JP6879959B2 - バニリンの製造方法 - Google Patents
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Description
[1]
粗バニリンと脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルとを含む溶液を蒸留し、バニリン溶液を得る工程(A)と、
前記バニリン溶液を貧溶媒晶析に供する工程(B)と、
を含む、バニリンの製造方法。
[2]
前記貧溶媒晶析において、炭化水素溶媒を用いる、[1]に記載のバニリンの製造方法。
[3]
前記脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルが、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル及びこれらの混合物からなる群より選択される、[1]又は[2]に記載のバニリンの製造方法。
[4]
前記炭化水素溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン及びこれらの混合物からなる群より選択される、[2]又は[3]に記載のバニリンの製造方法。
[5]
前記工程(B)における晶析母液から、前記脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと前記炭化水素溶媒とを分離する工程(C)と、
前記工程(C)で得られた脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル及び/又は炭化水素溶媒を再利用する工程(D)と、
をさらに含む、[2]〜[4]のいずれか1項に記載のバニリンの製造方法。
[6]
97.0質量%以上99.99質量%以下のバニリンと、
0.001質量%以上1質量%以下の脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと、
0.001質量%以上1質量%以下の炭化水素溶媒と、
を含む、組成物。
本実施形態に係るバニリンの製造方法は、粗バニリンと脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルとを含む溶液を蒸留し、バニリン溶液を得る工程(A)と、前記バニリン溶液を貧溶媒晶析に供する工程(B)と、を含む。本実施形態に係るバニリンの製造方法は、上記のように、所定の材料を用いた貧溶媒晶析を行うことにより、特殊な装置を使用することなく、工業的に十分な効率で、高純度のバニリン(以下、「精製バニリン」ともいう。)を得ることができる。
工程(A)では、粗バニリンと脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルとを含む溶液を調製し、当該溶液を蒸留することで、バニリン溶液を得る。工程(A)における蒸留により、粗バニリンに含まれるバニリンの2量体や3量体等の不純物が除去される。本実施形態における蒸留の方法としては、以下に限定されないが、単蒸留とすることができ、したがって特別な設備を要することなく所望とする不純物を除去することができる。蒸留に際しては、減圧下で行うことが好ましい。その際の圧力としては、用いる脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルに応じて適宜設定すればよく、好ましくは塔頂圧力で0.03〜1.5kPaであり、より好ましくは0.1〜0.5kPaである。また、蒸留に際しての温度も、用いる脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルに応じて適宜設定すればよく、好ましくは塔頂温度で75〜150℃であり、より好ましくは100〜125℃である。
参考までに、各種溶媒の25℃におけるバニリン溶解度及び溶媒−ヘプタン混合溶媒(1:1)のバニリン溶解度を次の表1に示す。
さらに、沸点差によってバニリンが蒸留中に過度に濃縮されて析出することを防止する観点から、バニリンより沸点の低い脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと、バニリンより沸点の高い脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルとの混合物を用いることも好ましい。
上記観点から脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルの使用量を調整する際、例えば、留出したバニリン溶液濃度/バニリン溶解度によって求められる過飽和度比を指標とすることができる。本実施形態では、25℃下での上記過飽和度比が1以上2以下であることが好ましく、より好ましくは1以上1.5以下である。上記過飽和度比の値は、使用する脂肪族ジカルボン酸ジルキルエステルの種類によって異なるが、マレイン酸ジブチルを例にすると、バニリン100質量部に対して342質量部(過飽和度比2)〜785質量部(過飽和度比1)を使用することが好ましく、より好ましくは490質量部(過飽和度比1.5)〜785質量部(過飽和度比1)となる。
工程(B)では、工程(A)で得られたバニリン溶液を貧溶媒晶析に供する。貧溶媒晶析は、所定の溶液(本実施形態においては、バニリン溶液である。)に対し、溶質(本実施形態においては、バニリンである。)の溶解度を下げるような他の溶媒(貧溶媒)を添加することにより、結晶を得る操作を意味する。貧溶媒晶析により、類縁物質等の不純物が更に除去されて純度が高まり、精製バニリンを得ることができる。本実施形態では、必要に応じ、さらにバニリン溶液の冷却を行うことで溶解度を下げ、バニリン結晶(精製バニリン)の収率をより高めることもできる。
参考までに、各種溶媒の25℃におけるマレイン酸ジブチル−溶媒(1:1)混合溶媒のバニリン溶解度を次の表2に示す。
工程(C)では、工程(B)における晶析母液から、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと炭化水素溶媒とを分離することにより、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと炭化水素溶媒を後続する工程(D)に供することができる。ここで、晶析母液は、工程(B)の貧溶媒晶析において析出する結晶以外の溶液部分を意味する。工程(C)における分離操作としては、以下に限定されないが、例えば、蒸留、溶媒を用いた分配抽出等が挙げられる。
工程(D)では、工程(C)で得られた脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル及び/又は炭化水素溶媒を再利用することにより、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと炭化水素溶媒を廃棄することなく再度工程(A)及び(B)に供することができる。工程(C)で得られた脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルは、工程(A)に供することができ、工程(C)で得られた炭化水素溶媒は、工程(B)に供することができる。工程(D)では、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルを工程(A)に再利用する操作あるいは炭化水素溶媒を工程(B)に再利用する操作を単独で行ってもよく、これらの操作の双方を行ってもよい。また、工程(D)において脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル及び/又は炭化水素溶媒を再利用する前に、これらに同伴する不純物を常法により除去する操作を行ってもよい。
本実施形態においては、少なくとも工程(A)及び(B)を実施することにより、あるいは必要に応じてさらに工程(C)及び(D)を実施することにより、精製バニリンを得ることができるが、より純度を向上させる観点から、さらに追加精製工程を実施してもよい。かかる追加精製工程としては、以下に限定されないが、例えば、精製バニリンを水又は含水アルコールに溶解させて得られる溶液を炭化水素溶媒で抽出することにより工程(A)に由来する不純物(脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル)を除去する工程と、さらに冷却晶析を行うことで工程(B)に由来する不純物(貧溶媒)を除去する工程と、を含むことができる。これらは種々公知の精製工程を適用して実施することもできる。
本実施形態に係る組成物は、97.0質量%以上99.99質量%以下のバニリンと、0.001質量%以上1質量%以下の脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと、0.001質量%以上1質量%以下の炭化水素溶媒と、を含む。上述した本実施形態に係るバニリンの製造方法を実施することで、本実施形態の組成物を好ましく得ることができる。
後述する実施例で使用した粗製バニリン及び得られた精製バニリン結晶の純度は、次のように測定した。すなわち、バニリン結晶を分析用グレードの酢酸エチルに溶解した後、ガスクロマトグラフィー(GC)により分析を行い、得られたクロマトグラムにおいて酢酸エチルに由来するピークを除いた全ピーク面積合計値に占めるバニリンのピーク面積値の割合を純度とした。分析条件については次の通りとした。
装置:Aligent GC6850N
カラム:HP−1(Agilent社製) 30m×0.25mm×0.25μm
キャリアガス:窒素、0.7mL/min
オーブン温度:100℃にて4min保持後、10℃/min昇温、300℃にて16min保持
注入口:300℃、スプリット比 100:1
検出器:FID検出器、300℃
容積100mLの二口フラスコ、温度計、蒸留ヘッド、リービッヒ冷却管及びパーキントライアングルを組み立てた蒸留装置に、調製した粗製バニリン(発酵により得られた培養液の抽出濃縮物;純度92.8%;分光測色計(日本電色工業株式会社製 SE7700)により測定した色彩値L*=67.8、a*=2.4、b*=43.2)10.0g、マレイン酸ジブチル50.0gを導入し、0.5kPaにて減圧蒸留を行った。前留画分(塔頂温度126℃以下)として1.2gを系外に排出した後、本留画分(塔頂温度126℃)として57.5gを得た。一方、蒸留残渣として褐色固体0.4gを得た。また、本留画分は25℃にて16時間静置しても結晶が析出しなかった。得られた本留画分56.7gを300mL丸底フラスコに移し、マグネチックスターラーにて撹拌しつつ温水浴により30℃に保持した。ここにn−ヘプタン15.0gを加えて30分撹拌し、結晶を析出させた。さらにn−ヘプタン45.0gを追加して30分間撹拌した後、氷浴に移して4℃に冷却し、その温度で1時間撹拌して結晶を完全に析出させた。このようにして得られた結晶を含むスラリーをブフナーろうとを用いてダイヤフラムポンプで吸引濾過して結晶と母液に分離し、さらに結晶をn−ヘプタン20.0gで2回リンスして母液を除去した後、減圧下に乾燥し、白色の精製バニリン結晶7.5gを得た。この精製バニリン結晶の純度は98.8%であり、残留溶媒としてn−ヘプタン0.6%、マレイン酸ジブチル0.2%を含有していた。得られた精製結晶を分光測色計により評価したところ、色彩値はL*=90.8、a*=−2.7、b*=7.6であった。
このように、本実施形態に係るバニリンの製造方法によれば、特殊な装置を使用することなく、工業的に十分な効率で、高純度かつ良好な性状の精製バニリン結晶が得られることが示された。
実施例1で得られた母液をGC分析したところ、その組成はn−ヘプタン88.6%、バニリン0.3%、マレイン酸ジブチル10.7%であった。容積300mLの四口フラスコ、温度計、蒸留ヘッド、リービッヒ冷却管及びパーキントライアングルを組み立てた蒸留装置に、この母液144.6gを導入し、1気圧下にて蒸留を行った。残渣温度が130℃になるまで留出を行い、留出液として回収n−ヘプタン83.1g(純度99.8%)及び残渣60.9g(GC組成:ヘプタン88.6%、バニリン0.3%、マレイン酸ジブチル10.7%)を得た。残渣を冷却した後、3.5kPaに減圧し、50℃に加熱して残存しているn−ヘプタンを留去(回収せず)し、回収マレイン酸ジブチル49.5g(純度93.2%,バニリン3.6%,残留n−ヘプタン0.6%)を得た。
このように、本実施形態における工程(C)を実施することで、多くのマレイン酸ジブチル及びn−ヘプタンを回収でき、再利用可能となることが示された。
精製バニリンの純度をより高めるべく、次の精製を実施した。まず、温度計を装着した容積100mLの二口フラスコに実施例1で得られた精製バニリン結晶7.3gを導入し、水7.3gとn−ヘプタン36.3gを加えて、65℃の水浴で加熱、30分間撹拌して、結晶を溶解し、結晶に含まれる不純物をn−ヘプタンへ抽出した。そのままの温度を保った状態でn−ヘプタン相を取り除いた。この水相に再びn−ヘプタン36.3gを加えて65℃の水浴で加熱、30分間撹拌してもう一度抽出を行った。得られた水相にエタノール7.3g及び水50.9gを加えて60℃に加熱した後、ゆっくりと5℃まで冷却し、その温度で1時間撹拌して結晶を完全に析出させた。このようにして得られた結晶を含むスラリーをブフナーろうとを用いてダイヤフラムポンプで吸引濾過して結晶と母液に分離し、さらに結晶を水3.0gで2回リンスして母液を除去した後、減圧下にデシケーターにて乾燥し、白色の精製バニリン結晶7.1gを得た。この精製結晶の純度は99.9%であり、残留溶媒としてn−ヘプタン0.02%、マレイン酸ジブチル0.005%を含有していた。色彩値はL*=94.7、a*=−1.7、b*=5.0であった。
このように、本実施形態に係るバニリンの製造方法において、精製工程を加えることにより、特殊な装置を使用することなく、工業的に十分な効率で、さらに高純度かつ良好な性状の精製バニリン結晶が得られることが示された。
容積200mLの四口フラスコ、温度計、蒸留ヘッド、リービッヒ冷却管及びパーキントライアングルを組み立てた蒸留装置に、実施例1で使用した粗製バニリン10.0g、アジピン酸ジブチル60.0gを導入し、0.1kPaにて減圧蒸留を行った。前留画分(塔頂温度104℃以下)として1.8gを系外に排出した後、本留画分(塔頂温度104℃)として66.9gを得た。一方、蒸留残渣として褐色固体0.7gを得た。また、本留画分は25℃にて16時間静置しても結晶が析出しなかった。得られた本留画分66.5gを300mL丸底フラスコに移し、マグネチックスターラーにて撹拌しつつ温水浴により30℃に保持した。ここにシクロヘキサン45.0gを加えて30分撹拌し、結晶を析出させた。さらにシクロヘキサン45.0gを追加して30分間撹拌した後、氷浴に移して4℃に冷却し、その温度で1時間撹拌して結晶を完全に析出させた。このようにして得られた結晶を含むスラリーをブフナーろうとを用いて、ダイヤフラムポンプで吸引濾過して結晶と母液に分離し、結晶をシクロヘキサン20.0gで2回リンスして母液を除去した後、減圧下に乾燥し、白色の精製バニリン結晶6.4gを得た。この精製バニリン結晶の純度は97.7%であり、残留溶媒としてシクロヘキサン0.4%、アジピン酸ジブチル1.9%を含有していた。得られた精製結晶を分光測色計により評価したところ、色彩値はL*=89.1、a*=−1.5、b*=2.3であった。
このように、脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル及び炭化水素溶媒の種類を変更した場合でも、特殊な装置を使用することなく、工業的に十分な効率で、さらに高純度かつ良好な性状の精製バニリン結晶が得られることが示された。
米国特許4,163,759号明細書の実施例3に従い、グリオキシル酸50質量%水溶液29.6g(0.20mol)とグアイアコール31.0g(0.25mol)を出発原料にバニリンを調製した。反応混合物のトルエン抽出液から減圧下に溶媒を除去して粗バニリンの赤褐色結晶22.4g(GC組成:トルエン3.3%、グアイアコール16.1%、バニリン80.5%、色彩値:L*=42.4、a*=−10.1、b*=19.6)を得た。
容積200mLの三口フラスコ、温度計、蒸留ヘッド、リービッヒ冷却管及びパーキントライアングルを組み立てた蒸留装置に、上記で得た粗バニリンとマレイン酸ジブチル(90.2g)を導入し、0.2kPaにて減圧蒸留を行った。留出物の分画は行わず、塔頂温度63〜111℃として淡黄色の留出液105.7gを得た。一方、蒸留残渣として褐色固体4.9gを得た。また、本留画分は25℃にて16時間静置しても結晶が析出しなかった。得られた本留画分全量を500mL丸底フラスコに移し、マグネチックスターラーにて撹拌しつつ温水浴により30℃に保持した。ここにn−ヘプタン27.0gを加えて30分撹拌し、結晶を析出させた。さらにn−ヘプタン81.0gを追加して30分間撹拌した後、氷浴に移して4℃に冷却し、その温度で1時間撹拌して結晶を完全に析出させた。このようにして得られた結晶を含むスラリーをブフナーろうとを用いてダイヤフラムポンプで吸引濾過して結晶と母液に分離し、さらに結晶をn−ヘプタン36.0gで2回リンスして母液を除去した後、減圧下に乾燥し、白色の精製バニリン結晶12.8gを得た。この精製結晶の純度は99.3%であり、不純物としてグアイアコール0.07%、残留溶媒としてn−ヘプタン0.1%、マレイン酸ジブチル0.4%を含有していた。得られた精製結晶を分光測色計により評価したところ、色彩値はL*=94.4、a*=−0.8、b*=1.6であった。
このように、本実施形態に係るバニリンの製造方法によれば、合成された粗バニリンを用いた場合でも、特殊な装置を使用することなく、工業的に十分な効率で、高純度かつ良好な性状の精製バニリン結晶が得られることが示された。
容積200mLの四口フラスコ、温度計、蒸留ヘッド、リービッヒ冷却管及びパーキントライアングルを組み立てた蒸留装置に、実施例1で使用した粗製バニリン10.0g、ジベンジルエーテル90.0gを導入し、0.1kPaにて減圧蒸留を行った。塔頂温度111℃にて留出が開始したが、初留液におけるバニリンが過飽和状態であったことに起因し、ただちにリービッヒ冷却管において結晶の析出が発生し、流路の閉塞により蒸留の続行が不可能となった。
容積100mLの二口フラスコ、温度計、蒸留ヘッド、リービッヒ冷却管及びパーキントライアングルを組み立てた蒸留装置に、実施例1で使用した粗製バニリン10.0g、フタル酸ジエチル50.0gを導入し、0.1kPaにて減圧蒸留を行った。前留画分(塔頂温度108℃以下)として1.2gをカットした後、本留画分(塔頂温度108℃)として57.8gを得た。また、蒸留残渣として褐色固体0.4gを得た。本留画分は25℃にて16時間静置しても結晶析出しなかった。得られた本留画分56.6gを300mL丸底フラスコに移し、マグネチックスターラーにて撹拌しつつ30℃に保持した。ここにn−ヘプタン100.0gを加えて晶析を試みたが、バニリンが存在することでフタル酸ジエチルへのn−ヘプタンの溶解度が低下したことに起因し、n−ヘプタンが相分離してしまい、バニリンを析出させることができなかった。
Claims (5)
- 粗バニリンと脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルとを含む溶液を蒸留し、バニリン溶液を得る工程(A)と、
前記バニリン溶液を貧溶媒晶析に供する工程(B)と、
を含み、
前記貧溶媒晶析において、炭化水素溶媒を用いる、バニリンの製造方法。 - 前記脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルが、マレイン酸ジブチル、コハク酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1に記載のバニリンの製造方法。
- 前記炭化水素溶媒が、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン及びこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1又は2に記載のバニリンの製造方法。
- 前記工程(B)における晶析母液から、前記脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと前記炭化水素溶媒とを分離する工程(C)と、
前記工程(C)で得られた脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステル及び/又は炭化水素溶媒を再利用する工程(D)と、
をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のバニリンの製造方法。 - 97.0質量%以上99.99質量%以下のバニリンと、
0.001質量%以上1質量%以下の脂肪族ジカルボン酸ジアルキルエステルと、
0.001質量%以上1質量%以下の炭化水素溶媒と、
を含む、組成物。
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