JP6576745B2 - 密封装置及びこれに用いるキャンセルプレートの製造方法 - Google Patents
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Description
図1は、実施形態に係るキャンセルプレートを有する密封装置の断面図である。
図1において、動力伝達機構1は、遊星ギヤセット等の変速機構(図示せず)に対する動力の伝達を断続するための多板クラッチ(クラッチ部材)Cと、この多板クラッチCを作動させるためのクラッチピストンとしての機能を備えた密封装置2と、これらを内部に収納しているハウジング20とを備えている。
また、金属環11は、シリンダ部21の底壁21bに対向している環状部11aと、環状部11aの内周縁からシリンダ部21の内周壁21cに沿って軸方向一方側に延びる内円筒部11bと、環状部11aの外周縁からシリンダ部21の外周壁21aに沿って軸方向一方側に延びる外円筒部11cと、この外円筒部11cの軸方向一端部から径方向外方に延びるフランジ部11dとを備えている。
第1シール部材14は、合成ゴム等の弾性部材を用いて環状部11aの第1油室R1側の側面の径方向外端部に加硫接着されている。また、第1シール部材14は、外周壁21aの内周面に摺接する外周側シールリップ14bとを有している。
第1シール部材14及び第2シール部材17は、ボンデッドピストンシール10とシリンダ部21との間を密封することで、第1油室R1を密封している。
ボンデッドピストンシール10は、第1油室R1に供給された作動油の油圧によってシリンダ部21内を軸方向一方側(図1における左側)に移動し、フランジ部11dの押圧面11eで多板クラッチCを押圧する。
大径環状部18aの外周端部には、ボンデッドピストンシール10との間を密封する環状の第3シール部材16が固着されている。第3シール部材16は、ゴム等の弾性材料からなり、大径環状部12aの外周端部に接着されている。第3シール部材16は、図2に示すように、大径環状部12aの外周端を覆うように設けられた基部16bと、この基部16bから外周側へ延びることでボンデッドピストンシール10の外円筒部11cの内周面に摺接するシールリップ16aを有している。第3シール部材16は、キャンセルプレート12とボンデッドピストンシール10との間をシールすることで、第2油室R2を密封している。
図1及び図2に示すように、キャンセルプレート12の環状部材18における円筒部18cの内周面には、ガイド部材19が設けられている。このガイド部材19は、ゴム等の弾性材料からなり、円筒部18cの内周面に接着されている。ガイド部材19は、円筒部18cの内周面に沿って周方向に複数個形成されている。各ガイド部材19は、略円弧形状に形成され、円筒部18cの内周面から径方向内方へ向けて突出している。隣接するガイド部材19の間には、径方向外方へ向けて円弧状に凹む凹状部26が形成されている。リターンスプリング13は、隣接するガイド部材19の間の凹状部26に配置され、そのコイル外周の約半分の領域がガイド部材19によってガイドされている。
例えば、上記実施形態では、ガイド部材19と第3シール部材16とが一体成形されていたが、別体で成形することが可能である。この場合、環状部材18とともにガイド部材19及び第3シール部材16を成形するためのゴム素材をそれぞれ金型に装填し、ガイド部材19及び第3シール部材16をそれぞれ環状部材18に加硫接着してもよい。ただし、ガイド部材19と第3シール部材16とを一体成形することによってよりキャンセルプレート12の製造を容易に行うことができる。
上記実施形態のガイド部材19は円弧状に形成されていたが、リターンスプリング13をガイドできる限り特に形状が限定されるものではない。また、ガイド部材19の数は、リターンスプリング13の数に応じて適宜変更することができる。
Claims (2)
- 流体圧力により軸方向一方側へ移動して多板クラッチを押圧する環状のピストンシールと、
前記ピストンシールの軸線方向一方側に当該ピストンシールと同軸心状に配置された環状のキャンセルプレートと、
前記ピストンシールと、前記キャンセルプレートとの間に配置され、両者を離反する方向に付勢するリターンスプリングと、を備え、
前記キャンセルプレートは、
前記ピストンシールと対向する金属製の環状部材と、
前記環状部材に接着され、前記リターンスプリングをガイドする弾性材料製のガイド部材と、
前記環状部材と前記ピストンシールとの間をシールするために前記環状部材の外周端部に接着され、かつ前記ガイド部材と一体成形品であるシール部材と、を有している、密封装置。 - 流体圧力により軸方向一方側へ移動して多板クラッチを押圧する環状のピストンシールの軸線方向一方側にリターンスプリングを介して配置されるキャンセルプレートの製造方法であって、
前記キャンセルプレートは、前記ピストンシールと対向する金属製の環状部材と、前記環状部材と前記ピストンシールとの間をシールするために前記環状部材の外周端部に設けられた弾性材料製のシール部材と、前記リターンスプリングをガイドする弾性材料製のガイド部材とを備えており、
前記環状部材と未加硫のゴム素材とを金型内に配置し、前記ゴム素材を加熱及び加圧することによって前記シール部材と前記ガイド部材とを一体に加硫成形するとともに前記環状部材に加硫接着することを特徴とするキャンセルプレートの製造方法。
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JP2015169314A JP6576745B2 (ja) | 2015-08-28 | 2015-08-28 | 密封装置及びこれに用いるキャンセルプレートの製造方法 |
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