以下、本発明の巻上機の据付方法及びエレベーターの実施例について、図1〜図11を参照して説明する。
[実施例1]
まず、本発明の第1の実施例に係る巻上機の据付方法について、図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る巻上機の据付方法を採用して巻上機を据え付ける途中の状態を示す昇降路の平面図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施例に係る巻上機の据付方法を採用するエレベーターは、建物構造物内に形成された昇降路100の上方に機械室を設けない、いわゆる機械室レスエレベーターである。ホール側から昇降路100を見た場合の左右方向で対向する内壁を、左側内壁101及び右側内壁102とする。左側内壁101には、レールブラケット4A,4Bが取り付けられており、右側内壁102には、レールブラケット4Cが取り付けられている。
レールブラケット4A,4Cには、一対のかご側ガイドレール2,3がそれぞれ固定されている。すなわち、一対のかご側ガイドレール2,3は、レールブラケット4A,4Cを介して左側内壁101及び右側内壁102に固定されており、ホール側から昇降路100を見た場合の左右方向で対向している。
一方、レールブラケット4A,4Bには、一対の釣合錘側ガイドレール5,6がそれぞれ固定されている。すなわち、一対の釣合錘側ガイドレール5,6は、レールブラケット4A,4Bを介して左側内壁101に固定されており、ホール側から昇降路100を見た場合の前後方向で対向している。
レールブラケット4Aは、かご側ガイドレール2を左側内壁101に固定する部材と、釣合錘側ガイドレール6を左側内壁101に固定する部材とを兼ねている。これにより、エレベーターの部品点数を削減することができる。また、昇降路100内におけるレールブラケットが占有するスペースを削減して、昇降路100の小型化を図ることができる。
右側内壁102には、制御盤7と、位置検出器8が取り付けられている。制御盤7は、ホール側から昇降路100を見た場合に、レールブラケット4Bよりも奥側(ホール側と反対側)に配置されている。この制御盤7は、後述する巻上機の駆動制御や、後述する乗りかごに設けられた空調設備の駆動制御を行う。
位置検出器8は、レールブラケット4Bよりもホール側に配置されている。位置検出器8は、例えば、昇降路100の階床に配設された被検出板と、この被検出板によって遮へいされる光検出器を有しており、後述する乗りかごの着床位置を検出する。また、位置検出器8は、検出した乗りかごの着床位置を電磁信号に変換して、制御盤7に送信する。
また、レールブラケット4Aとホール側の内壁面との間には、ガバナー装置9が配置されている。ガバナー装置9は、例えば、昇降路100の上部及び下部に配置されたプーリと、これら2つのプーリに巻き掛けられた調速用ロープとを有している。調速用ロープには、リンク部材の一端が連結されており、リンク部材の他端部は、乗りかごに設けられた非常止め装置に連結されている。
調速用ロープは、非常止め装置及び乗りかごと一緒に移動して2つのプーリを回転させる。そして、乗りかごが定格速度を超えて所定の過速状態になると、ガバナー装置9は、調速用ロープの移動を止める。これにより、調速用ロープに連結されたリンク部材が非常止め装置を作動させて、乗りかごを非常停止させる。
エレベーターの据付けが完了した状態において、一対のかご側ガイドレール2,3間には、乗りかごが昇降可能に配置される。また、一対の釣合錘側ガイドレール5,6間には、釣合錘が昇降可能に配置される。しかし、図1に示す巻上機12を据え付ける途中の状態において、乗りかごが配置される空間には、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の近傍を避けた作業足場10が組み立てられており、この作業足場10を使用して様々な作業が行われる。
釣合錘が配置されることになる釣合錘側ガイドレール5,6の周囲に形成された空間は、作業足場10が組み立てられた状態において、巻上機12の楊重空間として利用される。図1に示すように、釣合錘を釣合錘側ガイドレール5,6に取り付ける前は、釣合錘側ガイドレール5,6の周囲に形成された空間に、巻上機ユニット11が配置されている。この巻上機ユニット11は、釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2に取り付けられる。
巻上機ユニット11は、巻上機12と、マシンビーム13と、ガイド部材14A,14Bとを有している。マシンビーム13は、例えば、上面が長方形の直方体状に形成されている。巻上機ユニット11が釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2に取り付けられた状態において、マシンビーム13における上面の長手方向は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6が対向する方向と略平行になる。つまり、マシンビーム13における上面の長手方向は、ホール側から昇降路100を見た場合の前後方向と略平行になる。
マシンビーム13の上面には、取付ブラケット16A,16Bと、巻上機12が固定されている。取付ブラケット16A,16Bは、マシンビーム13における上面の長手方向に適当な距離を空けて並んでいる。取付ブラケット16A,16Bには、ガイド部材14A,14Bが固定されるガイド固定部を有しており、このガイド固定部は、マシンビーム13における上面の短手方向の一方に突出している。
巻上機12は、取付ブラケット16A,16B間であって、マシンビーム13における上面の中央部に配置されている。この巻上機12は、巻上機モータ12a、巻上機シーブ12bなどを有している。また、巻上機12とマシンビーム13との間には、防振部材15が介在されている(図5参照)。
上述したように、ガイド部材14A,14Bは、取付ブラケット16A,16Bのガイド固定部に固定されている。ガイド部材14A,14Bは、上方から見た形状がコ字状に形成されており、それぞれ一対の釣合錘側ガイドレール5,6に摺動可能に係合する。これにより、巻上機ユニット11を吊り上げる際は、巻上機ユニット11が一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内されて移動する。
巻上機ユニット11は、チェーンブロックなどの楊重装置21によって吊り上げられる。楊重装置21は、昇降路100の天井に設けられた吊りフック20に取り付けられ、吊り用ワイヤー22によって巻上機ユニット11を吊る。そして、楊重装置21の巻上部(不図示)によって吊り用ワイヤー22を巻き上げることにより、巻上機ユニット11を吊り上げる。その結果、巻上機ユニット11は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に沿って上昇する。
図2は、巻上機の据付方法を示すフローチャートである。図3は、巻上機の据付方法における搬入行程を示す昇降路の側面図である。図4は、巻上機の据付方法における吊上げ工程を示す昇降路の正面図である。
図2及び図3に示すように、本発明の第1の実施例に係る巻上機の据付方法では、まず、搬入工程を行う(ステップS1)。この搬入工程では、昇降路100の床面に設置するピットベースや、複数本のガイドレールユニットを昇降路100内に搬入する。複数本のガイドレールユニットは、昇降路100の内壁に鉛直方向に継ぎ足しながら固定されることにより、一対のかご側ガイドレール2,3と、一対の釣合錘側ガイドレール5,6を構成する。
また、搬入工程では、巻上機12、マシンビーム13、ガイド部材14A,14B、取付ブラケット16A,16B、及びビーム受25を昇降路100内に搬入する。ビーム受25(図5参照)は、巻上機ユニット11のマシンビーム13を支持する部材であり、後述のビーム受設置工程において、釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2に取り付けられる。
次に、作業足場組立工程を行う(ステップS2)。この作業足場組立工程では、乗りかごが配置される空間に作業足場10を組み立てる。すなわち、昇降路100における一対の釣合錘側ガイドレール5,6を設置するスペースを除いた部分(空間)に作業足場10を組み立てる。
また、作業足場組立工程では、組み立てた作業足場10を利用して、昇降路100の天井に楊重装置21を設置する。具体的には、昇降路100の天井に予め固定されている複数の吊りフック20に楊重装置21を設置する。楊重装置21は、ビーム受25(図5参照)や巻上機ユニット11を昇降路100の上部へ吊り上げる際に用いる。そのため、楊重装置21の設置は、ビーム受設置工程の前に行えばよい。
次に、ガイドレール組立工程を行う(ステップS3)。図4に示すように、このガイドレール組立工程では、作業足場10を利用して、一対のかご側ガイドレール2,3及び一対の釣合錘側ガイドレール5,6の位置決め(いわゆる、芯出し)と、これらガイドレール2,3,5,6の組み立てを行う。
次に、ビーム受設置工程を行う(ステップS4)。このビーム受設置工程では、楊重装置21を用いてビーム受25を昇降路100の上部へ吊り上げて、釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2にビーム受25を取り付ける。
ビーム受25は、釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2の上端に固定した部材からそれぞれ下方へ吊設される一対のロッド部材を有しており、一対のロッド部材の下部に固定された部材にマシンビーム13が固定される。ビーム受25は、巻上機ユニット11のマシンビーム13を支持する部材であるため、ビーム受25の取付位置によってマシンビーム13の位置が決定される。
本実施例では、釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2にビーム受25を取り付けた。しかし、本発明に係るビーム受25は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上部付近に配置されていればよく、例えば、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上部に取り付けてもよい。すなわち、本発明に係るビーム受25は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の少なくとも一方の上部に取り付けていればよい。
次に、巻上機吊上工程を行う(ステップS5)。この巻上機吊上工程では、マシンビーム13に巻上機12及び取付ブラケット16A,16Bを固定し、取付ブラケット16A,16Bにガイド部材14A,14Bを固定して、巻上機ユニット11を組み立てる。また、巻上機ユニット11のガイド部材14A,14Bを、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に摺動可能に係合させる。
そして、図5に示すように、楊重装置21を用いて巻上機ユニット11を昇降路100の上部へ吊り上げる。このとき、巻上機ユニット11のガイド部材14A,14Bが一対の釣合錘側ガイドレール5,6に摺動可能に係合しているため、巻上機ユニット11は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内されて上昇する。
なお、ビーム受25は、釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2の上端に固定されている。したがって、ガイド部材14Aが釣合錘側ガイドレール5の上端に位置するまで巻上機ユニット11を吊り上げない限り、ガイド部材14Aとビーム受25が干渉することはない。
このように、本実施例では、楊重装置21によって巻上機ユニット11を吊り上げると、巻上機ユニット11が一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内されて上昇する。このため、狭い空間を利用して巻上機12等を吊り上げているにも拘わらず、巻上機ユニット11が作業足場10に衝突することはなく、巻上機ユニット11を円滑に上昇させることができる。その結果、巻上機の据付作業の安全性及び作業性を大きく向上させることができる。
次に、巻上機設置工程を行う(ステップS6)。この巻上機設置工程では、楊重装置21を用いて巻上機ユニット11の位置を調整しながら、ビーム受25に巻上機ユニット11を設置する。
上述した巻上機の据付け方法におけるステップS1〜S5の各工程は、一例を示すもので、工程の一部を入れ替えたり、2つ以上の工程を同時進行したりしてもよい。例えば、巻上機吊上工程における巻上機ユニット11の組み立てを、ビーム受設置工程において行ってもよい。
また、ステップS1の搬入行程では、複数本のガイドレールユニットだけでなく、巻上機12、マシンビーム13等の搬入を行う。したがって、その後のステップS2の作業足場組立工程において作業足場10を組み立てた後に、巻上機12、マシンビーム13等の搬入を行う必要が無い。その結果、巻上機12、マシンビーム13等の搬入が作業足場10によって妨げられることが無く、搬入行程が面倒な狭隘作業にならないようにすることができる。
次に、巻上機ユニット11について、図5を参照して説明する。
図5は、巻上機ユニットを一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上部まで吊り上げた状態を示す側面図である。
図5に示すように、巻上機ユニット11は、マシンビーム13の上面に巻上機12及び取付ブラケット16A,16Bを固定し、取付ブラケット16A,16Bにガイド部材14A,14Bを固定することにより構成されている。また、マシンビーム13の上面と巻上機12との間には、防振部材15が介在されている。
また、巻上機12の上部には、吊り具17が設けられており、マシンビーム13の上面には、2つの吊り具18が設けられている。巻上機ユニット11を吊り上げる場合は、昇降路100の天井103に埋め込まれた複数の吊りフック20のうち任意のものを利用して楊重装置21を取り付ける。そして、巻上機12の吊り具17及びマシンビーム13の2つの吊り具18に、楊重装置21の吊り用ワイヤー22を連結する。
ビーム受25は、種々の位置に固定することができるが、本実施例では、釣合錘側ガイドレール5と、かご側ガイドレール2の上部にビーム受25を固定している。そこで、本実施例では、釣合錘側ガイドレール6を、その上端と昇降路100の天井103との間に所定距離を有するような位置で切断し、釣合錘側ガイドレール6をかご側ガイドレール2,3よりも短くする。
そして、昇降路100の上部に十分な吊り代がある場合は、巻上機ユニット11のガイド部材14Bが釣合錘側ガイドレール6の上端を乗り越えられるように、楊重装置21によって巻上機ユニット11をさらに吊り上げる。その後、巻上機ユニット11を一対の釣合錘側ガイドレール5,6の裏面側(左側内壁101側)に揺り動かして、ビーム受25に巻上機ユニット11を固定する。
また、作業足場10を組み立てたため、作業足場10から楊重装置21を取り付けることができる。また、一対の釣合錘側ガイドレール5,6を結ぶ仮想直線に対して略同一水平面上で直行する線上に設けた楊重装置21の吊り点を利用して、巻上機ユニット11を一対の釣合錘側ガイドレール5,6の裏面側(左側内壁101側)に揺り動かすこともできる。
さらに、作業足場10から巻上機12側と干渉しない他の昇降路内機器(例えば、制御盤7や位置検出器8など)の取付作業を、巻上機の据付作業と並行して行うことができ、エレベーターの据付作業全体としての作業時間を短縮することができる。また、一対の釣合錘側ガイドレール6の上端を低く抑えることによって、巻上機ユニット11の移動を簡単に行うことができる。なお、この巻上機ユニット11の移動の際に、ガイド部材14A,14Bを取り外してもよい。
通常、最終的な組立完了状態では、巻上機12とマシンビーム13との間に防振部材15が介在される。昇降路100の上部に十分な吊り代がある場合は、マシンビーム13と巻上機12との間に防振部材15を介在させた状態の巻上機ユニット11として吊り上げることができる。しかし、昇降路100の上部に十分な吊り代が無い場合は、後述するが、種々の方法を採用することができる。
本実施例の巻上機の据付方法では、ステップS5の巻上機吊上工程に先行して、昇降路100内に組み立てた作業足場10に載って一対の釣合錘側ガイドレール5,6の組み立てと、楊重装置21の設置を行った。しかも、作業足場10は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6を設置するスペースを除いた部分に組み立てた。そして、楊重装置21を駆動させて巻上機ユニット11を釣合錘側ガイドレール5,6の上部まで吊り上げている。このとき、巻上機ユニット11は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内されて上昇する。
このため、一対の釣合錘側ガイドレール5,6近傍の狭い空間部に巻上機12等を配置しているにも拘わらず、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に沿って巻上機ユニット11を簡単、且つ、円滑に案内することができる。したがって、巻上機12の据え付けを容易に行うことができる。さらに、吊り上げられて移動する巻上機ユニット11が、作業足場10に衝突することはなくなり、安全性および作業性が大きく向上する。
また、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の近傍まで大型化した作業足場を組んで荷揚げする場合に比べて、作業足場の組立や解体に要する時間と手間を省略することができる。さらに、巻上機ユニット11の吊り上げに先行して、作業足場10を一対の釣合錘側ガイドレール5,6を設置するスペースを除いた部分に組み立てている。そのため、この作業足場10に載って楊重装置21を取り付けたり、巻上機の据付作業と干渉しない他の昇降路内機器の取付作業を並行して行ったりすることができ、エレベーターの据付作業全体としての作業時間を短縮することができる。
また、本実施例の巻上機の据付方法では、ステップS1の搬入行程において、複数本のガイドレールユニットだけでなく、巻上機12及びマシンビーム13等の搬入を行う。そして、ステップS2の作業足場組立工程において、作業足場10を組み立てているため、作業足場10によって巻上機12及びマシンビーム13等の搬入が妨げられたり、搬入作業が面倒な狭隘作業となったりすることはない。
また、本実施例の巻上機の据付方法では、釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2にビーム受25を固定し、釣合錘側ガイドレール6の上部を切断し、釣合錘側ガイドレール6の上端と昇降路100の天井103との間に所定距離を有するようにした。これにより、一対の釣合錘側ガイドレール5,6近傍の狭い空間を利用しながらも、釣合錘側ガイドレール5及びかご側ガイドレール2に固定したビーム受25に、巻上機ユニット11を容易に移動させることが可能となる。
図6は、第1の実施例に係る巻上機の据付方法によって巻上機を据え付けたエレベーターの概略構成図である。
巻上機の据付方法の一連の工程を完了した後、釣合錘33を昇降路100内に搬入し、通常の場合と同様に一対の釣合錘側ガイドレール5,6に沿って昇降するように組立作業を行う。また、その他の機器(例えば、制御盤7や位置検出器8など)の組立作業を行った後に、作業足場10の解体作業などを行う。そして、乗りかご32を昇降路100内に搬入し、通常の場合と同様に一対のかご側ガイドレール2,3に沿って昇降するように組立作業を行う。
図6に示すように、本実施例に係る巻上機の据付方法によって据付けた巻上機を備えるエレベーター31は、昇降路100内を昇降する乗りかご32及び釣合錘33と、主ロープ35とを備えている。また、エレベーター31は、巻上機12と、一対のかご側ガイドレール2,3と、一対の釣合錘側ガイドレール5,6と、ガバナー装置9(図1参照)とを備えている。
乗りかご32は、複数のスライダ(不図示)を有しており、複数のスライダは、昇降路100の壁面に固定された一対のかご側ガイドレール2,3に摺動可能に係合する。したがって、乗りかご32は、一対のかご側ガイドレール2,3に案内されて昇降路100内を昇降する。
釣合錘33は、複数のスライダ(不図示)を有している。釣合錘33の複数のスライダは、昇降路100の壁面に固定された一対の釣合錘側ガイドレール5,6に摺動可能に係合する。したがって、釣合錘33は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内されて昇降路100内を昇降する。
主ロープ35には、乗りかご32及び釣合錘33が吊り下がっている。巻上機12は、上述したように、昇降路100の上部に配置されている。この巻上機12には、主ロープ35が巻掛けられている。制御盤7の制御により巻上機12を回転させると、主ロープ35を摩擦駆動して、乗りかご32及び釣合いおもり32を昇降させる。
[実施例2]
次に、本発明の第2の実施例に係る巻上機の据付方法について、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第2の実施例に係る巻上機の据付方法を採用して巻上機ユニットを吊上げた状態を示す側面図である。
第1の実施例のように、昇降路100の天井103までの高さに余裕があり、昇降路100の上部に十分な吊り代を確保できる場合は、巻上機ユニット11を図5に示す状態からさらに上方へ吊り上げて、ビーム受25に固定する位置まで移動させることができる。
しかし、昇降路100の天井103までの高さに余裕がなく、昇降路100の上部に十分な吊り代を確保できない場合は、図7に示すように、吊りフック20のうちの中央に位置するものに代えて両側に位置するものを使用する。また、吊り用ワイヤー22との連結部を巻上機12の中央部から側部に変更する。吊り代に関する情報は予め分かるので、昇降路100の上部に十分な吊り代が確保できない場合は、巻上機12の両側部に、吊り具17を有する吊りブラケット41A,41Bを固定しておく。
このように、昇降路100の上部に十分な吊り代を確保できない場合でも、吊り点を変更することによって、巻上機12をさらに上方のビーム受25に固定する位置まで容易に吊り上げることができる。
第1の実施例で述べたように、最終的な組立完了状態では、巻上機12とマシンビーム13との間には防振部材15が取り付けられる。しかし、上述した吊り代を確保するために巻上機ユニット11としての状態では、防振部材15を取り外しておいてもよい。この場合、巻上機ユニット11をビーム受25に搭載した後、さらに巻上機12だけを分離して楊重装置21によって吊り上げる。
その後、吊り代を確保するために取り外していた防振部材15を、マシンビーム13と巻上機12との間に介在させてから、再び両者を連結する。このとき、巻上機12の倒れを防止するために、防振部材15をライナーで調整したり、周知の振れ止めを設けたりして、巻上機12の据付を完了する。
このように、本発明に係る巻上機の据付方法では、巻上機ユニット11を一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上部まで吊り上げてビーム受25に搭載した後、使用する吊りフック20の位置や組み合わせを変更して吊り点を変えることもできる。また、図7に示した状態では、巻上機ユニット11がビーム受25に搭載されているため、マシンビーム13に取り付けたガイド部材14A,14Bを取り外して作業のためのスペースを確保してもよい。
本実施例の巻上機の据付方法では、巻上機ユニット11として、巻上機12及びマシンビーム13間に配置される防振部材15を取り外しておく。そして、ビーム受25にマシンビーム13を固定した後に、再度、巻上機12を楊重装置21によって吊り上げた状態にして、巻上機12及びマシンビーム13間に防振部材15を固定する。
これにより、昇降路100の上部に確保した吊り代に余裕がない場合でも、巻上機ユニット11が、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内されて上昇し、巻上機ユニット11を一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上部まで容易に吊り上げることができる。
[実施例3]
次に、本発明の第3の実施例に係る巻上機の据付方法について、図8及び図9を参照して説明する。
図8は、本発明の第3の実施例に係る巻上機の据付方法を採用してマシンビームを吊上げた状態を示す側面図である。図9は、本発明の第3の実施例に係る巻上機の据付方法を採用して巻上機ユニットを吊上げた状態を示す側面図である。
第1の実施例では、ステップS5の巻上機吊上工程において、ピットに搬入した巻上機12及びマシンビーム13等を巻上機ユニット11として一体的に組み上げた後に、楊重装置21を用いて巻上機ユニット11を吊り上げた。しかし、第3の実施例では、ステップS5の巻上機吊上工程の第一段階として、巻上機12とマシンビーム13を分割した状態で吊り上げ、その後、ビーム受25にマシンビーム13と巻上機12を搭載する方式としている。
図8に示すように、マシンビーム13には、一対の取付ブラケット16A,16Bが固定されており、取付ブラケット16A,16Bにそれぞれガイド部材14A,14Bが固定されている。しかし、マシンビーム13の上面における取付ブラケット16A,16B間には、巻上機12が搭載されていない。
第3の実施例では、昇降路100の天井103に埋め込まれた複数の吊りフック20のうち任意のものを利用して楊重装置21を取り付ける。また、楊重装置21の吊り用ワイヤー22に、マシンビーム13に設けた吊り具18をそれぞれ連結する。
ステップS5の巻上機吊上工程の第一段階において、作業者は、楊重装置21を用いてマシンビーム13を吊り上げる。このとき、マシンビーム13は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内されるため、吊り上げられるときの姿勢が維持される。その結果、吊り上げられているマシンビーム13が、作業足場10に衝突して破損することはなく、マシンビーム13を円滑に吊り上げて移動させることができる。
その後、作業者は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上部で、マシンビーム13からガイド部材14A,14Bを取り外す。次に、マシンビーム13を釣合錘側ガイドレール5,6に沿って吊り上げた位置から少しずらしてビーム受25に支持させる。
その後、ステップS5の巻上機吊上工程の第二段階として、作業者は、図9に示すように、巻上機12の両側部に吊りブラケット41A,41Bを固定する。また、吊りブラケット41A,41Bに取付ブラケット42A,42Bを固定し、取付ブラケット42A,42Bにガイド部材14A,14Bを固定する。
ガイド部材14A,14Bは、ガイド部材14A,14Bは、上方から見た形状がコ字状に形成されており、それぞれ一対の釣合錘側ガイドレール5,6に摺動可能に係合する。なお、巻上機12と、吊りブラケット41A,41Bと、取付ブラケット42A,42Bと、ガイド部材14A,14Bは、第3の実施例に係る巻上機ユニット43を構成する。
なお、第3の実施例では、取付ブラケット42A,42Bを介して、吊りブラケット41A,41Bにガイド部材14A,14Bを固定した。しかし、本発明に係るガイド部材としては、巻上機の両側部に設けた吊りブラケットに直接取り付ける構造であってもよい。この場合は、巻上機と、吊りブラケットと、ガイド部材が、本発明に係る巻上機ユニットを構成する。
その後、作業者は、昇降路100の天井103に埋め込まれた複数の吊りフック20のうち任意のものに取り付けた楊重装置21の吊り用ワイヤー22を、巻上機12の吊り具17に連結する。そして、楊重装置21を駆動させて巻上機ユニット43を釣合錘側ガイドレール5,6の上部まで吊り上げる。
このとき、巻上機ユニット43は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内されるため、吊り上げられるときの姿勢が維持される。その結果、吊り上げられている巻上機ユニット43が作業足場10に衝突して破損することはなく、巻上機ユニット43を円滑に吊り上げて移動させることができる。
その後、作業者は、巻上機ユニット43をマシンビーム13上に搭載し、巻上機ユニット43から吊りブラケット41A,41B、取付ブラケット42A,42B、ガイド部材14A,14Bを取り外す。そして、巻上機12とマシンビーム13間に防振部材15を介在させて、両者を固定する。
また、昇降路100の上部に十分な吊り代がある場合は、ステップS5の巻上機吊上工程の第一段階として、巻上機ユニット43を吊り上げ、その後、第二段階として、マシンビーム13を吊り上げてもよい。この場合は、下方に位置しているマシンビーム13をビーム受25に固定し、その後、上方に位置する巻上機ユニット43をマシンビーム13に固定する。
第3の実施例に係る巻上機の据付方法によれば、巻上機12とマシンビーム13とを別々に吊り上げるため、巻上機吊上工程の作業数が増える。しかし、巻上機ユニットとしては、巻上機12とマシンビーム13とを予め組み立てたものに限定することなく適用することができるようになり、先の実施例と同様の効果を期待することができる。
[実施例4]
次に、本発明の第4の実施例に係る巻上機の据付方法について、図10を参照して説明する。
図10は、本発明の第4の実施例に係る巻上機の据付方法を採用して吊りビームを昇降路の天井に取り付けた状態の説明図である。
上述した第1〜第3の実施例では、昇降路100の天井103に設けた吊りフック20に楊重装置21を取り付けた。しかし、第4の実施例では、昇降路100の天井103又は側壁に吊りビームを固定し、この吊りビームに楊重装置21を取り付けている。
図10に示すように、第4の実施例では、吊りビーム27A,27Bが設けられている。吊りビーム27Aは、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上方において、一対の釣合錘側ガイドレール5,6間を橋渡しするように配置されている。
吊りビーム27Aは、長方形の板状に形成されており、ねじなどの固定部材を用いて昇降路100の天井103又は側壁に固定されている。吊りビーム27Aの上面は、昇降路100の天井103に対向しており、吊りビーム27Aの長辺は、ホール側から昇降路100を見た場合の前後方向と平行に延びている。
吊りビーム27Aの下面には、複数の吊り点28A,28B,28Cが設けられている。複数の吊り点28A,28B,28Cは、ホール側から昇降路100を見た場合の前後方向に所定の間隔をあけて並んでいる。また、吊り点28Bは、一対の釣合錘側ガイドレール5,6間の中間部に配置されている。複数の吊り点28A,28B,28Cは、本発明に係る複数の釣合錘側吊り点の一具体例を示すものである。
吊りビーム27Bは、吊りビーム27Aから右側内壁102側へ所定距離隔てた位置であって、ホール側から昇降路100を見た場合の左右方向の略中央部に配置されている。吊りビーム27Bは、吊りビーム27Aと同じ長方形の板状に形成されており、ねじなどの固定部材を用いて昇降路100の天井103又は側壁に固定されている。吊りビーム27Bの長辺は、ホール側から昇降路100を見た場合の前後方向と平行に延びている。
吊りビーム27Bの下面には、吊り点28Dが設けられている。吊り点28Dは、乗りかご32におけるホール側から昇降路100を見た場合の左右方向の中心線上であって、ホール側から昇降路100を見た場合の左右方向において吊り点28Bと対向する位置に配置されている。この吊り点28Dは、本発明に係る乗りかご側吊り点の一具体例を示すものである。なお、吊り点28Dは、上下方向において乗りかご32の重心に略一致する位置に配置してもよい。
第4の実施例によれば、上述した第1〜第3の実施例の吊りフック20と同様に、各吊り点28A〜28Cを使用して、本発明に係る巻上機の据付方法を行うことができる。また、各吊り点28A〜28Dのうち任意のものを利用して楊重装置21を取り付けることができる。そして、巻上機12及びマシンビーム13が作業足場10に衝突して破損することはなく、巻上機12及びマシンビーム13を釣合錘側ガイドレール5,6の上部まで円滑に吊り上げることができる。
また、第4の実施例では、吊り点28Dを設けた。これにより、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に対するガイド部材14A,14Bの係合を解いた後に、巻上機12やマシンビーム13(巻上機ユニット)を一対の釣合錘側ガイドレール5,6に対して接離する方向に移動させることができる。その結果、巻上機の据付作業時における巻上機12やマシンビーム13の位置調整を容易に行うことができる。
なお、詳細を省略しているが、第1〜第3の実施例においても、吊り点28Dと同じ位置に吊りフック20を設けてもよい。その結果、第1〜第3の実施例においても、巻上機の据付作業時における巻上機12やマシンビーム13の位置調整を容易に行うことができる。
[実施例5]
次に、本発明の第5の実施例に係る巻上機の据付方法について、図11を参照して説明する。
図11は、本発明の第5の実施例に係る巻上機の据付方法を採用して吊りビームを昇降路の天井に取り付けた状態の説明図である
図11に示すように、第5の実施例では、吊りビーム29A,29B,29Cが設けられている。吊りビーム29A,29B,29Cは、ホール側から昇降路100を見た場合の前後方向に所定の間隔をあけて並んでいる。
吊りビーム29A,29B,29Cは、長方形の板状に形成されており、ねじなどの固定部材を用いて昇降路100の天井103又は側壁に固定されている。吊りビーム29A,29B,29Cの上面は、昇降路100の天井103に対向しており、吊りビーム29A,29B,29Cの長辺は、ホール側から昇降路100を見た場合の左右方向と平行に延びている。
吊りビーム29A,29B,29Cの長手方向の一端部は、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上方に配置されている。吊りビーム29A,29B,29Cの長手方向の一端部における下面には、それぞれ吊り点30A,30B,30Cが設けられている。吊り点30A,30B,30Cは、ホール側から昇降路100を見た場合の前後方向に所定の間隔をあけて並んでおり、吊り点30Bは、一対の釣合錘側ガイドレール5,6間の中間部に配置されている。複数の吊り点30A,30B,30Cは、本発明に係る複数の釣合錘側吊り点の一具体例を示すものである。
また、吊りビーム29Bの下面には、吊り点30Dが設けられている。吊り点30Dは、乗りかご32におけるホール側から昇降路100を見た場合の左右方向の中心線上であって、ホール側から昇降路100を見た場合の左右方向において吊り点28Bと対向する位置に配置されている。この吊り点30Dは、本発明に係る乗りかご側吊り点の一具体例を示すものである。なお、吊り点30Dは、上下方向において乗りかご32の重心に略一致する位置に配置してもよい。
第5の実施例によれば、上述した第1〜第3の実施例の吊りフック20と同様に、各吊り点30A〜30Cを使用して、本発明に係る巻上機の据付方法を行うことができる。また、各吊り点30A〜30Dのうち任意のものを利用して楊重装置21を取り付けることができる。そして、巻上機12及びマシンビーム13が作業足場10に衝突して破損することはなく、巻上機12及びマシンビーム13を釣合錘側ガイドレール5,6の上部まで円滑に吊り上げることができる。
また、第5の実施例では、吊り点30Dを設けた。これにより、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に対するガイド部材14A,14Bの係合を解いた後に、巻上機12やマシンビーム13(巻上機ユニット)を一対の釣合錘側ガイドレール5,6に対して接離する方向に移動させることができる。その結果、巻上機の据付作業時における巻上機12やマシンビーム13の位置調整を容易に行うことができる。
例えば、特許文献1(特開2007−186274号公報)に記載された発明では、巻上機を吊り上げるために使用される楊重機をガイドレール上部に取り付けている。そのため、巻上機の荷重がガイドレールに加わることになり、重量のある巻上機の吊り上げが難しくなる。
しかし、上述した第1〜第5の実施例では、昇降路100の天井103に設けた吊りフック20、或いは、昇降路100の天井103又は側壁に固定した吊りビーム27A,27Bを使用して楊重装置21を取り付ける。これにより、巻上機ユニットの荷重を一対の釣合錘側ガイドレール5,6に直接加えることがない。その結果、重量物である巻上機12を、一対の釣合錘側ガイドレール5,6に沿って安全に吊り上げることができる。
以上説明したように、本発明は、昇降路100の一対の釣合錘側ガイドレール5,6を設置するスペースを除いた部分に作業足場10を組み立てる。そして、作業足場10に載って一対のかご側ガイドレール2,3及び一対の釣合錘側ガイドレール5,6を組み立てて、昇降路100の天井103付近に楊重装置21を設置する。次に、巻上機12と、一対の釣合錘側ガイドレールに摺動可能に係合するガイド部材14A,14Bを有する巻上機ユニット11を組み立てる。その後、楊重装置21を用いて、巻上機ユニット11を一対の釣合錘側ガイドレール5,6に案内させながら一対の釣合錘側ガイドレール5,6の上部まで吊り上げる。
このような巻上機の据付方法によれば、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の近傍の狭い空間を利用しているにも拘わらず、巻上機ユニット11の移動を一対の釣合錘側ガイドレール5,6によって案内することができる。これにより、吊り上げられている巻上機ユニット11が作業足場10に衝突して破損することはなく、巻上機の据付作業の安全性及び作業性を大きく向上させることができる。また、一対の釣合錘側ガイドレール5,6の近傍まで大型化した作業足場10を組んで荷揚げする場合に比べて、作業足場の組立や解体に要する時間と手間を省くことができる。
さらに、巻上機ユニット11の吊り上げに先行して、一対の釣合錘側ガイドレール5,6を設置するスペースを除いた部分に作業足場10を組み立てる。これにより、作業足場10に載って楊重装置21を取り付ける作業や、巻上機12(巻上機ユニット11)と干渉しない他の機器を昇降路の壁面等に取り付ける作業を、巻上機ユニット11の吊り上げ作業と並行して行うことができる。その結果、エレベーターの据付作業全体に要する作業時間を短縮することができる。
[変形例]
以上、本発明の巻上機の据付け方法及びエレベーターの実施例について、その作用効果も含めて説明した。しかし、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上述した実施例は、本発明を分かり易く詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
また、上述した第4の実施例では、吊り点28A,28B,28C,28Dを設けており、第5の実施例では、吊り点30A,30B,30C,30Dを設けた。しかし、本発明に係る吊り点は、楊重装置の取り付け位置、釣合錘側ガイドレールの設置位置等を考慮して、任意の位置に設けることができ、その数も任意に決定することができる。
例えば、上述した第1〜第5の実施形態では、釣合錘側ガイドレール5と、かご側ガイドレール2の上部にビーム受25を固定した。本発明では、巻上機ユニットを一対の釣合錘側ガイドレールの上部付近に設置する。そのため、一対の釣合錘側ガイドレールの少なくとも一方の上部にビーム受の一部を固定していればよく、ビーム受の他部は、巻上機ユニットの大きさや設置位置に応じて種々の位置に固定することができる。したがって、本発明に係るビーム受としては、例えば、一対の釣合錘側ガイドレールの上部に固定してもよい。