JP6575047B2 - ヨウ素末端ポリマー及びその製造方法、並びにブロックコポリマー及びその製造方法 - Google Patents

ヨウ素末端ポリマー及びその製造方法、並びにブロックコポリマー及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、ヨウ素末端ポリマーと、このヨウ素末端ポリマーをリビングラジカル重合により製造する方法に関する。本発明はまた、このヨウ素末端ポリマーから製造されるブロックコポリマー及びその製造方法に関する。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを単独重合又は共重合して得られる(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、高分子分散剤、塗料、バインダー、粘着剤など、様々な分野で使用されている。従来、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは一般的なラジカル重合法により製造されているが、この方法では、成長ラジカル同士の再結合、不均化反応などの停止反応が起こるため、得られるポリマーの分子量分布(Mw/Mn)を制御することは困難であった。さらには重合中にポリマー末端のラジカルが失活してしまうため、重合を行なった後、他のモノマーを添加して重合してもブロックポリマーとすることはできなかった。
このような問題を解決する方法として、リビングラジカル重合法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。リビングラジカル重合法は、成長ラジカルを可逆的に安定なドーマント種に導くことを特徴とする重合方法であり、分子量を制御することが容易であり、かつ分子量分布の狭いポリマーを得ることが可能である。具体的には、Mw/Mnが2以下の分子量分布の狭いポリマーを容易に得ることが可能であることから、ナノテクノロジーなどの最先端分野に用いられるポリマーを製造する方法として脚光を浴びている。
特に非特許文献1及び非特許文献2には、ドーマント種にヨウ素を用いるリビングラジカル重合法では比較的入手が容易な重合開始剤、触媒を原料として用いることができ、工業的にも簡易な工程でブロックポリマーを得ることができることが記載されている。
特開2010−134456号公報 特開2012−62449号公報 国際公開第2010/016523号
Journal of The American Chemical Society,135,11131−11139(2013) 平成25年度 東海シンポジウム予稿集(高分子学会東海支部)
本発明者らの詳細な検討によれば、従来のリビングラジカル重合法で得られるポリマーは、熱に対する安定性に問題があり、特にヨウ素をドーマント種とする重合法で得られるポリマーは熱だけではなく光に対する安定性にも問題があり、製造時の取り扱いにおいて厳密に遮光環境を確保しなければならないという問題があった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、光安定性に優れたヨウ素末端ポリマーと、このヨウ素末端ポリマーを用いたブロックコポリマーを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、メタクリル酸エステル系ポリマーの末端にアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素原子が結合した構造のヨウ素末端ポリマーが光安定性に優れること、このヨウ素末端ポリマーはリビングラジカル重合の重合条件を制御することにより得ることができること、また、このヨウ素末端ポリマーは高分子開始剤として機能し、このヨウ素末端ポリマーに更に(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合させることにより、所望のポリメタクリル酸エステルブロックとポリ(メタ)アクリル酸エステルブロックとを有するブロックコポリマーを得ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づいて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] メタクリル酸エステル系ポリマーの少なくとも一つの末端に、アクリル酸エステル系モノマーに由来する1単位の構造単位を介してヨウ素原子が結合した構造を有するヨウ素末端ポリマー。
[2] 数平均分子量が800〜150,000である、[1]に記載のヨウ素末端ポリマー。
[3] 前記メタクリル酸エステル系ポリマーが、少なくとも下記式(I)で表される化合物に由来する構造単位を含む、[1]又は[2]に記載のヨウ素末端ポリマー。
CH=C(CH)−C(O)O−R (I)
(上記式(I)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコキシシリル基を有していてもよい。)
[4] 前記アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位として、少なくとも下記式(II)で表される化合物に由来する構造単位を含む、[1]乃至[3]のいずれかに記載のヨウ素末端ポリマー。
CH=CH−C(O)O−R (II)
(上記式(II)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコキシシリル基を有していてもよい。)
[5] 分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下である、[1]乃至[4]のいずれかに記載のヨウ素末端ポリマー。
[6] [1]乃至[5]のいずれかに記載のヨウ素末端ポリマーの製造方法であって、ヨウ素の存在下、メタクリル酸エステル系モノマーを重合し、次いで、アクリル酸エステル系モノマーを反応させる、ヨウ素末端ポリマーの製造方法。
[7] メタクリル酸エステル系モノマーの重合を50〜90℃で行う、[6]に記載のヨウ素末端ポリマーの製造方法。
[8] メタクリル酸エステル系ポリマーに、アクリル酸エステル系モノマーを50〜90℃で反応させる、[6]又は[7]に記載のヨウ素末端ポリマーの製造方法。
[9] メタクリル酸エステル系重合体ブロックと(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックとを有し、これらの重合体ブロックがアクリル酸エステル系モノマーに由来する1単位の構造単位を介して結合した構造を有するブロックコポリマー。
[10] 数平均分子量が2,000〜200,000である、[9]に記載のブロックコポリマー。
[11] 前記メタクリル酸エステル系重合体ブロックが、少なくとも下記式(I)で表される化合物に由来する構造単位を含む、[9]又は[10]に記載のブロックコポリマー。
CH=C(CH)−C(O)O−R (I)
(上記式(I)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコキシシリル基を有していてもよい。)
[12] 前記アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位として、下記式(II)で表される化合物に由来する構造単位を含む、[9]乃至[11]いずれかに記載のブロックコポリマー。
CH=CH−C(O)O−R (II)
(上記式(II)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコキシシリル基を有していてもよい。)
[13] [9]乃至[12]のいずれかに記載のブロックコポリマーの製造方法であって、ヨウ素の存在下、メタクリル酸エステル系モノマーを重合し、次いで、アクリル酸エステル系モノマーを反応させることによりヨウ素末端ポリマーを製造し、該ヨウ素末端ポリマーに(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合させる、ブロックコポリマーの製造方法。
本発明によれば、光安定性に優れたメタクリル酸エステル系ヨウ素末端ポリマーと、このヨウ素末端ポリマーを用いて所望の構造のポリメタクリル酸エステルブロックとポリ(メタ)アクリル酸エステルブロックとを有するブロックコポリマーが提供される。
本発明のヨウ素末端ポリマー及びブロックコポリマーは、分子量制御が容易で、分子量分布が狭いという長所も兼ね備える。
従って、本発明のヨウ素末端ポリマー及びブロックコポリマーは、自動車材料、工業用品、医療材料、履物、スポーツ用品、玩具、電線被覆材、建設・土木資材、樹脂改質などに用いられる熱可塑性エラストマー、レジスト、有機電界発光素子、接着剤、ポリマーアロイ、各種フィラー添加剤、潤滑剤、界面活性剤、塗料、インク、包装材、薬剤、化粧品、整髪料、シーリング剤、可塑剤、タッキファイヤー、コート剤などの原材料として工業的に極めて有用である。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
なお、本明細書において、「………に由来する構造単位」とは、ポリマーの製造原料として用いられたモノマーが、その単独重合又は共重合により得られたポリマー中で、ポリマーを構成する繰り返し単位として存在する一単位を表す。また、本明細書において、各種の官能基の炭素数は、当該官能基が置換基を有する場合、その置換基も含めた全体の炭素数を示し、また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の一方又は双方をさす。
[ヨウ素末端ポリマー]
本発明のヨウ素末端ポリマーは、メタクリル酸エステル系ポリマー(以下、「主幹ポリマー」と称す場合がある。)の少なくとも一方の末端に、アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素が結合した構造を有することを特徴とするものである。なお、本発明において、「メタクリル酸エステル系ポリマー」とは、メタクリル酸エステル系モノマーに由来する構成単位からなるポリマーであり、「メタクリル酸エステル系モノマー」とは、メタクリロイル基を有するモノマーの総称である。また、「アクリル酸エステル系モノマー」とは、アクリロイル基を有するモノマー(メタクリロイル基を有するモノマー等、アクリロイル基のC=Cの炭素原子に炭素原子が結合したものを除く。)の総称である。
本発明のヨウ素末端ポリマーは光安定性に優れるという効果を奏する。これは、末端の構造が、アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位−ヨウ素であると、該構造単位のアクリル酸エステルのα位炭素はメタクリル酸エステルのα位炭素よりも立体障害が小さいためにアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位−ヨウ素の末端構造の安定性が高いためであると推定される。
本発明のヨウ素末端ポリマーは、好ましくは、後述の本発明のヨウ素末端ポリマーの製造方法に従って、リビングラジカル重合により製造され、その製造方法としては主幹ポリマーを形成するメタクリル酸エステル系モノマーと、末端構造を形成する少量のアクリル酸エステル系モノマーを重合時に一括で仕込んでから重合してもよく、あらかじめ主幹ポリマーを形成するメタクリル酸エステル系モノマーを重合した後に、得られた主幹ポリマーであるメタクリル酸エステル系ポリマーに対して、更にアクリル酸エステル系モノマーを反応させてもよいが、分子量制御の点から好ましくは後者の方法で製造される。
また、本発明のヨウ素末端ポリマーは通常のラジカル重合反応と同様、加熱により製造することができるが、所定のエネルギーに対応する波長の光を照射して重合反応を生起させることも可能である。光を照射して重合を進める場合には、後述の反応温度よりも低い温度で重合することが可能である。
このようにして製造される本発明のヨウ素末端ポリマーは、通常、主幹ポリマーであるメタクリル酸エステル系ポリマーの両端のうちの一方の末端にのみ、アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素が結合したものとなるが、両末端にアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素原子が結合した構造のものであってもよい。また、メタクリル酸エステル系ポリマーの末端において、ヨウ素とメタクリル酸エステル系ポリマーとの連結部となるアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位の数は、通常1単位であるが、2単位以上のアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介するものであってもよい。
本発明のヨウ素末端ポリマーの分子量は特に制限はないが、工業的な各種用途への汎用性の面で、数平均分子量(Mn)が800以上であることが好ましく、2,000以上であることがより好ましく、3,000以上であることがさらに好ましく、4,000以上であることが最も好ましい。また、150,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることがさらに好ましく、10,000以下であることが最も好ましい。
本発明のヨウ素末端ポリマーの分子量は後述のリビングラジカル重合の条件により制御することができる。具体的には、モノマー、重合開始剤および触媒の濃度、反応温度、反応時間等により制御することができ、モノマー濃度を高く、開始剤濃度を低く、反応温度を高く、反応時間を長くすると高分子量となる傾向にある。
後述のリビングラジカル重合によれば、このような分子量の制御が容易であり、また、分子量分布(Mw/Mn)の狭いポリマーを製造することができる。本発明のヨウ素末端ポリマーは、分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であることが好ましく、特に1.6以下であることが好ましい。一方、本発明のヨウ素末端ポリマーの分子量分布は通常、1.0より大である。
なお、ポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
本発明のヨウ素末端ポリマーの主幹ポリマーとなるメタクリル酸エステル系ポリマーは、少なくとも下記式(I)で表される化合物(以下「メタクリル酸エステル(I)と称す場合がある。)に由来する構造単位を含むことが好ましい。
CH=C(CH)−C(O)O−R (I)
(上記式(I)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコキシシリル基を有していてもよい。)
上記式(I)式におけるRとしては、特に炭素数1〜18の、置換基としてエポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよいアルキル基が好ましく、とりわけ炭素数1〜6の、置換基としてエポキシ基、水酸基、炭素数1〜2のアルコキシ基を有していてもよいアルキル基が好ましく、炭素数1〜6の、置換基としてエポキシ基を有していてもよいアルキル基が更に好ましい。
メタクリル酸エステル(I)の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)ブチルメタクリレート、2−イソシアノエチルメタクリレート、2−(アセトアセトキシ)エチルメタクリレート、炭素数1〜18のパーフルオロアルキルを有するパーフルオロエチルメタクリレート、2−(リン酸)エチルメタクリレート(2−(Methacryloyloxy)ethyl phosphate)、トリアルコキシシリルプロピルメタクリレート、ジアルコキシメチルシリルプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールメタクリレート等が挙げられる。
これらのうち、工業的に入手が容易である点と重合後に他の化合物との反応性を有する点において、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート等が好ましく、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等がより好ましく、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートが更に好ましい。
メタクリル酸エステル系ポリマーには、1種類のメタクリル酸エステル(I)に由来する構造単位が含まれていてもよく、2種以上のメタクリル酸エステル(I)に由来する構造単位が含まれていてもよい。2種以上のメタクリル酸エステル(I)に由来する構造単位が含まれている場合、通常、メタクリル酸エステル系ポリマーはランダムコポリマーとなる。
また、本発明において、主幹ポリマーのメタクリル酸エステル系ポリマーとヨウ素とを連結するアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位は、少なくとも下記式(II)で表される化合物(以下「アクリル酸エステル(II)」と称す場合がある。)に由来する構造単位を含むことが好ましい。
CH=CH−C(O)O−R (II)
(上記式(II)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコキシシリル基を有していてもよい。)
上記式(II)式におけるRとしては、特に炭素数1〜18の、置換基としてエポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよいアルキル基が好ましく、とりわけ炭素数1〜6の、置換基としてエポキシ基、水酸基、炭素数1〜2のアルコキシ基を有していてもよいアルキル基が好ましく、炭素数1〜6の、置換基としてエポキシ基を有していてもよいアルキル基が更に好ましい。
アクリル酸エステル(II)の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ノニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシテトラエチレングリコールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)ブチルアクリレート、2−イソシアノエチルアクリレート、2−(アセトアセトキシ)エチルアクリレート、炭素数1〜18のパーフルオロアルキルを有するパーフルオロエチルアクリレート、2−(リン酸)エチルアクリレート(2−(アクリロイルオキシ)エチルフォスフェート)、トリアルコキシシリルプロピルアクリレート、ジアルコキシメチルシリルプロピルアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリテトラメチレングリコールアクリレート等が挙げられる。
これらのうち、工業的に入手が容易であり、製造時に取扱いが容易で安全である点において、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等が好ましく、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等がより好ましく、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクタデシルアクリレートが更に好ましい。
なお、本発明のヨウ素末端ポリマーは、通常、1つのアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を含むが、2以上のアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を含む場合、これらは同種のアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位であっても異なるアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位であってもよい。
[ヨウ素末端ポリマーの製造方法]
本発明のヨウ素末端ポリマーは、通常、リビングラジカル重合のポリマー末端の成長ラジカルの保護基となるヨウ素の存在下、メタクリル酸エステル系モノマーを重合して主幹ポリマーとなるメタクリル酸エステル系ポリマーを製造し、次いでこのメタクリル酸エステル系ポリマーにアクリル酸エステル系モノマーを反応させる、本発明のヨウ素末端ポリマーの製造方法により製造される。ただし、本発明のヨウ素末端ポリマーは、前述の本発明のヨウ素末端ポリマーの特徴的な末端構造が得られる方法であれば、その製造方法は特に限定されない。
メタクリル酸エステル系ポリマーの製造に用いるメタクリル酸エステル系モノマーとしては、好ましくは、前述のメタクリル酸エステル(I)の1種又は2種以上を用いることができる。また、アクリル酸エステル系モノマーとしては、好ましくは、前述のアクリル酸エステル(II)の1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のヨウ素末端ポリマーは、好ましくは、ヨウ素と、ラジカル重合開始剤(以下、単に「開始剤」と称す場合がある。)と、触媒の存在下に、溶媒中でメタクリル酸エステル系モノマーを重合させた後、反応系にアクリル酸エステル系モノマーを混合して反応させることにより製造される。
<ヨウ素>
ヨウ素は、重合開始剤に対して0.05〜5モル当量、特に0.3〜1モル当量用いることが好ましい。ヨウ素の使用量が上記下限より多いと、未反応の重合開始剤や重合開始剤が乖離して再結合した副反応物が多量に生成せず、またヨウ素の使用量が上記上限より少ないと重合速度が遅くならないため、所望の分子量の重合体を得るために重合時間が過度に長くならず好ましい。
<触媒>
触媒は、ヨウ素又はポリマー末端のヨウ素を引き抜いてリビングラジカル重合を進行させる機能を奏するものであり、通常、テトラブチルアンモニウムヨージド、エチルメチルイミダゾリウムヨージド等の第四級アンモニウムヨージド、トリブチルスルホニウムヨージド等のスルホニウムヨウージド、ジフェニルヨードニウムヨージド等のヨードニウムヨージド、トリブチルメチルホスホニウムヨージド等のホスホニウムヨージド、テトラキス(ジメチルアミノ)エチレン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルジアミノメタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン等のアミン類を用いることができる。
これらの触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
触媒は、所望の重合度や重合時間に合わせて使用すればその割合は特に限定されないが、通常、重合開始剤に対して0.05モル当量以上の割合で使用され、好ましくは0.3モル当量以上、より好ましくは0.5モル当量以上の割合で使用される。また通常、重合開始剤に対して5モル当量以下の割合で使用され、好ましくは3モル当量以下、より好ましくは2モル当量以下の割合で使用される。触媒の使用量が上記下限より多いと重合速度が低くなりすぎないため、重合時間が長くならず、所定の重合時間で所望の分子量の重合体を得ることが容易となり、また上記上限より少ないと重合速度が速くなりすぎず、分子量分布を狭くでき、さらに末端にヨウ素が結合していない重合体の生成を抑えることができることから好ましい。
<重合開始剤>
ヨウ素末端ポリマーの重合に用いる重合開始剤としては、従来公知のものが使用され、特に限定されず、通常用いられている有機過酸化物やアゾ化合物を使用することができる。具体例としては、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーキシド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシル−3,3−イソプロピルヒドロパーオキシド、t−ブチルヒドロパーオキシド、ジクミルヒドロパーオキシド、アセチルパーオキシド、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキシド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(イソブチレート)などが挙げられる。重合開始剤としては、ヨウ素と結合した後の安定性の点からアゾ化合物が好ましく、入手のし易さや乖離温度の点から、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(イソブチレート)が好ましく使用され、中でも2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)がさらに好ましく使用される。
これらの重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤は、所望の分子量に合わせて使用すればその割合は特に限定されないが、通常メタクリル酸エステル系モノマー100モルに対して0.01モル以上の割合で使用され、好ましくは0.05モル以上、より好ましくは0.1モル以上、最も好ましくは0.2モル以上の割合で使用される。また通常5モル以下の割合で使用され、好ましくは3モル以下、より好ましくは2モル以下、最も好ましくは1モル以下の割合で使用される。
重合開始剤の量が上記下限値以上であると分子量が大きくなりすぎず、さらに重合後の未反応モノマーを少なくし易く、上記上限値以下であると分子量が小さくなりすぎず、ヨウ素が比較的少ない場合に未反応の重合開始剤や重合開始剤が乖離して再結合した副反応物が多量に生成し難いことから好ましい。
<溶媒>
重合反応に用いられるモノマーなどを含む反応混合物が反応温度において液体であれば、必ずしも溶媒を用いる必要はないが、この場合も必要に応じて溶媒を用いてもよい。溶媒としては、一般的なリビングラジカル重合に用いられる溶媒を使用することが可能である。例えば水、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、2−ブチルアルコール、ヘキサノール、エチレングリコール等の直鎖、分岐、2級あるいは多価のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルシクロプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール等のエーテル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;スワジールシリーズ(丸善石油化学社製)、ソルベッソシリーズ(エクソン・ケミカル社製)等の石油系芳香族系混合溶媒;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリプロピレングリコールアルキルエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロゾルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類;ジアルキルグリコールエーテル類等を用いることができる。
これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒は、通常メタクリル酸エステル系モノマー1重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.3〜2重量部程度の割合で使用されるが、また特に溶媒を使用しなくてもよい場合もある。
<リビングラジカル重合反応>
メタクリル酸エステル系モノマーのリビングラジカル重合は、窒素等の不活性ガス雰囲気下、メタクリル酸エステル系モノマー、ヨウ素、開始剤、触媒及び溶媒を含む反応系内において、好ましくは50℃以上で行われ、より好ましくは60℃以上で行われる。また、好ましくは90℃以下で行われ、より好ましくは80℃以下で行われる。
ここで、反応温度が上記下限以上であるとリビングラジカル重合反応が十分に進行し、上記上限以下であると所望のリビングラジカル重合ではない、メタクリル酸エステル系モノマーの熱による重合を抑制できる。
反応時間は、反応温度や目的とするメタクリル酸エステル系ポリマー、更にはヨウ素末端ポリマーの分子量によっても異なるが、通常10分〜150時間程度であり、好ましくは1〜24時間程度である。
<アクリル酸エステル系モノマーの反応>
上記のリビングラジカル重合に引き続いて、反応系にアクリル酸エステル系モノマーを混合して反応させることにより、メタクリル酸エステル系ポリマーの片末端又は両末端にアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素が結合した本発明のヨウ素末端ポリマーを得ることができる。
ここで、アクリル酸エステル系モノマーは、ポリマー末端の理論量となるヨウ素の仕込みモル数に対して、通常0.1モル当量以上用いられるが、好ましくは0.5モル当量以上、より好ましくは10モル当量以上、さらに好ましくは20モル当量以上である。また、通常400モル当量以下の割合で用いられ、好ましくは300モル当量以下、より好ましくは200モル当量以下、さらに好ましくは100モル当量以下である。
メタクリル酸エステル系ポリマーのアクリル酸エステルの反応時の反応温度は、好ましくは50℃以上で行われ、より好ましくは60℃以上で行われる。また、好ましくは90℃以下で行われ、より好ましくは80℃以下で行われる。
ここで、反応温度が上記下限以上であるとアクリル酸エステル系モノマーを十分に反応させることができ、上記上限以下であるとアクリル酸エステル系モノマーのリビングラジカル重合反応を制御することができ、メタクリル酸エステル系ポリマーの片末端又は両末端にアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素が結合した本発明のヨウ素末端ポリマーを得ることが可能となる。
即ち、本発明者らは、ポリマー末端のメタクリル酸エステル系モノマーとヨウ素間およびアクリル酸エステル系モノマーとヨウ素間の結合が乖離する温度が異なり、好ましくは50〜90℃、より好ましくは60〜80℃程度の比較的低い温度ではメタクリル酸エステル系モノマーとヨウ素の結合は乖離するが、アクリル酸エステル系モノマーとヨウ素間の結合はこのような温度では乖離しにくいため、メタクリル酸エステル系モノマーの重合が進行しメタクリル酸エステル系ポリマーが生成した際に、系中にアクリル酸エステル系モノマーが存在すると、このような温度領域では通常、一つのアクリル酸エステル系モノマーが反応によりポリマー末端に取り込まれ、その後アクリル酸エステル系モノマーとヨウ素間の結合の乖離は生起せず、最末端にヨウ素が結合した状態で反応が停止することを見出した。
従って、上記のような、アクリル酸エステル系モノマーのリビングラジカル重合反応は進行し得ない温度を選択して反応を行うことにより本発明のヨウ素末端ポリマーを製造することができる。
アクリル酸エステル系モノマーの反応時間は、反応温度や目的とする反応率によっても異なるが、通常10分〜24時間程度であり、好ましくは1〜12時間程度である。
上記のようなアクリル酸エステル系モノマーの反応終了後、反応液の温度を0〜40℃程度に下げた後、必要に応じて、水、メタノール、ジエチルエーテル、ヘプタン等、本発明のヨウ素末端ポリマーの溶解性が低い溶媒で沈殿精製するなどして不純物を除去した後、固液分離して回収される。その際、反応から精製、固液分離に至る操作は遮光下で行うことが好ましい。即ち、本発明のヨウ素末端ポリマーは、末端にアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素が結合していることにより、従来のポリマーに比べて優れた光安定性を有するものであるが、光照射下で全く変色しないものではなく、長時間光に晒されると着色することがあるため、本発明のヨウ素末端ポリマーの製造、回収、その後の保管は、遮光下で行うことが好ましい。
このようにして得られる本発明のヨウ素末端ポリマーの末端構造が、アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素が結合したものであることは、例えば、後述の実施例の項に示されるように、MALDI−TOF法による分子量の測定結果から、末端構造の解析を行って同定することにより確認することができる。
[ブロックコポリマー]
本発明のブロックコポリマーは、メタクリル酸エステル系重合体ブロックと(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックとを有し、これらの重合体ブロックがアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介して結合した構造を有するものである。このブロックコポリマーのメタクリル酸エステル系重合体ブロックは、好ましくは、前述のメタクリル酸エステル(I)に由来する構造単位で構成される。また、メタクリル酸エステル系重合体ブロックと(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックとを連結するアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位は、好ましくは前述のアクリル酸エステル(II)に由来する構造単位である。
本発明のブロックコポリマーに含まれる(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックは、好ましくは、前述のメタクリル酸エステル(I)及びアクリル酸エステル(II)よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位、好ましくはアクリル酸エステル(II)の1種又は2種以上に由来する構造単位で構成される。この(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックを構成するメタクリル酸エステル(I)及びアクリル酸エステル(II)の好ましいものについても、前述の本発明のヨウ素末端ポリマーを構成するメタクリル酸エステル(I)及びアクリル酸エステル(II)と同様である。
後述の本発明のブロックコポリマーの製造方法により製造される本発明のブロックコポリマーは、通常、一つのアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介して、メタクリル酸エステル系重合体ブロックと(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックとが連結された、A−Bブロックコポリマーであるが、これらに何ら限定されるものではない。
本発明のブロックコポリマーの分子量は特に制限はないが、工業的な各種用途への汎用性の面で、数平均分子量(Mn)は2,000以上であることが好ましく、3,000以上であることがより好ましく、4,000以上であることがさらに好ましく、5,000以上が最も好ましい。また180,000以下であることが好ましく、120,000以下であることがより好ましく、60,000以下であることがさらに好ましく、20,000以下であることが最も好ましい。
本発明のブロックポリマーの分子量は次のように、その製造条件により制御することができる。具体的には、ヨウ素末端ポリマーの分子量、重合開始剤、ヨウ素、反応時間、反応温度、モノマー濃度等により制御することができ、ヨウ素末端ポリマーを高分子量化させる、重合開始剤およびヨウ素の仕込み比率を減量させる、反応時間を長くする、反応温度とモノマー濃度を高くする等の方法により高分子量となる傾向にある。
後述のリビングラジカル重合によれば、このような分子量の制御が容易であり、また、分子量分布(Mw/Mn)の狭いブロックコポリマーを製造することができる。本発明のブロックコポリマーは、分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であることが好ましく、特に1.6以下であることが好ましい。また、その下限は通常、1.0より大である。
なお、ブロックコポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により、後述の実施例の項に記載される方法で測定される。
また、ブロックコポリマーを構成するメタクリル酸エステル系重合体ブロックの分子量は、本発明のブロックコポリマーがAブロックとBブロックとを有するA−Bブロックコポリマーである場合、(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックの分子量については、前述の本発明のヨウ素末端ポリマーと同様で、数平均分子量(Mn)が800以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましい。また、150,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましく、50,000以下であることがさらに好ましく、10,000以下であることが最も好ましい。
[ブロックコポリマーの製造方法]
本発明のブロックコポリマーは、通常、本発明のブロックコポリマーの製造方法に従って、前述の本発明のヨウ素末端ポリマーの製造方法に従って製造した本発明のヨウ素末端ポリマーに、更に(メタ)アクリル酸エステル系モノマーをリビングラジカル重合させることにより製造される。ただし、本発明のブロックコポリマーは、前述の本発明のブロックコポリマーの構造が得られる方法であれば、その製造方法は特に限定されない。
なお、後述の実施例3−1では、本発明に従って、リビングラジカル重合及びメタクリル酸エステル系ポリマーへのアクリル酸エステル系モノマーの反応を行った後、一旦精製して回収したヨウ素末端ポリマーに対して、更に(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしてn−ブチルアクリレートをリビングラジカル重合させているが、これらの一連の反応は、途中で精製、回収を行うことなく連続して行うこともできる。
本発明のブロックコポリマーを製造するには、まず、前述の本発明のヨウ素末端ポリマーの製造方法に従って、本発明のヨウ素末端ポリマーを製造する。
このヨウ素末端ポリマーを一旦精製して回収した後、本発明のブロックコポリマーを製造する場合には、通常、前述の触媒の存在下、溶媒中でヨウ素末端ポリマーに、(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックを構成する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーをリビングラジカル重合反応させる。
このとき、本発明のヨウ素末端ポリマー自体が開始剤として機能するため、更なる開始剤を必須に用いることなく重合を開始させることができる。
溶媒及び触媒としては前述のリビングラジカル重合反応に用いる溶媒及び触媒と同様のものを用いることができ、溶媒の使用量は、ヨウ素末端ポリマーと添加する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの重量の合計1重量部に対して0.1〜10重量部、さらには0.3〜2重量部程度とすることが好ましいが、特に溶媒を使用しなくてもよい場合もある。触媒の使用量については、前述のリビングラジカル重合反応時より若干多めに例えば、ヨウ素末端ポリマーの末端(C−I結合)のモル数に対して0.1〜20モル当量、さらには1〜10モル当量、特には2〜7モル当量程度とすることが好ましい。なお、上記ヨウ素末端ポリマーの末端(C−I結合)のモル数は、ヨウ素末端ポリマーの仕込み量を、その数平均分子量で除したものとする。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーは、得られるブロックコポリマーの(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックの分子量に応じてその適当量が用いられる。通常の場合、ヨウ素末端ポリマーの末端(C−I結合)のモル数に対して5〜400モル当量、特に10〜200モル当量とすることが好ましい。
ヨウ素末端ポリマーに対する(メタ)アクリル酸エステル系モノマーのリビングラジカル重合反応の反応温度は、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしてメタクリル酸エステル系モノマーを用いる場合でも、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしてアクリル酸エステル系モノマーを用いる場合でも、前述のように、アクリル酸エステル系モノマーとヨウ素間の結合は90〜130℃、特に100〜120℃の比較的高温で乖離するため、このような温度で行うことが好ましい。(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとして、メタクリル酸エステル系モノマーとアクリル酸エステル系モノマーとを併用する場合も、この温度条件とすることにより、(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックとして、メタクリル酸エステル系モノマーとアクリル酸エステル系モノマーとがランダム重合した重合体ブロックを得ることができる。
反応時間は、反応温度や目的とするブロックコポリマーの分子量によっても異なるが、通常10分〜150時間程度であり、好ましくは1〜24時間程度である。
このようにして得られる本発明のブロックコポリマーは、前述の本発明のヨウ素末端ポリマーと同様に水、メタノール、ジエチルエーテル、ヘプタン等、本発明のブロックコポリマーの溶解性が低い溶媒で沈殿精製するなどして不純物を除去した後、固液分離して回収される。その際、反応から精製、固液分離に至る操作は遮光下で行うことが好ましい。
なお、前述の本発明のヨウ素末端ポリマーの製造に引き続いて、ヨウ素末端ポリマーを反応液から分離することなく、本発明のブロックコポリマーを製造する場合は、メタクリル酸エステル系ポリマーへのアクリル酸エステル系モノマーの反応を終了した後の反応液に、更に(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを混合して上記と同様にして反応を行えばよい。
なお、このようにして連続して反応を行う場合、後段の(メタ)アクリル酸エステルモノマーの添加時の触媒量は若干多めに例えば、ヨウ素末端ポリマーの末端(C−I結合)のモル数に対して0.1〜20モル当量、さらには1〜10モル当量、特には2〜7モル当量程度とすることが好ましい。
[用途]
本発明のヨウ素末端ポリマー及びブロックコポリマーは、自動車材料、工業用品、医療材料、履物、スポーツ用品、玩具、電線被覆材、建設・土木資材、樹脂改質などに用いられる熱可塑性エラストマー、レジスト、有機電界発光素子、接着剤、ポリマーアロイ、各種フィラー添加剤、潤滑剤、界面活性剤、塗料、インク、包装材、薬剤、化粧品、整髪料、シーリング剤、可塑剤、タッキファイヤー、コート剤などの原材料として工業的に極めて有用である。特に以下に説明する硬化性樹脂組成物とすることにより、コート剤として特に有用に用いることができる。
[硬化性樹脂組成物]
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明のヨウ素末端ポリマー及び/又はブロックポリマーと、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート(ただし、本発明のヨウ素末端ポリマー及び/又は本発明のブロックポリマーに該当するものを除く。)とを含むものである。
本発明の硬化性樹脂組成物における本発明のヨウ素末端ポリマー及び/又はブロックポリマーの含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中のヨウ素末端ポリマー、ブロックポリマー及び後述の分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとの合計100重量部に対し、ヨウ素末端ポリマー及びブロックポリマーの合計量が通常0.5重量部以上であり、1重量部以上であることが好ましく、3重量部以上であることが更に好ましい。また、通常25重量部以下であり、15重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることが更に好ましい。
<(メタ)アクリレート>
分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートは、モノマーであってもよく、オリゴマーであってもよく、モノマーとオリゴマーの混合物であってもよい。分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートのうち、モノマーとしては、多官能性モノマー、例えば多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物などを用いることができる。オリゴマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーや上記の本発明のブロックポリマーの低分子量物などが挙げられる。これらの中でも得られる硬化物の硬度が高い又は硬化性が良好な点から、多官能性モノマー、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマーが好ましく、特に多官能(メタ)アクリレートが好ましい。
分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートは、硬化性樹脂組成物のハンドリング性、塗工性が良好とする観点から、重量平均分子量(Mw)が5,000未満であることが好ましく、この効果をより良好なものとする観点から、重量平均分子量が3,000以下のものであることが好ましく、2,000以下のものであることがより好ましい。
多官能(メタ)アクリレートとは、(メタ)アクリロイル基を有し、一分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有する化合物である。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリレートとの脱アルコール反応物である、一分子中に2つ以上の不飽和二重結合を有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。多官能(メタ)アクリレートのうち好ましくは、得られる硬化物の硬度や硬化性樹脂組成物の硬化性を良好なものとする観点から、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートであることが好ましく、具体的には、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、得られる硬化物の硬度や硬化性樹脂組成物の硬化性を良好なものとする観点から、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記のような分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートの1種のみを含むものであってもよく、また2種以上を含むものであってもよい。
<シリカ粒子>
本発明の硬化性樹脂組成物は、更に、平均一次粒子径が3〜500nmのシリカ粒子を含有することが好ましい。
シリカ粒子の平均一次粒子径は500nm以下であるが、200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましい。シリカ粒子の平均一次粒子径の下限値は3nm以上、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上である。
平均一次粒子径が500nmを以下であると、粒子の自重による沈降が生じにくく、硬化性樹脂組成物の塗液の貯蔵安定性が良好となる傾向にあるために好ましい。
一方、平均一次粒子径が上記範囲であるシリカ粒子の硬化性樹脂組成物の塗液中での運動は、重力による沈降よりも熱拡散が支配するため、シリカ粒子は硬化性樹脂組成物の塗液中に安定に分散可能となり、さらに硬化物(例えばハードコート層)を形成した際に効果的に表面に存在するようになる。また、シリカ粒子の平均一次粒子径が小さいほど、硬化性樹脂組成物の光学特性が良好になる傾向がある。
なお、本発明におけるシリカ粒子の平均一次粒子径は、BET吸着法による比表面積測定値(JIS Z8830に準拠)を求め、以下の式から換算値として求められる値である。
[平均一次粒子径(nm)]=6,000/〔[比表面積(m/g)]×[密度(g/cm)]〕
本発明の硬化性樹脂組成物のシリカ粒子の含有量は、本発明の硬化性樹脂組成物中の本発明のヨウ素末端ポリマー、本発明のブロックポリマー及び前記分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとの合計100重量部に対し、0.05重量部以上であることが好ましく、0.5重量部以上であることがより好ましく、0.7重量部以上であることが更に好ましく、1重量部以上であることが特に好ましい。また、30重量部以下であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましく、5重量部以下であることが更に好ましく、3重量部以下であることが特に好ましく、2重量部以下であることがとりわけ好ましい。
<重合開始剤>
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性の観点から重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、本発明の硬化性樹脂組成物中の前記本発明のヨウ素末端ポリマー、ブロックポリマー及び前記分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートとの合計100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、また、通常20重量部以下、好ましくは10重量部以下加えることができる。
重合開始剤としては、光重合開始剤が好ましく、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタンノン−1などが挙げられる。これらの重合開始剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
<その他の成分>
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前述のヨウ素末端ポリマー、ブロックポリマー、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、シリカ粒子、及び重合開始剤以外の他の成分を含有していてもよい。本発明の硬化性樹脂組成物が含有し得る他の成分としては、各成分を均一に混合するための溶媒や、帯電防止剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの各種の常用の添加剤などが挙げられる。
溶媒としては、特に限定されるものではなく、ヨウ素末端ポリマー、ブロックポリマー、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートや下地となる基材の材質、組成物の塗布方法などを考慮して適宜選択される。用いることができる溶媒の具体例としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテートなどのエステル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;などが挙げられる。
これらの溶媒は1種を単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。これらの溶媒のうち、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく使用される。
溶媒の使用量には特に制限はなく、調製される硬化性樹脂組成物の塗布性、液の粘度・表面張力、固形分の相溶性等を考慮して適宜決定される。通常、本発明の硬化性樹脂組成物は、上述の溶媒を用いて固形分濃度が20〜100重量%、特に30〜80重量%の塗液として調製される。なお、ここで、本発明の硬化性樹脂組成物中の固形分とは、本発明の硬化性樹脂組成物に含まれる溶媒以外の成分の合計をさす。
<硬化性樹脂組成物の調製方法>
本発明の硬化性樹脂組成物の調製方法は特に限定されず、例えば、本発明のヨウ素末端ポリマー及び/又はブロックポリマー、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレート、並びに必要に応じて更に前述のシリカ粒子、溶媒、重合開始剤、添加剤などと併せて混合することにより調製することができる。
<用途>
本発明の硬化性樹脂組成物の用途は特に限定されるものではないが、本発明の硬化性樹脂組成物は、以下に記載するハードコート層形成のためのコート剤(本発明のコート剤)として工業的に有用である。
[硬化物・積層体]
本発明の硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより、本発明の硬化物を得ることができる。特に、本発明の硬化性樹脂組成物を基材の上などに塗布して硬化させることにより、本発明の硬化性樹脂組成物よりなる硬化層(ハードコート層)を基材上に形成してなる本発明の積層体とすることができる。また、このように、本発明の硬化性樹脂組成物を基材の上などに塗布し、フィルム状に硬化させることで、ハードコートフィルム(ハードコート層)を得ることができる。また、基材として他の樹脂フィルム上に本発明の硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させてハードコート層を形成することで、他の樹脂フィルム上にハードコート層を積層してなるフィルム積層体が得られる。
ハードコート層を成形する基材としては、各種樹脂フィルム及び樹脂板などを使用することができる。樹脂フィルムとして、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ジアセチレンセルロースフィルム、アセテートブチレートセルロースフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリアクリル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム等が使用できる。また、樹脂板として、例えばアクリル板、トリアセチルセルロース板、ポリエチレンテレフタレート板、ジアセチレンセルロース板、アセテートブチレートセルロース板、ポリエーテルスルホン板、ポリウレタン板、ポリエステル板、ポリカーボネート板、ポリスルホン板、ポリエーテル板、ポリメチルペンテン板、ポリエーテルケトン板、(メタ)アクリルニトリル板などが挙げられる。また、必要に応じてガラスなどを使用することもできる。これらの基材はいずれも透明性に優れ、後述の光学フィルムへの適用にも好ましい。なお、基材の厚さは、用途に応じて適時選択することができるが、一般に25〜1000μm程度のものが用いられる。
本発明の硬化性樹脂組成物の塗布方法は特段限定されない。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、スピンコート法、ローラーコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法(米国特許第2681294号明細書)などの方法により塗布することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物の塗布により得られた塗膜、又は塗布後、乾燥させた塗膜を硬化させることによって、硬化物としてハードコート層を形成することができる。硬化は、必要に応じた波長の活性エネルギー線を発する光源を用いて塗膜に光を照射することによって行うことができる。なお、硬化のための光照射は、積算光量が100mJ/cm以上20,000mJ/cm以下となるよう照射することが好ましい。光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド、キセノンフラッシュ、紫外線LED、電子線などを用いることができる。
このようにしてハードコート層を他の樹脂フィルム上に形成してなるフィルム積層体は、巻回してロール状にした場合に、良好なアンチブロッキング性が発揮される。
<用途>
本発明の硬化性樹脂組成物により基材フィルム上にハードコート層を形成してなるフィルム積層体は、各種の用途に適用されるが、各種の光学用途にて用いられる光学フィルムとして好適に使用される。光学フィルムとしての使用において、本発明に係るフィルム積層体には必要に応じて特殊な処理が施されて光学的機能(光透過、光拡散、集光、屈折、散乱、ヘーズ(HAZE)等の諸機能)が付与される。光学フィルムとしての用途において、本発明に係るフィルム積層体は単独で、又は数種の光学フィルムをコーティング剤、又は接着剤で多層に積層して光学素子用積層体として使用される。本発明のフィルム積層体が適用される光学フィルムとしては、例えば、ハードコートフィルム、帯電防止コートフィルム、防眩コートフィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム(プリズムシートともいう)、導光フィルム(導光板ともいう)等が挙げられる。このような光学フィルムは、液晶表示装置、PDPモジュール、タッチパネルモジュール、有機ELモジュール等に用いられる。
以下、本発明を実施例により、より具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例で得られたポリマーの構造及び物性は、下記の方法により評価した。
(1)ポリマーの末端構造の同定
MALDI(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization:マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)−TOF(Time Of Flight:飛行時間型)法(Bruker社製「Autoflex III」を使用)、励起レーザー強度:出力60%)でポリマーの分子量を測定し、下記式(III)に適合する分子量が確認されるか否かで末端構造を同定した。
IN+(MM1×N+MM2×N+・・・)+M+M+M
又は
IN+(MM1×N+MM2×N+・・・)+M+M+MNa
…(III)
IN:開始剤乖離後の分子量(=開始剤の分子量の1/2)
M1、MM2・・・:主幹ポリマーを構成するモノマーの分子量
(M、M・・・は異なるモノマーを表す。)
N:自然数
:末端側のアクリル酸エステルの分子量
:ヨウ素原子の原子量(=126.90)
:水素原子の原子量(=1.01)
Na:ナトリウム原子の原子量(22.99)
例えば、実施例1−1のように、開始剤が2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−70」)(乖離後の分子量=154.21)、主幹ポリマーを構成するモノマーがメチルメタクリレート(分子量=100.12)、末端のアクリル酸エステルがブチルアクリレート(分子量=142.20)である場合、下記式で表される分子量となる。
154.21+100.12×N+142.20+126.90+1.01
又は
154.21+100.12×N+142.20+126.90+22.99
上記の分子量の測定結果をもとに同定を行い、下記基準で評価した。なお、ここで所望の末端構造とは、(ポリメチルメタクリレート)−(各種アクリレートに由来する構造単位)−Iの構造となっていることを意味する。
○:上記(III)式に適合する分子量が確認され、所望の末端構造が存在する。
×:上記(III)式に適合する分子量が確認されず、所望の末端構造は存在しない。
(2)分子量
GPC測定法により以下の条件にて、得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)を測定した。
機器:島津製作所製「RID−10A/CBM−20A/DGU−20A3,
LC−20AD/DPD−M20A/CTO−20A」
カラム:東ソー社製「TSKgel superHM−N」
検出器:示差屈折率検出器(RI検出器/内蔵)
溶媒:クロロホルム
温度:40℃
流速:0.3mL/分
注入量:20μL
濃度:0.1重量%
較正試料:単分散ポリスチレン
較正法:ポリスチレン
(3)光安定性
得られたポリマー10mgをクロロホルム3mLに溶解した溶液を10mLサンプル瓶に入れ、室温で蛍光灯の下に静置したもの(明条件)と、遮光して静置したもの(暗条件)のそれぞれについて、経時で目視にて観察し、以下の通り評価した。
○:着色なし
△:薄い紫色に着色
×:濃い紫色に着色
[実施例1−1:ヨウ素末端ポリマー(P−1)の合成]
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−70」)2.8重量部、ヨウ素1.5重量部、及びアニソール120重量部を仕込み、溶液が均一になるまで攪拌した。系内を遮光し窒素置換後、65℃まで昇温し、0.5時間攪拌した。続いてメチルメタクリレート(MMA)120重量部、及びテトラブチルアンモニウムヨージド(BuNI)4.4重量部を添加し、70℃で6時間攪拌した。さらにn−ブチルアクリレート(BA)120重量部を添加し、70℃で3時間攪拌した。その後、室温まで冷却後、遮光下において、メタノールへの沈殿精製により白色粉末としてヨウ素末端ポリマー(P−1)を得た。
得られたポリマーの末端構造と分子量を上記(1)、(2)の通り評価した。その結果を表−1に示す。
[実施例1−2:ヨウ素末端ポリマー(P−2)の合成]
n−ブチルアクリレートのかわりに、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)を用いた以外は、実施例1−1のヨウ素末端ポリマー(P−1)と同様に合成し、ヨウ素末端ポリマー(P−2)を得た。
得られたポリマーの末端構造を上記(1)の通り評価した。その結果を表−1に示す。
[実施例1−3:ヨウ素末端ポリマー(P−3)の合成]
n−ブチルアクリレートのかわりに、2−ヒドロキシエチルアクレート(HEA)を用いた以外は、実施例1−1のヨウ素末端ポリマー(P−1)と同様に合成し、ヨウ素末端ポリマー(P−3)を得た。
得られたポリマーの末端構造を上記(I)の通り評価した。その結果を表−1に示す。
[比較例1−1:ポリマー(P−4)の合成]
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製「V−70」)2.8重量部、ヨウ素1.5重量部、及びアニソール120重量部を仕込み、溶液が均一になるまで攪拌した。系内を遮光し窒素置換後、65℃まで昇温し、0.5時間攪拌した。続いてメチルメタクリレート(MMA)120重量部、及びテトラブチルアンモニウムヨージド(BuNI)4.4重量部を添加し、70℃で6時間攪拌した。その後、室温まで冷却後、遮光下において、メタノールへの沈殿精製により、白色粉末としてポリマー(P−4)を得た。
得られたポリマーの末端構造と分子量を上記(1)、(2)の通り評価した。その結果を表−1に示す。
[比較例1−2:ポリマー(P−5)の合成]
n−ブチルアクリレートのかわりに、アクリル酸(AA)を用いた以外は、実施例1のヨウ素末端ポリマー(P−1)と同様に合成し、ポリマー(P−5)を得た。
得られたポリマーの末端構造を上記(1)の通り評価した。その結果を表−1に示す。
Figure 0006575047
表−1より、メタクリル酸エステル系モノマーのリビングラジカル重合で得られた主幹ポリマーに更にアクリル酸エステル系モノマーを反応させることにより、末端にアクリル酸エステル系モノマーに由来する構造単位を介してヨウ素原子が結合した構造のヨウ素末端ポリマーを得ることができることが分かる。
[実施例2−1、2及び比較例2−1、2:ヨウ素末端ポリマー(P−1)とポリマー(P−4)の光安定性評価]
実施例1−1で得られたヨウ素末端ポリマー(P−1)と比較例1−1で得られたポリマー(P−4)について、上記(3)の通り光安定性を評価した。その結果を表−2に示す。
Figure 0006575047
表−2より、実施例1−1で得られたヨウ素末端ポリマー(P−1)は比較例1−1で得られたポリマー(P−4)と比較して光安定性に優れることが分かる。
[実施例3−1:ヨウ素末端ポリマー(P−1)の鎖延長反応]
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を取り付けた反応器に、実施例1−1で得られたヨウ素末端ポリマー(P−1)40重量部とアニソール200重量部を仕込み溶液が均一になるまで攪拌した。次に系内を遮光し、ここへテトラブチルアンモニウムヨージド(BuNI)11.4重量部、及びn−ブチルアクリレート(BA)200重量部を添加した後、系内を窒素置換後、110℃まで昇温し、8時間攪拌した。その後、室温まで冷却後、メタノールへの沈殿精製により白色粉末としてポリマー(P−6)を得た。
上記(2)により評価した結果、得られたポリマー(P−6)の分子量は、Mn=6,400、Mw=7,000(Mw/Mn=1.1)であり、ヨウ素末端ポリマー(P−1)の分子量に比べ増加しており、これはヨウ素末端ポリマー(P−1)が高分子開始剤として作用し、末端ヨウ素を起点としてn−ブチルアクリレートのリビングラジカル重合が進行し、ポリマー(P−6)がブロックコポリマーとして得られたことを表している。
[比較例3−1:ポリマー(P−4)の鎖延長反応]
ヨウ素末端ポリマー(P−1)のかわりに、ポリマー(P−4)を用いた以外は同様に合成し、白色粉末としてポリマー(P−7)を得た。
上記(2)により評価した結果、得られたポリマー(P−7)の分子量は、Mn=5,300、Mw=5,800(Mw/Mn=1.1)であり、ポリマー(P−4)と比べ変化しなかった。このことは、末端にヨウ素が存在しないポリマー(P−4)では、ポリマー(P−4)を高分子開始剤として用いてもブロックコポリマーが得られないことを表している。
上記実施例3−1及び比較例3−1の結果を表−3にまとめて示す。
Figure 0006575047

Claims (7)

  1. 下記式(I)で表される化合物に由来する構造単位を含むメタクリル酸エステル系ポリマーの少なくとも一つの末端に、下記式(II)で表されるアクリル酸エステル系モノマーに由来する1単位の構造単位を介してヨウ素原子が結合した構造を有するヨウ素末端ポリマー。
    CH=C(CH)−C(O)O−R (I)
    (上記式(I)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコシキシリル基を有していてもよい。)
    CH=CH−C(O)O−R (II)
    (上記式(II)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコキシシリル基を有していてもよい。)
  2. 数平均分子量が800〜150,000である、請求項1に記載のヨウ素末端ポリマー。
  3. 分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下である、請求項1又は2に記載のヨウ素末端ポリマー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のヨウ素末端ポリマーの製造方法であって、ヨウ素の存在下、メタクリル酸エステル系モノマーを重合し、次いで、アクリル酸エステル系モノマーを反応させる、ヨウ素末端ポリマーの製造方法。
  5. メタクリル酸エステル系モノマーの重合を50〜90℃で行う、請求項4に記載のヨウ素末端ポリマーの製造方法。
  6. メタクリル酸エステル系ポリマーに、アクリル酸エステル系モノマーを50〜90℃で反応させる、請求項4又は5に記載のヨウ素末端ポリマーの製造方法。
  7. 下記式(I)で表される化合物に由来する構造単位を含むメタクリル酸エステル系重合体ブロックと(メタ)アクリル酸エステル系重合体ブロックとを有し、これらの重合体ブロックが下記式(II)で表されるアクリル酸エステル系モノマーに由来する1単位の構造単位を介して結合した構造を有するブロックコポリマーの製造方法であって、ヨウ素の存在下、メタクリル酸エステル系モノマーを重合し、次いで、アクリル酸エステル系モノマーを反応させることによりヨウ素末端ポリマーを製造し、該ヨウ素末端ポリマーに(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを90℃以上130℃以下の温度で重合させる、ブロックコポリマーの製造方法。
    CH=C(CH)−C(O)O−R (I)
    (上記式(I)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコシキシリル基を有していてもよい。)
    CH=CH−C(O)O−R (II)
    (上記式(II)中、Rは、炭素数1〜22のアルキル基、又はアルキレン鎖の炭素数が2〜18であるポリアルキレングリコール鎖を有する置換基を表し、該アルキル基又はポリアルキレングリコール鎖を有する置換基は、置換基としてフェニル基、ベンジル基、エポキシ基、水酸基、ジアルキルアミノ基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基、又はトリアルコキシシリル基を有していてもよい。)
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