JP6579957B2 - 天然バニリンの精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天然バニリンの精製方法に関する。また本発明は、本発明による方法によって得ることができる天然バニリン、および精製された天然バニリンを製造するための設備に関する。
バニリンは、2つの異なるルートを介して得ることができる:
− 特に、発酵基質からバニリンへの生物学的変換を可能にすることができる微生物(菌類、バクテリアなど)を培養するステップを含んでなる、生物工学的プロセスに基づく「天然」ルート。発酵基質がフェルラ酸であるそのようなプロセスは、特に、欧州特許第0885968号明細書および欧州特許第0761817号明細書から既知である。このプロセスから、天然バニリンと呼ばれるバニリンの製造がもたらされる。
− 微生物が関与しない、グアヤコールから出発する従来の化学反応を含んでなる、「合成」ルート。このプロセスから、合成バニリンと呼ばれるバニリンの製造がもたらされる。
現在、「天然」ルートを介して得られる天然バニリンは、溶媒による抽出と、それに続く結晶化によって精製される。このプロセスでは、規格限界の中程度の純度の、着色したバニリンが約90%の収率で得られる。結晶化ステップには、有機溶媒の使用を必要とする欠点がある。そのような溶媒の使用は、認可されるが、毒物学的および/または環境的観点からの欠点を示す可能性がある。
あいにく現在、結晶化有機溶媒の使用を必要としない天然バニリンの精製プロセスを提供することは不可能である。
蒸留による合成バニリンの精製プロセスは既知である。しかしながら、天然ルートを介しての、または合成ルートを介してのバニリンの製造プロセスの終了時の流れは、完全に異なる。天然バニリンの調製プロセスのアウトプットの流れは、典型的に、天然バニリン、バニリルアルコールおよび溶媒、好ましくは、食品グレード溶媒、例えば、酢酸エチルを含んでなる。この流れは、バニリン酸、フェルラ酸、グアヤコール、安息香酸、二量体および三量体、グアヤコール誘導体ならびに水を含んでなってもよい。合成バニリンの調製プロセスのアウトプットの流れは、典型的に、合成バニリン、オルトバニリン、三量体、グアヤコールおよびDFG(ジホルムアルデヒドグアヤコール)を含んでなる。したがって、これらの様々な流れを把握する方法は異なっている。
したがって、本発明の1つの目的は、特に、溶媒の使用を必要としない、天然バニリンの精製方法を提供することである。
本発明の別の目的は、実施が簡単であり、かつ工業プロセスに適合できるように連続的に実施可能である、天然バニリンの精製方法を提供することである。特に本発明は、90%を超える、好ましくは95%を超える収率をもたらす、天然バニリンの精製方法の提供を試みる。
本発明のさらに別の目的は、所望の仕様に従って、
− 例えば、99%以上の純度を有する、非常に純粋な天然バニリン、または
− 例えば、96%〜98.9%の純度を有し、かつ特定の不純物の存在によって、非常に純粋な天然バニリンの感覚刺激特性とは異なり、かつバニラポッドの感覚刺激特性と近い感覚刺激特性を有する、より低い純度の天然バニリン
を得ることを可能にする、調節可能な天然バニリンの精製方法を提供することである。したがって、本発明による方法は、有利には、残留不純物の濃度、特に、最終的な天然バニリンの感覚刺激品質に対するプラスの影響を有するものの濃度を制御することを可能にする。
天然バニリンは(特にバニリンを加熱することによる三量体の形成において)感熱生成物であるため、本発明の別の目的は、バニリンの全ての特性を維持する精製方法を提供することである。
より環境に優しく、かつ非常に純粋で非常に弱く着色した天然バニリンを、その特性を悪化させることなく得ることを可能にする、天然バニリンの精製方法を提供することも有利であろう。
さらに他の目的は、以下の本発明の説明を読むことによって明白になるであろう。
天然バニリンの流れ(F1)の連続トッピング/テーリング蒸留の図を示す。 天然バニリンの流れ(F1)の連続テーリング/トッピング蒸留の図を示す。 天然バニリンの流れ(F1)の垂直分割型カラムにおける連続蒸留の図を示す。
本発明の方法によって得られる本発明による天然バニリンは、EC規定1334/2008の9.2.c)条に従って、天然風味物質である。すなわち、食品を調製するための従来のプロセスの1つまたはそれ以上によって、人間による消費のために、植物、動物または微生物由来の材料から、そのまま、またはその変換後に、物理的、酵素的または微生物学的なプロセスによって得られる風味物質である。天然風味物質は、自然に存在し、自然環境で識別された物質に相当する。
したがって、本発明は、天然バニリンを蒸発させる少なくとも1つのステップを含んでなる、天然バニリンの精製方法に関する。
本出願人は、驚くべきことに、天然バニリンの新規精製方法によって、99重量%以上の純度を有し、かつ10重量%エタノール溶液中で200Hazen以下の着色を有する生成物を得ることが可能であることを発見した。
この方法は、特に、95重量%〜99重量%の範囲の純度を有する出発天然バニリンに適用される場合、出発生成物に存在するバニリンの初期の量に関して、95重量%以上の収率で、非常に弱く着色したバニリンを得ることを可能にする。
本発明に関連して、「天然バニリンの製造方法」という用語は、生物工学的なルートを介してのバニリンの調製方法を意味するように意図される。そのような方法は、特に、発酵基質からバニリンへの生物学的変換を可能にすることが可能な微生物を培養するステップを含んでなる。発酵基質がフェルラ酸であるそのような方法は、特に、欧州特許第0885968号明細書および欧州特許第0761817号明細書から既知である。
本発明に関連して、「天然バニリン」という用語は、上記で定義される調製方法によって得られるバニリンを意味するように意図される。
本発明に関連して、「超軽量不純物」または「超軽量物」という用語は、考慮の圧力および温度条件下で、揮発性が天然バニリンの揮発性より高い化合物を意味するように意図される。超軽量物の蒸気圧とバニリンの蒸気圧との間の比率は、134℃(または蒸留温度)で60〜200である。超軽量の不純物の中でも、酢酸エチルが挙げられてよい。
「軽量不純物」または「軽量物」という用語は、相対的な揮発性が、考慮の圧力および温度条件下で、超軽量物と天然バニリンとの中間である化合物を意味するように意図される。軽量不純物の中でも、安息香酸およびグアヤコールが挙げられてよい。
「重量不純物」または「重量物」という用語は、相対的な揮発性が、考慮の圧力および温度条件下で、天然バニリンよりも低い化合物を意味するように意図される。重量物の蒸気圧とバニリンの蒸気圧との間の比率は、150℃(または蒸留温度)で0.3〜0.7である。重量不純物の中でも、バニリンの二量体および三量体(すなわち、それぞれ、2個、3個のフェニル基を有する骨格鎖を有する化合物であって、二量体はジフェニルメタンから有利に選択される)、バニリルアルコール、バニリン酸、フェルラ酸、安息香酸塩、特に安息香酸ナトリウム、およびグアヤコール誘導体、例えば、4−メチルグアヤコールおよび4−エチルグアヤコールが挙げられる。
一般に、揮発性は、物質が蒸発するための能力である。
第1の態様において、本発明は、天然バニリンの製造プロセスから生じる天然バニリンおよび少なくともバニリルアルコールを含んでなる流れを、バニリルアルコールから天然バニリンの分離を可能にする蒸留によって精製する方法に関する。
天然バニリンの調製方法の終了時に、天然バニリン、超軽量物、軽量物および重量物を含んでなる液体流れ(F1)が得られる。1つの特定の実施形態において、超軽量物は、流れ(F1)の50重量%〜90重量%を表し、軽量物は、流れ(F1)の0.1重量%〜10重量%を表し、重量物は、流れ(F1)の0.1重量%〜15重量%を表し、かつ天然バニリンは、流れ(F1)の5重量%〜35重量%を表す。好ましくは、超軽量物は、流れ(F1)の60重量%〜80重量%を表し、軽量物は、流れ(F1)の0.5重量%〜5重量%を表し、重量物は、流れ(F1)の1重量%〜10重量%を表し、かつ天然バニリンは、流れ(F1)の10重量%〜30重量%を表す。
流れ(F1)の出発組成は指標として与えられ、本発明の方法は、より多くの、またはより少ない天然バニリンを含んでなる混合物のためにも適切である。
1つの特定の実施形態において、流れ(F1)は、
− 5重量%〜35重量%、特に、10重量%〜30重量%の天然バニリンと、
− 0.05重量%〜10重量%、特に、0.1重量%〜5重量%のバニリルアルコールと、
− 0.0重量%〜2重量%、特に、0.01重量%〜0.6重量%のバニリン酸と、
− 0.0重量%〜2重量%、特に、0.01重量%〜0.9重量%のフェルラ酸と、
− 0.0重量%〜2重量%、特に、0.01重量%〜0.6重量%のグアヤコールと、
− 0.0重量%〜5重量%の二量体および三量体、好ましくは、0.05重量%〜5重量%の二量体および三量体、特に、0.1重量%〜5重量%の二量体および三量体と(二量体および三量体は、それぞれ、2個または3個のフェニル基を有する骨格鎖を有する化合物であって、二量体はジフェニルメタンから有利に選択される)、
− 0.0重量%〜5重量%、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、特に、0.05重量%〜1重量%の同様に生合成された様々な有機化合物(例えば、4−メチルグアヤコール、4−エチルグアヤコールおよび/または4−ビニルグアヤコール)と、
− 0.0重量%〜10重量%、好ましくは、0.01重量%〜10重量%、特に、0.05重量%〜5重量%の安息香酸と、
− 0.0重量%〜5重量%、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、特に、0.05重量%〜3重量%の水と、
− 残りの100重量%までの食品グレード溶媒、例えば酢酸エチルと
を含んでなる。
好ましくは、蒸留間の動作圧力は、2〜10mbar、好ましくは3〜6mbarであり、例えば4mbarである。
本発明に関連して、「動作圧力」という用語は、蒸留カラムの上部の圧力を意味するように意図される。
有利には、蒸留カラムの圧力低下は、可能な限り小さい必要がある。好ましくは、圧力低下は、1〜10mbar、好ましくは、2〜8mbarであり、例えば、3または4mbarである。
本発明に関連して、他に明記されない限り、「xとyとの間」という表現は、xおよびyの値を含む。本発明に関連して、この表現は、「x〜y」も意味する。
本発明による方法において、1つまたはそれ以上の蒸留カラムが使用される。
好ましくは、蒸留カラムは、7〜40の理論段、好ましくは12〜30の理論段を含んでなる。
有利には、本発明による方法は、96%以上、好ましくは98%以上の純度を有する天然バニリンを得ることを可能にする。
一実施形態において、本発明による方法は、特に99%以上の純度を有し、かつ好ましくは1000ppm未満のバニリルアルコールを含有する、非常に純粋な天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態は、蒸留パラメーターを調節することによって得ることができる。
別の実施形態において、本発明による方法は、例えば、96%〜98.9%の純度を有し、かつ得られた天然バニリンの流れに、非常に純粋な天然バニリンの感覚刺激特性とは異なり、かつバニラポッドの感覚刺激特性と近い感覚刺激特性を与える不純物を含んでなる、より低い純度の天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態において、天然バニリンの最終的な流れは、3重量%までの不純物を含んでなってもよい。不純物の中でも、多数であるのは、流れの1重量%までを表すことができるバニリルアルコール、ならびに二量体および/または三量体、特に、ジフェニルメタンであり、かつ少数であるのは、それぞれ流れに500ppmまで存在してもよいバニリン酸、グアヤコール、安息香酸および生合成された有機化合物である。この実施形態は、蒸留パラメーターを調節することによって得ることができる。
本発明の方法に関連して、バニリン収率に影響を及ぼす、バニリン三量体形成化学反応が生じてもよい。
本発明に従って、蒸留によって天然バニリンを精製するための方法は、様々な方法:
− バッチ蒸留によって、
− 連続蒸留によって、または
− 垂直分割型カラム(DWC)での連続蒸留によって
実行することができる。
バッチ蒸留
一実施形態において、本発明による方法は、バッチ蒸留によって実行される。したがって、この方法は、超軽量物、軽量物、バニリンおよび重量物を明確に分離することを可能にする様々な単一蒸留動作を含んでなる。
バッチプロセスにおいて、流れ(F1)は蒸留カラムに充填される。このプロセスは、
− 第1の留分において、超軽量物と、
− 第2の留分において、低濃度で天然バニリンを任意選択的に含んでなってもよい軽量物と、
− 第3の留分において、天然バニリンを含んでなる流れと、
− 蒸留濃縮物において、低濃度で天然バニリンを任意選択的に含んでなってもよい重量物と
を回収することを可能にする。
この実施形態において、「低濃度」という用語は、留分の全重量と比較して、好ましくは多くとも10重量%、好ましくは多くとも5重量%、例えば多くとも3重量%の濃度を意味するように意図される。
第1、第2および第3の留分は、当業者に既知の従来のデバイスを使用する凝縮によって、有利に回収することができる。
当業者は、特に、カラムの直径、カラムの高さおよび充填などの蒸留パラメーターを設定することが完全に可能である。以下は単なる記載である。蒸留カラムの径(特に直径)は、循環している流れ、および内部圧力次第である。したがって、それらは主に、処理される混合物の流速によって大きさが設定される。当業者に完全に知られているように、カラムは、区別なく段によって、あるいは規則充填材または織物充填材によって、充填されることができることが明示される。設備が決定されたら、当業者はカラムの動作パラメーターを調節する。
好ましくは、蒸留カラムは、7〜30の理論段、好ましくは5〜15の理論段、例えば7〜10の理論段を含んでなる。
好ましくは、カラムの充填は、400〜600m/mの表面積を有する織物充填材である。
この蒸留方法は、90%〜95%、好ましくは90%〜93%の収率で天然バニリンを得ることを可能にする。
一実施形態において、本発明による方法は、特に99%以上の純度を有し、かつ好ましくは1000ppm未満のバニリルアルコールを含有する、非常に純粋な天然バニリンを得ることを可能にする。
別の実施形態において、本発明による方法は、例えば、96%〜98.9%の純度を有し、かつ得られた天然バニリンの流れに、非常に純粋な天然バニリンの感覚刺激特性とは異なり、かつバニラポッドの感覚刺激特性と近い感覚刺激特性を与える不純物を含んでなる、より低い純度の天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態において、天然バニリンの最終的な流れは、3重量%までの不純物を含んでなってもよい。不純物の中でも、多数であるのは、流れの1重量%までを表すことができるバニリルアルコール、ならびに二量体および/または三量体、特に、ジフェニルメタンであり、かつ少数であるのは、それぞれ流れに500ppmまで存在してもよいバニリン酸、グアヤコール、安息香酸および生合成された有機化合物である。
連続蒸留
一実施形態において、本発明による方法は、連続蒸留によって実行される。
・トッピング/テーリング
1つの特定の実施形態において、連続蒸留によって実行される方法は、以下のステップを含んでなる。
a)第1のステップにおいて、流れ(F1)は、それが含有する超軽量物(流れ(F11))、特に酢酸エチルを除去するために処理され、天然バニリン、軽量物および重量物を含んでなる得られた流れを、流れ(F2)と記載し、
b)第2のステップにおいて、流れ(F2)を、蒸留の上部で、軽量物を含んでなり、かつ任意選択的に低濃度の天然バニリンを含んでなってもよい流れ(F12)と、蒸留の底部で、天然バニリンおよび重量物を含んでなり、かつ任意選択的に低濃度の軽量物を含んでなってもよい流れ(F13)とを回収することを可能にする第1の蒸留カラムに供給し、
c)流れ(F13)を、蒸留の上部で、天然バニリンを含んでなる流れ(F14)と、蒸留の底部で、重量物および任意選択的に低濃度の天然バニリンを含んでなる流れ(F15)とを回収することを可能にする第2の蒸留カラムに連続的に供給する。
当業者は、特に、カラムの直径、カラムの高さおよび充填などの蒸留パラメーターを設定することが完全に可能である。以下は単なる記載である。蒸留カラムの径(特に直径)は、循環している流れ、および内部圧力次第である。したがって、それらは主に、処理される混合物の流速によって大きさが設定される。当業者に完全に知られているように、カラムは、区別なく段によって、あるいは規則充填材または織物充填材によって、充填されることができることが明示される。設備が決定されたら、当業者はカラムの動作パラメーターを調節する。
この実施形態において、「低濃度」という用語は、留分の全重量と比較して、好ましくは多くとも5重量%、好ましくは多くとも3重量%、例えば多くとも2重量%の濃度を意味するように意図される。
トッピング/テーリングスキームの1つの好ましい実施形態によって、流れ(F15)の少なくとも一部分は、流れ(F14)と混合され、精製された天然バニリンの流れの最終組成を変更することが可能である。
好ましくは、ステップb)の蒸留の上部の流れ(F12)は、軽量物、特に安息香酸およびグアヤコール、かつ任意選択的に低濃度の天然バニリンを含んでなる。
好ましくは、ステップb)の蒸留カラムは、20〜35の理論段、好ましくは23〜30の理論段を含んでなる。ステップb)の蒸留カラムは、特に、濃縮セクションのための8〜15の理論段、および消耗セクションのための12〜20の理論段、好ましくは、濃縮セクションのための10〜13の理論段、および消耗セクションのための13〜17の理論段を含んでなる。
ステップb)の蒸留カラムは、2×2600mm〜2×3000mmの高さを有する規則充填材を備えた蒸留カラムであってもよい(濃縮および消耗セクションのそれぞれに関して、2600mm〜3000mm)。カラムの充填材は、非常に低いプロセシング圧力のため、好ましくは織物充填材である。
ステップb)のカラムにおいて、圧力低下は、好ましくは、2mbar〜10mbar、好ましくは3mbar〜6mbarである。圧力低下は、好ましくは、1〜10mbar、好ましくは1〜8mbarである。ステップb)の間、還流比は、10〜30、好ましくは15〜25である。
還流比は、カラムの上部からカラムの内部へと再注入される材料の流速(すなわち、還流流速)と、カラムの上部の出口において実際に出る流速との比率として定義される。
流れ(F2)の供給点は、当業者に既知の方法で選択され、特に、逆混合を回避するような方法で選択される。好ましくは、供給点は消耗セクションの上部にある。
蒸留流速(流れ(F12)の流速)対供給流速(流れ(F2)の流速)の比率は、好ましくは、0.05〜0.5である。
還流流速は、好ましくは、供給流速の1.4〜3倍であり、例えば、供給流速の2倍である。
好ましくは、ステップb)の間、カラムの底部の温度は、100℃〜160℃、特に、120℃〜150℃である。好ましくは、ステップb)の間、カラムの上部の温度は、80℃〜120℃、特に、90℃〜110℃である。
ステップb)のカラムの底部におけるバニリンの残留時間は、30分〜5時間であり、例えば、3時間である。
蒸留は、好ましくは100〜160℃の近似温度を維持するように、流れ(F12)の流速を調節することによって開始される。上部(蒸気温度)と底部(液体の温度)との間の温度差は、好ましくは35〜45℃である。
ステップb)の蒸留を実行するために、特に、落下膜もしくはスクレイプド膜(scraped−film)煮沸器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって加熱される管形熱交換器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって供給される加熱コイルによって、または他のいずれかの均等なデバイスによって、好ましくは熱伝達流体によって、熱をカラムの底部に供給することができる。好ましくは、蒸留のためのエネルギーは、落下膜型の煮沸器、強制循環管形デバイス、またはサーモサイフォン管形デバイスによって供給される。
ステップb)の終了時のカラムの底部における流れ(F13)は、テーリングカラムとも呼ばれるステップc)の蒸留カラムに送達される。
好ましくは、ステップc)のカラムは、10〜30の理論段、好ましくは、15〜25の理論段を含んでなる。ステップc)の蒸留カラムは、特に、消耗セクションのために4〜14の理論段、および濃縮セクションのために6〜16の理論段を含んでなる。
好ましくは、ステップc)のカラムは、例えば、織物規則充填材を備えている。流れ(F13)のエントリー点は、蒸留カラムの底部から開始して、第5の理論段と第15の理論段との間に位置する。
ステップc)のカラムにおいて、動作圧力は、好ましくは、2〜10mbar、好ましくは3〜6mbarであり、例えば4mbarである。圧力低下は、好ましくは、1〜10mbar、好ましくは1〜8mbar、例えば、4mbarである。ステップc)の間、還流比は、2〜10、好ましくは2.5〜6、例えば、3である。
蒸留流速(流れ(F14)の流速)対供給流速(流れ(F2)の流速)の比率は、好ましくは、0.5〜0.95である。
還流流速は、好ましくは、供給流速の1.4〜3倍であり、例えば、供給流速の2倍である。
好ましくは、
− 流れ(F1)の流速は、150〜220kg/時間であり、
− 流れ(F11)の流速は、100〜180kg/時間であり、
− 流れ(F2)の流速は、40〜55kg/時間であり、
− 流れ(F12)の流速は、3〜6kg/時間であり、
− 流れ(F13)の流速は、34〜52kg/時間であり、
− 流れ(F14)の流速は、20〜60kg/時間である。
好ましくは、ステップc)の間、カラムの底部における温度は、160℃〜200℃、170℃〜190℃である。好ましくは、ステップc)の間、カラムの上部における温度は、100℃〜160℃、110℃〜140℃である。
ステップc)のカラムの底部におけるバニリンの残留時間は15分〜15時間、好ましくは、30分〜15時間、より好ましくは7時間〜15時間である。この残留時間を15分〜8時間まで短縮するために、また感熱性の天然バニリンの分解を制限するため、カラムの底部で静荷重(deadweight)を追加することが有利であり得る。静荷重は当業者に周知であり、それらは特にガラス玉からなってもよい。
ステップc)の蒸留を実行するために、特に、落下膜もしくはスクレイプド膜煮沸器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって加熱される管形熱交換器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって供給される加熱コイルによって、または他のいずれかの均等なデバイスによって、好ましくは熱伝達流体によって、熱をカラムの底部に供給することができる。好ましくは、蒸留のためのエネルギーは、強制循環管形デバイス、またはスクレイプド交換器によって供給される。
一実施形態において、本発明による方法は、特に99%以上の純度を有し、かつ好ましくは1000ppm未満のバニリルアルコールを含有する、非常に純粋な天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態は、蒸留パラメーターを調節することによって得ることができ、特に、蒸留流速(F14)対供給流速(F2)の比率は、好ましくは0.67〜0.734である。
別の実施形態において、本発明による方法は、例えば、96%〜98.9%の純度を有し、かつ得られた天然バニリンの流れに、非常に純粋な天然バニリンの感覚刺激特性とは異なり、かつバニラポッドの感覚刺激特性と近い感覚刺激特性を与える不純物を含んでなる、より低い純度の天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態において、天然バニリンの最終的な流れは、3重量%までの不純物を含んでなってもよい。不純物の中でも、多数であるのは、流れの1重量%までを表すことができるバニリルアルコール、ならびに二量体および/または三量体、特に、ジフェニルメタンであり、かつ少数であるのは、それぞれ流れに500ppmまで存在してもよいバニリン酸、グアヤコール、安息香酸および生合成された有機化合物である。この実施形態は、蒸留パラメーターを調節することによって得ることができ、特に、蒸留流速(F14)対供給流速(F2)の比率は、好ましくは0.735〜0.8である。
また本発明は、この方法を実施するためのデバイスであって、
− 第1のデバイスに入る流れ(F1)から、超軽量物、特に酢酸エチルを分離するための第1のデバイス(1)であって、特に、落下膜交換器またはジャケット付き反応器である第1のデバイスと、
− 第1のデバイスから出る流れ(F2)を、第1の蒸留カラム(2)のインプットに転送するための、第1のデバイスを第1のカラムに接続するための手段と、
− 一方では軽量物、他方では天然バニリンおよび重量物を分離するための第1の蒸留カラム(2)であって、第1のデバイスから生じる流れ(F2)のインプットと、軽量物を含んでなるカラムの上部におけるアウトプット(F12)と、天然バニリンおよび重量物を含んでなるカラムの底部におけるアウトプット(F13)とを含んでなる第1の蒸留カラムと、
− 第1のカラムの底部から出る流れ(F2)を、第2の蒸留カラム(3)のインプットに転送するための、第1のカラムを第2のカラムに接続するための手段と、
− 一方では天然バニリン、他方では重量物を分離するための第2の蒸留カラム(3)であって、第1のカラムから生じる流れのインプット(F13)と、天然バニリンを含んでなるカラムの上部におけるアウトプット(F14)と、重量物を含んでなるカラムの底部におけるアウトプット(F15)とを含んでなるカラムと
を具備するデバイスにも関する。
このデバイスは、第1のデバイスから生じる流れを、第1の蒸留カラムまで転送するためのポンプ(4)を含有してもよい。
またこのデバイスは、第1のデバイスのアウトプットの1つに接続されて、超軽量物の回収を可能にする冷却器、および/またはカラム(2)のカラム上部に接続されて、軽量物の回収を可能にする冷却器、および/またはカラム(3)の上部に接続されて、天然バニリンの回収を可能にする冷却器を含有してもよい。
第1のデバイスおよび蒸留カラムに関する特徴は、上記で明示されている。
・テーリング/トッピング
1つの特定の実施形態において、連続蒸留によって実行される方法は、以下のステップを含んでなる。
a)第1のステップにおいて、流れ(F1)は、それが含有する超軽量物(流れ(F11))、特に酢酸エチルを除去するために処理され、天然バニリン、重量物および軽量物を含んでなる得られた流れを、流れ(F2)と記載し、
b)第2のステップにおいて、流れ(F2)を、蒸留の上部で、軽量物および天然バニリン、および任意選択的に低濃度の重量物を含んでなる流れ(F22)と、蒸留の底部で、重量物、特にバニリルアルコール、および任意選択的に低濃度の天然バニリンを含んでなる流れ(F23)とを回収することを可能にする第1の蒸留カラムに供給し、
c)流れ(F22)を、蒸留の上部で、軽量物および任意選択的に低濃度の天然バニリンを含んでなる流れ(F24)と、蒸留の底部で、天然バニリンおよび任意選択的に低濃度の軽量物および/または重量物を含んでなる流れ(F25)とを回収することを可能にする第2の蒸留カラムに連続的に供給する。
この実施形態において、「低濃度」という用語は、留分の全重量と比較して、好ましくは多くとも10重量%、好ましくは多くとも5重量%、例えば多くとも3重量%の濃度を意味するように意図される。
テーリング/トッピングスキームの1つの好ましい実施形態によって、流れ(F23)の少なくとも一部分は、流れ(F25)と混合され、精製された天然バニリンの流れの最終組成を変更することが可能である。
好ましくは、ステップb)の蒸留の上部の流れ(F22)は、軽量物、特に、安息香酸およびグアヤコール、天然バニリンおよび任意選択的に低濃度の重量物を含んでなる。蒸留(F23)の底部においては、重量物、特にバニリルアルコール、および任意選択的に低濃度の天然バニリンである。
当業者は、特に、カラムの直径、カラムの高さおよび充填などの蒸留パラメーターを設定することが完全に可能である。以下は単なる記載である。蒸留カラムの径(特に直径)は、循環している流れ、および内部圧力次第である。したがって、それらは、主に、処理される混合物の流速によって大きさを設定される。当業者に完全に知られているように、カラムは、区別なく段によって、あるいは規則充填材または織物充填材によって、充填されることができることが明示される。設備が決定されたら、当業者はカラムの動作パラメーターを調節する。
好ましくは、ステップb)のカラムは、10〜30の理論段、好ましくは、15〜25の理論段を含んでなる。ステップb)の蒸留カラムは、特に、消耗セクションのために4〜14の理論段、および濃縮セクションのために6〜16の理論段を含んでなる。
好ましくは、ステップb)のカラムは、例えば、織物規則充填材を備えている。流れ(F2)のエントリー点は、底部から開始して、第5の理論段と第15の理論段との間に位置する。
ステップb)のカラムにおいて、動作圧力は、好ましくは、2〜10mbar、好ましくは3〜と6mbarであり、例えば4mbarである。圧力低下は、好ましくは、1〜10mbar、好ましくは1〜8mbar、例えば、4mbarである。ステップb)の間、還流比は、2〜10、好ましくは2.5〜6、例えば、3である。
蒸留流速(流れ(F22)の流速)対供給流速(流れ(F2)の流速)の比率は、好ましくは、0.5〜0.95である。
還流流速は、好ましくは、供給流速の1.4〜3倍であり、例えば、供給流速の2倍である。
好ましくは、ステップb)の間、カラムの底部における温度は、160℃〜200℃、170℃〜190℃である。好ましくは、ステップb)の間、カラムの上部における温度は、100℃〜160℃、110℃〜140℃である。
ステップb)のカラムの底部におけるバニリンの残留時間は15分〜15時間、好ましくは、30分〜15時間、より好ましくは7〜15時間である。この残留時間を15分〜8時間まで短縮するために、また感熱性の天然バニリンの分解を制限するため、カラムの底部で静荷重を追加することが有利であり得る。静荷重は当業者に周知であり、それらは特にガラス玉からなってもよい。
ステップb)の蒸留を実行するために、特に、落下膜もしくはスクレイプド膜煮沸器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって加熱される管形熱交換器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって供給される加熱コイルによって、または他のいずれかの均等なデバイスによって、好ましくは熱伝達流体によって、熱をカラムの底部に供給することができる。好ましくは、蒸留のためのエネルギーは、強制循環管形デバイス、またはスクレイプド交換器によって供給される。
ステップb)の終了時のカラムの上部における流れ(F22)は、トッピングカラムとも呼ばれるステップc)の蒸留カラムに送達される。この流れは、液体の形態で、冷却器によって完全に凝縮されたステップb)のカラムから始まる蒸気を、または蒸気の形態で、部分的冷却器によって部分的に凝縮されたステップb)のカラムから始まる蒸気を送達することができる。好ましくは、流れ(F22)は、蒸気相でステップc)の蒸留カラムに送達される。これは、有利には、ステップc)の蒸留カラムのために、有効な蒸気の直接的な節減を可能にする。したがって、ステップb)の蒸留カラムの動作圧力は、ステップc)の蒸留カラムの動作圧力より大きくなければならず、かつ部分的冷却器は、ステップb)の蒸留カラムとステップc)の蒸留カラムとの間で配置される。部分的冷却器は、いずれの種類の当業者に既知の冷却器でもよく、例えば管形冷却器であってもよい。
好ましくは、ステップc)の蒸留の上部の流れ(F24)は、軽量物、特に、安息香酸およびグアヤコール、ならびに任意選択的に低濃度の天然バニリンを含んでなる。
好ましくは、ステップc)の蒸留カラムは、20〜35の理論段、好ましくは23〜30の理論段を含んでなる。ステップb)の蒸留カラムは、特に、濃縮セクションのための8〜15の理論段、および消耗セクションのための12〜20の理論段、好ましくは、濃縮セクションのための10〜13の理論段、および消耗セクションのための13〜17の理論段を含んでなる。c)の蒸留カラムは、2×2600mm〜2×3000mmの高さを有する規則充填材を備えた蒸留カラムであってもよい(濃縮および消耗セクションのそれぞれに関して、2600〜3000mm)。カラムの充填材は、非常に低いプロセシング圧力のため、好ましくは織物充填材である。
ステップc)のカラムにおいて、動作圧力は、好ましくは、2〜10mbar、好ましくは3〜6mbar、例えば4mbarである。圧力低下は、好ましくは、1〜10mbar、好ましくは1〜8mbar、例えば、4mbarである。ステップc)の間、還流比は、10〜30、好ましくは15〜25、例えば、20である。
流れ(F22)の供給点は、当業者に既知の方法で選択され、特に、逆混合を回避するような方法で選択される。好ましくは、供給点は消耗セクションの上部にある。
蒸留流速(流れ(F24)の流速)対供給流速(流れ(F2)の流速)の比率は、好ましくは、0.05〜0.5である。
還流流速は、好ましくは、供給流速の1.4〜3倍であり、例えば、供給流速の2倍である。
好ましくは、ステップc)の間、カラムの底部の温度は、100℃〜160℃、特に、120℃〜150℃である。好ましくは、ステップb)の間、カラムの上部の温度は、80℃〜120℃、特に、90℃〜110℃である。
ステップc)のカラムの底部におけるバニリンの残留時間は、30分〜5時間であり、例えば、3時間である。
蒸留は、100〜160℃の近似温度を維持するように、流れ(F22)の流速を調節することによって開始される。上部(蒸気温度)と底部(液体の温度)との間の温度差は、35〜45℃である。
ステップc)の蒸留を実行するために、特に、落下膜もしくはスクレイプド膜煮沸器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって加熱される管形熱交換器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって供給される加熱コイルによって、または他のいずれかの均等なデバイスによって、好ましくは熱伝達流体によって、熱をカラムの底部に供給することができる。好ましくは、蒸留のためのエネルギーは、落下膜型の煮沸器、強制循環管形デバイス、またはサーモサイフォン管形デバイスによって供給される。
好ましくは、
− 流れ(F1)の流速は、150〜220kg/時間であり、
− 流れ(F11)の流速は、100〜180kg/時間であり、
− 流れ(F2)の流速は、40〜55kg/時間であり、
− 流れ(F22)の流速は、33〜52kg/時間であり、
− 流れ(F23)の流速は、7〜17kg/時間であり、
− 流れ(F25)の流速は、20〜60kg/時間である。
一実施形態において、本発明による方法は、特に99%以上の純度を有し、かつ好ましくは1000ppm未満のバニリルアルコールを含有する、非常に純粋な天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態は、蒸留パラメーターを調節することによって得ることができ、特に、蒸留流速(F24)対供給流速(F2)の比率は、好ましくは0.06〜0.083である。
別の実施形態において、本発明による方法は、例えば、96%〜98.9%の純度を有し、かつ得られた天然バニリンの流れに、非常に純粋な天然バニリンの感覚刺激特性とは異なり、かつバニラポッドの感覚刺激特性と近い感覚刺激特性を与える不純物を含んでなる、より低い純度の天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態において、天然バニリンの最終的な流れは、3重量%までの不純物を含んでなってもよい。不純物の中でも、多数であるのは、流れの1重量%までを表すことができるバニリルアルコール、ならびに二量体および/または三量体、特に、ジフェニルメタンであり、かつ少数であるのは、それぞれ流れで500ppmまで存在してもよいバニリン酸、グアヤコール、安息香酸および生合成された有機化合物である。この実施形態は、蒸留パラメーターを調節することによって得ることができ、特に、蒸留流速(F24)対供給流速(F2)の比率は、好ましくは0.084〜0.1である。
また本発明は、この方法を実施するためのデバイスであって、
− 第1のデバイスに入る流れ(F1)から超軽量物、特に酢酸エチルを分離するための第1のデバイス(1)であって、特に、落下膜交換器またはジャケット付き反応器である第1のデバイスと、
− 第1のデバイスから出る流れ(F2)を、第1の蒸留カラム(5)のインプットに転送するための、第1のデバイスを第1のカラムに接続するための手段と、
− 一方では軽量物および天然バニリン、他方では重量物を分離するための第1の蒸留カラム(5)であって、第1のデバイスから生じる流れ(F2)のインプットと、軽量物および天然バニリンを含んでなるカラムの上部におけるアウトプット(F22)と、重量物を含んでなるカラムの底部におけるアウトプット(F23)とを含んでなる第1の蒸留カラムと、
− 第1のカラムの上部から出る流れ(F22)を、第2の蒸留カラム(6)のインプットに転送するための、第1のカラムを第2のカラムに接続するための手段と、
− 一方では天然バニリン、他方では軽量物を分離するための第2の蒸留カラム(6)であって、第1のカラムから生じる流れのインプット(F22)と、軽量物を含んでなるカラムの上部におけるアウトプット(F24)と、天然バニリンを含んでなるカラムの底部におけるアウトプット(F25)とを含んでなるカラムと
を具備するデバイスにも関する。
このデバイスは、第1のデバイスから生じる流れを、第1の蒸留カラムまで転送するためのポンプ(4)を含有してもよい。
またこのデバイスは、第1のデバイスのアウトプットの1つに接続されて、超軽量物の回収を可能にする冷却器、および/またはカラム(6)のカラム上部に接続されて、軽量物の回収を可能にする冷却器を含有してもよい。
第2の蒸留カラムのインプット流れが蒸気相で導入される場合、デバイスは、第1のカラム(5)のカラム上部と第2のカラム(6)の供給点とを接続する部分的冷却器も含んでなる。
第2の蒸留カラムのインプット流れが液相で導入される場合、デバイスは、第1のカラム(5)のカラム上部と第2のカラム(6)の供給点とを接続する冷却器を含んでなる。
第1のデバイス、冷却器および蒸留カラムに関する特徴は、上記で明示される。
部分的冷却器の使用を含んでなる実施形態は、特に高製造に関して、かなりのエネルギー節減が可能となる。
垂直分割型カラム(またはDWC)による連続蒸留
一実施形態において、本発明による方法は、垂直分割型カラムを使用する連続蒸留によって実施される。
垂直分割型カラムの手段による連続蒸留によって実施される方法は、以下のステップを含んでなる。
a)第1のステップにおいて、流れ(F1)は、それが含有する超軽量物(流れ(F11))、特に酢酸エチルを除去するために処理され、天然バニリン、軽量物および重量物を含んでなる得られた流れを、流れ(F2)と記載し、
b)第2のステップにおいて、流れ(F2)を、カラムの上部で、軽量物および任意選択的に低濃度の天然バニリンを含んでなる流れ(F32)と、カラムの底部で、重量物、特にバニリルアルコール、および任意選択的に低濃度の天然バニリンを含んでなる流れ(F34)とを回収することを可能にする垂直分割型カラムに供給し、副流を介して排出することによって流れ(F33)の形態でバニリンが回収され、この流れは、任意選択的に低濃度の軽量物および/または重量物を含んでなることが可能である。
この実施形態において、「低濃度」という用語は、留分の全重量と比較して、好ましくは多くとも10重量%、好ましくは多くとも5重量%、例えば多くとも3重量%の濃度を意味するように意図される。
副流を介しての排出は、液相でおよび/または蒸気相で実行することができる。これは、当業者に既知のいずれかの方法によって行われてもよい。例えば、
− 液相で、充填の詰め物を、オーバフロー回収タンクに置き換えることができ、
− 蒸気相で、副冷却器との接続によって、ベント圧力は上部圧力と平衡する。
有利には、副流を介した蒸気相排出は、得られる天然バニリンの流れに重量物を伴出することを回避する。
有利には、副流を介した液相排出は、エンタルピーの除去が蒸気相排出より非常に少ないため、エネルギーの節約を可能にする。
蒸気相排出は、有利には、得られるバニリンの純度を増加させることが可能である。液相排出は、その一部に関して、有利には、最終天然バニリンの流れに不純物を保持することを可能とし、したがって、異なる感覚刺激特性を得ることを可能とする。
有利には、本発明による方法は、副流を介しての2つの同時排出手順を含んでなってもよく、1つは副流を介しての液相排出であり、もう1つは副流を介しての蒸気相排出である。これによって、単一蒸留ステップにおいて、異なる純度を有する、したがって、異なる感覚刺激特性を有する天然バニリンの流れを回収することが可能となる。
本発明に関連して、「垂直分割型カラム」という用語は、カラムを、互いに独立している形状および体積を有する2つの半カラムに分離する垂直内部分離セグメントを含んでなる蒸留カラムであって、第1の半カラムでは、流れ(F2)の供給が生じ、そして第2の半カラムでは、流れ(F34)の排出が生じ、2つの半カラムは互いに連通し、分離セグメントはカラムの一端から他端まで至らない蒸留カラムを意味するように意図される。
好ましくは、垂直分割型カラムは、第1の半カラムが、18〜と30の理論段、好ましくは、25〜30の理論段、例えば、27の理論段を含んでなり、かつ第2の半カラムが、18〜25の理論段、好ましくは、20〜25の理論段、例えば、23の理論段を含んでなるようなものである。好ましくは、第1の半カラムは、消耗セクションのための10〜20の理論段と、濃縮セクションのための8〜10の理論段とを含んでなる。好ましくは、第2の半カラムは、副流を介しての蒸気相の排出の点の上に10〜20の理論段と、蒸気相の排出の点の下に10〜15の理論段とを含んでなる。液相排出は、蒸気相排出の下の1〜4の理論段である。
好ましくは、垂直分割型カラムの動作圧力は、2〜10mbar、好ましくは3〜6mbarであり、例えば4mbarである。圧力低下は、垂直分割型カラムを形成するそれぞれの2つの半カラムにおいて、好ましくは同一でなければならず、このため、それぞれの半カラムの直径は調節される。それぞれの半カラムの圧力低下は、0.5〜2.5mbarである。
垂直分割型カラムのそれぞれの半カラムにおける還流比は、同一であっても異なってもよく、2〜10、好ましくは2.7〜6である。
好ましくは、流れ(F2)の供給は、底部から上部へと数えた場合の第1の半カラムの第10の理論段と第20の理論段との間で生じる。バニリンは、垂直分割型カラムから、好ましくは、底部から上部へと数えた場合の第2の半カラムの第4の理論段と第15の理論段との間で副流を介して排出される。
好ましくは、分離セグメントは、バニリンが濃縮された流れを第1の半カラムから第2の半カラムへと通過させることを可能にするオリフィスを含んでなる。オリフィスは、好ましくは第1の半カラムに関して、供給より少なくとも2つ上の理論段にあり、好ましくは、第1の半カラムに関して数えた場合、供給より2〜5上の理論段である。オリフィスの径は、バニリンが濃縮され、軽量物が少ない流れを通過させることを可能にするために決定され、オリフィスの径は、当業者によって決定可能である。それは好ましくは、分離セグメントの幅を横切る幅で、5〜20mm、例えば、8〜15mm、特に約10mmである。
カラムの底部における残留時間は、好ましくは30分〜13時間であり、例えば、8時間である。この残留時間を1〜7時間まで短縮するために、また感熱性の天然バニリンの分解を制限するため、カラムの底部で静荷重を追加することが有利であり得る。静荷重は当業者に周知であり、それらは特にガラス玉からなってもよい。
蒸留を実行するために、特に、落下膜もしくはスクレイプド膜煮沸器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって加熱される管形熱交換器によって、蒸気を用いて、もしくは熱伝達流体によって供給される加熱コイルによって、または他のいずれかの均等なデバイスによって、好ましくは熱伝達流体によって、熱をカラムの底部に供給することができる。
好ましくは、副流を介しての全体の排出の流速(蒸気および/または液体)対流れ(F2)の流速の比率は0.5〜0.95である。
好ましくは、
− 流れ(F1)の流速は、150〜220kg/時間であり、
− 流れ(F2)の流速は、40〜70kg/時間であり、
− 流れ(F32)の流速は、3〜7kg/時間であり、
− 蒸気相における流れ(F33)の流速は、20〜60kg/時間である。
カラムが、二重の蒸気および液体排出を含んでなる場合、蒸気流れの流速は35〜45kg/時間であり、かつ液体流れの流速は1.0〜2.5kg/時間である。
一実施形態において、本発明による方法は、特に99%以上の純度を有し、かつ好ましくは1000ppm未満のバニリルアルコールを含有する、非常に純粋な天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態は、蒸気の形態で天然バニリンを排出することによって得られる。蒸留(F33)流速対供給(F2)流速の比率は、好ましくは0.5〜0.734である。
別の実施形態において、本発明による方法は、例えば、96%〜98.9%の純度を有し、かつ得られた天然バニリンの流れに、非常に純粋な天然バニリンの感覚刺激特性とは異なり、かつバニラポッドの感覚刺激特性と近い感覚刺激特性を与える不純物を含んでなる、より低い純度の天然バニリンを得ることを可能にする。この実施形態において、天然バニリンの最終的な流れは、3重量%までの不純物を含んでなってもよい。不純物の中でも、多数であるのは、流れの1重量%までを表すことができるバニリルアルコール、ならびに二量体および/または三量体、特に、ジフェニルメタンであり、かつ少数であるのは、それぞれ流れで500ppmまで存在してもよいバニリン酸、グアヤコール、安息香酸および生合成された有機化合物である。蒸留(F33)流速対供給(F2)流速の比率は、好ましくは0.736〜0.76である。
本発明の方法は、単一蒸留ステップによって、副流を介しての2つの排出手順、すなわち、1つの蒸気相排出、99%を超える純度を有するバニリンを得ることを可能にする排出と、1つの液体相排出、96%〜98.9%の純度を有するバニリンを回収することを可能にする排出とを想定することによって、99%以上の純度を有する非常に純粋なバニリン、および96%〜98.9%の純度を有するバニリンを得ることも可能とする。
また本発明は、この方法を実施するためのデバイスであって、
− 第1のデバイスに入る流れ(F1)から超軽量物、特に酢酸エチルを分離するための第1のデバイス(1)であって、特に、落下膜交換器またはジャケット付き反応器である第1のデバイスと、
− 第1のデバイスから出る流れ(F2)を、垂直分割型カラム(7)のインプットに転送するための、第1のデバイスを前記垂直分割型カラムに接続するための手段と、
− 軽量物、重量物および天然バニリンを分離するための垂直分割型蒸留カラム(7)であって、第1のデバイスから生じる流れ(F2)のインプットと、軽量物を含んでなるカラムの上部におけるアウトプット(F32)と、重量物を含んでなるカラムの底部におけるアウトプットと、副流(F33)を介しての天然バニリンの排出のための1つまたは2つのデバイスとを含んでなるカラムと
を具備するデバイスにも関する。
このデバイスは、第1のデバイスから生じる流れを、垂直分割型カラムまで転送するためのポンプ(4)を含有してもよい。
垂直分割型カラムは、カラムを2つの半カラム(71)および(72)に分離する内部セグメント(8)を含んでなる。このセグメントは、上記のとおり、オリフィス(9)を含んでなる。
第1のデバイスおよび垂直分割型カラムに関する特徴は、上記で明示される。
垂直分割型カラムによる方法は、本発明の好ましい変形形態である。
一般に、本発明の方法において、ステップa)は、例えば、落下膜交換器またはシェル付き反応器(もしくはジャケット付き反応器)、好ましくは落下膜交換器によって実行することができる。
「落下膜蒸発器」という用語(また湿潤膜蒸発器とも呼ばれる)は、一般に、外部的にチャンバーにおける蒸気の循環によって加熱される垂直管の束を含んでなる、円筒状チャンバーからなる装置を意味するように意図される。流れ(F1)は上部から供給され、そして一般に、1mm未満、好ましくは0.3〜0.5mmの微細な厚さの液体膜を形成するために、例えば、管の上部で液体の良好な分布を可能にするオーバフローを用いて、分配システム上に落下する。
この予備ステップの間、動作圧力は、好ましくは大気圧である。
交換器の表面積は、好ましくは、約200kg/時間の供給流速に関して、0.3〜0.6mである。異なる流速のために、当業者は、その一般知識によって、交換器の表面積を決定することが可能である。
超軽量物、特に酢酸エチルは、その後の使用のために、冷却器を使用して回収されることができる。
落下膜蒸発器の底部において、回収ポンプによって、アウトプットにおいて回収された液体流れ(F2)を、ステップb)の、垂直分割型カラムとも呼ばれる蒸留カラムへと送達することが可能である。流れ(F2)は、実質的に流れ(F1)に相当するか、または超軽量物を全く含まない。流れ(F2)は、ステップb)のカラムの冷トラップに捕捉される痕跡量の超軽量物を任意選択的に含有してもよい。
第2の特定の態様において、本発明の対象は、弱く着色した天然バニリンを得るために、95重量%〜99重量%の範囲の純度を有する天然バニリンを精製するための方法であって、
(a)天然バニリンを融解させるステップと、
(b)ステップ(a)から誘導される溶融バニリンに真空蒸発ステップを受けさせるステップと、
(c)精製された天然バニリンの凝縮物を回収するステップと
を含んでなる方法である。この第2の特定の態様において、95重量%〜99重量%の範囲の純度を有し、すなわち、95重量%〜99重量%の天然バニリンを含んでなる天然バニリンが使用される。それは、フェノールオリゴマーを含んでなる1重量%〜5重量%の不純物を典型的に含んでなってもよい。フェノールオリゴマーを含んでなる不純物の中でも、バニリン二量体および三量体が特に挙げられてよい。
したがって、本発明による方法で使用される天然バニリンは、一般に、95重量%〜99重量%の純度を達成するためにあらかじめ精製されている。
そのような精製は、粗製天然バニリン、すなわち、生合成から直接誘導されるものから出発して、そのような純度の達成を可能にする、いずれかの既知の方法によって実行されてもよい。好ましくは、バニリンは、本発明による方法の第1の態様に関連して上記されたとおり、蒸留によってあらかじめ精製される。必要に応じて、そのような精製を実行するために、有機溶媒による抽出、続いて任意選択的に、天然バニリンの沈殿または結晶化を実行することができる。
好ましくは、本発明による方法の第2の態様は、生合成プロセスから誘導される粗製天然バニリンの蒸留によって得られる天然バニリンを使用する。
好ましくは、この予精製ステップは、中でも、その揮発性が、考慮の圧力および温度条件下で天然バニリンの揮発性より高い化合物の除去を可能にするであろう。天然バニリンの調製プロセスから誘導されるこれらの化合物は、中でも、安息香酸、バニリルアルコール、グアヤコールおよび溶媒、好ましくは酢酸エチルなどの食品グレード溶媒であってよい。
「揮発性」という用語は、それ自体既知の方法で蒸発する物質の能力を示す。
本発明による方法の第2の態様において、生合成から直接誘導される粗製天然バニリンは、典型的に、
− 5重量%〜35重量%、特に、10重量%〜30重量%の範囲であることが可能な割合の天然バニリンと、
− 0.05重量%〜10重量%、好ましくは、0.1重量%〜5重量%の範囲であることが可能な割合のバニリルアルコールと、
− 0重量%〜2重量%、好ましくは、0.01重量%〜0.6重量%の範囲であることが可能な割合のバニリン酸と、
− 0重量%〜2重量%、好ましくは、0.01重量%〜0.9重量%の範囲であることが可能な割合のフェルラ酸と、
− 0重量%〜2重量%、好ましくは、0.01重量%〜0.6重量%の範囲であることが可能な割合のグアヤコールと、
− 0重量%〜5重量%、好ましくは、0.05重量%〜5重量%、より好ましくは、0.1重量%〜5重量%の範囲であることが可能な割合の二量体および三量体と(二量体および三量体は、それぞれ、2個または3個のフェニル基を有する骨格鎖を有する化合物であって、二量体はジフェニルメタンから有利に選択される)、
− 0.0重量%〜5重量%、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、より好ましくは、0.05重量%〜1重量%の範囲であることが可能な割合の、同様に生合成された様々な有機化合物(例えば、4−メチルグアヤコール、4−エチルグアヤコールおよび/または4−ビニルグアヤコール)と、
− 0重量%〜10重量%、好ましくは、0.01重量%〜10重量%、より好ましくは、0.05重量%〜5重量%の範囲であることが可能な割合の安息香酸と、
− 0重量%〜5重量%、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、より好ましくは、0.05重量%〜3重量%の範囲であることが可能な割合の水と
− 残りの100重量%までの食品グレード溶媒、特に酢酸エチルと
を含んでなる。
本発明による方法の第2の態様において、本発明で使用される天然バニリンが誘導される生合成プロセスは、好ましくは、感覚刺激特性がバニラポッドに近い、このような天然バニリンを与える。
特に好ましくは、本発明による方法の第2の態様は、96重量%〜98.9重量%の範囲の純度を有する天然バニリンを使用する。
本発明の別の特徴によって、本発明による方法の第2の態様は、上記などのフェノールオリゴマーを含んでなる残渣の回収からなる、追加的なステップ(d)を含んでなる。
本発明による方法の第2の態様の1つの好ましい実施形態において、天然バニリンは、ステップ(a)の間、70〜110℃の範囲の温度および大気圧で、より好ましくは、75〜100℃の範囲の温度および大気圧融解する。
本発明による方法の第2の態様において、ステップ(a)は、不活性気体雰囲気下、すなわち、好ましくは1体積%以下の酸素含有量を有する雰囲気下で有利に実行される。適切な不活性気体は、窒素およびアルゴン、ならびにそれらの混合物である。
本発明による方法の第2の態様の別の特徴によると、蒸発ステップ(b)は、1〜10mbarの範囲の圧力および110〜160℃の範囲の温度で有利に実行される。
より好ましくは、蒸発ステップ(b)は、1〜6mbarの範囲の圧力で実行される。また好ましくは、蒸発ステップ(b)は、115〜135℃の範囲の温度で実行される。
本発明による方法の第2の態様の1つの特に有利な実施形態によると、本発明のステップ(b)は、蒸発器で実行される。上記蒸発器は、特に、スクレイプド膜蒸発器または落下膜蒸発器から選択されてもよい。特に好ましくは、ステップ(b)は、スクレイプド膜蒸発器で実行される。
したがって、この目的のために使用することができる蒸発器は、落下膜またはスクレイプド膜蒸発器などの薄膜蒸発器である。そのような蒸発器は、Buss AG、GEA CanzlerまたはKuhni社から商業的に入手可能であり、当業者に周知である。本発明による方法の第2の態様の特に好ましい変形形態において、その原理が蒸発する生成物の短い通過時間に基づく、ショートパススクレイプド膜蒸発器が使用される。スクレイプド膜蒸発器は、天然バニリンの蒸発による精製のために特に適切であるということが証明されており、これによって、このような感熱生成物のいずれの分解も回避することが可能となる。
次いで、ステップ(a)から誘導される溶融天然バニリンは、そのような蒸発器に導入される。天然バニリンを含んでなる液相の薄膜は、加熱された表面上で蒸発し、フェノールオリゴマーを含んでなる液相は、ブレードまたはロール型の機械的手段でスクレイプされる。次いで、上記液相は、専用容器に回収されてもよい。
蒸発器によって、蒸発したバニリンを含有する気体流出物を回収することが可能であり、これは次いで凝縮されて、精製されたバニリンが回収される。
有利には、蒸発器の天然バニリンの通過時間は、15分以下、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下である。
本発明による方法の第2の態様の1回の通過によって、ステップ(c)で回収される天然バニリン凝縮物は、99重量%以上、好ましくは99.5重量%以上の純度を有する。
有利には、本発明、特に第1または第2の特定の態様による方法によって得られる精製された天然バニリンの凝縮物は、次いで、好ましくは、スポール化、ペレット化またはプリル化(凝集体形成)によって、直接凝固によって直接形成される。
精製された天然バニリンの凝縮物を形成することの1つの好ましい技術は、シリンダー上で、またはベルト上でのスポール化技術である。
この技術において、精製された天然バニリンの凝縮物を50℃の温度で金属シリンダーまたはベルトと接触させ、次いで、ナイフを用いてシリンダー上で得られた固体膜をスクレイプすることによって、凝縮物がフレークの形態で回収される。
別の好ましい技術は、ペレット化であり、これは、10℃まで冷却されたペレット化ベルト上での凝固による固体粒子の凝集体形成のプロセスからなる。したがって、精製された天然バニリンの凝縮物は、乾燥した非晶質固体の形態である。
プリル化も好ましい形成技術である。これは、当業者に周知の技術であり、固体ビーズまたは凝集体(プリル)を得るために冷気または窒素の流れにバニリン凝縮物を噴霧することを含む。
精製された天然バニリンの凝縮物は、ミル加工またはふるいがけによって精製されてもよい。特にミル作業は、パドルミル、ピンミルまたは造粒機などの標準装置で実行されてもよい。
本発明による方法は、非常に高純度(99重量%を超える)の非常に弱く着色したバニリンを得ることを可能にするという利点を有する。
得られたバニリンの色を特徴づけるため、10重量%の濃度でエタノールに溶解することができる。
したがって、10重量%のエタノール溶液中の天然バニリンの凝縮物は、200Hazen以下、好ましくは100Hazen以下の色を有する。バニリン溶液の色は、特に、ISO規格6271またはASTM規格D1209に従って測定することができる。この目的のために、Konica−Minolta CM−5色彩計を使用することができる。
本発明の目的は、本発明による方法によって得ることができるバニリンでもある。上記バニリンは、色が10重量%のエタノール溶液中で200Hazen以下、好ましくは100Hazen以下である非晶質固体の形態である。
本発明は、以下の実施例によって、非限定的な方法で例示される。
以下の実施例は、20重量%の天然バニリン、4重量%の重量物(バニリン酸、バニリルアルコール、フェルラ酸、4−メチルグアヤコール、4−エチルグアヤコール、二量体および三量体、安息香酸ナトリウム)、0.5重量%の水、2.5重量%の軽量物(安息香酸およびグアヤコール)、73重量%の超軽量物(酢酸エチル)を含んでなる、バニリンの流れ(F1)の蒸留を説明する。
実施例1:バッチ蒸留による流れ(F1)の蒸留
180kgの流れ(F1)を、450m/mの表面積を有する織物充填材が充填された、10の理論段を備えた、直径700mmの蒸留カラムの煮沸器に入れる。熱伝達流体は開始時に110℃で固定され、そして冷却剤は20℃のGilotherm油である。カラムは、3時間、全還流に配置される。次いで、酢酸エチルを含んでなる第1の留分を、10時間、0.5の還流で、15kg/時間の流速で回収する。酢酸塩を除去するステップは、160℃の熱伝達流体に関して、動作圧力が4mbarである場合に終了する。
軽量物および10重量%のバニリンを含んでなる第2の留分を、4時間、100の還流比で、2.4kg/時間の流速で回収する。
カラムの上部の温度が139℃に達する時、カラムは1時間全還流に再び配置され、これのために、熱伝達流体は165℃で調節される。
98.2%の純度を有する天然バニリンを含んでなる天然バニリンの留分を次いで、10時間30の還流で、6.1kg/時間の流速で回収する。動作圧力は、4mbarである。10時間後、蒸留物流速は3kg/時間まで低下して、還流比は100で設定される。この作業の期間は、約0.5時間である。上部の温度が143℃に達成した時に蒸留を停止し、濃縮物に残存する荷重は約9.6kgであって、重量物を含んでなる。精製収率は93%に等しい。
実施例2:連続トッピング/テーリング蒸留による流れ(F1)の蒸留
実施例2は、図1を参照にする。
流れ(F1)は、落下膜交換器(1)の上部において200kg/時間の流速で供給される。この交換器は、146kg/時間の流速で流れ(F11)の下、酢酸エチルを除去することを可能にする。流れ(F11)は、酢酸エチルの回収のために、冷却器(図示せず)に送達される。
流れ(F2)は、蒸発器のアウトプットにおいて回収され、これは実質的に酢酸エチルを含まない流れ(F1)に相当する。流れ(F2)に存在する痕跡量の酢酸エチルは、蒸留カラム(2)の冷トラップで回収され、したがって、カラム(2)を保護することが可能である。流れ(F2)は、部分的リサイクルモードで、54kg/時間の流速で、回収ポンプ(4)によって(トッピング)蒸留カラム(2)に送達される。カラム(2)の上部において、安息香酸、グアヤコールおよび3重量%のバニリンを含んでなる流れ(F12)は、5kg/時間の流速で回収される。カラム(2)の底部において、重量物および残存する天然バニリンを含んでなる流れ(F13)は回収されて、これは49kg/時間の流速で、テーリングカラム(3)に送達される。カラム(3)の上部において、バニリルアルコールおよびジフェニルメタンを含む二量体から本質的になる重量物3重量%を含んでなる天然バニリンの流れ(F14)は、40kg/時間の流速で回収される。バニリンの純度は97%に等しい。プロセスの収率は97%に等しい。カラム(3)の底部において、重量物および3重量%の天然バニリンの流れ(F15)は、9kg/時間の流速で回収される。
デバイスの特徴は、以下の通りである。
− 交換器(1):表面積=0.5m
− カラム(2)
2×2600mmの高さで(低速織物)規則充填材を備える。
濃縮セクションのための11段および消耗セクションのための13段に分割される、24の理論段
高さ4mのカラム
動作圧力:4mbar
還流比:20
カラムを最初に、バニリン(90重量%)と安息香酸(10重量%)との混合物に関して、5時間分級する。次いで、約140℃の温度を維持するために流れ(F12)の流速を調節することによって蒸留を開始する。上部(蒸気温度)および底部(液体温度)の間の温度差は、4mbarで39.6℃である。カラムは分級相に関して全還流にある。
蒸留のためのエネルギーは、落下膜型の煮沸器、強制循環管形デバイス、またはサーモサイフォン管形デバイスによって供給される。
− カラム3
高さ2×4560mmで約450m/mの表面積を有する織物規則充填材を備える。
供給点は、マークZ=1500mmにある。
18の理論段
直径600mm
動作圧力:4mbar
カラムは、オーブンで予め融解させた純粋なバニリンの原料によって、全還流に配置される。
還流比:3
比率[蒸留物流速]/[供給流速]は0.808である。
上部(蒸気温度)および底部(液体の温度)の間の温度差は、4mbarで43℃である。
蒸留のためのエネルギーは、強制循環管形デバイス、またはスクレイプド交換器によって供給される。シェル側での圧力は、16バールである。
実施例3:連続テーリング/トッピング蒸留による流れ(F1)の蒸留
実施例3は、図2を参照する。
流れ(F1)は、落下膜交換器(1)の上部において198.26kg/時間の流速で供給される。この交換器は、147kg/時間の流速で流れ(F11)の下、酢酸エチルを除去することを可能にする。流れ(F11)は、酢酸エチルの回収のために、冷却器(図示せず)に送達される。
流れ(F2)は、蒸発器のアウトプットにおいて回収され、これは実質的に酢酸エチルを含まない流れ(F1)に相当する。流れ(F2)に存在する痕跡量の酢酸エチルは、蒸留カラム(5)の冷トラップで回収され、したがって、カラム(5)を保護することが可能である。流れ(F2)は、部分的リサイクルモードで、51.26kg/時間の流速で、回収ポンプ(4)によって(テーリング)蒸留カラム(5)に送達される。カラム(5)の底部において、重量物および3重量%のバニリンを含んでなる流れ(F23)は回収される。
カラム(5)の上部において、軽量物、残存するバニリンおよび2.5重量%の重量物を含んでなる流れ(F22)は、44kg/時間の流速で回収され、そして44kg/時間の流速で、トッピングカラム(6)に送達される。カラム(6)の上部において、軽量物および3重量%のバニリンを含んでなる流れ(F24)は回収される。カラム(6)の底部において、バニリンおよび2.5重量%の重量物を含んでなる天然バニリンの流れ(F25)は、38.6kg/時間の流速で回収される。得られるバニリンは、99.9%の純度および98.9%の精製収率を有する。
デバイスの特徴は、以下の通りである。
− 交換器(1):表面積=0.5m
− カラム(5)
高さ2×4560mmで約450m/mの表面積を有する織物規則充填材を備える。
供給点は、マークZ=1500mmにある。
18の理論段
直径600mm
動作圧力:4mbar
還流比:3
比率[蒸留物流速]/[供給流速]は0.83である。
還流流速は供給流速の2.49倍を表す。
上部(蒸気温度)および底部(液体の温度)の間の温度差は、4mbarで26℃である。
蒸留のためのエネルギーは、強制循環管形デバイス、またはスクレイプド交換器によって供給される。シェル側での圧力は、12バールである。
− カラム(6)
2×2600mmの高さで(低速織物)規則充填材を備える。
濃縮セクションのための11段および消耗セクションのための13段に分割される、24の理論段
高さ4mのカラム
動作圧力:4mbar
還流比:20
カラムを最初に、バニリン(90重量%)と安息香酸(10重量%)との混合物に関して、5時間分級する。次いで、約140℃の温度を維持するために流れ(F24)の流速を調節することによって蒸留を開始する。上部(蒸気温度)および底部(液体温度)の間の温度差は、4mbarで35℃である。カラムは分級相に関して全還流にある。
蒸留のためのエネルギーは、落下膜型の煮沸器、強制循環管形デバイス、またはサーモサイフォン管形デバイスによって供給される。シェル側での圧力は、10バールである。
代替形態は、蒸気相でカラムに(6)を供給することを含み、これのために、部分的冷却器による部分的凝縮が使用される。この代替形態は、カラム(6)のための有効な蒸気の直接の節減である。次いで、カラム(5)は5mbarで動作して、カラム(6)は4mbarで残存する。この場合、上部の温度は139℃を示す。部分的冷却器は、還流流速を制御するLIC調節ループを含んでなる。煮沸器に達する全蒸気流速は、カラムの圧力低下(ΔP=3mbar)によって、煮沸器への熱負荷のサーボ制御によって制御される。冷却器は、ND10(ND:mmの公称直径)および長さ1150mmの、80の管を含んでなる水平管形デバイスである。
冷却剤は、85℃および533L/時間の流速のGilotherm油である。
設定されたLICの液体高さは、165mmである。これによって、冷却器に入る176kg/時間の蒸気相に関して、44kg/時間の流出を得ることが可能となる。風袋を計った冷却器ベントのバルブは、5mbar(>5mbarの場合は開放)で調節される。カラム(6)のインプットにおける有効な蒸気の流速は、3.3mbarの圧力低下を確実にするために調節される。
実施例4:蒸気相排出による垂直分割型カラムにおける流れ(F1)の蒸留
実施例4は、図3を参照する。
流れ(F1)は、落下膜交換器(1)の上部において200kg/時間の流速で供給される。この交換器は、147kg/時間の流速で流れ(F11)の下、酢酸エチルを除去することを可能にする。流れ(F11)は、酢酸エチルの回収のために、冷却器(図示せず)に送達される。
流れ(F2)は、蒸発器のアウトプットにおいて回収され、これは実質的に酢酸エチルを含まない流れ(F1)に相当する。流れ(F2)に存在する痕跡量の酢酸エチルは、蒸留カラム(7)の冷トラップで回収され、したがって、カラムのポンプを保護することが可能である。流れ(F2)は、53kg/時間の流速で、蒸留カラム(7)に送達される。以下が回収される:
− カラムの上部において、5kg/時間の流速で軽量物および3重量%のバニリンを含んでなる流れ(F32)、
− 39kg/時間の流速で、98.9%の純度を有するバニリン、およびバニリルアルコールから本質的になる重量物1.1重量%を含んでなる、副流を介しての排出による流れ(F33)(精製プロセスの収率は96.5%に等しい)、
− カラムの底部において、8kg/時間の流速で重量物および3重量%のバニリンを含んでなる流れ(F34)。
デバイスの特徴は、以下の通りである。
− 交換器(1):表面積=0.5m
− カラム(7)
第1の半カラム(71)および第2の半カラム(72)を区切る分割壁セグメントを備えた、垂直分割型カラム
− 高さ5410mmの第1の半カラム(71)における約450m/mの比表面積を有する規則充填材、および高さ4560mmの第2の半カラム(72)における規則充填材
第1の半カラムは27の段を有する。
第2の半カラムは23の段を有する。
動作圧力:4mbar
還流比:それぞれの半カラムで3である。
3110mmマークにおけるセグメント(8)の通路(9)によって、第2の半カラムの濃縮セクションの濃縮が可能である。通路の開口部は、幅10mm以下のストリップである。
上部温度が約116℃である場合、底部および上部の間の温度差は74.9℃である。
下流セクションの還流流速は、供給流速(F2)の2.18倍を表し、そして上流セクションの還流流速は、供給流速(F2)の25%を表す。
設定圧力低下は、カラムに関して1.3mbarである。
蒸留のためのエネルギーは、スクレイプド膜型の煮沸器、または強制循環管形デバイスによって供給される。
実施例5:蒸気/液体二重排出による垂直分割型カラムにおける流れ(F1)の蒸留
実施例5は、追加的な液体排出点が追加される図3を参照する。
流れ(F1)は、落下膜交換器(1)の上部において200kg/時間の流速で供給される。この交換器は、147kg/時間の流速で流れ(F11)の下、酢酸エチルを除去することを可能にする。流れ(F11)は、酢酸エチルの回収のために、冷却器に送達される。
流れ(F2)は、蒸発器のアウトプットにおいて回収され、これは実質的に酢酸エチルを含まない流れ(F1)に相当する。流れ(F2)に存在する痕跡量の酢酸エチルは、蒸留カラム(7)の冷トラップで回収され、したがって、カラムのポンプを保護することが可能である。流れ(F2)は、53kg/時間の流速で、蒸留カラム(7)に送達される。以下が回収される:
− カラムの上部において、5kg/時間の流速で軽量物および3重量%のバニリンを含んでなる流れ(F32)、
− 38.2kg/時間の流速で、99.8%の純度を有するバニリン、およびバニリルアルコールから本質的になる重量物0.2重量%を含んでなる、副流を介しての蒸気相排出による流れ(F33)、
− 1.7kg/時間の流速で、98%の純度を有するバニリン、および2重量%の重量物を含んでなる、副流を介しての液体相排出による流れ(F35)(図示せず)、
− カラムの底部において、8kg/時間の流速で重量物および3重量%のバニリンを含んでなる流れ(F34)。
全精製収率98.5%である。
デバイスの特徴は、以下の通りである。
− 交換器(1):表面積=0.5m
− カラム(7)
第1の半カラム(71)および第2の半カラム(72)を区切る分割壁セグメントを備えた、垂直分割型カラム
− 高さ5410mmの第1の半カラム(71)における約450m/mの比表面積を有する規則充填材、および高さ4560mmの第2の半カラム(72)における規則充填材
第1の半カラムは27の段を有する。
第2の半カラムは23の段を有する。
動作圧力:4mbar
還流比:それぞれの半カラムで3である。
3110mmマークにおけるセグメント(8)の通路(9)によって、第2の半カラムの濃縮セクションの濃縮が可能である。通路の開口部は、幅10mm以下のストリップである。
副流を介しての蒸気相排出は、充填材床のベースに関して、1200mmに位置する。
副流を介しての液相排出は、副流を介しての蒸気相排出の400mm下に位置する。
上部温度が約116℃である場合、底部および上部の間の温度差は74.9℃である。
下流セクションの還流流速は、供給流速(F2)の2.18倍を表し、そして上流セクションの還流流速は、供給流速(F2)の25%を表す。
設定圧力低下は、カラムに関して1.3mbarである。
蒸留のためのエネルギーは、スクレイプド膜型の煮沸器、または強制循環管形デバイスによって供給される。
実施例6 − スクレイプド膜蒸発器での精製(本発明による):
98.5重量%の純度、および10重量%エタノール溶液中で約5Gardnerの色を有する(ASTM規格D1544による)天然バニリン10kgを、オーブン中、窒素下、95℃および大気圧融解させる。次いで、溶融天然バニリンを、135℃の温度および3mbarの圧力で、ショートパススクレイプド膜0.05m蒸発器(UIC GmbH社によって販売されるKDL−5蒸発器)に供給する、温度調節された滴下漏斗に添加する。蒸発器の回転速度は200回転/分であり、蒸発器のバニリンの残留時間は45秒である。使用した供給流速は、500g/時間の溶融天然バニリンである。
天然バニリン蒸気は、スクレイプド膜蒸発器の内部冷却器上で100℃で凝縮され、そして液体凝縮物は、10℃に冷却されたペレット化ベルトに向けられる。フェノールオリゴマーを含んでなる残渣が残渣容器に放出される。
ペレットを回収し、次いで計量する。
本発明による方法の終了時に、9.8kgの精製された天然バニリンが得られ、すなわち、98重量%の収率であり、これは、99.5重量%以上の純度を有し、かつ60Hazen(ISO規格6271)に等しい色(10重量%エタノール溶液中)を有する。
例7(比較):
98.5重量%の純度を有する、実施例6と同一のバッチの天然バニリンを、水/エタノール混合物(重量比20/80)からの再結晶によって精製した。
再結晶による精製終了後、80重量%の収率で、98.8重量%に等しい純度を有する精製された天然バニリンが得られる。これは、10重量%のエタノール溶液中、4Gardner(ASTM規格D1544による)を有し、すなわち、500Hazenよりはるかに高い。
実際に、本発明による方法は、より良好な収率で、特に非常に弱い色を有する、非常に純粋な天然バニリン(非常に白色のバニリン)を得ることを可能にする。

Claims (29)

  1. 生物工学的プロセスを介して調製された天然バニリンの精製方法であって、
    )天然バニリンの製造プロセスから生じる、天然バニリンおよび少なくともバニリルアルコールを含む流れ(F1)の精製と、
    ii)前記バニリルアルコールからの前記天然バニリンの分離および蒸留された天然バニリンの流れの回収を可能にする前記流れ(F1)の蒸留であって、前記流れ(F1)が0重量%〜5重量%の水を含む蒸留と
    (iii)蒸発器を使用して前記蒸留された天然バニリンを蒸発させる少なくとも1つのステップと
    を含む方法。
  2. 前記蒸留された天然バニリンが99%以上の純度を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記流れ(F1)の前記蒸留の間の動作圧力が、2〜10mbarである、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記流れ(F1)の前記蒸留の間の圧力低下が、1〜10mbarである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記流れ(F1)が、
    − 5重量%〜35重量%の天然バニリンと、
    − 0.05重量%〜10重量%のバニリルアルコールと、
    − 0.0重量%〜2重量%のバニリン酸と、
    − 0.0重量%〜2重量%のフェルラ酸と、
    − 0.0重量%〜2重量%のグアヤコールと、
    − 0.0重量%〜5重量%のバニリンの二量体および三量体と、
    − 0.0重量%〜5重量%の、4−メチルグアヤコール、4−エチルグアヤコールおよび/または4−ビニリルグアヤコールから選択される同様に生合成された様々な有機化合物と、
    − 0.0重量%〜10重量%の安息香酸と、
    − 残りの100重量%までの食品グレード溶媒と
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記蒸留された天然バニリンが96%〜98.9%の純度を有する、請求項1および3〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 不純物は、前記流れの1重量%までを表すバニリルアルコール、ならびにバニリンの二量体および/または三量体と、それぞれ500ppmまで存在するバニリン酸、グアヤコール、安息香酸および生合成された有機化合物とである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記流れ(F1)が蒸留カラムに充填され、
    − 第1の留分において、超軽量物と、
    − 第2の留分において、軽量物と、
    − 第3の留分において、前記天然バニリンと、
    − 蒸留濃縮物において、重量物と
    が回収され、前記超軽量物が酢酸エチルであり、前記軽量物が安息香酸および/またはグアヤコールであり、前記重量物が、バニリンの二量体および三量体、バニリルアルコール、バニリン酸、フェルラ酸、安息香酸ナトリウム、4−メチルグアヤコールおよび/または4−エチルグアヤコールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 下記のステップ:
    a)第1のステップにおいて、前記流れ(F1)が、酢酸エチル(F11)を除去する処理に供され、流れ(F2)を得る、
    b)第2のステップにおいて、前記流れ(F2)を、前記蒸留の上部で、軽量物を含んでなる流れ(F12)と、前記蒸留の底部で、前記天然バニリンおよび重量物を含んでなる流れ(F13)とを回収することを可能にする第1の蒸留カラムに供給する、
    c)前記流れ(F13)を、前記蒸留の上部で、前記天然バニリンを含んでなる流れ(F14)と、前記蒸留の底部で、重量物を含んでなる流れ(F15)とを回収することを可能にする第2の蒸留カラムに連続的に供給する、
    を含み、前記軽量物が安息香酸および/またはグアヤコールであり、前記重量物が、バニリンの二量体および三量体、バニリルアルコール、バニリン酸、フェルラ酸、安息香酸ナトリウム、4−メチルグアヤコールおよび/または4−エチルグアヤコールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 下記のステップ:
    a)第1のステップにおいて、前記流れ(F1)は、酢酸エチル(F11)を除去する処理に供され、流れ(F2)を得る、
    b)第2のステップにおいて、前記流れ(F2)を、前記蒸留の上部で、軽量物および前記天然バニリンを含んでなる流れ(F22)と、前記蒸留の底部で、重量物を含んでなる流れ(F23)とを回収することを可能にする第1の蒸留カラムに供給する、
    c)前記流れ(F22)を、前記蒸留の上部で、軽量物を含んでなる流れ(F24)と、前記蒸留の底部で、前記天然バニリンを含んでなる流れ(F25)とを回収することを可能にする第2の蒸留カラムに連続的に供給する、
    を含み、前記軽量物が安息香酸および/またはグアヤコールであり、前記重量物が、バニリンの二量体および三量体、バニリルアルコール、バニリン酸、フェルラ酸、安息香酸ナトリウム、4−メチルグアヤコールおよび/または4−エチルグアヤコールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. 下記のステップ:
    a)第1のステップにおいて、前記流れ(F1)は、酢酸エチル(F11)を除去する処理に供され、流れ(F2)を得る、
    b)第2のステップにおいて、前記流れ(F2)を、カラムの上部で、軽量物を含んでなる流れ(F32)と、カラムの底部で、重量物とを回収することを可能にする垂直分割型カラムに供給し、副流を介しての蒸気相または液相排出によって流れ(F33)の形態で、あるいはそれぞれ、副流を介しての蒸気相排出および副流を介しての液相排出による2つの流れの形態で、バニリンが回収される、
    を含み、前記軽量物が安息香酸および/またはグアヤコールであり、前記重量物が、バニリンの二量体および三量体、バニリルアルコール、バニリン酸、フェルラ酸、安息香酸ナトリウム、4−メチルグアヤコールおよび/または4−エチルグアヤコールである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1におけるステップ(iii)が、
    (a)溶融バニリンを得るために、95重量%〜99重量%の範囲の純度を有する前記蒸留された天然バニリンを融解させるステップと、
    (b)前記ステップ(a)から誘導される溶融バニリンに真空蒸発ステップを受けさせるステップと、
    (c)精製された天然バニリンの凝縮物を回収するステップと
    を含み、ステップ(c)で得られる精製された天然バニリンの凝縮物が、10重量%のエタノール溶媒中で200Hazen以下の色を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記蒸留された天然バニリンが、ステップ(a)の間に、70〜110℃の範囲の温度および大気圧で融解することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. ステップ(a)が、不活性気体雰囲気下で実施されることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
  15. ステップ(b)が、1〜10mbarの範囲の圧力および110〜160℃の範囲の温度で実行されることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. ステップ(b)が、1〜6mbarの範囲の圧力で実行されることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. ステップ(b)が、115〜135℃の範囲の温度で実行されることを特徴とする、請求項12〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 5重量%〜99重量%の範囲の純度を有する事前蒸留された天然バニリンが、
    − 95重量%〜99重量%の天然バニリンと、
    − フェノールオリゴマーを含んでなる、1重量%〜5重量%の不純物と
    を含んでなることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 5重量%〜99重量%の範囲の純度を有する事前蒸留された天然バニリンが、生合成プロセスから生じる粗製天然バニリンの蒸留によって得られるバニリンであることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 蒸留された天然バニリンが、96重量%〜98.9重量%の範囲の純度を有することを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 追加的なステップ:
    (d)追加的にフェノールオリゴマーを含んでなる残渣を回収するステップ
    を含んでなることを特徴とする、請求項12〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. ステップ(b)が、蒸発器で実施されることを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
  23. 蒸発器における前記天然バニリンの通過時間が、15分以下であることを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
  24. ステップ(c)で得られる前記天然バニリン凝縮物が、99重量%以上の純度を有することを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
  25. ステップ(c)で得られる前記天然バニリン凝縮物が、次いで、前記凝縮物の直接凝固によって形成されることを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
  26. ステップ(c)で得られる前記天然バニリン凝縮物が、次いで、前記凝縮物の直接凝固によって形成され、次いで、ミル加工またはふるいがけによって精製されることを特徴とする、請求項12〜18のいずれか一項に記載の方法。
  27. 請求項9に記載の方法を実施するためのシステムであって、
    − 第1のデバイスに入る流れから、超軽量物を分離するための第1のデバイスと、
    − 前記第1のデバイスから出る流れを、第1の蒸留カラムのインプットに転送するための、前記第1のデバイスを前記第1の蒸留カラムに接続するための手段と、
    − 一方では軽量物、他方ではバニリンおよび重量物を分離するための第1の蒸留カラムであって、前記第1のデバイスから生じる前記流れのインプットと、前記軽量物を含んでなる前記蒸留カラムの上部におけるアウトプットと、前記天然バニリンおよび前記重量物を含んでなる前記蒸留カラムの底部におけるアウトプットとを含んでなる第1の蒸留カラムと、
    − 前記第1の蒸留カラムの底部から出る流れを、第2の蒸留カラムのインプットに転送するための、前記第1の蒸留カラムを前記第2の蒸留カラムに接続するための手段と、
    − 一方では前記天然バニリン、他方では前記重量物を分離するための第2の蒸留カラムであって、前記第1の蒸留カラムから生じる流れのインプットと、前記天然バニリンを含んでなる前記蒸留カラムの上部におけるアウトプットと、前記重量物を含んでなる前記蒸留カラムの底部におけるアウトプットとを含んでなる第2の蒸留カラムと
    を具備するデバイス、ならびに
    蒸留された天然バニリンを蒸発するための蒸発器
    を含むシステム
  28. 請求項10に記載の方法を実施するためのシステムであって、
    − 第1のデバイスに入る流れから超軽量物を分離するための第1のデバイスと、
    − 前記第1のデバイスから出る流れを、第1の蒸留カラムのインプットに転送するための、前記第1のデバイスを前記第1の蒸留カラムに接続するための手段と、
    − 一方では軽量物およびバニリン、他方では重量物を分離するための第1の蒸留カラムであって、前記第1のデバイスから生じる前記流れのインプットと、前記軽量物および前記天然バニリンを含んでなる前記蒸留カラムの上部におけるアウトプットと、前記重量物を含んでなる前記蒸留カラムの底部におけるアウトプットとを含んでなる第1の蒸留カラムと、
    − 前記第1の蒸留カラムの上部から出る流れを、第2の蒸留カラムのインプットに転送するための、前記第1の蒸留カラムを前記第2の蒸留カラムに接続するための手段と、
    − 一方では前記天然バニリン、他方では前記軽量物を分離するための第2の蒸留カラムであって、前記第1の蒸留カラムから生じる流れのインプットと、前記軽量物を含んでなる前記蒸留カラムの上部におけるアウトプットと、前記天然バニリンを含んでなる前記蒸留カラムの底部におけるアウトプットとを含んでなる第2の蒸留カラムと
    を具備するデバイス、ならびに
    蒸留された天然バニリンを蒸発するための蒸発器
    を含むシステム
  29. 請求項11に記載の方法を実施するためのシステムであって、
    − 第1のデバイスに入る流れから超軽量物を分離するための第1のデバイスと、
    − 前記第1のデバイスから出る流れを、垂直分割型蒸留カラムのインプットに転送するための、前記第1のデバイスを前記垂直分割型蒸留カラムに接続するための手段と、
    − 軽量物、重量物および天然バニリンを分離するための垂直分割型蒸留カラムであって、前記第1のデバイスから生じる前記流れのインプットと、前記軽量物を含んでなる前記蒸留カラムの上部におけるアウトプットと、前記重量物を含んでなる前記蒸留カラムの底部におけるアウトプットと、副流を介しての前記天然バニリンの蒸気相もしくは液相排出のためのデバイス、またはそれぞれ、副流を介しての蒸気相および液相排出のための2つのデバイスとを含んでなる垂直分割型蒸留カラムと
    を具備するデバイス、ならびに
    蒸留された天然バニリンを蒸発するための蒸発器
    を含むシステム
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