以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。以下に示す実施の形態においては、本発明が適用された画像形成装置およびこれに具備される光書込み装置ならびにこれに具備される有機ELモジュールとして、電子写真方式を採用したいわゆるタンデム型のカラープリンターおよびこれに具備される光書込み装置ならびにこれに具備される有機ELモジュールを例示して説明を行なう。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態における画像形成装置の概略図であり、図2は、図1に示す画像形成ステーションの模式図である。まず、これら図1および図2を参照して、本実施の形態における画像形成装置1の概略的な構成について説明する。
図1に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、給紙ユニット9とを主として備えている。装置本体2は、用紙に画像を形成するための部位である画像形成部2Aと、画像形成部2Aに用紙を供給するための部位である給紙部2Bとを含んでいる。給紙ユニット9は、画像形成部2Aに供給するための用紙を収納するものであり、給紙部2Bに着脱自在に設けられている。
画像形成装置1の内部には、上述した画像形成部2Aおよび給紙部2Bに跨って各種のローラー3が設置されており、これにより用紙が所定の方向に沿って搬送される搬送経路4が構築されている。また、図中に示すように、給紙部2Bには、画像形成部2Aに用紙を供給するための手差しトレイ9aが別途設けられていてもよい。
画像形成部2Aは、各色のトナー像を形成可能な画像形成ステーション5と、当該画像形成ステーション5に懸架された中間転写ベルト6と、搬送経路4上であってかつ中間転写ベルト6の走路上に設けられた転写部7と、転写部7よりも下流側の部分の搬送経路4上に設けられた定着部8とを主として備えている。
図2に示すように、画像形成ステーション5は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナー像を形成する作像ユニット5Y,5M,5C,5Kを有している。
作像ユニット5Y,5M,5C,5Kは、それぞれ、感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kと、当該感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの回転方向に沿って上流側からその周囲に順に配置された帯電チャージャー11Y,11M,11C,11K、光書込み装置12Y,12M,12C,12K、現像装置13Y,13M,13C,13K、転写チャージャー14Y,14M,14C,14Kおよびクリーニング装置15Y,15M,15C,15Kとによって構成されている。
感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kと転写チャージャー14Y,14M,14C,14Kとの間には、それぞれ上述した中間転写ベルト6が挿通されており、当該中間転写ベルト6は、感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの各々に当該部分において接している。
トナー像の形成に際しては、まず、帯電チャージャー11Y,11M,11C,11Kによって感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの表面がそれぞれ帯電した状態とされる。
次に、光書込み装置12Y,12M,12C,12Kによって露光L(図3参照)が感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの表面にそれぞれ照射されることで感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの表面にそれぞれ静電潜像が書き込まれる。
次に、現像装置13Y,13M,13C,13Kによって感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの表面にそれぞれ対応した色のトナーが供給されることで感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの表面に静電潜像に応じたトナー像がそれぞれ形成される。
感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの表面に形成されたトナー像は、その後、転写チャージャー14Y,14M,14C,14Kによって中間転写ベルト6にそれぞれ転写される(いわゆる一次転写)。
その後、感光体ドラム10Y,10M,10C,10Kの表面に残留するトナーがクリーニング装置15Y,15M,15C,15Kによってそれぞれ除去される。
これにより、中間転写ベルト6の表面には、作像ユニット5Y,5M,5C,5Kによって各色のトナー像が重ね書きされることになり、カラートナー像が形成されることになる。なお、作像ユニット5Kのみが使用された場合には、中間転写ベルト6の表面には、モノクロトナー像が形成されることになる。
中間転写ベルト6は、その表面に形成されたカラートナー像あるいはモノクロトナー像を転写部7へと移送し、給紙部2Bから転写部7へと搬送されてきた用紙とともに転写部7において一対の転写ローラーによって圧接される。これにより、中間転写ベルト6の表面に形成されたカラートナー像あるいはモノクロトナー像が用紙へと転写される(いわゆる二次転写)。
カラートナー像あるいはモノクロトナー像が転写された用紙は、その後、定着部8によって加圧および加熱される。これにより、用紙上にカラー画像あるいはモノクロ画像が形成されることになり、当該カラー画像あるいはモノクロ画像が形成された用紙は、その後、装置本体2から排出される。
図3および図4は、それぞれ図2に示す光書込み装置の模式断面図および模式底面図である。次に、これら図3および図4を参照して、本実施の形態における光書込み装置12の構成ならびにこれに具備された有機ELモジュール20の概略的な構成について説明する。
ここで、上述した本実施の形態における画像形成装置1においては、作像ユニット5Y,5M,5C,5Kにそれぞれ光書込み装置12Y,12M,12C,12Kが設けられてなる構成が採用されているが、これら光書込み装置12Y,12M,12C,12Kの構成は基本的に同様であるため、以下においては、これらを区別することなく光書込み装置12と称して説明を行なう。
また、図4に示す光書込み装置12の模式底面図は、図3中に示す矢印IV方向から光書込み装置12を見た場合のものであるが、当該図4においては、理解を容易とするために、光書込み装置12のうちの後述するケーシング18ならびに有機ELモジュール20の一部の図示を省略している。
図3および図4に示すように、光書込み装置12は、ケーシング18と、光学系としてのロッドレンズアレイ19と、有機ELモジュール20と、制御部30とを主として備えている。図3に示すように、ロッドレンズアレイ19および有機ELモジュール20は、いずれもケーシング18によって保持されている。一方、制御部30は、当該ケーシング18から離れた位置に設置されている。
図3に示すように、光書込み装置12のケーシング18は、感光体ドラム10に対向して配置されている。ケーシング18の感光体ドラム10側の部分には、ロッドレンズアレイ19が組付けられており、ケーシング18の感光体ドラム10側とは反対側の部分には、有機ELモジュール20が組付けられている。有機ELモジュール20は、露光Lが出射される出射面がロッドレンズアレイ19側を向くように配置されており、ケーシング18の内部には、有機ELモジュール20とロッドレンズアレイ19とを結ぶように露光Lの光路18aが設けられている。
図4に示すように、有機ELモジュール20は、基板21を含む有機ELパネルと、当該有機ELパネルの基板21に搭載されたドライバーIC23と、図示しない封止部材24,25(図5ないし図15参照)と、図示しない第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26B(図5ないし図8参照)または放熱部材26(図9ないし図15参照)とを主として備えている。
ここで、有機ELパネルは、上述した基板21と、有機EL素子が主として形成されてなる機能部22とを含んでいる。本実施の形態における有機ELパネルは、いわゆるアクティブマトリクス型の有機ELパネルであり、上述した機能部22には、さらにTFT(Thin Film Transistor)回路が形成されている。これにより、機能部22は、基板21の主表面と平行な方向に並ぶマトリクス状に配置された複数の発光部22aを有している。なお、発光部22aは、必ずしもマトリクス状に配置されている必要はなく、感光体ドラム10の軸方向と平行な方向に一列にライン状に配置されていてもよい。
有機EL素子は、有機発光層を少なくとも含む有機層と、当該有機層を挟むように配置された陽極および陰極とによって構成され、これら陽極および陰極間に電流または電圧が印加されることで有機発光層が発光するものである。
一方、TFT回路は、TFTとこれに接続された配線部とによって構成され、当該配線部が有機EL素子の陽極および陰極に接続されることにより、TFTのオン/オフに伴って選択的に有機EL素子を駆動し、これにより上述した複数の発光部22aの発光/非発光を切り替えるものである。
基板21は、上述した機能部22が形成された第1主表面21aと、当該第1主表面21aと相対する第2主表面21b(図5ないし図15参照)とを有しており、上述したドライバーIC23は、このうちの第1主表面21a上に実装されている。より詳細には、基板21の第1主表面21aのうち、機能部22が設けられた部分以外の部分にドライバーIC23を実装するための実装用パターン21cが設けられており、ドライバーIC23は、いわゆるCOG実装によって当該実装用パターン21cに実装されている。
ドライバーIC23は、上述したTFT回路を介して発光部22aを構成する有機EL素子に選択的に電流または電圧を印加することで有機EL素子に含まれる有機発光層を駆動するものである。そのため、基板21の第1主表面21aには、上述した実装用パターン21cとTFT回路とを電気的に接続する導電パターンからなる配線21dがさらに設けられている。
上述した制御部30は、ドライバーIC23の動作を制御するものであり、たとえばASIC(Application Specific Integrated Circuit)にて構成されている。制御部30は、ケーシング18から離れた位置に設置されたコントローラ基板31に実装されており、たとえばフレキシブル配線基板32を介してドライバーIC23に対して電気的に接続されている。
なお、図4において図示しない封止部材24,25(図5ないし図15参照)は、機能部22を基板21上において封止するための部材であるが、その詳細な構成については、後述する第1ないし第10構成例において詳説する。
また、図4において図示しない第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26B(図5ないし図8参照)または放熱部材26(図9ないし図15参照)は、それぞれ有機EL素子を含む機能部22にて発生した熱およびドライバーIC23にて発生した熱を外気に対して放熱するための部材であるが、その詳細な構成については、後述する第1ないし第10構成例において詳説する。
以上において説明した光書込み装置12においては、有機ELモジュール20の複数の発光部22aから出射された露光Lが、それぞれロッドレンズアレイ19によって感光体ドラム10の表面において結像され、これにより帯電された状態にある感光体ドラム10の表面に静電潜像が書き込まれることになる。
なお、発光部22aの出射光の光軸と、これに対応するロッドレンズアレイ19のレンズ部の中心軸との位置関係の相違により、発光部22aごとにレンズ部の結像効率が異なってしまう。そのため、露光Lの光量にムラが生じないようにするためには、光書込み装置12の組立て時において初期調整を行なうことが好ましい。ここで、初期調整は、たとえば複数の発光部22aの発光量を微調整することで感光体ドラム10の表面に達する露光Lの光量の各々がすべて等しくなるように、複数の発光部22aの駆動電流または駆動電圧を調整することが想定される。
ここで、本実施の形態においては、有機ELパネルに付設される放熱部材の構成や形状を種々工夫することにより、機能部22にて発生する熱およびドライバーIC23にて発生する熱の双方を効率的に放熱することを可能にしている。以下においては、その具体的な構成例を第1ないし第10構成例として例示して詳細に説明する。
(第1構成例)
図5および図6は、それぞれ本実施の形態に基づいた第1構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図および模式側面図である。以下、これら図5および図6を参照して、第1構成例に係る有機ELモジュール20A1について説明する。
図5および図6に示すように、第1構成例に係る有機ELモジュール20A1は、いわゆるボトムエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、基板21と、機能部22と、ドライバーIC23と、封止部材24,25と、第1放熱部材26Aと、第2放熱部材26Bとを主として備えている。
図5に示すように、基板21は、機能部22が設けられるとともに、当該機能部22から離れた位置にドライバーIC23が実装されてなる第1主表面21aと、当該第1主表面21aに相対して位置する第2主表面21bとを有している。ここで、機能部22に含まれる有機EL素子の有機発光層にて発せられた光は、機能部22から第1主表面21aを介して基板21の内部に入射され、その後、第2主表面21bを介して外部に向けて出射されることになる。そのため、基板21は、たとえばガラス基板や透明フィルム基板等の透明基板からなる。
封止部材24,25は、機能部22を覆うように基板21の第1主表面21a上に配設された封止部に該当する。封止部材24は、たとえばガラス板や金属板、フィルム等によって構成されており、機能部22の一対の主面のうちの基板21側とは反対側に位置する主面を覆うように配置されている。封止部材25は、たとえば基板21および封止部材24の双方に接着された接着剤等からなり、機能部22の周面を囲うように設けられている。
第1放熱部材26Aは、基板21の第1主表面21a側であって機能部22に対応した位置に配置されている。より詳細には、第1放熱部材26Aは、封止部材24の一対の主面のうちの機能部22側とは反対側に位置する主面を覆うように設置されている。なお、封止部材24と第1放熱部材26Aとの間には、高熱伝導グリースまたは高熱伝導シート等からなる第1熱伝導部材27aが設けられている。
これにより、第1放熱部材26Aは、封止部材24および第1熱伝導部材27aからなる第1熱伝導部を介して機能部22に熱接触することになり、機能部22にて発生する熱は、主として第1放熱部材26Aによって放熱されることになる。なお、上述した第1熱伝導部材27aは、必ずしも必須の構成ではなく、第1放熱部材26Aが封止部材24に直接接触するように配置されていてもよい。
第2放熱部材26Bは、基板21の第1主表面21a側であってドライバーIC23に対応した位置に配置されている。より詳細には、第2放熱部材26Bは、ドライバーIC23と対向するように設置されている。なお、ドライバーIC23は、高熱伝導グリース等からなる第2熱伝導部材27bによって覆われており、当該第2熱伝導部材27bによってドライバーIC23と第2放熱部材26Bとの間の隙間が充填されている。
これにより、第2放熱部材26Bは、ドライバーIC23に第2熱伝導部材27bからなる第2熱伝導部を介して熱接触することになり、ドライバーIC23にて発生する熱は、主として第2放熱部材26Bによって放熱されることになる。
なお、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bは、高い熱伝導率を有する部材にて構成されていることが好ましく、好適には金属製(たとえばステンレス合金製)の部材にて構成される。
ここで、本第1構成例においては、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bが、基板21から見て同じ側である基板21の一方の側に配置されているが、これら第1放熱部材26Aと第2放熱部材26Bとは、それらの間に隙間Gが形成されるように離間して配置されている。
このように構成することにより、駆動時において機能部22よりもさらに高温の状態に達するドライバーIC23の熱が第2放熱部材26Bから第1放熱部材26Aに伝熱されることが、上記隙間Gによって抑制されることになるため、機能部22にて発生する熱およびドライバーIC23にて発生する熱の双方を効率的に放熱することが可能になる。
したがって、本第1構成例に係る有機ELモジュール20A1とすることにより、従来に比して機能部22に含まれる有機EL素子の劣化やドライバーIC23の破損を抑制することができ、製品寿命を長寿命化することが可能になる。
また、上記のように構成することにより、ドライバーIC23の熱が機能部22に伝熱されてしまうことを効果的に抑制することができるため、機能部22に極端な温度勾配が発生してしまうことが防止できる。したがって、本第1構成例に係る有機ELモジュール20A1を具備した光書込み装置12ならびにこれを具備した画像形成装置1とすることにより、感光体ドラム10の表面に形成される静電潜像に濃度ムラが発生することが抑制可能になり、結果として品質に優れた画像の形成が可能になる。
ここで、隙間Gの必要な大きさ(すなわち、第1放熱部材26Aと第2放熱部材26Bとの間の距離)としては、有機ELモジュールの仕様によっても異なるが、おおよそ数mm程度(たとえば2mm)あれば、第2放熱部材26Bから第1放熱部材26Aへの伝熱を相当程度抑制することができる。
なお、図6(A)に示すように、本第1構成例に係る有機ELモジュール20A1においては、第2放熱部材26Bが中実のブロック状の部材にて構成されている。なお、図6(A)においては表われていないが、第1放熱部材26Aについても同様の形状の部材にて構成されている。
このように構成することにより、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bの成形が容易に行なえるとともに、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bの熱容量を大きく確保することが可能となって放熱性能を高めることができる。
また、図6(B)に示す有機ELモジュール20A1’のように、第2放熱部材26Bを底部と当該底部の両端から立設された一対の側壁部とからなる断面略U字状の部材にて構成することもできる。なお、図6(B)においては表われていないが、第1放熱部材26Aについても同様の形状の部材にて構成することができる。
このように構成した場合には、金属製の板状部材に折り曲げ加工を施したり、あるいは、押し出し成形したりすること等により、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bの成形が容易に行なえるとともに、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bの外気との接触面積を大きく確保することが可能にとなってより放熱性能を高めることができる。
また、図6(C)に示す有機ELモジュール20A1”のように、第2放熱部材26Bを底部と当該底部から立設された複数のフィン部とからなる部材にて構成することもできる。なお、図6(C)においては表われていないが、第1放熱部材26Aについても同様の形状の部材にて構成することができる。
このように構成した場合には、金属製の部材にプレス加工を施したり、あるいは、押し出し成形したりすること等により、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bの成形が容易に行なえるとともに、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bの外気との接触面積をさらに大きく確保することが可能となってさらに放熱性能を高めることができる。
(第2構成例)
図7は、本実施の形態に基づいた第2構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図7を参照して、第2構成例に係る有機ELモジュール20A2について説明する。
図7に示すように、第2構成例に係る有機ELモジュール20A2は、いわゆるボトムエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第1構成例に係る有機ELモジュール20A1と比較した場合に、第1放熱部材26Aと第2放熱部材26Bとの間に形成された隙間Gに、これら第1放熱部材26Aと第2放熱部材26Bとを接続するように断熱部28が設けられている点においてのみ、その構成が相違している。
断熱部28は、熱伝導率が十分に低い樹脂材料や無機材料等にて構成されており、たとえば液状の樹脂材料を上記隙間Gに流し込んで固化することで第1放熱部材26Aと第2放熱部材26Bとを接続するように構成してもよいし、コネクタ形状に成形された樹脂材料または無機材料等からなる断熱部材を予め準備し、これを用いて第1放熱部材26Aと第2放熱部材26Bとを接続するように構成してもよい。
このように構成することにより、上述した第1構成例において説明した効果に加え、第1放熱部材26Aと第2放熱部材26Bとが接続されることによって有機ELモジュール全体としての剛性が高まる効果が得られる。
(第3構成例)
図8は、本実施の形態に基づいた第3構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図8を参照して、第3構成例に係る有機ELモジュール20A3について説明する。
図8に示すように、第3構成例に係る有機ELモジュール20A3は、いわゆるトップエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第1構成例に係る有機ELモジュール20A1と比較した場合に、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bが基板21の第2主表面21b側に配置されている点において、主としてその構成が相違している。
ここで、図示するように、トップエミッション型の有機ELパネルにおいては、機能部22に含まれる有機EL素子の有機発光層にて発せられた光が、機能部22から封止部材24に入射され、その後、封止部材24から外部に向けて出射されることになる。そのため、封止部材24は、たとえばガラス板や透明フィルム等の透明部材からなる。一方、基板21については、透明であるか非透明であるかは問われず、金属製基板や非透明の樹脂製基板であってもよい。
第1放熱部材26Aは、基板21の第2主表面21b側であって機能部22に対応した位置に配置されており、当該第2主表面21bを覆っている。なお、基板21と第1放熱部材26Aとの間には、高熱伝導グリースまたは高熱伝導シート等からなる第3熱伝導部材27cが設けられている。
これにより、第1放熱部材26Aは、基板21と、第3熱伝導部材27cからなる第3熱伝導部とを介して機能部22に熱接触することになり、機能部22にて発生する熱は、主として第1放熱部材26Aによって放熱されることになる。なお、上述した第3熱伝導部材27cは、必ずしも必須の構成ではなく、第1放熱部材26Aが基板21に直接接触するように配置されていてもよい。
第2放熱部材26Bは、基板21の第2主表面21b側であってドライバーIC23に対応した位置に配置されており、当該第2主表面21bを覆っている。なお、基板21と第2放熱部材26Bとの間には、高熱伝導グリースまたは高熱伝導シート等からなる第4熱伝導部材27dが設けられている。
これにより、第2放熱部材26Bは、基板21と、第4熱伝導部材27dからなる第4熱伝導部とを介してドライバーIC23に熱接触することになり、ドライバーIC23にて発生する熱は、主として第2放熱部材26Bによって放熱されることになる。なお、上述した第4熱伝導部材27dは、必ずしも必須の構成ではなく、第2放熱部材26Bが基板21に直接接触するように配置されていてもよい。
ここで、本第3構成例においては、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bが、基板21から見て同じ側である基板21の一方の側に配置されているが、これら第1放熱部材26Aと第2放熱部材26Bとは、それらの間に隙間Gが形成されるように離間して配置されている。
したがって、このように構成した場合にも、上述した第1構成例において説明した効果に準じた効果を得ることができ、従来に比して機能部22に含まれる有機EL素子の劣化やドライバーIC23の破損を抑制することが可能になる。
(第4構成例)
図9は、本実施の形態に基づいた第4構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図9を参照して、第4構成例に係る有機ELモジュール20B1について説明する。
図9に示すように、第4構成例に係る有機ELモジュール20B1は、いわゆるボトムエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第1構成例に係る有機ELモジュール20A1と比較した場合に、第1放熱部材26Aおよび第2放熱部材26Bに代えて単一の放熱部材26を備えている点において、主としてその構成が相違している。
放熱部材26は、基板21の第1主表面21a側に配置されており、機能部22に対応した位置に配置された第1放熱部26aと、ドライバーIC23に対応した位置に配置された第2放熱部26bとを主として含んでいる。
ここで、放熱部材26の基板21側の主面のうち、機能部22とドライバーIC23との間の部分に対応した位置には、切欠き部Nが設けられている。この切欠き部Nが放熱部材26に設けられることにより、放熱部材26の基板21側の部分は、上述した第1放熱部26aと第2放熱部26bとに分離されることになる。なお、放熱部材26の基板21側とは反対側の部分には、第1放熱部26aと第2放熱部26bとを連結する連結部26cが位置している。
第1放熱部26aは、封止部材24の一対の主面のうちの機能部22側とは反対側に位置する主面を覆うように設置されている。なお、封止部材24と第1放熱部26aとの間には、高熱伝導グリースまたは高熱伝導シート等からなる第1熱伝導部材27aが設けられている。
これにより、第1放熱部26aは、封止部材24および第1熱伝導部材27aからなる第1熱伝導部を介して機能部22に熱接触することになり、機能部22にて発生する熱は、主として第1放熱部26aによって放熱されることになる。なお、上述した第1熱伝導部材27aは、必ずしも必須の構成ではなく、第1放熱部26aが封止部材24に直接接触するように配置されていてもよい。
第2放熱部26bは、ドライバーIC23と対向するように設置されている。なお、ドライバーIC23は、高熱伝導グリース等からなる第2熱伝導部材27bによって覆われており、当該第2熱伝導部材27bによってドライバーIC23と第2放熱部26bとの間の隙間が充填されている。
これにより、第2放熱部26bは、ドライバーIC23に第2熱伝導部材27bからなる第2熱伝導部を介して熱接触することになり、ドライバーIC23にて発生する熱は、主として第2放熱部26bによって放熱されることになる。
ここで、上述したように、本第4構成例においても、第1放熱部26aと第2放熱部26bとが、基板21から見て同じ側である基板21の一方の側に配置されているが、これら第1放熱部26aと第2放熱部26bとは、それらの間に切欠き部Nが形成されることで放熱部材26の基板21側の部分において離間して配置されている。
このように構成することにより、駆動時において機能部22よりもさらに高温の状態に達するドライバーIC23の熱が第2放熱部材26Bから第1放熱部材26Aに伝熱されることが、上記切欠き部Nによって抑制されることになるため、機能部22にて発生する熱およびドライバーIC23にて発生する熱の双方を効率的に放熱することが可能になる。
したがって、このように構成した場合にも、上述した第1構成例において説明した効果に準じた効果を得ることができ、従来に比して機能部22に含まれる有機EL素子の劣化やドライバーIC23の破損を抑制することが可能になる。さらには、このように構成することにより、放熱部材が単一の部材にて構成されることになるため、有機ELモジュール全体としての剛性が高まる効果を得ることもできる。
ここで、切欠き部Nの必要な大きさ(すなわち、第1放熱部26aと第2放熱部26bとの間の距離)としては、有機ELモジュールの仕様によっても異なるが、おおよそ数mm程度(たとえば2mm)あれば、第2放熱部26bから第1放熱部26aへの伝熱を相当程度抑制することができる。
(第5構成例)
図10は、本実施の形態に基づいた第5構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図10を参照して、第5構成例に係る有機ELモジュール20B2について説明する。
図10に示すように、第5構成例に係る有機ELモジュール20B2は、いわゆるボトムエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第4構成例に係る有機ELモジュール20B1と比較した場合に、放熱部材26の第1放熱部26aと第2放熱部26bとの間に形成された切欠き部Nに、断熱部28が設けられている点においてのみ、その構成が相違している。
断熱部28は、熱伝導率が十分に低い樹脂材料等にて構成されており、たとえば液状の樹脂材料を上記切欠き部Nに流し込んで固化することで形成されていてもよいし、予め準備した樹脂材料等からなる断熱部材を当該切欠き部Nに圧入することで設けられていてもよい。
このように構成することにより、上述した第4構成例において説明した効果に加え、第2放熱部26bの熱が第1放熱部26aに伝熱されてしまうことを抑制しつつ、切欠き部Nを設けることで生じる放熱部材26の剛性の低下を断熱部28によって軽減することが可能になるため(すなわち、断熱部28が放熱部材26の補強部材として機能するため)、有機ELモジュール全体としての剛性が高まる効果が得られる。
(第6構成例)
図11は、本実施の形態に基づいた第6構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図11を参照して、第6構成例に係る有機ELモジュール20B3について説明する。
図11に示すように、第6構成例に係る有機ELモジュール20B3は、いわゆるボトムエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第4構成例に係る有機ELモジュール20B1と比較した場合に、放熱部材26の第1放熱部26aと第2放熱部26bとを連結する連結部26cの形状が異なる点において、主としてその構成が相違している。
具体的には、放熱部材26の基板21側とは反対側の主面のうち、切欠き部Nが設けられた部分に対応する位置に、外側に向けて(すなわち、基板21から遠ざかる方向に向けて)突出する突出部が設けられており、この突出部によって連結部26cが構成されている。ここで、切欠き部Nは、放熱部材26の基板21側の主面から連結部26cとしての突出部にまで達するように形成されている。
このように構成することにより、上述した第4構成例において説明した効果に加え、当該第4構成例の場合に比べ、第1放熱部26aと第2放熱部26bとを連結する部分である連結部26cがより迂回した状態で連結されることになるため、第2放熱部26bの熱が第1放熱部26aに伝熱されてしまうことをさらに効果的に抑制できる効果が得られる。
(第7構成例)
図12は、本実施の形態に基づいた第7構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図12を参照して、第7構成例に係る有機ELモジュール20B4について説明する。
図12に示すように、第7構成例に係る有機ELモジュール20B4は、いわゆるボトムエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第4構成例に係る有機ELモジュール20B1と比較した場合に、放熱部材26に設けられた切欠き部Nの形状が異なる点において、主としてその構成が相違している。
具体的には、本第7構成例においては、放熱部材26に設けられた切欠き部Nが、放熱部材26の厚み方向に沿って延びる第1部分と、当該第1部分から第1放熱部26a側に向かって延びる第2部分とを有する、側面視略L字状の形状を有している。
このように構成することにより、上述した第4構成例において説明した効果に加え、当該第4構成例の場合に比べ、第1放熱部26aと第2放熱部26bとを連結する部分である連結部26cがより迂回した状態で連結されることになるため、第2放熱部26bの熱が第1放熱部26aに伝熱されてしまうことをさらに効果的に抑制できる効果が得られる。
加えて、上記のように構成した場合には、連結部26cが第1放熱部26aに連結する箇所を第1放熱部26aの第2放熱部26b側の端部から奥まった位置にすることができるため、第2放熱部26bから連結部26cを介して第1放熱部26aへと伝熱される熱の第1放熱部26aへの流入箇所を第2放熱部26b側の端部から離すことができる。したがって、ドライバーIC23にて発生する熱の、有機EL素子を含む機能部22への流入箇所が、第1放熱部26aの第2放熱部26b側の端部に集中することが回避できる。
そのため、上記構成を採用することにより、機能部22に極端な温度勾配が発生してしまうことが防止でき、従来に比して機能部22に含まれる有機EL素子の劣化を抑制することができる。また、本第7構成例に係る有機ELモジュール20B4を具備した光書込み装置12ならびにこれを具備した画像形成装置1とすることにより、感光体ドラム10の表面に形成される静電潜像に濃度ムラが発生することが抑制可能になり、結果として品質に優れた画像の形成が可能になる。
なお、切欠き部Nの上述した第2部分の長さは、特に制限されるものではなく、また有機ELモジュールの仕様によっても異なるが、たとえば50mm程度とされることが好ましい。このように構成することにより、上述した流入箇所を第2放熱部26b側の端部から十分に離すことができる。
(第8構成例)
図13は、本実施の形態に基づいた第8構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図13を参照して、第8構成例に係る有機ELモジュール20B5について説明する。
図13に示すように、第8構成例に係る有機ELモジュール20B5は、いわゆるボトムエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第7構成例に係る有機ELモジュール20B4と比較した場合に、第1放熱部26aの形状が異なる点において、主としてその構成が相違している。
具体的には、本第8構成例においては、第1放熱部26aの一対の主面のうち、基板21側とは反対側に位置する主面が、第2放熱部26bから遠ざかるにつれて基板21に近づく傾斜面26a1にて構成されている。このように構成した場合には、機能部22とドライバーIC23とが並ぶ方向と直交する方向における第1放熱部26aの断面積が、ドライバーIC23から遠ざかるにつれて減少することになる。
このように構成した場合には、上述した第7構成例の場合に比べ、さらに機能部22に大きな温度勾配が発生してしまうことが抑制できる。これは、第7構成例の如くに構成した場合にも、第2放熱部26bから第1放熱部26aへの熱の流入は完全にはなくならず、また基板21を介してのドライバーIC23から機能部22への熱の流入も存在するため、機能部22に必然的に温度勾配が生じてしまうが、ドライバーIC23からより遠い位置にある部分の第1放熱部26aの大きさを小さくすることでその熱容量を下げることにより、機能部22に発生する温度ムラを小さくできることによる。
したがって、このように構成することにより、上述した第7構成例において説明した効果に加え、当該第7構成例の場合に比べ、機能部22に大きな温度勾配が発生してしまうことが防止でき、機能部22に含まれる有機EL素子の劣化を抑制することができる。また、本第8構成例に係る有機ELモジュール20B5を具備した光書込み装置12ならびにこれを具備した画像形成装置1とすることにより、感光体ドラム10の表面に形成される静電潜像に濃度ムラが発生することがさらに効果的に抑制可能になり、結果として品質に非常に優れた画像の形成が可能になる。
(第9構成例)
図14は、本実施の形態に基づいた第9構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図14を参照して、第9構成例に係る有機ELモジュール20B6について説明する。
図14に示すように、第9構成例に係る有機ELモジュール20B6は、いわゆるボトムエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第4構成例に係る有機ELモジュール20B1と比較した場合に、放熱部材26に設けられた切欠き部Nの形状が異なる点において、主としてその構成が相違している。
具体的には、本第9構成例においては、放熱部材26に設けられた切欠き部Nが、放熱部材26の厚み方向に沿って延びる第1部分と、当該第1部分から第2放熱部26b側に向かって延びる第2部分とを有する、側面視略L字状の形状を有している。
このように構成することにより、上述した第4構成例において説明した効果に加え、当該第4構成例の場合に比べ、第1放熱部26aと第2放熱部26bとを連結する部分である連結部26cがより迂回した状態で連結されることになるため、第2放熱部26bの熱が第1放熱部26aに伝熱されてしまうことをさらに効果的に抑制できる効果が得られる。
(第10構成例)
図15は、本実施の形態に基づいた第10構成例に係る有機ELモジュールの模式断面図である。以下、この図15を参照して、第10構成例に係る有機ELモジュール20B7について説明する。
図15に示すように、第10構成例に係る有機ELモジュール20B7は、いわゆるトップエミッション型の有機ELパネルを用いて構成されたものであり、上述した第4構成例に係る有機ELモジュール20B1と比較した場合に、放熱部材26が基板21の第2主表面21b側に配置されている点において、主としてその構成が相違している。
第1放熱部26aは、基板21の第2主表面21b側であって機能部22に対応した位置に配置されており、当該第2主表面21bを覆っている。なお、基板21と第1放熱部26aとの間には、高熱伝導グリースまたは高熱伝導シート等からなる第3熱伝導部材27cが設けられている。
これにより、第1放熱部26aは、基板21と、第3熱伝導部材27cからなる第3熱伝導部とを介して機能部22に熱接触することになり、機能部22にて発生する熱は、主として第1放熱部26aによって放熱されることになる。なお、上述した第3熱伝導部材27cは、必ずしも必須の構成ではなく、第1放熱部26aが基板21に直接接触するように配置されていてもよい。
第2放熱部26bは、基板21の第2主表面21b側であってドライバーIC23に対応した位置に配置されており、当該第2主表面21bを覆っている。なお、基板21と第2放熱部26bとの間には、高熱伝導グリースまたは高熱伝導シート等からなる第4熱伝導部材27dが設けられている。
これにより、第2放熱部26bは、基板21と、第4熱伝導部材27dからなる第4熱伝導部とを介してドライバーIC23に熱接触することになり、ドライバーIC23にて発生する熱は、主として第2放熱部26bによって放熱されることになる。なお、上述した第4熱伝導部材27dは、必ずしも必須の構成ではなく、第2放熱部26bが基板21に直接接触するように配置されていてもよい。
ここで、上述したように、本第10構成例においても、第1放熱部26aと第2放熱部26bとが、基板21から見て同じ側である基板21の一方の側に配置されているが、これら第1放熱部26aと第2放熱部26bとは、それらの間に切欠き部Nが形成されることで放熱部材26の基板21側の部分において離間して配置されている。
したがって、このように構成した場合にも、上述した第4構成例において説明した効果と同様の効果を得ることができ、従来に比して機能部22に含まれる有機EL素子の劣化やドライバーIC23の破損を抑制することが可能になる。
以上において説明した本発明の実施の形態においては、電子写真方式を採用したいわゆるタンデム型のカラープリンターおよびこれに具備される光書込み装置ならびにこれに具備される有機ELモジュールに本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、各種の画像形成装置および各種の光書込み装置ならびに各種の有機ELモジュールに本発明を適用することが可能である。
また、上述した本発明の実施の形態においては、アクティブマトリクス型の有機ELパネルを備えた有機ELモジュールに本発明を適用した場合を例示して説明を行なったが、パッシブマトリクス型の有機ELパネルを備えた有機ELモジュール等、各種の有機ELモジュールに本発明を適用することも当然に可能である。
さらには、上述した第1ないし第10構成において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて相互に組み合わせることが可能である。
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。