JP6569549B2 - 電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法 - Google Patents

電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6569549B2
JP6569549B2 JP2016017713A JP2016017713A JP6569549B2 JP 6569549 B2 JP6569549 B2 JP 6569549B2 JP 2016017713 A JP2016017713 A JP 2016017713A JP 2016017713 A JP2016017713 A JP 2016017713A JP 6569549 B2 JP6569549 B2 JP 6569549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
trench
density
area
pixel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016017713A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016213436A (ja
Inventor
賢志 村田
賢志 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to CN201610270948.8A priority Critical patent/CN106098732B/zh
Priority to US15/142,058 priority patent/US10007114B2/en
Publication of JP2016213436A publication Critical patent/JP2016213436A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6569549B2 publication Critical patent/JP6569549B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/10OLED displays
    • H10K59/12Active-matrix OLED [AMOLED] displays
    • H10K59/122Pixel-defining structures or layers, e.g. banks
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/30Devices specially adapted for multicolour light emission
    • H10K59/35Devices specially adapted for multicolour light emission comprising red-green-blue [RGB] subpixels
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Element Separation (AREA)

Description

本発明は、電気光学装置、当該電気光学装置が搭載された電子機器、及び当該電気光学装置の製造方法に関する。
電気光学装置の一例として、画素回路や当該画素回路を駆動する駆動回路などが形成されたシリコン基板を備えた有機エレクトロルミネッセンス(以降、有機ELと称す)装置が提案されている(特許文献1)。
特許文献1に記載の有機EL装置では、複数の画素回路や当該画素回路を駆動する駆動回路(データ線駆動回路、走査線駆動回路)などがシリコン基板に形成され、画素回路が配置された領域が表示領域となり、駆動回路が配置された領域が駆動回路領域となる。駆動回路は、表示領域の周辺に形成され、複数の駆動トランジスターが設けられている。画素回路には、複数の画素トランジスターや有機EL素子などが設けられ、画素トランジスターを介して供給される電流によって有機EL素子が発光する。特許文献1に記載の有機EL装置は、例えばヘッドマウントディスプレイの表示部に好適なマイクロディスプレイであり、表示領域に駆動回路領域と比べてより疎にトランジスターが配置されている。
シリコン基板は、例えば素子領域を分離するSTI(Shallow Trench Isolation)構造を有し、当該素子領域にトランジスター(駆動トランジスター、画素トランジスター)が形成される。
当該STI構造は、例えば特許文献2に記載の製造方法によって製造することができる。詳しくは、シリコン基板の上に、酸化シリコンと窒化シリコンとからなる絶縁層を堆積し、シリコン基板に素子領域を囲むトレンチを形成する。続いて、シリコン基板に酸化シリコンを堆積し、トレンチの中に酸化シリコンを埋め込む。続いて、酸化シリコンに、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing(以降、CMPと称す))による平坦化処理を施す。続いて、シリコン基板の表面を覆う絶縁層をエッチング除去し、STI構造を有するシリコン基板を形成する。
特開2013−238725号公報 特開2009−130242号公報
ところが、CMPによる平坦化処理では、単位面積当りの研磨対象物の占有面積(以降、酸化シリコンの面積と称す)が大きい部分は、単位面積当りの酸化シリコンの面積が小さい部分と比べて、酸化シリコンの研磨速度が遅くなる。特許文献1に記載の有機EL装置では、表示領域には駆動回路領域と比べてより疎にトランジスターが配置されているので、単位面積当りの酸化シリコンの占有面積は、駆動回路領域と比べて表示領域の方が小さくなる。よって、表示領域で早く酸化シリコン研磨が進行し、駆動回路領域で遅く酸化シリコンの研磨が進行する。さらに、表示領域の駆動回路領域に近い側は、表示領域の駆動回路領域に遠い側と比べて、駆動回路領域の影響を受け酸化シリコンの研磨が遅く進行し、研磨面の平坦性が悪くなるおそれがある。
加えて、表示領域の研磨面の平坦性は画素トランジスターの特性に影響し、表示領域の駆動回路領域に近い側と、表示領域の駆動回路領域に遠い側とで、画素トランジスターの特性に僅かな差が生じる。このため、表示領域の駆動回路領域に近い側と、表示領域の駆動回路領域に遠い側とで、有機EL素子が発する光の輝度に僅かな差が生じるようになる。一方、人間の目は、光の輝度の変化に対して敏感であり、有機EL素子が発する光の僅かな輝度の変化を検知し、輝度ムラとして認識しやすい。
従って、シリコン基板の研磨面の平坦性が悪くなり、画素トランジスターの特性の均一性が悪くなるおそれがある。画素トランジスターの特性の均一性が悪くなると、有機EL素子が発する光の輝度の均一性が悪くなり、輝度ムラ(表示ムラ)が発生しやすいという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、第1の密度を有する第1トレンチ素子分離領域を含みトランジスターを含む画素回路が配置された第1領域と、第2の密度を有する第2トレンチ素子分離領域を含み前記画素回路を駆動するための信号を供給する駆動回路が配置された第2領域と、第3の密度を有する第3トレンチ素子分離領域を含み少なくとも前記第1領域と前記第2領域との間に配置された第3領域と、を含み、前記第1の密度と前記第2の密度とは異なり、前記第1の密度と前記第3の密度とは等しいことを特徴とする。
第1領域と第2領域との間の第3領域には、第1領域と同じ密度の第3トレンチ素子分離領域が配置されている。よって、第1領域と第2領域との間に第3領域が配置されていない場合と比べて、第2領域の第1領域への影響が小さくなり、第1領域の第2領域に近い側と、第1領域の第2領域に遠い側とで、第1領域の状態(例えば、平坦性)が変化しにくくなる。
第1領域の状態(例えば、平坦性)が変化しにくいので、第1領域に形成するトランジスター(画素回路)の特性が変化しにくくなり、第1領域に形成するトランジスター(画素回路)の特性の均一性を高めることができる。従って、電気光学装置の表示の均一性を高め、より高品位な表示を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置は、前記第3領域は前記第1領域を囲むことが好ましい。
第1領域を囲むように第3領域を配置することで、第2領域の第1領域への影響を小さくすることができる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置は、前記第3領域は前記第2領域を囲むことが好ましい。
第2領域を囲むように第3領域を配置することで、第2領域の第1領域への影響を小さくすることができる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置は、前記第1トレンチ素子分離領域と前記第3トレンチ素子分離領域とは同一のパターンからなることが好ましい。
第1トレンチ素子分離領域と第2トレンチ素子分離領域とが異なるパターンからなり、第1の密度と第2の密度とが異なる場合であっても、第1トレンチ素子分離領域と同一のパターンからなり、第1の密度と同じ密度の第3トレンチ素子分離領域を、第1領域と第2領域との間の第3領域に設けることによって、第2領域の第1領域への影響を小さくすることができる。
[適用例5]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
本適用例に係る電子機器の表示部に、上記適用例に記載の電気光学装置を適用することで、高品位な表示を提供することができる。
[適用例6]本適用例に係る電気光学装置の製造方法は、第1の密度を有する第1トレンチを含み画素回路が配置された第1領域と、第2の密度を有する第2トレンチを含み前記画素回路を駆動するための信号を供給する駆動回路が配置された第2領域と、第3の密度を有する第3トレンチを含み少なくとも前記第1領域と前記第2領域との間に配置された第3領域と、を含む電気光学装置の製造方法であって、シリコン基板の上に、所定のパターンを有する研磨ストッパー層を形成する工程と、少なくとも前記研磨ストッパー層をマスクとして、前記シリコン基板にトレンチを形成する工程と、前記トレンチを充填するように、前記シリコン基板の上に絶縁層を形成する工程と、前記研磨ストッパー層をストッパーとして、前記絶縁層を研磨する工程と、を含み、前記トレンチを形成する工程では、前記第1の密度と前記第2の密度とが異なり、前記第1の密度と前記第3の密度とが等しくなるように、前記第1領域に前記第1の密度を有する前記第1トレンチを形成し、前記第2領域に前記第2の密度を有する前記第2トレンチを形成し、前記第3領域に前記第3の密度を有する前記第3トレンチを形成することを特徴とする。
シリコン基板の第1領域と第2領域と第3領域とにトレンチを形成した後、絶縁層を形成し(堆積し)絶縁層を研磨して、トレンチの中に絶縁層が充填されたSTI構造のシリコン基板を形成する。
第1領域と第2領域との間に第1トレンチと同じ密度の第3トレンチを有する第3領域を形成しない場合、研磨する工程における第1領域の研磨速度は第2領域の影響を受けやすく、変化しやすい。第1領域と第2領域との間に第1トレンチと同じ密度の第3トレンチを有する第3領域を形成すると、研磨する工程における第1領域の研磨速度は第2領域の影響を受けにくく、変化しにくい。
よって、第1領域における研磨面の状態(例えば、平坦性)が変化しにくくなり、第1領域に形成するトランジスター(画素回路)の特性の均一性を高めることができる。従って、電気光学装置の表示の均一性を高め、より高品位な表示を提供することができる。
[適用例7]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法は、前記トレンチを形成する工程では、前記第1領域を囲むように前記第3領域を形成することが好ましい。
トレンチを形成する工程において第1領域を囲むように第3領域を形成すると、研磨する工程において第2領域の第1領域への影響を小さくすることができる。
[適用例8]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法は、前記トレンチを形成する工程では、前記第2領域を囲むように前記第3領域を形成することが好ましい。
トレンチを形成する工程において第2領域を囲むように第3領域を形成すると、研磨する工程において第2領域の第1領域への影響を小さくすることができる。
[適用例9]上記適用例に係る電気光学装置の製造方法は、前記トレンチを形成する工程では、前記第1トレンチと前記第3トレンチとは同一のパターンであることが好ましい。
第1トレンチと第2トレンチとが異なるパターンからなり、第1の密度と第2の密度とが異なる場合であっても、第1トレンチと同一のパターンからなり第1の密度と同じ密度の第3トレンチを、第1領域と第2領域との間の第3領域に設けることによって、第2領域の第1領域への影響を小さくすることができる。
実施形態1に係る有機EL装置の概要を示す概略平面図。 実施形態1に係る有機EL装置の電気的な構成を示す図。 画素回路の電気的な構成を示す図。 画素の概要を示す概略平面図。 図4の線分A−A’に沿った有機EL装置の概略断面図。 画素における基板の状態を示す概略平面図。 図6の線分B−B’に沿った基板の概略断面図。 有機EL装置における基板の状態を示す概略平面図。 実施形態1に係る有機EL装置の製造方法を示す工程フロー。 図9に示す工程フローの主要な工程を経た後の基板の状態を示す概略断面図。 比較例に係る有機EL装置の基板の状態を示す概略平面図。 (a)は比較例に係る有機EL装置のトランジスターの概略平面図。(b)は(a)の線分C−C’に沿ったトランジスターの概略断面図。(c)は(a)の線分D−D’に沿ったトランジスターの概略断面図。 実施形態2に係るヘッドマウントディスプレイの構成を示す概略図。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。かかる実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の各図においては、各層や各部位を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部位の縮尺を実際とは異ならせしめてある。
(実施形態1)
「有機EL装置の概要」
図1は、実施形態1に係る有機EL装置の概要を示す概略平面図である。図2は、本実施形態に係る有機EL装置の電気的な構成を示す図である。図3は、画素回路の電気的な構成を示す図である。
まず、図1乃至図3を参照して、本実施形態に係る有機EL装置100の概要について説明する。
図1に示すように、有機EL装置100は、素子基板10と、保護基板40とを有している。素子基板10と保護基板40とは、互いに対向した状態で、図示を省略する接着剤(後述する樹脂層41、図5参照)によって接合されている。なお、接着剤(樹脂層41)には、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などを使用することができる。
なお、有機EL装置100は、「電気光学装置」の一例である。
素子基板10は、赤色(R)の光を発する有機EL素子30Rが配置された画素20Rと、緑色(G)の光を発する有機EL素子30Gが配置された画素20Gと、青色(B)の光を発する有機EL素子30Bが配置された画素20Bとがマトリックス状に配列された表示領域Eを有している。
なお、表示領域Eは、「第1領域」の一例である。
以降の説明では、画素20Rと画素20Gと画素20Bとをまとめて画素20として扱う場合があり、有機EL素子30Rと有機EL素子30Gと有機EL素子30Bとをまとめて有機EL素子30として扱う場合がある。
表示領域Eには、カラーフィルター層50が設けられている。カラーフィルター層50のうち、画素20Rの有機EL素子30Rの上には赤色のカラーフィルター層50Rが配置され、画素20Gの有機EL素子30Gの上には緑色のカラーフィルター層50Gが配置され、画素20Bの有機EL素子30Bの上には青色のカラーフィルター層50Bが配置されている。
有機EL素子30で発せられた光は、素子基板10のカラーフィルター層50を透過して保護基板40の側から表示光として射出される。すなわち、有機EL装置100は、トップエミッション構造を有している。
有機EL装置100がトップエミッション構造であることから、素子基板10の基材に不透明基板を用いることができる。本実施形態では、素子基板10の基材である基板本体8(図5、図7参照)の構成材料はシリコンである。
表示領域Eの外側には、素子基板10の長辺側の一辺に沿って、複数の外部接続用端子103が配列されている。複数の外部接続用端子103と表示領域Eとの間には、データ線駆動回路101が設けられている。素子基板10の短辺側の二辺と表示領域Eとの間には、走査線駆動回路102が設けられている。つまり、走査線駆動回路102は、表示領域Eに対して左右の両隣に設けられている。データ線駆動回路101はデータ線駆動回路領域101aに設けられ、走査線駆動回路102は走査線駆動回路領域102aに設けられている。
以降、データ線駆動回路領域101aと走査線駆動回路領域102aとをまとめて、駆動回路領域105と称す。なお、駆動回路領域105(データ線駆動回路領域101a、走査線駆動回路領域102a)は、「第2領域」の一例である。
以降、表示領域E及び駆動回路領域105以外の領域を、周辺領域106と称す。周辺領域106は、表示領域Eを囲むように設けられている。周辺領域106は、駆動回路領域105(データ線駆動回路領域101a、走査線駆動回路領域102a)を囲むように設けられている。なお、周辺領域106は、「第3領域」の一例である。
以降、素子基板10の長辺に沿った方向をX方向とし、素子基板10の短辺に沿った方向をY方向とし、素子基板10から保護基板40に向かう方向をZ方向とする。さらに、図中で各方向を示す矢印の先端側を(+)とし、基端側を(−)とする。また、Z方向から見ることを平面視と称す。
このように、有機EL装置100(素子基板10)は、画素20(画素回路110(図2参照))が配置された表示領域Eと、データ線駆動回路101、走査線駆動回路102が配置された駆動回路領域(データ線駆動回路領域101a、走査線駆動回路領域102a)と、周辺領域106とを有している。
外部接続用端子103は、回路モジュール(図示省略)に接続される。外部接続用端子103に接続される回路モジュールは、有機EL装置100の電源回路および制御回路を兼ねており、画素20やデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に対して各種の電位を給電するほか、データ信号や制御信号などを供給する。
保護基板40は、素子基板10よりも小さく、外部接続用端子103が露出されるように素子基板10と対向して配置されている。保護基板40は、透光性の基板であり、石英基板やガラス基板などを使用することができる。保護基板40は、表示領域Eに配置された有機EL素子30が傷つかないように保護する役割を有し、表示領域Eよりも広く設けられている。
図2に示すように、素子基板10には、m行の走査線12がX方向に延在して設けられ、n列のデータ線14がY方向に延在して設けられている。また、素子基板10には、データ線14に沿って列毎に電源線19がY方向に延在して設けられている。
素子基板10には、m行の走査線12とn列のデータ線14との交差部に対応して、画素回路110が設けられている。画素回路110は、画素20の一部をなす。すなわち、表示領域Eには、m行×n列の画素回路110が、マトリックス状に配列されている。
電源線19には、初期化用のリセット電位Vorstが供給(給電)されている。さらに、図示を省略するが、制御信号Gcmp,Gel,Gorstを供給する3つの制御線が、走査線12に並行して設けられている。
走査線12は、走査線駆動回路102に電気的に接続されている。データ線14は、データ線駆動回路101に電気的に接続されている。走査線駆動回路102には、走査線駆動回路102を制御するための制御信号Ctr1が供給されている。データ線駆動回路101には、データ線駆動回路101を制御するための制御信号Ctr2が供給されている。
走査線駆動回路102は、フレームの期間に亘って走査線12を1行毎に走査するための走査信号Gwr(1)、Gwr(2)、Gwr(3)、…、Gwr(m− 1)、Gwr(m)を、制御信号Ctr1に従って生成する。さらに、走査線駆動回路102は、走査信号Gwrの他に、制御信号Gcmp,Gel,Gorstを制御線に供給する。なお、フレームの期間とは、有機EL装置100で1カット(コマ)分の画像が表示される期間であり、例えば同期信号に含まれる垂直同期信号の周波数が120Hzであれば、1フレームの期間は約8.3ミリ秒となる。
2つの走査線駆動回路102は、m行の走査線12の各々を両側から駆動する。走査信号の遅延が問題にならないのであれば、走査線駆動回路102を片側に1個だけ設ける構成であっても良い。
データ線駆動回路101は、走査線駆動回路102によって選択された行に位置する画素回路110に対し、当該画素回路110の階調データに応じた電位のデータ信号Vd(1)、Vd(2)、…、Vd(n)を、1、2、…、n列目のデータ線14に供給する。
素子基板10は、基板7(図5乃至図7参照)を有し、画素回路110、走査線駆動回路102、及びデータ線駆動回路101などは、主に共通の基板7に形成されている。このうち、走査線駆動回路102が出力する走査信号Gwr(1)〜Gwr(m)は、H又はLレベルで規定される論理信号である。このため、走査線駆動回路102は、制御信号Ctr1に従って動作するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)論理回路の集合体となっている。また、走査信号Gwr(1)〜Gwr(m)においてHレベルは電源の高位側となる電位Velに相当し、Lレベルは電源の低位側となる電位Vctに相当する。
また、データ線駆動回路101が出力するデータ信号Vd(1)〜Vd(n)はアナログ信号であるが、データ線駆動回路101は、上記回路モジュールから供給されるデータ信号Vdを、制御信号Ctr2に従って1〜n列のデータ線14に順番に供給する構成となる。このため、データ線駆動回路101についてもCMOS論理回路を有する。
一方、画素回路110は、後述するPチャネル型のトランジスター121,122,123,124,125(図3参照)を有している。
図3に示すように、画素回路110は、トランジスター121,122,123,124,125と、有機EL素子30と、容量21とを有している。画素回路110には、上述した走査信号Gwrや制御信号Gcmp,Gel,Gorstなどが供給される。
トランジスター121,122,123,124,125は、Pチャネル型のトランジスターである。
有機EL素子30(図5も併せて参照)は、互いに対向する画素電極31と対向電極33とで発光機能層32を挟持した構造を有している。つまり、有機EL素子30は、画素電極31の上に発光機能層32と対向電極33とが順に積層された構造を有している。
画素電極31は、発光機能層32に正孔を供給するアノードであり、光透過性を有する導電材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜で構成されている。画素電極31は、トランジスター124のドレイン及びトランジスター125のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている。
対向電極33は、発光機能層32に電子を供給するカソードであり、例えばマグネシウム(Mg)と銀(Ag)との合金などの光透過性と光反射性とを有する導電材料により形成されている。対向電極33は、複数の画素20に跨って設けられた共通電極であり、電源線18に電気的に接続されている。電源線18には、画素回路110において電源の低位側となる電位Vctが供給されている。
発光機能層32は、画素電極31の側から順に積層された正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、及び電子輸送層などを有している。有機EL素子30では、画素電極31から供給される正孔と、対向電極33から供給される電子とが、発光機能層32の中で結合することによって、発光機能層32が発光する。
また、素子基板10には、各電源線19に交差して電源線6がX方向に延在して設けられている。なお、電源線19はY方向に延在して設けられてもよいし、X方向及びY方向の両方に延在するように設けられてもよい。トランジスター121は、ソースが電源線6に電気的に接続され、ドレインがトランジスター123のソース又はドレインの他方と、トランジスター124のソースとにそれぞれ電気的に接続されている。また、電源線6には、画素回路110において電源の高位側となる電位Velが供給されている。また、電源線6には、容量21の一端が電気的に接続されている。トランジスター121は、トランジスター121のゲート及びソース間の電圧に応じた電流を流す駆動トランジスターとして機能する。
トランジスター122は、ゲートが走査線12に電気的に接続され、ソース又はドレインの一方がデータ線14に電気的に接続されている。また、トランジスター122は、ソース又はドレインの他方が、トランジスター121のゲートと、容量21の他端と、トランジスター123のソース又はドレインの一方とに、それぞれ電気的に接続されている。
トランジスター122は、トランジスター121のゲートとデータ線14との間に電気的に接続され、トランジスター121のゲートとデータ線14との間の電気的な接続を制御する書込トランジスターとして機能する。
トランジスター123は、ゲートが制御線に電気的に接続され、制御信号Gcmpが供給される。トランジスター123は、トランジスター121のゲート及びドレインの間の電気的な接続を制御する、閾値補償トランジスターとして機能する。
トランジスター124は、ゲートが制御線に電気的に接続され、制御信号Gelが供給される。トランジスター124は、ドレインがトランジスター125のソース又はドレインの一方と有機EL素子30の画素電極31とにそれぞれ電気的に接続されている。トランジスター124は、トランジスター121のドレインと、有機EL素子30の画素電極31との間の電気的な接続を制御する、発光制御トランジスターとして機能する。
なお、有機EL素子30の画素電極31は、中継電極28を介して、トランジスター124のドレイン及びトランジスター125のソース又はドレインの一方に電気的に接続されている。
トランジスター125は、ゲートが制御線に電気的に接続され、制御信号Gorstが供給される。また、トランジスター125のソース又はドレインの他方は、電源線19に電気的に接続され、リセット電位Vorstが供給されている。トランジスター125は、電源線19と、有機EL素子30の画素電極31との間の電気的な接続を制御する初期化トランジスターとして機能する。
「画素の概要」
図4は、画素の概要を示す概略平面図である。同図には、画素20の構成要素のうち、電源線6、中継電極6−1、画素電極31、及び絶縁膜29が図示され、他の構成要素の図示は省略されている。また、図中の二点鎖線は、画素20の輪郭を示している。
以下に、図4を参照して画素20の概要について説明する。
図4に示すように、画素20R,20G,20Bのそれぞれは、平面視で矩形状となっており、長手方向がY方向に沿って配置されている。画素20は、電源線6、中継電極6−1、画素電極31、及び絶縁膜29を有している。なお、電源線6と、画素電極31と、絶縁膜29とのZ方向の位置関係は、後述する図5に示すようになっている。なお、図4では、分かりやすくするために、実際の上下関係に関係なく、実線と破線とを使い分けている。
電源線6は、表示領域Eの略全面に設けられ、画素20毎に開口6CTを有している。開口6CTの内側に、電源線6と同じ工程で形成された中継電極6−1が設けられている。電源線6は、光反射性の導電材料で構成され、光反射膜としての機能を有する。
画素電極31は、Y方向に長くなった矩形状を有し、画素20R,20G,20Bのそれぞれに設けられている。
絶縁膜29は、透光性の絶縁膜で構成され、画素電極31の周縁部を覆うように設けられている。つまり、絶縁膜29は、画素電極31の一部を露出させる開口29CTを有している。開口29CTも、画素電極31と同じく、Y方向に長くなった矩形状を有している。
絶縁膜29で覆われていない部分の画素電極31、つまり開口29CTで露出された画素電極31は、発光機能層32に接し、発光機能層32に電流を供給し、発光機能層32を発光させる。このため、絶縁膜29に設けられた開口29CTが、画素20の発光領域となる。
「有機EL装置の断面構造」
図5は、図4の線分A─A’に沿った有機EL装置の概略断面図である。
図5には、画素回路110のうちトランジスター121,124が図示され、トランジスター122,123,125の図示は省略されている。トランジスター122,123,125は、トランジスター121,124と同じ構成を有している。
また、上述したデータ線駆動回路101や走査線駆動回路102を構成するトランジスターは、トランジスター121,122,123,124,125と同じ工程で形成されている。
以下、図5を参照して、有機EL装置100の断面構造を説明する。
図5に示すように、有機EL装置100は、素子基板10、保護基板40、及び素子基板10と保護基板40とで挟持された樹脂層(接着剤)41などを有している。
樹脂層41は、素子基板10と保護基板40とを接着する役割を有し、例えばエポキシ樹脂やアクリル樹脂などを使用することができる。
素子基板10は、基板7と、基板7内を含む基板7上に順に配置された画素回路110と、封止層45と、カラーフィルター層50とで構成されている。
基板7は、例えばシリコンで構成される基板本体8を有する。基板7は、素子領域77と、素子分離領域88とを有している。素子領域77には、トランジスター121,122,123,124,125のいずれかが形成されている。
基板7の素子領域77には、一対のイオン注入部63,64が設けられている。イオン注入部63,64の一方がソースとなり、他方がドレインとなる。イオン注入部63,64で挟まれた部分が、チャネル65となる。イオン注入部63,64と、チャネル65と、後述するゲート絶縁膜61及びゲート62とによって、トランジスター121,122,123,124,125が形成される。
トランジスター121の素子領域77とトランジスター124の素子領域77との間の領域が、素子分離領域88となる。素子分離領域88には、基板7(基板本体8)をZ(−)方向にエッチングすることで形成されたトレンチ81が形成されている。トレンチ81の内側には酸化シリコン82が充填されている。トレンチ81と酸化シリコン82とで後述する素子分離部80が構成される。
このように、基板7は、素子領域77と素子領域77とが酸化シリコン82が充填されたトレンチ81によって分離されたSTI構造を有している。つまり、素子領域77は、酸化シリコン82が充填されたトレンチ81(素子分離部80)によって囲まれ、素子領域77に設けられたトランジスターと、他の素子領域77に設けられた他のトランジスターとが電気的に干渉しないようになっている。
基板7の表面を覆うように、ゲート絶縁膜61が設けられている。ゲート絶縁膜61は、トランジスター121,124のゲート絶縁膜として機能する。ゲート絶縁膜61の上には、例えばポリシリコンなどの導電膜からなるゲート62が設けられている。ゲート62は、トランジスター121,124のチャネル65に対向するように配置されている。すなわち、ゲート絶縁膜61を挟んで、素子領域77における基板7のゲート62に対向する部分が、チャネル65となる。
ゲート62を覆うように、第1層間絶縁膜15が形成されている。第1層間絶縁膜15には、例えばトランジスター121のゲート、ソース及びドレインに至るコンタクトホールや、トランジスター124のソース及びドレインに至るコンタクトホールが形成されている。これらコンタクトホールには、導電材料が充填されている。
第1層間絶縁膜15の上には、第1配線層15−1が形成されている。第1配線層15−1によって、トランジスター121のゲートと電気的に接続される中継電極、トランジスター121のソース及びドレインと電気的に接続される中継電極、トランジスター124のソースに電気的に接続される中継電極、及びトランジスター124のドレインに電気的に接続される中継電極15−1aなどが形成される。また、第1配線層15−1で形成された中継電極によって、トランジスター121のドレインと、トランジスター124のソースとが電気的に接続されている。
第1配線層15−1を覆うように、第2層間絶縁膜16が形成されている。第2層間絶縁膜16には、トランジスター121のゲートと電気的に接続された中継電極に至るコンタクトホールや、中継電極15−1aに至るコンタクトホールが形成されている。これらコンタクトホールには、導電材料が充填されている。
第2層間絶縁膜16の上には、第2配線層16−1が形成されている。第2配線層16−1によって、容量21の一方の電極21aや中継電極16−1aが形成されている。容量21の一方の電極21aは、第2層間絶縁膜16のコンタクトホールに充填された導電材料や、第1層間絶縁膜15の上に形成された中継電極を介して、トランジスター121のゲートに電気的に接続されている。中継電極16−1aは、第2層間絶縁膜16のコンタクトホールに充填された導電材料を介して、中継電極15−1aに電気的に接続されている。
第2配線層16−1を覆うように、絶縁膜17が形成されている。絶縁膜17は、容量21を形成するための容量絶縁膜となる。
絶縁膜17の上には、第3配線層17−1が形成されている。第3配線層17−1によって、容量21の他方の電極21bが形成されている。その結果、一方の電極21aと絶縁膜17と他方の電極21bとで、容量21が形成される。
第3配線層17−1を覆うように、第3層間絶縁膜13が形成されている。第3層間絶縁膜13は、酸化シリコンで構成され、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)による平坦化処理が施されている。第3層間絶縁膜13には、容量21の他方の電極21bに至るコンタクトホールが形成されている。第3層間絶縁膜13及び絶縁膜17には、中継電極16−1aに至るコンタクトホールが形成されている。これらコンタクトホールには導電材料が充填されている。
第3層間絶縁膜13の上には、第4配線層13−1が形成されている。第4配線層13−1は、光反射性の導電材料、例えばアルミニウムで構成されている。第4配線層13−1によって、電源線6及び中継電極6−1が形成されている。電源線6は開口6CTを有し、中継電極6−1は開口6CTの内側に配置されている。
電源線6は、第3層間絶縁膜13を貫くコンタクトホールに充填された導電材料を介して、容量21の他方の電極21bに電気的に接続されている。さらに、中継電極6−1は、第3層間絶縁膜13及び絶縁膜17を貫くコンタクトホールに充填された導電材料を介して、中継電極16−1aに電気的に接続されている。
第4配線層13−1を覆うように、第1絶縁膜1が形成されている。第1絶縁膜1は、例えば窒化シリコンで構成されている。第1絶縁膜1は、電源線6や中継電極6−1を覆い、表示領域Eの略全面に亘って形成されている。第1絶縁膜1には、中継電極6−1に至るコンタクトホールが形成されている。
第1絶縁膜1の上には、中継電極28が形成されている。中継電極28は、例えば窒化チタンで構成され、平面視で開口6CTを覆うように開口6CTよりも広く形成されている。中継電極28は、第1絶縁膜1を貫くコンタクトホールの内側にも充填され、中継電極6−1に電気的に接続されている。
中継電極28及び第1絶縁膜1を覆うように、第2絶縁膜2が形成されている。第2絶縁膜2は、例えば酸化シリコンで構成され、表示領域Eの略全面に亘って形成されている。第2絶縁膜2には、中継電極28に至るコンタクトホールが形成されている。
第2絶縁膜2の上には、画素電極31が形成されている。画素電極31は、第2絶縁膜2を貫くコンタクトホールの内側にも充填され、中継電極28に電気的に接続されている。つまり、画素電極31は、中継電極28、中継電極6−1、中継電極16−1a、及び中継電極15−1aなどを介して、トランジスター124のドレインに電気的に接続されている。
画素電極31を覆うように、絶縁膜29が形成されている。絶縁膜29は、画素電極31の一部を露出させる開口29CTを有している。上述したように、開口29CTが画素20の発光領域となる。
発光領域(開口29CT)において、電源線6と画素電極31との間には、第1絶縁膜1と第2絶縁膜2とが、Z(+)方向にこの順で積層されている。なお、第1絶縁膜1と第2絶縁膜2とで、画素20Gにおける光学的距離調整層27Gが形成される。
図示を省略するが、青色(B)の光を発する画素20Bの光学的距離調整層27Bは、第1絶縁膜1で構成されている。赤色(R)の光を発する画素20Rの光学的距離調整層27Rは、第1絶縁膜1と第2絶縁膜2と第3絶縁膜(図示省略)とで構成されている。このため、光学的距離調整層27は、画素20Bの光学的距離調整層27B、画素20Gの光学的距離調整層27G、画素20Rの光学的距離調整層27Rの順に厚くなる。
有機EL素子30は、発光領域(開口29CT)においてZ(+)方向に順に積層された、画素電極31と、発光機能層32と、対向電極33とで構成される。
発光機能層32及び対向電極33の構成については、前述したとおりである。なお、発光機能層32の有機発光層は、単層で構成してもよいし、複数の層(例えば、青色で発光する青色発光層と、赤色及び緑色を含む光を発する黄色発光層)で構成してもよい。
対向電極33の上には、封止層45が配置されている。封止層45は、水分や酸素などによる発光機能層32や対向電極33の劣化を抑制するパッシベーション膜であり、発光機能層32や対向電極33への水分や酸素の侵入を抑制している。
封止層45は、対向電極33の側からZ(+)方向に順に積層された第1封止層46と、平坦化層47と、第2封止層48とで構成され、有機EL素子30を覆い、素子基板10の略全面に設けられている。なお、封止層45には、外部接続用端子103(図1参照)を露出させる開口(図示省略)が設けられている。
第1封止層46及び第2封止層48は、例えば公知技術のプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて形成されたシリコン酸窒化物で構成され、水分や酸素に対して高いバリア性を有している。
平坦化層47は、熱安定性に優れた例えばエポキシ系樹脂や塗布型の無機材料(シリコン酸化物など)などで構成されている。平坦化層47は、第1封止層46の欠陥(ピンホール、クラック)や異物などを被覆し、平坦な面を形成する。
封止層45の上には、カラーフィルター層50が配置されている。図5では、画素20Gに対応した緑色のカラーフィルター層50Gが配置されている。なお、画素20Bには青色のカラーフィルター層50Bが配置され、画素20Rには赤色のカラーフィルター層50Rが配置されている。
「基板の概要」
ここで、基板について更に説明する。
図6は、画素における基板の状態を示す概略平面図である。図7は、図6の線分B−B’に沿った基板の概略断面図である。図8は、有機EL装置における基板の状態を示す概略平面図である。
なお、図6では、画素20の境界(輪郭)が二点鎖線で示されている。図7では、ゲート絶縁膜61とゲート62とが、二点鎖線で示されている。図8では、二点鎖線で囲まれた領域が表示領域E又は駆動回路領域105であり、網掛けが施された領域が周辺領域106である。
以下、図6乃至図8を参照して、基板7の概要を詳細に説明する。
図6に示すように、画素20において、基板7は、基板本体8(図7参照)にn型不純物(例えばリン)をイオン注入することで形成されたnウエル71,72,73,74,75(n型半導体領域)を有している。nウエル71,72,74,75は、平面視でY方向に長い矩形状をなしている。nウエル73は、X方向に長い矩形状をなしている。nウエル71と、nウエル72と、nウエル73と、nウエル74と、nウエル75との間には、素子分離部80が配置されている。換言すれば、nウエル71と、nウエル72と、nウエル73と、nウエル74と、nウエル75とは、それぞれ素子分離部80で囲まれ、素子分離部80によって分離され、電気的な干渉が抑制されている。
以降の説明では、画素20に形成されたnウエル71,72,73,74,75を、画素ウエルNと称す場合がある。
図7に示すように、基板7は、基板本体8と、画素ウエルN(nウエル71,72,73,74,75)と、素子分離部80とを有する。
基板本体8は、p型のシリコン基板(p型半導体基板)である。画素ウエルNは、基板本体8にn型不純物をイオン注入することで形成される。素子分離部80は、基板本体8をZ(−)方向にエッチングすることで形成されるトレンチ81と、トレンチ81の中に充填された酸化シリコン82とで構成される。基板7は、平坦化処理によって平坦となった表面を有する。
トレンチ81は、「第1トレンチ」の一例である。酸化シリコン82は、「絶縁層」の一例である。
なお、基板本体8がZ(−)方向と交差する方向にエッチングされ、トレンチ81がZ(−)方向と交差するテーパー形状の側壁を有する場合、平面視で、画素ウエルNが形成された領域の形状及び素子分離部80が形成された領域の形状は、Z(−)方向と交差する方向に変化することになる。本実施形態では、基板7の表面の画素ウエルNが形成された領域が素子領域77であり、基板7の表面の素子分離部80が形成された領域が素子分離領域88であると定義する。すなわち、図中で、基板7の表面の画素ウエルNが形成された領域が素子領域77であり、基板7の表面の素子分離部80が形成された領域が素子分離領域88である。
素子分離領域88は、「第1トレンチ素子分離領域」の一例である。
なお、詳細は後述するが、駆動回路領域105及び周辺領域106は、素子分離部80と同じ構成の素子分離部(図示省略)を有している。
表示領域Eの面積に対する素子分離領域88の面積の割合は、D1である。上述したように、素子分離領域88は、トレンチ81とトレンチ81の中に充填された酸化シリコン82とで構成されるので、素子分離部80とトレンチ81とは平面視で同じ形状(面積)である。従って、表示領域Eの面積に対するトレンチ81が設けられた領域の面積の割合は、D1である。
以降、表示領域Eの面積に対する素子分離領域88の面積の割合、及び表示領域Eの面積に対するトレンチ81が設けられた領域の面積の割合を、表示領域のトレンチ密度と称す。表示領域のトレンチ密度は、D1である。
なお、表示領域のトレンチ密度D1は、「第1の密度」の一例である。
nウエル71は、p型不純物(例えばホウ素)をイオン注入することで形成されたイオン注入部63,64を有している。イオン注入部63,64は、nウエル71に対してゲート62をマスクにp型不純物をイオン注入することで形成され、トランジスター121のソース又はドレインになる。ゲート62に対向する部分のnウエル71(ゲート62の直下のnウエル71)は、p型不純物がイオン注入されず、トランジスター121のチャネル65となる。
トランジスター121は、nウエル71のイオン注入部63,64(ソース又はドレイン)と、nウエル71のチャネル65と、ゲート絶縁膜61と、ゲート絶縁膜61を挟んでnウエル71のチャネル65に対向配置されたゲート62とで構成される。
同様に、トランジスター124は、nウエル74のイオン注入部63,64(ソース又はドレイン)と、nウエル74のチャネル65と、ゲート絶縁膜61と、ゲート絶縁膜61を挟んでnウエル74のチャネル65に対向配置されたゲート62とで構成される。
他のトランジスター122,123,125も、トランジスター121,124と同じ構成(構造)を有している。
上述したように、nウエル71,72,73,74,75は、それぞれ素子分離部80で囲まれ、素子分離部80によって分離されている。その結果、トランジスター121,122,123,124,125は、素子分離部80によって、相互の電気的干渉が抑制されている。すなわち、基板7は、nウエル71,72,73,74,75が素子分離部80によって分離されたSTI構造を有している。
図8に示すように、基板7(有機EL装置100)は、表示領域Eと、駆動回路領域105(データ線駆動回路領域101a、走査線駆動回路領域102a)と、周辺領域106(図中で網掛けが施された領域)とを有している。
走査線駆動回路領域102aには、X方向に長い帯状のp型半導体領域141がY方向に複数配列されている。p型半導体領域141と、隣り合うp型半導体領域141との間には、nウエル131が配置されている。p型半導体領域141とnウエル131とが交互に配置された領域を囲むように、nウエル132が配置されている。
図8において、走査線駆動回路領域102aには、7行のp型半導体領域141が図示されている。本実施形態では、例えば互いに隣接するnウエル131とp型半導体領域141とが1行分に相当するので、走査線駆動回路領域102aには、nウエル131とp型半導体領域141とが、画素回路110の行数であるm行配置されている。
走査線駆動回路102を構成するCMOS論理回路のうち、Pチャネル型のトランジスターはnウエル131,132に形成され、Nチャネル型のトランジスターはp型半導体領域141に形成される。
データ線駆動回路領域101aのうち、表示領域Eに対向する側の上領域には、nウエル133が配置されている。データ線駆動回路領域101aのうち、表示領域Eと反対側の下領域には、p型半導体領域142が配置されている。
データ線駆動回路101を構成するCMOS論理回路のうち、Pチャネル型のトランジスターはnウエル133に形成され、Nチャネル型のトランジスターはp型半導体領域142に形成される。
駆動回路領域105は、素子分離部(図示省略)が設けられたSTI構造を有し、駆動回路領域105に設けられた素子分離部によって、トランジスター相互の電気的干渉が抑制されている。このように、駆動回路領域105は、表示領域Eにおける素子分離部80と同じ構成の素子分離部を有している。さらに、駆動回路領域105に設けられた素子分離部は、駆動回路領域105に設けられたトレンチ(図示省略)と、当該トレンチの中に充填された酸化シリコン82(図示省略)とを有している。
以降、駆動回路領域105に設けられた素子分離部を駆動回路素子分離部と称す。さらに、駆動回路領域105に設けられたトレンチを、駆動回路トレンチと称す。さらに、駆動回路領域105に配置されたnウエル131,132,133及びp型半導体領域141,142を、駆動回路ウエルと称す。
駆動回路トレンチは、「第2トレンチ」の一例である。さらに、駆動回路素子分離部が設けられた領域は、「第2トレンチ素子分離領域」の一例である。
駆動回路領域105の面積に対する駆動回路素子分離部が設けられた領域の面積の割合は、D2である。上述したように、駆動回路素子分離部は、駆動回路トレンチと駆動回路トレンチの中に充填された酸化シリコン82とで構成されるので、駆動回路素子分離部と駆動回路トレンチとは平面視で同じ形状(面積)である。従って、駆動回路領域105の面積に対する駆動回路トレンチが設けられた領域の面積の割合は、D2である。
以降、駆動回路領域105の面積に対する駆動回路素子分離部が設けられた領域の面積の割合、及び駆動回路領域105の面積に対する駆動回路トレンチが設けられた領域の面積の割合を、駆動回路領域のトレンチ密度と称す。駆動回路領域のトレンチ密度は、D2である。
なお、駆動回路領域のトレンチ密度D2は、「第2の密度」の一例である。
周辺領域106は、表示領域Eにおける素子分離部80と同じ素子分離部(図示省略)を有している。つまり、周辺領域106に設けられた素子分離部は、表示領域Eの素子分離部80と同じ形状を有し、周辺領域106に設けられたトレンチ(図示省略)と、当該トレンチの中に充填された酸化シリコン82(図示省略)とを有している。さらに、周辺領域106に設けられたトレンチは、表示領域Eのトレンチ81と同じ形状である。すなわち、表示領域Eの素子分離部80が設けられた領域(素子分離領域88)と、周辺領域106の素子分離部が設けられた領域とは、平面視で同一のパターンである。表示領域Eのトレンチ81が設けられた領域と、周辺領域106のトレンチが設けられた領域とは、平面視で同一のパターンである。
以降、周辺領域106に設けられた素子分離部を周辺素子分離部と称し、周辺領域106に設けられたトレンチを周辺トレンチと称す。
周辺素子分離部が設けられた領域は、「第3トレンチ素子分離領域」の一例である。周辺トレンチは、「第3トレンチ」の一例である。
周辺領域106の面積に対する周辺素子分離部が設けられた領域の面積の割合は、D3である。周辺素子分離部と周辺トレンチとは平面視で同じ形状(面積)を有するので、周辺領域106の面積に対する周辺トレンチが設けられた領域の面積の割合は、D3である。
以降、周辺領域106の面積に対する周辺素子分離部が設けられた領域の面積の割合、及び周辺領域106の面積に対する周辺トレンチが設けられた領域の面積の割合を、周辺領域のトレンチ密度と称す。周辺領域のトレンチ密度は、D3である。
なお、周辺領域のトレンチ密度D3は、「第3の密度」の一例である。
さらに、表示領域Eの素子分離領域88と周辺領域106の素子分離部が設けられた領域とは、平面視で同一のパターンであり、表示領域Eのトレンチ81が設けられた領域と周辺領域106のトレンチが設けられた領域とは、平面視で同一のパターンであるので、表示領域のトレンチ密度D1と、周辺領域のトレンチ密度D3とは等しい。
画素回路110が配置された表示領域Eは、データ線駆動回路101や走査線駆動回路102が配置された駆動回路領域105と比べて、より疎にトランジスターが配置されている。つまり、表示領域Eの面積に対する画素ウエルN(トランジスター)が設けられた領域の面積の割合は、駆動回路領域105の面積に対する駆動回路ウエル(トランジスター)が設けられた領域の面積の割合よりも小さい。このため、表示領域のトレンチ密度D1は、駆動回路領域のトレンチ密度D2よりも大きい。
従って、本実施形態は、表示領域のトレンチ密度D1と周辺領域のトレンチ密度D3とは等しく、表示領域のトレンチ密度D1と周辺領域のトレンチ密度D3とは、駆動回路領域のトレンチ密度D2よりも小さい構成を有している。換言すれば、本実施形態は、表示領域のトレンチ密度D1と周辺領域のトレンチ密度D3とは等しく、表示領域のトレンチ密度D1と駆動回路領域のトレンチ密度D2とは異なる構成を有している。
「有機EL装置の製造方法」
図9は、本実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示す工程フローである。図10は、図7に対応する図であり、図9に示す工程フローの主要な工程を経た後の基板の状態を示す概略断面図である。
以下、図9及び図10を参照し、本実施形態に係る有機EL装置100の製造方法を説明する。
図9に示すように、本実施形態に係る基板の製造方法は、絶縁層90を形成する工程(ステップS1)と、トレンチ81を形成する工程(ステップS2)と、酸化シリコン82を形成する工程(ステップS3)と、不要な酸化シリコン82を除去する工程(ステップS4)と、酸化シリコン82に平坦化処理を施す工程(ステップS5)と、絶縁層90を除去する工程(ステップS6)と、を含む。
なお、ステップS1は「研磨ストッパー層を形成する工程」の一例である。ステップS2は「トレンチを形成する工程」の一例である。ステップS3は「絶縁層を形成する工程」の一例である。ステップS5は「絶縁層を研磨する工程」の一例である。
ステップS1では、図10(a)に示すように、例えばプラズマCVD法を用いて、基板本体8の上に酸化シリコンからなる第1絶縁膜91と窒化シリコンからなる第2絶縁膜92とを順に堆積し、第1絶縁膜91と第2絶縁膜92とからなる絶縁層90を形成する。続いて、例えばフッ素系ガスを反応ガスとするドライエッチング法を用いて、絶縁層90の素子分離領域88に開口83を形成する。つまり、平面視で素子分離領域88と同じ形状の開口83を、絶縁層90に形成する。
絶縁層90は「研磨ストッパー層」の一例である。開口83は、「所定のパターン」の一例である。
ステップS2では、図10(b)に示すように、例えばフッ素系ガスを反応ガスとするドライエッチング法を用いて、絶縁層90をマスクとして基板本体8にZ(−)方向の異方性エッチングを施し、基板本体8の素子分離領域88にトレンチ81を形成する。つまり、平面視で素子分離領域88と同じ形状のトレンチ81を、表示領域Eの基板本体8に形成する。
詳しくは、ステップS2では、表示領域のトレンチ密度D1と、駆動回路領域のトレンチ密度D2とは異なり、表示領域のトレンチ密度D1と周辺領域のトレンチ密度D3とは等しくなるように、表示領域のトレンチ密度D1のトレンチ81を表示領域Eの基板本体8に形成し、駆動回路領域のトレンチ密度D2の駆動回路トレンチを駆動回路領域105の基板本体8に形成し、周辺領域のトレンチ密度D3の周辺トレンチを周辺領域106の基板本体8に形成する。
さらに、ステップS2では、周辺領域106の周辺トレンチを、表示領域Eのトレンチ81を囲むように形成する。周辺領域106の周辺トレンチを、駆動回路領域105の駆動回路トレンチを囲むように形成する。さらに、表示領域Eのトレンチ81と、周辺領域106の周辺トレンチとを、同一のパターンで形成する。すなわち、表示領域のトレンチ密度D1と周辺領域のトレンチ密度D3とが等しくなるように、表示領域Eのトレンチ81と周辺領域106の周辺トレンチとを形成する。
ステップS3では、図10(c)に示すように、例えばプラズマCVD法を用いて、トレンチ81の内側及び絶縁層90の表面を覆うように、酸化シリコン82を形成する。酸化シリコン82は、トレンチ81の中に埋め込まれ、トレンチ81からZ(+)方向に張り出して形成される。
ステップS4では、図10(d)に示すように、例えばフッ素系ガスを反応ガスとするドライエッチング法を用いて、主に素子分離領域88に酸化シリコン82が配置されるように、余分な素子領域77の酸化シリコン82をエッチング除去する。
ステップS5では、CMPによる平坦化処理を施し、トレンチ81からZ(+)方向に張り出した酸化シリコン82を研磨除去し、平坦な面を形成する。
なお、第2絶縁膜92(窒化シリコン)は、酸化シリコン82と比べて硬く、CMPで研磨されにくい。すなわち、第2絶縁膜92(窒化シリコン)は、CMPでほとんど研磨されず、研磨のストッパーとしての役割を有する。
CMPによる平坦化処理は、機械的研磨という物理的処理を含み、研磨対象物の面積で研磨速度が異なる。つまり、単位面積当りの研磨対象物の占有面積(以降、研磨対象物の面積と称す)が大きい部分は、研磨対象物の面積が小さい部分と比べて、研磨速度が遅くなる。
このため、ステップS5において研磨対象物が均一に研磨されるように、上述したステップS4では、余分な素子領域77の酸化シリコン82を除去し、主に素子分離領域88に酸化シリコン82を配置し、表示領域Eにおける研磨対象物(酸化シリコン82)の面積の均一化が図られている。
ステップS6では、図10(e)に示すように、例えばフッ素系ガスを反応ガスとするドライエッチング法を用いて、絶縁層90をエッチング除去し、トレンチ81の中に酸化シリコン82が埋め込まれた構成を有する素子分離部80を、素子分離領域88に(表示領域E)形成する。すなわち、表示領域のトレンチ密度D1である素子分離部80を表示領域Eに形成する。
さらに、駆動回路トレンチの中に酸化シリコン82が埋め込まれた構成を有する駆動回路素子分離部を、駆動回路領域105に形成する。すなわち、駆動回路領域のトレンチ密度D2である駆動回路素子分離部を駆動回路領域105に形成する。
さらに、周辺トレンチの中に酸化シリコン82が埋め込まれた構成を有す周辺素子分離部を、周辺領域106に形成する。すなわち、周辺領域のトレンチ密度D3である周辺素子分離部を周辺領域106に形成する。
「本実施形態が奏する効果」
図11は、図8に対応する図であり、比較例に係る有機EL装置の基板の状態を示す概略断面図である。図12(a)は、比較例に係る有機EL装置のトランジスターの概略平面図である。図12(b)は、図12(a)の線分C−C’に沿ったトランジスターの概略断面図である。図12(c)は、図12(a)の線分D−D’に沿ったトランジスターの概略断面図である。
図11及び図12では、本実施形態と同一の構成部位には同一の符号が附されている。図12では、トランジスター121の構成要素の状態が模式的に示され、他の構成要素の図示は省略されている。
以下、比較例に係る有機EL装置200と本実施形態に係る有機EL装置100とを比較することで、本実施形態に係る有機EL装置100が奏する効果を説明する。
比較例の有機EL装置200において、周辺領域のトレンチ密度D3は、駆動回路領域のトレンチ密度D2と等しく、表示領域のトレンチ密度D1より小さい。つまり、表示領域Eにおける単位面積当りの研磨対象物の占有面積は、駆動回路領域105における単位面積当りの研磨対象物の占有面積、及び周辺領域106における単位面積当りの研磨対象物の占有面積よりも小さい。
この点が、比較例と本実施形態との相違点である。
上述したように、ステップS5のCMPによる平坦化処理は、機械的研磨という物理的処理を含み、研磨対象物の面積で研磨速度が異なる。このため、ステップS4において余分な素子領域77の酸化シリコン82を除去し、研磨対象物(酸化シリコン82)の占有面積の均一化が図られている。
しかしながら、ステップS4で余分な素子領域77の酸化シリコン82を除去しても、表示領域Eにおける単位面積当りの酸化シリコン82の占有面積は、駆動回路領域105における単位面積当りの酸化シリコン82の占有面積、及び周辺領域106における単位面積当りの酸化シリコン82の占有面積よりも小さいので、表示領域Eの酸化シリコン82の研磨速度は、駆動回路領域105の酸化シリコン82の研磨速度、及び周辺領域106の酸化シリコン82の研磨速度よりも大きくなる。すなわち、ステップS5の平坦化処理(研磨処理)では、表示領域Eにおいて速く研磨が進行し、駆動回路領域105及び周辺領域106において遅く研磨が進行する。
さらに、表示領域Eにおける研磨対象物の研磨速度は、周辺領域106の影響を受けて、周辺領域106に近い側で遅くなる。このため、周辺領域106に近い側の研磨面は、周辺領域106に遠い側の研磨面と比べて、Z(+)方向に盛り上がるようになる。つまり、表示領域Eの周辺領域106に近い側の研磨面は、平坦性が悪くなり、Z(+)方向に盛り上がった形状変化が生じる。
詳しくは、図11の斜線のハッチングが施された領域Hにおいて、表示領域Eの研磨面は、平坦性が悪くなり、Z(+)方向に盛り上がった形状変化が生じる。
なお、表示領域のトレンチ密度D1を、周辺領域のトレンチ密度D3よりも小さくした場合は、表示領域Eにおいて遅く研磨が進行し、周辺領域106において速く研磨が進行する。このため、周辺領域106に近い側の研磨面は、周辺領域106に遠い側の研磨面と比べて、Z(−)方向に窪むようになる。つまり、表示領域Eの周辺領域106に近い側の研磨面は、平坦性が悪くなり、Z(−)方向に窪んだ形状変化が生じる。
図12に示すように、nウエル71を囲むように素子分離部80が配置されている。トランジスター121では、ゲート62をマスクにしてp型不純物がイオン注入され、nウエル71にイオン注入部63,64が形成される。nウエル71のイオン注入部63,64はトランジスター121のソース又はドレインとなり、nウエル71のp型不純物がイオン注入されていない部分(チャネル65)はトランジスター121のチャネルとなる。トランジスター121のゲート62は、ゲート絶縁膜61を挟んでnウエル71のチャネル65に対向配置される。
トランジスター121では、ソースに対して負の電位がゲート62に印加されると、ゲート62に対向配置されたnウエル71のチャネル65(n型半導体)に反転領域(p型半導体領域)が生じ、ソースからドレインに向けて正孔(電流)が流れるようになる。ゲート62に対して、さらに低い負の電位が印加されると、反転領域がさらに広くなり、より多くの電流が流れるようになる。すなわち、ゲート62からnウエル71のチャネル65に印加される電位(電界強度)によって、トランジスター121に流れる電流が変化する。
周辺領域106に近い側で表示領域Eの研磨面に形状変化が生じると、図12(a)及び図12(c)の破線で囲まれた領域G1,G2では、ゲート絶縁膜61の膜厚が変化するようになる。詳しくは、表示領域Eの研磨面に形状変化が生じると、領域G1,G2におけるゲート絶縁膜61は、領域G1,G2以外の領域のゲート絶縁膜61と比べて薄くなる。このため、領域G1,G2では、領域G1,G2以外の領域と比べて、ゲート62からnウエル71のチャネル65に印加される電位(電界強度)の状態が変化し、トランジスター121の特性が変化するようになる。その結果、表示領域Eの周辺領域106に近い側(図11の領域H)では、表示領域Eの周辺領域106に遠い側(図11の領域H以外の領域)と比べて、トランジスター121の特性が異なるようになる。
さらに、他のトランジスター122,123,124,125においても、トランジスター121と同じ特性変化が生じる。よって、表示領域Eの周辺領域106に近い側(図11の領域H)は、表示領域Eの周辺領域106に遠い側(図11の領域H以外の領域)と比べて、他のトランジスター122,123,124,125の特性が異なるようになる。
有機EL素子30は、トランジスター121,122,123,124,125を介して電流が供給されて発光する。このため、表示領域Eの周辺領域106に近い側と、表示領域Eの周辺領域106に遠い側とで、トランジスター121,122,123,124,125の特性が異なると、有機EL素子30で発せられる光の輝度が異なるようになる。すなわち、表示領域Eの周辺領域106に近い側と、表示領域Eの周辺領域106に遠い側とで、トランジスター121,122,123,124,125の特性差に起因する、有機EL素子30で発せられる光の微小な輝度の相違(変化)が発生する。
人間の目は、光の輝度の相違(変化)に対して敏感であり、微小な光の輝度の相違(変化)を識別することができる。このため、有機EL素子30で発せられる光の微小な輝度の相違(変化)は、輝度ムラ(表示ムラ)として観測されやすい。
従って、比較例に係る有機EL装置200は、図11の斜線のハッチングが施された領域Hにおいて、輝度ムラ(表示ムラ)が発生しやすいという課題があった。
本実施形態に係る有機EL装置100では、表示領域のトレンチ密度D1と周辺領域のトレンチ密度D3とは等しいので、表示領域Eにおける単位面積当りの酸化シリコン82の占有面積と、周辺領域106における単位面積当りの酸化シリコン82の占有面積とは等しく、表示領域Eの酸化シリコン82の研磨速度と、周辺領域106の酸化シリコン82の研磨速度とは略等しい。よって、表示領域Eの周辺領域106に遠い側と比べて、表示領域Eの周辺領域106に近い側で表示領域Eの研磨面の形状が変化するという不具合が抑制される。
よって、本実施形態に係る有機EL装置100では、表示領域Eの周辺領域106に近い側と表示領域Eの周辺領域106に遠い側とで、有機EL素子30で発せられる光の輝度の相違(変化)が小さくなり、比較例に係る有機EL装置200における領域Hの輝度ムラ(表示ムラ)を抑制することができる。従って、本実施形態に係る有機EL装置100は、比較例に係る有機EL装置200と比べて、表示の均一性が高められ、高品位の表示を提供することができる。
(実施形態2)
図13は、実施形態2に係るヘッドマウントディスプレイの構成を示す概略図である。
図13に示すように、ヘッドマウントディスプレイ1000は、「電子機器」の一例であり、左右の目に対応して設けられた2つの表示部1001を有している。観察者Mはヘッドマウントディスプレイ1000を眼鏡のように頭部に装着することにより、表示部1001に表示された文字や画像などを見ることができる。例えば、左右の表示部1001に視差を考慮した画像を表示すれば、立体的な映像を見て楽しむこともできる。
表示部1001には、上述した有機EL装置100が用いられている。有機EL装置100では、表示の均一性が高められ、高品位の表示を提供することができる。従って、表示部1001に有機EL装置100を搭載することで、高品位な表示のヘッドマウントディスプレイ1000を提供することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置及び該電気光学装置が搭載された電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれる。
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
本発明を適用した電気光学装置としては、上述した発光素子としての有機EL素子30を備えた有機EL装置100に限定されず、例えば無機EL素子やLEDなどの自発光型の発光素子を備えた電気光学装置に対して本発明を幅広く適用することが可能である。
(変形例2)
本発明を適用した電気光学装置は、上述した有機EL装置100に限定されず、例えば液晶装置や、マイクロミラーが配列された表示素子(デジタルミラーデバイス)であってもよい。
(変形例3)
本発明を適用した電子機器としては、上述したヘッドマウントディスプレイ1000に限らず、例えば、ヘッドアップディスプレイや、デジタルカメラの電子ビューファインダー、携帯型情報端末、ナビゲーターなどの表示部に、本発明が適用された電気光学装置を搭載してもよい。
7…基板、8…基板本体、10…素子基板、12…走査線、14…データ線、6,18,19…電源線、20,20R,20G,20B…画素、21…容量、28…中継電極、30,30R,30G,30B…有機EL素子、31…画素電極、32…発光機能層、33…対向電極、40…保護基板、50,50B,50G,50R…カラーフィルター層、61…ゲート絶縁膜、62…ゲート、63,64…イオン注入部、65…チャネル、71,72,73,74,75…画素回路のnウエル、77…素子領域、80…素子分離部、81…トレンチ、82…酸化シリコン、83…開口、88…素子分離領域、90…絶縁層、91…第1絶縁膜、92…第2絶縁膜、100…有機EL装置、101…データ線駆動回路、101a…データ線駆動回路領域、102…走査線駆動回路、102a…走査線駆動回路領域、103…外部接続用端子、105…駆動回路領域、106…周辺領域、110…画素回路、121〜125…トランジスター、131,132,133…駆動回路のnウエル、141,142…駆動回路のp型半導体基板領域、E…表示領域、N…画素ウエル、D1…表示領域のトレンチ密度、D2…駆動回路領域のトレンチ密度、D3…周辺領域のトレンチ密度。

Claims (7)

  1. 第1の密度を有する第1トレンチ素子分離領域を含み、トランジスターを含む画素回路が配置された第1領域と、
    第2の密度を有する第2トレンチ素子分離領域を含み、前記画素回路を駆動するための信号を供給する駆動回路が配置された第2領域と、
    第3の密度を有する第3トレンチ素子分離領域を含み、少なくとも前記第1領域と前記第2領域との間に配置された第3領域と、
    を含み、
    前記第1の密度と前記第2の密度とは異なり、前記第1の密度と前記第3の密度とは等しく、
    前記第3領域は前記第2領域を囲むことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記第3領域は前記第1領域を囲むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記第1トレンチ素子分離領域と前記第3トレンチ素子分離領域とは同一のパターンからなることを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置。
  4. 請求項1乃至のうちいずれか1項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
  5. 第1の密度を有する第1トレンチを含み、画素回路が配置された第1領域と、
    第2の密度を有する第2トレンチを含み、前記画素回路を駆動するための信号を供給する駆動回路が配置された第2領域と、
    第3の密度を有する第3トレンチを含み、少なくとも前記第1領域と前記第2領域との間に配置された第3領域と、を含む電気光学装置の製造方法であって、
    シリコン基板の上に、所定のパターンを有する研磨ストッパー層を形成する工程と、
    少なくとも前記研磨ストッパー層をマスクとして、前記シリコン基板にトレンチを形成する工程と、
    前記トレンチを充填するように、前記シリコン基板の上に絶縁層を形成する工程と、
    前記研磨ストッパー層をストッパーとして、前記絶縁層を研磨する工程と、を含み、
    前記トレンチを形成する工程では、前記第1の密度と前記第2の密度とが異なり、前記第1の密度と前記第3の密度とが等しくなるように、前記第1領域に前記第1の密度を有する前記第1トレンチを形成し、前記第2領域に前記第2の密度を有する前記第2トレンチを形成し、前記第3領域に前記第3の密度を有する前記第3トレンチを形成し、
    前記トレンチを形成する工程では、前記第2領域を囲むように前記第3領域を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  6. 前記トレンチを形成する工程では、前記第1領域を囲むように前記第3領域を形成することを特徴とする請求項に記載の電気光学装置の製造方法。
  7. 前記トレンチを形成する工程では、前記第1トレンチと前記第3トレンチとは同一のパターンであることを特徴とする請求項5または6に記載の電気光学装置の製造方法。
JP2016017713A 2015-05-01 2016-02-02 電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法 Active JP6569549B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN201610270948.8A CN106098732B (zh) 2015-05-01 2016-04-27 电光装置及其制造方法、电子设备
US15/142,058 US10007114B2 (en) 2015-05-01 2016-04-29 Electro-optical device, electronic apparatus, and manufacturing method of electro-optical device

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015093914 2015-05-01
JP2015093914 2015-05-01

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016213436A JP2016213436A (ja) 2016-12-15
JP6569549B2 true JP6569549B2 (ja) 2019-09-04

Family

ID=57549968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016017713A Active JP6569549B2 (ja) 2015-05-01 2016-02-02 電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6569549B2 (ja)
CN (1) CN106098732B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102615687B1 (ko) * 2016-11-15 2023-12-21 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치
CN107221610B (zh) * 2017-07-25 2019-03-12 南京迈智芯微光电科技有限公司 一种提高性能的硅基有机发光器件及其制造方法
KR102523340B1 (ko) * 2018-01-26 2023-04-20 삼성디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치
CN108520888B (zh) * 2018-04-02 2022-02-22 云谷(固安)科技有限公司 显示屏及其显示装置
CN110767720B (zh) 2019-06-05 2020-09-08 昆山国显光电有限公司 显示基板、显示面板及显示装置
JP7321049B2 (ja) * 2019-10-11 2023-08-04 キヤノン株式会社 発光装置、表示装置、光電変換装置、電子機器、照明装置および移動体

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000232153A (ja) * 1999-02-10 2000-08-22 Sony Corp 半導体装置の製造方法
JP2002050680A (ja) * 2000-08-02 2002-02-15 Sony Corp 半導体装置およびその製造方法
JP2005203617A (ja) * 2004-01-16 2005-07-28 Sony Corp 固体撮像装置及びその製造方法
CN101118869A (zh) * 2006-08-02 2008-02-06 力晶半导体股份有限公司 隔离结构的制造方法
KR100789614B1 (ko) * 2006-08-11 2007-12-27 동부일렉트로닉스 주식회사 더미 패턴 및 그 형성방법
KR101286644B1 (ko) * 2007-11-08 2013-07-22 삼성전자주식회사 더미 게이트부를 포함한 반도체 소자 및 그 제조방법
JP2009117681A (ja) * 2007-11-08 2009-05-28 Panasonic Corp 半導体装置の製造方法および固体撮像装置の製造方法
JP5163430B2 (ja) * 2008-01-09 2013-03-13 セイコーエプソン株式会社 電気光学装置および電子機器
JP6012987B2 (ja) * 2012-02-29 2016-10-25 株式会社東芝 イメージセンサの製造方法
JP6268836B2 (ja) * 2013-09-12 2018-01-31 セイコーエプソン株式会社 発光装置および電子機器
JP6362373B2 (ja) * 2014-03-20 2018-07-25 キヤノン株式会社 光電変換装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN106098732A (zh) 2016-11-09
CN106098732B (zh) 2021-07-20
JP2016213436A (ja) 2016-12-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11882724B2 (en) Light-emitting device and electronic apparatus
JP6569549B2 (ja) 電気光学装置、電子機器、及び電気光学装置の製造方法
US10490776B2 (en) Electro-optical apparatus, manufacturing method thereof, and electronic device
JP6182985B2 (ja) 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器
CN105742512B (zh) 光电装置以及电子设备
US20160204179A1 (en) Light emitting device and electronic apparatus
US10007114B2 (en) Electro-optical device, electronic apparatus, and manufacturing method of electro-optical device
CN107086235B (zh) 电光学装置及电子设备
US9461268B2 (en) Light-emitting device having a light emitting element with a dimension smaller than a sealing layer thickness
JP2015141816A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、電子機器
JP6361181B2 (ja) 電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電子機器
JP2015005342A (ja) 発光装置および電子機器
JP6500433B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法、電子機器
JP2015222664A (ja) 有機elパネルの製造方法、有機elパネル、電子機器
JP6557999B2 (ja) 発光素子、電気光学装置、電子機器、及び発光素子の製造方法
JP2021118036A (ja) 電気光学装置および電子機器
JP2019174609A (ja) 表示装置および表示装置の製造方法
JP2018125302A (ja) 電気光学装置及びその製造方法、電子機器
JP2015170835A (ja) 半導体基板の製造方法、半導体基板、電気光学装置、及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180903

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20180906

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6569549

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150