JP2016071245A - 感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに、タッチパネル表示装置 - Google Patents

感光性樹脂組成物、硬化物及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、硬化膜、液晶表示装置、有機el表示装置、並びに、タッチパネル表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】得られる硬化物の光学濃度が高く、感度に優れ、現像後の硬化物の細線密着性に優れる感光性樹脂組成物、上記感光性樹脂組成物を硬化させた硬化物、硬化膜及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、並びに、上記硬化膜を有する液晶表示装置、有機EL表示装置及びタッチパネル表示装置を提供すること。【解決手段】成分Aとして、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び酸基を有する構成単位を有する重合体、成分Bとして、光酸発生剤、成分Cとして、溶剤、成分Dとして、架橋性基を有し分子量が100〜2,000の範囲である化合物、並びに、成分Sとして、カーボンブラック、を含有し、成分Sの含有量が、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、35〜60質量%であることを特徴とする感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物(以下、単に、「本発明の樹脂組成物」又は「本発明の組成物」ということがある。)に関する。また、上記感光性樹脂組成物を用いた樹脂パターン製造方法、上記感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化物、上記感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、及び、上記硬化膜を用いた各種画像表示装置に関する。
更に詳しくは、液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル表示装置などに用いられるカラーフィルターのブラックマトリックス(遮光性カラーフィルター)の形成に好適な、感光性樹脂組成物及びそれを用いた硬化膜の製造方法に関する。
液晶表示装置に用いられるカラーフィルターには着色画素間の光を遮蔽し、コントラストを向上させる等の目的で、ブラックマトリックスと呼ばれる遮光膜が備えられている。また、固体撮像素子においてもノイズ発生防止、画質の向上等を目的としてブラックマトリックスが設けられている。一般に、ブラックマトリックスは、遮光性の黒色色材を分散させた重合性組成物と、重合性化合物、重合開始剤、その他の成分とを含有して重合性組成物とし、これをパターン形成することで製造される。
従来の感光性樹脂組成物としては、特許文献1又は2に記載されたものが知られている。
特開2006−251296号公報 特開平5−341530号公報
近年では、液晶表示装置、有機EL表示装置、及び、タッチパネル表示装置に用いられるブラックマトリックスとしては、開口率の高い表示装置にするため、より細線化が可能であることが好ましい。したがって、より少ない露光量で解像可能であり、出来上がったパターンが細線であっても密着性に優れることが求められる。特許文献1及び2に記載された組成物は、感度及び細線密着の観点でまだ充分でなかった。
本発明が解決しようとする課題は、得られる硬化物の光学濃度が高く、感度に優れ、現像後の硬化物の細線密着性に優れる感光性樹脂組成物、上記感光性樹脂組成物を硬化させた硬化物、硬化膜及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、並びに、上記硬化膜を有する液晶表示装置、有機EL表示装置及びタッチパネル表示装置を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の<1>、<8>〜<11>又は<13>〜<15>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<7>及び<12>と共に以下に記載する。
<1>成分Aとして、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び酸基を有する構成単位を有する重合体、成分Bとして、光酸発生剤、成分Cとして、溶剤、成分Dとして、架橋性基を有し分子量が100〜2,000の範囲である化合物、並びに、成分Sとして、カーボンブラック、を含有し、成分Sの含有量が、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、35〜60質量%であることを特徴とする感光性樹脂組成物、
<2>上記架橋性基が、エポキシ基、オキセタニル基、及び、−NH−CH−ORよりなる群から選ばれた少なくとも1種の基である、<1>に記載の感光性樹脂組成物、
ただし、上記Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。
<3>感光性樹脂組成物の酸性基当量が、有機固形分1gあたり、500〜10,000である、<1>又は<2>に記載の感光性樹脂組成物、
<4>感光性樹脂組成物の架橋性基当量が、有機固形分1gあたり、80〜500である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<5>成分Eとして、分散剤を更に含有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<6>成分Dの含有量が、感光性樹脂組成物のカーボンブラック以外の固形分100質量部に対し、2〜30質量%である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物、
<7>成分Aにおける上記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位の酸基が酸分解性基で保護された基の総数m1と上記酸基を有する構成単位の酸基の総数m2との比が、m1:m2=0.5〜20:1である、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
<8>少なくとも工程a〜工程cをこの順に含むことを特徴とする硬化物の製造方法、
工程a:<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程b:塗布された樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程c:溶剤が除去された樹脂組成物を熱処理する熱処理工程、又は、溶剤が除去された樹脂組成物に活性光線を照射する露光工程
<9>少なくとも工程1〜工程4をこの順に含むことを特徴とする樹脂パターン製造方法、
工程1:<1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
工程2:塗布された樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
工程3:溶剤が除去された樹脂組成物を活性光線によりパターン状に露光する露光工程
工程4:露光された樹脂組成物及び未露光の樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
<10><8>に記載の硬化物の製造方法、又は、<9>に記載の樹脂パターン製造方法により得られた硬化物、
<11><1>〜<7>のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、
<12>遮光性カラーフィルターである、<11>に記載の硬化膜、
<13><11>又は<12>に記載の硬化膜を有する液晶表示装置、
<14><11>又は<12>に記載の硬化膜を有する有機EL表示装置、
<15><11>又は<12>に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
本発明によれば、得られる硬化物の光学濃度が高く、感度に優れ、現像後の硬化物の細線密着性に優れる感光性樹脂組成物、上記感光性樹脂組成物を硬化させた硬化物、硬化膜及びその製造方法、樹脂パターン製造方法、並びに、上記硬化膜を有する液晶表示装置、有機EL表示装置及びタッチパネル表示装置を提供することができた。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、本発明において、「酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び酸基を有する構成単位を有する重合体」等を、単に「成分A」等ともいい、「酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位a1」等を、単に「構成単位a1」等ともいう。
更に、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本発明において、「質量%」と「重量%」とは同義であり、「質量部」と「重量部」とは同義である。
また、本発明において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(感光性樹脂組成物)
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Aとして、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び酸基を有する構成単位を有する重合体、成分Bとして、光酸発生剤、成分Cとして、溶剤、成分Dとして、架橋性基を有し分子量が100〜2,000の範囲である化合物、並びに、成分Sとして、カーボンブラック、を含有し、成分Sの含有量が、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、35〜60質量%であることを特徴とする。
一般に、レジストとして利用可能な感光性樹脂組成物において、黒色顔料を多く添加する等の方法により、得られる硬化物の光学濃度を高めると、それに反比例し、光等の活性放射線への感度が当然低下する。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、カーボンブラックを特定量含有し、かつ含有する重合体が保護されていない酸基を有し、更に上記特定の架橋剤を含有することにより、得られる硬化物の光学濃度が高く、感度に優れ、更に、現像後の硬化物の細線密着性に優れる感光性樹脂組成物が得られることを見いだした。
詳細な効果の発現機構は不明であるが、保護されていない酸基を有する重合体とカーボンブラックと上記架橋剤とが何らか協奏的に作用し、光学濃度が高く、かつ感度に優れると推定される。また、光学濃度が高く、かつ感度に優れるため、細線の断面形状が順テーパーとなり、細線のサイドからの現像液の圧力を受け流せる形となり、細線形成時の密着が有利な形状となり、現像後の硬化物の細線密着性に優れると推定される。
本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型レジスト組成物として好適に用いることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、熱により硬化する性質を有する樹脂組成物であることが好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、ポジ型感光性樹脂組成物であることが好ましく、化学増幅型のポジ型感光性樹脂組成物(化学増幅ポジ型感光性樹脂組成物)であることがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、活性光線に感応する光酸発生剤として1,2−キノンジアジド化合物を含まない方が好ましい。1,2−キノンジアジド化合物は、逐次型光化学反応によりカルボキシ基を生成するが、その量子収率は必ず1以下である。
これに対して、本発明で使用する光酸発生剤は、活性光線に感応して生成される酸が、成分A中の保護された酸基の脱保護に対して触媒として作用するので、1個の光量子の作用で生成した酸が、多数の脱保護反応に寄与し、量子収率は1を超え、例えば、10の数乗のような大きい値となり、いわゆる化学増幅の結果として、高感度が得られる。
更に、本発明の感光性樹脂組成物は、カラーフィルターのブラックマトリックス(遮光性カラーフィルター)用感光性樹脂組成物であることが好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物を硬化させた硬化膜又は硬化物は、各種表示装置における遮光膜又は遮光部材として好適に用いることができる。
以下、本発明の感光性樹脂組成物について詳細に説明する。
成分S:カーボンブラック
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Sとして、カーボンブラックを含有する。
本発明に用いられるカーボンブラックは、組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。
カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなどが含まれる。なお、カーボンブラックは、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。また、カーボンブラックは、公知の方法により表面処理が施されていてもよい。
また、本発明に用いられるカーボンブラックは、特開2009−178869号公報の段落0130〜0134に記載されたもの例示でき、また、「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編を参照することができる。
カーボンブラックの形状は、特に制限はないが、粒子状であることが好ましい。
カーボンブラックの粒子径は、特に制限はないが、分散性、着色性の観点から、平均1次粒子径が3nm以上2,000nm以下の範囲であることが好ましく、平均1次粒子径が10nm以上500nm以下の範囲であることがより好ましく、平均1次粒子径が10nm以上100nm以下の範囲であることが更に好ましい。
カーボンブラックの粒子径は、以下の方法により測定することができる。
粒径の測定方法としては、透過型電子顕微鏡を用いて粒子を直接観察し、短軸径や長軸径を計測する方法や、小角エックス線散乱法を用いて被測定物中に含有する所定の粒子径に対する粒子含有率を定める方法により、測定できることが知られている。
また、本発明におけるカーボンブラックには、必要に応じて体質顔料(extender pigment)を添加してもよい。このような体質顔料としては、例えば、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、塩基性炭酸マグネシウム、アルミナ白、グロス白、サターン白、ハイドロタルサイト等を挙げることができる。これらの体質顔料は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。体質顔料の使用量は、カーボンブラック100質量部に対して、0〜100質量部であることが好ましく、5〜50質量部であることがより好ましく、10〜40質量部であることが更に好ましい。本発明において、上記カーボンブラック及び体質顔料は、場合により、それらの表面をポリマーで改質して使用することができる。
カーボンブラックは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物におけるカーボンブラックの含有量は、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、35〜60質量%であり、40〜60質量%であることが好ましく、41〜58質量%であることがより好ましく、45〜55質量%であることが更に好ましい。上記範囲であると、得られる硬化物の光学濃度がより高く、また、感度にもより優れる。なお、感光性樹脂組成物の固形分とは、溶剤などの揮発性成分を除いた成分を表す。
また、本発明の感光性樹脂組成物には、カーボンブラック以外の遮光用顔料を混合して使用してもよい。
このような混合可能な遮光用顔料としては、可視光領域に吸光度を有するものであれば特に限定はされず、上記した体質顔料、チタンブラック、C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,80、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、C.I.Pigment Brown 25,28、C.I.Pigment Black 1等の有機顔料等を挙げることができる。
カーボンブラック以外の遮光用顔料を混合して使用する例として、カーボンブラックとチタンブラックとを6:1で混合した物、カーボンブラックと酸化チタンとを3:1で混合した物などが挙げられる。
混合して使用するカーボンブラック以外の遮光用顔料は、カーボンブラック100質量部に対して、0〜90質量部の範囲で用いることが好ましく、0〜50質量部の範囲で用いることがより好ましい。
本発明において、カーボンブラックは、適当な分散剤及び溶剤中でボールミル、ロッドミル等の混合装置を用いて混合・分散することにより調製された分散液として使用に供することもできる。
上記分散液の調製に使用される溶剤としては、例えば、成分Cとして後述する溶剤のほか、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、ネオペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類等を挙げることができる。
これらの溶剤は、1種単独又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明に用いることができるカーボンブラックは、カーボンブラック分散液として感光性樹脂組成物の製造に使用してもよい。
上記カーボンブラック分散液は、分散液中のカーボンブラックの含有量が5〜99質量%となるように調整されることが好ましく、40〜92質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることが更に好ましい。
成分A:酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び酸基を有する構成単位を有する重合体
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Aとして、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び酸基を有する構成単位を有する重合体を含有する。
なお、本発明において、「酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位」を「酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位a1」又は「構成単位a1」ともいう。
成分Aは、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸及び/若しくはそのエステルに由来する構成単位、並びに/又は、ヒドロキシスチレン及び/若しくはそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。なお、上記以外の構成単位、例えば、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
なお、「(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位」を「アクリル系構成単位」ともいう。また、「(メタ)アクリル酸」は、「メタクリル酸及び/又はアクリル酸」を意味するものとする。
<酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位a1>
成分Aは、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位a1を少なくとも有する重合体を含む。成分Aが構成単位a1を有する重合体を含むことにより、極めて高感度な感光性樹脂組成物とすることができる。
本発明における「酸基が酸分解性基で保護された基」は、酸基及び酸分解性基として公知のものを使用でき、特に限定されない。具体的な酸基としては、カルボキシル基、及び、フェノール性水酸基が好ましく挙げられる。また、酸分解性基としては、酸により比較的分解しやすい基(例えば、後述する式a1−10で表される基のエステル構造、テトラヒドロピラニルエステル基、又は、テトラヒドロフラニルエステル基等のアセタール系官能基)や酸により比較的分解しにくい基(例えば、tert−ブチルエステル基等の第三級アルキルエステル基、tert−ブチルカーボネート基等の第三級アルキルカーボネート基)を用いることができる。
酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位a1は、カルボキシル基が酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位(「酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位」ともいう。)、又は、フェノール性水酸基が酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位(「酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位」ともいう。)であることが好ましい。
以下、酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1と、酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2について、順にそれぞれ説明する。
<<酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1>>
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1は、カルボキシル基を有する構成単位のカルボキシル基が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護カルボキシル基を有する構成単位である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1に用いることができる上記カルボキシル基を有する構成単位としては、特に制限はなく公知の構成単位を用いることができる。例えば、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位a1−1−1や、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位a1−1−2が挙げられる。
以下、上記カルボキシル基を有する構成単位として用いられる分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位a1−1−1と、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位a1−1−2について、それぞれ順に説明する。
<<<分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位a1−1−1>>>
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位a1−1−1として本発明で用いられる不飽和カルボン酸としては以下に挙げるようなものが用いられる。すなわち、不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸、けい皮酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸などが挙げられる。また、不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸などが挙げられる。また、カルボキシル基を有する構成単位を得るために用いられる不飽和多価カルボン酸は、その酸無水物であってもよい。具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などが挙げられる。また、不飽和多価カルボン酸は、多価カルボン酸のモノ(2−メタクリロイロキシアルキル)エステルであってもよく、例えば、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)などが挙げられる。更に、不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレートであってもよく、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、アクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸−2−カルボキシエチルエステル、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等も用いることができる。
中でも、現像性の観点から、上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位(a1−1−1)を形成するためには、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、又は、不飽和多価カルボン酸の無水物等を用いることが好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、を用いることがより好ましい。
上記分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位a1−1−1は、1種単独で構成されていてもよいし、2種以上で構成されていてもよい。
<<<エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位a1−1−2>>>
エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位a1−1−2は、エチレン性不飽和基を有する構成単位中に存在する水酸基と酸無水物とを反応させて得られたモノマーに由来する単位であることが好ましい。
上記酸無水物としては、公知のものが使用でき、具体的には、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水クロレンド酸等の二塩基酸無水物;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ビフェニルテトラカルボン酸無水物などの酸無水物が挙げられる。これらの中では、現像性の観点から、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、又は、無水コハク酸が好ましい。
上記酸無水物の水酸基に対する反応率は、現像性の観点から、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは30〜100モル%である。
−構成単位a1−1に用いることができる酸分解性基−
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1に用いることができる上記酸分解性基としては上述の酸分解性基を用いることができる。
これらの酸分解性基の中でもカルボキシル基がアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、コンタクトホールの形成性、感光性樹脂組成物の保存安定性の観点から好ましい。更に酸分解性基の中でもカルボキシル基が下記式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、カルボキシル基が下記式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護カルボキシル基である場合、保護カルボキシル基の全体としては、−(C=O)−O−CR101102(OR103)の構造となっている。
Figure 2016071245
式a1−10中、R101及びR102はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、但し、R101とR102とが共に水素原子の場合を除く。R103は、アルキル基又はアリール基を表す。R101又はR102と、R103とが連結して環状エーテルを形成してもよい。
上記式a1−10中、R101及びR102はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、R103はアルキル基又はアリール基を表し、上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。ここで、R101及びR102の双方が水素原子を表すことはなく、R101及びR102の少なくとも一方はアルキル基を表す。
上記式a1−10において、R101、R102及びR103がアルキル基を表す場合、上記アルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
上記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜12であることが好ましく、炭素数1〜6であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが更に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基(2,3−ジメチル−2−ブチル基)、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。
上記環状アルキル基としては、炭素数3〜12であることが好ましく、炭素数4〜8であることがより好ましく、炭素数4〜6であることが更に好ましい。上記環状アルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基等を挙げることができる。
上記アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基が例示できる。置換基としてハロゲン原子を有する場合、R101、R102、R103はハロアルキル基となり、置換基としてアリール基を有する場合、R101、R102、R103はアラルキル基となる。
上記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示され、これらの中でも、フッ素原子又は塩素原子が好ましい。
また、上記アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜12のアリール基がより好ましい。具体的には、フェニル基、α−メチルフェニル基、ナフチル基等が例示でき、アリール基で置換されたアルキル基全体、すなわち、アラルキル基としては、ベンジル基、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等が例示できる。
上記アルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が更に好ましい。
また、上記アルキル基がシクロアルキル基である場合、上記シクロアルキル基は置換基として炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を有していてもよく、アルキル基が直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である場合には、置換基として炭素数3〜12のシクロアルキル基を有していてもよい。
これらの置換基は、上記置換基で更に置換されていてもよい。
上記式a1−10において、R101、R102及びR103がアリール基を表す場合、上記アリール基は炭素数6〜12であることが好ましく、炭素数6〜10であることがより好ましい。上記アリール基は置換基を有していてもよく、上記置換基としては炭素数1〜6のアルキル基が好ましく例示できる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等が例示できる。
また、R101、R102及びR103は互いに結合して、それらが結合している炭素原子と一緒になって環を形成することができる。R101とR102、R101とR103又はR102とR103が結合した場合の環構造としては、例えばシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロフラニル基、アダマンチル基及びテトラヒドロピラニル基等を挙げることができる。
なお、上記式a1−10において、R101及びR102のいずれか一方が、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
上記式a1−10で表される保護カルボキシル基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、特開2011−221494号公報の段落0037〜0040に記載の合成方法などで合成することができる。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1の第一の好ましい態様は、下記式で表される構成単位である。
Figure 2016071245
式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基又はアリール基を表し、少なくともR1及びR2のいずれか一方がアルキル基又はアリール基であり、R3は、アルキル基又はアリール基を表し、R1又はR2と、R3とが連結して環状エーテルを形成してもよく、R4は、水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合又はアリーレン基を表す。
1及びR2がアルキル基の場合、炭素数は1〜10のアルキル基が好ましい。R1及びR2がアリール基の場合、フェニル基が好ましい。R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
3は、アルキル基又はアリール基を表し、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、1〜6のアルキル基がより好ましい。
Xは、単結合又はアリーレン基を表し、単結合が好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1の第二の好ましい態様は、下記式の構造単位である。
Figure 2016071245
式中、R121は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、L1はカルボニル基又はフェニレンカルボニル基を表し、R122〜R128はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
121は水素原子又はメチル基が好ましい。
1はカルボニル基が好ましい。
122〜R128は、水素原子が好ましい。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できる。なお、Rは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2016071245
<<酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2>>
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2は、フェノール性水酸基を有する構成単位が、以下で詳細に説明する酸分解性基によって保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位である。
<<<フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2−1>>>
上記フェノール性水酸基を有する構成単位としては、ヒドロキシスチレン系構成単位やノボラック系の樹脂における構成単位が挙げられるが、これらの中では、ヒドロキシスチレン又はα−メチルヒドロキシスチレンに由来する構成単位が、感度の観点から好ましい。また、フェノール性水酸基を有する構成単位として、下記式a1−20で表される構成単位も、感度の観点から好ましい。
Figure 2016071245
式a1−20中、R220は水素原子又はメチル基を表し、R221は単結合又は二価の連結基を表し、R222はハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を表し、aは1〜5の整数を表し、bは0〜4の整数を表し、a+bは5以下である。なお、R222が2以上存在する場合、これらのR222は相互に異なっていてもよいし同じでもよい。
上記式a1−20中、R220は水素原子又はメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
また、R221は単結合又は二価の連結基を表す。単結合である場合には、感度を向上させることができ、更に硬化膜の透明性を向上させることができるので好ましい。R221の二価の連結基としてはアルキレン基が例示でき、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が更に好ましい。R221がアルキレン基である場合の具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、tert−ブチレン基、ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。中でも、R221が単結合、メチレン基、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、又は、2−ヒドロキシ−1,3−プロピレン基であることが好ましい。また、上記二価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基等が挙げられる。また、aは1〜5の整数を表すが、本発明の効果の観点や、製造が容易であるという点から、aは1又は2であることが好ましく、aが1であることがより好ましい。
また、ベンゼン環における水酸基の結合位置は、R221と結合している炭素原子を基準(1位)としたとき、4位に結合していることが好ましい。
222はそれぞれ独立に、ハロゲン原子又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。中でも製造が容易であるという点から、塩素原子、臭素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
また、bは0又は1〜4の整数を表す。
−構成単位a1−2に用いることができる酸分解性基−
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2に用いることができる上記酸分解性基としては、上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1に用いることができる上記酸分解性基と同様に、公知のものを使用でき、特に限定されない。酸分解性基の中でもアセタールで保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位であることが、感光性樹脂組成物の基本物性、特に感度やパターン形状、感光性樹脂組成物の保存安定性、コンタクトホールの形成性の観点から好ましい。更に、酸分解性基の中でもフェノール性水酸基が上記式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基であることが、感度の観点からより好ましい。なお、フェノール性水酸基が上記式a1−10で表されるアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基である場合、保護フェノール性水酸基の全体としては、−Ar−O−CR101102(OR103)の構造となっている。なお、Arはアリーレン基を表す。
フェノール性水酸基のアセタールエステル構造の好ましい例は、R101=水素原子、R102=R103=メチル基の組み合わせやR101=水素原子、R102=メチル基でR103=ベンジル基の組み合わせ、R101=水素原子、R102=メチル基でR103=エチル基の組み合わせが例示できる。
また、フェノール性水酸基がアセタールの形で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位を形成するために用いられるラジカル重合性単量体としては、例えば、特開2011−215590号公報の段落0042に記載のものなどが挙げられる。
これらの中で、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートの1−アルコキシアルキル保護体、4−ヒドロキシフェニルメタクリレートのテトラヒドロピラニル保護体が透明性の観点から好ましい。
フェノール性水酸基のアセタール保護基の具体例としては、1−アルコキシアルキル基が挙げられ、例えば、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−(2−クロロエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−シクロヘキシルエトキシ)エチル基、1−ベンジルオキシエチル基などを挙げることができ、これらは1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2を形成するために用いられるラジカル重合性単量体は、市販のものを用いてもよいし、公知の方法で合成したものを用いることもできる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物を酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させることにより合成することができる。上記の合成はフェノール性水酸基を有するモノマーをその他のモノマーと予め共重合させておき、その後に酸触媒の存在下でビニルエーテルと反応させてもよい。
上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2の好ましい具体例としては、下記の構成単位が例示できるが、本発明はこれらに限定されるものではない。下記具体例中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
Figure 2016071245
−構成単位a1の好ましい態様−
構成単位a1は、成分A中、20〜100モル%が好ましく、30〜90モル%がより好ましく、50〜80モル%が更に好ましい。
なお、本発明において、「構成単位」の含有量をモル比で規定する場合、当該「構成単位」は「モノマー単位」と同義であるものとする。また、本発明において当該「モノマー単位」は、高分子反応等により重合後に修飾されていてもよい。以下においても同様である。
上記酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1は、上記酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2に比べると、現像が速いという特徴がある。よって、速く現像したい場合には酸分解性基で保護された保護カルボキシル基を有する構成単位a1−1が好ましい。逆に現像を遅くしたい場合には酸分解性基で保護された保護フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2を用いることが好ましい。
<酸基を有する構成単位a2>
成分Aは、酸基を有する構成単位を有する。
なお、本発明において、「酸基を有する構成単位」を「酸基を有する構成単位a2」又は「構成単位a2」ともいう。
成分Aが酸基を有することにより、アルカリ性の現像液に溶けやすくなり、現像性が良くなるだけでなく、感度に優れ、更に現像後の硬化物の細線密着性にも優れる。
本発明における酸基とは、pKaが11より小さいプロトン解離性基を意味する。酸基は、通常、酸基を形成しうるモノマーを用いて、酸基を含む構成単位として、重合体に組み込まれる。このような酸基を含む構成単位を重合体中に含めることにより、アルカリ性の現像液に対して溶けやすくなる傾向にある。
本発明で用いられる酸基としては、カルボン酸基、スルホンアミド基、ホスホン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、並びに、これらの酸基の酸無水物基、及び、これらの酸基を中和し塩構造とした基等が例示され、カルボン酸基及び/又はフェノール性水酸基が好ましい。上記塩としては、特に制限はないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及び、有機アンモニウム塩が好ましく例示できる。
本発明で用いられる酸基を含む構成単位は、スチレンに由来する構成単位や、ビニル化合物に由来する構成単位、(メタ)アクリル酸及び/又はそのエステルに由来する構成単位であることがより好ましい。例えば、特開2012−88459号公報の段落0021〜0023及び段落0029〜0044記載の化合物を用いることができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。中でも、p−ヒドロキシスチレン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸に由来する構成単位が好ましい。
酸基を有する構成単位a2としては、感度の観点から、カルボキシル基を有する構成単位、又は、フェノール性水酸基を有する構成単位が好ましく、カルボキシル基を有する構成単位がより好ましい。
酸基を有する構成単位a2として具体的には、上述した分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和カルボン酸等に由来する構成単位a1−1−1、エチレン性不飽和基と酸無水物由来の構造とを共に有する構成単位a1−1−2、フェノール性水酸基を有する構成単位a1−2−1が挙げられ、好ましい態様も同様である。
中でも、酸基を有する構成単位a2としては、メタクリル酸、アクリル酸及びp−ヒドロキシスチレンよりなる群から選ばれた化合物由来の構成単位(下記式a2−1〜式a2−3のいずれかで表される構成単位)であることが好ましく、メタクリル酸由来の構成単位(下記式a2−1で表される構成単位)又はアクリル酸由来の構成単位(下記式a2−2で表される構成単位)であることがより好ましく、メタクリル酸由来の構成単位(下記式a2−1で表される構成単位)であることが更に好ましい。
Figure 2016071245
−構成単位a2の好ましい態様−
成分Aは、酸基を有する構成単位a2を、1種単独で有していても、2種以上を有していてもよい。
酸基を有する構成単位a2は、成分A中、1〜80モル%が好ましく、1〜50モル%がより好ましく、5〜40モル%が更に好ましく、5〜30モル%が特に好ましく、5〜20モル%が最も好ましい。
また、成分Aにおける構成単位a1の酸基が酸分解性基で保護された基の総数m1と構成単位a2の酸基の総数m2との比は、m1:m2=0.5〜20:1であることが好ましく、1〜10:1であることがより好ましく、3〜10:1であることが更に好ましい。
<その他の構成単位a3>
本発明において、成分Aは、上記構成単位a1及び構成単位a2に加えて、これら以外の他の構成単位a3を有していてもよい。
その他の構成単位a3となるモノマーとしては、特に制限はなく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、不飽和ジカルボン酸ジエステル、ビシクロ不飽和化合物類、マレイミド化合物類、不飽和芳香族化合物を挙げることができる。
その他の構成単位a3を形成するモノマーは、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
その他の構成単位a3は、具体的には、スチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、アセトキシスチレン、メトキシスチレン、エトキシスチレン、クロロスチレン、ビニル安息香酸メチル、ビニル安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸(3−メタクリロイルオキシプロピル)エステル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、アクリロニトリル、エチレングリコールモノアセトアセテートモノ(メタ)アクリレートなどによる構成単位を挙げることができる。この他、特開2004−264623号公報の段落0021〜0024に記載の化合物を挙げることができる。
また、その他の構成単位a3としては、スチレン類、又は、脂肪族環式骨格を有するモノマー由来の構成単位が、電気特性の観点で好ましい。具体的にはスチレン、メチルスチレン、α−メチルスチレン、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更にまた、その他の構成単位a3としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル由来の構成単位が、密着性の観点で好ましい。具体的には(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。
成分Aを構成する全構成単位中、上記の構成単位a3の含有率は、60モル%以下が好ましく、50モル%以下がより好ましく、40モル%以下が更に好ましく、30モル%以下が特に好ましい。下限値としては、0モル%でもよいが、例えば、1モル%以上とすることが好ましく、5モル%以上とすることがより好ましい。上記数値範囲であると、感光性樹脂組成物から得られる硬化膜の諸特性が良好となる。
本発明では、成分Aとは別に、実質的に構成単位a1及び構成単位a2を含まずに他の構成単位a3を有する重合体を含んでいてもよい。
このような重合体としては、側鎖にカルボキシル基を有する樹脂が好ましい。例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボキシル基を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等が挙げられ、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。実質的に含まないとは重合体中の重量割合が1質量%以下であることをいう。
例えば、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
その他にも、特開平7−207211号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−140144号公報、特開平11−174224号公報、特開2000−56118号公報、特開2003−233179号公報、特開2009−52020号公報等に記載の公知の高分子化合物を使用することができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
これらの重合体は、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。
これらの重合体として、市販されている、SMA 1000P、SMA 2000P、SMA 3000P、SMA 1440F、SMA 17352P、SMA 2625P、SMA 3840F(以上、サートマー社製)、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3510、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920、ARUFON UC−3080(以上、東亞合成(株)製)、JONCRYL 690、JONCRYL 678、JONCRYL 67、JONCRYL 586(以上、BASF社製)等を用いることもできる。
−成分Aにおける重合体の分子量−
成分Aにおける重合体の分子量は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、好ましくは1,000〜200,000、より好ましくは2,000〜50,000、更に好ましくは10,000〜20,000の範囲である。上記の数値の範囲内であると、諸特性が良好である。数平均分子量Mnと重量平均分子量Mwとの比(分散度、Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.5〜3.5がより好ましい。
なお、本発明における重量平均分子量や数平均分子量の測定は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)法により測定することが好ましい。本発明におけるゲル浸透クロマトグラフィ法による測定は、HLC-8020GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super HZ M-H、TSK gel Super HZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー(株)製、4.6mmID×15cm)を、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いることが好ましい。
−成分Aにおける重合体の製造方法−
また、成分Aにおける重合体の合成法についても、様々な方法が知られているが、一例を挙げると、少なくとも上記構成単位a1及び構成単位a2を形成するために用いられるラジカル重合性単量体を含むラジカル重合性単量体混合物を有機溶剤中、ラジカル重合開始剤を用いて重合することにより合成することができる。また、いわゆる高分子反応で合成することもできる。
成分Aは、1種単独で含有していても、2種以上を含有していてもよい。
本発明の感光性樹脂組成物中における成分Aの含有量は、感光性樹脂組成物のカーボンブラック以外の全固形分に対して、30〜99質量%であることが好ましく、40〜98質量%であることがより好ましく、60〜95質量%であることが更に好ましい。含有量がこの範囲であると、本発明の効果がより奏される。
−感光性樹脂組成物における酸性基当量−
感光性樹脂組成物の固形分中の酸性基当量について説明する。
有機固形分中の酸性基当量とは、組成物の有機固形分中に酸性基が1molある場合の有機固形分の質量(g)である。組成物の有機固形分を一定量はかり取り、その有機固形分中に含まれる酸性基量を測定することで求めることができる。なお、ここでいう有機固形分とは、組成物の固形分中からカーボンブラックなどの顔料成分を除いた、有機物の固形分を意味する。
具体的には、本発明の感光性樹脂組成物よりカーボンブラックを沈降させたものを試料とし、測定を行う。カーボンブラックの沈降については、一旦、感光性樹脂組成物を溶剤により希釈し行ってもよい。酸性基量の測定はJIS K0070:1992に規定される化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法に従い求めることができる。
本発明の感光性樹脂組成物における酸性基当量は、感光性樹脂組成物の有機固形分1gあたり、10,000以下が好ましく、5,000以下がより好ましく、3,500以下が更に好ましい。下限値については、現像性の観点から、500以上が好ましい。なお、感光性樹脂組成物の有機固形分とは、溶剤などの揮発性成分、及び、カーボンブラックなどの無機成分を除いた成分を表す。
成分B:光酸発生剤
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Bとして、光酸発生剤を含有する。
本発明で使用される光酸発生剤としては、波長300nm以上、好ましくは波長300〜450nmの活性光線に感応し、酸を発生する化合物が好ましいが、その化学構造に制限されるものではない。また、波長300nm以上の活性光線に直接感応しない光酸発生剤についても、増感剤と併用することによって波長300nm以上の活性光線に感応し、酸を発生する化合物であれば、増感剤と組み合わせて好ましく用いることができる。本発明で使用される光酸発生剤としては、pKaが4以下の酸を発生する光酸発生剤が好ましく、pKaが3以下の酸を発生する光酸発生剤がより好ましく、pKaが2以下の酸を発生する光酸発生剤が最も好ましい。
光酸発生剤の例として、トリクロロメチル−s−トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩(オニウム塩)、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。これらの中でも、絶縁性、感度の観点から、オキシムスルホネート化合物を用いることが好ましい。これら光酸発生剤は、1種単独又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。トリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四級アンモニウム塩類、及び、ジアゾメタン誘導体の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0083〜0088に記載の化合物が例示できる。
オキシムスルホネート化合物、すなわち、オキシムスルホネート構造を有する化合物としては、下記式B1で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物が好ましく例示でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
Figure 2016071245
式B1中、R21は、アルキル基又はアリール基を表し、波線部分は他の基との結合箇所を表す。)
いずれの基も置換されてもよく、R21におけるアルキル基は直鎖状でも分岐状でも環状でもよい。許容される置換基は以下に説明する。
21のアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。R21のアルキル基は、炭素数6〜11のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、又は、シクロアルキル基(7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基などの有橋式脂環基を含む、好ましくはビシクロアルキル基等)で置換されてもよい。
21のアリール基としては、炭素数6〜11のアリール基が好ましく、フェニル基又はナフチル基がより好ましい。R21のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基又はハロゲン原子で置換されてもよい。
上記式B1で表されるオキシムスルホネート構造を含有する上記化合物は、下記式B2で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2016071245
式B2中、R42は、アルキル基又はアリール基を表し、Xは、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表し、m4は、0〜3の整数を表し、m4が2又は3である場合、複数のXは同一でも異なっていてもよい。
Xとしてのアルキル基は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルキル基が好ましい。
Xとしてのアルコキシ基は、炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状アルコキシ基が好ましい。
Xとしてのハロゲン原子は、塩素原子又はフッ素原子が好ましい。
m4は、0又は1が好ましい。
上記式B2中、m4が1であり、Xがメチル基であり、Xの置換位置がオルト位であり、R42が炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニルメチル基、又は、p−トルイル基である化合物が特に好ましい。
上記式B1で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記式B3で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2016071245
式B3中、R43は、アルキル基又はアリール基を表し、X1は、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、シアノ基又はニトロ基を表し、n4は0〜5の整数を表す。
上記式B3におけるR43としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、p−トリル基、4−クロロフェニル基又はペンタフルオロフェニル基が好ましく、n−オクチル基が特に好ましい。
1としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
n4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1が特に好ましい。
上記式B3で表される化合物の具体例及び好ましいオキシムスルホネート化合物の具体例としては、特開2012−163937号公報の段落0080〜0082の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
上記式B1で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記式OS−1で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2016071245
上記式OS−1中、R101は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、シアノ基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R102は、アルキル基、又は、アリール基を表す。
101は−O−、−S−、−NH−、−NR105−、−CH2−、−CR106H−、又は、−CR105107−を表し、R105〜R107はアルキル基、又は、アリール基を表す。
121〜R124はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アミド基、スルホ基、シアノ基、又は、アリール基を表す。R121〜R124のうち2つは、それぞれ互いに結合して環を形成してもよい。
121〜R124としてはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は、アルキル基が好ましく、また、R121〜R124のうち少なくとも2つが互いに結合してアリール基を形成する態様もまた、好ましく挙げられる。中でも、R121〜R124がいずれも水素原子である態様が感度の観点から好ましい。
既述の官能基は、いずれも、更に置換基を有していてもよい。
上記式OS−1で表される化合物は、例えば、特開2012−163937号公報の段落0087〜0089に記載されている式OS−2で表される化合物であることが好ましく、この内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明に好適に用いうる上記式OS−1で表される化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0128〜0132に記載の化合物(例示化合物b−1〜b−34)が挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
本発明では、上記式B1で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物としては、下記式OS−3、下記式OS−4又は下記式OS−5で表されるオキシムスルホネート化合物であることが好ましい。
Figure 2016071245
式OS−3〜式OS−5中、R22、R25及びR28はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R23、R26及びR29はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子を表し、R24、R27及びR30はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルキルオキシ基、スルホン酸基、アミノスルホニル基又はアルコキシスルホニル基を表し、X1〜X3はそれぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子を表し、n1〜n3はそれぞれ独立に、1又は2を表し、m1〜m3はそれぞれ独立に、0〜6の整数を表す。
また、上記式B1で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、例えば、特開2012−163937号公報の段落0117に記載されている、一般式OS−6〜OS−11のいずれかで表される化合物であることが特に好ましく、この内容は本願明細書に組み込まれる。
上記一般式OS−6〜OS−11における好ましい範囲は、特開2011−221494号公報の段落0110〜0112に記載される一般式OS−6〜OS−11の好ましい範囲と同様である。
上記式OS−3〜上記式OS−5で表されるオキシムスルホネート化合物の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0114〜0120に記載の化合物が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
上記式B1で表されるオキシムスルホネート構造を含有する化合物は、下記式B1−4で表されるオキシムスルホネート化合物であることも好ましい。
Figure 2016071245
式B1−4中、Rb1は、アルキル基又はアリール基を表し、Rb2は、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。Rb3〜Rb6は、それぞれ、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子を表す。ただし、Rb3とRb4、Rb4とRb5、又はRb5とRe6が結合して脂環又は芳香環を形成してもよい。Xbは、−O−又は−S−を表す。
b1は、アルキル基又はアリール基を表す。アルキル基は、分岐構造を有するアルキル基又は環状構造のアルキル基が好ましい。
アルキル基の炭素数は、好ましくは3〜10である。特にアルキル基が分岐構造を有する場合、炭素数3〜6のアルキル基が好ましく、環状構造を有する場合、炭素数5〜7のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、例えば、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基などが挙げられ、好ましくは、イソプロピル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基である。
アリール基の炭素数は、好ましくは6〜12であり、より好ましくは6〜8であり、更に好ましくは6〜7である。上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられ、好ましくは、フェニル基である。
b1が表すアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、直鎖、分岐又は環状のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基など)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、カルボキシル基、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、ヒドラジノ基、ヘテロ環基などが挙げられる。また、これらの基によって更に置換されていてもよい。好ましくは、ハロゲン原子、メチル基である。
本発明の感光性樹脂組成物は、透明性の観点から、Rb1はアルキル基が好ましく、保存安定性と感度とを両立させる観点から、Rb1は、炭素数3〜6の分岐構造を有するアルキル基、炭素数5〜7の環状構造のアルキル基、又は、フェニル基が好ましく、炭素数3〜6の分岐構造を有するアルキル基、又は炭素数5〜7の環状構造のアルキル基がより好ましい。このようなかさ高い基(特に、かさ高いアルキル基)をRb1として採用することにより、透明性をより向上させることが可能になる。
かさ高い置換基の中でも、イソプロピル基、tert−ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、tert−ブチル基、シクロヘキシル基がより好ましい。
b2は、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。Rb2が表すアルキル基としては、炭素数1〜10の、直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好ましい。上記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、好ましくは、メチル基である。
アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。上記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、p−トルイル基(p−メチルフェニル基)などが挙げられ、好ましくは、フェニル基、p−トルイル基である。
ヘテロアリール基としては、例えば、ピロール基、インドール基、カルバゾール基、フラン基、チオフェン基などが挙げられる。
b2が表すアルキル基、アリール基、及びヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、Rb1が表すアルキル基及びアリール基が有していてもよい置換基と同義である。
b2は、アルキル基又はアリール基が好ましく、アリール基がより好ましく、フェニル基がより好ましい。フェニル基の置換基としてはメチル基が好ましい。
b3〜Rb6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)を表す。Rb3〜Rb6が表すアルキル基としては、Rb2が表すアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。また、Rb3〜Rb6が表すアリール基としては、Rb1が表すアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
b3〜Rb6のうち、Rb3とRb4、Rb4とRb5、又は、Rb5とRb6が結合して環を形成してもよく、環としては、脂環又は芳香環を形成していることが好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
b3〜Rb6は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、又は、Rb3とRb4、Rb4とRb5、若しくは、Rb5とRb6が結合してベンゼン環を構成していることが好ましく、水素原子、メチル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は、Rb3とRb4、Rb4とRb5、若しくは、Rb5とRb6が結合してベンゼン環を構成していることがより好ましい。
b3〜Rb6の好ましい態様は以下の通りである。
態様1:少なくとも2つは水素原子である。
態様2:アルキル基、アリール基、又は、ハロゲン原子の数は、1つ以下である。
態様3:Rb3とRb4、Rb4とRb5、又は、Rb5とRb6が結合してベンゼン環を構成している。
態様4:上記態様1と2を満たす態様、及び/又は、上記態様1と3を満たす態様。
bは、−O−又は−S−を表す。
上記式B1−4の具体例としては、以下のような化合物が挙げられるが、本発明では特にこれに限定されない。なお、例示化合物中、Tsはトシル基(p−トルエンスルホニル基)を表し、Meはメチル基を表し、Buはn−ブチル基を表し、Phはフェニル基を表す。
Figure 2016071245
成分Bは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
本発明の感光性樹脂組成物において、光酸発生剤は、感光性樹脂組成物中の成分A100質量部に対して、0.1〜15質量部使用することが好ましく、0.5〜10質量部使用することがより好ましい。
成分C:溶剤
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Cとして、溶剤を含有する。
本発明の感光性樹脂組成物は、必須成分と、更に後述の任意の成分を溶剤に溶解又は分散した液として調製されることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。また、本発明の感光性樹脂組成物に使用される溶剤の具体例としては特開2011−221494号公報の段落0174〜0178に記載の溶剤、特開2012−194290号公報の段落0167〜0168に記載の溶剤も挙げられ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、これらの溶剤に更に必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナール、ベンジルアルコール、アニソール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等の溶剤を添加することもできる。
これら溶剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、又は、2種を併用することが好ましい。
また、成分Cとしては、沸点130℃以上160℃未満の溶剤、沸点160℃以上の溶剤、又は、これらの混合物であることが好ましい。
沸点130℃以上160℃未満の溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点158℃)、プロピレングリコールメチル−n−ブチルエーテル(沸点155℃)、プロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル(沸点131℃)が例示できる。
沸点160℃以上の溶剤としては、3−エトキシプロピオン酸エチル(沸点170℃)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル(沸点176℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート(沸点160℃)、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)、3−メトキシブチルエーテルアセテート(沸点171℃)、ジエチレングリコールジエチエルエーテル(沸点189℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(沸点162℃)、プロピレングリコールジアセテート(沸点190℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(沸点220℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(沸点175℃)、1,3−ブチレングリコールジアセテート(沸点232℃)が例示できる。
これらの中でも、溶剤としては、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類及びエステル類よりなる群から選ばれた少なくとも1種の溶剤が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル及び/又は3−エトキシプロピオン酸エチルがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル及び3−エトキシプロピオン酸エチルが特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物における溶剤の含有量は、感光性樹脂組成物中の、10〜95質量%であることが好ましく、50〜95質量%であることがより好ましく、60〜90質量%であることが更に好ましい。
(成分D)架橋性基を有し、かつ分子量が100〜2,000の範囲である化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Dとして、架橋性基を有し、かつ分子量が100〜2,000の範囲である化合物(以下、単に「架橋剤」ともいう。)を含有する。架橋剤を添加することにより、本発明の感光性樹脂組成物により得られる硬化膜をより強固な膜とすることができる。また、成分Dは、上記酸分解性基を有しない化合物であることが好ましい。
架橋剤としては、熱によって架橋反応が起こるものであれば制限はない(ただし、成分Aを除く。)。すなわち、架橋剤としては熱架橋剤が好適に使用される。例えば、以下に述べる分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物、ブロックイソシアネート化合物、又は、アルコキシシラン化合物等を添加することができる。中でも、分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物が好ましく、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物がより好ましい。
成分Dの分子量は、100〜2,000の範囲であり、150〜1,000の範囲であることが好ましく、180〜800の範囲であることがより好ましく、200〜500の範囲であることが更に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中における成分Dの総含有量は、感光性樹脂組成物のカーボンブラック以外の固形分100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましく、2〜30質量部であることがより好ましく、3〜20質量部であることが更に好ましい。この範囲で添加することにより、機械的強度及び耐溶剤性に優れた硬化膜が得られる。架橋剤は複数を併用することもでき、その場合は架橋剤を全て合算して含有量を計算する。
また、成分Dにおける架橋性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、アルコキシメチル基、メチロール基、ブロックイソシアネート基、アルコキシシリル基、及び、エチレン性不飽和結合を有する基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の基であることが好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、及び、−NH−CH−ORよりなる群から選ばれた少なくとも1種の基であることがより好ましい。上記態様であると、硬化物の光学濃度及び表面強度により優れる。
ただし、上記Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。
<分子内に2個以上のエポキシ基又はオキセタニル基を有する化合物>
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。
これらは市販品として入手できる。例えば、JER152、JER157S70、JER157S65、JER806、JER828、JER1007((株)三菱ケミカルホールディングス製)など、特開2011−221494号公報の段落0189に記載の市販品などが挙げられ、その他にも、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−50
1、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、デナコールEX−611、EX−612、EX−614、EX−614B、EX−622、EX−512、EX−521、EX−411、EX−421、EX−313、EX−314、EX−321、EX−211、EX−212、EX−810、EX−811、EX−850、EX−851、EX−821、EX−830、EX−832、EX−841、EX−911、EX−941、EX−920、EX−931、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L、DLC−201、DLC−203、DLC−204、DLC−205、DLC−206、DLC−301、DLC−402(以上、ナガセケムテックス(株)製)、YH−300、YH−301、YH−302、YH−315、YH−324、YH−325(以上、新日鐵化学(株)製)などが挙げられる。
これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂及び脂肪族エポキシ樹脂がより好ましく挙げられ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂が特に好ましく挙げられる。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)を用いることができる。
また、オキセタニル基を含む化合物は、単独で又はエポキシ基を含む化合物と混合して使用することが好ましい。
<アルコキシメチル基含有架橋剤>
アルコキシメチル基含有架橋剤としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリル及びアルコキシメチル化尿素等が好ましい。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、又は、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、メトキシメチル基が特に好ましい。
また、上記アルコキシメチル基としては、−NH−CH2−ORが好ましく挙げられる。なお、Rは、炭素数1〜20のアルキル基を表す。
これらの架橋性化合物のうち、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルが好ましい架橋性化合物として挙げられ、透明性の観点から、アルコキシメチル化グリコールウリルが特に好ましい。
これらアルコキシメチル基含有架橋剤は、市販品として入手可能であり、例えば、サイメル300、301、303、370、325、327、701、266、267、238、1141、272、202、1156、1158、1123、1170、1174、UFR65、300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMX−750、−032、−706、−708、−40、−31、−270、−280、−290、ニカラックMS−11、ニカラックMW−30HM、−100LM、−390、(以上、(株)三和ケミカル製)などを好ましく使用することができる。
<ブロックイソシアネート化合物>
本発明の感光性樹脂組成物では、架橋剤として、ブロックイソシアネート化合物も好ましく採用できる。ブロックイソシアネート化合物は、ブロックイソシアネート基を有する化合物であれば特に制限はないが、硬化性の観点から、1分子内に2以上のブロックイソシアネート基を有する化合物であることが好ましい。
なお、本発明におけるブロックイソシアネート基とは、熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であり、例えば、ブロック剤とイソシアネート基とを反応させイソシアネート基を保護した基が好ましく例示できる。また、上記ブロックイソシアネート基は、90℃〜250℃の熱によりイソシアネート基を生成することが可能な基であることが好ましい。
また、ブロックイソシアネート化合物としては、その骨格は特に限定されるものではなく、1分子中にイソシアネート基を2個有するものであればどのようなものでもよく、脂肪族、脂環族又は芳香族のポリイソシアネートであってよいが、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,9−ノナメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジエチルエーテルジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、o−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、p−キシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−メチレンジトリレン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、テトラクロロフェニレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素化1,3−キシリレンジイソシアネート、水素化1,4−キシリレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物及びこれらの化合物から派生するプレポリマー型の骨格の化合物を好適に用いることができる。これらの中でも、トリレンジイソシアネート(TDI)やジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物におけるブロックイソシアネート化合物の母構造としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型、2官能プレポリマー型等を挙げることができる。
上記ブロックイソシアネート化合物のブロック構造を形成するブロック剤としては、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物、メルカプタン化合物、イミダゾール系化合物、イミド系化合物等を挙げることができる。これらの中でも、オキシム化合物、ラクタム化合物、フェノール化合物、アルコール化合物、アミン化合物、活性メチレン化合物、ピラゾール化合物から選ばれるブロック剤が特に好ましい。
上記オキシム化合物としては、アルドキシム、及び、ケトオキシムが挙げられ、具体的には、アセトキシム、ホルムアルドキシム、シクロヘキサンオキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム等が例示できる。
上記ラクタム化合物としては、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等が例示できる。
上記フェノール化合物としては、フェノール、ナフトール、クレゾール、キシレノール、ハロゲン置換フェノール等が例示できる。
上記アルコール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキル等が例示できる。
上記アミン化合物としては、1級アミン及び2級アミンが挙げられ、芳香族アミン、脂肪族アミン、脂環族アミンいずれでもよく、アニリン、ジフェニルアミン、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等が例示できる。
上記活性メチレン化合物としては、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル等が例示できる。
上記ピラゾール化合物としては、ピラゾール、メチルピラゾール、ジメチルピラゾール等が例示できる。
上記メルカプタン化合物としては、アルキルメルカプタン、アリールメルカプタン等が例示できる。
本発明の感光性樹脂組成物に使用できるブロックイソシアネート化合物は、市販品として入手可能であり、例えば、コロネートAPステーブルM、コロネート2503、2515、2507、2513、2555、ミリオネートMS−50(以上、日本ポリウレタン工業(株)製)、タケネートB−830、B−815N、B−820NSU、B−842N、B−846N、B−870N、B−874N、B−882N(以上、三井化学(株)製)、デュラネート17B−60PX、17B−60P、TPA−B80X、TPA−B80E、MF−B60X、MF−B60B、MF−K60X、MF−K60B、E402−B80B、SBN−70D、SBB−70P、K6000(以上、旭化成ケミカルズ(株)製)、デスモジュールBL1100、BL1265 MPA/X、BL3575/1、BL3272MPA、BL3370MPA、BL3475BA/SN、BL5375MPA、VPLS2078/2、BL4265SN、PL340、PL350、スミジュールBL3175(以上、住化バイエルウレタン(株)製)等を好ましく使用することができる。
<アルコキシシラン化合物>
アルコキシシリル基を有する架橋剤としては、トリアルコキシシリル基を有する化合物が好ましい。アルコキシシリル基以外の架橋基を有することもできる。なお、本発明においては、アルコキシシリル基を有する架橋剤は、アルコキシシリル基以外の架橋基を有していても、アルコキシシラン化合物として扱う。
アルコキシシラン化合物として具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン、ビニルトリアルコキシシランが挙げられる。これらのうち、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが更に好ましく、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、下記の式で表される化合物も好ましく採用できる。
(R14-n−Si−(OR2n
式中、R1は反応性基を有さない炭素数1〜20の炭化水素基であり、R2は炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基であり、nは1〜3の整数である。
具体例として以下の化合物を挙げることができる。なお、Phはフェニル基を表す。
Figure 2016071245
Figure 2016071245
本発明の感光性樹脂組成物におけるアルコキシシラン化合物は、特にこれらに限定することなく、公知のものを使用することができる。
また、アルコキシシラン化合物を用いると、表面硬度向上効果の他に、本発明の感光性樹脂組成物により形成された膜と基板との密着性を向上できる。
<少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物>
少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物を好適に用いることができる。
単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。
2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらの少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。
また、少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物を加える場合には、ラジカル重合開始剤を添加することが好ましく、熱ラジカル重合開始剤を添加することがより好ましい。ラジカル重合開始剤としては、公知のものを用いることができる。
また、(メタ)アクリル基を有する化合物であれば、マイケル付加反応による架橋も可能である。
−感光性樹脂組成物における架橋性基当量−
感光性樹脂組成物の固形分中の架橋性基当量について説明する。
有機固形分中の架橋性基当量とは、組成物の有機固形分中に架橋性基が1molある場合の有機固形分の質量(g)である。組成物の有機固形分を一定量はかり取り、その有機固形分中に含まれる架橋性基量を測定することで求めることができる。なお、ここでいう有機固形分とは、組成物の固形分中からカーボンブラックなどの顔料成分を除いた、有機物の固形分を意味する。
具体的には、本発明の感光性樹脂組成物よりカーボンブラックを沈降させたものを試料とし、上記の測定を行う。カーボンブラックの沈降については、一旦、感光性樹脂組成物を溶剤により希釈し行ってもよい。
架橋性基がエポキシ基である場合には、JIS K7236:2001に規定されるエポキシ当量の測定と同様の方法で求めることができ、例えば、特許第4758647号公報記載の方法で測定できる。また、他の架橋性基の場合も同様にして測定できる。
本発明の感光性樹脂組成物における架橋性基当量は、硬化膜強度の観点から、感光性樹脂組成物の有機固形分1gあたり、500以下が好ましく、250以下がより好ましく、150以下が更に好ましい。下限値については、特に限定はないが、現像性の観点から、80以上が好ましい。
成分E:分散剤
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Eとして、分散剤を含有することが好ましい。分散剤を含有することにより、カーボンブラックの樹脂組成物中における分散性をより向上させることができる。また、成分Eは、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を有しない化合物である。
分散剤としては、公知の分散剤を用いることができ、例えば、公知の顔料分散剤を適宜選択して用いることができる。
また、分散剤としては、高分子分散剤を好ましく用いることができる。なお、高分子分散剤とは、分子量(重量平均分子量)が1,000以上の分散剤である。
分散剤としては、多くの種類の化合物を使用可能であり、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(アストラゼネカ(株)製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77,P84,F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(ADEKA(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成工業(株)製)、DISPERBYK 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端又は側鎖に極性基を有するオリゴマー又はポリマーが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる分散剤の具体例としては、上記の他に、以下の例示化合物1〜例示化合物26が挙げられる。
分散剤としては、側鎖に酸基を有する高分子分散剤であることが好ましく、側鎖にカルボキシル基を有する高分子分散剤であることがより好ましい。
また、分散剤としては、側鎖にグラフト鎖を有する高分子分散剤であることが好ましく、側鎖に酸基とグラフト鎖とを有する高分子分散剤であることがより好ましい。なお、グラフト鎖とは、側鎖に有する主鎖とは異なるポリマー鎖のことである。グラフト鎖としては、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が40〜10,000であることが好ましく、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が50〜2,000であることがより好ましく、グラフト鎖1本あたりの水素原子を除いた原子数が60〜1,000であることが更に好ましい。
Figure 2016071245
Figure 2016071245
Figure 2016071245
Figure 2016071245
Figure 2016071245
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本発明における例示化合物1〜26の重量平均分子量は、現像時のパターン剥離抑制と現像性の観点から、10,000以上300,000以下であることが好ましく、15,000以上200,000以下であることがより好ましく、20,000以上100,000以下であることが更に好ましく、25,000以上50,000以下であることが特に好ましい。なお、分散剤の重量平均分子量は、例えば、GPCによって測定することができる。
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる分散液において、この例示化合物1〜26は、カーボンブラックに分散性を付与する分散樹脂であり、優れた分散性と、グラフト鎖による溶剤との親和性を有するために、カーボンブラックの分散性、及び、経時後の分散安定性に優れる。また、感光性樹脂組成物としたとき、溶剤、硬化成分もしくはその他の併用可能な樹脂などとの親和性を有するので、アルカリ現像で残渣を生じにくくなる。
分散剤は、1種単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における分散剤の含有量は、カーボンブラックの総含有量に対して、2〜70質量%の範囲が好ましく、5〜50質量%の範囲がより好ましい。
成分F:塩基性化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、成分Fとして、塩基性化合物を含有してもよい。
塩基性化合物としては、化学増幅レジストで用いられるものの中から任意に選択して使用することができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、第四級アンモニウムヒドロキシド、カルボン酸の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0204〜0207に記載の化合物が挙げられる。
具体的には、脂肪族アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミンなどが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン、4−メチルピリジン、2−エチルピリジン、4−エチルピリジン、2−フェニルピリジン、4−フェニルピリジン、N−メチル−4−フェニルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ベンズイミダゾール、4−メチルイミダゾール、2−フェニルベンズイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、ニコチン、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、キノリン、8−オキシキノリン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、4−メチルモルホリン、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.3.0]−7−ウンデセンなどが挙げられる。
第四級アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−n−ヘキシルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
カルボン酸の第四級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムアセテート、テトラメチルアンモニウムベンゾエート、テトラ−n−ブチルアンモニウムアセテート、テトラ−n−ブチルアンモニウムベンゾエートなどが挙げられる。
これらの中でも、複素環式アミンが好ましく、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、及び/又は、N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素が特に好ましい。
本発明に用いることができる塩基性化合物は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物における塩基性化合物の含有量は、感光性樹脂組成物中のカーボンブラック以外の固形分100質量部に対し、0.001〜5質量部であることが好ましく、0.005〜3質量部であることがより好ましい。
成分G:界面活性剤
本発明の感光性樹脂組成物は、成分G:界面活性剤を含有してもよい。
成分G:界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系又は両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤は、ノニオン界面活性剤である。
本発明の組成物に用いられる界面活性剤としては、例えば、特開2012−88459号公報の段落0201〜0205に記載のものや、特開2011−215580号公報の段落0185〜0188に記載のものを用いることができ、これらの記載は本願明細書に組み込まれる。
ノニオン系界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン高級アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン高級アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステル類、シリコーン系、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、以下商品名で、KP−341、X−22−822(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.99C(共栄社化学(株)製)、エフトップ(三菱マテリアル電子化成(株)製)、メガファック(DIC(株)製)、フロラードノベックFC−4430(住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−242(AGCセイミケミカル(株)製)、PolyFoxPF−6320(OMNOVA社製)、SH−8400(東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)、フタージェントFTX−218G(ネオス(株)製)等の各シリーズを挙げることができる。
また、界面活性剤として、下記式G−1で表される構成単位A及び構成単位Bを含み、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした場合のゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が1,000以上10,000以下である共重合体を好ましい例として挙げることができる。
Figure 2016071245
式G−1中、R401及びR403はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表し、R402は炭素数1以上4以下の直鎖アルキレン基を表し、R404は水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、Lは炭素数3以上6以下のアルキレン基を表し、p及びqは重合比を表す質量百分率であり、pは10質量%以上80質量%以下の数値を表し、qは20質量%以上90質量%以下の数値を表し、rは1以上18以下の整数を表し、sは1以上10以下の整数を表す。
上記Lは、下記式G−2で表される分岐アルキレン基であることが好ましい。式G−2におけるR405は、炭素数1以上4以下のアルキル基を表し、相溶性と被塗布面に対する濡れ性の点で、炭素数1以上3以下のアルキル基が好ましく、炭素数2又は3のアルキル基がより好ましい。pとqとの和(p+q)は、p+q=100、すなわち、100質量%であることが好ましい。
Figure 2016071245
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、1,500以上5,000以下がより好ましい。
これらの界面活性剤は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物における界面活性剤の添加量は、感光性樹脂組成物中のカーボンブラック以外の固形分100質量部に対し10質量部以下であることが好ましく、0.001〜10質量部であることがより好ましく、0.01〜3質量部であることが更に好ましい。
成分H:酸化防止剤
本発明の感光性樹脂組成物は、酸化防止剤を含有することが好ましい。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤を含有することができる。酸化防止剤を添加することにより、硬化膜の着色を防止できる、又は、分解による膜厚減少を低減でき、また、耐熱透明性に優れるという利点がある。
このような酸化防止剤としては、例えば、リン系酸化防止剤、アミド類、ヒドラジド類、ヒンダードアミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アスコルビン酸類、硫酸亜鉛、糖類、亜硝酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、ヒドロキシルアミン誘導体等を挙げることができる。これらの中では、硬化膜の着色、膜厚減少の観点から特にフェノール系酸化防止剤、アミド系酸化防止剤、ヒドラジド系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤が好ましく、フェノール系酸化防止剤が最も好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合してもよい。
具体例としては、特開2005−29515号公報の段落0026〜0031に記載の化合物を挙げることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
フェノール系酸化防止剤の市販品としては、例えば、アデカスタブAO−15、アデカスタブAO−18、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−23、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−37、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−51、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503、アデカスタブA−611、アデカスタブA−612、アデカスタブA−613、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−8W、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブPEP−36Z、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP、アデカスタブCDA−1、アデカスタブCDA−6、アデカスタブZS−27、アデカスタブZS−90、アデカスタブZS−91(以上、(株)ADEKA製)、イルガノックス245FF、イルガノックス1010FF、イルガノックス1010、イルガノックスMD1024、イルガノックス1035FF、イルガノックス1035、イルガノックス1098、イルガノックス1330、イルガノックス1520L、イルガノックス3114、イルガノックス1726、イルガフォス168、イルガモッド295(BASF社製)、チヌビン405(BASF社製)などが挙げられる。中でも、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、イルガノックス1726、イルガノックス1035、イルガノックス1098、チヌビン405を好適に使用することができる。
酸化防止剤の含有量は、感光性樹脂組成物のカーボンブラック以外の固形分100質量部に対し、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがより好ましく、0.5〜4質量%であることが特に好ましい。この範囲にすることで、形成された膜の十分な透明性が得られ、かつ、パターン形成時の感度も良好となる。
また、酸化防止剤以外の添加剤として、「高分子添加剤の新展開」((株)日刊工業新聞社)に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の感光性樹脂組成物に添加してもよい。
成分I:増感剤
本発明の感光性樹脂組成物は、光酸発生剤との組み合わせにおいて、その分解を促進させるために、増感剤を含有することが好ましい。
増感剤は、活性光線又は放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感剤は、光酸発生剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用が生じる。これにより光酸発生剤は化学変化を起こして分解し、酸を生成する。好ましい増感剤の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ350nmから450nmの波長域のいずれかに吸収波長を有する化合物を挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン、アントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン,3,7−ジメトキシアントラセン、9,10−ジプロピルオキシアントラセン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、キサントン類(例えば、キサントン、チオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、ローダシアニン類、オキソノール類、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アクリドン類(例えば、アクリドン、10−ブチル−2−クロロアクリドン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、スチリル類、ベーススチリル類(例えば、2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}ベンゾオキサゾール)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ヒドロキシ−4−メチルクマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−9−メチル−1H,5H,11H[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−ノン)。
これら増感剤の中でも、多核芳香族類、アクリドン類、スチリル類、ベーススチリル類、クマリン類が好ましく、多核芳香族類がより好ましい。多核芳香族類の中でもアントラセン誘導体が最も好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物中における増感剤の添加量は、感光性樹脂組成物の光酸発生剤100質量部に対し、0〜1,000質量部であることが好ましく、10〜500質量部であることがより好ましく、50〜200質量部であることが更に好ましい。
また、増感剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
<その他の成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、上記成分に加えて、必要に応じて、紫外線吸収剤、金属不活性化剤や、酸増殖剤、現像促進剤、可塑剤、熱ラジカル発生剤、熱酸発生剤、増粘剤、及び、有機又は無機の沈殿防止剤などの公知の添加剤を加えることができる。また、これらの化合物としては、例えば特開2012−88459号公報の段落0201〜0224の記載も参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
〔酸増殖剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、感度向上を目的に、酸増殖剤を用いてもよい。
本発明に用いることができる酸増殖剤は、酸触媒反応によって更に酸を発生して反応系内の酸濃度を上昇させることができる化合物であり、酸が存在しない状態では安定に存在する化合物である。
このような酸増殖剤の具体例としては、特開2011−221494号公報の段落0226〜0228に記載の酸増殖剤が挙げられ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
酸増殖剤の感光性樹脂組成物への含有量は、光酸発生剤100質量部に対して、10〜1,000質量部とするのが、露光部と未露光部との溶解コントラストの観点から好ましく、20〜500質量部とするのが更に好ましい。
〔現像促進剤〕
本発明の感光性樹脂組成物は、現像促進剤を含有することができる。
現像促進剤としては、現像促進効果のある任意の化合物を使用できるが、カルボキシル基、フェノール性水酸基、及び、アルキレンオキシ基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の構造を有する化合物であることが好ましく、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する化合物がより好ましく、フェノール性水酸基を有する化合物が最も好ましい。
現像促進剤としては、特開2012−042837号公報の段落0171〜0172の記載を参酌でき、この内容は本願明細書に組み込まれる。
現像促進剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
本発明の感光性樹脂組成物における現像促進剤の添加量は、感度と残膜率の観点から、感光性樹脂組成物のカーボンブラック以外の固形分100質量部に対し、0〜30質量部が好ましく、0.1〜20質量部がより好ましく、0.5〜10質量部であることが最も好ましい。
また、現像促進剤の分子量は、100〜2,000が好ましく、150〜1,500がより好ましく、150〜1,000が更に好ましい。
〔可塑剤〕
本発明の樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジメチルグリセリンフタレート、酒石酸ジブチル、アジピン酸ジオクチル、トリアセチルグリセリンなどが挙げられる。
本発明の樹脂組成物における可塑剤の含有量は、成分Aの含有量100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
また、その他の添加剤としては特開2012−8223号公報の段落0120〜0121に記載の熱ラジカル発生剤、国際公開第2011/136074号に記載の窒素含有化合物及び熱酸発生剤も用いることができ、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
各成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌溶解して感光性樹脂組成物を調製する。例えば、成分を、それぞれ予め溶剤に溶解させた溶液とした後、これらを所定の割合で混合して樹脂組成物を調製することもできる。以上のように調製した組成物溶液は、例えば孔径0.2μmのフィルター等を用いてろ過した後に、使用に供することもできる。
なお、本発明において、カーボンブラック、溶剤、及び、分散剤を含有するカーボンブラック分散物を予め調製し、カーボンブラック分散物と、成分A及び成分B、並びに、任意の成分とを添加し感光性樹脂組成物を調製することが特に好ましい。
(樹脂パターン製造方法)
次に、本発明の樹脂パターン製造方法を説明する。
本発明の樹脂パターン製造方法は、以下の工程1〜工程4を含むことが好ましく、以下の工程1〜工程5を含むことがより好ましい。
工程1:本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程;
工程2:塗布された樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程;
工程3:溶剤が除去された樹脂組成物を活性光線によりパターン状に露光する露光工程;
工程4:露光された樹脂組成物及び未露光の樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程;
工程5:現像された樹脂組成物を熱処理する熱処理工程。
以下に各工程を順に説明する。
塗布工程では、本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して溶剤を含む湿潤膜とすることが好ましい。感光性樹樹脂組成物を基板へ塗布する前にアルカリ洗浄やプラズマ洗浄といった基板の洗浄を行うことが好ましく、更に基板洗浄後にヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理することがより好ましい。この処理を行うことにより、感光性樹脂組成物の基板への密着性が向上する。ヘキサメチルジシラザンで基板表面を処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチルジシラザン蒸気に中に基板を晒しておく方法等が挙げられる。
上記の基板としては、無機基板、樹脂、樹脂複合材料、ITO、Cu基板、ポリエチレンテレフタレート、セルローストリアセテート(TAC)などのプラスチック基板が挙げられる。
無機基板としては、例えばガラス、石英、シリコーン、シリコンナイトライド、及び、それらのような基板上にモリブデン、チタン、アルミ、銅などを蒸着した複合基板が挙げられる。
樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズアゾール、ポリフェニレンサルファイド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、液晶ポリマー、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アイオノマー樹脂、シアネート樹脂、架橋フマル酸ジエステル樹脂、環状ポリオレフィン、芳香族エーテル樹脂、マレイミド−オレフィン樹脂、セルロース、エピスルフィド樹脂等の合成樹脂からなる基板が挙げられる。
これらの基板は、上記の形態のまま用いられる場合は少なく、最終製品の形態によって、例えばTFT素子のような多層積層構造が形成されている場合が通常である。
これらの中でも、本発明において、基板の表面の全部又は一部が、ガラス、SiO、ITO、IZO、金属膜、及び、金属酸化物膜よりなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましく、基板の表面の全部又は一部がITOであることが特に好ましい。
本発明者らが鋭意検討した結果、基板の表面の全部又は一部がITO(酸化インジウムスズ、Indium Tin Oxide)である場合、ITO上への現像残渣の発生が特に顕著であることを見いだした。本発明の感光性樹脂組成物は、基板の表面の全部又は一部がITOである場合であっても、現像残渣の発生を抑制することができるという、極めて顕著な効果を有するものである。
基板への塗布方法は特に限定されず、例えば、インクジェット法、スリットコート法、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、流延塗布法、スリットアンドスピン法等の方法を用いることができる。更に、特開2009−145395号公報に記載されているような、所謂プリウェット法を適用することも可能である。
塗布膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができるが、0.5〜10μmの範囲で使用されることが好ましい。
インクジェット方式の塗布は、スピンコート法、スリットコート法等の従来の塗布方法と比べ、塗布液使用量が大幅に削減され、かつ、スピンコート法の際に付着するミストなどの影響が低減され、異物発生が抑制されるなど、総合的な観点から好ましい。
例えば、インクジェット方式による塗布条件は、感光性樹脂組成物の組成や、製造する塗膜の種類などによって適宜選択すればよい。塗布膜の厚さを調節するためには、液状の感光性樹脂組成物の吐出量や同一部分への吐出回数を調整すればよい。また、感光性樹脂組成物を塗布する形状や位置についても、所望に応じ、適宜選択すればよい。インクジェット方式の塗布に用いられる装置としては、特に制限はなく、公知のインクジェット塗布装置を適用すればよい。
具体的には、オンデマンドインクジェット塗布装置IJ−DESK−S、IJ−DESK−H((株)ピーエムティー製)、ダイマディックス・マテリアル・プリンターDMP2831、DMP−3000(FUJIFILM Dimatix社製)などが挙げられる。
上記インクジェット塗布方式に用いることができるインクジェット記録装置としては、特に制限はなく、目的とする解像度を達成しうる公知のインクジェット記録装置を任意に選択して使用することができる。すなわち、市販品を含む公知のインクジェット記録装置であれば、上記塗布工程における基板上への本発明の感光性樹脂組成物のインクジェット塗布方式による塗布を実施することができる。
本発明で用いることができるインクジェット記録装置としては、例えば、組成物供給系、温度センサーを含む装置が挙げられる。
インク供給系は、例えば、本発明の感光性樹脂組成物を含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前の組成物供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、好ましくは1〜100pl、より好ましくは8〜30plのマルチサイズドットを、好ましくは320×320〜4,000×4,000dpi(dot per inch)、より好ましくは400×400〜1,600×1,600dpi、更に好ましくは720×720dpiの解像度で吐出できるよう駆動することができる。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
塗布膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じた膜厚で塗布することができるが、0.5〜10μmの範囲で使用されることが好ましい。
溶剤除去工程では、適用された上記の膜から、減圧(バキューム)及び/又は加熱により、溶剤を除去して基板上に乾燥塗膜を形成させることが好ましい。溶剤除去工程の加熱条件は、好ましくは70〜130℃で30〜300秒間程度である。温度と時間が上記範囲である場合、パターンの密着性が良好で、かつ残渣も低減できる。
なお、塗布工程と溶剤除去工程とは、この順に行っても、同時に行っても、交互に繰り返してもよい。例えば、塗布工程におけるインクジェット塗布が全て終了した後、溶剤除去工程を行ってもよいし、基板を加熱しておき、塗布工程におけるインクジェット塗布方式による感光性樹脂組成物の吐出を行いながら溶剤除去を行ってもよい。
中でも、塗布工程におけるインクジェット塗布が全て終了した後、溶剤除去工程を行うことが好ましい。
露光工程では、塗膜を設けた基板に所定のパターンを有するマスクを介して、活性光線を照射することが好ましい。この工程では、光酸発生剤が分解し酸が発生する。発生した酸の触媒作用により、塗膜成分中に含まれる酸分解性基が加水分解されて、酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基が生成する。
活性光線による露光光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、LED光源、エキシマレーザー発生装置などを用いることができ、g線(436nm)、i線(365nm)、h線(405nm)などの波長300nm以上450nm以下の波長を有する活性光線が好ましく使用できる。また、必要に応じて長波長カットフィルター、短波長カットフィルター、バンドパスフィルターのような分光フィルターを通して照射光を調整することもできる。
露光装置としては、ミラープロジェクションアライナー、ステッパー、スキャナー、プロキシミティ、コンタクト、マイクロレンズアレイ、レーザー露光など各種方式の露光機を用いることができる。
酸触媒の生成した領域において、上記の加水分解反応を加速させるために、露光後加熱処理:Post Exposure Bake(以下、「PEB」ともいう。)を行うことができる。PEBにより、酸分解性基からのカルボキシル基又はフェノール性水酸基の生成を促進させることができる。PEBを行う場合の温度は、30℃以上130℃以下であることが好ましく、40℃以上110℃以下がより好ましく、50℃以上100℃以下が特に好ましい。
但し、本発明における酸分解性基は、酸分解の活性化エネルギーが低く、露光による酸発生剤由来の酸により容易に分解し、酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を生じるため、必ずしもPEBを行うことなく、現像によりポジ画像を形成することもできる。
現像工程では、遊離した酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する共重合体を、アルカリ性現像液を用いて現像することが好ましい。アルカリ性現像液に溶解しやすい酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する樹脂組成物を含む露光部領域を除去することにより、ポジ画像が形成される。
現像工程で使用する現像液には、塩基性化合物が含まれることが好ましい。塩基性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩類;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムなどのアルカリ金属重炭酸塩類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリンヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド類;ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウムなどの水溶液を使用することができる。また、上記アルカリ類の水溶液にメタノールやエタノールなどの水溶性有機溶剤や界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
好ましい現像液として、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドの0.4質量%水溶液、0.5質量%水溶液、0.7質量%水溶液、又は、2.38質量%水溶液を挙げることができる。
現像液のpHは、好ましくは10.0〜14.0である。
現像時間は、好ましくは30〜500秒間であり、また、現像の手法は液盛り法、ディップ法等のいずれでもよい。現像後は、流水洗浄を30〜300秒間行い、所望のパターンを形成させることができる。
現像の後に、リンス工程を行うこともできる。リンス工程では、現像後の基板を純水などで洗うことで、付着している現像液除去、現像残渣除去を行う。リンス方法は公知の方法を用いることができる。例えばシャワーリンスやディップリンスなどを挙げることができる。
熱処理工程(ポストベーク)では、得られたポジ画像を加熱することにより、酸分解性基を熱分解し酸基、例えば、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を生成させ、架橋性基、架橋剤等と架橋させることにより、硬化膜を形成することができる。この加熱は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置を用いて、所定の温度、例えば180℃〜250℃で所定の時間、例えばホットプレート上なら5〜90分間、オーブンならば30〜120分間、加熱処理をすることが好ましい。架橋反応を進行させることにより、耐熱性、硬度等に優れた保護膜や層間絶縁膜を形成することができる。また、加熱処理を行う際は窒素雰囲気下で行うことにより透明性を向上させることもできる。プラスチック基板を用いたときは、80℃〜140℃で5分〜120分間、加熱処理をすることが好ましい。
熱処理工程(ポストベーク)の前に、比較的低温でベークを行った後に熱処理工程を行うこともできる(ミドルベーク工程の追加)。ミドルベークを行う場合は、90〜150℃で1〜60分加熱した後に、200℃以上の高温でポストベークすることが好ましい。また、ミドルベーク、ポストベークを3段階以上の多段階に分けて加熱することもできる。このようなミドルベーク、ポストベークの工夫により、パターンのテーパー角を調整することができる。これらの加熱は、ホットプレート、オーブン、赤外線ヒーターなど、公知の加熱方法を使用することができる。
なお、ポストベークに先立ち、パターンを形成した基板に活性光線により全面再露光(ポスト露光)した後、ポストベークすることにより未露光部分に存在する光酸発生剤から酸を発生させ、架橋工程を促進する触媒として機能させることができ、膜の硬化反応を促進することができる。ポスト露光工程を含む場合の好ましい露光量としては、100〜3,000mJ/cm2が好ましく、100〜500mJ/cm2が特に好ましい。
更に、本発明の感光性樹脂組成物より得られた硬化膜は、ドライエッチングレジストとして使用することもできる。熱処理工程により熱硬化して得られた硬化膜をドライエッチングレジストとして使用する場合、エッチング処理としてはアッシング、プラズマエッチング、オゾンエッチングなどのドライエッチング処理を行うことができる。
(硬化膜)
本発明の硬化膜は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた膜である。
本発明の硬化膜は、遮光性カラーフィルターとして好適に用いることができる。また、本発明の硬化膜は、本発明の硬化物の製造方法又は本発明の樹脂パターン製造方法により得られた膜であることが好ましく、本発明の樹脂パターン製造方法により得られた膜であることがより好ましい。
(硬化物及びその製造方法)
本発明の硬化物は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた硬化物であり、上記のように、その形状は、膜でなくともよく、任意の形状であればよい。
また、本発明の硬化物は、少なくとも、本発明の感光性樹脂組成物から少なくとも一部の溶剤を除去して硬度が上昇した硬化物であればよいが、本発明の感光性樹脂組成物から溶剤を除去し、熱硬化して得られた硬化物であることが好ましい。
本発明の硬化物の製造方法は、特に制限はないが、少なくとも以下の工程a〜工程cをこの順に含むことが好ましい。
工程a:本発明の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程;
工程b:塗布された樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程;
工程c:溶剤が除去された樹脂組成物を熱処理する熱処理工程、又は、溶剤が除去された樹脂組成物に活性光線を照射する露光工程。
工程a及び工程bはそれぞれ、上記塗布工程及び上記溶剤除去工程と同義であり、好ましい態様も同様である。
工程cにおける熱処理工程は、熱処理する対象が工程bで得られた溶剤が除去された樹脂組成物であること以外は、上記熱処理工程と同様の工程であり、上記熱処理工程における加熱温度、加熱時間、加熱手段等の好ましい態様も同様に好ましい。
また、工程cにおける露光工程は、露光をパターン状に行わなくともよいこと以外は、上記露光工程と同様の工程である。工程cにおける露光工程は、溶剤が除去された樹脂組成物の一方の面の全面に対し露光することが好ましい。
また、本発明の硬化物は、本発明の樹脂パターン製造方法により得られた硬化物であることが好ましい。
本発明の硬化物は、液晶表示装置又は有機EL装置等におけるカラーフィルター、液晶表示装置における絶縁膜、液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの構造部材、各種基板や配線の反射防止膜等の電子材料用途に好適に用いることができる。
<遮光性カラーフィルター>
本発明の遮光性カラーフィルターは、本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた遮光性カラーフィルターであり、本発明の樹脂パターン製造方法により製造された遮光性カラーフィルターであることが好ましい。
本発明の遮光性カラーフィルターは、本発明の硬化膜を用いて形成されたものである。本発明の硬化膜を用いて形成された遮光性カラーフィルターは、遮光性に優れる。
本発明の感光性樹脂組成物を硬化して得られた遮光性カラーフィルターの、膜厚1μmあたりの光学濃度は、感度及び細線密着の観点から、2.0以上6.0以下が好ましく、3.0以上5.0がより好ましい。
本発明の遮光性カラーフィルターはブラックマトリクスとして好適に用いられる。ブラックマトリクスの膜厚としては特に限定はないが、本発明による効果をより効果的に得る観点からは、乾燥後の膜厚で、0.2μm以上10μm以下が好ましく、0.4μm以上5μm以下がより好ましく、0.6μm以上5μm以下が更に好ましい。
ブラックマトリックスの線幅としては、特に限定はないが、0.5μm以上500μm以下が好ましく、0.7μm以上20μm以下がより好ましく、1.0μm以上5μm以下が更に好ましい。
本発明の遮光性カラーフィルターは、本発明の感光性樹脂組成物を用いているため、形成された着色パターンが支持体基板との高い密着性を示し、硬化した組成物は耐現像性に優れるため、露光感度に優れ、露光部の基板との密着性が良好であり、かつ、所望の断面形状を与える高解像度のパターンを形成することができる。
従って、液晶表示装置やCCD等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特にFHD以上の解像度をもつスマートフォンや500万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。すなわち、本発明の遮光性カラーフィルターは、液晶表示装置、有機EL表示装及び固体撮像素子に適用されることが好ましい。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、本発明の硬化物を具備することを特徴とする。
本発明の液晶表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される遮光性カラーフィルターや絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の液晶表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶駆動方式としてはTN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In-Place-Switching)方式、FFS(Fringe Field Switching)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられる。
パネル構成においては、COA(Color Filter on Array)方式の液晶表示装置でも本発明の硬化膜を用いることができ、例えば、特開2005−284291号公報に記載の有機絶縁膜(115)や、特開2005−346054号公報に記載の有機絶縁膜(212)として用いることができる。
また、本発明の液晶表示装置が取りうる液晶配向膜の具体的な配向方式としてはラビング配向法、光配向方などが挙げられる。また、特開2003−149647号公報や特開2011−257734号公報に記載のPSA(Polymer Sustained Alignment)技術によってポリマー配向支持されていてもよい。
(有機EL表示装置)
本発明の有機EL表示装置は、本発明の硬化物を具備することを特徴とする。
本発明の有機EL表示装置としては、本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成される平坦化膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとる公知の各種有機EL表示装置や液晶表示装置を挙げることができる。
例えば、本発明の有機EL表示装置が具備するTFT(Thin-Film Transistor)の具体例としては、アモルファスシリコン−TFT、低温ポリシリコン−TFT、酸化物半導体TFT等が挙げられる。本発明の硬化膜は電気特性に優れるため、これらのTFTに組み合わせて好ましく用いることができる。
(タッチパネル及びタッチパネル表示装置)
本発明のタッチパネルは、本発明の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜を少なくとも有するタッチパネルであり、絶縁層及び/又は保護層の、全部又は一部が本発明の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜であるタッチパネルであることが好ましい。また、本発明のタッチパネルは、透明基板、電極及び絶縁層及び/又は保護層を少なくとも有することが好ましい。
本発明のタッチパネル表示装置は、本発明の感光性樹脂組成物を硬化した硬化膜を少なくとも有するタッチパネル表示装置であり、本発明のタッチパネルを有するタッチパネル表示装置であることが好ましい。
本発明のタッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導方式など公知の方式いずれでもよい。中でも、静電容量方式が好ましい。
静電容量方式のタッチパネルとしては、特開2010−28115号公報に開示されるものや、国際公開第2012/057165号に開示されるものが挙げられる。この他のタッチパネルとしては、いわゆる、インセル型(例えば、特表2012−517051号公報の図5、図6、図7、図8)、いわゆる、オンセル型(例えば、特開2012−43394号公報の図14、国際公開第2012/141148号の図2(b))、OGS型、TOL型、その他の構成(例えば、特開2013−164871号公報の図6)を挙げることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
以下の合成例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
MATHF:メタクリル酸テトラヒドロフラン−2−イル(合成品)
MAEVE:メタクリル酸1−エトキシエチル(和光純薬工業(株)製)
MACHOE:1−(シクロヘキシルオキシ)エチルメタクリレート(合成品)
MATHP:メタクリル酸テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル(新中村化学工業(株)製)
PHSEVE:p−ヒドロキシスチレンの1−エトキシエチルエーテル(合成品)
PHSTHF:p−ヒドロキシスチレンのテトラヒドロフラニルエーテル(合成品)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)
PHS:p−ヒドロキシスチレン(和光純薬工業(株)製)
MMA:メタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)
St:スチレン(和光純薬工業(株)製)
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート(日立化成工業(株)製)
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(和光純薬工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(昭和電工(株)製メトキシプロピルアセテート)
V−65:2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業(株)製)
MATHFは、特開2013−80203号公報の段落0187に記載の合成例に従い、合成した。
また、MACHOEは、2−ジヒドロフランを対応する化合物に変更した以外、上記MATHFと同様の方法で合成した。
PHSEVEは、MAEVE合成法のメタクリル酸を4−ヒドロキシスチレンに変更し合成した。
PHSTHFは、MATHF合成法のメタクリル酸を4−ヒドロキシスチレンに変更し合成した。
<重合体P−1の合成>
3つ口フラスコにPGMEAを入れ、窒素雰囲気下において90℃に昇温した。その溶液にMATHF65モル当量、MAA10モル当量、MMA10モル当量、St5モル当量、HEMA10モル当量、V−65(全単量体成分の合計100mol%に対して4mol%に相当)を溶解させ、2時間かけて滴下した。滴下終了後2時間撹拌し、反応を終了させた。それにより重合体P−1を得た。なお、PGMEAとその他の成分の合計量との比を60:40とした。すなわち、固形分濃度40%の重合体溶液を調製した。
<重合体P−2〜P−8の合成>
使用するモノマーの種類等を下記表1に示す通りに変更した以外は、重合体P−1の合成と同様にして、他の重合体をそれぞれ合成した。
Figure 2016071245
<カーボンブラック分散液>
下記組成のカーボンブラック分散液を用いた。
・カーボンブラック(デグッサ社製、Nipex35):50%
・下記分散剤1:5%
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:45%
Figure 2016071245
(実施例1)
<感光性樹脂組成物の調製>
表2に記載の組成にて、配合し混合して均一な溶液とした後、0.2μmのポアサイズを有するポリエチレン製フィルターを用いてろ過して、実施例1の感光性樹脂組成物を調製した。なお、溶剤は、感光性樹脂組成物の固形分濃度が20質量%になるように添加した。
得られた感光性樹脂組成物を用い、後述する各種評価を行った。評価結果を後述の表2に示す。なお、表2の各配合量の数値は固形分の質量部を表し、また、カーボンブラックの含有量は、感光性樹脂組成物の全固形分量に対する含有量である。
(実施例2〜12及び比較例1〜4)
実施例1における組成を、下記表2に記載の組成に変更した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜12及び比較例1〜4の感光性樹脂組成物をそれぞれ調製した。
<評価>
得られた実施例1〜12及び比較例1〜4の各感光性樹脂組成物を用い、以下の評価を行った。評価結果を表3に示す。
−感度評価−
得られた感光性樹脂組成物をガラス基板に溶剤除去後の膜厚が1.4μmとなる回転数でスピンコートし、溶剤除去後、ライン3μmスペース3μmのL&Sパターンのマスクで露光し、アルカリ現像液で現像し、ライン3μmスペース3μmのL&Sパターンがマスクバイアス1:1で形成できる露光量を、感度として評価した。評価値のランクは以下の通りである。
A・・・100mJ/cm以下
B・・・100mJ/cmを超え150mJ/cm以下
C・・・150mJ/cmを超え200mJ/cm以下(これ以上が実用レベルである。)
D・・・200mJ/cmを超え500mJ/cm以下
E・・・500mJより露光量を上げても解像できなかった
−現像後の細線密着評価−
上記感度評価を行った基板について、任意の5箇所を光学顕微鏡にて観察し、視野内の欠陥(マトリックスパターンが断線している箇所)の個数で評価した。評価値のランクは以下の通りである。
A・・・欠陥が全くない
B・・・欠陥が1箇所以上5箇所以下(これ以上が実用レベルである。)
C・・・欠陥が6箇所以上19箇所以下
D・・・欠陥が20箇所以上
−光学濃度(OD)評価−
得られた感光性樹脂組成物をガラス基板に任意の回転数でスピンコートし、溶剤除去後、250℃で1時間焼成して膜厚1μmの焼成膜(ベタ膜)を作製した。かかる焼成膜のOD(Optical Density)値と実際の膜厚とを測定し、膜厚1μmにおけるOD値を算出した。なお、OP値は、透過濃度計(BMT−1(サカタインクスエンジニアリング(株)製))により測定した。
Figure 2016071245
Figure 2016071245
以下に表2に記載の略号のうち、上述したもの以外の詳細を記載する。
B−1:DTS−105(トリアリールスルホニウム塩、みどり化学(株)製)
B−2:CGI1397(BASFジャパン(株)製、下記の化合物)
B−3:PAI−101(みどり化学(株)製、下記の化合物)
B−4:下記の化合物
B−5:下記の化合物
Figure 2016071245
<化合物B−4の合成>
特開2013−182077号公報の段落0239の記載の方法にしたがって合成した。
<化合物B−5の合成>
1−アミノ−2−ナフトール塩酸塩(東京化成工業(株)製)4.0gをN−メチルピロリドン(和光純薬工業(株)製)16gに懸濁させ、炭酸水素ナトリウム(和光純薬工業(株)製)3.4gを添加後、4,4−ジメチル−3−オキソ吉草酸メチル(和光純薬工業(株)製)4.9gを滴下し、窒素雰囲気下120℃で2時間加熱した。放冷後、反応混合液に水、酢酸エチルを添加して分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、濃縮して粗B−5−2Aを得た。粗B−5−2Aをシリカゲルカラムクロマトグラフィー精製して、中間体B−5−2Aを1.7g得た。
B−5−2A(1.7g)とp−キシレン(6mL)を混合し、p−トルエンスルホン酸一水和物(和光純薬工業(株)製)0.23gを添加して140℃で2時間加熱した。放冷後、反応混合液に水、酢酸エチルを添加して分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮して粗B−5−2Bを得た。
テトラヒドロフラン(THF)(2mL)と粗B−5−2B全量を混合し、氷冷下2M塩酸/THF溶液6.0mL、次いで亜硝酸イソペンチル(和光純薬工業(株)製)(0.84g)を滴下し、室温(25℃)まで昇温後2時間撹拌した。得られた反応混合物に水、酢酸エチルを添加して分液し、有機層を水で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、濃縮して中間体粗B−5−2Cを得た。
中間体粗B−5−2C全量をアセトン(10mL)と混合し、氷冷下でトリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)(1.2g)、p−トルエンスルホニルクロリド(東京化成工業(株)製)(1.4g)を添加後、室温まで昇温して1時間撹拌した。得られた反応混合液に水、酢酸エチルを添加して分液し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過、濃縮して粗B−5を得た。粗B−5を冷メタノールでリスラリー後、ろ過、乾燥してB−5(1.2g)を得た。
なお、B−5のH−NMRスペクトル(300MHz、CDCl)は、δ=8.5−8.4(m,1H),8.0−7.9(m,4H),7.7−7.6(m,2H),7.6−7.5(m,1H),7.4(d.2H),2.4(s,3H),1.4(s,9H)であった。
C−1:PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
S−1:上記カーボンブラック分散液
D−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業(株)製)
D−2:γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−503、信越化学工業(株)製)
D−3:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE−846、信越化学工業(株)製)
D−4:jER828(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、(株)三菱ケミカルホールディングス製)
D−5:jER157S65(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、(株)三菱ケミカルホールディングス製)
D−6:セロキサイド2021P(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(株)ダイセル製)
D−7:OXT−221(ビス[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、東亞合成(株)製)
D−8:デュラネート17B−60P(ブロックイソシアネート化合物、旭化成ケミカルズ(株)製)
D−9:ニカラックMW−100LM(アルコキシメチル基含有架橋剤、三和ケミカル(株)製、下記化合物)
Figure 2016071245
D−10:デナコールEX−321L(液状脂肪族エポキシ化合物、ナガセケムテックス(株)製)
D−11:DPHA(日本化薬(株)製KAYARAD DPHA)
F−1:ジアザビシクロノネン(東京化成工業(株)製)
F−2:N−シクロヘキシル−N’−[2−(4−モルホリニル)エチル]チオ尿素(CMTU、下記化合物、東洋化成工業(株)製)
Figure 2016071245
W−1:下記構造式で示されるパーフルオロアルキル基含有ノニオン性界面活性剤(F−554、DIC(株)製)
Figure 2016071245
(実施例13)
<カラーフィルターの作製>
−ブラックマトリックスの形成−
実施例1で作製した感光性樹脂組成物を、洗浄したガラス基板にスリットコーターを用いて、塗布速度120mm/秒で塗布した。
次いで、ホットプレートを用いて、80℃で120秒間加熱(プリベーク処理)を行った後、プロキシミティ方式露光機(型番LE5565A、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、50mJ/cmで露光した。
その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液で50秒間シャワー現像し、純水で洗浄した。
次いで220℃のクリーンオーブンで40分間ポストベーク処理し、着色画素形成領域の開口が15μm×45μmで、ブラックマトリックスの厚みが1.2μmで、ブラックマトリックスの線幅が約5μmの格子状ブラックマトリックス基板を形成した。
−着色組成物の調製−
特開2009−199066号公報の段落0173〜0185に記載された方法にしたがって、赤色用感光性着色組成物塗布液CR−1、緑色用感光性着色組成物塗布液CG−1、及び、青色用感光性着色組成物塗布液CB−1を調製した。
−着色画素の形成−
得られた赤色用感光性着色組成物塗布液CR−1を、上記ブラックマトリックス基板のブラックマトリックス形成面側に、塗布した。具体的には、ブラックマトリックス形成の場合と同様に、ポストベーク後の感光性着色組成物層の層厚が約2.1μmとなるようにスリットとブラックマトリックス基板間との間隔、吐出量を調節して、塗布速度100mm/秒で塗布した。
−着色層プリベーク工程、着色層露光工程−
次いで、ホットプレートを用いて、100℃で120秒間加熱を行った後、プロキシミティ方式露光機を用いて、90mJ/cmで露光した。
その後、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液でシャワー圧を0.2MPaに設定して、45秒現像し、純水で洗浄した。
次いで220℃のクリーンオーブンで30分間ポストベーク処理し、熱処理済みの赤色画素を形成した。
緑色画素、青色画素を同様に形成し、カラーフィルターを得た。
得られたカラーフィルターにおけるブラックマトリックスは、薄膜でありながら遮光性に優れ、かつ表面硬度が高いものであった。
(実施例14〜24)
実施例1で作製した感光性樹脂組成物を実施例2〜12で作製した感光性樹脂組成物にそれぞれ変更した以外は、実施例13と同様にして、カラーフィルターをそれぞれ作製した。
得られたカラーフィルターにおけるブラックマトリックスはそれぞれ、薄膜でありながら遮光性に優れ、かつ表面硬度が高いものであった。

Claims (15)

  1. 成分Aとして、酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位及び酸基を有する構成単位を有する重合体、
    成分Bとして、光酸発生剤、
    成分Cとして、溶剤、
    成分Dとして、架橋性基を有し分子量が100〜2,000の範囲である化合物、並びに、
    成分Sとして、カーボンブラック、を含有し、
    成分Sの含有量が、感光性樹脂組成物の全固形分に対し、35〜60質量%であることを特徴とする
    感光性樹脂組成物。
  2. 前記架橋性基が、エポキシ基、オキセタニル基、及び、−NH−CH−ORよりなる群から選ばれた少なくとも1種の基である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    ただし、上記Rは炭素数1〜20のアルキル基を表す。
  3. 感光性樹脂組成物の酸性基当量が、有機固形分1gあたり、500〜10,000である、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 感光性樹脂組成物の架橋性基当量が、有機固形分1gあたり、80〜500である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 成分Eとして、分散剤を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 成分Dの含有量が、感光性樹脂組成物のカーボンブラック以外の固形分100質量部に対し、2〜30質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 成分Aにおける前記酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位の酸基が酸分解性基で保護された基の総数m1と前記酸基を有する構成単位の酸基の総数m2との比が、m1:m2=0.5〜20:1である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 少なくとも工程a〜工程cをこの順に含むことを特徴とする硬化物の製造方法。
    工程a:請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
    工程b:塗布された樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
    工程c:溶剤が除去された樹脂組成物を熱処理する熱処理工程、又は、溶剤が除去された樹脂組成物に活性光線を照射する露光工程
  9. 少なくとも工程1〜工程4をこの順に含むことを特徴とする樹脂パターン製造方法。
    工程1:請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
    工程2:塗布された樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
    工程3:溶剤が除去された樹脂組成物を活性光線によりパターン状に露光する露光工程
    工程4:露光された樹脂組成物及び未露光の樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
  10. 請求項8に記載の硬化物の製造方法、又は、請求項9に記載の樹脂パターン製造方法により得られた硬化物。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
  12. 遮光性カラーフィルターである、請求項11に記載の硬化膜。
  13. 請求項11又は12に記載の硬化膜を有する液晶表示装置。
  14. 請求項11又は12に記載の硬化膜を有する有機EL表示装置。
  15. 請求項11又は12に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。
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