JP6582375B2 - 培地包装体および培地容器 - Google Patents

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Description

本発明は、コンタミリスクが少なく、培地品質を安定的に維持可能であり、透明性および耐破損性に優れた培地包装体に関するものである。
細胞の培養に用いられる培地は、容器内に培地成分および水を添加した後、オートクレーブ等で滅菌する方法により調製され、使用される。また、たんぱく質など熱で分解する成分が含まれる培地などでは、ろ過滅菌による滅菌方法が一般的に使用される。
このような培地については、培地を調製する手間を低減する観点から、培地が樹脂製培地用容器内に密封された培地包装体が市販されている。
このような培地用包装体では、容器の材質によっては、長期間保管された際に二酸化炭素が容器を透過することにより、培地中の炭酸イオン濃度が変化する。そして、炭酸イオン濃度の変化に伴い培地のpHが変化する結果、培地の品質が低下するといった問題がある。
また、例えば、不妊治療を目的とした受精卵細胞の培養および再生医療を目的とした細胞培養等においては、1回当たりに用いる培地の量(1回使用量)は、数十μl〜数mlと少量である場合がある。これに対して、培地包装体に用いられる樹脂製培地用容器は、通常、小容量のものであっても数十ml以上の内容量のものであり、100ml〜500mlの内容量のものが一般的である。
このため、不妊治療等を目的とした細胞培養に用いる培地として、培地包装体の形態で提供される培地を用いる場合、培地包装体中の培地を1回使用量毎に小分けにする必要がある。
しかしながら、一度開封すると培地包装体で担保されていた培地の衛生性の低下および二酸化炭素濃度の変化等が生じる。例えば、小分けにする際に、コンタミが生じる可能性が生じるといった問題がある。そのため、初めから小容量の容器であれば、小分けにする必要が無く、その際に発生しうるコンタミを防ぐことが出来る。
このような問題に対して、例えば、特許文献1では、ガスバリア性が高いガラスで作成された培地容器が記載されている。また、小容量のガラスアンプル中に培地が密閉された培地包装体が市販されている。
また、特許文献2では、金属箔積層フィルムで培地容器を真空包装することで、ガスバリア性に優れた容器とすることが記載されている。
このような樹脂製培地用容器を用いて小容量の培地包装体を形成した場合には、コンタミリスクが少なく、所定の保管期間保管した場合でも培地品質を安定的に維持可能なものとすることができる。
特開2001−114339号公報 国際公開第2013/157657号
しかしながら、特許文献1に記載のガラス製の培地容器を用いた場合には、保管中および取り扱い時に破損の恐れがある。
また、特許文献2に記載の培地容器は、容器内の培地を視認することができないため、異物の確認が困難である。また、培地の色を目視確認することでpH等の培地成分の変化の有無を確認することが困難である。
また、透明性を有する小容量の容器として、細胞、血清、抗体等の保存に用いられる樹脂製培地用容器も販売されている。このような樹脂製培地容器であれば、容器内の培地を視認することが可能である。
しかしながら、これらの市販の樹脂製培地用容器を構成する樹脂材料は、主にガスバリア性が低いポリプロピレン(PP)等であり、十分に培地品質を維持することが難しい。
本発明は、コンタミリスクが少なく、培地品質を安定的に維持可能であり、透明性および耐破損性に優れた培地包装体を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、樹脂製培地用容器と、上記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、を有する培地包装体であって、上記樹脂製培地用容器は、上記培地が充填された容器部および上記容器部を密閉可能な密閉部を有し、上記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であることを特徴とする培地包装体を提供する。
また、本発明は、樹脂製培地用容器と、上記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、を有する培地包装体であって、上記樹脂製培地用容器は、上記培地が充填された容器部および上記容器部を密閉可能な密閉部を有し、上記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記樹脂製培地用容器の単位日数、単位分圧差および上記培地の単位体積当たりの二酸化炭素透過量が、0.0269cm/24h・atm・ml以下であることを特徴とする培地包装体を提供する。
本発明によれば、容器部の内容量が上述の範囲内であることにより、小容量の培地を効率的に保管可能なものとすることができ、コンタミリスクの少ないものとすることができる。
また、二酸化炭素透過量が上述の範囲内であることにより、所定の保管期間保管した場合でも培地品質を安定的に維持可能なものとすることができる。
さらに、樹脂製培地用容器を用いることにより、透明性および耐破損性に優れたものとすることができる。
本発明においては、上記樹脂製培地用容器が、上記容器部および上記密閉部が別体として形成されているものであり、上記容器部が、二酸化炭素透過係数が2.63cm・cm/m・24h・atm以下のバリア性材料を用いて形成されたバリア層を少なくとも含むことが好ましい。容器部および密閉部が別体として形成されているものであることにより、上記密閉部を着脱可能なものとすることが容易であり、培地包装体内の培地を1回で使い切らない場合でも、蓋部により再度密閉することが可能となるからである。また、容器部および密閉部を別材料を用いて形成することが可能となる、容器部および密閉部に求められる機能を分離することが可能となる等の利点があるからである。
また、上記バリア層が上記バリア性材料を用いて形成されたものであることにより、ガスバリア性に優れたバリア層を容易に形成することができ、このようなバリア層を含む容器部とすることにより、樹脂製培地用容器を容易形成可能となるからである。
本発明においては、上記樹脂製培地用容器が、上記容器部および上記密閉部が一体で形成されているものであり、上記容器部および上記密閉部の層構成が、二酸化炭素透過係数が2.63cm・cm/m・24h・atm以下のバリア性材料を用いて形成されたバリア層と、上記密閉部に密閉機能を付与する密閉層と、を含む多層構造であることが好ましい。
容器部および密閉部が一体で形成されているものであることにより、コンタミリスクの少ない培地包装体とすることができるからである。
また、上記バリア層が上記バリア性材料を用いて形成されたものであることにより、ガスバリア性に優れたバリア層を容易に形成することができ、このようなバリア層を含む容器部とすることにより、樹脂製培地用容器を容易形成可能となるからである。
さらに、容器部および密閉部の両者がバリア層および密閉層を有する多層構造であることにより、容器部および密閉部を同時形成容易なものとすることができ、形成容易であり、低コストな樹脂製培地用容器とすることができるからである。
本発明においては、上記樹脂製培地用容器が、上記培地の特定保管期間でのpH変化を0.6以内とするものであることが好ましい。幅広い培地種類および細胞種類等において、所定の保管期間保管した場合でも安定的に培養可能なものとすることができるからである。また、培養対象が受精卵等のpH変化の影響を大きく受ける細胞である場合でも、安定的に培養可能なものとすることができるからである。
本発明は、培地が充填される容器部および上記容器部を密閉可能な密閉部を有する樹脂製培地用容器であって、上記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記容器部を上記密閉部を用いて密閉した際の上記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であることを特徴とする樹脂製培地用容器を提供する。
本発明によれば、容器部の内容量が上述の範囲内であることにより、小容量の培地を効率的に保管可能なものとすることができ、コンタミリスクの少ないものとすることができる。
また、二酸化炭素透過量が上述の範囲内であることにより、所定の保管期間保管した場合でも培地品質を安定的に維持可能なものとすることができる。
さらに、樹脂製培地用容器を用いることにより、透明性および耐破損性に優れたものとすることができる。
本発明は、コンタミリスクが少なく、培地品質を安定的に維持可能であり、透明性および耐破損性に優れた培地包装体を提供できるといった効果を奏する。
本発明の培地包装体の一例を示す概略断面図である。 本発明の培地包装体の他の例を示す概略断面図である。 本発明における二酸化炭素透過量を説明する説明図である。 本発明の細胞培養容器の一例を示す概略断面図である。 本発明の細胞培養容器の他の例を示す概略断面図である。
本発明は、培地包装体およびそれに用いられる樹脂製培地用容器に関するものである。
以下、本発明の培地用包装体および樹脂製培地用容器について詳細に説明する。
I.培地包装体
まず、本発明の培地包装体について説明する。
本発明の培地包装体は、樹脂製培地用容器と、上記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、を有する培地包装体であって、上記樹脂製培地用容器は、上記培地が充填された容器部および上記容器部を密閉可能な密閉部を有し、上記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下である態様(第1実施態様)と、上記樹脂製培地用容器の単位日数、単位分圧差および上記培地の単位体積当たりの二酸化炭素透過量が、0.0269cm/24h・atm・ml以下である態様(第2実施態様)の2つの態様に分けることができる。以下、各態様に分けて本発明の培地包装体を説明する。
A.第1実施態様
本発明の培地包装体の第1実施態様について説明する。
本態様の培地包装体は、樹脂製培地用容器と、上記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、を有する培地包装体であって、上記樹脂製培地用容器は、上記培地が充填された容器部および上記容器部を密閉可能な密閉部を有し、上記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であることを特徴とするものである。
このような本態様の培地包装体について図を参照して説明する。図1は、本態様の培地包装体の一例を示す概略断面図である。図2は、本態様の培地包装体の他の例を示す概略断面図である。図1および図2に例示するように、本態様の培地包装体20は、樹脂製培地用容器10と、上記樹脂製培地用容器10に密閉され、培養に用いられる培地11と、を有する培地包装体20であって、上記樹脂製培地用容器10は、上記培地11が充填された容器部1および上記容器部1を密閉可能な密閉部2を有し、上記容器部1の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記樹脂製培地用容器10の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であるものである。
なお、図1は、密閉部2がスクリューキャップ式の蓋部2aである例を示すものであり、容器部1および密閉部2が別体として形成されるものである。
図2は、密閉部2がヒートシール部(ヒートシール後)2cである例を示すものであり、容器部1および密閉部2が一体として形成されるものである。
また、図1は、容器部1の層構成が二酸化炭素バリア性(以下、単にガスバリア性と称する場合がある。)を有するバリア層1aのみの単層構造である例を示すものである。
図2は、容器部1がガスバリア性を有するバリア層1aと保護層1bおよび密閉層としてのヒートシール層1cの機能層とを含む多層構造である例を示すものである。また、図2においては、バリア層1aに対して容器部1の内面側に形成される機能層は、保護層1bおよびヒートシール層1cの両者の機能を有するものである。
本態様によれば、容器部の内容量が上述の範囲内であることにより、不妊治療を目的とした受精卵細胞の培養等のような1回使用量が少量である用途に用いる場合であっても、1回使用量毎に小分けにする手間を省くことができ、効率的に培養を行うことができる。また、小分けにする際のコンタミを抑制でき、衛生性の低下を防ぐことができる。したがって、コンタミリスクの少ないものとすることができるのである。
また、二酸化炭素透過量が上述の範囲内であることにより、現在市販されている小容量の樹脂製容器と比較して十分に二酸化炭素透過量の少ないものとすることができ、所定の保管期間保管した場合でも培地品質を安定的に維持可能なものとすることができる。
さらに、透明性を有する樹脂製培地用容器を用いることにより、透明性および耐破損性に優れたものとすることができる。
本態様の培地包装体は、樹脂製培地用容器および培地を有するものである。
以下、本態様の培地包装体の各構成について詳細に説明する。
1.樹脂製培地用容器
本態様における樹脂製培地用容器は、単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下のものである。
本態様における単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量(以下、単に第1二酸化炭素透過量とする場合がある。)は、容器部を密閉部により密閉した際に、容器内部を囲む容器部および密閉部のそれぞれの単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量の合計をいうものである。
また、上記第1二酸化炭素透過量に圧力差および日数を掛け合わせたもの(第1二酸化炭素透過量×圧力差×日数)が所定の保管期間保管した場合に樹脂製培地用容器を透過する全二酸化炭素透過量となる。
上記第1二酸化炭素透過量は、樹脂製培地用容器の二酸化炭素透過係数(cm・cm/m・24h・atm)×気体透過部分の面積(m)/気体透過部分の厚み(cm)により計算することができるものである。
ここで、二酸化炭素透過係数は材料固有の数値であるため、上記第1二酸化炭素透過量は、容器の形状(面積)および厚み等の設計により調整することができるものである。
なお、上記二酸化炭素透過係数は、25℃の条件下で測定されるものをいうものである。
また、容器内部を囲む容器部および密閉部のそれぞれの単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量の合計について、例えば、図3に例示するように、容器内部が破線で示される容器部の内面と点線で示される密閉部の内面とにより囲まれ、容器部および密閉部の材質および厚みが均一である場合を例として説明する。
この例において、容器部を構成する材料の二酸化炭素透過係数、容器内部を囲む容器部の内面の全面積および容器部の厚みがA、BおよびCであり、密閉部を構成する材料の二酸化炭素透過係数、容器内部を囲む密閉部の内面の全面積および密閉部の厚みがD、EおよびFである場合、樹脂製培地用容器の第1二酸化炭素透過量は、A×B/C+D×E/Fにより求められるものである。
上記第1二酸化炭素透過量の計算において、容器部および密閉部が別体であり、密閉時に両者が厚み方向で重なる箇所では、容器内部を囲む内面を構成する部材による透過量を含み、それを覆うように形成された部材の透過量は含まないものである。例えば、図3において容器部および密閉部が重なる箇所では、容器部のみの透過量を含むものとして上記第1二酸化炭素透過量の計算を行うものである。
上記厚みは、容器内部を囲む内面に垂直方向の厚みをいうものである。
なお、図3中の符号については、図1と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
上記第1二酸化炭素透過量は、1.43cm/24h・atm以下のものであれば特に限定されるものではないが、1.05cm/24h・atm以下であることが好ましく、なかでも0.404cm/24h・atm以下であることが好ましく、特に0.0705cm/24h・atm以下であることが好ましい。上記第1二酸化炭素透過量が上述の範囲内であることにより、所定の保管期間保管した場合でも培地品質をより安定的に維持可能なものとすることができるからである。
なお、上記第1二酸化炭素透過量の下限については、少ないほど好ましいため、特に限定されるものではないが、0.00036cm/24h・atm以上であることが好ましい。上記樹脂製培地用容器を構成する材料選択、容器設計の自由度を高いものとすることができるからである。
上記樹脂製培地用容器の上記単位日数、単位分圧差および上記培地の単位体積当たりの二酸化炭素透過量(以下、単に第2二酸化炭素透過量とする場合がある。)、すなわち、上記第1二酸化炭素透過量を上記培地の充填量で割った値としては、所定の保管期間保管した場合でも培地品質を安定的に維持可能なものであれば特に限定されるものではない。
上記第2二酸化炭素透過量は、具体的には、0.0269cm/24h・atm・ml以下であることが好ましく、なかでも、0.0141cm/24h・atm・ml以下であることが好ましく、さらに、0.00836cm/24h・atm・ml以下
であることが好ましく、特に、0.00286cm/24h・atm・ml以下であることが好ましい。上記第2二酸化炭素透過量が上述の範囲内であることにより、所定の保管期間保管した場合でも培地品質をより安定的に維持可能なものとすることができるからである。
なお、上記第2二酸化炭素透過量の下限については、少ないほど好ましいため、特に限定されるものではないが、4.50×10−5cm/24h・atm・ml以上であることが好ましい。上記樹脂製培地用容器を構成する材料選択、容器設計の自由度を高いものとすることができるからである。
上記樹脂製培地容器は、上記培地のpH変化を少ないものとするものであることが好ましい。
具体的には、上記樹脂製培地容器の培地の特定保管期間でのpH変化としては、培地の種類および培養する細胞等の種類等に応じて異なるものであるが、例えば、0.6以下とするものであることが好ましく、なかでも0.4以下とするものであることが好ましく、特に、0.2以下とするものであることが好ましい。培地のpH変化が上述の範囲内とするものであることにより、幅広い培地種類および細胞種類等において、所定の保管期間保管した場合でも安定的に培養可能なものとすることができるからである。また、培養対象が受精卵等のpH変化の影響を大きく受ける細胞である場合でも、安定的に培養可能なものとすることができるからである。
なお、上記pH変化の下限については、少ないほど好ましいため、特に限定されるものではないが、0.05以上であることが好ましい。上記樹脂製培地用容器を構成する材料選択、容器設計の自由度を高いものとすることができるからである。
また、上記特定保管期間とは、25℃、大気下、静置状態の条件下で6月間の保管を行うことをいうものである。
上記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの酸素透過量(以下、単に第1酸素透過量と称する場合がある。)は、上記培地の酸化を防止できるものであれば特に限定されるものではなく、培地の種類等に応じて異なるものであるが、例えば、0.513cm/24h・atm以下であることが好ましく、なかでも、0.367cm/24h・atm以下であることが好ましく、さらに、0.145cm/24h・atm以下
であることが好ましく、特に0.0250cm/24h・atm以下であることが好ましい。上記第1酸素透過量が上述の範囲内であることにより、所定の保管期間保管した場合でも培地品質をより安定的に維持可能なものとすることができるからである。
なお、上記第1酸素透過量の下限については、少ないほど好ましいため、特に限定されるものではないが、1.50×10−4cm/24h・atm以上であることが好ましい。上記樹脂製培地用容器を構成する材料選択、容器設計の自由度を高いものとすることができるからである。
また、上記第1酸素透過量も、上記第1二酸化炭素透過量と同様に、樹脂製培地用容器の酸素透過係数(cm・cm/m・24h・atm)×気体透過部分の面積(m)/気体透過部分の厚み(cm)により計算することができるものである。また、酸素についての上記酸素透過係数は材料固有の数値であるため、上記第1酸素透過量は、容器の形状(面積)および厚み等の設計により調整することができるものである。また、上記酸素透過係数は、25℃の条件下で測定されるものをいうものである。
上記樹脂製培地用容器の上記単位日数、単位分圧差および上記培地の単位体積当たりの酸素透過量(以下、単に第2酸素透過量とする場合がある。)、すなわち、上記第1酸素透過量を上記培地の充填量で割った値としては、所定の保管期間保管した場合でも培地品質を安定的に維持可能なものとすることができものとすることができるものであれば特に限定されるものではない。
上記第2酸素透過量は、具体的には、0.00945cm/24h・atm以下であることが好ましく、なかでも、0.00500cm/24h・atm以下であることが好ましく、さらに、0.00293cm/24h・atm以下であることが好ましく、特に、0.00103cm/24h・atm以下であることが好ましい。上記第2酸素透過量が上述の範囲内であることにより、所定の保管期間保管した場合でも培地品質をより安定的に維持可能なものとすることができるからである。
なお、上記第2酸素透過量の下限については、少ないほど好ましいため、特に限定されるものではないが、0.000400cm/24h・atm・ml以上であることが好ましい。上記樹脂製培地用容器を構成する材料選択、容器設計の自由度を高いものとすることができるからである。
上記樹脂製培地用容器は、透明性を有するものである。
ここで、透明性を有するとは、樹脂製培地用容器に密閉された培地を目視により観察することができる透明領域を有することをいうものである。
具体的には、上記透明領域は、樹脂製培地用容器の外側表面から培地と接する内側表面までの厚み方向の波長560nmの波長の光線透過率が55%以上であることが好ましい。上記光線透過率であることにより、色の濃淡で培地の状態を確認することができるからである。また、本態様においては、上記透明領域の350nm〜600nmの範囲内の波長域の光線透過率が55%以上であることが好ましい。上記光線透過率であることにより、色の変化で培地の状態を確認することができるからである。
なお、上記光線透過率は、JIS−K7105に準拠して測定されるものである。
より具体的には、上記光線透過率は、上記樹脂製培地用容器の透明領域と同一の層構成(材料、厚み、層の数)の平板状測定サンプルを用いて、UV−2400PC(島津製作所製)により測定することができる。
上記透明領域は、上記容器部に設けられるものでも、密閉部に設けられるものであっても良いが、通常、上記容器部に設けられるものである。
例えば、容器部全体が透明性を有するものとし、容器部の密閉部等により被覆されていない露出箇所の全てを透明領域として用いることができる。
本態様における樹脂製培地用容器は、容器部および密閉部を有するものである。
ここで、上記樹脂製培地用容器は、容器部および密閉部が別体して形成されている態様(第1−1実施態様)と、容器部および密閉部が一体で形成されている態様(第1−2実施態様)の2つの態様に分けることができる。以下、各態様に分けて本態様に用いられる樹脂製培地用容器を説明する。
(1)第1−1実施態様
まず、本態様における樹脂製培地用容器の第1−1実施態様について説明する。
本態様の樹脂製培地用容器は、容器部および密閉部が別体とされているものである。
本態様によれば、容器部および密閉部が別体であることにより、密閉部を脱着可能な蓋部とすることができる。このため、培地用包装体内の培地を1回で使い切らない場合でも、蓋部により再度密閉することが可能となる、容器部および密閉部を別材料を用いて形成することが可能となる、容器部および密閉部に求められる機能を分離することが可能となる等の利点がある。
(a)容器部
本態様における容器部は、培養に用いられる培地を充填可能なものである。
上記容器部は、内容量が0.01ml〜20mlの範囲内であるものである。
上記容器部の内容量は、0.01ml〜20mlの範囲内であれば特に限定されるものではないが、なかでも、0.02ml〜15mlの範囲内であることが好ましく、さらに、0.05ml〜5mlの範囲内であることが好ましく、特に、0.1ml〜3mlの範囲内であることが好ましい。上記内容量が上述の範囲内であることにより、開封時に培地が漏れることを防ぐことができる、ピペッティングなどのハンドリングが容易である、容器部への培地の充填が容易である等の利点があるからである。また、二酸化炭素の透過による影響の少ないものとすることができ、培地品質をより安定的に維持可能なものとすることができるからである。
なお、上記内容量は、容器部を密閉部により密閉したときに、容器部および密閉部により囲まれる空間の体積をいうものである。
上記容器部を構成する層としては、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではないが、通常、ガスバリア性を有するバリア層を少なくとも有するものである。
上記バリア層のガスバリア性を形成するバリア性材料のガスバリア性の程度、すなわち、二酸化炭素透過係数としては、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなくいが、例えば、2.63cm・cm/m・24h・atm以下であることが好ましく、なかでも1.50cm・cm/m・24h・atm以下であることが好ましく、特に0.59cm・cm/m・24h・atm以下であることが好ましい。上記二酸化炭素透過係数が上述の範囲内であることにより、上記バリア層をガスバリア性に優れたものとすることが容易だからである。このため、樹脂製培地用容器を容易形成可能となるからである。
なお、上記二酸化炭素透過係数の下限については、少ないほど好ましいため、特に限定されるものではないが、0.00150cm・cm/m・24h・atm以上であることが好ましい。上記バリア層を構成する材料選択、容器設計の自由度を高いものとすることができるからである。
上記バリア層を構成するバリア性材料としては、所望のガスバリア性を有するバリア層を形成可能な樹脂材料であれば特に限定されるものではないが、具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロンMXD6、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル・共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられ、なかでも、本態様においては、PEN、PET、ナイロンMXD6、エチレン−ビニルアルコール共重合体を好ましく用いることができ、特に、PENを好ましく用いることができる。
上述の樹脂材料は優れたガスバリア性を有するものであるため、上記樹脂材料が上述の樹脂材料であることにより、膜厚を極端に厚くすることなく、所望のガスバリア性を有するバリア層とすることができるからである。また、厚みが極端に厚いものとする必要がないことから、成形性や生産性に優れたものとすることができるからである。また、PENは、医療用医薬品の保存容器として実績があり、低溶出性・低吸着性といった特性を有し、さらに、成形性が良好である、透明性に優れる等の利点があるからである。
上記バリア層の厚みは、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、容器部の層構成およびバリア層を構成する材料等に応じて適宜設定されるものである。
なお、上記厚みは、上記容器部のうち最も薄い箇所の厚みをいうものである。上記厚みは、具体的には、図1および図2中のaで示されるものである。
上記バリア層の数としては、容器部の層構成が単層構造である場合には1層であるが、多層構造である場合には、2層以上含むものであっても良い。
また、バリア層を2層以上含む場合、各バリア層の構成材料および厚みが同一であっても良く、異なっていても良い。
上記容器部を構成する層は、バリア層が備えるガスバリア性以外の機能を有する機能層を有するものであっても良い。
上記機能層は、上記バリア層によるガスバリア性以外の機能を付与できるものであれば良く、例えば、バリア層に対して容器部の内面側または外面側に積層され、バリア層の劣化および損傷から保護する機能を有する保護層、酸素バリア性を有する酸素バリア層、水蒸気バリア性を有する水蒸気バリア層等を含むことができる。
上記保護層を有することにより、ガスバリア性を安定的に示す容器部とすることができるからである。
上記酸素バリア層および水蒸気バリア層を有することにより、それぞれ容器部の酸素バリア性および水蒸気バリア性を向上させることができ、培地成分の変化の少ないものとすることができるからである。
なお、上記機能層は、2以上の機能を同時に満たす層、例えば、保護層および水蒸気バリア層の両者の機能を有するものであっても良い。
上記保護層を構成する材料としては、上記バリア層の劣化および損傷から保護する機能を有するものとすることができる樹脂材料であれば良く、バリア層を保護する目的等によって異なるものである。
例えば、バリア層の構成材料がエチレン−ビニルアルコール共重合体であり、水分から保護する目的で上記保護層が形成される場合、上記材料は、高密度ポリエチレン(HDPE)および低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン12、ナイロン11、などが挙げられ、なかでも、上記材料が、PE、PPであることが好ましい。上記材料であることにより、水分保護性に優れた保護層を容易に形成することができるからである。
上記酸素バリア層を構成する材料としては、容器部の酸素バリア性を向上させることができる樹脂材料であれば特に限定されるものではないが、上記バリア性材料と同様とすることができる。上記材料が上述の材料であることにより、比較的薄い厚みで酸素バリア性に優れた酸素バリア層とすることができるからである。
上記水蒸気バリア層を構成する材料としては、容器部の水蒸気バリア性を向上させることができる樹脂材料であれば特に限定されるものではないが、バリア層を水分から保護する目的で上記保護層が形成される場合に用いられる保護層の構成材料と同様とすることができる。上記材料が上述の材料であることにより、比較的薄い厚みで水蒸気バリア性に優れた水蒸気バリア層とすることができるからである。
上記各機能層の数としては、それぞれ1層であっても、2層以上であっても良い。例えば、酸素バリア層として2層の酸素バリア層を含むものであっても良い。
また、同一機能の機能層の数が2層以上である場合の各機能層の構成材料および厚みとしては、同一であっても良く、異なっていても良い。例えば、機能層として、2層の酸素バリア層を含む場合、2つの酸素バリア層は、構成材料および厚みが同一であっても、異なるものであっても良い。
上記機能層の厚みは、所望の機能を有する機能層を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、各機能により異なるものである。
このような容器部の層構成としては、少なくともバリア層を含み、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、バリア層のみを含む単層構造であっても良く、バリア層を含む多層構造であっても良い。
上記容器部の層構成が多層構造であり、バリア層と、機能層として保護層と、を有する場合、容器部の層構成としては、容器部の内面側から外面側への積層順が保護層/バリア層、保護層/バリア層/保護層等とすることができる。
本態様において、上記バリア層が水分によりバリア性が劣化するものある場合には、上記多層構造は、バリア層に対して容器部の内面側に少なくとも保護層を有することが好ましく、なかでも、バリア層に対して容器部の内面側および外面側の両側に保護層を有することが好ましい。上記容器部を安定的にガスバリア性を示すものとすることができるからである。
上記容器部の厚みとしては、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、容器部の層構成等に応じて適宜設定されるものである。
上記容器部の二酸化炭素透過量および酸素透過量は、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、容器部の内容量や表面積等に応じて適宜設定されるものである。
なお、上記二酸化炭素透過量および酸素透過量は、上記容器部を構成する各層の構成材料の種類および厚みによって調整することができるものである。
上記容器部の内面は培地成分の吸着性が低いこと、すなわち、上記内面が非吸着面であることが好ましい。培地を充填した際に、上記容器部の内面に培地成分の付着の少ないものとすることができ、上記培地包装体を、培地を所定の保管期間保管した場合でも培地組成の変化を抑制でき、培地品質をより安定的に維持可能なものとすることができるからである。
上記容器部の内面は、内面の構成成分の溶出性が低いものであること、すなわち、上記内面が非溶出面であることが好ましい。培地を充填した際に、容器部を構成する材料が培地中への溶出の少ないものとすることができ、上記培地包装体を、培地を所定の保管期間保管した場合でも培地組成の変化を抑制でき、培地品質をより安定的に維持可能なものとすることができるからである。
本態様において、上記容器部の内面が非溶出面であるとは、日本薬局方のプラスチック製医薬品容器試験法の1.2.溶出物試験の方法に基づき得られた抽出試験液の紫外吸光スペクトルの波長220nm以上241nm未満における吸光度が0.08以下であり、かつ、波長241nm以上350nm以下における吸光度が0.05以下であることをいうものである。
上記容器部の形状は、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではない。
上記形状は、上記容器部の内容量に対する表面積を小さくすることができる形状であることが好ましく、例えば、円筒状等であることが好ましい。
また、上記容器部の底面を平面状として、容器部が自立性を有するものとしても良い。
上記容器部の形態は、例えば、保管、運搬、培地の充填および抜き取り時のために手で容器部を把持する等の通常の取り扱い時に容器部に加わる応力によって、外観形状が変化し得る袋状のものであっても良いが、所定の硬さを有し、外観形状が変化せず、開封状態で内容物が漏れない箱状のものであっても良い。例えば、上記容器部を箱状のものとするために、容器部を構成する各層の材料および厚みの調整を行うものであっても良く、容器部をリブ等の補強部材を有するものとするものであっても良い。
上記容器部の形成方法は、所望の形状の容器部を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な容器形成方法を用いることができる。
上記形成方法は、具体的には、射出成形法、ブロー成形法等を用いることが好ましい。上記形成方法が、射出成形法やブロー成形法であることにより、無菌衛生を保つことができる、成形性に優れる、生産性が良い、エンドトキシンフリーとすることができる等の利点があるからである。
(b)密閉部
本態様の樹脂製培地用容器における密閉部は、容器部を密閉可能なものである。
また、上記密閉部は、容器部と別体として形成されるものである。
ここで、容器部を密閉可能であるとは、上記容器部に充填された培地が容器部から漏れないものとすることができることをいうものである。
このような密閉部としては、上記容器部を密閉可能なものであれば特に限定されるものではないが、例えば、スクリューキャップ式等の容器部に対して脱着可能な蓋部を挙げることができる。
上記蓋部を構成する層としては、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる蓋部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、上記「(a)容器部」の項に記載されるバリア層を有し、必要に応じて上記機能層を有するものとすることができる。
上記蓋部の厚みとしては、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる蓋部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、上記蓋部に要求されるガスバリア性および蓋部を構成する材料等に応じて適宜設定されるものである。上記密閉部の厚みは、具体的には、既に説明した図1中のbで示されるものである。
なお、容器部および蓋部は、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができるものであれば良く、容器部および蓋部の材料および厚みはそれぞれ同一であっても、異なるものであっても良い。
上記蓋部の厚み方向の層構成としては、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる蓋部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、単層構造であっても良く、多層構造であっても良い。
上記蓋部の形成方法として、所望の形状の蓋部を精度良く形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な蓋部形成方法を用いることができる。
上記形成方法は、具体的には、上記「(a)容器部」の項に記載の形成方法を用いることができる。
上記蓋部は、容器部との密閉性を向上する目的で、パッキン等を有するものであっても良い。
上記蓋部の二酸化炭素透過量および酸素透過量は、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、容器部の内容量や表面積等に応じて適宜設定されるものである。
なお、上記二酸化炭素透過量および酸素透過量は、上記密閉部を構成する各層の構成材料の種類および厚みによって調整することができるものである。
(c)樹脂製培地用容器
上記樹脂製培地用容器は、容器部および密閉部を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
(2)第1−2実施態様
次に、本態様における樹脂製培地用容器の第1−2実施態様について説明する。
本態様の樹脂製培地用容器は、容器部および密閉部が一体で形成されているものである。
ここで、一体で形成されているとは、密閉部による容器部の密閉前後で、容器部および密閉部が接続状態にあることをいうものである。
本態様によれば、容器部および密閉部が一体で形成されていることにより、コンタミリスクの少ない培地包装体とすることができる、容器部および密閉部を同一材料を用いて形成することができることから、形成容易であり、低コストな樹脂製培地用容器とすることができる等の利点がある。
上記樹脂製培地用容器を構成する層、すなわち、容器部および密閉部の層としては、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができるものであれば特に限定されるものではないが、通常、ガスバリア性を有するバリア層を少なくとも有するものである。
このようなバリア層について、例えば、上記「(1)第1−1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記樹脂製培地用容器を構成する層は、バリア層が備えるガスバリア性以外の機能を有する機能層を有するものであっても良い。
上記機能層は、上記バリア層によるガスバリア性以外の機能を付与できるものであれば良く、例えば、上記「(1)第1−1実施態様」の項に記載の保護層、酸素バリア層および水蒸気バリア層等を有するものとすることができる。
また、本態様においては、上記機能層として、密閉部により上記容器部を密閉する密閉層を含むことが好ましい。容器部および密閉部を、例えば、ブロー成形法等を用いて容易に同時形成可能なものとすることができるからである。
上記密閉層としては、上記密閉部による容器部の密閉方法により異なるものである。上記密閉層は、上記密閉方法が、開口状態にある密閉部を加熱および圧着により密閉するヒートシール法である場合、すなわち、上記密着部がヒートシール部である場合には、密閉部の内面側に配置され、層同士が加熱および圧着により接着可能なヒートシール層とすることができる。
なお、上記機能層は、2以上の機能を同時に満たす層、例えば、既に説明した図2に示すように、保護層およびヒートシール層の両者の機能を有するものであっても良い。
上記ヒートシール層を構成する材料としては、加熱および加圧によりヒートシール層同士が接着可能なものを形成可能なものであれば特に限定されるものではない。
このような材料は、例えば、熱可塑性樹脂を用いることができる。上記熱可塑性樹脂としては、具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖および(線状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン(PE)、メタロセン触媒を使用して重合したエチレン−αオレフィン共重合体、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体およびこれらの金属架橋物;メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、およびポリ塩化ビニル系樹脂を用いることができる。
本態様においては、なかでも、上記熱可塑性樹脂が、PE、PP等であることが好ましい。上記熱可塑性樹脂が上述の材料であることにより、ヒートシール性に優れたヒートシール層を形成することができるからである。
上記保護層、酸素バリア層および水蒸気バリア層を構成する材料については、上記「(1)第1−1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
上記各機能層の数、同一機能の機能層の数が2層以上である場合の各機能層の構成材料および厚み、および上記機能層の厚みについては、上記「(1)第1−1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本態様の樹脂製培地用容器の層構成、すなわち、容器部および密閉部の層構成としては、少なくともバリア層を含み、所定のガスバリア性を有する樹脂製培地用容器とすることができる容器部を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、バリア層のみを含む単層構造であっても良く、バリア層を含む多層構造であっても良い。
本態様においては、なかでも、容器部および密閉部の層構成が、バリア性材料を用いて形成されたバリア層と、密閉部の密閉機能を有する密閉層と、を含む多層構造であることが好ましい。上記バリア層が上記バリア性材料を用いて形成されたものであることにより、ガスバリア性に優れたバリア層を容易に形成することができ、このようなバリア層を含む容器部とすることにより、樹脂製培地用容器を容易形成可能となるからである。
さらに、容器部および密閉部の両者がバリア層および密閉層を有する多層構造であることにより、容器部および密閉部を同時形成容易なものとすることができ、形成容易であり、低コストな樹脂製培地用容器とすることができるからである。
上記樹脂製培地用容器が多層構造であり、バリア層と、機能層として保護層および密閉層としてのヒートシール層の少なくとも一方と、を含む場合、樹脂製培地用容器の層構成としては、内面側から外面側への積層順がヒートシール層/バリア層、保護層/バリア層、保護層/バリア層/保護層、ヒートシール層/保護層/バリア層/保護層等であるものとすることができる。
また、ヒートシール層(保護層)/バリア層/保護層のように、バリア層に対して樹脂製培地用容器の内面側に配置される機能層がヒートシール層および保護層の両者の機能を有するものであっても良い。
本態様においては、なかでも、密閉部がヒートシール部である場合、上記多層構造が、樹脂製培地用容器の最内面側にヒートシール層を有することが好ましい。容器部と密閉部としてのヒートシール部とをブロー成形法等を用いて容易に同時形成可能なものとすることができるからである。
また、上記バリア層が水分によりバリア性が劣化するものである場合には、上記多層構造は、バリア層に対して樹脂製培地用容器の内面側に少なくとも保護層を有することが好ましく、なかでも、バリア層に対して樹脂製培地用容器の内面側および外面側の両側に保護層を有することが好ましい。上記樹脂製培地用容器を安定的にガスバリア性を示すものとすることができるからである。
(a)容器部
本態様における容器部は、培養に用いられる培地を充填可能なものである。
上記容器部は、内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であるものである。
なお、上記容器部の内容量、厚み、単位面積当たりの二酸化炭素透過量および酸素透過量、内面の培地成分の吸着性、内面の構成成分の溶出性、形状ならびに形態としては、上記「(1)第1−1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(b)密閉部
本態様における密閉部は、上記容器部を密閉可能なものである。
上記密閉部は、容器部と一体で形成されるものである。
上記密閉部としては、容器部を密閉可能なものであれば良く、例えば、開口状態にある密閉部を加熱および圧着により密閉するヒートシール部を挙げることができる。
上記密閉部がヒートシール部である場合、ヒートシール部の厚みとしては、容器部を安定的に密閉できるものであれば特に限定されるものではない。
なお、上記厚みは、具体的には、既に説明した図2中のbで示されるものである。
上記密閉部は、上記容器部から完全に取り外して使用されるものであっても良い。例えば、上記密閉部は、図2中の容器部および密閉部の間のくびれ部で切断し、培地を用いることができる。
また、上記密閉部は、上記容器部と接続された状態を維持して使用されるものであっても良い。例えば、上記くびれ部を完全に切断せずに、一部がつながった状態で開封し、培地を用いることができる。また、容器部と接続された状態を維持して使用されるものである場合には、上記密閉部は、上記容器部を再密閉可能な再密閉部を有するものであることが好ましい。上記再密閉部は、例えば、上記密閉部の下部に形成され、上記くびれ部の上記容器部に繋がる開口部を塞ぐ筒形状の部材等とすることができる。
なお、上記密閉部の単位面積当たりの二酸化炭素透過量および酸素透過量については、上記「(1)第1−1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができる。
(c)樹脂製培地用容器
上記樹脂製培地用容器は、容器部および密閉部を有するものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
上記樹脂製培地用容器の形成方法は、容器部および密閉部が一体で形成されているものを安定的に形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的な容器形成方法を用いることができる。
上記形成方法は、具体的には、射出成形法、ブロー成形法等を用いることが好ましい。上記形成方法が、射出成形法やブロー成形法であることにより、無菌衛生を保つことが出来る、成形性に優れる、生産性が良い、エンドトキシンフリーとすることができる等の利点があるからである。
2.培地
本態様における培地は、上記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられるものである。
このような培地としては、培養の対象により異なるものである。
具体的には、培養の対象が細胞である場合には、培地成分として、無機塩類、バッファー類、炭水化物、アミノ酸、ビタミン、脂肪酸、蛋白質、血清、pH指示薬等を含むものを用いることが出来る。
上記培地のpHは、培養される対象によって異なるものであるが、例えば、6.5〜7.9の範囲内とすることができる。
上記培地の充填量としては、容器部の内容量以下であれば特に限定されるものではなく、本態様の培養用容器の用途等に応じて異なるものであるが、容器部の内容量の30体積%〜90体積%の範囲内であることが好ましく、なかでも、40体積%〜80体積%の範囲内であることが好ましく、特に、45体積%〜75体積%の範囲内であることが好ましい。上記充填量が上述の範囲内であることにより、開封時に培地が漏れることを防ぐことができる、ピペッティングなどのハンドリングが容易である、容器部への培地の充填が容易である、などの効果が得られる。
また、上述の範囲内であることにより、例えば、培地の充填率が高すぎ、容器内の気体量が少ない場合に少量の二酸化炭素が抜け出るだけで培地の品質変化が大きく変化することを抑制できるからである。
3.培地包装体
本態様の培地包装体は、上記樹脂製培地用容器および培地を含むものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
上記培地包装体の使用方法としては、密閉部を除去した後、ピペット等を用いて容器部から培地を取り出し、培養容器に滴下する方法等を用いることができる。また、密閉部を除去した後、容器部を逆さにして、容器部内から培地を取り出す方法を用いることができる。
上記培地包装体の用途としては、培養に用いられるものであれば特に限定されるものではないが、培地の1回使用量が少ない細胞の培養に用いられることが好ましい。
本態様においては、なかでも、上記培地包装体が、生殖細胞(精子、卵子、受精卵等)の培養、iPS細胞およびES細胞等を含む幹細胞の培養等に用いられることが好ましい。コンタミリスクが少なく、所定の保管期間保管した場合に培地品質を安定的に維持可能であるとの本発明の効果をより効果的に発揮できるからである。
本態様の培地包装体の製造方法としては、上記樹脂製培地用容器内に培地を密閉することができる方法であれば特に限定されるものではなく、樹脂製培地用容器を準備し、樹脂製培地用容器の容器部内に培地を充填する充填工程、充填工程後に行われ、樹脂製培地用容器を密閉する密閉工程、および培地を滅菌する滅菌工程を有するものとすることができる。
また、滅菌工程は、充填工程前に行われるものであっても良い。例えば、滅菌方法として濾過滅菌法を用いて培地を滅菌した後、無菌的に容器部内に培地を充填する充填工程を行うものであっても良い。このような製造方法であることにより、樹脂製培地用容器の劣化等の少ないものとすることができる。
B.第2実施態様
次に、本発明の培地包装体の第2実施態様について説明する。
本態様の培地包装体は、樹脂製培地用容器と、上記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、を有する培地包装体であって、上記樹脂製培地用容器は、上記培地が充填された容器部および上記容器部を密閉可能な密閉部を有し、上記容器部の内容量が、
0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記樹脂製培地用容器の上記単位日数、単位分圧差および上記培地の単位体積当たりの二酸化炭素透過量が、0.0269cm/24h・atm・ml以下であることを特徴とするものである。
このような本態様の培地包装体としては、上記単位日数、単位分圧差および上記培地の単位体積当たりの二酸化炭素透過量が異なる以外は、既に説明した図1および図2と同様とすることができる。
本態様によれば、容器部の内容量が上述の範囲内であることにより、小容量の培地を効率的に保管可能なものとすることができ、コンタミリスクの少ないものとすることができる。
また、二酸化炭素透過量が上述の範囲内であることにより、所定の保管期間保管した場合でも培地品質を安定的に維持可能なものとすることができる。
さらに、樹脂製培地用容器を用いることにより、透明性および耐破損性に優れたものとすることができる。
本態様の培地包装体は、樹脂製培地用容器および培地を有するものである。
以下、本態様の培地包装体の各構成について詳細に説明する。
なお、上記培地については、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明を省略する。
1.樹脂製培地用容器
本態様における樹脂製培地用容器は、上記単位日数、単位分圧差および上記培地の単位体積当たりの二酸化炭素透過量が、0.0269cm/24h・atm・ml以下であるもの、すなわち、上記第2二酸化炭素透過量が、0.0269cm/24h・atm・ml以下のものである。
このような第2二酸化炭素透過量については、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明を省略する。
また、上記第1二酸化炭素透過量、培地のpH変化、第1酸素透過量、第2酸素透過量、透明領域、容器部および密閉部の内容については、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明を省略する。
2.培地包装体
本態様の培地包装体は、上記樹脂製培地用容器および培地を含むものであるが、必要に応じてその他の構成を有するものであっても良い。
なお、上記培地包装体の使用方法、用途および製造方法については、上記「A.第1実施態様」の項に記載の内容と同様とすることができるので、ここでの説明を省略する。
II.樹脂製培地用容器
次に、本発明の樹脂製培地用容器について説明する。
本発明の樹脂製培地用容器は、培地が充填される容器部および上記容器部を密閉可能な密閉部を有する樹脂製培地用容器であって、上記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記容器部を上記密閉部を用いて密閉した際の上記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であることを特徴とするものである。
このような本発明の樹脂製細胞培養容器について図を参照して説明する。図4は、本発明の樹脂製細胞培養容器の一例を示す概略断面図である。図5は、本発明の樹脂製細胞培養容器の他の例を示す概略断面図である。図4および図5に例示するように、本発明の樹脂製細胞培養容器10は、上記培地が充填される容器部1および上記容器部1を密閉する密閉部2を有し、上記容器部1の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、上記樹脂製培地用容器10の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であるものである。
なお、図4および図5中の符号については、図1および図2と同一の部材を示すものであるので、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、容器部の内容量が上述の範囲内であることにより、小容量の培地を効率的に保管可能なものとすることができ、コンタミリスクの少ないものとすることができる。
また、二酸化炭素透過量が上述の範囲内であることにより、所定の保管期間保管した場合でも培地品質を安定的に維持可能なものとすることができる。
さらに、樹脂製培地用容器を用いることにより、透明性および耐破損性に優れたものとすることができる。
なお、本発明の樹脂製培地用容器は、容器部に上記培地を充填した後に、上記容器部を上記密閉部により密閉することが可能であること以外は、上記「I.培地包装体」に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記樹脂製培地用容器が、上記容器部に上記培地を充填した後に、上記容器部を上記密閉部により密閉することが可能であるとは、既に説明した図2のように樹脂製培地用容器を構成する容器部および密閉部が一体で形成されているものである場合、密閉部が密閉されていない状態であること、より具体的には、密閉部がヒートシール部である場合にはヒートシール前の状態であることをいうものである。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1〜5、比較例1および参考例1]
下記表1に示す材質および第1二酸化炭素透過量の培地用容器を準備し、培地を下記表1に示す培地充填量となるように充填し、密封し、培地包装体を形成した。
なお、表1中のXおよびYは、それぞれ、第1二酸化炭素透過量(cm/24h・atm)および第2二酸化炭素透過量(cm/24h・atm・ml)を示すものである。
[評価]
実施例、比較例および参考例の培地包装体を、3カ月、25℃、大気圧下の条件下で、保管した後、保管開始前と比較した目視による培地の色の変化を下記判断基準に基づいて行った。結果を下記表1に示す。
(評価基準)
○:色が変化しなかった。
△:色がやや変化した。
×:色が変化した。
Figure 0006582375
表1より、上記第1二酸化炭素透過量が1.43cm/24h・atm以下である場合に培地の色変化を抑制できることを確認できた(表1中の○〜△の評価結果)。
また、上記第2二酸化炭素透過量が0.0269cm/24h・atm・ml以下である場合に、培地の色変化を効果的に抑制できることを確認できた(表1中の○の評価結果)。
1a … バリア層
1b … 保護層
1c … ヒートシール層
1 … 容器部
2a … 蓋部
2b … ヒートシール部(ヒートシール前)
2c … ヒートシール部(ヒートシール後)
2 … 密閉部
10 … 樹脂製培地用容器
11 … 培地
20 … 培地包装体

Claims (6)

  1. 樹脂製培地用容器と、
    前記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、
    を有する培地包装体であって、
    前記樹脂製培地用容器は、前記培地が充填された容器部および前記容器部を密閉可能な密閉部を有し、
    前記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、
    前記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であり、
    前記樹脂製培地用容器が、前記容器部および前記密閉部が別体として形成されているものであり、
    前記容器部が、二酸化炭素透過係数が2.63cm・cm/m・24h・atm以下のバリア性材料を用いて形成されたバリア層を少なくとも含み、
    前記容器部および前記密閉部が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロンMXD6、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル・共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むバリア層を有することを特徴とする培地包装体。
  2. 樹脂製培地用容器と、
    前記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、
    を有する培地包装体であって、
    前記樹脂製培地用容器は、前記培地が充填された容器部および前記容器部を密閉可能な密閉部を有し、
    前記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、
    前記樹脂製培地用容器の単位日数、単位分圧差および前記培地の単位体積当たりの二酸化炭素透過量が、0.0269cm/24h・atm・ml以下であり、
    前記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であり、
    前記樹脂製培地用容器が、前記容器部および前記密閉部が別体として形成されているものであり、
    前記容器部が、二酸化炭素透過係数が2.63cm・cm/m・24h・atm以下のバリア性材料を用いて形成されたバリア層を少なくとも含み、
    前記容器部および前記密閉部が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロンMXD6、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル・共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むバリア層を有することを特徴とする培地包装体。
  3. 樹脂製培地用容器と、
    前記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、
    を有する培地包装体であって、
    前記樹脂製培地用容器は、前記培地が充填された容器部および前記容器部を密閉可能な密閉部を有し、
    前記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、
    前記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であり、
    前記樹脂製培地用容器が、前記容器部および前記密閉部が一体で形成されているものであり、
    前記容器部および前記密閉部の層構成が、二酸化炭素透過係数が2.63cm・cm/m・24h・atm以下のバリア性材料を用いて形成されたバリア層と、前記密閉部に密閉機能を付与する密閉層と、を含む多層構造であり、
    前記バリア層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロンMXD6、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル・共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする培地包装体。
  4. 樹脂製培地用容器と、
    前記樹脂製培地用容器に密閉され、培養に用いられる培地と、
    を有する培地包装体であって、
    前記樹脂製培地用容器は、前記培地が充填された容器部および前記容器部を密閉可能な密閉部を有し、
    前記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、
    前記樹脂製培地用容器の単位日数、単位分圧差および前記培地の単位体積当たりの二酸化炭素透過量が、0.0269cm/24h・atm・ml以下であり、
    前記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であり、
    前記樹脂製培地用容器が、前記容器部および前記密閉部が一体で形成されているものであり、
    前記容器部および前記密閉部の層構成が、二酸化炭素透過係数が2.63cm・cm/m・24h・atm以下のバリア性材料を用いて形成されたバリア層と、前記密閉部に密閉機能を付与する密閉層と、を含む多層構造であり、
    前記バリア層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロンMXD6、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル・共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする培地包装体。
  5. 培地が充填される容器部および前記容器部を密閉可能な密閉部を有する樹脂製培地用容器であって、
    前記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、
    前記容器部を前記密閉部を用いて密閉した際の前記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であり、
    前記樹脂製培地用容器が、前記容器部および前記密閉部が別体として形成されているものであり、
    前記容器部が、二酸化炭素透過係数が2.63cm・cm/m・24h・atm以下のバリア性材料を用いて形成されたバリア層を少なくとも含み、
    前記容器部および前記密閉部が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロンMXD6、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル・共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むバリア層を有することを特徴とする樹脂製培地用容器。
  6. 培地が充填される容器部および前記容器部を密閉可能な密閉部を有する樹脂製培地用容器であって、
    前記容器部の内容量が、0.01ml〜20mlの範囲内であり、
    前記容器部を前記密閉部を用いて密閉した際の前記樹脂製培地用容器の単位日数および単位分圧差当たりの二酸化炭素透過量が、1.43cm/24h・atm以下であり、
    前記樹脂製培地用容器が、前記容器部および前記密閉部が一体で形成されているものであり、
    前記容器部および前記密閉部の層構成が、二酸化炭素透過係数が2.63cm・cm/m・24h・atm以下のバリア性材料を用いて形成されたバリア層と、前記密閉部に密閉機能を付与する密閉層と、を含む多層構造であり、
    前記バリア層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール(PVA)、ナイロンMXD6、ポリクロロトリフルオロエチレン、アクリロニトリル・共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする樹脂製培地用容器。
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