JP6574654B2 - 金属酸化物触媒、その製造方法、及びブタジエンの製造方法 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は、下記の通りである。
[1]
下記式(1)で表される組成を有し、n−ブテンからブタジエンを生成する反応を促進する金属酸化物触媒の製造方法であって、
Mo含有液とBi含有液とを接触時間1.0分〜24時間で接触するスラリー化工程を含む金属酸化物触媒の製造方法。
Mo12BipFeqAaBbCcDdEeFfOx (1)
(式中、AはNi及びCoから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはアルカリ金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素、CはMg、Ca、Sr、Ba、Zn及びMnから選ばれる少なくとも1種の元素、Dは少なくとも1種の希土類元素、EはCr、In及びGaから選ばれる少なくとも1種の元素、FはSi、Al、Ti、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素であり、p、q、a、b、c、d、e、f及びxはそれぞれMo12原子に対するBi、Fe、A、B、C、D、E、F及び酸素の原子比を表し、0.1≦p≦5、0.5≦q≦8、0≦a≦10、0.02≦b≦2、0≦c≦5、0≦d≦5、0≦e≦5、23≦f≦200であり、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。)
[2]
前記Mo含有液に前記Bi含有液を接触させる[1]に記載の金属酸化物触媒の製造方法。
[3]
前記n−ブテンからブタジエンを生成する反応が流動床反応である[1]又は[2]に記載の金属酸化物触媒の製造方法。
[4]
下記式(1)で表される組成を有し、
下記式(2)で表される異形率が15%以下であり、
n−ブテンからブタジエンを生成する反応を促進する金属酸化物触媒。
Mo12BipFeqAaBbCcDdEeFfOx (1)
(式中、AはNi及びCoから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはアルカリ金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素、CはMg、Ca、Sr、Ba、Zn及びMnから選ばれる少なくとも1種の元素、Dは少なくとも1種の希土類元素、EはCr、In及びGaから選ばれる少なくとも1種の元素、FはSi、Al、Ti、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素であり、p、q、a、b、c、d、e、f及びxはそれぞれMo12原子に対するBi、Fe、A、B、C、D、E、F及び酸素の原子比を表し、0.1≦p≦5、0.5≦q≦8、0≦a≦10、0.02≦b≦2、0≦c≦5、0≦d≦5、0≦e≦5、23≦f≦200であり、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。)、
異形率(%)=(触媒粒子100個中の、表面粗さの指標であるSdrが10以上の触媒粒子の個数/触媒粒子100個)×100 (2)
[5]
[4]に記載の金属酸化物触媒を用いて、n−ブテンからブタジエンを製造する方法。
[6]
流動床反応により行う[5]に記載のブタジエンを製造する方法。
本実施形態の金属酸化物触媒(以下、単に「触媒」ともいう)は、n−ブテンからブタジエンを生成する反応を促進し、その組成、すなわち触媒を構成する原子比率は、下記式(1)により表される。
Mo12BipFeqAaBbCcDdEeFfOx (1)
(式中、AはNi及びCoから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはアルカリ金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素、CはMg、Ca、Sr、Ba、Zn及びMnから選ばれる少なくとも1種の元素、Dは少なくとも1種の希土類元素、EはCr、In及びGaから選ばれる少なくとも1種の元素、FはSi、Al、Ti、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素であり、p、q、a、b、c、d、e、f及びxはそれぞれMo12原子に対するBi、Fe、A、B、C、D、E、F及び酸素の原子比を表し、0.1≦p≦5、0.5≦q≦8、0≦a≦10、0.02≦b≦2、0≦c≦5、0≦d≦5、0≦e≦5、23≦f≦200であり、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。)
式(1)で表される金属酸化物触媒を用いることによりブタジエンを高収率で製造することができる。
上記した中でも、とりわけFがSiであり、かつ、原子比率fが23≦f≦100である場合には、触媒粒子表面の凹凸がより少なくなる傾向にあり、触媒粒子の強度がより高くなる傾向にあるため、ブタジエン製造反応に適度な活性を有する金属酸化物触媒を製造することができる。反応による発熱に起因する局部的な蓄熱を防止する観点、さらに触媒使用量を低減し、反応設備を小型化する観点から、金属酸化物触媒の活性を適切に制御することが好ましく、具体的には上記式(1)における組成について、23≦f≦50とすることがより好ましい。
異形率(%)=(触媒粒子100個中の、表面粗さの指標であるSdrが10以上の触媒粒子の個数/触媒粒子100個)×100 (2)
上述の式(1)で表される金属酸化物触媒の製造方法は、(a)スラリー化工程を含む。(a)スラリー化工程に続き、さらに、(b)噴霧乾燥工程及び(c)焼成工程の少なくとも一方の工程を含むのが好ましく、(a)スラリー化工程、(b)噴霧乾燥工程及び(c)焼成工程を順に含むのがより好ましい。以下に詳細を説明する。
スラリー化工程は、Mo含有液(触媒成分となるMoの原料を含む液を言う。)とBi含有液(触媒成分となるBiの原料を含む液を言う。)と、を接触させる工程である(本明細書において、Mo含有液とBi含有液のことを「2液」と記載することもある)。通常、前記2液の接触により固形分を含むスラリーが形成される。このスラリーはMoとBiとを含む触媒前駆体であり、そのため、この触媒前駆体の生成条件が、製造する触媒の表面状態に大きく影響すると考えられる。本実施形態においては、上記2液の接触時間を1.0分〜24時間とする。
ここで、本実施形態の触媒を構成する元素の原料について以下説明する。これら原料は、スラリー化工程において混合されることが好ましい。
更に、スラリーにおける金属元素とキレートを形成し該金属の分散性を増す観点から、有機酸を添加することも好ましい。該有機酸としては、特に限定されないが、例えば、シュウ酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸等が好ましい。
スラリー化工程においては、まず、Mo含有液と、Bi含有液とを調製する。
本実施形態の触媒の製造方法においては、上記のスラリー化工程で得られたスラリーを噴霧乾燥して乾燥粒子を得る噴霧乾燥工程を含むのが好ましい。噴霧乾燥を工業的に行う場合はスプレードライヤーを用いることが好ましい。
本実施形態の触媒の製造方法は、上記の噴霧乾燥工程で得られた噴霧乾燥粒子を焼成することで金属酸化物触媒を得る焼成工程を含むのが好ましい。焼成方法としては、特に限定されないが、例えば、静置焼成、流動焼成、回転炉焼成等が挙げられる。均一に焼成できる観点からロータリーキルンを用いた回転炉焼成が好ましい。焼成温度は、400℃〜700℃が好ましく、500℃〜700℃がより好ましく、560〜700℃がさらに好ましい。好適な焼成温度は触媒組成、とりわけ上述の式(1)のfの原子比に関連があり、特に560℃〜700℃で焼成することにより金属酸化物の結晶化度が高まる傾向にあり、またn−ブテンからブタジエンを製造する反応により好適な比表面積となる傾向にある。焼成時間は1〜24hrが好ましく、2〜8hrがより好ましい。所望する触媒物性、反応性能が得られるように、焼成温度、焼成時間等の条件を適宜選択する。
本実施形態の金属酸化物触媒は、n−ブテンからブタジエンを生成する反応を促進する。ブタジエンは、金属酸化物触媒の存在下、n−ブテンを酸化脱水素する反応により製造することができ、流動床反応であっても固定床反応であってもよく、流動床反応が好ましい。流動床反応では、反応熱による局所的な蓄熱が起こりにくい為、原料ガス中のn−ブテン濃度を高めることができ、生産性を高めることができる。
接触時間(g・sec/cc)=W/F×60×273.15/(273.15+T)×(P×1000+101.325)/101.325
〔式中、Wは触媒充填量(g)、Fは全原料ガス量(cc/min)、Tは反応温度(℃)、Pは反応圧力(MPa(ゲージ圧力))〕。
n−ブテン転化率(%)=(反応したn−ブテンのモル数)/(供給したn−ブテンのモル数)×100
ブタジエン収率(%)=(生成したブタジエンのモル数)/(供給したn−ブテンのモル数)×100
反応ガスはガスクロマトグラフィー(島津製GC2010プラス、検出器:TCD、FID)によって分析した。
測定は、触媒粒子を真上から観察し、20μm×20μmの面範囲を非接触式のレーザー光によって表面の凹凸を測定し、その測定値から、表面の粗さを表す指標であるSdrを用いて規定した。Sdrは、測定した領域を真上から見た時の面積を基準として、実際の表面積の増加の割合を表したものであり、Sdrの値が大きいほど粒子表面に凹凸を有する粒子であることを示す。
Sdrが10以上の粒子を「異形粒子」と定義し、無作為に選択した触媒粒子100個中の異形粒子の割合を「異形率」と定義した。
異形率(%)=(触媒粒子100個中の、触媒粒子の表面粗さの指標であるSdrが10以上である触媒粒子の個数)/触媒粒子100個)×100
[触媒1の調製]
組成がMo12Bi0.6Fe1.8Ni5.0K0.09Rb0.05Mg2.0Ce0.75Si43.2で表される金属酸化物触媒を次のようにして調製した。
この触媒粒子表面の凹凸を形状解析レーザー顕微鏡により測定し求めた異形率を、表1に示す。
アトリッションロス(%)=5時間から24時間までの粉化量(g)/触媒充填量(g)×100 (3)
アトリッションロスが小さい程、粉化が小さく、機械的強度が強いことを表す。流動床反応においては触媒粒子同士が衝突を起こしながら反応するため、この値が小さい程、触媒の粉化が起こり難く好適である。
触媒1のアトリッションロスを表2に示す。
触媒1の27gを、内径25.4mmのパイレックスガラス製流動床反応管に充填した。この反応管に、n−ブテン含有ガスとして1−ブテンを、酸素含有ガスとして、酸素と窒素とを流してブタジエン製造反応を行った。反応温度は370℃、反応圧力は0.05MPa(ゲージ圧)であった。1−ブテン濃度は全原料ガスを基準として16体積%、接触時間は0.8〜1.0(g・sec/cc)であった。反応器出口の酸素濃度は0.8〜1.2体積%であった。この反応条件で24時間反応した時の反応成績(1−ブテン転化率とブタジエン収率)を表1に示す。
接触時間を10分間とした以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒2)。さらに、触媒1の代わりに触媒2を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒2の異形率及びブタジエン製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒2のアトリッションロスを表2に示す。
Mo含有液(A1液)とBi含有液(B1液)の調製量をそれぞれ5倍とし、接触時間を24時間とした以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒3)。さらに、触媒1の代わりに触媒3を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒3の異形率及びブタジエン製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒3のアトリッションロスを表2に示す。
Mo含有液(A1液)の温度を25℃とし、Bi含有液(B1液)の温度を25℃とし、このA1液へのB1液の投入時の接触温度を25℃とした以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒4)。さらに、触媒1の代わりに触媒4を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒4の異形率及びブタジエンの製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒4のアトリッションロスを表2に示す。
Mo含有液(A1液)の温度を98℃とし、Bi含有液(B1液)の温度を98℃とし、このA1液へのB1液の投入時の接触温度を98℃とした以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒5)。さらに、触媒1の代わりに触媒5を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒5の異形率及びブタジエンの製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒5のアトリッションロスを表2に示す。
Mo含有液(A1液)の温度を60℃とし、Bi含有液(B1液)の温度を60℃とし、接触時間を5.0分間とし、投入時の接触温度を60℃とし、生成したスラリーの攪拌温度を60℃、攪拌時間を30分間とした以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒6)。さらに、触媒1の代わりに触媒6を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒6の異形率及びブタジエンの製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒6のアトリッションロスを表2に示す。
Mo含有液(A1液)の温度を70℃とし、Bi含有液(B1液)の温度を70℃とし、接触時間を5時間とし、投入時の接触温度を70℃とし、生成したスラリーの攪拌温度を70℃、攪拌時間を10分間とした以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒7)。さらに、触媒1の代わりに触媒7を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒7の異形率及びブタジエン製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒7のアトリッションロスを表2に示す。
[触媒8の調製]
組成がMo12Bi0.6Fe1.8Ni2.0Co3.0K0.09Rb0.05Mg2.0Ce0.8Si28.9で表される金属酸化物触媒を次のようにして調製した。
このスラリーのその後の調製は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒8)。さらに、触媒1の代わりに触媒8を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒8の異形率及びブタジエンの製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒8のアトリッションロスを表2に示す。
B2液とA2液との添加順序を、B2液(Bi含有液)にA2液(Mo含有液)を投入するように変更した以外は、実施例8と同様に行い触媒を得た(触媒9)。さらに、触媒1の代わりに触媒9を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。
触媒9の異形率及びブタジエンの製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒9のアトリッションロスを表2に示す。
組成がMo12Bi0.5Fe2.0Ni2.0Co3.0K0.09Rb0.05Mg1.8Ce0.9Si23.0で表される金属酸化物触媒を次のようにして調製した。
組成がMo12Bi0.5Fe2.0Ni1.8Co2.5Rb0.20Cr0.02Mg1.8Ce0.9Si200で表される金属酸化物触媒を次のようにして調製した。
この触媒11を用いて、反応温度を390℃とし、1−ブテン濃度を14体積%とした以外は、実施例1と同様にしてブタジエンの製造を行った。触媒11の異形率及びブタジエンの製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒11のアトリッションロスを表2に示す。
実施例1と同様にスラリーを調製し、撹拌まで行った。このスラリーをスプレードライヤー(大川原化工機製、型式:OC−16)を用いて噴霧乾燥し、乾燥粉末を得た。熱風入口温度は320℃、熱風出口温度230℃で行った。
得られた乾燥粉末の一部を空気雰囲気下に400℃で2時間前焼成した後、空気雰囲気下に600℃で2時間焼成し触媒を得た(触媒12)。さらに、触媒1の代わりに触媒12を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒12の異形率及びブタジエン製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒12のアトリッションロスを表2に示す。
[触媒1を用いたブタジエンの製造(固定床反応)]
触媒1をリング状に打錠成型機を用いて成型した(高さ4mm、外径5mm、内径2mm)。このリング状成型触媒の圧壊硬度は5.5kgであり工業的使用にも十分耐え得る硬度を有していた。圧壊硬度は木屋式硬度計を用いて常法により測定した。その成型触媒25gを、内径25.4mmのパイレックスガラス製固定床反応管に充填した。この反応管に1−ブテン、酸素、窒素から成る原料ガスを流し、ブタジエン製造反応を行った。反応温度は360℃、反応圧力は0.05MPa(ゲージ圧)であった。1−ブテン濃度は全原料ガスを基準として6体積%、接触時間は0.8〜1.0(g・sec/cc)であった。反応器出口の酸素濃度は0.8〜1.2体積%であった。この反応条件で24時間反応した時の反応成績を表1に示す。
n−ブテン原料を1−ブテンが10体積%、2−ブテンが2体積%とし、反応温度を380℃とし、触媒1の代わりに触媒8を用いた以外は、実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。ブタジエン製造における反応成績の結果を表1に示す。
触媒1の50gを、内径25.4mmのパイレックスガラス製流動床反応管に充填した。この反応管に、反応管下部から1−ブテン、空気、ヘリウムを流してブタジエン製造反応を行った。反応温度は350℃、反応圧力は0.05MPa(ゲージ圧)であった。1−ブテン濃度は全原料ガスを基準として12体積%、接触時間は3.0(g・sec/cc)であった。反応器出口の酸素濃度は0.3体積%であった。この反応条件で24時間反応した時の反応成績を表1に示す。
触媒3を用いた以外は、実施例15と同様にしてブタジエンを製造した。ブタジエン製造における反応成績の結果を表1に示す。
Mo含有液(A1液)の温度を40℃とし、Bi含有液(B1液)の温度を40℃とし、このA1液へのB1液の投入時の接触温度を40℃とした以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒16)。さらに、触媒1の代わりに触媒16を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒16の異形率及びブタジエン製造における反応成績の結果を表1に示す。触媒16のアトリッションロスを表2に示す。
Mo含有液(A1液)にBi含有液(B1液)を投入する接触時間を30秒間とした以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒13)。触媒13の平均粒子径は53μmであった。
Mo含有液(A1液)にBi含有液(B1液)を投入する接触時間を30時間とした以外は、実施例1と同様にしてスラリーの作製を行った。しかしながら、A1液にB1液を投入し始めてから30時間付近で急激にスラリーの粘度が上昇してしまい、噴霧乾燥器に送液できず噴霧乾燥ができなかった。
Mo含有液(A1液)にBi含有液(B1液)を投入する接触時間を30秒間としてスラリーを作製し、このスラリーを温水浴中で70℃まで昇温し更に5時間攪拌を続けた以外は、実施例1と同様に行い触媒を得た(触媒14)。さらに、触媒1の代わりに触媒14を用いた以外は実施例1と同様にしてブタジエンを製造した。触媒14の異形率及びブタジエンの製造反応の結果を表1に示す。触媒14のアトリッションロスを表2に示す。
組成がMo12Bi0.5Fe2.0Ni2.0Co3.0K0.09Rb0.05Mg1.8Ce0.9Si3.0で表される金属酸化物触媒を次のようにして調製した。
[触媒13を用いたブタジエンの製造(固定床反応)]
触媒13を用いて実施例13と同様にリング状に成型した(高さ4mm、外径5mm、内径2mm)。このリング状成型触媒の圧壊硬度を前述と同様に測定したところ、3.6kgであった。その成型触媒を用いて実施例13と同様にブタジエンの製造を行った。24時間反応した時の反応成績を表1に示す。
Claims (6)
- 下記式(1)で表される組成を有し、n−ブテンからブタジエンを生成する反応を促進する金属酸化物触媒の製造方法であって、
Mo含有液とBi含有液とを接触時間1.0分〜24時間で接触するスラリー化工程と、
前記スラリー化工程で得られたスラリーを噴霧乾燥して乾燥粒子を得る噴霧乾燥工程と、
前記乾燥粒子を焼成する焼成工程と、
を含む金属酸化物触媒の製造方法。
Mo12BipFeqAaBbCcDdEeFfOx (1)
(式中、AはNi及びCoから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはアルカリ金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素、CはMg、Ca、Sr、Ba、Zn及びMnから選ばれる少なくとも1種の元素、Dは少なくとも1種の希土類元素、EはCr、In及びGaから選ばれる少なくとも1種の元素、FはSi、Al、Ti、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素であり、p、q、a、b、c、d、e、f及びxはそれぞれMo12原子に対するBi、Fe、A、B、C、D、E、F及び酸素の原子比を表し、0.1≦p≦5、0.5≦q≦8、0≦a≦10、0.02≦b≦2、0≦c≦5、0≦d≦5、0≦e≦5、23≦f≦200であり、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。) - 前記Mo含有液に前記Bi含有液を接触させる、請求項1に記載の金属酸化物触媒の製造方法。
- 前記n−ブテンからブタジエンを生成する反応が流動床反応である請求項1又は2に記載の金属酸化物触媒の製造方法。
- 下記式(1)で表される組成を有し、
下記式(2)で表される異形率が15%以下であり、
n−ブテンからブタジエンを生成する反応を促進する金属酸化物触媒。
Mo12BipFeqAaBbCcDdEeFfOx (1)
(式中、AはNi及びCoから選ばれる少なくとも1種の元素、Bはアルカリ金属元素から選ばれる少なくとも1種の元素、CはMg、Ca、Sr、Ba、Zn及びMnから選ばれる少なくとも1種の元素、Dは少なくとも1種の希土類元素、EはCr、In及びGaから選ばれる少なくとも1種の元素、FはSi、Al、Ti、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素であり、p、q、a、b、c、d、e、f及びxはそれぞれMo12原子に対するBi、Fe、A、B、C、D、E、F及び酸素の原子比を表し、0.1≦p≦5、0.5≦q≦8、0≦a≦10、0.02≦b≦2、0≦c≦5、0≦d≦5、0≦e≦5、23≦f≦200であり、xは存在する他の元素の原子価要求を満足させるのに必要な酸素の原子数である。)、
異形率(%)=(触媒粒子100個中の、表面粗さの指標であるSdrが10以上の触媒粒子の個数/触媒粒子100個)×100 (2) - 請求項4に記載の金属酸化物触媒を用いて、n−ブテンからブタジエンを製造する方法。
- 流動床反応により行う請求項5に記載のブタジエンを製造する方法。
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