JP6569204B2 - 積層体の製造方法および積層体 - Google Patents
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Description
また、光硬化樹脂を含む有機層は、例えば、種々のデバイスの製造工程における耐熱性、耐溶液性が良好であるという利点がある。
フォトリソグラフィ法は、印刷法に比べて薄膜で高精細に有機層を形成することができるといった利点がある。
また、光硬化樹脂を含む有機層については、上述した利点を有することから、薄膜で所望のパターンを有するものの要望が高まっている。
本発明の積層体の製造方法は、光硬化性樹脂組成物を基材上の全面に塗布して、酸素による硬化阻害を生じる厚みを有する塗膜を形成し、上記塗膜の全面を露光することにより、光硬化樹脂を含む有機層を形成する有機層形成工程と、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、上記有機層上にレジスト層をパターン状に形成するレジスト層形成工程と、上記レジスト層が形成された上記有機層における露出部分をエッチングすることにより、上記有機層をパターン状に形成するエッチング工程と、上記エッチング工程後に上記レジスト層を剥離するレジスト層剥離工程とを有することを特徴とする製造方法である。
図1(a)〜(f)は本発明の積層体の製造方法の一例を示す工程図である。本発明の積層体の製造方法においては、図1(a)に示すように、光硬化性樹脂組成物を基材2上の全面に塗布して、酸素による硬化阻害を生じる厚みを有する塗膜3’を形成し、塗膜3’の全面に紫外線等の露光光L1を照射して露光することにより、図1(b)に示すように、光硬化樹脂を含む有機層3を形成する(有機層形成工程)。次に、図1(c)に示すように、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、有機層3上にレジスト層4をパターン状に形成する(レジスト層形成工程)。次に、図1(d)に示すように、レジスト層4が形成された有機層3における露出部分にエキシマ紫外線L2等を照射してエッチングすることにより、図1(e)に示すように、有機層3をパターニングする(エッチング工程)。また、エッチング工程後にレジスト層を剥離する(レジスト層剥離工程)。以上により、図1(f)に示すように、基材2と、基材2上にパターン状に形成された有機層3とを有する積層体1を製造することができる。
本発明における有機層形成工程は、光硬化性樹脂組成物を基材上の全面に塗布して、酸素による硬化阻害を生じる厚みを有する塗膜を形成し、上記塗膜の全面を露光することにより、光硬化樹脂を含む有機層を形成する工程である。
本発明に用いられる光硬化性樹脂組成物は、通常、モノマーと、ポリマーと、光重合開始剤とを含有するものである。これらの成分については、一般的な光硬化性樹脂組成物に用いられるものと同様とすることができる。
また、光硬化性樹脂組成物としては、反応性が高いものを好適に用いることができ、例えば、モノマーとして、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等のアクリレートモノマーを含有することが好ましい。また、光重合開始剤としては、通常のフォトリソグラフィ法で用いられるものでもよく、また高波長側に吸収領域を持つ光重合開始剤でもよい。光重合開始剤としては、例えば、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン株式会社製、イルガキュア(登録商標)OXE 01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)(BASFジャパン株式会社製、イルガキュア(登録商標)OXE 02)、などのオキシムエステル系化合物等が挙げられる。
また、光硬化性樹脂組成物が溶媒を含む場合、固形分濃度については、有機層の厚み、塗布方法等に応じて適宜選択することができる。
本発明に用いられる基材は、光硬化性樹脂組成物の塗膜を形成することが可能なものであればよく、有機層を支持することができれば特に限定されない。基材としては、積層体の用途等に応じて適宜選択される。基材としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない無機基材、および、樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する樹脂基材等を挙げることができる。
基材が透明性を有する場合、基材の透過率としては、80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましい。
ここで、上記基材の透過率は、JIS K 7105で規定する方法により測定した値(全光線)とする。
光硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、基材上の全面に均一に塗膜を形成することできる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、バーコート法等を挙げることができる。
硬化性樹脂組成物の塗膜が薄いと、塗膜の強度を十分なものとすることが困難となる可能性があるからである。
上記塗膜の厚みは、一般的な測定方法を用いて測定することができ、例えば、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚みを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚みを算出する光学式の方法等を挙げることができる。具体的には、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式厚み計P−15を用いて厚みを測定することができる。なお、厚みとして、対象となる部材の複数箇所における厚み測定結果の平均値が用いられてもよい。
また、塗膜の硬化は、通常、大気下で行なわれる。
本工程において形成される有機層は、基材上の全面に形成されるものである。
有機層は、上述した光硬化性樹脂組成物に光を照射して硬化させた光硬化樹脂を含むものである。また、本工程後においては、有機層は、有機層における光硬化性樹脂組成物と、上記有機層上に形成される層における樹脂組成物とが混ざり合わない程度に硬化されていれば良い。
なお、図2は、本工程において形成される有機層の一例を示す概略断面図である。
本発明におけるレジスト層形成工程は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、上記有機層上にレジスト層をパターン状に形成する工程である。
ポジ型感光性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、バーコート法等を挙げることができる。
露光条件については、ポジ型感光性樹脂の種類に応じて適宜選択することができ、一般的な露光装置を用いて露光をすることができる。
現像液としては、ポジ型感光性樹脂を現像することができれば特に限定されないが、ローム・アンド・ハース社製のALC1350等が挙げられる。
レジスト層の厚みが厚すぎるとレジスト層剥離工程において、レジスト層を良好に剥離することが困難となる可能性があるからであり、レジスト層の厚みが薄すぎるとエッチング工程において有機層を十分に保護することが困難となる可能性があるからである。
本発明におけるエッチング工程は、上記レジスト層が形成された上記有機層における露出部分をエッチングすることにより、上記有機層をパターン状に形成する工程である。
ドライエッチング法としては、例えば、エキシマ紫外線照射、プラズマ照射装置で光を照射し有機物である光硬化樹脂を光分解させることで有機層を分解し除去することができる。本発明においては、中でも、エキシマ紫外線照射により有機層をエッチングすることが好ましい。上記露出部分については、良好に除去することができる。また、レジスト層表面にエキシマ紫外線を照射することにより、後述するレジスト層剥離工程において、レジスト層の剥離が容易になるからである。
本発明におけるレジスト層剥離工程は、上記エッチング工程後に上記レジスト層を剥離する工程である。
レジスト層の剥離方法としては、一般的なフォトリソグラフィ法におけるレジストの剥離方法と同様に紫外光を照射し、溶液に対する溶解性を持たせた後に剥離することができる。
本発明の積層体の製造方法は、上述した各工程を有していれば特に限定されず、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
本発明の積層体の製造方法は、例えば、タッチパネルセンサにおける屈折率調整層の形成、表示装置の前面板における反射防止層の形成に適用することができる。また、上記用途以外の薄膜の有機層のパターニングをする際にも用いることができる。
本発明における有機層を屈折率調整層に適用した場合、例えば、透明基板上に屈折率の異なる有機層を積層させた構成とすることができ、より具体的には、透明基板上に高屈折率層および低屈折率層の順に2層積層させた構成、また、高屈折率層および低屈折率層を3層以上積層させた構成とすることができる。また、この場合、有機層のパターン形状としては、タッチパネルセンサにおけるアクティブエリアに形成することができる。
この場合、有機層のパターン形状としては、例えば、テレビ、タブレット端末等の表示装置において表示部の外側に配置される額縁部のパターン形状とすることができる。この場合、反射防止層を額縁部に配置し、表示部に配置されないものとすることができるため、表示部の輝度を落とすことなく、額縁部における外光反射を抑制することができ、表示装置の意匠性を高めることができる。
本発明により製造される積層体については、後述する「B.積層体」の項で説明する。
本発明における積層体は、基材と、上記基材上にパターン状に形成され、光硬化性樹脂組成物が硬化された光硬化樹脂を含む有機層とを有し、上記有機層は、上記光硬化性樹脂組成物において酸素による硬化阻害が生じる厚みを有することを特徴とするものである。
図3は、本発明の積層体の一例を示す概略断面図である。図3に示すように、本発明の積層体1は、基材2と、基材2上にパターン状に形成され、光硬化性樹脂組成物が硬化された光硬化樹脂を含む有機層3とを有し、有機層3は、光硬化性樹脂組成物において酸素による硬化阻害が生じる厚みを有することを特徴とするものである。
(共重合樹脂溶液の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記材料を室温で攪拌、混合して光硬化性樹脂組成物を得た。
<光硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399) 24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) 4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 52質量部
透明基板として厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子(株) AN材)上に上記光硬化性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、塗膜を全面露光し膜厚約100nmの有機層(薄膜層)を形成した。
上記有機層上にポジレジストSC500E(54%希釈)をスピンコーターにて塗布後パターン露光を行い、続いてローム・アンド・ハース社製のALC1350社製の現像液を用いて現像を行い、有機層上に膜厚1μmのレジスト層をパターニングした。
上記レジスト層および上記有機層が形成された透明基板上にエキシマ紫外線照射で3分間エキシマレーザーを照射し、有機層のドライエッチングを行った。その後、水洗浄を行い有機層上のポジ膜の除去を行い、230℃で20分間焼成を行い、有機層のパターニング基板を作成した。
上述した光硬化性樹脂組成物(固形分1%)を用いた。厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子(株) AN材)上に上記光硬化性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像したところ、硬化時の酸素による硬化阻害の影響により全て剥がれてしまい、有機層のパターニングを行なうことが困難であった。
2 … 基材
3、31、32 … 有機層
3’ … 塗膜
4 … レジスト層
Claims (2)
- 光硬化性樹脂組成物を平坦な基材上の全面に塗布することにより、酸素による硬化阻害を生じる厚みである10nm〜250nmの範囲の厚みを有する塗膜を形成し、前記塗膜の全面を露光することにより、有機層を形成する有機層形成工程と、
ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、前記有機層上にレジスト層をパターン状に形成するレジスト層形成工程と、
前記レジスト層が形成された前記有機層における露出部分をエッチングすることにより、前記有機層をパターン状に形成するレーザー照射によるエッチング工程と、
前記エッチング工程後に前記レジスト層を剥離するレジスト層剥離工程と
を有することを特徴とする積層体の製造方法。 - 前記積層体の製造方法が、枚葉式で行なわれることを特徴とする請求項1に記載の積層体の製造方法。
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