JP6569052B2 - 重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は重合体の製造方法に関する。
近年、制御ラジカル重合が開発され、様々なグループで積極的に研究がなされている。制御ラジカル重合では、ラジカル重合性単量体と重合開始剤との仕込み比によって分子量を自由に制御出来る。制御ラジカル重合の中でも、有機ヨウ素化合物等を重合開始剤として用いる方法や、さらに有機化合物を重合触媒として用いる方法(例えば非特許文献1、2)は、前記制御ラジカル重合の特徴に加えて、高価な制御剤を用いることなく安価であり、取り扱いが容易であることから好ましく用いられる。また、これらの方法では金属触媒を用いないため、これらの方法により得られる重合体は、金属残渣の影響が懸念される塗料やリソグラフィー用途への展開が期待される。
国際公開第2008/139980号 特開2003−327620号公報 特開2011−74326号公報 特開2013−60501号公報
Macromolecules、6261−6264頁、41巻、2008年 Polymer、5177−5185頁、49巻、2008年
しかしながら、非特許文献1、2に記載された方法では、得られる重合体の末端に有機ヨウ素化合物由来のヨウ素が残存し、得られる重合体の耐熱分解性が低下し、熱成型加工時に着色する課題がある。
重合体の末端ヨウ素の低減、末端官能基導入の観点から、重合体の末端ハロゲンを変換する方法が提案されている(例えば特許文献1〜4)。
しかしながら、特許文献1〜3に記載された方法では、末端二重結合の生成による耐熱分解性の低下、酸の発生や金属試薬の使用による光学特性の低下が懸念され、更なる改良が望まれる。また、特許文献4に記載された方法についても、更なる光学特性および耐熱分解性の向上が望まれる。
本発明の目的は、光学特性および耐熱分解性に優れた重合体を提供することにある。
本発明は、以下の[1]〜[6]である。
[1]ビニル単量体を有機ヨウ素化合物の存在下でラジカル重合する工程と、
前記ラジカル重合により得られる反応物に亜リン酸ジエステルを添加する工程と、
を含み、
前記亜リン酸ジエステルの添加量が、前記反応物に含まれるヨウ素1モルに対して5〜50モルである重合体の製造方法。
[2]前記亜リン酸ジエステルを添加する工程の後に、前記リン化合物(A)を添加した前記反応物を保持する工程をさらに含む[1]に記載の重合体の製造方法。
[3]前記亜リン酸ジエステルを添加した前記反応物を保持する温度が20〜110℃である[2]に記載の重合体の製造方法。
[4]前記亜リン酸ジエステルを添加した前記反応物を保持する時間が0.5〜12時間である[2]又は[3]に記載の重合体の製造方法。
[5]前記ビニル単量体をラジカル重合する工程において、リン化合物(B)、含窒素化合物および含酸素化合物から選ばれる少なくとも1種を存在させる[1]〜[4]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
[6]前記亜リン酸ジエステルがジメチルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、ジフェニルフォスファイトから選択される少なくとも一種である[1]〜[5]のいずれかに記載の重合体の製造方法。
本発明によれば、光学特性および耐熱分解性に優れた重合体を提供することができる。
本発明に係る重合体の製造方法は、ビニル単量体を有機ヨウ素化合物の存在下でラジカル重合する工程(以下、ラジカル重合工程と示す)と、前記ラジカル重合により得られる反応物にリン化合物(A)として亜リン酸ジエステルを添加する工程(以下、リン化合物(A)添加工程と示す)と、を含む。また、本発明に係る重合体の製造方法は、リン化合物(A)添加工程の後に、前記リン化合物(A)を添加した前記反応物を保持する工程(以下、保持工程と示す)をさらに含むことが好ましい。以下、本発明について詳細に説明する。
(ラジカル重合工程)
本発明に係る方法は、ビニル単量体を有機ヨウ素化合物の存在下でラジカル重合する工程を含む。
<ビニル単量体>
ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−sec−ブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸(トリフルオロメチル)メチル、等の(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸及びその塩等の芳香族ビニル単量体;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有単量体;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエステル;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン、フッ化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化アリル、アリルアルコール等のアリル系単量体が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を併用することが出来る。これらの中では、得られる重合体の物性等の観点から、(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル単量体が好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。尚、本発明において「(メタ)アクリル」は、「メタクリル」又は「アクリル」を表す。
<有機ヨウ素化合物>
有機ヨウ素化合物としては、炭素-ヨウ素結合をもつ化合物が好ましく、例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化ブチル等のヨウ化アルキル;ヨウ化フェニル、ヨウ化ナフチル等のヨウ化アリール;ヨードイソブチロニトリル(CPI)、2−ヨード−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等の置換基を有するヨウ化アルキルが挙げられる。これらの有機ヨウ素化合物は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらの有機ヨウ素化合物として市販の化合物を使用することもできるが、ヨウ素とアゾ化合物とを反応させて得られる有機ヨウ素化合物を用いることもできる。ヨウ素とアゾ化合物とを反応させて生成した有機ヨウ素化合物は、これを単離して用いてもよい。また、ビニル単量体の重合前又は重合中にヨウ素とアゾ化合物を仕込み、有機ヨウ素化合物をin−situで生成させ、そのまま重合に用いることもできる。
アゾ化合物としては、アゾ系ラジカル重合開始剤を用いることができる。アゾ系ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V70)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V65)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(V601)、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)が挙げられる。これらの中では、汎用性の観点から、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(イソブチロニトリル)が好ましい。これらのアゾ化合物は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機ヨウ素化合物の生成に用いられるアゾ化合物の量は、有機ヨウ素化合物の生成が効率的であることから、ヨウ素1モルに対して1モル以上が好ましく、1.5モル以上がより好ましい。また、有機ヨウ素化合物の生成後、未反応のアゾ化合物がラジカル重合開始剤として作用することを考慮すると、該アゾ化合物の量はヨウ素1モルに対して5モル以下が好ましく、3モル以下がより好ましい。
ラジカル重合において用いられる有機ヨウ素化合物の量は、重合制御の観点から、ビニル単量体100モルに対して、0.1モル以上が好ましく、0.5モル以上がより好ましく、1モル以上が更に好ましい。また、重合度の観点から、50モル以下が好ましく、40モル以下がより好ましく、10モル以下が更に好ましい。なお、有機ヨウ素化合物を単離せず、in−situで生成させる場合には、有機ヨウ素化合物の量は用いたヨウ素の量から算出することができる。
<ラジカル重合開始剤>
本工程におけるラジカル重合ではラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤は特に限定されないが、例えば、前記アゾ系ラジカル重合開始剤、過酸化物系ラジカル重合開始剤を用いることができる。過酸化物系ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート(BPB)、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートが挙げられる。これらのラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合において用いられるラジカル重合開始剤の量は、ビニル単量体100モルに対して、0.005モル以上30モル以下が好ましく、0.01モル以上20モル以下がより好ましく、0.02モル以上15モル以下が更に好ましい。ラジカル重合開始剤の量がビニル単量体100モルに対して0.005モル以上であれば、重合体を効率良く容易に製造できる。また、ラジカル重合開始剤の量がビニル単量体100モルに対して30モル以下であれば、重合反応を制御しやすい。
<リン化合物(B)、含窒素化合物、含酸素化合物>
本工程におけるラジカル重合では、前記ビニル単量体、前記有機ヨウ素化合物、前記ラジカル重合開始剤の他に、重合中の重合体末端に形成される炭素−ヨウ素結合のヨウ素原子を引き抜く目的で、リン化合物(B)、含窒素化合物および含酸素化合物から選ばれる少なくとも1種を添加することが好ましい。これらの化合物を添加することにより、重合体末端の炭素−ヨウ素結合からの、ヨウ素原子の均一解離反応が促進され、重合体末端にラジカルが生成する頻度が向上する。これらの化合物の中でも、重合制御の観点から、リン化合物(B)、含窒素化合物がより好ましい。
リン化合物(B)としては、亜リン酸エステル、フォスフィネート系化合物が挙げられる。亜リン酸エステルとしては、例えば、ジメチルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、ジフェニルフォスファイト、ジベンジルフォスファイト、ビス(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)フォスファイト、ジアリルフォスファイト、エチレンフォスファイト等が挙げられる。フォスフィネート系化合物としては、ジパーフロロエチルフォスフィネート、エトキシフェニルフォスフィネート、フェニルフェノキシフォスフィネート、エトキシメチルフォスフィネート、フェノキシメチルフォスフィネート等が挙げられる。これらの中でも、特に入手のし易さ、溶解性の観点から、ジメチルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、ジフェニルフォスファイトが好ましい。これらのリン化合物(B)は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なお、リン化合物(B)は、ラジカル重合工程後に別途添加する、後述するリン化合物(A)と同じであってもよく、異なっていてもよい。
含窒素化合物は、窒素原子を有する化合物であり、イミド系化合物が挙げられる。イミド系化合物としては、例えば、スクシンイミド、2,2−ジメチルスクシンイミド、α,α−ジメチル−β−メチルスクシンイミド、3−エチル−3−メチル−2,5−ピロリジンジオン、シス−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、5−メチルヘキサヒドロイソインドール−1,3−ジオン、2−フェニルスクシンイミド、α−メチル−α−フェニルスクシンイミド、2,3−ジアセトキシスクシンイミド、マレイミド、フタルイミド、4−メチルフタルイミド、N−クロロフタルイミド、N−ブロモフタルイミド、4−ニトロフタルイミド、2,3−ナフタレンカルボキシイミド、ピロメリットジイミド、5−ブロモイソインドール−1,3−ジオン、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド(NIS)などが挙げられる。これらの中でも、入手のし易さ、溶解性の観点から、スクシンイミド、フタルイミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、NISが好ましい。これらの含窒素化合物は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
含酸素化合物は、酸素原子を有する化合物であり、フェノール性水酸基を有するフェノール系化合物、フェノール性水酸基のヨウ素化物であるアイオドオキシフェニル化合物、ビタミン類が挙げられる。フェノール系化合物としては、例えばフェノール、ヒドロキノン、メトキシヒドロキノン、t−ブチルフェノール、t−ブチルメチルフェノール、カテコール、レゾルシン、ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、ジメチルフェノール、トリメチルフェノール、ジ−t−ブチルメトキシフェノール、ヒドロキシスチレンを重合したポリマーまたはそのヒドロキシフェニル基担持ポリマー微粒子等が挙げられる。これらは保存のための重合禁止剤としてビニル単量体に添加されているため、市販のビニル単量体を精製せずにそのまま使用することで添加することもできる。アイオドオキシフェニル化合物としては、例えばチモールアイオダイドなどが挙げられる。ビタミン類としては、例えばビタミンC、ビタミンEなどが挙げられる。これらの中でも、入手のし易さ、溶解性の観点から、フェノール、カテコール、ビタミンC、ビタミンEが好ましい。これらの含酸素化合物は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。
ラジカル重合において用いられるリン化合物(B)、含窒素化合物および含酸素化合物から選択される少なくとも1種の量は、有機ヨウ素化合物のヨウ素1モルに対して0.001モル以上が好ましく、0.005モル以上がより好ましく、0.01モル以上が更に好ましい。また、重合制御の観点から、該量は有機ヨウ素化合物のヨウ素1モルに対して4モル以下が好ましく、3.5モル以下がより好ましく、2モル以下が更に好ましい。
<ラジカル重合>
ラジカル重合における重合温度は特に限定されないが、ラジカル重合開始剤の分解のしやすさの観点から0〜150℃が好ましく、重合制御の観点から20〜120℃がより好ましい。ラジカル重合における重合時間は特に限定されないが、例えば0.5〜24時間行うことができる。
重合方法としては特に限定されないが、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。溶液重合法では、バッチ重合、重合中に単量体を追加するセミバッチ重合、連続重合等を適用することができる。
ラジカル重合では必要に応じて溶媒を用いることができる。即ち、反応系に溶媒を添加して重合反応を行うことができる。溶媒を用いることで、重合系の粘度を容易に調整することができ、重合の制御を容易に行うことができる。
溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン等の直鎖又は分岐鎖ケトン類;シクロペンタノン、シクロヘキサノン等の環状ケトン類;N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の鎖状エーテル類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のジエチレングリコールアルキルエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、シクロヘキサノール、1−オクタノール等のアルコール類;ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジブチルブタン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、n−ドデカン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;炭酸エチレンが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒の量はビニル単量体100質量部に対して、30質量部以上700質量部以下が好ましい。
また、エマルション系又は超臨界流体COを媒体とする系でも重合反応を行うことができる。
ラジカル重合反応は空気存在下で行われてもよいが、ラジカル重合開始剤の効率の観点から、窒素やアルゴン等の不活性ガスで空気を置換した条件下で行われることが好ましい。
ラジカル重合反応により得られる反応物に含まれる重合体の数平均分子量(Mn)は、3000〜200000が好ましい。また、該重合体の分子量分布(Mw/Mn)は1.1〜2.5が好ましい。なお、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は後述する方法により測定した値である。
(リン化合物(A)添加工程)
本発明に係る方法は、前記ラジカル重合により得られる反応物にリン化合物(A)を添加する工程を含む。ビニル単量体を有機ヨウ素化物の存在下でラジカル重合すると、末端に炭素−ヨウ素結合を有する重合体を含む反応物が得られる。本発明では該反応物に対してリン化合物(A)を別途添加することにより、重合体末端に存在する炭素−ヨウ素結合のヨウ素原子を引き抜く末端変換反応を効果的に行うことができ、重合体の光学特性や耐熱分解性を向上させることができる。特に、リン化合物(A)として亜リン酸ジエステルを用いた場合には、亜リン酸ジエステルには引き抜かれやすい水素原子が存在するため、重合体末端がプロトン化されると予想される。
<リン化合物(A)>
リン化合物(A)としては、亜リン酸ジエステルを用いる。中でも、特に入手のし易さ、溶解性の観点から、ジメチルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、ジフェニルフォスファイトが好ましい。これらのリン化合物(A)は一種を用いてもよく、二種以上を併用してもよい。なお、前記ラジカル重合工程において前記リン化合物(B)を用いる場合には、リン化合物(A)は前記リン化合物(B)と同じであってもよく、異なっていてもよい。
リン化合物(A)の添加量は、反応性の観点から、前記ラジカル重合により得られる反応物に含まれるヨウ素1モルに対して5モル以上であり、5.5モル以上が好ましく、6モル以上がより好ましい。また、反応後の除去効率の観点から、リン化合物(A)の添加量は、前記ラジカル重合により得られる反応物に含まれるヨウ素1モルに対して50モル以下であり、40モル以下が好ましく、20モル以下がより好ましい。
本工程では末端変換反応を効率的に行うため、リン化合物(A)に加えてラジカル開始剤をさらに添加してもよい。ラジカル開始剤を添加する場合、ラジカル開始剤の量は反応性の観点から、前記ラジカル重合により得られる反応物に含まれるヨウ素1モルに対して0.01モル以上が好ましく、0.1モル以上がより好ましい。また、副反応抑制の観点から、ラジカル開始剤の量は、前記ラジカル重合により得られる反応物に含まれるヨウ素1モルに対して30モル以下が好ましく、20モル以下がより好ましく、10モル以下が更に好ましい。
リン化合物(A)の添加は、ビニル単量体を有機ヨウ素化合物の存在下でラジカル重合した後の重合溶液に対して行っても、該重合溶液に対して再沈等のモノマー除去操作を行うことによって得られた重合体を溶媒に溶解させたものに対して行ってもよい。該溶媒としては、前記ラジカル重合で必要に応じて用いることができる溶媒と同様の溶媒を用いることができる。
リン化合物(A)を添加する反応物中に含まれる重合体の濃度は、5〜50質量%であることが好ましい。該濃度が5質量%以上であれば、重合体とリン化合物(A)との接触頻度が高くなり、反応速度が向上する。また、該濃度が50質量%以下であれば、溶液の粘度上昇が抑えられ、均一に分散しやすくなり、効果的に反応が進行する。
リン化合物(A)の添加は空気存在下で行ってもよいが、ラジカル開始剤を添加した場合にラジカル開始剤の活性の観点から、窒素やアルゴン等の不活性ガスで空気を置換した条件下で行うことが好ましい。
リン化合物(A)を添加する反応物の温度は、温度制御のしやすさの観点から20〜110℃が好ましく、末端処理の効率の観点から30〜100℃がより好ましい。
(保持工程)
本発明に係る方法は、リン化合物(A)添加工程の後に、リン化合物(A)を添加した反応物を保持する工程をさらに含むことが好ましい。保持工程を行うことにより、リン化合物(A)とヨウ素が接触する確率が高くなり、効率的に重合体末端のヨウ素を変換することができる。ここで「保持」とは、反応物を所定の温度で一定時間撹拌又は静置することを示す。
リン化合物(A)を添加した反応物を保持する温度は20〜110℃であることが、ラジカル開始剤を添加した場合にラジカル開始剤の反応性の観点から好ましい。該温度は40〜100℃であることがより好ましく、45〜70℃であることが更に好ましい。
リン化合物(A)を添加した反応物を保持する時間は0.5〜12時間であることが、反応性や生産性の観点から好ましい。該時間は1〜9時間であることがより好ましく、2〜5時間であることが更に好ましい。
(重合体の用途)
本発明に係る方法により得られる重合体は、各種用途に使用することが出来る。該重合体の用途としては、例えば、着色が少なく分子量分布が狭いことを利用した塗料用組成物、リソグラフィー用重合体等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、「部」は「質量部」を示す。
(1)数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
GPC(東ソー(株)製、「HLC−8220」(商品名)、カラム:TSK GUARD COLUMN SUPER HZ−L(4.6×35mm)、TSK−GEL SUPER HZM−N(6.0×150mm)×2直列接続、溶離液:クロロホルム、測定温度:40℃、流速:0.6mL/分)を用い、ポリメタクリル酸メチルをスタンダードとして測定した。
(2)全光線透過率および黄色度(YI)の測定
JIS K7136に従って、全光線透過率を測定した。また、JIS K7105に従って、黄色度(YI)を測定した。これらにより、光学特性を評価した。
(3)1%重量減少温度(Td)の測定
TG/DTA(セイコーインスツルメンツ(株)製、「TG/DTA6300」(商品名)、測定温度:100℃〜500℃(10℃/分)、流速:窒素50mL/分)を用い、1%重量減少温度(Td)を測定した。これにより、耐熱分解性を評価した。
<実施例1>
(ラジカル重合工程)
ビニル単量体としてメタクリル酸メチル(MMA)10g(1mol)、ヨードイソブチロニトリル(CPI)(東京化成製)0.975g(5.0mmol)、N−ヨードサクシンイミド(NIS)0.028g(0.12mmol)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)0.410g(2.5mmol)、トルエン100gを三口フラスコ内で混合し、アルゴン置換を行った。該三口フラスコを80℃のオイルバスに浸漬させ、ラジカル重合を開始させた。80℃で3.5時間ラジカル重合反応を実施した後、ヘキサン再沈を行い、反応物であるパウダー(A−1)を得た。パウダー(A−1)のMnは12800、Mw/Mnは1.47であった。
(リン化合物(A)添加工程、保持工程)
三口フラスコ内で、前記パウダー(A−1)15g(ヨウ素含有量0.65mmol)、トルエン30g部、ジエチルフォスファイト0.552g(4.0mmol)、AIBN0.656g(4.0mmol)を混合した溶液を調製し、アルゴン置換を行った。該三口フラスコをオイルバスに浸漬させ、55℃で3時間保持した。その後、反応溶液をトルエンで希釈し、メタノール中に加えて再沈させた。沈殿を回収後、メタノールで洗浄し、40℃で一晩真空乾燥して重合体を得た。
得られた重合体を、小型射出成型機(機種名「CS−183−MMX」、カスタム・サイエンティフィック・インスツルメンツ社製)により、210℃で成型し、10(幅)×20(長手)×1(厚さ)mmの成型体を得た。該成型体について、前記方法により、全光線透過率、黄色度(YI)および1%重量減少温度(Td)の測定を行った。結果を表1に示す。
<比較例1>
リン化合物(A)添加工程において、ジエチルフォスファイトを添加しなかったこと以外は実施例1と同様に重合体を製造し、評価した。結果を表1に示す。本比較例ではリン化合物(A)を用いず、単に溶媒中で加熱し、再沈精製したため、全光線透過率が低く、成型体は褐色に着色した。また、Tdが低かった。
<比較例2>
リン化合物(A)添加工程において、ジエチルフォスファイトの代わりにジブチルヒドロキシトルエンを0.881g(4.0mmol)添加し、保持工程において90℃で保持した以外は実施例1と同様に重合体を製造し、評価した。結果を表1に示す。本比較例ではリン化合物(A)を用いなかったため、全光線透過率が低く、成型体が黄色に着色した。
<比較例3>
リン化合物(A)添加工程において、トルエンの代わりにジメチルアセトアミドを用い、ジエチルフォスファイトとAIBNの代わりにアクリル酸カリウムを0.500g(4.5mmol)添加した以外は実施例1と同様に重合体を製造し、評価した。結果を表1に示す。本比較例ではリン化合物(A)を用いなかったため、成型体が黄色に着色した。また、Tdが低かった。
Figure 0006569052

Claims (6)

  1. ビニル単量体を有機ヨウ素化合物の存在下でラジカル重合する工程と、
    前記ラジカル重合により得られる反応物に亜リン酸ジエステルを添加する工程と、
    を含み、
    前記亜リン酸ジエステルの添加量が、前記反応物に含まれるヨウ素1モルに対して5〜50モルである重合体の製造方法。
  2. 前記亜リン酸ジエステルを添加する工程の後に、前記リン化合物(A)を添加した前記反応物を保持する工程をさらに含む請求項1に記載の重合体の製造方法。
  3. 前記亜リン酸ジエステルを添加した前記反応物を保持する温度が20〜110℃である請求項2に記載の重合体の製造方法。
  4. 前記亜リン酸ジエステルを添加した前記反応物を保持する時間が0.5〜12時間である請求項2又は3に記載の重合体の製造方法。
  5. 前記ビニル単量体をラジカル重合する工程において、リン化合物(B)、含窒素化合物および含酸素化合物から選ばれる少なくとも1種を存在させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
  6. 前記亜リン酸ジエステルがジメチルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、ジフェニルフォスファイトから選択される少なくとも一種である請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体の製造方法。
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