以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXの一例を
示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSとは、液体で満たされた部分(空間、領域)をいう。基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号、及び欧州特許出願公開第1713113号等に開示されているような、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材(計測器)Cを搭載して移動可能な計測ステージ3と、基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測する計測システム4と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、液体LQの液浸空間LSを形成する液浸部材5と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置6と、制御装置6に接続され、露光に関する各種の情報を記憶する記憶装置7とを備えている。
また、露光装置EXは、投影光学系PL、及び計測システム4を含む各種の計測システムを支持する基準フレーム8Aと、基準フレーム8Aを支持する装置フレーム8Bと、基準フレーム8Aと装置フレーム8Bとの間に配置され、装置フレーム8Bから基準フレーム8Aへの振動の伝達を抑制する防振装置10とを備えている。防振装置10は、ばね装置などを含む。本実施形態において、防振装置10は、気体ばね(例えばエアマウント)を含む。なお、基板Pのアライメントマークを検出する検出システム及び基板Pなどの物体の表面の位置を検出する検出システムの一方又は両方が基準フレーム8Aに支持されてもよい。
また、露光装置EXは、露光光ELが進行する空間CSの環境(温度、湿度、圧力、及びクリーン度の少なくとも一つ)を調整するチャンバ装置9を備えている。空間CSには、少なくとも投影光学系PL、液浸部材5、基板ステージ2、及び計測ステージ3が配置される。本実施形態においては、マスクステージ1、及び照明系ILの少なくとも一部も空間CSに配置される。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びF2レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で移動可能である。マスクステージ1は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システム11の作動により移動する。本実施形態において、マスクステージ1は、駆動システム11の作動により、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム11は、平面モータを含まなくてもよい。駆動システム11は、リニアモータを含んでもよい。
投影光学系PLは、投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態において、投影光学系PLは、縮小系である。投影光学系PLの投影倍率は、1/4である。なお、投影光学系PLの投影倍率は、1/5、又は1/8等でもよい。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態において、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれでもよい。投影光学系PLは、倒立像及び正立像のいずれを形成してもよい。
投影光学系PLは、露光光ELが射出される射出面12を有する終端光学素子13を含む。終端光学素子13は、投影光学系PLの一部を構成する光学部材である。射出面12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する。終端光学素子13は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い光学素子である。投影領域PRは、射出面12から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面12は、−Z軸方向を向いている。射出面12から射出される露光光ELは、−Z軸方向に進行する。射出面12は、XY平面と平行である。なお、−Z軸方向を向いている射出面12は、凸面でもよいし、凹面でもよい。なお、射出面12は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。本実施形態において、終端光学素子13の光軸は、Z軸と平行である。
終端光学素子13の光軸と平行な方向に関して、射出面12側が−Z側であり、入射面側が+Z側である。投影光学系PLの光軸と平行な方向に関して、投影光学系PLの像面側が−Z側であり、投影光学系PLの物体面側が+Z側である。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。計測ステージ3は、計測部材(計測器)Cを搭載した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、ベース部材14のガイド面14G上を移動可能である。ガイド面14GとXY平面とは実質的に平行である。
基板ステージ2は、例えば米国特許出願公開第2007/0177125号、米国特許出願公開第2008/0049209号等に開示されているような、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部と、第1保持部の周囲に配置され、カバー部材Tをリリース可能に保持する第2保持部とを有する。第1保持部は、基板Pの表面(上面)とXY平面とが実質的に平行となるように、基板Pを保持する。第1保持部に保持された基板Pの上面と、第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面とは、実質的に同一平面内に配置される。Z軸方向に関して、射出面12と第1保持部に保持された基板Pの上面との距離は、射出面12と第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面との距離と実質的に等しい。なお、Z軸方向に関して、射出面12と基板Pの上面との距離が射出面12とカバー部材Tの上面との距離と実質的に等しいとは、射出面12と基板Pの上面との距離と射出面12とカバー部材Tの上面との距離との差が、基板Pの露光時における射出面12と基板Pの上面との距離(所謂、ワーキングディスタンス)の例えば10%以内であることを含む。なお、第1保持部に保持された基板Pの上面と、第2保持部に保持されたカバー部材Tの上面とは、同一平面内に配置されなくてもよい。例えば、Z軸方向に関して、基板Pの上面との位置とカバー部材Tの上面の位置とが異なってもよい。例えば、基板Pの上面とカバー部材Tの上面との間に段差があってよい。なお、基板Pの上面に対してカバー部材Tの上面が傾斜してもよいし、カバー部材Tの上面が曲面を含んでもよい。
基板ステージ2及び計測ステージ3は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システム15の作動により移動する。駆動システム15は、基板ステージ2に配置された可動子2Cと、計測ステージ3に配置された可動子3Cと、ベース部材14に配置された固定子14Mとを有する。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、駆動システム15の作動により、ガイド面14G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。なお、駆動システム15は、平面モータを含まなくてもよい。駆動システム15は、リニアモータを含んでもよい。
計測システム4は、干渉計システムを含む。干渉計システムは、基板ステージ2の計測ミラー及び計測ステージ3の計測ミラーに計測光を照射して、その基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測するユニットを含む。なお、計測システムが、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号に開示されているようなエンコーダシステムを含んでもよい。なお、計測システム4が、干渉計システム及びエンコーダシステムのいずれか一方のみを含んでもよい。
基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置6は、計測システム4の計測結果に基づいて、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
次に、本実施形態に係る液浸部材5について説明する。なお、液浸部材を、ノズル部材、と称してもよい。図2は、XZ平面と平行な液浸部材5の断面図である。図3は、図2の一部を拡大した図である。図4は、液浸部材5の動作の一例を示す図である。図5は、液浸部材5を下側(−Z側)から見た図である。図6及び図7は、液浸部材5の分解斜視図である。
液浸部材5は、終端光学素子13の下方で移動可能な物体上に液体LQの液浸空間LSを形成する。
終端光学素子13の下方で移動可能な物体は、射出面12と対向する位置を含むXY平面内を移動可能である。その物体は、射出面12と対向可能であり、投影領域PRに配置可能である。その物体は、液浸部材5の下方で移動可能であり、液浸部材5と対向可能である。本実施形態において、その物体は、基板ステージ2の少なくとも一部(例えば基板ステージ2のカバー部材T)、基板ステージ2(第1保持部)に保持された基板P、及び計測ステージ3の少なくとも一つを含む。基板Pの露光において、終端光学素子13の射出面12と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域だけが液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。
以下の説明においては、物体が基板Pであることとする。なお、上述のように、物体は、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方でもよいし、基板P、基板ステージ2、及び計測ステージ3とは別の物体でもよい。
液浸空間LSは、2つの物体を跨ぐように形成される場合がある。例えば、液浸空間LSは、基板ステージ2のカバー部材Tと基板Pとを跨ぐように形成される場合がある。液浸空間LSは、基板ステージ2と計測ステージ3とを跨ぐように形成される場合がある。
液浸空間LSは、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように形成される。液浸空間LSの少なくとも一部は、終端光学素子13と基板P(物体)との間の空間に形成される。液浸空間LSの少なくとも一部は、液浸部材5と基板P(物体)との間の空間に形成される。
液浸部材5は、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材21と、第1部材21の下方において光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される第2部材22とを備えている。第2部材22は、第1部材21に対して可動である。
第1部材21は、第2部材22よりも基板P(物体)から離れた位置に配置される。第2部材22の少なくとも一部は、第1部材21と基板P(物体)との間に配置される。第2部材22の少なくとも一部は、終端光学素子13と基板P(物体)との間に配置される。なお、第2部材22は、終端光学素子13と基板P(物体)との間に配置されなくてもよい。
第1部材21は、−Z軸方向を向く下面23と、下面23の周囲の少なくとも一部に配置され、液体LQを回収可能な液体回収部24とを有する。なお、液体回収部24を、流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)を回収可能な流体回収部と呼んでもよい。第2部材22は、+Z軸方向を向く上面25と、−Z軸方向を向く下面26と、下面26の周囲の少なくとも一部に配置された流体回収部27とを有する。液体回収部24は、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部を回収する。流体回収部27は、液浸空間LSの液体LQの少なくとも一部を回収する。なお、下面23を第1下面と呼んでもよい。また、上面25を第2上面と呼んでもよい。また、下面26を第2下面と呼んでもよい。
第1部材21は、終端光学素子13の側面13Fと対向する内側面28と、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して外側を向く外側面29とを有する。第2部材22は、外側面29と間隙を介して対向する内側面30を有する。なお、第1部材21の内側面28を対向面と呼んでもよい。
第1部材21の内側面28は、終端光学素子13の側面13Fと間隙を介して対向する。
第2部材22は、下面23に対向可能である。第2部材22は、液体回収部24に対向可能である。第2部材22の上面25の少なくとも一部は、下面23と間隙を介して対向する。上面25の少なくとも一部は、射出面12と間隙を介して対向する。なお、上面25が射出面12と対向しなくてもよい。
基板P(物体)は、下面26に対向可能である。基板P(物体)は、流体回収部27の少なくとも一部に対向可能である。基板Pの上面の少なくとも一部は、下面26と間隙を介して対向する。基板Pの上面の少なくとも一部は、射出面12と間隙を介して対向する。
Z軸方向において、基板P(物体)の上面と射出面12との間隙の寸法は、基板Pの上面と下面26との間隙の寸法よりも大きい。なお、基板P(物体)の上面と射出面12との間隙の寸法が、基板Pの上面と下面26との間隙の寸法と実質的に等しくてもよい。なお、基板P(物体)の上面と射出面12との間隙の寸法が、基板Pの上面と下面26との間隙の寸法よりも小さくてもよい。
下面23と上面25との間に第1空間SP1が形成される。下面26と基板P(物体)の上面との間に第2空間SP2が形成される。側面13Fと内側面28との間に第3空間SP3が形成される。
上面25は、液体LQに対して撥液性である。本実施形態において、上面25は、フッ素を含む樹脂の膜の表面を含む。上面25は、PFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)の膜の表面を含む。なお、上面25が、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)の膜の表面を含んでもよい。液体LQに対する上面25の接触角は、90度よりも大きい。なお、液体LQに対する上面25の接触角が、100度よりも大きくてもよいし、110度よりも大きくてもよいし、120度よりも大きくてもよい。
上面25が液体LQに対して撥液性であるため、第1空間SP1の液体LQに気体部分が生成されたり、液体LQに気泡が混入したりすることが抑制される。
なお、液体LQに対する上面25の接触角が、液体LQに対する基板Pの上面の接触角よりも大きくてもよい。なお、液体LQに対する上面25の接触角が、液体LQに対する基板Pの上面の接触角よりも小さくてもよい。なお、液体LQに対する上面25の接触角が、液体LQに対する基板Pの上面の接触角と実質的に等しくてもよい。
なお、上面25が液体LQに対して親液性でもよい。液体LQに対する上面25の接触角が、90度よりも小さくてもよいし、80度よりも小さくてもよいし、70度よりも小さくてもよい。これにより、第1空間SP1において液体LQが円滑に流れる。
なお、下面23が液体LQに対して撥液性でもよい。例えば、下面23及び上面25の両方が液体LQに対して撥液性でもよい。液体LQに対する下面23の接触角は、90度よりも大きくてもよいし、100度よりも大きくてもよいし、110度よりも大きくてもよいし、120度よりも大きくてもよい。
なお、下面23が液体LQに対して撥液性で、上面25が液体LQに対して親液性でもよい。液体LQに対する下面23の接触角が、液体LQに対する上面25の接触角よりも大きくてもよい。
なお、下面23が液体LQに対して親液性でもよい。例えば、下面23及び上面25の両方が液体LQに対して親液性でもよい。液体LQに対する下面23の接触角は、90度よりも小さくてもよいし、80度よりも小さくてもよいし、70度よりも小さくてもよい。
なお、下面23が液体LQに対して親液性で、上面25が液体LQに対して撥液性でもよい。液体LQに対する下面23の接触角が、液体LQに対する上面25の接触角よりも小さくてもよい。
本実施形態において、下面26は、液体LQに対して親液性である。液体LQに対する下面26の接触角が、90度よりも小さくてもよいし、80度よりも小さくてもよいし、70度よりも小さくてもよい。本実施形態において、液体LQに対する下面26の接触角は、液体LQに対する基板Pの上面の接触角よりも小さい。なお、液体LQに対する下面26の接触角は、液体LQに対する基板Pの上面の接触角よりも大きくてもよいし、実質的に等しくてもよい。
終端光学素子13の側面13Fは、射出面12の周囲に配置される。側面13Fは、露光光ELを射出しない非射出面である。露光光ELは、射出面12を通過し、側面13Fを通過しない。
第1部材21の下面23は、液体LQを回収しない。下面23は、非回収部であり、液体LQを回収不可能である。第1部材21の下面23は、第2部材22との間で液体LQを保持可能である。
第2部材22の上面25は、液体LQを回収しない。上面25は、非回収部であり、液体LQを回収不可能である。第2部材22の上面25は、第1部材21との間で液体LQを保持可能である。
第2部材22の下面26は、液体LQを回収しない。下面26は、非回収部であり、液体LQを回収不可能である。第2部材22の下面26は、基板P(物体)との間で液体LQを保持可能である。
内側面28、外側面29、及び内側面30は、液体LQを回収しない。内側面28、外側面29、及び内側面30は、非回収部であり、液体LQを回収不可能である。
本実施形態において、下面23は、XY平面と実質的に平行である。上面25も、XY平面と実質的に平行である。下面26も、XY平面と実質的に平行である。すなわち、下面23と上面25とは、実質的に平行である。上面25と下面26とは、実質的に平行である。
なお、下面23が、XY平面に対して非平行でもよい。下面23は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。
なお、上面25が、XY平面に対して非平行でもよい。上面25は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。
なお、下面26が、XY平面に対して非平行でもよい。下面26は、XY平面に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。
なお、下面23と上面25とは、平行でもよいし、非平行でもよい。上面25と下面26とは、平行でもよいし、非平行でもよい。下面23と下面26とは、平行でもよいし、非平行でもよい。
第1部材21は、射出面12から射出された露光光ELが通過可能な開口34を有する。第2部材22は、射出面12から射出された露光光ELが通過可能な開口35を有する。なお、開口34を第1開口、開口35を第2開口と呼んでもよい。開口34の内側に終端光学素子13の少なくとも一部が配置される。開口34の下端の周囲に下面23が配置される。開口35の上端の周囲に上面25が配置される。開口35の下端の周囲に下面26が配置される。
本実施形態において、第2部材22の内面35Uの少なくとも一部は、光路Kに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜する。第2部材22の内面35Uの少なくとも一部は、光路Kに面する開口35を規定する。これにより、第2部材22の内面35Uが液浸空間LSに配置されている状態で、第2部材22は円滑に移動可能である。また、第2部材22の内面35Uが液浸空間LSに配置されている状態で第2部材22が移動しても、液浸空間LSの液体LQの圧力が変動することが抑制される。
XY平面内における開口34の寸法は、開口35の寸法よりも大きい。X軸方向に関して、開口34の寸法は、開口35の寸法よりも大きい。Y軸方向に関して、開口34の寸法は、開口35の寸法よりも大きい。本実施形態において、射出面12の直下に第1部材21は配置されない。第1部材21の開口34は、射出面12の周囲に配置される。開口34は、射出面12より大きい。終端光学素子13の側面13Fと第1部材21との間に形成された間隙の下端は、第2部材22の上面25に面する。第2部材22の開口35は、射出面12と対向するように配置される。本実施形態において、XY平面内における開口35の形状は、長方形状である。開口35は、X軸方向に長い。なお、開口35の形状は、X軸方向に長い楕円形でもよいし、X軸方向に長い多角形でもよい。
なお、開口34の寸法が開口35の寸法よりも小さくてもよい。なお、開口34の寸法が開口35の寸法と実質的に等しくてもよい。
第1部材21は、終端光学素子13の周囲に配置される。第1部材21は、環状の部材である。第1部材21は、終端光学素子13に接触しないように配置される。第1部材21と終端光学素子13との間に間隙が形成される。第1部材21は、射出面12と対向しない。なお、第1部材21の一部が、射出面12と対向してもよい。すなわち、第1部材21の一部が、射出面12と基板P(物体)の上面との間に配置されてもよい。なお、第1部材21は環状でなくてもよい。例えば、第1部材21は、終端光学素子13(光路K)の周囲の一部に配置されてもよい。例えば、第1部材21は、終端光学素子13(光路K)の周囲において複数配置されてもよい。
第2部材22は、光路Kの周囲に配置される。第2部材22は、環状の部材である。第2部材22は、第1部材21に接触しないように配置される。第2部材22と第1部材21との間に間隙が形成される。
第2部材22は、第1部材21に対して移動可能である。第2部材22は、終端光学素子13に対して移動可能である。第2部材22と第1部材21との相対位置は、変化する。第2部材22と終端光学素子13との相対位置は、変化する。
第2部材22は、終端光学素子13の光軸と垂直なXY平面内を移動可能である。第2部材22は、XY平面と実質的に平行に移動可能である。図4に示すように、本実施形態において、第2部材22は、少なくともX軸方向に移動可能である。なお、第2部材22が、X軸方向に加えて、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの少なくとも一つの方向に移動可能でもよい。
本実施形態において、終端光学素子13は、実質的に移動しない。第1部材21も、実質的に移動しない。
第2部材22は、第1部材21の少なくとも一部の下方で移動可能である。第2部材22は、第1部材21と基板P(物体)との間において移動可能である。
第2部材22がXY平面内において移動することにより、第1部材21の外側面29と第2部材22の内側面30との間隙の寸法が変化する。換言すれば、第2部材22がXY平面内において移動することによって、外側面29と内側面30との間の空間の大きさが変化する。例えば、図4に示す例では、第2部材22が−X軸方向に移動することにより、終端光学素子13に対して+X側における外側面29と内側面30との間隙の寸法が小さくなる(外側面29と内側面30との間の空間が小さくなる)。第2部材22が+X軸方向に移動することにより、終端光学素子13に対して+X側における外側面29と内側面30との間隙の寸法が大きくなる(外側面29と内側面30との間の空間が大きくなる)。
本実施形態においては、第1部材21(外側面29)と第2部材22(内側面30)とが接触しないように、第2部材22の移動可能範囲(可動範囲)が定められる。
第2部材22は、射出面12から露光光ELが射出される期間の少なくとも一部において移動されてもよい。第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で射出面12から露光光ELが射出される期間の少なくとも一部において移動されてもよい。
第2部材22は、基板P(物体)が移動する期間の少なくとも一部と並行して移動されてもよい。第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で基板P(物体)が移動する期間の少なくとも一部と並行して移動されてもよい。
第2部材22は、基板P(物体)の移動方向に移動されてもよい。例えば、基板Pが移動される期間の少なくとも一部において、第2部材22は、基板Pの移動方向に移動されてもよい。例えば、基板PがXY平面内における一方向(例えば+X軸方向)に移動されるとき、第2部材22は、その基板Pの移動と同期して、XY平面内における一方向(+X軸方向)に移動されてもよい。
液浸部材5は、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給する液体供給部31を有する。液体供給部31は、第1部材21に配置される。
なお、液体供給部31は、第1部材21及び第2部材22の両方に配置されてもよい。
なお、液体供給部31は、第1部材21に配置され、第2部材22に配置されなくてもよい。なお、液体供給部31は、第2部材22に配置され、第1部材21に配置されなくてもよい。なお、液体供給部31は、第1部材21及び第2部材22とは異なる部材に配置されてもよい。
液体供給部31は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対する放射方向に関して液体回収部24及び流体回収部27の内側に配置される。本実施形態において、液体供給部31は、第1部材21の内側面28に配置される開口(液体供給口)を含む。液体供給部31は、側面13Fに対向するように配置される。液体供給部31は、側面13Fと内側面28との間の第3空間SP3に液体LQを供給する。本実施形態において、液体供給部31は、光路K(終端光学素子13)に対して+X側及び−X側のそれぞれに配置される。なお、液体供給部31は、光路K(終端光学素子13)に対してY軸方向に配置されてもよいし、X軸方向及びY軸方向を含む光路K(終端光学素子13)の周囲に複数配置されてもよい。液体供給部31は、一つでもよい。なお、液体供給部31のかわりに、あるいは液体供給部31に加えて、液体LQを供給可能な液体供給部が下面23に設けられてもよい。
本実施形態において、液体供給部(液体供給口)31は、第1部材21の内部に形成された供給流路31Rを介して、液体供給装置31Sと接続される。液体供給装置31Sは、クリーンで温度調整された液体LQを液体供給部31に供給可能である。液体供給部31は、液浸空間LSを形成するために、液体供給装置31Sからの液体LQを供給する。
下面23の内側のエッジと上面25との間に、開口40が形成される。射出面12と基板P(物体)との間の光路Kを含む光路空間SPKと、下面23と上面25との間の第1空間SP1とは、開口40を介して結ばれる。光路空間SPKは、射出面12と基板P(物体)との間の空間、及び射出面12と上面25との間の空間を含む。開口40は、光路Kに面するように配置される。側面13Fと内側面28との間の第3空間SP3と、第1空間SP1とは、開口40を介して結ばれる。
液体供給部31からの液体LQの少なくとも一部は、開口40を介して、下面23と上面25との間の第1空間SP1に供給される。液浸空間LSを形成するために液体供給部31から供給された液体LQの少なくとも一部は、開口34及び開口35を介して、射出面12と対向する基板P(物体)上に供給される。これにより、光路Kが液体LQで満たされる。液体供給部31からの液体LQの少なくとも一部は、下面26と基板P(物体)の上面との間の第2空間SP2に供給される。
Z軸方向に関して、第1空間SP1の寸法は、第2空間SP2の寸法よりも小さい。なお、Z軸方向に関して、第1空間SP1の寸法が、第2空間SP2の寸法と実質的に等しくてもよいし、第2空間SP2の寸法よりも大きくてもよい。
液体回収部24は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して下面23の外側に配置される。液体回収部24は、下面23の周囲に配置される。液体回収部24は、露光光ELの光路Kの周囲に配置される。なお、液体回収部24は、下面23の周囲の一部に配置されてもよい。例えば、液体回収部24は、下面23の周囲において複数配置されてもよい。液体回収部24は、第1空間SP1に面するように配置される。液体回収部24は、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収する。
流体回収部27は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して下面26の外側に配置される。流体回収部27は、下面26の周囲に配置される。流体回収部27は、露光光ELの光路Kの周囲に配置される。なお、流体回収部27は、下面26の周囲の一部に配置されてもよい。例えば、流体回収部27は、下面26の周囲において複数配置されてもよい。流体回収部27は、第2空間SP2に面するように配置される。流体回収部27は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収する。
流体回収部27は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して第1部材21の外側に配置される。流体回収部27は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して第1空間SP1の外側に配置される。
本実施形態においては、上面25側の第1空間SP1及び下面26側の第2空間SP2の一方から他方への液体LQの移動が抑制されている。第1空間SP1と第2空間SP2とは、第2部材22によって仕切られている。第1空間SP1の液体LQは、開口35を介して第2空間SP2に移動できる。第1空間SP1の液体LQは、開口35を介さずに第2空間SP2に移動できない。光路Kに対して開口35よりも外側の第1空間SP1に存在する液体LQは、第2空間SP2に移動できない。第2空間SP2の液体LQは、開口35を介して第1空間SP1に移動できる。第2空間SP2の液体LQは、開口35を介さずに第1空間SP1に移動できない。光路Kに対して開口35よりも外側の第2空間SP2に存在する液体LQは、第1空間SP1に移動できない。すなわち、本実施形態において、液浸部材5は、開口35以外に、第1空間SP1と第2空間SP2とを流体的に接続する流路を有しない。
本実施形態において、流体回収部27は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収し、第1空間SP1の液体LQを回収しない。液体回収部24は、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収し、第2空間SP2の液体LQを回収しない。なお、液体回収部24の下に、第2部材22の上面25が存在しない場合に、物体(基板P)上の液体LQを液体回収部24で回収してもよい。
また、光路Kに対して第1空間SP1の外側(外側面29の外側)に移動した液体LQは、内側面30によって、基板P上(第2空間SP2)に移動することが抑制される。
液体回収部24は、第1部材21の下面23の周囲の少なくとも一部に配置される開口(流体回収口)を含む。液体回収部24は、上面25に対向するように配置される。液体回収部24は、第1部材21の内部に形成された回収流路(空間)24Rを介して、液体回収装置24Cと接続される。液体回収装置24Cは、液体回収部24と真空システム(不図示)とを接続可能である。液体回収部24は、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部は、液体回収部24を介して回収流路24Rに流入可能である。なお、終端光学素子13の側面13Fと第1部材21の内側面との間の第3空間SP3から、第1部材21の上面を経て、第1部材21の外側面29と第2部材22の内側面30との間の空間を介して、第2部材22の上面25上に流れた液体LQを、液体回収部24で回収してもよい。すなわち、液体回収部24を、開口40を介さずに空間SP3から第2部材22の上面25上に流れた液体LQを回収する回収部として使ってもよい。もちろん、空間SP3からの液体LQを回収する回収部を、第1部材21の上面に設けてもよいし、第2部材22の上面25と内側面30の少なくとも一方に設けてもよい。
本実施形態において、液体回収部24は、多孔部材36を含み、流体回収口は、多孔部材36の孔を含む。本実施形態において、多孔部材36は、メッシュプレートを含む。多孔部材36は、上面25が対向可能な下面と、回収流路24Rに面する上面と、下面と上面とを結ぶ複数の孔とを有する。液体回収部24は、多孔部材36の孔を介して液体LQを回収する。液体回収部24(多孔部材36の孔)から回収された第1空間SP1の液体LQは、回収流路24Rに流入し、その回収流路24Rを流れて、液体回収装置24Cに回収される。
本実施形態においては、液体回収部24を介して実質的に液体LQのみが回収され、気体の回収が制限されている。制御装置6は、第1空間SP1の液体LQが多孔部材36の孔を通過して回収流路24Rに流入し、気体は通過しないように、多孔部材36の下面側の圧力(第1空間SP1の圧力)と上面側の圧力(回収流路24Rの圧力)との差を調整する。なお、多孔部材を介して液体のみを回収する技術の一例が、例えば米国特許第7292313号などに開示されている。
なお、多孔部材36を介して液体LQ及び気体の両方が回収(吸引)されてもよい。すなわち、液体回収部24が、液体LQを気体とともに回収してもよい。また、液体回収24の下に液体LQが存在しないときに、液体回収部24から気体だけを回収してもよい。なお、第1部材21に多孔部材36が設けられなくてもよい。すなわち、多孔部材を介さずに第1空間SP1の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)が回収されてもよい。
本実施形態において、液体回収部24の下面は、多孔部材36の下面を含む。液体回収部24の下面は、下面23の周囲に配置される。本実施形態において、液体回収部24の下面は、XY平面と実質的に平行である。本実施形態において、液体回収部24の下面と下面23とは、同一平面内に配置される(面一である)。
なお、液体回収部24の下面が下面23よりも+Z側に配置されてもよいし、−Z側に配置されてもよい。なお、液体回収部24の下面が下面23に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。
なお、第1空間SP1の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)を回収するための液体回収部24が、第1空間SP1に面するように第2部材22に配置されてもよい。液体回収部24は、第1部材21及び第2部材22の両方に配置されてもよい。液体回収部24は、第1部材21に配置され、第2部材22に配置されなくてもよい。液体回収部24は、第2部材22に配置され、第1部材21に配置されなくてもよい。
流体回収部27は、第2部材22の下面26の周囲の少なくとも一部に配置される開口(流体回収口)を含む。流体回収部27は、基板P(物体)の上面に対向するように配置される。流体回収部27は、第2部材22の内部に形成された回収流路(空間)27Rを介して、液体回収装置27Cと接続される。液体回収装置27Cは、流体回収部27と真空システム(不図示)とを接続可能である。流体回収部27は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部は、流体回収部27を介して回収流路27Rに流入可能である。
本実施形態において、流体回収部27は、多孔部材37を含み、流体回収口は、多孔部材37の孔を含む。本実施形態において、多孔部材37は、メッシュプレートを含む。多孔部材37は、基板P(物体)の上面が対向可能な下面と、回収流路27Rに面する上面と、下面と上面とを結ぶ複数の孔とを有する。液体回収部27は、多孔部材37の孔を介して流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)を回収する。流体回収部27(多孔部材37の孔)から回収された第2空間SP2の液体LQは、回収流路27Rに流入し、その回収流路27Rを流れて、液体回収装置27Cに回収される。
回収流路27Rは、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して内側面30の外側に配置される。回収流路27Rは、液体回収部27の上方に配置される。第2部材22が移動することにより、第2部材22の流体回収部27及び回収流路27Rが、第1部材21の外側面29の外側で移動する。
流体回収部27を介して液体LQとともに気体が回収される。なお、多孔部材37を介して液体LQのみが回収され、多孔部材37を介した気体の回収が制限されてもよい。なお、第2部材22に多孔部材37が設けられなくてもよい。すなわち、多孔部材を介さずに第2空間SP2の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)が回収されてもよい。
本実施形態において、流体回収部27の下面は、多孔部材37の下面を含む。流体回収部27の下面は、下面26の周囲に配置される。本実施形態において、流体回収部27の下面は、XY平面と実質的に平行である。本実施形態において、流体回収部27の下面は、下面26よりも+Z側に配置される。
なお、流体回収部27の下面と下面26とが同一平面内に配置されてもよい(面一でもよい)。流体回収部27の下面が下面26よりも−Z側に配置されてもよい。なお、流体回収部27の下面が下面26に対して傾斜してもよいし、曲面を含んでもよい。例えば、流体回収部27(多孔部材37)の下面が、光路Kに対する放射方向に関して外側に向かって上方に傾斜していてもよい。また、流体回収部27(多孔部材37)の下面が、開口35の周囲の全周に渡って、高さ(Z軸方向の位置)が同じでなくてもよい。例えば、開口35のY軸方向両側に位置する流体回収部27(多孔部材37)の下面の一部が、開口35のX軸方向両側に位置する流体回収部27(多孔部材37)の下面の一部より低くてもよい。例えば、第2部材22の流体回収部27(多孔部材37)の下面が基板Pの表面と対向しているときに、露光光の光路Kに対してY軸方向の一側に形成される、流体回収部27(多孔部材37)の下面と基板Pの表面とのギャップの寸法(Z軸方向の距離)が、露光光の光路Kに対してX軸方向の一側に形成される、流体回収部27(多孔部材37)の下面と基板Pの表面とのギャップの寸法(Z軸方向の距離)より小さくなるように、流体回収部27(多孔部材37)の下面の形状を決めてもよい。
本実施形態においては、液体供給部31からの液体LQの供給動作と並行して、流体回収部27からの液体LQの回収動作が実行されることによって、一方側の終端光学素子13及び液浸部材5と、他方側の基板P(物体)との間に液体LQで液浸空間LSが形成される。
また、本実施形態においては、液体供給部31からの液体LQの供給動作、及び流体回収部27からの流体の回収動作と並行して、液体回収部24からの流体の回収動作が実行される。
第2部材22は、液体供給部31からの液体LQの供給と並行して移動されてもよい。第2部材22は、液体回収部24からの液体LQの回収と並行して移動されてもよい。第2部材22は、流体回収部27からの液体LQの回収と並行して移動されてもよい。第2部材22は、液体供給部31からの液体LQの供給及び液体回収部24(流体回収部27)からの液体LQの回収と並行して移動されてもよい。
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、第2部材22と基板P(物体)との間に形成される。
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、第1部材21と第2部材22との間に形成される。
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの界面LGの一部は、終端光学素子13と第1部材21との間に形成される。
以下の説明において、第1部材21と第2部材22との間に形成される液体LQの界面LGを適宜、第1界面LG1、と称する。第2部材22と基板P(物体)との間に形成される界面LGを適宜、第2界面LG2、と称する。終端光学素子13と第1部材21との間に形成される界面LGを適宜、第3界面LG3、と称する。
本実施形態において、第1界面LG1は、液体回収部24の下面と上面25との間に形成される。第2界面LG2は、液体回収部27の下面と基板P(物体)の上面との間に形成される。
本実施形態においては、第1界面LG1が液体回収部24の下面と上面25との間に形成され、第1空間SP1の液体LQが液体回収部24の外側の空間(例えば外側面29と内側面30との間の空間)に移動することが抑制されている。外側面29と内側面30との間の空間には液体LQが存在しない。外側面29と内側面30との間の空間は気体空間である。
外側面29と内側面30との間の空間は、空間CSと接続される。換言すれば、外側面29と内側面30との間の空間は、雰囲気に開放される。空間CSの圧力が大気圧である場合、外側面29と内側面30との間の空間は、大気開放される。そのため、第2部材22は円滑に移動可能である。なお、空間CSの圧力は、大気圧よりも高くてもよいし、低くてもよい。
図8は、第1部材21を下面23側から見た図である。本実施形態においては、第1部材21の下面23に、液体供給部31からの液体LQの少なくとも一部を誘導する誘導部38が配置される。誘導部38は、下面23に設けられた凸部である。誘導部38は、液体供給部31からの液体LQの少なくとも一部を液体回収部24に誘導する。
誘導部38の形状は、第2部材22の移動方向に基づいて定められる。誘導部38は、第2部材22の移動方向と平行な方向の液体LQの流れを促進するように設けられる。
例えば、第2部材22がX軸方向に移動する場合、第1空間SP1において液体LQがX軸方向と平行な方向に流れて液体回収部24に到達されるように、誘導部38の形状が定められる。例えば、第2部材22が+X軸方向に移動する場合、誘導部38によって、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部は、+X軸方向に流れる。第2部材22が−X軸方向に移動する場合、誘導部38によって、第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部は、−X軸方向に流れる。
本実施形態においては、誘導部38は、開口34の周囲の少なくとも一部に配置される壁部38Rと、その壁部38Rの一部に形成されるスリット(開口)38Kとを有する。
壁部38は、開口34を囲むように配置される。スリット38Kは、X軸方向と平行な方向の液体LQの流れが促進されるように、光路Kに対して+X側及び−X側のそれぞれに形成される。
誘導部38により、第2部材22の移動方向と平行な方向に関して、第1空間SP1における液体LQの流速が高められる。本実施形態においては、誘導部38により、第1空間SP1におけるX軸方向に関する液体LQの流速が高められる。すなわち、液体回収部24の下面と上面25との間の空間に向かって流れる液体LQの速度が高められる。これにより、第1部材21に対する第1界面LG1の位置が変動したり、第1界面LG1の形状が変化したりすることが抑制される。そのため、第1空間SP1の液体LQが、第1空間SP1の外側に流出することが抑制される。
なお、スリット38Kが形成される位置は、光路Kに対して+X側及び−X側に限定されない。例えば、第2部材22がY軸と平行にも移動する場合、光路Kに対して+Y側及び−Y側に、スリット38Kが追加されてもよい。第2部材22がY軸と平行に移動しない場合でも、光路Kに対して+Y側及び−Y側に、スリット38Kが追加されてもよい。
また、第2部材22の移動方向に基づいて、誘導部38の形状(スリット38Kの位置など)が定められなくてもよい。例えば、光路Kの全周囲において、光路Kに対して放射状に液体LQが流れるように、誘導部38の形状が定められてもよい。
本実施形態において、第2部材22は、下面23の全部と対向可能である。例えば図2に示すように、終端光学素子13の光軸と開口35の中心とが実質的に一致する原点に第2部材22が配置されているときに、下面23の全部と第2部材22の上面25とが対向する。また、第2部材22が原点に配置されているときに、射出面12の一部と第2部材22の上面25とが対向する。また、第2部材22が原点に配置されているときに、液体回収部24の下面と第2部材22の上面25とが対向する。
また、本実施形態においては、第2部材22が原点に配置されているときに、開口34の中心と開口35の中心とが実質的に一致する。
次に、第2部材22の動作の一例について説明する。第2部材22は、基板P(物体)の移動と協調して移動可能である。第2部材22は、基板P(物体)と独立して移動可能である。第2部材22は、基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して移動可能である。第2部材22は、液浸空間LSが形成された状態で移動可能である。第2部材22は、第1空間SP1及び第2空間SP2に液体LQが存在する状態で移動可能である。
第2部材22は、第2部材22と基板P(物体)とが対向しないときに移動してもよい。例えば、第2部材22は、その第2部材22の下方に物体が存在しないときに移動してもよい。なお、第2部材22は、第2部材22と基板P(物体)との間の空間に液体LQが存在しないときに移動してもよい。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されていないときに移動してもよい。
第2部材22は、例えば基板P(物体)の移動条件に基づいて移動する。制御装置6は、例えば基板P(物体)の移動条件に基づいて、基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して第2部材22を移動する。制御装置6は、液浸空間LSが形成され続けるように、液体供給部31からの液体LQの供給と流体回収部27及び液体回収部24からの液体LQの回収とを行いながら、第2部材22を移動する。
本実施形態において、第2部材22は、基板P(物体)との相対移動が小さくなるように移動可能である。また、第2部材22は、基板P(物体)との相対移動が、第1部材21と基板P(物体)との相対移動よりも小さくなるように移動可能である。例えば、第2部材22は、基板P(物体)と同期して移動してもよい。
相対移動は、相対速度、及び相対加速度の少なくとも一方を含む。例えば、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対速度が小さくなるように移動してもよい。また、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対加速度が小さくなるように移動してもよい。また、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対速度よりも小さくなるように移動してもよい。また、第2部材22は、液浸空間LSが形成されている状態で、すなわち、第2空間SP2に液体LQが存在している状態で、基板P(物体)との相対加速度が、第1部材21と基板P(物体)との相対加速度よりも小さくなるように移動してもよい。
第2部材22は、例えば基板P(物体)の移動方向に移動可能である。例えば、基板P(物体)が+X軸方向(または−X軸方向)に移動するとき、第2部材22は+X軸方向(または−X軸方向)に移動可能である。また、基板P(物体)が+X軸方向に移動しつつ、+Y軸方向(又は−Y軸方向)に移動するとき、第2部材22は+X軸方向に移動可能である。また、基板P(物体)が−X軸方向に移動しつつ、+Y軸方向(又は−Y軸方向)に移動するとき、第2部材22は−X軸方向に移動可能である。すなわち、本実施形態においては、基板P(物体)がX軸方向の成分を含むある方向に移動する場合、第2部材22はX軸方向に移動する。
例えば、X軸方向の成分を含むある方向への基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して、第2部材22がX軸方向に移動してもよい。
なお、第2部材22がY軸方向に移動可能でもよい。基板P(物体)がY軸方向の成分を含むある方向に移動する場合、第2部材22がY軸方向に移動してもよい。例えば、Y軸方向の成分を含むある方向への基板P(物体)の移動の少なくとも一部と並行して、基板P(物体)との相対速度差が小さくなるように、第2部材22がY軸方向に移動してもよい。
図9は、第2部材22が移動する状態の一例を示す図である。図9は、液浸部材5を下側(−Z側)から見た図である。
以下の説明においては、第2部材22はX軸方向に移動することとする。なお、上述のように、第2部材22は、Y軸方向に移動してもよいし、X軸方向(又はY軸方向)の成分を含むXY平面内における任意の方向に移動してもよい。
基板P(物体)がX軸方向(又はX軸方向の成分を含むXY平面内における所定方向)に移動する場合、第2部材22は、図9(A)〜図9(C)に示すように、X軸方向に移動する。
本実施形態において、第2部材22は、X軸方向に関して規定された移動可能範囲(可動範囲)を移動可能である。図9(A)は、移動可能範囲の最も−X側の端に第2部材22が配置された状態を示す。図9(B)は、移動可能範囲の中央に第2部材22が配置された状態を示す。図9(C)は、移動可能範囲の最も+X側の端に第2部材22が配置された状態を示す。
以下の説明において、図9(A)に示す第2部材22の位置を適宜、第1端部位置、と称し、図9(B)に示す第2部材22の位置を適宜、中央位置、と称し、図9(C)に示す第2部材22の位置を適宜、第2端部位置、と称する。なお、図9(B)に示すように、第2部材22が中央位置に配置される状態は、第2部材22が原点に配置される状態を含む。
本実施形態においては、射出面12からの露光光ELが開口35を通過するように、第2部材22の移動可能範囲の寸法に基づいて開口35の寸法が定められる。第2部材22の移動可能範囲の寸法は、X軸方向に関する第1端部位置と第2端部位置との距離を含む。第2部材22がX軸方向に移動しても、射出面12からの露光光ELが第2部材22に照射されないように、開口35のX軸方向の寸法が定められる。
図9において、X軸方向に関する開口35の寸法W35は、露光光EL(投影領域PR)の寸法Wprと、第2部材22の移動可能範囲の寸法(Wa+Wb)との和よりも大きい。寸法W35は、第2部材22が第1端部位置と第2端部位置との間において移動した場合でも、射出面12からの露光光ELを遮らない大きさに定めされる。これにより、第2部材22が移動しても、射出面12からの露光光ELは、第2部材22に遮られずに基板P(物体)に照射可能である。
次に、液浸部材5を支持する支持装置50の一例について説明する。図10及び図11は、本実施形態に係る液浸部材5及び支持装置50の一例を示す側面図である。図12及び図13は、本実施形態に係る液浸部材5及び支持装置50の一例を示す平面図である。
図10は、−Y側から見た図である。図11は、+X側から見た図である。図12は、+Z側から見た図である。図13は、−Z側から見た図である。
本実施形態において、支持装置50は、第1部材21を支持する第1支持部材51と、第2部材22を支持する第2支持部材52とを有する。また、支持装置50は、第1支持部材51を支持する支持フレーム53と、第2支持部材52を支持する移動フレーム54とを有する。
第1支持部材51は、第1部材21に接続される。第1部材21は、第1支持部材51に固定される。第1支持部材51は、第1部材21を囲むように配置される。第1支持部材51は、+Z軸方向を向く上面51Aと、−Z軸方向を向く下面51Bとを有する。
支持フレーム53は、第1支持部材51に接続される。第1支持部材51は、支持フレーム53に固定される。支持フレーム53は、第1支持部材51を介して、第1部材21を支持する。
第2支持部材52は、第2部材22に接続される。第2部材22は、第2支持部材52に固定される。本実施形態において、第2支持部材52は、開口35の中心に対して+Y側の第2部材22の一部分に接続される。第2支持部材52は、光路Kに対して第1部材21の外側で第2部材22に接続される。第2支持部材52は、+Z軸方向を向く上面52Aと、−Z軸方向を向く下面52Bとを有する。
移動フレーム54は、第2支持部材52に接続される。第2支持部材52は、移動フレーム54に固定される。移動フレーム54は、第2支持部材52を介して、第2部材22を支持する。
本実施形態において、第1部材21と第2部材22とは接触しない。第1支持部材51と第2支持部材52とは接触しない。第1支持部材51の下面51Bと第2支持部材52の上面52Aとは、間隙を介して対向する。
支持装置50は、第1部材21の振動を抑制する防振装置55を有する。防振装置55は、例えば、第2部材22の移動に伴う第1部材21の振動を抑制する。防振装置55は、制御装置6に制御される。
防振装置55の少なくとも一部は、装置フレーム8Bに支持される。防振装置55の少なくとも一部は、支持フレーム53と装置フレーム8Bとの間に配置される。防振装置55は、装置フレーム8Bと支持フレーム53の一方から他方への振動の伝達を抑制する。防振装置55の少なくとも一部は、支持フレーム53の下に配置されている。−Z軸方向を向く支持フレーム53の下面53Bと防振装置55とが対向する。防振装置55の少なくとも一部は、+Z軸方向を向く装置フレーム8Bの上面8Baと対向する。なお、防振装置55の少なくとも一部が、支持フレーム53の下に配置されていなくてもよい。
防振装置55は、終端光学素子13の光軸に対して+X側及び−X側のそれぞれに配置される。支持フレーム53は、X軸方向に長い。防振装置55は、支持フレーム53の+X側の端部及び−X側の端部のそれぞれに接続される。
なお、防振装置55は、1箇所に配置されもよいし、3箇所以上の複数の位置のそれぞれに配置されてもよい。
本実施形態において、防振装置55は、支持フレーム53の振動を抑制して、その支持フレーム53に支持されている第1部材21の振動を抑制する。例えば、防振装置55は、少なくとも、光学部材の光軸と実質的に平行又は実質的に垂直な第1部材21の動き、を制御するように構成される。
防振装置55は、例えば複数のアクチュエータを含む。防振装置55は、アクチュエータの作動により、第1部材21の振動を抑制する。すなわち、防振装置55は、所謂、アクティブ型防振装置である。なお、防振装置55が、アクチュエータに加えて、減衰装置(ダンパ)を有してもよい。防振装置55は、例えば6つのピエゾアクチュエータを含んでもよい。防振装置55は、6つのアクチュエータを使って、第1部材21(支持フレーム53)を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。すなわち、防振装置55は、6自由度のアクティブ型防振装置でもよい。
また、防振装置55は、アクチュエータを作動して、第1部材21を移動可能である。
すなわち、防振装置55は、第1部材21を移動可能な駆動装置として機能する。防振装置55は、支持フレーム53、支持フレーム53に接続された第1支持部材51を動かすことによって、第1支持部材51に接続された第1部材21を移動可能である。防振装置55は、基準部材に対して第1部材21を移動可能である。防振装置55は、第1部材21を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
防振装置55は、基準部材に対する第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動可能である。防振装置55は、例えば、第2部材22の移動に伴う第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動する。
防振装置55は、終端光学素子13に対する第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動可能である。防振装置55は、終端光学素子13と第1部材21との相対位置が変化しないように、第1部材21を移動可能である。
なお、基準部材は、終端光学素子13に限られない。基準部材は、露光装置EXにおいてその位置が実質的に変化しない部材でもよい。防振装置55は、例えば基準フレーム8Aに対する第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動可能でもよい。
防振装置55は、投影光学系PLの光学素子を保持する保持部材(鏡筒など)に対する第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動可能でもよい。
本実施形態において、第1部材21の位置を検出可能な検出装置62が設けられる。検出装置62は、基準部材に対する第1部材21の位置を検出可能である。本実施形態において、検出装置62は、終端光学素子13に対する第1部材21の位置を検出可能である。本実施形態において、検出装置62は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のそれぞれに関する第1部材21の位置(終端光学素子13に対する位置)を検出可能である。検出装置62の少なくとも一部は、第1部材21に配置されてもよい。なお、検出装置62の少なくとも一部が、第1支持部材51に配置されてもよいし、支持フレーム53に配置されてもよい。なお、検出装置62の少なくとも一部が、終端光学素子13に配置されてもよい。なお、検出装置62の少なくとも一部が、終端光学素子13を保持する保持部材に配置されてもよい。本実施形態において、検出装置62は、干渉計システムを含む。検出装置62は、第1部材21に配置され、レーザ光の射出部及び受光部を有するレーザ干渉計と、終端光学素子13(基準部材)に配置される反射部材とを有する。レーザ干渉計は、第1支持部材51に配置されてもよいし、支持フレーム53に配置されてもよい。反射部材は、基準フレーム8A及び投影光学系PLの光学素子を保持する保持部材の少なくとも一方に配置されてもよい。レーザ干渉計の射出部から射出されたレーザ光は、反射部材に照射される。レーザ干渉計の受光部は、反射部材で反射したレーザ光の少なくとも一部を検出する。なお、検出装置62は、例えば基準フレーム8Aに対する第1部材21の位置を検出してもよい。検出装置62の検出結果は、制御装置6に出力される。なお、検出装置62を、第1検出装置と称してもよい。
制御装置6は、検出装置62の検出結果に基づいて、終端光学素子13に対する第1部材21の位置を求めることができる。また、制御装置6は、検出装置62の検出結果に基づいて、終端光学素子13に対する第1部材21の変位量を求めることができる。また、制御装置6は、検出装置62の検出結果に基づいて、終端光学素子13と第1部材21との相対位置を求めることができる。
また、制御装置6は、検出装置62の検出結果に基づいて、終端光学素子13と第1部材21との間隙の寸法(第3空間SP3の寸法)を求めることができる。
また、制御装置6は、検出装置62の検出結果に基づいて、第1部材21と物体(基板P、基板ステージ2、及び計測ステージ3など)との間隙の寸法(第2空間SP2の寸法)を求めることができる。なお、制御装置6は、物体の上面の位置を検出可能な検出システム(所謂、フォーカス・レベリング検出システム)の検出結果と、検出装置62の検出結果とに基づいて、第1部材21と物体との間隙の寸法を求めてもよい。
制御装置6は、終端光学素子13(基準部材)に対する第1部材21の変位が抑制されるように、例えば検出装置62の検出結果に基づいて、防振装置55を制御可能である。
制御装置6は、終端光学素子13(基準部材)に対する第1部材21の変位量が目標範囲(許容範囲)内におさまるように、検出装置62の検出結果に基づいて、防振装置55を制御してもよい。制御装置6は、例えば検出装置62の検出値が目標値よりも小さくなるように、防振装置55を制御してもよい。
本実施形態において、検出装置62は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のそれぞれに関する第1部材21の位置(基準部材に対する位置)を検出可能である。防振装置55は、第1部材21を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のそれぞれに移動可能である。本実施形態においては、6つの方向に関する第1部材21の位置を調整するための、6入力6出力の位置調整システムが設けられている。
制御装置6は、6つの方向の少なくとも一つの方向に関する第1部材21の変位量が目標範囲内におさまるように、防振装置55を制御可能である。
また、制御装置6は、終端光学素子13と第1部材21との相対位置の変化量が目標値よりも小さくなるように、防振装置55を使って、第1部材21の位置を調整してもよい。また、制御装置6は、終端光学素子13と第1部材21との間隙の寸法(第3空間PS3の寸法)が目標範囲内におさまるように、防振装置55を使って、終端光学素子13に対する第1部材21の変位を抑制してもよい。制御装置6は、検出装置62を使って検出される終端光学素子13と第1部材21との間隙の寸法(第3空間SP3の寸法)の検出値と目標値との差が小さくなるように、防振装置55を制御して、第1部材21の位置を調整してもよい。制御装置6は、終端光学素子13に対する第1部材21の変位速度(移動速度)が目標速度よりも小さくなるように、防振装置55を使って、第1部材21の動作(動き方)を制御してもよい。例えば、制御装置6は、Z軸方向に関する終端光学素子13と第1部材21との相対速度が目標速度よりも小さくなるように、第1部材21の動作を制御してもよい。制御装置6は、単位時間当たりの第3空間SP3の大きさ(寸法、体積)の変化量が目標値よりも小さくなるように、第1部材21の動作を制御してもよい。
また、制御装置6は、物体(基板P、基板ステージ2、及び計測ステージ3の少なくとも一つ)と第1部材21との相対位置の変化量が目標値よりも小さくなるように、防振装置55を使って、第1部材21の位置を調整してもよい。また、制御装置6は、第1部材21と物体との間隙の寸法(第2空間PS2の寸法)が目標範囲内におさまるように、防振装置55を使って、第1部材21の変位を抑制してもよい。制御装置6は、検出装置62を使って検出される第1部材21と物体との間隙の寸法(第2空間SP2の寸法)の検出値と目標値との差が小さくなるように、防振装置55を制御して、第1部材21の位置を調整してもよい。制御装置6は、物体に対する第1部材21の変位速度(移動速度)が目標速度よりも小さくなるように、防振装置55を使って、第1部材21の動作(動き方)を制御してもよい。例えば、制御装置6は、Z軸方向に関する物体と第1部材21との相対速度が目標速度よりも小さくなるように、第1部材21の動作を制御してもよい。制御装置6は、単位時間当たりの第2空間SP2の大きさ(寸法、体積)の変化量が目標値よりも小さくなるように、第1部材21の動作を制御してもよい。
本実施形態において、第1部材21の加速度を検出可能な検出装置63が設けられる。
本実施形態において、検出装置63は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のそれぞれに関する第1部材21の加速度を検出可能である。本実施形態において、検出装置63の少なくとも一部は、第1部材21に配置される。なお、検出装置63の少なくとも一部が第1支持部材51に配置されてもよいし、支持フレーム53に配置されてもよい。検出装置63の検出結果は、制御装置6に出力される。なお、検出装置63を、第2検出装置と称してもよい。
制御装置6は、第1部材21の振動が抑制されるように、例えば検出装置63の検出結果に基づいて、防振装置55を制御可能である。本実施形態において、制御装置6は、検出装置63の検出値が目標値よりも小さくなるように、防振装置55を制御してもよい。
本実施形態において、検出装置63は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のそれぞれに関する第1部材21の加速度を検出可能である。防振装置55は、第1部材21を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のそれぞれに移動可能である。本実施形態においては、6つの方向に関する第1部材21の振動を抑制するための、6入力6出力の防振システムが設けられている。制御装置6は、6つの方向の少なくとも一つの方向に関する第1部材21の振動(加速度)が目標範囲内におさまるように、防振装置55を制御可能である。
また、制御装置6は、Z軸方向に関する終端光学素子13と第1部材21との相対加速度が目標加速度よりも小さくなるように、第1部材21の動作を制御してもよい。
なお、本実施形態において、制御装置6は、第3空間SP3の圧力変化が抑制されるように、防振装置55を使って、第1部材21の位置を調整してもよいし、終端光学素子13に対する第1部材21の変位を抑制してもよいし、第1部材21の振動を抑制してもよい。例えば、第3空間SP3の圧力を検出可能な圧力センサが設けられる場合、制御装置6は、その圧力センサの検出結果に基づいて、第3空間SP3の圧力変化が抑制されるように、防振装置55を制御してもよい。
なお、本実施形態において、制御装置6は、第2空間SP2の圧力変化が抑制されるように、防振装置55を使って、第1部材21の位置を調整してもよいし、物体(基板Pなど)に対する第1部材21の変位を抑制してもよいし、第1部材21の振動を抑制してもよい。例えば、第2空間SP2の圧力を検出可能な圧力センサが設けられる場合、制御装置6は、その圧力センサの検出結果に基づいて、第2空間SP2の圧力変化が抑制されるように、防振装置55を制御してもよい。
本実施形態において、支持装置50は、第2部材22を移動する駆動装置56を有する。第2部材22は、駆動装置56によって移動される。駆動装置56は、例えばモータを含み、ローレンツ力を使って第2部材22を移動可能である。駆動装置56は、第1部材21に対して第2部材22を移動可能である。駆動装置56は、制御装置6に制御される。
本実施形態において、駆動装置56の少なくとも一部は、装置フレーム8Bに支持される。駆動装置56の少なくとも一部は、装置フレーム8Bの上に配置されている。+Z軸方向を向く装置フレーム8Bの上面8Baと駆動装置56とが対向する。なお、駆動装置56の少なくとも一部は、装置フレーム8Bの上に配置されていなくてもよい。
移動フレーム54は、第2支持部材52を介して、第2部材22を支持する。本実施形態において、駆動装置56は、移動フレーム54を移動する。駆動装置56によって移動フレーム54が移動されることにより、第2支持部材52が移動する。駆動装置56によって第2支持部材52が移動されることにより、第2部材22が移動する。
本実施形態において、支持フレーム53は、装置フレーム8Bに支持される。支持フレーム53は、防振装置55を介して、装置フレーム8Bに支持される。防振装置55は、支持フレーム53及び第1支持部材51を介して、第1部材21を支持する。第1部材21は、第1支持部材51及び支持フレーム53を介して、防振装置55に支持される。装置フレーム8Bは、防振装置55、支持フレーム53、及び第1支持部材51を介して、第1部材21を支持する。
本実施形態において、移動フレーム54は、装置フレーム8Bに支持される。移動フレーム54は、駆動装置56を介して、装置フレーム8Bに支持される。駆動装置56は、移動フレーム54及び第2支持部材52を介して、第2部材22を支持する。第2部材22は、第2支持部材52及び移動フレーム54を介して、駆動装置56に支持される。装置フレーム8Bは、駆動装置56、移動フレーム54、及び第2支持部材52を介して、第2部材22を支持する。
本実施形態において、装置フレーム8Bは、投影光学系PL(終端光学素子13)を支持する基準フレーム8A、第1部材21を支持する支持フレーム53(防振装置55)、及び第2部材22を支持する移動フレーム54(駆動装置56)を支持する。
なお、本実施形態において、第1支持部材51が第1部材21の一部分であるとみなしてもよい。なお、本実施形態において、第2支持部材52が第2部材22の一部分であるとみなしてもよい。
本実施形態において、駆動装置56は、終端光学素子13の光軸に対して−X側に配置される。本実施形態において、移動フレーム54は、X軸方向に長いロッド部材である。
本実施形態において、移動フレーム54の−X側の端部に駆動装置56が接続される。
移動フレーム54の+X側の端部に第2支持部材52が接続される。
なお、本実施形態において、移動フレーム54が、複数の部材を含んでもよい。例えば、移動フレーム54が、駆動装置56に接続される第1ロッド部材と、第2支持部材52に接続される第2ロッド部材と、第1ロッド部材と第2ロッド部材との間に配置されるリンク機構(ヒンジ機構)とを含んでもよい。なお、移動フレーム54が、ロッド部材と、そのロッド部材の一端部と駆動装置56とを接続するリンク機構(ヒンジ機構)とを含んでもよい。なお、移動フレーム54が、ロッド部材と、そのロッド部材の他端部と第2支持部材52とを接続するリンク機構(ヒンジ機構)とを含んでもよい。移動フレーム54の少なくとも一部が屈曲可能でもよい。
なお、第2支持部材52に対して複数の移動フレーム54が接続されてもよい。それら複数の移動フレーム54のそれぞれに駆動装置56が接続されてもよい。駆動装置56が複数設けられてもよい。
支持装置50は、第2部材22をガイドするガイド装置57を有する。本実施形態において、ガイド装置57は、第2部材22をX軸方向にガイドする。本実施形態において、ガイド装置57の少なくとも一部は、第1支持部材51(第1部材21)と第2支持部材52(第2部材22)との間に配置される。
ガイド装置57によって、第2部材22は、X軸方向にガイドされる。本実施形態において、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向に関する第2部材22の移動は制限される。
ガイド装置57は、第1支持部材51の下面51Bと第2支持部材52の上面52Aとの間に気体軸受57Gを有する。本実施形態において、ガイド装置57は、所謂、エアガイド機構を含む。気体軸受57Gは、例えば下面51Bに配置された気体供給口(不図示)と、下面51Bに配置された気体排出口(不図示)とを含む。なお、気体供給口が上面52Aに配置されてもよい。気体排出口が上面52Aに配置されてもよい。気体軸受57Gにより、第2支持部材52(第2部材22)は、第1支持部材51(第1部材21)に非接触で支持される。この場合、第2支持部材52(第2部材22)は、第1支持部材51を支持する支持フレーム53で支持されているとも言える。また、第2部材22および第2支持部材52の重量の少なくとも一部を第1支持部材51を介して支持フレーム53で支持してもよい。
気体軸受57Gにより、第2支持部材52(第2部材22)は、第1支持部材51(第1部材21)に対して非接触状態でX軸方向にガイドされる。
なお、上述したように、第1支持部材51は、防振装置55によって可動である。したがって、第1支持部材51(第1部材21)が移動したときに、第1支持部材にガイドされる第2支持部材52(第2部材22)が移動してもよい。
なお、本実施形態において、第2支持部材52の少なくとも一部が支持フレーム53と対向してもよい。ガイド装置57が、第2支持部材52と支持フレーム53との間に配置されてもよい。
図14は、本実施形態に係る駆動装置56の一例を模式的に示す図である。図15は、図14のA−A線断面図である。
本実施形態において、駆動装置56は、例えばリニアモータ、あるいはボイスコイルモータなどのローレンツ力によって作動するアクチュエータを含む。本実施形態において、駆動装置56は、第2部材22を、少なくともX軸方向に移動可能である。
図14及び図15において、駆動装置56は、固定子57と可動子58とを有する。固定子57は、装置フレーム8B上に配置される。可動子58は、移動フレーム54に配置される。可動子58は、移動フレーム54を介して、第2支持部材52(第2部材22)に接続される。
可動子58は、固定子57に対してX軸方向に移動可能である。可動子58がX軸方向に移動することにより、移動フレーム54を介して可動子58に接続されている第2支持部材52(第2部材22)がX軸方向に移動する。第2支持部材52(第2部材22)は、第2支持部材52(第2部材22)と第1支持部材51(第1部材21)の少なくとも一部とが間隙を介して対向する状態で移動される。
本実施形態において、固定子57は、装置フレーム8Bに非接触で支持される。本実施形態においては、固定子57と装置フレーム8Bとの間に気体軸受59が設けられる。気体軸受59により、固定子57は、装置フレーム8Bに非接触で支持される。
本実施形態においては、可動子58の+X軸方向への移動により、固定子57が−X軸方向へ移動する。また、可動子58の−X軸方向への移動により、固定子57が+X軸方向へ移動する。すなわち、可動子58が+X軸方向(−X軸方向)に移動する期間の少なくとも一部において、固定子57が−X軸方向(+X軸方向)に移動する。
固定子57の移動により、可動子58(移動フレーム54、第2支持部材52、第2部材22)の移動に伴う反力が相殺され、重心位置の変化が抑制される。本実施形態において、固定子57は、所謂、カウンターマスとして機能する。すなわち、駆動装置56は、可動子58(移動フレーム54、第2支持部材52、第2部材22)の移動に伴う反力の少なくとも一部をキャンセルする機構を有する。すなわち、駆動装置56は、可動子58(移動フレーム54、第2支持部材52、第2部材22)の移動に伴う反力の、装置フレーム8Bへの伝達を抑制するように構成されている。したがって、可動子58の移動に伴う反力に起因する装置フレーム8Bの振動を抑制することができる。
本実施形態においては、固定子57がカウンターマスとして機能するため、可動子58がX軸方向に移動しても、振動の発生が抑制される。
本実施形態において、駆動装置56は、移動した固定子57の位置を調整する位置調整装置60を有する。本実施形態において、位置調整装置60は、電磁力を利用したダンパ(所謂、電磁ダンパ)を含む。電磁ダンパは、減衰力(減衰力特性)を調整可能である。
なお、位置調整装置60が、ばねを含んでもよい。位置調整装置60により、移動した固定子57は、例えば初期位置(原点)に戻される。
本実施形態において、駆動装置56は、固定子57及び可動子58の位置を検出する位置センサ61を有する。位置センサ61は、固定子57の位置を検出する第1センサ61Aと、可動子58の位置を検出する第2センサ61Bとを有する。本実施形態において、第1センサ61A及び第2センサ61Bのそれぞれは、エンコーダを含む。第1センサ61Aは、固定子57に配置されたスケール部材61Aaと、そのスケール部材61Aaのスケールを検出するエンコーダヘッド61Abとを有する。第2センサ61Bは、可動子58に配置されたスケール部材61Baと、そのスケール部材61Baのスケールを検出するエンコーダヘッド61Bbとを有する。第1センサ61Aのエンコーダヘッド61Ab及び第2センサ61Bのエンコーダヘッド61Bbの位置は固定されている。
位置センサ61(第1、第2センサ61A、61B)の検出結果は、制御装置6に出力される。制御装置6は、位置センサ61の検出結果に基づいて、固定子57の位置(第1センサ61Aのエンコーダヘッド61Abに対する位置)、可動子58の位置(第2センサ61Bのエンコーダヘッド61Bbに対する位置)、及び固定子57と可動子58との相対位置の少なくとも一つを求めることができる。制御装置6は、第2部材22が望みの位置(X軸方向に関する位置)に配置されるように、位置センサ61の検出結果に基づいて、駆動装置56を制御可能である。また、制御装置6は、第2部材22が望みの移動範囲内において移動するように、位置センサ61の検出結果に基づいて、駆動装置56を制御可能である。
また、制御装置6は、第2部材22が望みの速度で移動するように、位置センサ61の検出結果に基づいて、駆動装置56を制御可能である。また、制御装置6は、第2部材22が望みの加速度で移動するように、位置センサ61の検出結果に基づいて、駆動装置56を制御可能である。
なお、第2部材22の速度を制御する場合、制御装置6は、位置センサ61の検出値について演算処理を行って速度情報を取得し、その速度情報に基づいて第2部材22の速度を制御してもよい。なお、位置センサ61とは別の、第2部材22の速度を検出可能な速度センサを設け、その速度センサの検出結果に基づいて、第2部材22の速度が制御されてもよい。
なお、第2部材22の加速度を制御する場合、制御装置6は、位置センサ61の検出値について演算処理を行って加速度情報を取得し、その加速度情報に基づいて第2部材22の加速度を制御してもよい。なお、位置センサ61とは別の、第2部材22の加速度を検出可能な加速度センサを設け、その加速度センサの検出結果に基づいて、第2部材22の加速度が制御されてもよい。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
液浸部材5から離れた基板交換位置において、露光前の基板Pを基板ステージ2(第1保持部)に搬入(ロード)する処理が行われる。基板ステージ2が液浸部材5から離れている期間の少なくとも一部において、計測ステージ3が終端光学素子13及び液浸部材5と対向するように配置される。制御装置6は、液体供給部31からの液体LQの供給と、流体回収部27からの液体LQの回収とを行って、計測ステージ3上に液浸空間LSを形成する。
露光前の基板Pが基板ステージ2にロードされ、計測ステージ3を用いる計測処理が終了した後、制御装置6は、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向するように、基板ステージ2を移動する。終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向する状態で、液体供給部31からの液体LQの供給と並行して流体回収部27からの液体LQの回収が行われることによって、光路Kが液体LQで満たされるように、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、液体供給部31からの液体LQの供給及び流体回収部27からの液体LQの回収と並行して、液体回収部24からの液体LQの回収が行われる。
制御装置6は、基板Pの露光処理を開始する。制御装置6は、基板P上に液浸空間LSが形成されている状態で、照明系ILから露光光ELを射出する。照明系ILはマスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pは、終端光学素子13の射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して射出面12から射出された露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置6は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
図16は、基板ステージ2に保持された基板Pの一例を示す図である。本実施形態においては、基板Pに露光対象領域であるショット領域Sがマトリクス状に複数配置される。
制御装置6は、終端光学素子13の射出面12から射出される露光光ELに対して、第1保持部に保持されている基板PをY軸方向(走査方向)に移動しつつ、射出面12と基板Pとの間の液浸空間LSの液体LQを介して、射出面12から射出された露光光ELで、基板Pの複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。
例えば基板Pの1つのショット領域Sを露光するために、制御装置6は、液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12から射出される露光光EL(投影光学系PLの投影領域PR)に対して基板PをY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介してそのショット領域Sに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像がそのショット領域Sに投影され、そのショット領域Sが射出面12から射出された露光光ELで露光される。
そのショット領域Sの露光が終了した後、制御装置6は、次のショット領域Sの露光を開始するために、液浸空間LSが形成されている状態で、基板PをXY平面内においてY軸と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に移動し、次のショット領域Sを露光開始位置に移動する。その後、制御装置6は、そのショット領域Sの露光を開始する。
制御装置6は、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対してショット領域をY軸方向に移動しながらそのショット領域を露光する動作と、そのショット領域の露光後、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、次のショット領域が露光開始位置に配置されるように、XY平面内においてY軸方向と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に基板Pを移動する動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域のそれぞれを順次露光する。
以下の説明において、ショット領域を露光するために、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対して基板P(ショット領域)をY軸方向に移動する動作を適宜、スキャン移動動作、と称する。また、あるショット領域の露光終了後、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LSが形成されている状態で、次のショット領域の露光が開始されるまでの間に、XY平面内において基板Pを移動する動作を適宜、ステップ移動動作、と称する。
本実施形態において、スキャン移動動作は、あるショット領域Sが露光開始位置に配置されている状態から露光終了位置に配置される状態になるまで基板PがY軸方向に移動する動作を含む。ステップ移動動作は、あるショット領域Sが露光終了位置に配置されている状態から次のショット領域Sが露光開始位置に配置される状態になるまで基板PがXY平面内においてY軸方向と交差する方向に移動する動作を含む。
露光開始位置は、あるショット領域Sの露光のために、そのショット領域SのY軸方向に関する一端部が投影領域PRを通過する時点の基板Pの位置を含む。露光終了位置は、露光光ELが照射されたそのショット領域SのY軸方向に関する他端部が投影領域PRを通過する時点の基板Pの位置を含む。
ショット領域Sの露光開始位置は、そのショット領域Sを露光するためのスキャン移動動作開始位置を含む。ショット領域Sの露光開始位置は、そのショット領域Sを露光開始位置に配置するためのステップ移動動作終了位置を含む。
ショット領域Sの露光終了位置は、そのショット領域Sを露光するためのスキャン移動動作終了位置を含む。ショット領域Sの露光終了位置は、そのショット領域Sの露光終了後、次のショット領域Sを露光開始位置に配置するためのステップ移動動作開始位置を含む。
以下の説明において、あるショット領域Sの露光のためにスキャン移動動作が行われる期間を適宜、スキャン移動期間、と称する。以下の説明において、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始のためにステップ移動動作が行われる期間を適宜、ステップ移動期間、と称する。
スキャン移動期間は、あるショット領域Sの露光開始から露光終了までの露光期間を含む。ステップ移動期間は、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始までの基板Pの移動期間を含む。
スキャン移動動作において、射出面12から露光光ELが射出される。スキャン移動動作において、基板P(物体)に露光光ELが照射される。ステップ移動動作において、射出面12から露光光ELが射出されない。ステップ移動動作において、基板P(物体)に露光光ELが照射されない。
制御装置6は、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、基板Pの複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。なお、スキャン移動動作は、主にY軸方向に関する等速移動である。ステップ移動動作は、加減速度移動を含む。例えば、あるショット領域Sの露光終了から次のショット領域Sの露光開始までの間のステップ移動動作は、Y軸方向に関する加減速移動及びX軸方向に関する加減速移動の一方又は両方を含む。
なお、スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSの少なくとも一部が、基板ステージ2(カバー部材T)上に形成される場合がある。スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSが基板Pと基板ステージ2(カバー部材T)とを跨ぐように形成される場合がある。基板ステージ2と計測ステージ3とが接近又は接触した状態で基板Pの露光が行われる場合、スキャン移動動作及びステップ移動動作の少なくとも一部において、液浸空間LSが基板ステージ2(カバー部材T)と計測ステージ3とを跨ぐように形成される場合がある。
制御装置6は、基板P上の複数のショット領域Sの露光条件に基づいて、駆動システム15を制御して、基板P(基板ステージ2)を移動する。複数のショット領域Sの露光条件は、例えば露光レシピと呼ばれる露光制御情報によって規定される。露光制御情報は、記憶装置7に記憶されている。
露光条件(露光制御情報)は、複数のショット領域Sの配列情報(基板Pにおける複数のショット領域Sそれぞれの位置)を含む。また、露光条件(露光制御情報)は、複数のショット領域Sのそれぞれの寸法情報(Y軸方向に関する寸法情報)を含む。
制御装置6は、記憶装置7に記憶されている露光条件(露光制御情報)に基づいて、所定の移動条件で基板Pを移動しながら、複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。基板P(物体)の移動条件は、移動速度、加速度、移動距離、移動方向、及びXY平面内における移動軌跡の少なくとも一つを含む。
一例として、複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光するとき、制御装置6は、投影光学系PLの投影領域PRと基板Pとが、図16中、矢印Srに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように基板ステージ2を移動しつつ投影領域PRに露光光ELを照射して、液体LQを介して複数のショット領域Sのそれぞれを露光光ELで順次露光する。制御装置6は、スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返しながら、複数のショット領域Sのそれぞれを順次露光する。
本実施形態において、第2部材22は、基板Pの露光処理の少なくとも一部において移動する。第2部材22は、例えば液浸空間LSが形成されている状態で基板P(基板ステージ2)のステップ移動動作の少なくとも一部と並行して移動する。第2部材22は、例えば液浸空間LSが形成されている状態で基板P(基板ステージ2)のスキャン移動動作の少なくとも一部と並行して移動する。第2部材22の移動と並行して、射出面12から露光光ELが射出される。なお、スキャン移動動作中に第2部材22が移動しなくてもよい。すなわち、射出面12からの露光光ELの射出と並行して第2部材22が移動しなくてもよい。第2部材22は、例えば基板P(基板ステージ2)がステップ移動動作を行うとき、基板P(基板ステージ2)との相対移動(相対速度、相対加速度)が小さくなるように、移動してもよい。また、第2部材22は、基板P(基板ステージ2)がスキャン移動動作を行うとき、基板P(基板ステージ2)との相対移動(相対速度、相対加速度)が小さくなるように、移動してもよい。
図17は、基板Pを+X軸方向の成分を含むステップ移動を行いながら、ショット領域Sa、ショット領域Sb、及びショット領域Scのそれぞれを順次露光するときの基板Pの移動軌跡の一例を模式的に示す図である。ショット領域Sa、Sb、Scは、X軸方向に配置される。
図17に示すように、ショット領域Sa、Sb、Scが露光されるとき、基板Pは、終端光学素子13の下において、位置d1からその位置d1に対して+Y側に隣り合う位置d2までの経路Tp1、位置d2からその位置d2に対して+X側に隣り合う位置d3までの経路Tp2、位置d3からその位置d3に対して−Y側に隣り合う位置d4までの経路Tp3、位置d4からその位置d4に対して+X側に隣り合う位置d5までの経路Tp4、及び位置d5からその位置d5に対して+Y側に隣り合う位置d6までの経路Tp5を順次移動する。位置d1、d2、d3、d4、d5、d6は、XY平面内における位置である。
経路Tp1の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線である。経路Tp3の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線である。経路Tp5の少なくとも一部は、Y軸と平行な直線を含む。経路Tp2は、位置d2.5を経由する曲線を含む。経路Tp4は、位置d4.5を経由する曲線を含む。位置d1は、経路Tp1の始点を含み、位置d2は、経路Tp1の終点を含む。位置d2は、経路Tp2の始点を含み、位置d3は、経路Tp2の終点を含む。位置d3は、経路Tp3の始点を含み、位置d4は、経路Tp3の終点を含む。位置d4は、経路Tp4の始点を含み、位置d5は、経路Tp4の終点を含む。位置d5は、経路Tp5の始点を含み、位置d6は、経路Tp5の終点を含む。経路Tp1は、基板Pが+Y軸方向に移動する経路である。経路Tp3は、基板Pが−Y軸方向に移動する経路である。経路Tp5は、基板Pが+Y軸方向に移動する経路である。経路Tp2及び経路Tp4は、基板Pが+X軸方向を主成分とする方向に移動する経路である。
液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp1を移動するとき、液体LQを介してショット領域Saに露光光ELが照射される。液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp3を移動するとき、液体LQを介してショット領域Sbに露光光ELが照射される。液浸空間LSが形成されている状態で基板Pが経路Tp5を移動するとき、液体LQを介してショット領域Scに露光光ELが照射される。基板Pが経路Tp2及び経路Tp4を移動するとき、露光光ELは照射されない。
基板Pが経路Tp1を移動する動作、経路Tp3を移動する動作、及び経路Tp5を移動する動作のそれぞれは、スキャン移動動作を含む。また、基板Pが経路Tp2を移動する動作、及び経路Tp4を移動する動作のそれぞれは、ステップ移動動作を含む。
すなわち、基板Pが経路Tp1を移動する期間、経路Tp3を移動する期間、及び経路Tp5を移動する期間のそれぞれは、スキャン移動期間(露光期間)である。基板Pが経路Tp2を移動する期間、及び経路Tp4を移動する期間のそれぞれは、ステップ移動期間である。
図18は、第2部材22の動作の一例を示す模式図である。図18は、第2部材22を上面25側から見た図である。基板Pが、図17における位置d1にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して図18(A)に示す位置に配置される。基板Pが位置d2にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して図18(B)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d1から位置d2へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)とは逆の−X軸方向に移動する。基板Pが位置d2.5にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して図18(C)に示す位置に配置される。基板Pが位置d3にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して図18(D)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d2から位置d3へのステップ移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)と同じ+X軸方向に移動する。基板Pが位置d4にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して図18(E)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d3から位置d4へのスキャン移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)とは逆の−X軸方向に移動する。基板Pが位置d4.5にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して図18(F)に示す位置に配置される。基板Pが位置d5にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して図18(G)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d4から位置d5へのステップ移動動作中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)と同じ+X軸方向に移動する。基板Pが位置d6にあるとき、第2部材22は、投影領域PR(露光光ELの光路K)に対して図18(H)に示す位置に配置される。すなわち、基板Pの位置d5から位置d6へのスキャン動作移動中に、第2部材22は、基板Pのステップ移動の方向(+X軸方向)とは逆の−X軸方向に移動する。
本実施形態において、図18(A)、図18(D)、図18(G)に示す第2部材22の位置は、第2端部位置を含む。図18(B)、図18(E)、図18(H)に示す第2部材22の位置は、第1端部位置を含む。図12(C)、図12(F)に示す第2部材22の位置は、中央位置を含む。
以下の説明においては、図18(A)、図18(D)、図18(G)に示す第2部材22の位置が、第2端部位置であることとし、図18(B)、図18(E)、図18(H)に示す第2部材22の位置が、第1端部位置であることとし、図18(C)、図18(F)に示す第2部材22の位置が、中央位置であることとする。
基板Pが経路Tp1を移動するとき、第2部材22は、図18(A)に示す状態から図18(B)に示す状態に変化するように、−X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第2端部位置から中央位置を経て第1端部位置へ移動する。基板Pが経路Tp2を移動するとき、第2部材22は、図18(B)に示す状態から図18(C)に示す状態を経て図18(D)に示す状態に変化するように、+X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第1端部位置から中央位置を経て第2端部位置へ移動する。基板Pが経路Tp3を移動するとき、第2部材22は、図18(D)に示す状態から図18(E)に示す状態に変化するように、−X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第2端部位置から中央位置を経て第1端部位置へ移動する。基板Pが経路Tp4を移動するとき、第2部材22は、図18(E)に示す状態から図18(F)に示す状態を経て図18(G)に示す状態に変化するように、+X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第1端部位置から中央位置を経て第2端部位置へ移動する。基板Pが経路Tp5を移動するとき、第2部材22は、図18(G)に示す状態から図18(H)に示す状態に変化するように、−X軸方向に移動する。すなわち、第2部材22は、第2端部位置から中央位置を経て第1端部位置へ移動する。
すなわち、本実施形態において、第2部材22は、基板Pが経路Tp2に沿って移動する期間の少なくとも一部において、基板Pとの相対移動が小さくなるように、+X軸方向に移動する。換言すれば、第2部材22は、基板Pが+X軸方向の成分を含むステップ移動動作する期間の少なくとも一部に、X軸方向に関する基板Pとの相対速度が小さくなるように、+X軸方向に移動する。同様に、第2部材22は、基板Pが経路Tp4に沿って移動する期間の少なくとも一部において、X軸方向に関する基板Pとの相対速度が小さくなるように、+X軸方向に移動する。
また、本実施形態において、第2部材22は、基板Pが経路Tp3に沿って移動する期間の少なくとも一部において、−X軸方向に移動する。これにより、基板Pの経路Tp3の移動後、経路Tp4の移動において、第2部材22が+X軸方向に移動しても露光光ELは開口35を通過可能である。基板Pが経路Tp1、Tp5を移動する場合も同様である。
すなわち、基板Pがスキャン移動動作と+X軸方向の成分を含むステップ移動動作とを繰り返す場合、ステップ移動動作中に、基板Pとの相対速度が小さくなるように第2部材22が第1端部位置から第2端部位置へ+X軸方向に移動し、スキャン移動動作中に、次のステップ移動動作において第2部材22が再度+X軸方向に移動できるように、第2部材22が第2端部位置から第1端部位置へ戻る。すなわち、基板Pが経スキャン移動動作する期間の少なくとも一部において、第2部材22が−X軸方向に移動するので、開口35の寸法が必要最小限に抑えられる。
また、本実施形態においては、第2部材22が第1端部位置(第2端部位置)に配置されても、流体回収部27の少なくとも一部は、基板P(物体)と対向し続ける。これにより、例えばステップ移動動作において、流体回収部27は、基板P(物体)上の液体LQを回収することができる。
なお、図17及び図18を用いて説明した例においては、基板Pが位置d1、d3、d5にあるときに、第2部材22が第2端部位置に配置されることとした。しかし、基板Pが位置d1、d3、d5にあるときに、第2部材22が、中央位置に配置されてもよいし、中央位置と第2端部位置との間に配置されてもよい。
なお、図17及び図18を用いて説明した例においては、基板Pが位置d2、d4、d6にあるときに、第2部材22が第1端部位置に配置されることとした。しかし、基板Pが位置d2、d4、d6にあるときに、第2部材22が、中央位置に配置されてもよいし、中央位置と第1端部位置との間に配置されてもよい。
また、基板Pが位置d2.5、d4.5にあるときに、第2部材22が、中央位置とは異なる位置に配置されてもよい。すなわち、基板Pが位置d2.5、d4.5にあるときに、第2部材22が、例えば中央位置と第2端部位置との間に配置されてもよいし、中央位置と第1端部位置との間に配置されてもよい。
第2部材22の移動により、振動が発生する可能性がある。また、駆動装置56の作動により、振動が発生する可能性がある。本実施形態においては、第2部材22は、第2支持部材52及び移動フレーム54などを介して装置フレーム8Bに支持されている。また、駆動装置56の少なくとも一部も、装置フレーム8Bに支持されている。本実施形態においては、装置フレーム8Bと基準フレーム8Aとの間に防振装置10が配置されている。そのため、第2部材22の移動、あるいは駆動装置56の作動などにより振動が発生しても、防振装置10によって、その振動が基準フレーム8Aに伝達されることが抑制される。すなわち、第2部材22の移動、あるいは駆動装置56の作動などにより、装置フレーム8Bに振動が発生しても、防振装置10によって、その振動が基準フレーム8Aに伝達されることが抑制される。したがって、終端光学素子13(投影光学系PL)が振動したり、終端光学素子13(投影光学系PL)の位置が変化したりすることが抑制される。
また、本実施形態においては、第1部材21の振動を抑制するための防振装置55が設けられている。本実施形態においては、装置フレーム8Bと支持フレーム53との間に防振装置55が配置されている。そのため、第2部材22の移動、あるいは駆動装置56の作動などにより振動が発生しても、防振装置55によって、その振動が支持フレーム53に伝達されることが抑制される。すなわち、第2部材22の移動、あるいは駆動装置56の作動などにより、装置フレーム8Bに振動が発生しても、防振装置55によって、その振動が基準フレーム8Aに伝達されることが抑制される。したがって、第1部材21(第1支持部材51)が振動したり、第1部材21(第1支持部材51)の位置が変化したりすることが抑制される。また、第1支持部材51にガイドされる第2支持部材52(第2部材22)が振動したり、変位したりすることが抑制される。
したがって、装置フレーム8Bの振動が許容される場合には、支持装置50の駆動装置56が、可動子58の移動に伴う反力の少なくとも一部をキャンセルする機構を有していなくてもよい。
本実施形態において、第2部材22は、終端光学素子13の光軸と実質的に垂直な面内において移動される。その場合において、第1部材21は、X軸方向、及びY軸方向のみならず、終端光学素子13の光軸と実質的に平行なZ軸方向に振動する可能性がある。また、Z軸方向に関する第1部材21の位置が変化する可能性がある。その場合、例えば第1部材21と終端光学素子13との間隙の寸法(第3空間SP3の寸法)が変化したり、第3空間SP3の圧力が変化したり、その第3空間SP3の圧力の変化により終端光学素子13が変位(又は変形)したり、第3空間SP3から液体LQが流出したりする可能性がある。また、第1部材21がZ軸方向に振動したり、Z軸方向に関する第1部材21の位置が変化したりすると、第1部材21と物体(基板P、基板ステージ2、及び計測ステージ3の少なくとも一つ)との間隙の寸法(第2空間SP2の寸法)が変化したり、第2空間SP2の圧力が変化したり、その第2空間SP2の圧力の変化により物体が変位(又は変形)したり、第2空間SP2から液体LQが流出したりする可能性がある。その結果、露光不良が発生したり、不良デバイスが発生したりする可能性がある。
本実施形態において、防振装置55は、少なくともZ軸方向に関する第1部材21の振動を抑制可能である。また、本実施形態において、防振装置55は、少なくともZ軸方向に関する第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動可能である。したがって、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が抑制される。
また、本実施形態においては、防振装置55は、Z軸方向のみならず、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に関する第1部材21の振動を抑制可能であり、6つの方向に関する第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動可能である。第2部材22の移動によって、第1部材21が6つの方向の少なくとも一つの方向に振動したり、変位したりする可能性がある場合、それら振動、変位が良好に抑制される。そのため、露光不良の発生及び不良デバイスの発生が効果的に抑制される。
なお、本実施形態において、防振装置55は、Z軸方向のみに関する第1部材21の振動を抑制してもよい。なお、防振装置55は、Z軸方向のみに関する第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動してもよい。
なお、本実施形態において、防振装置55は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のうちの任意の2〜5つの方向に関する第1部材21の振動を抑制してもよい。なお、防振装置55は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向のうちの任意の2〜5つの方向に関する第1部材21の変位が抑制されるように、第1部材21を移動してもよい。例えば、第1部材21の振動が発生する可能性が高い方向(又は振動レベルが高い方向)、あるいは第1部材21の変位が発生する可能性が高い方向(又は変位レベルが高い方向)に基づいて、防振装置55が作動してもよい。
本実施形態においては、検出装置62の検出結果に基づいて、防振装置55によって第1部材21が移動される。これにより、終端光学素子13(基準部材)に対する第1部材21の変位が良好に抑制される。
また、本実施形態においては、検出装置63の検出結果に基づいて、第1部材21の振動が抑制されるように、防振装置55が作動される。これにより、第1部材21の振動が良好に抑制される。
なお、検出装置63の検出結果に基づいて、第1部材21の変位が抑制されるように、防振装置55が制御されてもよい。なお、検出装置62の検出結果に基づいて、第1部材21の振動が抑制されるように、防振装置55が制御されてもよい。
なお、本実施形態において、制御装置6は、検出装置62、63の両方、またはいずれか一方の検出結果を用いずに、防振装置55を制御してもよい。この場合、検出装置62と検出装置63の少なくとも一方を設けなくてもよい。
例えば、第2部材22の移動条件に基づいて第1部材21の振動条件(振動数、振幅、振動方向、及び振動モードの少なくとも一つ)が変化する場合、その第2部材22の移動条件に基づいて、第1部材21の振動が抑制されるように、防振装置55が制御されてもよい。
例えば、第2部材22の移動条件と第1部材21の振動条件との関係が記憶装置7に記憶されている場合、制御装置6は、その記憶装置7の情報に基づいて、第1部材21の振動が抑制されるように、防振装置55を制御してもよい。
例えば、図16〜図18を参照して説明したように、露光レシピ(露光制御情報)に基づいて物体(基板Pなど)の移動条件が決定され、その物体の移動条件に基づいて第2部材22の移動条件が決定される場合、物体上に液浸空間LSが形成される前(又は基板Pの露光前)に、その第2部材22の移動条件に基づく第1部材21の振動条件に関する情報を取得することができる。なお、その第1部材21の振動条件に関する情報は、例えば予備実験(第1部材21に関する同定実験など)又はシミュレーションなどにより事前に取得することができる。
したがって、同定実験又はシミュレーションなどにより事前に取得した、第2部材22の移動条件と第1部材21の振動条件との関係を、物体上に液浸空間LSが形成される前、あるいは基板Pの露光前に記憶装置7に記憶させておくことにより、制御装置6は、その記憶装置7の情報に基づいて、第1部材21の振動が抑制されるように防振装置5を制御することができる。
また、第2部材22の移動条件に基づいて第1部材21の変位条件(変位量、及び変位方向の少なくとも一つ)が変化する場合、その第2部材22の移動条件に基づいて、第1部材21の変位が抑制されるように、防振装置55が制御されてもよい。
例えば、第2部材22の移動条件と基準部材(終端光学素子13など)に対する第1部材21の位置との関係が記憶装置7に記憶されている場合、制御装置6は、その記憶装置7の情報に基づいて、第1部材21の変位が抑制されるように、防振装置55を制御してもよい。
例えば、図16〜図18を参照して説明したように、露光レシピ(露光制御情報)に基づいて物体(基板Pなど)の移動条件が決定され、その物体の移動条件に基づいて第2部材22の移動条件が決定される場合、物体上に液浸空間LSが形成される前(又は基板Pの露光前)に、その第2部材22の移動条件に基づく基準部材に対する第1部材21の位置に関する情報を取得することができる。なお、その第1部材21の位置に関する情報は、例えば予備実験又はシミュレーションなどにより事前に取得することができる。
したがって、予備実験又はシミュレーションなどにより事前に取得した、第2部材22の移動条件と基準部材に対する第1部材21の位置との関係を、物体上に液浸空間LSが形成される前、あるいは基板Pの露光前に記憶装置7に記憶させておくことにより、制御装置6は、その記憶装置7の情報に基づいて、第1部材21の変位が抑制されるように防振装置5を制御することができる。
すなわち、本実施形態においては、制御装置6は、検出装置62、63の検出結果に基づいて、防振装置55を制御するフィードバック制御を行うことができる。また、制御装置6は、記憶装置7の情報に基づいて、防振装置55を制御するフィードフォワード制御を行うこともできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、防振装置55を設けたので、露光不良の発生及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態において、第2部材22の移動によらずに第1部材21が振動する可能性がある。防振装置55は、第2部材22の移動によらない第1部材21の振動を抑制可能である。
なお、本実施形態において、第2部材22の移動によらずに第1部材21が変位する可能性がある。防振装置55は、第2部材22の移動によらない第1部材21の変位を抑制可能である。
なお、本実施形態において、防振装置55は、アクチュエータを含まず、減衰装置(ダンパ)を有する、所謂、パッシブ型防振装置でもよい。この場合、支持装置50に、防振装置55に含まれない、少なくとも一つのアクチュエータを搭載し、上述の防振装置55のアクチュエータと同様に動作させてもよい。また、防振装置55を設けずに、支持装置50が、第1部材21と第2部材22を、装置フレーム8Bに可動に支持してもよい。この場合も、支持装置50に、防振装置55に含まれない、少なくとも一つのアクチュエータを搭載し、上述の防振装置55のアクチュエータと同様に動作させてもよい。
なお、本実施形態において、第1部材21が、基準フレーム8Aに支持されてもよい。
なお、本実施形態において、基準フレーム8Aと支持フレーム53の少なくとも一部とが同一の部材でもよい。
なお、図19に示すように、防振装置55が、+Z軸方向を向く支持フレーム53の上面53Aと対向するように配置されてもよい。例えば、装置フレーム8Bの少なくとも一部が支持フレーム53の上方に配置され、その装置フレーム8Bに防振装置55が吊り下げられるように配置されてもよい。装置フレーム8Bに吊り下げられた防振装置55が、支持フレーム53を吊り下げるように保持してもよい。すなわち、防振装置55に支持フレーム53が吊り下げられるように配置されてもよい。
なお、図19に示すように、駆動装置56が、装置フレーム8Bの下方に配置されてもよい。すなわち、装置フレーム8Bに駆動装置56が吊り下げられるように配置されてもよい。
なお、本実施形態においては、液浸部材5は開口35以外に第1空間SP1と第2空間SP2とを流体的に接続する流路を有しないこととした。しかし、例えば、光路Kに対して開口35よりも外側に、第1空間SP1と第2空間SP2とを流体的に接続する開口(孔)が形成されてもよい。
なお、本実施形態において、第1空間SP1に液体LQを供給する供給口を第1部材21及び第2部材22の少なくとも一方に設けてもよい。例えば、開口34と液体回収部24との間における第1部材21の下面23に、液体LQを供給する供給口が設けられてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図20は、本実施形態に係る液浸部材500のYZ平面と平行な断面図である。図21は、液浸部材500のXZ平面と平行な断面図である。図22は、図20の一部を拡大した図である。図23は、液浸部材500を下側(−Z側)から見た図である。図24は、液浸部材500の斜視図である。図25は、液浸部材500を支持する支持装置5000の一例を示す斜視図である。
液浸部材500は、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材210と、第1部材210の下方において光路Kの周囲の少なくとも一部に配置され、第1部材210に対して可動な第2部材220と、液浸空間LSを形成するための液体LQを供給可能な供給部330と、液体LQを回収可能な回収部230とを備えている。第1部材210は、終端光学素子13の周囲に配置される環状の部材である。第2部材220は、光路Kの周囲に配置される環状の部材である。第1部材210は、射出面12からの露光光ELが通過可能な開口340を有する。第2部材220は、射出面12からの露光光ELが通過可能な開口350を有する。
第1部材210は、−Z軸方向を向く下面240を有する。第2部材220は、+Z軸方向を向く上面250と、−Z軸方向を向く下面260とを有する。基板P(物体)は、下面260に対向可能である。上面250は、下面240と間隙を介して対向する。また、本実施形態においては、上面250の少なくとも一部は、射出面12と間隙を介して対向する。なお、上面250が射出面12と対向していなくてもよい。
供給口330は、終端光学素子13の光軸(光路K)に対する放射方向に関して回収部230の内側に配置される。供給部330は、第1部材210に配置される。本実施形態において、供給口330は、側面13Fに対向するように配置される。供給口330は、第3空間SP3に液体LQを供給する。なお、供給口330は、第2部材220に配置されてもよいし、第1部材210及び第2部材220の両方に配置されてもよい。
回収部230は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して第1部材210の下面240の外側に配置される。下面240は、液体LQを回収しない。基板P(物体)は、回収部230の少なくとも一部に対向可能である。回収部230は、上面250が面する第1空間SP1及び下面260が面する第2空間SP2からの液体LQの少なくとも一部を回収可能である。第1空間SP1は、下面240と上面250との間の空間を含む。第2空間SP2は、下面260と基板P(物体)の上面との間の空間を含む。本実施形態において、回収部230は、第1部材210に配置される。第2部材220の少なくとも一部は、回収部230と対向する。なお、第2部材220は、回収部230に対向しなくてもよい。なお、回収部230が、第1部材210及び第2部材220とは異なる部材に配置されてもよい。
本実施形態において、回収部230は、多孔部材380を含む。基板P(物体)上の液体LQは、多孔部材380の孔を介して回収される。多孔部材380の孔(開口)が、液体LQを回収する回収口として機能する。本実施形態において、多孔部材380は、メッシュプレートを含む。なお、回収部230が多孔部材を含まなくてもよい。
供給口330からの液体LQの供給動作と並行して、回収部230(回収口)からの液体LQの回収動作が実行されることによって、一方側の終端光学素子13及び液浸部材500と、他方側の基板P(物体)との間に液体LQで液浸空間LSが形成される。
支持装置5000は、第1部材210を支持する第1支持部材400と、第2部材220を支持する第2支持部材280と、第2部材220を移動可能な駆動装置270とを有する。第1支持部材400は、支持フレーム53に支持される。駆動装置270は、支持フレーム53に支持される。第2支持部材280は、駆動装置270に接続される。第2支持部材280は、駆動装置270を介して、支持フレーム53に支持される。
支持フレーム53は、第1支持部材400を介して、第1部材210を支持する。支持フレーム53は、駆動装置270及び第2支持部材280を介して、第2部材220を支持する。
上述の実施形態と同様、支持フレーム53は、防振装置55を介して、装置フレーム8Bに支持されてもよい。装置フレーム8Bは、防振装置55及び支持フレーム53を介して、第1部材210及び第2部材220を支持してもよい。
第2部材220は、駆動装置270によって移動する。駆動装置270は、例えばモータを含み、ローレンツ力を使って第2部材220を移動する。駆動装置270は、第2部材220を、少なくともX軸方向に移動する。なお、駆動装置270は、第2部材220を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動してもよい。
支持部材280は、第2部材220の少なくとも一部に接続される。支持部材280が駆動装置270によって移動されることにより、第2部材220が移動する。本実施形態において、支持部材280は、上端部及び下端部を有する第1部分2801と、第1部分2801の上端部と結ばれる第2部分2802と、第2部分2802と結ばれる第3部分2803とを有する。第1部分2801の下端部が、第2部材220の上面250の少なくとも一部と接続される。
本実施形態において、支持部材280の第1部分2801は、光路K(終端光学素子13の光軸)に対して+Y側及び−Y側のそれぞれに配置される。
なお、複数の第1部分2801の配置は、+Y側及び−Y側に限られない。例えば、+X側及び−X側のそれぞれに配置されてもよいし、+Y側、−Y側、+X側、−X側のそれぞれに配置されてもよい。
本実施形態において、第2部分2802は、複数の第1部分2801と接続される。第3部分2803は、第2部分2802と駆動装置270との間に配置される。駆動装置270は、第3部分2803と接続される。なお、第2部分2802と第3部分2803とが一つの部分とみなされてもよい。本実施形態において、駆動装置270は、終端光学素子13の光軸に対して−Y側に配置される。
本実施形態において、第1部材210は、終端光学素子13の側面13Fと対向する内側面300と、内側面300の上端の周囲に配置される上面310とを有する。終端光学素子13の側面13Fは、露光光ELが射出されない、非射出面である。露光光ELは、側面13Fを通過せず、射出面12を通過する。
本実施形態において、複数の第1部分2801は、第1部材210に設けられた複数の孔320のそれぞれに移動可能に配置されている。本実施形態において、光路Kに対して、+Y側及び−Y側のそれぞれに孔320が設けられている。孔320のそれぞれは、Z軸方向に関して、第1部材210の上側の空間と下側の空間を結ぶように第1部材210を貫通している。第1部材210の上側の空間は、終端光学素子13と第1部材210との間の第3空間SP3を含む。第1部材210の下側の空間は、第1部材210と第2部材220との間の第1空間SP1を含む。なお、第1部材210の下側の空間が、第2部材220と物体(基板Pなど)との間の第2空間SP2を含んでもよい。
本実施形態において、孔320のそれぞれは、第1部材210の内側面300と下面240とを結ぶように形成されている。また、図24に示すように、孔320のそれぞれは、X軸方向に延びており、孔320に配置された第1部分2801は、X軸方向に移動可能である。駆動装置270により支持部材280がX軸方向に移動されることによって、第2部材220がX軸方向に移動する。
なお、第1部分2801が配置される孔320の少なくとも一つは、第1部材210の上面310と下面240とを結ぶように形成されてもよい。
第1部材210の振動を抑制する防振装置450が設けられる。本実施形態において、防振装置450の少なくとも一部は、第1支持部材400に接続される。防振装置450の少なくとも一部は、第1部材210に接続されてもよい。防振装置450は、第1部材210及び第1支持部材400の両方に接続されてもよい。防振装置450は、所謂、マスダンパを含む。防振装置450は、第2部材220の移動に伴う第1部材210の振動を抑制する。防振装置450は、第2部材22の移動によらない第1部材210の振動を抑制することもできる。防振装置450は、例えばZ軸方向に関する第1部材210の振動を抑制する。なお、防振装置450は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に関する第1部材210の振動を抑制してもよい。
なお、防振装置450は、第1部材210(第1支持部材400)において1箇所に配置されてもよいし、複数個所に配置されてもよい。
本実施形態において、駆動装置270の温度を調整する温度調整装置410が設けられる。温度調整装置410は、例えば駆動装置270の少なくとも一部に接触するように配置されるチューブ部材と、そのチューブ部材が有する流路に温度調整された流体(液体及び気体の一方又は両方)を供給する流体供給装置とを含んでもよい。なお、温度調整装置410は、駆動装置270の少なくとも一部に形成された内部流路に温度調整された流体を供給する流体供給装置を含んでもよい。その供給された流体によって、駆動装置270の温度が調整されてもよい。なお、温度調整装置410が、駆動装置270に配置されるペルチェ素子を有してもよい。
なお、上述の第1実施形態において、駆動装置56の温度を調整する温度調整装置が設けられてもよい。なお、防振装置55の温度を調整する温度調整装置が設けられてもよい。
本実施形態において、第2部材220及び支持部材280は、第1部材210と接触しない。第1部材210と第2部材220との間に間隙が形成され、第1部材210と支持部材280との間に間隙が形成される。駆動装置270は、第2部材220及び支持部材280と第1部材210とが接触しないように、第2部材220及び支持部材280を移動可能である。
本実施形態において、支持装置5000は、第2部材220の少なくとも一部を非接触で支持する支持部420を有する。本実施形態において、支持部420は、第3部分2803を非接触で支持する。なお、第2部分2802と第3部分2803とが一つの部分とみなされてもよい。その場合、支持部420は、第2部分を非接触で支持する。
図26は、支持部420の一例を示す図である。本実施形態において、支持部420の少なくとも一部は、第1部材210に配置される。本実施形態において、支持部420の少なくとも一部は、第1部材210の上面310に配置される。
支持装置5000は、第3部分2803の下面と第1部材210の上面310(支持部420)との間に気体軸受420Gを有する。支持部420は、気体軸受420Gを含む。気体軸受420Gは、第3部分2803と第1部材210との間に気体を供給する気体供給口420Sと、第3部材2803と第1部材210との間の気体を排出する気体排出口420Cとを有する。気体軸受420Gにより、第3部分2803(第2支持部材280)は、支持部420(第1部材210)に対して非接触で支持される。また、支持部420Gは、第2支持部材280(第3部分2803)をX軸方向にガイドする。
なお、第2部材220及び支持部材280の少なくとも一方と第1部材210とが接触してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1部材210及び第2部材220を支持する支持フレーム53が防振装置55に支持される。そのため、例えば第2部材220の移動により振動が発生しても、その振動が装置フレーム8Bに伝達したり、基準フレーム8Aに伝達したりすることが抑制される。したがって、例えば終端光学素子13(投影光学系PL)の振動が抑制される。そのため、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
また、本実施形態においては、第1部材210の振動を抑制するための防振装置450が第1部材210に接続されている。したがって、例えば第2部材220の移動により振動が発生しても、第1部材210の振動が抑制される。また、第1部材210の振動が抑制されることにより、第3空間SP3の寸法が変化したり、第3空間SP3の圧力が変化したりすることが抑制される。そのため、終端光学素子13が変位(又は変形)したり、第3空間SP3から液体LQが流出したりすることが抑制される。また、第1部材210の振動が抑制されることにより、第2空間SP2の寸法が変化したり、第2空間SP2の圧力が変化したりすることが抑制される。そのため、物体(基板Pなど)が変位(又は変形)したり、第2空間SP2から液体LQが流出したりすることが抑制される。
図27に示すように、基準部材6200に対する第1部材210の位置を検出する検出装置620が設けられてもよい。基準部材6200の位置は実質的に固定される。基準部材6200は、例えば投影光学系PLの少なくとも一部でもよい。基準部材6200は、例えば投影光学系PLの光学素子を保持する保持部材(鏡筒など)でもよい。基準部材6200は、投影光学系PLを支持する基準フレーム8Aでもよい。基準部材6200は、投影光学系PLに固定された部材でもよいし、基準フレーム8Aに固定された部材でもよい。
検出装置620は、基準部材6200に対する第1部材210の位置を検出可能な位置センサ(変位センサ)を含む。検出装置620は、少なくともZ軸方向に関する第1部材210の位置を検出可能である。本実施形態において、検出装置620の少なくとも一部は、基準部材6200と間隙を介して対向する。なお、検出装置620は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に関する第1部材210の位置を検出してもよい。
検出装置620の検出結果は、制御装置6に出力される。制御装置6は、検出装置620の検出結果に基づいて、基準部材6200に対する第1部材210の変位が抑制されるように、第1部材210を移動してもよい。制御装置6は、検出装置620の検出結果に基づいて、基準部材6200に対する第1部材210の変位が抑制されるように、防振装置55を用いて支持フレーム53を移動してもよい。
また、制御装置6は、検出装置620を使って、第1部材210の振動を検出してもよい。制御装置6は、検出装置620の検出値について演算処理を行って、第1部材210の振動(加速度)を検出してもよい。制御装置6は、検出装置620の検出結果に基づいて、第1部材210の振動が抑制されるように、防振装置450を制御してもよい。防振装置450がアクチュエータを含む場合、制御装置6は、検出装置620の検出結果に基づいて、第1部材210の振動が抑制されるように、防振装置450を使ってアクティブ除振(防振)することができる。なお、第1部材210の振動を検出可能な振動センサ(加速度センサなど)が第1部材210に配置される場合、制御装置6は、その振動センサの検出結果に基づいて、第1部材210の振動が抑制されるように、防振装置450を制御してもよい。
なお、上述の第1、第2実施形態において、図28に示すように、第1部材21(210)の少なくとも一部が、終端光学素子13の射出面12と対向してもよい。図28に示す例において、第1部材21(210)は、開口34(340)の周囲に配置された上面44を有する。開口34(340)の上端の周囲に上面44が配置される。また、図28に示す例では、第2部材22(220)の上面の一部も、射出面12と対向する。
なお、上述の第1、第2実施形態において、図29に示すように、第1部材21(210)の下面が、射出面12よりも+Z側に配置されてもよい。なお、Z軸方向に関する第1部材21(210)の下面の位置(高さ)と射出面12の位置(高さ)とが実質的に等しくてもよい。第1部材21(210)の下面が、射出面12よりも−Z側に配置されてもよい。
なお、上述の各実施形態において、第1部材21(210)と終端光学素子13との間の空間から液体LQ及び気体の少なくとも一方を吸引する吸引口を第1部材21(210)に設けてもよい。
なお、上述の各実施形態において、液浸部材(5、500)は、第2部材(22、220)の+Z軸方向を向く上面(25、250)が、第1部材21の開口(34,340)周囲に拡がる、−Z軸方向を向く下面(23、230)と間隙を介して対向する構成を有する。変形例において、液浸部材5Sは、上記以外の構成を有することができる。一例において、液浸部材5Sは、光学部材(終端光学素子13)の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材21Sと、光学部材(終端光学素子13)の周囲の少なくとも一部に配置され、流体回収部27Sを有する可動の第2部材22Sとを含み、図30に示すように、第1部材21Sの露光光ELが通過可能な第1部材21Sの開口34Sの周囲であって、開口34Sの近くに拡がる下面23Sが第2部材22Sと対向しないように、第1部材21Sと第2部材22Sを配置することができる。他の例において、液浸部材(5、500)は、下面(23、230)及び/又は上面(25、250)の少なくとも一部がZ軸に対して傾斜する面を含む構成を有してもよい。
なお、上述の各実施形態において、制御装置6は、CPU等を含むコンピュータシステムを含む。また、制御装置6は、コンピュータシステムと外部装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。記憶装置7は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置7には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
なお、制御装置6に、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいは外部装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。また、液晶表示ディスプレイ等の表示装置が設けられていてもよい。
記憶装置7に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置(コンピュータシステム)6が読み取り可能である。記憶装置7には、制御装置6に、露光光が射出される光学部材の射出面と基板との間の露光光の光路に満たされた液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置の制御を実行させるプログラムが記録されている。
記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材、及び第1部材の下方において露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1部材の第1下面と間隙を介して対向する第2上面と光学部材の下方で移動可能な基板が対向可能な第2下面とを有する第2部材を含む液浸部材を用いて、基板上に液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、第1部材の振動を防振装置で抑制することと、を実行させてもよい。
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材、及び第1部材の下方において露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1部材の第1下面と間隙を介して対向する第2上面と光学部材の下方で移動可能な基板が対向可能な第2下面とを有する第2部材を含む液浸部材を用いて、基板上に液体の液浸空間を形成することと、液浸空間の液体を介して射出面から射出される露光光で基板を露光することと、基板の露光の少なくとも一部において、第1部材に対して第2部材を移動することと、基準部材に対する第1部材の変位が抑制されるように、第1駆動装置によって第1部材を移動することと、を実行させてもよい。
記憶装置7に記憶されているプログラムが制御装置6に読み込まれることにより、基板ステージ2、計測ステージ3、及び液浸部材5等、露光装置EXの各種の装置が協働して、液浸空間LSが形成された状態で、基板Pの液浸露光等、各種の処理を実行する。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子13の射出面12側(像面側)の光路Kが液体LQで満たされている。しかし、投影光学系PLが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているような、終端光学素子13の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、液体LQが水であることとしたが、水以外の液体でもよい。液体LQは、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)等の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQが、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等のフッ素系液体でもよい。また、液体LQが、種々の流体、例えば、超臨界流体でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、基板Pが、半導体デバイス製造用の半導体ウエハを含むこととした。しかし、基板Pは、例えばディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等を含んでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、露光装置EXが、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)であることとした。しかし、露光装置EXは、例えばマスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)でもよい。
また、露光装置EXが、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光する露光装置(スティッチ方式の一括露光装置)でもよい。また、スティッチ方式の露光装置が、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置でもよい。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6611316号に開示されているような、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置でもよい。また、露光装置EXが、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー等でもよい。
また、上述の各実施形態において、露光装置EXが、米国特許第6341007号、米国特許第6208407号、米国特許第6262796号等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、図31に示すように、露光装置EXが2つの基板ステージ2001、2002を備えている場合、射出面12と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの第1保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージの第1保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
また、露光装置EXが、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置でもよい。
露光装置EXが、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置でもよいし、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置でもよいし、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置でもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いた。しかし、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号に開示されているような、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしてもよい。
上述の各実施形態においては、露光装置EXが投影光学系PLを備えることとしたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射する露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。
また、露光装置EXが、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているような、干渉縞を基板P上に形成することによって基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)でもよい。
上述の実施形態の露光装置EXは、上述の各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了した後、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図32に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。