以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔実施例1〕
実施例1に係るカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジという)について説明する。
(画像形成装置の全体構成)
画像形成装置の全体構成について、図2を用いて説明する。図2は実施例1に係る画像形成装置100の主断面図である。また、詳細は後述するが、カートリッジ7については、図1を用いて説明する。図1はトナーTを収納した、実施例1に係るカートリッジ7の主断面図である。
画像形成装置100は、水平方向に並設した像担持体である電子写真感光体ドラム1(以下、感光体ドラムという)を備えている。前記感光体ドラム1は、駆動部材(不図示)によって、矢印Q方向(図1参照)に回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に従って順に、感光体ドラムに作用する以下のプロセス手段が配置されている。転写後の感光体ドラム1表面に残った現像剤(以下、トナーという)を除去するクリーニング部材6、感光体ドラム1表面を均一に帯電する帯電ローラ2及び、前記静電潜像をトナーを用いて現像する現像装置4が配置されている。また、画像情報に基づいてレーザビームを照射し、感光体ドラム1に静電潜像を形成するスキャナユニット3、感光体ドラム1上の4色のトナー画像が一括して転写される中間転写ベルト5が配置されている。ここで、感光体ドラム1とクリーニング部材6、帯電ローラ2、現像装置4は一体的にカートリッジ化されプロセスカートリッジ7(以下、カートリッジ7という)を構成している。このカートリッジ7は、ユーザによって、画像形成装置100に着脱可能に装着される。
中間転写ベルト5は、駆動ローラ10、テンションローラ11に張架されている。また、各感光体ドラム1(1a〜1d)に対向して、中間転写ベルト5の内側に一次転写ローラ12(12a〜12d)が配設されている。そして、バイアス印加手段(不図示)により転写ベルト5に転写バイアスを印加する。
感光体ドラム1上に形成されたトナー像(現像剤像)は、各感光体ドラム1が矢印Q方向に回転し、中間転写ベルト5が矢印R方向に回転し、さらに一次転写ローラ12に正極性のバイアスを印加することにより、順次、中間転写ベルト5上に一次転写される。そして、中間転写ベルト5に4色のトナー像が重なった状態で二次転写部15まで搬送される。
前記画像形成動作と同期して給送装置13及びレジストローラ対17等からなる搬送手段によって記録媒体であるシートSが搬送される。給送装置13は、シートSを収納する給送カセット24と、シートSを給送する給送ローラ8と、給送されたシートSを搬送する搬送ローラ対16とを有している。給送カセット24は、図2中の本体手前方向へ引き抜くことができる。給送カセット24に収納されたシートSは、給送ローラ8に圧接され、分離パッド9によって一枚ずつ分離され(摩擦片分離方式)搬送される。
そして、給送装置13から搬送されたシートSはレジストローラ対17によって二次転写部15に搬送される。二次転写部15において、二次転写ローラ18に正極性のバイアスを印加する。これにより、搬送されたシートSに、中間転写ベルト5上の4色のトナー像を二次転写する。
定着手段である定着部14は、シートSに形成したトナー画像に熱及び圧力を加えて定着させるものである。定着ベルト14aは円筒形状であり、ヒータ等の発熱手段を接着したベルトガイド部材(不図示)にガイドされている。そして、定着ベルト14aと加圧ローラ14bとが所定の圧接力をもって定着ニップを形成している。
そして、画像形成部から搬送された未定着トナー画像が形成されたシートSが、定着ベルト14aと加圧ローラ14bとの間の定着ニップで加熱及び加圧される。そして、シートS上の未定着トナー画像がシートSに定着される。その後、トナー画像が定着されたシートSは、排出ローラ対19によって排出トレイ20に排出される。
一方、トナー画像転写後に、感光体ドラム1表面に残ったトナーは、クリーニング部材6によって除去される。除去されたトナーは、感光体ユニット26内の除去トナー室に回収される。
また、シートSへの二次転写後に中間転写ベルト5上に残ったトナーは、転写ベルトクリーニング装置23によって除去される。除去されたトナーは、廃トナー搬送路(不図示)を通過し、装置奥面部に配置された廃トナー回収容器(不図示)へと回収される。
(カートリッジの構成)
次に本発明を実施したカートリッジ7について、図1を用いて説明する。図1はトナーTを収納した、本発明に係るカートリッジ7の主断面図である。なお、図2では、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色の各色トナーを収納した4つのカートリッジ7が並設された画像形成装置を例示している。イエロー色のトナーを収納したカートリッジ7a、マゼンタ色のトナーを収納したカートリッジ7b、シアン色のトナーを収納したカートリッジ7c、ブラック色のトナーを収納したカートリッジ7dはともに同一構成である。
カートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット26、及び現像剤担持体21(以下、現像ローラ21という)等を備えた現像装置4から構成される。以下、各ユニットついて説明する。
現像装置4は、感光体ドラム1と接触して矢印B方向に回転する現像ローラ21と現像枠体28及び蓋部材50とDアゴ部材51を有する。現像ローラ21は、現像枠体28の両側にそれぞれ取り付けられた現像側板(不図示)を介して、回転可能に現像枠体28に支持されている。また、現像室28bには、現像ローラ21に接触して矢印C方向に回転する現像剤供給部材(以下、トナー供給ローラという)30と現像ローラ21上のトナー層を規制するための現像ブレード31がそれぞれ配置されている。さらに、現像室28bの下方に設けられた収容室28aには、収容されたトナーTを撹拌するとともに、現像室28bにトナーを供給するための供給手段として現像剤搬送ベルト60が設けられている。
クリーニング枠体22には、感光体ドラム1が不図示の軸受を介して回転可能に取付けられている。感光体ドラム1の周上には、帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。さらに、クリーニング部材6によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは除去トナー室22aに落下する。感光体ドラム1は、駆動モータ(不図示)の駆動力が感光体ユニット26に伝達されることで、画像形成動作に応じて回転駆動する。
また、現像装置4は、現像側板29R(29L)に設けられた、穴部に嵌合する結合軸33を中心にして感光体ユニット26に揺動可能に結合されている。カートリッジ7の画像形成時において、現像装置4は、現像装置加圧バネ34により付勢されているため、結合軸33を中心に矢印D方向に回転し、現像ローラ21は感光体ドラム1に当接して、感光体ドラム1上の静電潜像を現像する。また、非画像形成時には、現像装置付勢部材(不図示)により現像装置4は現像装置加圧バネ34が加圧する方向の反対方向に付勢され、現像ローラ21は感光体ドラム1から離間する。非画像形成時に、現像ローラ21を感光体ドラム1から離間するのは、弾性を有する現像ローラ21の表面が、感光体ドラム1との当接ニップ部で、変形することを防ぐためである。また、この離間時には、現像装置4の駆動は止まり、現像装置4内に配置される現像ローラ21、トナー供給ローラ30、トナーT等にかかる摺動ストレスは無くなる。
(現像装置の詳細な構成の説明)
本実施例においては、トナー搬送手段として、現像剤搬送ベルト60を用いている。
図1に示すように、無端状の現像剤搬送ベルト60に駆動ローラ61と従動ローラ62,69が挿入されている。駆動ローラ61の位置は現像室28bの水平方向側部に設けられており、従動ローラ62,69は鉛直方向で駆動ローラ61の下方で、且つ収容室28aの下方に位置している。また従動ローラ62と従動ローラ69は、水平方向で収容室28aの両端部に各々位置している。また従動ローラ69は鉛直方向で感光体ドラム1と重なる位置に設けられている。
駆動ローラ61と従動ローラ62,69はトナー搬送時のトルク上昇を防ぐために肉抜き部61d,62d,69dを各々有している。肉抜き部61d,62d,69dは軸線方向と径方向に複数設けられている。
現像剤搬送ベルト60は、駆動ローラ61と2本の従動ローラ62,69により実質的に三角形状になるように掛け渡されている。また現像剤搬送ベルト60は駆動ローラ61の鉛直方向下方で現像枠体28の当接部28cに当接している。当接部28cは供給開口28eの鉛直方向下方に位置している。現像剤搬送ベルト60はその一部を当接部28cに当接させ、三角形の1辺を撓ませる形で動作している。本実施例では現像剤搬送ベルト60を3つのローラで掛け渡し実質三角形状にしているが、収容室の形状に応じてローラを更に追加し、4角形、5角形等に変更しても良い。
また現像剤搬送ベルト60は、トナーを搬送及び撹拌する羽部60aを一体的に形成している。羽部60aの詳細については後述するため、ここでは説明を省略する。現像剤搬送ベルト60の材質は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の樹脂シートを用いるのが良い。
図3、図4に現像剤搬送ベルト60の詳細斜視図を示している。羽部60aは駆動ローラ61と従動ローラ62,63の軸線方向及び現像剤搬送ベルト60の搬送方向に複数設けられている。具体的には軸線方向に5〜6個、搬送方向に18〜20列の羽部60aで構成される。また隣接する列とは羽部60aが重ならないようになっている。羽部60aの形状は矩形にしている。これにより羽部60a上に堆積させるトナーの量を最大限大きくしている。
また羽部60aは樹脂シートをプレスすることで形成する為、開口60bが各羽部60aに設けられている。開口60bは羽部60aよりも若干大きい大きさとなっている。また羽部60aはトナーを搬送する為に折り曲げられた形状となっている。
以上のような構成により、仮に羽部の数を軸線方向に3〜4個程度の場合と比較し、現像剤搬送ベルト60の駆動トルクを少なくすることができる。また羽部60aの数を軸線方向に10個以上とした場合、開口60bのスペースも大きくなることから、現像剤搬送ベルト60の剛性が低下してしまう。従って、羽部60aの数は軸線方向に5〜10個程度が望ましい。
また本実施例では現像剤搬送ベルト60を1枚の樹脂シートを所定形状にプレスし、その後端部同士を溶着することで無端形状としているが、軸線方向で複数の樹脂シートで構成しても良い。
次に、収容室28aから現像室28bにトナーを供給するためのトナー搬送手段について、図1を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、現像装置4には、現像ローラ21、トナー供給ローラ30、現像ブレード31を収容する現像室28bと、この現像室28bの下方に配置され、現像室28bに供給されるトナーTを収容する収容室28aを有する。現像室28bと収容室28aの間には、収容室28aから現像室28bにトナーを供給するための供給開口28eを有する。
収容室28a内には、現像剤搬送ベルト60が駆動ローラ61及び従動ローラ62,69により図中矢印P方向に回転可能に支持されている。
現像剤搬送ベルト60の回転が進むと、羽部60aはその先端を現像枠体28及び蓋部材50の内壁に摺擦させながら収容室28a内のトナーを現像室28bまで搬送する。羽部60aに搬送されたトナーは蓋部材50に当接しながら上方に移動する。その際、羽部60aはベルトの回転方向(矢印P方向)に対して上流側に傾斜するように設定されているのでより多くのトナーを搬送できる。この羽部60aの状態は、羽部60aが蓋部材50に当接している間、つまり、従動ローラ62近傍から駆動ローラ61近傍へと移動するまで維持される。従って、収容室28aの下端で、羽部60a間に保持されたトナーは、現像剤搬送ベルト60の回転に伴い収容室28aの上端まで搬送される。
収容室28aの上端まで搬送されたトナーは、羽部60aが、蓋部材50との当接状態が解放され、現像剤搬送ベルト60の進行方向が鉛直方向下方に変わるに伴い、保持していたトナーを現像室28bに受け渡す。現像室28b内に搬送されるトナーが現像室28b内の容量を超えた場合には、供給開口28eを介して収容室28a内に戻される。この際に、現像剤搬送ベルト60には開口60bが設けられている為、その開口60bを介して落下させることができる。
先述したように現像剤搬送ベルト60を張架している駆動ローラ61及び従動ローラ62,69は、各々肉抜き部61d,62d,69dを設けている。これにより、現像剤搬送ベルト60と駆動ローラ61及び従動ローラ62,69との間に挟まったトナーを、一端肉抜き部61d,62d,69d内に落下させ、その後開口60bを介して落下させることができる。図3、図4に示すように、現像剤搬送ベルト60が有する開口60bは長手方向(軸線方向)で各ローラの肉抜き部61d,62d,69dと重なっているので、上記のように落下させることができる。以上、ベルト−ローラ間に挟まったトナーにより各ローラの摩擦抵抗が上昇するのを抑えることができる。
先述したように現像剤搬送ベルト60は駆動ローラ61の鉛直方向下方で現像枠体28の当接部28cに当接している。従って、羽部60aが搬送してきたトナーを効率よく現像室28bに運ぶことができる。仮に当接部28cが無い場合、搬送したトナーの一部が再び収容室28aに持ち帰ることが考えられる。それに対し、当接部28cを設けたことで、羽部60aが当接部28cにより折り畳まれる動作を利用してトナーを運ぶことができる。
以上説明したように、本実施例によれば、現像室28b内に安定したトナーの供給を行うことが可能な現像装置、プロセスカートリッジを提供できる。
〔実施例2〕
実施例2に係るカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジという)について説明する。
なお、現像装置の詳細な構成を除く、画像形成装置の全体構成及びカートリッジの構成は、前述した実施例と同様であるため、図5及び図6に示すように同等の機能を有する部材には同一符号を付し、説明を省略する。図5は実施例2に係る画像形成装置100の主断面図である。図6はトナーTを収納した、実施例2に係るカートリッジ7の主断面図である。
(現像装置の詳細な構成の説明)
本実施例に係る現像装置の詳細な構成について説明する。本実施例においては、現像装置4は、トナー搬送手段として、現像剤搬送ベルト60と現像室28bのトナー搬送シート部材80と、収容室28aのトナー落下シート部材90を用いている。本実施例の現像装置のトナー搬送シート部材80とトナー落下シート部材90と現像剤搬送ベルト60の構成を組立の順に沿って図7〜図9を用いて説明を行う。図7〜図9は、現像装置4の組立について示した図であるが、説明のため本発明に関わる部分のみの記載し、他については省略する。
図7は、現像枠体28にトナー搬送シート部材80とDアゴ部材51を組み立てる組立説明図である。図7に示すように、トナー搬送シート部材80は、穴部80a1,80a2,80a3を有し、現像枠体28のボス28k1,28k2,28k3に嵌入させる。その後、ボス28k1,28k2,28k3の先端を熱かしめすることで、トナー搬送シート部材80の抜け止めを行う(図5参照)。トナー搬送シート部材80を組み立て後、現像枠体28の面28L1,28L2にDアゴ部材51の面51a1,51a2を溶着又は接着することで、現像枠体28にDアゴ部材51を一体化する。
図8は、現像枠体28内にトナー落下シート部材90を組み立てる組立説明図である。図8に示すように、トナー落下シート部材90は、穴部90a1,90a2,90a3を有し、現像枠体28のボス28m1,28m2,28m3に嵌入させる。その後、ボス28k1,28k2,28k3の先端を熱かしめすることで、抜け止めを行う(図5参照)。前記トナー搬送シート部材80と前記トナー落下シート部材90の材質は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の樹脂シートを用いるのが良い。
次に、図9(a)及び図9(b)は駆動ローラと従動ローラを現像剤搬送ベルトに組み立てる組立説明図である。図10(a)及び図10(b)は、現像剤搬送ベルト等からなるトナー搬送手段を収容室内に組み立てる組立説明図である。図11(a)は、現像剤搬送ベルトが緩んだ状態を説明する断面図である。図11(b)は、現像剤搬送ベルトの張架状態を説明する断面図である。図12(a)及び図12(b)は、従動ローラの固定手段を説明する斜視図である。
まず、図9(a)に示すように、無端状の現像剤搬送ベルト60に駆動ローラ61と従動ローラ62を挿入する。前記現像剤搬送ベルト60は、トナーを搬送及び撹拌する羽部60aを一体的に形成している(図5参照)。図9〜図11は、複数の羽部60aを省略している。羽部60aの詳細については後述するため、ここでは説明を省略する。前記現像剤搬送ベルト60の材質は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の樹脂シートを用いるのが良い。前記駆動ローラ61は、両端にスプロケット61aを有し、前記現像剤搬送ベルト60の両端の穴部60cに係合させることによって、前記駆動ローラ61の駆動力を前記現像剤搬送ベルト60に伝える。図9(b)に示すように、前記従動ローラ62は、支持部材66によって回転自在に軸支され、前記支持部材66の軸部66aに前記従動ローラ62を挿入する。その後、軸端部66cを軸部66a1に固定することで、軸端部66b,66cによって長手規制される。
次に、前記駆動ローラ61の組み付けを説明する。図10(a)示すように、前記駆動ローラ61の長手方向の一方の端部は、前記蓋部材50の外側から、軸穴50cを通して駆動ローラ軸63により軸支される。ここで、駆動ローラ61と駆動ローラ軸63の結合は、駆動ローラ61の一方の端部に設けられた2方取り穴61bと駆動ローラ軸63の2方取り軸63aが嵌合し、駆動ローラ61の固定部(不図示)に駆動ローラ軸63の抜け止め爪63bが掛かることで行う。また、駆動ローラ軸63と軸穴50cの間にはシール部材64が設けられている。シール部材64は、トナーが蓋部材50の軸穴50cから漏れることを防いでいる。
また、図10(b)に示すように、前記駆動ローラ61の長手方向の他方の端部には、端軸61cが設けられている。そして、前記駆動ローラ61は、端軸61cを蓋部材50の溝部50dに落とし込み、現像枠体28の押さえ部28n1によって抜け止めされ、回転自在に軸支される。前記端軸61cを軸支する前記溝部50dの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。駆動ローラ軸63は、ギア部63cが一体的に形成され、ギア列を有する駆動力伝達手段(不図示)から伝達された駆動力を前記駆動ローラ61に伝達する。
次に、前記従動ローラ62の組み付けを説明する。図9(b)に示すように、前記従動ローラ62は、前記支持部材66によって回転自在に軸支される。図10(a)に示すように、前記支持部材66の長手方向の一方の端部は、前記蓋部材50の外側から、軸穴50eを通して従動ローラ軸65により軸支される。ここで、前記支持部材66の結合は、端部に設けられた2方取り穴66b1と前記従動ローラ軸65の2方取り軸65aが嵌合し、前記支持部材66の固定部(不図示)に従動ローラ軸65の抜け止め爪(不図示)が掛かることで行う。また、前記従動ローラ軸65と軸穴50eの間にはシール部材64が設けられている。前記シール部材64は、トナーが蓋部材50の軸穴50eから漏れることを防いでいる。
一方、図10(b)に示すように、前記支持部材66の長手方向の他方の端部は、前記支持部材66の前記軸端部66cの端軸66c1によって軸支される。そして、前記端軸66c1を蓋部材50の溝部50fに落とし込み、現像枠体28の押さえ部28n2によって抜け止めされ、回転自在に軸支される。前記端軸66c1を軸支する溝部50fの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。
図9(a)に示すように、前記従動ローラ62を支持する前記支持部材66の軸部66aの軸線Fと、前記支持部材66の軸端部66bの2方取り穴66b1の中心と前記軸端部66cの端軸66c1の中心を結んだ軸線Gをずらして設定している。これにより、前記従動ローラ軸65を回転させると、前記従動ローラ62は、前記軸線Gを回転中心として揺動可能となる。
更に、図11の断面図で説明する。図11(a)は、現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態を示す断面図である。図11(b)は、現像剤搬送ベルト60が張架状態を示す断面図である。前記従動ローラ62を矢印H方向へ回転すると、前記従動ローラ62が揺動し、前記現像剤搬送ベルト60が前記駆動ローラ61との間で張架される。前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態の時に、前記駆動ローラ61の両端のスプロケット61aから前記現像剤搬送ベルト60の両端の穴部60cとの係合が外れないように、蓋部材50にリブ50hを配置する。前記リブ50hは、前記駆動ローラ61の両端のスプロケット61a近傍に配置し、且つ前記前記現像剤搬送ベルト60の羽部60aと開口60bを避ける長手位置に配設する。
図12は、従動ローラの固定手段の構成を説明する斜視図である。図12(a)は、前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態で付勢された形態を説明する斜視図である。図12(b)は、前記現像剤搬送ベルト60が張架状態で付勢された形態を説明する斜視図である。また、図12は、現像枠体28と蓋部材50が溶着等により、結合された状態を示す。前記従動ローラ軸65のボス65dと前記現像枠体28のボス28pに付勢手段である引張りバネ67を掛ける。これにより、前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態では、前記従動ローラ62が前記蓋部材50の内面50j(図11(a)参照)に付勢される。また、従動ローラ軸65を図中矢印H方向へ回転すると、現像枠体28のボス28pの中心と従動ローラ軸65の回転中心を結んだ軸線Iを、従動ローラ軸65のボス65dが通過した時から、引張りバネ67の付勢力により現像剤搬送ベルト60が張架される。この構成では、前記現像剤搬送ベルト60の公差による周長のバラツキを吸収できるので、確実に張架可能となる。
次に、図13を用いて、前記現像剤搬送ベルト60の駆動伝達手段について説明する。図13は、現像剤搬送ベルト60の駆動伝達手段を説明する現像装置4の側面図である。現像装置4の長手方向の一端部にある被駆動ギア71は、画像形成装置100の駆動ギア(不図示)と噛み合うことで、駆動モータ(不図示)の駆動力が矢印J方向に伝達される。被駆動ギア71と噛み合うアイドラギア72を通して、現像ローラギア21aとトナー供給ローラギア30aは夫々矢印B、C方向に駆動力が伝達される。一方、被駆動ギア71と噛み合うアイドラギア73,74によって、駆動ローラ軸63のギア部63cに駆動力が矢印O方向に伝達される。これにより、前記現像ローラ21と前記トナー供給ローラ30と前記現像剤搬送ベルト60に駆動が伝達される。
次に、収容室28aから現像室28bにトナーを供給するためのトナー搬送手段について、図14〜図16を用いて詳細に説明する。
図14は、前記現像剤搬送ベルト60の羽部60aが、前記トナー搬送シート部材80と前記トナー落下シート部材90に当接する直前の状態を説明する説明図である。図15は、前記現像剤搬送ベルト60の羽部60aが、前記トナー搬送シート部材80と前記トナー落下シート部材90に当接した状態を説明する説明図である。図16は、前記現像剤搬送ベルト60の羽部60aが、前記トナー搬送シート部材80と前記トナー落下シート部材90から離接(当接解除)した状態を説明する説明図である。
図14に示すように、現像装置4には、現像ローラ21、トナー供給ローラ30、現像ブレード31を収容する現像室28bと、この現像室28bの下方に配置され、現像室28bに供給されるトナーTを収容する収容室28aが設けられている。また、現像枠体28に取り付けられる蓋部材50には、複数の羽部60aを有する現像剤搬送ベルト60が設けられている。現像室28bと収容室28aの間には、収容室28aから現像室28bにトナーを供給するための供給開口60bと、現像室28bから収容室28aにトナーを戻すための排出開口28fが設けられている。排出開口28fは、供給開口28eより鉛直方向下方に設けられている。この供給開口28eの下側の供給開口端面28e1は、前記トナー供給ローラ30と前記トナー搬送シート部材80のニップ部Eよりも、上方に配置される。更に説明すると、トナー供給ローラ30の下方にトナー搬送シート部材80を有し、前記トナー搬送シート部材80を、前記供給開口28e(供給開口側)から前記排出開口28f(排出開口側)に向かって傾斜する傾斜面(傾斜部)28qに取り付ける。また、トナー搬送シート部材80の一方の端部である先端部80bは、前記供給開口28eの下側の供給開口端面28e1から突出するように設定されている。トナー搬送シート部材80の他方の端部は、傾斜面28qの端面28rから突出し、トナー供給ローラ30と当接するニップ部Eより先に延伸し、前記排出開口28f上に曲げ部80cを有する。図7を用いて説明したように、トナー搬送シート部材80は、穴部80aを現像枠体28のボス28kに嵌入した後、ボス28kの先端を熱カシメすることにより、抜け止めする。これによって、トナー搬送シート部材80はボス28kの熱カシメ部と現像枠体28の傾斜面28qの間で移動可能に配設される。前記トナー搬送シート部材80の先端部80bは、後述する現像剤搬送ベルト60の羽部60aと当接するように配置する。
また、前述したように、収容室28a内にトナー落下シート部材90を有する。トナー落下シート部材90は、収容室28aの下部に、前記排出開口28f(排出開口側)から前記供給開口28e(供給開口側)に向かって傾斜する底面(傾斜部)28sに取り付けられている。図8を用いて説明したように、トナー落下シート部材90は、穴部90aを有し、現像枠体28のボス28mに嵌入させる。その後、ボス28kの先端を熱かしめすることで、抜け止めを行う。これによって、トナー落下シート部材90はボス28mの熱カシメ部と現像枠体28の底面28sの間で移動可能に配設される。前記トナー落下シート部材90の傾斜方向の下端部である先端90bは、現像枠体28の底面28sの端部28s1から突出する。また、トナー落下シート部材90の先端90bは、後述する現像剤搬送ベルト60の羽部60aと当接するように配置する。従って、現像剤搬送ベルト60が回転することにより、羽部60aがトナー落下シート部材90の先端90bに当接、当接解除する。
収容室28a内には、現像剤搬送ベルト60が駆動ローラ61及び従動ローラ62により図中矢印P方向に回転可能に支持されている。現像剤搬送ベルト60には、現像装置4の長手方向に略水平に延びる複数の羽部60aが形成されている。この複数の羽部60aの短手方向の幅uは、現像剤搬送ベルト60と蓋部材50の内面50j(図11(a)参照)とで形成される幅vより長くなるように設定されている。
羽部60aはベルトの回転方向(矢印P方向)に対して傾斜するように設定されている(羽部60a1の状態)。この状態から現像剤搬送ベルト60が回転移動すると、羽部60aは、収容室28aの下端である従動ローラ62近傍にて、トナー落下シート部材90に当接し、進行方向とは逆方向に傾斜する(羽部60a2の状態)。
さらに現像剤搬送ベルト60の回転が進むと、羽部60aは進行方向とは逆の傾斜を維持したまま、トナー落下シート部材90に当接した状態から、蓋部材50に当接した状態へ受け渡される(羽部60a3の状態)。
この羽部60aの状態は、羽部60aが蓋部材50に当接している間、つまり、従動ローラ62近傍から駆動ローラ61近傍へと移動するまで維持される。従って、収容室28aの下端で、羽部60a間に保持されたトナーは、現像剤搬送ベルト60の回転に伴い収容室28aの上端まで搬送される。
収容室28aの上端まで搬送されたトナーは、羽部60aが、蓋部材50との当接状態が解放されるに伴い、現像剤搬送ベルト60の進行方向と逆方向に保持されていた傾斜が解放され、再び進行方向への傾斜(羽部60a1の状態)へ戻る。この解放時の弾性力により、羽部60a(羽部60a4の状態)上のトナーが、トナー搬送シート部材80上に受け渡される。
ここで、羽部60aが現像枠体28に当接していない自然状態での傾斜(羽部60a1における傾斜)は、現像剤の安息角よりも大きく設定されている。そのため、羽部60aと蓋部材50との当接状態が解放された後は、羽部60a上のトナーは、羽部60a上に残ることなく現像室28bへと供給される。
次に、図15は、図14に示した現像剤搬送ベルト60の回転から矢印P方向に移動した状態を示している。現像剤搬送ベルト60の羽部60a(羽部60a5の状態)は、トナー搬送シート部材80の先端部80bに当接し、トナー搬送シート部材80を撓ませる。また、収容室28a内では、現像剤搬送ベルト60の羽部60a(羽部60a6の状態)は、トナー落下シート部材90の先端90bに当接し、トナー落下シート部材90を撓ませる。
次に、図16は、図15に示した現像剤搬送ベルト60の回転から更に矢印P方向に移動した状態を示している。現像剤搬送ベルト60の羽部60aは、トナー搬送シート部材80の先端部80bから離接(当接解除)した状態にある。トナー搬送シート部材80は弾性を有し、前述の撓んだ状態から解放されたことにより、弾性力により振動し、トナー搬送シート部材80上のトナーを供給ローラ方向に搬送する。トナー供給ローラ30のニップ部Eの上流側に溜まったトナーは、ニップ部Eでトナー供給ローラ30に塗布され、更に現像ローラ21に供給される。
この際、トナー搬送シート部材80に伝わる振動により、現像剤搬送ベルト60からトナー搬送シート部材80上に搬送されたトナーは、確実にトナー供給ローラ30へ供給される。また、傾斜面28qはトナーの安息角よりも小さく設定できるため、現像室28bの高さ方向の大きさを抑えることが可能である。
また、トナー搬送シート部材80が振動する際に、トナー供給ローラ30とトナー搬送シート部材80のニップ部Eが離接し、微小な隙間wが生じる。これにより、余分なトナーが隙間wをすり抜け、ニップ部Eの下流側に移動する。この移動したトナーは、ニップ部Eの下流側とトナー搬送シート部材80の曲げ部80cに貯まる。この曲げ部80cにトナーが貯まることによって、ニップ部Eの上流側にトナーが少ない場合は、この曲げ部80cに貯まったトナーをトナー供給ローラ30に塗布する。更に、ニップ部Eの下流側と曲げ部80cの間にトナーが多量に貯まると、排出開口28fから収容室28aにトナーを戻す。
前述した余分なトナーとは、低印字で画出しを連続的に行った場合、現像ローラ21から現像されるトナー量が少ないため、トナー供給ローラ30とトナー搬送シート部材80のニップ部Eの下流部に貯まった循環しないトナーのことを言う。
また、収容室28a内の現像剤搬送ベルト60の羽部60aは、トナー落下シート部材90の先端90bから離接(当接解除)する。トナー落下シート部材90は撓んだ状態から解放されたことにより、弾性力により振動し、トナー落下シート部材90上のトナーを現像剤搬送ベルト60方向に搬送する。
以上のように、収容室28a内のトナーは、現像剤搬送ベルト60の羽部60aと現像枠体28または蓋部材50の間にできる空間に保持され搬送される。よって、トナーは、収容室28aから現像室28bに空間のトナー量分だけ少量ずつ汲み上げられる。そして、トナー搬送シート部材80に受け渡す。トナー搬送シート部材80は、現像剤搬送ベルト60の羽部60aと当接することによって、振動し、トナー搬送シート部材80とトナー供給ローラ30のニップ部Eにトナーを搬送する。そして、トナー供給ローラ30のニップ部Eの上流側に溜まったトナーは、ニップ部Eでトナー供給ローラ30に塗布され、更に現像ローラ21に供給される。
また、トナー搬送シート部材80の振動により、ニップ部Eが離接するので、余分なトナーが排出開口28fから収容室28aに戻る。すなわち、現像に必要な量だけ現像ローラ21に供給され、余分なトナーは再び現像室28bに回収される。つまり、トナーは収容室28aと現像室28bとの間を循環する構成となっている。
以上説明したように、本実施例によれば、現像室内のトナー量が所定の量より多くなった場合に、トナー搬送シート部材の振動により、前記ニップ部が離接するので、余分なトナーを排出開口から収容室に戻すことができる。よって、現像室内のトナー量を一定量以下に保つことができ、現像室内におけるトナーのパッキングを防止することができる。
すなわち、本実施例によれば、現像室内のトナーのパッキングを防止し、トナー供給ローラへ安定したトナーの供給を行うことができる。そして、ベタ濃度の安定性を改善し、高品位な画像を供給することが可能な現像装置、プロセスカートリッジを提供することができる。
〔実施例3〕
実施例3に係るカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジという)について説明する。
なお、現像装置の詳細な構成を除く、画像形成装置の全体構成及びカートリッジの構成は、前述した実施例と同様であるため、図17及び図18に示すように同等の機能を有する部材には同一符号を付し、説明を省略する。図17は実施例3に係る画像形成装置100の主断面図である。図18はトナーTを収納した、実施例2に係るカートリッジ7の主断面図である。
(現像装置の詳細な構成の説明)
次に、現像装置において、収容室28aから現像室28bにトナーを供給するための供給手段について図19(a)及び図19(b)を用いて詳細に説明する。
現像装置4は、上述したように、現像室28bと収容室28aを有する現像枠体28及び蓋部材50から構成される。現像室28bは、現像ローラ21、トナー供給ローラ30、現像ブレード31を収容する。収容室28aは、現像室28bの下方に配置され、現像室28bに供給されるトナーTと現像剤搬送ベルトを収容する。現像室28bと収容室28aの間には、第一隔壁28hと、第二隔壁28dが設けられる。そして、第一隔壁28hには供給開口28eが設けられ、第二隔壁28dには排出開口28fが設けられている。この供給開口28eの下側の供給開口端面28e1は、トナー供給ローラ30の鉛直方向における最下点(トナー搬送シート部材80とのニップ部)Eよりも、上方に配置される。収容室28aには、トナーTを現像室28bへ供給する供給手段として、現像剤搬送ベルト60が配置され、不図示の駆動手段により矢印P方向に回転駆動される。
次に、現像剤搬送ベルト60の構成を組立の順に沿って図20、図21及び図9、図12を用いて説明を行う。図20、図21及び図9、図12は、現像装置4の組立について示した図であるが、説明のため本実施例に関わる部分のみ記載し、他については省略する。図9は、駆動ローラと従動ローラを現像剤搬送ベルトに組み立てる組立説明図である。図20は、現像剤搬送ベルト等からなるトナー搬送手段を収容室内に組み立てる組立説明図である。図21は、現像剤搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図である。図12は、従動ローラの固定手段を説明する斜視図である。
まず、図9(a)に示すように、無端状の現像剤搬送ベルト60に駆動ローラ61と従動ローラ62を挿入する。前記現像剤搬送ベルト60は、トナーが挿通可能な複数の開口とトナーを搬送及び撹拌する羽部を一体的に形成しているが、詳細については後述するため、ここでは説明を省略する。前記現像剤搬送ベルト60の材質は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の樹脂シートを用いるのが良い。前記駆動ローラ61は、両端にスプロケット61aを有し、前記現像剤搬送ベルト60の両端の穴部60cに係合させることによって、前記駆動ローラ61の駆動力を前記現像剤搬送ベルト60に伝える。図9(b)に示すように、前記従動ローラ62は、支持部材66によって回転自在に軸支され、前記支持部材66の軸部66aに前記従動ローラ62を挿入する。その後、軸端部66cを軸部66a1に固定することで、軸端部66b,66cによって長手規制される。
次に、前記駆動ローラ61の組み付けを説明する。図20(a)示すように、前記駆動ローラ61の長手方向の一方の端部は、前記蓋部材50の外側から、軸穴50cを通して駆動ローラ軸63により軸支される。ここで、駆動ローラ61と駆動ローラ軸63の結合は、駆動ローラ61の一方の端部に設けられた2方取り穴61bと駆動ローラ軸63の2方取り軸63aが嵌合し、駆動ローラ61の固定部(不図示)に駆動ローラ軸63の抜け止め爪63bが掛かることで行う。また、駆動ローラ軸63と軸穴50cの間にはシール部材64が設けられている。シール部材64は、トナーが蓋部材50の軸穴50cから漏れることを防いでいる。
また、図20(b)に示すように、前記駆動ローラ61の長手方向の他方の端部には、端軸61cが設けられている。そして、前記駆動ローラ61は、端軸61cを蓋部材50の溝部50dに落とし込み、現像枠体28の押さえ部28n1によって抜け止めされ、回転自在に軸支される。前記端軸61cを軸支する前記溝部50dの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。駆動ローラ軸63は、ギア部63cが一体的に形成され、ギア列を有する駆動力伝達手段(不図示)から伝達された駆動力を前記駆動ローラ61に伝達する。
次に、前記従動ローラ62の組み付けを説明する。図9(b)に示すように、前記従動ローラ62は、前記支持部材66によって回転自在に軸支される。図20(a)に示すように、前記支持部材66の長手方向の一方の端部は、前記蓋部材50の外側から、軸穴50eを通して従動ローラ軸65により軸支される。ここで、前記支持部材66の結合は、端部に設けられた2方取り穴66b1と前記従動ローラ軸65の2方取り軸65aが嵌合し、前記支持部材66の固定部(不図示)に従動ローラ軸65の抜け止め爪(不図示)が掛かることで行う。また、前記従動ローラ軸65と軸穴50eの間にはシール部材64が設けられている。前記シール部材64は、トナーが蓋部材50の軸穴50eから漏れることを防いでいる。
一方、図20(b)に示すように、前記支持部材66の長手方向の他方の端部は、前記支持部材66の前記軸端部66cの端軸66c1によって軸支される。そして、前記端軸66c1を蓋部材50の溝部50fに落とし込み、現像枠体28の押さえ部28n2によって抜け止めされ、回転自在に軸支される。前記端軸66c1を軸支する溝部50fの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。
また図9(a)に示すように、前記従動ローラ62を支持する前記支持部材66の軸部66aの軸線Fと、前記支持部材66の軸端部66bの2方取り穴66b1の中心と前記軸端部66cの端軸66c1の中心を結んだ軸線Gをずらして設定している。これにより、前記従動ローラ軸65を回転させると、前記従動ローラ62は、前記軸線Gを回転中心として揺動可能となる。
更に、図21の断面図で説明する。図21(a)は、現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態を示す断面図である。図21(b)は、現像剤搬送ベルト60が張架状態を示す断面図である。前記従動ローラ62を矢印H方向へ回転すると、前記従動ローラ62が揺動し、前記現像剤搬送ベルト60が前記駆動ローラ61との間で張架される。前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態の時に、前記駆動ローラ61の両端のスプロケット61a(図9(a))から前記現像剤搬送ベルト60の両端の穴部60cとの係合が外れないように、蓋部材50の内面にリブ50hを配置する。前記リブ50hは、前記駆動ローラ61の両端のスプロケット61a近傍に配置する。
図12は、従動ローラの固定手段の構成を説明する斜視図である。図12(a)は、前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態で付勢された形態を説明する斜視図である。図12(b)は、前記現像剤搬送ベルト60が張架状態で付勢された形態を説明する斜視図である。また、図12は、現像枠体28と蓋部材50が溶着等により、結合された状態を示す。前記従動ローラ軸65のボス65dと前記現像枠体28のボス28iに付勢手段である引張りバネ67を掛ける。これにより、前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態では、前記従動ローラ62が前記蓋部材50の内面に付勢される。また、従動ローラ軸65を図中矢印H方向へ回転すると、現像枠体28のボス28pの中心と従動ローラ軸65の回転中心を結んだ軸線Iを、従動ローラ軸65のボス65dが通過した時から、引張りバネ67の付勢力により現像剤搬送ベルト60が張架される。この構成では、前記現像剤搬送ベルト60の公差による周長のバラツキを吸収できるので、確実に張架可能となる。
次に、現像装置4のトナー搬送構成について、図19(a)及び図19(b)用いて詳細に説明する。
まず、図19(a)に示すように、収容室28a内には、現像剤搬送ベルト60が駆動ローラ61及び従動ローラ62により図中矢印P方向に回転可能に支持されている。現像剤搬送ベルト60には、現像装置4の長手方向に略水平に延びる複数の羽部60aが形成されている。この複数の羽部60aの短手方向の幅uは、現像剤搬送ベルト60と蓋部材50の内面50jとで形成される幅vより長くなるように設定されている。
羽部60aはベルトの回転方向(矢印P方向)に対して傾斜するように設定されている(羽部60a1の状態)。この状態から現像剤搬送ベルト60が回転移動すると、羽部60aは、収容室28aの下端である従動ローラ62近傍にて、トナー落下シート部材90に当接し、進行方向とは逆方向に傾斜する(羽部60a2の状態)。
さらに現像剤搬送ベルト60の回転が進むと、羽部60aは進行方向とは逆の傾斜を維持したまま、トナー落下シート部材90に当接した状態から、蓋部材50に当接した状態へ受け渡される(羽部60a3の状態)。
この羽部60aの状態は、羽部60aが蓋部材50に当接している間、つまり、従動ローラ62近傍から駆動ローラ61近傍へと移動するまで維持される。従って、収容室28aの下端で、羽部60a間に保持されたトナーは、現像剤搬送ベルト60の回転に伴い収容室28aの上端まで搬送される。
収容室28aの上端まで搬送されたトナーは、羽部60aが、蓋部材50との当接状態が解放されるに伴い、自重により供給開口28eを通して現像室28bに搬送される。この際、羽部60aは、現像剤搬送ベルト60の進行方向と逆方向に保持されていた傾斜が解放され、再び進行方向への傾斜(羽部60a1の状態)へ戻る。この際の弾性力により、羽部60a(羽部60a4の状態)上のトナーが、トナー搬送シート部材80上に受け渡され、トナーの現像室28b側への移動が促進される。現像室28bに搬送された現像剤は、トナー供給ローラ30に供給され、その後、現像ローラ21へと順次供給される。
ここで、羽部60aが現像枠体28に当接していない自然状態での傾斜(羽部60a1における傾斜)は、現像剤の安息角よりも大きく設定されている。そのため、羽部60aと蓋部材50との当接状態が解放された後は、羽部60a上のトナーは羽部60a上に残ることなく現像室28bへと供給される。
ここで、現像室28bを形成する第三隔壁28gには、トナー搬送シート部材80が取り付けられている。このトナー搬送シート部材80は、弾性シートで形成されており、シート上端側に設けられた穴部が、第三隔壁28gに設けられたボス28kに嵌入することで保持される。このトナー搬送シート部材80は、現像剤搬送ベルト60の回転に伴い、羽部60aと干渉するとともに、現像剤搬送ベルト60の弾性力より、弱い弾性力を有する。このため、現像剤搬送ベルト60とトナー搬送シート部材80が干渉した際は、図19(b)に示すようにトナー搬送シート部材80は自身の弾性により撓むこととなる。さらに、現像剤搬送ベルト60の回転が進むと、トナー搬送シート部材80は現像剤搬送ベルト60との干渉が解消され、弾性力により図19(a)に示す状態に戻る。この際、トナー搬送シート部材80に伝わる振動により、現像剤搬送ベルト60からトナー搬送シート部材80上に搬送されたトナーは、確実にトナー供給ローラ30へ供給される。また、第三隔壁28gはトナーの安息角よりも小さく設定できるため、現像室28bの高さ方向の大きさを抑えることが可能である。そして、トナーは順次、トナー供給ローラ30から現像ローラ21へと供給される。一方、トナー供給ローラ30及び現像ローラ21に必要量以上のトナーは、排出開口28fを通して、収容室28aに回収される。
以上のように、収容室28a内のトナーは、現像剤搬送ベルト60により羽部60a間に保持されるトナー量分だけ少量ずつ保持されながら搬送され、かつ現像室28bに供給される。そして現像に必要な量だけ現像ローラに供給された後は、余分なトナーは再び現像室28bに回収される。つまり、収容室28aと現像室28bとの間を循環する構成となっている。
(残量検知構成の説明)
次に、収容室28a内のトナー量の検知手段について、図17及び図22〜図24を用いて説明する。図22は、現像装置4を蓋部材50側から見た斜視図である。図23は、現像剤搬送ベルト60の構成及び残量検知手段を示す、図22と同じ視点から見た斜視図であり、便宜上、他の部品は不図示としている。図24は、現像装置4を図22における一点鎖線で切断した断面図である。
まず、残量検知手段について説明する。図22に示すように、現像装置4の蓋部材50には発光素子82及び受光素子81が取り付けられている。図24に示すように、発光素子82は蓋部材50を貫通して取り付けらており、発光部82aが蓋部材50内部に設けた凹部50kに露出するように配置されている。受光素子81も同様に蓋部材50に配置され、図23に示すように、受光部81aが発光部82aに対向するように構成されている。そして、画像形成装置100に設置された検知手段(不図示)からの光を発光素子82が受けて、蓋部材50の凹部50kを通して受光素子81が光を受け取り、再び本体側検知手段が光を受け取ることが一連の検知動作となる。
一方、図23(a)に示すように、本実施形態においては、現像剤搬送ベルト60に設けられた羽部60aのうち、少なくとも一か所に、V字形状の羽部60dが形成されている。このV字形状の羽部60dの長手方向(軸線方向)の中央部には、穴部60eが形成されている。現像剤搬送ベルト60が回転動作を行った場合、このV字形状の羽部60dにおいて、収容室28a内のトナーは図23(a)、図24(a)に示す斜線部の状態に保持される。この状態で、例えば、トナーの剤面が図24(a)中のT2の位置にあった場合、現像剤搬送ベルト60の回転が進むと穴部60eからトナーが現像剤搬送ベルト60の内部空間68に排出される(図24(b)参照)。これにより、V字形状の羽部60dで保持しているトナー量(図23(a)の斜線部で示すトナー量)は減る。このため、図23(b)に示すように、残量検知手段である発光部82a及び受光部81a近傍に達するまでトナーのない状態が続き、受光部81aで光が受光可能となる。
一方、例えば収容室28a内のトナーの剤面がT3の位置にあった場合は、穴部60eが残量検知手段である発光部82a及び受光部81aの近傍に達するまで、穴部60eからトナーは排出されない。このため、図23(a)、図24(a)に斜線部で示すトナー量は変わらず、残量検知手段のある蓋部材50の凹部50kはトナーで満たされており、受光部81aは発光部82aからの光を受光できない。
以上より、収容室28a内のトナー量によりV字形状の羽部60dに保持されるトナー量が変化し、残量検知手段を通過する際のトナーの無い空間量が変わる。これにより、残量検知手段が設けられた蓋部材50の凹部50kがトナーで満たされない時間が変化するため、前述した残量検知手段により光の通過時間の変化を検知することで、収容室内のトナーの残量の変化を検出することが可能となる。
また、現像剤搬送ベルト60に設けられた少なくとも1つの羽部60dはV字形状であり、現像剤の搬送方向(現像剤搬送ベルト60の進行方向P)及び現像剤搬送ベルト60の長手方向に対して傾斜した傾斜面を有している。そのため、V字形状の羽部60dに保持されたトナーは、自重と合わせて、中央部の穴部60eに確実に寄せられる。なお、本実施例においては、穴部60eの長手方向の位置を中央部に設けたが、穴部60eに向かう傾斜面を設けていれば、長手方向の配置は中央部に関わらず同様の効果を得られる。
また、穴部60eが残量検知手段を通過する位置において、つまり残量検知タイミングを過ぎた時点で、現像剤搬送ベルト60に適宜設けられた開口60b(図17参照)が収容室28aを通過するように構成している。これにより、開口60bを通して、収容室28aと現像剤搬送ベルト60の内部空間68とのトナーの剤面が均一になるように構成している。
さらに、V字形状である羽部60dには、切れ込み60fが複数設けてあり、V字形状の羽部60dが現像剤搬送ベルト60の上、下端である駆動ローラ61及び従動ローラ62近傍を通過する際にも滑らかに動作するように構成している。なお、ここではV字形状の羽部60dの複数箇所に切れ込み60fを設けた構成を例示しているが、これに限定されるものではなく、切れ込みは少なくとも1つ設けられていればよい。
以上説明したように、本実施例においては、現像室28bの下方に収容室28aを配置した現像装置構成において、現像剤搬送ベルトを用いることでトナーの少量補給が可能となり、トナーの飛散を低減できるように構成できた。また、現像剤搬送ベルトと蓋部材内壁との空間で保持されるトナーを検知することで、発光部82aと受光部81aの間への飛散トナーの侵入を抑制し、より高精度なトナーの残量検知が可能となる。
〔実施例4〕
実施例4に係るカラー電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置という)及びプロセスカートリッジ(以下、カートリッジという)について説明する。
なお、現像装置の詳細な構成を除く、画像形成装置の全体構成及びカートリッジの構成は、前述した実施例と同様であるため、図25及び図26に示すように同等の機能を有する部材には同一符号を付し、説明を省略する。図26は実施例4に係る画像形成装置100の主断面図である。図25はトナーTを収納した、実施例4に係るカートリッジ7の主断面図である。また図27(a)及び図27(b)は、実施例4に係るカートリッジの現像装置付近の主断面図である。
なお、図27(a)に示すように、現像装置4において、トナー供給ローラ30は現像ローラ21との対向部で所定の接触部であるニップ部Nを形成するように配置されており、図中矢印C方向に回転している。ここで、トナー供給ローラ30は導電性芯金に発泡体層を形成した弾性スポンジローラである。
一方、現像ローラ21は導電性の芯金にトナー供給ローラのスポンジ層よりも硬いゴム層を形成したゴムローラである。このため、トナー供給ローラ30と現像ローラ21は、所定の侵入量、すなわち図27(a)中に示す、現像ローラ21によりトナー供給ローラ30が押しつぶされて形成される凹量ΔEをもって接触している。ニップ部Nにおいて、現像ローラ21とトナー供給ローラ30は相対的に逆方向(図27中、矢印B方向,及び矢印C方向)に回転している。これにより、トナー供給ローラ30は、現像ローラ21へのトナー供給とともに、現像残として残った現像ローラ21上のトナーの剥ぎ取りを行うこととなる。また前記ニップ部(接触部)Nの、前記トナー供給ローラ30の回転方向下流端が上流端より上方に位置するよう、前記現像ローラ21に対して前記トナー供給ローラ30を配置している。
(現像装置の詳細な構成の説明)
次に、収容室28aから現像室28bにトナーを供給するための供給手段について図25及び図27を用いて詳細に説明する。
前述したようなトナー供給ローラ30へのトナーの供給は、トナー供給ローラ30の回転方向下流側で現像ローラ21とトナー供給ローラ30とのニップ部Nの直後の場所(トナー貯留部95)に、トナーを搬送するのが最も効率が良い。それは、外周部に複数のセルを有する弾性層が設けられたトナー供給ローラ30において、ニップ部N直後はニップ部N内から出てくる弾性層が圧力から開放され、それに伴いセルが開く作用がある。このとき吸気が行われ、トナー供給ローラ30の弾性部へのトナーの吸い込みが行われる。従って、トナーをトナー供給ローラ30に効率的に保持させるには、この吸い込み部にトナーを直接送り込むのが好ましい。ここで、トナー供給ローラ30の弾性部とはトナー供給ローラ30の表面層であるスポンジ層であり、複数のセルとは前記スポンジ層の気泡部である。
以下に、トナー供給ローラ30と現像ローラ21のニップ部Nへの効率良いトナー供給について詳述する。本実施例においては、トナーの供給過剰を防止するための少量補給を行うことと、現像装置4の下方にある収容室28aから上方に配置された現像室28bへとトナーを汲み上げ供給するために、現像剤搬送ベルトを用いている。
上述したように、現像装置4には、上方に現像ローラ21、トナー供給ローラ30、現像ブレード31を有する現像室28bと、下方に現像室28bに供給されるトナーTと現像剤搬送ベルト60を収容する収容室28aが配置される。そして、現像室28b及び収容室28aは、現像枠体28、Dアゴ部材(第二現像枠体)51及び蓋部材50から構成される。現像室28bと収容室28aとの間には、隔壁28jが設けられさらに排出開口28fが形成される。収容室28aには、トナーTを現像室28bへ供給する供給手段として、現像剤搬送ベルト60が配置され、画像形成装置100からの駆動手段(不図示)により矢印P方向に回転駆動される。
次に、現像剤搬送ベルト60の構成をさらに詳細に説明するために、現像装置4の組立の順に沿って図28〜図9を用いて説明を行う。図28〜図33は、現像装置4の組立について示した図であるが、説明のため本実施に関わる部分のみ記載し、他については省略する。図28は駆動ローラと従動ローラを現像剤搬送ベルトに組み付ける組立説明図である。図29は、現像剤搬送ベルト等からなるトナー搬送手段を収容室内に組み付ける組立説明図である。図30は現像枠体に従動ローラを組み立てる組立説明図である。図31は現像剤搬送ベルトを現像装置に組み付ける組立説明図である。図32は、現像剤搬送ベルトが緩んだ状態と張架状態を説明する断面図である。図33は、従動ローラの固定手段を説明する斜視図である。
まず、図28(b)に示すように、無端状の現像剤搬送ベルト60に駆動ローラ61と従動ローラ62を挿入する。前記現像剤搬送ベルト60は、トナーを搬送及び撹拌する羽部(突起部)を一体的に形成しているが、詳細については後述するため、ここでは説明を省略(不図示)する。前記現像剤搬送ベルト60の材質は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の樹脂シートを用いるのが良い。前記駆動ローラ61は、両端にスプロケット61aを有し、前記現像剤搬送ベルト60の両端の穴部60cに係合させることによって、前記駆動ローラ61の駆動力を前記現像剤搬送ベルト60に伝える。
また図28(a)に示すように、前記従動ローラ62は、支持部材66によって回転自在に軸支され、前記支持部材66の軸部66aに前記従動ローラ62を挿入する。その後、軸端部66cを軸部66a1に固定することで、軸端部66b,66cによって長手方向に規制される。
次に、前記駆動ローラ61の組み付けを説明する。図29(a)示すように、前記駆動ローラ61長手方向の一端部は、前記蓋部材50の外側から、軸穴50cを通して駆動ローラ軸63により軸支される。ここで、駆動ローラ61と駆動ローラ軸63の結合は、駆動ローラ61の一方の端部に設けられた2方取り穴61bと駆動ローラ軸63の2方取り軸63aが嵌合し、駆動ローラ61の固定部(不図示)に駆動ローラ軸63の抜け止め爪63bが掛かることで行う。また、駆動ローラ軸63と軸穴50cの間にはシール部材64が設けられている。シール部材64は、トナーが蓋部材50の軸穴50cから漏れることを防いでいる。
また、図29(b)に示すように、前記駆動ローラ61長手方向の他方の端部には、端軸61cが設けられている。そして、前記駆動ローラ61は、端軸61cを蓋部材50の溝部50dに落とし込み、後述する現像枠体28の押さえ部28n1によって抜け止めされ、回転自在に軸支される。前記端軸61cを軸支する前記溝部50dの底面(不図示)は、U字またはV字の軸受形状である。駆動ローラ軸63は、ギア部63c(図29(a))が一体的に形成され、ギア列を有する駆動力伝達手段(不図示)から伝達された駆動力を前記駆動ローラ61に伝達する。
次に、前記従動ローラ62の組み付けを説明する。図28(b)に示すように、前記従動ローラ62は、前記支持部材66によって回転自在に軸支される。図29(a)に示すように、前記支持部材66長手方向の一方の端部は、前記蓋部材50の外側から、軸穴50eを通して従動ローラ軸65により軸支される。ここで、前記支持部材66の結合は、端部に設けられた2方取り穴66b1と前記従動ローラ軸65の2方取り軸65aが嵌合し、前記支持部材66の固定部(不図示)に従動ローラ軸65の抜け止め爪(不図示)が掛かることで行う。また、前記従動ローラ軸65と軸穴50eの間にはシール部材64が設けられている。前記シール部材64は、トナーが蓋部材50の軸穴50eから漏れることを防いでいる。
一方、図29(b)に示すように、前記支持部材66の長手方向の他端部は、前記支持部材66の前記軸端部66cの端軸66c1によって軸支される。そして、前記端軸66c1を蓋部材50の溝部50fに落とし込み、現像枠体28の押さえ部28n1によって抜け止めされ、回転自在に軸支される。前記端軸66c1を軸支する溝部50fの底面は、U字またはV字の軸受形状である。
また図28(a)、(b)に示すように、従動ローラ62を支持する支持部材66の軸部66aの軸線Fと、支持部材66の軸端部66bの2方取り穴66b1の中心と軸端部66cの端軸66c1の中心を結んだ軸線Gをずらして設定している。これにより、前記従動ローラ軸65を回転させると、前記従動ローラ62は、前記軸線Gを回転中心として揺動可能となる。
ここで、図29(b)に示す現像枠体28には現像剤搬送ベルトを張架する第二の従動ローラ70が組み付けられており、図30を用いて説明する。現像枠体28の長手方向の両端部には凹部28t,28uが設けられている。第二の従動ローラ75の両端部には軸部75a,75bが設けられており、この軸部75a,75bを凹部28t,28uに各々挿入することで、第二の従動ローラ75は現像枠体28に回転可能に軸支される。
次に、図29で説明した組付け状態で現像枠体28と蓋部材50を溶着等により結合する。(図31(a)参照)そしてこの状態において、現像剤搬送ベルト60の一端部60gの内側に第三の従動ローラ76を挿入する。さらに、現像枠体28に形成された凹部28v,28wに、第三の従動ローラ76の端部に設けられた軸部76a,76bを各々挿入し、図31(b)に示すように、Dアゴ部材51を図中矢印方向に取り付ける。これにより、第三の従動ローラ76の凹部28v,28wからの抜け止めとなる。
更に、図32の断面図で説明する。図32(a)は、現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態を示す断面図である。図32(b)は、現像剤搬送ベルト60の張架状態を示す断面図である。前記従動ローラ62を矢印H方向へ回転すると、前記従動ローラ62が揺動し、前記現像剤搬送ベルト60が前記駆動ローラ61との間で張架される。前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態の時に、前記駆動ローラ61両端のスプロケット61a(図28(a))から前記現像剤搬送ベルト60両端の穴部60cとの係合が外れないように、蓋部材50の底面にリブ50hを配置する。前記リブ50hは、前記駆動ローラ61の両端のスプロケット61a近傍に配置する。
図33は、図32を用いて説明した、現像剤搬送ベルト60を張架状態に保持するための従動ローラ62の固定手段の構成を説明する斜視図である。図33(a)は、前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態で付勢された形態を説明する斜視図である。図33(b)は、前記現像剤搬送ベルト60が張架状態で付勢された形態を説明する斜視図である。前記従動ローラ軸65のボス65dと前記現像枠体28のボス28pに付勢手段である引張りバネ67を掛ける。これにより、前記現像剤搬送ベルト60が緩んだ状態では、前記従動ローラ62が前記蓋部材50の内面に付勢される。また、従動ローラ軸65を図中矢印H方向へ回転すると、現像枠体28のボス28pの中心と従動ローラ軸65の回転中心を結んだ軸線Iを、従動ローラ軸65のボス65dが通過した時から、引張りバネ67の付勢力により現像剤搬送ベルト60が張架される。この構成では、前記現像剤搬送ベルト60の公差による周長のバラツキを吸収できるので、確実に張架可能となる。
次に、現像装置4のトナー搬送構成について、図25及び図27(a)、(b)を用いて詳細に説明する。まず、図25に示すように、収容室28a内には現像剤搬送ベルト60が配置され、駆動ローラ61、従動ローラ62、第二の従動ローラ75、及び第三の従動ローラ76により図中矢印P方向に回転可能に支持されている。現像剤搬送ベルト60は現像装置4の下端(従動ローラ62に支持される位置)から上端(駆動ローラ61に支持される位置)まで略鉛直方向上方に延びて配設されている。かつ現像剤搬送ベルト60は上端において現像室に向かって略直角に折れ曲がった形状に構成している。
前記現像剤搬送ベルト60の一端部は収容室28aの下端近傍に位置し、前記現像剤搬送ベルト60の他端部は現像室28bの上方でかつ前記ニップ部(接触部)Nの上方に位置している。
また、現像剤搬送ベルト60には、現像装置4の長手方向に略水平に延びる複数の羽部60aが形成されている。羽部60aはベルトの回転方向(矢印P方向)に対して略直交するように形成されている。現像剤搬送ベルト60が回転移動すると、羽部60aは、収容室28aの下端近傍である、従動ローラ62近傍にて、現像枠体28に近接する。そして、現像剤搬送ベルト60及び隣り合う羽部60a、さらに蓋部材50で囲まれる空間を形成しこの空間にトナーを保持する。この状態は、羽部60aが蓋部材50に近接している間、つまり、蓋部材50の内面50jに沿って従動ローラ62近傍から駆動ローラ61近傍へと移動するまで維持される。従って、収容室28aの下端で、羽部60a間に保持されたトナーは、現像剤搬送ベルト60の回転に伴い収容室28aの上端まで搬送される。さらに、駆動ローラ61部で現像剤搬送ベルト60は水平への移動に変わり、現像室28bへとトナーが搬送される。
次に、現像室28b付近まで搬送されたトナーは、図25に示すように、第三の従動ローラ76部において現像室28bに供給される。つまり、羽部60a間に保持されたトナーは、現像剤搬送ベルト60の回転に伴い、羽部60aが図中時計回りに回転することで現像室へと自重落下する。また、現像剤搬送ベルト60は、第三の従動ローラ76部で進行方向が180°回転するように構成されている。そのため、羽部60aは、鉛直上方から鉛直下方へと半回転し鉛直下方を向くこととなり、羽部60a間のトナーはトナー供給ローラ30と現像ローラ21のニップ部Nへ確実に供給される。
ここで、第三の従動ローラ76はトナー供給ローラ30と現像ローラ21のニップ部Nの上方に位置するように配置されている。また、羽部60aの傾斜が現像剤の安息角よりも大きくなる位置において羽部60aがニップ部へ向かう位置となるように、第三の従動ローラ76の位置を設定している。つまり、トナーの自重による落下により、ニップ部Nへ確実にトナーを供給できるようにしている。また、上述したように、羽部60aは最終的に鉛直下方に向くため、現像剤搬送ベルト60上のトナーは現像剤搬送ベルト60上にに残ることなく現像室28bへと供給される。
一方、現像室28bを形成する隔壁28jには、第三のシート部材77が取り付けられている。このシート部材77は、弾性シートで形成されており、シートの一端部が隔壁28jに固定され、他端部はトナー供給ローラに当接した状態で配置されている。シート部材(剥離部材)77は、トナー供給ローラ30と現像ローラ21との接触部(ニップ部N)よりトナー供給ローラ30の回転方向(矢印C方向)下流側にてトナー供給ローラ30に当接している。本実施例においては、現像剤搬送ベルト60を用いることにより、羽部60a間に保持された少量のトナーを逐次供給する構成としている。
しかしながら、ユーザが低印字の画像を連続して印刷した場合、トナー供給ローラ30と現像ローラ21との接触部(ニップ部)に蓄えられるトナー量が過剰となることが考えられる。本構成における適量のトナー供給量を、図27(a)、(b)に斜線部で示すトナー量(現像剤量)とした場合、それを超えるトナー量、例えば、図27(b)中に二点鎖線で示す余剰トナー部96までトナーが供給されたとする。このように現像剤搬送ベルト60により前記ニップ部Nに向けて供給されるトナー量が所定の量を超えた際に、前記シート部材77によってトナー供給ローラ30からトナーを剥離する。このシート部材によってその上方に剥離された余剰トナーは、現像剤搬送ベルト60の回転に伴いトナー供給を終えた羽部60aによって掻き取られて回収、搬送され、収容室28aへ回収される。従って、トナー供給ローラ30と現像ローラ21のニップ部Nには常に必要量以上のトナーは保持されない構成となっている。
ここで、図27に示す余剰トナー部96から余剰トナーを回収し、収容室28aへの搬送を終えた羽部60aは、現像剤搬送ベルト60が回転を続けると第二の従動ローラ75の位置で鉛直下方へ向かうように構成されている(図25参照)。この際、羽部60aは第二の従動ローラ75に乗り上げることとなるが、前述したように現像剤搬送ベルト60の材質は、エチレンテレフタレート(PET)やポリカーボネート(PC)やポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂等の樹脂シートを用いている。また、現像剤搬送ベルト60は張架状態であるため、羽部60aが第二の従動ローラ75と当接、乗り上げる際は樹脂シートの弾性により現像剤搬送ベルト60の進行方向後方に倒れ、現像剤搬送ベルト60と一体的に第二の従動ローラ75を通過することとなる。一方、本実施例においては、従動ローラ62による張架状態を安定させるために、第二の従動ローラ75を長手方向に対して一様な直径を有する円柱形状としている(図30参照)。しかし、従動ローラ62は、長手方向(軸線方向)において、羽部60aと長手方向でオーバーラップする部分の直径を端部の直径より小さくしてもよい。この場合、第二の従動ローラ75部を現像剤搬送ベルト60が通過する際の羽部60aのたわみが軽減されるため、よりスムーズに現像剤搬送ベルト60が回転可能となる。
そして、トナーは順次、現像ローラ21、感光体ドラムへと供給される。ここで、第二現像室28b2部においてトナー供給ローラ30あるいは現像ローラ21から落下したトナーについても排出開口28fを通して収容室に回収されるように構成している。そのため、現像室内でのパッキング等の発生は防止される。
また、本実施例においては、トナー供給ローラ30の上方で、現像に必要な量のトナーを補給する構成としている。そのため、現像ローラの下方でトナー供給ローラにトナーを圧着させる場合と比較して、トナーのパッキング等の発生が防止される。
また、現像剤搬送ベルト60の羽部60aの間隔は、画像形成時にトナーの供給不足に陥らない量を供給可能なトナー量を保持できる間隔に設定している。
以上のように、収容室28a内のトナーは、現像剤搬送ベルト60により羽部60a間に保持されるトナー量分だけ少量ずつ保持されながら搬送され、かつ現像室28bに供給される。そして現像に必要な量だけ現像ローラに供給された後は、余分なトナーは再び現像室28bに回収される。つまり、収容室28aと現像室28bとの間を循環する構成となっている。
以上説明したように、本実施例においては、現像室28bの下方に収容室28aを配置した現像装置構成において、現像剤搬送ベルトを用いることでトナーの少量補給及び、トナー供給ローラ30及び現像ローラ21の上方へのトナー供給が可能となる。また、現像に十分な量のトナーをトナー供給ローラと現像ローラのニップ部に維持できる。
また、トナー搬送後の現像剤搬送ベルトがニップ部の余剰トナーを回収、搬送することで常に現像に必要な量のトナーのみ供給することが可能となり、現像室内でのトナーのパッキング等による画像弊害を防止することができる。さらに、余剰トナーは現像剤搬送ベルトにより収容室に回収されるため、現像室と収容室との間でトナー循環が可能となり、現像装置内のトナーの劣化状態の偏りが防止できる。
すなわち本実施例によれば、現像室内に十分な量のトナーを供給しつつ現像室と収容室との間のトナー循環を良好に保ち、高品位な画像を供給することが可能な現像装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することができる。