JP6583546B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真感光体は、電子写真方式の画像形成装置において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。感光層は、例えば、電荷発生剤、電荷輸送剤(例えば、正孔輸送剤及び電子輸送剤)及びこれらを結着させる樹脂(バインダー樹脂)を含有する。感光層は、電荷発生剤と電荷輸送剤とを同一の層に含有し、電荷発生と電荷輸送との両方の機能を同一の層で有することもできる。このような電子写真感光体は、単層型電子写真感光体と呼ばれる。
特許文献1に記載の電子写真感光体が備える感光層は、電荷輸送剤としてトリフェニルアミン誘導体を含有する。このようなトリフェニルアミン誘導体として、下記化学式で表される化合物が開示されている。
Figure 0006583546
特開2013−073109号公報
しかし、特許文献1に記載の電子写真感光体では、ある程度の電気特性(感度特性)を有するものの、形成される画像における黒点の発生を十分に抑制することができなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気特性に優れ、かつ高温高湿環境下(温度32.5℃及び相対湿度80%RH)において黒点の発生を抑制する電子写真感光体を提供することである。また、このような電子写真感光体を備えることで、画像不良(例えば、黒点)の発生を抑制するプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。感光層は、単層型感光層である。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する。正孔輸送剤は、一般式(1)で表される化合物を含む。
Figure 0006583546
前記一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも1つは、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表す。前記アリール基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を有してもよい。
本発明のプロセスカートリッジは、上述した電子写真感光体を備える。
本発明の画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。前記像担持体は、上述の電子写真感光体である。前記帯電部は、前記像担持体の表面を帯電する。前記帯電部の帯電極性は、正極性である。前記露光部は、帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する。前記現像部は、前記静電潜像をトナー像として現像する。前記転写部は、前記像担持体と接触しながら前記トナー像を前記像担持体から記録媒体へ転写する。
本発明の電子写真感光体は、電気特性に優れ、かつ高温高湿環境下において黒点の発生を抑制することができる。また、本発明のプロセスカートリッジ及び画像形成装置は、このような電子写真感光体を備えることで、画像不良の発生を抑制することができる。
第一実施形態に係る電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。 第一実施形態に係る電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。 第一実施形態に係る電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。 第二実施形態に係る画像形成装置の一態様の構成を示す概略図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に何ら限定されない。本発明は、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下、ハロゲン原子、炭素原子数1以上5以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基及び炭素原子数7以上9以下のアラルキル基は、何ら規定していなければ、各々次の意味である。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられる。
炭素原子数1以上5以下のアルキル基は、直鎖状又は分岐状で非置換である。炭素原子数1以上5以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基又はネオペンチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基又はイソプロピル基が挙げられる。
炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基又はイソプロポキシ基が挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基又はフェナントリル基が挙げられる。
炭素原子数7以上9以下のアラルキル基は、非置換である。炭素原子数7以上9以下のアラルキル基は、フェニル基と炭素原子数1以上3以下のアルキル基とが結合した基である。炭素原子数7以上9以下のアラルキル基としては、例えば、フェニルメチル基、フェニルエチル基又はフェニルプロピル基が挙げられる。
<第一実施形態:電子写真感光体>
第一実施形態は、電子写真感光体(以下、感光体と記載する場合がある)に関する。以下、図1A〜図1Cを参照して、第一実施形態の感光体について説明する。図1A〜図1Cは、第一実施形態に係る感光体の構造を示す概略断面図である。
図1Aに示すように、感光体1は、導電性基体2と感光層3とを備える。感光層3は、単層型感光層である。単層型感光層は、電荷発生と電荷輸送との両方の機能を同一の層で有する。感光層3は、導電性基体2上に直接又は間接に設けられる。例えば、図1Aに示すように、導電性基体2上に感光層3を直接設けてもよい。図1Bに示すように、感光体1は、更に中間層4を備えてもよく、中間層4は導電性基体2と感光層3との間に設けられてもよい。また、図1A及び図1Bに示すように、感光層3が最外層として露出してもよい。感光体1は更に保護層を備えてもよい。図1Cに示すように、感光層3上に保護層5が備えられてもよい。
感光層の厚さは、感光層として充分に作用できる限り、特に限定されない。感光層の厚さは、5μm以上100μm以下であることが好ましく、10μm以上50μm以下であることがより好ましい。
感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有する。正孔輸送剤は、一般式(1)で表される化合物を含む(以下、トリフェニルアミン誘導体(1)と記載することがある)。第一実施形態に係る感光体は、電気特性(感度特性)に優れ、かつ黒点の発生を抑制することができる。その理由は、以下のように推測される。本明細書において感光体の感度特性とは、露光に対して静電潜像を形成する効率を示す感光体の性質である。
トリフェニルアミン誘導体(1)は、窒素原子に2つのフェニル基と、フェニルエテニル基を有する1つのフェニル基とが結合した構造を有する。これら3つの基の少なくとも1つが炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を有する。トリフェニルアミン誘導体(1)は非対称構造を有するため、感光層中でのバインダー樹脂との相溶性に優れ、感光層中で均一に分散し易い。また、トリフェニルアミン誘導体(1)は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を有し適度なイオン化ポテンシャルを有するため、感光層は、優れた正孔輸送能を有する。このため、第一実施形態に係る感光体は、電気特性に優れると考えられる。
トリフェニルアミン誘導体(1)は感光層中で均一に分散し易いため、感光層の硬度が高くなり易い。よって、第一実施形態に係る感光体は、高温高湿環境下において黒点の発生を抑制することができると考えられる。
黒点の発生を更に抑制するためには、感光層の硬度を向上させることが好ましい。感光層のビッカース硬度は、22.0HV以上であることが好ましく、22.0HV以上25.0HV以下であることがより好ましく、23.0HV以上24.0HV以下であることが更に好ましい。感光層のビッカース硬度が22HV以上であると、黒点の発生を更に抑制することができる。感光層のビッカース硬度は、日本工業規格(JIS)Z2244に準拠する方法で測定する。測定方法の詳細は、実施例にて後述する。
黒点の発生を更に抑制するためには、感光層の耐圧性(耐電圧性)を向上させることが好ましい。感光体のリーク開始電圧は、高温高湿(温度32.5℃及び相対湿度80%RH)環境で5.0kV以上であることが好ましく、5.0kV以上9.0kV以下であることがより好ましく、6.0kV以上9.0kV以下であることが更に好ましい。リーク開始電圧は、感光体に印加した電圧を増加させた際に感光層が絶縁破壊する最小の電圧をいう。ここで、リークとは、電流リークを示す。リーク開始電圧の測定方法は、実施例で後述する。
次に、感光体の要素について説明する。以下、導電性基体、電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤及びバインダー樹脂について説明する。感光層は、添加剤を更に含有してもよい。更に、添加剤、中間層及び感光体の製造方法について説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体は、少なくとも表面部が導電性を有する材料で形成されていればよい。導電性基体の一例としては、導電性を有する材料で形成される導電性基体が挙げられる。導電性基体の別の例としては、導電性を有する材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム又はインジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼又は真鍮等)が挙げられる。これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、画像形成装置の構造に合わせて適宜選択される。導電性基体の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚さは、導電性基体の形状に応じて適宜選択される。
[2.電荷発生剤]
電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、無機光導電材料(より具体的には、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム又はアモルファスシリコン等)の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料又はキナクリドン系顔料が挙げられる。
フタロシアニン系顔料としては、例えば、無金属フタロシアニン又は金属フタロシアニンが挙げられる。無金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(CG−1)で表される無金属フタロシアニン(より具体的には、X型無金属フタロシアニン等)が挙げられる。金属フタロシアニンとしては、例えば、化学式(CG−2)で表されるチタニルフタロシアニン又は酸化チタン以外の金属が配位したフタロシアニン(より具体的には、V型ヒドロキシガリウムフタロシアニン等)が挙げられる。フタロシアニン系顔料は、結晶であってもよく、非結晶であってもよい。フタロシアニン系顔料の結晶形状(例えば、α型、β型、X型又はY型)については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。
Figure 0006583546
Figure 0006583546
無金属フタロシアニンの結晶としては、例えば、X型無金属フタロシアニンが挙げられる。チタニルフタロシアニンの結晶としては、例えば、チタニルフタロシアニンのα型結晶、β型結晶又はY型結晶が挙げられる。以下、チタニルフタロシアニンのα型結晶、β型結晶及びY型結晶を、各々、α型チタニルフタロシアニン、β型チタニルフタロシアニン及びY型チタニルフタロシアニンと記載することがある。波長領域700nm以上で高い量子収率を有することから、チタニルフタロシアニンのなかでもY型チタニルフタロシアニンが好ましい。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、例えば、デジタル光学式の画像形成装置(より具体的には、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター又はファクシミリ等)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。そのため、例えば、フタロシアニン系顔料が好ましく、無金属フタロシアニンがより好ましく、X型無金属フタロシアニンが更に好ましい。感光層が正孔輸送剤としてトリフェニルアミン誘導体(1)を含む場合、感光層が電荷発生剤としてX型無金属フタロシアニンを含むと、正孔の授受が効率的に行われるため、感光体の電気特性が更に向上する。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
短波長レーザー光源を用いた画像形成装置に感光体を適用する場合には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料又はペリレン系顔料が好適に用いられる。短波長レーザー光の波長は、例えば、350nm以上550nm以下である。
電荷発生剤の含有量は、感光層においてバインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上50質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上30質量部以下であることがより好ましい。
[3.正孔輸送剤]
正孔輸送剤は、トリフェニルアミン誘導体(1)を含む。トリフェニルアミン誘導体は、一般式(1)で表される。
Figure 0006583546
一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基又は炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも1つは、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表す。アリール基は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を有してもよい。
一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4の表す炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、メチル基が好ましい。一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4の表す炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基としては、メトキシ基が好ましい。一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4の表す炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、フェニル基が好ましい。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、置換基として炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を有してもよい。炭素原子数1以上3以下のアルキル基又は炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を有する炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、p−メチルフェニル基が好ましい。
一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立に、水素原子、メチル基、メトキシ基又はフェニル基を表すことが好ましい。フェニル基はメチル基を有してもよい。
一般式(1)中、R1及びR2の置換位置としては、例えば、窒素原子に対してフェニル基のオルト位、メタ位又はパラ位が挙げられる。これらのうち、R1及びR2の置換位置は、パラ位が好ましい。一般式(1)中、R4の置換位置としては、例えば、エテニル基に対してフェニル基のオルト位、メタ位又はパラ位が挙げられる。これらのうち、R4の置換位置は、パラ位が好ましい。
一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも1つは、炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基(より具体的には、メトキシ基等)を表す。一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも1つのみが炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基(より具体的には、メトキシ基等)を表してもよい。一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも2つが炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基(より具体的には、メトキシ基等)を表すことが好ましい。一般式(1)中、R1、R2、R3及びR4のうち少なくとも2つが炭素原子数1以上3以下のアルコキシ基を表すと、電荷発生剤とトリフェニルアミン誘導体(1)との間での正孔の授受が効率的に進行するため、感光体の電気特性を更に向上させることができる。黒点発生の抑制及び電気特性の向上の観点から、一般式(1)中、R3は水素原子を表すことが好ましい。
トリフェニルアミン誘導体(1)の具体例としては、化学式(H−1)〜(H−5)で表されるトリフェニルアミン誘導体(以下、それぞれトリフェニルアミン誘導体(H−1)〜(H−5)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006583546
感光体の電気特性を更に向上させるためには、トリフェニルアミン誘導体(1)のイオン化ポテンシャルは、5.50eV以下であることが好ましく、5.35eV以下であることがより好ましい。トリフェニルアミン誘導体(1)のイオン化ポテンシャルの測定方法は、実施例で後述する。
トリフェニルアミン誘導体(1)の分子量は、600g/moL以下であることが好ましく、400g/moL以上600g/moL以下であることがより好ましい。トリフェニルアミン誘導体(1)の分子量が400g/moL以下であると、トリフェニルアミン誘導体(1)正孔輸送剤として含む感光体の硬度を向上させ、黒点の発生を抑制し易い。
感光体の電気特性を更に向上させるためには、トリフェニルアミン誘導体(H−1)〜(H−5)のうち、トリフェニルアミン誘導体(HT−3)又は(HT−4)が好ましい。
正孔輸送剤は、トリフェニルアミン誘導体(1)に加えて、トリフェニルアミン誘導体(1)以外の別の正孔輸送剤を組み合わせて用いてもよい。別の正孔輸送剤は、公知の正孔輸送剤から適宜選択される。
別の正孔輸送剤としては、例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールのようなオキサジアゾール系化合物;9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセンのようなスチリル系化合物;ポリビニルカルバゾールのようなカルバゾール系化合物;有機ポリシラン化合物;1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリンのようなピラゾリン系化合物;ヒドラゾン系化合物;トリフェニルアミン系化合物(トリフェニルアミン誘導体(1)以外のトリフェニルアミン系化合物);オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物又はトリアゾール系化合物のような含窒素環式化合物;インドール系化合物又はチアジアゾール化合物のような含窒素縮合多環式化合物が挙げられる。なお、正孔輸送剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正孔輸送剤の含有量は、感光層においてバインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、10質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
正孔輸送剤中のトリフェニルアミン誘導体(1)の含有率は、正孔輸送剤の合計質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
[4.電子輸送剤]
電子輸送剤としては、例えば、キノン系化合物、ジイミド系化合物、ヒドラゾン系化合物、マロノニトリル系化合物、チオピラン系化合物、トリニトロチオキサントン系化合物、3,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン系化合物、ジニトロアントラセン系化合物、ジニトロアクリジン系化合物、テトラシアノエチレン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロベンゼン、ジニトロアクリジン、無水コハク酸、無水マレイン酸又はジブロモ無水マレイン酸が挙げられる。キノン系化合物としては、例えば、ジフェノキノン系化合物、アゾキノン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロアントラキノン系化合物又はジニトロアントラキノン系化合物が挙げられる。これらの電子輸送剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの電子輸送剤のうち、キノン系化合物、ジイミド系化合物又はマロノニトリル系化合物が好ましい。キノン系化合物としては、例えば、一般式(2−1)で表される化合物が好ましい。ジイミド系化合物としては、例えば、一般式(2−2)で表される化合物が好ましい。マロノニトリル系化合物としては、例えば、一般式(2−3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006583546
一般式(2−1)、(2−2)及び(2−3)中、Q1、Q2、Q3、Q4及びQ5は、1若しくは複数のハロゲン原子を有してもよい炭素原子数1以上5以下のアルキル基又は1若しくは複数のハロゲン原子を有する炭素原子数7以上9以下のアラルキル基を表す。a及びbは、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。aが2以上の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ3は同一であっても異なってもよい。bが2以上の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ4は同一であっても異なってもよい。
一般式(2−1)、(2−2)及び(2−3)中、Q1、Q2、Q3、Q4及びQ5の表す炭素原子数1以上5以下のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−メチルブチル基又はn−ブチル基が好ましい。炭素原子数1以上5以下のアルキル基は置換基として1又は複数のハロゲン原子を有してもよい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。ハロゲン原子を有する炭素原子数1以上5以下のアルキル基としては、例えば、ジクロロプロピル基(より具体的には、2,3−ジクロロプロピル基等)又はクロロブチル基(より具体的には、4−クロロブチル基等)が好ましい。一般式(2−2)中、a及びbは何れも2を表すことが好ましい。
一般式(2−1)、(2−2)及び(2−3)中、Q1、Q2、Q3、Q4及びQ5の表す炭素原子数7以上9以下のアラルキル基としては、フェニルメチル基又はフェニルエチル基が好ましい。炭素原子数7以上9以下のアラルキル基は置換基として1又は複数のハロゲン原子を有してもよい。ハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。ハロゲン原子を有する炭素原子数7以上9以下のアラルキル基としては、例えば、ジクロロフェニルメチル基(より具体的には、m,p−ジクロロフェニルメチル基等)又はクロロフェニルエチル基(より具体的には、p−クロロフェニル基等)が好ましい。
一般式(2−3)中、Q5は1若しくは複数のハロゲン原子を有する炭素原子数1以上5以下のアルキル基又は1若しくは複数のハロゲン原子を有する炭素原子数7以上9以下のアラルキル基を表すことが好ましい。
電子輸送剤としては、感光体の電気特性を更に向上させるためには、一般式(2−1)、(2−2)及び(2−3)で表される化合物のうち、一般式(2−3)で表される化合物が好ましい。感光層が電子輸送剤として一般式(2−3)で表される化合物を含む場合、一般式(2−3)で表される化合物は非対称構造を有するため、感光層中での電子輸送剤の分散性が向上し、感光層中で均一に分散し易い。かかる場合、黒点の発生を更に抑制することができる。
一般式(2−1)で表されるキノン系化合物の具体例としては、化学式(E−1)で表されるキノン誘導体(以下、キノン誘導体(E−1)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006583546
一般式(2−2)で表されるジイミド系化合物の具体例としては、化学式(E−2)で表されるジイミド誘導体(以下、ジイミド誘導体(E−2)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006583546
一般式(2−3)で表されるマロノニトリル系化合物の具体例としては、化学式(E−3)〜(E−6)で表されるマロノニトリル誘導体(以下、それぞれマロノニトリル誘導体(E−3)〜(E−6)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006583546
電子輸送剤の含有量は、感光層においてバインダー樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下であることが好ましく、10質量部以上80質量部以下であることがより好ましい。
電子輸送剤中のキノン誘導体(E−1)、ジイミド誘導体(E−2)又はマロノニトリル誘導体(E−3)〜(E−6)の含有率は、電子輸送剤の合計質量に対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
[5.バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、電荷発生剤等を感光層中に分散させ固定させる。バインダー樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂(より具体的には、ビスフェノールZ型、ビスフェノールZC型、ビスフェノールC型又はビスフェノールA型等)、ポリアリレート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、スチレン−マレイン酸樹脂、アクリル酸系樹脂、スチレン−アクリル酸系樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂又はポリエーテル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ−アクリル酸系樹脂又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらのバインダー樹脂のうち、ポリカーボネート樹脂が好ましく、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂がより好ましい。ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂は化学式(Resin−1)で表される繰返し単位を有する。以下、化学式(Resin−1)で表される繰返し単位を有するバインダー樹脂を、ビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(Resin−1)と記載することがある。なお、バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0006583546
バインダー樹脂の粘度平均分子量は、40,000以上であることが好ましく、40,000以上52,500以下であることがより好ましい。バインダー樹脂の粘度平均分子量が40,000以上であると、バインダー樹脂の耐摩耗性を十分に高めることができ、感光層が摩耗し難くなる。また、バインダー樹脂の粘度平均分子量が52,500以下であると、感光層の形成時にバインダー樹脂が溶剤に溶解し易くなり、感光層用塗布液の粘度が高くなり過ぎない。その結果、感光層を形成し易くなる。
[6.添加剤]
感光体の電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、感光層は各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤又は紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、アクセプター、ドナー、界面活性剤、可塑剤、増感剤又はレベリング剤が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン若しくはこれらの誘導体、有機硫黄化合物又は有機燐化合物が挙げられる。
[7.中間層]
中間層は、例えば、無機粒子及び樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層の存在により、電流リークの発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にする。その結果、中間層を備える感光体は、所望の電気抵抗に調整し易い。
無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄又は銅等)、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ又は酸化亜鉛等)の粒子又は非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いられる限り、特に限定されない。
中間層は、感光体の電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤は、感光層の添加剤と同様である。
[8.感光体の製造方法]
次に、図1A〜図1Cを参照して、感光体1の製造方法の一例について説明する。感光体1の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。感光層形成工程では、感光層用塗布液を、導電性基体2上に塗布し、塗布膜を形成する。塗布膜に含まれる溶剤を除去して感光層3を形成する。感光層用塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1)と、電子輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを少なくとも含む。感光層用塗布液は、電荷発生剤、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(1)と、電子輸送剤と、バインダー樹脂とを、溶剤に溶解又は分散させることにより調製される。感光層用塗布液には、必要に応じて、電子輸送剤及び各種添加剤を加えてもよい。
感光層用塗布液に含有される溶剤は、感光層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できる限り、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール又はブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素又はクロロベンゼン等)、エーテル(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル又はジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン又はシクロヘキサノン等)、エステル(より具体的には、酢酸エチル又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、感光体1の製造時の作業性を向上させるためには、ハロゲン化炭化水素以外の溶剤が好ましい。
感光層用塗布液は、各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー又は超音波分散器が用いられる。
感光層用塗布液は、各成分の分散性又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
感光層用塗布液を塗布する方法としては、例えば、導電性基体2上に均一に感光層用塗布液を塗布できる方法である限り、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法又はバーコート法が挙げられる。
感光層用塗布液に含まれる溶剤を除去する方法は、感光層用塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法である限り、特に限定されない。溶剤を除去する方法としては、例えば、加熱、減圧又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体1の製造方法は、必要に応じて、中間層4を形成する工程及び/又は保護層5を形成する工程を更に含んでいてもよい。中間層4を形成する工程及び保護層5を形成する工程では、公知の方法が適宜選択される。
感光体1は、例えば、画像形成装置において像担持体として使用される。第二実施形態で後述する画像形成装置は、像担持体と接触して像担持体に直流電圧を印加する帯電部を備える。
以上、図1A〜図1Cを参照して、第一実施形態に係る感光体1を説明した。第一実施形態に係る感光体1によれば、帯電時の表面電位を安定的に維持することができる。
<第二実施形態:画像形成装置>
第二実施形態は画像形成装置に関する。第二実施形態に係る画像形成装置は、像担持体と、帯電部と、露光部と、現像部と、転写部とを備える。帯電部は、像担持体の表面を帯電する。露光部は、帯電された像担持体の表面を露光して、像担持体の表面に静電潜像を形成する。現像部は、静電潜像をトナー像として現像する。転写部は、トナー像を前記像担持体から記録媒体へ転写する。像担持体は、第一実施形態に係る電子写真感光体である。帯電部の帯電極性は、正極性である。転写部は、像担持体と接触しながらトナー像を記録媒体に転写する。第二実施形態に係る画像形成装置は、いわゆる直接転写方式を採用する。
第二実施形態に係る画像形成装置は、画像不良(例えば、黒点の発生に起因する画像不良)を抑制することができる。その理由は、以下のように推測される。直接転写方式を採用する画像形成装置では、転写部は、像担持体と接触しながらトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写するため、記録媒体に付着する微小成分(例えば、紙粉)が像担持体の表面に付着し易い。微小成分が像担持体の表面に付着すると、通常、黒点が発生し易い。第二実施形態に係る画像形成装置は第一実施形態に係る感光体を備える。第一実施形態に係る感光体は黒点の発生を抑制することができる。よって、第二実施形態に係る画像形成装置は、画像不良(例えば、黒点の発生に起因する画像不良)の発生を抑制することができる。
以下、図2を参照して、第二実施形態に係る画像形成装置100について説明する。図2は画像形成装置100の構成の一例を示す。
画像形成装置100は、電子写真方式の画像形成装置である限り、特に限定されない。画像形成装置100は、例えば、モノクロ画像形成装置であってもよいし、カラー画像形成装置であってもよい。画像形成装置100がカラー画像形成装置である場合、画像形成装置100は、例えば、タンデム方式を採用する。以下、タンデム方式の画像形成装置100を例に挙げて説明する。
画像形成装置100は、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dと、転写ベルト50と、定着部52とを備える。以下、区別する必要がない場合には、画像形成ユニット40a、40b、40c及び40dの各々を、画像形成ユニット40と記載する。
画像形成ユニット40は、像担持体1と、帯電部42と、露光部44と、現像部46と、転写部48とを備える。画像形成ユニット40の中央位置に、像担持体1が設けられる。像担持体1は、矢符方向(反時計回り)に回転可能に設けられる。像担持体1の周囲には、帯電部42を基準として像担持体1の回転方向の上流側から順に、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48が設けられる。なお、画像形成ユニット40には、クリーニング部(不図示)及び除電部(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。
帯電部42は、像担持体1の表面を帯電する。帯電部の帯電極性は正極性である。帯電部42は、非接触方式又は接触方式の帯電部である。非接触方式の帯電部42としては、例えば、コロトロン帯電器又はスコロトロン帯電器が挙げられる。接触方式の帯電部42としては、例えば、帯電ローラー又は帯電ブラシが挙げられる。
画像形成装置100は、帯電部42として帯電ローラーを備えることができる。像担持体1の表面を帯電するときに、帯電ローラーは像担持体1の表面と接触する。像担持体1の表面に微小成分が付着している場合には、接触した帯電ローラーによって微小成分が像担持体1の表面に押圧される。これにより、像担持体1の表面に微小成分が固着し易い。しかし、画像形成装置100は、黒点の発生を抑制することができる。よって、第二実施形態に係る画像形成装置は、帯電部42として帯電ローラーを備える場合であっても、黒点の発生を抑制し、黒点に起因する画像不良の発生を抑制することができる。
露光部44は、帯電された像担持体1の表面を露光する。これにより、像担持体1の表面に静電潜像が形成される。静電潜像は、画像形成装置100に入力された画像データに基づいて形成される。
現像部46は、像担持体1の表面にトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。
現像部46は、像担持体1の表面を清掃することができる。すなわち、画像形成装置100は、いわゆるクリーナーレス方式を採用することができる。現像部46は、像担持体1の表面に残留する成分(以下、残留成分と記載することがある)を除去することができる。残留成分の一例は、トナー成分であり、より具体的には、トナー又は遊離した外添剤である。残留成分の別の例は、非トナー成分(微小成分)であり、より具体的には紙粉である。クリーナーレス方式を採用する画像形成装置100では、クリーニング部(例えば、クリーニングブレード)によって像担持体1の表面の残留成分が掻き取られない。そのため、クリーナーレス方式を採用する画像形成装置100では、通常、像担持体1の表面に残留成分が残り易く、残留成分により黒点が発生し易い。しかし、像担持体1は黒点の発生を抑制し易いため、このような像担持体1を備える画像形成装置100は、クリーナーレス方式を採用し像担持体1の表面に微小成分が残留したとしても、黒点に起因する画像不良の発生を抑制できる。
現像部46が像担持体1の表面を効率的に清掃するためには、以下に示す条件(a)及び条件(b)を満たすことが好ましい。
条件(a):接触現像方式を採用し、像担持体1と現像部46との間に周速(回転速度)差が設けられる。
条件(b):像担持体1の表面電位と、現像バイアスの電位とが以下の数式(b−1)及び数式(b−2)を満たす。
0(V)<現像バイアスの電位(V)<像担持体1の未露光領域の表面電位(V)・・・(b−1)
現像バイアスの電位(V)>像担持体1の露光領域の表面電位(V)>0(V)・・・(b−2)
条件(a)に示す接触現像方式を採用し、像担持体1と現像部46との間に周速差が設けられていると、像担持体1の表面は現像部46と接触し、像担持体1の表面の付着成分が現像部46との摩擦により除去される。現像部46の周速は、像担持体1の周速よりも速いことが好ましい。
条件(b)では、トナーの帯電極性、像担持体1の未露光領域の表面電位、像担持体1の露光領域の表面電位及び現像バイアスの電位は、何れも正極性である場合を想定している。つまり、現像方式が反転現像方式である場合を想定している。なお、像担持体1の未露光領域の表面電位及び露光領域の表面電位は、転写部48がトナー像を像担持体1から記録媒体Pへ転写した後、帯電部42が次周回の像担持体1の表面を帯電する前に測定される。
条件(b)の数式(b−1)を満たすと、像担持体1に残留したトナー(以下、残留トナーと記載することがある)と像担持体1の未露光領域との間に作用する静電的斥力が、残留トナーと現像部46との間に作用する静電的斥力に比べ大きくなる。このため、像担持体1の未露光領域の残留トナーは、像担持体1の表面から現像部46へと移動し、回収される。
条件(b)の数式(b−2)を満たすと、残留トナーと像担持体1の露光領域との間に作用する静電的斥力が、残留トナーと現像部46との間に作用する静電的斥力に比べ小さくなる。このため、像担持体1の露光領域の残留トナーは、像担持体1の表面に保持される。像担持体1の露光領域に保持されたトナーは、そのまま画像形成に使用される。
転写ベルト50は、像担持体1と転写部48との間に記録媒体Pを搬送する。転写ベルト50は、無端状のベルトである。転写ベルト50は、矢符方向(時計回り)に回転可能に設けられる。
転写部48は、現像部46によって現像されたトナー像を、像担持体1の表面から記録媒体Pへ転写する。像担持体1から記録媒体Pにトナー像が転写されるときに、像担持体1は記録媒体Pと接触している。すなわち、画像形成装置100は、いわゆる直接転写方式を採用する。転写部48は、例えば、転写ローラーが挙げられる。
画像形成ユニット40a〜40dの各々によって、転写ベルト50上の記録媒体Pに、複数色(例えば、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色)のトナー像が順に重ねられる。なお、画像形成装置100がモノクロ画像形成装置である場合には、画像形成装置100は、画像形成ユニット40aを備え、画像形成ユニット40b〜40dは省略される。
定着部52は、転写部48によって記録媒体Pに転写された未定着のトナー像を、加熱及び/又は加圧する。定着部52は、例えば、加熱ローラー及び/又は加圧ローラーである。トナー像を加熱及び/又は加圧することにより、記録媒体Pにトナー像が定着する。その結果、記録媒体Pに画像が形成される。
以上、第二実施形態に係る画像形成装置を説明した。第二実施形態に係る画像形成装置は、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備えることで、黒点に起因する画像不良の発生を抑制することができる。
<第三実施形態:プロセスカートリッジ>
第三実施形態はプロセスカートリッジに関する。第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、第一実施形態に係る感光体を備える。引き続き、図2を参照して、第三実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。プロセスカートリッジは、ユニット化された像担持体1を備える。プロセスカートリッジは、像担持体1に加えて、帯電部42、露光部44、現像部46及び転写部48からなる群より選択される少なくとも1つをユニット化した構成が採用される。プロセスカートリッジは、例えば、画像形成ユニット40a〜40dの各々に相当する。プロセスカートリッジには、クリーニング装置(不図示)及び除電器(不図示)の一方又は両方が更に備えられてもよい。プロセスカートリッジは、画像形成装置100に対して着脱自在に設計される。そのため、プロセスカートリッジは取り扱いが容易であり、像担持体1の感度特性等が劣化した場合に、像担持体1を含めて容易かつ迅速に交換することができる。
以上、第三実施形態に係るプロセスカートリッジを説明した。第三実施形態に係るプロセスカートリッジは、像担持体として第一実施形態に係る感光体を備えることで、黒点に起因する画像不良の発生を抑制することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されない。
<1.感光体の材料>
感光体の感光層を形成するための材料として、以下の電荷発生剤、正孔輸送剤、電子輸送剤及びバインダー樹脂を準備した。
(1−1.電荷発生剤)
電荷発生剤として、電荷発生剤(CG−1)を準備した。電荷発生剤(CG−1)は、第一実施形態で説明した化学式(CG−1)で表される無金属フタロシアニンであった。また、電荷発生剤(CG−1)の結晶構造はX型であった。
(1−2.正孔輸送剤)
トリフェニルアミン誘導体(H−1)〜(H−5)及び正孔輸送剤(J−1)〜(J−3)を準備した。トリフェニルアミン誘導体(H−1)〜(H−5)は、第一実施形態で説明した。また、正孔輸送剤(J−1)〜(J−3)は、それぞれ化学式(J−1)〜(J−3)で表される。
Figure 0006583546
(1−3.電子輸送剤)
第一実施形態で説明したキノン誘導体(E−1)、ジイミド誘導体(E−2)及びマロノニトリル誘導体(E−3)〜(E−6)を準備した。
(1−4.バインダー樹脂)
バインダー樹脂として、第一実施形態に説明したビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂(Resin−1)を準備した。
<2.感光体の製造>
準備した感光体の感光層を形成するための材料を用いて、感光体(A−1)〜(A−18)及び(B−1)〜(B−3)を製造した。
(感光体(A−1)の製造)
容器内に、電荷発生剤(CG−1)5質量部と、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(H−1)50質量部と、電子輸送剤としてのキノン誘導体(E−1)35質量部と、バインダー樹脂(Resin−1)100質量部と、溶剤としてのテトラヒドロフラン750質量部とを投入した。容器の内容物を、ボールミルを用いて50時間混合して分散し、感光層用塗布液を調製した。
ディップコート法を用いて、導電性基体上に感光層用塗布液を塗布し、導電性基体上に塗布膜を形成した。続いて、100℃で40分間乾燥させ、塗布膜中からテトラヒドロフランを除去した。これにより、導電性基体上に膜厚35μmの感光層を備える感光体(A−1)を得た。
(感光体(A−2)〜(A−18)及び(B−1)〜(B−3)の製造)
以下の点を変更した以外は、感光体(A−1)の製造と同様の方法で、感光体(A−2)〜(A−18)及び(B−1)〜(B−3)を製造した。感光体(A−1)の製造に用いた正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(H−1)及び電子輸送剤としてのキノン誘導体(E−1)に代えて、それぞれ表1に示す種類の正孔輸送剤(HTM)及び電子輸送剤(ETM)を用いた。欄「感光体No」のA−1〜A−18及びB−1〜B−3は、それぞれ感光体(A−1)〜(A−18)及び(B−1)〜(B−3)を示す。欄「HTM」のH−1〜H−5及びJ−1〜J−3は、それぞれトリフェニルアミン誘導体(H−1)〜(H−5)及び正孔輸送剤(J−1)〜(J−3)を示す。欄「ETM」のE−1〜E−6は、それぞれキノン誘導体(E−1)、ジイミド誘導体(E−2)及びマロノニトリル誘導体(E−3)〜(E−6)を示す。
<3.測定方法>
(3−1.感光体のリーク開始電圧の測定)
得られた感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)〜(B−3)の各々に対して、リーク開始電圧を測定した。感光体のリーク開始電圧は、以下の条件により耐圧性試験機(KDC作製検査治具)を用いて測定した。具体的には、感光体に電圧を印加し、感光層が絶縁破壊するまで徐々に電圧を増加させた。絶縁破壊した電圧、すなわち感光層が絶縁破壊する最小の電圧をリーク開始電圧とした。得られたリーク開始温度を表1に示す。
温度 :30℃
相対湿度:80%RH
(3−2.感光層のビッカース硬度の測定)
得られた感光体(A−1)〜(A−18)及び感光体(B−1)〜(B−3)の各々に対して、感光層(単層型感光層)のビッカース硬度を測定した。感光層のビッカース硬度は、日本工業規格(JIS)Z2244に準拠する方法で測定した。ビッカース硬度の測定には、硬度計(株式会社マツザワ(旧 松沢精機株式会社)製「マイクロビッカース硬度計 DMH−1型」)を用いた。ビッカース硬度の測定は、温度23℃、ダイヤモンド圧子の荷重(試験力)10gf、試験力に到達するまでの所要時間5秒、ダイヤモンド圧子の接近速度2mm/秒及び試験力の保持時間1秒の条件で行った。測定されたビッカース硬度を表1に示す。
(3−3.正孔輸送剤のイオン化ポテンシャル)
トリフェニルアミン誘導体(H−1)〜(H−5)及び正孔輸送剤(J−1)〜(J−3)の各々に対して、以下の方法で、イオン化ポテンシャルを得た。まず、サイクリックボルタメトリー測定を行い、正孔輸送剤の酸化電位を測定した。得られた酸化電位を変換しイオン化ポテンシャルを得た。
以下に、サイクリックボルタメトリー測定条件を示す。
作用電極 :グラッシーカーボン
対極 :白金
参照電極 :銀/硝酸銀(0.1moL/L、AgNO3−アセトニトリル溶液)
試料溶液電解質:過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム(0.1moL)
測定対象(物質量):正孔輸送剤(0.001moL)
溶剤 :ジクロロメタン(1L)
<4.感光体の評価>
(4−1.画像評価(黒点))
感光体(A−1)〜(A−18)及び(B−1)〜(B−3)の各々に対し、画像評価を行った。評価機として、プリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−1300D」、半導体レーザーによる乾式電子写真方式のプリンター)を使用した。評価機は、帯電ローラーを帯電部として備えていた。帯電部の帯電極性は、正極性であった。評価機は、直接転写方式の転写部(転写ローラー)を備えていた。評価機の現像部は、感光体のクリーニング機能を有していた。評価には、用紙として、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「京セラドキュメントソリューションズブランド紙VM−A4(A4サイズ)」を使用した。各評価には、トナーとして、京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「非磁性1成分用トナー」を使用した。各評価の測定環境は、高温高湿環境(温度:32.5℃ 相対湿度:80%RH)であった。感光体を評価機に搭載した。画像形成条件を、線速168mm/秒に設定した。評価機の感光体の動作を安定化させるために、アルファベットの画像を1000枚印刷した。続いて、画像Dを1枚印刷し、黒点の評価用サンプルとした。画像Dは、全面白紙画像であった。得られた評価用サンプルを目視で観察し、黒点の有無を観察した。観察結果に基づき、下記の評価基準に従って、黒点に関する画像評価を行った。黒点の個数及び判定結果を表1に示す。
(黒点に関する画像評価の評価基準)
評価A(良い):黒点の個数は、5個以下であった。
評価B(悪い):黒点の個数は、5個を超えていた。
(4−2.感度特性の評価)
感光体(A−1)〜(A−18)及び(B−1)〜(B−3)の各々に対し、露光後電位を測定し、電気特性(感度特性)の評価を行った。感光体の露光後電位は、温度10℃及び相対湿度20%RHの環境下で、ドラム感度試験機(GENTEC社製)を用いて測定した。感光体の表面電位が+600Vとなるように、感光体の表面を帯電した。その後、単色光(露光波長:780nm)を露光量0.26μJ/cm2で感光体表面に照射し露光した。露光後50ミリ秒経過後の感光体の露光領域の表面電位を測定した。測定した表面電位を露光後電位VLとした。なお、露光後電位VLの値が0V以上であって小さいほど、感光体の感度特性が優れていることを示す。以下の基準に従って、感光体の感度を判定した。露光後電位VL(単位:V)及び判定結果を表1に示す。
評価A(良い):露光後電位VLが+130V以下であった。
評価B(悪い):露光後電位VLが+130Vを超えた。
表1中、I.P.及び電圧は、それぞれイオン化ポテンシャル(単位:eV)及びリーク開始電圧(単位:kV)を示す。
Figure 0006583546
表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−18)では、感光層は、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(H−1)〜(H−5)の何れかを含有する。トリフェニルアミン誘導体(H−1)〜(H−5)は、一般式(1)で表される化合物である。感光体(A−1)〜(A−18)では、電気特性(感度特性)の評価はすべて評価A(良い)である。画像評価はすべて評価A(良い)である。
表1に示すように、感光体(B−1)〜(B−3)では、感光層は、正孔輸送剤(J−1)〜(J−3)の何れかを含有する。正孔輸送剤(J−1)〜(J−3)は、一般式(1)で表される化合物ではない。感光体(B−1)〜(B−2)では、電気特性の評価は何れも評価B(悪い)である。感光体(B−3)では、画像評価は評価B(悪い)である。
よって、感光体(A−1)〜(A−18)は、感光体(B−1)〜(B−3)に比べ、電気特性に優れ、かつ黒点の発生を抑制することが明らかである。
表1に示すように、感光体(A−11)〜(A−18)では、感光層は、電子輸送剤としてのマロノニトリル誘導体(E−3)〜(E−6)を含有する。マロノニトリル誘導体(E−3)〜(E−6)は、一般式(2−3)で表される。感光体(A−11)〜(A−18)の画像評価では、7つの感光体において黒点個数が1個である。1つの感光体において黒点個数が2個である。
表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−5)では、感光層は、電子輸送剤としてのキノン誘導体(E−1)を含有する。キノン誘導体(E−1)は一般式(2−1)で表される。感光体(A−1)〜(A−5)の画像評価では、2つの感光体において黒点個数が1個である。3つの感光体において黒点個数が2個である。感光体(A−6)〜(A−10)では、感光層は、電子輸送剤としてのジイミド誘導体(E−2)を含有する。ジイミド誘導体(E−2)は一般式(2−2)で表される。感光体(A−6)〜(A−10)の画像評価では、3つの感光体において黒点個数が2個である。2つの感光体において黒点個数が3個である。
よって、感光体(A−11)〜(A−18)は、感光体(A−1)〜(A−10)に比べ、黒点の発生を更に抑制することは明らかである。
表1に示すように、感光体(A−3)〜(A−4)、(A−8)〜(A−9)及び(A−13)〜(A−14)では、感光層は、正孔輸送剤としてのトリフェニルアミン誘導体(H−3)又は(H−4)を含有する。感光体(A−3)〜(A−4)、(A−8)〜(A−9)及び(A−13)〜(A−14)では、露光後電位VLは+112V又は+115Vである。
表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−2)、(A−5)〜(A−7)、(A−10)〜(A−12)及び(A−15)〜(A−18)では、感光層は、トリフェニルアミン誘導体(H−1)、(H−2)及び(H−5)の何れかの正孔輸送剤を含有する。感光体(A−1)〜(A−2)、(A−5)〜(A−7)、(A−10)〜(A−12)及び(A−15)〜(A−18)では、露光後電位VLは+120V以上+125V以下であった。
よって、感光体(A−3)〜(A−4)、(A−8)〜(A−9)及び(A−13)〜(A−14)は、感光体(A−1)〜(A−2)、(A−5)〜(A−7)、(A−10)〜(A−12)及び(A−15)〜(A−18)に比べ、電気特性が更に優れることが明らかである。
以上から、本発明に係る感光体では電気特性に優れ、かつ黒点の発生を抑制することが明白であり、このような感光体を備える画像形成装置は、画像不良(特に、黒点)の発生を抑制することは明白である。
本発明に係る感光体は、電子写真感光体として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 導電性基体と、感光層とを備える電子写真感光体であって、
    前記感光層は、単層型感光層であり、
    前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、電子輸送剤と、バインダー樹脂とを少なくとも含有し、
    前記正孔輸送剤は、化学式(H−1)、化学式(H−2)又は化学式(H−5)で表される化合物であり
    前記電子輸送剤は、化学式(E−3)、化学式(E−4)又は化学式(E−6)で表される化合物であり、
    前記正孔輸送剤が前記化学式(H−1)で表される化合物である場合、前記電子輸送剤は、前記化学式(E−3)、前記化学式(E−4)又は前記化学式(E−6)で表される化合物であり、
    前記正孔輸送剤が前記化学式(H−2)又は前記化学式(H−5)で表される化合物である場合、前記電子輸送剤は、前記化学式(E−3)で表される化合物である、電子写真感光体。
    Figure 0006583546
    Figure 0006583546
  2. 前記電荷発生剤は、X型無金属フタロシアニンである、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1に記載の電子写真感光体を備える、プロセスカートリッジ。
  4. 像担持体と、
    前記像担持体の表面を帯電する帯電部と、
    帯電された前記像担持体の前記表面を露光して、前記像担持体の前記表面に静電潜像を形成する露光部と、
    前記静電潜像をトナー像として現像する現像部と、
    前記トナー像を前記像担持体から記録媒体へ転写する転写部と
    を備える画像形成装置であって、
    前記像担持体は、請求項1に記載の電子写真感光体であり、
    前記帯電部の帯電極性は、正極性であり、
    前記転写部は、前記像担持体と接触しながら前記トナー像を前記記録媒体に転写する、画像形成装置。
  5. 前記現像部は、前記像担持体の前記表面を清掃する、請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記帯電部は、帯電ローラーである、請求項に記載の画像形成装置。
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