットクランププレートを採用した型盤。
固定盤本体20に従来のマグネットクランププレート60を取付けた固定盤と、可動盤本体35に従来のマグネットクランププレート60を取付けた可動盤とから構成した。すなわち、型盤Cにおいては、マグネットクランププレート60に形成されている短い配線通し溝63、63のいくつかは固定盤本体20や可動盤本体35のリブ23、37に接している。
(2)シミュレーション計算の結果
シミュレーション計算により、型盤A〜Cのそれぞれの固定盤、可動盤における応力、変位等を計算し、従来の型盤である型盤Bの固定盤、可動盤における応力、変位等を100%として型盤A、Cのそれぞれの固定盤、可動盤に作用する応力、変位等の割合を求めたところ以下となった。
「固定盤の最大変位」
型盤Bの固定盤における最大変位を100%としたときの、型盤Aの固定盤における最大変位の割合:93%
型盤Bの固定盤における最大変位を100%としたときの、型盤Cの固定盤における最大変位の割合:111%
「固定盤に作用する最大主応力」
型盤Bの固定盤における最大主応力を100%としたときの、型盤Aの固定盤における最大主応力の割合:215%
型盤Bの固定盤における最大主応力を100%としたときの、型盤Cの固定盤における最大主応力の割合:387%
「固定盤に作用する最大面圧」
型盤Bの固定盤における最大面圧を100%としたときの、型盤Aの固定盤における最大面圧の割合:122%
型盤Bの固定盤における最大面圧を100%としたときの、型盤Cの固定盤における最大面圧の割合:366%
「可動盤の最大変位」
型盤Bの可動盤における最大変位を100%としたときの、型盤Aの可動盤における最大変位の割合:106%
型盤Bの可動盤における最大変位を100%としたときの、型盤Cの可動盤における最大変位の割合:105%
「可動盤に作用する最大主応力」
型盤Bの可動盤における最大主応力を100%としたときの、型盤Aの可動盤における最大主応力の割合:229%
型盤Bの可動盤における最大主応力を100%としたときの、型盤Cの可動盤における最大主応力の割合:590%
「可動盤に作用する最大面圧」
型盤Bの可動盤における最大面圧を100%としたときの、型盤Aの可動盤における最大面圧の割合:234%
型盤Bの可動盤における最大面圧を100%としたときの、型盤Cの可動盤における最大面圧の割合:302%
(3)考察
シミュレーションの結果、本発明の実施の形態に係る型盤である型盤Aは、従来の型盤である型盤Bに対して最大変位は大きくなく、最大主応力も約2倍程度に過ぎなかった。十分に強度を備えていると言える。さらに、型盤Aは、型盤本体に従来のマグネットクランププレートを取付けた型盤Cに比して十分に高い強度を備えていることが確認できた。なお、シミュレーションにより得られた数値は、計算の条件が変われば変わる可能性がある。
1 射出成形機 2 型締装置
3 射出装置 5 固定盤
6 型締ハウジング 8 タイバー
9 可動盤 10 トグル機構
14 固定側金型 15 可動側金型
18 射出ノズル 20 固定盤本体
21 固定盤マグネットクランププレート
23 リブ 29 コア穴
30、31 配線通し溝 35 可動盤本体
36 可動盤マグネットクランププレート
37 リブ 39 コア穴
40、41 配線通し溝

Claims (2)

  1. 金型が取付けられる型盤を備えた型締装置であって、
    前記型盤は、鋳造製の型盤本体と、永久磁石と永電磁磁石とコイルとからなるマグネットコアが複数個埋め込まれたマグネットクランププレートとから構成され、
    前記型盤本体は所定のリブを残して肉抜きされて空洞になっており、前記マグネットクランププレートは前記リブにおいて前記型盤本体に当接しており、
    前記マグネットクランププレートは前記マグネットコアを収納する所定深さの有底のコア穴が裏面側に複数個空けられていると共に、前記マグネットコアに接続する電線を収納する複数本の配線通し溝が裏面側に形成されてそれぞれの前記コア穴に接続されており、前記複数本の前記配線通し溝のうち、前記コア穴の直径の1/4以下の長さの配線通し溝は、前記リブとの当接を避ける位置に形成されていることを特徴とする、マグネットクランププレートを備えた型締装置
  2. 請求項1に記載の型締装置において、前記型盤は、前記型盤本体と鋼板製の型盤プレートとからなる所定の型盤から前記型盤プレートが取り外されて前記マグネットクランププレートが固定されたものであり、前記マグネットクランププレートの板厚は前記型盤プレートの板厚と等しくなるように選定されていることを特徴とする、マグネットクランププレートを備えた型締装置。
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