JP2015102756A - タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置 - Google Patents

タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015102756A
JP2015102756A JP2013244318A JP2013244318A JP2015102756A JP 2015102756 A JP2015102756 A JP 2015102756A JP 2013244318 A JP2013244318 A JP 2013244318A JP 2013244318 A JP2013244318 A JP 2013244318A JP 2015102756 A JP2015102756 A JP 2015102756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
resin composition
photosensitive resin
region
acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013244318A
Other languages
English (en)
Inventor
中村 秀之
Hideyuki Nakamura
秀之 中村
大助 柏木
Daisuke Kashiwagi
大助 柏木
成一 鈴木
Seiichi Suzuki
成一 鈴木
史絵 山下
Shie Yamashita
史絵 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2013244318A priority Critical patent/JP2015102756A/ja
Publication of JP2015102756A publication Critical patent/JP2015102756A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Position Input By Displaying (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】額縁部を有する基板を使用しても現像残渣の発生の少ないタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法を提供すること。
【解決手段】溶剤を含有する感光性樹脂組成物を基板にインクジェット塗布する工程、溶剤を除去する工程、活性放射線で露光する工程、及び、水性現像液で現像する工程を有し、基板が、基板の外周部分に形成された額縁部と、額縁部の内辺に接する特定の領域の周縁領域と、周縁領域に囲まれた内部領域とを有し、額縁部の平均膜厚(FT−A)と内部領域における感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)とが1.5≦(FT−A)/(FT−B)<200を満たし、塗布工程において、周縁領域の少なくとも一部に、感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、FT−Bの1/2以下の平均乾燥膜厚で感光性樹脂組成物を塗布することを特徴とするタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、上記製造方法により得られたタッチパネル及びディスプレイ、並びに、上記タッチパネル又はディスプレイを備えた表示装置に関する。
近年、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置や、画面に触れることで情報入力が可能なタッチパネルを搭載した表示装置(例えば、携帯情報端末及び携帯電話)が注目されている。
従来のインク組成物としては、特許文献1に記載の組成物が知られている。
また、従来の感光性樹脂組成物としては、特許文献1に記載の組成物が知られている。
特開2010−100833号公報 特開2013−80192号公報
本発明は、額縁部を有する基板を使用しても現像残渣の発生の少ないタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、以下の<1>又は<11>〜<13>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<10>と共に以下に記載する。
<1>(1)溶剤を含有する感光性樹脂組成物を基板にインクジェット法により塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)活性放射線で露光する露光工程、及び、(4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、上記基板が、少なくとも一方の面上において、上記基板の外周部分に形成された額縁部と、上記額縁部の内辺に接する周縁領域と、上記周縁領域に囲まれた内部領域とを有し、上記内部領域には、上記工程(1)において感光性樹脂組成物が塗布され、上記額縁部の平均膜厚(FT−A)が、0.3〜50μmであり、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)が、0.2〜10.0μmであり、上記FT−Aと上記FT−Bとの比が、下記式(I)を満たし、上記周縁領域が、上記額縁部の内辺から200〜50,000μm内側までの領域であり、上記工程(1)において、上記周縁領域の少なくとも一部に、上記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布することを特徴とするタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
1.5≦(FT−A)/(FT−B)<200 (I)
<2>上記工程(1)において、上記額縁部上の上記額縁部の内辺から200μm以上外側までの額縁内縁領域に、上記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布する、<1>に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<3>上記工程(1)において、上記額縁部上の上記額縁内縁領域より外側の少なくとも一部に上記感光性樹脂組成物を更に塗布する、<2>に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<4>上記基板が、四辺形であり、上記工程(1)において、少なくとも上記周縁領域中の上記基板の対向する2辺に対応する領域に、上記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布する、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<5>上記感光性樹脂組成物の25℃における粘度が、10mPa・s以下である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<6>現像された上記感光性樹脂組成物由来の層が、タッチパネル又はディスプレイパネルにおいて層間絶縁膜を形成している、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<7>上記額縁部は、少なくともその内辺側の端部において、上記額縁部の内辺に向かうにつれて徐々に上記額縁部の厚さが薄くなるテーパーを有する、<1>〜<6>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<8>上記感光性樹脂組成物が、ポジ型感光性樹脂組成物である、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<9>上記工程(1)において、上記周縁領域の少なくとも一部に、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布する、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<10>上記感光性樹脂組成物が、(成分A)無機粒子、(成分B)溶剤、(成分C)重合体成分、及び、(成分D)光酸発生剤を含有し、成分Cが、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体を含有する、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、
<11><1>〜<10>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネル、
<12><1>〜<10>のいずれか1つに記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルを備えた表示装置、
<13>透光性の基板、上記基板の少なくとも一方の面上の外縁部分に形成された額縁部、及び、上記額縁部により区画された表示領域を備え、上記表示領域は、上記額縁部の内辺に接する周縁領域と、上記周縁領域に囲まれた内部領域とを有し、上記内部領域は、少なくとも1層のパターン状の硬化膜を少なくとも有し、上記周縁領域の少なくとも一部には、少なくとも1層のパターン状の硬化膜を有し、上記額縁部の平均膜厚(FT’−A)が、0.3〜50μmであり、上記内部領域における上記硬化膜の平均膜厚(FT’−B)が、0.2〜10.0μmであり、上記周縁領域が、上記額縁部の内辺から200〜50,000μm内側までの領域であり、上記周縁領域における上記硬化膜の平均膜厚(FT’−C)が、FT’−Bの1/2以下であり、上記FT’−Aと上記FT’−Bとの比が、下記式(I’)を満たすことを特徴とするタッチパネル又はディスプレイパネル。
1.5≦(FT’−A)/(FT’−B)<200 (I’)
本発明によれば、額縁部を有する基板を使用しても現像残渣の発生の少ないタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法を提供することができる。
工程(1)において周縁領域に感光性樹脂組成物を塗布しない態様の一例を示す模式図である。 図1の周縁領域8近傍の断面模式図である。 工程(1)において周縁領域に感光性樹脂組成物を塗布しない態様の他の一例を示す模式図である。 図3の周縁領域8近傍の断面模式図である。 工程(1)において内部領域における感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように感光性樹脂組成物を塗布する態様の一例を示す模式図である。 図5の周縁領域8近傍の断面模式図である。 静電容量型入力装置の構成の一例を示す断面図である。 前面板の一例を示す説明図である。 第一の透明電極パターン及び第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。 内部領域における感光性樹脂組成物端部の一例を示す断面模式図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、本発明において、「(1)溶剤を含有する感光性樹脂組成物を基板にインクジェット法により塗布する塗布工程」等を、単に「工程(1)」又は「塗布工程」等ともいい、「(成分A)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体」等を、単に「成分A」等ともいい、「(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位」等を、単に「構成単位(a1)」等ともいう。
更に、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい。
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、(1)溶剤を含有する感光性樹脂組成物を基板にインクジェット法により塗布する塗布工程、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、(3)活性放射線で露光する露光工程、及び、(4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、上記基板が、少なくとも一方の面上において、上記基板の外周部分に形成された額縁部と、上記額縁部の内辺に接する周縁領域と、上記周縁領域に囲まれた内部領域とを有し、上記内部領域には、上記工程(1)において感光性樹脂組成物が塗布され、上記額縁部の平均膜厚(FT−A)が、0.3〜50μmであり、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)が、0.2〜10.0μmであり、上記FT−Aと上記FT−Bとの比が、下記式(I)を満たし、上記周縁領域が、上記額縁部の内辺から200〜50,000μm内側までの領域であり、上記工程(1)において、上記周縁領域の少なくとも一部に、上記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布することを特徴とする。
1.5≦(FT−A)/(FT−B)<200 (I)
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルは、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルである。
また、本発明の表示装置は、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルを備えたものである。
従来、感光性樹脂組成物はスリット塗布機等で基板に塗布されていたが、最近では塗布コストダウンのため、インクジェット塗布装置で塗布されるようになってきた。
カラーフィルターのブラックマトリクスパターンやタッチパネル等の額縁パターン等のような額縁部を基板上に有する場合、基板の塗布面上に段差があり、段差が大きいほど、基板上にインクジェット法により塗布された感光性樹脂組成物が、額縁部に添って基板上へ流れる「流れ込み」が発生しやすいと推定される。そのため、額縁部の内辺近傍における乾燥膜厚が、通常よりも厚くなり、その箇所は現像されにくく、残渣が発生してしまうことを本発明者らは見いだした。また、塗布液の粘度が高い場合、この流れ込み現象は抑えられるが、一方で、インクジェット法により粘度の高い塗布液を塗布した場合、インクヘットヘッドノズル詰まりが発生しやすくなりヘッド故障の原因となっていた。また、この流れ込みは、額縁膜厚と感光性樹脂組成物との乾燥膜厚の差が大きい方が大きくなり、現像残渣が残りやすくなる傾向にあることを本発明者らは見いだした。
本発明者らは、詳細な検討を行った結果、上記本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法の態様とすることにより、感光性樹脂組成物をインクジェット法により塗布し、かつ額縁部を有する基板を使用しても、現像残渣の発生が抑制できることを見いだした。
<塗布工程(工程(1))>
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、(1)溶剤を含有する感光性樹脂組成物を基板にインクジェット法により塗布する塗布工程を含む。
本発明に用いられる基板は、少なくとも一方の面上において、上記基板の外周部分に形成された額縁部と、上記額縁部の内辺に接する周縁領域と、上記周縁領域に囲まれた内部領域とを有し、上記内部領域には、上記工程(1)において感光性樹脂組成物が塗布され、上記額縁部の平均膜厚(FT−A)が、0.3〜50μmである。
なお、基板上における上記周縁領域と上記内部領域との境界は、工程(1)の前の段階においては、特に明示されなくともよいことはいうまでもない。
また、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法において、上記内部領域には、上記工程(1)において感光性樹脂組成物が塗布され、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)が、0.2〜10.0μmであり、上記FT−Aと上記FT−Bとの比が、下記式(I)を満たし、上記工程(1)において、上記周縁領域の少なくとも一部に、上記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布する。なお、ここでいう平均乾燥膜厚とは工程(1)の後に、後述の工程(2)を経た状態での乾燥膜厚の平均値のことを指す。
1.5≦(FT−A)/(FT−B)<200 (I)
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料、酸化インジウムスズ(ITO)、Cu基板、ポリエチレンテレフタレート、セルローストリアセテート(TAC)などのプラスチック基板が挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコーン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル樹脂、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル樹脂、マレイミド−オレフィン樹脂、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されている場合が通常である。また、透明電極等が形成されていてもよい。
また、基板は、少なくとも1部の光を透過する透光性の基板であることが好ましい。透光性の基板としては、例えば、透明基板であることが好ましい。
基板の形状や大きさ、厚さについては、特に制限はなく、所望の形状、大きさ及び厚さとすることができる。
また、基板の形状としては、多角形状、円状、楕円状、不定形状等、種々の形状が挙げられるが、四辺形であることが好ましく、正方形又は長方形であることがより好ましい。
なお、本発明における基板の形状の「四辺形」等については、一部加工されたものであってもよく、例えば、角に面取り加工が施されていてもよいし、基板の一部に任意の形状及び数の孔が設けられていてもよい。
また、上記基板は、感光性樹脂組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことが好ましく、更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理することがより好ましい。この処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の基板への密着性が向上する。ヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン蒸気に中に基板を晒しておく方法等が挙げられる。
本発明に用いられる基板は、少なくとも一方の面上において、上記基板の外周部分に形成された額縁部を有する。額縁部は、例えば、タッチパネルやディスプレイの外周部分において、配線等を見えなくする隠蔽部(マスク)や、意匠性を高める装飾部、また、これらの組み合わせが挙げられる。
また、上記額縁部を、単に「額縁」ともいう。
上記額縁部の平均膜厚(FT−A)は、0.3〜50μmであり、0.5〜50μmであることが好ましく、1.0〜40μmであることがより好ましく、2.0〜30μmであることが更に好ましい。上記範囲であると、本発明の効果をより発揮することができる。
額縁部の材質としては、特に制限はなく、例えば、カラーフィルターのブラックマトリクスパターンやタッチパネル等の額縁パターンに用いられる公知の組成物が挙げられる。
上記額縁部は、配線等を見えなくするため、隠蔽性を有することが好ましい。
また、上記額縁部は、隠蔽性の観点から、着色剤を含有することが好ましく、顔料を含有することがより好ましく、黒色顔料又は白色顔料を含有することが更に好ましい。
更に、上記額縁部は、少なくともその内辺側の端部において、上記額縁部の内辺に向かうにつれて徐々に上記額縁部の厚さが薄くなるテーパーを有することが好ましい。上記テーパーは、特に制限はなく、直線テーパーであっても、指数関数テーパーであっても、放物線テーパーであってもよいが、指数関数テーパーや放物線テーパーのような、基板とは反対側に凸となる(直線テーパーよりも脹らむ)テーパーであることが好ましい。
また、上記額縁部は、基板の外辺近傍の外周部分に有していればよく、基板の外辺とは接していても、いなくともよい。例えば、所望の表示装置等における筐体枠に相当する分だけ基板の外辺より離れて設けられていてもよい。また、額縁部の幅は、一定である必要はなく、所望の幅に形成することができる。
また、額縁部の内辺全体の形状、すなわち、周縁領域の外辺全体の形状は、所望に応じ、任意の形状を形成することができるが、四辺形であることが好ましく、正方形又は長方形であることがより好ましく、長方形であることが更に好ましい。また、上記四辺形、正方形及び長方形の角は、面取りされた形状となっていてもよく、例えば、丸みを有していてもよい。
上記額縁部を形成する組成物としては、着色剤、バインダーポリマー及び溶剤を少なくとも含む組成物であることが好ましく、着色剤、バインダーポリマー、重合性化合物、重合開始剤及び溶剤を少なくとも含む組成物であることがより好ましい。
また、上記額縁部を形成する組成物は、感光性樹脂組成物であってもよく、後述する感光性樹脂組成物に記載の成分を必要に応じて含有することができる。
上記額縁部を形成する際における額縁部を形成する組成物の塗布方法は、特に限定されず、例えば、スリットコート法、インクジェット法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法等の方法を用いることができる。更に、特開2009−145395号公報に記載されているような、所謂プリウェット法を適用することも可能である。
また、必要に応じ、上記額縁部の形成において、リソグラフィや露光現像等の公知の方法により、所望の形状の額縁部を形成してもよい。
本発明に用いられる基板は、少なくとも一方の面上において、上記額縁部の内辺に接する周縁領域と、上記周縁領域に囲まれた内部領域とを有する。
上記内部領域には、上記工程(1)において感光性樹脂組成物が塗布され、上記内部領域の全面に、上記工程(1)において感光性樹脂組成物が塗布されることが好ましい。
上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)が、0.2〜10.0μmであり、0.2〜1.5μmであることが好ましく、0.25〜1.3μmであることがより好ましく、0.3〜1.0μmであることが更に好ましい。上記範囲であると、現像時の残渣の発生をより抑制することができる。
また、本発明においては、上記額縁部の平均膜厚(FT−A)と上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)との比が、下記式(I)を満たし、下記式(II)を満たすことが好ましく、下記式(III)を満たすことがより好ましい。上記態様であると、本発明の効果をより発揮することができる。
1.5≦(FT−A)/(FT−B)<200 (I)
2≦(FT−A)/(FT−B)≦180 (II)
3≦(FT−A)/(FT−B)≦150 (III)
内部領域の大きさについては、特に制限はなく、上記周縁領域の幅にあわせ、適宜所望の大きさとすることができる。
なお、本発明における膜厚の測定方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。また、平均値は10点以上測定し算出することが好ましい。
具体的には例えば、表面形状測定や、断面の光学顕微鏡又は電子顕微鏡観察等が挙げられる。また、表面形状測定には、ブルカー社製Dektakシリーズを好適に使用することができる。また、断面観察には、走査型電子顕微鏡(SEM)を好適に用いることができる。
本発明に用いられる基板は、少なくとも一方の面上において、上記額縁部の内辺に接する周縁領域を有し、上記工程(1)において、上記周縁領域の少なくとも一部に、上記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布する。
なお、本発明において、感光性樹脂組成物を塗布していない領域、又は、上記内部領域における感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように感光性樹脂組成物を塗布された領域を「残渣抑制領域」ともいう。
上記工程(1)において、残渣抑制領域は、上記周縁領域の少なくとも一部に形成されていればよく、上記周縁領域中に形成されていない部分があってもよいが、現像時における残渣の発生を抑制する観点から、上記周縁領域の50面積%以上に形成されていることが好ましく、上記周縁領域の80面積%以上に形成されていることが好ましく、上記周縁領域全面に形成されていることが、乾燥時に発生するツノ抑制の観点から、特に好ましい。
上記ツノとは、感光性樹脂組成物により形成された層を乾燥させる際、層端部において、液戻りや乾燥収縮、また、表面張力の釣り合いにより生じるコーヒーリング現象により、層端部の層厚が厚くなり、端部が図10に示すように盛り上がった部分をいう。特に、インクジェット法により感光性樹脂組成物を塗布した場合、端部にツノが特に生じやすい。具体的には、本発明において、内部領域に形成された感光性樹脂組成物層の端部にツノが生じやすい。
上記ツノがない又は小さいほうが、感光性樹脂組成物層の平坦性に優れ、また、露光後の形状性より優れる。
また、基板が四辺形である場合、基板の対向する2辺に対応する上記周縁領域に少なくとも残渣抑制領域が形成されていることが好ましく、現像方向と平行な基板の対向する2辺に対応する上記周縁領域に少なくとも残渣抑制領域が形成されていることがより好ましい。上記態様であると、内部領域及び周縁領域全面における現像時における残渣の発生をより抑制することができる。
上記周縁領域の幅は、上記額縁部の内辺からの距離が、200〜50,000μmであり、300〜40,000μmであることが好ましく、1,000〜40,000μmであることがより好ましい。
言い換えると、上記周縁領域は、上記額縁部の内辺から200〜50,000μmまでの領域であり、上記額縁部の内辺から300〜40,000μmまでの領域であることが好ましく、上記額縁部の内辺から1,000〜40,000μmまでの領域であることがより好ましい。上記態様であると、製品における表示領域を十分確保することができ、また、現像時における残渣の発生をより抑制することができる。
また、上記工程(1)において、上記額縁部の内辺に接する額縁部上の領域(「額縁内縁領域」ともいう。)の少なくとも一部においても、上記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布することが好ましい。
すなわち、上記額縁内縁領域の少なくとも一部が残渣抑制領域であることが好ましく、上記額縁内縁領域の50面積%以上が残渣抑制領域であることがより好ましく、上記額縁内縁領域の80面積%以上が残渣抑制領域であることが更に好ましく、上記額縁内縁領域全面が残渣抑制領域であることが特に好ましい。上記態様であると、現像時における残渣の発生をより抑制することができる。
また、基板が四辺形である場合、基板の対向する2辺に対応する上記額縁内縁領域に少なくとも残渣抑制領域が形成されていることが好ましく、インクジェット塗布時の基板の進行方向と平行な基板の対向する2辺に対応する額縁上内縁領域に少なくとも残渣抑制領域が形成されていることがより好ましい。上記態様であると、内部領域、周縁領域及び額縁内縁領域全面における現像時における残渣の発生をより抑制することができる。
上記額縁内縁領域における残渣抑制領域は、上記周縁領域の残渣抑制領域と同じように感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、FT−Bの1/2以下の平均乾燥膜厚となるように感光性樹脂組成物を塗布することが好ましい。
上記額縁内縁領域は、上記額縁部の内辺から外辺までであっても、上記外辺までいかず、その途中までであってもよい。上記額縁部の内辺から上記額縁部上の途中までであることが好ましい。
上記額縁内縁領域の幅は、上記額縁部の内辺からの距離が、200〜50,000μmであることが好ましく、300〜40,000μmであることがより好ましく、1,000〜40,000μmであることが更に好ましい。
言い換えると、上記額縁内縁領域は、上記額縁部の内辺から200〜50,000μmまでの領域であることが好ましく、上記額縁部の内辺から300〜40,000μmまでの領域であることがより好ましく、上記額縁部の内辺から1,000〜40,000μmまでの領域であることが更に好ましい。上記態様であると、現像時における残渣の発生をより抑制することができる。
上記工程(1)において、上記額縁部上の上記額縁内縁領域よりも外側の少なくとも一部に感光性樹脂組成物を更に塗布することが好ましい。
また、上記額縁部上の上記額縁内縁領域よりも外側における感光性樹脂組成物の平均膜厚は、上記内部領域における感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以上2/3以下の厚さであることが好ましい。
上記額縁部上の上記額縁内縁領域よりも外側における塗布態様としては、特に制限はないが、例えば、上記額縁内縁領域を囲むように塗布する態様や、上記額縁部の外辺と接しないように、かつ上記額縁内縁領域を囲むように塗布する態様が挙げられる。
また、上記周縁領域及び/又は上記額縁内縁領域における残渣抑制領域は、上記内部領域における感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように感光性樹脂組成物を塗布された領域であることが好ましく、FT−Bの0.05倍以上1/2以下、すなわち、0.05倍以上0.5倍以下の平均乾燥膜厚となるように感光性樹脂組成物を塗布された領域であることがより好ましく、FT−Bの0.1倍以上0.3倍以下の厚さで感光性樹脂組成物を塗布された領域であることが更に好ましい。上記態様であると、現像時における残渣の発生をより抑制することができ、また、上記内部領域における感光性樹脂組成物層端部での残渣の発生をより抑制することができる。
なお、上記周縁領域及び/又は上記額縁内縁領域における残渣抑制領域の感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚を、FT−Cともいう。
上記工程(1)におけるインクジェット方式の塗布は、スピンコート法、スリットコート法等の従来の塗布方法と比べ、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法の際に付着するミストなどの影響が低減され、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
例えば、上記工程(1)におけるインクジェット方式による塗布条件は、感光性樹脂組成物の組成や、製造する塗膜の種類などによって適宜選択すればよい。塗布膜の厚さを調節するためには、液状の感光性樹脂組成物の吐出量や同一部分への吐出回数を調整すればよい。また、複数のノズルで打滴する場合は、一部のヘッドノズルからの吐出をON/OFFにするドット抜きという手法や吐出量をノズルごとに可変させる方法を用いることもできる。また、感光性樹脂組成物を塗布する形状や位置についても、所望に応じ、適宜選択すればよい。
上記インクジェット塗布方式に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成し得る公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、上記工程(1)におけるインクジェット塗布方式による塗布を実施することができる。
インクジェット方式の塗布に用いられる装置として具体的には、オンデマンドインクジェット塗布装置IJ−DESK−S、IJ−DESK−H((株)ピーエムティー製)、ダイマディックス・マテリアル・プリンターDMP2831、DMP−3000(FUJIFILM Dimatix社製)などが挙げられる。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、組成物供給系、温度センサーを含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、感光性樹脂組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前の組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi(dot per inch)、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記工程(1)に使用する感光性樹脂組成物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明に好適に用いることができる感光性樹脂組成物については、後述において、詳しく説明する。
本発明におけるインクジェット法による感光性樹脂組成物の好ましい塗布態様を、図面を参照して以下に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されないことはいうまでもない。
図1は、工程(1)において周縁領域に感光性樹脂組成物を塗布しない態様の一例を示す模式図を示す。
図2は、図1の周縁領域8近傍の断面模式図を示す。
図1は、基板2を額縁部4が形成されている側の面より見た模式図であり、基板2上の外縁部分に額縁部4が設けられており、額縁部4の内辺6に接する領域である周縁領域8には感光性樹脂組成物10による層が形成されておらず、基板2が露出しており、周縁領域8に囲まれた内部領域12には、感光性樹脂組成物10の層が形成されている。
図2は、図1における周縁領域8近傍の基板2の面に対し垂直な方向の断面模式図であり、額縁部4の平均膜厚(FT−A)14、及び、内部領域12における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)16が示されている。また、図2には、感光性樹脂組成物10の未塗布領域18が示されている。
図3は、工程(1)において周縁領域に感光性樹脂組成物を塗布しない態様の他の一例を示す模式図を示す。
図4は、図3の周縁領域8近傍の断面模式図を示す。
図3は、基板2を額縁部4が形成されている側の面より見た模式図であり、基板2上の外縁部分に額縁部4が設けられており、額縁部4の内辺6に接する領域である周縁領域8には感光性樹脂組成物10による層が形成されておらず、基板2が露出しており、周縁領域8に囲まれた内部領域12には、感光性樹脂組成物10の層が形成されており、額縁部4上の額縁部4の内辺6に接する領域である額縁内縁領域22には感光性樹脂組成物10による層が形成されておらず、額縁部4が露出しており、額縁部4上の額縁内縁領域22よりも外側には、感光性樹脂組成物10の層が形成されている。内部領域12上の感光性樹脂組成物10と、額縁部4上の感光性樹脂組成物10とは、同じ組成物であっても、異なる組成物であってもよいが、同じ組成物であることが好ましい。
図4は、図3における周縁領域8近傍の基板2の面に対し垂直な方向の断面模式図であり、額縁部4の平均膜厚(FT−A)14、及び、内部領域12における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)16が示されている。また、図4には、周縁領域8及び額縁内縁領域22をあわせた、感光性樹脂組成物10の未塗布領域18、並びに、額縁部4上の感光性樹脂組成物10の塗布領域20が示されている。
図5は、工程(1)において内部領域における感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように感光性樹脂組成物を塗布する態様の一例を示す模式図を示す。
図6は、図5の周縁領域8近傍の断面模式図を示す。
図5は、基板2を額縁部4が形成されている側の面より見た模式図であり、基板2上の外縁部分に額縁部4が設けられており、内部領域12には、感光性樹脂組成物10の層が形成されており、周縁領域8及び額縁内縁領域22(図6参照)には、内部領域における感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の厚さの感光性樹脂組成物10の層が形成された薄塗り領域24を有し、薄塗り領域24よりも外側には、感光性樹脂組成物20の層が形成されている。内部領域12上の感光性樹脂組成物10と、薄塗り領域24における感光性樹脂組成物10とは、同じ組成物であっても、異なる組成物であってもよいが、同じ組成物であることが好ましい。
図6は、図5における周縁領域8近傍の基板2の面に対し垂直な方向の断面模式図であり、額縁部4の平均膜厚(FT−A)14、内部領域12における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)16、及び、薄塗り領域24の平均乾燥膜厚(FT−C)26が示されている。また、図6において、周縁領域8及び額縁内縁領域22上には、薄塗り領域24が形成されており、額縁部4上の薄塗り領域24の外側には感光性樹脂組成物10の塗布領域20が形成されている。
<工程(2)(溶剤除去工程)>
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、工程(1)の後、(2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程を有する。
工程(2)では、工程(1)において塗布された感光性樹脂組成物から、塗布性のため感光性樹脂組成物に含まれる溶剤を、減圧(バキューム)及び/又は加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させる。溶剤除去工程の加熱条件は、特に制限はないが、70〜130℃、30〜300秒間程度であることが好ましい。温度及び時間が上記範囲である場合、パターンの密着性が良好で、かつ残渣も低減できる。
<工程(3)(露光工程)>
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、(3)活性放射線で露光する露光工程を有する。
工程(3)では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性放射線を照射することが好ましい。
また、工程(3)では、少なくとも工程(2)において溶剤を除去した感光性樹脂組成物を活性放射線で露光することが好ましい。
本発明における「活性放射線」とは、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、電子線などを包含する。中でも、感度及び装置の入手容易性の観点から、可視光線及び紫外線が好ましく、紫外線がより好ましい。
後述する成分A〜成分Dを含有する感光性樹脂組成物を使用した場合、工程(3)では、露光により光酸発生剤が分解し酸が発生し、発生した酸の触媒作用により、塗膜成分中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基が生成する。
活性放射線による露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティー、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レーザー露光など各種方式の露光機を用いることができる。
また、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、工程(3)の後、かつ工程(4)の前に、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。後述する成分A〜成分Dを含有する感光性樹脂組成物を使用した場合、PEBにより、酸分解性基の分解を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
ただし、本発明における酸分解性基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりポジ画像を形成することもできる。
<工程(4)(現像工程)>
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、(4)水性現像液で現像する現像工程を有する。
工程(4)では、少なくとも工程(3)において露光した感光性樹脂組成物を、水性現像液により現像する。なお、工程(4)における現像は、使用した感光性樹脂組成物に応じ、露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成してもよいし、非露光部領域を除去することにより、ネガ画像が形成してもよい。
上記水性現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。
塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルジメチルアンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド類:コリン等の(ヒドロキシアルキル)トリアルキルアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩類;エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環式アミン類を使用することができる。
また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい水性現像液として、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの0.4質量%水溶液、0.5質量%水溶液、0.7質量%水溶液、又は、2.38質量%水溶液を挙げることができる。
水性現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等のいずれでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜300秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
工程(4)の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
また、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、特に後述する成分A〜成分Dを含有する感光性樹脂組成物を使用した場合、現像された樹脂組成物を熱処理する熱処理工程を更に有することが好ましい。
上記熱処理工程(ポストベーク)では、得られた画像を加熱することにより、架橋を促進させることにより、より強固な硬化膜を形成することができる。この加熱は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180℃〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜90分間、オーブンならば30〜120分間、加熱処理をすることが好ましい。架橋反応を進行させることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより透明性を向上させることもできる。プラスチック基板を用いたときは、80℃〜140℃で5分〜120分間、加熱処理をすることが好ましい。
熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性放射線により全面再露光(ポスト露光)することも好ましい。ポジ型感光性樹脂組成物を使用した場合、非露光部の膜の硬化反応を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
工程(1)〜工程(4)を経て、上記感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、マイクロレンズ、光導波路、反射防止膜、LED用封止材及びLED用チップコート材等の光学部材、又は、タッチパネルに使用される配線電極の視認性低減用硬化物として好適に用いることができる。
また、工程(1)〜工程(4)を経て、上記感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、例えば、後述するような、液晶表示装置、有機EL装置又はタッチパネル表示装置等における平坦化膜や層間絶縁膜、カラーフィルターの保護膜、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー等に好適に用いることができる。
また、工程(1)〜工程(4)を経て、上記感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。熱処理工程により熱硬化して得られた硬化膜をドライエッチングレジストとして使用する場合、エッチング処理としてはアッシング、プラズマエッチング、オゾンエッチングなどのドライエッチング処理を行うことができる。
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法は、上記工程以外に、各種配線や各種層を形成する工程等の、種々の公知の工程を有していてもよい。これら工程は、所望のタッチパネル又はディスプレイパネルに応じて、適宜行うことができる。
<タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置>
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルは、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルである。
また、本発明の表示装置は、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルを備えたものである。
ディスプレイとしては、特に制限はないが、液晶ディスプレイ、及び、有機ELディスプレイが好ましく例示できる。
また、表示装置としては、液晶表示装置、有機EL(Electro-Luminescence)表示装置、及び、タッチパネル表示装置が好ましく例示できる。
液晶表示装置としては、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、液晶表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In-Place-Switching)方式、FFS(Frings Field Switching)方式、OCB(Optical Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Allay)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報に記載の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報に記載の有機絶縁膜(212)として用いることができる。
また、液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向方などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
また、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法において形成される感光性樹脂組成物由来の硬化膜は、上記用途に限定されず種々の用途に使用することができる。例えば、平坦化膜や層間絶縁膜以外にも、カラーフィルターの保護膜や、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサーや固体撮像素子においてカラーフィルター上に設けられるマイクロレンズ等に好適に用いることができる。
また、液晶表示装置は、3D(立体視)型のものとしたり、タッチパネル型のものとしたりすることも可能である。更にフレキシブル型にすることも可能であり、特開2011−145686号公報に記載の第2相間絶縁膜(48)や、特開2009−258758号公報に記載の相間絶縁膜(520)として用いることができる。
有機EL表示装置としては、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、有機EL表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法において形成される感光性樹脂組成物由来の硬化膜は、透明性や屈折率に優れるため、マイクロレンズやプリズム用の部材、光取り出し用の部材として好適に使用される。例えば、ディスプレイ用のフラットパネルの、バックライトユニット中で用いられる、プリズム用の部材やプリズムと導光板との接合用の部材として用いることができる。また、例えば、有機ELディスプレイの光取り出し効率の改善用の部材としても用いることができる。
本発明のタッチパネルは、抵抗膜型、静電容量型、光学型、超音波型、電磁誘導型などの様々な方式のタッチパネルとして好適に用いることができ、静電容量型タッチパネルとしてより好適に用いることができる。
また、本発明のタッチパネル及び本発明のタッチパネル表示装置としては、本発明のタッチパネル又はディスプレイの製造方法により製造されること以外は、特に制限はなく、例えば、「月刊ディスプレイ別冊 新・タッチパネル実用講座」、三谷雄二及び板倉義雄監修、2011年、(株)テクノタイムズ社発行に記載の構成を参照することができる。
静電容量型タッチパネルは、前面板と、上記前面板の非接触側に、少なくとも下記(1)〜(5)の要素を有し、下記(4)が本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法において形成される感光性樹脂組成物由来の硬化膜であることが好ましい。
(1)マスク層(額縁部)
(2)複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン
(3)上記第一の透明電極パターンと電気的に絶縁され、上記第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン
(4)上記第一の透明電極パターンと上記第二の透明電極パターンとを電気的に絶縁する絶縁層
(5)上記第一の透明電極パターン及び上記第二の透明電極パターンの少なくとも一方に電気的に接続され、上記第一の透明電極パターン及び上記第二の透明電極パターンとは別の導電性要素
静電容量型タッチパネルは、更に上記(1)〜(5)の要素の全て又は一部を覆うように透明保護層を設置することが好ましい。
まず、静電容量型タッチパネルの構成について説明する。図7は、静電容量型タッチパネルの構成を示す断面図である。図3において静電容量型タッチパネル30は、前面板31(基板)と、マスク層32(額縁部)と、第一の透明電極パターン33と、第二の透明電極パターン34と、絶縁層35(少なくとも一部が工程(1)〜(4)を経て形成される感光性樹脂組成物由来の硬化膜)と、導電性要素36と、透明保護層37と、から構成されている。
前面板31は、ガラス基板等の透光性基板で構成されており、コーニング社のゴリラガラスに代表される強化ガラスなどを用いることができる。また、図7において、前面板31の各要素が設けられている側を非接触面と称する。静電容量型タッチパネル30においては、前面板31の接触面(非接触面の反対の面)に指などを接触などさせて入力が行われる。
また、前面板31の非接触面上にはマスク層32が設けられている。マスク層32は、タッチパネル前面板の非接触側に形成された表示領域周囲の額縁状のパターンであり、引回し配線等が見えないようにするために形成される。
静電容量型タッチパネルには、図8に示すように、前面板31の一部の領域(図8においては入力面以外の領域)を覆うようにマスク層32が設けられている。更に、前面板31には、図8に示すように一部に開口部38を設けることができる。開口部38には、押圧によるメカニカルなスイッチを設置することができる。
図9に示すように、前面板31の接触面には、複数のパッド部分が接続部分を介して第一の方向に延在して形成された複数の第一の透明電極パターン33と、第一の透明電極パターン33と電気的に絶縁され、第一の方向に交差する方向に延在して形成された複数のパッド部分からなる複数の第二の透明電極パターン34と、第一の透明電極パターン33と第二の透明電極パターン34を電気的に絶縁する絶縁層35とが形成されている。上記第一の透明電極パターン33と、第二の透明電極パターン34と、後述する導電性要素36とは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性の導電性金属酸化膜で作製することができる。このような金属膜としては、ITO膜;Al、Zn、Cu、Fe、Ni、Cr、Mo等の金属膜;SiO2等の金属酸化膜などが挙げられる。この際、各要素の、膜厚は10〜200nmとすることができる。また、焼成により、アモルファスのITO膜を多結晶のITO膜とするため、電気的抵抗を低減することもできる。また、上記第一の透明電極パターン33と、第二の透明電極パターン34と、後述する導電性要素36とは、上記導電性繊維を用いた感光性樹脂組成物を有する感光性転写材料を用いて製造することもできる。その他、ITO等によって第一の導電性パターン等を形成する場合には、特許第4506785号公報の段落0014〜0016等を参考にすることができる。
また、第一の透明電極パターン33及び第二の透明電極パターン34の少なくとも一方は、前面板31の非接触面及びマスク層32の前面板31とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置することができる。図7においては、第二の透明電極パターンが、前面板31の非接触面及びマスク層32の前面板31とは逆側の面の両方の領域にまたがって設置されている図が示されている。
図9を用いて第一の透明電極パターン33及び第二の透明電極パターン34について説明する。図9は、第一の透明電極パターン及び第二の透明電極パターンの一例を示す説明図である。図9に示すように、第一の透明電極パターン33は、パッド部分33aが接続部分33bを介して第一の方向に延在して形成されている。また、第二の透明電極パターン34は、第一の透明電極パターン33と絶縁層35によって電気的に絶縁されており、第一の方向に交差する方向(図5における第二の方向)に延在して形成された複数のパッド部分によって構成されている。ここで、第一の透明電極パターン33を形成する場合、上記パッド部分33aと接続部分33bとを一体として作製してもよいし、接続部分33bのみを作製して、パッド部分33aと第二の透明電極パターン34とを一体として作製(パターニング)してもよい。パッド部分33aと第二の透明電極パターン34とを一体として作製(パターニング)する場合、図9に示すように接続部分33bの一部とパッド部分33aの一部とが連結され、かつ、絶縁層35によって第一の透明電極パターン33と第二の透明電極パターン34とが電気的に絶縁されるように各層が形成される。
図7において、マスク層32の前面板31とは逆側の面側には導電性要素36が設置されている。導電性要素36は、第一の透明電極パターン33及び第二の透明電極パターン34の少なくとも一方に電気的に接続され、かつ、第一の透明電極パターン33及び第二の透明電極パターン34とは別の要素である。図7においては、導電性要素36が第二の透明電極パターン34に接続されている図が示されている。
また、図7においては、各構成要素の全てを覆うように透明保護層37が設置されている。透明保護層37は、各構成要素の一部のみを覆うように構成されていてもよい。絶縁層35と透明保護層37とは、同一材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法によって得られる静電容量型タッチパネル、及び、当該静電容量型タッチパネルを構成要素として備えたタッチパネル表示装置は、「最新タッチパネル技術」(2009年7月6日発行(株)テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004,12)、FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック、Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292等に開示されている構成を適用することができる。
また、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルは、透光性の基板、上記基板の少なくとも一方の面上の外縁部分に形成された額縁部、及び、上記額縁部により区画された表示領域を備え、上記表示領域は、上記額縁部の内辺に接する周縁領域と、上記周縁領域に囲まれた内部領域とを有し、上記内部領域は、少なくとも1層のパターン状の硬化膜を少なくとも有し、上記周縁領域の少なくとも一部には、少なくとも1層のパターン状の硬化膜を有し、上記額縁部の平均膜厚(FT’−A)が、0.3〜50μmであり、上記内部領域における上記硬化膜の平均膜厚(FT’−B)が、0.2〜10.0μmであり、上記周縁領域が、上記額縁部の内辺から200〜50,000μm内側までの領域であり、上記周縁領域における上記硬化膜の平均膜厚(FT’−C)が、FT’−Bの1/2以下であり、上記FT’−Aと上記FT’−Bとの比が、下記式(I’)を満たす態様であることが好ましい。
1.5≦(FT’−A)/(FT’−B)<200 (I’)
上記透光性の基板としては、透光性であれば特に制限はないが、ガラス、石英若しくは透明樹脂等の透明基板、又は、これらにITO若しくはインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明電極を設けたもの等が挙げられる。
FT’−A、FT’−B、FT’−C、及び、(FT’−A)/(FT’−B)の好ましい態様は、それぞれ上述したFT−A、FT−B、FT−C、及び、(FT−A)/(FT−B)の好ましい態様と同様である。
上記態様における額縁部、内部領域、周縁領域、及び、上記以外のその他のタッチパネル又はディスプレイパネルにおける各種態様における好ましい態様は、それぞれ上述した本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルにおける好ましい態様と同様である。
<感光性樹脂組成物>
本発明に用いられる感光性樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、公知の感光性樹脂組成物であればよいが、溶剤を少なくとも含有することが好ましい。
感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物であっても、ネガ型感光性樹脂組成物であってもよいが、ポジ型感光性樹脂組成物であることが好ましく、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることがより好ましい。
また、上記工程(1)において、上記内部領域における上記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように上記感光性樹脂組成物を塗布する場合、感光性樹脂組成物は、ポジ型であることが好ましい。
また、感光性樹脂組成物は、熱で硬化する性質を有する樹脂組成物であることが好ましい。
感光性樹脂組成物は、(成分A)無機粒子、及び、(成分B)溶剤を含有することが好ましく、(成分A)無機粒子、(成分B)溶剤、(成分C)重合体成分、及び、(成分D)光酸発生剤を含有し、成分Cが、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体を含有することがより好ましい。上記態様であると、本発明の効果をより発揮することができる。
感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する光酸発生剤として1,2−キノンジアジド化合物を含まない方が好ましい。1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下である。
これに対して、本発明で使用する(成分D)光酸発生剤は、活性光線に感応して生成される酸が、成分A中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
インクジェット塗布適性向上の観点から、感光性樹脂組成物は、25℃における粘度が、50mPa・s以下の範囲であることが好ましく、30mPa・s以下の範囲であることがより好ましく、10mPa・s以下の範囲であることが更に好ましい。ここで、25℃の粘度は、E型粘度計を使用して測定した値を用いている。また、良好に吐出を行えるという観点から、感光性樹脂組成物を使用した場合におけるインクジェット塗布時の粘度は、20mPa・s以下であることが好ましく、10mPa・s以下であることがより好ましい。上記範囲であると、ノズル詰まりがなく、流れ込み量をコントロールしやすく、吐出安定性、及び、ハンドリング性に優れる。
また、感光性樹脂組成物を使用した場合におけるインクジェット塗布時の粘度範囲は、1〜20mPa・sであることがより好ましく、1〜10mPa・sであることが更に好ましい。上記範囲であると、高い吐出安定性を実現することができる。
(成分A)無機粒子
感光性樹脂組成物は、屈折率や光透過性を調節することを目的として、(成分A)無機粒子を含有することが好ましい。
感光性樹脂組成物が無機粒子を含有すると、バインダーポリマー等の現像液に溶解する成分が相対的に不足し、現像性が悪化し残渣が取れにくくなる場合が多いが、本発明のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法を用いることにより、感光性樹脂組成物が無機粒子を含有する場合であっても、現像残渣の発生を抑制することができる。
成分Aは、当該粒子を除いた材料からなる樹脂組成物の屈折率より屈折率が高いものであることが好ましく、具体的には、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上の粒子がより好ましく、屈折率が1.70以上の粒子が更に好ましく、1.90以上の粒子が特に好ましい。
ここで、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上であるとは、上記範囲の波長を有する光における平均屈折率が1.50以上であることを意味し、上記範囲の波長を有する全ての光における屈折率が1.50以上であることを要しない。また、平均屈折率は、上記範囲の波長を有する各光に対する屈折率の測定値の総和を、測定点の数で割った値である。
このような高い屈折率を有する無機粒子としては、金属酸化物粒子が好ましい。金属酸化物粒子は、透明性が高く、光透過性を有するため、高屈折率で、透明性に優れた感光性樹脂組成物が容易に得られる。
なお、本発明における金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
光透過性で屈折率の高い金属酸化物粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、Bi、Te等の原子を含む酸化物粒子が好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化チタン、チタン複合酸化物、酸化ジルコニウムが更に好ましく、酸化チタン、酸化ジルコニウムが特に好ましく、酸化チタンが最も好ましい。酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。これら金属酸化物粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料で処理することもできる。
樹脂組成物の透明性の観点から、成分Aの平均一次粒子径は、1〜200nmが好ましく、3〜80nmが特に好ましい。ここで粒子の平均一次粒子径は、電子顕微鏡により任意の粒子200個の粒子径を測定し、その算術平均をいう。また、粒子の形状が球形でない場合には、最も長い辺を径とする。
また、成分Aは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
感光性樹脂組成物における成分Aの含有量は、感光性樹脂組成物により得られる光学部材に要求される屈折率や、光透過性等を考慮して、適宜決定すればよいが、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜80質量%とすることが好ましく、10〜70質量%とすることがより好ましい。なお、感光性樹脂組成物の固形分量とは、溶剤などの揮発性成分を除いた量を表す。
本発明において、無機粒子は、後述する(成分E)分散剤及び溶媒中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。
上記分散液の調製に使用される溶媒としては、例えば、後述する(成分B)溶剤のほか、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、ネオペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類等を挙げることができる。
これらの溶媒は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
(成分B)溶剤
感光性樹脂組成物は、(成分B)溶剤を含有する。
溶剤としては、特に制限はなく、公知の溶剤を用いることができる。
また、成分Bは、沸点が177℃以上227℃以下であり、かつ、I/O値が0.50以上1.00以下の非アルコール系溶剤(以下、「特定溶剤」ともいう。)を含むことが好ましい。上記特定溶剤を含有することにより、感光性樹脂組成物は特に乾燥性及びインクジェット吐出性に優れる。
感光性樹脂組成物は、成分A、成分C及び成分Dと、更に後述の任意の成分を(成分B)溶剤に溶解又は分散した溶液として調製されることが好ましい。
本発明における上記沸点は、標準沸点、すなわち、1気圧(101,325Pa)における沸点である。
上記特定溶剤の沸点は、177℃以上227℃以下であり、178℃以上225℃以下であることが好ましく、178℃以上220℃以下であることがより好ましい。上記範囲であると、インクジェット吐出性、乾燥性、現像性、及び、熱処理後の透明性に優れる。
また、上記特定溶剤の沸点が177℃未満であると、インクジェット吐出性が悪化する。一方、沸点が227℃を超えると、乾燥性及び現像性に劣る。
また、上記特定溶剤は、25℃における表面張力(単に「表面張力」ともいう。)が、20〜35dyn/cm2であることが好ましく、22〜35dyn/cm2であることがより好ましく、22〜33dyn/cm2であることが更に好ましく、23〜31dyn/cm2であることが特に好ましい。上記範囲であると、インクジェット吐出性、及び、熱処理後の透明性により優れる。
上記特定溶剤の25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。例えば、協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定する方法、又は、KSV INSTRUMENTS LTD社製 SIGMA702を用いて測定する方法が好ましく挙げられる。
上記特定溶剤は、非アルコール系溶剤、すなわち、ヒドロキシ基を有しない溶剤である。上記特定溶剤がアルコール系溶剤であると、乾燥性、現像性及び保存安定性に劣る。
上記特定溶剤としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアシレート、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアシレート、ジアルキレングリコールジアルキルエーテル、及び、トリアルキレングリコールジアルキルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種の溶剤であることが好ましく、ジアルキレングリコールジアルキルエーテル、及び、トリアルキレングリコールジアルキルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種の溶剤であることがより好ましく、ジアルキレングリコールジアルキルエーテルであることが更に好ましい。上記態様であると、インクジェット吐出性、乾燥性、及び、熱処理後の透明性により優れる。
上記特定溶剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
上記特定溶剤の具体例としては、以下のものが好ましく挙げられる。
エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BMGAC、沸点188℃、表面張力27.4dyn/cm2
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(EDGAC、沸点217℃、表面張力30.9dyn/cm2
ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(DPMA、沸点213℃、表面張力27.3dyn/cm2
プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(PGMEP、沸点178℃、表面張力27.2dyn/cm2
ジエチレングリコールジエチルエーテル(EDE(DEDG)、沸点189℃、表面張力25.1dyn/cm2
トリエチレングリコールジメチルエーテル(MTM、沸点216℃、表面張力30.0dyn/cm2
ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(MEDG(EDM)、沸点176℃、表面張力26.8dyn/cm2
ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル(IPDM、沸点179℃、表面張力23.9dyn/cm2
1−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]ブタン(BDM、沸点212℃、表面張力24.1dyn/cm2
中でも、上記特定溶剤としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、及び、トリエチレングリコールジメチルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種の溶剤を含むことが好ましく、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、及び、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテルよりなる群から選択される少なくとも1種の溶剤を含むことがより好ましく、ジエチレングリコールジエチルエーテルであることが特に好ましい。上記態様であると、インクジェット吐出性、乾燥性、及び、熱処理後の透明性により優れる。
また、上記特定溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及び、トリエチレングリコールジメチルエーテルであることが特に好ましい。
感光性樹脂組成物に使用される上記特定溶剤以外の溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、感光性樹脂組成物に使用される溶剤の具体例としては特開2011−221494号公報の段落0174〜0178に記載の溶剤、特開2012−194290号公報の段落0167〜0168に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、これらの溶剤に更に必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
これら溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種を併用することが好ましい。
これらの中でも、上記特定溶剤以外の溶剤としては、非アルコール系溶剤であることが好ましく、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが特に好ましい。上記態様であると、インクジェット吐出性により優れる。
また、他の溶剤として用いてもよい、上記特定溶剤以外の溶剤の具体例について、沸点、及び/又は、表面張力を示す。
プロピレングリコールジアセテート(PGDA、沸点190℃、表面張力31.2dyn/cm2
1,3−ブチレングリコールジアセテート(1,3−BGDA、沸点232℃、表面張力31.4dyn/cm2
1,4−ブタンジオールジアセテート(1,4−BDDA、沸点232℃、表面張力34.2dyn/cm2
1,6−ヘキサンジオールジアセテート(1,6−HDDA、沸点260℃、表面張力34.1dyn/cm2
シクロヘキサノールアセテート(CHXA、沸点173℃、表面張力30.5dyn/cm2
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、沸点146℃、表面張力26.7dyn/cm2
1−エトキシ−2−プロピルアセタート(沸点160℃)
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BDGAC、沸点247℃、表面張力29.7dyn/cm2
ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテルアセテート(DPNPA、沸点232℃)
ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテルアセテート(DPNBA、沸点251℃)
ブチレングリコールメチルモノメチルエーテルアセテート(MBA、沸点171℃、表面張力27.9dyn/cm2
エチル3−エトキシプロピオナート (EEP、沸点170℃)
ジエチレングリコールジメチルエーテル(MDM、沸点162℃、表面張力28.1dyn/cm2
ジエチレングリコールジブチルエーテル(BDB、沸点256℃、表面張力24.9dyn/cm2
テトラエチレングリコールジメチルエーテル(MTEM、沸点275℃、表面張力31.8dyn/cm2
トリプロピレングリコールジメチルエーテル(MDPOM、沸点171 ℃、表面張力24.7dyn/cm2
ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(DPMNP、沸点203℃、、表面張力25.2dyn/cm2
1,2−ビス(2−メトキシメチルエトキシ)プロパン(MTPOM、沸点215℃、表面張力26.4dyn/cm2
トリエチレングリコールブチルメチルエーテル(BTM、沸点261 ℃、表面張力27.5dyn/cm2
ポリエチレングリコールジメチルエーテル(MPM、沸点264℃〜294℃、表面張力33.4dyn/cm2
エチレングリコールジメチルエーテル(MMM、沸点85℃、表面張力22.6dyn/cm2
トリアセチン(DRA−150、沸点260℃、表面張力35.2dyn/cm2
シクロヘキサノン(沸点156℃)
メチルアミルケトン(2−ヘプタノン、MAK、沸点151℃)
テトラヒドロフルフリルアルコ−ル (THFA、沸点176℃)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM、沸点188℃、表面張力27.9dyn/cm2
ジエチレングリコールモノメチルエーテル(DM、沸点194℃、表面張力34.3dyn/cm2
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DB、沸点230℃、表面張力29.1dyn/cm2
エチレングリコールモノフェニルエーテル(2−フェノキシエタノール、EPH、沸点245℃、表面張力41.9dyn/cm2
トリエチレングリコールモノメチルエーテル(TM、沸点249℃、表面張力36.4dyn/cm2
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PM、沸点290℃〜310℃、表面張力37.3dyn/cm2
3−メトキシブタノール(MB、沸点161℃、表面張力28.9dyn/cm2
1,3−ブチレングリコール( 1,3−BG、沸点208℃、表面張力36.1dyn/cm2
プロピレングリコールモノn−プロピルエーテル(PNP、沸点150℃、表面張力25.9dyn/cm2
プロピレングリコールモノn−ブチルエーテル(PNB、沸点170℃、表面張力26.3dyn/cm2
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(EDG、沸点202℃、表面張力31.3dyn/cm2
ジプロピレングリコールモノn−プロピルエーテル(DPNP、沸点212 ℃、表面張力27.6dyn/cm2
ジプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル(DPNB、沸点229 ℃、表面張力28.8dyn/cm2
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(TPM、沸点242℃、表面張力30.0dyn/cm2
トリプロピレングリコールモノn−ブチルエーテル(TPNB、沸点274℃、表面張力29.7dyn/cm2
プロピレングリコールモノメチルエーテル(MMPG(PGME)、沸点121℃、表面張力27.7dyn/cm2
上記特定溶剤の含有量は、特に制限はないが、感光性樹脂組成物中の溶剤の全質量に対し、1〜100質量%であることが好ましく、5〜95質量%であることがより好ましく、5〜90質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、インクジェット吐出性及び乾燥性により優れる。
感光性樹脂組成物における(成分B)溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全質量に対し、1〜99質量%であることが好ましく、20〜95質量%であることがより好ましく、50〜95質量%であることが更に好ましく、60〜90質量%であることが特に好ましい。
(成分C)重合体成分
本発明に用いることができる感光性樹脂組成物は、(成分C)重合体成分を含有することが好ましい。
成分Cとしては、感光性樹脂組成物に用いることができる公知の樹脂を用いることができるが、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体を含有することが好ましい。
なお、本発明において、「酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位」を「(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位」ともいう。
感光性樹脂組成物は、更に、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体以外の重合体を含んでいてもよい。
感光性樹脂組成物は、下記(1)及び(2)の少なくとも一方を満たす重合体を含む重合体成分を含有することが好ましい。
(1)(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体
(2)(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体、及び、(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体
感光性樹脂組成物は、更に、これら以外の重合体を含んでいてもよい。本発明における成分Cは、上記(1)及び/又は(2)を意味することが好ましい。
感光性樹脂組成物は、硬化後における透明性(ヘイズ)及び未露光部の残膜率の観点からは、成分Cとして、上記(1)を満たす成分を含むことが好ましい。
一方、分子設計の自由度の観点からは、感光性樹脂組成物は、成分Cとして、上記(2)を満たす成分を含むことが好ましい。
なお、上記(1)を満たす成分を含有する場合であっても、更に、(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有するアクリル樹脂及び/又は(a2)架橋性基を有する構成単位を有するアクリル樹脂を含有していてもよい。
また、上記(2)を満たす成分を含有する場合であっても、(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び(a2)架橋性基を有する構成単位を有するポリマーに該当するものを少なくとも含有する場合は、上記(1)を満たす成分を含有する場合に該当するものとする。
成分Cは、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
なお、「(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位」を「アクリル系構成単位」ともいう。また、「(メタ)アクリル酸」は、「メタクリル酸及び/又はアクリル酸」を意味するものとする。
<構成単位(a1)>
成分Cは、(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を少なくとも有する重合体を含むことが好ましい。成分Cが構成単位(a1)を有する重合体を含むことにより、極めて高感度な感光性樹脂組成物とすることができる。
本発明における「酸基が酸分解性基で保護された基」は、酸基及び酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシル基、及び、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。また、酸分解性基としては、酸により比較的分解しやすい基(例えば、後述するエステル構造、テトラヒドロピラニルエステル基、又は、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解しにくい基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位は、カルボキシル基が酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(「酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位」ともいう。)、又は、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(「酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位」ともいう。)であることが好ましい。
以下、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)と、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)について、順にそれぞれ説明する。
<<(a1−1)酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位>>
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)は、カルボキシル基を有する構成単位のカルボキシル基が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記カルボキシル基を有する構成単位としては、特に制限はなく公知の構成単位を用いることができる。例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)や、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)が挙げられる。
以下、上記カルボキシル基を有する構成単位として用いられる(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位と、(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位について、それぞれ順に説明する。
<<<(a1−1−1)分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位>>>
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)として本発明で用いられる不飽和カルボン酸としては以下に挙げるようなものが用いられる。すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸などが挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。
また、不飽和カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。さらに、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよい。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、上記構成単位(a1−1−1)を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、又は、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸等を用いることが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、又は、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸を少なくとも用いることがより好ましい。
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
<<<(a1−1−2)エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位>>>
エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位(a1−1−2)は、エチレン性不飽和基を有する構成単位中に存在する水酸基と酸無水物とを反応させて得られたモノマーに由来する単位であることが好ましい。
上記酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、又は、無水コハク酸が好ましい。
上記酸無水物の水酸基に対する反応率は、現像性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
−構成単位(a1−1)に用いることができる酸分解性基−
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記酸分解性基としては上述の酸分解性基を用いることができる。
これらの酸分解性基の中でもカルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。更に酸分解性基の中でもカルボキシル基が下記式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシル基が下記式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基である場合、保護カルボキシル基の全体としては、−(C=O)−O−CR101102(OR103)の構造となっている。
Figure 2015102756
(式(a1−10)中、R101及びR102はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、ただし、R101とR102とが共に水素原子の場合を除く。R103は、アルキル基を表す。R101又はR102と、R103とが連結して環状エーテルを形成してもよい。)
上記式(a1−10)中、R101〜R103はそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表し、上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。ここで、R101及びR102の双方が水素原子を表すことはなく、R101及びR102の少なくとも一方はアルキル基を表す。
上記式(a1−10)において、R101、R102及びR103がアルキル基を表す場合、上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
上記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが更に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
上記環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることが更に好ましい。上記環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R101、R102、R103はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R101、R102、R103はアラルキル基となる。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でも、フッ素原子又は塩素原子が好ましい。
また、上記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましい。具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
上記アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が更に好ましい。
また、上記アルキル基がシクロアルキル基である場合、上記シクロアルキル基は置換基として炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有していてもよく、アルキル基が直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である場合には、置換基として炭素数3〜12のシクロアルキル基を有していてもよい。
これらの置換基は、上記置換基で更に置換されていてもよい。
上記式(a1−10)において、R101、R102及びR103がアリール基を表す場合、上記アリール基は炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。上記アリール基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
また、R101、R102及びR103は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。R101とR102、R101とR103又はR102とR103が結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基及びテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、上記式(a1−10)において、R101及びR102のいずれか一方が、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記式(a1−10)で表される保護カルボキシル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、特開2011−221494号公報の段落0037〜0040に記載の合成方法などで合成することができる。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)の第一の好ましい態様は、下記式で表される構成単位である。
Figure 2015102756
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR1及びR2のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R3は、アルキル基又はアリール基を表し、R1又はR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4は、水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又はアリーレン基を表す。)
1及びR2がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R1及びR2がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
3は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。
Xは、単結合又はアリーレン基を表し、単結合が好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)の第二の好ましい態様は、下記式の構造単位である。
Figure 2015102756
(式中、R121は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基又はフェニレン基を表し、R122〜R128はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
121は水素原子又はメチル基が好ましい。
1はカルボニル基が好ましい。
122〜R128は、水素原子が好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2015102756
<<(a1−2)酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位>>
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)は、フェノール性水酸基を有する構成単位が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位である。
<<<(a1−2−1)フェノール性水酸基を有する構成単位>>>
上記フェノール性水酸基を有する構成単位としては、ヒドロキシスチレン系構成単位やノボラック系の樹脂における構成単位が挙げられるが、これらの中では、ヒドロキシスチレン又はα−メチルヒドロキシスチレンに由来する構成単位が、感度の観点から好ましい。また、フェノール性水酸基を有する構成単位として、下記式(a1−20)で表される構成単位も、感度の観点から好ましい。
Figure 2015102756
(式(a1−20)中、R220は水素原子又はメチル基を表し、R221は単結合又は二価の連結基を表し、R222はハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。なお、R222が2以上存在する場合、これらのR222は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。)
上記式(a1−20)中、R220は水素原子又はメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
また、R221は単結合又は二価の連結基を表す。単結合である場合には、感度を向上させることができ、更に硬化膜の透明性を向上させることができるので好ましい。R221の二価の連結基としてはアルキレン基が例示でき、R221がアルキレン基である具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。中でも、R221が単結合、メチレン基、又は、エチレン基であることが好ましい。また、上記二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。また、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1又は2であることが好ましく、aが1であることがより好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、R221と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
222はそれぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
また、bは0又は1〜4の整数を表す。
−構成単位(a1−2)に用いることができる酸分解性基−
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)に用いることができる上記酸分解性基としては、上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)に用いることができる上記酸分解性基と同様に、公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基の中でもアセタールで保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、感光性樹脂組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。更に、酸分解性基の中でもフェノール性水酸基が上記式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、フェノール性水酸基が上記式(a1−10)で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基である場合、保護フェノール性水酸基の全体としては、−Ar−O−CR101102(OR103)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例は、R101=R102=R103=メチル基の組み合わせやR101=R102=メチル基でR103=ベンジル基の組み合わせが例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、特開2011−215590号公報の段落0042に記載のものなどが挙げられる。
これらの中で、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体が透明性の観点から好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができ、これらは1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記具体例中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2015102756
−構成単位(a1)の好ましい態様−
上記構成単位(a1)を有する重合体が、実質的に、構成単位(a2)を有しない場合、構成単位(a1)は、該構成単位(a1)を有する重合体中、20〜100モル%が好ましく、30〜90モル%がより好ましい。
上記構成単位(a1)を有する重合体が、下記構成単位(a2)を有する場合、単構成単位(a1)は、該構成単位(a1)と構成単位(a2)とを有する重合体中、感度の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。また、特に上記構成単位(a1)が、カルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である場合、20〜50モル%が好ましい。
なお、本発明において、「構成単位」の含有量をモル比で規定する場合、当該「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本発明において当該「モノマー単位」は、高分子反応等により重合後に修飾されていてもよい。以下においても同様である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)は、上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)に比べると、現像が速いという特徴がある。よって、速く現像したい場合には酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(a1−1)が好ましい。逆に現像を遅くしたい場合には酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(a1−2)を用いることが好ましい。
<(a2)架橋性基を有する構成単位>
成分Cは、架橋性基を有する構成単位(a2)を有する重合体を含有することが好ましい。上記架橋性基は、加熱処理で硬化反応を起こす基であれば特に限定はされない。好ましい架橋性基を有する構成単位の態様としては、エポキシ基、オキセタニル基、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基及びエチレン性不飽和基よりなる群から選ばれた少なくとも1つを含む構成単位が挙げられ、エポキシ基、オキセタニル基、及び、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基よりなる群から選ばれた少なくとも1種であることが好ましい。その中でも、感光性樹脂組成物は、上記成分Cが、エポキシ基及びオキセタニル基のうち少なくとも1つを含む構成単位を含むことがより好ましい。より詳細には、以下のものが挙げられる。
<<(a2−1)エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位>>
成分Cは、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(構成単位(a2−1))を有する重合体を含有することが好ましい。上記3員環の環状エーテル基はエポキシ基とも呼ばれ、4員環の環状エーテル基はオキセタニル基とも呼ばれる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)は、1つの構成単位中にエポキシ基又はオキセタニル基を少なくとも1つ有していればよく、1つ以上のエポキシ基及び1つ以上オキセタニル基、2つ以上のエポキシ基、又は、2つ以上のオキセタニル基を有していてもよく、特に限定されないが、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1〜3つ有することが好ましく、エポキシ基及び/又はオキセタニル基を合計1又は2つ有することがより好ましく、エポキシ基又はオキセタニル基を1つ有することが更に好ましい。
エポキシ基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、α−エチルアクリル酸−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、特許第4168443号公報の段落0031〜0035に記載の脂環式エポキシ骨格を含有する化合物などが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、例えば、特開2001−330953号公報の段落0011〜0016に記載のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリル酸エステル構造を含有するモノマー、アクリル酸エステル構造を含有するモノマーであることが好ましい。
これらの中でも好ましいものは、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、アクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチル、及び、メタクリル酸(3−エチルオキセタン−3−イル)メチルである。これらの構成単位は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
エポキシ基及び/又はオキセタニル基を有する構成単位(a2−1)の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2015102756
<<(a2−2)エチレン性不飽和基を有する構成単位>>
上記架橋性基を有する構成単位(a2)の1つとして、エチレン性不飽和基を有する構成単位(a2−2)が挙げられる(以下、「構成単位(a2−2)」ともいう。)。上記エチレン性不飽和基を有する構成単位(a2−2)としては、側鎖にエチレン性不飽和基を有する構成単位が好ましく、末端にエチレン性不飽和基を有し、炭素数3〜16の側鎖を有する構成単位がより好ましい。
その他、(a2−2)エチレン性不飽和基を有する構成単位については、特開2011−215580号公報の段落0072〜0090の記載、及び、特開2008−256974号公報の段落0013〜0031の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<<(a2−3)−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基を有する構成単位>>
本発明で用いる共重合体は、−NH−CH2−O−R(Rは水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)で表される基を有する構成単位(a2−3)も好ましい。構成単位(a2−3)を有することで、緩やかな加熱処理で硬化反応を起こすことができ、諸特性に優れた硬化膜を得ることができる。ここで、Rは炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜9のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基のいずれであってもよいが、直鎖又は分岐のアルキル基であることが好ましい。構成単位(a2)は、下記式(a2−30)で表される基を有する構成単位であることがより好ましい。
Figure 2015102756
(式(a2−30)中、R31は水素原子又はメチル基を表し、R32は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
32は、炭素数1〜9のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。また、アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のアルキル基のいずれであってもよいが、好ましくは、直鎖又は分岐のアルキル基である。
32の具体例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、シクロヘキシル基、及び、n−ヘキシル基を挙げることができる。中でも、i−ブチル基、n−ブチル基、メチル基が好ましい。
−構成単位(a2)の好ましい態様−
上記構成単位(a2)を有する重合体が、実質的に、構成単位(a1)を有しない場合、構成単位(a2)は、該構成単位(a2)を有する重合体中、5〜90モル%が好ましく、20〜80モル%がより好ましい。
上記構成単位(a2)を有する重合体が、上記構成単位(a1)を有する場合、単構成単位(a2)は、該構成単位(a1)と構成単位(a2)を有する重合体中、薬品耐性の観点から3〜70モル%が好ましく、10〜60モル%がより好ましい。
本発明では、更に、いずれの態様にかかわらず、成分Cの全構成単位中、構成単位(a2)を3〜70モル%含有することが好ましく、10〜60モル%含有することがより好ましい。
上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の透明性及び薬品耐性が良好となる。
<(a3)その他の構成単位>
本発明において、上記重合体は、上記構成単位(a1)及び/又は(a2)に加えて、これら以外の他の構成単位(a3)を有していてもよい。これらの構成単位は、上記重合体成分(1)及び/又は(2)が含んでいてもよい。また、上記重合体成分(1)又は(2)とは別に、実質的に構成単位(a1)及び構成単位(a2)を含まずに他の構成単位(a3)を有する重合体成分を有していてもよい。上記重合体成分(1)又は(2)とは別に、実質的に構成単位(a1)及び構成単位(a2)を有さずに他の構成単位(a3)を有する重合体成分を含む場合、該重合体成分の配合量は、全重合体成分中、60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましい。
その他の構成単位(a3)となるモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物、共役ジエン系化合物、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸無水物、その他の不飽和化合物を挙げることができる。また、後述するとおり、酸基を有する構成単位を有していてもよい。その他の構成単位(a3)となるモノマーは、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
その他の構成単位(a3)は、具体的には、スチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、その他の構成単位(a3)としては、スチレン類、又は、脂肪族環式骨格を有するモノマー由来の構成単位が、電気特性の観点で好ましい。具体的にはスチレン、tert−ブトキシスチレン、メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更にまた、その他の構成単位(a3)としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位が、密着性の観点で好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。重合体を構成する構成単位中、上記の構成単位(a3)の含有率は、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下が更に好ましい。下限値としては、0モル%でもよいが、例えば、1モル%以上とすることが好ましく、5モル%以上とすることがより好ましい。上記の数値の範囲内であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の諸特性が良好となる。
成分Cに含まれる重合体は、その他の構成単位(a3)として、酸基を有する構成単位を有することが好ましい。重合体が酸基を有することにより、アルカリ性の現像液に溶けやすくなり、本発明の効果がより効果的に発揮される。本発明における酸基とは、pKaが10.5より小さいプロトン解離性基を意味する。酸基は、通常、酸基を形成しうるモノマーを用いて、酸基を含む構成単位として、重合体に組み込まれる。このような酸基を含む構成単位を重合体中に含めることにより、アルカリ性の現像液に対して溶けやすくなる傾向にある。
酸基としては、カルボン酸基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、並びに、これらの酸基の酸無水物基、及び、これらの酸基を中和し塩構造とした基等が例示され、カルボン酸基及び/又はフェノール性水酸基が好ましい。上記塩としては、特に制限はないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び、有機アンモニウム塩が好ましく例示できる。
本発明で用いられる酸基を有する構成単位は、酸基を有するスチレン化合物に由来する構成単位や、酸基を有するビニル化合物に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸に由来する構成単位、及び/又は、酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルに由来する構成単位であることがより好ましい。例えば、特開2012−88459号公報の段落0021〜0023及び段落0029〜0044記載の化合物を用いることができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。中でも、p−ヒドロキシスチレン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸に由来する構成単位が好ましい。
本発明では、上記重合体成分(1)又は(2)とは別に、実質的に構成単位(a1)及び構成単位(a2)を含まずに他の構成単位(a3)を有する重合体を含んでいてもよい。
このような重合体としては、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂が好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等が挙げられ、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
その他にも、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報、特開2009−52020号公報等に記載の公知の高分子化合物を使用することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
これらの重合体は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
これらの重合体として、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、JONCRYL 690、JONCRYL 678、JONCRYL 67、JONCRYL 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
本発明では、特に、カルボキシル基を有する構成単位、又は、フェノール性水酸基を有する構成単位を含有することが、感度の観点で好ましい。例えば、特開2012−88459号公報の段落0021〜0023、及び、段落0029〜0044記載の化合物を用いることができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
酸基を有する構成単位は、全重合体成分の構成単位の1〜80モル%が好ましく、1〜50モル%がより好ましく、5〜40モル%が更に好ましく、5〜30モル%が特に好ましく、5〜20モル%が最も好ましい。
以下に、重合体成分の好ましい実施形態を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−第1の実施形態−
重合体成分(1)が、更に、1種又は2種以上のその他の構成単位(a3)を有する態様。
−第2の実施形態−
重合体成分(2)の(a1)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体が、更に、1種又は2種以上のその他の構成単位(a3)を有する態様。
−第3の実施形態−
重合体成分(2)の(a2)架橋性基を有する構成単位を有する重合体が、更に、1種又は2種以上のその他の構成単位(a3)を有する態様。
−第4の実施形態−
上記第1〜第3の実施形態のいずれかにおいて、その他の構成単位(a3)として、少なくとも酸基を含む構成単位をいずれかの重合体に有する態様。
−第5の実施形態−
上記重合体成分(1)又は(2)とは別に、更に、実質的に構成単位(a1)及び構成単位(a2)を有さずに他の構成単位(a3)を有する重合体を有する態様。
−第6の実施形態−
上記第1〜第5の実施形態の2以上の組み合わせからなる態様。
−成分Cにおける重合体の分子量−
成分Cにおける重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜50,000の範囲である。上記の数値の範囲内であると、諸特性が良好である。数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比(分散度、Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.5〜3.5がより好ましい。
−成分Cにおける重合体の製造方法−
成分Cにおける重合体の合成法についても、様々な方法が知られているが、一例を挙げると、少なくとも上記構成単位(a1)を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
感光性樹脂組成物中における成分Cの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、20〜99.9質量%であることが好ましく、50〜98質量%であることがより好ましく、70〜95質量%であることが更に好ましい。含有量がこの範囲であると、現像した際のパターン形成性が良好となり、また、より高屈折率の硬化物が得られる。なお、感光性樹脂組成物の固形分量とは、溶剤などの揮発性成分を除いた量を表す。
(成分D)光酸発生剤
感光性樹脂組成物は、(成分D)光酸発生剤を含有することが好ましい。
本発明で使用される光酸発生剤としては、好ましくは波長300nm以上、より好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物であるが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が最も好ましい。
光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、絶縁性、感度の観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類、及び、ジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0083〜0088に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式(D1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
Figure 2015102756
(式(D1)中、R21は、アルキル基又はアリール基を表し、波線部分は他の基との結合箇所を表す。)
いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されてもよい。
上記式(D1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、下記式(D2)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2015102756
(式(D2)中、R42は、アルキル基又はアリール基を表し、Xは、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2又は3であるとき、複数のXは同一でも異なっていてもよい。)
Xとしてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。
Xとしてのアルコキシ基は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルコキシ基が好ましい。
Xとしてのハロゲン原子は、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。
m4は、0又は1が好ましい。上記式(D2)中、m4が1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R42が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、又は、p−トルイル基である化合物が特に好ましい。
上記式(D1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記式(D3)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2015102756
(式(D3)中、R43は式(D2)におけるR42と同義であり、X1は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。)
上記式(D3)におけるR43としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基又はペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
1としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
n4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1が特に好ましい。
上記式(D3)で表される化合物の具体例及び好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、特開2012−163937号公報の段落0080〜0082の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
上記式(D1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記式(OS−1)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2015102756
上記式(OS−1)中、R101は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R102は、アルキル基、又は、アリール基を表す。
101は−O−、−S−、−NH−、−NR105−、−CH2−、−CR106H−、又は、−CR105107−を表し、R105〜R107はアルキル基、又は、アリール基を表す。
121〜R124はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、又は、アリール基を表す。R121〜R124のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
121〜R124としてはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基が好ましく、また、R121〜R124のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R121〜R124がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、更に置換基を有していてもよい。
上記式(OS−1)で表される化合物は、例えば、特開2012−163937号公報の段落0087〜0089に記載されている一般式(OS−2)で表される化合物であることが好ましく、この内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明に好適に用いうる上記式(OS−1)で表される化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0128〜0132に記載の化合物(例示化合物b−1〜b−34)が挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
本発明では、上記式(D1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記式(OS−3)、下記式(OS−4)又は下記式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 2015102756
(式(OS−3)〜式(OS−5)中、R22、R25及びR28はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R23、R26及びR29はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、R24、R27及びR30はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基又はアルコキシスルホニル基を表し、X1〜X3はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、n1〜n3はそれぞれ独立に、1又は2を表し、m1〜m3はそれぞれ独立に、0〜6の整数を表す。)
また、上記式(D1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、例えば、特開2012−163937号公報の段落0117に記載されている、一般式(OS−6)〜(OS−11)のいずれかで表される化合物であることが特に好ましく、この内容は本願明細書に組み込まれる。
上記一般式(OS−6)〜(OS−11)における好ましい範囲は、特開2011−221494号公報の段落0110〜0112に記載される一般式(OS−6)〜(OS−11)における好ましい範囲と同様である。
上記式(OS−3)〜上記式(OS−5)で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0114〜0120に記載の化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
上記式(D1)で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記式(D1−4)で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2015102756
(式(D1−4)中、Rd1は、アルキル基又はアリール基を表し、Rd2は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、Rd3〜Rd6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、Rd3とRd4、Rd4とRd5、又は、Rd5とRd6とが結合して脂環又は芳香環を形成してもよく、Xdは、−O−又は−S−を表す。)
d1は、アルキル基又はアリール基を表す。アルキル基は、分岐構造を有するアルキル基又は環状構造のアルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、好ましくは3〜10である。特にアルキル基が分岐構造を有する場合、炭素数3〜6のアルキル基が好ましく、環状構造を有する場合、炭素数5〜7のアルキル基が好ましい。
アルキル基としては、例えば、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられ、好ましくは、イソプロピル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基である。
アリール基の炭素数は、好ましくは6〜12であり、より好ましくは6〜8であり、更に好ましくは6又は7である。上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、好ましくは、フェニル基である。
d1が表すアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐又は環状のアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基など)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基などが挙げられる。また、これらの基によって更に置換されていてもよい。好ましくは、ハロゲン原子、メチル基である。
感光性樹脂組成物は、透明性の観点から、Rd1はアルキル基が好ましく、保存安定性と感度とを両立させる観点から、Rd1は、炭素数3〜6の分岐構造を有するアルキル基、炭素数5〜7の環状構造のアルキル基、又は、フェニル基が好ましく、炭素数3〜6の分岐構造を有するアルキル基、又は、炭素数5〜7の環状構造のアルキル基がより好ましい。このようなかさ高い基(特に、かさ高いアルキル基)をRd1として採用することにより、透明性をより向上させることが可能になる。
かさ高い置換基の中でも、イソプロピル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、tert−ブチル基、シクロヘキシル基がより好ましい。
d2は、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。Rd2が表すアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好ましい。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基である。
アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、p−トルイル基(p−メチルフェニル基)などが挙げられ、好ましくは、フェニル基、p−トルイル基である。
ヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、インドリル基、カルバゾリル基、フラニル基、チエニル基などが挙げられる。
d2が表すアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、Rd1が表すアルキル基及びアリール基が有していてもよい置換基と同義である。
d2は、アルキル基又はアリール基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニル基がより好ましい。フェニル基の置換基としては、メチル基が好ましい。
d3〜Rd6は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アリール基、またはハロゲン原子(フッ素原子、クロロ原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表す。Rd3〜Rd6が表すアルキル基としては、Rd2が表すアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、Rd3〜Rd6が表すアリール基としては、Rd1が表すアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
d3〜Rd6のうち、Rd3とRd4、Rd4とRd5、又は、Rd5とRd6が結合して環を形成してもよく、環としては、脂環又は芳香環を形成していることが好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
d3〜Rd6は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、又は、Rd3とRd4、Rd4とRd5、若しくは、Rd5とRd6が結合してベンゼン環を構成していることが好ましく、水素原子、メチル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は、Rd3とRd4、Rd4とRd5、若しくは、Rd5とRd6が結合してベンゼン環を構成していることがより好ましい。
d3〜Rd6の好ましい態様は以下の通りである。
(態様1)少なくとも2つは水素原子である。
(態様2)アルキル基、アリール基又はハロゲン原子の数は、1つ以下である。
(態様3)Rd3とRd4、Rd4とRd5、又は、Rd5とRd6が結合してベンゼン環を構成している。
(態様4)上記態様1と2とを満たす態様、及び/又は、上記態様1と3とを満たす態様。
dは、−O−又は−S−を表す。
上記式(D1−4)の具体例としては、以下のような化合物が挙げられるが、本発明では特にこれに限定されない。なお、例示化合物中、Tsはトシル基(p−トルエンスルホニル基)を表し、Meはメチル基を表し、Buはn−ブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 2015102756
感光性樹脂組成物において、(成分D)光酸発生剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の成分C100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。
また、成分Dは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
(成分E)分散剤
感光性樹脂組成物は、(成分E)分散剤を含有することが好ましい。分散剤を含有することにより、成分Aの樹脂組成物中での分散性をより向上させることができる。
分散剤としては、公知の分散剤を用いることができ、例えば、公知の顔料分散剤を適宜選択して用いることができる。
また、分散剤としては、高分子分散剤を好ましく用いることができる。なお、高分子分散剤とは、分子量(重量平均分子量)が1,000以上の分散剤である。
分散剤としては、多くの種類の化合物を使用可能であり、具体的には、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(アストラゼネカ(株)製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(ADEKA(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成工業(株)製)、DISPERBYK 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端又は側鎖に極性基を有するオリゴマー又はポリマーが挙げられる。
分散剤は、1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
感光性樹脂組成物における分散剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、5〜70質量%の範囲が好ましく、10〜50質量%の範囲がより好ましい。
(成分F)熱架橋剤
感光性樹脂組成物は、必要に応じ、熱架橋剤を含有することが好ましい。熱架橋剤を添加することにより、感光性樹脂組成物により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。
熱架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限はない(ただし、成分Cを除く)。例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基若しくはオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物、又は、ブロックイソシアネート化合物等を添加することができる。
感光性樹脂組成物中における熱架橋剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0.01〜50質量部であることが好ましく、0.1〜30質量部であることがより好ましく、0.5〜20質量部であることが更に好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度及び耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。熱架橋剤は複数を併用することもでき、その場合は熱架橋剤を全て合算して含有量を計算する。
<分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物>
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、JER152、JER157S70、JER157S65、JER806、JER828、JER1007((株)三菱ケミカルホールディングス製)など、特開2011−221494号公報の段落0189に記載の市販品などが挙げられ、その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402(以上、ナガセケムテックス(株)製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上、新日鐵化学(株)製)などが挙げられる。
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂がより好ましく挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましく挙げられる。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
また、その他の熱架橋剤としては特開2012−8223号公報の段落0107〜0108に記載のアルコキシメチル基含有架橋剤、及び、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物なども好ましく用いることができる。アルコキシメチル基含有架橋剤としては、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましい。
<ブロックイソシアネート化合物>
感光性樹脂組成物では、熱架橋剤として、ブロックイソシアネート化合物も好ましく用いることができる。ブロックイソシアネート化合物は、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、感光性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。
なお、本発明におけるブロックイソシアネート基とは、熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であり、例えば、ブロック剤とイソシアネート基とを反応させイソシアネート基を保護した基が好ましく例示できる。また、上記ブロックイソシアネート基は、90℃〜250℃の熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であることが好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物及びこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
感光性樹脂組成物におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
上記オキシム化合物としては、アルドキシム、及び、ケトオキシムが挙げられ、具体的には、アセトキシム、ホルムアルドキシム、シクロヘキサンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、アセトキシム等が例示できる。
上記ラクタム化合物としては、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
上記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
上記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が例示できる。
上記アミン化合物としては、第1級アミン及び第2級アミンが挙げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が例示できる。
上記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等が例示できる。
上記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、ジメチルピラゾール等が例示できる。
上記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、アリールメルカプタン等が例示できる。
感光性樹脂組成物に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
<その他の成分>
感光性樹脂組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて、(成分G)増感剤、(成分H)アルコキシシラン化合物、(成分I)塩基性化合物、(成分J)界面活性剤、(成分K)酸化防止剤を好ましく加えることができる。更に感光性樹脂組成物には、上記紫外線吸収剤、金属不活性化剤や、酸増殖剤、現像促進剤、可塑剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、増粘剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。また、これらの化合物としては、例えば特開2012−88459号公報の段落0201〜0224の記載も参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(成分G)増感剤
感光性樹脂組成物は、(成分D)光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でも、アントラセン誘導体が最も好ましい。
感光性樹脂組成物中における増感剤の添加量は、感光性樹脂組成物の光酸発生剤100質量部に対し、0〜1,000質量部であることが好ましく、10〜500質量部であることがより好ましく、50〜200質量部であることが更に好ましい。
また、増感剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
(成分H)アルコキシシラン化合物
感光性樹脂組成物は、(成分H)アルコキシシラン化合物を含有してもよい。アルコキシシラン化合物を用いると、感光性樹脂組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できたり、感光性樹脂組成物により形成された膜の性質を調整することができる。感光性樹脂組成物に用いることができる(成分H)アルコキシシラン化合物は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、モリブデン、チタン、アルミニウム等の金属と絶縁膜との密着性を向上させる化合物であることが好ましい。具体的には、公知のシランカップリング剤等も有効である。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、下記式で表される化合物も好ましく採用できる。
(R14-n−Si−(OR2n (H)
上記式(H)中、R1は反応性基を有さない炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R2は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を表し、nは1〜3の整数を表す。
具体例として以下の化合物を挙げることができる。なお、Phはフェニル基を表す。
Figure 2015102756
Figure 2015102756
感光性樹脂組成物における(成分H)アルコキシシラン化合物は、特にこれらに限定することなく、公知のものを使用することができる。
感光性樹脂組成物におけるアルコキシシラン化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、0.5〜20質量部がより好ましい。
(成分I)塩基性化合物
感光性樹脂組成物は、(成分I)塩基性化合物を含有してもよい。
(成分I)塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0204〜0207に記載の化合物が挙げられる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
中でも、複素環式アミンが好ましく、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素が特に好ましい。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
感光性樹脂組成物における塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、0.001〜3質量部であることが好ましく、0.005〜1質量部であることがより好ましい。
(成分J)界面活性剤
感光性樹脂組成物は、(成分J)界面活性剤を含有してもよい。
(成分J)界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤は、ノニオン界面活性剤である。本発明の組成物に用いられる界面活性剤としては、例えば、特開2012−88459号公報の段落0201〜0205に記載のものや、特開2011−215580号公報の段落0185〜0188に記載のものを用いることができ、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP−341、X−22−822(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.99C(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラードノベックFC−4430(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−242(AGCセイミケミカル社製)、PolyFoxPF−6320(OMNOVA社製)、SH−8400(東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、フタージェントFTX−218G(ネオス社製)、パイオニンパイオニンD−6112、パイオニンD−6115、パイオニンD−6112−W、パイオニンD−6108−W、パイオニンD−6115X、パイオニンD−6120X、D−6414、パイオニンD−6512、パイオニンD−6310、パイオニンD−6315、パイオニンD−6320(以上、竹本油脂(株)製)、ニューコール CMP6、ニューコール CMP−11、ニューコール 610、ニューコール 710、ニューコール 710−F、ニューコール 2609、ニューコール 2600−FB(以上、日本乳化剤(株)製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記式(J−1)で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 2015102756
(式(J−1)中、R401及びR403はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。)
上記Lは、下記式(J−2)で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式(J−2)におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
Figure 2015102756
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
感光性樹脂組成物における界面活性剤の添加量は、感光性樹脂組成物中の全固形分100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、0.001〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜3質量部であることが更に好ましい。
(成分K)酸化防止剤
感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体等を挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落0026〜0031に記載の化合物を挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−15、アデカスタブAO−18、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−23、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−37、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−51、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503、アデカスタブA−611、アデカスタブA−612、アデカスタブA−613、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−8W、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブPEP−36Z、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP、アデカスタブCDA−1、アデカスタブCDA−6、アデカスタブZS−27、アデカスタブZS−90、アデカスタブZS−91(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス245FF、イルガノックス1010FF、イルガノックス1010、イルガノックスMD1024、イルガノックス1035FF、イルガノックス1035、イルガノックス1098、イルガノックス1330、イルガノックス1520L、イルガノックス3114、イルガノックス1726、イルガフォス168、イルガモッド295(BASF社製)、チヌビン405(BASF社製)などが挙げられる。中でも、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、イルガノックス1726、イルガノックス1035、イルガノックス1098、チヌビン405を好適に使用することができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、かつ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を感光性樹脂組成物に添加してもよい。
(成分L)2つ以上の窒素原子を有する複素環化合物
本発明の光感光性組成物は、(成分L)2つ以上の窒素原子を有する複素環化合物を含有することが好ましい。成分Lが無機粒子の表面に吸着することで、無機粒子同士の静電反発や立体的な反発を引き起こし、特に組成物を塗布・乾燥した際の無機粒子の凝集を防ぐため、ヘイズが小さくなると推定される。
成分Lとしては、2つ以上の窒素原子を有する以外は特に制限はないが、複素環の環員として2つ以上の窒素原子を有する複素環化合物であることが好ましく、1,3位に窒素原子を少なくとも有する複素環構造を有する化合物であることがより好ましく、1,3位に窒素原子を少なくとも有する5員又は6員複素環構造を有する化合物であることが更に好ましい。上記態様であると、無機粒子の分散性により優れ、ヘイズがより小さい硬化物が得られる。
なお、「1,3位に窒素原子を少なくとも有する複素環構造」とは、複素環中に炭素原子の両側に窒素原子が結合した構造であればよく、正式な命名法における複素環上の1位及び3位でなくともよい。
成分Lにおける複素環の環員は、炭素原子及び窒素原子から少なくとも構成されていることが好ましく、更に酸素原子や硫黄原子を環員として含んでいてもよいが、炭素原子及び窒素原子よりなることが特に好ましい。
成分Lが有する窒素原子の数は、2以上であり、2〜6であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。また、成分Lは、複素環の環員として、窒素原子を2〜4つ有していることが好ましく、2つ又は3つ有していることがより好ましく、2つ有していることが更に好ましい。
成分Lにおける複素環は、飽和複素環であっても、不飽和複素環であってもよく、芳香族複素環であってもよい。
また、成分Lにおける複素環は、更に他の環と縮合していてもよい。また、上記他の環としては、複素環だけでなく、脂肪族環であっても、芳香環であってもよい。
成分Lが有する複素環構造の具体例としては、イミダゾール構造、ベンゾイミダゾール構造、1,2,4−トリアゾール構造、4,5−ジヒドロ−1,2,4−トリアゾール構造、テトラゾール構造、2−イミダゾリン構造、4−イミダゾリン構造(2,3−ジヒドロイミダゾール構造)、イミダゾリジン構造、ピリミジン構造、キノキサリン構造、プリン構造、プテリジン構造、及び、ペリジミン構造よりなる群から選ばれた環構造が好ましく挙げられ、イミダゾール構造、ベンゾイミダゾール構造、1,2,4−トリアゾール構造、4,5−ジヒドロ−1,2,4−トリアゾール構造、テトラゾール構造、2−イミダゾリン構造、4−イミダゾリン構造、イミダゾリジン構造、及び、ピリミジン構造よりなる群から選ばれた環構造がより好ましく挙げられ、ベンゾイミダゾール構造又はイミダゾリジン構造が特に好ましく挙げられる。上記態様であると、金属酸化物粒子の分散性により優れ、ヘイズがより小さい硬化物が得られる。
成分Lは、メルカプト基(−SH)又はチオキソ基(=S)を有することが好ましい。上記態様であると、金属酸化物粒子の分散性により優れ、ヘイズがより小さい硬化物が得られる。
また、成分Lとしては、下記式(L−a)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2015102756
(式(L−a)中、Ra1及びRa2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は一価の有機基を表し、Ra1とRa2とが結合して二価の有機基であってもよく、Ra3及びRa4はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表し、La1は5員環又は6員環を形成する二価の連結基を表し、Ra3又はRa4とLa1とが結合して環を形成していてもよく、また、点線の結合は、点線で記載した含窒素二重結合が存在する場合は、Ra2及びRa4が存在しないことを表し、点線で記載した含窒素二重結合が存在しない場合は、Ra2及びRa4が存在することを表す。)
a1〜Ra4における一価の有機基としては、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、ヘテロ環ジチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、チオウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基が例として挙げられる。また、上記基は、更に置換基により置換されていてもよい。
a1及びRa2における一価の有機基としては、これらの中でも、メルカプト基が特に好ましい。
また、Ra1及びRa2における一価の有機基の炭素数は、0〜20であることが好ましく、0〜8であることがより好ましく、0であることが特に好ましい。
また、Ra1とRa2とが結合して形成する二価の有機基としては、オキソ基、チオキソ基、アルキリデン基等が例として挙げられる。これらの中でも、チオキソ基が特に好ましい。
a1及びRa2はそれぞれ独立に、水素原子又はメルカプト基であることが特に好ましく、また、Ra1とRa2とが結合して二価の有機基を形成する場合は、チオキソ基であることが特に好ましい。
a3及びRa4における一価の有機基としては、アルキル基又はアリール基が好ましく、モルフォリノメチル基又はフェニル基がより好ましい。また、上記アルキル基又はアリール基は、置換基により置換されていてもよい。
a3及びRa4における一価の有機基の炭素数は、0〜20であることが好ましく、1〜10であることがより好ましく、4〜8であることが更に好ましい。
a3及びRa4はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、水素原子、メチル基、モルフォリノメチル基又はフェニル基であることがより好ましく、水素原子、メチル基又はフェニル基であることが更に好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
a1は5員環又は6員環を形成する二価の連結基を表し、式(L−a)中の炭素原子と2つの窒素原子とともに複素環を形成する。
二価の連結基としては、式(L−a)中の炭素原子と2つの窒素原子とともに5員複素環又は6員複素環を形成する基であれば、特に制限はないが、その環員が、炭素原子及び/又は窒素原子から形成される基であることが好ましく、前述した複素環構造の具体例を形成する基であることがより好ましい。中でも、ベンゾイミダゾール構造を形成する基、すなわち、1,2−フェニレン基、イミダゾリジン構造を形成する基、すなわち、1,2−エチレン基、1,1−ジメチル−1,2−エチレン基、又は、エテン−1,2−ジイル基であることが更に好ましく、1,2−エチレン基、1,1−ジメチル−1,2−エチレン基、又は、エテン−1,2−ジイル基であることが特に好ましい。
更に、成分Lとしては、下記式(L−a−1)又は式(L−a−2)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2015102756
(式(L−a−1)及び式(L−a−2)中、Ra6〜Ra8はそれぞれ独立に、水素原子又は一価の有機基を表し、La2及びLa3はそれぞれ独立に、5員環又は6員環を形成する二価の連結基を表し、Ra6とLa2とが結合して環を形成していてもよく、Ra7又はRa8とLa3とが結合して環を形成していてもよい。)
式(L−a−1)又は式(L−a−2)におけるRa6〜Ra8は、上記式(L−a)におけるRa3及びRa4と同義であり、好ましい態様も同様である。
また、式(L−a−1)又は式(L−a−2)におけるLa2及びLa3は、上記式(L−a)におけるLa1と同義であり、好ましい態様も同様である。
成分Lの好ましい具体例(L−1〜L−14)を以下に示す。ただし、本発明においては、これらに制限されるものではない。
Figure 2015102756
これらの中でも、L−3〜L−14が好ましく、L−3、L−5、L−6、L−9、L−12、L−13又はL−14がより好ましく、L−5、L−9、L−12、L−13又はL−14が特に好ましい。
また、成分Lは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
感光性樹脂組成物における成分Lの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましく、0.5〜10質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、無機粒子の分散性により優れ、ヘイズがより小さい硬化物が得られる。
<酸増殖剤>
感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いることができる。
本発明に用いることができる酸増殖剤は、酸触媒反応によって更に酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。
このような酸増殖剤の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0226〜0228に記載の酸増殖剤が挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
このような化合物は、1回の反応で1つ以上の酸が増えるため、反応の進行に伴って加速的に反応が進むが、発生した酸自体が自己分解を誘起するため、ここで発生する酸の強度は、酸解離定数、pKaとして3以下であることが好ましく、2以下であることが特に好ましい。
酸増殖剤の具体例としては、特開平10−1508号公報の段落0203〜0223、特開平10−282642号公報の段落0016〜0055、及び、特表平9−512498号公報第39頁12行目〜第47頁2行目に記載の化合物を挙げることができる。
本発明で用いることができる酸増殖剤としては、酸発生剤から発生した酸によって分解し、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、フェニルホスホン酸などのpKaが3以下の酸を発生させる化合物を挙げることができる。
具体的には、以下の化合物等を挙げることができる。
Figure 2015102756
酸増殖剤の感光性樹脂組成物への含有量は、光酸発生剤100質量部に対して、10〜1,000質量部とするのが、露光部と未露光部との溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500質量部とするのが更に好ましい。
<現像促進剤>
感光性樹脂組成物は、現像促進剤を含有することができる。
現像促進剤としては、現像促進効果のある任意の化合物を使用できるが、カルボキシル基、フェノール性水酸基、及び、アルキレンオキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも一種の構造を有する化合物であることが好ましく、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物がより好ましく、フェノール性水酸基を有する化合物が最も好ましい。
現像促進剤としては、特開2012−042837号公報の段落0171〜0172の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
感光性樹脂組成物における現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、感光性樹脂組成物の全固形分100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
また、現像促進剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、150〜1,500がより好ましく、150〜1,000が更に好ましい。
<可塑剤>
本発明の樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジメチルグリセリンフタレート、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。
本発明の樹脂組成物における可塑剤の含有量は、成分Cの含有量100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
また、その他の添加剤としては特開2012−8223号公報の段落0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、国際公開第2011/136074号に記載の窒素含有化合物及び熱酸発生剤も用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
感光性樹脂組成物は、インクジェット塗布適性向上の観点から、感光性樹脂組成物の固形分は40質量%以下の範囲であることが好ましく、35質量%以下の範囲であることがより好ましい。また、良好にインクジェット吐出を行えるという観点から、固形分は、30質量%以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、吐出安定性、及び、ハンドリング性に優れる。
また、感光性樹脂組成物における固形分の範囲は、10〜30質量%であることが好ましく、12〜30質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、より高い吐出安定性を実現することができる。
感光性樹脂組成物の25℃における表面張力は、18mN/m以上35mN/m以下であることが好ましく、22mN/m以上35mN/m以下であることがより好ましく、26mN/m以上32mN/m以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、吐出安定性、及び、ハンドリング性に優れる。
なお、感光性樹脂組成物の25℃における表面張力の測定方法としては、公知の方法を用いることができるが、吊輪法、又は、ウィルヘルミー法で測定することが好ましい。例えば、協和界面科学(株)製自動表面張力計CBVP−Zを用いて測定する方法、又は、KSV INSTRUMENTS LTD社製 SIGMA702を用いて測定する方法が好ましく挙げられる。
感光性樹脂組成物の調製方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合撹拌し、溶解又は分散して感光性樹脂組成物を調製することができる。また、例えば、各成分を、それぞれ予め溶剤に溶解又は分散させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した感光性樹脂組成物は、例えば孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<濃色組成物の作製>
濃色組成物は、まず表1に記載の量のK顔料分散物1、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」ともいう。)をはかり取り、温度24℃(±2℃)で混合して150RPMで10分間撹拌し、次いで、表1に記載の量のメチルエチルケトン(以下、「MEK」ともいう。)、バインダー2、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、「MEHQ」ともいう。)、DPHA溶液、IRGACURE OXE01(BASF社製)(以下、「OXE01」ともいう。)、界面活性剤溶液をはかり取り、温度25℃(±2℃)でこの順に添加して、温度40℃(±2℃)で150RPM30分間撹拌することによって得た。なお、下記表1に記載の量は質量部であり、詳しくは以下の組成となっている。
<K顔料分散物1>
・カーボンブラック(デグッサ社製Nipex35):13.1%
・分散剤DISPERBYK−111(ビックケミー・ジャパン(株)製):0.65%
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=72/28(モル比)のランダム共重合物、分子量3.7万):6.72%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製):79.53%
<バインダー2>
・ポリマー(ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=78/22(モル比)のランダム共重合物、分子量3.8万):27%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製):73%
<DPHA溶液>
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA):76%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製):24%
<界面活性剤溶液>
・F−554(フッ素系界面活性剤、DIC(株)製メガファックF−554)のMEK(丸善石油化学(株)製)30%溶液
Figure 2015102756
<MATHFの合成>
メタクリル酸(86g、1mol)を15℃に冷却しておき、カンファースルホン酸(4.6g,0.02mol)添加した。その溶液に、2−ジヒドロフラン(71g、1mol、1.0当量)を滴下した。1時間撹拌した後に、飽和炭酸水素ナトリウム(500mL)を加え、酢酸エチル(500mL)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥後、不溶物を濾過後40℃以下で減圧濃縮し、残渣の黄色油状物を減圧蒸留して沸点(bp.)54〜56℃/3.5mmHg留分のメタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(MATHF)125gを無色油状物として得た(収率80%)。
〔重合体C1の合成〕
3つ口フラスコにMEDG(89g)を入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。その溶液にMAA(全単量体成分中の9.5mol%となる量)、MATHF(全単量体成分中の43mol%となる量)、GMA(全単量体成分中の47.5mol%に相当)、V−65(全単量体成分の合計100mol%に対して4mol%に相当)を溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後2時間撹拌し、反応を終了させた。それにより重合体C1を得た。なお、MEDGとその他の成分の合計量との比を70:30とした。すなわち、固形分濃度30%の重合体溶液を調製した。なお、重合体C1の重量平均分子量(Mw)は、12,000であった。
上記重合体C1の合成において使用した化合物は、以下の通りである。
MEDG:ジエチレングリコールエチルメチルエーテル(東邦化学工業(株)製、ハイソルブEDM)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)
MATHF:メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(上記合成品)
GMA:グリシジルメタクリレート(和光純薬工業(株)製)
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
<分散液Pの調製>
下記組成の分散液を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17,000部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行った。ジルコニアビ−ズ(0.3mmφ)をろ別し、分散液Pを得た。
・二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:TTO−51(A)、平均一次粒径:10〜30nm):1,875部
・DISPERBYK−111(ビックケミー・ジャパン(株)製)30%PGMEA溶液:2,200部
・溶剤 PGMEA(昭和電工(株)製):3,425部
<感光性樹脂組成物1の調製>
下記組成にて、配合し混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、実施例1の感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物の固形分は17.0%であり、この感光性組成物を用い、後述する各種評価を行った。評価結果を後述の表3に示す。
・溶剤EDE(ジエチレングリコールジエチルエーテル(東邦化学工業(株)製)):307.5部
・塩基性化合物I1(下記化合物、東洋化成工業(株)製、CMTU):0.02部
・重合体C1:100.0部
・光酸発生剤D1(下記化合物):1.9部
・アルコキシシラン化合物H1(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、KBM−403、信越化学工業(株)製):1.7部
・界面活性剤W1(パーフルオロアルキル基含有ノニオン界面活性剤、F−554、DIC(株)製):0.08部
・分散液P:181.7部
・下記化合物L1:0.2部
<感光性樹脂組成物2の調製>
上記感光性樹脂組成物1の調製において、分散液Pと化合物L1とを使用しなかった以外は、感光性樹脂組成物1と同様に作製した。
光酸発生剤D1:下記に示す構造(合成例を後述する。)
Figure 2015102756
<D1の合成>
2−ナフトール(10g)、クロロベンゼン(30mL)の懸濁溶液に塩化アルミニウム(10.6g)、2−クロロプロピオニルクロリド(10.1g)を添加し、混合液を40℃に加熱して2時間反応させた。氷冷下、反応液に4NHCl水溶液(60mL)を滴下し、酢酸エチル(50mL)を添加して分液した。有機層に炭酸カリウム(19.2g)を加え、40℃で1時間反応させた後、2NHCl水溶液(60mL)を添加して分液し、有機層を濃縮後、結晶をジイソプロピルエーテル(10mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してケトン化合物(6.5g)を得た。
得られたケトン化合物(3.0g)、メタノール(30mL)の懸濁溶液に酢酸(7.3g)、50質量%ヒドロキシルアミン水溶液(8.0g)を添加し、加熱還流した。放冷後、水(50mL)を加え、析出した結晶をろ過、冷メタノール洗浄後、乾燥してオキシム化合物(2.4g)を得た。
得られたオキシム化合物(1.8g)をアセトン(20mL)に溶解させ、氷冷下トリエチルアミン(1.5g)、p−トルエンスルホニルクロリド(2.4g)を添加し、室温(25℃)に昇温して1時間反応させた。反応液に水(50mL)を添加し、析出した結晶をろ過後、メタノール(20mL)でリスラリーし、ろ過、乾燥してD1の化合物(上述の構造)(2.3g)を得た。
なお、D1の1H−NMRスペクトル(300MHz、CDCl3)は、δ=8.3(d,1H),8.0(d,2H),7.9(d,1H),7.8(d,1H),7.6(dd,1H),7.4(dd,1H)7.3(d,2H),7.1(d,1H),5.6(q,1H),2.4(s,3H),1.7(d,3H)であった。
Figure 2015102756
Figure 2015102756
<額縁付き基板の作製>
洗浄した100mm×100mmのガラス基板(商品名:XG、コーニング社製)上に、スリット状ノズルを有すガラス基板用コーター(エフ・エー・エス・アジア社製、商品名:MH−1600)にて、上記濃色組成物を塗布した。引き続きVCD(真空乾燥装置、東京応化工業(株)製)で30秒間、溶媒の一部を乾燥して塗布層の流動性を無くした後、120℃3分間プリベークして濃色感光層K1を得た。
超高圧水銀灯を有すプロキシミティー型露光機(日立ハイテク電子エンジニアリング(株)製)で、額縁パターンを有す石英露光マスクを介して、露光量300mJ/cm2でパターン露光した。
次に、純水をシャワーノズルにて噴霧して、濃色感光層K1の表面を均一に湿らせた後、KOH系現像液(水酸化カリウム(KOH)、ノニオン界面活性剤含有、商品名:CDK−1、富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)を100倍希釈したものにて23℃80秒、フラットノズル圧力0.04MPaでシャワー現像しパターニング画像を得た。引き続き、超純水を、超高圧洗浄ノズルにて9.8MPaの圧力で噴射して残渣除去を行い、大気下にて露光量2,000mJ/cm2にてポスト露光を行って額縁部を作製した基板を得た。額縁部の幅は、基板の外縁から5,000μmであり、額縁部の膜厚は、それぞれ所望の厚さに変更したものを得た。
(実施例1〜35、及び、比較例1〜5)
<インクジェットによる塗布基板の作製>
インクジェット塗布装置:ダイマティックス・マテリアル・プリンターDMP−2831(FUJIFILM Dimatix社製、駆動電圧16V、周波数5kHz)
得られた感光性樹脂組成物を上記装置にて上記で得られた額縁部を作製した基板へのインクジェット塗布を実施した。塗布条件(膜厚、額縁部の内辺からの距離)を後述する表2に記載の塗布条件にそれぞれ変更し、評価基板を得た。
<評価>
上記で得られた評価基板を、ホットプレートにて80℃×200sec(プリベーク)した後、遮蔽部が40μm×70μmのマスクを介して、ghi線高圧水銀灯露光機を用いて、エネルギー強度20mW/cm2にて各露光量にて露光した。
その後、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)0.4%濃度の現像液にて、現像し純水にてリンスして、画像形成を行った。
各基板において、残渣が発生した場合は、再度、基板を作製し、残渣が除去するまで露光量を調整し、残渣除去に必要な露光量を表3に記載した。残渣レベルの実用範囲は3以上である。
−残渣レベルの判断基準−
1:残渣除去に必要な露光量が1,000mJ/cm2より大きい
2:残渣除去に必要な露光量が500mJ/cm2より大きく1,000mJ/cm2以下
3:残渣除去に必要な露光量が100mJ/cm2より大きく500mJ/cm2以下
4:残渣除去に必要な露光量が50mJ/cm2より大きく100mJ以下/cm2
5:残渣除去に必要な露光量が50mJ/cm2以下
なお、実施例1〜10では、表2に記載の塗布条件で図1及び図2に示すようにインクジェット塗布を行い、実施例11〜20では、表2に記載の塗布条件で図3及び図4に示すようにインクジェット塗布を行い、実施例21〜35及び比較例1〜5では、表2に記載の塗布条件で図5及び図6に示すようにインクジェット塗布を行った。
また、評価は、実施例1〜20については、内部領域及びその端部の盛り上がり箇所にいて、実施例21〜35及び比較例1〜5については、内部領域及びその端部の盛り上がり箇所、並びに、周縁領域について行った。
また、各膜厚(平均膜厚、平均乾燥膜厚)は、走査型電子顕微鏡(SEM)による断面観察により20点測定し、平均値を算出した。
Figure 2015102756
Figure 2015102756
なお、表2及び表3における露光パターンの欄は同じものである。
また、表2及び表3における用語の説明を以下に記載する。
・露光量(パターン形成):パネル表示領域にてパターン形成する露光量
・露光量:露光量(パターン形成)では除去できなかった残渣が除去可能になった露光量
・内部領域端部の盛り上がり箇所:溶剤除去乾燥時における表面張力の釣り合いにより、感光性樹脂組成物層の端部は、図10に示すような状態となっている場合が多く、現像残渣が生じ易い箇所である。
・表2の比較例3における1):表示領域における有効画数が少ない態様となった。有効画素数が不足につき、パネル適性が無く、総合評価はNGとした。
・総合評価:2種の残渣レベル評価が評価されている場合はその平均値、1種のみの残渣レベル評価の場合はその評価値とした。3以上が実用レベルである。ただし、1つでも実用レベル未満(2以下)の項目がある場合は、(平均値−0.5)の値を総合評価の値とした。
上記表3に示す結果から明らかなとおり、本発明の製造方法は、現像残渣額縁部を有する基板を使用しても現像残渣の発生の少ない基板を得られ、現像残渣発生レベルが優れている。これに対し、比較例の製造方法は、現像残渣の発生が多く、現像残渣発生レベルが劣ることが分かった。
(実施例36)
以下に述べる方法により本発明の製造方法、及び、上記実施例で作製した感光性樹脂組成物を用いてタッチパネル表示装置を作製した。
<第一の透明電極パターンの形成>
[透明電極層の形成]
あらかじめ膜厚20μmにてマスク層(額縁部)が形成された強化処理ガラス(300mm×400mm×0.7mm)の前面板を、真空チャンバー内に導入し、SnO2含有率が10質量%のITOターゲット(インジウム:錫=95:5(モル比))を用いて、DCマグネトロンスパッタリング(条件:基材の温度250℃、アルゴン圧0.13Pa、酸素圧0.01Pa)により、厚さ40nmのITO薄膜を形成し、透明電極層を形成した前面板を得た。ITO薄膜の表面抵抗は80Ω/□であった。
次いで、市販のエッチングレジストをITO上に塗布・乾燥し、エッチングレジスト層を形成した。露光マスク(透明電極パターンを有す石英露光マスク)面と該エッチングレジスト層との間の距離を100μmに設定し、露光量50mJ/cm2(i線)でパターン露光したのち、専用の現像液で現像を行い、更に130℃30分間のポストベーク処理を行って、透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成した前面板を得た。
透明電極層とエッチング用光硬化性樹脂層パターンとを形成した前面板を、ITOエッチャント(塩酸、塩化カリウム水溶液。液温30℃)を入れたエッチング槽に浸漬し、100秒処理し、エッチングレジスト層で覆われていない露出した領域の透明電極層を溶解除去し、エッチングレジスト層パターンのついた透明電極層パターン付の前面板を得た。
次に、エッチングレジスト層パターンのついた透明電極層パターン付の前面板を、専用のレジスト剥離液に浸漬し、エッチング用光硬化性樹脂層を除去し、マスク層と第一の透明電極パターンとを形成した前面板を得た。
[絶縁層の形成]
マスク層と第一の透明電極パターンとを形成した前面板の上に、実施例で作製した感光性樹脂組成物1を実施例31の条件にてインクジェットによる塗布・乾燥し、感光性樹脂組成物層を得た。露光マスク(絶縁層用パターンを有す石英露光マスク)面と該感光性樹脂組成物層との間の距離を30μmに設定し、露光量50mJ/cm2(i線)でパターン露光した。
次に、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により23℃で15秒間浸液盛り法にて現像し、更に超純水で10秒間リンスした。続いて220℃45分のポストベーク処理を行って、マスク層、第一の透明電極パターン、絶縁層パターンを形成した前面板を得た。現像残渣の発生も無く、良好な前面板を得られた。
<第二の透明電極パターンの形成>
[透明電極層の形成]
上記第一の透明電極パターンの形成と同様にして、絶縁層パターンまで形成した前面板をDCマグネトロンスパッタリング処理し(条件:基材の温度50℃、アルゴン圧0.13Pa、酸素圧0.01Pa)、厚さ80nmのITO薄膜を形成し、透明電極層を形成した前面板を得た。ITO薄膜の表面抵抗は110Ω/□であった。
第一の透明電極パターンの形成と同様にして、市販のエッチングレジストを用いて、第一の透明電極パターン、実施例で作製した感光性樹脂組成物1を用いて形成した絶縁層パターン、透明電極層、エッチングレジストパターンを形成した前面板を得た(ポストベーク処理;130℃30分間)。
更に、第一の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチングし、エッチングレジスト層を除去することにより、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例で作製した感光性樹脂組成物1を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターンを形成した前面板を得た。
<第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素の形成>
上記第一、及び、第二の透明電極パターンの形成と同様にして、第一の透明電極パターン、実施例で作製した感光性樹脂組成物1を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターンを形成した前面板をDCマグネトロンスパッタリング処理し、厚さ200nmのアルミニウム(Al)薄膜を形成した前面板を得た。
上記第一、及び、第二の透明電極パターンの形成と同様にして、市販のエッチングレジストを用いて、第一の透明電極パターン、実施例で作製した感光性樹脂組成物1を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、エッチングレジストパターンを形成した前面板を得た。(ポストベーク処理;130℃30分間)。
更に、第一の透明電極パターンの形成と同様にして、エッチング(30℃50秒間)し、エッチングレジスト層を除去(45℃200秒間)することにより、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例で作製した感光性樹脂組成物1を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素を形成した前面板を得た。
<透明保護層の形成>
絶縁層の形成と同様にして、上記第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素まで形成した前面板に、実施例で作製した感光性樹脂組成物2を塗布・乾燥(膜厚1μm、90℃120秒)し、感光性樹脂組成物膜を得た。更に、露光マスクを介さずに露光量50mJ/cm2(i線)で前面露光し、現像、ポスト露光(1,000mJ/cm2)、ポストベーク処理を行って、マスク層、第一の透明電極パターン、実施例で作製した感光性樹脂組成物1を用いて形成した絶縁層パターン、第二の透明電極パターン、第一及び第二の透明電極パターンとは別の導電性要素の全てを覆うように実施例で作製した感光性樹脂組成物2を用いて形成した絶縁層(透明保護層)を積層した前面板を得た。
<画像表示装置(タッチパネル)の作製>
特開2009−47936号公報に記載の方法で製造した液晶表示素子に、先に製造した前面板を貼り合わせ、公知の方法で静電容量型入力装置を構成要素として備えた画像表示装置を作製した。
<前面板、及び、画像表示装置の評価>
第一の透明電極パターン、第二の透明電極パターン、及び、これらとは別の導電性要素の、各々の導電性には問題がなく、一方で、第一の透明電極パターンと第二の透明電極パターンの間では絶縁性を有してあり、タッチパネルとして良好な表示特性が得られた。更に、第一及び第二の透明電極パターンは視認されにくく、表示特性に優れた画像表示装置が得られた。
2:基板、4:額縁部、6:額縁部4の内辺、8:周縁領域、10:感光性樹脂組成物、12:内部領域、14:額縁部4の平均膜厚(FT−A)、16:内部領域12における感光性樹脂組成物10の平均乾燥膜厚(FT−B)、18:感光性樹脂組成物10の未塗布領域、20:額縁部4上の感光性樹脂組成物10の塗布領域、22:額縁内縁領域、24:薄塗り領域、26:薄塗り領域12における感光性樹脂組成物10の平均乾燥膜厚(FT−C)、28:内部領域端部の盛り上がり箇所(ツノ)、30:静電容量型タッチパネル、31:前面板(基板)、32:マスク層(額縁部)、33:第一の透明電極パターン、33a:パッド部分、33b:接続部分、34:第二の透明電極パターン、35:絶縁層、36:導電性要素、37:透明保護層、38:開口部

Claims (13)

  1. (1)溶剤を含有する感光性樹脂組成物を基板にインクジェット法により塗布する塗布工程、
    (2)塗布された感光性樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程、
    (3)活性放射線で露光する露光工程、及び、
    (4)水性現像液で現像する現像工程、を有し、
    前記基板が、少なくとも一方の面上において、前記基板の外周部分に形成された額縁部と、前記額縁部の内辺に接する周縁領域と、前記周縁領域に囲まれた内部領域とを有し、
    前記内部領域には、前記工程(1)において感光性樹脂組成物が塗布され、
    前記額縁部の平均膜厚(FT−A)が、0.3〜50μmであり、
    前記内部領域における前記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)が、0.2〜10.0μmであり、
    前記FT−Aと前記FT−Bとの比が、下記式(I)を満たし、
    前記周縁領域が、前記額縁部の内辺から200〜50,000μm内側までの領域であり、
    前記工程(1)において、前記周縁領域の少なくとも一部に、前記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、前記内部領域における前記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように前記感光性樹脂組成物を塗布することを特徴とする
    タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
    1.5≦(FT−A)/(FT−B)<200 (I)
  2. 前記工程(1)において、前記額縁部上の前記額縁部の内辺から200μm以上外側までの額縁内縁領域に、前記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、前記内部領域における前記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように前記感光性樹脂組成物を塗布する、請求項1に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  3. 前記工程(1)において、前記額縁部上の前記額縁内縁領域より外側の少なくとも一部に前記感光性樹脂組成物を更に塗布する、請求項2に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  4. 前記基板が、四辺形であり、
    前記工程(1)において、少なくとも前記周縁領域中の前記基板の対向する2辺に対応する領域に、前記感光性樹脂組成物を塗布しないか、又は、前記内部領域における前記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように前記感光性樹脂組成物を塗布する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  5. 前記感光性樹脂組成物の25℃における粘度が、10mPa・s以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  6. 現像された前記感光性樹脂組成物由来の層が、タッチパネル又はディスプレイパネルにおいて層間絶縁膜を形成している、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  7. 前記額縁部は、少なくともその内辺側の端部において、前記額縁部の内辺に向かうにつれて徐々に前記額縁部の厚さが薄くなるテーパーを有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  8. 前記感光性樹脂組成物が、ポジ型感光性樹脂組成物である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  9. 前記工程(1)において、前記周縁領域の少なくとも一部に、前記内部領域における前記感光性樹脂組成物の平均乾燥膜厚(FT−B)の1/2以下の平均乾燥膜厚となるように前記感光性樹脂組成物を塗布する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  10. 前記感光性樹脂組成物が、(成分A)無機粒子、(成分B)溶剤、(成分C)重合体成分、及び、(成分D)光酸発生剤を含有し、
    成分Cが、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有する重合体を含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネル。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のタッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法により製造されたタッチパネル又はディスプレイパネルを備えた表示装置。
  13. 透光性の基板、
    前記基板の少なくとも一方の面上の外縁部分に形成された額縁部、及び、
    前記額縁部により区画された表示領域を備え、
    前記表示領域は、前記額縁部の内辺に接する周縁領域と、前記周縁領域に囲まれた内部領域とを有し、
    前記内部領域は、少なくとも1層のパターン状の硬化膜を少なくとも有し、
    前記周縁領域の少なくとも一部には、少なくとも1層のパターン状の硬化膜を有し、
    前記額縁部の平均膜厚(FT’−A)が、0.3〜50μmであり、
    前記内部領域における前記硬化膜の平均膜厚(FT’−B)が、0.2〜10.0μmであり、
    前記周縁領域が、前記額縁部の内辺から200〜50,000μm内側までの領域であり、
    前記周縁領域における前記硬化膜の平均膜厚(FT’−C)が、FT’−Bの1/2以下であり、
    前記FT’−Aと前記FT’−Bとの比が、下記式(I’)を満たすことを特徴とする
    タッチパネル又はディスプレイパネル。
    1.5≦(FT’−A)/(FT’−B)<200 (I’)
JP2013244318A 2013-11-26 2013-11-26 タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置 Pending JP2015102756A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244318A JP2015102756A (ja) 2013-11-26 2013-11-26 タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013244318A JP2015102756A (ja) 2013-11-26 2013-11-26 タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015102756A true JP2015102756A (ja) 2015-06-04

Family

ID=53378472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013244318A Pending JP2015102756A (ja) 2013-11-26 2013-11-26 タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015102756A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210578A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 協立化学産業株式会社 硬化性樹脂組成物
JP2020030448A (ja) * 2018-08-20 2020-02-27 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 静電容量式タッチセンサおよびその製造方法
JPWO2020032133A1 (ja) * 2018-08-09 2021-05-13 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物及びレジストパターンの形成方法
US11535764B2 (en) 2016-11-14 2022-12-27 Kao Corporation Aqueous gravure ink

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017210578A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 協立化学産業株式会社 硬化性樹脂組成物
US11535764B2 (en) 2016-11-14 2022-12-27 Kao Corporation Aqueous gravure ink
JPWO2020032133A1 (ja) * 2018-08-09 2021-05-13 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物及びレジストパターンの形成方法
JP7422664B2 (ja) 2018-08-09 2024-01-26 旭化成株式会社 感光性樹脂組成物及びレジストパターンの形成方法
JP2020030448A (ja) * 2018-08-20 2020-02-27 地方独立行政法人大阪産業技術研究所 静電容量式タッチセンサおよびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2014126034A1 (ja) インクジェット塗布用感光性樹脂組成物、熱処理物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、液晶表示装置、有機el表示装置、タッチパネル及びその製造方法、並びに、タッチパネル表示装置
JP6224725B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
JP5904890B2 (ja) 感光性転写材料、硬化膜の製造方法、有機el表示装置の製造方法、液晶表示装置の製造方法および静電容量型入力装置の製造方法
KR101856554B1 (ko) 감광성 수지 조성물, 경화물 및 그 제조 방법, 수지 패턴 제조 방법, 경화막, 액정 표시 장치, 유기 el 표시 장치, 적외선 차단 필터, 또한 고체 촬상 장치
KR101848331B1 (ko) 감광성 수지 조성물, 경화물 및 그 제조 방법, 수지 패턴 제조 방법, 경화막, 액정 표시 장치, 유기 el 표시 장치, 적외선 차단 필터, 또한 고체 촬상 장치
WO2014199967A1 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
JP6041883B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
JP6038951B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
WO2014136922A1 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
JP2015207284A (ja) パターン形成方法、硬化物、タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、及び、表示装置
JP2016071245A (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
JP6012750B2 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物の製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、有機el表示装置、液晶表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
KR20160038849A (ko) 감광성 수지 조성물, 경화물과 그 제조 방법, 수지 패턴 제조 방법, 경화막, 액정 표시 장치, 유기 el 표시 장치, 및 터치 패널 표시 장치
JP2015102756A (ja) タッチパネル又はディスプレイパネルの製造方法、タッチパネル、ディスプレイパネル、及び、表示装置
WO2014065351A1 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、有機el表示装置、液晶表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
JP2014085612A (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、有機el表示装置、液晶表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
JP2014102391A (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、有機el表示装置、液晶表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
JPWO2013191155A1 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化膜の製造方法、硬化膜、有機el表示装置および液晶表示装置
JP2014071308A (ja) 感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置
WO2014126036A1 (ja) 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに、タッチパネル表示装置
JP2014238438A (ja) 感光性樹脂組成物、樹脂パターン製造方法、硬化物、硬化膜、液晶表示装置、有機el表示装置、及び、タッチパネル表示装置
JP2015103102A (ja) タッチパネル又はディスプレイパネル、及びその製造方法、並びに、表示装置
JP2014071300A (ja) 感光性樹脂組成物、これを用いた硬化膜の製造方法、硬化膜、液晶表示装置および有機el表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150331