JP6583640B2 - 電力変換回路の制御装置 - Google Patents
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Description
具体的には、最新または過去の制御量Tに基づき、前記ゲインの切り換えの判断を行う電力変換回路の制御装置に関する。
図1において、電力変換回路8は、スイッチ(Tr)81、リアクトル(L)82、転流用のダイオード(D)83およびキャパシタ(Co)84とからなる。
図1の電力変換回路8では、スイッチ81がオンのときにはリアクトル82を介して、直流電源51からのエネルギーが負荷52に供給される。
スイッチ81がオフのときにはリアクトル82に蓄えられたエネルギーが負荷(R)52に供給される。
なお、ゲインを変更する技術については、特許文献1を参照されたい。
出力検出部91は、電力変換回路8の出力端子b1,b2に現れる電圧値(アナログ出力電圧eO)を取り込む。
出力検出部91は、図示しないプリアンプとA/D変換器とからなり、取り込んだアナログ出力電圧eOをデジタル出力電圧値EO変換する。
制御量Tonは、図1ではPIDフィードバック制御量NPID,nであり、以下の式で表される。
NPID,n=NB−KP(Nn−NR)−KD(Nn−Nn−1)−KIΣ(Nn−NR)
n:サンプリング回数(時間)を表すインデックス
NB:バイアス値
NR:基準値
KP:比例ゲイン
KD:微分ゲイン
KI:積分ゲイン
PWM信号生成部94は、PWM信号SPWMを生成し、このPWM信号SPWMをドライブ回路95に送出する。ドライブ回路95は、PWM信号SPWMに基づき駆動信号ON/OFFを生成し、これを電力変換回路8のスイッチ81に送出する。
リアクトル電流iLが連続モードである場合に、出力電流ioが減少すると、リアクトル電流iLは連続モード(図2(A))から不連続モード(図2(B))に遷移する。
また、リアクトル電流iLが不連続モードである場合に、出力電流ioが増加すると、リアクトル電流iLは不連続モード(図2(B))から連続モード(図2(A))に遷移する。
しかし、フィードバックゲインを大きくしたまま、リアクトル電流連続モードでの制御を行うと、電力変換回路8の動作が不安定になるという問題が生じる。
この技術では、図4に示すように、出力電圧検出部911が、電力変換回路8の出力電圧eoを図示しないプリアンプおよびA/D変換器を介してデジタル電流値Eoとして取り込む。
また、出力電流検出部912が、電力変換回路8の出力電流ioを、出力電流検出用抵抗(rs)85における電圧降下として検出する。すなわち、出力電流検出部912は、上記の電圧降下を図示しないプリアンプおよびA/D変換器を介してデジタル電流値EIoとして取り込む。
そして、ゲイン設定部93は、リアクトル電流iLが連続モードにあると判断した場合(io>I1)には、積分ゲイン関数KIの値を小さい値KI1に設定する。
逆に、リアクトル電流が不連続モードにあると判断した場合(io<I1)にはPID制御における積分ゲイン関数KIの値を大きい値KI2に設定することができる。
このため、フィードバックゲイン(積分ゲイン関数KI)を切り換える場合には、通常、図5にも示すように、ヒステリシス特性を持つ制御が行われ、制御は安定に行われる。
また、図4に示した電力変換回路8では、出力電流ioを検出するために出力電流検出部912(プリアンプおよびA/D変換器)が必要となり、部品点数が増大するという問題もある。
本発明は、具体的には、生成された最新または過去の制御量に基づき、ゲインの設定を行うことを目的とする。
また、当該制御において、出力電流ioが増加すればスイッチのオンタイムも増加する(スイッチのオフタイムが減少する)。
すなわち、電力変換回路のPWM制御においては、出力電流ioとスイッチのオンタイム(または、オフタイム、スイッチング周期)には、ある相関関係がある。
一方、スイッチのオンタイムやオフタイムは、電力変換回路の出力電圧から計算される。
本発明者は、これらの事実に着目し、ゲインの切換えをスイッチのオンタイムやオフタイムの値に基づき行うことができれば、出力電流の検出をすることなく、ゲインの切り換えやゲインの値の設定ができる、との知見を得て本発明を完成するに至った。
スイッチのオン・オフにより、入力エネルギーのリアクトルへの蓄積と、前記リアクトルに蓄積したエネルギーの放出を繰り返えし行う電力変換回路の制御装置において:
前記制御装置は、
前記電力変換回路の出力電圧を検出する出力検出部と、
前記電力変換回路をスイッチング制御するための制御量Tを、前記出力電圧の値と、ゲイン関数Kに基づき計算する制御量計算部と、
前記制御量計算部により計算された制御量Tに基づき、前記ゲイン関数Kを、第2値T2より大きい領域で定義された第1ゲイン関数K1(T)または第1値T1より小さい領域で定義された第2ゲイン関数K2(T)に設定するゲイン設定部と、
を備え、
第1ゲイン関数K1(T)はゲイン要素としてk1x(x=1,2,・・・,M)を含み、かつ第2ゲイン関数K2(T)はゲイン要素としてk2x(x=1,2,・・・,M)を含み、
前記第1ゲイン関数K1のゲイン要素k1xと前記第2ゲイン関数K2のゲイン要素k2xとの間には、次の関係が成立し、
k2x≧k1x(ただし、xは1,2,・・・,Mの全て)
k2x>k1x(ただし、xは1,2,・・・,Mの少なくとも1つ)
前記ゲイン設定部は、
前記制御量Tが前記第1値T1より大きい場合においては、現在のゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に維持または変更し、
前記制御量Tが前記第2値T2より小さい場合においては、現在のゲイン関数Kを、前記第2ゲイン関数K2に維持または変更し、
前記制御量Tが前記第2値T2より大きく、かつ前記第1値T1より小さい場合においては、現在のゲイン関数Kを、前記第1ゲイン関数K1に維持しまたは前記第2ゲイン関数K2に維持する、
電力変換回路の制御装置。
スイッチのオン・オフにより、入力エネルギーのリアクトルへの蓄積と、前記リアクトルに蓄積したエネルギーの放出を繰り返えし行う電力変換回路の制御装置において:
前記制御装置は、
前記電力変換回路の出力電圧を検出する出力検出部と、
前記電力変換回路をスイッチング制御するための制御量Tを、前記出力電圧の値と、ゲイン関数Kに基づき計算する制御量計算部と、
前記制御量計算部により計算された制御量Tに基づき、前記ゲイン関数Kを、第2値T2より小さい領域で定義された第1ゲイン関数K1(T)または第1値T1より大きい領域で定義された第2ゲイン関数K2(T)に設定するゲイン設定部と、
を備え、
第1ゲイン関数K1(T)はゲイン要素としてk1x(x=1,2,・・・,M)を含み、かつ第2ゲイン関数K2(T)はゲイン要素としてk2x(x=1,2,・・・,M)を含み、
前記第1ゲイン関数K1のゲイン要素k1xと前記第2ゲイン関数K2のゲイン要素k2xとの間には、次の関係が成立し、
k2x≧k1x(ただし、xは1,2,・・・,Mの全て)
k2x>k1x(ただし、xは1,2,・・・,Mの少なくとも1つ)
前記ゲイン設定部は、
前記制御量Tが前記第1値T1より小さい場合においては、現在のゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に維持または変更し、
前記制御量Tが前記第2値T2より大きい場合においては、現在のゲイン関数Kを、前記第2ゲイン関数K2に維持または変更し、
前記制御量Tが前記第2値T2より小さく、かつ前記第1値T1より大きい場合においては、現在のゲイン関数Kを、前記第1ゲイン関数K1に維持しまたは前記第2ゲイン関数K2に維持する、
電力変換回路の制御装置。
(1)の制御装置は、電力変換回路をスイッチのオンタイムにより制御する場合やスイッチング周期により制御する場合(デューティ比が固定であることもあるし、デューティ比が変化することもある)に適用される。一方、(2)の制御装置は、電力変換回路をスイッチのオフタイムにより制御する場合に適用される。
なお、ゲイン要素(第1ゲイン要素k1xおよび第2ゲイン要素k2x)は、全てが定数であってもよいし、少なくとも1つが過去の制御量Tの値により変化する変数(すなわち、Tの関数)であってもよい。
過去の制御量Tの値は、たとえば、ゲインが設定されるスイッチング周期(インデックス:n)より数周期前の値であってもよい。
また、後述するように、過去の制御量Tの値は、ゲインが設定されるスイッチング周期(インデックス:n)より前の、複数周期の値の平均値であってもよい。
この複数周期の値の平均値は、移動平均であってもよい。
前記設定に際して、
前記ゲイン設定部は、
(i) 前記ゲイン関数Kが前記第1ゲイン関数K1に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第2値T2より大きい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に維持し、
(ii) 前記ゲイン関数Kが前記第1ゲイン関数K1に設定されている場合において、前記第2値T2より小さい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第2ゲイン関数K2に変更し、
(iii) 前記ゲイン関数Kが前記第2ゲイン関数K2に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第1値T1より小さい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第2ゲイン関数K2に維持し、
(iv) 前記ゲイン関数Kが前記第2ゲイン関数K2に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第1値T1より大きい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に変更する、
(1)に記載の電力変換回路の制御装置。
前記設定に際して、
前記ゲイン設定部は、
(i) 前記ゲイン関数Kが前記第1ゲイン関数K1に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第2値T2より小さい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に維持し、
(ii) 前記ゲイン関数Kが前記第1ゲイン関数K1に設定されている場合において、前記第2値T2より大きい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第2ゲイン関数K2に変更し、
(iii) 前記ゲイン関数Kが前記第2ゲイン関数K2に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第1値T1より大きい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第2ゲイン関数K2に維持し、
(iv) 前記ゲイン関数Kが前記第2ゲイン関数K2に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第1値T1より小さい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に変更する、
(2)に記載の電力変換回路の制御装置。
前記制御量Tがフィードバック制御量、前記ゲイン関数Kを構成するゲイン要素がフィードバックゲインである(1)または(2)に記載の電力変換回路の制御装置。
さらに、PWM信号生成部を備え、
前記PWM信号生成部は、前記制御量計算部からの制御量Tに基づきPWM信号を生成する(1)または(2)に記載の電力変換回路の制御装置。
前記制御量計算部により計算された制御量Tが、スイッチのオンタイム値、オフタイム値またはスイッチング周期である(1)または(2)に記載の電力変換回路の制御装置。 本実施形態では、電力変換回路の制御方式が、オンタイム制御のときはスイッチのオンタイム値が制御量Tとなり、オフタイム制御のときはスイッチのオンタイム値が制御量Tとなり、たとえばデューティ比固定のスイッチング周期制御のときはスイッチング周期が制御量Tとなる。
前記制御量計算部により計算された制御量Tが、過去の制御量Tの平均値である(1)または(2)に記載の電力変換回路の制御装置。
すなわち、過去の制御量Tの値は、ゲインが設定されるスイッチング周期(インデックス:n)より前の、複数周期の値の平均値であってもよい。この複数周期の値の平均値は、移動平均であってもよい。
前記第1ゲイン関数K1および前記第2ゲイン関数K2のうち、前記の関係、
k2x(T)>k1x(T)
を満足するゲイン要素が、
PID制御、PI制御またはPD制御における比例ゲイン、積分ゲインまたは微分ゲイン、または、
IIRフィルタ,FIRフィルタにおけるフィルタ係数、
を含む(1)または(2)に記載の電力変換回路の制御装置。
前記第1値T1は、リアクトル電流臨界モードの制御点に対応する(1)または(2)に記載の電力変換回路の制御装置。
(11)
前記「第1値T1より小さい」は「第1値T1以下」を含み、
前記「第1値T1より大きい」は「第1値T1以上」を含み、
前記「第2値T2より小さい」は「第2値T2以下」を含み、
前記「第2値T2より大きい」は「第2値T2以上」を含む、
(1)または(2)に記載の電力変換回路の制御装置。
たとえば、直前の制御量Tの値が、リアクトル電流の臨界モード点に対応する点から離れている場合には、第2値T2を第1値T1に近い値とすることができ、直前の制御量Tの値が、リアクトル電流の臨界モード点に対応する点に近い場合には、第2値T2を第1値T1から離れた値とすることができる。
すなわち、本発明において、制御量Tが第1値T1と第2値T2との間にあるときは、第1ゲイン関数K1および第2ゲイン関数K2とによりループ(閉じた図形)が形成される。
この閉じた図形は、ひし形、三角形とすることができる。
たとえば、第1ゲイン関数K1を定数とし、第2ゲイン関数K2を単調減少関数とすることもできる。
制御量Tがスイッチのオンタイムであるとき(制御量Ton)は、第1値T1よりも小さい値を第2値T2とし、制御量Tがスイッチのオフタイムであるとき(制御量Toff)は、第1値T1よりも大きい値を第2値T2とする。
また、出力電流を検出するためのプリアンプおよびA/D変換器が不要となる。
本発明は、具体的には、生成された最新または過去の制御量に基づき、ゲインの設定を行うことができる。
図6において、電力変換回路2は、スイッチ(Tr)21、リアクトル(L)22、転流用のダイオード(D)23およびキャパシタ(Co)24を備えている。
スイッチ21とリアクトル22は直列に接続されている。
ダイオード23のカソード端子は、スイッチ21とリアクトル22との接続点に接続され、ダイオード23のアノード端子は、グランドGNDに接続されている。
キャパシタ24は、リアクトル22の出力端子とグランドGNDとの間(b1,b2間)に接続されている。
図6では、スイッチ21のオンにより、直流電源51から供給されたエネルギーは負荷52に供給されるとともにリアクトル23に蓄積される。また、スイッチ21のオフにより、リアクトル23に蓄積したエネルギーは、負荷52に供給(放出)される。
図6では、制御装置1の出力側(PWM信号生成部14の出力側)には、ドライブ回路3が接続されている。
図7において、出力検出部11はプリアンプ111とA/D変換器112とからなる。 電力変換回路2のアナログ出力電圧eOはプリアンプ111により増幅され、増幅された信号は、A/D変換器112によりデジタル信号EOに変換される。
A/D変換器112は、デジタル信号EOをオンオフ周期ごとにサンプリングしている。
図7では、デジタル信号EOは、デジタル値Nn(nはインデックス)でも示されている。
オンタイム値Tonは、電力変換回路2をスイッチング制御するための制御量(フィードバック制御量)であり、以下では、NPID,nとしても表される。
PID制御量計算部123は、制御量NPID,nを、デジタル値Nnとゲイン関数Kとに基づき計算する。
ゲイン関数Kは、第1ゲイン関数K1または第2ゲイン関数K2の何れかに設定される。
本実施形態では、第1ゲイン関数K1および第2ゲイン関数K2は、それぞれ3つのフィードバックゲイン要素からなる。
すなわち、第1ゲイン関数K1は、フィードバックゲインKP1,KD1,KI1を持ち、KI1のみが変数である。
また、第2ゲイン関数K2は、フィードバックゲインKP2,KD2,KI2を持ち、KI2のみが変数である。
本実施形態では、KP1=KP2、KD1=KD2である。
したがって、以下、第1ゲイン関数K1を、K1(KP,KD,KI1)で表し、第2ゲイン関数K2をK2(KP,KD,KI2)で表す。
本実施形態では、I制御要素計算部122が後述するゲイン決定部131から積分ゲイン関数KI(KI1またはKI2)を受け取り、積分制御要素を計算する。
PID制御量計算部123がPD制御要素計算部121からの計算結果と、I制御要素計算部122からの計算結果を受け取り、PID制御量をPWM信号生成部14に渡す。
ゲイン決定部131は、ゲイン設定記憶部132を参照して現在のゲイン関数Kが、第1ゲイン関数K1であるのか、第2ゲイン関数K2であるのかを知ることができる。
ゲイン決定部131は、制御量計算部12により計算されたインデックス(n)の制御量(オンタイム値TON,n)を取得し、次のスイッチング周期(インデックス:n)において使用される制御量(オンタイム値TON,n)と現在のゲイン関数Kとから、次回のスイッチング周期(インデックス:n+1)のゲイン関数Kを、第1ゲイン関数K1に設定するのか、第2ゲイン関数K2に設定するのかを決定する。
本実施形態では、リアクトル電流iLが連続モード(CCM)から不連続モード(DCM)に遷移すると想定される制御量Tonを第1値T1としている。
そして、制御量Ton(NPID,n)はスイッチのオンタイムであるので、第1値よりも小さい値を第2値T2とした。
すなわち、ゲイン関数Kがゲイン関数K1に設定されたときは、Kは次式となる。
K=K1(KP,KD,KI1)
また、TONはデジタル値NPID,nで表される。
NPID,n
=NB−KP(Nn−NR)
−KD(Nn−Nn−1)
−KI1Σ(Nn−NR)
K2=K2(KP,KD,KI2)
また、TONはデジタル値NPID,nで表される。
NPID,n
=NB−KP(Nn−NR)
−KD(Nn−Nn−1)
−KI2Σ(Nn−NR)
ここで、KI1とKI2との間には次の関係が成立する。
KI1<KI2
ゲイン決定部131は、オンタイム値Tの第2値T2は、T2<T1であれば適宜に設定できる。
第2値T2は、現在の制御量に対応して動的に変化してもよい。
本実施形態では、過去制御量記憶部133には過去の制御量Tが記憶されている。
ゲイン決定部131は、過去制御量記憶部133を参照して制御量Tを、過去の制御量
の移動平均として算出している。
図8は、出力電圧eo、KI決定タイミング、KI反映タイミングおよびオンタイムTon,zを示すタイミング図である。
なお、以下の説明において、n−1回のスイッチング周期においてサンプリングした出力電圧eoについての処理を(a1)−(a5)で示す。
n−2回のスイッチング周期においてサンプリングした出力電圧eoについての処理の一部を(z4)−(z5)で示し、n回のスイッチング周期においてサンプリングした出力電圧eoについての処理の一部を(b1)−(b3)で示してある。
(a3) オンタイムTon,nは制御に反映される。なお、オンタイムTon,nの計算には、
n−2回のスイッチング周期におけるオンタイムTon,nに基づき決定されたゲイン関数(積分ゲイン関数KI)が採用されている(図8における(z5)も参照)。
(a4) (n+1)回のスイッチング周期におけるKIが決定される。
(a5) オンタイムTon,n+1に、決定された最新のKIが反映される(図8における(b3)も参照)。
また、第1値T1より小さくかつ第2値T2より大きい領域では、積分ゲイン関数KIは、第1ゲイン関数K1または第2ゲイン関数K2に設定される。
また、積分ゲイン関数KIは、第1値T1より小さくかつ第2値T2より大きい領域では、第1ゲイン関数K1(定数)または第2ゲイン関数K2(変数)に設定される。
図11は、降圧型の出力電流とオンタイムとの関係を示す図である。
CCMにおけるTonとIoの関係式は以下の式で表される。
図12は、ヒステリシス特性が矩形である積分ゲイン関数KIによる制御を行ったときのオンタイムTon、積分ゲイン関数KI、出力電圧eo、リアクトル電流iLの時間推移を示す図である。
ここでは、KP=6,KD=3,C=470μF、移動平均50回、出力電流が臨界点におけるリアクトル電流iLが(5V/50Ω)から(5V/71.5Ω)に変化させている。
ゲインは、急激に切り替えられており、出力波形にやや悪影響が現れている。
ここでは、KP=6,KD=3,C=470μF、移動平均50回、出力電流が臨界点におけるリアクトル電流iLが(5V/50Ω)から(5V/71.5Ω)に変化させている。
ゲインは、緩やかに切り替えられており、出力波形には良好な応答が現れていることがわかる。
ここでは、KP=6,KD=3,C=470μF、移動平均50回、出力電流が臨界点におけるリアクトル電流iLが(5V/100Ω)から(5V/50Ω)に変化させている。
ゲインは、急激に切り替えられており、出力波形にやや悪影響が現れている。
ここでは、KP=6,KD=3,C=470μF、移動平均50回、出力電流が臨界点におけるリアクトル電流iLが(5V/100Ω)から(5V/50Ω)に変化させている。
ゲインは、緩やかに切り替えられており、出力波形には良好な応答が現れていることがわかる。
制御量計算部12により計算された制御量Tは、スイッチのオフタイム値とすることができる。
本発明において、制御量Tが第1値T1と第2値T2との間にあるときは、第1ゲイン関数K1および第2ゲイン関数K2とによりループ(閉じた図形)が形成される。
この閉じた図形は、ひし形、三角形等とすることができる。
2 電力変換回路(DC/DCコンバータ)
3 ドライブ回路
11 出力検出部
12 制御量計算部
13 ゲイン設定部
14 PWM信号生成部
21 スイッチ
22 リアクトル
23 転流用のダイオード
24 キャパシタ
51 直流電源
52 負荷
111 プリアンプ
112 A/D変換器
121 PD制御要素計算部
122 I制御要素計算部
123 PID制御量計算部
131 ゲイン決定部
132 ゲイン設定記憶部
133 過去制御量記憶部
Claims (11)
- スイッチのオン・オフにより、入力エネルギーのリアクトルへの蓄積と、前記リアクトルに蓄積したエネルギーの放出を繰り返えし行う電力変換回路の制御装置において:
前記制御装置は、
前記電力変換回路の出力電圧を検出する出力検出部と、
前記電力変換回路をスイッチング制御するための制御量Tを、前記出力電圧の値と、ゲイン関数Kに基づき計算する制御量計算部と、
前記制御量計算部により計算された制御量Tに基づき、前記ゲイン関数Kを、第2値T2より大きい領域で定義された第1ゲイン関数K1(T)または第1値T1より小さい領域で定義された第2ゲイン関数K2(T)に設定するゲイン設定部と、
を備え、
第1ゲイン関数K1(T)はゲイン要素としてk1x(x=1,2,・・・,M)を含み、かつ第2ゲイン関数K2(T)はゲイン要素としてk2x(x=1,2,・・・,M)を含み、
前記第1ゲイン関数K1のゲイン要素k1xと前記第2ゲイン関数K2のゲイン要素k2xとの間には、次の関係が成立し、
k2x≧k1x(ただし、xは1,2,・・・,Mの全て)
k2x>k1x(ただし、xは1,2,・・・,Mの少なくとも1つ)
前記ゲイン設定部は、
前記制御量Tが前記第1値T1より大きい場合においては、現在のゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に維持または変更し、
前記制御量Tが前記第2値T2より小さい場合においては、現在のゲイン関数Kを、前記第2ゲイン関数K2に維持または変更し、
前記制御量Tが前記第2値T2より大きく、かつ前記第1値T1より小さい場合においては、現在のゲイン関数Kを、前記第1ゲイン関数K1に維持しまたは前記第2ゲイン関数K2に維持する、
電力変換回路の制御装置。 - スイッチのオン・オフにより、入力エネルギーのリアクトルへの蓄積と、前記リアクトルに蓄積したエネルギーの放出を繰り返えし行う電力変換回路の制御装置において:
前記制御装置は、
前記電力変換回路の出力電圧を検出する出力検出部と、
前記電力変換回路をスイッチング制御するための制御量Tを、前記出力電圧の値と、ゲイン関数Kに基づき計算する制御量計算部と、
前記制御量計算部により計算された制御量Tに基づき、前記ゲイン関数Kを、第2値T2より小さい領域で定義された第1ゲイン関数K1(T)または第1値T1より大きい領域で定義された第2ゲイン関数K2(T)に設定するゲイン設定部と、
を備え、
第1ゲイン関数K1(T)はゲイン要素としてk1x(x=1,2,・・・,M)を含み、かつ第2ゲイン関数K2(T)はゲイン要素としてk2x(x=1,2,・・・,M)を含み、
前記第1ゲイン関数K1のゲイン要素k1xと前記第2ゲイン関数K2のゲイン要素k2xとの間には、次の関係が成立し、
k2x≧k1x(ただし、xは1,2,・・・,Mの全て)
k2x>k1x(ただし、xは1,2,・・・,Mの少なくとも1つ)
前記ゲイン設定部は、
前記制御量Tが前記第1値T1より小さい場合においては、現在のゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に維持または変更し、
前記制御量Tが前記第2値T2より大きい場合においては、現在のゲイン関数Kを、前記第2ゲイン関数K2に維持または変更し、
前記制御量Tが前記第2値T2より小さく、かつ前記第1値T1より大きい場合においては、現在のゲイン関数Kを、前記第1ゲイン関数K1に維持しまたは前記第2ゲイン関数K2に維持する、
電力変換回路の制御装置。 - 前記設定に際して、
前記ゲイン設定部は、
(i) 前記ゲイン関数Kが前記第1ゲイン関数K1に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第2値T2より大きい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に維持し、
(ii) 前記ゲイン関数Kが前記第1ゲイン関数K1に設定されている場合において、前記第2値T2より小さい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第2ゲイン関数K2に変更し、
(iii) 前記ゲイン関数Kが前記第2ゲイン関数K2に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第1値T1より小さい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第2ゲイン関数K2に維持し、
(iv) 前記ゲイン関数Kが前記第2ゲイン関数K2に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第1値T1より大きい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に変更する、
請求項1に記載の電力変換回路の制御装置。 - 前記設定に際して、
前記ゲイン設定部は、
(i) 前記ゲイン関数Kが前記第1ゲイン関数K1に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第2値T2より小さい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に維持し、
(ii) 前記ゲイン関数Kが前記第1ゲイン関数K1に設定されている場合において、前記第2値T2より大きい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第2ゲイン関数K2に変更し、
(iii) 前記ゲイン関数Kが前記第2ゲイン関数K2に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第1値T1より大きい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第2ゲイン関数K2に維持し、
(iv) 前記ゲイン関数Kが前記第2ゲイン関数K2に設定されている場合において、前記制御量Tが前記第1値T1より小さい値に変化したときは、前記ゲイン関数Kを前記第1ゲイン関数K1に変更する、
請求項2に記載の電力変換回路の制御装置。 - 前記制御量Tがフィードバック制御量、前記ゲイン関数Kを構成するゲイン要素がフィードバックゲインである請求項1または2に記載の電力変換回路の制御装置。
- さらに、PWM信号生成部を備え、
前記PWM信号生成部は、前記制御量計算部からの制御量Tに基づきPWM信号を生成する請求項1または2に記載の電力変換回路の制御装置。 - 前記制御量計算部により計算された制御量Tが、スイッチのオンタイム値、オフタイム値またはスイッチング周期である請求項1または2に記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記制御量計算部により計算された制御量Tが、過去の制御量Tの平均値である請求項1または2に記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記第1ゲイン関数K1および前記第2ゲイン関数K2のうち、前記の関係、
k2x(T)>k1x(T)
を満足するゲイン要素が、
PID制御、PI制御またはPD制御における比例ゲイン、積分ゲインまたは微分ゲイン、または、
IIRフィルタ,FIRフィルタにおけるフィルタ係数、
を含む請求項1または2に記載の電力変換回路の制御装置。 - 前記第1値T1は、リアクトル電流臨界モードの制御点に対応する請求項1または2に記載の電力変換回路の制御装置。
- 前記「第1値T1より小さい」は「第1値T1以下」を含み、
前記「第1値T1より大きい」は「第1値T1以上」を含み、
前記「第2値T2より小さい」は「第2値T2以下」を含み、
前記「第2値T2より大きい」は「第2値T2以上」を含む、
請求項1または2に記載の電力変換回路の制御装置。
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