JP6580498B2 - 包装材用樹脂組成物および包装材 - Google Patents

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本発明は、包装材用樹脂組成物および包装材に関する。
ポリエチレン系包装材用樹脂組成物として、ポリエチレンに、エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体を含有させた樹脂組成物が知られている。
このようなポリエチレン系包装材用樹脂組成物に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。
特許文献1には、高速被覆方法で極性基材を被覆するのに適切な、LDPEと低酸含量酸共重合体樹脂とを含むポリマーブレンドであって、約5から約45重量%の低酸含量酸共重合体樹脂と約95%から約55重量%のLDPEとを含み、かつ、低酸含量酸共重合体樹脂が約0.1から約4重量%の(メタ)アクリル酸と約0から約20重量%の他のエチレン性不飽和コモノマーとを含むエチレン/(メタ)アクリル酸系共重合体であることを特徴とするブレンドが記載されている。
特表2004−510871号公報
ポリエチレン系包装材用樹脂組成物の各種特性について要求される技術水準は、ますます高くなっている。本発明者らは、ポリエチレン系包装材用樹脂組成物に関し、以下のような課題を見出した。
本発明者らの検討によれば、ポリエチレンおよびエチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体を含有する従来のポリエチレン系樹脂組成物は、耐熱性と接着性と加工性をバランスよく向上させるという観点において、改善の余地があることを見出した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性、接着性および加工性の性能バランスに優れたポリエチレン系包装材を実現できる包装材用樹脂組成物および包装材を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、特定のポリエチレンに対し、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体およびエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体を特定量配合することで、耐熱性、接着性および加工性をバランスよく向上できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明によれば、以下に示す包装材用樹脂組成物および包装材が提供される。
[1]
融点が120℃以上135℃未満のポリエチレン(A)と、エチレン系共重合体(B)と、を含む包装材用樹脂組成物であって、
上記エチレン系共重合体(B)がエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)およびエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を含み、
上記ポリエチレン(A)と上記エチレン系共重合体(B)の合計含有量を100質量%としたとき、
上記ポリエチレン(A)の含有量が57質量%以上74質量%未満であり、
上記エチレン系共重合体(B)の含有量が26質量%を超えて43質量%以下である包装材用樹脂組成物。
[2]
上記[1]に記載の包装材用樹脂組成物において、
上記ポリエチレン(A)の密度が920kg/m以上945kg/m以下である包装材用樹脂組成物。
[3]
上記[1]または[2]に記載の包装材用樹脂組成物において、
融点が135℃以上であるポリエチレン(C)をさらに含む包装材用樹脂組成物。
[4]
上記[1]乃至[3]いずれか一つに記載の包装材用樹脂組成物において、
190℃、2160g荷重の条件で測定される、上記ポリエチレン(A)のメルトフローレート(MFR)が1.0g/10分以上50g/10分以下である包装材用樹脂組成物。
[5]
上記[1]乃至[4]いずれか一つに記載の包装材用樹脂組成物において、
下記の方法により求められる加工可能速度の限界値が200m/分以上である包装材用樹脂組成物。
(方法)
押出機ダイ出口樹脂温度300℃、引取速度80m/分、成形後の厚みが20μm、幅500mmとなるような押出条件で、上記包装材用樹脂組成物をフィルム状に押出成形する。次いで、上記引取速度を徐々に上げながら、得られる樹脂フィルムの状態を観察する。得られる上記樹脂フィルムに揺れまたは切断が観察される引取速度を加工可能速度の限界値とする。
[6]
上記[1]乃至[5]いずれか一つに記載の包装材用樹脂組成物において、
ASTM D1034に準拠して測定される、130℃で10分加熱した際の加熱自重変形量が15mm以下である包装材用樹脂組成物。
[7]
上記[1]乃至[6]いずれか一つに記載の包装材用樹脂組成物により構成された層を少なくとも含む包装材。
[8]
上記[7]に記載の包装材において、
15mm幅、90度剥離、剥離速度300mm/分の条件で測定されるアルミニウム箔への接着強度が1.0N/15mm以上である包装材。
[9]
上記[7]または[8]に記載の包装材において、
前記包装材用樹脂組成物により構成された層の少なくとも一面に金属層が積層された包装材。
本発明によれば、耐熱性、接着性および加工性の性能バランスに優れたポリエチレン系包装材を実現できる包装材用樹脂組成物および包装材を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、数値範囲の「X〜Y」は特に断りがなければ、X以上Y以下を表す。
1.包装材用樹脂組成物(P)について
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)は、融点が120℃以上135℃未満のポリエチレン(A)と、エチレン系共重合体(B)と、を含む。
そして、包装材用樹脂組成物(P)において、エチレン系共重合体(B)がエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)およびエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を含み、ポリエチレン(A)とエチレン系共重合体(B)の合計含有量を100質量%としたとき、ポリエチレン(A)の含有量が57質量%以上74質量%未満、好ましくは57質量%以上70質量%以下、特に好ましくは57質量%以上65質量%以下であり、エチレン系共重合体(B)の含有量が26質量%を超えて43質量%以下、好ましくは30質量%以上43質量%以下、より好ましくは35質量%以上43質量%以下である。
本発明者らの検討によれば、ポリエチレンおよびエチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体を含有する従来のポリエチレン系樹脂組成物は、耐熱性と接着性と加工性をバランスよく向上させるという観点において、改善の余地があることを見出した。
特に、本発明者らの検討によれば、耐熱性を向上させるためにポリエチレンの耐熱性を変化させると、接着性と加工性が悪化してしまうことが明らかになった。すなわち、本発明者らは、ポリエチレンおよびエチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体を含有する従来のポリエチレン系樹脂組成物において、接着性や加工性と耐熱性との間には、トレードオフの関係が存在し、そのトレードオフの関係はポリエチレンの耐熱性を調整するだけでは改善できないことを明らかにした。すなわち、本発明者らは、ポリエチレンおよびエチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体を含有する従来のポリエチレン系樹脂組成物には、耐熱性、接着性および加工性をバランスよく向上させるという観点において、改善の余地があることを見出した。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、融点が120℃以上135℃未満のポリエチレン(A)に対し、不飽和カルボン酸系共重合体(B1)およびエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を上記した割合で含有させることで、耐熱性、接着性および加工性をバランスよく向上できることを見出し、本発明に至った。
エチレン系共重合体(B)の含有量を上記下限値超または以上とすることで、加工性および耐熱性を維持しつつ、接着性をより良好なものとすることができる。また、エチレン系共重合体(B)の含有量を上記上限値以下とすることで、接着性を維持しつつ、加工性および耐熱性をより良好なものとすることができる。
すなわち、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)によれば、耐熱性、接着性および加工性の性能バランスに優れたポリエチレン系包装材を実現することができる。
このような包装材用樹脂組成物(P)が上記の性能バランスに優れる理由は必ずしも明らかではないが、耐熱性に優れたポリエチレン(A)に対し、接着性に優れた不飽和カルボン酸系共重合体(B1)およびエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を上記した割合で含有させることで、耐熱性、接着性および加工性がバランスよく向上し、さらにエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を含ませることで、ポリエチレン(A)と不飽和カルボン酸系共重合体(B1)との相溶性が向上し、耐熱性、接着性および加工性のバランスがさらに向上するからだと考えられる。
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)において、ポリエチレン(A)の含有量とエチレン系共重合体(B)の含有量との合計含有量は、包装材用樹脂組成物(P)の全体を100質量%としたとき、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、特に好ましくは90質量%以上である。ポリエチレン(A)の含有量とエチレン系共重合体(B)の含有量との合計含有量が上記範囲内であると、得られる包装材の耐熱性、接着性および加工性等のバランスをより一層良好なものとすることができる。
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)において、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)の含有量に対するエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)の含有量の比は特に限定されないが、好ましくは0.1以上10以下であり、より好ましくは0.2以上5以下であり、さらに好ましくは0.3以上4以下であり、特に好ましくは0.5以上3以下である。
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)において、下記の方法により求められる加工可能速度の限界値が200m/分以上であることが好ましい。加工可能速度の限界値が上記下限値以上であると、得られる包装材の耐熱性および接着性を維持しつつ、加工性をより一層良好なものとすることができる。上記加工可能速度の限界値は、例えば、ポリエチレン(A)やエチレン系共重合体(B)の種類や含有量等を調整することにより制御することが可能である。
(方法)
押出機ダイ出口樹脂温度300℃、引取速度80m/分、成形後の厚みが20μm、幅500mmとなるような押出条件で、上記包装材用樹脂組成物をフィルム状に押出成形する。次いで、上記引取速度を徐々に上げながら、得られる樹脂フィルムの状態を観察する。得られる上記樹脂フィルムに揺れまたは切断が観察される引取速度を加工可能速度の限界値とする。
ここで、樹脂フィルムの揺れとは、フィルムの端が左右に揺れながら塗工される、または塗工される幅が変化する状態をいう。フィルムの切断とは、フィルムが連続的に塗工できず切断される状態をいう。
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)において、ASTM D1034に準拠して測定される、130℃で10分加熱した際の加熱自重変形量が15mm以下であることが好ましい。上記加熱自重変形量が上記上限値以下であると、包装材用樹脂組成物(P)の加工性や得られる包装材の接着性を維持しつつ、得られる包装材の耐熱性をより一層良好なものとすることができる。上記加熱自重変形量の下限値は特に限定されないが、例えば、0.1mm以上である。
このような加熱自重変形量は、例えば、ポリエチレン(A)やエチレン系共重合体(B)の種類や含有量等を調整することにより制御することが可能である。
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)において、加工安定性をより向上させる観点から、JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2160g荷重の条件で測定される、包装材用樹脂組成物(P)のメルトフローレート(MFR)が、0.1g/10分以上50g/10分以下であることが好ましく、0.5g/10分以上30g/10分以下であることがより好ましい。
以下、包装材用樹脂組成物(P)を構成する各成分について説明する。
<ポリエチレン(A)>
本実施形態に係るポリエチレン(A)の融点は、120℃以上135℃未満、好ましくは120℃以上134℃未満、より好ましくは125℃以上132℃未満、さらに好ましくは125℃以上130℃未満である。
ポリエチレン(A)の融点が上記下限値以上であると、包装材用樹脂組成物(P)の加工性や得られる包装材は接着性を維持しつつ、得られる包装材の耐熱性やコシをより良好なものとすることができる。
ポリエチレン(A)の融点が上記上限値未満であると、包装材用樹脂組成物(P)の加工性や得られる包装材の耐熱性を維持しつつ、得られる包装材の接着性をより良好なものとすることができる。
ポリエチレン(A)の密度は特に限定されないが、例えば、920kg/m以上945kg/m以下が好ましく、930kg/m以上945kg/m以下がより好ましく、932kg/m以上942kg/m以下が特に好ましい。ここで、ポリエチレン(A)の密度はJIS K7112−1999に準じて測定することができる。
ポリエチレン(A)の密度が上記下限値以上であることにより、包装材用樹脂組成物(P)の加工性や得られる包装材の接着性を維持しつつ、得られる包装材の耐熱性をより一層良好なものとすることができる。
ポリエチレン(A)の密度が、上記上限値以下であることにより、包装材用樹脂組成物(P)の加工性や得られる包装材の耐熱性を維持しつつ、得られる包装材の接着性をより良好なものとすることができる。
ポリエチレン(A)のメルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重;以下、MFRとも呼ぶ。)は、加工安定性をより向上させる観点から、1.0g/10分以上50g/10分以下であることが好ましく、2.0g/10分以上30g/10分以下であることがより好ましく、2.0g/10分以上15g/10分以下であることが特に好ましい。
ポリエチレン(A)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。また、ポリエチレン(A)は市販されているものを用いてもよい。
<エチレン系共重合体(B)>
本実施形態に係るエチレン系共重合体(B)は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)およびエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を含む。
(エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1))
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)は、エチレンと、不飽和カルボン酸の少なくとも1種とを共重合した重合体である。エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)としては、エチレンと不飽和カルボン酸とを含む共重合体を例示することができる。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)を構成する不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−エチルアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル等が挙げられる。
これらの中でも、上記不飽和カルボン酸は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)の生産性、衛生性等の観点から、アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これらの不飽和カルボン酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、特に好ましいエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)は、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体である。
なお、本実施形態において、「(メタ)アクリル酸」とは」アクリル酸、メタクリル酸またはアクリル酸とメタクリル酸を意味し、エチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体としては、エチレン・アクリル酸共重合体またはエチレン・メタクリル酸共重合体が例示される。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)において、エチレンから導かれる構成単位は、好ましくは75質量%以上95質量%以下、より好ましくは80質量%以上94質量%以下である。
エチレンから導かれる構成単位が上記下限値以上であると、得られる包装材の耐熱性や機械的強度等をより良好なものとすることができる。また、エチレンから導かれる構成単位が上記上限値以下であると、得られる包装材の透明性や柔軟性、接着性等をより良好なものとすることができる。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)において、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位は、好ましくは5質量%以上25質量%以下、より好ましくは6質量%以上20質量%以下である。
不飽和カルボン酸から導かれる構成単位が上記下限値以上であると、得られる包装材の透明性や柔軟性、接着性等をより良好なものとすることができる。また、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位が上記上限値以下であると、包装材用樹脂組成物(P)の加工性をより良好なものとすることができる。
本実施形態において、加工安定性をより向上させる観点から、JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2160g荷重の条件で測定される、本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B1)のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上50g/10分以下であることが好ましく、0.5g/10分以上30g/10分以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(B1)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。例えば、各重合成分を高温、高圧下でラジカル共重合することによって得ることができる。また、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)は市販されているものを用いてもよい。
(エチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2))
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)は、エチレンと、不飽和カルボン酸の少なくとも1種と、不飽和エステルの少なくとも1種と、を共重合した重合体である。エチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)としては、エチレンと不飽和カルボン酸と不飽和エステルとを含む共重合体を例示することができる。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を構成する不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、2−エチルアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル等が挙げられる。
これらの中でも、上記不飽和カルボン酸は、エチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル共重合体(B2)の生産性、衛生性等の観点から、アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これらの不飽和カルボン酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を構成する不飽和エステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。これらの不飽和エステルは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら中でも、(メタ)アクリル酸イソブチルおよび(メタ)アクリル酸n−ブチルから選択される少なくとも一種が好ましい。
本実施形態において、エチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)としては、エチレン(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体がより好ましく、エチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸イソブチル共重合体およびエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸n−ブチル共重合体から選択される少なくとも一種が特に好ましい。
なお、本実施形態において、「(メタ)アクリル酸」とは」アクリル酸、メタクリル酸またはアクリル酸とメタクリル酸を意味し、エチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸エステル共重合体としてはエチレン・アクリル酸・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・アクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体等が例示できる。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)において、エチレンから導かれる構成単位は、好ましくは50質量%以上98.9質量%以下、より好ましくは65質量%以上94.5質量%以下、さらに好ましくは75質量%以上91.5質量%以下である。
エチレンから導かれる構成単位が上記下限値以上であると、得られる包装材の耐熱性や機械的強度等をより良好なものとすることができる。また、エチレンから導かれる構成単位が上記上限値以下であると、得られる包装材の透明性や柔軟性、接着性等をより良好なものとすることができる。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)において、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位は、好ましくは0.1質量%以上20質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上10質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。
不飽和カルボン酸から導かれる構成単位が上記下限値以上であると、得られる包装材の透明性や柔軟性、接着性等をより良好なものとすることができる。また、不飽和カルボン酸から導かれる構成単位が上記上限値以下であると、包装材用樹脂組成物(P)の加工性をより良好なものとすることができる。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)において、不飽和エステルから導かれる構成単位は、好ましくは1質量%以上30質量%以下、より好ましくは5質量%以上25質量%以下、さらに好ましくは8質量%以上20質量%以下である。
不飽和エステルから導かれる構成単位が上記下限値以上であると、得られる包装材の透明性や柔軟性、接着性等をより良好なものとすることができる。また、不飽和エステルから導かれる構成単位が上記上限値以下であると、包装材用樹脂組成物(P)の加工性をより良好なものとすることができる。
本実施形態において、加工安定性をより向上させる観点から、JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2160g荷重の条件で測定される、本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル共重合体(B2)のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上50g/10分以下であることが好ましく、0.5g/10分以上30g/10分以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。例えば、各重合成分を高温、高圧下でラジカル共重合することによって得ることができる。また、エチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)は市販されているものを用いてもよい。
<ポリエチレン(C)>
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)は、融点が135℃以上であるポリエチレン(C)をさらに含んでもよい。ポリエチレン(C)をさらに含むことで、得られる包装材の接着性および加工性を維持しつつ、耐熱性をより良好なものとすることができる。
ポリエチレン(C)の密度は特に限定されないが、例えば、945kg/mを超えることが好ましく、945kg/mを超えて970kg/m以下がより好ましく、950kg/m以上965kg/m以下が特に好ましい。ここで、ポリエチレン(C)の密度はJIS K7112−1999に準じて測定することができる。
ポリエチレン(C)のメルトフローレート(JIS K7210−1999、190℃、2160g荷重)は、加工安定性をより向上させる観点から、1.0g/10分以上50g/10分以下であることが好ましく、2.0g/10分以上30g/10分以下であることがより好ましく、2.0g/10分以上20g/10分以下であることが特に好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)は、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン(A)、エチレン系共重合体(B)およびポリエチレン(C)以外の成分を含有してもよい。その他の成分としては特に限定されないが、例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、着色剤、光安定剤、発泡剤、潤滑剤、結晶核剤、結晶化促進剤、結晶化遅延剤、触媒失活剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機充填剤、有機充填剤、耐衝撃性改良剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、加工助剤、離型剤、加水分解防止剤、耐熱安定剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、難燃剤、難燃助剤、光拡散剤、抗菌剤、防黴剤、分散剤、その他の樹脂等を挙げることができる。その他の成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<包装材用樹脂組成物(P)の調製方法>
包装材用樹脂組成物(P)の調製方法としては特に限定されないが、例えば、ポリエチレン(A)とエチレン系共重合体(B)とをドライブレンドして混合することにより調製する方法、ポリエチレン(A)とエチレン系共重合体(B)とを押出機で溶融混練することにより調製する方法、等を適用することができる。
2.包装材
本実施形態に係る包装材は、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成された層を少なくとも有する。
本実施形態に係る包装材は、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成された層のみで構成されていてもよいし、包装材に様々な機能を付与する観点から、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成された層以外の層(以下、その他の層とも呼ぶ。)を有していてもよい。その他の層としては、例えば、基材層、発砲層、金属層、無機物層、ガスバリア性樹脂層、帯電防止層、ハードコート層、接着層、反射防止層、防汚層、シーラント層等を挙げることができる。その他の層は1層単独で用いてもよいし、2層以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、接着層は、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成された層とその他の層の接着性を高めたり、その他の層同士の接着性を高めたりするために設けられる層である。
また、基材層は、包装材の取り扱い性や機械的特性、導電性、断熱性、耐熱性、ヒートシール性、防湿性等の特性をより良好にすることを目的として設けられる層である。基材層としては、例えば、紙、不織布、金属層(アルミニウム箔等)、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム、アルミニウム蒸着プラスチックフィルム、シリカ蒸着プラスチックフィルム、アルミナ蒸着プラスチックフィルム等を用いることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらは一軸あるいは二軸に延伸されたものであってもよい。
基材層は本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成された層との接着性を改良するために、表面処理を行ってもよい。具体的には、コロナ処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理等を行ってもよい。
基材層の厚さは、1μm以上100μm以下が好ましく、2μm以上50μm以下がより好ましく、5μm以上40μm以下がさらに好ましい。
基材層の形状は、特に限定されないが、例えば、シート、フィルム等の形状が挙げられる。
本実施形態に係る包装材には、必要に応じて、任意の率で一軸または二軸延伸を加えてもよい。
本実施形態に係る包装材において、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成された層の厚さは、例えば、5μm以上200μm以下であり、好ましくは10μm以上100μm以下である。
押出成形、射出成形、ブロー成形、フィルムやシート成形等の成形方法を用いて、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)を成形することにより、本実施形態に係る包装材は各種形状とすることができる。
本実施形態に係る包装材の形状は特に限定されないが、フィルムやシートが好ましい。
本実施形態に係る包装材において、15mm幅、90度剥離、剥離速度300mm/分の条件で測定されるアルミニウム箔接着強度が1.0N/15mm以上であることが好ましく、1.5N/15mm以上であることがより好ましい。これにより、本実施形態に係る包装材の耐熱性を維持しつつ、接着性をより一層良好なものとすることができる。
このようなアルミニウム箔接着強度を達成するためには、ポリエチレン(A)やエチレン系共重合体(B)の種類や含有量等を適宜調整すればよい。
本実施形態に係る包装材において、23℃、50%RH、幅25mm、周長100mm、押込距離15mmの条件で測定されるMD方向のループスティフネス値が1mN以上1000mN以下であることが好ましく、5mN以上30mN以下であることがより好ましい。
ループスティフネス値の平均値が上記範囲を満たすと、本実施形態に係る包装材の耐熱性および接着性の性能バランスを維持しつつ、コシをより一層良好なものとすることができる。このようなループスティフネス値の平均値を達成するためには、例えば、ポリエチレン(A)やエチレン系共重合体(B)の種類や含有量等を適宜調整すればよいが、ポリエチレン(A)の密度や融点を調整することが特に重要となる。
本実施形態に係る包装材は、例えば、菓子類・肉類などの食品、医薬品、工業用品、日用品、化粧品等を包装するために用いられる包装材として好適に用いることができ、食品包装材として特に好適に用いることができる。
本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成された層は接着性に優れているため、本実施形態に係る包装材は、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成された層の少なくとも一面にアルミニウム箔等の金属層が積層された構成が好適である。
また、本実施形態に係る包装材は耐熱性および接着性に優れているため、例えば、内容物として高温の液体が入れられるカップ容器や、こうしたカップ容器の蓋材、高温での発泡処理を経て得られる発泡容器等の一部または全部にも好適に用いることができる。
3.包装材の製造方法
本実施形態に係る包装材の製造方法は特に限定されず、熱可塑性樹脂について一般に使用されている成形法を適用することができる。例えば、T−ダイ押出機あるいはインフレーション成形機等を用いる公知の方法によって行うことができる。
例えば、ポリエチレン(A)と、エチレン系共重合体(B)とを少なくとも含有する包装材用樹脂組成物(P)をT−ダイ押出機のホッパーから供給してTダイ先端からフィルム状に押出成形することにより得ることができる。
また、本実施形態に係る包装材の製造方法において、多層フィルム等の積層体を得る場合、一般に使用されている積層体の成形法を適用することができる。例えば、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成されたフィルムを成形した後、接着剤等を使用してその他の層を貼り合わせるドライラミネート法;基材層等のその他の層上に包装材用樹脂組成物(P)を押出ラミネートする方法;本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)により構成されたフィルム上に、その他の層を押出ラミネートする方法等を用いることができる。
ここで、基材層上に包装材用樹脂組成物(P)を溶融押出ししてラミネートする押出ラミネート成形法において、加工速度を向上させると、得られるフィルムの切断が生じやすい。そのため、本実施形態に係る包装材用樹脂組成物(P)は、押出ラミネート成形法を用いた成形加工に対して、より効果的に用いることができる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
樹脂組成物の調製に用いた成分の詳細は以下の通りである。
<ポリエチレン>
MDPE1:中密度ポリエチレン(密度:940kg/m、MFR:14g/10分、融点:128℃、プライムポリマー社製)
HDPE1:高密度ポリエチレン(密度:961kg/m、MFR:12.5g/10分、融点:134℃、プライムポリマー社製)
LDPE1:低密度ポリエチレン(密度:923kg/m、MFR:4.4g/10分、融点:111℃)
<エチレン・不飽和カルボン酸・不飽和カルボン酸エステル系共重合体>
EMAA1:エチレン・メタクリル酸・アクリル酸ブチル共重合体(エチレン含有量83.5質量%、メタクリル酸含有量:1.5質量%、アクリル酸イソブチル含有量:15質量%、MFR:15g/10分)
<エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体>
EMAA2:エチレン・メタクリル酸共重合体(エチレン含有量91質量%、メタクリル酸含有量:9質量%、MFR:8g/10分)
<エチレン・不飽和カルボン酸エステル系共重合体>
EMA1:エチレン・アクリル酸メチル共重合体(エチレン含有量91質量%、アクリル酸メチル含有量:9質量%、MFR:6g/10分)
[実施例1]
表1に示す配合で各成分を下記押出機に投入し、以下の混練条件で溶融混練することにより樹脂組成物(P)を調製した。
押出機:単軸押出機(L/D=32、65mmφ、ナカタニ機械社製)
混練条件:温度:200℃、回転数:50min−1
得られた樹脂組成物(P)について、以下の評価をおこなった。その結果を表1に示す。
<評価>
(1)加工性評価
得られた樹脂組成物(P)について、以下の条件で押出ラミネート加工をおこない、積層体を作製した。
シングル押出ラミネーター(65mmφ、L/D=28)を用いて、押出機ダイ出口樹脂温度300℃、引取速度80m/分、成形後の樹脂組成物(P)からなる層の厚みが20μm、幅500mmとなるような押出条件で、得られた樹脂組成物(P)をTダイから基材層(PET層(12μm)/LDPE層(15μm)/AL箔(7μm)の3層積層体)のAL箔上に溶融押出し、フィルム状にラミネート成形した。
次いで、引取速度を徐々に上げながら、得られる樹脂フィルムの状態を観察し、得られる上記樹脂フィルムに揺れまたは切断が観察される引取速度を加工可能速度の限界値とした。加工可能速度の限界値が大きいほど加工性に優れることを意味する。
ここで、樹脂フィルムの揺れとは、フィルムの端が左右に揺れながら塗工される、または塗工される幅が変化する状態をいう。フィルムの切断とは、フィルムが連続的に塗工できず切断される状態をいう。また、加工不可とは、上記の引取速度80m/分でも連続塗工が全くできないことを意味する。
なお、上記基材層は、PET層(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、12μm厚み)に、ウレタン系のアンカーコート剤を使用してLDPE層(低密度ポリエチレン)を315℃で15μmの厚みで押出ラミネーション加工した際にAL箔(アルミニウム箔、7μm厚み)を貼合せる加工により作製した。
(2)耐熱性評価
下記の方法で耐熱性を評価した。
プレス成形機を用いて、得られた樹脂組成物(P)を180℃の樹脂温度でプレスし、150mm×150mm×3mmのサイズのプレスシートを成形した。得られたプレスシートから、100mm×20mm×3mmの試験片を打ち抜き、試験片の一端を10cmの高さに水平に固定し、他端の高さを測定した(h)。次いで、130℃で5分または130℃で10分それぞれ加熱した後の他端の高さを測定し(h)、以下に示す式より加熱自重変形量を求めた。加熱自重変形量が小さいほど耐熱性に優れることを意味する。
加熱自重変形量=h−h(mm)
(3)アルミニウム箔接着強度
成形後の樹脂組成物(P)からなる層の厚みを30μmとした以外は、加工性評価で用いた積層体と同様の方法で、積層体を作製した。なお、引取速度80m/分とした。
次いで、23℃、50%RH、15mm幅、90度剥離、剥離速度300mm/分の条件で、アルミニウム箔と樹脂組成物(P)からなる層との接着強度であるアルミニウム接着強度測定した。アルミニウム接着強度が高いほど接着性に優れることを意味する。
(4)ループスティフネス値
東洋精機社製ループスティフネステスターを用いて、23℃、50%RH、幅25mm、周長100mm、押込距離15mmの条件でMD方向のループスティフネス値を測定した。
測定サンプルは、成形後の樹脂組成物(P)からなる層の厚みを30μmとし、基材層はPET層(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、12μm厚み)にウレタン系のアンカーコート剤を使用してLDPE層(低密度ポリエチレン)を315℃で15μmの厚みで押出ラミネーション加工して得られたPET層/LDPE層の2層積層体とし、LDPE層上に樹脂組成物(P)からなる層を形成した以外は、加工性評価で用いた積層体と同様の方法で作製したものを用いた。なお、引取速度60m/分とした。
(5)MFR
樹脂組成物(P)のMFRは、JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2160g荷重の条件で測定した。
[実施例2〜3、比較例1〜10]
表1に示す配合とした以外は実施例1と同様にして樹脂組成物(P)をそれぞれ調製し、実施例1と同様の評価をそれぞれおこなった。得られた結果を表1にそれぞれ示す。
Figure 0006580498
実施例1〜3の樹脂組成物(P)は加工速度を上げても樹脂フィルムの揺れまたは切断が生じ難く、加工可能速度を上げることができた。そのため樹脂フィルムを生産性よく得ることができることが確認できた。また、実施例1〜3の樹脂組成物(P)は加熱自重変形量が小さく、耐熱性に優れていた。さらに、実施例1〜3の樹脂組成物(P)はアルミニウム接着強度が高く、接着性に優れていた。すなわち、実施例1〜3の樹脂組成物(P)は耐熱性、接着性および加工性の性能バランスに優れたポリエチレン系包装材を実現できることが理解できる。
これに対し、比較例1〜10の樹脂組成物(P)は加工可能速度の限界値、加熱自重変形量およびアルミニウム接着強度の少なくとも一つが劣っていた。すなわち、比較例1〜10の樹脂組成物(P)は耐熱性、接着性および加工性の性能バランスに優れたポリエチレン系包装材を実現できないことが理解できる。

Claims (8)

  1. 融点が120℃以上135℃未満のポリエチレン(A)と、エチレン系共重合体(B)と、を含む包装材用樹脂組成物であって、
    前記エチレン系共重合体(B)がエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(B1)およびエチレン・不飽和カルボン酸・不飽和エステル系共重合体(B2)を含み、
    前記ポリエチレン(A)と前記エチレン系共重合体(B)の合計含有量を100質量%としたとき、
    前記ポリエチレン(A)の含有量が57質量%以上74質量%未満であり、
    前記エチレン系共重合体(B)の含有量が26質量%を超えて43質量%以下である包装材用樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の包装材用樹脂組成物において、
    前記ポリエチレン(A)の密度が920kg/m以上945kg/m以下である包装材用樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の包装材用樹脂組成物において、
    融点が135℃以上であるポリエチレン(C)をさらに含む包装材用樹脂組成物。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載の包装材用樹脂組成物において、
    190℃、2160g荷重の条件で測定される、前記ポリエチレン(A)のメルトフローレート(MFR)が1.0g/10分以上50g/10分以下である包装材用樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至いずれか一項に記載の包装材用樹脂組成物において、
    ASTM D1034に準拠して測定される、130℃で10分加熱した際の加熱自重変形量が15mm以下である包装材用樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至いずれか一項に記載の包装材用樹脂組成物により構成された層を少なくとも含む包装材。
  7. 請求項に記載の包装材において、
    15mm幅、90度剥離、剥離速度300mm/分の条件で測定されるアルミニウム箔接着強度が1.0N/15mm以上である包装材。
  8. 請求項またはに記載の包装材において、
    前記包装材用樹脂組成物により構成された層の少なくとも一面に金属層が積層された包装材。
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