JP2015207284A - パターン形成方法、硬化物、タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、及び、表示装置 - Google Patents

パターン形成方法、硬化物、タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、及び、表示装置 Download PDF

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大助 柏木
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史絵 山下
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【課題】欠けの発生が抑制され、パターン形状が良好で、アンダーカットの発生が抑制されたパターン形成方法、タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法及び表示装置を提供する。【解決手段】パターン形成方法は、感光性樹脂組成物を基板に塗布する工程、塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する工程、マスクを用いて活性放射線で露光する露光工程及び水性現像液で現像する現像工程、を有する。露光工程で用いるマスクが、第一の遮光部パターン210の外辺に沿って平行に第二の遮光部パターン212が設けられており、第二の遮光部パターンが第一の遮光部パターンを一周囲んでおり、第一の遮光部パターンの外辺と第二の遮光部パターンの内辺の距離(A)と第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)の関係が、0.5≰(B)/(A)≰0.75を満たし、幅(B)が1〜10μmである。【選択図】図1

Description

本発明は、パターン形成方法、硬化物、タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、及び、表示装置に関する。
ハーフトーンマスクやグレートーンマスクの設計は各分野で様々な検討がされている。解像性向上のために用いられることが多いが、パターン形状(順テーパー)制御のために複数のスリットを設けるマスクも見られる(特許文献1参照)。
特開2007−232840号公報
本発明は、欠けの発生が抑制され、パターン形状が良好で、アンダーカットの発生が抑制されたパターン形成方法を提供することを目的とする。また、上記パターン形成方法により得られた硬化物、上記パターン形成方法を使用したタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、及び、上記製造方法により得られる表示装置を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、下記の<1>、<2>、<8>、<10>又は<11>に記載の手段により達成された。好ましい実施態様である<3>〜<7>及び<9>と共に以下に記載する。
<1> (1)感光性樹脂組成物を基板に塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)マスクを用いて活性放射線で露光する露光工程、及び、(4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、上記露光工程で用いるマスクが、第一の遮光部パターンの外辺に沿って平行に第二の遮光部パターンが設けられており、上記第二の遮光部パターンが上記第一の遮光部パターンを一周囲んでおり、上記第一の遮光部パターンの外辺と上記第二の遮光部パターンの内辺の距離(A)と、上記第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)との関係が、下記式(I)を満たし、上記第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)が1〜10μmであることを特徴とするパターン形成方法、
0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
<2> (1)感光性樹脂組成物を基板に塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)マスクを用いて活性放射線で露光する露光工程、及び、(4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、上記露光工程で用いるマスクが、第一の透光部パターンの外辺に沿って平行に第二の透光部パターンが設けられており、上記第二の透光部パターンが上記第一の透光部パターンを一周囲んでおり、上記第一の透光部パターンの外辺と上記第二の透光部パターンの内辺の距離(A)と、上記第二の透光部パターンの内辺と外辺の幅(B)との関係が、下記式(I)を満たし、上記第二の透光部パターンの内辺と外辺の幅(B)が1〜10μmであることを特徴とするパターン形成方法、
0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
<3> 上記露光工程において、非接触式の露光方法を用いる、<1>又は<2>に記載のパターン形成方法、
<4> 上記露光工程において、上記感光性樹脂組成物の塗布面とマスクとの距離が10μm以上500μm以下である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のパターン形成方法、
<5> 上記感光性樹脂組成物が、粒子を含有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のパターン形成方法、
<6> 上記粒子の含有率が、感光性樹脂組成物の全固形分に対して30質量%以上である、<5>に記載のパターン形成方法、
<7> 第一の遮光部パターン又は第一の透光部パターンの一辺の長さが10〜500μmである、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のパターン形成方法、
<8> <1>〜<7>のいずれか1つに記載のパターン形成方法により得られた硬化物、
<9> 層間絶縁膜である、<8>に記載の硬化物、
<10> <1>〜<7>のいずれか1つに記載のパターン形成方法を用いたタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<11> <10>に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルを備えた表示装置。
本発明によれば、欠けの発生が抑制され、パターン形状が良好で、アンダーカットの発生が抑制されたパターン形成方法を提供することができる。また、上記パターン形成方法により得られた硬化物、上記パターン形成方法を使用したタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、及び、上記製造方法により得られる表示装置を提供することができる。
第一のパターン形成方法において、露光工程で使用されるマスクに設けられるパターンの例を示す概略図である。 第二のパターン形成方法において、露光工程で使用されるマスクに設けられるパターンの例を示す概略図である。 液晶表示装置の一例の構成概念図を示す。液晶表示装置におけるアクティブマトリックス基板の模式的断面図を示し、層間絶縁膜である硬化膜17を有している。 有機EL表示装置の一例の構成概念図を示す。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。 静電容量型入力装置の構成を示す断面図である。 前面板の一例を示す説明図である。 第一の透明電極パターン及び第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。 実施例で使用したパターンを示す概略図である。 パターンの正常な断面形状、及び、アンダーカット(浮き)が発生した断面形状の例を示す説明図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、本発明において、「(成分B)光酸発生剤」等を、単に「成分B」等ともいい、「(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位」等を、単に「構成単位(a1)」等ともいう。また、本発明において使用する感光性樹脂組成物を、本発明の感光性樹脂組成物ともいう。
更に、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい。
(パターン形成方法)
本発明の第一のパターン形成方法は、(1)感光性樹脂組成物を基板に塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)マスクを用いて活性放射線で露光する露光工程、及び、(4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、上記露光工程で用いるマスクが、第一の遮光部パターンの外辺に沿って平行に第二の遮光部パターンが設けられており、上記第二の遮光部パターンが上記第一の遮光部パターンを一周囲んでおり、上記第一の遮光部パターンの外辺と上記第二の遮光部パターンの内辺の距離(A)と上記第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)の関係が、下記式(I)を満たし、上記第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)が1〜10μmであることを特徴とする。
0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
本発明の第一のパターン形成方法は、塗布工程においてポジ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布することが好ましく、また、現像工程において、露光部を除去することが好ましい。
また、本発明の第二のパターン形成方法は、(1)感光性樹脂組成物を基板に塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)マスクを用いて活性放射線で露光する露光工程、及び、(4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、上記露光工程で用いるマスクが、第一の透光部パターンの外辺に沿って平行に第二の透光部パターンが設けられており、上記第二の透光部パターンが上記第一の透光部パターンを一周囲んでおり、上記第一の透光部パターンの外辺と上記第二の透光部パターンの内辺の距離(A)と上記第二の透光部パターンの内辺と外辺の幅(B)の関係が、下記式(I)を満たし、上記第二の透光部パターンの内辺と外辺の幅(B)が1〜10μmであることを特徴とする。
0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
本発明の第二のパターン形成方法は、塗布工程においてネガ型感光性樹脂組成物を基板上に塗布することが好ましく、また、現像工程において、未露光部を除去することが好ましい。
なお、以下の説明において、上記本発明の第一のパターン形成方法及び本発明の第二のパターン形成方法を総称して、本発明のパターン形成方法ともいう。
本発明の硬化物は、上記本発明のパターン形成方法により得られた硬化物であり、上記硬化物は、層間絶縁膜として好適に使用される。
また、本発明のパターン形成方法は、タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法の一工程として好適に使用される。また、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルは、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルである。
更に、本発明の表示装置は、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルを備えたものである。
本発明者らは、引用文献1に記載のパターン形成方法では、パターン形状の制御は可能であるが、端部に欠けが発生することがあり、その欠けによって、後工程での故障(例えば、ITO断線)が発生してしまうことを見いだした。また、特に、粒子を含有する感光性樹脂組成物の場合、塗布膜中に粒子が存在することにより、粒子を含有しない感光性樹脂組成物に比べ、パターン形状の不良やパターン欠けが発生し、パターニングが困難な傾向にあることを見いだした。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定のマスクを用いてパターンを形成することにより、露光量を大幅に大きくした場合であっても、欠けの発生が抑制され、また、最適形状のパターンが得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったものである。
以下、(1)〜(4)のそれぞれの工程について説明する。
(1)感光性樹脂組成物を基板に塗布する塗布工程
本発明のパターン形成方法は、(1)感光性樹脂組成物を基板に塗布する塗布工程を有する。なお、上述したように、本発明の第一のパターン形成方法では、感光性樹脂組成物としてポジ型感光性樹脂組成物を使用することが好ましく、本発明の第二のパターン形成方法では、感光性樹脂組成物としてネガ型感光性樹脂組成物を使用することが好ましい。
(1)の塗布工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。感光性樹樹脂組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことが好ましく、更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理することがより好ましい。この処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の基板への密着性が向上する。ヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン蒸気中に基板を晒しておく方法等が挙げられる。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料、ITO、Cu基板、ポリエチレンテレフタレート、セルローストリアセテート(TAC)などのプラスチック基板が挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル樹脂、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル樹脂、マレイミド−オレフィン樹脂、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されている場合が通常である。
基板の形状としては、多角形状、円状、楕円状、不定形状等、種々の形状が挙げられるが、四辺形であることが好ましく、正方形又は長方形であることがより好ましい。
なお、本発明における基板の形状の「四辺形」等については、一部加工されたものであってもよく、例えば、角に面取り加工が施されていてもよいし、基板の一部に任意の形状及び数の孔が設けられていてもよい。また、基板は、感光性樹脂組成物を塗布する面の外周部分に額縁部が形成されていてもよい。ここで「額縁部」とは、基板の外辺近傍に存在する、所定の幅を有する外枠部分を指す。ディスプレイパネル又はタッチパネルにおいて、使用者は額縁部が形成されていない部分(以下、開口部ともいう。)で映像を視認可能となっており、また、接触により信号を送ることが可能である。額縁部は、例えば、色材として黒色顔料や白色顔料を含有する樹脂組成物によりフォトリソグラフィ法等により形成することができる。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン、インクジェット法等の方法を用いることができる。更に、特開2009−145395号公報に記載されているような、いわゆるプリウェット法を適用することも可能である。
塗布膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができるが、0.5〜10μmの範囲で使用されることが好ましい。
(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
本発明のパターン形成方法は、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程を有する。
(2)の溶剤除去工程では、適用された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。温度と時間が上記範囲である場合、パターンの密着性が良好で、かつ残渣も低減できる。
(3)マスクを用いて活性放射線で露光する露光工程
本発明のパターン形成方法は、(3)マスクを用いて活性光線で露光する露光工程を有する。
本発明において(3)の露光工程において、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射する。
活性光線による露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光方式には、マスクと露光対象物を接触させて露光する、接触露光方式のコンタクト露光方式(ハードコンタクト、ソフトコンタクト)、マスクと露光対象物を接触させずに露光する非接触露光方式のプロキシミティ露光方式やプロジェクション露光方式(レンズプロジェクション露光方式、ミラープロジェクション露光方式)などがある。
非接触の露光方式には、プロキシミティ露光方式とプロジェクション露光方式(投影露光方式)の2種類があり、これらはマスクと組成物塗布面が接触しないため、両者のダメージが非常に少ないという特長を備える。これに対して、マスクと塗布面を接触させて露光する方式をコンタクト露光(接触露光)という。
本発明においてマスク及び塗布面の損傷が少ないことから、露光工程において非接触式の露光方法を用いることが好ましい。すなわち、非接触露光方式を用いることが好ましい。
上記プロキシミティ露光方式とは、マスクと組成物塗布面に隙間を設け、露光する非接触の露光方式のことである。この隙間をプロキシミティギャップ又はギャップと呼ぶ。
一方、プロジェクション露光とは、マスクの像をレンズなどの光学系を用いて塗布物に投影させ、露光する非接触の露光方式のことをいい、投影露光ともいう。
プロジェクション露光には、投影光学系の違いにより、レンズプロジェクション露光とミラープロジェクション露光の2種類がある。これらはマスクとワークが非接触なため、両者のダメージが非常に少ない、縮小光学系(例えば、マスクの原画のサイズが5に対し、ワークの像のサイズが1、これを5:1縮小系という。投影倍率5:1ともいう。)を用いることで、マスクの像の精密転写が可能など、大きな特長を備えるが、精密な露光装置を必要とするなど、汎用性に劣る。
本発明において、露光方式としては、特にプロキシミティ露光方式が好適である。プロキシミティ露光方式を採用すると、塗布面とマスクとの間にギャップが存在するために、露光に使用した活性光線は、光の強度分布ができ、光の広がりが生じるため、パターンの欠けが発生しやすい。また、得られた硬化パターンの断面形状が劣化するという問題がある。本発明では、特定の遮光パターン又は透光部パターンを有するマスクを使用することにより、パターンの欠けが抑制されると共に、パターン形状の最適化が図られる。
プロキシミティ露光方式を使用する場合、感光性樹脂組成物の塗布面とマスクとの距離は(プロキシミティギャップ)は、10μm〜500μmであることが好ましい。プロキシミティギャップが上記範囲内であると、露光光の強度分布が大きくなりすぎず、本発明の効果が大きく得ることができるので好ましい。
プロキシミティギャップは、50μm〜500μmであることがより好ましく、50μm〜450μmであることが更に好ましく、100μm〜400μmであることが特に好ましい。
露光装置としては、プロキシミティ方式以外にも、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レーザー露光など各種方式の露光機を用いることができる。
以下、第一のパターン形成方法と、第二のパターン形成方法とに分けて、好適なマスク等に付いて記載する。
<第一のパターン形成方法>
本発明の第一のパターン形成方法では、露光工程で用いるマスクとして、第一の遮光部パターンの外辺に沿って平行に第二の遮光部パターンが設けられており、上記第二の遮光部パターンが上記第一の遮光部パターンを一周囲んでおり、上記第一の遮光部パターンの外辺と上記第二の遮光部パターンの内辺の距離(A)と上記第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)の関係が、下記式(I)を満たし、上記第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)が1〜10μmであるマスクを使用する。
0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
本発明の第一のパターン形成方法について、上記(1)工程においてポジ型感光性樹脂組成物を塗布した場合の例を用いて説明する。本発明の第一のパターン形成方法では、露光工程(3)において、ポジ型感光性樹脂組成物が含有する光酸発生剤が分解し酸が発生し、発生した酸の作用により、露光部のアルカリ水溶液に対する溶解性が高まり、後の現像工程において、露光部が除去される。特に上記ポジ型の感光性樹脂組成物が化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物である場合は、塗膜成分中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基が生成する。これにより、露光部のアルカリ水溶液に対する溶解性が高まり、後の現像工程において、露光部が除去される。
第一のパターン形成方法における露光量としては、使用する感光性樹脂組成物の特性にも依存するが、5mJ/cm2〜2,000mJ/cm2であることが好ましく、10mJ/cm2〜1,500mJ/cm2であることがより好ましく、20mJ/cm2〜1,000mJ/cm2であることが更に好ましく、50mJ/cm2〜300mJ/cm2であることが特に好ましい。
以下、図面を参照して本発明の第一のパターン形成方法で使用されるマスクについて詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一の符号は同一の対象を表す。
図1(a)〜(c)は、本発明の第一のパターン形成方法において、露光工程で使用されるマスクに設けられるパターンの例を示す概略図である。また、図1(d)は、従来のマスクに設けられるパターンの例を示す概略図である。
図1(d)に示すように、従来は、所望の形状と同一形状のパターンを有するマスクを用いて露光を行っていた。しかし、このような形状のパターンでは、露光の際に光漏れ等が生じ、結果としてパターンの外周部分、特に多角形状の場合には、角部に欠けを生じることがあった。また、得られた硬化物パターンの断面が逆テーパー状(基板に向けて断面積が狭くなる)となり、上記の欠けや硬化物パターンの形状により、例えば、ITO断線などの問題を生じることがあった。
図1(a)〜(c)は、本発明の第1のパターン形成方法で使用されるマスクに設けられた遮光部パターンの例である。図1(a)は、図1(d)の遮光部パターンと同一形状の硬化物を得るための遮光部パターンである。図1(a)では、第一の遮光部パターン210の外辺に沿って、平行に第二の遮光部パターン212が設けられている。また、第二の遮光部パターン212が、第一の遮光部パターン210を一周囲んでいる。また、第一の遮光部パターンの外辺と、第二の遮光部パターンの内辺との距離を、図1(a)中(A)で表している。また、第二の遮光部パターン12の内辺と外辺の幅を(B)で表している。
ここで、上記(B)は、1〜10μmである。(B)が1μm未満であると、第二の遮光部パターンの遮光効果が十分ではなく、欠けの抑制効果が十分に得られない場合がある。また、(B)が10μmを超えると、第二の遮光部パターンが硬化物として残存してしまい、所望のパターン形状を得ることが困難となる場合がある。
好ましい(B)の値は、露光量にも依存するが、露光量が50mJ/cm2〜300mJ/cm2である場合、(B)は、2〜8μmであることが好ましく、3〜5μmであることがより好ましい。
また、上記(A)及び(B)は以下の式(I)を満たす。
0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
上記(B)/(A)が0.5未満であると、第二の遮光部パターンまでの距離が長く、欠けの抑制効果が十分に得られない場合がある。また、(B)/(A)が0.75を超えると、(A)が小さいために第二の遮光部パターンが硬化して残存してしまう可能性がある。
(B)/(A)は、0.5〜0.7であることが好ましく、0.55〜0.7であることがより好ましく、0.55〜0.65であることが更に好ましい。
本発明の第一のパターン形成方法において、第一の遮光部パターンの一辺の長さは、10〜500μmであることが好ましい。遮光部の長さが上記範囲内であると、欠けの発生が問題となりやすく、また、本発明の効果が高く発揮される。
第一の遮光部パターンの一辺の長さは、10〜400μmであることがより好ましく、20〜300μmであることが更に好ましく、30〜300μmであることが特に好ましい。
図1(b)は、本発明の第一のパターン形成方法における、他の遮光部パターンの例である。図1(b)において、所望の硬化物パターンは図1(d)に示す遮光部のパターンである。本発明において、第一の遮光部パターンは、図1(b)に示すように、角に突出部214を有することも好ましい。露光光の回り込みによる欠けの発生しやすい角部に、遮光部を多く形成することにより、角部の欠けがより効果的に抑制される。
なお、突出部214は、(A)の幅の80%以下で設けることが好ましく、50%以下で設けることがより好ましく、40%以下で設けることが更に好ましい。また、突出部214を設ける場合には、(A)の幅の10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましい。すなわち、突出部が設けられている箇所では、第一の遮光部パターンの外辺と第二の遮光部パターンの内辺との距離が、他の部分の20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。また、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましい。
なお、図1(b)に示すように、角部の一部に、式(I)を満たさない箇所があってもよく、本発明において、式(I)を満たす箇所が第一の遮光部パターンの外周全体の長さの50%以上あればよい。60%以上が式(I)を満たしていることが好ましく、70%以上が満たしていることがより好ましく、80%以上が満たしていることが更に好ましく、90%以上が満たしていることが特に好ましい。
本発明の第一のパターン形成方法において、第一の遮光部パターンの形状は、特に限定されないが、多角形状であることが好ましい。これらの中でも、図1(a)に示すような四角形状であることがより好ましく、長方形又は正方形であることが更に好ましく、長方形であることが特に好ましい。なお、長方形には、上述のように角部に突出部を有する態様も含まれるものとする。
また、本発明において、第一の遮光部パターンを図1(c)に示すように多角形状とする場合について説明する。この場合、得られるパターンの形状は、ダンベル状の多角形状である。第一の遮光部パターンが多角形状の場合、第一の遮光部パターンの外辺と第二の遮光部パターンの内辺との距離(A)は、周囲を通じて同じでもよく、また、図1(c)に示すように、異なっていてもよい。図1(c)では、(A)に比べて、(A’)が小さくなっている。
また、同様に、第二の遮光部パターンの内辺と外辺との幅(B)は、同じでもよく、また、図1(c)に示すように、異なっていてもよい。図1(c)では、(B)に比べて(B’)が小さくなっている。
なお、上記の(A)と(B)、及び、(A’)と(B’)は、共に、上記式(I)を満たし、また、(B)及び(B’)は共に1〜10μmであることが好ましい。ただし、上述したとおり、上記式(I)を満たさない箇所や、(B)が1〜10μmを満たさない箇所があることを排除するものではない。
本発明において、第二の遮光部パターンは、第一の遮光部パターンを一周囲んでいる。すなわち、透光部が第一の遮光部の外周を取り囲んでいる。第二の遮光部パターンと第一の遮光部パターンに接続部があり、完全に一周囲まれていないと、当該箇所で欠けやパターン形状の乱れが生じる。
<第二のパターン形成方法>
本発明の第二のパターン形成方法では、露光工程で用いるマスクとして、第一の透光部パターンの外辺に沿って平行に第二の透光部パターンが設けられており、上記第二の透光部パターンが上記第一の透光部パターンを一周囲んでおり、上記第一の透光部パターンの外辺と上記第二の透光部パターンの内辺の距離(A)と上記第二の透光部パターンの内辺と外辺の幅(B)の関係が、下記式(I)を満たし、上記第二の透光部パターンの内辺と外辺の幅(B)が1〜10μmであるマスクを使用する。
0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
本発明の第二のパターン形成方法では、露光工程(3)において、感光性樹脂組成物に含まれる重合開始剤が活性光線の照射により分解して、ラジカルなどの重合開始種を発生し、その開始種の機能にラジカル重合性化合物の重合反応が、生起、促進され、露光部が硬化される。後の現像工程において、未露光部が除去される。
第二のパターン形成方法における露光量としては、使用する感光性樹脂組成物の特性にも依存するが、5mJ/cm2〜2,000mJ/cm2であることが好ましく、10mJ/cm2〜1,500mJ/cm2であることがより好ましく、20mJ/cm2〜1,000mJ/cm2であることが更に好ましく、50mJ/cm2〜300mJ/cm2であることが特に好ましい。
以下、図面を参照して本発明の第二のパターン形成方法で使用されるマスクについて詳細に説明する。
図2(a)〜(c)は、本発明の第一のパターン形成方法において、露光工程で使用されるマスクに設けられるパターンの例を示す概略図である。また、図2(d)は、従来のマスクに設けられるパターンの例を示す概略図である。
図2(d)に示すように、従来は、所望の形状と同一形状の透光部パターンを有するマスクを用いて露光を行っていた。しかし、このような形状のパターンでは、露光の際に光漏れ等が生じ、結果としてパターンの外周部分、特に多角形状の場合には、角部に欠けを生じることがあった。また、上記の欠けにより、例えば、ITO断線などの問題を生じることがあった。
図2(a)〜(c)は、本発明の第二のパターン形成方法で使用されるマスクに設けられた遮光部パターンの例である。図2(a)は、図2(d)の透光部パターンと同一形状の硬化物を得るための透光部パターンである。図2(a)では、第一の透光部パターン310の外辺に沿って、平行に第二の透光部パターン312が設けられている。また、第二の透光部パターン312が、第一の透光部パターン310を一周囲んでいる。また、第一の透光部パターンの外辺と、第二の透光部パターンの内辺との距離を、図2(a)中(A)で表している。また、第二の透光部パターン12の内辺と外辺の幅を(B)で表している。
ここで、上記(B)は、1〜10μmである。(B)が1μm未満であると、第二の透光部パターンの透光効果が十分ではなく、欠けの抑制効果が十分に得られない場合がある。また、(B)が10μmを超えると、第二の透光部パターンが硬化物として残存してしまい、所望のパターン形状を得ることが困難となる場合がある。
好ましい(B)の値は、露光量にも依存するが、露光量が50mJ/cm2〜300mJ/cm2である場合、(B)は、2〜8μmであることが好ましく、3〜5μmであることがより好ましい。
また、上記(A)及び(B)は以下の式(I)を満たす。
0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
上記(B)/(A)が0.5未満であると、第二の透光部パターンまでの距離が長く、欠けの抑制効果が十分に得られない場合がある。また、(B)/(A)が0.75を超えると、(A)が小さいために第二の透光部パターンが硬化して残存してしまう可能性がある。
(B)/(A)は、0.5〜0.7であることが好ましく、0.55〜0.7であることがより好ましく、0.55〜0.65であることが更に好ましい。
本発明の第二のパターン形成方法において、第一の透光部パターンの一辺の長さは、10〜500μmであることが好ましい。透光部の長さが上記範囲内であると、欠けの発生が問題となりやすく、また、本発明の効果が高く発揮される。
第一の透光部パターンの一辺の長さは、10〜400μmであることがより好ましく、20〜300μmであることが更に好ましく、30〜300μmであることが特に好ましい。
図2(b)は、本発明の第二のパターン形成方法における、他の透光部パターンの例である。図2(b)において、所望の硬化物パターンは図2(d)に示す透光部のパターンである。本発明において、第一の透光部パターンは、図2(b)に示すように、角に突出部314を有することも好ましい。露光光の回り込みにより、露光不足となり、欠けの発生しやすい角部に、透光部を多く形成することにより、角部の欠けがより効果的に抑制される。
なお、突出部314は、(A)の幅の80%以下で設けることが好ましく、50%以下で設けることがより好ましく、40%以下で設けることが更に好ましい。また、突出部314を設ける場合には、(A)の幅の10%以上であることが好ましく、15%以上であることがより好ましい。すなわち、突出部が設けられている箇所では、第一の透光部パターンの外辺と第二の透光部パターンの内辺との距離が、他の部分の20%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが更に好ましい。また、90%以下であることが好ましく、85%以下であることがより好ましい。
なお、図2(b)に示すように、角部の一部に、式(I)を満たさない箇所があってもよく、本発明において、式(I)を満たす箇所が第一の透光部パターンの外周全体の長さの50%以上あればよい。60%以上が式(I)を満たしていることが好ましく、70%以上が満たしていることがより好ましく、80%以上が満たしていることが更に好ましく、90%以上が満たしていることが特に好ましい。
本発明の第二のパターン形成方法において、第一の透光部パターンの形状は、特に限定されないが、多角形状であることが好ましい。これらの中でも、図2(a)に示すような四角形状であることがより好ましく、長方形又は正方形であることが更に好ましく、長方形であることが特に好ましい。なお、長方形には、上述のように角部に突出部を有する態様も含まれるものとする。
また、本発明において、第一の透光部パターンを図2(c)に示すように多角形状とする場合について説明する。この場合、得られるパターンの形状は、ダンベル状の多角形状である。第一の透光部パターンが多角形状の場合、第一の透光部パターンの外辺と第二の透光部パターンの内辺との距離(A)は、周囲を通じて同じでもよく、また、図2(c)に示すように、異なっていてもよい。図2(c)では、(A)に比べて、(A’)が小さくなっている。
また、同様に、第二の透光部パターンの内辺と外辺との幅(B)は、同じでもよく、また、図2(c)に示すように、異なっていてもよい。図2(c)では、(B)に比べて(B’)が大きくなっている。
なお、上記の(A)と(B)、及び、(A’)と(B’)は、共に、上記式(I)を満たし、また、(B)及び(B’)は共に1〜10μmであることが好ましい。ただし、上述したとおり、上記式(I)を満たさない箇所や、(B)が1〜10μmを満たさない箇所があることを排除するものではない。
本発明において、第二の透光部パターンは、第一の透光部パターンを一周囲んでいる。すなわち、遮光部が第一の透光部の外周を取り囲んでいる。第二の透光部パターンと第一の透光部パターンに接続部があり、完全に一周囲まれていないと、当該箇所で欠けやパターン形状の乱れが生じる。
本発明において使用されるマスクの製造方法は特に限定されず、所望の遮光部パターン又は透光部パターンが形成できる公知の製造方法から適宜選択すればよい。具体的には、石英ガラスやソーダガラス等のガラス基板上に、クロム膜(遮光膜)が形成されたフォトマスクが例示される。クロム膜は、光の反射を防ぐ目的で、クロム金属層の上に、酸化クロム層を設けた二層構造とすることが好ましい。ガラス基板上にクロム層を形成し、更にレジスト層を設けた後、レジスト層を露光、現像して、該レジスト層を用いてクロム層をエッチング除去することにより、所望の遮光部パターン又は透光部パターンが形成される。
(4)水性現像液で現像する現像工程
本発明のパターン形成方法は、(4)水性現像液で現像する現像工程を有する。
(4)の現像工程では、本発明の第一のパターン形成方法では、露光部が除去され、ポジ画像が形成されることが好ましい。また、本発明の第二のパターン形成方法では、未露光部が除去され、ネガ画像が形成されることが好ましい。
現像工程で使用する現像液は、アルカリ性の現像液であることが好ましく、塩基性化合物を含有することが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類:コリン等の(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩類;エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環式アミン類を使用することができる。
これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、コリン(2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド)が好ましい。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの0.4質量%水溶液、0.5質量%水溶液、0.7質量%水溶液、又は、2.38質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等のいずれでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜300秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
<その他の工程>
本発明において、現像工程の後に、(5)現像された樹脂組成物を熱処理する熱処理工程(ポストベーク工程)を有することが好ましい。
(5)の熱処理工程(ポストベーク工程)では、得られた画像を加熱することにより、ポジ型感光性樹脂組成物を使用した場合には、酸分解性基を熱分解し酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を生成させ、架橋性基、架橋剤等と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。また、ネガ型感光性樹脂組成物を使用した場合にも、架橋反応が一層進行し、より架橋度の高い硬化膜が形成される。この加熱は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180℃〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜90分間、オーブンならば30〜120分間、加熱処理をすることが好ましい架橋反応を進行させることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより透明性を向上させることもできる。プラスチック基板を用いたときは、80℃〜140℃で5分〜120分間、加熱処理をすることが好ましい。
熱処理工程(ポストベーク工程)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより未露光部分に存在する光酸発生剤から酸を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることができ、膜の硬化反応を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
工程(1)〜工程(4)を経て、上記感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、マイクロレンズ、光導波路、反射防止膜、LED用封止材及びLED用チップコート材等の光学部材、又は、タッチパネルに使用される配線電極の視認性低減用硬化物として好適に用いることができる。
また、工程(1)〜工程(4)を経て、上記感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、例えば、後述するような、液晶表示装置、有機EL表示装置又はタッチパネル表示装置等における平坦化膜や層間絶縁膜、カラーフィルターの保護膜、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー等に好適に用いることができる。また、感光性樹脂組成物が金属酸化物粒子を含有し、高屈折の硬化膜が得られる場合、マイクロレンズ、光導波路、反射防止膜、LED用封止材及びLED用チップコート材等の光学部材用樹脂組成物、又は、タッチパネルに使用される配線電極の視認性低減用樹脂組成物であることが好ましい。なお、タッチパネルに使用される配線電極の視認性低減用樹脂組成物とは、タッチパネルに使用される配線電極の視認性を低減する、すなわち、配線電極を見え難くする部材用組成物であり、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)電極間の層間絶縁膜などが挙げられ、本発明の感光性樹脂組成物は、当該用途に好適に使用することができる。
また、工程(1)〜工程(4)を経て、上記感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。熱処理工程により熱硬化して得られた硬化膜をドライエッチングレジストとして使用する場合、エッチング処理としてはアッシング、プラズマエッチング、オゾンエッチングなどのドライエッチング処理を行うことができる。
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、上記工程以外に、各種配線や各種層を形成する工程等の、種々の公知の工程を有していてもよい。これら工程は、所望のタッチパネル又はディスプレイパネルに応じて、適宜行うことができる。
(感光性樹脂組成物)
本発明の第一のパターン形成方法は、感光性樹脂組成物として、ポジ型感光性樹脂組成物を使用することが好ましく、本発明の第二のパターン形成方法は、感光性樹脂組成物としてネガ型感光性樹脂組成物を使用することが好ましい。以下、本発明で使用されるポジ型感光性樹脂組成物、及び、ネガ型感光性樹脂組成物について説明する。
(1)ポジ型感光性樹脂組成物
本発明において、ポジ型感光性樹脂組成物としては、従来公知のポジ型感光性樹脂組成物から適宜選択して使用することができ、特に限定されない。本発明において、第一のポジ型感光性樹脂組成物は、少なくとも(成分A)重合体成分、(成分B)光酸発生剤、及び、(成分C)溶剤を含有し、上記成分Aが、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体を含有することが好ましい。また、本発明において、ポジ型感光性樹脂組成物を、高屈折率材料に使用する場合には、(成分D)金属酸化物粒子を含有することが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、熱で硬化する性質を有する樹脂組成物であることが好ましい。
また、本発明において、ポジ型感光性樹脂組成物は、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることが好ましい。
本発明において、ポジ型感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する光酸発生剤として1,2−キノンジアジド化合物を含まない方が好ましい。1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下である。
これに対して、本発明で使用する(成分B)光酸発生剤は、活性光線に感応して生成される酸が、成分A中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
また、本発明において、第二のポジ型感光性樹脂組成物は、(成分L)アルカリ可溶性樹脂、(成分M)キノンジアジド化合物、及び(成分N)溶剤を含有することが好ましい。
以下、本発明において第一のポジ型感光性樹脂組成物及び第二のポジ型感光性樹脂組成物が好ましく含有する各種成分について説明する。
(1−1)第一のポジ型感光性樹脂組成物
(成分A)重合体成分
本発明において、ポジ型感光性樹脂組成物は、(成分A)重合体成分を含有することが好ましい。また、(成分A)重合体成分は、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体を含有することが好ましい。
なお、本発明において、「酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位」を「(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位」ともいう。
本発明において、感光性樹脂組成物は、下記(1)及び(2)の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分を含有することが好ましい。
(1)(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体
(2)(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体、及び、(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体
本発明において、感光性樹脂組成物は、硬化後における透明性(ヘイズ)及び未露光部の残膜率の観点からは、上記(1)を満たす成分を含むことが好ましい。
一方、分子設計の自由度の観点からは、感光性樹脂組成物は、上記(2)を満たす成分を含むことが好ましい。
なお、上記(1)を満たす成分を含有する場合であっても、更に、(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体及び/又は(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体を含有していてもよい。
また、上記(2)を満たす成分を含有する場合であっても、(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体に該当するものを少なくとも含有する場合は、上記(1)を満たす成分を含有する場合に該当するものとする。
成分Aは、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
なお、「(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位」を「アクリル系構成単位」ともいう。また、「(メタ)アクリル酸」は、「メタクリル酸及び/又はアクリル酸」を意味するものとする。
<構成単位(a1)>
成分Aは、(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を少なくとも有する重合体を含有することが好ましい。成分Aが構成単位(a1)を有する重合体を含有することにより、極めて高感度な感光性樹脂組成物とすることができる。
本発明における「酸基が酸分解性基で保護された基」は、酸基及び酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシル基、及び、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。また、酸分解性基としては、酸により比較的分解しやすい基(例えば、後述する式(a1−10)等で表される基、テトラヒドロピラニル基、又は、テトラヒドロフラニル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解しにくい基(例えば、tert−ブチル基等の第三級アルキル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位は、カルボキシル基が酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(「酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位」ともいう。)、又は、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(「酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位」ともいう。)であることが好ましい。
以下、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)と、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)について、順にそれぞれ説明する。
<<(a1−1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位>>
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)は、カルボキシル基を有する構成単位のカルボキシル基が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記カルボキシル基を有する構成単位としては、特に制限はなく公知の構成単位を用いることができる。例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)や、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)が挙げられる。
以下、上記カルボキシル基を有する構成単位として用いられる(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位と、(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位について、それぞれ順に説明する。
<<<(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位>>>
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)として本発明で用いられる不飽和カルボン酸としては以下に挙げるようなものが用いられる。すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基を有する構成単位を得るために用いられる不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。
また、不飽和カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。更に、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、又は、不飽和多価カルボン酸の無水物等を用いることが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸を用いることがより好ましい。
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
<<<(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位>>>
エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)は、エチレン性不飽和基を有する構成単位中に存在する水酸基と酸無水物とを反応させて得られたモノマーに由来する単位であることが好ましい。
上記酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、又は、無水コハク酸が好ましい。
上記酸無水物の水酸基に対する反応率は、現像性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
−構成単位(a1−1)に用いることができる酸分解性基−
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記酸分解性基としては上述の酸分解性基を用いることができる。
これらの酸分解性基の中でもカルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。更に酸分解性基の中でもカルボキシル基が下記式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシル基が下記式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基である場合、保護カルボキシル基の全体としては、−(C=O)−O−CR101102(OR103)の構造となっている。
Figure 2015207284
(式(a1−10)中、R101及びR102はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、ただし、R101とR102とが共に水素原子の場合を除く。R103は、アルキル基又はアリール基を表す。R101又はR102と、R103とが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
上記式(a1−10)中、R101〜R103はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。ここで、R101及びR102の双方が水素原子を表すことはなく、R101及びR102の少なくとも一方はアルキル基を表す。
上記式(a1−10)において、R101、R102及びR103がアルキル基を表す場合、上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
上記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが更に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
上記環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることが更に好ましい。上記環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R101、R102、R103はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R101、R102、R103はアラルキル基となる。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でも、フッ素原子又は塩素原子が好ましい。
また、上記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましい。具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
上記アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が更に好ましい。
また、上記アルキル基がシクロアルキル基である場合、上記シクロアルキル基は置換基として炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有していてもよく、アルキル基が直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である場合には、置換基として炭素数3〜12のシクロアルキル基を有していてもよい。
これらの置換基は、上記置換基で更に置換されていてもよい。
上記式(a1−10)において、R101、R102及びR103がアリール基を表す場合、上記アリール基は炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。上記アリール基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
また、R101、R102及びR103は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。R101とR102、R101とR103又はR102とR103が結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基及びテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、上記式(a1−10)において、R101及びR102のいずれか一方が、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記式(a1−10)で表される保護カルボキシル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、特開2011−221494号公報の段落0037〜0040に記載の合成方法などで合成することができる。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)の第一の好ましい態様は、下記式で表される構成単位である。
Figure 2015207284
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR1及びR2のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R3は、アルキル基又はアリール基を表し、R1又はR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4は、水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又はアリーレン基を表す。)
1及びR2がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R1及びR2がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
3は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。
Xは、単結合又はアリーレン基を表し、単結合が好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)の第二の好ましい態様は、下記式の構成単位である。
Figure 2015207284
(式中、R121は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基又はフェニレン基を表し、R122〜R128はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
121は水素原子又はメチル基が好ましい。
1はカルボニル基が好ましい。
122〜R128は、水素原子が好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2015207284
<<(a1−2)酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位>>
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)は、フェノール性水酸基を有する構成単位が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位である。
<<<(a1−2−1)フェノール性水酸基を有する構成単位>>>
上記フェノール性水酸基を有する構成単位としては、ヒドロキシスチレン系構成単位やノボラック系の樹脂における構成単位が挙げられるが、これらの中では、ヒドロキシスチレン又はα−メチルヒドロキシスチレンに由来する構成単位が、感度の観点から好ましい。また、フェノール性水酸基を有する構成単位として、下記式(a1−20)で表される構成単位も、感度の観点から好ましい。
Figure 2015207284
(式(a1−20)中、R220は水素原子又はメチル基を表し、R221は単結合又は2価の連結基を表し、R222はハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。なお、R222が2以上存在する場合、これらのR222は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。)
上記式(a1−20)中、R220は水素原子又はメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
また、R221は単結合又は2価の連結基を表す。単結合である場合には、感度を向上させることができ、更に硬化膜の透明性を向上させることができるので好ましい。R221の2価の連結基としてはアルキレン基が例示でき、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が更に好ましい。R221がアルキレン基である場合の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。中でも、R221が単結合、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、又は、2−ヒドロキシ−1,3−プロピレン基であることが好ましい。また、上記2価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。また、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1又は2であることが好ましく、aが1であることがより好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、R221と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
222はそれぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
また、bは0又は1〜4の整数を表す。
−構成単位(a1−2)に用いることができる酸分解性基−
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)に用いることができる上記酸分解性基としては、上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記酸分解性基と同様に、公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基の中でもアセタールで保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、感光性樹脂組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。更に、酸分解性基の中でもフェノール性水酸基が上記式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、フェノール性水酸基が上記式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基である場合、保護フェノール性水酸基の全体としては、−Ar−O−CR101102(OR103)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例は、R101=水素原子、R102=R103=メチル基の組み合わせやR101=水素原子、R102=メチル基でR103=ベンジル基の組み合わせ、R101=水素原子、R102=メチル基でR103=エチル基の組み合わせが例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、特開2011−215590号公報の段落0042に記載のものなどが挙げられる。
これらの中で、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体が透明性の観点から好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができ、これらは1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記具体例中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2015207284
−構成単位(a1)の好ましい態様−
上記構成単位(a1)を有する重合体が、実質的に、構成単位(a2)を有しない場合、構成単位(a1)は、該構成単位(a1)を有する重合体中、20〜100モル%が好ましく、30〜90モル%がより好ましい。
上記構成単位(a1)を有する重合体が、下記構成単位(a2)を有する場合、単構成単位(a1)は、該構成単位(a1)と構成単位(a2)とを有する重合体中、感度の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。また、特に上記構成単位(a1)が、カルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である場合、20〜50モル%が好ましい。
なお、本発明において、「構成単位」の含有量をモル比で規定する場合、当該「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本発明において当該「モノマー単位」は、高分子反応等により重合後に修飾されていてもよい。以下においても同様である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)は、上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)に比べると、現像が速いという特徴がある。よって、速く現像したい場合には酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)が好ましい。逆に現像を遅くしたい場合には酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(d1−2)を用いることが好ましい。
<(a2)架橋性基を有する構成単位>
成分Aは、架橋性基を有する構成単位(a2)を更に有することが好ましい。また、成分Aが架橋性基を有する構成単位(a2)を有していない場合、本発明の感光性樹脂組成物は、(成分A’)架橋性基を有する構成単位(a2)を有する重合体を含有することが好ましい。
上記架橋性基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。好ましい架橋性基を有する構成単位の態様としては、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基及びエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む構成単位が挙げられ、エポキシ基、オキセタニル基、及び、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。その中でも、本発明の感光性樹脂組成物は、上記成分Aが、エポキシ基及びオキセタニル基のうち少なくとも1つを含む構成単位を含むことがより好ましい。より詳細には、以下のものが挙げられる。
<<(a2−1)エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位>>
成分Aは、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(構成単位(a2−1))を有する重合体を含有することが好ましい。3員環の環状エーテル基はエポキシ基とも呼ばれ、4員環の環状エーテル基はオキセタニル基とも呼ばれる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)は、1つの構成単位中にエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のエポキシ基及び1つ以上オキセタニル基、2つ以上のエポキシ基、又は、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1又は2つ有することがより好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基を1つ有することが更に好ましい。
エポキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(d2−1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらの中でも好ましいものは、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルである。これらの構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2015207284
<<(a2−2)エチレン性不飽和基を有する構成単位>>
上記架橋性基を有する構成単位(a2)の1つとして、エチレン性不飽和基を有する構成単位(a2−2)が挙げられる(以下、「構成単位(a2−2)」ともいう。)。上記エチレン性不飽和基を有する構成単位(a2−2)としては、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位が好ましく、末端にエチレン性不飽和基を有し、炭素数3〜16の側鎖を有する構成単位がより好ましい。
その他、(a2−2)エチレン性不飽和基を有する構成単位については、特開2011−215580号公報の段落0072〜0090の記載及び特開2008−256974の段落番号0013〜0031の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<<(a2−3)−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基を有する構成単位>>
本発明で用いる共重合体が、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基を有する構成単位(a2−3)を有することも好ましい。構成単位(a2−3)を有することで、緩やかな加熱処理で硬化反応を起こすことができ、諸特性に優れた硬化膜を得ることができる。ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜9のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基のいずれであってもよいが、直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。構成単位(a2)は、下記式(a2−30)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 2015207284
(式(a2−30)中、R31は水素原子又はメチル基を表し、R32は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
32は、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基のいずれであってもよいが、好ましくは、直鎖又は分岐のアルキル基である。
32の具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、シクロヘキシル基、及び、n−ヘキシル基を挙げることができる。中でも、i−ブチル基、n−ブチル基、メチル基が好ましい。
−構成単位(a2)の好ましい態様−
上記構成単位(a2)を有する重合体が、実質的に、構成単位(a1)を有しない場合、構成単位(a2)は、該構成単位(a2)を有する重合体中、5〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
上記構成単位(a2)を有する重合体が、上記構成単位(a1)を有する場合、構成単位(a2)の含有量は、上記構成単位(a1)と構成単位(a2)を有する重合体中、薬品耐性の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
本発明では、更に、いずれの態様にかかわらず、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体の全構成単位中、構成単位(a2)を3〜70モル%含有することが好ましく、10〜60モル%含有することがより好ましい。
上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の透明性及び薬品耐性が良好となる。
<(a3)その他の構成単位>
本発明において、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体は、上記構成単位(a1)及び/又は(a2)に加えて、これら以外の他の構成単位(a3)を有していてもよい。これらの構成単位は、上記重合体成分(1)及び/又は(2)が含んでいてもよい。また、上記重合体成分(1)又は(2)とは別に、実質的に構成単位(a1)及び構成単位(a2)を含まずに他の構成単位(a3)を有する重合体成分を有していてもよい。上記重合体成分(1)又は(2)とは別に、実質的に構成単位(a1)及び構成単位(a2)を有さずに他の構成単位(a3)を有する重合体成分を含む場合、該重合体成分の配合量は、全重合体成分中、60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
その他の構成単位(a3)となるモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、その他の不飽和化合物を挙げることができる。また、後述する通り、酸基を有する構成単位を有していてもよい。その他の構成単位(a3)となるモノマーは、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
その他の構成単位(a3)としては、具体的には、スチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、その他の構成単位(a3)としては、スチレン類、又は、脂肪族環式骨格を有するモノマー由来の構成単位が、電気特性の観点で好ましい。具体的にはスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更にまた、その他の構成単位(a3)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位が、密着性の観点で好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。重合体を構成する構成単位中、上記の構成単位(a3)の含有率は、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下が更に好ましい。下限値としては、0モル%でもよいが、例えば、1モル%以上とすることが好ましく、5モル%以上とすることがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の諸特性が良好となる。
成分Aに含まれる重合体は、その他の構成単位(a3)として、酸基を有する構成単位を有することが好ましい。重合体が酸基を有することにより、アルカリ性の現像液に溶けやすくなり、本発明の効果がより効果的に発揮される。本発明における酸基とは、pKaが10.5より小さいプロトン解離性基を意味する。酸基は、通常、酸基を形成しうるモノマーを用いて、酸基を有する構成単位として、重合体に組み込まれる。このような酸基を有する構成単位を重合体中に含めることにより、アルカリ性の現像液に対して溶けやすくなる傾向にある。
本発明で用いられる酸基としては、カルボン酸基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基等が例示され、カルボン酸基及び/又はフェノール性水酸基が好ましい。
本発明で用いられる酸基を有する構成単位は、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位であることがより好ましい。例えば、特開2012−88459号公報の段落0021〜0023及び段落0029〜0044に記載の化合物を用いることができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。中でも、p−ヒドロキシスチレン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸に由来する構成単位が好ましい。
本発明では、上記重合体成分(1)又は(2)とは別に、実質的に構成単位(a1)及び構成単位(a2)を含まずに他の構成単位(a3)を有する重合体を含んでいてもよい。
酸基を有する構成単位の導入方法としては、(a1−1)構成単位及び/又は(a1−2)構成単位と同じ重合体に導入することもできるし、(a1−1)構成単位及び(a1−2)構成単位とは異なる重合体の構成単位として導入することもできる。
このような重合体としては、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂が好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等が挙げられ、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
その他にも、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報、特開2009−52020号公報等に記載の公知の高分子化合物を使用することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
これらの重合体は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
これらの重合体として、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、JONCRYL 690、JONCRYL 678、JONCRYL 67、JONCRYL 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
本発明では、特に、カルボキシル基を有する構成単位、又は、フェノール性水酸基を有する構成単位を含有することが、感度の観点で好ましい。例えば、特開2012−88459号公報の段落0021〜0023及び段落0029〜0044に記載の化合物を用いることができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
酸基を有する構成単位は、全重合体成分に対し、1〜80モル%が好ましく、1〜50モル%がより好ましく、5〜40モル%が更に好ましく、5〜30モル%が特に好ましく、5〜25モル%が最も好ましい。
以下に、本発明における重合体成分の好ましい実施形態を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−第1の実施形態−
重合体成分(1)が、更に、1種又は2種以上のその他の構成単位(a3)を有する態様。
−第2の実施形態−
重合体成分(2)の(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体が、更に、1種又は2種以上のその他の構成単位(a3)を有する態様。
−第3の実施形態−
重合体成分(2)の(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体が、更に、1種又は2種以上のその他の構成単位(a3)を有する態様。
−第4の実施形態−
上記第1〜第3の実施形態のいずれかにおいて、その他の構成単位(a3)として、少なくとも酸基を含む構成単位をいずれかの重合体に有する態様。
−第5の実施形態−
上記重合体成分(1)又は(2)とは別に、更に、実質的に構成単位(a1)及び構成単位(a2)を有さずに他の構成単位(a3)を有する重合体を有する態様。
−第6の実施形態−
上記第1〜第5の実施形態の2以上の組み合わせからなる態様。
−成分Aにおける重合体の分子量−
成分Aにおける重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜50,000の範囲である。上記の数値の範囲内であると、諸特性が良好である。数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比(分散度、Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.5〜3.5がより好ましい。
重合体成分の重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重合体成分の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8120(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSK gel Multipore HXL−M(東ソー(株)製、7.8mmID×30.0cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いることによって求めることができる。
−成分Aにおける重合体の製造方法−
また、成分Aにおける重合体の合成法についても、様々な方法が知られているが、一例を挙げると、少なくとも上記構成単位(a1)及び上記構成単位(a3)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物中における成分Aの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、10〜99.9質量%であることが好ましく、25〜98質量%であることがより好ましく、35〜95質量%であることが更に好ましい。含有量がこの範囲であると、現像した際のパターン形成性が良好となり、また、より高屈折率の硬化物が得られる。なお、感光性樹脂組成物の固形分量とは、溶剤などの揮発性成分を除いた量を表す。
また、本発明の感光性樹脂組成物中における成分Aを含む重合体成分の総含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、20〜99.9質量%であることが好ましく、50〜98質量%であることがより好ましく、70〜95質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、現像した際のパターン形成性が良好となり、また、より高屈折率の硬化物が得られる。なお、本発明の感光性樹脂組成物が成分Dを含有する場合には、成分Dを除く感光性樹脂組成物の全固形分に対して、上記範囲内であることが好ましい。
(成分B)光酸発生剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分B)光酸発生剤を含有することが好ましい。本発明で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が最も好ましい。
光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、絶縁性及び感度の観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類、及び、ジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0083〜0088に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式(B1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示できる。
Figure 2015207284
(式(B1)中、R21は、アルキル基又はアリール基を表し、波線部分は他の基との結合箇所を表す。)
式(B1)中、いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されてもよい。
オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、特開2011−221494号公報の段落0092〜0171に記載の化合物が好ましく例示されるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物において、(成分B)光酸発生剤は、感光性樹脂組成物中の成分A100質量部に対して、0.1〜10質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。
また、成分Bは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
(成分C)溶剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分C)溶剤を含有する。本発明の感光性樹脂組成物は、成分A、成分B等の種々の成分を(成分C)溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤の具体例としては特開2011−221494号公報の段落0174〜0178に記載の溶剤、特開2012−194290公報の段落0167〜0168に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、これらの溶剤に更に必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
これら溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種を併用することが好ましい。
また、成分Cとしては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、又は、これらの混合物であることが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分C)溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全成分100質量部当たり、50〜95質量部であることが好ましく、60〜90質量部であることが更に好ましい。
(成分D)粒子
本発明の感光性樹脂組成物は、機械的性質や、屈折率や光透過性等の光学的性質を調節することを目的として、(成分D)粒子を含有することが好ましい。
特に、屈折率や光透過性を調節することを目的として、成分Dとして金属酸化物粒子を含有することが好ましい。金属酸化物粒子は、透明性が高く、光透過性を有するため、高屈折率で、透明性に優れた感光性樹脂組成物が得られる。
なお、金属酸化物粒子を含有する、高屈折率材料が得られる感光性樹脂組成物は、マイクロレンズ、光導波路、反射防止膜、LED用封止材及びLED用チップコート材等の光学部材用樹脂組成物、又は、タッチパネルに使用される配線電極の視認性低減用樹脂組成物に好適である。なお、タッチパネルに使用される配線電極の視認性低減用樹脂組成物とは、タッチパネルに使用される配線電極の視認性を低減する、すなわち、配線電極を見え難くする部材用組成物であり、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)電極間の層間絶縁膜などが挙げられ、本発明の感光性樹脂組成物は、当該用途に好適に使用することができる。
タッチパネル分野で、ブリッジ型のITO配線における絶縁層(フォトインシュレーター、PI)見えや酸化インジウムスズ(ITO)に起因する配線見えが問題であった。
これらは、ITOと絶縁層との屈折率の差、又は、ITOとその周囲のガラス基板やオーバーコート層などとの屈折率の差により、光の反射率に差が生じ、透明なITO及び/又は絶縁層が視認できてしまう現象である。例えば、ITOの屈折率は約1.9程度と大きく、ガラス基板の屈折率は1.5程度と比べると屈折率の差が生じ、視認できてしまうと推定される。
金属酸化物粒子は、当該粒子を除いた材料からなる感光性樹脂組成物の屈折率より屈折率が高いものであることが好ましく、具体的には、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上の粒子がより好ましく、屈折率が1.70以上の粒子が更に好ましく、1.90以上の粒子が特に好ましい。
ここで、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上であるとは、上記範囲の波長を有する光における平均屈折率が1.50以上であることを意味し、上記範囲の波長を有する全ての光における屈折率が1.50以上であることを要しない。また、平均屈折率は、上記範囲の波長を有する各光に対する屈折率の測定値の総和を、測定点の数で割った値である。
金属酸化物粒子の屈折率としては、特に制限はないが、高屈折率を得る観点から、1.70〜2.80であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましい。
また、金属酸化物粒子の比表面積は、10〜400m2/gであることが好ましく、20〜200m2/gであることが更に好ましく、30〜150m2/gであることが最も好ましい。
金属酸化物粒子の形状には、特に制限はない。例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状又は不定形状であることができる。
なお、本発明における金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
光透過性で屈折率の高い金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む酸化物粒子が好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウムが特に好ましく、酸化チタンが最も好ましい。酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。これら金属酸化物粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料で処理することもできる。
感光性樹脂組成物の透明性の観点から、金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、1〜200nmが好ましく、1〜100nmであることがより好ましく、1〜80nmであることが特に好ましい。上記範囲であると、粒子の分散性に優れ、また、高屈折率であり、かつ透明性により優れる硬化物が得られる。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、分散した金属酸化物粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。具体的には金属酸化物粒子の投影面積を求め、それに対応する円相当径を金属酸化物粒子の平均一次粒子径とする。なお、本発明における平均一次粒子径は、300個の金属酸化物粒子について求めた円相当径の算術平均値とする。粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、本発明においては、平均一次粒子径の指標として数平均粒子径を用いることもできる。本発明における金属酸化物粒子の数平均粒子径は、金属酸化物粒子を含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られた値のことを言う。この測定は、日機装(株)製マイクロトラックUPA−EX150を用いて行って得られた数平均粒子径であることが好ましい。
金属酸化物粒子は、有機化合物により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。中でも、ステアリン酸が好ましい。
表面処理は、1種単独の表面処理剤でも、2種類以上の表面処理剤を組み合わせて実施してもよい。
また、金属酸化物粒子の表面が、アルミニウム、ケイ素、ジルコニアなどの酸化物により覆われていることもまた好ましい。これにより、より耐候性が向上する。
本発明における金属酸化物粒子としては、市販されているものを好ましく用いることができる。具体的には、例えば、酸化チタン粒子として石原産業(株)製TTOシリーズ(TTO−51(A)、TTO−51(C)など)、TTO−S、Vシリーズ(TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−V−3など)、テイカ(株)製MTシリーズ(MT−01、MT−05など)、酸化スズ−酸化チタン複合粒子としてオプトレイクTR−502、オプトレイクTR−504、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子としてオプトレイクTR−503、オプトレイクTR−513、オプトレイクTR−520、オプトレイクTR−521、オプトレイクTR−527、酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所製)、酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子(日揮触媒化成工業(株)製)、酸化ニオブ粒子としてバイラールNb−X10(多木化学(株)製)などが挙げられる。
また、金属酸化物粒子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物における金属酸化物粒子の含有量は、感光性樹脂組成物により得られる光学部材に要求される屈折率や、光透過性等を考慮して、適宜決定すればよいが、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。また、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。
本発明において、粒子は、適当な分散剤及び溶媒中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。分散剤については、後述する。
上記分散液の調製に使用される溶媒としては、例えば、後述する(成分E)溶剤のほか、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、ネオペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(成分E)分散剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分E)分散剤を含有することが好ましい。特に、感光性樹脂組成物が(成分D)粒子を含有する場合には、分散剤を含有することが好ましく、分散剤を含有することにより、成分Dの感光性樹脂組成物中での分散性をより向上させることができる。
分散剤としては、公知の分散剤を用いることができ、例えば、公知の顔料分散剤を適宜選択して用いることができる。
また、分散剤としては、高分子分散剤を好ましく用いることができる。なお、高分子分散剤とは、分子量(重量平均分子量)が1,000以上の分散剤である。
分散剤としては、多くの種類の化合物を使用可能であり、具体的には、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000、41000などの各種ソルスパース分散剤(Lubrizol社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(ADEKA(株)製)及びイオネットS−20(三洋化成工業(株)製)、DISPERBYK 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端又は側鎖に極性基を有するオリゴマー又はポリマーが挙げられる。
分散剤は、1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における分散剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜70質量%の範囲が好ましく、10〜50質量%の範囲がより好ましい。
(成分F)架橋剤
本発明の感光性樹脂組成物は、必要に応じ、(成分F)架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤を添加することにより、本発明の感光性樹脂組成物により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。
架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限はない(ただし、成分Aを除く。)。例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基若しくはオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、又は、ブロックイソシアネート化合物等を添加することができる。
本発明の感光性樹脂組成物中における架橋剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.1〜30質量部であることがより好ましく、0.5〜20質量部であることが更に好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度及び耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。架橋剤は複数を併用することもでき、その場合は架橋剤を全て合算して含有量を計算する。
<分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物>
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、JER152、JER157S70、JER157S65、JER806、JER828、JER1007((株)三菱ケミカルホールディングス製)など、特開2011−221494号公報の段落0189に記載の市販品などが挙げられ、その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−142、EX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402、オンコートEXシリーズ、EX−1020、EX−1040(以上、ナガセケムテックス(株)製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上、新日鐵化学(株)製)、オグソールPG−100、CG−500、EG−200(大阪ガスケミカル(株)製)などが挙げられる。
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂及びフルオレン型エポキシ樹脂がより好ましく挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂が特に好ましく挙げられる。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
また、その他の架橋剤としては特開2012−8223号公報の段落0107〜0108に記載のアルコキシメチル基含有架橋剤、及び、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物なども好ましく用いることができる。アルコキシメチル基含有架橋剤としては、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましい。
<ブロックイソシアネート化合物>
本発明の感光性樹脂組成物では、架橋剤として、ブロックイソシアネート化合物も好ましく採用できる。ブロックイソシアネート化合物は、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。
なお、本発明におけるブロックイソシアネート基とは、熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であり、例えば、ブロック剤とイソシアネート基とを反応させイソシアネート基を保護した基が好ましく例示できる。また、上記ブロックイソシアネート基は、90℃〜250℃の熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であることが好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物及びこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
上記オキシム化合物としては、アルドキシム、及び、ケトオキシムが挙げられ、具体的には、アセトキシム、ホルムアルドキシム、シクロヘキサンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等が例示できる。
上記ラクタム化合物としては、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
上記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
上記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が例示できる。
上記アミン化合物としては、1級アミン及び2級アミンが挙げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が例示できる。
上記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等が例示できる。
上記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、ジメチルピラゾール等が例示できる。
上記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、アリールメルカプタン等が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて、(成分G)増感剤、(成分H)アルコキシシラン化合物、(成分I)塩基性化合物、(成分J)界面活性剤、(成分K)酸化防止剤を好ましく加えることができる。更に本発明の感光性樹脂組成物には、上記紫外線吸収剤、金属不活性化剤や、酸増殖剤、現像促進剤、可塑剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、増粘剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。また、これらの化合物としては、例えば特開2012−88459号公報の段落0201〜0224の記載も参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(成分G)増感剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分B)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリリウム類(例えば、スクアリリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中における増感剤の添加量は、感光性樹脂組成物の光酸発生剤100質量部に対し、0〜1,000質量部であることが好ましく、10〜500質量部であることがより好ましく、50〜200質量部であることが更に好ましい。
また、増感剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
(成分H)アルコキシシラン化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分H)アルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物を用いると、本発明の感光性樹脂組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できたり、本発明の感光性樹脂組成物により形成された膜の性質を調整することができる。本発明の感光性樹脂組成物に用いることができる(成分H)アルコキシシラン化合物は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、下記の式で表される化合物も好ましく採用できる。
(R14-n−Si−(OR2n
上記式中、R1は反応性基を有さない炭素数1〜20の炭化水素基であり、R2は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基であり、nは1〜3の整数である。
具体例として以下の化合物を挙げることができる。
Figure 2015207284
Figure 2015207284
上記において、Phはフェニル基である。
本発明の感光性樹脂組成物における(成分H)アルコキシシラン化合物は、特にこれらに限定することなく、公知のものを使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物におけるアルコキシシラン化合物の含有量は、感光性組成物中の全固形分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
(成分I)塩基性化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分I)塩基性化合物を含有してもよい。(成分I)塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0204〜0207に記載の化合物が挙げられる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、0.001〜3質量部であることが好ましく、0.005〜1質量部であることがより好ましい。
(成分J)界面活性剤
本発明の感光性樹脂組成物は、(成分J)界面活性剤を含有してもよい。
(成分J)界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤は、ノニオン界面活性剤である。本発明の組成物に用いられる界面活性剤としては、例えば、特開2012−88459号公報の段落0201〜0205に記載のものや、特開2011−215580号公報の段落0185〜0188に記載のものを用いることができ、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP−341、X−22−822(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.99C(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラードノベックFC−4430(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−242(AGCセイミケミカル社製)、PolyFoxPF−6320(OMNOVA社製)、SH−8400(東レ・ダウコーニング(株)製)、フタージェントFTX−218G(ネオス社製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記式(J−1)で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 2015207284
(式(J−1)中、R401及びR403はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。)
上記Lは、下記式(J−2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(J−2)におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
Figure 2015207284
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における界面活性剤の添加量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.001〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜3質量部であることが更に好ましい。
(成分K)酸化防止剤
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体等を挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落0026〜0031に記載の化合物を挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましい市販品として、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、イルガノックス1726、イルガノックス1035、イルガノックス1098を挙げる事ができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、かつ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
〔酸増殖剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いることができる。
本発明に用いることができる酸増殖剤は、酸触媒反応によって更に酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。
このような酸増殖剤の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0226〜0228に記載の酸増殖剤が挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
酸増殖剤の感光性組成物への含有量は、光酸発生剤100質量部に対して、10〜1,000質量部とするのが、露光部と未露光部との溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500質量部とするのが更に好ましい。
〔現像促進剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、現像促進剤を含有することができる。
現像促進剤としては、現像促進効果のある任意の化合物を使用できるが、カルボキシル基、フェノール性水酸基、及び、アルキレンオキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構造を有する化合物であることが好ましく、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物がより好ましく、フェノール性水酸基を有する化合物が最も好ましい。
現像促進剤としては、特開2012−042837号公報の段落0171〜0172の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、感光性組成物の全固形分100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
また、現像促進剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、150〜1,500がより好ましく、150〜1,000が更に好ましい。
〔可塑剤〕
本発明の樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジメチルグリセリンフタレート、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。
本発明の樹脂組成物における可塑剤の含有量は、成分Aの含有量100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
また、その他の添加剤としては特開2012−8223号公報の段落0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、国際公開第2011/136074号に記載の窒素含有化合物及び熱酸発生剤も用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(1−2)第二のポジ型感光性樹脂組成物
本発明において、第二のポジ型感光性樹脂組成物は、(成分L)アルカリ可溶性樹脂、(成分M)キノンジアジド化合物、及び、(成分N)溶剤を含有することが好ましい。また、第二のポジ型感光性樹脂組成物を高屈折率材料として使用する場合には、上述した(成分D)粒子として、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。
(成分L)アルカリ可溶性樹脂
本発明で用いる(成分L)アルカリ可溶性樹脂は、(a2−1)酸基を有する構成単位と、(a2−2)架橋性基を有する構成単位を含む重合体であることが好ましい。(a2−1)酸基を有する構成単位は、カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有する構成単位であることが好ましい。また、(a2−2)架橋性基を有する構成単位は、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基)で表される基、エチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む構成単位を含有することが好ましい。
更に、アルカリ可溶性樹脂には、上記構成単位(a2−1)及び上記構成単位(a2−2)と共に、上記構成単位(a2−1)及び上記構成単位(a2−2)以外の構成単位(a2−3)を有していてもよい。
アルカリ可溶性樹脂は、本発明の第二のポジ型感光性樹脂組成物の溶剤を除く成分の主成分となるものであり、全固形分の60質量%以上を占めることが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂に含まれる(a2−1)酸基を有する構成単位としては、上述した第1のポジ型感光性樹脂組成物の(成分A)重合体成分で述べた(a1−3)その他の構成単位中の酸基を有する構成単位と同じものを採用でき、好ましい範囲も配合量を除き同様である。
アルカリ可溶性樹脂に含まれる(a2−2)架橋性基を有する構成単位としては、上述した第1の態様の(成分A)重合体成分で述べた(a1−2)架橋性基を有する構成単位と同じものを採用でき、好ましい範囲も配合量を除き同様である。
アルカリ可溶性樹脂に含まれる構成単位(a2−3)としては、例えば上述した第1のポジ型感光性樹脂組成物における(成分A)重合体成分で述べた(a1−3)その他の構成単位の中で上記(a2−1)酸基を有する構成単位以外のものを採用でき、好ましい範囲も配合量を除き同様である。
アルカリ可溶性樹脂の全構成単位中、構成単位(a2−1)が3〜70モル%含有されていることが好ましく、10〜60モル%含有されていることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の全構成単位中、構成単位(a2−2)が3〜70モル%含有されていることが好ましく、10〜60モル%含有されていることがより好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の全構成単位中、構成単位(a2−3)が1〜80モル%含有されていることが好ましく、1〜50モル%含有されていることがより好ましく、5〜40モル%含有されていることが更に好ましく、5〜30モル%含有されていることが特に好ましく、5〜20モル%含有されていることが特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の合成は、例えば特開2012−88459号公報の段落0067〜0073に記載されている方法が挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
(成分M)キノンジアジド化合物
本発明の第二のポジ型感光性樹脂組成物に用いられる(成分M)キノンジアジド化合物としては、放射線の照射によりカルボン酸を発生する1,2−キノンジアジド化合物を用いることができる。1,2−キノンジアジド化合物としては、フェノール性化合物又はアルコール性化合物(以下、「母核」と称する。)と1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物を用いることができる。これらの化合物の具体例としては、例えば特開2012−088459号公報の段落0075〜0078の記載を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
フェノール性化合物又はアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物又はアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30〜85モル%、より好ましくは50〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
また、1,2−キノンジアジド化合物としては、上記例示した母核のエステル結合をアミド結合に変更した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド類、例えば2,3,4−トリアミノベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド等も好適に使用される。
これらの(成分M)キノンジアジド化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。当該感光性樹脂組成物における(成分M)キノンジアジド化合物の使用割合としては、成分L100質量部に対して、5〜100質量部が好ましく、10質量%を超え40質量%以下であることがより好ましく、12質量%を超え40質量%以下であることが更に好ましい。キノンジアジド化合物の使用割合を上記範囲とすることで、現像液となるアルカリ水溶液に対する放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差が大きく、パターニング性能が良好となり、また得られる硬化膜の耐溶剤性が良好となる。
(成分N)溶剤
本発明の第二のポジ型感光性樹脂組成物は、(成分N)溶剤を含有する。本発明の第二のポジ型感光性樹脂組成物に使用される(成分N)溶剤としては、上述した第一のポジ型感光性樹脂組成物の(成分C)溶剤を用いることができ、好ましい範囲も同様である。
本発明の第二のポジ型感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全成分100質量部当たり、50〜95質量部であることが好ましく、60〜90質量部であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明の第二のポジ型感光性樹脂組成物は、上記成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、粒子、分散剤、アルコキシシラン化合物、塩基性化合物、界面活性剤、接着助剤、耐熱性向上剤、感熱性酸発生剤等の任意成分を含有できる。これらの任意成分は、単独で使用してもよいし2種以上を混合して使用してもよい。粒子、分散剤、アルコキシシラン化合物、界面活性剤、接着助剤、耐熱性向上剤、感熱性酸発生剤等の成分は、例えば上述した第一のポジ型感光性樹脂組成物の態様と同様であり、好ましい範囲も同様である。
(2)ネガ型感光性樹脂組成物
以下、本発明におけるネガ型感光性樹脂組成物について詳細に説明する。本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物は、(成分O)重合性単量体、(成分P)光重合開始剤、(成分Q)アルカリ可溶性樹脂、(成分R)溶剤を含有する。また、本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物を高屈折率材料に使用する場合には、(成分D)粒子を含有することが好ましく、特に金属酸化物粒子を含有することが好ましい。
(成分O)重合性単量体
本発明に用いられる重合性単量体はこの種の組成物に適用されるものを適宜選定して用いることができるが、中でもエチレン性不飽和化合物を用いることが好ましい。
エチレン性不飽和化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する重合性化合物である。
なお、本明細書では、アクリロイル基とメタクリロイル基とを総称して、(メタ)アクリロイル基と記載し、また、アクリレートとメタクリレートとを総称して、(メタ)アクリレートと記載することがある。
エチレン性不飽和化合物の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
例えば、特開2006−23696号公報の段落0011に記載の成分や、特開2006−64921号公報の段落0031〜0047に記載の成分を挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン付加重合性化合物も好適であり、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
その他の例としては、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報の各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらのエチレン性不飽和化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な感材の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
重合性単量体は多官能であることが好ましく、より好ましくは3官能以上、更に好ましくは4官能以上である。上限は特にないが、10官能以下が実際的である。更に、異なる官能数及び/又は異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン化合物、ビニルエーテル化合物)を有する化合物を併用することで、力学特性を調節することも有効である。
また、現像性の調整の観点から、カルボキシ基を含有する重合性化合物も好ましい。この場合、樹脂の(a−3)成分との架橋により、力学特性を向上させることができ、好ましい。
更に、基板との密着性、ラジカル重合開始剤との相溶性等の観点から、エチレンオキサイド(EO)変性体、ウレタン結合を含有することも好ましい。
以上の観点より、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートEO変性体、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートEO変性体などが、並びに、市販品としては、KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)、NKエステル A−TMMT、NKエステル A−TMPT、NKエステル A−TMM−3、NKオリゴUA−32P、NKオリゴUA−7200、A―BPEF(以上、新中村化学工業(株)製)、アロニックス M−305、アロニックス M−306、アロニックス M−309、アロニックス M−450、アロニックス M−402、TO−1382(以上、東亞合成(株)製)、V#802(大阪有機化学工業(株)製)、オグソールEA−0200、オグソールEA−F5003、オグソールEA−F5503、オグソールEA−F5510(以上、大阪ガスケミカル(株)製)が好ましい。
本発明に適用される重合性単量体を化学式で示すと下記式(O−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2015207284
式(O−1)中、Lは2価以上の連結基を表す。連結基としては特に限定されないが、アルキレン基、カルボニル基、イミノ基、エーテル基(−O−)、チオエーテル基(−S−)、又はこれらの組合せが挙げられる。連結基の炭素数は特に限定されないが、2〜24であることが好ましく、2〜12であることがより好ましい。中でも、上記炭素数の分岐アルキレン基であることが好ましい。
式(O−1)中、Aは重合性官能基を表す。重合性官能基としては、ビニル基又はビニル基含有基であることが好ましい。ビニル基含有基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニルフェニル基などが挙げられる。
式(O−1)中、Raは置換基を表す。置換基としては特に限定されないが、アルキル基(好ましくは炭素数1〜21)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜12)、アリール基(好ましくは炭素数6〜24)などが挙げられる。これらの置換基は更に置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6)、カルボキシル基、アシル基(好ましくは炭素数1〜6)などが挙げられる。
式(O−1)中、naは1〜10の整数を表し、好ましくは3〜8の整数である。nbは0〜9の整数を表し、好ましくは2〜7の整数である。na+nbは2〜10であり、好ましくは2〜8である。na、nbが2以上であるとき、そこで規定される複数の構造部位は互いに異なっていてもよい。
重合性単量体の含有量は、ネガ型感光性樹脂組成物の全固形分中、5〜60質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜45質量%であることが更に好ましい。
後述する(成分Q)アルカリ可溶性樹脂との関係においては、(成分O)重合性単量体の(成分Q)アルカリ可溶性樹脂に対する質量比率[(成分O)/(成分Q)比]が0.2〜2.0であることが好ましく、0.3〜2.0であることがより好ましく、0.6〜1.5であることが更に好ましい。成分Oの含有量や成分O/成分Q比が上記範囲内であると、良好な現像性、力学強度を有するスペーサーや保護膜、絶縁膜が得られる。
(成分P)光重合開始剤
本発明に用いることができる光重合開始剤としては、露光光により感光し、上記重合性単量体(エチレン性不飽和化合物)の重合を開始、促進する化合物であることが好ましい。
本発明でいう「活性光線」とは、その照射により成分Pより開始種を発生させることができるエネルギーを付与することができる活性エネルギー線であれば、特に制限はなく、広くα線、γ線、X線、紫外線(UV)、可視光線、電子線などを包含するものである。
光重合開始剤として、好ましくは波長300nm以上、より好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、上記(成分O)重合性単量体の重合を開始、促進する化合物である。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光重合開始剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。
光重合開始剤としては、例えば、オキシムエステル化合物、有機ハロゲン化化合物、オキシジアゾール化合物、カルボニル化合物、ケタール化合物、ベンゾイン化合物、アクリジン化合物、有機過酸化化合物、アゾ化合物、クマリン化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン酸化合物、α−アミノケトン化合物、オニウム塩化合物、アシルホスフィン(オキシド)化合物が挙げられる。これらの中でも、感度の点から、オキシムエステル化合物、α−アミノケトン化合物、又は、ヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましく、オキシムエステル化合物、又は、α−アミノケトン化合物がより好ましい。
これらの化合物の具体例としては、例えば特開2011−186398号公報の段落0061〜0073の記載を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
光重合開始剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、露光波長に吸収を持たない開始剤を用いる場合には、増感剤を使用する必要がある。
本発明の感光性樹脂組成物における光重合開始剤の総量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、0.5〜30質量部であることが好ましく、2〜20質量部であることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物には、光重合開始剤の他に、増感剤を加えることもできる。本発明において用いることができる典型的な増感剤としては、例えば、特開2011−186398号公報の段落0075に記載されている化合物が挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
増感剤は、光重合開始剤に対し、50〜200質量%の割合で添加することが好ましい。
(成分Q)アルカリ可溶性樹脂
本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物で用いる(成分Q)アルカリ可溶性樹脂は、(q−1)酸基を有する構成単位と、(q−2)架橋性基を有する構成単位を含む重合体であることが好ましい。(q−1)酸基を有する構成単位は、カルボキシル基及び/又はフェノール性水酸基を有する構成単位であることが好ましい。また、(q−2)架橋性基を有する構成単位は、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基)で表される基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む構成単位を含有することが好ましい。
更に、(成分Q)アルカリ可溶性樹脂には、上記構成単位(q−1)及び上記構成単位(q−2)と共に、上記構成単位(q−1)及び上記構成単位(q−2)以外の構成単位(q−3)を有していてもよい。
(成分Q)アルカリ可溶性樹脂に含まれる(q−1)酸基を有する構成単位としては、上述した第1の態様の(成分A)重合体成分で述べた(a−3)その他の構成単位中の酸基を有する構成単位と同じものを採用でき、好ましい範囲も配合量を除き同様である。
(成分Q)アルカリ可溶性樹脂に含まれる(q−2)架橋性基を有する構成単位としては、上述した第1の態様の(成分A)重合体成分で述べた(a−2)架橋性基を有する構成単位と同じものを採用でき、好ましい範囲も配合量を除き同様である。
(成分Q)アルカリ可溶性樹脂に含まれる構成単位(q−3)としては、例えば上述した第1の態様の(成分A)重合体成分で述べた(a−3)その他の構成単位の中で上記(q−1)酸基を有する構成単位以外のものや、第1の態様の(成分A)重合体成分で述べた構成単位(a1−1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を採用でき、好ましい範囲も配合量を除き同様である。
成分Qの全構成単位中、構成単位(q−1)が1〜80モル%含有されていることが好ましく、10〜50モル%含有されていることがより好ましい。
成分Qの全構成単位中、構成単位(q−2)が3〜70モル%含有されていることが好ましく、10〜60モル%含有されていることがより好ましい。
成分Qの全構成単位中、構成単位(q−3)が1〜80モル%含有されていることが好ましく、1〜50モル%含有されていることがより好ましく、5〜40モル%含有されていることが更に好ましく、5〜30モル%含有されていることが特に好ましく、5〜20モル%含有されていることが特に好ましい。
(成分Q)アルカリ可溶性樹脂の合成は、上述した第1の態様の(成分A)重合体の製造方法と同様に行うことができる。
(成分R)溶剤
本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物は、(成分R)溶剤を含有する。本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物は、各成分を(成分R)溶剤に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物に使用される(成分R)溶剤としては、公知の溶剤、例えば、上述した第1の態様の(成分C)溶剤を用いることができ、好ましい範囲も第1の態様と同様である。
本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物における(成分R)溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の全成分100質量部当たり、50〜95質量部であることが好ましく、60〜90質量部であることが更に好ましい。
<その他の成分>
本発明において、ネガ型感光性樹脂組成物には、上記の成分に加えて、必要に応じて、粒子、分散剤、増感剤、架橋剤、アルコキシシラン化合物、塩基性化合物、界面活性剤等を好ましく加えることができる。これらのその他の成分は、例えば、第一のポジ型感光性樹脂組成物における粒子、分散剤、架橋剤、アルコキシシラン化合物、塩基性化合物及び界面活性剤、酸化防止剤等を好ましく用いることができ、好ましい範囲も同様である。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、例えば孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
(硬化物及び硬化膜)
本発明の硬化物は、本発明のパターン形成方法により得られた硬化物である。上記硬化物としては、硬化膜であることが好ましい。
本発明の硬化膜は、本発明のパターン形成方法により得られた硬化膜であり、保護膜や層間絶縁膜として好適に用いることができる。
本発明のパターン形成方法により得られた硬化物は、鉛筆硬度が2H以上であることが好ましい。本発明の硬化物は、タッチパネル、ディスプレイパネル、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置、及び、タッチパネル表示装置の用途に有用である。
(タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置)
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルは、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルである。
また、本発明の表示装置は、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルを備えたものである。
ディスプレイとしては、特に制限はないが、液晶ディスプレイ、及び、有機ELディスプレイが好ましく例示できる。
また、表示装置としては、液晶表示装置、有機EL表示装置、及び、タッチパネル表示装置が好ましく例示できる。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化膜を具備することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報に記載の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報に記載の有機絶縁膜(212)として用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向法などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明の感光性樹脂組成物及び本発明の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
図3は、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置10の一例を示す概念的断面図である。このカラー液晶表示装置10は、背面にバックライトユニット12を有する液晶パネルであって、液晶パネルは、偏光フィルムが貼り付けられた2枚のガラス基板14,15の間に配置されたすべての画素に対応するTFT16の素子が配置されている。ガラス基板上に形成された各素子には、硬化膜17中に形成されたコンタクトホール18を通して、画素電極を形成するITO透明電極19が配線されている。ITO透明電極19の上には、液晶20の層とブラックマトリックスを配置したRGBカラーフィルター22が設けられている。
バックライトの光源としては、特に限定されず公知の光源を用いることができる。例えば白色LED、青色・赤色・緑色などの多色LED、蛍光灯(冷陰極管)、有機ELなどを挙げることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2層間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の層間絶縁膜(520)として用いることができる。
(有機EL表示装置)
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化膜を具備することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
図4は、有機EL表示装置の一例の構成概念図である。ボトムエミッション型の有機EL表示装置における基板の模式的断面図を示し、平坦化膜4を有している。
ガラス基板6上にボトムゲート型のTFT1を形成し、このTFT1を覆う状態でSi34から成る絶縁膜3が形成されている。絶縁膜3に、ここでは図示を省略したコンタクトホールを形成した後、このコンタクトホールを介してTFT1に接続される配線2(高さ1.0μm)が絶縁膜3上に形成されている。配線2は、TFT1間、又は、後の工程で形成される有機EL素子とTFT1とを接続するためのものである。
更に、配線2の形成による凹凸を平坦化するために、配線2による凹凸を埋め込む状態で絶縁膜3上に平坦化膜4が形成されている。
平坦化膜4上には、ボトムエミッション型の有機EL素子が形成されている。すなわち、平坦化膜4上に、ITOからなる第一電極5が、コンタクトホール7を介して配線2に接続させて形成されている。また、第一電極5は、有機EL素子の陽極に相当する。
第一電極5の周縁を覆う形状の絶縁膜8が形成されており、この絶縁膜8を設けることによって、第一電極5とこの後の工程で形成する第二電極との間のショートを防止することができる。
更に、図4には図示していないが、所望のパターンマスクを介して、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を順次蒸着して設け、次いで、基板上方の全面にAlから成る第二電極を形成し、封止用ガラス板と紫外線硬化型エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることで封止し、各有機EL素子にこれを駆動するためのTFT1が接続されてなるアクティブマトリックス型の有機EL表示装置が得られる。
本発明の感光性樹脂組成物は、硬化性及び硬化膜特性に優れるため、MEMS用デバイスの構造部材として、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成されたレジストパターンを隔壁としたり、機械駆動部品の一部として組み込んで使用される。このようなMEMS用デバイスとしては、例えば、SAW(surface acoustic wave)フィルター、BAW(bulk acoustic wave)フィルター、ジャイロセンサー、ディスプレイ用マイクロシャッター、イメージセンサー、電子ペーパー、インクジェットヘッド、バイオチップ、封止剤等の部品が挙げられる。より具体的な例は、特表2007−522531号公報、特開2008−250200号公報、特開2009−263544号公報等に例示されている。
本発明の感光性樹脂組成物は、平坦性や透明性に優れるため、例えば、特開2011−107476号公報の図2に記載のバンク層(16)及び平坦化膜(57)、特開2010−9793号公報の図4(a)に記載の隔壁(12)及び平坦化膜(102)、特開2010−27591号公報の図10に記載のバンク層(221)及び第3層間絶縁膜(216b)、特開2009−128577号公報の図4(a)に記載の第2層間絶縁膜(125)及び第3層間絶縁膜(126)、特開2010−182638号公報の図3に記載の平坦化膜(12)及び画素分離絶縁膜(14)などの形成に用いることもできる。
(タッチパネル表示装置)
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明の硬化膜を有する静電容量型入力装置を具備する。また、本発明の静電容量型入力装置は、本発明の硬化膜を有することを特徴とする。
本発明の静電容量型入力装置は、前面板と、上記前面板の非接触側に、少なくとも下記(1)〜(5)の要素を有し、上記(4)が本発明の硬化物であることが好ましい。
(1)マスク層
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(3)上記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、上記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(4)上記第一の透明電極パターンと上記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
(5)上記第一の透明電極パターン及び上記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、上記第一の透明電極パターン及び上記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
本発明の静電容量型入力装置は、更に上記(1)〜(5)の要素の全て又は一部を覆うように透明保護層を設置することが好ましく、上記透明保護層が本発明の硬化膜であることがより好ましい。
まず、静電容量型入力装置の構成について説明する。図5は、静電容量型入力装置の構成を示す断面図である。図5において静電容量型入力装置30は、前面板31と、マスク層32と、第一の透明電極パターン33と、第二の透明電極パターン34と、絶縁層35と、導電性要素36と、透明保護層37と、から構成されている。
前面板31は、ガラス基板等の透光性基板で構成されており、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、図5において、前面板31の各要素が設けられている側を非接触面と称する。本発明の静電容量型入力装置30においては、前面板31の接触面(非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。以下、前面板を、「基材」と称する場合がある。
また、前面板31の非接触面上にはマスク層32が設けられている。マスク層32は、タッチパネル前面板の非接触側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにするために形成される。
本発明の静電容量型入力装置には、図6に示すように、前面板31の一部の領域(図6においては入力面以外の領域)を覆うようにマスク層32が設けられている。更に、前面板31には、図6に示すように一部に開口部38を設けることができる。開口部38には、押圧によるメカニカルなスイッチを設置することができる。
図7に示すように、前面板31の接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン33と、第一の透明電極パターン33と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン34と、第一の透明電極パターン33と第二の透明電極パターン34を電気的に絶縁する絶縁層35とが形成されている。上記第一の透明電極パターン33と、第二の透明電極パターン34と、後述する導電性要素36とは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。また、上記第一の透明電極パターン33と、第二の透明電極パターン34と、後述する導電性要素36とは、上記導電性繊維を用いた硬化性樹脂組成物を有する感光性転写材料を用いて製造することもできる。その他、ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落0014〜0016等を参考にすることができる。
また、第一の透明電極パターン33及び第二の透明電極パターン34の少なくとも一方は、前面板31の非接触面及びマスク層32の前面板31とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図5においては、第二の透明電極パターンが、前面板31の非接触面及びマスク層32の前面板31とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置されている図が示されている。
図7を用いて第一の透明電極パターン33及び第二の透明電極パターン34について説明する。図7は、本発明における第一の透明電極パターン及び第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。図7に示すように、第一の透明電極パターン33は、パッド部分33aが接続部分33bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の透明電極パターン34は、第一の透明電極パターン33と絶縁層35によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図7における第二の方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の透明電極パターン33を形成する場合、上記パッド部分33aと接続部分33bとを一体として作製してもよいし、接続部分33bのみを作製して、パッド部分33aと第二の透明電極パターン34とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分33aと第二の透明電極パターン34とを一体として作製(パターニング)する場合、図7に示すように接続部分33bの一部とパッド部分33aの一部とが連結され、かつ、絶縁層35によって第一の透明電極パターン33と第二の透明電極パターン34とが電気的に絶縁されるように各層が形成される。
図5において、マスク層32の前面板31とは逆側の面側には導電性要素36が設置されている。導電性要素36は、第一の透明電極パターン33及び第二の透明電極パターン34の少なくとも一方に電気的に接続され、かつ、第一の透明電極パターン33及び第二の透明電極パターン34とは別の要素である。図5においては、導電性要素36が第二の透明電極パターン34に接続されている図が示されている。
また、図5においては、各構成要素の全てを覆うように透明保護層37が設置されている。透明保護層37は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。絶縁層35と透明保護層37とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
<静電容量型入力装置、及び、静電容量型入力装置を具備したタッチパネル表示装置>
本発明の製造方法によって得られる静電容量型入力装置、及び、当該静電容量型入力装置を構成要素として備えたタッチパネル表示装置は、「最新タッチパネル技術」(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
以下の実施例及び合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
MATHF:メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(合成品)
MAEVE:メタクリル酸1−エトキシエチル(和光純薬工業(株)製)
MACHOE:1−(シクロヘキシルオキシ)エチルメタクリレート(合成品)
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
OXE−30:メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル(大阪有機化学工業(株)製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業(株)製)
St:スチレン(和光純薬工業(株)製)
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業(株)製)
V−601:ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製)
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
MEDG:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(東邦化学工業(株)製、ハイソルブEDM)
PGMEA:メトキシプロピルアセテート(昭和電工(株)製)
<MATHFの合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
なお、MACHOEは、2−ジヒドロフランを対応する化合物に変更した以外、上記MATHFと同様の方法で合成した。
〔重合体A1の合成〕
3つ口フラスコにMEDG(89g)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。その溶液にMAA(全単量体成分中の9.5mol%となる量)、MATHF(全単量体成分中の43mol%となる量)、GMA(全単量体成分中の47.5mol%に相当)、V−65(全単量体成分の合計100mol%に対して4mol%に相当)を溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後2時間撹拌し、反応を終了させた。それにより重合体A1を得た。なお、MEDGとその他の成分の合計量の比を70:30とした。すなわち、固形分濃度30%の重合体溶液を調製した。
〔重合体A2〜A4の合成〕
使用するモノマーの種類、重合開始剤等を下記表に示す通りに変更し、他の重合体を合成した。
Figure 2015207284
上記表中の特に単位を付していない数値は、mol%を単位とする。また、重合開始剤の数値は、単量体成分を100mol%とした場合の、mol%である。
固形分濃度は、以下の式により算出できる。
固形分濃度:モノマー質量/(モノマー質量+溶剤質量)×100(単位:質量%)
また、開始剤として、V−601を用いた場合は反応温度を90℃とし、V−65を用いた場合は反応温度を70℃とした。
<分散液D1の調製>
下記組成の分散液を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17,000部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行った。ジルコニアビ−ズ(0.3mmφ)をろ別し、分散液D1を得た。
・二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:TTO−51(A)、平均一次粒径:10〜30nm) 1,875部
・分散剤(DISPERBYK−111、分散剤、ビックケミー・ジャパン(株)製)
2,200部
・溶剤 PGMEA 3,425部
<分散液D2及びD3の調製>
TTO−51(A)を、表2に記載のUEP−100(第一稀元素化学工業(株)製、ZrO2粒子、D50=0.4〜0.7μm)に変更した以外は、分散液D1の調製と同様にして、分散液D2を得た。
また、分散液D3としては市販のオプトレイク6320Z(日揮触媒化成(株)製、複合金属酸化物粒子分散液)を使用した。
Figure 2015207284
(実施例1)
<感光性樹脂組成物の調製>
下記組成にて、配合し混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、実施例1の感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物を用い、後述する各種評価を行った。評価結果を後述の表4に示す。
・PGMEA(溶剤) 407.5部
・塩基性化合物I2 0.05部
・重合体A1 100.0部
・成分B−1 5.0部
・シラン化合物H1 10.0部
・界面活性剤J1 0.1部
・架橋剤F1 28.0部
・分散液D3 300部
(実施例2〜18、21〜29、及び、比較例1〜4)
各種成分を下記表4のように変更した以外は、実施例1と同様にして各感光性樹脂組成物を調製した。
(実施例19)
下記組成にて、配合し混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、実施例1の感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物を用い、後述する各種評価を行った。評価結果を後述の表4に示す。
・PGMEA(溶剤) 407.5部
・重合体単量体(KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
90.0部
・重合体A4 100.0部
・成分P−1 20.0部
・シラン化合物H1 10.0部
・界面活性剤J1 0.1部
・架橋剤F2 28.0部
・分散液D1 300部
(比較例5)
各種成分を下記表4のように変更した以外は、実施例19と同様にして各感光性樹脂組成物を調製した。
(実施例20)
下記組成にて、配合し混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、実施例20の感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物を用い、後述する各種評価を行った。評価結果を後述の表4に示す。
・PGMEA(溶剤) 407.5部
・重合体A4 100.0部
・成分M−1 55.6部
・シラン化合物H1 10.0部
・界面活性剤J1 0.1部
・架橋剤F1 28.0部
・分散液D1 300部
上記の感光性樹脂組成物に使用した各種成分は、以下の通りである。
(成分B)
・成分B−1:PAG−103(商品名、下記に示す構造、BASF社製)
・成分B−2:GSID−26−1(商品名、下記に示す構造、BASF社製)
Figure 2015207284
(成分F)架橋剤
・架橋剤F1:JER157S65(エポキシ樹脂、三菱化学(株)製、エポキシ当量:200〜220g/eq)
・架橋剤F2:オグソールPG−100(エポキシ樹脂、大阪ガスケミカル(株)製、エポキシ当量:259g/eq)
(成分G)増感剤
・G1:DBA(9,10−ジブトキシアントラセン、川崎化成工業(株)製)
(成分H)アルコキシシラン化合物
・H1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業(株)製)
・H2:ビス(トリエトキシシリル)プロピルテトラスルフィド(KBE−846、信越化学工業(株)製)
(成分I)塩基性化合物
・I1:N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素(シグマアルドリッチ社製)
・I2:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン(東京化成工業(株)製)
(成分J)界面活性剤
・J1:パーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤(F−554、DIC社製)
(成分M)キノンジアジド化合物
・M−1:4,4’−[1−[4−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(3.0モル)との縮合物
(成分P)光重合開始剤
・P−1:IRGACURE OXE 01(1−[4−(フェニルチオ)−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、BASF社製)
(マスク)
使用したマスクの遮光部パターン又は透光部パターンは、図8に示す通りであり、長さは以下の表に示す通りである。
Figure 2015207284
(評価)
評価は以下のようにして行った。
<パターン欠け(欠け)の評価>
100mm×100mmのガラス基板(商品名:XG、コーニング社製)上に、得られた感光性樹脂組成物を膜厚2.0μmとなるようにスピンコーターにて塗布し、90℃のホットプレート上で120秒乾燥(プリベーク)した。
次に、ghi線高圧水銀灯露光機UX−1000SM(ウシオ電機(株)製)を用いて、照度20mW/cm2、下記表4に記載の露光量、GAP(ギャップ、感光性樹脂組成物の塗布面とマスクとの距離)、マスクを使用し、マスクを介して露光した。
次に、0.4%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液により23℃で15秒間液盛り法にて現像し、更に超純水で10秒間リンスした。
基板の中心から5cm×5cm内のパターンを光学顕微鏡にて観察し、欠け個数を評価して割合に換算した。評価基準は以下の通りである。評価が3以上であれば、実用上問題がない。
5:欠けなし
4:欠け率0%超過1%未満
3:欠け率1%以上20%未満
2:欠け率20%以上60%未満
1:欠け率60%以上
<アンダーカット(浮き)の評価>
上記、パターン欠けで使用した基板を用いて、走査型電子顕微鏡(SEM)でのパターン観察を行った。
基板の中心から5cm×5cm内のパターン100個をSEMにて観察し、アンダーカットの個数を評価して割合に換算した。評価基準は以下の通りである。評価が3以上であれば、実用上問題がない。なお、アンダーカットについて、図9を参照して説明する。図9(a)〜図9(d)は、図9(A)に示すパターンの断面形状である。図9(a)に示す断面形状が正常な形状である。これに対して、図9(b)に示すように、逆テーパー状である断面形状、図9(c)に示すように端部に欠けが生じている断面形状、図9(d)に示すように基板に接する面に浮きが生じた断面形状は、いずれもアンダーカットが発生しているとする。アンダーカットの発生の有無は、正常なパターン幅aに対して、底面の基板に接触しているパターン幅Lが、a>Lとなった場合に、アンダーカットが発生していると判断した。
5:アンダーカットなし
4:アンダーカット率0%超過20%未満
3:アンダーカット率20%以上50%未満
2:アンダーカット率50%以上80%未満
1:アンダーカット率80%以上
<ITO断線の評価>
100mm×100mmのガラス基板(商品名:XG、コーニング社製)上に、得られた感光性樹脂組成物を膜厚2.0μmとなるようにインクジェット塗布機ダイマティックス・マテリアル・プリンターDMP−2831(FUJIFILM Dimatix社製、駆動電圧16V、周波数5kHz)にて塗布し、90℃のホットプレート上で120秒乾燥(プリベーク)した。次に、ghi線高圧水銀灯露光機UX−1000SM(ウシオ電機(株)製)を用いて、照度20mW/cm2、下記表4に記載の露光量、GAP、マスクを使用し、マスクを介して露光した。
次に、0.4%のTMAH水溶液により23℃で15秒間液盛り法にて現像し、更に超純水で10秒間リンスした後に、220℃45分加熱してパターンを得た。得られたパターン基板を、スパッタ装置に入れて、パターンを有する側の表面に、100℃で、1,300Åの厚さのITOを全面真空蒸着した後、240℃で90分間アニールしてITOを結晶化し、ITO透明電極を形成した。
得られたITO付き基板の中心から5cm×5cm内のパターン100個のITO断線の有無をテスターで確認し、断線発生の個数を評価して割合に換算した。評価基準は以下の通りである。評価が3以上であれば、実用上問題がない。
5:断線なし
4:断線率0%超過1%未満
3:断線率1%以上20%未満
2:断線率20%以上60%未満
1:断線率60%以上
Figure 2015207284
(実施例30)
以下に述べる方法により本発明のパターン形成方法を用いてタッチパネル表示装置を作製した。
<第一の透明電極パターンの形成>
[透明電極層の形成]
あらかじめマスク層が形成された強化処理ガラス(300mm×400mm×0.7mm)の前面板を、真空チャンバー内に導入し、SnO含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DC(直流)マグネトロンスパッタリング(条件:基材の温度250℃、アルゴン圧0.13Pa、酸素圧0.01Pa)により、厚さ40nmのITO薄膜を形成し、透明電極層を形成した前面板を得た。ITO薄膜の表面抵抗は80Ω/□であった。
次いで、市販のエッチングレジストをITO上に塗布・乾燥し、エッチングレジスト層を形成した。露光マスク(透明電極パターンを有す石英露光マスク)面と該エッチングレジスト層との間の距離を100μmに設定し、露光量50mJ/cm2(i線)でパターン露光したのち、専用の現像液で現像を行い、更に130℃30分間のポストベーク処理を行って、透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成した前面板を得た。
透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成した前面板を、ITOエッチャント(塩酸、塩化カリウム水溶液。液温30℃)を入れたエッチング槽に浸漬し、100秒処理し、エッチングレジスト層で覆われていない露出した領域の透明電極層を溶解除去し、エッチングレジスト層パターンのついた透明電極層パターン付の前面板を得た。
次に、エッチングレジスト層パターンのついた透明電極層パターン付の前面板を、専用のレジスト剥離液に浸漬し、エッチング用光硬化性樹脂層を除去し、マスク層と第一の透明電極パターンとを形成した前面板を得た。
[絶縁層の形成]
マスク層と第一の透明電極パターンとを形成した前面板の上に、実施例1の感光性樹脂組成物を塗布及び乾燥(膜厚1μm、90℃120秒)し、感光性樹脂組成物層を得た。露光マスク(絶縁層用パターンを有す石英露光マスク・実施例1のMASK1タイプのパターン)面と該感光性樹脂組成物層との間の距離を100μmに設定し、露光量200mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
次に、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃で15秒間浸液盛り法にて現像し、更に超純水で10秒間リンスした。続いて220℃45分のポストベーク処理を行って、マスク層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターンを形成した前面板を得た。
<第二の透明電極パターンの形成>
[透明電極層の形成]
上記第一の透明電極パターンの形成と同様にして、絶縁層パターンまで形成した前面板をDCマグネトロンスパッタリング処理し(条件:基材の温度50℃、アルゴン圧0.13Pa、酸素圧0.01Pa)、厚さ80nmのITO薄膜を形成し、透明電極層を形成した前面板を得た。ITO薄膜の表面抵抗は110Ω/□であった。
第一の透明電極パターンの形成と同様にして、市販のエッチングレジストを用いて、第一の透明電極パターン、実施例1の感光性樹脂組成物を用いて形成した絶縁層パターン、透明電極層、エッチングレジストパターンを形成した前面板を得た(ポストベーク処理;130℃30分間)。
更に、第一の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチングし、エッチングレジスト層を除去することにより、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例1の感光性樹脂組成物を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターンを形成した前面板を得た。
<第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素の形成>
上記第一、及び、第二の透明電極パターンの形成と同様にして、第一の透明電極パターン、実施例1の感光性樹脂組成物を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターンを形成した前面板をDCマグネトロンスパッタリング処理し、厚さ200nmのアルミニウム(Al)薄膜を形成した前面板を得た。
上記第一、及び、第二の透明電極パターンの形成と同様にして、市販のエッチングレジストを用いて、第一の透明電極パターン、実施例1の感光性樹脂組成物を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、エッチングレジストパターンを形成した前面板を得た(ポストベーク処理;130℃30分間)。
更に、第一の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチング(30℃50秒間)し、エッチングレジスト層を除去(45℃200秒間)することにより、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例1の感光性樹脂組成物を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素を形成した前面板を得た。
<透明保護層の形成>
絶縁層の形成と同様にして、上記第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素まで形成した前面板に、実施例19の感光性樹脂組成物を塗布及び乾燥(膜厚1μm、90℃120秒)し、感光性樹脂組成物膜を得た。更に、露光マスク(保護層用パターンを有す石英露光マスク)面と該感光性樹脂組成物層との間の距離を100μmに設定し、露光量200mJ/cm2(i線)で全面露光し、現像、ポストベーク処理を行って、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例1の感光性樹脂組成物を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素の全てを覆うように実施例19の感光性樹脂組成物を用いて形成した絶縁層(透明保護層)を積層した前面板を得た。
<画像表示装置(タッチパネル)の作製>
特開2009−47936号公報に記載の方法で製造した液晶表示素子に、先に製造した前面板を貼り合わせ、公知の方法で静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置を作製した。
<前面板、及び、画像表示装置の評価>
第一の透明電極パターン、第二の透明電極パターン、及び、これらとは別の導電性要素の、各々の導電性には問題がなく、一方で、第一の透明電極パターンと第二の透明電極パターンの間では絶縁性を有してあり、タッチパネルとして良好な表示特性が得られた。更に、第一及び第二の透明電極パターンは視認されにくく、表示特性に優れた画像表示装置が得られた。
1:TFT(薄膜トランジスター)、2:配線、3:絶縁膜、4:平坦化膜、5:第一電極、6:ガラス基板、7:コンタクトホール、8:絶縁膜、10:液晶表示装置、12:バックライトユニット、14,15:ガラス基板、16:TFT、17:硬化膜、18:コンタクトホール、19:ITO透明電極、20:液晶、22:カラーフィルター、30:静電容量型入力装置、31:前面板、32:マスク層、33:第一の透明電極パターン、33a:パッド部分、33b:接続部分、34:第二の透明電極パターン、35:絶縁層、36:導電性要素、37:透明保護層、38:開口部、110:基板、112:額縁部、114:マスク、116:パターン部分、118:他の部分、120:多階調マスク、122:透過率が高い部分(B領域を露光する部位)、124:透過率が低い部分(A領域を露光する部位)、126:マスク、128:ODフィルム、129:マスク、130:ハーフトーン位相差マスク、131:位相シフタ部(位相変更膜)、132:透明基材、133,134,135:露光強度曲線、L3:露光光、S:透光部(開口部)、210:第一の遮光部パターン、212:第二の遮光部パターン、214:突出部、310:第一の透光部パターン、312:第二の透光部パターン、314:突出部、a:正常なパターン幅、L:底面の基板に接触しているパターン幅

Claims (11)

  1. (1)感光性樹脂組成物を基板に塗布する塗布工程、
    (2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、
    (3)マスクを用いて活性放射線で露光する露光工程、及び、
    (4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、
    前記露光工程で用いるマスクが、第一の遮光部パターンの外辺に沿って平行に第二の遮光部パターンが設けられており、
    前記第二の遮光部パターンが前記第一の遮光部パターンを一周囲んでおり、
    前記第一の遮光部パターンの外辺と前記第二の遮光部パターンの内辺の距離(A)と、前記第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)との関係が、下記式(I)を満たし、
    前記第二の遮光部パターンの内辺と外辺の幅(B)が1〜10μmであることを特徴とする
    パターン形成方法。
    0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
  2. (1)感光性樹脂組成物を基板に塗布する塗布工程、
    (2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、
    (3)マスクを用いて活性放射線で露光する露光工程、及び、
    (4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、
    前記露光工程で用いるマスクが、第一の透光部パターンの外辺に沿って平行に第二の透光部パターンが設けられており、
    前記第二の透光部パターンが前記第一の透光部パターンを一周囲んでおり、
    前記第一の透光部パターンの外辺と前記第二の透光部パターンの内辺の距離(A)と、前記第二の透光部パターンの内辺と外辺の幅(B)との関係が、下記式(I)を満たし、
    前記第二の透光部パターンの内辺と外辺の幅(B)が1〜10μmであることを特徴とする
    パターン形成方法。
    0.5≦(B)/(A)≦0.75 (I)
  3. 前記露光工程において、非接触式の露光方法を用いる、請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. 前記露光工程において、前記感光性樹脂組成物の塗布面とマスクとの距離が10μm以上500μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  5. 前記感光性樹脂組成物が、粒子を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  6. 前記粒子の含有率が、感光性樹脂組成物の全固形分に対して30質量%以上である、請求項5に記載のパターン形成方法。
  7. 第一の遮光部パターン又は第一の透光部パターンの一辺の長さが10〜500μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のパターン形成方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン形成方法により得られた硬化物。
  9. 層間絶縁膜である、請求項8に記載の硬化物。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のパターン形成方法を用いたタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  11. 請求項10に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルを備えた表示装置。
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