JP6576820B2 - 作業機械の旋回フレームの設計方法 - Google Patents
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Description
固定されていない状態の縦板3のみの撓み量が例えば1.1δFになっている場合を想定する。そのとき、力線Lに沿って発生している主応力が σnとすると、このσnを10%減らすことで縦板3の撓み量が10%低減する。ここで、縦板3に固定される補強部6の形状を決定するためには、力線Lに沿って設けられる補強部6の幅を例えばWとすると、縦板3の力線Lに沿う部分の幅Wの部分の断面積Aに対して、縦板3と補強部6の断面積の総和を断面積Aの1.1倍になるように設定する(例えば、縦板3の厚さに対して0.1倍の厚さを有する補強板6を取り付けたり、または、当該補強板6を縦板3と一体形成する)。これにより、縦板3の力線Lに沿って発生する主応力を10%低減することが可能となる。ただし、縦板3に対しては曲げによる荷重によって主応力が発生しているため、曲げによる応力を低減するために断面2次モーメントを10%向上させる必要がある。これらの、断面積、断面2次モーメントを考慮して、補強部6の幅や形状を決定することが可能である。図1の力線Lで考えた場合、力線Lに直交する断面Bでは主応力低減のための断面積を考慮し、縦板3における垂直方向の断面Aでは曲げ荷重によって断面Aにおいて発生する曲げモーメントによる曲げ応力低減のために断面2次モーメント(すなわち断面係数)を考慮する必要がある。
本実施形態の旋回フレーム1の設計方法では、縦板3における補強部6の位置を決める基準となる力線Lを、以下のように旋回フレーム1の応力解析によって決定する。
2 底板
2a 被拘束部分
3 縦板
3a テーパ部分
3b 支持部分
3c 境界部
4 カウンターウェイト取付け部
6 補強部
6a〜6e 帯状部分
B 旋回ベアリング
CW カウンターウェイト
E エンジン
L 力線
P 交差位置
Claims (6)
- 下部走行体の上部に旋回ベアリングを介して旋回自在に取り付けられた作業機械の旋回フレームであって、前記旋回フレームの底部を構成する底板であって、当該底板の前側の部分において、前記旋回ベアリングに固定されることによって当該旋回ベアリングに拘束される被拘束部分を有する底板と、前記底板の前後方向に延びるように当該底板に立設された一対の縦板と、前記縦板の後端部に連結され、カウンターウェイトが取り付け可能な形状を有する一対のカウンターウェイト取付け部と、前記縦板を補強する補強部とを備えた旋回フレームの設計方法であって、
前記補強部を、前記縦板において、前記一対のカウンターウェイト取付け部に取り付けられる前記カウンターウェイトによって前記一対の縦板に与えられる荷重によって前記縦板の内部に生じる主応力に基づいて求められた線状の力線の少なくとも一部に沿う位置に、配置する工程を含んでおり、
前記工程では、前記線状の力線を、前記縦板と前記旋回ベアリングとの垂直方向における交差位置、前記カウンターウェイトの重心位置、および前記カウンターウェイトが前記カウンターウェイト取付け部に締結される締結位置が設定された状態で、前記カウンターウェイトの重心位置に荷重を与えるという条件をコンピュータに与えることによって、前記旋回フレームの応力解析を行い、ついで、応力解析結果の総和から前記縦板に発生するひずみエネルギー分布と主応力ベクトル線図を求め、前記主応力ベクトル線図に基づいて前記力線の角度を決定し、さらに、前記ひずみエネルギー分布に基づいて前記ひずみエネルギーが高い箇所を前記力線の始点あるいは終点として設定することによって、求める、
作業機械の旋回フレームの設計方法。 - 請求項1に記載の作業機械の旋回フレームの設計方法であって、当該方法により設計されている前記旋回フレームでは、
前記一対の縦板は、それぞれ、前方から後方へ向かうにつれて低くなる上面を有するテーパ部分を有しており、
前記補強部は、前記テーパ部分において、前記力線のうち、前記底板の前記被拘束部分を拘束する前記旋回ベアリングと前記テーパ部分とが垂直方向において交差する交差位置から前記テーパ部分の前記上面へ延びる部分に沿って設けられた部分を含む、
作業機械の旋回フレームの設計方法。 - 請求項1または2に記載の作業機械の旋回フレームの設計方法であって、当該方法により設計されている前記旋回フレームでは、
前記補強部は、前記力線のうちの前記縦板の前記後端部と前記カウンターウェイト取付け部との連結部分の上端から前記縦板の下面へ延びる部分に沿って設けられた部分を含む、
作業機械の旋回フレームの設計方法。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の作業機械の旋回フレームの設計方法であって、当該方法により設計されている前記旋回フレームでは、
前記一対の縦板は、それぞれ、前方から後方へ向かうにつれて低くなる上面を有するテーパ部分と、当該テーパ部分の後端から後方へ前記テーパ部分の前記上面の傾斜角度よりも小さい傾斜角度で延びる上面を有し、エンジンを下方から支持することが可能な高さを有する支持部分と、を有しており、
前記カウンターウェイト取付け部は、前記支持部分の後端部に連結され、
前記補強部は、前記力線のうちの前記テーパ部分の前記上面と前記支持部分の前記上面との境界部から前記縦板の下面へ延びる部分に沿って設けられた部分を有する、
作業機械の旋回フレームの設計方法。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の作業機械の旋回フレームの設計方法であって、当該方法により設計されている前記旋回フレームでは、
前記補強部は、前記縦板に対して前記力線に沿って固定された長尺の部材で構成される、
作業機械の旋回フレームの設計方法。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の作業機械の旋回フレームの設計方法であって、当該方法により設計されている前記旋回フレームでは、
前記補強部は、前記縦板と一体形成され、当該縦板の側面から突出したものである、
作業機械の旋回フレームの設計方法。
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