JPH05112488A - 10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸の製法 - Google Patents
10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸の製法Info
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- JPH05112488A JPH05112488A JP3300981A JP30098191A JPH05112488A JP H05112488 A JPH05112488 A JP H05112488A JP 3300981 A JP3300981 A JP 3300981A JP 30098191 A JP30098191 A JP 30098191A JP H05112488 A JPH05112488 A JP H05112488A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 生ローヤルゼリーから10−ヒドロキシ−δ−
2−デセン酸を簡単かつ安価に製造する。 【構成】 生ローヤルゼリーから10−ヒドロキシ−δ−
2−デセン酸を製造する方法において、原料として、生
ローヤルゼリーの商品化に当たって行われる異物除去操
作から排出される残渣を使用し、該残渣を水溶性有機溶
剤により抽出処理することを特徴とする、10−ヒドロキ
シ−δ−2−デセン酸の製法。
2−デセン酸を簡単かつ安価に製造する。 【構成】 生ローヤルゼリーから10−ヒドロキシ−δ−
2−デセン酸を製造する方法において、原料として、生
ローヤルゼリーの商品化に当たって行われる異物除去操
作から排出される残渣を使用し、該残渣を水溶性有機溶
剤により抽出処理することを特徴とする、10−ヒドロキ
シ−δ−2−デセン酸の製法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生ローヤルゼリーから
10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸を製造する方法に係
る。さらに詳述すれば、本発明は、生ローヤルゼリーの
商品化に当たって行われる異物除去操作から排出される
残渣から高回収率で10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸
を製造する方法に係る。
10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸を製造する方法に係
る。さらに詳述すれば、本発明は、生ローヤルゼリーの
商品化に当たって行われる異物除去操作から排出される
残渣から高回収率で10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸
を製造する方法に係る。
【0002】
【従来の技術】ミツバチ生産物であるローヤルゼリーは
女王蜂の分化を起こさせる王乳と呼ばれる物質であり、
薬用及び保健食品として注目されている。生ローヤルゼ
リーの滋養強壮効果は、古代ギリシャ、エジプト時代か
らヨーロッパ、その他の国々において認められており、
最近では、その生理活性について更年期障害、皮膚損
傷、神経系、消化器系など広汎は臨床例が報告されてい
る。一般に、ローヤルゼリーは品質の劣化が著しく、保
存が極めて困難である。たとえば、ローヤルゼリー中に
含有される脂質の酸化、糖質とアミノ酸との反応(アミ
ノカルボニル反応)、酵素反応などによって変質が生じ
易く、また鮮度の低下も極めて迅速である。このような
生ローヤルゼリーの商品化に際しては、養蜂家及び採取
業者によって集められた粗製の生ローヤルゼリーを初め
に約60メッシュ程度の振動式濾過装置などを介して濾過
して、混入している固状物(たとえば、小石、蜂の幼虫
の死骸等)を除去する。このようにして濾過された精製
生ローヤルゼリーを極低温で凍結することによって商品
化し、−20℃前後の温度に保って販売する。ところで、
この精製生ローヤルゼリーには、特徴として10−ヒドロ
キシ−δ−2−デセン酸が約2%前後含有されており、
かかる物質が生理活性物質として人の健康増進に役立つ
といわれている。上述のように品質の劣化、鮮度の低下
が著しい生ローヤルゼリーの品質安定の基準として、一
般に、ローヤルゼリー中における10−ヒドロキシ−δ−
2−デセン酸の含量が利用されている。従って、生ロー
ヤルゼリーの品質検査に当たっては、生ローヤルゼリー
中に含まれる10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸が定量
測定されるが、該測定のためには標準物質として純度99
%以上の10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸が必要であ
る。10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸は、各種の方法
により化学合成されることが知られている。このような
合成法としては、たとえば Frayら,TetrahedronLetter
s 4,15(1960);Smissmanら,J.Org.Chem.29,35
17(1964);Bestmannら,Ann.699,33(1966);J.Tsu
jiら,Bull.Chem.Soc.Japan 50,2507(1977);T.
Fujisawaら,Chem.Letters 1982,219;R.Chiron,
J.Chem.Ecol.8,709(1982)がある。さらに、10−
ヒドロキシ−δ−2−デセン酸は、生ローヤルゼリーを
原料としてエーテル抽出を利用する方法によっても製造
される[Adolf Butenandt及び Heinz Rembold,Bul.
308,284−289(1957)]。
女王蜂の分化を起こさせる王乳と呼ばれる物質であり、
薬用及び保健食品として注目されている。生ローヤルゼ
リーの滋養強壮効果は、古代ギリシャ、エジプト時代か
らヨーロッパ、その他の国々において認められており、
最近では、その生理活性について更年期障害、皮膚損
傷、神経系、消化器系など広汎は臨床例が報告されてい
る。一般に、ローヤルゼリーは品質の劣化が著しく、保
存が極めて困難である。たとえば、ローヤルゼリー中に
含有される脂質の酸化、糖質とアミノ酸との反応(アミ
ノカルボニル反応)、酵素反応などによって変質が生じ
易く、また鮮度の低下も極めて迅速である。このような
生ローヤルゼリーの商品化に際しては、養蜂家及び採取
業者によって集められた粗製の生ローヤルゼリーを初め
に約60メッシュ程度の振動式濾過装置などを介して濾過
して、混入している固状物(たとえば、小石、蜂の幼虫
の死骸等)を除去する。このようにして濾過された精製
生ローヤルゼリーを極低温で凍結することによって商品
化し、−20℃前後の温度に保って販売する。ところで、
この精製生ローヤルゼリーには、特徴として10−ヒドロ
キシ−δ−2−デセン酸が約2%前後含有されており、
かかる物質が生理活性物質として人の健康増進に役立つ
といわれている。上述のように品質の劣化、鮮度の低下
が著しい生ローヤルゼリーの品質安定の基準として、一
般に、ローヤルゼリー中における10−ヒドロキシ−δ−
2−デセン酸の含量が利用されている。従って、生ロー
ヤルゼリーの品質検査に当たっては、生ローヤルゼリー
中に含まれる10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸が定量
測定されるが、該測定のためには標準物質として純度99
%以上の10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸が必要であ
る。10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸は、各種の方法
により化学合成されることが知られている。このような
合成法としては、たとえば Frayら,TetrahedronLetter
s 4,15(1960);Smissmanら,J.Org.Chem.29,35
17(1964);Bestmannら,Ann.699,33(1966);J.Tsu
jiら,Bull.Chem.Soc.Japan 50,2507(1977);T.
Fujisawaら,Chem.Letters 1982,219;R.Chiron,
J.Chem.Ecol.8,709(1982)がある。さらに、10−
ヒドロキシ−δ−2−デセン酸は、生ローヤルゼリーを
原料としてエーテル抽出を利用する方法によっても製造
される[Adolf Butenandt及び Heinz Rembold,Bul.
308,284−289(1957)]。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く10−ヒドロ
キシ−δ−2−デセン酸は、各種の合成法又は生ローヤ
ルゼリーからの抽出精製によって製造されるが、これら
合成法は極めて煩雑であり、また生ローヤルゼリーから
の抽出精製では、原料として使用する生ローヤルゼリー
中における所望デセン酸の含量が低いため、生ローヤル
ゼリーを多量必要とし、製造コストが極めて高くなる。
キシ−δ−2−デセン酸は、各種の合成法又は生ローヤ
ルゼリーからの抽出精製によって製造されるが、これら
合成法は極めて煩雑であり、また生ローヤルゼリーから
の抽出精製では、原料として使用する生ローヤルゼリー
中における所望デセン酸の含量が低いため、生ローヤル
ゼリーを多量必要とし、製造コストが極めて高くなる。
【0004】
【課題を解決するための手段】ところで、上述したよう
に、生ローヤルゼリーの商品化に当たって行われる異物
除去操作では、フィルター上に、前述の固状物を含む極
めて粘稠な液状物が残る。液状物は、これまでは不要な
用途のない不純物として廃棄されていた。しかしなが
ら、この残渣中には、異物除去処理操作前の粗製生ロー
ヤルゼリーに含まれていた10−ヒドロキシ−δ−2−デ
セン酸の一部分が濃縮された状態で移行しているとの事
実を見出した。発明者らはかかる事実に注目し、このよ
うな残渣を原料とし、これを水溶性有機溶媒により抽出
処理することによって残渣中に含有される10−ヒドロキ
シ−δ−2−デセン酸のほぼ全量を比較的高い純度のも
のとして回収できることを見出し、本発明に至った。従
って、本発明は、生ローヤルゼリーから10−ヒドロキシ
−δ−2−デセン酸を製造する方法において、原料とし
て、生ローヤルゼリーの商品化に当たって行われる異物
除去操作から排出される残渣を使用し、該残渣を水溶性
有機溶剤により抽出処理することを特徴とする10−ヒド
ロキシ−δ−2−デセン酸の製法に係る。また、水溶性
有機溶剤による抽出前に、予め残渣を水洗し、残渣中に
存在する水可溶性成分を除去しておく場合には、水溶性
有機溶剤による抽出後における10−ヒドロキシ−δ−2
−デセン酸の精製処理工程を円滑に実施できる。
に、生ローヤルゼリーの商品化に当たって行われる異物
除去操作では、フィルター上に、前述の固状物を含む極
めて粘稠な液状物が残る。液状物は、これまでは不要な
用途のない不純物として廃棄されていた。しかしなが
ら、この残渣中には、異物除去処理操作前の粗製生ロー
ヤルゼリーに含まれていた10−ヒドロキシ−δ−2−デ
セン酸の一部分が濃縮された状態で移行しているとの事
実を見出した。発明者らはかかる事実に注目し、このよ
うな残渣を原料とし、これを水溶性有機溶媒により抽出
処理することによって残渣中に含有される10−ヒドロキ
シ−δ−2−デセン酸のほぼ全量を比較的高い純度のも
のとして回収できることを見出し、本発明に至った。従
って、本発明は、生ローヤルゼリーから10−ヒドロキシ
−δ−2−デセン酸を製造する方法において、原料とし
て、生ローヤルゼリーの商品化に当たって行われる異物
除去操作から排出される残渣を使用し、該残渣を水溶性
有機溶剤により抽出処理することを特徴とする10−ヒド
ロキシ−δ−2−デセン酸の製法に係る。また、水溶性
有機溶剤による抽出前に、予め残渣を水洗し、残渣中に
存在する水可溶性成分を除去しておく場合には、水溶性
有機溶剤による抽出後における10−ヒドロキシ−δ−2
−デセン酸の精製処理工程を円滑に実施できる。
【0005】
【作用】「生ローヤルゼリーの商品化に当たって行われ
る生ローヤルゼリーの異物除去操作から排出される残
渣」とは次のような残渣である。すなわち、生ローヤル
ゼリーの商品化に当たっては、まず異物除去操作が行わ
れる。この操作は、生ローヤルゼリーを約60メッシュの
振動式濾過装置などを介して濾過するものであり、この
際、フィルター上に残留する粘稠な液状の残渣をいう。
かかる粘稠な液状残渣は、小石、蜂の幼虫の死骸等の固
状物と共に、10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸及び10
−ヒドロキシデカン酸を、それぞれ約20ないし約30%及
び約6ないし約9%の量で含有している。このような液
状残渣を水溶性有機溶剤による抽出操作に供し、含有さ
れる10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸をほぼ100%の
回収率で抽出する。この残渣の抽出に使用される水溶性
有機溶剤としては、低級アルコールが使用でき、中でも
メタノール及びエタノールが好適である。抽出操作に当
たっては、上述の粘稠な液状残渣に水溶性有機溶剤を添
加して遠心分離法によって抽出液を分離し、かかる操作
を数回繰返し行い、抽出液を合わせ、溶剤を留去する。
その後、得られた蒸発残渣をエーテルに溶解し、常法に
従ってエーテル中での結晶化操作を繰返し行い、所望の
純度を有する結晶を得た後、乾燥させる。水溶性有機溶
剤による抽出の際、原料の残渣中に10−ヒドロキシデカ
ン酸も所望の10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸と同時
に抽出されてくる。この10−ヒドロキシデカン酸は10−
ヒドロキシ−δ−2−デセン酸と物性がよく似ており、
10−ヒドロキシデカン酸を分離除去することは非常に困
難である。しかしながら、本発明によればエーテルを使
用して抽出残渣の結晶化を行うことにより10−ヒドロキ
シ−δ−2−デセン酸を結晶として単離できる。これ
は、エーテル溶液中における両成分の結晶化速度の差を
利用したことによるものである。このようにして、本発
明によれば、最終的には約99%以上の純度を有する10−
ヒドロキシ−δ−2−デセン酸が得られる。
る生ローヤルゼリーの異物除去操作から排出される残
渣」とは次のような残渣である。すなわち、生ローヤル
ゼリーの商品化に当たっては、まず異物除去操作が行わ
れる。この操作は、生ローヤルゼリーを約60メッシュの
振動式濾過装置などを介して濾過するものであり、この
際、フィルター上に残留する粘稠な液状の残渣をいう。
かかる粘稠な液状残渣は、小石、蜂の幼虫の死骸等の固
状物と共に、10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸及び10
−ヒドロキシデカン酸を、それぞれ約20ないし約30%及
び約6ないし約9%の量で含有している。このような液
状残渣を水溶性有機溶剤による抽出操作に供し、含有さ
れる10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸をほぼ100%の
回収率で抽出する。この残渣の抽出に使用される水溶性
有機溶剤としては、低級アルコールが使用でき、中でも
メタノール及びエタノールが好適である。抽出操作に当
たっては、上述の粘稠な液状残渣に水溶性有機溶剤を添
加して遠心分離法によって抽出液を分離し、かかる操作
を数回繰返し行い、抽出液を合わせ、溶剤を留去する。
その後、得られた蒸発残渣をエーテルに溶解し、常法に
従ってエーテル中での結晶化操作を繰返し行い、所望の
純度を有する結晶を得た後、乾燥させる。水溶性有機溶
剤による抽出の際、原料の残渣中に10−ヒドロキシデカ
ン酸も所望の10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸と同時
に抽出されてくる。この10−ヒドロキシデカン酸は10−
ヒドロキシ−δ−2−デセン酸と物性がよく似ており、
10−ヒドロキシデカン酸を分離除去することは非常に困
難である。しかしながら、本発明によればエーテルを使
用して抽出残渣の結晶化を行うことにより10−ヒドロキ
シ−δ−2−デセン酸を結晶として単離できる。これ
は、エーテル溶液中における両成分の結晶化速度の差を
利用したことによるものである。このようにして、本発
明によれば、最終的には約99%以上の純度を有する10−
ヒドロキシ−δ−2−デセン酸が得られる。
【0006】
【実施例】次に、本発明による製造法の好適ないくつか
の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されな
い。 実施例1 凍結保管しておいた生ローヤルゼリー残渣を室温で解凍
し、その後、ホモジナイザーで均一混合した。得られた
粘稠な液状物50.10gをメチルアルコールによる抽出に供
した(各回100mlずつ、3回)。3つの抽出液を合わ
せ、減圧下でメチルアルコールを留去した。残留物にエ
ーテルを加えて溶解させ、得られたエーテル溶液を無水
硫酸ナトリウムで脱水後、25℃で暗所に一昼夜静置して
結晶化させた。析出してきた結晶を採取し、再度エーテ
ルに溶解させ、前記と同じ条件下で結晶化させ、その
後、かかる結晶化操作を数回繰返し行った。得られた最
終生成物の融点は63.5−65℃であり、NMRにより10−ヒ
ドロキシ−δ−2−デセン酸であることを確認した。各
結晶化操作後に得られた結晶の純度及び共存するデカン
酸の量の測定をガスクロマトグラフ法により実施した。
各結晶化操作後の10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸結
晶の純度(又は含量)、収量、回収率及び共存する10−
ヒドロキシデカン酸の含量を表1に示す。
の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されな
い。 実施例1 凍結保管しておいた生ローヤルゼリー残渣を室温で解凍
し、その後、ホモジナイザーで均一混合した。得られた
粘稠な液状物50.10gをメチルアルコールによる抽出に供
した(各回100mlずつ、3回)。3つの抽出液を合わ
せ、減圧下でメチルアルコールを留去した。残留物にエ
ーテルを加えて溶解させ、得られたエーテル溶液を無水
硫酸ナトリウムで脱水後、25℃で暗所に一昼夜静置して
結晶化させた。析出してきた結晶を採取し、再度エーテ
ルに溶解させ、前記と同じ条件下で結晶化させ、その
後、かかる結晶化操作を数回繰返し行った。得られた最
終生成物の融点は63.5−65℃であり、NMRにより10−ヒ
ドロキシ−δ−2−デセン酸であることを確認した。各
結晶化操作後に得られた結晶の純度及び共存するデカン
酸の量の測定をガスクロマトグラフ法により実施した。
各結晶化操作後の10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸結
晶の純度(又は含量)、収量、回収率及び共存する10−
ヒドロキシデカン酸の含量を表1に示す。
【表1】 10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸 デカン酸 純度(%) 収量(g) 回収率(%) 含量(%) 残 渣 27.2 50.10(使用量) − 8.1 アルコール抽出残渣 70.1 19.52 100.4 19.2 1回目結晶品 82.3 10.48 63.3 12.0 2回目結晶品 92.4 7.66 51.9 4.9 3回目結晶品 94.8 5.92 41.2 1.6 4回目結晶品 97.8 4.38 31.4 痕跡 最終結晶品 99.6 2.43 17.8 0 当然のことながら、得られる10−ヒドロキシ−δ−2−
デセン酸の用途に応じた純度が得られるように結晶化処
理の回数を選択できる。また、各回の結晶化工程で得ら
れる母液をエーテル結晶化工程等に再循環して利用する
ことにより、所望デセン酸の全体の回収率が上昇され
る。
デセン酸の用途に応じた純度が得られるように結晶化処
理の回数を選択できる。また、各回の結晶化工程で得ら
れる母液をエーテル結晶化工程等に再循環して利用する
ことにより、所望デセン酸の全体の回収率が上昇され
る。
【0007】実施例2 凍結保管しておいた生ローヤルゼリー残渣を適当量室温
で解凍後、ホモジナイザーで均一混合し、50.32gを秤り
取った。この粘稠な液状物質をエタノールによる抽出に
供した(各100mlずつ3回)。3つの抽出液を合わせ、
減圧下でエタノールを留去した。その後、蒸発残渣をエ
ーテルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、5℃で
暗所に一昼夜静置して結晶化させた。ついで、析出して
きた結晶を採取し、再度エーテルに溶解させ、今度は25
℃で暗所に一昼夜静置して結晶化し、その後は25℃での
結晶化操作を繰返し行った。各結晶化操作後の10−ヒ
ドロキシ−δ−2−デセン酸結晶の純度(又は含量)、
収量、回収率及び共存する10−ヒドロキシデカン酸の
含量を表2に示す。
で解凍後、ホモジナイザーで均一混合し、50.32gを秤り
取った。この粘稠な液状物質をエタノールによる抽出に
供した(各100mlずつ3回)。3つの抽出液を合わせ、
減圧下でエタノールを留去した。その後、蒸発残渣をエ
ーテルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、5℃で
暗所に一昼夜静置して結晶化させた。ついで、析出して
きた結晶を採取し、再度エーテルに溶解させ、今度は25
℃で暗所に一昼夜静置して結晶化し、その後は25℃での
結晶化操作を繰返し行った。各結晶化操作後の10−ヒ
ドロキシ−δ−2−デセン酸結晶の純度(又は含量)、
収量、回収率及び共存する10−ヒドロキシデカン酸の
含量を表2に示す。
【表2】 10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸 デカン酸 純度(%) 収量(g) 回収率(%) 含量(%) 残 渣 23.3 50.32(使用量) 100 6.1 エタノール抽出残留物 51.6 22.64 99.7 13.5 1回目結晶品 81.5 9.05 62.9 12.3 最終結晶品 99.2 2.03 17.2 0
【0008】実施例3 実施例1と同様に、室温で解凍後、均一混合処理した生
ローヤルゼリー残渣50.67gを蒸留水によって洗浄した
(各100mlずつ3回)。ついで、洗浄した残渣を減圧乾
燥させ、エタノールで抽出し(各100mlずつ3回)、抽
出液を合わせ、減圧下でエタノールを留去した。その後
は、実施例1と同様のエーテル中での結晶化による精製
操作に供した。各結晶化操作後の10−ヒドロキシ−δ−
2−デセン酸の純度(又は含量)、収量、回収率及び共
存する10−ヒドロキシデカン酸の含量を表3に示す。
ローヤルゼリー残渣50.67gを蒸留水によって洗浄した
(各100mlずつ3回)。ついで、洗浄した残渣を減圧乾
燥させ、エタノールで抽出し(各100mlずつ3回)、抽
出液を合わせ、減圧下でエタノールを留去した。その後
は、実施例1と同様のエーテル中での結晶化による精製
操作に供した。各結晶化操作後の10−ヒドロキシ−δ−
2−デセン酸の純度(又は含量)、収量、回収率及び共
存する10−ヒドロキシデカン酸の含量を表3に示す。
【表3】 10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸 デカン酸 純度(%) 収量(g) 回収率(%) 含量(%) 残 渣 23.3 50.67(使用量) 100 6.1 水洗浄残留物 30.5 37.54 96.9 7.9 1回目結晶品 81.2 8.94 61.5 12.4 最終結晶品 99.3 2.01 16.9 0
【0009】
【発明の効果】本発明によれば、従来は廃棄されていた
生ローヤルゼリーの異物除去処理からの粘稠な液状残渣
を原料として使用し、アルコールによって抽出し、さら
にエーテルによって再結晶することにより高純度の10−
ヒドロキシ−δ−2−デセン酸を製造することができ
る。従って、生ローヤルゼリー自体を原料とする場合と
比べて、はるかに安価に10−ヒドロキシ−δ−2−デセ
ン酸を製造でき、しかも各種の合成法とは異なり極めて
簡単かつ容易に10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸を製
造できる。
生ローヤルゼリーの異物除去処理からの粘稠な液状残渣
を原料として使用し、アルコールによって抽出し、さら
にエーテルによって再結晶することにより高純度の10−
ヒドロキシ−δ−2−デセン酸を製造することができ
る。従って、生ローヤルゼリー自体を原料とする場合と
比べて、はるかに安価に10−ヒドロキシ−δ−2−デセ
ン酸を製造でき、しかも各種の合成法とは異なり極めて
簡単かつ容易に10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸を製
造できる。
Claims (1)
- 【請求項1】生ローヤルゼリーから10−ヒドロキシ−δ
−2−デセン酸を製造する方法において、原料として、
生ローヤルゼリーの商品化に当たって行われる異物除去
操作から排出される残渣を使用し、該残渣を水溶性有機
溶剤により抽出処理することを特徴とする、10−ヒドロ
キシ−δ−2−デセン酸の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3300981A JPH0694434B2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3300981A JPH0694434B2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸の製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05112488A true JPH05112488A (ja) | 1993-05-07 |
JPH0694434B2 JPH0694434B2 (ja) | 1994-11-24 |
Family
ID=17891399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3300981A Expired - Fee Related JPH0694434B2 (ja) | 1991-10-21 | 1991-10-21 | 10−ヒドロキシ−δ−2−デセン酸の製法 |
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